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タイトル:公表特許公報(A)_4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを抗腫瘍剤と組み合わせて用いる乳癌の治療方法
出願番号:2013520816
年次:2013
IPC分類:A61K 31/167,A61K 31/282,A61K 31/7068,A61P 35/00,A61P 35/04,A61K 31/337,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

チャールズ・ブラッドリー JP 2013531068 公表特許公報(A) 20130801 2013520816 20110719 4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを抗腫瘍剤と組み合わせて用いる乳癌の治療方法 バイパー サイエンシズ,インコーポレイティド 507401258 結田 純次 100127926 竹林 則幸 100140132 チャールズ・ブラッドリー US 61/420,745 20101207 US 61/486,660 20110516 US 61/481,629 20110502 US 61/365,698 20100719 US 61/391,048 20101007 US 61/492,762 20110602 A61K 31/167 20060101AFI20130705BHJP A61K 31/282 20060101ALI20130705BHJP A61K 31/7068 20060101ALI20130705BHJP A61P 35/00 20060101ALI20130705BHJP A61P 35/04 20060101ALI20130705BHJP A61K 31/337 20060101ALI20130705BHJP A61P 43/00 20060101ALI20130705BHJP JPA61K31/167A61K31/282A61K31/7068A61P35/00A61P35/04A61K31/337A61P43/00 121 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2011044560 20110719 WO2012012448 20120126 107 20130315 4C086 4C206 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA02 4C086EA17 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA10 4C086MA66 4C086NA05 4C086ZB26 4C086ZC75 4C206AA01 4C206AA02 4C206GA07 4C206JB16 4C206MA03 4C206MA04 4C206MA28 4C206NA05 4C206ZB26 4C206ZC75関連出願 本明細書は、米国仮出願2010年7月19日に出願の特許文献1、2010年10月7日に出願の特許文献2、2010年12月7日に出願の特許文献3、2011年5月2日に出願の特許文献4、2011年5月16日に出願の特許文献5、及び2011年6月2日に出願の特許文献6の優先権の利益を請求し、それらのそれぞれの内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれている。 本発明は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくはその薬学的に許容しうる塩を抗腫瘍剤と組み合わせて投与することを含む乳癌を治療するための方法及び組成物に関する。 癌は、細胞増殖の異常制御を特徴とする疾患の一群である。癌の年間発生数は、米国だけで130万件を超えると推定される。癌を治療するために手術、放射線、化学療法及びホルモンが用いられているが、癌は、米国における死亡原因の第2のままである。56万人を超える米国人が毎年癌で死亡していると推定される。 癌細胞は、細胞増殖及び細胞死を正に及び負に調節するいくつかの経路を同時に活性化する。この特性は、細胞死及び生存シグナルの調整により、現在の化学療法的治療の有効性を改善するための新たな戦略を提供することができることを示唆している。 乳癌は、一般に、癌病変を除去する手術及び手術後に残っているかもしれないなんらかの癌細胞を攻撃するためのアジュバント療法(adjuvant therapy)−放射線、化学療法又は両方と組み合わせて治療される。乳癌は、大まかにはホルモン受容体(HR)の有り又は無しによって分類することができる。ホルモン受容体陽性癌(HR+)は、女性ホルモン受容体−エストロゲン受容体(ER)又はプロゲステロン受容体(PR)の一方又は両方の発現を特徴とする。 乳癌腫瘍は、一般にホルモン受容体(例えば、エストロゲン受容体及び/又はプロゲステロン受容体)及び/又は増殖因子受容体(例えば、HER2/ERBB2受容体)発現状態に基づいて治療コホートに分けられるが、ホルモン受容体陽性又は陰性乳癌腫瘍は、別の乳癌腫瘍サブタイプにさらに細かく分けられることが次第に明らかになってきた。cDNAマイクロアレイを用いると、少なくとも2つの異なる細胞タイプ(基底様及び管腔上皮細胞)から生じる5つの異なるサブタイプの乳房腫瘍が現れ;それらのサブタイプには、クローディン−ロウ(claudin-low)、基底様(basal-like)、HER2-enriched(HER2-enriched)、ルミナルA(luminal A)、及びルミナルB(luminal B)が含まれる。例えば、図1を参照のこと;また、非特許文献1を参照のこと。その分子分類学は、同じ腫瘍の反復サンプリング内ではほとんど相違を示さないが腫瘍全体では高い相違を示す遺伝子を選ぶために目的変数ありの分析(supervised analysis)を用いて同定された「固有の」遺伝子セットに基づいている。このような固有の遺伝子セットは、腫瘍の安定な生物学的性質を反映しており、そして典型的に、予後の有意性を有する異なる腫瘍サブタイプを同定する。化学療法剤レジメンの有効性は、例えば、白金感受性及び白金抵抗性の再発卵巣癌で観察されるように、乳癌腫瘍サブタイプにより変化することがある。 ER+乳癌のアジュバント療法には、多くの場合、タモキシフェン又はラロキシフェンのような選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)による化学療法が含まれる。残念なことに、乳癌の約70%が陽性ERであるのに対して、HR陰性である乳癌の残りの30%は、SERMによる治療に適してない。従って、ER陰性乳癌では、アントラサイクリンを(単独で又はタキサンと組み合わせて)用いる治療のような他のアジュバント化学療法が試されてきた。 アントラサイクリンを用いた治療は、心毒性の懸念に基づいた生涯投与限界(lifetime dosing limit)によって制限されている。ゲムシタビン及びカルボプラチンを用いた治療は、タキサン未投与(taxane-naive)か又はタキサン既投与(taxane-pretreated)かどうかにかかわらず、転移性乳癌患者に対して確立された併用化学療法である。白金剤は、基底様(basal-like)局所進行乳癌において有望な抗腫瘍活性を示している。DNA損傷剤は、これらの乳癌に特有のDNA修復経路における欠損のため、基底様乳癌に対して有望な抗腫瘍有効性を有する。 ゲムシタビンのような代謝拮抗剤及びカルボプラチンのような白金錯体剤の有用性にもかかわらず、ER陰性乳癌については認められた標準治療がない。特に、トリプルネガティブ転移性乳癌(すなわち、ER陰性、及び/又はPR陰性、及び/又はヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)陰性である乳癌)は、標準治療に対して不応性であり、そしてSERM化学療法に対してもっぱら不応性である。従って、一般に癌に対する、そして特にトリプルネガティブ転移性乳癌に対する有効な治療が必要である。 癌治療のための治療選択肢は、限られているが、転移性乳癌、トリプルネガティブ乳癌を含む癌の変種は、標準の化学療法又はホルモン治療に対して不応性でありうるため、特に困難である。従って、一般の癌、そして特に癌の変種に対して有効な治療が必要である。米国特許出願第61/365,698号米国特許出願第61/391,048号米国特許出願第61/420,745号米国特許出願第61/481,629号米国特許出願第61/486,660号米国特許出願第61/492,762号Prat and Perou, "Mammary development meets cancer genomics," Nature Medicine 15(8):907-913 (2009) 本明細書において、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを患者に投与することを含む、患者における転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌の治療方法であって、患者は、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を有し、ここで、患者は、本明細書に記載された治療を受ける前に転移性設定における少なくとも1つのライン(line)の治療(例えば、化学療法)を受けたことがある、前記治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、患者は、転移性設定(metastatic setting)において1ラインの治療又は2ラインの治療(例えば、1ラインの化学療法、又は2ラインの化学療法)を受けたことがある(例えば、患者は、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌の治療に用いられる以前の1ラインの治療又は以前の2ラインの治療を受けたことがある)。従って、本明細書に記載された治療は、転移性設定におけるセカンドライン治療又はサードライン治療として用いてもよい。本明細書に記載された以前のラインの治療は、以前のラインの化学療法であってもよい。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン、及び抗VEGF抗体の少なくとも1つを含む。例えば、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン、又は抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン及びタキサンを含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン及び抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、タキサン及び抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン、及び抗VEGF抗体を含む。本明細書に記載されたアントラサイクリンは、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、リポソーム製剤中のダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、リポソーム製剤中のドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、及びミトキサントロンのいずれかであってもよい。本明細書に記載されたタキサンは、パクリタキセル、ドセタキセル、及びアブラキサンのいずれかであってもよい。抗VEGF抗体は、ビバシズマブであってもよい。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、ネオアジュバント療法(neoadjuvant therapy)である。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アジュバント療法(adjuvant therapy)である。いくつかの実施態様において、乳癌は、少なくとも1つの転移性部位を有する。例えば、乳癌は、少なくとも2つの転移部位又は少なくとも3つの転移部位を有する。いくつかの実施態様において、転移部位は、肺、肝臓、中枢神経系、脳、骨、皮膚、軟組織、リンパ節、及び乳房からなる群より選ばれる。いくつかの実施態様において、患者は、少なくとも約1ヵ月(例えば、少なくともおよそ2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月、7ヵ月、8ヵ月、9ヵ月、10ヵ月、11ヵ月、12ヵ月、13ヵ月、14ヵ月、15ヵ月、16ヵ月、17ヵ月、18ヵ月、19ヵ月、又は20ヵ月)の無病期間(disease-free interval)を有する。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、静脈内に投与される。いくつかの実施態様において、ゲムシタビンは静脈内に投与される。いくつかの実施態様において、カルボプラチンは静脈内に投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、約5.6mg/kgで投与され、ゲムシタビンは、約1000mg/m2で投与され、そしてカルボプラチンは、AUC約2で投与される。いくつかの実施態様において、方法は、21日のサイクルを少なくとも1回含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週2回、約5.6mg/kgでサイクルのうちの2週間投与され、ゲムシタビンは、週1回、約1000mg/m2でサイクルのうちの2週間投与され、そしてカルボプラチンは、週1回、AUC約2でサイクルのうちの2週間投与される。いくつかの実施態様において、有効量は、21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1、4、8、11に約5.6mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、約11.2mg/kgで投与され、ゲムシタビンは、約1000mg/m2で投与され、そしてカルボプラチンは、AUC約2で投与される。いくつかの実施態様において、方法は、21日のサイクルを少なくとも1回含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週1回、約11.2mg/kgでサイクルのうちの2週間投与され、ゲムシタビンは、週1回、約1000mg/m2でサイクルのうちの2週間投与され、そしてカルボプラチンは、週1回、AUC約2でサイクルのうちの2週間投与される。いくつかの実施態様において、有効量は、21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される。いくつかの実施態様において、有効量は、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解(complete remission)、部分寛解(partial remission)、安定(stable disease)、及び病理学的完全奏効(pathologic complete response)からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる。いくつかの実施態様において、有効量は、完全奏効、部分奏効、又は安定を生じる。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、基底又は基底様乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、クローディン・ロウ乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、ERBB2陽性乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、ルミナルA乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、ルミナルB乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、正常様乳癌である。また、転移性乳癌を有する患者に有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを投与することを含む、患者における転移性乳癌の治療方法であって、患者は、少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、乳癌は、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性である。いくつかの実施態様において、有効量は、21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1、4、8、11に約5.6mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される。いくつかの実施態様において、有効量は、21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される。 また、本明細書において、乳癌を有する患者に、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(例えば、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド)及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩(例えば、パクリタキセル)を投与することを含む、患者における乳癌の治療方法であって、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与は、ネオアジュバント療法として用いられる、前記治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、方法は、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与後に、患者から乳癌組織を除去する手術をさらに含む。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与は、手術まで継続する。いくつかの実施態様において、方法は、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与の約2週〜約4週後に、患者から乳癌組織を除去する手術をさらに含む。いくつかの実施態様において、患者は、ER陰性、PR陰性及びHER2非過剰発現性乳癌を有する。いくつかの実施態様において、患者はII期乳癌を有する。いくつかの実施態様において、患者はIIIA期乳癌を有する。いくつかの実施態様において、乳癌を有する患者は、少なくとも2センチメートルの病変を有する。いくつかの実施態様において、患者は、乳癌の治療を以前に受けたことがない。いくつかの実施態様において、患者は、両側乳癌を有しない。いくつかの実施態様において、患者は、多中心性乳癌を有しない。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週2回、約5.6mg/kgで投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週1回、約11.2mg/kgで投与される。いくつかの実施態様において、タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、週1回、約80mg/m2で投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1及び4に約5.6mg/kgで投与され、そしてタキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1に約80mg/m2で投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1に約11.2mg/kgで投与され、そしてタキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1に約80mg/m2で投与される。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、少なくとも1週間、患者に投与される。いくつかの実施態様において、有効量は、患者において病理学的完全奏効を生じる。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、静脈内に投与される。いくつかの実施態様において、タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、静脈内に投与される。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 また、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを患者に投与することを含む、患者における乳癌の治療方法であって、患者は、ER陰性、PR陰性及びHER2非過剰発現性乳癌を有し、ここで、有効量は、21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、前記治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、乳癌は、転移性乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性乳癌を有する患者は、脳転移を有する。いくつかの実施態様において、転移は脳転移を含む。 また、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを患者に投与することを含む、患者における乳癌の治療方法であって、患者は、ルミナルBサブタイプの乳癌を有する、前記治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性である。一態様において、本明細書において、乳癌を有する患者に有効量の(i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩;(ii)ゲムシタビン;及び(iii)カルボプラチンを投与することを含む、患者におけるルミナルBサブタイプの乳癌の治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、有効量は、21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、(i)有効量のカルボプラチンは、治療サイクルの日1に5mg/ml・分(AUC5)で患者に投与され;(ii)有効量のゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に1000mg/m2の用量で患者に投与され;そして(iii)有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩は、週2回、治療サイクルの日1、4、8、及び11に5.6mg/kgの用量で患者に投与される。いくつかの実施態様において、有効量は、肺腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定、全奏効率における増加、又は病理学的完全奏効からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる。いくつかの実施態様において、有効量は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドなしで投与された前記ゲムシタビン及び前記カルボプラチンによる治療と比較して、匹敵する臨床的有用率(clinical benefit rate)(CBR=CR(完全寛解)+PR(部分寛解)+SD(安定)≧6ヵ月)を生じる。いくつかの実施態様において、臨床的有用率の改善は、約20%又はそれより高い。いくつかの実施態様において、方法は、手術、放射線治療、化学療法、遺伝子治療、DNA治療、ウイルス性治療、RNA治療、DNA治療、アジュバント療法、ネオアジュバント療法、免疫療法、ナノ療法又はそれらの組み合わせをさらに含む。いくつかの実施態様において、放射線治療は、患者にガンマ線照射を適用することを含む。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は転移性乳癌である。いくつかの実施態様において、転移は脳転移を含む。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、I期、II期又はIII期である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、エストロゲン受容体(ER)発現、プロゲステロン受容体(PR)発現について陰性であり、そしてHER2を過剰発現しない。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)を発現し、そしてHER2を過剰発現する。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、相同組換えDNA修復における欠損である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、BRCA欠損である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、BRCA1欠損である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、BRCA2欠損である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、BRCA1欠損及びBRCA2欠損である。 いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、静脈内に投与される。いくつかの実施態様において、ゲムシタビンは静脈内に投与される。いくつかの実施態様において、カルボプラチンは静脈内に投与される。 いくつかの実施態様において、乳癌は、転移性乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性乳癌を有する患者は、脳転移を有する。いくつかの実施態様において、転移は脳転移を含む。いくつかの実施態様において、有効量は、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定、全奏効率における増加、又は病理学的完全奏効からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる。いくつかの実施態様において、有効量は、完全奏効、部分奏効、安定を生じる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、手術、放射線治療、化学療法、遺伝子治療、DNA治療、ウイルス性治療、RNA治療、アジュバント療法、ネオアジュバント療法、免疫療法、ナノ療法又はそれらの組み合わせをさらに含む。いくつかの実施態様において、放射線治療は、患者にガンマ線照射を適用することを含む。 また、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するための、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなるキットが提供される。いくつかの実施態様において、キットは、本明細書に記載された方法のいずれか1つに従って転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)をさらに含む。また、(i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(ii)本明細書に提供される方法のいずれかに従って転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)を含んでなるキットが提供される。いくつかの実施態様において、患者は、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を有する。本明細書に記載された患者は、本明細書に記載された治療を受ける前に転移性設定において少なくとも1つのラインの治療(例えば、化学療法)を受けたことがある。いくつかの実施態様において、患者は、転移性設定において1ラインの治療又は2ラインの治療(例えば、1ラインの化学療法又は2ラインの化学療法)を受けたことがある(例えば、患者は、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌の治療に用いられる以前の1ラインの治療又は以前の2ラインの治療を受けたことがある)。従って、本明細書に記載された治療は、転移性設定におけるセカンドライン治療又はサードライン治療として用いてもよい。本明細書に記載された以前のラインの治療は、以前のラインの化学療法であってもよい。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン、及び抗VEGF抗体の少なくとも1つを含む。例えば、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン、又は抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン及びタキサンを含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン及び抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、タキサン及び抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン及び抗VEGF抗体を含む。本明細書に記載されたアントラサイクリンは、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、リポソーム製剤中のダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、リポソーム製剤中のドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、及びミトキサントロンのいずれかであってもよい。本明細書に記載されたタキサンは、パクリタキセル、ドセタキセル、及びアブラキサンのいずれかであってもよい。抗VEGF抗体は、ビバシズマブであってもよい。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、ゲムシタビン、及び/又はカルボプラチンの用量又は投与レジメンは、本明細書に記載されたいずれかの用量又は投与レジメンであることができる。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、約5.6mg/kgで投与され、ゲムシタビンは、約1000mg/m2で投与され、そしてカルボプラチンは、AUC約2で投与される。いくつかの実施態様において、方法は、少なくとも1回のサイクルを含み、ここで、サイクルは21日の期間であり、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週2回、約5.6mg/kgでサイクルのうちの2週間投与され、ゲムシタビンは、週1回、約1000mg/m2でサイクルのうちの2週間投与され、そしてカルボプラチンは、週1回、AUC約2でサイクルのうちの2週間投与される、いくつかの実施態様において、有効量は、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定、及び病理学的完全奏効からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる。いくつかの実施態様において、有効量は、完全奏効、部分奏効、又は安定を生じる。 転移性乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなるキットが提供される。いくつかの実施態様において、キットは、患者における転移性乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)をさらに含み、ここで、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある。また、(i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩;及び(ii)患者における転移性乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)を含んでなるキットであって、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記キットが提供される。用量又は投与レジメンは、本明細書に記載されたいずれかの用量又は投与レジメンであることができる。いくつかの実施態様において、乳癌は、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌である。 本明細書において、乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなるキットであって、キットは、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)をさらに含み、ここで、投与レジメンは、本明細書に提供された投与レジメンのいずれかによるものである、前記キットが提供される。また、(i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(ii)ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)を含んでなるキットであって、ここで、投与レジメンは、本明細書に提供された投与レジメンのいずれかによるものである、前記キットが提供される。例えば、治療は21日の治療サイクルを含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される。 本明細書において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)を含んでなるキットであって、キットは、乳癌(例えば、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌)を治療するために、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩を使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)をさらに含み、ここで、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与は、ネオアジュバント治療として用いられる、前記キットが提供される。また、本明細書において、(i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(ii)乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩を使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)含んでいなキットであって、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与は、ネオアジュバント治療として用いられる、前記キットが提供される。用量又は投与レジメンは、本明細書に記載されたいずれかの用量又は投与レジメンであることができる。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 例えば、いくつかの実施態様において、患者における転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなるキットであって、患者は、転移性設定における少なくとも1ラインの以前の治療を受けたことがある、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、キットは、患者における転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書をさらに含む。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)患者における転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて使用するための説明書を含んでなるキットであって、患者は、転移性設定における少なくとも1ラインの以前の治療を受けたことがある、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなる、患者における転移性乳癌を治療するためのキットであって、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、キットは、患者における転移性乳癌を治療するために有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書をさらに含む。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)患者における転移性乳癌を治療するために有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて使用するための説明書を含んでなるキットであって、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなるキットであって、キットは、患者における乳癌を治療するために有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書をさらに含み、ここで、治療は、21日の治療サイクルにわたって有効量を投与することを含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)患者における乳癌を治療するために有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて使用するための説明書を含んでなるキットであって、治療は、21日の治療サイクルにわたって有効量を投与することを含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩を含んでなる患者において乳癌を治療するためのキットであって、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、ネオアジュバント治療として用いられる、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、キットは、患者において乳癌を治療するために有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩を使用するための説明書をさらに含む。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)患者における乳癌を治療するために有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をタキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩と組み合わせて使用するための説明書を含んでなるキットであって、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及びタキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、ネオアジュバント治療として用いられる、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 また、本明細書において、本明細書に記載された乳癌(例えば、転移性乳癌)を治療又は予防する薬剤を製造するために、ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせた、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物の使用が提供される。特定の実施態様において、薬剤は、乳癌(例えば、転移性乳癌)の治療のために提供される。また、本明細書において、患者において乳癌(例えば、転移性乳癌)を治療するために、ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物の使用が提供される。また、本明細書において、患者へのa)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、又はその代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物、b)ゲムシタビン及びc)カルボプラチンを含む、患者における乳癌(例えば、転移性乳癌)を治療するために用いられる相乗的組成物が提供される。本明細書に記載された使用は、本明細書に記載された方法のいずれかによるものであってもよい。 また、本明細書において、本明細書に記載された乳癌(例えば、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌)を治療又は予防する薬剤を製造するために、タキサン(例えば、パクリタキセル)、薬学的に許容しうる塩又はその溶媒和物と組み合わせた、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物の使用が提供される。特定の実施態様において、薬剤は、乳癌(例えば、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌)の治療のために提供される。また、本明細書において、患者における乳癌(例えば、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌)を治療するために、タキサン(例えば、パクリタキセル)、薬学的に許容しうる塩又はその溶媒和物と組み合わせた、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物の使用が提供される。また、本明細書において、患者へのa)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、又はその代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物、及びb)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物を含む、患者における乳癌(例えば、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌)を治療するために使用される相乗的組成物が提供される。いくつかの実施態様において、本明細書に記載された使用は、ネオアジュバント療法である。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 また、適した包装中に本明細書に記載された組成物を含んでなる製品が提供される。本明細書に記載された組成物に適した包装は、当分野で知られており、そして例えば、バイアル(例えば密閉バイアル)、容器、アンプル、ビン、広口瓶、フレキシブル包装(例えば、密閉マイラ又はビニール袋)などが含まれる。これらの製品は、さらに滅菌及び/又は密閉されていてもよい。また、本明細書に記載された組成物を含んでなる単位剤形が提供される。これらの単位剤形は、単一又は複数単位用量に適した包装で保存することができ、そしてさらに滅菌及び密閉されていてもよい。 本明細書に記載されたさまざまな実施態様の性質の1つ、いくつか、又はすべてを合わせて本発明の他の実施態様を形成しうることは理解すべきである。本発明のこれらの及び他の態様は、当業者に明らかになる。参照による組み込み 本明細書に記載されたすべての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれるべく具体的に、そして個々に示されたのと同じ範囲まで参照により本明細書に組み込まれる。 本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲において詳細に説明されている。本発明の原理を用いた具体的な実施態様を説明する以下の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによって、本発明の特徴及び利点がより良好に理解される:正常乳房発現の概略図を示し、DNAマイクロアレイ分析により同定された種々の乳癌サブタイプの起源と考えられる組織を示す。転移性トリプルネガティブ腺癌患者から誘導された、MDA−MB−468乳腺腺癌細胞系統におけるゲムシタビン又はカルボプラチンと組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミドは、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドが細胞周期停止を強化し、そしてカルボプラチン又はゲムシタビンのいずれかにより誘発された細胞毒性を増強することがわかったことを示している。ゲムシタビン及びカルボプラチンを単独で投与された患者と比較した、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(別名「BSI−201」)、ゲムシタビン、及びカルボプラチンで治療された転移性トリプルネガティブ乳癌を有する患者の全生存期間(overall survival)における改善を示している。トリプルネガティブ乳癌を有する患者におけるゲムシタビン/カルボプラチン又はゲムシタビン/カルボプラチンと組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミドによる治療の第2相試験についての登録及び結果を示す。治療群による無増悪生存期間及び全生存期間のカプラン−マイヤー解析を示す。図5Aは、治療意図による(intention-to-treat)母集団中の全123人の患者における全生存期間を示す。全生存期間の中央値は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群において12.3ヵ月(95%CI、9.8〜21.5)、そして化学療法のみの群において7.7ヵ月(95%CI、6.5〜13.3)であった。p値は、複合中間解析(multiple interim analyses)について調整しなかった。G/Cは、ゲムシタビン及びカルボプラチンを表す。治療群による無増悪生存期間及び全生存期間のカプラン−マイヤー解析を示す。図5Bは、同じ患者の中での無増悪生存期間を示す。無増悪生存期間の中央値は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群において5.9ヵ月(95%CI、4.5〜7.2)、そして化学療法のみの群において3.6ヵ月(95%CI、2.6〜5.2)であった。p値は、複合中間解析(multiple interim analyses)について調整しなかった。G/Cは、ゲムシタビン及びカルボプラチンを表す。多施設無作為化非盲検第三相試験(4−ヨード−3−ニトロベンズアミド有り又は無しのゲムシタビン及びカルボプラチン(n=519))のための研究デザインを示す。クロスオーバー前に、進行についての計画された画像中央判定(Prospective central radiology review)が必要であった。進行患者の96%(n=152)は、一次分析時にGCIにクロスオーバーさせた。「GC」は、ゲムシタビン及びカルボプラチンのことである。「GCI」は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(「イニパリブ」)と組み合わせたゲムシタビン及びカルボプラチンのことである。治療意図による(「ITT」)母集団に基づいたGC治療群(ゲムシタビン及びカルボプラチン)及びGCI治療群(ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミド)の有効性エンドポイント(PFS及びOS)を示す。GC治療群の無増悪生存期間(「PFS」)の中央値は、4.1ヵ月であり、そしてGCI治療群のPFSの中央値は、5.1ヵ月であった。GC治療群の全生存期間(「OS」)の中央値は、11.1ヵ月であり、そしてGCI治療群のOSの中央値は、11.8ヵ月であった。ファーストラインITT母集団(ファーストライン=患者(297/519)の57%)についてのPFS及びOSの探索的分析を示す。GCI治療群のPFSは5.6ヵ月であり、そしてGC治療群のPFSは4.6ヵ月であった。GCI治療群のOSは12.4ヵ月であり、そしてGC治療群のOSは12.6ヵ月であった。セカンド/サードラインITT母集団(セカンド/サードライン=43%の患者(222/519))についてのPFS及びOSの探索的分析を示す。GCI治療群のPFSは4.2ヵ月(3.8、5.7)であり、そして、GC治療群についてPFSは2.9ヵ月(1.9、4.1)であった。GCI治療群のOSは10.8ヵ月(9.7、13.1)であっり、そしてGC治療群のOSは8.1ヵ月(6.6、10)であった。FFPEサンプルのアフィメトリクス(Affymetrix)遺伝子発現プロファイリングを示す。内因性のサブタイプは、Sorlie等のデータセット(Sorlie et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2003, 100(14):8418-23)及びクローディン・ロウ分類指標(claudin-low classifier)(Prat et al., Breast Cancer Res. 2010, 12(5):R68)を用いて割り当てた。第三相TNBCには、多様な分子的サブタイプが含まれていた。詳述定義 本明細書に用いられるように、本明細書に用いられる「治療」又は「治療すること」又はその文法上の同等のものは、例えば、治療的有用性(therapeutic benefit)、予防的有用性(prophylactic benefit)、及び/又は臨床結果を含む有益な又は所望の結果を達成することが含まれる。本発明の目的では、有益な又は所望の結果としては、以下:疾患から生じる1つ又はそれ以上の症状を緩和すること、疾患範囲を縮小すること、疾患を安定化すること(例えば、疾患の悪化の予防又は遅延)、疾患の拡散(例えば、転移)を予防又は遅延すること、疾患の再発を予防又は遅延すること、疾患の進行を遅延又は遅らせること、根底にある疾患を根絶すること、疾患状態を改善すること、疾患の寛解(部分的な又は完全な)を提供すること、疾患を治療するために必要な1つ又はそれ以上の他の薬物適用の用量を低下させること、疾患の進行を遅延すること、生活の質を向上させること、及び/又は生存を延長することの1つ又はそれ以上が含まれるが、それらに限定されるわけではない。また、「治療」によって包含されるのは、癌の病理学的結果の縮小である。本発明の方法は、これらの治療態様のいずれか1つ又はそれ以上を企図する。 例えば、乳癌(例えば、転移性乳癌)を有する個体における、有用性(例えば、治療的有用性)には、根底にある乳癌(例えば、転移性乳癌)の根絶又は改善、例えば、乳癌(例えば、転移性乳癌)の進行を遅らせることが含まれる。また、治療的有用性は、個体(individual)が、根底にある障害(例えば、乳癌)でなお苦しんでいるかもしれないという事実にも関わらず、個体において改善が観察されるように、根底にある障害(例えば、乳癌)に関連する生理学的症状の1つ又はそれ以上の根絶又は改善により達成される。例えば予防的有用性のような有用性については、乳癌を発症するリスクのある個体、又はたとえ乳癌の診断が為されていなくても乳癌の生理学的症状の1つ若しくはそれ以上が報告されている個体において、本発明の方法を実施してもよく、又はそれらの個体に本発明の組成物を投与してもよい。いくつかの実施態様において、治療される個体は、本明細書に記載された乳癌と診断されている。 「個体」又は「患者」という用語は、哺乳動物のことであり、そしてヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類又は霊長類が含まれるが、それらに限定されるわけではない。好ましくは、個体は、ヒトである。個体は、患者であってもよい。 本明細書に用いられるように、「リスクのある」個体は、癌を発症するリスクのある個体である。「リスクのある」個体は、検出可能な疾患を有してもよいし又は有しなくてもよく、そして本明細書に記載された治療方法より前に示された検出可能な疾患を有してもよいし又は有しなくてもよい。「リスクのある」は、個体が、癌の発現と相関する測定可能なパラメーターである1つ又はそれ以上のいわゆる危険因子を有することを表している。これらの危険因子の1つ又はそれ以上を有する個体は、これらの危険因子のない個体より癌を発症する可能性がより高い。 「アジュバント設定(adjuvant setting)」は、個体が癌の病歴を有しており、そして一般に(しかし、必ずしもというわけではない)手術(例えば、切除手術)、放射線療法及び化学療法を含むが、それらに限定されない治療に反応性である、臨床的設定(clinical setting)のことである。しかし、これらの個体は、それらの癌の病歴のため、疾患を発症するリスクあると考えられる。「アジュバント設定」における治療又は投与は、その後の治療様式のことである。リスクの程度(例えば、アジュバント設定における個体が、「高リスク」又は「低リスク」とみなされるとき)は、いくつかの要因、最も一般的には、最初の治療時の疾患の程度に左右される。 「ネオアジュバント設定(neoadjuvant setting)」は、方法が、一次/根治治療の前に実施される臨床的設定のことである。 本明細書に用いられるように、癌の発症を「遅延すること」とは、疾患の発症を引き延ばす、妨害する、遅らせる、妨げる、安定化する、及び/又は延期することを意味する。この遅延は、治療する疾患及び/又は個体の病歴に応じて時間の長さを変化させることであると言える。当業者に明らかなように、十分な又は有意な遅延は、実質的に、個体が疾患を発症しないという点で予防を包含することができる。癌の発症を「遅延する」方法は、方法を用いないときと比較して、所定の時間枠で疾患発症の可能性を低下させる及び/又は所定の時間枠で疾患の程度を軽減する方法である。このような比較は、典型的に統計的に有意数の被験者を用いた臨床研究に基づいている。癌の発症は、コンピューター断層撮影(CATスキャン)、磁気共鳴画像法(MRI)、腹部超音波検査、凝固試験、動脈造影、又は生検を含むが、それらに限定されるわけではない標準方法を用いて検出可能でありうる。また、発症とは、最初は検出不可能かもしれない癌の進行のことであってもよく、そして発生、再発、及び開始が含まれる。 本明細書に用いられるように、「手術」とは、治癒的、治療的、又は診断的効果を生じるための、ヒト又は他の哺乳動物の体における、手による又は機器を用いた手による秩序立った行為を含むなんらかの治療又は診断方法のことである。 「放射線治療」は、限定されるわけではないが、X線、ガンマ線及び中性子を含む高エネルギー放射線に個体を暴露することである。このタイプの治療には、限定されるわけではないが、体外照射療法(external-beam therapy)、体内照射療法(internal radiation therapy)、組織内照射(implant radiation)、近接照射療法、全身放射線療法、及び放射線療法が含まれる。 「化学療法」は、静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、膀胱内、皮下、経皮、口内、又は吸入若しくは坐剤形態を含むさまざまな方法によって、乳癌(例えば、転移性乳癌)を有する個体に抗腫瘍性化学療法剤、化学予防剤、及び/又は他の薬剤のような1つ又はそれ以上の抗癌剤を投与することである。文脈によって他のことが明確に示されなければ、本明細書に用いられる「化学療法」は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド及びイリノテカンの投与に相当するものではない。化学療法は、大きな腫瘍を縮小する手術の前、それを除去する外科的処置の前、放射線治療の前、又は体中に残っているなんらかの乳癌細胞の増殖を予防するために手術及び/又は放射線治療の後に行ってもよい。化学療法は、放射線治療中に行ってもよい。 「有効量」又は「薬学的有効量」という用語は、所望の生物学的、治療的、及び/又は予防的結果を得るのに十分な薬剤の量のことである。その結果は、疾患の徴候、症状、又は原因の1つ若しくはそれ以上の縮小、改善、緩和、減少、遅延、及び/又は軽減、又は生体系の他のなんらかの望ましい変化であることができる。癌に関して、有効量は、腫瘍を縮小させる及び/又は腫瘍の増殖速度を低下させる(例えば、腫瘍増殖を抑制する)又は他の望ましくない細胞増殖を予防又は遅延するのに十分な量を含む。いくつかの実施態様において、有効量は、発症を遅らせるのに十分な量である。いくつかの実施態様において、有効量は、再発を予防又は遅延するのに十分な量である。有効量は、1回又はそれ以上の投与で投与することができる。薬物又は組成物の有効量は、(i)癌細胞の数を減らす;(ii)腫瘍サイズを縮小する;(iii)末梢器官への癌細胞浸潤を抑制する、妨げる、ある程度遅らせる、そして好ましくは停止させる;(iv)腫瘍転移を抑制する(すなわち、ある程度遅らせる、そして好ましくは停止させる);(v)腫瘍増殖を抑制する;(vi)腫瘍の発生及び/又は再発を予防又は遅延する;及び/又は(vii)癌に関連する症状の1つ又はそれ以上をある程度軽減する量であってもよい。 「代謝産物」は、出発化合物のそれとは構造が異なる生成物を生じる、任意のin vitro又はin vivo代謝過程を通して生成された化合物のことである。換言すれば、「代謝産物」という用語には、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの代謝産生化合物(metabolite compounds)、例えば、4−ヨード−3−アミノ安息香酸(「IABA」)及び4−ヨード−3−アミノベンズアミド(「IABM」)が含まれる。代謝産物は、前駆体化合物と比べて任意の位置に存在する様々な数又はタイプの置換基を含むことがありうる。さらに、「代謝産物」及び「代謝産生化合物」という用語は、本明細書において同じ意味で用いられる。 本明細書に用いられるように、「薬学的に許容しうる」又は「薬理学的に適合しうる」とは、生物学的に又は他の点で不適当でない物質、例えば、任意の有意な望ましくない生物学的効果を生じることなく、又はそれが含まれる組成物の任意の他の成分と有害なやり方で相互作用することなく、個体に投与される医薬組成物中に組み込むことができる物質を意味する。薬学的に許容しうる担体又は賦形剤は、好ましくは毒物学的及び製造試験の必要な基準を満たしている及び/又は米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug administration)によって作成された不活性成分ガイド(Inactive Ingredient Guide)に含まれている。 「有害事象」又は「AE」は、特に明記しない限り、市販医薬製品を投与されている患者又は研究中の若しくは研究中でない医薬品を投与されている臨床試験に参加している患者における任意の厄介な医学的事態(untoward medical occurrence)のことである。AEは、必ずしも患者の治療と因果関係があるわけではない。従って、AEは、医薬品に関連すると考えられるかどうかにかかわらず、医薬品の使用に一時的に関連した任意の好適でない及び意図しない徴候、症状又は疾患でありうる。AEには、既存の疾病の増悪;既存の一時的事象又は状態の頻度又は強度における増加;研究開始前に存在しえたとしても、研究薬物投与後に検出又は診断された状態;及びベースラインにあって研究開始後に悪化した連続的に持続性の疾患又は症状:が含まれるが、それらに限定されるわけではない。AEに、一般に以下のものは含まれない:医学的又は外科的処置(例えば、手術、内視鏡検査、抜歯又は輸血);しかしながら、処置に至る状態は、有害事象である;悪化してない研究開始時に存在する又は検出された既存の疾患、状態又は検査所見の異常;厄介な医学的事態に関連しない随意選択的な目的で行われる入院又は処置(例えば美容又は随意選択の手術又は社会的/便宜承認(convenience admissions)のための入院);患者の状態について予想されるより重度である場合を除く、検査されている疾患又は疾患に伴う徴候/症状;及びなんら臨床的な徴候又は症状のない研究薬物の過剰投与は含まれない。 「重篤有害事象」又は(SAE)は、特に明記しない限り、以下:a)致命的である;b)生命にかかわる(それが生じた事象からすぐに死亡するリスクと定義される);c)持続性の又は有意な障害(disability)又は無能症(incapacity)となる;d)入院患者の入院が必要であるか又は既存の入院を延長する(例外:研究中に悪化しなかった既存状態の随意選択の治療のための入院は有害事象とみなさない;入院中に生じた合併症は、AEであり、そして合併症が入院を延長する場合、事象は重篤である);e)薬物適用を受けた個体の子孫における先天性奇形/出生時欠損である;又はf)個体の根底にある疾患と明らかに関係なければ、個体を危険にさらしうる又は上に記載された結果の1つを予防するために介入が必要となりうる上の定義に含まれない状態を含むが、それらに限定されない任意用量でのなんらかの厄介な医学的事態のことである。「有効性の不足(Lack of efficacy)」(進行)は、AE又はSAEとみなさない。有効性の不足により生じる徴候及び症状又は臨床的続発症は、それらがAE又はSAE定義を満たす場合、報告しなければならない。 以下の定義は、標的病変に基づいて反応を評価するために用いてもよい:特に明記しない限り、「完全奏功(complete response)」又は「CR」(「完全寛解(complete remission)」としても知られている)すべての標的病変の消失のことである;「部分奏効(partial response)」又は「PR」(「部分寛解(partial remission)」としても知られている)は、標的病変の長径和(sum of the longest diameters)(SLD)が、ベースラインSLDを基準にして少なくとも30%減少することである;「安定(stable disease)」又は「SD」は、治療開始時からの最小SLDを基準にして、PRと認定するのに十分な標的病変の縮小もなく、又はPDと認定するのに十分な増加もないことである;そして「進行(progressive disease)」又は「PD」は、治療開始時から記録された最小SLDを基準にして標的病変のSLDにおける少なくとも20%増加、又は1つ若しくはそれ以上の新たな病変の存在のことである。 反応評価の以下の定義は、非標的病変を評価するために用いてもよい:特に明記しない限り、「完全奏功」又は「CR」は、すべての非標的病変の消失のことであり;「安定」又は「SD」は、CR又はPDと認定されない1つ又はそれ以上の非標的病変の残存のことであり;そして「進行」又は「PD」既存の非標的病変の「明白な進行」のことであり、又は1つ若しくはそれ以上の新たな病変の出現は、進行とみなされる(ある時点で非標的病変の進行のみに基づいて被験者をPDと評価する場合、さらなる基準を満たす必要がある)。 「無憎悪生存期間(Progression free survival)」(PFS)は、治療中及び後に癌が増殖しない時間の長さを示すことができる。無増悪生存期間は、患者が完全奏効又は部分奏効を経験した時間だけでなく、患者が安定を経験した時間を含んでもよい。 本明細書に用いられるように、「サンプル」は、例えば、物理的、生化学的、化学的、生理学的、及び/又は遺伝的特性に基づいて特徴づけられる及び/又は同定される分子を含む組成物のことである。 本明細書に用いられる「細胞」は、特定の被験者細胞だけでなく、このような細胞の子孫又は潜在的子孫のことであると理解される。突然変異又は環境の影響のため後の世代である種の変異が生じることがあるため、このような子孫は、実際には、親細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書に用いられる用語の範囲内になお含まれる。 当業者によって理解されるように、本明細書に用いられる「HER2陰性」は、「HER2非過剰発現」を意味する。 「約」に関して、本明細書における値又はパラメーターは、その値又はパラメーターそれ自体を対象とする変化量を含む(そして記載されている)。例えば、「約X」という記述は、「X」の記述を含む。 本明細書において及び添付の特許請求の範囲に用いられるように、「ある」、「又は」及び「その」といった単数形は、文脈が明らかに他のことを示してなければ、複数の指示対象を含む。 本明細書に記載された本発明の態様及び変化量は、態様及び変化量「からなる」及び/又は「から本質的になる」を含むことが理解される。 当業者に明らかなように、評価される、選ばれる、及び/又は治療を受ける個体は、このような活動を必要とする個体である。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物 4−ヨード−3−ニトロベンズアミドは、イニパリブ(iniparib)又は「BA」としても知られており、式:を有する。 米国特許第5,464,871号に開示された方法のような4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの製造方法は、当分野で知られており、それはその全体として、特にその中に開示された合成方法に関して、参照により本明細書に組み込まれている。 本明細書において、式(Ia)(式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、ニトロソ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、(C3−C7)シクロアルキル、及びフェニルからなる群より独立して選ばれ、ここにおいて、R1、R2、R3、R4、及びR5の5つの置換基の少なくとも2つは、常に水素であり、5つの置換基の少なくとも1つは、常にニトロである、そしてニトロに隣接して配置された少なくとも1つの置換基は、常にヨードである)の前駆体化合物及びその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、代謝産物、類似体、又はプロドラッグが提供される。また、R1、R2、R3、R4、及びR5は、クロロ、フルオロ、又はブロモ置換基のようなハライドであることもできる。いくつかの実施態様において、R1、R2、R3、R4、及びR5置換基の少なくとも1つは、常にニトロ又はニトロソであり、そしてニトロ又はニトロソに隣接して配置された少なくとも1つの置換基は、常にヨードである。いくつかの実施態様において、式Iaの化合物は、式IAの化合物又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、異性体、若しくは互変異性体である。いくつかの実施態様において、R1、R2、R3、R4、及びR5置換基の少なくとも1つは、常にニトロ又はニトロソであり、そしてニトロ又はニトロソに隣接して配置された少なくとも1つの置換基は、常にヨードである。いくつかの実施態様において、式Iaの化合物は、式IAの化合物又はその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、異性体、若しくは互変異性体である。 また、本明細書において、式(IIa):(式中、(1)R1、R2、R3、R4、及びR5置換基の少なくとも1つは、常に硫黄含有置換基であり、そして残りの置換基R1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、ヨード、ブロモ、フルオロ、クロロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、(C3−C7)シクロアルキル、及びフェニルからなる群より独立して選ばれ、ここにおいて、5つのR1、R2、R3、R4、及びR5置換基の少なくとも2つは常に水素であり;又は(2)R1、R2、R3、R4、及びR5置換基の少なくとも1つは、硫黄含有置換基でなく、そして5つの置換基R1、R2、R3、R4、及びR5の少なくとも1つは、常にヨードであり、そして前記ヨードは、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシ又はアミノ基のいずれかであるR1、R2、R3、R4、又はR5基に常に隣接している;のいずれかである)を有する代謝産物及びその薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、異性体、互変異性体、代謝産物、類似体、又はプロドラッグが提供される。いくつかの実施態様において、(2)の化合物は、ヨード基が、ニトロソ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシ又はアミノ基であるR1、R2、R3、R4又はR5基に常に隣接するようになっている。いくつかの実施態様において、(2)の化合物は、ヨード基が、ニトロソ、ヒドロキシアミノ、又はアミノ基であるR1、R2、R3、R4又はR5基に常に隣接するようになっている。 構造式Ia又はIIaを有する化合物は、いずれも本明細書に記載された治療に用いることができる。いくつかの実施態様において、構造式Ia又はIIaを有する化合物は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩である。 本明細書において、代謝産生化合物が提供され、それぞれ化学式:によって表される。 なんら1つの特定の機構に限定されるわけではないが、以下に、ニトロレダクターゼ又はグルタチオン抱合機構を経たMS292代謝の例を提供する: 4−ヨード−3−ニトロベンズアミドグルタチオン抱合及び代謝: 本明細書に記載された4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの代謝産物のいずれか1つは、本明細書において提供される方法のいずれか1つに使用されうる。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの代謝産物には、例えば、4−ヨード−3−アミノ安息香酸(「IABA」)、4−ヨード−3−アミノベンズアミド(「IABM」)、4−ヨード−3−ニトロソベンズアミド(「BNO」)、及び4−ヨード−3−ヒドロキシアミノベンズアミド(「BNHOH」)が含まれる。代謝産物及び代謝産物の製造方法は、米国公報第2008/0103104号及び米国特許第5,877,185号に開示されており、それらは、それらの全体で、そして特に代謝産物及び代謝産物の製造方法に関して参照により本明細書に組み込まれている。 いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその薬学的に許容しうる塩が投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの代謝産物が投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの代謝産物は、4−ヨード−3−アミノ安息香酸又は4−ヨード−3−アミノベンズアミドである。 本明細書に記載された乳癌の治療に用いられる本明細書に記載された代謝産物の用量範囲は、約0.0004〜約0.5mmol/kg(患者の体重1キログラム当たりの代謝産物のミリモル)の範囲であってもよく、その用量は、モル基準において4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの約0.1〜約100mg/kgの範囲に相当する。代謝産物についての他の有効な用量範囲は、0.0024〜0.5mmol/kg及び0.0048〜0.25mmol/kgである。このような用量は、毎日、1日おきに、週2回、毎週、隔週、毎月又は他の適したスケジュールで投与されうる。本質的に、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドに関する代謝産物については、同じ投与様式、例えば、経口、静脈内(i.v.)、腹腔内(i.p.)などを用いてもよい。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその薬学的に許容しうる塩が投与される。 いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの代謝産物又は4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの代謝産物の薬学的に許容しうる塩が投与される。「薬学的に許容しうる塩」という用語は、本明細書に用いられる化合物の生物学的有効性及び性質を保持しており、かつ生物学的に又は他の点で不適当ではないそれらの塩を意味する。例えば、薬学的に許容しうる塩は、乳癌の治療において本明細書に記載された化合物の有益な効果を妨げない。 典型的な塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムイオンのような無機イオンのものである。このような塩には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、マンデル酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸のような無機又は有機酸との塩が含まれる。さらに、化合物がカルボキシ基又は他の酸性基を含む場合、それは無機又は有機塩基により薬学的に許容しうる付加塩に変換されうる。適した塩基の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンが含まれる。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドは、米国特許公報第2010/0160442号に記載されたように、静脈内投与のために25%(w/v)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン及び10mMリン酸バッファー中に処方され、それは参照により本明細書に組み込まれている。ゲムシタビン ゲムシタビンは、以下の構造:を有する。 ゲムシタビンは、例えばジェムザール(R)(GEMZAR(R))としてイーライリリー社(Eli Lilly and Company)から入手可能である。本明細書に用いられるゲムシタビンは、任意の薬学的に許容しうる塩形態(例えば、ゲムシタビンHCl又は他の塩形態)を含む。ゲムシタビン(4−アミノ−1−[(2R,4R,5R)−3,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル]ピリミジン−2(1H)−オン又は2'−デオキシ−2',2'−ジフルオロシチジンとしても知られている)は、例えば、DNA合成を阻止することによって細胞分裂を妨げ、それにより細胞死を生じるヌクレオシド類似体である。ゲムシタビンの用量は、個々の患者に調整されうる。成人では、ゲムシタビンの用量は、本明細書に提供される方法のいずれかに使用する場合、約100mg/m2〜約5000mg/m2、約100mg/m2〜2000mg/m2、約200〜約4000mg/m2、約300〜約3000mg/m2、約400〜約2000mg/m2、約500〜約1500mg/m2、約750〜約1500mg/m2、約800〜約1500mg/m2、約900〜約1400mg/m2、約900〜約1250mg/m2、約1000〜約1500mg/m2、約1000mg/m2、約1050mg/m2、約1100mg/m2、約1150mg/m2、約1200mg/m2、約1250mg/m2、約1300mg/m2、約1350mg/m2、約1400mg/m2、約1450mg/m2、又は約1500mg/m2の範囲であってもよい。mg/m2という次元は、患者の単位表面積1平方メートル(m2)当たりのミリグラム(mg)におけるゲムシタビンの量のことである。ゲムシタビンは、例えば、約10〜約300分、約15〜約180分、約20〜約60分、約10分、約20分又は約30分の期間かけて静脈(IV)注入によって投与してもよい。カルボプラチン カルボプラチンは、以下の構造:を有する。 カルボプラチン(Carboplatin)は、例えば、ベッドフォードラボラトリーズ(Bedford Laboratories)から入手可能である。シス−ジアミン(1,1−シクロブタンジカルボキシラト)白金(II)としても知られているカルボプラチンは、白金錯体(又は白金化合物)であり、それは、商標名パラプラチン(R)(Paraplatin(R))及びパラプラチン−AQ(Paraplatin-AQ)の下でも販売されている。また、本明細書に用いられるカルボプラチンは、任意の薬学的に許容しうる塩の形態を含む。カルボプラチンの用量は、個々の患者に調整されうる。カルボプラチンの用量は、クレアチニンクリアランス又は糸球体濾過率の測定により評価される患者の腎臓活性を考慮して癌化学療法分野の当業者に知られている方法によって、mg/mL・分で血漿濃度対時間曲線下面積(AUC)を算出することによって決定される。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法のいずれかで用いられるカルボプラチンの用量を算出して約0.1〜8mg/ml分、約0.1〜7mg/ml・分、約0.1〜6mg/ml・分、約1〜6mg/ml・分、約1〜5mg/ml・分、約2〜5mg/ml・分、約3〜6mg/ml・分、約3〜5mg/ml・分、約1〜3mg/ml・分、約1,5〜約2.5mg/ml・分、約1.75〜約2.25mg/ml・分、約2mg/ml・分(AUC2は、例えば、2mg/ml・分の短縮形である)、AUC約2.5、AUC約3、AUC約3.5、AUC約4、AUC約4.5、AUC約5、AUC約5.5、又はAUC約6のAUCが提供される。別法として、カルボプラチンの用量は、患者の体表面積に基づいて算出してもよい。いくつかの実施態様において、カルボプラチンの適した用量は、約10〜約400mg/m2、例えば、約100mg/m2、150mg/m2、200mg/m2、250mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、360mg/m2、又は400mg/m2のいずれかである。カルボプラチンは、通常、約10〜約300分、約30〜約180分、約45〜約120分又は約60分の期間かけて静脈内に(IV)投与されうる。この文脈において、「約」という用語は、約のその通常の意味を有する。タキサン タキサンは、タイヘイヨウイチイ(Pacific yew)の木、タクスス・ブレウィフォリア(Taxus brevifolia)の小枝、針及び樹皮に由来する薬物である。タキサンの例には、ドセタキセル、パクリタキセル、及びアブラキサンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。パクリタキセルは、10−デアセチルバッカチンから知られた合成方法により誘導してもよい。パクリタキセルは、タキソール(R)(TAXOL(R))としてブリストル・マイヤーズスクイブ(Bristol-Myers Squibb)から商業的に入手可能である。パクリタキセル及びその誘導体ドセタキセルのようなタキサンは、さまざまな腫瘍タイプにおいて抗腫瘍性活性を示している。タキサンは、微小管の構造を過剰に安定化し(hyperstabilizing)、それにより通常の方法でその細胞骨格を使用する細胞の能力を破壊することによって微小管増殖の正常な機能を妨げる。具体的に、タキサンは、微小管の構成単位であるチュブリンのβサブユニットに結合する。生成したタキサン/チュブリン複合体は、分解することができず、それにより細胞機能異常、そして最終的に細胞死となる。パクリタキセルは、Bcl−2(B細胞白血病2)と称するアポトーシス阻害性タンパク質に結合し、それによりBcl−2をアポトーシスの阻害から防ぐことによって癌細胞におけるプログラム細胞死(アポトーシス)を誘導する。従って、パクリタキセルは、細胞分裂中に正常な細胞骨格再構成を妨げることによって細胞分裂を下方制御し、そして抗Bcl−2機構を経てアポトーシスを誘導するため、さまざまな癌の有効な治療であることがわかっている。 タキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、身長、体重、身体状態、腫瘍サイズ及び進行状態、などに応じて変化してもよい。いくつかの実施態様において、タキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、約10mg/m2〜約1000mg/m2、約25mg/m2〜約500mg/m2、50mg/m2〜約500mg/m2、約75mg/m2〜約400mg/m2、約75mg/m2〜約300mg/m2、約75mg/m2〜約250mg/m2、又は約75mg/m2〜約100mg/m2の範囲である。いくつかの実施態様において、タキサン(例えば、パクリタキセル)は、約50mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、85mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、250mg/m2、300mg/m2、400mg/m2、450mg/m2、又は500mg/m2のいずれかで投与される。パクリタキセルは、少なくとも約50mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、85mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、250mg/m2、300mg/m2、400mg/m2、450mg/m2、又は500mg/m2のいずれかで投与されうる。タキサン(例えば、パクリタキセル)は、静脈内に、例えば、約10〜約500分、約10〜約300分、約30〜約180分、約30〜約60分、約45〜約120分、約60分(すなわち約1時間)、又は約30分かけてIV注入によって投与してもよい。この文脈において、「約」という用語は、約のその通常の意味を有する。いくつかの実施態様において、約は、±10%又は±5%を意味する。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。併用療法 いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、手術、放射線治療(例えば、X線)、化学療法(例えば抗腫瘍剤)、遺伝子治療、免疫療法、DNA治療、ウイルス性治療、アジュバント療法、免疫療法、ネオアジュバント療法、RNA治療、ナノ療法、又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない別の抗癌治療をさらに含んでもよい。いくつかの実施態様において、放射線治療は、被験者へガンマ線照射を適用することを含む。 本明細書に提供される方法のいずれかは、乳癌の治療において1つ又はそれ以上のさらなる治療又は複数の治療をさらに含んでもよい。さらなる治療は、放射線治療、手術(例えば、腫瘍摘除及び乳房切除)、化学療法、遺伝子治療、DNA治療、ウイルス性治療、RNA治療、免疫療法、骨髄移植、ナノ療法、モノクローナル抗体療法、又は前記の組み合わせであってもよい。さらなる治療は、アジュバント又はネオアジュバント療法の形態であってもよい。いくつかの実施態様において、さらなる治療は、小分子酵素阻害剤又は抗転移剤の投与である。いくつかの実施態様において、さらなる治療は、副作用制限剤(例えば、制吐剤などのような治療の副作用の発生及び/又は重症度を軽減するための薬剤)の投与である。いくつかの実施態様において、さらなる治療は放射線治療である。いくつかの実施態様において、さらなる治療は手術である。いくつかの実施態様において、さらなる治療は、放射線治療及び手術の組み合わせである。いくつかの実施態様において、さらなる治療はガンマ線照射である。いくつかの実施態様において、さらなる治療は、PI3k/mTOR経路を標的とする治療、HSP90阻害剤、チュブリン阻害剤、アポトーシス阻害剤及び/又は化学予防剤である。 併用療法が非薬物治療をさらに含む場合、非薬物治療は、治療剤及び非薬物治療の組み合わせの共同作用からの有益な効果が達成される限り、任意の適した時間に実施してもよい。例えば、適当な場合、非薬物治療が、有意な一定期間だけ治療剤の投与から一時的にはずされたときでも、有益な効果は、なお達成される。抗腫瘍剤 いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、少なくとも1つの抗腫瘍剤をさらに含んでもよい。例えば、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを投与することを含む本明細書に提供される方法は、少なくとも1つの抗腫瘍剤をさらに含んでもよい。別の例について、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む本明細書に提供される方法は、少なくとも1つの抗腫瘍剤をさらに含んでもよい。 本発明に使用されうる抗腫瘍剤としては、抗腫瘍性アルキル化剤、抗腫瘍性代謝拮抗剤、抗腫瘍性抗生物質、植物由来の抗腫瘍剤、抗腫瘍性白金錯体化合物、抗腫瘍性カンプトセシン誘導体、抗腫瘍性チロシンキナーゼ阻害剤、抗腫瘍性ウイルス剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物反応調整剤、及び抗腫瘍性活性を示す他の薬剤、又はそれらの薬学的に許容しうる塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、アルキル化剤である。本明細書における「アルキル化剤」という用語は、一般に有機化合物の水素原子をアルキル基で置換するアルキル化反応においてアルキル基をもたらす薬剤のことである。抗腫瘍性アルキル化剤の例としては、ナイトロジェンマスタードN−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロミド又はカルムスチンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、代謝拮抗剤である。本明細書に用いられる「代謝拮抗剤」という用語には、広義には、生体にとって重要である代謝産物に対するその構造的又は機能的類似性のため、正常代謝を妨げる物質及び電子伝達系を阻害してエネルギーリッチな中間体の産生を防止する物質(例えばビタミン、コエンザイム、アミノ酸及びサッカリド)が含まれる。抗腫瘍性活性を有する代謝拮抗剤の例としては、メトトレキセート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、テガフール、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン又はペメトレキセド二ナトリウムが含まれるが、それらに限定されるわけではない。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、抗腫瘍性抗生物質である。抗腫瘍性抗生物質の例としては、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、アクラルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ジノスタチン、スチマラマー、イダルビシン、シロリムス又はバルルビシンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、植物由来の抗腫瘍剤である。植物由来の抗腫瘍剤の例としては、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、パクリタキセル及びビノレルビンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、抗腫瘍性活性を示すカンプトセシン誘導体である。抗腫瘍性カンプトセシン誘導体の例としては、カンプトセシン、10−ヒドロキシカンプトセシン、トポテカン、イリノテカン又は9−アミノカンプトセシンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。さらに、イリノテカンは、生体内で代謝されてSN−38として抗腫瘍効果を示しうる。カンプトセシン誘導体の作用機構及び活性は、カンプトセシンのものと実質的に同じであると考えられる(例えば、Nitta et al., Gan to Kagaku Ryoho, 14, 850-857 (1987))。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、抗腫瘍性活性を有する有機白金化合物又は白金配位化合物である。本明細書に用いられる「有機白金化合物」、「白金化合物」、又は「白金錯体」などの用語は、イオン形態の白金をもたらす白金含有化合物のことである。有機白金化合物としては、シスプラチン;シス−ジアミンジオクオ白金(II)−イオン;クロロ(ジエチレントリアミン)−白金(II)クロリド;ジクロロ(エチレンジアミン)−白金(II);ジアミン(1,1−シクロブタンジカルボキシラト)白金(II)(カルボプラチン);スピロプラチン;イプロプラチン;ジアミン(2-エチルマロナト)白金(II);エチレンジアミンマロナト白金(II);アクア(1,2−ジアミノジシクロヘキサン)スルファト白金(II);アクア(1,2−ジアミノジシクロヘキサン)マロナト白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)マロナト白金(II);(4−カルボキシフタラト)(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)−(イソシトラト)白金(II);(1,2−ジアミノシクロヘキサン)オキサラト白金(II);オルマプラチン;テトラプラチン;カルボプラチン、ネダプラチン及びオキサリプラチンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。さらに、明細書に記載された他の抗腫瘍性有機白金化合物は、知られており、そして商業的に入手可能である及び/又は従来の技術により当業者によって製造可能である。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、抗腫瘍性チロシンキナーゼ阻害剤である。本明細書における「チロシンキナーゼ阻害剤」という用語は、ATPのλ−リン酸基をタンパク質中の特定のチロシンのヒドロキシル基に変換する「チロシンキナーゼ」を阻害する化学物質のことである。抗腫瘍性チロシンキナーゼ阻害剤の例としては、ゲフィチニブ、イマチニブ、エルロチニブ、スーテント、ネクサバール、レセンチン(Recentin)、ABT−869及びアキシチニブ(Axitinib)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、抗体又は抗腫瘍活性を示す抗体の結合部分である。いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、モノクローナル抗体である。その例としては、アブシキシマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、バシリキシマブ、ビバシズマブ、セツキシマブ、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、インフリキシマブ、ムロモナブ−CD3、ナタリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、ゲムツズマブオゾガミシン、リタキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、又は抗原に対して特異的な任意の抗体フラグメントが含まれるが、それらに限定されるわけではない。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、インターフェロンである。このようなインターフェロンは、抗腫瘍性活性を有し、そしてウイルス感染するとほとんどの動物細胞によって産生及び分泌される糖タンパク質である。それは、ウイルス増殖の阻害効果だけでなく、細胞(特に、腫瘍細胞)の増殖の抑制及びナチュラルキラー細胞活性の強化を含むさまざまな免疫エフェクター機構も有しており、従ってサイトカインの1つのタイプとして指定されている。抗腫瘍性インターフェロンの例としては、インターフェロンα、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ−1a及びインターフェロンγ−n1が含まれるが、それらに限定されるわけではない。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、生物反応調整剤である。一般に、それは、生体の防衛機構又は組織細胞の生存、増殖若しくは分化といったような生物反応を、腫瘍、感染症若しくは他の疾患に対して個体にとって有用となるように導くために、それらを改良する物質又は薬物についての一般的な用語である。生物反応調整剤の例としては、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール及びウベニメクスが含まれるが、それらに限定されるわけではない。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤としては、ミトキサントロン、L−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノイン、アレファセプト、ダルベポエチンアルファ、アナストロゾール、エキセメスタン、ビカルタミド、リュープロレリン、フルタミド、フルベストラント、ペガプタニブオクタナトリウム、デニロイキンディフチトクス(denileukin diftitox)、アルデスロイキン、チロトロピンアルファ、三酸化ヒ素、ボルテゾミブ、カペシタビン、及びゴセレリンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。 上記の用語「抗腫瘍性アルキル化剤」、「抗腫瘍性代謝拮抗剤」、「抗腫瘍性抗生物質」、「植物由来の抗腫瘍剤」、「抗腫瘍性白金配位化合物」、「抗腫瘍性カンプトセシン誘導体」、「抗腫瘍性チロシンキナーゼ阻害剤」、「モノクローナル抗体」、「インターフェロン」、「生物反応調整剤」及び「他の抗腫瘍剤」は、すべて知られており、そして商業的に入手可能であるか、又はそれ自体で知られた方法によって若しくはよく知られた若しくは従来の方法によって当業者により製造可能である。ゲフィチニブの製造方法は、例えば、米国特許第5,770,599に記載されており;セツキシマブの製造方法は、例えば、WO 96/40210に記載されており;ビバシズマブの製造方法は、例えば、WO 94/10202に記載されており;オキサリプラチンの製造方法は、例えば、米国特許第5,420,319号及び同5,959,133号に記載されており;ゲムシタビンの製造方法は、例えば、米国特許第5,434,254号及び同第5,223,608号に記載されており;そしてカンプトセシンの製造方法は、米国特許第5,162,532号、同第5,247,089号、同第5,191,082号、5,同第200,524号、同第5号,同第243,050号及び同第5,321,140号に記載されており;イリノテカンの製造方法は、例えば、米国特許第4,604,463号に記載されており;トポテカンの製造方法は、例えば、米国特許第5,734,056号に記載されており;テモゾロミドの製造方法は、例えば、特公平4−5029号公報に記載されており;そしてリタキシマブの製造方法は、例えば、特表平2−503143号に記載されている。 上記の抗腫瘍性アルキル化剤は、以下:ニトロリン(Nitrorin)(商品名)として三菱ウェルファーマ株式会社(Mitsubishi Pharma Corp.)からのナイトロジェンマスタードN−オキシド;エンドキサン(Endoxan)(商品名)として塩野義製薬(Shionogi & Co., Ltd.)からのシクロホスファミド;イホマイド(Ifomide)(商品名)として塩野義製薬からのイホスファミド;アルケラン(Alkeran)(商品名)としてグラクソスミスクライン社(GlaxoSmithKline Corp.)からのメルファラン;マブリン(Mablin)(商品名)として武田薬品工業株式会社(Takeda Pharmaceutical Co., Ltd.)からのブスルファン;ミエブロール(Myebrol)(商品名)として杏林製薬株式会社(Kyorin Pharmaceutical Co., Ltd.)からのミトブロニトール;エスキノン(Esquinon)(商品名)として三共株式会社(Sankyo Co., Ltd. )からのカルボコン;テスパミン(Tespamin)(商品名)として住友製薬株式会社(Sumitomo Pharmaceutical Co., Ltd.)からのチオテパ;サイメリン(Cymerin)(商品名)として三菱ウェルファーマ株式会社のラニムスチン;ニドラン(Nidran)(商品名)として三共株式会社からのニムスチン;テモダール(Temodar)(商品名)としてシェーリング社(Schering Corp.)からのテモゾロミド;及びグリアデルウエハー(Gliadel Wafer)(商品名)としてギルフォードファーマシューティカルズ社(Guilford Pharmaceuticals Inc. )からのカルムスチンによって例示されるように商業的に入手可能である。 上記の抗腫瘍性代謝拮抗剤は、以下:メトトレキセート(Methotrexate)(商品名)として武田薬品工業株式会社からのメトトレキセート;チオイノシン(Thioinosine)(商品名)としてアベンティス社(Aventis Corp.)からの6−メルカプトプリンリボシド;ロイケリン(Leukerin)(商品名)として武田薬品工業株式会社からのメルカプトプリン;5−FU(商品名)として協和醗酵工業(Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd.)からの5−フルオロウラシル;フトラフール(Futraful)(商品名)として大鵬薬品工業株式会社(Taiho Pharmaceutical Co., Ltd. )からのテガフール;フルツロン(Furutulon)(商品名)として日本ロシュ株式会社(Nippon Roche Co., Ltd.)からのドキシフルリジン;ヤマフール(Yamafur)(商品名)として山之内製薬(Yamanouchi Pharmaceutical Co., Ltd.)からのカルモフール;キロサイド(Cylocide)(商品名)として日本新薬(Nippon Shinyaku Co., Ltd.)からのシタラビン;ストラシド(Strasid)(商品名)として日本化薬(Nippon Kayaku Co., Ltd.)からのシタラビンオクホスファート;サンラビン(Sanrabin)(商品名)として旭化成株式会社からのエノシタビン;TS−1(商品名)として大鵬薬品工業株式会社からのS−1;ジェムザール(Gemzar)(商品名)としてイーライリリー社(Eli Lilly & Co.)からのゲムシタビン;フルダラ(Fludara)(商品名)として日本シェーリング社(Nippon Schering Co., Ltd. )からのフルダラビン;及びアリムタ(Alimta)(商品名)としてイーライリリー社からのペメトレキセド二ナトリウムによって例示されるように商業的に入手可能である。 上記の抗腫瘍性抗生物質は、以下:コスメゲン(Cosmegen)(商品名)として萬有製薬(Banyu Pharmaceutical Co., Ltd.)からのアクチノマイシンD;アドリアシン(adriacin)(商品名)として協和醗酵工業からのドキソルビシン;ダウノマイシン(Daunomycin)として明治製菓株式会社(Meiji Seika Kaisha Ltd.)からのダウノルビシン;ネオカルチノスタチン(Neocarzinostatin)(商品名)として山之内製薬からのネオカルチノスタチン;ブレオ(Bleo)(商品名)として日本化薬からのブレオマイシン;ペプロ(Pepro)(商品名)として日本化薬からのペプロマイシン;マイトマイシン(Mitomycin)(商品名)として協和醗酵工業からのマイトマイシンC;アクラシノン(商品名)として山之内製薬からのアクラルビシン;ピノルビシン(Pinorubicin)(商品名)として日本化薬からのピラルビシン;ファルモルビシン(Pharmorubicin)(商品名)としてファルマシア社(Pharmacia Corp.)からのエピルビシン;スマンクス(Smancs)(商品名)として山之内製薬からのジノスタチンスチマラマー;イダマイシン(Idamycin)(商品名)としてファルマシア社からのイダルビシン;ラパミューン(Rapamune)(商品名)としてワイス社(Wyeth Corp.)からのシロリムス;及びバルスター(Valstar)(商品名)としてアントラファーマシューティカルズ社(Anthra Pharmaceuticals Inc. )からのバルルビシンによって例示されるように商業的に入手可能である。 上記の植物由来の抗腫瘍剤は、以下:オンコビン(Oncovin)(商品名)として塩野義製薬からのビンクリスチン;ビンブラスチン(Vinblastine)(商品名)として杏林製薬株式会社からのビンブラスチン;フィルデシン(Fildesin)(商品名)として塩野義製薬からのビンデシン;ラステット(Lastet)(商品名)として日本化薬からのエトポシド;ペラゾリン(Perazolin)(商品名)として全薬工業株式会社(Zenyaku Kogyo Co., Ltd.)からのソブゾキサン;タキソテール(Taxsotere)(商品名)としてアベンティス社からのドセタキセル;タキソール(Taxol)(商品名)としてブリストル・マイヤーズスクイブ社(Bristol-Myers Squibb Co.)からのパクリタキセル;及びナベルビン(Navelbine)(商品名)として協和醗酵工業からのビノレルビンによって例示されるように商業的に入手可能である。 上記の抗腫瘍性白金配位化合物は、以下:ランダ(Randa)(商品名)として日本化薬からのシスプラチン;パラプラチン(Paraplatin)(商品名)としてブリストル・マイヤーズスクイブ社からのカルボプラチン;アクプラ(Aqupla)(商品名)として塩野義製薬からのネダプラチン;及びエロキサチン(商品名)としてサノフィ−サンテラボ社(Sanofi-Synthelabo Co.)からのオキサリプラチンによって例示されるように商業的に入手可能である。 上記の抗腫瘍性カンプトセシン誘導体は、以下:カンプト(Campto)(商品名)としてヤクルト本社(Yakult Honsha Co., Ltd.)からのイリノテカン;ハイカムチン(Hycamtin)(商品名)としてグラクソスミスクライン社からのトポテカン;及びアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co., Inc.)、米国からのカンプトセシンによって例示されるように商業的に入手可能である。 上記の抗腫瘍性チロシンキナーゼ阻害剤は、以下:イレッサ(Iressa)(商品名)としてアストラゼネカ社(AstraZeneca Corp. )からのゲフィチニブ;グリベック(Gleevec)(商品名)としてノバルティス社(Novartis AG)からのイマチニブ;及びタルセバ(Tarceva)(商品名)としてOSIファーマシューティカルズ社(OSI Pharmaceuticals Inc.)からのエルロチニブによって例示されるように商業的に入手可能である。 上記のモノクローナル抗体は、以下:エルビタックス(Erbitux)(商品名)としてブリストル・マイヤーズスクイブ社からのセツキシマブ;アバスチン(Avastin)(商品名)としてジェネンテック社(Genentech, Inc.)からのビバシズマブ;リタキサン(Rituxan)(商品名)としてバイオジェンアイディック社からリタキシマブ;キャンパス(Campath)(商品名)としてベルレックス社(Berlex Inc.)からのアレムツズマブ;及びハーセプチン(Herceptin)(商品名)として中外製薬(Chugai Pharmaceutical Co., Ltd.)からのトラスツズマブによって例示されるように商業的に入手可能である。 上記のインターフェロンは、以下:スミフェロン(Sumiferon)(商品名)として住友製薬株式会社からのインターフェロンα;キャンフェロン−A(Canferon-A)(商品名)として武田薬品工業株式会社からのインターフェロンα−2a;イントロンA(商品名)としてシェリング・プラウ社(Schering-Plough Corp. )からのインターフェロンα−2b;IFN.ベータ(商品名)として持田製薬(Mochida Pharmaceutical Co., Ltd.)からのインターフェロンβ;イムノマックス−γ(Imunomax-γ)(商品名)として塩野義製薬からのインターフェロンγ−1a;及びオーガンマ(Ogamma)(商品名)として大塚製薬株式会社(Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.)からのインターフェロンγ−n1によって例示されるように商業的に入手可能である。 上記の生物反応調整剤は、以下:クレスチン(krestin)(商品名)として三共株式会社からのクレスチン;レンチナン(Lentinan)(商品名)としてアベンティス社からのレンチナン;ソニフィラン(Sonifiran)(商品名)として科研製薬株式会社(Kaken Seiyaku Co., Ltd.)からのシゾフィラン;ピシバニール(Picibanil)(商品名)として中外製薬(Chugai Pharmaceutical Co., Ltd.)からのピシバニール;及びベスタチン(Bestatin)(商品名)として日本化薬からのウベニメクスによって例示されるように商業的に入手可能である。 上記の他の抗腫瘍剤は、以下:ノバントロン(Novantrone)(商品名)としてワイス・レダリー・ジャパン社(Wyeth Lederle Japan, Ltd. )からのミトキサントロン;ロイナーゼ(Leunase)(商品名)として協和醗酵工業(Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd.)からのL−アスパラギナーゼ;ナツラン(Natulan)(商品名)として日本ロシュ株式会社からのプロカルバジン;ダカルバジン(Dacarbazine)(商品名)として協和醗酵工業からのダカルバジン;ハイドレア(Hydrea)(商品名)としてブリストル・マイヤーズスクイブ社からのヒドロキシカルバミド;コホリン(Coforin)(商品名)として化学及血清療法研究所(Kagaku Oyobi Kessei Ryoho Kenkyusho)からペントスタチン;ベサノイド(Vesanoid)((商品名)として日本ロシュ株式会社からのトレチノイン;アメビブ(Amevive)(商品名)としてバイオジェンアイディック社(Biogen Idec Inc.)からアレファセプト;アラネスプ(Aranesp)(商品名)としてアムジェン社(Amgen Inc.)からのダルベポエチンアルファ;アリミデックス(Arimidex)(商品名)としてアストラゼネカ社からのアナストロゾール;アロマシン(Aromasin)(商品名)としてファイザー株式会社(Pfizer Inc.)からのエキセメスタン;カソデックス(Casodex)(商品名)としてアストラゼネカ社からのビカルタミド;リュープリン(Leuplin)(商品名)として武田薬品工業株式会社からのリュープロレリン;ユーレキシン(Eulexin)(商品名)としてシェリング・プラウ社からのフルタミド;ファスロデックス(Faslodex)(商品名)としてアストラゼネカ社からのフルベストラント;マクジェン(Macugen)(商品名)としてギリアドサイエンシズ社(Gilead Sciences, Inc.)からのペガプタニブオクタナトリウム;オンタック(Ontak)(商品名)としてリガンドファーマシューティカル社(Ligand Pharmaceuticals Inc.)からのデニロイキンディフィトックス(denileukin diftitox);プロロイキン(Proleukin)(商品名)としてカイロン社(Chiron Corp. )からのアルデスロイキン;タイロゲン(Thyrogen)(商品名)としてジェンザイム社(Genzyme Corp.)からのチロトロピンアルファ;トリセノックス(Trisenox)(商品名)としてセルセラピューティクス社(Cell Therapeutics, Inc.)からの三酸化ヒ素;ベルケイド(Velcade)(商品名)としてミレニアムファーマシューティカルズ社(Millennium Pharmaceuticals, Inc.)からのボルテゾミブ;ゼローダ(Xeloda)(商品名)としてホフマンラロシュ社(Hoffmann-La Roche, Ltd.)からのカペシタビン;及びゾラデックス(Zoladex)(商品名)としてアストラゼネカ社からのゴセレリンによって例示されるように商業的に入手可能である。明細書に用いられる「抗腫瘍剤」という用語には、上記の抗腫瘍性アルキル化剤、抗腫瘍性代謝拮抗剤、抗腫瘍性抗生物質、植物由来の抗腫瘍剤、抗腫瘍性白金配位化合物、抗腫瘍性カンプトセシン誘導体、抗腫瘍性チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物反応調整剤及び他の抗腫瘍剤が含まれる。 また、他の抗腫瘍剤又は抗新生物剤を用いることもできる。このような適した抗腫瘍剤又は抗新生物剤としては、13−シス−レチノイン酸、2−CdA、2−クロロデオキシアデノシン、5−アザシチジン、5−フルオロウラシル、5−FU、6−メルカプトプリン、6−MP、6−TG、チオグアニン、アブラキサン、アキュテイン、アクチノマイシン−D、アドリアマイシン、アドルシル、アグリリン、アラ−コート、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリムタ、アリトレチノイン、アルカバン−AQ、アルケラン、オールトランスレチノイン酸、アルファインターフェロン、アルトレタミン、アメトプテリン、アミホスチン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アナンドロン、アナストロゾール、アラビノシルシトシン、アラ−C、アラネスプ、アレディア、アリミデックス、アロマシン、アラノン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、ATRA、アバスチン、アザシチジン、BCG、BCNU、ベンダムスチン、ビバシズマブ、ベキサロテン、BEXXAR、ビカルタミド、BiCNU、ブレノキサン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、ブスルフェックス、C225、ロイコボリン‐カルシウム、キャンパス、カンプト(Camptosar)、カンプトセシン−11、カペシタビン、キャラック(Carac)、カルボプラチン、カルムスチン、カルムスチンウエハー(Carmustine Wafer)、カソデックス、CC−5013、CCI−779、CCNU、CDDP、シーヌ(CeeNU)、セルビジン、セツキシマブ(Cetuximab)、クロランブシル、シスプラチン、シトロボラム因子、クラドリビン、コルチゾン、コスメゲン、CPT−11、シクロホスファミド、シタドレン(Cytadren)、シタラビン、シタラビンリポソーム、サイトサール−U、シトキサン、ダカルバジン、ダコゲン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダサチニブ、ダウノマイシン、ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシン、ダウノルビシンリポソーム、ダウノキソーム、デカドロン、デシタビン、デルタ−コルテフ、デルタゾン、デニロイキンディフィトックス、デポサイトTM(DepoCytTM)、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサゾン、デキソラゾキサン、DHAD、DIC、ディオデックス(Diodex)、ドセタキセル、ドキシル、ドキソルビシン、ドキソルビシンリポソーム、ドロキシアTM(DroxiaTM)、DTIC、DTIC−ドーム、デュラロン(Duralone)、エフデックス、エリガード、エレンス、エロキサチン、エルスパー(Elspar)、エムサイト(Emcyt)、エピルビシン、エポエチンアルファ、エルビタックス、エルロチニブ、エルウィニアL−アスパラギナーゼ、エストラムスチン、エチヨル、エトポホス、エトポシド、リン酸エトポシド、ユーレキシン(Eulexin)、エビスタ、エキセメスタン、フェアストン(Fareston)、ファスロデックス、フェマーラ、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラ、フルダラビン、フルオロプレックス、フルオロウラシル、フルオロウラシル(乳剤)、フルオキシメステロン、フルタミド、フォリン酸、FUDR、フルベストラント、G−CSF、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガミシン(ジェムザール)及びジェムザール及びジェムザール副作用−化学療法薬物、グリベック、グリアデルウエハー(Gliadel Wafer)、GM−CSF、ゴセレリン、顆粒球−コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、ハロテスチン、ハーセプチン、ヘキサドロール(Hexadrol)、ヘキサレン、ヘキサメチルメラミン、HMM、ハイカムチン、ハイドレア、酢酸ハイドロコート(Hydrocort Acetate)、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸ハイドロコートン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブ、イブリツモマブチウキセタン、イダマイシン、イダルビシン、イフェクス(Ifex)、INF−アルファ、イホスファミド、IL−11、IL−2、メシル酸イマチニブ、イミダゾールカルボキサミド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2b(PEGコンジュゲート(Conjugate))、インターロイキン−2、インターロイキン−11、イントロンA(インターフェロンアルファ−2b)、イレッサ、イリノテカン、イソトレチノイン、イクサベピロン、イグゼンプラ(Ixempra)、キドロラーゼ(t)(Kidrolase (t))、ラナコート(Lanacort)、ラパチニブ、l−アスパラギナーゼ、LCR、レナリドマイド、レトロゾール、ロイコボリン、ロイケラン(Leukeran)、ロイキン(Leukine)、ロイプロリド、ロイロクリスチン、ロイスタチン、リポソーマルAra−C(Liposomal Ara-C)、リキッドプレド(Liquid Pred)、ロムスチン、L−PAM、L−サルコリシン、ルプロン、ルプロンデポー、マチュレーン(Matulane)、マキシデックス、メクロルエタミン、塩酸メクロレタミン、メドラロン(Medralone)、メドロール、メゲース、メゲストロール、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メスネックス(Mesnex)、メトトレキセート、メトトレキセートナトリウム、メチルプレドニゾロン、メチコルテン、マイトマイシン、マイトマイシン−C、ミトキサントロン、M−プレドニソール(M-Prednisol)、MTC、MTX、ムスタルゲン(Mustargen)、ムスチン、ムタマイシン(Mutamycin)、ミレラン、マイロセル(Mylocel)、マイロターグ(Mylotarg)、ナベルビン、ネララビン、ネオサール(Neosar)、ニューラスタ(Neulasta)、ニューメガ(Neumega)、ニューポジェン(Neupogen)、ネクサバール、ニランドロン、ニルタミド、ニペント、ナイトロジェンマスタード、ノバルデックス、ノバントロン、オクトレオチド、オクトレオチド、オンコスパー(Oncospar)、オンコビン、オンタック、オンキサール(Onxal)、オプレルベキン、オラプレッド(Orapred)、オラソン(Orasone)、オキサリプラチン、パクリタキセル、タンパク結合パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、パンレチン、パラプラチン、ペジアプレド(Pediapred)、PEGインターフェロン、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、PEG−イントロン、PEG−l−アスパラギナーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、フェニルアラニンマスタード、プラチノール、プラチノール−AQ、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレロン、プロカルバジン、プロクリット、プロロイキン、カルムスチンインプラントによるプロリフェプロスパン20(Prolifeprospan 20 with Carmustine Implant)、プリネトール、ラロキシフェン、レブリミド、リウマトレックス、リタキサン、リツキシマブ、ロフェロン−A(インターフェロンアルファ−2a)、ルベックス、塩酸ルビドマイシン、サンドスタチン、サンドスタチンLAR、サルグラモスチン、ソル・コーテフ、ソル・メドロール、ソラフェニブ、スプリセル、STI−571、ストレプトゾシン、SU11248、スニチニブ、スーテント、タモキシフェン、タルセバ、ターグレチン、タキソール、タキソテール、テモダール、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、TESPA、サリドマイド、サロミド、テラシス(TheraCys)、チオグアニン、チオグアニンタブロイド、チオホスホアミド、チオプレックス、チオテパ、タイス(TICE)、トポサール(Toposar)、トポテカン、トレミフェン、トリセル、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、トレクサールTM(TrexallTM)トリセノックス、TSPA、TYKERB、VCR、ベクチビックス、ベクチビックス、ベルバン、ベルケイド、ベプシド(VePesid)、ベサノイド、ビアデュール(Viadur)、ビダザ、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン、ビンカサールPfs(Vincasar Pfs)、ビンクリスチン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、VLB、VM−26、ボリノスタット、VP−16、ブモン(Vumon)、ゼローダ、ザノサール、ゼバリン、ザインカード、ゾラデックス、ゾレドロン酸、ゾリンザ、ゾメタが含まれるが、それらに限定されるわけではない。 いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、ゲムシタビン、カルボプラチン、及びパクリタキセルのいずれか1つの有効量を投与する前に、同時に、又は後に投与される。 いくつかの実施態様において、本明細書において提供される方法は、手術、放射線治療、化学療法、遺伝子治療、DNA治療、アジュバント療法、ネオアジュバント療法、ウイルス性治療、RNA治療、免疫療法、ナノ療法又はそれらの組み合わせをさらに含む。 以下、さらに抗腫瘍剤及び治療を記載する。アルキル化剤 アルキル化剤は、癌細胞のDNAのような巨大分子のアルキル化を通して作用することが知られており、そして通常、強い求電子試薬である。この活性は、DNA合成及び細胞分裂を妨害することができる。本明細書における使用に適したアルキル化試薬の例としては、ナイトロジェンマスタード並びにシクロホスファミド、イホスファミド、クロランブシル、エストラムスチン、塩酸メクロレタミン、メルファラン及びウラシルマスタードを含むその類似体及び誘導体が含まれる。アルキル化剤の他の例としては、アルキルスルホナート(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素(例えばカルムスチン、ロムスチン及びストレプトゾシン)、トリアゼン(例えばダカルバジン及びテモゾロミド)、エチレンイミン/メチルメラミン(例えばアルトレタミン及びチオテパ)及びメチルヒドラジン誘導体(例えばプロカルバジン)が含まれる。カルボプラチン、シスプラチン及びオキサリプラチンを含むアルキル化様白金含有薬物は、アルキル化剤のグループに含まれる。トポイソメラーゼ阻害剤 トポイソメラーゼ阻害剤は、正常な細胞周期中にDNA鎖のリン酸ジエステル主鎖の切断及び再結合に触媒作用を及ぼすことによってDNA構造における変化を制御する酵素であるトポイソメラーゼ酵素(トポイソメラーゼI及びII)の作用を妨げるように作られた薬剤である。トポイソメラーゼは、癌化学療法治療にとって普及した標的となっている。トポイソメラーゼ阻害剤は、細胞周期の連結反応工程をブロックし、一本鎖及び二本鎖をばらばらにしてゲノムの完全性を損なうと考えられる。これらの破損を誘導すると、その後、アポトーシス及び細胞死に至る。トポイソメラーゼ阻害剤は、多くの場合、それがどのタイプの酵素を阻害するかに従って分類される。真核細胞において最も多く見出されるトポイソメラーゼのタイプ、トポイソメラーゼIは、トポテカン、イリノテカン、ルートテカン及びエキサテカンによる標的となり、それぞれ商業的に入手可能である。トポテカンは、商品名ハイカムチン(R)(Hycamtim(R))の下でグラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)から入手可能である。イリノテカンは、商品名カンプトサール(R)(Camptosar(R))の下でファイザー(Pfizer)から入手可能である。ルートテカンは、ギリアドサイエンシズ社(Gilead Sciences Inc.)からのリポソーム型製剤として入手することができる。 II型トポイソメラーゼを標的とする化合物は、2つの主な種類:トポイソメラーゼ−DNA複合体を標的とするトポイソメラーゼ毒、及び触媒的代謝回転を妨害するトポイソメラーゼ阻害剤に分けられる。トポII毒には、真核生物II型トポイソメラーゼ阻害剤(トポII):アムサクリン、エトポシド、エトポシドリン酸、テニポシド及びドキソルビシンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。これらの薬物は、抗癌治療である。トポイソメラーゼ阻害剤の例としては、ICRF−193が含まれる。これらの阻害剤は、トポIIのN末端ATPアーゼドメインを標的とし、そしてトポIIが代謝回転するの妨げる。ATPaseドメインに結合されたこの化合物の構造は、Classen(Proceedings of the National Academy of Science, 2004)によって解決されており、薬物が非競合的様式で結合し、そしてATPアーゼドメインの二量化を停止することを示している。血管新生阻害剤 血管新生阻害剤は、血管新生(新たな血管の成長)を阻害する物質である。すべての固形腫瘍(白血病と対照的に)は、一定のサイズに達したら、それを生きた状態に保つために血管を生じる必要がある。腫瘍は、新たな血管を形成する場合にしか成長することができない。通常、組織補修が活発に進行中でなければ、成人の体の他の場所で血管が構築されることはない。血管新生抑制剤(angiostatic agent)エンドスタチン及び関連した化学物質は、血管の構築を抑制し、癌が際限なく増殖するのを防ぐことができる。患者による試験では、腫瘍が不活性になり、そしてエンドスタチン治療が終了した後でも、そのままであった。治療は、副作用がほとんどなかったが、非常に限られた選択性を有すると考えられる。サリドマイド及び天然植物ベースの物質のような他の血管新生抑制剤は、活発に研究されている。 知られている阻害剤には、血管内皮増殖因子(VEGF)を結合し、血管新生を促進する受容体へのその結合を阻害する薬物ビバシズマブ(アバスチン)が含まれる。他の血管新生阻害剤としては、カルボキシアミドトリアゾール、TNF−470、CM101、INF−アルファ、IL−12、血小板第4因子、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、血管新生抑制ステロイド+ヘパリン、軟骨由来の血管新生阻害因子、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、アンギオスタチン、エンドスタチン、2−メトキシエストラジオール、テコガラン(tecogalan)、トロンボスポンジン、プロラクチン、αVβ3阻害剤及びリノミド(linomide)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。Her−2を標的とする治療 ハーセプチン(トラスツズマブ)は、早期HER2陽性乳癌に使用するための標的療法である。ハーセプチンは、HER2過剰発現、リンパ節陽性又はリンパ節陰性(ER/PR陰性又はハイリスクの特徴が1つある)乳癌のアジュバント治療のために認可されている。ハーセプチンは、いくつかの異なる方法:ドキソルビシン、シクロホスファミド及びパクリタキセル又はドセタキセルのいずれかを含む治療レジメンの一部として;ドセタキセル及びカルボプラチンと共に;又はマルチモダリティ(multi-modality)アントラサイクリンベースの治療に従って単一薬剤として用いることができる。パクリタキセルと組み合わせたハーセプチンは、HER2過剰発現転移性乳癌のファーストライン治療のために認可されている。単一薬剤としてハーセプチンは、転移性疾患のための1つ又はそれ以上の化学療法レジメンを受けた患者におけるHER2過剰発現性乳癌の治療のために認可されている。 ラパチニブ又はラパチニブジトシラートは、乳癌のような固形腫瘍のための経口活性な化学療法薬物治療である。開発中、それは小分子GW572016として知られていた。特定の適応症の基準を達成する患者は、乳癌の併用療法の一部としてラパチニブを処方されうる。薬理学的に、ラパチニブは、発癌性の細胞シグナルを中断する二重チロシンキナーゼ阻害剤である。ラパチニブは、アントラサイクリン、タキサン由来の薬物又はトラスツズマブ(ハーセプチン、ジェネンテック)のような他の化学療法剤による以前の治療後に進行したHER2陽性の進行乳癌を有する患者において女性の乳癌の治療として用いられる。ホルモン療法 癌細胞に付着することができ、そしてその増殖能力に影響を及ぼすことができるある種のホルモンがある。ホルモン療法の目的は、ホルモンを加える、遮断する又は除去することである。乳癌では、女性ホルモンエストロゲン及びプロゲステロンが、一部の乳癌細胞の増殖を促進していることがある。そこで、これらの患者では、体の自然に分泌されるエストロゲンを遮断し、そして癌の増殖を抑えるためにホルモン療法を行う。乳癌には2つのタイプのホルモン療法:エストロゲン及びプロゲステロンが乳癌細胞増殖を促進するのを阻害する薬物及び卵巣からホルモンの産生を止めさせる薬物又は手術がある。 乳癌に用いられる一般的なホルモン療法薬物としては、タモキシフェン、フェアストン(Fareston)、アリミデックス、アロマシン、フェマーラ及びゾラデックスが含まれるが、それらに限定されるわけではない。タモキシフェン−ホルモン拮抗剤 タモキシフェン(ノルバデックスとして市販)は、一部の早期乳癌が再発する可能性を減らし、そして罹患してない乳房において癌の発症を予防することができる。また、タモキシフェンは、体中に存在する癌細胞の増殖を遅らせる又は停止する。さらに、タモキシフェンは、乳癌発症のリスクが高い女性に注意深い経過観察又は予防的な(予防上の)乳房切除の代替物を提供することができる。タモキシフェンは、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)と称するタイプの薬物である。それは、乳房で抗エストロゲン剤として機能する。エストロゲンは、乳癌細胞の増殖を促進し、そしてタモキシフェンは、エストロゲンがこれらの細胞上でエストロゲン受容体に結合するのを阻止する。こうすることで、乳癌細胞の増殖が停止すると考えられる。タモキシフェンは、しばしば化学療法及び他の乳癌治療と共に用いられる。それは、以下の場合:乳房温存手術又は乳房切除と共に非浸潤性乳管癌(DCIS)の治療;進行乳癌がさらに発症するリスクを低下させるための上皮内小葉癌(LCIS)のアジュバント治療;癌がエストロゲンレ受容体陽性である男性及び女性における転移性乳癌のアジュバント治療;再発性乳癌の治療;乳癌を発症するリスクが高い女性において乳癌を予防するため;の選択肢と考えられる。ステロイド性及び非ステロイド性アロマターゼ阻害剤 アロマターゼ阻害剤(AI)は、アロマターゼ酵素を阻止する、閉経後の女性における乳癌及び卵巣癌の治療に用いられる薬物の一種である。アロマターゼ阻害剤は、ホルモン受容体陽性乳癌を有する閉経後の女性においてエストロゲンの量を低下させる。体中にエストロゲンが少なくなると、ホルモン受容体が受ける増殖シグナルがより少なくなり、そして癌増殖を遅らせる又は停止させることができる。 アロマターゼ阻害剤の薬物適用には、アリミデックス(化学名:アナストロゾール)、アロマシン(化学名:エキセメスタン)、及びフェマーラ(化学名:レトロゾール)が含まれる。それぞれは、丸剤によって1日1回、最長で5年間服用される。しかし、進行(転移性)疾患を有する女性については、十分に作用する限り、薬剤は継続される。 AIは、2つのタイプ:アロマターゼ酵素複合体と永続的結合を形成するエキセメスタンのような不可逆的ステロイド性阻害剤;及び可逆的競合によって酵素を阻害する非ステロイド性阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール)に分類される。 フルベストラント、別名ICI 182,780、及び「ファスロデックス」は、抗エストロゲン療法後に疾患進行を伴う閉経後の女性におけるホルモン受容体陽性転移性乳癌の薬物治療である。それは、エストロゲン受容体の下方制御及び分解の両方によって作用する、アゴニスト作用のないエストロゲン受容体拮抗剤である。それは、毎月1回の注射として投与される。標的療法 EGFRは、肺癌及び乳癌を含むが、それらに限定されない特定のタイプのヒト癌腫の細胞中で過剰発現される。高度に増殖性の浸潤性乳癌細胞は、多くの場合、異常に高いレベルのEGFRを発現し、そしてこれは、細胞分裂及び移動の両方を制御することが知られている。EGFRへの関心は、特定のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤、例えばゲフィチニブの有用性及びFDAの認可によってさらに高まっている。EGFRの阻害は、重要な抗癌治療である。EGFR阻害剤の例としては、セツキシマブが含まれるが、それに限定されるわけではなく、それは、転移性結腸直腸癌及び頭頸部癌を含むが、それらに限定されない癌の治療のため静脈注射によって投与されるキメラモノクローナル抗体である。パニツミマブ(Panitumimab)は、EGFR阻害剤の別の例である。それは、EGFRに対するヒト化モノクローナル抗体である。パニツミマブは、進行結腸癌を有する患者に単独で用いたときに、支持療法よりも有益かつより良好であることが示されており、そしてこの使用についてはFDAによって認可されている。 1型インスリン様増殖因子受容体(IGF1R)の活性化は、さまざまな細胞タイプにおいて増殖を促進し、そしてアポトーシスを阻害する。構成的に活性なIGF1R又はIGF−1を発現するトランスジェニックマウスは、乳房腫瘍を発症し、そして原発性乳癌においてIGF1Rレベルの上昇が検出された(Yanochko et.al. Breast Cancer Research 2006)。また、インスリン様増殖因子1受容体(IGF1R)及びHER2は、乳癌において重要なシグナル伝達相互作用を示すことがわかっている。これらの受容体の一方の特異的阻害剤は、他方の活性を相互阻害することがある。両方の受容体を標的とすることで、それらの下流の細胞外シグナル調節キナーゼ1/2及びAKTシグナル伝達経路の阻害が最大となる。従って、このような薬物の組み合わせは、HER2非過剰発現MCF7細胞におけるHER2/IGF1R阻害剤の組み合わせ効果によって例示されるように、臨床的に有用でありうるし、そして単一薬物が不活性である腫瘍であっても有益でありうる(Chakraborty AK, et.al, Cancer Res. 2008 Mar 1;68(5):1538-45)。IGF1R阻害剤の1つの例は、CP−751871である。CP−751871は、IGF1Rに選択的に結合し、IGF1の受容体への結合、そしてその後の受容体自己リン酸化を防ぐヒトモノクローナル抗体である。IGF1R自己リン酸化の阻害は、IGF1Rを発現する腫瘍細胞における受容体発現の低下、IGFの抗アポトーシス効果における低下、及び腫瘍増殖の阻害をもたらす。IGF1Rは、ほとんどの腫瘍細胞において発現される受容体チロシンキナーゼであり、そして有糸分裂誘発、血管新生及び腫瘍細胞の生存に関与している。PI3K/mTOR経路 ホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)経路の調節解除(deregulation)は、腫瘍サプレッサーホスファターゼの不活性化及び染色体10から削除されたテンシンホモログ又はp110−αの突然変異の活性化のいずれかによるヒト癌における一般的な事象である。これらのホットスポット突然変異は、酵素の発癌活性を生じ、そして抗HER2抗体トラスツズマブに対する治療抵抗性の一因となる。従って、PI3K経路は、癌治療にとって魅力的な標的である。NVP−BEZ235、PI3Kの二重阻害剤及びラパマイシンの下流哺乳類標的(mTOR)は、乳癌細胞において下流エフェクターAkt、S6リボソームタンパク質及び4EBP1の活性を阻害することがわかっている。NVP−BEZ235は、PI3K/mTOR axisを阻害し、そして野生型及び変異型p110−αの両方の癌細胞において抗増殖及び抗腫瘍活性を生じる(Violeta Serra, et.al. Cancer Research 68, 8022-8030, October 1, 2008)。Hsp90阻害剤 この薬物は、熱ショックタンパク質90(hsp90)を標的とする。Hsp90は、シャペロンタンパク質の種類の1つであり、その通常の仕事は、他のタンパク質が、その仕事をするためにそのタンパク質にとって必要な形状を獲得し、そして維持するのを助けることである。シャペロンタンパク質は、他のタンパク質と物理的に接触することによって作用する。また、Hsp90は、通常、癌細胞のような細胞を死滅させうる遺伝的欠陥にもかかわらず、癌細胞を生存させ、そして繁殖させることさえも可能にする。従って、特にシャペロン機能の遮断を、癌細胞生存を阻止する他の戦略と組み合わせた場合、HSP90及び関連したシャペロンタンパク質の機能を遮断することで、癌細胞を死滅させることができる。チュブリン阻害剤 チュブリンは、微小管を形成するタンパク質であり、それは細胞の細胞骨格(構造的ネットワーク)の重要な成分である。微小管は、細胞分裂(有糸分裂)、細胞構造、輸送、シグナル伝達及び運動性に必要である。微小管は、有糸分裂においてその主要な役割を与えられており、多くの場合、細胞分裂阻害剤、チュブリン阻害剤及び微小管を標的とする薬剤と称する抗癌剤にとって重要な標的となっている。これらの化合物は、微小管中のチュブリンに結合し、そして細胞分裂に必要な微小管形成を妨げることによって癌細胞増殖を阻止する。この妨げにより細胞周期の連鎖が遮断され、アポトーシスに至る。アポトーシス阻害剤 アポトーシスの阻害剤(IAP)は、アポトーシスの内因性阻害剤として作用する、最初にバキュロウイルス(Baculovirus)において特徴づけられた機能的及び構造的に関連するタンパク質のファミリーである。ヒトIAPファミリーは、少なくとも6つのメンバーからなり、そしてIAPホモログは、多くの生物で同定されている。10058−F4は、細胞周期停止及びアポトーシスを誘導するc−Myc阻害剤である。それは、c−Myc−Max相互作用を特異的に阻害し、そしてc−Myc標的遺伝子発現のトランス活性化を阻止する細胞透過性チアゾリジノンである。10058−F4は、in vitro及びin vivoの両方でc−Myc依存的に腫瘍細胞増殖を阻害する。BI−6C9は、tBid阻害剤であり、そして抗アポトーシスである。GNF−2は、Bcr−abl阻害剤の新たな種類に属する。GNF−2は、活性部位から遠いアロステリック部位、ミリストイル結合ポケットに結合し、キナーゼの不活性形態を安定化すると考えられる。それは、267nMのIC50でBcr−ablリン酸化を阻害するが、天然(native)c−Ablを含む63個の他のキナーゼのパネルを阻害することはなく、そしてBrc−Ablを発現しない細胞に対して全く毒性がないことを示した。GNF−2は、Bcr−abl活性を研究するための、そしてBrc−Abl癌タンパク質を生じる抵抗性慢性骨髄性白血病(CML)を治療するための、新たな種類の阻害剤の大きな可能性を示している。ピフィトリン−αは、サイクリンG、p21/waf1及びmdm2発現のようなp53介在性アポトーシス及びp53依存性遺伝子転写の可逆的阻害剤である。ピフィトリン−αは、UV照射並びにドキソルビシン、エトポキシド、パクリタキセル、及びシトシン−β−D−アラビノフラノシドを含む細胞傷害性化合物による治療のような遺伝子毒性ストレス後の細胞生存を強化する。ピフィトリン−αは、癌発生率における上昇なしに致死性の全身γ線照射からマウスを保護する。放射線治療 放射線治療(又は放射線療法)は、悪性細胞を抑制する癌治療の一部としての電離放射線の医学的使用である。放射線療法は、治癒的又はアジュバント癌治療に用いることができる。放射線療法は、待期的治療として(治癒が可能でなく、目的が局所的な疾患抑制又は症状軽減である場合)又は治療的治療として(治療が生存効果を有し、治癒がありうる場合)用いられる。放射線療法は、悪性腫瘍の治療に用いられ、そして一次療法として用いてもよい。放射線療法を手術、化学療法、ホルモン療法又は3つのいくつかを合わせたものと組み合わせるのも一般的である。最も一般的な癌タイプは、いくつかのやり方で放射線療法を用いて治療することができる。明確な治療意図(治癒的、アジュバント的、ネオアジュバント的、治療的、又は待期的)は、腫瘍タイプ、部位、及び段階、並びに患者の健康状態に左右される。 放射線治療は、一般に癌腫瘍に適用される。流入領域リンパ節が腫瘍と共に臨床的に又は放射線学的に含まれる場合、又は準臨床的に悪性で広がるリスクであると考えられる場合、照射領域には流入領域リンパ節が含まれうる。毎日のセットアップ及び体内腫瘍の挙動における不確かさを考慮して腫瘍周辺に正常組織のマージンを含む必要がある。 放射線治療は、細胞のDNAに損傷を与えることによって作用する。DNA鎖を構成する原子を直接又は間接的にイオン化する光子、電子、陽子、中性子、又はイオンビームによって損傷が生じる。間接的イオン化は、水のイオン化の結果として起こり、フリーラジカル、特にヒドロキシルラジカルが形成され、次いで、これがDNAに損傷を与える。放射線治療の最も一般的な形態において、ほとんどの放射線効果は、フリーラジカルによるものである。細胞はDNA損傷を補修する機構を有するため、両方の鎖におけるDNAの切断は、細胞の特性を改良する際の最も重要な技術であることがわかっている。癌細胞は一般に未分化及び幹細胞様であるため、より多く複製され、そしてほとんどの健康な分化細胞と比較して亜致死性損傷を修復する能力が低下している。DNA損傷は、細胞分裂を通して受け継がれ、癌細胞に損傷を蓄積し、死滅させるか又はより遅く複製させる。陽子放射線療法は、腫瘍に正確に停止するために運動エネルギーを変えて陽子を送ることによって作用する。 また、乳癌を含む癌のいくつかのタイプを治療するにはガンマ線も使用される。ガンマナイフ手術と称する方法では、癌細胞を殺すためガンマ線の複数の集中ビームを腫瘍に向ける。周囲組織への損傷を最小限にしながら、異なる角度からビームを狙って腫瘍上に放射線を集中させる。遺伝子治療剤 遺伝子治療剤は、患者の細胞の特定部分に遺伝子のコピーを挿入し、そして癌及び非癌細胞の両方を標的にすることができる。遺伝子治療の目標は、変性した遺伝子を機能性遺伝子で置き換えること、癌に対する患者の免疫反応を刺激すること、癌細胞を化学療法に対してより感受性にすること、癌細胞に「自殺」遺伝子を入れること、又は血管新生を阻害することであるといえる。遺伝子は、ウイルス、リポソーム、又は他の担体若しくはベクターを用いて標的細胞に送達されうる。これは、患者に遺伝子−担体組成物を直接注射するか、又は生体外で、感染細胞を患者に戻して行ってもよい。このような組成物は、本発明における使用に適している。アジュバント療法 アジュバント療法は、治癒の可能性を高めるために一次治療の後に行われる治療である。アジュバント療法には、化学療法、放射線治療、ホルモン療法又は生物学的療法が含まれうる。 アジュバント療法の主な目的は、広がる可能性がある癌細胞を死滅させることであり、治療は、通常、全身である(血流中を移動する物質を使用し、体全体にわたって癌細胞に到達して作用する)。乳癌のアジュバント療法としては、化学療法又はホルモン療法が単独又は組み合わせのいずれかで含まれる。 アジュバント化学療法は、癌細胞を殺す薬物の使用である。早期乳癌のアジュバント療法として化学療法を用いることは、原発癌の再発の予防に役立つことが研究からわかっている。アジュバント化学療法は、通常、抗癌剤の組み合わせであり、それは単一の抗癌剤より有効であることがわかっている。 アジュバントホルモン療法は、一部の乳癌細胞が増殖するのに必要な女性ホルモンエストロゲンを癌細胞から奪う。最も多くの場合、アジュバントホルモン療法は、薬物タモキシフェンを用いた治療である。タモキシフェンを早期乳癌のアジュバント療法として用いたとき、原発癌の再発の予防に役立ち、そしてまた、別の乳房で新しい癌が発症するのを予防するのに役立つことが研究からわかった。 卵巣は、閉経前のエストロゲンの主要供給源である。乳癌を有する閉経前女性では、アジュバントホルモン療法は、癌細胞からエストロゲンを奪うために、タモキシフェンが含まれうる。卵巣によるエストロゲンの産生を抑制する薬物は、調査中である。別法として、卵巣を除去する手術を実施してもよい。 放射線治療は、局所的アジュバント療法としてしばしば用いられる。放射線治療は、乳房切除の前又は後に行う時のアジュバント治療と考えられている。このような治療は、胸壁又はリンパ節のような体の近くの部分に広がった癌細胞を破壊することを目的としている。放射線治療は、乳房温存手術の後に行う場合、一次療法の一部であって、アジュバント療法ではない。ネオアジュバント療法 ネオアジュバント療法は、一次治療の前に行う治療のことである。ネオアジュバント療法の例としては、化学療法、放射線治療及びホルモン療法が含まれる。乳癌の治療では、ネオアジュバント療法により、大きな乳癌を有する患者に乳房温存手術を受けさせることができる。腫瘍崩壊ウイルス療法(oncolytic viral therapy) 癌のウイルス療法では、腫瘍崩壊ウイルスと称するウイルスタイプを用いる。腫瘍崩壊ウイルスは、正常細胞を無傷のまま残しながら、癌細胞に感染して崩壊することができるウイルスであり、癌治療では有用な可能性がある。腫瘍崩壊ウイルスの複製は、腫瘍細胞の破壊を促進し、そしてまた腫瘍部位での用量増幅を生じる。腫瘍崩壊ウイルスは、抗癌遺伝子のベクターとしても作用することができ、抗癌遺伝子を腫瘍部位に特異的に送達することができる。 腫瘍選択性をもたらすには、2つの主要なアプローチ:形質導入による及び形質導入によらない標的化(transductional and non-transductional targeting)がある。形質導入による標的化には、ウイルスコートタンパク質の特異性を改良することで非標的細胞への進入を減らしながら標的細胞への進入を高めることが含まれる。形質導入によらない標的化には、癌細胞中でしか複製することができないようにウイルスのゲノムを変えることが含まれる。これは、ウイルス複製に必須の遺伝子を腫瘍特異性プロモーターの支配下に配置する転写標的化、又は正常細胞中でなく、癌細胞中の不必要な機能を除去するウイルスゲノムへの欠失導入を含む減衰のいずれかによって実施することができる。また、少し不明確な別の方法もある。 Chen 等, (2001)は、マウスの前立腺癌において放射線療法と併用して前立腺に特異的なアデノウイルス、CV706を用いた。併用治療では、ウイルス放出量(各細胞溶解物から放出されたウイルス粒子の数)における有意な増加だけでなく細胞死における相乗的増加が生じた。 ONYX−015を、化学療法と併用する試験にかけた。併用治療では、いずれかの単独治療よりも大きな反応を得たが、結果が完全に決定されたわけではない。ONYX−015は、放射線療法との併用に有望であることがわかった。 静脈内に投与されるウイルス性薬剤は、従来通り治療するのが特に困難である転移性癌に対して特に有効でありうる。しかし、血液によって運ばれるウイルスは、抗体によって非活性化され、例えばクッパー細胞(アデノウイルス駆除の役割を果たす肝臓中で極めて活性な食細胞)によって血流から急速に取り除くことができる。腫瘍が破壊されるまで免疫系を無効化することは、腫瘍崩壊ウイルス療法の成功にとって最大の障害となりうる。これまで免疫系を無効化するために用いられた技術は、まったく満足のいくものではない。併用療法は、明らかなマイナス効果なしに相乗的に作用するため、従来の癌治療との併用では腫瘍崩壊ウイルスは、最も有望であることがわかる。 腫瘍崩壊ウイルスの特異性及び融通性とは、それが最小限の副作用で乳癌を含むさまざまな癌を治療する可能性があることを意味する。腫瘍崩壊ウイルスには、癌細胞を選択的に死滅するという問題を解決する可能性がある。ナノ療法 ナノメートルサイズの粒子は、個体分子又はバルク固体からは得ることができない新規な光学的、電子的、及び構造的性質を有する。腫瘍特異性リガンド又はモノクローナル抗体のような腫瘍標的化部分と結合すると、これらのナノ粒子は、癌特異性受容体、腫瘍抗原(バイオマーカー)、及び腫瘍血管系を高い親和性及び精度で標的とするのに使用することができる。癌ナノ療法の製剤及び製造方法は、特許US7179484及び論文M. N. Khalid, P. Simard, D. Hoarau, A. Dragomir, J. Leroux, Long Circulating Poly(Ethylene Glycol)Decorated Lipid Nanocapsules Deliver Docetaxel to Solid Tumors, Pharmaceutical Research, 23(4), 2006に記載されており、それらの全ては、それらの全体として参照により本明細書に組み込まれている。RNA治療 siRNA、shRNA、又はmicroRNAに含むが、それらに限定されないRNAは、遺伝子発現の調節及び癌の治療に使用することができる。二本鎖オリゴヌクレオチドは、2つの異なるオリゴヌクレオチド配列の集合によって形成され、ここで一方の鎖のオリゴヌクレオチド配列は、もう一方の鎖のオリゴヌクレオチド配列に相補的であり;このような二本鎖オリゴヌクレオチドは、一般に2つの別々のオリゴヌクレオチド(例えば、siRNA)か、又は二本鎖構造を形成するためにそれ自体折り畳まれている単一分子(例えば、shRNA又は低分子ヘアピン型RNA)から構成される。当分野で知られているこれらの二本鎖オリゴヌクレオチドは全て二本鎖の各鎖が異なるヌクレオチド配列を有するという共通の特徴を有し、一方のヌクレオチド配列領域(ガイド配列又はアンチセンス配列)のみが標的核酸配列に対して相補性を有し、そしてもう一方の鎖(センス配列)は、標的核酸配列に対して相同性であるヌクレオチド配列を含む。 microRNA(miRNA)は、ヌクレオチド約21〜23個の長さの一本鎖RNA分子であり、それは遺伝子発現を調節する。miRNAは、DNAから転写されるが、タンパク質に翻訳されない遺伝子(ノンコーディングRNA)によってコードされており;その代わりにそれはpri−miRNAとして知られている一次転写物からpre−miRNAと称するショートステムループ構造、そして最終的に機能性miRNAに加工される。成熟miRNA分子は、1つ又はそれ以上のメッセンジャーRNA(mRNA)分子に対して部分的に相補的であり、そしてその主な機能は、遺伝子発現を下方制御することである。 ある種のRNA阻害剤は、癌表現型に関連するメッセンジャーRNA(「mRNA」)の発現又は翻訳を阻害するために使用することができる。本明細書における使用に適したこのような薬剤の例としては、低分子干渉RNA(「siRNA」)、リボザイム、及びアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれるが、それらに限定されるわけではない。本明細書における使用に適したRNA阻害剤の具体例としては、Cand5、Sirna−027、ホミビルセン、及びアンギオザイムが含まれるが、それらに限定されるわけではない。小分子酵素阻害剤 ある種の小分子治療剤は、チロシンキナーゼ酵素活性又は上皮増殖因子受容体(「EGFR」)若しくは血管内皮増殖因子受容体(「VEGFR」)のような特定の細胞受容体の下流シグナル伝達シグナルを標的にすることができる。小分子療法によるこのような標的化は、抗癌効果を生じることができる。本明細書における使用に適したこのような薬剤の例としては、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、ZD6474、ソラフェニブ(BAY 43−9006)、ERB−569、及びそれらの類似体及び誘導体が含まれるが、それらに限定されるわけではない。抗転移剤 癌細胞が最初の腫瘍の部位から体内の別の場所に広がる過程を癌転移と称する。ある種の薬剤は、癌細胞の広がりを阻害するように考えられた抗転移性を有する。本明細書における使用に適したこのような薬剤の例としては、マリマスタット、ビバシズマブ、トラスツズマブ、リタキシマブ、エルロチニブ、MMI−166、GRN163L、ハンターキラーペプチド、メタロプロテイナーゼの組織阻害剤(TIMP)、それらの類似体、誘導体及び変種が含まれるが、それらに限定されるわけではない。化学予防剤 ある種の薬剤は、癌の最初の発生を予防するため、又は再発若しくは転移を予防するために使用することができる。本明細書において提供された方法と組み合わせたこのような化学予防剤は、癌の治療及び再発の予防の両方に用いることができる。本明細書における使用に適した化学予防剤の例としては、タモキシフェン、ラロキシフェン、チボロン、ビスホスホネート、イバンドロネート、エストロゲン受容体モジュレーター、アロマターゼ阻害剤(レトロゾール、アナストロゾール)、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト、ゴセレリン、ビタミンA、レチナール、レチノイン酸、フェンレチニド、9−シス−レチノイド酸、13−シスレチノイド酸、オールトランスレチノイン酸、イソトレチノイン、トレチノイド、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、アスピリン、イブプロフェン、セレコキシブ、ポリフェノール、ポリフェノールE、緑茶抽出物、葉酸、グルカル酸、インターフェロン−アルファ、アネトールジチオールチオン、亜鉛、ピリドキシン、フィナステリド、ドキサゾシン、セレニウム、インドール−3−カルビナール、アルファ−ジフルオロメチルオルニチン、カロチノイド、ベータ−カロチン、リコペン、抗酸化剤、コエンザイムQ10、フラボノイド、ケルセチン、クルクミン、カテキン、没食子酸エピガロカテキン、N−アセチルシステイン、インドール−3−カルビノール、イノシトール六リン酸、イソフラボン、グルカン酸、ローズマリー、大豆、ノコギリヤシ、及びカルシウムが含まれるが、それらに限定されるわけではない。本発明の使用に適した化学予防剤のさらなる例は、癌ワクチンである。これは、ワクチン接種過程によって標的化された全ての又は一部の癌細胞タイプを用いて患者を免疫化することによって実施することができる。乳癌の治療方法 本明細書において、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを患者に投与することを含む、患者における転移性乳癌の治療方法であって、転移性乳癌は、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性である、前記治療方法が提供される。本明細書に提供される方法は、患者を治療する転移性設定においてセカンドライン又はサードライン治療として用いてもよい。セカンドライン治療は、ファーストライン治療の後に用いられる。例えば、セカンドライン治療は、ファーストライン治療が失敗した後に用いてもよい。同様に、サードライン治療は、セカンドライン治療の後に用いられる。例えば、サードライン治療は、セカンドライン治療が失敗した後に用いてもよい。いくつかの実施態様において、患者は、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性である転移性乳癌を有する。本明細書に記載された患者は、本明細書に記載された治療を受ける前に転移性設定において少なくとも1つのラインの治療(例えば、化学療法)を受けたことがある。いくつかの実施態様において、患者は、転移性設定において1ラインの治療又は2ラインの治療(例えば、1ラインの化学療法又は2ラインの化学療法)を受けたことがある(例えば、患者は、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌の治療に用いられる以前の1ラインの治療又は以前の2ラインの治療を受けたことがある)。本明細書に記載された以前のラインの治療は、以前のラインの化学療法であってもよい。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン、及び抗VEGF抗体の少なくとも1つを含む。例えば、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン、又は抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン及びタキサンを含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン及び抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、タキサン及び抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン及び抗VEGF抗体を含む。本明細書に記載されたアントラサイクリンは、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、リポソーム製剤中のダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、リポソーム製剤中のドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、及びミトキサントロンのいずれかであってもよい。本明細書に記載されたタキサンは、パクリタキセル、ドセタキセル、及びアブラキサンのいずれかであってもよい。抗VEGF抗体は、ビバシズマブであってもよい。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、ネオアジュバント治療である。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アジュバント療法である。いくつかの実施態様において、乳癌は、少なくとも1つの転移性部位を有する。例えば、乳癌は、少なくとも2つの転移部位又は少なくとも3つの転移部位を有する。いくつかの実施態様において、転移部位は、肺、肝臓、中枢神経系、脳、骨、皮膚、軟組織、リンパ節、及び乳房からなる群より選ばれる。いくつかの実施態様において、患者は、少なくとも約1ヵ月(例えば、少なくとも約2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月、7ヵ月、8ヵ月、9ヵ月、10ヵ月、11ヵ月、12ヵ月、13カ月、14ヵ月、15ヵ月、16ヵ月、17ヵ月、18ヵ月、19ヵ月、又は20ヵ月のいずれか)の無病期間を有する。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、静脈内に投与される。いくつかの実施態様において、ゲムシタビンは静脈内に投与される。いくつかの実施態様において、カルボプラチンは静脈内に投与される。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、ゲムシタビン、及び/又はカルボプラチンの用量又は投与レジメンは、本明細書に記載されたいずれかの用量又は投与レジメンであることができる。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、約5.6mg/kg(又は約11.2mg/kg)で投与され、ゲムシタビンは、約1000mg/m2で投与され、そしてカルボプラチンは、AUC約2で投与される。いくつかの実施態様において、方法は少なくとも1回のサイクルを含み、ここで、サイクルは21日の期間であり、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週2回、約5.6mg/kgでサイクルのうちの2週間投与され、ゲムシタビンは、週1回、約1000mg/m2でサイクルのうちの2週間投与され、そしてカルボプラチンは、週1回、AUC約2でサイクルのうちの2週間投与される。いくつかの実施態様において、方法は少なくとも1回のサイクルを含み、ここで、サイクルは21日の期間であり、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週1回、約11.2mg/kgでサイクルのうちの2週間投与され、ゲムシタビンは、週1回、約1000mg/m2でサイクルのうちの2週間投与され、そしてカルボプラチンは、週1回、AUC約2でサイクルのうちの2週間投与される。いくつかの実施態様において、有効量は、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定、及び病理学的完全奏効からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる。いくつかの実施態様において、有効量は、完全奏効、部分奏効、又は安定を生じる。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、基底又は基底様乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、クローディン−ロウ乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、ERBB2陽性乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、ルミナルA乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、ルミナルB乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌は、正常様乳癌である。基底、ERBB2、クローディン様、ルミナルA、ルミナルB、及び正常様サブタイプのような乳癌サブタイプは、当業者に知られている方法のいずれかを用いて決定してもよく、例えば、Sorlie et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2003, 100(14):8418-23 and/or Prat A et al., Breast Cancer Res. 2010, 12(5):R68に記載された方法に従うことができる。 また、本明細書において、転移性乳癌を有する患者に、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくはその薬学的に許容しうる塩(例えば、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド)、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを投与することを含む、患者における転移性乳癌の治療方法であって、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌。いくつかの実施態様において、有効量は21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1、4、8、11に約5.6mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される。いくつかの実施態様において、有効量は21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される。 本明細書に記載された方法のいくつかの実施態様において、患者は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩を含む以前の化学療法を受けたことがない。いくつかの実施態様において、患者は、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ(Olaparib)、ABT−888(ベリパリブ(Veliparib))、AG014699、CEP 9722、MK 4827、KU−0059436(AZD2281)、又はLT−673)を含む以前の化学療法を受けたことがない。いくつかの実施態様において、患者は、ゲムシタビンを含む以前の化学療法を受けたことがない。いくつかの実施態様において、患者は、カルボプラチンを含む以前の化学療法を受けたことがない。いくつかの実施態様において、患者は、シスプラチンを含む以前の化学療法を受けたことがない。 また、本明細書において、乳癌を有する患者に、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくはその薬学的に許容しうる塩(例えば、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド)、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩(例えば、パクリタキセル)を投与することを含む、患者における乳癌の治療方法であって、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与は、ネオアジュバント治療として用いられる、前記方法が提供される。いくつかの実施態様において、ネオアジュバント療法は、手術の前に適用される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週2回、約5.6mg/kgで投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週1回、約11.2mg/kgで投与される。いくつかの実施態様において、タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、週1回、約80mg/m2で投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1及び4に約5.6mg/kgで投与され、そしてタキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1に約80mg/m2で投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1に約11.2mg/kgで投与され、そしてタキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1に約80mg/m2で投与される。いくつかの実施態様において、方法は、本明細書に記載された治療の後、例えば(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与後、患者から乳癌組織を除去する手術をさらに含む。いくつかの実施態様において、治療(例えば、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与)は、手術まで継続する。いくつかの実施態様において、方法は、本明細書に記載された治療(例えば、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与)の少なくとも約1週(例えば、約10日、約2週、約3週、約4週、約5週、又は約6週)後、患者から乳癌組織を除去する手術をさらに含む。いくつかの実施態様において、方法は、本明細書に記載された治療(例えば、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与)の約2〜約4週後、患者から乳癌組織を除去する手術をさらに含む。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 いくつかの実施態様において、乳癌を有する患者に、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む、患者における乳癌の治療方法であって、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与は、ネオアジュバント治療として用いられ、ここで、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、少なくとも約1週(例えば、約10日、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約8週、約10週、約12週、又は約14週)の間、患者に投与される、前記治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ホルモン受容体陰性(「HR陰性」)乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、エストロゲン受容体(「ER」)、プロゲステロン受容体(「PR」)又はヒト上皮増殖因子受容体2(「HER2」)の少なくとも1つについて陰性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER、PR又はHER2の少なくとも1つについて陰性であり;そして乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER、PR又はHER2少なくとも1つについて陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、HR陰性乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER陰性乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER陰性及びHER2陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER陰性及びPR陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER陰性及びHER2陽性及びPR陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、PR陰性乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、PR陰性及びER陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、PR陰性及びHER2陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、PR陰性及びER陽性及びHER2陽性の両方である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、HER2陰性乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、HER2陰性及びER陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、HER2陰性及びPR陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、HER2陰性及びER陽性及びPR陽性の両方である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER陰性及びPR陰性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER陰性、PR陰性及びHER2陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER陰性及びHER2陰性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER陰性、HER2陰性及びPR陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、PR陰性及びHER2陰性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、PR陰性、HER2陰性及びER陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ER陰性、PR陰性及びHER2陰性である。 いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、HER2を過剰発現しない。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、HER2を過剰発現する。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ERについて陰性及び/又はPRについて陰性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ERについて陽性及び/又はPRについて陽性である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、エストロゲン受容体(ER)発現について陰性であり、プロゲステロン受容体(PR)発現について陰性であり、そしてHER2を過剰発現しない。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)を発現し、そしてHER2を過剰発現する。 いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、相同組換えDNA修復に欠損がある。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、BRCA欠損である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、BRCA1欠損である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、BRCA2欠損である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、BRCA1欠損及びBRCA2欠損である。いくつかの実施態様において、患者は、正常な乳房組織と比較して異なるレベルのBRCA(例えば、BRCA1)発現している乳癌組織を有し、例えば、患者は、正常な乳房組織と比較してBRCA(例えば、BRCA1)の発現レベルが低下している。いくつかの実施態様において、BRCA(例えば、BRCA1)発現は、少なくとも約1.5倍(例えば、少なくともおよそ2倍、3倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍又は10倍のいずれか)低下する。いくつかの実施態様において、乳癌は、BRCA1及び/又はBRCA2における少なくとも1つの突然変異を含む。いくつかの実施態様において、本明細書に記載された乳癌は局所進行乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は転移性乳癌である。 いくつかの実施態様において、乳癌は、浸潤性(infiltrating)(又は浸潤性(invasive))癌腫である。いくつかの実施態様において、乳癌は、小葉癌又は腺管癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は、上皮内小葉癌又は非浸潤性乳管癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は、浸潤性(又は浸潤性)小葉癌腫又は浸潤性(又は浸潤性)腺管癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は、乳管癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は、導管内(intraductal)、浸潤性(invasive)、面皰(comedo)、炎症性、リンパ球浸潤を伴う髄様(medullary)、粘液性(mucinous)(膠状(colloid))、乳頭状(papillary)、硬性(scirrhous)、又は管状腺管癌(tubular ductal carcinoma)である。本明細書に提供される方法によって治療することができる他の乳癌は、髄様癌、膠様癌、管状腺管癌(tubular carcinomas)、炎症性乳癌、乳頭癌、及び腺管内癌又は浸潤性腺管癌を伴うパジェット病である。いくつかの実施態様において、本明細書に記載された乳癌は、転移性乳癌である。いくつかの実施態様において、本明細書に記載された乳癌は、局所進行乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行乳癌又は転移性乳癌)は、ルミナルB(Luminal B)サブタイプ、ルミナルA(Luminal A)サブタイプ、正常様(normal-like)サブタイプ、基底様(basal-like)サブタイプ、クローディン−ロウ(claudin-low subtype)サブタイプ、又はHER2-enriched(HER2-enriched)サブタイプである。いくつかの実施態様において、本明細書に記載された乳癌は、転移性乳癌である。いくつかの実施態様において、転移は脳転移を含む。いくつかの実施態様において、転移は脳転移を含む。いくつかの実施態様において、本明細書に記載された乳癌は、局所進行乳癌である。 いくつかの実施態様において、乳癌は、0期、I期、II期、III期又はIV期乳癌のいずれかであるいくつかの実施態様において、乳癌は、炎症性乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は、II期及び/又はIII期である。いくつかの実施態様において、乳癌は、II期である。いくつかの実施態様において、乳癌は、IIIA期乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は、早期乳癌、非転移性乳癌、進行乳癌、IV期乳癌、局所進行乳癌、進行性の局所進行乳癌、転移性乳癌、寛解期乳癌、アジュバント設定における乳癌(breast cancer in an adjuvant setting)、又はネオアジュバント設定における乳癌(breast cancer in a neoadjuvant setting)である。いくつかの特定の実施態様において、乳癌は、ネオアジュバント設定にある。いくつかの実施態様において、進行期の癌の治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、患者は、両側乳癌を有しない。いくつかの実施態様において、患者は、多中心性乳癌を有しない。 また、本明細書において、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを患者に投与することを含む、患者における乳癌の治療方法であって、患者は、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を有し、ここで、有効量は21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、前記治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、乳癌は転移性乳癌である。いくつかの実施態様において、転移性乳癌を有する患者は、脳転移を有する。いくつかの実施態様において、転移は脳転移を含む。いくつかの実施態様において、乳癌はルミナルBサブタイプである。いくつかの実施態様において、有効量は、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定、全奏効率における増加、又は病理学的完全奏効からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる。 また、ルミナルBサブタイプの乳癌の治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、乳癌を有する患者に、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを投与することを含む、患者におけるルミナルBサブタイプの乳癌の治療方法が提供される。 乳癌の特定のサブタイプに関連する分子署名を同定するためにDNAマイクロアレイ分析を用いた。特に乳癌腫瘍を異なるサブタイプに分類するために用いられるDNAマイクロアレイ分析に関しては、例えば、Sorlie et al., "Gene expression patterns of breast carcinomas distinguish tumor subclasses with clinical implications," Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 98(19):10869-10874 (2001)を参照し、それは参照により本明細書に組み込まれている。種々の乳癌サブタイプの分子的署名特性を同定するために最初に使用された、いわゆる「固有の」遺伝子セットのサブセットは、5つの主要サブタイプを区別するために十分な50個の遺伝子を含んでおり、後にその最初の仕事から誘導された。特に乳癌腫瘍を異なるサブタイプに分類するためのPAM50遺伝子サブセットの組成及び使用に関しては、例えば、Parker et al., "Supervised risk preditor of breast cancer based on intrinsic subtypes," J. Clin. Oncol. 27(8):1160-1167 (2009)を参照し、それは参照により本明細書に組み込まれている。乳癌腫瘍を5つの主なサブタイプ(ルミナルA、ルミナルB、正常様、HER2-enriched、及び基底様)へ分類するのに十分な、いわゆる「PAM50」遺伝子サブセットは、以下の遺伝子:(1)フォークヘッドボックス(Forkhead box)C1(FOXC1);(2)黒色腫阻害活性(MIA);(3)NDC80ホモログ、動原体複合体成分(KNTC2);(4)中心体タンパク質55kDa(CEP55);(5)アニリン、アクチン結合タンパク(ANLN);(6)母体胚性(maternal embryonic)ロイシンジッパーキナーゼ(MELK);(7)Gタンパク質共役受容体160(GPR160);(8)膜貫通タンパク質45B(TMEM45B);(9)エストロゲン受容体1(ESR1);(10)フォークヘッドA1(FOXA1);(11)V−erb−b2赤芽球性白血病ウイルス性癌遺伝子ホモログ2、ニューロ/グリア芽腫由来癌遺伝子ホモログ(鳥類)(ERBB2);(12)増殖因子受容体結合タンパク質7(GRB7);(13)線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4);(14)ビリベルジン還元酵素A(BLVRA);(15)BCL2関連のアタノジーン(athanogene)4(BAG1);(16)CDC20;(17)サイクリンE1(CCNE1);(18)、ARP3アクチン関連タンパク質3ホモログB(酵母)(ACTR3B);(19)V−myc骨髄球腫症ウイルス性癌遺伝子ホモログ(鳥類)(MYC);(20)frizzled-関連分泌タンパク質1(SFRP1);(21)ケラチン14(単純型先天性表皮水疱症,Dowling-Meara, Koebner)(KRT14);(22)ケラチン17(KRT17);(23)ケラチン5(単純型先天性表皮水疱症、Dowling-Meara/Kobner/Weber-Cockayneタイプ)(KRT5);(24)メラノフィリン(melanophilin)(MLPH);(25)サイクリンB1(CCNB1);(26)細胞分裂周期6ホモログ(S. cerevisiae)(CDC6);(27)チミジル酸合成酵素(TYMS);(28)ユビキチン結合酵素E2T(推定上)(UBE2T);(29)リボヌクレオチドレダクターゼM2ポリペプチド(RRM2);(30)マトリックスメタロペプチダーゼ11(ストロメライシン3)(MMP11);(31)CXXCフィンガー(finger)5(CXXC5);(32)起点認識複合体、サブユニット6様(subunit 6 like)(酵母)(ORC6L);(33)Mdm2、形質転換された3T3細胞二重微小染色体2、p53結合タンパク質(マウス)(MDM2);(34)キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C);(35)プロゲステロン受容体(PGR);(36)モノクローナル抗体Ki−67(MKI67)によって同定された抗原;(37)B細胞CLL/リンパ腫2(BCL2);(38)上皮増殖因子受容体(赤芽球性白血病ウイルス(v−erb−b)癌遺伝子ホモログ、鳥類)(EGFR);(39)ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼ(PHGDH);(40)カドヘリン3、タイプ1、P−カドヘリン(胎盤)(CDH3);(41)N−アセチルトランスフェラーゼ1(アリールアミンN−アセチルトランスフェラーゼ)(NAT1);(42)溶質担体ファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー6(SLC39A6);(43)微小管関連タンパク質タウ(MAPT);(44)ユビキチン結合酵素E2C(UBE2C);(45)下垂体腫瘍形質転換1(Pituitary tumor-transforming 1)(PTTG1);(46)エキソヌクレアーゼ1(EXO1);(47)セントロメアタンパク質F、350/400ka(ミトシン)(CENPF);(48)細胞分裂周期関連1(NUF2、NDC80動原体複合体成分、ホモログ)(CDCA1);(49)V−myb骨髄芽球症ウイルス性癌遺伝子ホモログ(鳥類)様2(MYBL2);及び(50)バキュロウイルスIAPリピート含有5(サーバイビン)(BIRC5)を含む。Parker et al., (2009)、添付の図A2。 本明細書に用いられるように「ルミナルB」、「ルミナルBサブタイプ」、「ルミナルBサブタイプの乳癌」などの用語は、以下の10個の遺伝子:(1)CXXCフィンガー5(CXXC5);(2)起源認識複合体、サブユニット6様(酵母)(ORC6L);(3)Mdm2、形質転換された3T3細胞二重微小染色体2、p53結合タンパク質(マウス)(MDM2);(4)キネシンファミリーメンバー2C(KIF2C)、(5)プロゲステロン受容体(PGR);(6)モノクローナル抗体Ki−67(MKI67)によって同定された抗原;(7)B細胞CLL/リンパ腫2(BCL2);(8)上皮増殖因子受容体(赤芽球性白血病ウイルス(v−erb−b)癌遺伝子ホモログ、鳥類)(EGFR);(9)ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼ(PHGDH);(10)カドヘリン3、タイプ1、P−カドヘリン(胎盤)(CDH3)の上方制御及び/又下方制御に基づく遺伝子発現プロファイルを特徴とする乳癌の特定のサブタイプのことである。乳癌腫瘍をルミナルBサブタイプとして分類するために用いられる遺伝子発現プロファイルは、エストロゲン受容体又はHer2を含まないため、トリプルネガティブ及び非トリプルネガティブ乳癌は、いずれもルミナルBサブタイプとして分類されうる。 本明細書に用いられるように、「ルミナルA」、「ルミナルAサブタイプ」、「ルミナルAサブタイプの乳癌」などの用語は、以下の10個の遺伝子:(1)N−アセチルトランスフェラーゼ1(アリールアミンN−アセチルトランスフェラーゼ)(NAT1);(2)溶質担体ファミリー39(亜鉛輸送体)、メンバー6(SLC39A6);(3)微小管関連タンパク質タウ(MAPT);(4)ユビキチン結合酵素E2C(UBE2C);(5)下垂体腫瘍形質転換1(PTTG1);(6)エキソヌクレアーゼ1(EXO1);(7)セントロメアタンパク質F、350/400ka(ミトシン)(CENPF);(8)細胞分裂周期関連1(NUF2、NDC80動原体複合体成分、ホモログ)(CDCA1);(9)V−myb骨髄芽球症ウイルス性癌遺伝子ホモログ(鳥類)様2(MYBL2);及び(10)バキュロウイルスIAPリピート含有5(サーバイビン)(BIRC5)の上方制御及び/又下方制御に基づく遺伝子発現プロファイルを特徴とする乳癌の特定のサブタイプのことである。乳癌腫瘍をルミナルAとして分類するために用いられる遺伝子発現プロファイルは、プロゲステロン受容体又はHer2を含まないため、トリプルネガティブ及び非トリプルネガティブ乳癌は、いずれもルミナルAサブタイプとして分類されうる。 本明細書に用いられるように、「正常様」、「正常様サブタイプ」、「正常様サブタイプの乳癌」などの用語は、以下の10個の遺伝子:(1)ケラチン14(単純型先天性表皮水疱症、Dowling-Meara, Koebner)(KRT14);(2)ケラチン17(KRT17);(3)ケラチン5(単純型先天性表皮水疱症,Dowling-Meara/Kobner/Weber-Cockayneタイプ)(KRT5);(4)メラノフィリン(MLPH);(5)サイクリンB1(CCNB1);(6)細胞分裂周期6ホモログ(S. cerevisiae)(CDC6);(7)チミジル酸合成酵素(TYMS);(8)ユビキチン結合酵素E2T(推定上)(UBE2T);(9)リボヌクレオチド還元酵素M2ポリペプチド(RRM2);及び(10)マトリックスメタロペプチダーゼ11(ストロメライシン3)(MMP11)の上方制御及び/又下方制御に基づく遺伝子発現プロファイルを特徴とする乳癌の特定のサブタイプのことである。乳癌腫瘍を正常様サブタイプとして分類するために用いられる遺伝子発現プロファイルは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体又はHer2を含まないため、トリプルネガティブ及び非トリプルネガティブ乳癌は、いずれも正常様サブタイプとして分類されうる。 本明細書に用いられるように、用語「HER2-enriched」「HER2-enrichedサブタイプ」、「HER2-enrichedサブタイプの乳癌」などの用語は、以下の10個の遺伝子:(1)V−erb−b2赤芽球性白血病ウイルス性癌遺伝子ホモログ2、ニューロ/グリア芽腫由来の癌遺伝子ホモログ(鳥類)(ERBB2);(2)増殖因子受容体結合タンパク質7(GRB7);(3)線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4);(4)ビリベルジン還元酵素A(BLVRA);(5)BCL2関連のアタノジーン4(BAG1);(6)CDC20;(7)サイクリンE1(CCNE1);(8)ARP3アクチン関連タンパク質3ホモログB(酵母)(ACTR3B);(9)V−myc骨髄球腫症ウイルス性癌遺伝子ホモログ(鳥類)(MYC);(10)frizzled-関連分泌タンパク質1(SFRP1)の上方制御及び/又下方制御に基づく遺伝子発現プロファイルを特徴とする乳癌の特定のサブタイプのことである。正常様サブタイプとして乳癌腫瘍を分級するために用いられる遺伝子発現プロファイルがエストロゲン受容体又はプロゲステロン受容体を含まないので、三重の陰性及び非三重の陰性乳癌はHER2-enrichedサブタイプとして分類されうる。 本明細書に用いられるように、「基底様」、「基底様サブタイプ」、「基底様サブタイプの乳癌」などの用語は、以下の10個の遺伝子:(1)フォークヘッドボックスC1(FOXC1);(2)黒色腫阻害活性(MIA);(3)NDC80ホモログ、動原体複合体成分(KNTC2);(4)中心体タンパク質55kDa(CEP55);(5)アニリン、アクチン結合タンパク(ANLN);(6)母体胚性ロイシンジッパーキナーゼ(MELK);(7)Gタンパク質共役受容体160(GPR160);(8)膜貫通タンパク質45B(TMEM45B);(9)エストロゲン受容体1(ESR1);(10)フォークヘッドボックスA1(FOXA1)の上方制御及び/又下方制御に基づく遺伝子発現プロファイルを特徴とする乳癌の特定のサブタイプのことである。乳癌腫瘍を基底様サブタイプとして分類するために用いた遺伝子発現プロファイルは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、又はHer2を含まないため、トリプルネガティブ及び非トリプルネガティブ乳癌は、いずれも基底様サブタイプとして分類されうる。 一態様において、本明細書では、乳癌を有する患者に、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又は代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む、患者におけるルミナルBサブタイプの乳癌の治療方法が提供される。方法は、少なくとも1つの抗腫瘍剤(例えばゲムシタビン及び/又はカルボプラチン)をさらに含んでもよい。本明細書に記載されたいくつかの実施態様は、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又は代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び少なくとも2つの抗腫瘍剤を患者に投与することを含む、患者におけるルミナルBサブタイプの乳癌の治療方法を提供する。いくつかの実施態様において、少なくとも2つの抗腫瘍剤は、代謝拮抗剤(例えば、ゲムシタビン)及び白金化合物(例えば、カルボプラチン)である。いくつかの実施態様において、白金錯体は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサプラチン及びオキサリプラチンからなる群より選ばれる。いくつかの実施態様において、白金錯体はカルボプラチンである。いくつかの実施態様において、代謝拮抗剤は、シタビン、カペシタビン、ゲムシタビン及びバロピシタビンからなる群より選ばれる。いくつかの実施態様において、代謝拮抗剤はゲムシタビンである。いくつかの実施態様において、少なくとも1つの治療効果が得られ、少なくとも1つの治療効果は、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、病理学的完全奏効、全奏効率における増加、又は安定である。いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤による治療と比較して4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩を投与することによって匹敵する臨床的有用率(CBR=CR+PR+SD≧6ヵ月)が得られる。いくつかの実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又はそれ以上である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は転移性乳癌である。いくつかの実施態様において、転移は脳転移を含む。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、I期、II期又はIII期である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、エストロゲン受容体(ER)発現、プロゲステロン受容体(PR)発現について陰性であり、そしてHER2を過剰発現しない。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)を発現し、そしてHER2を過剰発現する。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、相同組換えDNA修復における欠損である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、BRCA欠損である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、BRCA1欠損である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、BRCA2欠損である。いくつかの実施態様において、ルミナルBサブタイプの乳癌は、BRCA1欠損及びBRCA2欠損である。 一態様において、本明細書において、乳癌を有する患者に、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又は代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む、患者における基底様サブタイプの乳癌の治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、方法は、少なくとも1つの抗腫瘍剤(例えば、ゲムシタビン及び/又はカルボプラチン)をさらに含む。本明細書に記載されたいくつかの実施態様は、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又は代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び少なくとも2つの抗腫瘍剤を患者に投与することを含む、患者における基底様サブタイプの乳癌の治療方法を提供する。いくつかの実施態様において、少なくとも2つの抗腫瘍剤は、代謝拮抗剤(例えば、ゲムシタビン)及び白金化合物(例えば、カルボプラチン)である。いくつかの実施態様において、少なくとも1つの治療効果が得られ、前記少なくとも1つの治療効果は、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、病理学的完全奏効、全奏効率における増加、又は安定である。いくつかの実施態様において、代謝拮抗剤及び白金錯体を用いるが、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩を用いない治療と比較して、臨床的有用率(CBR=CR+PR+SD≧6ヵ月)における改善が得られる。いくつかの実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又はそれ以上である。いくつかの実施態様において、白金錯体は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサプラチン及びオキサリプラチンからなる群より選ばれる。いくつかの実施態様において、白金錯体は、カルボプラチンである。いくつかの実施態様において、代謝拮抗剤は、シタビンである。いくつかの実施態様において、代謝拮抗剤は、シタビン、カペシタビン、ゲムシタビン及びバロピシタビンからなる群より選ばれる。いくつかの実施態様において、代謝拮抗剤はゲムシタビンである。いくつかの実施態様において、基底様サブタイプの乳癌は、転移性乳癌である。いくつかの実施態様において、転移は脳転移を含む。いくつかの実施態様において、転移は、脳転移である。いくつかの実施態様において、基底様サブタイプの乳癌は、I期、II期又はIII期である。いくつかの実施態様において、基底様サブタイプの乳癌は、エストロゲン受容体(ER)発現、プロゲステロン受容体(PR)発現について陰性であり、そしてHER2を過剰発現しない。いくつかの実施態様において、基底様サブタイプの乳癌は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)を発現し、そしてHER2を過剰発現する。いくつかの実施態様において、基底様サブタイプの乳癌は、相同組換えDNA修復における欠損である。いくつかの実施態様において、基底様サブタイプの乳癌は、BRCA欠損である。いくつかの実施態様において、基底様サブタイプの乳癌は、BRCA1欠損である。いくつかの実施態様において、基底様サブタイプの乳癌は、BRCA2欠損である。いくつかの実施態様において、基底様サブタイプの乳癌は、BRCA1欠損及びBRCA2欠損である。 一態様において、本明細書において、乳癌を有する患者に、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又は代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む、患者におけるHER2-enrichedサブタイプの乳癌の治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、方法は、少なくとも1つの抗腫瘍剤(例えばゲムシタビン及び/又はカルボプラチン)をさらに含む。本明細書に記載されたいくつかの実施態様は、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又は代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び少なくとも2つの抗腫瘍剤を患者に投与することを含む、患者におけるHER2-enrichedサブタイプの乳癌の治療方法を提供する。いくつかの実施態様において、少なくとも2つの抗腫瘍剤は、代謝拮抗剤(例えば、ゲムシタビン)及び白金化合物(例えば、カルボプラチン)である。いくつかの実施態様において、少なくとも1つの治療効果が得られ、少なくとも1つの治療効果は、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、病理学的完全奏効、全奏効率における増加、又は安定である。いくつかの実施態様において、抗腫瘍剤による治療と比較して、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩を投与することによって匹敵する臨床的有用率(CBR=CR+PR+SD≧6ヵ月)が得られる。いくつかの実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又はそれ以上である。いくつかの実施態様において、HER2-enrichedサブタイプの乳癌は、転移性乳癌である。いくつかの実施態様において、転移は脳転移を含む。いくつかの実施態様において、HER2-enrichedサブタイプの乳癌は、I期、II期又はIII期である。いくつかの実施態様において、HER2-enrichedサブタイプの乳癌は、エストロゲン受容体(ER)発現、プロゲステロン受容体(PR)発現について陰性であり、そしてHER2を過剰発現しない。いくつかの実施態様において、HER2-enrichedサブタイプの乳癌は、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)を発現し、そしてHER2を過剰発現する。いくつかの実施態様において、HER2-enrichedサブタイプの乳癌は、相同組換えDNA修復における欠損である。いくつかの実施態様において、HER2-enrichedサブタイプの乳癌は、BRCA欠損である。いくつかの実施態様において、HER2-enrichedサブタイプの乳癌は、BRCA1欠損である。いくつかの実施態様において、HER2-enrichedサブタイプの乳癌は、BRCA2欠損である。いくつかの実施態様において、HER2-enrichedサブタイプの乳癌は、BRCA1欠損及びBRCA2欠損である。 いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、原発性乳房腫瘍を治療するために用いられる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、転移性乳癌(すなわち、原発性腫瘍から転移した癌)を治療するために用いられる。いくつかの実施態様において、乳癌は、早期癌、非転移性癌、原発性癌、進行癌、局所進行癌、転移性癌、寛解期癌又は再発癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は、寛解後に再発している。いくつかの実施態様において、乳癌は、進行癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は、切除可能な限局性、切除不可能な限局性、又は切除不可能である。いくつかの実施態様において、乳癌は局所乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は進行性の局所乳癌である。いくつかの実施態様において、転移は遠隔転移である。いくつかの実施態様において、転移は全身転移である。いくつかの実施態様において、転移は脳転移を含む。いくつかの実施態様において、乳癌は、ホルモン治療に対して実質的に難治性である。いくつかの実施態様において、患者は、乳腺腺癌を有する(例えば、乳癌は、乳腺腺癌である)。いくつかの実施態様において、乳癌を有する患者は、少なくとも2.0センチメートルの病変を有する。 いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、アジュバント設定で用いられる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、ネオアジュバント設定で用いられ、すなわち、方法は、手術(例えば、患者から乳癌組織を除去するための手術)のような一次/根治治療の前に実施されうる。例えば、本明細書において提供される方法は、患者から乳癌組織を除去するための手術の前に行ってもよい。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、以前に治療されたことがある患者を治療するために用いてもよい。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、以前に治療されたことがない患者を治療するために用いられる。例えば、本明細書において提供される治療を受ける前に、乳癌を有する患者は、化学療法、ホルモン療法、手術及び/又は放射線を受けたことがない。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、癌を発症するリスクがあるが、癌と診断されていない個体の治療に用いられる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、ファーストライン治療(first line therapy)として用いられる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、セカンドライン治療(second line therapy)として用いられる。 いくつかの実施態様において、患者は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又は代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩を含む、以前の化学療法を受けたことがない。いくつかの実施態様において、患者は、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ(Olaparib)、ABT−888(ベリパリブ(Veliparib))、AG014699、CEP 9722、MK 4827、KU−0059436(AZD2281)、又はLT−673)を含む、以前の化学療法を受けたことがない。いくつかの実施態様において、患者は、ゲムシタビンを含む、以前の化学療法を受けたことがない。いくつかの実施態様において、患者は、カルボプラチンを含む、以前の化学療法を受けたことがない。いくつかの実施態様において、患者は、シスプラチンを含む、以前の化学療法を受けたことがない。 いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、局所進行又は転移性乳癌)は、以前に治療されたことがある。以前の治療には、化学療法、放射線、ホルモン療法及び/又は手術が含まれるが、それらに限定されるわけではない。例えば、以前の治療は、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ダウノルビシン(リポソーム)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ドキソルビシン(リポソーム)、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン又はミトキサントロン)、アントラキノン(例えば、9,10−アントラキノン又は9,10−ジオキソアントラセン、1,2−、1,4−、若しくは2,6−アントラキノン)及び/又はタキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)を含んでもよい。例えば、いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法のいずれか1つを用いて治療される患者は、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ダウノルビシン(リポソーム)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ドキソルビシン(リポソーム)、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン又はミトキサントロン)、アントラキノン(例えば、9,10−アントラキノン又は9,10−ジオキソアントラセン、1,2−、1,4−、若しくは2,6−アントラキノン)及びタキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)からなる群より選ばれる少なくとも1つのレジメンを含む以前の化学療法治療を受けたことがある。いくつかの実施態様において、乳癌(例えば、転移性乳癌)は、標準治療に不応性であるか、又はそのために利用できる標準治療がない。いくつかの実施態様において、乳癌は進行乳癌である。いくつかの実施態様において、進行乳癌は、標準治療に不応性であるか、又はそのために利用できる標準治療がない。いくつかの実施態様において、患者は、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ダウノルビシン(リポソーム)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ドキソルビシン(リポソーム)、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン又はミトキサントロン)、アントラキノン(例えば、9,10−アントラキノン又は9,10−ジオキソアントラセン、1,2−、1,4−、若しくは2,6−アントラキノン)及びタキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)からなる群より選ばれる少なくとも1つのレジメンに不応性である。いくつかの実施態様において、患者は、本明細書に記載された治療前に転移性疾患用の最良の1つのアジュバントレジメン及び2つのレジメン(それらがアントラサイクリン又はタキサンに基づくかどうかに関わらず)を受けたことがある。いくつかの実施態様において、乳癌は転移性乳癌である。いくつかの実施態様において、乳癌は局所進行乳癌である。 いくつかの実施態様において、本明細書において提供される方法は、乳癌を有すると診断されたか又はその疑いのある個体(例えば、ヒト)を治療するために用いられる。いくつかの実施態様において、個体は、乳癌に関連する1つ又はそれ以上の症状を示すヒトであってもよい。いくつかの実施態様において、個体は、進行疾患又はより軽度の疾患、例えば低全身腫瘍組織量を有することがある。いくつかの実施態様において、個体は、乳癌の早期にある。いくつかの実施態様において、個体は、乳癌の進行期にある。実施態様のいくつかにおいて、個体は、乳癌と診断されたか又は診断されていない、遺伝子的に又は他の点で乳癌を発症しやすい(例えば、危険因子)ヒトであってもよい。いくつかの実施態様において、これらの危険因子としては、年齢、性別、人種、食事、以前の疾患の病歴、先駆疾患の存在、遺伝的(例えば、遺伝性)要件、及び環境暴露(例えば、タバコ、パイプ又は葉巻喫煙、受動喫煙、ラドン、ヒ素、アスベスト、クロメート、クロロメチルエーテル、ニッケル、多環式芳香族炭化水素、ラドン系列、他の薬剤又は空気汚染への暴露)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。 本明細書に記載されたいずれかの方法のいくつかの実施態様において、乳癌を有すると診断されたか又はその疑いのある個体(例えば、ヒト)を治療することができる。いくつかの実施態様において、個体は、ヒトである。いくつかの実施態様において、個体は、少なくともおよそ35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳、75歳、80歳、又は85歳のいずれかである。いくつかの実施態様において、個体は男性である。いくつかの実施態様において、個体は女性である。いくつかの実施態様において、個体は、本明細書に記載されたいずれかのタイプの乳癌を有する。いくつかの実施態様において、個体は、診察時に単一病変を有する。いくつかの実施態様において、個体は、診察時に多発性病変を有する。いくつかの実施態様において、個体は、他の薬剤(例えばゲムシタビン又はカルボプラチン)を用いた癌の治療に抵抗性である。いくつかの実施態様において、個体は、他の薬剤(例えばゲムシタビン又はカルボプラチン)を用いた癌の治療に最初に反応するが、治療後に進行した。 いくつかの実施態様において、有効量は、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定、全奏効率における増加、又は病理学的完全奏効からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる。いくつかの実施態様において、治療は、完全奏功、部分奏効又は安定を生じる。本明細書に記載された臨床的有効性パラメーターは、RECISTバージョン1.1基準に従って測定することができ、それはEisenhauer EA et al. 2009, Eur J Cancer., 45(2):228-47に記載されており、その開示は、全体として参照により組み込まれている。 臨床的有効性は、当分野で知られている任意の方法で測定してもよい。いくつかの実施態様において、本明細書に記載された治療的処置の臨床的有効性は、臨床的有用率(CBR)を測定することによって決定されうる。臨床的有用率は、治療終了から少なくとも6ヵ月経った時点で、完全寛解(CR)にいる患者、部分寛解(PR)にいる患者数及び安定病態(SD)を有する患者数のパーセンテージの合計を求めることによって評価される。この式の短縮形は、CBR=CR+PR+SD≧6ヵ月である。ゲムシタビン、カルボプラチン及び4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩(CBRGEM/CARBO/BA)を用いた三重併用療法のCBRを、ゲムシタビン及びカルボプラチン(CBRGEM/CARBO)を用いた二重併用療法と比較してもよい。いくつかの実施態様において、ゲムシタビン及びカルボプラチンを用いた併用療法のCBRは、45%である。いくつかの実施態様において、CBRGCBは少なくとも約60%である。いくつかの実施態様において、CBRの改善(CBRGEM/CARBO/BAをCBRGEM/CARBOと比較する)少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%のいずれかである。 タキサン(例えば、パクリタキセル)及び4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩(CBRTAXANE/BA)を用いた治療のCBRを、タキサン(例えば、パクリタキセル)(CBRTAXANE)を用いた治療のそれと比較してもよい。いくつかの実施態様において、タキサン(例えば、パクリタキセル)を用いた治療のCBRは、45%である。いくつかの実施態様において、CBRTAXANE/BAは、少なくとも約60%である。いくつかの実施態様において、CBRの改善(CBRTAXANE/BAをCBRTAXANEと比較する)は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%のいずれかである。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを患者に投与することを含む、患者において乳房腫瘍サイズを縮小させる方法が提供される。いくつかの実施態様において、患者は転移性乳癌を有する。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを患者に投与することを含む、患者における乳癌転移を減少させる方法が提供される。いくつかの実施態様において、患者は、転移性設定における少なくとも1ライン又は2ラインの以前の治療を受けたことがある。いくつかの実施態様において、患者は、少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある。乳癌は、本明細書に記載された乳癌のいずれかであってもよい。投与レジメンは、本明細書に記載された投与レジメンのいずれかであってもよい。 いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)を患者に投与する(例えば、ネオアジュバント設定において(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)を投与する)ことを含む、患者における乳房腫瘍サイズを縮小させる方法が提供される。いくつかの実施態様において、患者は転移性乳癌を有する。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)を患者に投与する(例えば、ネオアジュバント設定において(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)を投与する)ことを含む、患者における乳癌転移を減少させる方法が提供される。乳癌は、本明細書に記載された乳癌のいずれかであってもよい。投与レジメンは、本明細書に記載された投与レジメンのいずれかであってもよい。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 いくつかの実施態様において、本明細書に記載された治療は、乳房腫瘍サイズを、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%若しくは90%又は少なくともそれらのいずれか縮小させる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載された治療は、乳癌転移(例えば、脳転移)を、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%若しくは90%又は少なくともそれらのいずれか減少させる。乳癌の病期分類 0期は、DCIS及びLCISのような非浸潤性乳癌を説明するために用いることができる。0期では、隣接する正常組織への進展若しくは侵入を開始しているか、又は進展若しくは侵入しており、乳房の一部が発疹している癌細胞又は非癌性異常細胞の形跡がない。 I期は、腫瘍が2センチメートル以下の寸法であり、そしてリンパ節は含まれない浸潤性乳癌(癌細胞が隣接する正常組織に突破又は侵入している)と説明することができる。 II期は、IIA及びIIBとして知られているサブカテゴリーに分けることができる。IIA期は、乳房に腫瘍を認めることができないが、腋窩リンパ節(脇の下のリンパ節)に癌細胞が認められる、又は腫瘍が2センチメートル若しくはそれ未満の寸法であり、かつ腋窩リンパ節に広がっている、又は腫瘍が2センチメートルより大きいが、5センチメートル以下であり、かつ腋窩リンパ節に広がってない、浸潤性乳癌と説明することができる。IIB期は、腫瘍が2センチメートルより大きいがが、5センチメートル以下であり、かつ腋窩リンパ節に広がっている、又は腫瘍が5センチメートルより大きいが、腋窩リンパ節に広がっていない、浸潤性乳癌と説明することができる。 III期は、IIIA、IIIB及びIIICとして知られているサブカテゴリーに分けることができる。IIIA期は、(1)乳房に腫瘍が認められず;他の組織と共に凝集されたか若しくはそれらに固着された腋窩リンパ節に癌が認められる、又は癌が胸骨近くのリンパ節に広がっている、又は(2)腫瘍が5センチメートル若しくはそれより小さく、かつ他の組織と共に凝集されたか若しくはそれらに固着された腋窩リンパ節に広がっている、又は(3)腫瘍が5センチメートルより大きく、かつ他の組織と共に凝集されたか若しくはそれらに固着された腋窩リンパ節に広がっている、いずれかの浸潤性乳癌と説明することができる。IIIB期は、(1)腫瘍は任意のサイズであってもよく、かつ胸壁及び/又は乳房の皮膚に広がっている、及び(2)他の組織と共に凝集されたか若しくはそれらに固着された腋窩リンパ節に広がっていてもよいか、又は癌が胸骨の近くのリンパ節に広がっていてもよい、浸潤性乳癌と説明することができる。炎症乳癌は、少なくともIIIB期とみなすことができる。IIIC期は、(1)乳房に癌の徴候がなくてもよい又は腫瘍がある場合、それは任意のサイズであってもよく、かつ胸壁及び/又は乳房の皮膚に広がっていてもよい、及び(2)癌が鎖骨より上又は下のリンパ節に広がっている、及び(3)癌が腋窩リンパ節に又は胸骨近くのリンパ節に広がっていてもよい、浸潤性乳癌と説明することができる。 IV期は、乳房及び近くのリンパ節を越えて肺、遠隔リンパ節、皮膚、骨、肝臓、又は脳のような体の他の臓器に広がっている浸潤性乳癌と説明することができる。投与レジメン、投与経路、及び製剤 本明細書に提供される乳癌の治療方法において、本明細書に記載された用量又は投与スケジュールのいずれかの1つが使用されうる。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩の用量は、患者の年齢、身長、体重、健康全般などに応じて変化してもよい。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩の用量は、約0.1mg/kg〜約50mg/kg、約1mg/kg〜約50mg/kg、約1mg/kg〜約100mg/kg、約1mg/kg〜約25mg/kg、約2〜約70mg/kg、約2mg/kg〜約50mg/kg、約2mg/kg〜約40mg/kg、約3mg/kg〜約30mg/kg、約4mg/kg〜約20mg/kg、約4〜約15mg/kg、約4〜約100mg、約4〜約25mg/kg、約5〜約15mg/kg、約5〜約10mg/kg、約50〜約100mg/kg又は約25〜約75mg/kgの範囲中のいずれか1つである。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩の用量は、約1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、8.5mg/kg、9mg/kg、9.5mg/kg、10mg/kg、12mg/kg、若しくは15mg/kgのいずれかを超えるか又は少なくともそれらのいずれかである。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩の用量は、約1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、5.5mg/kg、5.6mg/kg、6mg/kg、6.5mg/kg、7mg/kg、7.5mg/kg、8mg/kg、8.5mg/kg、9mg/kg、9.5mg/kg、10mg/kg、10.5mg/kg、11mg/kg、11.2mg/kg、11.5mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、30mg/kg、50mg/kg、75mg/kg、又は100mg/kgのいずれかである。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、例えば、約10〜約300分、約30〜約180分、約45〜約120分又は約60分(すなわち約1時間)かけてIV注入によって静脈内に投与してもよい。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、別法として、経口的に投与してもよい。この文脈において、「約」という用語は、約の通常の意味を有する。いくつかの実施態様において、約は、±10%又は±5%を意味する。 いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、MTD(「最大耐量」)の約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%のいずれかで投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩のMTDは、約1mg/kg〜約100mg/kg、約2mg/kg〜約50mg/kg、約1〜約25mg/kg、約2〜約70mg/kg、約4〜約100mg、約4〜約25mg/kg、約4〜約20mg/kg、約5〜約15mg/kg、約5〜約10mg/kg、約50〜約100mg/kg又は約25〜約75mg/kgの範囲にある。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩のMTDは、約1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、8.5mg/kg、9mg/kg、9.5mg/kg、10mg/kg、12mg/kg、若しくは15mg/kgのいずれかを超えるか又は少なくともそれらのいずれかである。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩のMTDは、約1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、5.5mg/kg、5.6mg/kg、6mg/kg、6.5mg/kg、7mg/kg、7.5mg/kg、8mg/kg、8.5mg/kg、9mg/kg、9.5mg/kg、10mg/kg、10.5mg/kg、11mg/kg、11.2mg/kg、11.5mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、30mg/kg、50mg/kg、75mg/kg、又は100mg/kgのいずれかである。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩のMTDは、当業者に知られている方法のいずれかによって決定されうる。 ゲムシタビンの用量は、患者の年齢、身長、体重、健康全般などに応じて変化してもよい。いくつかの実施態様において、ゲムシタビンの用量は、約10mg/m2〜約1000mg/m2、約25mg/m2〜約500mg/m2、100mg/m2〜約5000mg/m2、約200mg/m2〜約4000mg/m2、約300mg/m2〜約3000mg/m2、約400mg/m2〜約2000mg/m2、約500mg/m2〜約1500mg/m2、約800mg/m2〜約1500mg/m2、又は約800mg/m2〜約1200mg/m2の範囲にある。いくつかの実施態様において、ゲムシタビンは、約50mg/m2、75mg/m2、100mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、250mg/m2、300mg/m2、400mg/m2、450mg/m2、500mg/m2、550mg/m2、600mg/m2、650mg/m2、700mg/m2、750mg/m2、800mg/m2、850mg/m2、900mg/m2、1000mg/m2、1050mg/m2、1100mg/m2、1150mg/m2、1200mg/m2、1250mg/m2、1300mg/m2、1350mg/m2、1400mg/m2、1450mg/m2、1500mg/m2、1550mg/m2、1600mg/m2、1700mg/m2、1800mg/m2、1900mg/m2、又は2000mg/m2のいずれかで投与される。ゲムシタビンは、少なくとも約50mg/m2、75mg/m2、100mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、250mg/m2、300mg/m2、400mg/m2、450mg/m2、500mg/m2、550mg/m2、600mg/m2、650mg/m2、700mg/m2、750mg/m2、800mg/m2、850mg/m2、900mg/m2、1000mg/m2、1050mg/m2、1100mg/m2、1150mg/m2、1200mg/m2、1250mg/m2、1300mg/m2、1350mg/m2、1400mg/m2、1450mg/m2、1500mg/m2、1550mg/m2、1600mg/m2、1700mg/m2、1800mg/m2、1900mg/m2、又は2000mg/m2のいずれかで投与されうる。ゲムシタビンは、静脈内に、例えば、約10〜約500分、約10〜約300分、約30〜約180分、約30〜約60分、約45〜約120分、約60分(すなわち約1時間)、又は約30分かけてIV注入によって投与してもよい。いくつかの実施態様において、ゲムシタビンは、別法として経口投与してもよい。この文脈において、「約」という用語は、約のその通常の意味を有する。いくつかの実施態様において、約は、±10%又は±5%を意味する。 カルボプラチンは、患者の年齢、身長、体重、健康全般などに応じて変化してもよい。カルボプラチンの用量は、クレアチニンクリアランス又は糸球体濾過率を測定することによって評価された個体の腎臓活性を考慮して、癌化学療法分野の当業者に知られている方法によって血漿濃度対時間曲線下面積(AUC)をmg/mL・分で算出することによって決定される。いくつかの実施態様において、カルボプラチンは、AUC約1mg/ml・分(「AUC約1」)〜AUC約8、AUC約2〜AUC約6、AUC約2〜AUC約5、AUC約2〜AUC約4、AUC約1〜AUC約3、AUC約1〜AUC約5、又はAUC約1.5〜AUC約2.5のいずれかで投与される。いくつかの実施態様において、カルボプラチンは、約0.1〜約6mg/ml・分、約1〜約3mg/ml・分、約1.5〜約2.5mg/ml・分、約1.75〜約2.25mg/ml・分又は約2mg/ml・分のいずれかで投与される。いくつかの実施態様において、カルボプラチンは、少なくとも約AUC1、AUC1.5、AUC2、AUC2.5、AUC3、AUC3.5、AUC4、AUC4.5、AUC5、AUC5.5、AUC6、AUC6.5、又はAUC7のいずれかで投与される。いくつかの実施態様において、カルボプラチンは、約AUC1、AUC1.5、AUC2、AUC2.5、AUC3、AUC3.5、AUC4、AUC4.5、AUC5、AUC5.5、AUC6、AUC6.5、又はAUC7のいずれかで投与される。別法として、カルボプラチンの用量は、患者の体表面積に基づいて算出される。いくつかの実施態様において、カルボプラチンの適した用量は、約10〜約500mg/m2、約50〜約400mg/m2、又は約50〜約300mg/m2、例えば、約50mg/m2、約100mg/m2、約200mg/m2、約300mg/m2、約350mg/m2、約360mg/m2、約400mg/m2、又は約450mg/m2である。カルボプラチンは、約10〜約500分、約30〜約400分、約60〜約300分、約100〜約250分、約60分、約120分、約150分、約180分、約210分、約240分、約270分、約300分、約330分、又は約360分の期間かけて静脈内に(IV)投与してもよい。この文脈において、「約」という用語は、約のその通常の意味を有する。いくつかの実施態様において、約は、±10%又は±5%を意味する。 タキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、患者の年齢、身長、体重、健康全般などに応じて変化してもよい。いくつかの実施態様において、タキサン(例えば、パクリタキセル)の用量は、約10mg/m2〜約1000mg/m2、約25mg/m2〜約500mg/m2、50mg/m2〜約500mg/m2、約75mg/m2〜約400mg/m2、約75mg/m2〜約300mg/m2、約75mg/m2〜約250mg/m2、又は約75mg/m2〜約100mg/m2の範囲にある。いくつかの実施態様において、タキサン(例えば、パクリタキセル)は、約50mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、85mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、250mg/m2、300mg/m2、400mg/m2、450mg/m2、又は500mg/m2のいずれかで投与される。タキサン(例えば、パクリタキセル)は、少なくとも約50mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、85mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、250mg/m2、300mg/m2、400mg/m2、450mg/m2、又は500mg/m2のいずれかで投与してもよい。タキサン(例えば、パクリタキセル)は、静脈内に、例えば、約10〜約500分、約10〜約300分、約30〜約180分、約30〜約60分、約45〜約120分、約60分(すなわち約1時間)、又は約30分かけてIV注入によって投与してもよい。この文脈において、「約」という用語は、約のその通常の意味を有する。いくつかの実施態様において、約は、±10%又は±5%を意味する。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 いくつかの実施態様において、治療は、1サイクル、2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、7サイクル、8サイクル、9サイクル、10サイクル、11サイクル、12サイクル、13サイクル、14サイクル、又は15サイクルを含む。ここで、サイクルは、治療サイクルを意味する。いくつかの実施態様において、治療は、多くとも2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、7サイクル、8サイクル、9サイクル、10サイクル、11サイクル、12サイクル、13サイクル、14サイクル、又は15サイクルのいずれかを含む。いくつかの実施態様において、治療は、少なくとも2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、7サイクル、8サイクル、9サイクル、又は10サイクルのいずれかを含む。いくつかの実施態様において、治療は、少なくともおよそ1週、10日、11日、2週、3週、4週、30日、5週、6週、7週、8週、9週、10週、12週、又は15週のいずれかの治療サイクルを含む。治療サイクルは、およそ1週、10日、11日、2週、3週、4週、30日、5週、6週、7週、8週、9週、又は10週のいずれかの期間であってもよい。いくつかの実施態様において、治療サイクルは、約11〜約30日の長さである。 (i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩;(ii)ゲムシタビン;及び(iii)カルボプラチンの投与は、本明細書に記載された治療サイクルのような治療サイクルの異なる日であってもよい。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、ゲムシタビン、及びカルボプラチンの投与間の間隔は、治療サイクル内で変化してもよい(例えば、投与は常に7日間隔をあけるわけではなく、1日間隔の後に9日間隔などであってもよい)。同様に、治療サイクル中の特定の時間に、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、ゲムシタビン及びカルボプラチンを、同時に投与してもよく、そして治療中の別のところで異なる時間で投与してもよい。 (i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩;(ii)タキサン(例えば、パクリタキセル)の投与は、本明細書に記載された治療サイクルのような治療サイクルの異なる日であってもよい。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド及びタキサン(例えば、パクリタキセル)の投与間の間隔は、治療サイクル内で変化してもよい。治療サイクル中の特定の時間に、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド及びタキサン(例えば、パクリタキセル)を同時に投与してもよく、そして治療中の別のところで異なる時間で投与してもよい。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクル中に毎日投与されるか、又は治療サイクル中の毎日ではなく特定の日に投与されうる。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、毎日、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回、10日に1回、2週に1回、3週毎に2回、3週毎に4回、3週に1回、4週に1回、6週に1回、又は8週に1回投与される。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、各治療サイクルの選ばれた日に投与してもよく、例えば、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの2(又は、3、4、5、6、7、8、9、10又は11)日の期間、毎日投与され、そして4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの別の日に投与されない。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその薬学的に許容しうる塩は、前記患者に投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその薬学的に許容しうる塩は、約1mg/kg〜約25mg/kgで投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその薬学的に許容しうる塩は、約4mg/kg〜約20mg/kgで投与される。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩)は、治療サイクルのうちの4日、例えば、21日の治療サイクルの日1、4、8、11に(例えば、約5.6mg/kgで)投与されうる。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩)は、治療サイクルのうちの2日、例えば、21日の治療サイクルの日1及び8に(例えば、約11.2mg/kgで)投与されうる。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその薬学的に許容しうる塩は、およそ5.6mg/kg、8mg/kg、及び11.2mg/kgのいずれかで投与されうる。 いくつかの実施態様において、治療は、少なくとも11日の治療サイクルを含み、ここで、サイクルの日1、4、8及び11に、患者は、約10〜約100mg/kgの4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はモル等量(molar equivalent)のその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩を投与される。いくつかの実施態様において、治療は、少なくとも11日の治療サイクルを含み、ここで、サイクルの日4、8及び11に、患者は、約1〜約50mg/kgの4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はモル等量の代謝産物若しくはその薬学的に許容しうる塩を投与される。いくつかの実施態様において、治療は、少なくとも11日の治療サイクルを含み、ここで、サイクルの日1、4、8及び11に、患者は、約1、2、3、4、5、5.6、6、7、8、9、10、11、11.2、12、13、14、15、16、18、又は20mg/kgの4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又は薬学的に許容しうる塩を投与される。 ゲムシタビンは、毎日、例えば、治療サイクルのすべての日に投与されるか又は治療サイクル中の毎日ではなく特定の日に投与されうる。いくつかの実施態様において、ゲムシタビンは、毎日、週1回、週2回、3週毎に2回、週3回、週4回、週5回、週6回、10日毎に1回、2週毎に1回、3週毎に1回、4週毎に1回、6週毎に1回、又は8週毎に1回投与される。ゲムシタビンは、各治療サイクルの選ばれた日に投与してもよく、例えば、ゲムシタビンは、治療サイクルのうちの2(又は3、4、5、6、7、8、9、10)日に毎日投与され、そしてゲムシタビンは、治療サイクルの別の日には投与されない。ゲムシタビンは、治療サイクルのうちの2日に、例えば、21日の治療サイクルの日1及び8に(例えば、約1000mg/m2で)投与されうる。 カルボプラチンは、毎日、例えば、治療サイクルのすべての日に投与されるか又は治療サイクル中の毎日ではなく特定の日に投与されうる。いくつかの実施態様において、カルボプラチンは、毎日、週1回、週2回、3週毎に2回、週3回、週4回、週5回、週6回、10日毎に1回、2週毎に1回、3週毎に1回、4週毎に1回、6週毎に1回、又は8週毎に1回投与される。カルボプラチンは、各治療サイクルの選ばれた日に投与してもよく、例えば、カルボプラチンは、治療サイクルの1(又は、2、3、4、5、6、7、8、9、10)日に毎日投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの別の日には投与されない。カルボプラチンは、治療サイクルのうちの2日に、例えば、21日の治療サイクルの日1及び8に又は治療サイクルのうちの1日に、例えば、21日の治療サイクルの日1に(例えば、AUC約2で)投与されうる。 タキサン(例えば、パクリタキセル)は、毎日、例えば、治療サイクルのすべての日に投与されるか、又は治療サイクル中の毎日ではなく特定の日に投与されうる。いくつかの実施態様において、タキサン(例えば、パクリタキセル)は、毎日、週1回、週2回、3週毎に2回、週3回、週4回、週5回、週6回、10日毎に1回、2週毎に1回、3週毎に1回、4週毎に1回、6週毎に1回、又は8週毎に1回投与される。タキサン(例えば、パクリタキセル)は、各治療サイクルの選ばれた日に投与してもよく、例えば、タキサン(例えば、パクリタキセル)は、治療サイクルの1(又は、2、3、4、5、6、7、8、9、10)日に毎日投与され、そしてタキサン(例えば、パクリタキセル)は、治療サイクルの別の日には投与されない。タキサン(例えば、パクリタキセル)は、治療サイクルのうちの1日に、例えば、毎週、日1に(例えば、AUC約2で)投与されうる。 いくつかの実施態様において、有効量の:4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又は代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩;ゲムシタビン、及びカルボプラチンを患者に投与することを含む、患者における乳癌(例えば、転移性トリプルネガティブ乳癌)の治療方法が提供される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又は代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週2回1.0〜6.0mg/kg(例えば、21日の治療サイクルの日1、4、8及び11に5.6mg/kg)の用量で投与される。いくつかの実施態様において、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物若しくは薬学的に許容しうる塩は、週1回1.0〜15.0mg/kg(例えば、21日の治療サイクルの日1及び8に11.2mg/kg)の用量で投与される。いくつかの実施態様において、ゲムシタビンは、週1回100〜2000mg/m2(例えば、21日の治療サイクルの日1及び8に1000mg/m2)の用量で投与される。いくつかの実施態様において、カルボプラチンは、週1回、AUC1〜6(例えば、21日の治療サイクルの日1及び8にAUC2)の用量で投与される。 いくつかの実施態様において、治療は、少なくとも11日の治療サイクルを含み、ここで:(a)サイクルの日1及び8に、患者は、約100〜5000mg/m2(例えば、約100〜2500mg/m2又は約100〜2000mg/m2又は約500〜2000mg/m2)のゲムシタビンを投与され;(b)サイクルの日1及び8に、患者は、約10〜約400mg/m2(例えば、約50〜約400mg/m2)のカルボプラチンを投与され;そして(c)サイクルの日1、4、8及び11に、患者は、約10〜約100mg/kg(例えば、約1〜約50mg/kg)の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はモル等量のその代謝産物を投与される。いくつかの実施態様において、サイクルの日1及び8に、患者は、約1000mg/m2のゲムシタビン及びAUC約2のカルボプラチンを投与され;そしてサイクルの日1、4、8及び11に、患者は、約1、2、3、4、5、5.6、6、7、8、9、10、11、11.2、12、13、14、15、16、18又は20mg/kgの4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを投与される。いくつかの実施態様において、治療は、約10〜約30日の長さの治療サイクルを含み;(a)サイクルの別々の1〜5日に、約100〜約5000mg/m2のゲムシタビンは、静脈内注入によって患者に投与され;(b)サイクルの別々の1〜5日に、AUC1〜AUC10のカルボプラチン(例えば、AUC約1〜AUC約4のカルボプラチン)は、静脈内注入によって患者に投与され;そして(d)サイクルの別々の1〜10日に、1mg/kg〜約50mg/kgの4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はモル等量のその代謝産物(例えば、約1mg/kg〜15mg/kgの4−ヨード−3−ニトロベンズアミド)は、患者に投与される。 いくつかの実施態様において、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンは、21日の治療サイクルで投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1、4、8、11に約5.6mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される。いくつかの実施態様において、有効量は21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される。 いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週2回、約5.6mg/kgで投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週1回、約11.2mg/kgで投与される。いくつかの実施態様において、タキサン(例えば、パクリタキセル)は、週1回、約80mg/m2で投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1及び4に約5.6mg/kgで投与され、そしてタキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1に約80mg/m2で投与される。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1に約11.2mg/kgで投与され、そしてタキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、毎週、日1に約80mg/m2で投与される。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩)、ゲムシタビン及びカルボプラチンは、連続的に又は非連続的に個体に与えてもよい。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩)及びタキサン(例えば、パクリタキセル)は、連続的に又は非連続的に個体に与えてもよい。「非連続的に」とは、本明細書に提供される化合物又は組成物が一定期間にわたって個体に投与されず、例えば、患者が化合物又は組成物を投与されないときに休止期間があることを意味する。それは、一方の化合物が個体に連続的に投与されるのに対して、第2の化合物が個体に非連続的に投与されるということであってもよい。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩)、ゲムシタビン及び/又はカルボプラチンは、別々の製剤中又は同じ製剤中に処方されうる。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩)、ゲムシタビン及びカルボプラチンは、異なる投与経路を通して又は同じ投与経路を用いて投与されうる。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩)、ゲムシタビン及びカルボプラチン、並びに担体、例えば薬学的に許容しうる担体を含んでなる製剤(例えば、医薬製剤)が提供される。製剤は、本明細書に開示された化合物の光学的異性体、ジアステレオマー、担体を含んでもよい。いくつかの実施態様において、担体は、シクロデキストリン又はその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)である。いくつかの実施態様において、製剤は、静脈内投与のために処方される。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩)及び/又はタキサン(例えば、パクリタキセル)は、別々の製剤中又は同じ製剤中に処方されうる。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩)及びタキサン(例えば、パクリタキセル)は、異なる投与経路を通して又は同じ投与経路を用いて投与されうる。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩)及びタキサン(例えば、パクリタキセル)、並びに担体、例えば薬学的に許容しうる担体を含んでなる製剤(例えば、医薬製剤)が提供される。製剤は、本明細書に開示された化合物の光学的異性体、ジアステレオマー、担体を含んでもよい。いくつかの実施態様において、担体は、シクロデキストリン又はその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)である。いくつかの実施態様において、製剤は、静脈内投与のために処方される。 製剤は、それぞれの相対的効力及び対象となる適応症に応じて特定の比率で4−ヨード−3−ニトロベンズアミド化合物及び酸形態の両方を含んでもよい。2つの形態は、一緒に又は異なる製剤中に処方してもよい。それらは、同じ投与単位中、例えば1つの乳剤、坐剤、錠剤、カプセル剤、又は飲料中に溶かす粉末パケット中にあってもよく;又は各形態は、別々の単位、例えば、2つの乳剤、2つの坐剤、2つの錠剤、2のカプセル剤、錠剤及び錠剤を溶解するための液体、粉末のパケット及び粉末を溶解するための液体、などに処方されうる。 本発明の医薬組成物は、プロドラッグとして提供されうる及び/又は投与後に生体内で4−ヨード−3−ニトロベンズアミド形態に相互転換されうる。すなわち、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又は薬学的に許容しうる塩は、本発明に使用するための製剤の開発に用いてもよい。また、本明細書において、患者へのa)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、又はその代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物、b)ゲムシタビン及びc)カルボプラチンを含んでなる、患者における乳癌(例えば、転移性乳癌)の治療に用いられる相乗的組成物が提供される。また、本明細書において、a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、又はその代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物、及びb)タキサン(例えば、パクリタキセル)を含んでなる、患者における乳癌(例えば、転移性乳癌)の治療に用いられる相乗的組成物が提供される。 本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に記載された他の化学療法剤のような他の活性成分と合わせることができる。本明細書に提供される化合物は、同じ投与単位中、例えば1つの乳剤、坐剤、錠剤、カプセル剤、又は飲料中に溶かす粉末パケット中に一緒に処方してもよく、又は各形態は、別々の単位、例えば、3つの乳剤、3つの坐剤、3つの錠剤、3つのカプセル剤、錠剤及び錠剤を溶解することについて液体、粉末のパケット及び粉末を溶解するための液体、などに処方してもよい。 注射では、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその薬学的に許容しうる塩は、水溶液中、好ましくは生理学的に適合しうる緩衝液、例えばリン酸緩衝液、ハンクス液、又はリンゲル液中で投与するために処方されうる。このような組成物は、1つ又はそれ以上の添加剤、例えば、保存剤、可溶化剤、増量剤、滑沢剤、安定剤、アルブミンなどを含んでもよい。4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの製剤は、特に静脈内(例えば、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、など)及び経口(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、など)製剤に関して、米国特許公報第2008/0176946 A1号に記載されており、それは全体として参照により組み込まれている。いくつかの実施態様において、米国特許出願公報第2010/0160442号に記載されたように、静脈内投与では、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドは、25%(w/v)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン及び10mMリン酸緩衝液中に処方され、それは参照により本明細書に組み込まれている。 ゲムシタビン、カルボプラチン、及びパクリタキセルに関するような製剤のさらなる方法は、当分野で知られており、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, latest edition, Mack Publishing Co., Easton, PAに開示されている。また、本明細書に記載された組成物は、経粘膜投与、口腔投与、吸入による投与、非経口投与、経皮投与、及び直腸投与のために処方されうる。 また、本明細書に記載された組成物は、経粘膜投与、口腔投与、吸入による投与、非経口投与、経皮投与、及び直腸投与のために処方されうる。 いくつかの実施態様において、組成物は単位剤形で投与される。いくつかの実施態様において、単位剤形は、経口又は非経口投与に適合させる。いくつかの実施態様において、組成物を投与すると、少なくとも1つの治療効果が得られ、前記少なくとも1つの治療効果は、腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、病理学的完全奏効、全奏効率における増加、又は安定である。 本明細書に提供される組成物、製剤及び方法についての典型的な塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムイオンのような無機イオンのものであってもよい。このような塩には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、マンデル酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸のような無機又は有機酸との塩が含まれる。さらに、化合物がカルボキシ基又は他の酸性基を含む場合、それは無機又は有機塩基により薬学的に許容しうる付加塩に変換されうる。適した塩基の例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンが含まれる。いくつかの実施態様において、米国特許出願公報第2010/0160442号に記載されたように、静脈内投与のために、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドは、25%(w/v)のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン及び10mMリン酸緩衝液中に処方され、それは参照により本明細書に組み込まれている。 本明細書に記載された使用に適した医薬組成物には、活性成分が有効量、すなわち、本明細書に記載された乳癌(例えば、転移性乳癌)において治療的及び/又は予防的有用性を達成するための有効量で存在する組成物が含まれる。特定の投与に有効な実際の量は、治療する乳癌(例えば、転移性乳癌)、個体の状態、製剤、及び投与経路、並びに本明細書に提供された特定の教示からみて当業者に知られている他の要因に左右される。本明細書の開示を考慮して、明記された範囲内で、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、ゲムシタビン、及び/又はカルボプラチンの有効量の最適化が、決定されうる。 本明細書に記載された組成物は、適当な経路、例えば、限定されるわけではないが、静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、吸入、膀胱内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、経粘膜、経皮的、鼻腔内、硬膜外、及び経口経路を通して患者に投与されうる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される組成物又は化合物は、非経口経路によって、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、皮内、又は筋肉内に投与される。いくつかの実施態様において、本明細書に記載された製剤又は組成物の持続性連続放出が適用される。 また、本明細書に提供される組成物は、都合のよい経路によって、例えば注入又はボーラス注射によって、上皮又は粘膜皮膚内層(例えば、口腔粘膜、直腸及び腸粘膜、など)を通した吸収によって投与されてもよく、そして例えば、本明細書に記載されたような他の生物学的に活性な薬剤と組み合わせて投与されてもよい。投与は、全身又は局所的でありうる。さらに、心室内及び髄腔内注射を含む任意の適した経路によって中枢神経系に本発明の医薬組成物を導入するのが望ましいこともあり;脳室内注射は、例えばオマヤレザバー(Ommaya reservoir)のような貯蔵器に取り付けられた脳室内カテーテルによって容易になることがある。キット、使用、製品 本明細書において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び少なくとも1つの抗腫瘍剤(例えば、パクリタキセル、ゲムシタビン、及び/又はカルボプラチン)を投与するためのキットが提供される。 本明細書において、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するための、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなるキットが提供される。いくつかの実施態様において、キットは、本明細書に記載された方法のいずれか1つに従って転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)をさらに含む。また、(i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(ii)本明細書に提供される方法のいずれかに従って転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)を含んでなるキットが提供される。いくつかの実施態様において、患者は、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を有する。本明細書に記載された患者は、本明細書に記載された治療を受ける前に転移性設定において少なくとも1つのラインの治療(例えば、化学療法)を受けたことがある。いくつかの実施態様において、患者は、転移性設定において1ラインの治療又は2ラインの治療(例えば、1ラインの化学療法又は2ラインの化学療法)を受けたことがある(例えば、患者は、転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌の治療に用いられる以前の1ラインの治療又は以前の2ラインの治療を受けたことがある)。従って、本明細書に記載された治療は、転移性設定におけるセカンドライン治療又はサードライン治療として用いてもよい。本明細書に記載された以前のラインの治療は、以前のラインの化学療法であってもよい。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン、及び抗VEGF抗体の少なくとも1つを含む。例えば、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン、又は抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン及びタキサンを含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン及び抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、タキサン及び抗VEGF抗体を含む。いくつかの実施態様において、以前のラインの治療(例えば、以前のファーストライン治療又は以前のセカンドライン治療)は、アントラサイクリン、タキサン、及び抗VEGF抗体を含む。本明細書に記載されたアントラサイクリンは、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、リポソーム製剤中のダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、リポソーム製剤中のドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、及びミトキサントロンのいずれかであってもよい。本明細書に記載されたタキサンは、パクリタキセル、ドセタキセル、及びアブラキサンのいずれかであってもよい。抗VEGF抗体は、ビバシズマブであってもよい。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、ゲムシタビン、及び/又はカルボプラチンの用量又は投与レジメンは、本明細書に記載されたいずれかの用量又は投与レジメンであることができる。いくつかの実施態様において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、約5.6mg/kg(又は約11.2mg/kg)で投与され、ゲムシタビンは、約1000mg/m2で投与され、そしてカルボプラチンは、AUC約2で投与される。いくつかの実施態様において、方法は少なくとも1回のサイクルを含み、ここで、サイクルは21日の期間であり、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週2回、約5.6mg/kgでサイクルのうちの2週間投与され、ゲムシタビンは、週1回、約1000mg/m2でサイクルのうちの2週間投与され、そしてカルボプラチンは、週1回、AUC約2でサイクルのうちの2週間投与される。いくつかの実施態様において、方法は少なくとも1回のサイクルを含み、ここで、サイクルは21日の期間であり、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週1回、約11.2mg/kgでサイクルのうちの2週間投与され、ゲムシタビンは、週1回、約1000mg/m2でサイクルのうちの2週間投与され、そしてカルボプラチンは、週1回、AUC約2でサイクルのうちの2週間投与される。いくつかの実施態様において、有効量は、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定、及び病理学的完全奏効からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる。いくつかの実施態様において、有効量は、完全奏効、部分奏効、又は安定を生じる。 本明細書において、転移性乳癌を治療するための(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチン含んでなるキットであって、キットは、患者における転移性乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)をさらに含み、ここで、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記キットが提供される。また、(i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(ii)患者における転移性乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)を含んでなるキットであって、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記キットが提供される。 本明細書において、乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなるキットであって、キットは、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書をさらに含み、ここで、用量は本明細書に提供された投与レジメンのいずれかによるものである、前記キットが提供される。また、(i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(ii)ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書(例えば、包装又は製品ラベル又は添付文書上の説明書)を含んでなるキットであって、用量は本明細書に提供された投与レジメンのいずれかによるものである、前記キットが提供される。例えば、治療は21日の治療サイクルを含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される。 本明細書において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)を含んでなるキットであって、キットは、乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)を使用するための説明書をさらに含み、ここで、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与は、ネオアジュバント治療として用いられる、前記キットが提供される。また、本明細書において、(i)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(ii)乳癌を治療するために(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)を使用するための説明書を含んでなるキットであって、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩の投与は、ネオアジュバント治療として用いられる、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 いくつかの実施態様において、キットは、本明細書に開示された少なくとも1つの組成物の投与量を含んでもよい。キットは、製剤の適した包装及び/又は使用説明書をさらに含んでもよい。また、キットは、その製剤の送達手段を含んでもよい。キットは、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び少なくとも1つの抗腫瘍剤(例えば、パクリタキセル、ゲムシタビン、及び/又はカルボプラチン)と併せて使用するための他の薬剤(例えば副作用制限薬剤、化学療法剤、遺伝子治療剤、DNA治療剤、RNA治療剤、ウイルス性治療剤、ナノ療法剤、小分子酵素阻害剤、抗転移剤、など)を含んでもよい。これらの薬剤は、別々の形態で提供されうるか、又は4−ヨード−3−ニトロベンズアミド若しくはその代謝産物若しくはその薬学的に許容しうる塩、及び抗腫瘍剤(例えば、パクリタキセル、ゲムシタビン、又はカルボプラチン)と混合されうるが、但し、このような混合が、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩)又は抗腫瘍剤(例えば、パクリタキセル、ゲムシタビン、又はカルボプラチン)の有効性を低下させることなく、そして投与経路に適合しうる場合に限る。同様に、キットは、補助治療のためのさらなる薬剤又は本明細書に記載された乳癌(例えば、転移性乳癌)の治療若しくは予防に有効なものとして熟練技術者に知られている他の薬剤を含んでもよい。 キットは、製剤及び組成物の投与、組成物の副作用、及び他のなんらかの関連情報についての適当な説明書を場合により含んでもよい。説明書は、印刷物、ビデオテープ、コンピューターで読取り可能なディスク、光ディスク又はインターネットベースの説明書への指示を含むが、それらに限定されない任意の適したフォーマットであってもよい。 例えば、いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなる、患者における転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するためのキットであって、患者は転移性設定における少なくとも1ラインの以前の治療を受けたことがある、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、キットは、患者における転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書をさらに含む。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)患者における転移性ER陰性、PR陰性及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するために、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて使用するための説明書を含んでなるキットであって、患者は転移性設定における少なくとも1ラインの以前の治療を受けたことがある、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなる、患者において転移性乳癌を治療するためのキットであって、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、キットは、患者において転移性乳癌を治療するために、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書をさらに含む。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)患者における転移性乳癌を治療するために、ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩を使用するための説明書を含んでなるキットであって、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなるキットであって、キットは、患者における乳癌を治療するために、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書をさらに含み、ここで、治療は21日の治療サイクルにわたって有効量を投与することを含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)患者における乳癌を治療するために、ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩を使用するための説明書を含んでなるキットであって、治療は21日の治療サイクルにわたって有効量を投与することを含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩を含んでなる患者における乳癌を治療するキットであって、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、ネオアジュバント療法として用いられる、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、キットは、患者において乳癌を治療するために、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩を使用するための説明書をさらに含む。いくつかの実施態様において、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)患者における乳癌を治療するために、タキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩と組み合わせて有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩を使用するための説明書を含んでなるキットであって、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及びタキサン(例えば、パクリタキセル)又はその薬学的に許容しうる塩は、ネオアジュバント療法として用いられる、前記キットが提供される。いくつかの実施態様において、タキサンはパクリタキセルである。 別の態様において、本明細書に開示される製剤の投与量を含む第1の容器及び使用説明書を含んでなる、本明細書に記載された乳癌(例えば、局所進行転移性房癌)にかかっているか又はかかりやすい患者を治療するためのキットが提供される。容器は、当分野で知られたもののいずれか及び静注製剤の貯蔵や送達に適当なものであってもよい。特定の実施態様において、キットは、患者に投与する組成物を調製するための薬学的に許容しうる担体、希釈剤、補助剤などを含む第2の容器をさらに含む。 また、1〜3日、1〜5日、1週間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月、7ヵ月、8ヵ月、9ヵ月又はそれ以上のような延長された期間、患者に有効な治療を提供する、十分な用量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、パクリタキセル、ゲムシタビン及び/又はカルボプラチンを含んでなるキットが提供されうる。また、キットは、複数回用量の化合物及び使用説明書を含んでもよく、そして薬局、例えば、病院薬局及び調剤薬局で貯蔵及び使用するために十分な量で包装されている。 キットは、単位剤形又は多目的形態のいずれかで包装された、本明細書に記載された化合物を含んでもよい。キットは、単位用量形態の複数単位(multiple units)を含んでもよい。特定の実施態様において、単位用量形態の本明細書に記載された化合物が提供される。別の実施態様において、組成物は、複数回用量形態(multi-dose form)(例えば、ブリスターパック、など)で提供されうる。 また、乳癌(例えば、局所進行転移性乳癌)を治療する薬剤が提供される。いくつかの実施態様において、薬剤は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び少なくとも1つの抗腫瘍剤(例えば、パクリタキセル、ゲムシタビン、及び/又はカルボプラチン)を含んでなる組成物を含む。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩)及び抗腫瘍剤(例えば、パクリタキセル、ゲムシタビン、又はカルボプラチン)は、別々の容器中又は単一の容器中に存在することができる。薬剤は、1つの明確な組成物又は一方の組成物が4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩)を含み、そして一方の組成物が抗腫瘍剤(例えば、パクリタキセル、ゲムシタビン、又はカルボプラチン)を含む、2つ若しくはそれ以上の組成物を含んでもよいことが理解される。 また、本明細書において、本明細書に記載された乳癌(例えば、転移性乳癌)を治療又は予防する薬剤を製造するための、ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物の使用が提供される。特定の実施態様において、薬剤は、乳癌(例えば、転移性乳癌)の治療のために提供される。また、本明細書において、患者における乳癌(例えば、転移性乳癌)を治療するための、ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物の使用が提供される。本明細書に記載された使用は、本明細書に記載された方法によるものであってもよい。 また、本明細書において、本明細書に記載された乳癌(例えば、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌)を治療又は予防する薬剤を製造するための、タキサン(例えば、パクリタキセル)、その薬学的に許容しうる塩又は溶媒和物と組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物の使用が提供される。特定の実施態様において、乳癌(例えば、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌)を治療する薬剤が提供される。また、本明細書において、患者における乳癌(例えば、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌)を治療するための、タキサン(例えば、パクリタキセル)、その薬学的に許容しうる塩又は溶媒和物と組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物、又はその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物の使用が提供される。いくつかの実施態様において、本明細書に記載された使用は、ネオアジュバント療法である。本明細書に記載された使用は、本明細書に記載された方法によるものであってもよい。 また、適した包装中に本明細書に記載された組成物を含んでなる製品が提供される。本明細書に記載された組成物に適した包装は、当分野で知られており、そして例えば、バイアル(例えば密閉バイアル)、容器、アンプル、ビン、広口瓶、フレキシブル包装(例えば、密閉マイラ又はビニール袋)などが含まれる。これらの製品は、さらに滅菌及び/又は密閉されていてもよい。また、本明細書に記載された組成物を含んでなる単位剤形が提供される。これらの単位剤形は、単一又は複数単位用量に適した包装で保存することができ、そしてさらに滅菌及び密閉されていてもよい。実施例 下の実施例は、単に本発明の例証となるものであって、従って本発明をなんら制限するものとはみなさない。以下の実施例及び詳述は、説明のために提供するのであって、制限するためではない。〔実施例1〕4−ヨード−3−ニトロベンズアミドと共に又はなしでゲムシタビン及びカルボプラチンを用いた転移性トリプルネガティブ乳癌(TNBC)における第2相試験 第2相非盲検無作為化2治療群安全性及び有効性試験では、転移性TNBC乳癌患者におけるゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの使用が、標準化学療法単独と比較して臨床的有用率(CBR=CR+PR+SD≧6ヵ月)を改善するかどうか研究した。試験した仮説は、ゲムシタビン/カルボプラチンへの4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの添加は、TNBCを有する被験者においてゲムシタビン/カルボプラチン単独で達成された45%と比較してCBR60%になるであろうということである。 図2は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドが細胞周期停止を強化し、そしてゲムシタビン又はカルボプラチンのいずれかによって誘発されるアポトーシスの効果を強化することを示している。生存期間の中央値7.7ヵ月を有する対照治療群(ゲムシタビン及びカルボプラチンを投与)と比較して、実験的治療群(4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、ゲムシタビン及びカルボプラチンを投与)は、生存期間の中央値12.2ヵ月を有しており、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドは、転移性TNBCを有するハイリスク患者母集団において生存利益を提供した(図3)。 さらにまた、下の表1に示すように、化学療法に関連する有害事象の頻度又は重症度の増加は、観察されなかった。〔実施例2〕4−ヨード−3−ニトロベンズアミドと共に又はなしでゲムシタビン及びカルボプラチンを用いる転移性トリプルネガティブ乳癌(TNBC)における第3相試験 転移性トリプルネガティブ乳癌(すなわち、エストロゲン受容体陰性(ER)、プロゲステロン受容体陰性(PR)、及びHer2(Her2)を過剰発現しない)を有する患者において4−ヨード−3−ニトロベンズアミドと共に又はなしでゲムシタビン及びカルボプラチンを用いる第3相多施設非盲検無作為化試験を実施した。 主要エンドポイントは、無憎悪生存期間(progression free survival)及び全生存期間(overall survival)である。副次的エンドポイントは、全奏効率及び安全性/忍容性である。対照(ゲムシタビン/カルボプラチン)から実験的治療群(4−ヨード−3−ニトロベンズアミド/ゲムシタビン/カルボプラチン)へのクロスオーバーは、疾患進行に応じて可能である。 選択基準は、以下を含む:(1)免疫組織化学(0、1)又は蛍光原位置ハイブリッド形成(FISH)によって組織学的に実証された、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性である乳癌(原発性又は転移性部位);トリプルネガティブ腫瘍は、以下の基準によって定義される:(a)HER2非過剰発現性について:(i)蛍光原位置ハイブリッド形成(FISH)陰性(比率<2.2によって定義される)又は(ii)免疫組織化学的(IHC)0、IHC 1+又は(iii)IHC 2+又はIHC 3+及びFISH陰性(比率<2.2によって定義される)。ER及びPR陰性について:免疫組織化学(IHC)による<10%の腫瘍染色;(2)以下を含む以前の治療:これまで転移性疾患について化学療法を受けたことがないか又は転移性設定において1つ若しくは2つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある;以前のアジュバント/ネオアジュバント療法は許される;(3)RECIST 1.1基準により測定可能な疾患を有する転移性乳癌(IV期);(4)女性≧18歳;(5)米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンス・ステータス0〜1;(6)以下のような臓器及び骨髄機能:(i)絶対好中球数(ANC)≧1500/mm3;(ii)血小板≧100,000/dL;(iii)ヘモグロビン≧9g/dL;(iv)ビリルビン≦1.5mg/dL;(v)血清クレアチニン≦1.5mg/dL又はクレアチニンクリアランス≧60mL/分;(vi)肝臓障害がない場合、正常上限の≦2.5倍又は肝臓障害があれば正常上限の≦5倍のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST);(7)放射線治療が、日1の研究投与の少なくとも14日前に終了している;照射された病変は、測定可能な疾患として用いてはならない;(8)被験者がステロイド、全脳XRT、ガンマ/サイバーナイフを必要としない場合、CNS転移は許され、そして脳転移が症候性進行なしに臨床的に安定している;(9)妊娠の可能性のある女性については、研究参加2週以内に妊娠試験陰性を立証し、そして研究治療中の許容しうる産児制限に同意する;(10)推奨される薬理ゲノム学的研究のための組織塊(原発性又は転移性)又は容易に入手可能な新たな凍結された腫瘍組織(但し、それがなくてもの被験者が参加から除外されることはない);(11)他の悪性腫瘍の診断がない(≧5年前に診断された非黒色腫皮膚癌又は悪性腫瘍は除く);(12)インフォームド・コンセントを得る;そして(13)プロトコールを理解してそれに従うことができ、そしてインフォームド・コンセント書面に署名する。 除外基準は、以下を含む:(1)研究薬物の初回投与の14日以内の全身抗癌治療;(2)ゲムシタビン、カルボプラチン、シスプラチン又は4−ヨード−3−ニトロベンズアミドによる以前の治療;(3)国立癌研究所有害事象共通用語基準(National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events)(NCI−CTCAE)v3.0による有害事象(AE)からグレード≦1に回復しなかったか又は研究薬物若しくは研究登録の30日より前に投与された他の薬物のためベースライン値の10%以内に回復しなかった;(4)研究参加に影響を及ぼしうる重大な医学的状態(例えばコントロール不良の肺、腎臓、又は肝機能障害、コントロール不良の感染症、心臓病);(5)本研究の経過を通じて容認されない原発性腫瘍を治療することを目的とする併用の放射線治療;緩和的放射線は許容される;(6)ステロイド又は他の治療的介入を必要とする軟膜疾患又は脳。(7)妊娠中又は授乳している;そして(8)研究プロトコールに従うことができない若しくはする気がないか、又は研究者若しくは被指名人と十分に協力することができない若しくはする気がない。〔実施例3〕種々の用量での4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(BA)投与の安全性評価 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド単剤療法により、0.5、1.0、1.4、2.8、4.0、5.6、及び8.0mg/kgの用量で24人の被験者(進行性固形腫瘍)を治療した。安全性データは、これまでのところ試験したすべての用量レベルで4−ヨード−3−ニトロベンズアミドが十分に許容され;任意の用量レベルで用量制限毒性(DLT)が観察されなかったことを示した。5人の試験参加者について合計13例の重篤な有害事象が報告された。本研究で報告された任意の重篤な有害事象(SAE)は、研究者によって研究薬物と関連があるとみなされなかった。これまで測定された最良の反応は、被験者6人について研究の少なくともサイクル2を通してみられた安定であり、1人の被験者は、疾患評価が実施されるサイクル2の終わりに達していなかった。1人の被験者は、9サイクルの治療を終了して、継続的に安定の病期分類であった。 細胞傷害性化学療法剤(トポテカン、テモゾロミド、ゲムシタビン、又はカルボプラチン/タキソール)と組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを用いて、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド用量1.1、2.0、2.8、4.0及び5.6mg/kgで42人の被験者(進行性固形腫瘍)を治療した。予備的な安全性データは、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドが、試験したすべての用量レベルで十分に許容されることを示した。本研究で報告された任意の重篤な有害事象は、研究者によって研究薬物と関連がないとみなされた。測定された最良の反応は、8人の被験者について研究の少なくともサイクル2を通してみられた安定であり、3人の被験者はサイクル4を通して安定であり、3人の被験者は、少なくともサイクル2を通しての部分奏効であり、なお研究中であり、そして1人の被験者はサイクル6を通して完全奏効を示した(治療の最終到達点)。登録された数人の被験者は、疾患評価が実施されるサイクル2の終わりにまだ達していなかった。 いずれの研究でも4−ヨード−3−ニトロベンズアミドに起因するSAEはなかった。安全性データは、標準細胞毒性化学療法と合わせたときに、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドがなんらかのさらなる毒性を生じないことを示した。さらに、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドが、標準化学療法剤薬剤に関連するなんらかの知られている毒性を増強するという証拠はなかった。〔実施例4〕4−ヨード−3−ニトロベンズアミドと共に又はなしでゲムシタビン及びカルボプラチンを用いる転移性トリプルネガティブ乳癌(TNBC)における第2相試験 この非盲検第2相試験では、転移性トリプルネガティブ乳癌を有する患者における4−ヨード−3−ニトロベンズアミド有り又は無しのゲムシタビン及びカルボプラチンの有効性及び安全性を比較した。方法 患者123人を無作為化してゲムシタビン(1000mg/m2)及びカルボプラチン(AUC2)を日1及び8に単独で又は21日毎の日1、4、8、及び11に4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(5.6mg/kg)と共に投与した。主要エンドポイントは、臨床的有用率(客観的奏効率+安定≧6ヵ月)及び安全性であった。さらなるエンドポイントには、客観的奏効率、無憎悪生存期間、及び全生存期間が含まれる。患者 研究母集団は、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性として組織学的に実証された測定可能な疾患がある転移性乳癌を有する18歳又はそれより上の女性のからなる。他の選択基準には、米国東海岸癌臨床試験グループパフォーマンス・ステータス0〜1、並びに妥当な骨髄、肝臓及び腎臓機能が含まれる。中枢神経系転移は、患者がステロイド、脳放射線療法を必要としない場合、そして脳転移が臨床的に安定である場合に容認された。以前のアジュバント又はネオアジュバント化学療法のように、転移性疾患について2つまでの以前の化学療法レジメンが許されているが、ゲムシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、又はPARP阻害剤による治療は除く。すべての患者は、本研究に登録前に書面でのインフォームド・コンセントを提出した。すべての試験(ER/PR/HER2免疫組織化学及びHER2蛍光原位置ハイブリッド形成)は、各施設の標準に従って行い、そして保管された組織で実施し、その大多数は、原発性乳癌から得た。研究は、米国腫瘍学中央治験審査委員会(US Oncology central institutional review board)により承認され、そして医薬品の臨床試験の実施に関する基準(Good Clinical Practice guidelines)の規定に従った。研究デザイン この多施設非盲検無作為化第2相試験は、米国腫瘍学ネットワーク(US Oncology network)内の20カ所の施設で行った。すべての適格患者を、1:1の比率で無作為割り付けし、ゲムシタビン+カルボプラチンを、単独で(化学療法単独群)又は4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群)と組み合わせて投与した。治療群への割り付けは、組み込まれたウェブ無作為化システムによって行った。無作為化は、研究施設によって層化されなかった。 主要エンドポイントは、完全奏効、部分奏効、又は安定が少なくとも6ヵ月持続する患者のパーセンテージとして定義される臨床的有用率、並びに4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの安全性及び忍容性であった。副次的エンドポイントは、全奏効率及び無憎悪生存期間(無作為化から疾患進行又は死亡が確定されるまでの時間)であった。全生存期間(Overall survival)(無作為化から死亡日までの時間)は、エンドポイントとして予め指定しなかったが、生存における4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの潜在的影響を探究するために分析した。治療 患者に、静脈内ゲムシタビン、1000mg/m2を30分かけて、そしてカルボプラチン、AUC2を日1及び8に60分かけて、単独で又は静脈内4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、4.0mg/kgと共に21日毎の日1、4、8及び11に60分かけてのいずれかで投与した。プロトコールを修正して、新たに得られた第1相安全性データに基づいて4−ヨード−3−ニトロベンズアミド用量を5.6mg/kgに増加した。患者20人に修正前のより低い4−ヨード−3−ニトロベンズアミド用量を投与し、そして5.6mg/kgの用量に漸増した。化学療法単独群に無作為化された患者を、疾患進行に応じてクロスオーバーさせて4−ヨード−3−ニトロベンズアミド+ゲムシタビン及びカルボプラチンを投与した。評価 腫瘍反応は、標的及び非標的病変の研究者評価に基づいており、そしてベースラインで、そして臨床的に明らかな疾患進行がない場合、その後6週毎にコンピューター断層撮影又は磁気共鳴画像法によって評価した。固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(The modified Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)バージョン1.0による腫瘍測定を用いて腫瘍反応を評価し、そして疾患進行を確定した。 安全性は、最終投与の30日後まで本研究を通して標準臨床及び実験室検査(血液学、血液化学及び尿検査)によって評価した。有害事象グレードは、国立癌研究所の有害事象共通用語基準(National Cancer Institute's Common Terminology Criteria for Adverse Events)バージョン3.0により定義した。重篤な有害事象をモニターしてそして各部位の主要研究者によりMedWatch/ICONセーフティ(safety)に報告した。統計分析 試験の主要目的は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド治療群における臨床的有用率を評価することであった。治療群当たり60人の被験者のサンプルサイズで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド治療群で観察された臨床的有用率は、正確確率90%二項信頼区間(exact 90% binominal confidence interval)の半値幅が0.11とほぼ等しい約0.60(60%)であったという仮定の下で、特に、観察された臨床的有用率0.6について、正確確率90%二項信頼区間は、(0.49、0.71)であった。対照的に、対照治療群において予想された臨床的有用率は、約0.45であると仮定された。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド治療群における臨床的有用率が0.674又はそれより大きかった場合、5%有意水準で同等の比率の片側検定に基づいて、試験は、対照治療群の臨床的有用率0.45からの増加を検出する少なくとも80%検出力を有する。 2つの治療群のそれぞれにおいて、主要有効性エンドポイント(臨床的有用率)及び全奏効率を評価し、そして正確確率両側95%信頼区間を算出した。ピアソンカイ二乗検定(Pearson chi-square test)を用いて2つの治療群における臨床的有用率及び全奏効率を比較した。無憎悪生存期間及び全生存期間の有効性エンドポイントを評価し、そしてカプラン−マイヤー法を用いて95%信頼区間を算出した。ログランク検定を用いて2つの治療群における無憎悪進行期間及び全生存期間の分布を比較した。複合的中間分析(multiple interim analyses)ではp値を調整しなかった。報告されるすべてのp値及び信頼区間は、両側であり、そして特に明記しない限り、すべての分析は、治療意図による(intention-to-treat)母集団であった。有害事象及び重篤な有害事象を試験治療群、器官別大分類(system organ class)及び好ましい用語により表にした。クロスオーバーさせた化学療法単独群における患者については、クロスオーバー後に報告された安全性データを、別々に分析した。結果患者 患者123人を無作為化し、そのうちの116人(94.3%)が研究治療を受けた(図4)。全57人の患者を4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群に、そして59人の患者を化学療法単独群に割り付けした。安全性分析には、これらの116人の患者が含まれた。データカットオフポイントで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群中の6人の患者(10.5%)及び化学療法単独群中の4人の患者(6.8%)は、なお治療中であった。化学療法単独群からの治療患者59人のうちの30人(50.8%)をクロスオーバーさせてゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを投与した。 全体として、2つの治療群は、患者のベースライン特徴に関して十分にバランスが保たれた(表2)。化学療法単独及び4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群の患者のそれぞれ60%及び57%は、転移性疾患のファーストライン治療として研究治療を受けた。65%及び74%の患者は、アントラサイクリンを含む以前の治療を受けたことがあり、そして71%及び84%は、それぞれタキサンを含む以前の治療を受けたことがある。有効性 治療意図による母集団では、臨床的有用率は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群において55.7%(61人の患者のうちの34人)であり、そして化学療法単独群において33.9%(62人の患者のうちの21人)であった(P=0.015)。全奏効率は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群において52.5%(61人の患者のうちの32人)であり、そして化学療法単独群において32.3%(62人の患者のうちの20人)であった(P=0.023)(表3)。 少なくとも1回の治療サイクルを受けており、そしてベースライン及び治療後の腫瘍サイズの評価を有する患者について、臨床的有用率は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群において61.8%(患者55人のうち34人)であり、そして化学療法単独群において38.9%(患者54人のうち21人)であった(P=0.017)。これらの患者の全奏効率は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群において58.2%(患者55人のうち32人)であり、そして化学療法単独群において37.0%(患者54人のうち20人)であった(P=0.027)。 治療意図による母集団の無増悪生存期間の中央値は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群において5.9ヵ月であり、そして化学療法単独群において3.6ヵ月であった(ハザード比、0.59;95%CI、0.39〜0.90;P=0.012)(図5B及び表3)。 治療意図による母集団の全生存期間の中央値は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群において12.3ヵ月であり、そして化学療法単独群において7.7ヵ月であった(ハザード比、0.57;95%CI、0.36〜0.90;P=0.014)(図5A及び表3)。 ゲムシタビン及びカルボプラチン単独に無作為化された患者59人のうち30人(50.8%)は、疾患進行に伴ってクロスオーバーさせ、ゲムシタビン及びカルボプラチンに加えて4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを投与された。クロスオーバーされた患者は、中央値1.5サイクルの4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを投与され;25(83.3%)は、1又は2サイクル後に、治療を中断した。1人の患者(3.3%)は、未確認の部分奏効を有し、そして4人の患者(13.3%)は、安定を有した。安全性 表4は、研究治療に関連される最も一般的な有害事象を記載する。最も頻度の高い有害事象には、グレード1の悪心、疲労/無力症及び便秘、グレード3の貧血、並びにグレード3又は4の好中球減少が含まれる。グレード3又は4の有害事象の発生率は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群において85.9%であり、そして化学療法単独群において81.4%であり、そして好中球減少、血小板減少、貧血、及び白血球減少が含まれた。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群では、グレード3/4の貧血及び血小板減少の比率が>5%高かったが、治療群の間で任意の有害事象の頻度における統計的に有意な差異はみられなかった(すべてのグレードの有害事象について、そしてグレード≧3の有害事象についてP>0.05;データを示さず)。 重篤な有害事象の比率は、治療群間で類似していた(化学療法単独群において28.8%;そして4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群において28.1%)。安全性母集団の中では、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群における患者57人のうち8人(14.0%)及び化学療法単独群における患者59人のうち13人(22.0%)は、有害事象のため治療を中断した。ゲムシタビン及びカルボプラチンの用量減少は、化学療法単独患者の、それぞれ62.7%(59人のうち37人)及び78.0%(59人のうち46人)、そして4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを投与された患者の、それぞれ64.9%(57人のうち37人)及び84.2%(57人のうち48人)で生じた。4−ヨード−3−ニトロベンズアミド用量減少は、患者の26.3%(57人のうち15人)で生じた。適用された治療サイクル数の中央値は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群で7回及び対照群で4回であった。致命的な有害事象が、化学療法単独群では2例(3.4%)、そして4−ヨード−3−ニトロベンズアミド群では3例(5.3%)あり、すべて研究治療を受けて30日以内の疾患進行が原因であると考えられる。結論 化学療法に4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを加えると、転移性トリプルネガティブ乳癌を有する患者において臨床的有用性及び生存が改善された。安全性プロファイルは、治療群の間で同等であった。〔実施例5〕ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを用いるトリプルネガティブ乳癌(TNBC)の治療のための拡張されたアクセスプロトコール(「EAP」) 21日サイクルの日1及び日8にゲムシタビン(1,000mg/m2)及びカルボプラチン(AUC、1分当たり2mg/ml)、そして21日サイクルの日1、日4、日8、及び日11に4−ヨード−3−ニトロベンズアミド5.6mg/kgの用量で、60(±10)分の静脈内(「IV」)注入として患者を治療した。 選択基準は、以下を含む:(1)ER陰性、PR陰性、及びHER2過剰発現性である、組織学的に実証された乳癌(原発性又は転移性部位);(2)転移性設定における0〜3回の以前の化学療法レジメン;(3)転移性乳癌(IV期);(4)女性≧18歳;(5)米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンス・ステータス0〜1;(6)以下のような臓器及び骨髄機能:絶対好中球数(ANC)≧1500/mm3、血小板≧100,000/dL、ヘモグロビン≧9g/dL、ビリルビン≦1.5mg/dL、血清クレアチニン≦1.5mg/dL又はクレアチニンクリアランス≧60mL/分、肝臓障害がない場合、正常上限の≦2.5倍又は肝臓障害があれば正常上限の≦5倍のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST);(7)EAP参加の2週以内に妊娠試験陰性と実証された妊娠している可能性のある女性には、そしてEAP治療期間中の許容される産児制限に同意する;そして(8)プロトコールを理解してそれに従うことができ、そしてインフォームド・コンセント文書に署名する。 除外基準は、以下を含む:(1)研究薬物の初回投与の14日以内の全身抗癌治療;(2)研究薬物の初回投与前の抗癌治療に関連する脱毛を除いて、国立癌研究所有害事象共通用語基準(NCI−CTCAE)v3.0による有害事象(AE)からグレード≦1に回復しなかった;(3)EAP参加に影響を及ぼしうる重大な医学的状態(例えばコントロール不良の肺、腎臓、又は肝機能障害、コントロール不良の感染症、心臓病);(4)ステロイドを必要とするか又は研究参加中に全脳放射線療法(「WBRT」)及び髄腔内治療(患者は、神経外科的介入から>21日でなければならない)を含む他の治療的介入を必要とすることが予想される脳転移;(5)妊娠中又は授乳している;そして(6)EAPプロトコールに従うことができない若しくはその気がなり、又は研究者若しくは被指名人と十分に協力することができない若しくはその気がない。〔実施例6〕ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(週2回対毎週)を用いたトリプルネガティブ乳癌(TNBC)の治療 患者を無作為化して治療レジメン(a)21日サイクルの日1及び日8にゲムシタビン(1,000mg/m2)及びカルボプラチン(AUC、1分当たり2mg/ml)、そして21日サイクル、又は治療レジメンの日1、日4、日8及び日11に4−ヨード−3−ニトロベンズアミド5.6mg/kgの用量、(b)21日サイクルの日1及び日8にゲムシタビン(1,000mg/m2)及びカルボプラチン(AUC、1分当たり2mg/ml)及び21日サイクルの日1及び8に4−ヨード−3−ニトロベンズアミド11.2mg/kgの用量のいずれかを投与した。 臨床的有用率、奏効率、PFS及びOSを含む有効性パラメーターを測定し、そして治療レジメン(a)を受けた患者と治療レジメン(b)を受けた患者の間で比較した。〔実施例7〕ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせた4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(週2回対毎週)を用いたトリプルネガティブ乳癌(TNBC)の治療 この第II相試験の主要目的は、転移性トリプルネガティブ乳癌(mTNBC)を有する患者においてゲムシタビン及びカルボプラチン化学療法レジメンと組み合わせて週2回又は毎週60分静脈内注入として投与された4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの客観的奏効率(ORR)を評価することである。 副次的目的は、以下の通りである:(1)少なくとも24週持続する完全奏効(CR)、部分奏効(PR)及び安定(SD)の比率として定義される臨床的有用率(CBR)を評価すること;(2)無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)を評価すること;(3)4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの各スケジュールの安全性プロファイルを評価すること;(4)(場合により)4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの薬物動態学的(PK)プロファイルを評価すること;そして(5)(場合により)腫瘍の分子的及び生物学的プロファイルを特徴づけること。 一次アウトカム指標は、完全奏功(CR)率及び部分奏効(PR)率の合計としてRECIST1.1バージョンに定義された全奏効率(ORR)である。 二次アウトカム指標は、以下の通りである:(1)完全な奏功(CR)率、部分奏効(PR)率及び安定(SD)≧24週の比率の合計としてRECIST 1.1バージョンに定義された臨床的有用率(CBR);(2)RECIST 1.1バージョンにより評価された無憎悪生存期間;(3)全生存期間。 治療群1の治療は、以下を含む:ゲムシタビンを1000mg/m2で30分静脈内(IV)注入として投与した;3週(1サイクルに相当する)毎の日1及び日8にカルボプラチンをAUC2で60分IV注入として投与した;4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを、5.6mg/kgの用量で60分IV注入として投与した。患者に週2回(日1、4、8及び11)4−ヨード−3−ニトロベンズアミドIV注入をサイクル当たり22.4mg/kgの全量で投与した。 治療群2の治療は、以下を含む:ゲムシタビンを、1000mg/m2で30分IV注入として投与した;3週毎(1サイクルに相当する)の日1及び日8に、カルボプラチンを、AUC2で60分IV注入として投与した;4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを、11.2mg/kgの用量で60分IV注入として投与した。患者に毎週(日1、8)4−ヨード−3−ニトロベンズアミドIV注入を、サイクル当たり22.4mg/kgの全量で投与した。 患者に対する研究期間には、3週までの選択期間(period for inclusion)が含まれる。患者は、疾患進行、許容しえない毒性又は同意撤回(consent withdrawal)まで治療を続けてもよく、最後の研究治療適用後、少なくとも30日の経過観察によって追跡調査された。研究治療中止の場合、患者は研究治療から離脱したとみなされ、そして安全性のため、研究治療の最終投与後の少なくとも30日間は追跡調査が計画されている。疾患進行のない研究治療中止の場合、疾患進行、死亡又は研究終了のいずかが最初にくるまで有効性データを6週毎に集めた。疾患進行後、死亡又は研究終了まで、全生存期間について患者を12週(3ヵ月)毎に経過観察した。研究治療から恩恵を受けた患者は、疾患進行、毒性又は止めたいと思うまで続けることができる。 研究に資格のある年齢は、18歳及びそれより上である。研究に資格のある性別は、女性である。 選択基準は、以下を含む:(1)以下の組織学的に実証された乳癌(原発性又は転移性部位):(a)ER(エストロゲン受容体)陰性、PR(プロゲステロン受容体)陰性(ER及びPR陰性について:免疫組織化学(IHC)による腫瘍染色<10%)及び(b)ヒト上皮増殖因子2(HER2)非過剰発現性IHC(0,1+)又はIHC 2+、そして蛍光原位置ハイブリッド形成(FISH陰性)(IHC 3+の患者は、資格がない);(2)固形がん治療効果判定のための新ガイドライン(revised guideline for Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)バージョン1.1(RECIST 1.1基準)により測定可能な疾患を有する転移性乳癌;そして(3)以下を含む以前の治療:(a)これまで転移性疾患の抗癌治療を受けたことがない又は(b)転移性設定において1つ又は2つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある(以前のネオアジュバント/アジュバント全身治療は、最期の治療適用の1年後を超えないうちに最初の再発が生じる場合、以前の化学療法とみなされる)。 除外基準は、以下を含む:(1)ゲムシタビン、カルボプラチン、シスプラチン又は任意のPARP阻害剤による以前の治療;(2)唯一の疾患部位として骨転移(測定可能な軟組織成分を有する骨転移を除く);(3)研究参加に影響を及ぼしうる重大な医学的状態、例えば、コントロール不良の肺、腎臓又は肝臓機能障害、コントロール不良の感染症、心臓病。〔実施例8〕ネオアジュバント治療として4−ヨード−3−ニトロベンズアミド及びパクリタキセルを用いたトリプルネガティブ乳癌(TNBC)の治療 この第II相試験の主要目的は、(1)週2回の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、及び毎週のパクリタキセル(2)毎週の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド及び毎週のパクリタキセル、又は(3)毎週の単剤パクリタキセルで治療された患者の乳房における病理学的完全奏効(pCR)率を評価することである。病理学的完全奏効(pCR)率は、根治手術時に乳房の組織学的試験において浸潤性癌腫が完全にないものとして定義され、そして盲検化統合審査(blinded centralized review)によって確認される。 本研究の副次的目標は、以下を含む:(1)乳房及び腋窩におけるpCR率、(2)各処置治療群についての放射線学的/臨床的客観的奏効率(ORR)、乳房温存率、無病生存期間(DFS)、及び全生存期間(OS)、(3)研究の組み合わせ及び単剤参照治療の安全性プロファイル、及び(4)腫瘍組織及び末梢血単核細胞(PBMC)の分子的特徴並びに研究治療の生物活性と疾患結果との間の任意の相関性。客観的奏効率(ORR)は、完全奏効率及び部分奏効率の合計として固形がん治療効果判定のための新ガイドライン(RECIST 1.1)に定義された通りである。 処置治療群(A)は、週2回の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、及び毎週のパクリタキセルを含み:4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを5.6mg/kgの用量で60分静脈内(IV)注入として投与した。患者に、週2回、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド注入(日1及び日4;週当たり11.2mg/kgの全量)そして60分IV注入として毎週、パクリタキセル(日1;用量80mg/m2)を投与した。処置治療群(B)は、毎週の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、及び毎週のパクリタキセルを含み:4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを11.2mg/kgの用量で、60分静脈内(IV)注入として投与した。患者に、週1回、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド注入(日1;週当たり11.2mg/kgの全量)そしてパクリタキセルを60分IV注入として毎週(日1;80mg/m2の用量)で投与した。処置治療群(C)は、パクリタキセル単独を含み:パクリタキセルを、80mg/m2の用量で60分IV注入として投与した。患者は、パクリタキセル注入を毎週(日1)受けた。 積極的な研究治療は、治療群Aについて最大24回注入のため、そして治療群Bについて最大12回注入のため、週2回の投与(日1及び日4)又は毎週の投与(日1)のいずれかとして行った。すべての研究治療群において、治療は、根治手術、疾患進行の最初の徴候、許容しえない毒性又は患者同意の撤回まで行った。根治手術は、研究治療の最終投与の2〜4週後以内に実施した。すべての研究治療を終了した患者又は同意を撤回するか若しくは耐えられない毒性を経験した患者は、手術を受けた。一次分析の期限は最後の研究治療適用又は根治手術の日のいずれか遅い方の後、30日である。本研究の終わりは、最後の患者が根治手術を受けた5年後である。 本研究で評価された登録数は、135人の患者である。研究に資格のある年齢は、18歳及びそれより上である。研究に資格のある性別は、女性である。 選択基準は、以下を含む:(1)根治手術に適格であり、そして免疫組織化学(IHC)(0+、1+)又は蛍光原位置ハイブリッド形成(FISH陰性、比率<1.8)又はIHC(2+、3+)/FISH陰性によってエストロゲン受容体(ER)陰性、プロゲステロン受容体(PgR)陰性及びヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)非過剰発現性である、組織学的に確定されたII〜IIIA期浸潤性乳癌;(2)原発性腫瘍は、身体的検査及びマモグラフィー(必須)に加えて、超音波検査又は磁気共鳴画像法(MRI)のいずれかによって測定された直径において>2cmでなければならない;(3)米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンス・ステータス0又は1;(4)妥当な骨髄予備機能(bone marrow reserve);(5)妥当な肝臓及び腎臓機能;(6)年齢>又は=18歳。 除外基準は、以下を含む:(1)原発性乳癌のためのなんらかの以前の治療;(2)両側又は多中心性乳癌;(3)適当に抑制され限定された皮膚の基底細胞癌腫又は子宮頸部上皮内癌を除く、過去5年以内の他の原発性腫瘍(4)無作為化で国立癌研究所の有害事象の共通毒性基準(National Cancer Institute Common Toxicity Criteria for Adverse Event)(NCI CTCAE)により既存の末梢神経障害グレード>又は=2;(5)任意の医学的病歴(例えば、心臓血管、コントロール不良の肺、腎臓、又は肝臓機能障害、コントロール不良の感染症)又は精神医学的状態又は研究者の見解において、研究参加若しくは研究薬物の投与に伴いリスクが高まることがありうるか、若しくは結果の解釈を妨げることがありうる臨床検査値異常;(6)妊娠中又は授乳している女性;(7)本研究中、そして研究薬物の最終投与後の6ヵ月間、有効な非ホルモン法の産児制限を用いない妊娠の可能性がある女性(最後の月経後<2年);(8)研究抗癌治療と併用する放射線治療の必要性。手術後に乳房又は胸壁放射線治療を必要とする患者は、資格がある;(9)研究薬物又は賦形剤のいずれかに対する過敏症がわかっている。〔実施例9〕ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを用いる転移性トリプルネガティブ乳癌(mTNBC)の第3相試験 転移性トリプルネガティブ乳癌(すなわち、エストロゲン受容体陰性(ER)、プロゲステロン受容体陰性(PR)、そしてHer2(Her2)を過剰発現しない)を有する患者において、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドと共に又はなしでゲムシタビン及びカルボプラチンを用いた第3相多施設非盲検無作為化試験を行った。 治療群1は、21日サイクルの日1及び8にゲムシタビン(1000mg/m2;IV注入)及びカルボプラチン(AUC2;IV注入)を含む(「GC」治療群)。治療群2は、日1及び8にゲムシタビン(1000mg/m2;IV注入)、カルボプラチン(AUC2;IV注入)並びに21日サイクルの日1、4、8、及び11に4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(別名「イニパリブ」)(5.6mg/kg IV注入)を含む(「GCI」治療群)。研究デザインを図6に示す。疾患進行に従ってGC治療群患者をGCI治療群とクロスオーバーさせ、そしてクロスオーバー前に進行についての計画された画像中央判定(prospective central radiology review of progression)が必要であった。一次分析時に、進行している患者の96%(n=152)をGCIにクロスオーバーさせた。 共通の主要エンドポイントは、(i)全生存期間(「OS」);(ii)無増悪生存期間(「PFS」)(いずれかのエンドポイントが満たされる場合、研究は陽性であるとみなされた)。副次的エンドポイントは、(i)客観的奏効率(「ORR」)及び(ii)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、ゲムシタビン、及びカルボプラチンの組み合わせの安全性、忍容性、及び薬物動態であった。 統計的要件は、以下の通りであった:(i)共通の主要エンドポイントについての第一種の過誤の調整:全アルファ水準=0.05分割(split):OSについては0.04そして無増悪生存期間(「PFS」)については0.01;(ii)計画されたサンプルサイズ及び仮説:計画された患者総数:420人;OS:HR=0.66、検出力=90%、アルファ=0.04(両側)(死亡総数260例);PFS:HR=0.65、検出力=90%、アルファ=0.01(両側)(PFS事象総数322例);(iii)無作為化で割り付けた投与群に基づく治療意図による(「ITT」)母集団を用いた有効性分析:N=519(迅速登録のため過剰に登録された);(iv)安全性母集団は、任意の少なくとも1用量の研究薬物を受けた全患者に基づく。患者のベースライン特性を表5に示す。 治療中に発生した有害事象(「AE」)を表6に示す。 ITT母集団に基づく有効性エンドポイントを図7に示す。GC治療群(n=258)のPFS中央値は、4.1ヵ月(95%CI:3.1、4.6)であり、そしてGCI治療群(n=261)のPFS中央値は、5.1ヵ月(95%CI:4.2、5.8)であり;HR(95%CI)は、0.79(0.65、0.98)であり;p値は、0.027であった。GC治療群のOS中央値は、11.1ヵ月(95%CI:9.2、12.1)であり、そしてGCI治療群のOS中央値は、11.8ヵ月(95%CI:10.6、12.9)であり;HR(95%CI)は、0.88(0.69、1.12)であり、p値は、0.28であった。ITT母集団に基づく全奏効率を表7に示す。 ファーストライン治療として治療を受けたITT患者(ファーストライン患者:57%の患者(297/519))についてのPFS及びOSの探索的分析を図8に示す。ファーストライン患者について、GCI治療群のPFSは、5.6ヵ月(4.2、6.9)であり、そしてGC治療群のPFSは、4.6ヵ月(3.9、5.7)であった(HR=0.88(0.66、1.13);事象197例)。ファーストライン患者について、GCI治療群のOSは、12.4ヵ月(10.6、NE)であり、そしてGC治療群のOSは、12.6ヵ月(11.9、NE)であった(HR=1.1(0.78、1.56);事象129例)。 セカンドライン又はサードライン治療として治療を受けた患者(セカンド/サードライン患者:43%の患者(225/519))についてのPFS及びOSの探索的分析を図9に示す。GCI治療群のPFSは、4.2ヵ月(3.8、5.7)であり、そしてGC治療群のPFSは、2.9ヵ月(1.9、4.1)であった(HR=0.67(0.5、0.92);事象169例)。GCI治療群のOSは、10.8ヵ月(9.7、13.1)であり、そしてGC治療群のOSは、8.1ヵ月(6.6、10)であった(HR=0.65(0.46、0.91);事象132例)。 多変量解析によるOS上の特定のベースライン特性における不均衡の影響を、統計解析計画書(SAP)により評価した。解析は、(i)予め指定されたベースライン要因:年齢、疾患の負担、ECOG PS、治療ライン、人種、mTNBCの診断からの時間、内臓疾患、及び高められたアルカリホスファターゼ;及び(ii)mTNBCの診断から時間が、原発性BC手術から転移性疾患の発症までの無病期間で置き換えられた、上の予め指定されたベースライン要因に基づく。多変量Coxモデル(Multivariate Cox Model)を用いて決定されたOSについての治療評価を表8に示す。 PFS分析における特定のベースライン特性の不均衡の影響を記載されたように評価した。多変量Coxモデルを用いて決定されたPFSについての治療評価を表9に示す。 FFPEサンプルのアフィメトリクス遺伝子発現プロファイリングを実施した。図10を参照のこと。Sorlie等データセット(Sorlie et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2003, 100(14):8418-23)及びクローディン−ロウ分類指標(Prat et al., Breast Cancer Res. 2010, 12(5):R68)を用いて固有のサブタイプを割り当てた。第III相TNBCには、多様な分子サブタイプが含まれることがわかった。 要約すると、ゲムシタビン及びカルボプラチンの組み合わせに4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを加えることで、これらの共通の主要エンドポイントについて予め指定された基準によるPFS又はOSを改善しなかった(分析時のクロスオーバーの資格があるGC治療群患者の96%は、GCI治療群クロスオーバーされ、そして中央値2サイクルの治療受けた)。以前の治療によるPFS及びOSの探索的分析は、セカンド/サードライン患者の中での潜在的有効性の利益を示唆した(必要な確認試験)。ゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを用いる治療の安全性プロファイルが、確認され、そしてGCI治療群の毒性は、GC治療群と同等であった。mTNBC母集団は、固有の細分類において高度に不均一であった。バイオマーカー分析は、4−ヨード−3−ニトロベンズアミドから恩恵を受けたであろう患者母集団を評価するために進行中である。〔実施例10〕mTNBC患者においてゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて週2回又は毎週投与された4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの第2相無作為化非盲検試験 適格患者(N=163;年齢の中央値49歳)は、測定可能なTNBC、ECOG PS 0〜1、正常な臓器/骨髄機能が実証されており、そして転移性疾患について≦2の以前の化学療法(CT)レジメンを受けたことがある。患者を無作為化し(1:1)、21日サイクルで、ゲムシタビン(1,000mg/m2、IV、日1及び8)、カルボプラチン(AUC2、IV、日1及び8)そして、週2回、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(5.6mg/kg、IV 日1、4、8、及び11)又は毎週(11.2mg/kg、IV 日1及び8)を投与した。患者を、mTNBC(0対1〜2)について以前のCTにより層化した。主要有効性エンドポイントは、全奏効率(ORR:CR+PR)であった。副次的エンドポイントは、臨床的有用率(CBR:24週のCR+PR+SD)、PFS、OS及びPKを含む。 分析時に、患者の23%は、なお治療中であった。患者当たり適用されたサイクル数の中央値は、両方の治療群において6回であり;4−ヨード−3−ニトロベンズアミドへの暴露は、同一であった。安全性データは、十分に確認しなかった。すべての患者は、治療中に発生した有害事象(TEAE)を少なくとも1回経験した。週2回及び毎週の治療群において、それぞれ患者の94%及び85%で、グレード≧3のTEAEが生じた。研究薬物とは関係なしに患者の≧5%で生じたグレード≧3のTEAE(週2回対毎週)は、以下の通りである:血液及びリンパ管71%対67%;肝胆汁性7.5%対9.8%;無力症/疲労7.5%対11%;消化管8.8%対8.5%;感染症7.5%対3.7%;呼吸器、胸部及び縦隔5%対8.5%、代謝及び栄養4%対6%。反応データを表10に示す。 2つの投与レジメン間で薬物暴露(1サイクル内のAUCに基づく)において大きな違いは見られなかった。 毎週のスケジュールにおけるGCI投与は、週2回のスケジュールで得られたものと同様のORRを生じた。両方の治療群における同等の安全性プロファイル、そして以前の研究結果との一致は、毎週のGCIの組み合わせが、この組み合わせを評価するさらなる研究のための適当なスケジュールでありうることを示唆している。OS及びPFSデータは、まだ成熟しておらず;最新の有効性及び安全性データが存在する。 理解を明確にするため、前述の発明を図解及び実施例によりいくらか詳細に説明してきたが、説明及び実施例は、本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。略語 「(%)TGD:」(パーセント)腫瘍成長遅延;「AE:」有害事象;「AUC:」血將中濃度−時間曲線下面積;「BA:」4−ヨード−3−ニトロベンズアミド;「終了までbiwk:」研究期間中、週2回(投与);「BUN:」血中尿素窒素;「BW:」体重;「CBC:」完全血球算定;「CHF:」うっ血性心不全;「CL:」クリアランス;「Clr:」腎クリアランス;「Cmax:」、最大観測濃度;「CNS:」中枢神経系;「CO2:」二酸化炭素;「CR:」完全退縮又は完全奏功;「CrCl24hr:」24時間クレアチニンクリアランス;「CRF:」症例報告書;「CT:」コンピューター断層撮影;「CTC:」循環腫瘍細胞;「CTCAE:」有害事象共通用語基準(Common terminology criteria for adverse events);「Cut:」時間に対する尿中濃度(Concentration in urine for time);「D:」(本研究の)日;「dc/dtmax:」濃度変化の最大速度;「DCE−MRI:」ダイナミック造影磁気共鳴画像法;「DLT:」用量制限毒性;「DNA:」デオキシリボ核酸;「ECHO:」心エコー図;「ECOG:」米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group);「EKG:」心電図;「研究の終わり(EOS):」4−ヨード−3−ニトロベンズアミドの最終投与+30日;「登録:」4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを最初に投与したときの研究日1;「FDA:」食品医薬品局(Food and Drug Administration);「FIH:」ヒトにおける最初の;「GBM:」多形性膠芽腫;「GCP:」医薬品の臨床試験の実施の基準(Good clinical practice);「GLU:」グルコース;「HCT:」ヘマトクリット;「HED:」ヒト等価用量;「Hgb:」ヘモグロビン;「HPBCD:」25%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン;「i.p.:」腹腔内;「IC50:」50%阻害濃度;「IC90:」90%阻害濃度;「ICH:」医薬品規制調和国際会議(International Conference on Harmonization);「In vitro:」人工環境中で;「In vivo:」生体内で;「イニパリブ:」4−ヨード−3−ニトロベンズアミド(BA);「IRB:」施設内倫理委員会(Institutional review board);「IV:」静脈内;「K2EDTA:」エチレンジアミン四酢酸カリウム;「LD:」最長径;「MedRA:」医薬品規制用語集(Medical Dictionary for Regulatory Submissions);「Mins:」分;「MRI:」磁気共鳴画像法;「MTD:」最大耐量;「MTV(n):」研究の最終日に残っている動物数nのmm3における腫瘍体積の中央値;「MTV:」腫瘍体積の中央値;「MUGA:」マルチプルゲーテッドアクイジション(Multiple gated acquisition);「n:」プロトコール当たりの群中のマウス数;分析のために群中の評価可能なマウス数;「ne:」評価されない;「NOAEL:」無毒性量(No observable adverse effect level);「ns:」有意でない;「NTR:」治療に無関係な(non-treatment-related)(死亡);「NTRm:」転移及び/又は腫瘍浸潤による治療に無関係な(死亡);「NYHA:」ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association);「OMP:」小型浸透圧注入ポンプ;「p.o.:」口による(経口);「PARP:」ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ;「PD:」薬力学的又は進行性疾患;「PK:」薬物動態学的;「PLT:」血小板;「PR:」部分退縮又は部分奏効;「PT:」プロトロンビン時間;「PTT:」部分トロンボプラスチン時間;「Q2W:」週2回の投与;「qdx5:」1日1回5日間(投与);「QD:」1日1回投与;「QT:」心室再分極を表す心電図波の部分;「QTc:」補正されたQT;「Rad:」無作為化;「RBC:」赤血球;「RECIST:」固形がんの治療効果判定基準(Response evaluation criteria in solid tumor);「RNA:」リボヌクレイン酸;「s.c.:」皮下(に);「SAE:」重篤な有害事象;「スクリーニング:」被験者がインフォームド・コンセント用紙に署名する段階「SD:」安定(Stable disease);「SMC:」安全性モニタリング委員会(Safety Monitoring Committee);「STD:」重度の中毒量(Severe toxic dose);「STD10:」重度の中毒量の1/10;「研究日1:」4−ヨード−3−ニトロベンズアミドを最初に投与する日;「T1/2:」末端消失半減期(Terminal elimination half-life);「TBILI:」総ビリルビン(直接的及び間接的);「TF:」無腫瘍生存者(tumor-free survivor(s));「TGI:」腫瘍増殖阻害;「Tmax:」最大血將中濃度に達する時間;「TP:」総タンパク量;「TR:」治療に関連した(死亡);「TTE:」エンドポイントまでの時間;「ULN:」正常上限;「US:」超音波;「WBC:」白血球。 乳癌を有する患者に、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを投与することを含む、患者における転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌の治療方法であって、患者は転移性設定における少なくとも1ラインの以前の治療を受けたことがある、前記方法。 患者が転移性設定における少なくとも2ラインの以前の治療を受けたことがある、請求項1に記載の方法。 以前の治療ラインがアントラサイクリン、タキサン、及び抗VEGF抗体の少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の方法。 以前の治療ラインがアントラサイクリン及びタキサンを含む、請求項3に記載の方法。 以前の治療ラインがアントラサイクリン及び抗VEGF抗体を含む、請求項3に記載の方法。 以前の治療ラインがタキサン及び抗VEGF抗体を含む請求項3に記載の方法。 以前の治療ラインがアントラサイクリン、タキサン、及び抗VEGF抗体を含む、請求項3に記載の方法。 抗VEGF抗体がビバシズマブである、請求項3及び5〜7のいずれか1項に記載の方法。 以前の治療ラインがネオアジュバント療法である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。 以前の治療ラインがアジュバント療法である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。 乳癌が少なくとも1つ、2つ又は3つの転移部位を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。 転移部位が肺、肝臓、中枢神経系、脳、骨、皮膚、軟組織、リンパ節、及び乳房からなる群より選ばれる、請求項11に記載の方法。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が静脈内に投与される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。 ゲムシタビンが静脈内に投与される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。 カルボプラチンが静脈内に投与される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が、約5.6mg/kgで投与され、ゲムシタビンが、約1000mg/m2で投与され、そしてカルボプラチンが、AUC約2で投与される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。 方法が21日のサイクルを少なくとも1回含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週2回、約5.6mg/kgでサイクルのうちの2週間投与され、ゲムシタビンは、週1回、約1000mg/m2でサイクルのうちの2週間投与され、そしてカルボプラチンは、週1回、AUC約2でサイクルのうちの2週間投与される、請求項16に記載の方法。 有効量が21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1、4、8、11に約5.6mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、請求項17に記載の方法。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が、約11.2mg/kgで投与され、ゲムシタビンが、約1000mg/m2で投与され、そしてカルボプラチンが、AUC約2で投与される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。 方法が21日のサイクルを少なくとも1回含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、週1回、約11.2mg/kgでサイクルのうちの2週間投与され、ゲムシタビンは、週1回、約1000mg/m2でサイクルのうちの2週間投与され、そしてカルボプラチンは、週1回、AUC約2でサイクルのうちの2週間投与される、請求項19に記載の方法。 有効量が21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、請求項20に記載の方法。 有効量が、完全奏効、部分奏効又は安定を生じる、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。 転移性乳癌を有する患者に、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを投与することを含む、患者における転移性乳癌の治療方法であって、患者が少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記方法。 乳癌がER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現である、請求項23に記載の方法。 有効量が21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1、4、8、11に約5.6mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、請求項23又は24に記載の方法。 有効量が21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、請求項23又は24に記載の方法。 転移性乳癌を有する患者が脳転移を有する、請求項23〜26のいずれか1項に記載の方法。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が静脈内に投与される、請求項23〜27のいずれか1項に記載の方法。 ゲムシタビンが静脈内に投与される、請求項23〜28のいずれか1項に記載の方法。 カルボプラチンが静脈内に投与される、請求項23〜29のいずれか1項に記載の方法。 有効量が、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定、及び病理学的完全奏効からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる、請求項23〜30のいずれか1項に記載の方法。 有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを患者に投与することを含む、患者における乳癌の治療方法であって、患者は、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を有し、ここで、有効量は21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、前記方法。 乳癌が転移性乳癌である、請求項32に記載の方法。 転移性乳癌を有する患者が脳転移を有する、請求項33に記載の方法。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が、静脈内に投与される、請求項32〜34のいずれか1項に記載の方法。 ゲムシタビンが静脈内に投与される、請求項32〜35のいずれか1項に記載の方法。 カルボプラチンが静脈内に投与される、請求項32〜36のいずれか1項に記載の方法。 有効量が、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定、及び病理学的完全奏効からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる、請求項32〜37のいずれか1項に記載の方法。 乳癌を有する患者に、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む、患者における乳癌の治療方法であって、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩の投与が、ネオアジュバント療法として用いられる、前記方法。 方法が、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩を投与した後に患者から乳癌組織を除去する手術をさらに含む、請求項39に記載の方法。 (a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩の投与が手術まで続けられる、請求項40に記載の方法。 方法が、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩の投与の約2〜約4週後に、患者から乳癌組織を除去する手術をさらに含む、請求項39〜41のいずれか1項に記載の方法。 患者が、ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を有する、請求項39〜42のいずれか1項に記載の方法。 患者がII期乳癌を有する、請求項39〜43のいずれか1項に記載の方法。 患者がIIIA期乳癌を有する、請求項39〜43のいずれか1項に記載の方法。 患者が、乳癌のための以前の治療を受けたことがない、請求項39〜45のいずれか1項に記載の方法。 患者が両側乳癌を有しない、請求項39〜46のいずれか1項に記載の方法。 患者が多中心性乳癌を有しない、請求項39〜47のいずれか1項に記載の方法。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が、週2回、約5.6mg/kgで投与される、請求項39〜48のいずれか1項に記載の方法。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が、週1回、約11.2mg/kgで投与される、請求項39〜48のいずれか1項に記載の方法。 パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩が、週1回、約80mg/m2で投与される、請求項39〜50のいずれか1項に記載の方法。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が、毎週、日1及び4に約5.6mg/kgで投与され、そしてパクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩が、毎週、日1に約80mg/m2で投与される、請求項39〜49及び51のいずれか1項に記載の方法。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が、毎週、日1に約11.2mg/kgで投与され、そしてパクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩が、毎週、日1に約80mg/m2で投与される、請求項39〜48、50及び51のいずれか1項に記載の方法。 (a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩及び(b)パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩が、少なくとも1週間、患者に投与される、請求項39〜53のいずれか1項に記載の方法。 4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩が、静脈内に投与される、請求項39〜54のいずれか1項に記載の方法。 パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩が、静脈内に投与される、請求項39〜55のいずれか1項に記載の方法。 有効量が、乳房腫瘍サイズの縮小、転移の減少、完全寛解、部分寛解、安定、及び病理学的完全奏効からなる群より選ばれる少なくとも1つの治療効果を生じる、請求項39〜56のいずれか1項に記載の方法。 有効量が患者において病理学的完全奏効を生じる、請求項57に記載の方法。 (a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含む、患者における転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するためのキットであって、患者は転移性設定における少なくとも1ラインの以前の治療を受けたことがある、前記キット。 患者における転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するため、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書を含む包装添付文書又はラベルをさらに含む、請求項59に記載のキットであって、患者は転移性設定における少なくとも1ラインの以前の治療を受けたことがある、前記キット。 有効量が21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1、4、8、11に約5.6mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、請求項60に記載のキット。 有効量が21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、請求項60に記載のキット。 (a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)患者における転移性ER陰性、PR陰性、及びHER2非過剰発現性乳癌を治療するため、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて使用するための説明書を含む包装添付文書又はラベルを含んでなるキットであって、患者は転移性設定における少なくとも1ラインの以前の治療を受けたことがある、前記キット。 有効量が21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1、4、8、11に約5.6mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、請求項63に記載のキット。 有効量が21日の治療サイクルにわたって投与され、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、請求項63に記載のキット。 (a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなる、患者における転移性乳癌を治療するためのキットであって、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記キット。 患者における転移性乳癌を治療するため、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを使用するための説明書を含む包装添付文書又はラベルをさらに含む請求項66に記載のキットであって、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記キット。 (a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)患者における転移性乳癌を治療するため、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて使用するための説明書を含む包装添付文書又はラベルを含んでなるキットであって、患者は少なくとも3つの以前の化学療法レジメンを受けたことがある、前記キット。 (a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチンを含んでなるキットであって、キットは、患者における乳癌を治療するため、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)ゲムシタビン、及び(c)カルボプラチン、を使用するための説明書を含む包装添付文書又はラベルをさらに含み、ここで、治療は、21日の治療サイクルにわたって有効量を投与することを含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、前記キット。 (a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)患者における乳癌を治療するため、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて使用するための説明書を含む包装添付文書又はラベルを含んでなるキットであって、治療は21日の治療サイクルにわたって有効量を投与することを含み、ここで、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩は、治療サイクルの日1及び8に約11.2mg/kgで患者に投与され、ゲムシタビンは、治療サイクルの日1及び8に約1000mg/m2で患者に投与され、そしてカルボプラチンは、治療サイクルの日1及び8にAUC約2(2mg/ml・分)で患者に投与される、前記キット。 (a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩を含む、患者における乳癌を治療するためのキットであって、(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩は、ネオアジュバント療法として用いられる、前記キット。 ネオアジュバント療法として患者における乳癌を治療するため、有効量の(a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)パクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩を使用するための説明書を含む包装添付文書又はラベルをさらに含む、請求項70に記載のキット。 (a)4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩、及び(b)ネオアジュバント療法として患者における乳癌を治療するため、有効量の4−ヨード−3−ニトロベンズアミド又はその代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をパクリタキセル又はその薬学的に許容しうる塩と組み合わせて使用するための説明書を含む包装添付文書又はラベルを含んでなるキット。 一態様において、本明細書では、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をゲムシタビン及びカルボプラチンと組み合わせて用いる、患者において乳癌を治療する方法及び組成物が提供される。別の態様において、本明細書では、4−ヨード−3−ニトロベンズアミド、その代謝産物又はその薬学的に許容しうる塩をパクリタキセルと組み合わせて用いる、患者における乳癌を治療する方法及び組成物が提供される。


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