「万物メタボロームレポジトリファミリー(XMRs)」が公開されました

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2022年12月6日

特定の生物に存在する未知の化合物を探索できるデータベース「万物メタボロームレポジトリファミリー(XMRs)」に関する論文が、2022年11月24日(日本時間)に、「Nucleic Acids Research (Database Issue)」に掲載されました。本論文では、XMRsを用いて化合物とゲノム情報を統合的に解析し、特定の植物種にのみ存在する特異的な代謝経路上の化合物と、それらの化合物の代謝に関与する遺伝子候補を明らかにした事例などが報告されています。

XMRsは、情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所の櫻井 望 特任准教授らの研究グループが開発・公開しています。「食品メタボロームレポジトリ(食レポ)」、「植物メタボロームレポジトリ(植レポ)」、「万物メタボロームレポジトリ(ものレポ)」から構成されるデータベースファミリーです。生物をはじめとする試料中の化合物成分を網羅的に検出するメタボローム解析の技術を用いて、動植物・微生物・食品・環境サンプル・工業製品など、合計1,000種類を超える様々な試料を分析し、構築されました。
本データベースを使えば、試料中の既知・未知化合物成分を任意の試料間で比較することができます。本データベースによって化合物界全体から未知の化合物を同定することが可能になるため、未知の代謝物の同定や新たなマーカー化合物の発見など、分野を超えた研究成果が期待されます。

XMRsは「統合化推進プログラム」の研究開発課題「物質循環を考慮したメタボロミクス情報基盤(研究代表者 有田 正規 情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 教授)」の支援を受けて開発・運営されています。

詳細は、原著論文および国立遺伝学研究所のプレスリリースをご覧ください。

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