症状名・疾患名検索ツール「CaseSharing mini」および PubCase Finder APIの提供を開始
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ライフサイエンス統合データベースセンター (DBCLS) は、2024年8月30日、PubCaseFinderに以下の新機能を実装したと発表しました。
1. 症例・症状検索ツール「CaseSharing mini」の提供開始
臨床情報の入力支援を目的とした症例・症状検索ツール、「CaseSharing mini」の提供を開始しました。CaseSharing mini では、Human Phenotype Ontology (HPO) に対応する臨床症状、もしくは ICD-10等に対応する疾患名を検索し、症状名もしくは疾患名のリストを取得することができます。症例情報管理支援ツール「CaseSharing」のサブツールとして提供されています。
臨床症状の検索では、単語入力のほか、任意の文章からの自動抽出も可能です。CaseSharing mini を利用して得た症状のリストはクリップボードへコピーできるほか、PubCaseFinder の 希少・遺伝性疾患検索ツール「Disease Search」にて、疑い病名を検索することもできます。
また、疾患名検索は、ICD-10のほか、OMIM/Orphanet、指定難病/小児慢性特定疾病 (NANDO) にも対応し、日英どちらでも検索が可能です。OMIM/Orphanetに対する日本語検索は、OMIM/Orphanet の語彙をすべて日本語化することによって実現されています (正確には Mondoに含まれるOMIM/Orphanet の日本語化)。
蓄積された情報の活用にあたっては、しばしば、入力の漏れや表記揺れが妨げとなります。 CaseSharing mini の利用を通じ、情報が入力される段階で情報表現が統一されることで、情報の活用が促進され、研究や創薬が加速されうると考えられます。
2. PubCaseFinder API の提供開始
PubCaseFinder のほぼ全ての収録データをプログラム経由で直接取得できる、PubCaseFinder API の提供を開始しました。今後、年間で複数回の定期アップデートを予定しており、第1回は9月中に行われます。
APIの仕様は、下記ページをご確認ください。
DBCLSは、今回の発表文のなかで、CaseSharing mini を AMED難治性疾患実用化研究事業の課題「難病のゲノム医療実現に向けた全ゲノム解析の実施基盤の構築と実践」へ提供しており、日本の難病患者の臨床情報収集に貢献していることを強調しています。
また、あわせて「DiseaseSearch」の検索機能の改善、希少・遺伝性疾患関連の遺伝子パネルデータ検索ツール「PanelSearch」のデータ表示の改善をおこなったことも紹介しています。
「PubCaseFinder」は、「PanelSearch」、「CaseSharing」、「DiseaseSearch」の3つの機能を有する希少・遺伝性疾患情報サービスです。ライフサイエンスデータベース統合推進事業における基盤技術開発プロジェクトの一環として開発・提供されています。