生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_アルコール中毒の処置方法
出願番号:2007504126
年次:2007
IPC分類:A61K 45/06,A61K 31/485,A61P 1/06,A61P 25/08,A61P 25/32,A61P 25/36,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

エーリック,エリオット マンデル,トレバー JP 2007529547 公表特許公報(A) 20071025 2007504126 20050318 アルコール中毒の処置方法 アルカーメス コントロールド セラピューティクス インコーポレイテッド ツー 505444972 細田 芳徳 100095832 エーリック,エリオット マンデル,トレバー US 60/554,658 20040319 US 11/082,420 20050317 A61K 45/06 20060101AFI20070928BHJP A61K 31/485 20060101ALI20070928BHJP A61P 1/06 20060101ALI20070928BHJP A61P 25/08 20060101ALI20070928BHJP A61P 25/32 20060101ALI20070928BHJP A61P 25/36 20060101ALI20070928BHJP A61P 43/00 20060101ALI20070928BHJP JPA61K45/06A61K31/485A61P1/06A61P25/08A61P25/32A61P25/36A61P43/00 121 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2005008978 20050318 WO2005089449 20050929 25 20060914 4C084 4C086 4C084AA20 4C084MA02 4C084NA05 4C084NA06 4C084NA10 4C084ZA292 4C084ZC391 4C084ZC511 4C084ZC751 4C086AA01 4C086AA02 4C086CB23 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA05 4C086NA06 4C086NA10 4C086ZA29 4C086ZC39 4C086ZC51 4C086ZC75(関連出願) 本出願は、2004年3月19日に出願された米国仮出願番号60/554,658の利益を主張し、その全内容は本明細書中に参照として援用される。(発明の背景) アルコール依存症は、種々の遺伝的、精神的および周囲の環境的要因から生じる慢性障害である。処置は2つの段階:解毒(detoxification)およびリハビリテーションから成り立つ。解毒により、離脱の症状および徴候が改善され;リハビリテーションは、患者のアルコールが原因となる将来の問題を回避する助けとなる。かつて、最もリハビリテーションに適した処置とは心理社会的であった。神経生物学の進歩により、アルコール依存症に対する薬物療法にますます関心が集まっている。この分野の発展の討論のために、Swift, R., Drug Therapy for Alcohol Dependence, NEJM, May 13, 1999, 1482-1490を参照。しかしアルコール中毒の成功した処置は、多くの深刻な課題および合併症を有する。例えば、離脱後に続くアルコール乱用は、成人にとって最も一般的な発作の原因の1つである。通常緊急な条件下において、発作はより集中的な処置を必要とする深刻な医学的状態である。かくして、患者に急性のアルコール離脱の症状が現れている場合、抗痙攣薬が使用されてきた。抗痙攣薬はまた、患者に衝動性、敵愾性および過敏性が現れる場合、遅延性または持続性禁断症候群(PAS)と関連のあるいくつかの症状を処置するために使用されてきた。2つの抗痙攣薬、バルプロ酸およびガバペンチンは安全であり、アルコール離脱の処置のためのベンゾジアゼピンに対して効果的な代替物である。Myrick, Hughら、 Gabapentin Treatment of Alcohol Withdrawal, Am J Psychiatry 155(11): 1626, November 1998; Karam-Hage, Maherら、 Gabapentin Treatment for Insomnia Associated with Alcohol Dependence, Am J Psychiatry 157:1, January 2000, Minuk, g.Y.ら、 The use of sodium valproate in the treatment of alcoholism, J Addict Dis. 14(2): 67-74 1995。 患者による禁断の期間後にアルコール中毒の処置(例えばオピオイド拮抗薬を投与することによって)を試みる人もいた。オピオイド拮抗薬は、渇望を生じるアルコールの強化効果(reinforcing effect)をブロックすることによって作用する。アルコール中毒の処置のために、オピオイド拮抗薬は、アルコールの消費の際に内因性オピオイドの放出から生じるアルコールの正の(positive)効果をブロックすることによって作用する。しかしながら禁断の期間中にも離脱症状は現れるであろう。 かくして、アルコール依存症の処置と関連がある種々の負の(negative)局面(この場合、離脱症状および渇望)を妨げるために、処置が必要とされる。これらの症状の両方の出現は困難だが、これら2つの負の局面の合併は、高いモチベーションを持った患者にとってでさえ、しばしば患者に対して克服できない課題として現れる。したがって、アルコール依存症を低下させ、離脱症状、特にPASを最小限にし、渇望を抑制するために調整されたアルコール中毒の処置の必要性が存在する。 なおもさらに、処置それ自体がしばしば患者に「治療より悪い」として認識される。例えば一度最初の解毒が始まり、患者が処置養生法に従ってアルコール摂取を減少させるか、または止める場合、患者はしばしば薬物療法の有害な臨床徴候(adverse clinical manifestation)それ自体を不愉快かつ所望されないものであると考えるであろう。次いで、患者は薬物の服用を止めるであろう。完全な処置養生法における患者コンプライアンスの欠如は桁外れの問題であり、高い割合での不十分な処置および再発の原因となる。したがって、処置養生法におけるコンプライアンスを増大させるために薬物処置それ自体の負の局面を妨げる必要がある。(発明の概要) 本発明は、処置と離脱症状および渇望のタイミング、重篤度および合併の予想との継続が、アルコール依存症の成功した処置への鍵であるという発見に基づく。本発明はまた、処置それ自体に対して所望されない有害な臨床徴候(例えば負の薬物副作用)を相殺し得る活性剤との同時処置(co-treatment)が、大いに患者コンプライアンスを増大させるという発見に基づくものである。増大する患者コンプライアンスもまた、より良い成功率を創造し常習性または再発を減少させる。本発明は、アルコール中毒の処置において、患者に(i)少なくとも1つのオピオイド拮抗薬;および(ii)少なくとも1つの抗痙攣薬の組み合わせの治療的有効量を投与することを含むアルコール中毒を処置する方法であり、アルコール依存症、離脱症状、PASおよび渇望の処置を含む。該組み合わせはまた、離脱と関連がある神経の興奮性を減少させる。 別の局面において、本発明は少なくとも1つのオピオイド拮抗薬の負の有害な臨床徴候を減少させる。 別の局面において、本発明はアルコール中毒の患者を処置する場合、患者コンプライアンスを改善する。 1つの局面において、アルコール中毒の処置の失敗する割合に対する貢献要因として、ノンコンプライアンスの要因が大いに減少し、好ましくは除去される。 さらに別の局面において、少なくとも1つのオピオイド拮抗薬が、ナルトレキソン、ナロキソンおよびナルメフェンからなる群より選択される。 さらなる別の局面において、少なくとも1つのオピオイド拮抗薬が、多形体、溶媒和物、水和物、脱水物、共結晶、無水形態および非結晶形態またはその組み合わせからなる群より選択される形態である。 さらなる局面において、少なくとも1つの抗痙攣薬が、カルバマゼピン(carbamezepine)、バルプロ酸、ラモトリギン、ガバペンチン、トピラメート、レベチラセタム、フェノバルビタール、ジフェニルヒダントイン、フェニトイン、メフェニトイン、エトトイン、メフォバルビタール、プリミドン、エトスクシミド、メトスクシミド(methsuximinde)、フェンスクシミド、トリメタジオン、フェナセミド、アセタゾラミド、プロガビト、クロナゼパム、ジバルプロックスナトリウム、硫酸マグネシウム注射剤、メタルビタール、パラメタジオン、フェニトインナトリウム、クロバザム、スルチアム、ダイランチン、酒石酸ゾルピデム、ザレプロン、インジプロン、およびゾピクロンからなる群より選択される。 なおもさらなる局面において、本発明は、(i)少なくとも1つのオピオイド拮抗薬;および(ii)少なくとも1つの抗痙攣薬の治療有効量の少なくとも1回分の処置用量を含むキットであり、ここで(i)の拮抗薬および(ii)の抗痙攣薬は、単一の医薬組成物を構成する。 さらなる別の局面において、本発明は、(i)少なくとも1つのオピオイド拮抗薬;および(ii)少なくとも1つの抗痙攣薬の治療有効量の少なくとも1回分の処置用量を含むキットであり、ここで(i)の拮抗薬および(ii)の抗痙攣薬は、1つより多い医薬組成物を構成する。 本発明はさらに、(a)完全な離脱を通してのアルコール摂取の中断もしくは減少から始まる期間、(b)PASの症状が減少するまでのアルコール摂取の中断もしくは減少から始まる期間、(c)飲酒削減プログラムの間の期間、および/または(d)再発の危険性を増大させ得る生活の出来事(を見越した上での)前もしくはそれと同時の期間に、(i)少なくとも1つのオピオイド拮抗薬;および(ii)少なくとも1つの抗痙攣薬を含む医薬組成物を投与することによってアルコール中毒を処置する方法に関する。1つの態様において、状況に応じた処置は処置前に始まるか、または処置が終了した後に再開される。 別の態様において、本発明は経口的、経皮的、経鼻的、または蓄積投薬量単位によって、抗痙攣薬(限定されないが、カルバマゼピン、バルプロ酸、ラモトリギン、ガバペンチンおよびトピラメートを含む)と組み合わされるオピオイド拮抗薬(限定されないが、ナルトレキソン、ナルメフェン、およびナロキソンならびにそれらの薬理学的に有効な塩およびエステル、またはその組み合わせを含む)を投与する方法に関する。好ましい態様において、オピオイド拮抗薬は限定されないが、ナルトレキソン、ナルメフェン、またはナロキソンの多形体、溶媒和物、水和物、脱水物、共結晶、無水形態および非結晶形態を含む。(詳細な説明) Swift, R.(前述)が1488年に述べたように、2つ以上の薬物によって種々の作用の機構が同時に、または連続して与えられる治療は、アルコール依存症を有する患者に対して相加的なまたは相乗的な恩恵を生み得るが、多薬剤療法が処置の効果を改善するという証拠は全く無い。出願人は種々の薬物の組み合わせを分析し、患者コンプライアンスに影響を与える処置の有害な臨床徴候の減少、従って処置の全般的な成功を含む、アルコール中毒の処置に特に好適な薬物の組み合わせを同定した。選択された薬物の組み合わせを投与する方法は、解毒からリハビリテーションまでの十分なスペクトラム処置(spectrum treatment)を可能にする。本発明の特定の利点は、回復中のアルコール依存症者のためにリハビリテーションが過ぎた後(beyond rehabilitation)の継続的なサポート方法を提供することである。活動的なサポートを中止(例えば、個人療法またはグループ療法、アルコールのない環境での在宅型処置(residential treatment)および自助グループの中止)する場合、患者は伝統的な処置が過ぎた後の弱みの時期に代替物(alternative)を有するという心理学的な利点を有する。すなわち本発明の併用処置は、再発の危険性を増大させ得る生活の出来事(を見越した上での)前もしくはそれと同時に、医学的に示されたように継続され得るか、または再開され得る。 薬物処置の成功を評価する場合、典型的な成果は、限定されないが、禁断を守る患者の比率または禁断の損失(再発)に至るまでの時間の長さとして表される禁断の増大、ならびに飲酒日の数および飲酒日につき飲酒する数として表される飲酒の量または頻度の減少を含む。禁断とはより厳密な成果であり、好ましいものだが、消費の減少はやはりアルコール関連の病的状態を減少させ得る。さらに処置養生法における患者の維持力は、成功の重要な指標である。本発明の併用療法による患者と比較して、ナルトレキソン単独における患者の高い脱落率は容易に測定し得る。 1つの態様において、本発明はアルコール中毒の処置のために抗痙攣薬およびオピオイド拮抗薬の使用を組み合わせる。別に示されない限り、本明細書で使用される場合、アルコール中毒の処置とは、アルコール依存症、離脱症状、PASおよび渇望の処置を含む。 本明細書で使用される場合、アルコール中毒の「処置」とは、アルコール中毒の最初の症状および継続中の症状の処置、アルコール中毒の再発に対して敏感な患者の予防処置、アルコール中毒を再発してしまった患者の処置を含む。本明細書で使用される場合、「敏感な(susceptible)」患者とは、活動的なサポートを中止(例えば、個人療法またはグループ療法、アルコールのない環境での在宅型処置および自助グループ、または再発の危険性を増大させ得る任意の他の生活の出来事の中止)する場合、伝統的な処置が過ぎた後の弱みの時期を含む任意の理由で疾患が再発する可能性を有する患者である。 本明細書で使用される場合、用語「アルコール中毒の所望されない有害な臨床徴候を阻害すること」とは、限定されないが(一般的に増大する重篤度の順序で):イライラまたは神経質な感情;不安定な感情;不安;過敏性または容易に興奮すること;明晰な思考の困難;悪夢;感情的に興奮しやすいこと;急な感情の変化;鬱病;疲労;頭痛(一般に拍動している);発汗(特に手のひらまたは顔面);吐き気;嘔吐;食欲減退;不眠症または睡眠が困難なこと;顔が青ざめること;頻脈(動悸);目(特に瞳孔)の異なる大きさ(開いた瞳孔、瞳孔散大);冷や汗;手の震えまたは不随意な震えを含む異常な動き、まぶたの異常な動き;混乱および幻覚の状態(振顫譫妄ともいう);動揺;発熱;痙攣;「ブラックアウト」を含む、アルコール中毒の処置としばしば関連する症状を、部分的または全体的に予防することを言う(出典:国立衛生研究所)。 本発明の2つ以上の薬物の作用を組み合わせることによって、アルコール依存症患者の症状および渇望が同時に処置されるであろう。1つの態様である2つの異なる型の薬物では、患者の症状および渇望が同時に処置されるであろう。2つの異なる型の薬物は、離脱またはPASと関連のある神経過興奮性を減少させるが、同時にアルコールに対する渇望またはアルコールの正の強化効力をブロックする。薬物の組み合わせはまた、いくつかの方法においてそれぞれの薬物の効力を強化するのをおそらく助けるであろう。離脱症状の減少において、抗痙攣薬は、離脱と同時に起こるアルコールへの渇望の減少を助ける。不眠症はアルコール依存症患者の共通の症状なので、睡眠が誘導する抗痙攣薬の特性はまた患者にとって有益である。これはさらに離脱症状を減少させ、さらにオピオイド拮抗薬の作用を強化する。薬物の組み合わせは、再発する見込みを有意に減少させ得、ならびにコンプライアンスおよび成功した処置結果の増大を助け得る。全ての処置が成功するとは限らない。しかしながら、処置養生法で要因としての「ノンコンプライアンス」を取り除くことにより、処置の失敗の理由がより明確となり、患者に対してより調整された介入を可能とする。 抗痙攣薬およびオピオイド拮抗薬を組み合わせた処置は、離脱および/またはPAS症状が減少する間、および減少するまで継続し得る。また、組み合わせた処置は、禁断もしくは飲酒減少プログラムの間継続し得るか、または再発の危険性を増大させ得る生活の出来事を見越した上で、もしくはそれと同時に投与され得る。抗痙攣薬およびオピオイド拮抗薬を初期段階で組み合わせた処置は、1ヶ月〜約6ヶ月までの期間から継続し得る。抗痙攣薬の好適な用量は、所望されない有害な臨床徴候をより低くするか、または減少させるのに十分な低い量であるが、それでもオピオイド拮抗薬による強化または正の効力が引き出される。一日のうちで用量を投与するための好ましい時間は、晩かまたは就寝前であり得る。 本発明における使用に適切なオピオイド拮抗薬としては、ナルトレキソン、ナロキソン、およびナルメフェンが挙げられる。本明細書中で用いられる場合、ナルトレキソン、ナロキソン、ナルメフェンとしては、限定されないが、ナルトレキソン、ナロキソン、またはナルメフェンの多形体、溶媒和物、水和物、脱水物、共結晶、無水形、および非晶形が挙げられる。 一態様において、ナルトレキソンは、一般に入手し得、ReViaまたはDepadeの商標名である、ナルトレキソン塩酸塩(HCl)である。ナルトレキソンは、経口錠剤形態(from)で現在入手し得、アルコール中毒、ならびにヘロイン常用癖およびアヘン常用癖の治療のために、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration)(FDA)により認可されている。一つの特定の理論に拘束されないが、オピオイド拮抗薬は、アルコールを飲んだ直後の内因性オピオイドの放出に起因するアルコールの正の強化効果(positive reinforcing effect)を阻止することにより作用すると考えられている。一般に、オピオイド拮抗薬は、離脱症状を含み得る患者による禁酒期間の後に、アルコール中毒の治療において用いられる。ほとんどの患者は、ナルトレキソンを12週間以上服用する。一般に治療は1年までの間、ナルトレキソン錠剤を処方されたクールで服用することを含む。かかる錠剤は高用量で1日に1回、または2〜3日に1回、口から服用される。一般に、医師は最初はかなり綿密に患者の経過を監視し得る。オピオイドの阻止に対するナルトレキソンの効果は、最初の用量を服用した後まもなく生じる。これまでの所見は、患者が禁酒を守り、アルコールの使用に再び陥らないでいるのを助けることにおけるナルトレキソンの効果もまた、初期に生じることを示唆している。 ナルトレキソンは小売で、または通信販売の薬局により調剤される。ナルトレキソンの錠剤を服用することは、治療の一部でしかない。多くの他の病気におけるように、治療はカウンセリングならびに友人および家族からの継続的援助と合わさった場合、より効果的であり得る。介護者の関与を有する患者のほうが、ナルトレキソン治療を完了しやすいようである。この理由で医師は、患者に、治療の間の援助および介護について頼ることができる人たちを見つけだすように奨励し得る。これは家族、配偶者、友人、または看護士もしくは薬剤師などの保健実務家を含み得る。介護者の重要な役割の一つは、医師に処方されたナルトレキソンの服用量を監視することである。介護者の援助があっても、一部の患者が監視されることに憤慨するようになり得る場合に、起こり得る葛藤の可能性により治療は危険にさらされ得る。さらに、何人かの患者は介護者に面会しない。かかる患者は、特に不成功の治療の危険性がある。 悪心、頭痛、便秘、めまい、神経質、不眠、眠気、不安、および上に開示した他の症状のような不利な臨床症状を有する患者もいることが知られている(It is know)。ナルトレキソンによる不利な臨床症状、主に悪心は、アルコール中毒の治療として、それを処方された患者の5〜10%において、薬物療法を中断するほど重篤であった。患者がかかる不利な臨床症状のいずれかにかかり、医師にかかる場合、医師は治療法を変えるか、または不利な臨床症状に対処するための他の方法を提案することを強いられ得る。しばしば、医師にかかる代わりに、患者は服用を抜かすこと、または服用を完全に中止することにより、「自己治療」するであろう。オピオイド拮抗薬および抗痙攣薬の組み合わせ 本発明における使用に適切な抗痙攣薬としては、限定されないが、カルバマゼピン、バルプロ酸、ラモトリギン、ガバペンチン、レベチラセタム、およびトピラメートが挙げられる。抗痙攣性または抗痙攣活性を有する他の適切な薬物としては、フェノバルビタール、ジフェニルヒダントイン、フェニトイン、メフェニトイン、エトトイン、メフォバルビタール、プリミドン、エトスクシミド、メトスクシミド、フェンスクシミド、トリメタジオン、フェナセミド、アセタゾラミド、プロガビド、クロナゼパム、ジバルプロックスナトリウム、硫酸マグネシウム注射剤、メタルビタール、パラメタジオン、フェニトインナトリウム、クロバザム、スルチアム、ジランチン、酒石酸ゾルピデム、ザレプロン、インジプロン、ゾピクロン、ジフェニラン(diphenylan)が挙げられる(including)。 本発明における使用に適切な投薬量の算定においては、患者の個性、症状、および患者の要求を心に留めつつ、公知の指針を考慮することは有益である。 カルバマゼピン、すなわち5H-ジベンゾ[b,f]アゼピン-5-カルボキサミドは、三叉神経痛のために市場に出された抗痙攣薬かつ鎮痛薬であり、米国特許第2,948,718号はカルバマゼピンおよび使用方法を開示している。カルバマゼピンは、Atretol(登録商標)、Depitol(登録商標)、Epitol(登録商標)、またはTegretol(登録商標)として市販されている。本発明の範囲の方法における使用に適切な服用量は約200〜約1200 mg/日である。他の適切な服用量の範囲は、約300〜約500 mg/日であるか、もしくは約350〜約550 mg/日であるか、または約400〜約600 mg/日である。 バルプロ酸、すなわち2-プロピルペンタン酸またはジプロピル酢酸(dispropylacetic acid)は、中枢神経系のGABA作動性活性(central GABAergic activity)を増大させる周知の抗癲癇剤であり、種々の薬学的に許容され得る塩が米国特許第4,699,927号に開示されている。バルプロ酸の用量は、約250〜約2500 mg/日であり、好ましくは1000 mg/日である。バルプロ酸ナトリウムは、Depacon(登録商標)として市販されており、一方バルプロ酸はDepakene(登録商標)として入手し得る。 ラモトリギン、すなわち6-(2,3-ジクロロフェニル)-1,2,4-トリジン-3,5-ジアミンは、癲癇を有する成人の部分発作の治療において、補助療法として必要とされる抗癲癇薬である。ラモトリギンおよびその使用は、米国特許第4,486,354号に開示されている。ラモトリギンの用量は、1〜2回の服用で、1日当たり、約50〜約600 mgであり、好ましくは200〜400 mg、最も好ましくは200 mgである。ラモトリギンはLamictal(登録商標)として市販されている。 ガバペンチン、すなわち1-(アミノメチル)シクロヘキサン酢酸は、癲癇を有する成人の、続発的全身化のあるおよび続発的全身化のない部分発作の治療において、補助療法として必要とされる抗痙攣薬である。ガバペンチンおよびその使用方法は米国特許第4,024,175号および第4,087,544号に記載されている。ガバペンチンの用量は、2〜3回に分けられた服用で、約300〜約3600 mg/日であり、好ましくは300〜1800 mg/日、最も好ましくは900 mg/日である。ガバペンチンはNeurontin(登録商標)として市販されている。 トピラメート、すなわち2,3:4,5-ジ-O-(1-イソプロピリデン(isopropylidine))-3-D-フルクトピラノーススルファマートは、続発的全身化のあるまたは続発的全身化のない難治性部分発作の治療に必要とされる抗癲癇薬であり、米国特許第4,513,006号に開示されている。トピラメートの用量は、2回の服用に分けられて、約200〜約600 mg/日であり、最も好ましくは400 mg/日である。トピラメートはTopomax(登録商標)として市販されている。 単一の対掌体であるレベチラセタムは、(-)-(S)-α-エチル-2-オキソ-1-ピロリジンアセトアミドである。それは成人の部分発作について必要とされる抗癲癇薬である。レベチラセタムを調製する方法の例は、米国特許第6,107,492号に開示されている。レベチラセタムおよび使用方法は、米国特許第4,696,943号に記載されている。レベチラセタムは、好ましくは1日に2回服用される250〜750 mgの範囲にわたる錠剤でKeppra(登録商標)として市販されている。実施例1 本研究の目的は、ナルトレキソンのアルコール摂取を減少させる能力が、抗痙攣薬と併用した場合、影響を及ぼされるかを決定することであった。この研究に用いられるモデルは、アルコール自己投与のラットモデルであった。方法:動物 雄のWistarラット (開始時の体重200±30グラム;Charles River Laboratories, MA) を、食物および水に自由に近づけるように、個々に収容した。飼育器を、実験動物の世話および使用のための指針(Guide for Care and Use of Laboratory Animals)(NIH出版番号 86-23、1985年改訂)内で特定された温度および相対湿度の範囲内に維持した。かかる条件は、研究の間中、毎日一回記録した。飼育器は12時間の明/暗計画に基づいた。すべての動物の研究はAlkermesのIACUC(プロトコル #04-2A)により概説され(were reviewed)、承認された。エタノール自己投与訓練の手順 動物を、サッカリン減退手順を用いて、強化因子としてのエタノールカクテルへの接近を受けるためのレバーを押すためのオペラント室の中で、毎日訓練した。この手順は、高度に甘くしたサッカリン溶液(0.1%)から始め、甘さを継続的に減少させる間、2〜3週間の期間にわたって、だんだん増加する量のエタノールを徐々に導入した。最終のエタノールカクテルは0.04%サッカリン中に10%のエタノールを含有した。各期間は30分間続き、その間ラットは0.1 mLのエタノールカクテルに近づくためにレバーを2回押し得た。オペラント室(Coulbourn Instruments, Allentown, PA)は、ラットによってなされたレバー押しの数を記録する、コンピュータ制御された自動システムである。訓練期間(6〜8週間)の終わりに、一貫して十分な量のエタノールを飲み、薬理学的効果(0.6g/kg/時間の最小限の摂取)を生じたラットを選定し、薬物の研究に関与させた。かかる訓練したラットをかかる研究の間中繰り返し使用し、被験体間の変動性について制御した。すべての薬物は、最小限2日の薬物洗浄期間を有して激しく投与した。薬物の調製 ナルトレキソンを0.9%生理食塩水で毎日調製し、皮下投与(SC)した。抗痙攣薬(ガバペンチン、カルバマゼピン、レベチラセタム、およびラモトリギン)を3%カルボキシメチルセルロースに懸濁させ、全容積1 mL/kgのこの懸濁液を胃管栄養チューブを用いてラットに経口で(PO)送達した。試験した薬物の供給源およびロット番号については表1参照。エタノール摂取に対するナルトレキソンの効果 エタノール摂取を減少させる(すなわちレバー押しの数を減少させる)ナルトレキソンの能力をエタノールの自己投与の本動物モデルにおいて評価した。ナルトレキソンの投与(0〜6mg/kg、SC)の30分後、該動物をオペラント室に配置し、10%のエタノールカクテルを求めてのレバー押しを可能にした。レバー押しの総数を30分の試験期間にわたって記録した。ラットにナルトレキソンを繰り返し投与し、用量反応曲線を各個々の動物について作成した。ナルトレキソンが特異的にエタノール摂取を減少させたかどうか(一般的な摂取と対比した場合)を決定するために、0.1%のサッカリン溶液をエタノールカクテルに代えて用いた。エタノール摂取に対する抗痙攣薬とナルトレキソンとの共投与の効果 抗痙攣薬(ガバペンチン、カルバマゼピン、レベチラセタムまたはラモトリギン)をナルトレキソンと共投与し、それがナルトレキソンのエタノール摂取を減少させる能力に影響するかどうかを決定した。この一連の研究で用いたナルトレキソンの用量は、ED50(すなわち用量反応研究から決定される、エタノールを求めるレバーの反応において50%の減少を生じるナルトレキソンの用量)であった。この用量は、共投与された薬物がエタノール摂取に対するナルトレキソンの効果を減じたかまたは増大させたかを決定することを人に可能にする。抗痙攣薬は、ナルトレキソンの注射(SC)の30分前に(すなわちエタノール摂取の試験の期間の開始の60分前に)経口投与した。エタノールカクテルを求めてのレバー押しの数を30分の期間の終わりに記録した。結果:エタノール摂取に対するナルトレキソンの効果 処置したラットによるレバー押しの数における用量依存性の減少により示されるように(表2、図1A)、ナルトレキソンの効力をエタノール自己投与の行動モデルにおいて確証した。対照的に、ベースライン(薬物処置なし)、ビヒクル対照(生理食塩水)、および試験したナルトレキソンの最低の用量(0.05mg/kg)の間で有意な減少はなかった。高用量(3mg/kgおよび6mg/kg)で、エタノール摂取を減少させることに対するナルトレキソンの効果は水平状態になる(底値に達する(bottom out))ようであった。ナルトレキソンのED50を決定すると0.5mg/kgであり、これをエタノールを求めるレバーに対する反応が、ベースライン値と比較して約50%減少したときの用量と定義した。同様にナルトレキソンの投与後に消費されたエタノールの量(g/kg)もまた、ベースラインよりも50%少ないED50の用量が0.5mg/kgであることを確証する(図1B)。さらに、ナルトレキソンが、この用量で、ラットにおいてエタノール摂取を減少させることに対して選択的である(しかしサッカリン摂取に対しては選択的でない)ことを示した(図2)。エタノール摂取に対する抗痙攣薬とナルトレキソンとの共投与の効果 本研究のこの段階は、ナルトレキソン単独と比較してエタノールについて、ラットによるレバー押しの数に対するナルトレキソンと抗痙攣薬との間の潜在的な薬物相互作用の効果を研究した。レバー応答の有意に高い数は、薬物の相互作用が、エタノール摂取を減少させるナルトレキソンの能力を損なわせたことを示し得る。対照的に、有意に低い応答は、薬物の組み合わせの相乗効果または相加効果を示唆し得る(表3)。ガバペンチン 抗痙攣薬としてのガバペンチンの機序は、未だ不明である。現在の研究により、ガバペンチンは、GABAモジュレーターであり、ナトリウムおよびカルシウムイオンチャンネルにも特異的に結合することが示唆されている。ある範囲の用量のガバペンチン(0.1〜10 mg/kg)を中等度の用量(ED50)のナルトレキソンと一緒に投与し、エタノール摂取に対する潜在的薬物相互作用を調べた。ナルトレキソンは、非薬物処置(ベースライン)条件と比べ、エタノールに対するレバー押しの回数を54%を低減させた。ガバペンチン(1 mg/kg)+ナルトレキソン(0.5 mg/kg)では、ナルトレキソン単独と比べ、エタノール摂取のさらなる有意な減少が観察された(p<0.006)。エタノール摂取におけるこの相乗作用は、より高用量またはより低用量のガバペンチン(0.1および10.0 mg/kg)をナルトレキソンと共投与した場合では見られなかった。さらに、1または10 mg/kgのガバペンチン単独では、いずれも、非薬物処置条件と比べ、このモデルにおいてエタノールに対するレバー押しに対する効果はなかった(図3A)。 この薬物相互作用が、より低いナルトレキソンの用量でエタノール摂取の減少に有効であるかどうかを調べるため、ガバペンチンの用量(1 mg/kg)を一定に維持し、ナルトレキソンの用量を、0.05〜3.0 mg/kgで変化させた(図3B)。初期ナルトレキソン用量応答試験で見られるように、ナルトレキソンの用量を増加させると、エタノールに対するレバー押しの数が大きく減少した。ナルトレキソン単独とガバペンチンとの組合せの場合との間では、この場合も0.5 mg/kg ナルトレキソン用量以外、レバー押しの数に差は観察されなかった。ガバペンチンが、この用量の組合せでのナルトレキソンの血漿プロファイルを改変するのかどうかを調べるため、ラットの別のコホート群において、薬物動態試験を行なった。2つの処置群(ビヒクル+ナルトレキソン対ガバペンチン+ナルトレキソン)間に統計学的な差はなかった(図3C)。レベチラセタム ナルトレキソンと共投与した第2の抗痙攣薬は、レベチラセタム(Keppra)(1〜100 mg/kg、PO)であった(表4)。向知性薬であるピラセタムの誘導体であるレベチラセタムの作用の神経化学的機序はあまり知られていない。ナルトレキソン(0.5 mg/kg、SC)は、エタノールに対するレバー応答(lever responding)を65%低減させたが(非薬物ベースラインと比較)が、ナルトレキソン(ビヒクルを有する)とレベチラセタムとナルトレキソンとの組合せとの間に有意差は観察されなかった(表4)。したがって、試験した用量では、2つの薬物間に薬理学的相互作用は観察されなかった。 ナルトレキソン単独を用いたさらなる試験では、ほとんどの動物でED50用量(0.5 mg/kg)の一貫したシフトが示された。すなわち、この用量は、エタノールに対するレバー押しにおいて50%より大きい低下をもたらした。狭い範囲での用量応答試験を行ない、0.1 mg/kgの用量でED50を再確立した。ラモトリギン ナルトレキソンと共投与した次の抗痙攣薬は、0.1〜10 mg/kg(PO)の用量範囲のラモトリギン(Lamictal)であった。ナトリウムチャンネルおよびグルタミン酸レセプターに対するその効果により、ラモトリギンは、細胞の脱分極を阻害する。この試験では、ナルトレキソン単独は、エタノールに対するレバー応答を49%低減させた(非薬物ベースラインと比較)。この用量のナルトレキソンをラモトリギンと組み合わせても、エタノールに対するレバー押しの数に有意に影響を与えなかった(表4)。したがって、エタノールの自己投与により測定した場合、ラモトリギンとナルトレキソンとの薬理学的相互作用の形跡はなかった。カルバマゼピン 最後に鎮痙試験したカルバマゼピン(Tegretol)は、ナトリウムチャンネルに拮抗することにより作用する。0.1〜10.0 mg/kg(PO)のカルバマゼピン用量範囲を、ナルトレキソンを用いて試験した。ナルトレキソン(0.1 mg/kg)は、レバー押しの数を42.4%減少させた(ベースラインから)が、カルバマゼピンとナルトレキソンの組合せは、エタノール摂取に有意に影響を与えなかった(表4)。このデータに基づくと、ナルトレキソンとカルバマゼピンとの間に測定可能な相互作用はない。 ビヒクル+ナルトレキソン処置(太字の値)と比べ、これらの抗痙攣薬の共投与は、ラットにおいてEtOHの自己投与を抑制するナルトレキソンの能力に影響を与えない(すなわち、減損も増強もさせない)。結論: ナルトレキソンと共投与した場合、抗痙攣薬であるガバペンチン、カルバマゼピン、ラモトリギンおよびレベチラセタムは、アルコール自己投与のラットモデルにおいて摂取を低減させるナルトレキソンの能力を減損または遮断しなかった。これらのデータは、アルコール依存症およびアルコール離脱に伴う症状の処置のための、抗痙攣薬とオピオイド拮抗薬の共投与を支持する。さらに、ガバペンチンの共投与は、狭い治療濃度域ではあったが、アルコール摂取のナルトレキソンの効果を増強した。実施例2: 抗痙攣薬であるカルバマゼピンを、アルコール離脱のマウスモデルにおいて試験した。ナルトレキソンと組み合わせた場合での、痙攣を低減させるカルバマゼピンの能力との相互作用の可能性もまた試験した。方法:動物 雄C57BL/6マウス(15〜18グラム; Charles River Laboratories, MA)を、4匹の群で通気性ラックに収容し、食餌および水を自由に摂取させた。飼育器は、Guide for Care and Use of Laboratory Animals(NIH出版物第86-23号、1985年改訂)で指定された温度および相対湿度範囲内に維持した。この条件を、試験全体を通して1日1回記録した。飼育器は、12時間の明/暗スケジュールに置いた。すべての動物試験は、検査され、AlkermesのIACUC(プロトコル#04-8A)によって承認されたものであった。アルコール離脱症状の誘導のためのアルコール投与 アルコールの摂取可能性(availability)を停止させた後、離脱症状が発現するには、血中および脳内での持続的な高アルコールレベルが必要とされる。齧歯類は、一貫して大量のアルコールを自発的には摂取しないため、使用されてきたアプローチの1つは、「強制(forced)」選択投与である。アルコールは、栄養バランスのとれた流動食にて提供する。この食餌が、動物の食物および水分の唯一の供給源となる。実験者がアルコール曝露の持続期間を制御し、一方で、動物が消費の用量およびパターンを決定する。 3〜5日間の順化(acclimation)期間後、マウスを個々に識別し(油性マジックで尾に印をつける)、体重測定した。5〜7日間の馴化(habituation)期間では、通常の齧歯類飼料および水を、完全栄養コントロールされた流動食(Bio-Serv, Lieber-DeCarli食餌)に置き換えた。マウスにおけるEtOH摂取の獲得は、徐々にエタノール濃度を上げる手順を伴った。エタノール処置動物には、1.5%EtOHを含有するEtOH流動食を5〜7日間与えた。EtOH濃度は、5〜7日ごとに上げ、最終濃度を6.7%にした。流動食は、目盛の付いたネジ蓋のある100 mL容の液体供給チューブ(ケージ内に設置した)において投与した。残留した食餌の容量を測定し、食餌は毎日交換した。マウスを毎日観察し、毎週体重を測定して充分なEtOH食餌摂取量を確保した。 アルコール離脱症状の発現は、アルコール/アルコールなしのサイクルを必要とする。動物には、14日の間のEtOH食餌(6.7%)、2日間のコントロール食餌(EtOHの代わりにマルトースデキストリンで等カロリーに(isocalorically)調整したもの)および5〜6日間のEtOH食餌を与えた。聴覚原性(audiogenic-induced)痙攣 マウスにおけるアルコール離脱の顕著な特徴的症状の1つは、痙攣の発症である。これは、動物の取扱いにより、大きな音により(聴覚原性)または閾値下用量の痙攣を起こす化学物質により、自然発生的に起こり得る。この一連の試験では、聴覚原性痙攣の発症をアルコール離脱の尺度として使用した。聴覚原性痙攣の試験のため、各群(ケージ)のマウスを、透明な5ガロン容のポリスチレンバケツ内の底面上のトウモロコシの穂軸の薄層床に置いた。3分間の馴化期間(静穏期間)後、バケツの3フィート上方に置いた78dbの電子ベルを30秒間作動させ、動物の挙動を観察した。挙動応答の4段階階級を作り、使用した(1=応答なし、2=跳ねたり走ったりすることを伴う過剰反応応答、3=生存しているが強直性間代性痙攣、および4=強直性間代性痙攣後、死亡)。薬物調製 ナルトレキソン(Sigma, Inc., Lot # 103K1495)を0.9%生理食塩水中3 mg/kgの用量で毎日調製し、腹腔内(IP)投与した。抗痙攣薬カルバマゼピン(Plantex USA, Inc., Lot# 286400203)を3%カルボキシメチルセルロース中に懸濁して10 mg/kgの用量とし、強制栄養チューブを用い、合計容量1mL/100 gのこの懸濁液を経口的に(PO)マウスに送達した。カルバマゼピンの鎮痙活性に対するナルトレキソンの効果 各ケージのマウスを無作為に、3つの群、ビヒクル+生理食塩水、カルバマゼピン(10 mg/kg、PO)+生理食塩水、またはカルバマゼピン(10 mg/kg、PO)+ナルトレキソン(3mg/kg、IP)の1つに割り当てた。カルバマゼピンまたはビヒクルを、試験の60分前に投薬した後、30分後にナルトレキソンまたは生理食塩水の注射を行なった。マウスは、試験前、試験室およびベル音から隔離した。ベルに応答した各マウスの挙動は2名の調査員が観察し、一致した結果を記録した。結果: 試験前、数匹のマウスで自然発生的痙攣の発現が観察され、数匹は、EtOH食餌を止めた後、死亡していた。また、マウスは活動亢進状態であったと思われ、取扱い時、発声が増加していた。ナルトレキソンあり/なしのカルバマゼピンには鎮痙効果の傾向があったが、聴覚原性痙攣試験において、薬物群間になんら統計学的な差は見られなかった(p=0.18、表5)。この用量のカルバマゼピン(1Omg/kg)は、いくつかの他の痙攣モデルでは、活性であると報告されていたが、このデータは、いずれの薬物も、急性的に有効でなかった(および、試験前に複数回用量必要とし得る)こと、またはこの痙攣モデルでは有効でなかったことを示す。データは、ナルトレキソンが、試験した用量でカルバマゼピンと相互作用せず、アルコール離脱症状を示すマウスにおいて聴覚原性痙攣を悪化させなかったことを示す。結論: アルコール離脱の動物モデルにおいて、聴覚原性痙攣試験では、ナルトレキソンは、カルバマゼピンの鎮痙活性と相互作用(遮断または増強)しないようであった。実施例3 この試験の目的は、抗痙攣薬と組合せたオピオイド拮抗薬が、オピオイド拮抗薬単独を用いた処置と比べ、処置計画としてのコンプライアンスを増大させるかどうかを調べることである。このコンプライアンスの増大の終点は、処置計画自体が効を奏するものであろうとなかろうと意義深く、アルコール消費を低減または削減する。処置を行なう医師が、処置が、「ノンコンプライアンス」のために失敗であったのか、例えば、選択した薬物に対する応答性の不足またはその薬物の用量の不足のために失敗であったのかを知ることは重要である。 患者を最初は病院の入院環境にて(解毒のため)、そして地域のクリニックで(追跡調査のため)観察する。離脱を求めるアルコール中毒者を試験に選択する。登録は以下のようにして行なう。登録基準は、現在依存症であり、ナルトレキソン維持に対する移行を望んでいることである。除外基準には、重症の精神医学上の問題、重症の医学上の問題(特に急性肝臓疾患または腎臓障害)、妊娠、および薬物中毒(特にベンゾジアゼピンまたはヘロイン依存症)の併発を含める。 登録時、すべての患者は、看護婦と医師による面談を受ける。面談は約1時間続き、アルコール使用(例えば、なんらかの薬物使用、処置履歴、提案する処置の説明、ならびに患者の目標および動機の探求)に関することを含む。規格化されたアンケート(依存症の重篤度の度合い[SDS]、アルコール離脱の重篤度の度合い、生活の質の人物調査記録のシステムチェックリスト(Inventory and System Checklist)-90(心理機能の世界的な(global)チェックリスト)を行なう。 各患者には解毒を施し、追跡調査を行なうケースマネージャー(case manager)を割り当てる。ケースマネージャーには、カウンセリングの資格を有する心理学者、登録正看護婦および薬剤師を含める。 最初の解毒では、オピオイド拮抗薬を、単独または抗痙攣薬との組合せで使用する。患者は、本人が充分良好だと感じたら退院させる。追跡調査は、毎日4日間、次いで3ヶ月間毎週、支持療法のために行なう。 主な測定結果は、(A)有害な臨床徴候の重篤度;離脱の重篤度および受容性の患者の評価;夜間の入院;ナルトレキソンへの誘導の速度;3ヶ月にわたる処置の保持率;およびアルコール使用に対する再発ならびに(B)前記(A)に基づく処置で得られた成功または失敗を含み、患者には、(1)単一の複合ピルでのナルトレキソンおよび本発明の抗痙攣薬の併合投薬、(2)2つの異なるピル(1つはナルトレキソン用で、1つは抗痙攣薬用)での本発明の併合投薬または(3)ナルトレキソン単独を与えた。 本発明の改良例および変形例は、前述の本発明の詳細な説明から、当業者に自明であろう。かかる改良例および変形例は、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれるものとする。図1Aは、アルコールを自己投与した齧歯類モデルのナルトレキソン投薬量応答を示すグラフである。ナルトレキソン(0〜6.0mg/kg、皮下)を訓練されたラットに投与し、オペラント自己投与手順を使用してエタノール摂取に対するその効果を測定した。レバー押しの数における投薬量依存減少は、0.1〜0.5 mg/kgのED50で観察される。図1Bは、種々のナルトレキソンの投薬量で消費されたエタノール(ETOH)の量を示す棒グラフである。ナルトレキソンの投薬後のレバー押しの応答数(Fig 1A)に基づいて、消費された無水エタノールの対応する量(g/kg)を計算した。消費された無水エタノールの量を計算するために、レバー押しの数を2で割り、生じた強化(earned reinforcement)の数を得る。この数値から、消費されたアルコール「カクテル」(0.04%サッカリン溶液中の10%EtOH)の全容量を得た。消費された無水EtOH(g)=消費された全「カクテル」容量X 10%EtOH X 0.793g EtOH/mL。エタノールの量(g)を動物の体重(kg)で除算することで、消費された無水エタノールの量をg/kgで得る。図2は、該動物が(ナルトレキソン(NTX)に続く)サッカリンに対しEtOHカクテルに関する非薬物ベースラインの条件下と同程度までレバーを押すであろうことから、摂取におけるナルトレキソン誘導による(0.5mg/kg、皮下)減少がエタノールに対して特異的であることを示す棒グラフである。図3Aは、レバー押しの数で示されるアルコール消費量対ナルトレキソンと組み合わされる増加するガバペンチンの用量(dosages gabapentin)を示す棒グラフである。図3Bは、レバー押しの数で示されるアルコール消費量対ガバペンチン(1mg/kg)と共投与されたナルトレキソン用量の範囲(0.05〜3.0 mg/kg)を示すグラフである。図3Cは、単独で投与されたナルトレキソン、またはガバペンチンと共投与されたナルトレキソンに対する、ある期間にわたる血漿中のナルトレキソンの量を示す折れ線グラフである。 患者に、(i)少なくとも1つのオピオイド拮抗薬;および(ii)少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせの治療的有効量を投与することを含む、アルコール中毒を処置する方法。 少なくとも1つの鎮痙薬が、少なくとも1つのオピオイド拮抗薬の負の有害な臨床徴候を減少させる、請求項1記載の方法。 少なくとも1つのオピオイド拮抗薬がナルトレキソン、ナロキソンおよびナルメフェンからなる群より選択される、請求項1記載の方法。 前記少なくとも1つのオピオイド拮抗薬が、多形体、溶媒和物、水和物、脱水物、共結晶、無水形態および非結晶形態またはその組み合わせからなる群より選択される形態である、請求項4記載の方法。 前記少なくとも1つの鎮痙薬が、カルバマゼピン、バルプロ酸、ラモトリジン、ガバペンチン、トピラメート、レベチラセタム、フェノバルビタール、ジフェニルヒダントイン、フェニトイン、メフェニトイン、エトトイン、メフォバルビタール、プリミドン、エトスクシミド、メトスクシミド、フェンスクシミド、トリメタジオン、フェナセミド、アセタゾラミド、プロガビド、クロナゼパム、ジバルプロックスナトリウム、硫酸マグネシウム注射剤、メタルビタール、パラメタジオン、フェニトインナトリウム、クロバザム、スルチアム、ジランチン、酒石酸ゾルピデム、ザレプロン、インジプロン、ゾピクロンおよびジフェニランからなる群より選択される、請求項1記載の方法。 組成物が、前記少なくとも1つのオピオイド拮抗薬単独での同一レベルの投与に由来する有害な臨床徴候と比較して、前記少なくとも1つのオピオイド拮抗薬の有害な臨床徴候を減少させる、請求項5記載の方法。 前記投与が、経口投与、静脈注射、筋肉内注射、皮内注射、蓄積型の皮内投与、インプラント、非経口投与およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項5記載の方法。 単一の処置エピソードとして、少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせを同時にまたは連続して投与することを含む、患者におけるアルコール中毒を処置する処置養生法。 単一の処置エピソードとして、少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせを同時にまたは連続して投与することを含む、敏感な患者におけるアルコール中毒の再発を抑制する処置養生法。 患者に、アルコール中毒の再発を抑制するのに十分な量の少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせを含有する組成物を投与することを含む、敏感な患者におけるアルコール中毒の再発を抑制する方法。 単一の処置エピソードとして、少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせを同時にまたは連続して投与することを含む、アルコール中毒の処置と関連がある望ましくない有害な臨床徴候の発症を阻害する方法。 単一の処置エピソードとして、少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせを同時にまたは連続して投与することを含む、アルコール中毒の処置を受けている患者の患者コンプライアンスを高める方法。 治療有効量の少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせを含有する組成物を投与することを含む、アルコール中毒の処置を受けている患者の患者コンプライアンスを高める方法。 (i)少なくとも1つのオピオイド拮抗薬;および (ii)少なくとも1つの鎮痙薬の治療有効量の少なくとも1回分の処置用量を含み、(i)の拮抗薬および(ii)の鎮痙薬が単一の医薬組成物を構成する、キット。 (i)少なくとも1つのオピオイド拮抗薬;および (ii)少なくとも1つの鎮痙薬の治療有効量の少なくとも1回分の処置用量を含み、(i)の拮抗薬および(ii)の鎮痙薬が1つより多い医薬組成物を構成する、キット。 単一の医薬組成物が経口用医薬の形態である、請求項14記載のキット。 医薬組成物が、ピル、カプセル、カシェ剤、錠剤およびカプセル型錠剤(caplet)からなる群より選択される形態である、請求項16記載のキット。 1つより多い医薬組成物が経口用医薬である、請求項15記載のキット。 1つより多い医薬組成物が、ピル、カプセル、カシェ剤、錠剤、カプセル型錠剤または任意のそれらの組み合わせからなる群より選択される形態である、請求項18記載のキット。 アルコール中毒の処置において、処置それ自体に対する望ましくない有害な臨床徴候(例えば、薬物による負の有害な臨床徴候)を相殺し得る活性剤との同時処置は、患者コンプライアンスを大きく増大させる。患者コンプライアンスが増大すると、これが、より良好な成功率および常習性または再発の減少をもたらす。本発明では、アルコール中毒の処置のために、オピオイド拮抗薬の使用に少なくとも1つの抗痙攣薬を組み合わせる。 20060927A16333全文3 アルコール中毒を処置するための医薬の製造における、(i)少なくとも1つのオピオイド拮抗薬;および(ii)少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせの使用。 少なくとも1つの鎮痙薬が、少なくとも1つのオピオイド拮抗薬の負の有害な臨床徴候を減少させる、請求項1記載の使用。 少なくとも1つのオピオイド拮抗薬がナルトレキソン、ナロキソンおよびナルメフェンからなる群より選択される、請求項1記載の使用。 前記少なくとも1つのオピオイド拮抗薬が、多形体、溶媒和物、水和物、脱水物、共結晶、無水形態および非結晶形態またはその組み合わせからなる群より選択される形態である、請求項1記載の使用。 前記少なくとも1つの鎮痙薬が、カルバマゼピン、バルプロ酸、ラモトリジン、ガバペンチン、トピラメート、レベチラセタム、フェノバルビタール、ジフェニルヒダントイン、フェニトイン、メフェニトイン、エトトイン、メフォバルビタール、プリミドン、エトスクシミド、メトスクシミド、フェンスクシミド、トリメタジオン、フェナセミド、アセタゾラミド、プロガビド、クロナゼパム、ジバルプロックスナトリウム、硫酸マグネシウム注射剤、メタルビタール、パラメタジオン、フェニトインナトリウム、クロバザム、スルチアム、ジランチン、酒石酸ゾルピデム、ザレプロン、インジプロン、ゾピクロンおよびジフェニランからなる群より選択される、請求項1記載の使用。 組成物が、前記少なくとも1つのオピオイド拮抗薬単独での同一レベルの投与に由来する有害な臨床徴候と比較して、前記少なくとも1つのオピオイド拮抗薬の有害な臨床徴候を減少させる、請求項5記載の使用。 前記投与が、経口投与、静脈注射、筋肉内注射、皮内注射、蓄積型の皮内投与、インプラント、非経口投与およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項5記載の使用。 患者におけるアルコール中毒を処置する処置養生法のために用いられる単一の処置エピソードとして同時にまたは連続して投与される医薬の製造のための少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせの使用。 敏感な患者におけるアルコール中毒の再発を抑制する処置養生法のために用いられる単一の処置エピソードとして同時にまたは連続して投与される医薬の製造のための少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせの使用。 敏感な患者におけるアルコール中毒の再発を抑制するための医薬の製造のための少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせを含有する組成物の使用。 アルコール中毒の処置と関連がある望ましくない有害な臨床徴候の発症を阻害するために単一の処置エピソードとして同時にまたは連続して投与される医薬の製造のための少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせの使用。 アルコール中毒の処置を受けている患者の患者コンプライアンスを高めるために単一の処置エピソードとして同時にまたは連続して投与される医薬の製造のための少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせの使用。 アルコール中毒の処置を受けている患者の患者コンプライアンスを高めるための医薬の製造のための少なくとも1つのオピオイド拮抗薬および少なくとも1つの鎮痙薬の組み合わせを含有する組成物の使用。 (i)少なくとも1つのオピオイド拮抗薬;および (ii)少なくとも1つの鎮痙薬の治療有効量の少なくとも1回分の処置用量を含み、(i)の拮抗薬および(ii)の鎮痙薬が単一の医薬組成物を構成する、キット。 (i)少なくとも1つのオピオイド拮抗薬;および (ii)少なくとも1つの鎮痙薬の治療有効量の少なくとも1回分の処置用量を含み、(i)の拮抗薬および(ii)の鎮痙薬が1つより多い医薬組成物を構成する、キット。 単一の医薬組成物が経口用医薬の形態である、請求項14記載のキット。 医薬組成物が、ピル、カプセル、カシェ剤、錠剤およびカプセル型錠剤(caplet)からなる群より選択される形態である、請求項16記載のキット。 1つより多い医薬組成物が経口用医薬である、請求項15記載のキット。 1つより多い医薬組成物が、ピル、カプセル、カシェ剤、錠剤、カプセル型錠剤または任意のそれらの組み合わせからなる群より選択される形態である、請求項18記載のキット。


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