【プレス発表】ビフィズス菌が優勢になる乳児の腸内フローラ形成機構を解明―母乳に含まれるオリゴ糖の主要成分の利用がカギ―

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2016年7月5日

 情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所(研究当時:東京工業大学)の黒川顕教授および東京工業大学の森宙史助教らは、ヤクルト本社中央研究所、帝京大学医学部の研究グループと共同で、乳児期のビフィズス菌優勢の腸内フローラ形成には、母乳オリゴ糖の主要な構成成分であるフコシルラクトース(FL)が重要であることを突き止めました。

 FLを利用できるビフィズス菌が定着した乳児は、そうでない乳児に比べて便中のビフィズス菌の占有率や酢酸濃度が高く、大腸菌群の占有率やpHが低いことがわかりました。そして、ビフィズス菌に利用されるFLを輸送するABC輸送体が、ビフィズス菌優勢の腸内フローラの形成において中心的な役割を担っていることを解明しました。これはビフィズス菌のオリゴ糖利用性が、乳児とビフィズス菌の共生関係の構築に重要であることを示し、乳幼児期におけるビフィズス菌優勢の腸内フローラの意義の解明につながることが期待されます。

 本研究では、乳児糞便のメタゲノム解析と併せて、乳児糞便から単離したビフィズス菌29株のゲノムを解読し、統合化推進プログラムの一環で開発された手法により、遺伝子アノテーションおよび比較ゲノム解析を実施しています。各菌株がもつ遺伝子群を詳細に比較解析し、FL利用の中心的役割を果たす新規ABC輸送体を明らかにしていますが、この新規ABC輸送体が、これまで世界中で研究されてきたヒト腸内環境や自然環境中の細菌フローラにどの程度存在するのかなど、微生物統合データベースMicrobeDB.jpを利用する事で容易に解析する事が可能となっています。

 本成果の研究で得られたデータは、公共データベースに登録するとともに、MicrobeDB.jpにも統合化される予定です。

 詳細はプレスリリースをご覧ください。

論文情報
 論文タイトル : A key genetic factor for fucosyllactose utilization affects infant gut microbiota development
 掲載誌 : Nature Communications
 DOI : 10.1038/ncomms11939

研究開発課題の概要
 研究開発課題 ゲノム・メタゲノム情報統合による微生物DBの超高度化推進
 研究代表者  黒川 顕
 所属・役職  情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 教授

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