【25】希少・遺伝性疾患検索システムPubCaseFinderの精度向上と今後について
発表者
○藤原豊史(DBCLS)、山口敦子(東京都市大)
※氏名の前の「○」は、代表発表者であることを表します。
DOI
概要
近年、希少・遺伝性疾患が疑われる未診断の患者を対象にゲノム解析を実施するプロジェクトが世界各国で進められているが、患者の60%以上はゲノム解析を用いても診断がつかない。そのため、依然として患者の症状をもとに正確な診断を行う能力が求められるが、疾患数の多さに比較して各疾患の頻度が低い中で、一人の医療者が十分な症例数の診療経験を積むことは困難であり、診断に至るのは容易ではない。そこで筆者らは、未診断患者の複数の症状を入力すると、診断候補として可能性の高い順に希少・遺伝性疾患をランキング提示する、医療関係者向けの検索システムPubCaseFinderを開発し、2018年から提供してきた。疾患ランキングは、患者の症状セットと各疾患の症状セットとの類似度を計算することによって生成されるが、本研究では入力症状に含まれるノイズに対してロバストな手法を開発した。複数の患者データセットおよびシミュレーションデータセットを用いて、同手法を採用したPubCaseFinderの疾患ランキング精度と、Phenomizer、LIRICAL、GDDPなど国外の最新システムの疾患ランキング精度とを比較した。その結果、多くのデータセットでPubCaseFinderのランキング精度が最も高いことを確認した。本発表では、新たに開発した手法とその評価結果の詳細、およびPubCaseFinderの今後について報告したい。
発表資料
- 希少・遺伝性疾患検索システムPubCaseFinderの精度向上と今後について(PDF:0.94MB)
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