AJACS「生命科学分野におけるナレッジグラフとオントロジーを知って・学んで・使う」
- 参加受付中

「データ解析講習会:AJACS(あじゃっくす)」は、生命科学におけるデータ解析の入り口を提供します。
膨大かつ多様化するゲノム、タンパク質、臨床情報などがデータベースで次々に公開される現代、研究の現場ではこれらの情報を自在に扱えているでしょうか。たとえば「実験で見出した変異がヒトでどの疾患と結び付き、モデル動物ではどのような表現型を示すのか」を調べようとすると、GenBank で配列を確認し、ClinVar で臨床的意義を確かめ、MGI でマウス表現型を探す――といった具合に複数のデータベースを行き来しながら異なる ID や用語を手作業で突き合わせる必要があり、新しい知見にたどり着くことは困難です。この課題を解決するのが、関連するデータを結び付けるナレッジグラフと、その共通語彙にあたるオントロジーです。本講習会では、公開ツール(TogoID、RDF Portal、PubCaseFinder ほか)を用いて、手元の実験結果を文献や公共 DB と紐付ける方法をご紹介します。さらに、大規模言語モデルを用いたデータ統合の取り組みなど、最新の事例もご紹介します。生命科学分野で活用される情報技術を自身の研究に取り入れたい、自身で収集したデータを高度に管理したい・外部のデータと繋げたいなど、データを扱う上での先端の話題や実践的な使い方を知りたい・学びたいという方を対象とします。
お知らせ
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2025年5月12日プログラム詳細を公開し、受講登録の受付を開始しました。
受講登録
締切:2025年6月25日 (水) 23:59
プログラム
13:30~13:40 | NBDCの紹介 |
13:40~13:45 |
生命科学分野におけるナレッジグラフとオントロジー 大田 達郎氏 (千葉大学) |
13:45~14:15 |
生命科学分野における知識グラフとRDFポータル 川島 秀一氏 (DBCLS) 生命科学の研究現場では、異なるデータベース間での情報統合が大きな課題となっています。本講義では、ゲノム、疾患、表現型など多様な生命科学データを横断的に結び付けるための基盤技術として、知識グラフとRDF(Resource Description Framework)の役割を解説します。RDFポータルの基本機能やSPARQL検索の仕組みに加え、国内外のリソースと連携した活用事例を紹介し、研究データ統合への第一歩をわかりやすく紹介します。 |
14:15~14:45 |
TogoID による生命科学データベースの横断利用 池田 秀也氏 (DBCLS) TogoID は遺伝子、タンパク 質、化合物、文献など異なるデータベースで使われる ID を相互に変換・連携できる公開サービスです。本講義では、ウェブブラウザ上で ID 間の対応関係を取得する基本操作から、遺伝子シンボルなどのラベルを ID に変換する機能、RESTAPI による自動化、オントロジーとの併用で得られる統合解析の例まで、実践的な横断利用の手法を紹介します。 |
14:55~15:25 |
生命科学分野におけるオントロジーの活用事例: NANDO と PubCaseFinder 藤原 豊史氏 (DBCLS) 「オントロジーとは何か」という基本的な概念を解説し、生命科学分野におけるオントロジーの活用事例としてPubCaseFinderを、構築事例としてNANDOを紹介します。これらを通じて、オントロジーがデータ統合や検索の精度向上にどのように貢献するのかを具体的に説明します。 |
15:25~15:55 |
大規模言語モデルを用いたサンプルメタデータの自動キュレーション 池田 秀也氏 (DBCLS) 大規模言語モデル(LLM)によって自然言語からの高精度なエンティティ抽出が可能になりました。本講演では、モデルの追加学習なしで実装した我々のツールとその精度評価について解説します。DNA シーケンス試料の自由記述メタデータを自動で整理・補完することで、研究現場のデータ整備コスト削減と再利用性向上を目指しています。 |
開催概要
日時 | 2025年6月26日 (木) 13:30-15:55 |
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開催方法 |
Zoomウェビナーによるライブ配信 (予定) |
参加費 | 無料 |
主催 | 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) |
共催 | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS) |
問合せ先 |
AJACS[AT]biosciencedbc.jp |