【14】ChIP-Atlas 2021 update: エピゲノミクス統合データベースの開発と機能拡充
発表者
○鄒兆南(京都大)、三浦史仁(九州大)、大田達郎(DBCLS)、沖 真弥(京都大)
※氏名の前の「○」は、代表発表者であることを表します。
DOI
概要
これまで死蔵されているNGSデータに光を当てるために、我々は公開されている全てのChIP-seqデータを網羅的に収集、計算、統合したデータベースChIP-Atlasを開発した。これにより、転写因子結合やヒストン修飾は簡単にわかるようになったが、クロマチンアクセシビリティやDNAメチル化状態などのエピゲノミクス情報が包括されていないため、遺伝子発現制御を全体的に理解することは未だに困難である。
そこで我々は6つの生物種のATAC-seq (n = 52,231) およびBisulfite-seqデータ (n = 28,697) を全て収集した。これらのデータをゲノムブラウザで可視化することにより、所与のゲノム領域への蛋白結合のみならず、オープンクロマチン情報やDNAメチル化状態も一目で理解できるようになった。実際にこれらのデータを活用し、GWAS Catalogから取得したnoncoding領域に分布する疾患関連SNPの機能的アノテーションを行った。その結果、これらのSNPは疾患特異的な転写因子結合やエピジェネティック状態によってプロファイルできることが示された。この結果は遺伝性疾患の成り立ちの理解や精密医療のための疾患の層別化につながる。本学会では、エピゲノム地形の全貌を俯瞰する本データベースのアップデートを紹介し、幅広い研究分野での応用の可能性について議論する。
発表資料
- ChIP-Atlas 2021 update: エピゲノミクス統合データベースの開発と機能拡充(PDF:3.09MB)
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