【統合化推進プログラム】生体内の多様なメタボロームを解析する新たな手法に関する論文が公開されました

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2019年4月1日

概要

理化学研究所環境資源科学研究センターメタボローム情報研究チームの津川裕司研究員、有田正規チームリーダー、統合メタボロミクス研究グループの中林亮研究員、斉藤和季グループディレクター(千葉大学大学院薬学研究院教授)らの国際共同研究グループは、安定同位体標識を利用した新たなメタボローム解析手法を開発し、代謝物の複雑な質量分析ビッグデータから生物情報を高精度かつ円滑に得るための方法論を提示しました。本研究成果は、2019年3月29日付けのNature Methodsに掲載されました。

本研究開発の一部は、NBDCの「統合化推進プログラム」における研究開発課題「物質循環を考慮したメタボロミクス情報基盤」の一環として実施されました。

代謝物の類似性などによるネットワーク
本研究開発で検出された代謝物を類似性などに基づいて構築したネットワークの例。「グルコシノレート」という代謝物クラスが、そのMS/MSスペクトルの類似性から凝集している。

この技術を用いて、安定同位体で標識した12種の植物種(イネ、トウモロコシ、トマト、ジャガイモ、甘草、タバコ、チャボイナモリを含む)より、新規代謝物69個を含む1,133個の代謝物の組成式を決定することに成功しました。新たに開発したメタボローム解析技術を、統合解析プログラム「MS-DIAL」のver.3.0に組み込み、文献情報とも照らし合わせながらさらなる解析を進めたところ、今回組成式を決定した1,133個のうち7割以上に当たる824個の構造を割り当てることができました。

また、シロイヌナズナの代謝物を本手法を用いて解析したところ、環境因子(開花時間や乾燥ストレス、および窒素飢餓状態など)と関連する複数の代謝物を新たに見いだすことができました。

詳細は、論文発表に合わせてJSTが行ったプレスリリースをご覧ください。

なお、今回解析されたメタボロームデータは、Massbankに収録されます。

論文情報

A cheminformatics approach to characterize metabolomes in stable isotope-labeled organisms

Hiroshi Tsugawa, Ryo Nakabayashi, Tetsuya Mori, Yutaka Yamada, Mikiko Takahashi, Amit Rai, Ryosuke Sugiyama, Hiroyuki Yamamoto, Taiki Nakaya, Mami Yamazaki, Rik Kooke, Johanna Bac-Molenaar, Nihal Oztolan-Erol, Joost Keurentjes, Masnaori Arita, and Kazuki Saito., Nature Methods, (DOI: 10.1038/s41592-019-0358-2)

プレスリリース

情報科学で生体内の多様なメタボロームを包括的に解明-質量分析インフォマティクスと安定同位体標識植物の統合解析-(2019年3月29日付)

研究開発課題の概要

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