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タイトル:公開特許公報(A)_一重項酸素消去剤
出願番号:2010275520
年次:2012
IPC分類:A61K 8/65


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小林 杏 前畑 洋次郎 宮本 千央 李 昌一 楠畑 雅 服部 俊治 田中 啓友 JP 2012121864 公開特許公報(A) 20120628 2010275520 20101210 一重項酸素消去剤 株式会社ニッピ 000135151 齋藤 悦子 100111464 木村 満 100095407 毛受 隆典 100109449 春日 誠 100151998 八島 耕司 100131152 越山 祥子 100161621 渡邊 敏 100090893 小林 杏 前畑 洋次郎 宮本 千央 李 昌一 楠畑 雅 服部 俊治 田中 啓友 A61K 8/65 20060101AFI20120601BHJP JPA61K8/65 2 OL 17 4C083 4C083AD431 4C083AD432 4C083CC01 4C083CC19 4C083DD23 4C083DD27 4C083EE17 本発明は、一重項酸素消去剤、および一重項酸素その他の活性酸素種に由来する細胞障害を効果的に抑制しうる細胞障害抑制剤に関する。 細胞老化の原因の一つは、活性酸素種に対する防御能力の低下や活性酸素種によって開始される酸化現象に対する防御能力の低下にあると考えられている。紫外線によって活性酸素種が発生すると、外部環境と直接に接触する皮膚や頭皮などの皮膚脂質が酸化され過酸化脂質が形成され、皮膚が老化され、または光発癌現象が引き起こされる。従来から、このような活性酸素種としてスーパーオキサイドアニオン、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素などが知られている。このような活性酸素種による酸化ストレスが、真皮層で線維芽細胞を障害することも報告されている(非特許文献1)。 活性酸素種には、スーパーオキシドアニオンラジカルやヒドロキシルラジカルなどのフリーラジカルと、過酸化水素や一重項酸素などのフリーラジカルではないものとが含まれる。一重項酸素は、酸素分子のπ*2p軌道上の電子が一重項状態で占有され、全スピン量子数が0である励起状態の酸素を意味する。酸素原子のみできており、その分子構造は普通の酸素分子とそれほど大きく違わないが電子配置が異なっている。2つのπ*2p軌道にスピンの向きがそろった電子が1個ずつ入って基底状態にある酸素分子を三重項酸素というのに対し、一重項酸素はπ*軌道の電子のスピンの向きが反対になっており、極めて強い反応性を示す。 このような一重項酸素は、皮膚組織に紫外線を照射することで発生するとの報告がある。2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン(TMPD)を一重項酸素のスピン捕捉剤として用いると、発生した一重項酸素を安定なTMPD−ニトロオキシドの形で捉えることができる。この方法で、ヒト線維芽細胞に紫外線を照射した際のTMPD−ニトロオキシドをエレクトロン・パラマグネティック・レゾナンスにより定量したところ、紫外線照射によって皮膚組織で一重項酸素が発生していることが証明された(特許文献1)。この特許文献1では、ローション組成物に一重項酸素消去剤としてβカロチンを配合し、これをひたいに塗布した後に太陽光を照射し、未塗布の場合よりも皮脂過酸化脂質の発生量を低減させている。 また、梅種子抽出物を一重項酸素消去剤として配合した化粧料もある(特許文献2)。ウミホタルルシフェリン誘導体溶液にナフタレンエンドペルオキシド溶液を添加し総発光量を測定する際、ウミホタルルシフェリン誘導体溶液に梅種子抽出物を添加すると一重項酸素が消去されると報告している。一重項酸素は、活性酸素種の中でも毒性が強く、細胞膜等に障害をもたらす可能性が示唆されているから、一重項酸素の消去は、肌を活性酸素種から守るために重要であると、記載する。 このような一重項酸素消去剤として、クマリン誘導体(特許文献3)やカロチン、トコフェノール、アスコルビン酸、タンニン酸、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート(特許文献4)があり、一重項酸素中和剤としてポリフェノール、カルテノイド誘導体、ヌクレオシド及びその誘導体なども知られている(特許文献5)。 一方、コラーゲンは、魚や豚、牛などの生皮、腱、骨などを形成する主要タンパク質である。コラーゲンや、これを酵素、酸、アルカリなどで加水分解したコラーゲンペプチドは、単独で、または他の成分と併用して医薬組成物や化粧品などとして使用されている。例えば、魚皮からコラーゲンを抽出し、タンパク加水分解酵素で酵素分解し、および濃縮、精製してなる遊離アミノ酸含量が1.0質量%以下であってヒ素含量が2ppm以下のコラーゲンペプチドを化粧品とする技術もある(特許文献6)。コラーゲンペプチドは、高分子のコラーゲンに比べて水への溶解度が高く低粘度であり、生体内への吸収性が高いことに鑑み、より安全性に優れるコラーゲンペプチドを化粧品に応用するものである。特開平5−320036号公報特開2002−284633号公報特許第4285939号特許第3519191号特許第2731705号特許第4236850号紫外線B派照射による皮膚障害とその予防・治療 −γ−Tocopherol誘導体塗布の効果−、No.126(9)、p677〜693(2006) 外部環境と直接接触する皮膚細胞の紫外線照射に対する障害を抑制できれば、皮膚の老化やシワの発生などを効率的に抑制できると考えられる。皮膚に直接投与する化粧品は、男女を問わず、広い年齢層に使用されるため、特に安全性に優れること優先される。前記特許文献1〜5に記載する一重項酸素消去剤は、クマリン誘導体やカルテノイド誘導体、ポリフェノールやアスコルビン酸などいずれも生体成分ではない。従って、より安全性に優れる一重項酸素抑制剤の開発が望まれる。 一方、コラーゲンは生体成分であり安全性に優れ、動物間で相同性が高いため免疫反応を起こしにくいなどの利点を有する。このため、特許文献6に示すように、化粧料などへの応用が期待されている。しかしながら、一重項酸素に対する影響、特に、紫外線照射した皮膚へのコラーゲンペプチドの効果などは全く知られていない。 本発明は、コラーゲンペプチドを含む安全な一重項酸素消去剤、一重項酸素による細胞障害抑制剤を提供する事を目的とする。 本発明者らは、コラーゲンペプチドの一重項酸素に対する効果を調べたところ、特定のコラーゲンペプチドは、紫外線照射によって発生する一重項酸素量を低減させること、および、上記コラーゲンペプチドは、紫外線照射によって発生するヒドロキシルラジカル量も低減させ、ヒト線維芽細胞に紫外線照射した際の細胞障害を極めて効率的に抑制し、細胞生存率や細胞生存性を向上させる事を見出し、本発明を完成させた。 すなわち、本発明は、コラーゲンを分解してなる、重量平均分子量が130〜20,000であり、等電点が6.5〜8.5のコラーゲンペプチドからなる、一重項酸素消去剤を提供するものである。 また、本発明は、コラーゲンを分解してなる、重量平均分子量が130〜20,000であり、等電点が6.5〜8.5のコラーゲンペプチドからなる、紫外線照射による、細胞障害抑制剤を提供するものである。 本発明によれば、安全性に優れるコラーゲンペプチドによって紫外線照射によって発生する一重項酸素を効率的に消去することができる。 また、本発明によれば、一重項酸素を抑制すると共に、紫外線照射によって発生するヒドロキシルラジカルの発生も相乗的に抑制でき、これら双方の効果によって、紫外線照射による細胞障害を効率的に抑制することができる。実験1の結果を示すものであり、過酸化水素に、波長365nmの紫外線を10mJ/cm2照射する方法で発生させたヒドロキシルラジカルに対する等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドの効果を示す図である。*:p<0.05実験2の結果を示すものであり、一重項酸素に対する等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドの効果を示す図である。*:p<0.05比較実験1の結果を示すものであり、鉄に過酸化水素を添加する方法で発生させたヒドロキシルラジカルに対する等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドの効果を示す図である。*:p<0.05図4は、比較実験2の結果を示すものであり、一重項酸素に対する等電点5.0、重量平均分子量3000のコラーゲンペプチド、および重量平均分子量100000のゼラチンの効果を示す図である。*:p<0.05図5は、比較実験3の結果を示すものであり、過酸化水素に、波長365nmの紫外線を10mJ/cm2照射する方法で発生させたヒドロキシルラジカルに対する等電点5.0、重量平均分子量3000のコラーゲンペプチド、および重量平均分子量100000のゼラチンの効果を示す図である。*:p<0.05図6は、実験3の結果を示すものであり、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドにおける、ヒト包皮線維芽細胞に紫外線を5mJ/cm2照射した際の細胞生存性の効果を示す図である。図7は、実験4の結果を示すものであり、等電点7.2〜7.4、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドにおける、ヒト包皮線維芽細胞に紫外線を5mJ/cm2照射した際の細胞生存性の効果を示す図である。図8は、実験5の結果を示すものであり、ヒト包皮線維芽細胞に紫外線を10mJ/cm2照射した際の等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチド、等電点7.2〜7.4、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチド、および重量平均分子量100000のゼラチンの効果を示す図であり、生存細胞数で評価した図である。実験6の結果を示すものであり、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドについて、ヒト包皮線維芽細胞に紫外線を10mJ/cm2照射した際の細胞生存性の効果を示す図である。*:p<0.05 本発明の第一は、コラーゲンを分解してなる、重量平均分子量が130〜20,000であり、等電点が6.5〜8.5のコラーゲンペプチドからなる、一重項酸素消去剤である。また、本発明の第二は、コラーゲンを分解してなる、重量平均分子量が130〜20,000であり、等電点が6.5〜8.5のコラーゲンペプチドからなる、紫外線照射による、細胞障害抑制剤である。以下、本発明を詳細に説明する。 (1)コラーゲンペプチド 本発明で使用するコラーゲンは、ウシ、ブタ、鳥、魚などの動物の皮膚やその他のコラーゲンを含む組織から採取したものを使用することができる。従来からI〜XXIX型が知られているが、本発明で使用するコラーゲンとしてはいずれであってもよく、新たに見出されるコラーゲンであってもよい。コラーゲンは、動物の結合組織に多く含まれるが、熱処理によって抽出するとコラーゲンが熱変性して特有の三重螺旋構造が壊され、ゼラチン状態となる。動物の骨、皮などを材料として、アルカリ処理や酸処理、酵素処理による可溶化法等によりコラーゲンを抽出することができる。本発明で使用するコラーゲンペプチドは、重量平均分子量が130〜20,000であり、等電点が6.5〜8.5である。 例えば、以下の方法で調製することができる。 まず、コラーゲンを、例えば、前記哺乳動物の骨、皮部分や魚類の骨、皮、鱗部分などから得る。骨などの各種原料に脱脂・脱灰処理、抽出処理などの従来公知の処理を施せば良い。コラーゲンペプチドは、前記コラーゲンから従来公知の方法で得ることができ、コラーゲンやゼラチンから熱水抽出などによって得ることができる。 コラーゲンペプチドを得るためのコラーゲンやゼラチンの加水分解方法としては、従来公知の方法が採用でき、酵素を用いる方法、酸やアルカリで化学的に処理する方法などによって加水分解することができる。 酵素によってコラーゲンやゼラチンを加水分解する場合、使用するタンパク加水分解酵素は特に制限されず、コラゲナーゼ、チオールプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、酸性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼ、メタルプロテアーゼなどが挙げられ、これらを単独あるいは複数種類を組み合わせて使用することができる。前記チオールプロテアーゼとしては、例えば、植物由来のキモパパイン、パパイン、プロメライン、アクチニジン、フィシン、動物由来のカテプシン、カルシウム依存性プロテアーゼなどが挙げられる。前記セリンプロテアーゼとしては、トリプシン、カテプシンDなどが挙げられる。前記酸性プロテアーゼとしては、ペプシン、キモシンなどが挙げられる。 更に、微生物起源のものとしては、リゾムコール ミーヘイ(Rhizomucor miehei)やリゾムコール プシルス(Rhizomucor pusilus)由来のレンネット、バチルス リケニホルミス(Bacillus licheniformis)をはじめとする枯草菌由来のサチライシン、ズブチリシン、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)やリゾプス ニベウス(Rhizopus niveus)に由来する酸性プロテアーゼ、アスペルギルス オリザエ(Aspergillus oryzae)に由来するプロテアーゼ、バチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)に由来する中性またはアルカリ性プロテアーゼ、バチルス リケニフォルミス(Bacillus Licheniformis)に由来するアルカリ性プロテアーゼ、ストレプトマイセス グリセウス(Streptomyces griseus)由来のアクチナーゼ、ストレプトマイセス パルブルス(Streptomyces parvulus)やクロストリジウム ヒストリチクム(Clostridium histolyticum)に由来するコラゲナーゼ等がある。コラーゲンからコラーゲンペプチドを製造する条件は、使用されるタンパク分解酵素に最適な温度、pH、時間等を適宜選択することができる。一般的な温度は30℃〜80℃の範囲である。時間は1〜36時間、好ましくは1〜20時間である。 また、酸で加水分解する場合、酸として塩酸、硫酸、硝酸などを使用することができる。一方、アルカリで加水分解する場合には、アルカリとして、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどを使用することができる。 一方、原料からコラーゲンを抽出することなく、直接、コラーゲンペプチドを抽出してもよい。例えば、原料にバチルス(Bacillus)属由来の細菌アルカリ性プロテアーゼ、パパイン、ブロメライン、サーモライシン、トリプシン、プロナーゼ、キモトリプシン、ズブチリシン、スタフィロコッカスプロテアーゼ、ペプシン、プロクターゼA、プロクターゼBなどの中性ないしアルカリ性タンパク質分解酵素を作用させるとコラーゲンペプチドを得る事ができる。 本発明では、平均分子量が130〜20000、より好ましくは300〜15000、特に好ましくは1000〜8000となるように加水分解を行う。重量平均分子量が20000を越えると、紫外線照射によって発生する一重項酸素に対する消去能が低下する場合がある。なお、本発明における重量平均分子量は、実施例において後述する方法によるものとする。 重量平均分子量が130〜20000のコラーゲンペプチドを得るための好適な加水分解処理条件としては、酵素を用いる場合、コラーゲンまたはゼラチン100質量部に対して0.01〜5質量部用いることが好ましく、加水分解の温度条件としては30〜70℃、処理時間としては0.5〜24時間が好ましい。酸またはアルカリを用いる場合、コラーゲンまたはゼラチン溶液をpH3以下またはpH10以上とすることが好ましく、加水分解の温度条件としては50〜90℃、処理時間としては1〜8時間が好ましい。 酵素により加水分解した場合には、処理後に酵素失活を行う。酵素失活は加熱により行うことができ、加熱温度としては、例えば、70〜100℃である。酸やアルカリにより加水分解した場合には、中和剤による中和やイオン交換樹脂などによる脱塩を行うことが好ましい。 本発明で使用するコラーゲンペプチドは、等電点が6.5〜8.5、より好ましくは7.0〜8.5、特に好ましくは7.0〜8.0である。動物原料を5%以下の硫酸、塩酸、酢酸などの酸溶液に10〜48時間に漬ける酸処理を行った原料を使用して、上記処理を行うと、等電点が6.5〜8.5のコラーゲンペプチドを得る事ができる。 上記で得たコラーゲンペプチドは水溶液状であるが、フリーズドライやスプレードライなどによって乾燥し、粉末に調製してもよい。 (2)一重項酸素消去剤 本発明の一重項酸素消去剤は、上記コラーゲンペプチドからなる。 加齢や紫外線曝露等により生体内に発生する活性酸素種は、皮膚のシワ形成、真皮構成成分の変成等、皮膚の老化にかかわり、一重項酸素は最も反応性が高く、脂質過酸化、炎症、蛋白質変性などの一因となるため、一重項酸素を消去する物質を皮膚外用剤に配合することで皮膚の老化を防止しうる。本発明は、紫外線照射によって発生する一重項酸素に対するコラーゲンペプチドの効果を検証したところ、後記する実施例に示すように、濃度依存的に一重項酸素を消去しうることが判明し、これを一重項酸素消去剤として使用するものである。コラーゲンペプチドは、分子量約300000のコラーゲンを加水分解したものであり、加水分解その他の方法によって等電点や重量平均分子量、ペプチド組成が異なる種々のコラーゲンペプチドが存在しうる。しかしながら本願では、等電点が6.5〜8.5であり、重量平均分子量が130〜20000のものに特に優れた一重項酸素消去能が存在することを見出したのである。なお、重量平均分子量が100000程度のゼラチンは、親水性を有するが水溶性に劣る場合がある。しかしながら、上記重量平均分子量のコラーゲンペプチドは、水溶性に優れる利点がある。 本発明で使用するコラーゲンペプチドが優れた一重項酸素消去能を有する理由は、明確ではないが、等電点6.5〜8.5のものは、グルタミンなど酸アミド型アミノ酸側鎖が残存しているため、一重項酸素消去能に優れると考えられる。また、重量平均分子量が20000を超えると単位重量あたりの分子端末量が低下するため、分子端末による一重項酸素消去能が低下すると考えられる。 従来から、一重孔酸素消去剤として、カロテン、アスタキサンチンなどのビタミンA関連物質やトコフェロール類、アスコルビン酸などが知られているが、これらは油溶性であるため、その使用は、界面活性剤を使用した乳液の処方に限定される。これに対し、コラーゲンペプチドは、極めて水溶性が高く、広いpH領域で水に溶解する。また、アスコルビン酸は水溶性であっても安定性に欠ける場合があるが、コラーゲンペプチドは安定性に優れる。従って、本発明の一重項酸素消去剤は、コラーゲンペプチドを中性の水溶液に溶解して使用することができる。なお、コラーゲンペプチドを粉末その他の形状に加工して使用してもよい。更に、その効果を損なわない範囲で、ビタミンC、ビタミンE、その他の活性酸素種抑制剤を併用してもよい。更に、オキシベンゾンのような紫外線吸収剤、酸化チタンのような紫外線散乱剤との併用は効果的と考えられる。 本発明の一重項酸素消去剤の使用量は、被検物質に対し、上記コラーゲンペプチドを0.001〜10%、より好ましくは0.01〜5%となるように添加する。この範囲で、紫外線照射によって発生する一重項酸素消去能に優れるからである。 (3)細胞障害抑制剤 本発明の細胞障害抑制剤は、上記コラーゲンペプチドからなる。 細胞老化の一因に活性酸素種があり、紫外線によって活性酸素種が発生すると皮膚が老化し、または光発癌現象が引き起こされる。このような活性酸素種としてスーパーオキサイドアニオン、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素などが知られているが、スーパーオキシドアニオンラジカルやヒドロキシルラジカルなどのフリーラジカルと、過酸化水素や一重項酸素などのフリーラジカルではないものとに大別される。フリーラジカルは、ラジカル連鎖反応によって、例えば、細胞膜を構成している脂質と反応して脂質を毒性の高い過酸化脂質に変え、この過酸化脂質によって次々に反応が連鎖的に発生し、過酸化脂質その他によって細胞を障害する。これに対し、一重項酸素はラジカル反応ではなく、細胞に対する直接作用で細胞を障害する。 フリーラジカルは、鉄に過酸化水素を添加するフェントン系で発生させることができるが、過酸化水素に紫外線を照射するH2O2−UV系でも発生させることができる。本発明で使用するコラーゲンペプチドは、後記する実施例に示すように、H2O2−UV系系において、濃度依存的にフリーラジカル量を低減させることができたが、フェントン系では低濃度での著しい効果は見出されなかった。このことは、本発明で使用するコラーゲンペプチドは、発生するフリーラジカルに作用するのではなく、紫外線と過酸化水素との反応に作用して、H2O2−UV系でのフリーラジカルの発生を抑制していると考えられる。更に、一重項酸素も、紫外線照射によって発生することから、上記コラーゲンペプチドは、紫外線に作用して一重項酸素ならびにフリーラジカルの発生を抑制していると推定される。なお、一重項酸素とヒドロキシルラジカルとは共に活性酸素種の一種であるが、その作用機序は異なり、ヒドロキシルラジカルはラジカル反応によって脂質を過酸化脂質などに変換することで細胞障害を引き起こすが、一重項酸素は直接作用によって細胞障害を引き起こす。このような機序が異なる2種の効果が相乗的に作用して、後記する実施例に示すように、ヒト線維芽細胞に紫外線照射した際の細胞障害を極めて効率的に抑制されることが判明したのである。このような効果は、従来全く知られていなかった。 本発明の細胞障害抑制剤は、上記コラーゲンペプチドの水溶液や粉末をそのまま使用してもよいが、その効果を損なわない範囲で、ビタミンC、ビタミンE、その他の活性酸素種抑制剤を併用してもよい。更に、オキシベンゾンのような紫外線吸収剤、酸化チタンのような紫外線散乱剤との併用は効果的と考えられる。 本発明の細胞障害抑制剤の使用量は、被検物質に対し、上記コラーゲンペプチドを0.001〜10%、より好ましくは0.01〜5%となるように添加する。この範囲で、紫外線照射によって発生する細胞障害抑制効果に優れるからである。 (4)用途 本発明の一重項酸素消去剤や細胞障害抑制効果は、これを化粧料などに配合することで紫外線刺激抑制効果を期待することができる。 このような化粧料の種類としては、化粧水、美容液、乳液、リップクリーム、モイスチャークリームなどの基礎化粧品用化粧料、ファンデーション、白粉、口紅、アイカラー、チークカラーなどのメイクアップ化粧品用化粧料、ネイルエナメル、サンスクリーン剤、デオドラントスプレーなどのボディ化粧品用化粧料、ヘアムース、ヘアリキッド、ポマードなどの頭髪用化粧品用化粧料、育毛剤、ヘアトニック、スカルプトリートメント剤などの頭皮用化粧品用化粧料などが挙げられるが、これらに限定されない。 本発明の一重項酸素消去剤や細胞障害抑制剤の化粧品への配合量は特に限定されないが、化粧品100質量部に対して0.0001〜20質量部程度である。特に化粧品100質量部に対して0.001〜5質量部程度が好ましい。 上記化粧料には、油分、保湿剤、界面活性剤、増粘剤、中和剤、防腐剤、粉体成分、色素、キレート剤、香料、紫外線吸収剤、薬効剤、細胞賦活剤、本発明以外の美白剤、殺菌剤、抗酸化剤などを上記効果が損なわれない範囲で添加することができる。 次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。 (製造例1) (1)国産豚皮を5%以下の硫酸溶液に10〜48時間に漬け、45℃以上で抽出した第一液のみを酸処理ゼラチン溶液とした。 このゼラチンの等電点はpH7.5〜9であった。なお、等電点は、パギイ法によるゼラチンの等イオン点の測定法に準じて測定した。すなわち、アニオン交換樹脂IR−120 10mlとカチオン交換樹脂 IRA−400 5mlを混合し、これを温水で2回洗浄し40℃に保温し、2質量%のゼラチン水溶液100mlを加え、1時間撹拌する。ついで、No.5Aの濾紙でろ過し、ろ液のpHを35℃で測定した値を等電点とする。 (2)上記(1)で得たゼラチンの重量平均分子量を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。 分離用カラムは、Shodex Ohpak SB803とShodex Ohpak SB802.5(昭和電工)各1本を直列につないだものを使用した。溶媒にはリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.9)を使用し、流速は1ml/分で、カラム温度は40℃とした。分子量はポリエチレンオキサイド分子量マーカーを標準として算定した。このコラーゲンペプチドの重量平均分子量は、100000であった。 (製造例2) (1)製造例1のブタ皮ゼラチン(酸処理法によって得たもの)100gに精製水300mlを加えて、沸騰水浴中で加熱溶解した。液温を37℃まで下げてから、濃塩酸(試薬特級、12規定濃度)10gを添加し、よく撹拌しながらペプシン(シグマ社製ブタ胃粘膜由来)0.1gを加えて、そのまま37℃で限定的に加水分解を行った。すなわち、濃度25%(w/v)のブタゼラチンをペプシン処理(塩酸0.28モル濃度、pH3.0、ペプシン0.025%、温度37℃)によって加水分解を行い、コラーゲンペプチドを得た。製造例1に記載する等電点の測定方法で測定したところ、このコラーゲンペプチドの等電点は、7.2〜7.6であった。 (2)また、このコラーゲンペプチドの重量平均分子量を製造例1に記載の方法で測定した。このコラーゲンペプチドの重量平均分子量は、8000であった。 (製造例3) (1)製造例1のブタ皮ゼラチン(酸処理法によって得たもの)100gに塩酸0.4M、pH1.5、76℃で4時間加水分解した。製造例1に記載する等電点の測定方法で測定したところ、このコラーゲンペプチドの等電点は、7.2〜7.4であった。 (2)また、このコラーゲンペプチドの重量平均分子量を製造例1に記載の方法で測定した。このコラーゲンペプチドの重量平均分子量は、8000であった。 (製造例4) (1)アルカリ処理として石灰漬けされた牛皮を原料とした。これを酸で中和し水洗後、微生物由来のプロテアーゼで加水分解してコラーゲンペプチドを得た。製造例1に記載する等電点の測定方法で測定したところ、このコラーゲンペプチドの等電点は5.0であった。 (2)また、このコラーゲンペプチドの重量平均分子量を製造例1に記載の方法で測定した。このコラーゲンペプチドの重量平均分子量は、3000であった。 (実験1) 製造例2で得たコラーゲンペプチドを使用して、ヒドロキシルラジカルに対する抗酸化作用を評価した。この際、発生したフリーラジカルは、電子スピン共鳴法により測定した。測定条件は、マイクロ波パワー8.00mW;測定磁場335.0±5mT、変調磁場幅0.079mT;レシーバーゲイン250;掃引時間1分;時定数0.03秒で行い、すべての化合物のシグナル強度は平均コントロール値の割合を100%として計算した。 ヒドロキシルラジカルは、過酸化水素に、波長365nmの紫外線を40mW照射する方法で発生させた。過酸化水素に濃度0.01%、0.1%、1%となるように製造例2で得たコラーゲンペプチドを添加し、シグナル強度を測定した。なお、コラーゲンペプチドを添加しないものをコントロールとした。結果を図1に示す。 図1に示すように、過酸化水素に波長365nmの紫外線を40mW照射して発生させたヒドロキシルラジカルは、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドの添加により、濃度0.01〜1%の範囲で、濃度依存的に有意に減少した。 (実験2) 製造例2で得たコラーゲンペプチドの一重項酸素消去活性の測定を行った。測定法は2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール(4−OH−TEMP)をスピントラップ剤としたESRスピントラッピング法により測定した。まず、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いて希釈した0.1%、1.0%、10%のコラーゲンペプチド溶液400μLに最終濃度0.05mMになるように調製したローズベンガル50μLを加え、次いで4−OH−TEMP(最終濃度40mM)を50μL加え、撹拌しながら18000ルクスの可視光線を5分間照射し一重項酸素を発生させ、4−OH−TEMPを添加してから6分後にESR測定をおこなった。一重項酸素発生を示すESRスペクトル強度と内部標準である酸化マンガンの比を用いてシグナル強度(signal intensity)を求め,コントロールのsignal intensityを100%として換算した。結果を図2に示す。 図2に示すように、ローズベンガルに可視光(18000ルクス)を5分間照射して産生させた一重項酸素は、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドの添加により、濃度0.01〜1%の範囲で、濃度依存的に有意に減少した。 (比較実験1) ヒドロキシルラジカルとして、最終濃度が鉄20μM、過酸化水素20μMとなるように調製したものを使用した以外は、実験1と同様に操作して、ヒドロキシルラジカルに対する製造例2で得たコラーゲンペプチドの影響を評価した。結果を図3に示す。 図3に示すように、鉄に過酸化水素を添加して発生させたヒドロキシルラジカルは、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドの添加量0.01%、0.1%ではヒドロキシルラジカル消去能がほとんどなく、1%添加によってヒドロキシルラジカル量を半減させることができたに過ぎない。 (比較実験2) 製造例2のコラーゲンペプチドに代えて製造例4のコラーゲンペプチドおよび製造例1で得たゼラチンを使用した以外は、実験1と同様に処理して、ヒドロキシルラジカルへの影響を評価した。なお、シグナル強度は、コラーゲンペプチドやゼラチンを添加しないものをコントロールとし、コントロールに対する相対値で評価した。結果を図4に示す。 図4に示すように、重量平均分子量が100000のゼラチンは、1%を添加してもヒドロキシルラジカルの消去能がコントロールに比較して90%であった。また、等電点5.0、重量平均分子量3000のコラーゲンペプチドは、1%の投与によるヒドロキシルラジカルの消去能は、コントロールに比較して80%であった。 (比較実験3) 製造例2のコラーゲンペプチドに代えて製造例4のコラーゲンペプチドおよび製造例1で得たゼラチンを使用した以外は、実験2と同様に処理して、一重項酸素への影響を評価した。なお、シグナル強度は、コラーゲンペプチドやゼラチンを添加しないものをコントロールとし、コントロールに対する相対値で評価した。結果を図5に示す。 図5に示すように、重量平均分子量が100000のゼラチンや等電点5.0、重量平均分子量3000のコラーゲンペプチドは、1%の投与によるヒドロキシルラジカルの消去能は、コントロールに比較して約80%と低値であった。 (実験3) (1)ゲンタマイシン硫酸塩(和光純薬社製)50mg/l、ファンギゾン(インビトロジェン社製)250μg/l、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N'−2−エタン硫酸(和光純薬社製)3g/l、10%FBSを加えたダルベッコ改良イーグル培地中でヒト包皮線維芽細胞(HFF−14)を培養した。 (2)前記ヒト包皮線維芽細胞を、96ウェルプレートに1ウェルあたり1.0×104となるようにまき、37℃加湿状態、5%CO2条件下で、14時間培養した。 (3)上記ウェルの培地を製造例2で得たコラーゲンペプチドの濃度が0.01%、0.1%、1%となるように調整したPBSに置換し、波長365nmの紫外線を5mJ/cm2照射した。 (4)紫外線照射後、上記ウェルの各細胞を、製造例2で得たコラーゲンペプチドの濃度が0.01%,0.1%,1%となるように調整した培地に置換し、37度加湿状態5%CO2で24時間培養し、培養後の細胞生存性をMTTアッセイで評価した。具体的には、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウムブロマイドの5ml/バイアル溶液を10μlづつ各ウェルに添加し、37℃で60分間インキュベートしたのち、インキュベート後のマイクロプレートリーダーで450nmの吸収を測定した。吸収値は紫外線照射なしのウェルをコントロールとして、相対評価した。結果を図6に示す。 図6に示すように、ヒト包皮線維芽細胞(HFF−14)に紫外線を照射した際の細胞生存性は、0.1%以上の等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドの添加により、1.5倍に増加した。 (実験4) 製造例2のコラーゲンペプチドに代えて製造例3のコラーゲンペプチドを使用した以外は、実験3と同様に処理し、細胞生存性を評価した。結果を図7に示す。 図7に示すように、ヒト包皮線維芽細胞(HFF−14)に紫外線を照射した際の細胞生存性は、0.1から1%の範囲で等電点7.2〜7.4、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドの添加により、濃度依存的に増加した。特に、1%の添加により、1.8倍に増加した。 (実験5) (1)ゲンタマイシン硫酸塩(和光純薬社製)50mg/l、ファンギゾン(インビトロジェン社製)250μg/l、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N'−2−エタン硫酸(和光純薬社製)3g/l、10%FBSを加えたダルベッコ改良イーグル培地中でヒト包皮線維芽細胞(HFF−14)を培養した。 (2)前記ヒト包皮線維芽細胞を、6ウェルプレートに1ウェルあたり2.0×105となるようにまき、37℃加湿状態、5%CO2条件下で、14時間培養した。 (3)上記ウェルに、製造例2記載のコラーゲンペプチド、製造例3のコラーゲンペプチド、製造例1のゼラチンをそれぞれ1%となるように調整したPBSに置換し、波長365nmの紫外線を10mJ/cm2照射した。 (4)紫外線照射後、各細胞を製造例2記載のコラーゲンペプチド、製造例3のコラーゲンペプチド、製造例1のゼラチンをそれぞれ1%となるように調整した培地に置換し、37度加湿状態5%CO2で48時間培養し、培養後の細胞数を測定した。 DMEM−10を添加した系を未処理とした。また、紫外線を照射しない系をコントロールとして同様に細胞を培養した。結果を図8に示す。 図8に示すように、ヒト包皮線維芽細胞(HFF−14)に紫外線を照射すると細胞が死滅するが、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000(製造例2)および等電点7.2〜7.4、重量平均分子量8000(製造例3)のコラーゲンペプチドの添加により、10mJ/cm2のUV照射によって未処理よりも細胞生存性が約1.5倍に増加した。なお、ゼラチンは未処理と同様の細胞死抑制効果であった。 (実験6) (1)ゲンタマイシン硫酸塩(和光純薬社製)50mg/l、ファンギゾン(インビトロジェン社製)250μg/l、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N'−2−エタン硫酸(和光純薬社製)3g/l、10%FBSを加えたダルベッコ改良イーグル培地中でヒト包皮線維芽細胞(HFF−14)を培養した。 (2)前記ヒト包皮線維芽細胞を、96ウェルプレートに1ウェルあたり1.0×104となるようにまき、37℃加湿状態、5%CO2条件下で、14時間培養した。 (3)上記ウェルの培地を製造例2で得たコラーゲンペプチドの濃度が0.01%、0.1%、1%となるように調整したPBSに置換し、波長365nmの紫外線を10mJ/cm2照射した。 (4)紫外線照射後、上記ウェルの各細胞を、製造例2で得たコラーゲンペプチドの濃度が0.01%,0.1%,1%となるように調整した培地に置換し、37度加湿状態5%CO2で24時間培養し、培養後の細胞生存性をMTTアッセイで評価した。具体的には、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2Hテトラゾリウムブロマイドの5ml/バイアル溶液を10μlづつ各ウェルに添加し、37℃で60分間インキュベートしたのち、インキュベート後のマイクロプレートリーダーで450nmの吸収を測定した。吸収値は紫外線照射なしのウェルをコントロールとして、相対評価した。結果を図9に示す。 図9に示すように、ヒト包皮線維芽細胞(HFF−14)に紫外線を照射した際の細胞生存性は、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドの添加により、濃度0.01〜1%の範囲で、濃度依存的に増加した。 (結果) (1)図1および図2に示すように、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000(製造例2)のコラーゲンペプチドは、コントロールと比較して濃度依存的にヒドロキシルラジカルや一重項酸素に対するシグナル強度を低減させた。なお、図2に示すように、ローズベンガルに可視光(18,000lux)を5分間照射して産生させた一重項酸素は、前記コラーゲンペプチドの添加により、濃度0.01〜1%の範囲で、濃度依存的に有意に減少した。しかも、図1と図2とを比較すると、前記コラーゲンペプチドは、ヒドロキシルラジカルよりも一重項酸素の消去能が高いことが判明した。 (2)図1と図3とを比較して明らかなように、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000(製造例2)のコラーゲンペプチドは、フェントン系では0.01%、0.1%の添加でヒドロキシルラジカル消去法がほとんど観察されず、1%の添加でシグナル強度が低減したに過ぎないが、H2O2−UV系では0.01〜1%の添加によってコントロールと比較して濃度依存的にヒドロキリラジカル量の低減が観察された。このことは、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドは、発生したヒドロキシルラジカルに作用してこれを中和するのではなく、紫外線照射によるヒドロキシルラジカルの発生自体を抑制している可能性が示唆された。 (3)図1と図4とを比較すると、フェントン系では、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000(製造例2)のコラーゲンペプチドを1%添加することで約50%にシグナル強度が低減したが、等電点5.0、重量平均分子量3000(製造例4)のコラーゲンペプチドを同量添加しても約80%にシグナル強度が低減したに過ぎなかった。このことは、コラーゲンペプチドの等電点や重量平均分子量の差によってヒドロキシルラジカル消去能が相違することを意味し、特に等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドに優れたヒドロキシルラジカル消去能があることが判明した。 (4)図2と図5とを比較すると、一重項酸素に対する効果は、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000(製造例2)のコラーゲンペプチドを1%添加することで約25%にシグナル強度が低減したが、等電点5.0、重量平均分子量3000(製造例4)のコラーゲンペプチドを同量添加しても約80%のシグナル強度の低減が観察されたに過ぎなかった。このことは、コラーゲンペプチドの等電点や重量平均分子量の差によって一重項酸素消去能が相違することを意味し、特に等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000のコラーゲンペプチドに優れた一重項酸素消去能があることが判明した。 (5)図6、図7から明らかなように、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000(製造例2(および等電点7.2〜7.4、重量平均分子量8000(製造例3)のコラーゲンペプチドは、ヒト包皮線維芽細胞(HFF−14)に5mJ/cm2の紫外線を照射した際の細胞生存性を濃度依存的に向上させることが判明した。このような効果は、図8に示すように、ヒト包皮線維芽細胞(HFF−14)に10mJ/cm2の紫外線を照射した際の細胞生存性は、重量平均分子量100000のゼラチンでは全く観察されなかった。よって、重量平均分子量の相違が、細胞生存性に影響を与えることが判明した。 (6)図9に示すように、ヒト包皮線維芽細胞(HFF−14)に10mJ/cm2の紫外線を照射した際の細胞生存性は、等電点7.2〜7.6、重量平均分子量8000(製造例2)のコラーゲンペプチドの添加により、濃度0.01〜1%の範囲で、濃度依存的に増加した。 本発明によれば、保湿性に優れるコラーゲンペプチドの一重項酸素消去剤や細胞障害抑制剤という新たな用途を見出したものであり、安全性に優れ、紫外線照射による皮膚障害を抑制でき、有用である。 コラーゲンを分解してなる、重量平均分子量が130〜20,000であり、等電点が6.5〜8.5のコラーゲンペプチドからなる、一重項酸素消去剤。 コラーゲンを分解してなる、重量平均分子量が130〜20,000であり、等電点が6.5〜8.5のコラーゲンペプチドからなる、紫外線照射による、細胞障害抑制剤。 【課題】コラーゲンペプチドに由来する、一重項酸素消去剤および細胞死抑制剤を提供する。【解決手段】コラーゲンを分解してなる、重量平均分子量が130〜20,000であり、等電点が6.5〜8.5のコラーゲンペプチドからなる、一重項酸素消去である。このコラーゲンペプチドは、紫外線による細胞死を抑制できるため、皮膚に適用する化粧品に配合することで紫外線による細胞障害を防止することができる。【選択図】 なし


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