日本人類遺伝学会第63回大会
スポンサードセミナー
『NBDCヒトデータベース』と『TogoVar』:人類遺伝学研究への貢献を目指して
日本人類遺伝学会第63回大会(2018年10月10日~13日、パシフィコ横浜)において、10月11日(木)、スポンサードセミナー「『NBDCヒトデータベース』と『TogoVar』:人類遺伝学研究への貢献を目指して」を開催します。ヒト由来のゲノムデータなどを共有するための仕組みである「NBDCヒトデータベース」と、そこに登録されたヒトゲノム中のバリアント頻度情報を参照できる新サービス「TogoVar」について、開発・運用を担当するNBDC研究員がその機能や最新情報をご紹介します。
日時 :2018年10月11日(木)15:30~16:30
会場 :パシフィコ横浜会議センター 第3会場(3階 303)
座長:川嶋実苗(科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター)
演者:三橋信孝(科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター)
演者:豊岡理人(科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター)
- 発表資料
- 動画
- 要旨
NBDCは、ヒト由来のゲノムデータなどを共有するための『NBDCヒトデータベース』を2013年10月より国立遺伝学研究所DDBJセンターと共同運営している。DDBJセンターは、Japanese Genotype-phenotype Archive (JGA)を構築し、データの格納と払い出しを行なっている。一方、NBDCはガイドラインの策定やデータ提供及び利用時の審査を担当している。2018年5月末現在でデータ提供は155件の申請があり、そのうち89件が公開されている。また、データ利用においては、制限公開データは42件(国内:26件、国外:16件)が利用中であり、利用申請が不要の非制限公開データは、のべ2万8千件以上ダウンロードされている。ユーザの利便性向上とヒト由来ゲノムデータのさらなる利活用のため、本年度よりふたつの試みを開始したので紹介する。
まずは、ヒト由来ゲノムデータ解析のための計算機環境の充実である。従来は責任分担を明確にするため、JGAデータの利用をデータ利用者が所属する機関が所有する計算機内に限定していた。今回、ガイドラインを改正し、利用者との責任分担や情報セキュリティ対策などに関してNBDCが提示した条件を満たす国内のスーパーコンピュータなどを『機関外サーバ』として利用可能にした。データ利用者は、データ利用の際に機関外サーバへ利用申請を行うことで、大量のNGSデータを高速に処理できる計算機環境を利用できるようになる。
もうひとつは、ヒト由来ゲノムデータを2次加工した集計データの非制限公開である。この度、上述のNBDCヒトデータベースに登録されたヒトゲノムデータ中のバリアントの頻度情報を参照するデータベースとして『TogoVar』を開発した。このデータベースはWebから無料で参照が可能であり、NBDCヒトデータベースに登録されたデータセットに加えてExome Aggregation Consortium(ExAC) や東北メディカル・メガバンク機構のIntegrative Japanese Genome Variation Database (iJGVD)、京都大学のHuman Genetic Variation Database (HGVD) に登録されたバリアントの頻度情報が参照可能である。TogoVarは検索機能や検索結果からのフィルタ機能を提供する「検索ビュー」と、Variant Effect Predictorより出力したアノテーション情報やゲノムブラウザおよび関連する論文とその引用数を表示する「バリアントビュー」から成る。NBDCヒトデータベースに登録されるヒトゲノムの情報は今後更に増大することが期待される為、これらの情報を元に頻度情報の更新を適宜実施し日本人集団を反映した頻度データベースとして成長させていきたいと考えている。
ブース出展も行います
10月11日から13日まで、大会会場にてブースを出展しています。「NBDCヒトデータベース」や「TogoVar」をはじめとした各種データベースやツールをご紹介するとともに、ヒトデータの受け入れや提供についてもご相談をお受けします。ぜひお立ち寄りください。
日時:
2018年10月11日(木)9:00~18:10
2018年10月12日(金)8:30~18:45
2018年10月13日(土)9:00~15:00
会場 :パシフィコ横浜会議センター 3階 301・302(ブース番号18)