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タイトル:公開特許公報(A)_嫌気性菌増殖促進物質
出願番号:2003372421
年次:2005
IPC分類:7,C12N1/20,A23C9/13,A23L1/00


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佐久間 周治 JP 2005130804 公開特許公報(A) 20050526 2003372421 20031031 嫌気性菌増殖促進物質 株式会社サンギ 000130776 桑原 英明 100070518 木下 洋平 230101177 佐久間 周治 7C12N1/20A23C9/13A23L1/00 JPC12N1/20 AA23C9/13A23L1/00 J 7 1 OL 7 4B001 4B035 4B065 4B001AC01 4B001AC30 4B001AC31 4B001BC14 4B035LC16 4B035LG02 4B035LG50 4B035LK19 4B035LP42 4B065AA21X 4B065AA49X 4B065AC20 4B065BB02 4B065BB11 4B065BB24 4B065BB34 4B065CA42 本発明はビフィズス菌および乳酸菌等の嫌気性菌の増殖促進物質、当該物質を含有する食品、当該物質を用いる嫌気性菌の増殖方法、生残性改善方法、並びに当該物質をビフィズス菌および/または乳酸菌を含有する発酵食品に関する。 従来、嫌気性菌であるビフィズス菌(Bifid bacterium)は母乳栄養児の腸内ではほとんど純粋培養の状態で存在し、人工栄養児の腸内ではビフィズス菌の数が少なく大腸菌、腸球菌が多いために腸内疾患が高くなることが知られている。また、ビフィズス菌は成人の腸内でも健康な時は優勢菌の一つとして存在し、不健康な時は減少または消滅することが確認されている。 そのために、このビフィズス菌を用いた医薬品、食料品が市販され、ビフィズス菌を経口摂取することにより、乳児や成人の下痢の防止や健康の向上に利用されている。また、嫌気性菌である乳酸菌は、一般によく知られており、飲料や乳醗酵製品の製造に用いられと共に、生菌は整腸剤にも用いられている。 これ等のビフィズス菌および乳酸菌の培養は、嫌気性菌であるために、培養は酸素の存在しない状態で行なわれる。特に、ビフィズス菌は、その複雑な栄養要求と併せて偏性嫌気性菌であるため、通性乳酸菌群と比較して培養に一段と工夫が必要とされている。 さらに、ビフィズス菌においては従来から発酵乳製造に用いられてきた酪農乳酸菌と比べ菌学的性質も異なり、耐酸性が低いため、発酵乳のような低pH領域(約4.3未満)で長期間生存させることは困難である、等の問題点を含んでいる。 また乳酸菌類であっても乳酸菌の増殖に伴い、乳酸菌から代謝される乳酸等の代謝産物によるpHの低下により、乳酸菌が生菌数に急激な減少が認められる。このため、ビフィズス菌や乳酸菌を生きたまま、有効菌数摂取するという本来の目的を達成することが困難であった。特開平5−041995号公報特開2000−093166号公報特開2001−190272号公報特公昭57−4291号公報特許第2577692号公報 本発明は、ビフィズス菌や乳酸菌等の嫌気性菌の生残性を向上しうる嫌気性菌の培養方法を提供し、さらにビフィズス菌や乳酸菌を含有する食品の、保存期間中での嫌気性菌の生残性をも向上することを目的とするものである。 これらの問題を解決するために種々の研究がなされ、菌の増殖を促進させる添加剤としては、プロピオン酸菌及びその培養上清液の添加による増殖を促進させる方法(特開平5−041995号公報)、タンパク分解酵素で処理した卵白を添加し増殖を促進させる方法(特開2000−093166号公報)、生姜エキス、茶類エキス、ネギエキスを添加し増殖を促進させる方法(特開2001−190272号公報)等が報告されており、また生残性の改良としてビフィズス菌及び乳酸菌スクロース(ショ糖、サッカロース)またはソルビトール(ソルビット)によるビフィズス菌の生残性改善(特公昭57−4291号公報)、エリスリトール(エリトリット)によるビフィズス菌の生残性改善(特許第2577692号公報)等の糖類添加による改善方法、クエン酸ナトリウム・カリウムを用いて、製品pHを4.3以上に補正しビフィズス菌を生残させる方法(特公昭63−309138号公報)、発酵乳として古くから使用されているラクトバチルス・ブルガリクスとストレプトコッカス・サーモフィラスを使用しpH4.8に調整してから、ビフィドバクテリウム・ロンガム(ビフィズス菌)の牛乳カルチャー(培養物)を10%混合する方法等のpH調整による改善方法が挙げられるが、いずれも簡単に製造できるものではない。 本発明者等は、嫌気性菌であるビフィズス菌および乳酸菌にリン酸カルシウムを添加するだけで、効果的にビフィズス菌や乳酸菌等の嫌気性菌を培養増殖できることを見出し、本発明に到達したものである。 さらにビフィズス菌や乳酸菌を含有する食品にリン酸カルシウムを添加することにより、保存期間中での嫌気性菌の生残性をも向上することを見出し、本発明に到達したものである。 本発明は、リン酸カルシウムを用いることを特徴とするビフィズス菌および乳酸菌の増殖方法、さらに加えて、前記増殖促進物質をビフィズス菌や乳酸菌を含有する食品とともに培養、発酵させて得られる発酵食品を提供する。 ビフィズス菌や乳酸菌等の嫌気性菌を増殖させる方法は、上記のように各種考案されているが、リン酸カルシウムの添加により、このようなビフィズス菌や乳酸菌等の嫌気性菌の増殖促進作用が存在することは全く知られていなかった。 リン酸カルシウムとしては、リン酸水素カルシウム二水和物、リン酸水素カルシウム無水物、リン酸三カルシウム、2リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸四カルシウム、ハイドロキシアパタイト、オクタリン酸カルシウム、ウィットロッカイト、非晶質リン酸カルシウムが好ましく、もちろん、これらリン酸カルシウム群から選択された2種以上の物質を併用することが可能である。特に、リン酸カルシウムとしてハイドロキシアパタイト、オクタリン酸カルシウム、リン酸三カルシウムが好適である。 本発明はヨーグルトの発酵時間の短縮やビフィズス菌のヨーグルト内での増殖などを可能とし、ビフィズス菌や乳酸菌を含有するあらゆる食品に対して極めて有効な物質である。また、腸内細菌叢をビフィズス菌優勢にするためにもオリゴ糖に代わるビフィズス因子として期待できるものと考えられる。 本発明のビフィズス菌や乳酸菌の増殖促進物質を食品に含有させる場合は、合計量(重量基準)に対して当該物質を0.001〜15.0%、好ましくは0.001〜1.0%含有させることができる。対象とする食品としては、特に限定されないが、ヨーグルト、ヨーグルト飲料、乳酸菌飲料、その他のビフィズス菌および/または乳酸菌を含有する食品を挙げることができる。 また、前記増殖促進物質をビフィズス菌および/または乳酸菌を含有する食品とともに培養、発酵させて発酵食品を製造する場合、最終製品の重量に対して、当該物質の含有量が0.001〜10.0%、好ましくは0.001〜1.0%、さらに好ましくは0.1〜1.0%となるように添加すると良い。 以下に本発明の効果を確認するために行った試験例について説明するが、本発明の技術的範囲がこれによって限定されるものではない。 本発明によれば、効果的にビフィズス菌や乳酸菌の増殖が行なえるため、ビフィズス菌や乳酸菌等の嫌気性菌を含有する食品に広く使用できるビフィズス菌や乳酸菌の増殖方法、および培養、発酵させて得られる発酵食品が提供される。 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。[実施例1] 乳酸菌の生残性とリン酸カルシウムの添加量の関係を調べる試験を行った。 試験菌株は乳酸菌としてラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィルス、これらの菌体をそれぞれ5%接種して、37℃で16時間培養し、培養後、BCP加プレート寒天培地を使用して、保存10日目までの生残菌数を測定した。 リン酸カルシウムとしてはハイドロキシアパタイトを用い、その添加量を、0%(無添加)、0.001%、0.01%、0.1%、1.0%、10%とした。 混合直後の生菌数は、3.85×108 /mlであった。乳酸菌の生存菌数を表1に示した。表1乃至3中、たとえば、E+08は108 を意味し、3.85E+08は3.85×108 を意味する。[実施例2] ビフィズス菌の生残性とリン酸カルシウムの添加量の関係を調べる試験を行った。 ビフィズス菌としてビフィドバクテリウム・ブレーベSBR3212を増菌用液体培地で、37℃で20時間培養後、遠沈法により集菌し、数回洗浄してから菌体懸濁液(OD660 =1.2)を調製した。全体として、砂糖が10%になるように添加し、所定濃度となるようにリン酸カルシウムを含有させ、pHを乳酸でpH4.0に調整した溶液を調製し、その9gと上記菌体懸濁液1gをガラス試験管中で混合した後、10℃で保存した。保存3日目、7日目、10日目及び14日目の生残菌数を測定した。 リン酸カルシウムとしてはハイドロキシアパタイトを用い、その添加量を、0%(無添加)、0.001%、0.01%、0.1%、1.0%、15%とした。 混合直後の生菌数は、3.85×108 /mlであった。ビフィズス菌の生存菌数を表2に示した。 表1、表2から、下記のことが分かる。 乳酸菌は、0.001%のリン酸カルシウム添加でも、無添加よりも生残菌数が多く、添加濃度の増加に伴い生残菌数も増加している。 乳酸菌のリン酸カルシウム10%添加、及びビフィズス菌のリン酸カルシウム15%添加は、リン酸カルシウム1.0%添加に比べて増加しているものの生残菌数に大きな差は無い。 ビフィズス菌では、特にリン酸カルシウム0.001%添加と、0.01%添加との間で顕著に生残性の改善が示された。[実施例3] 各種リン酸カルシウムと乳酸菌の生残性の関係を調べる試験を行った。 試験菌株は乳酸菌としてラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシーズ・サーモフィルス、これらの菌体をそれぞれ5%接種して、37℃で16時間培養し、培養後、BCP加プレート寒天培地を使用して、保存10日目までの生残菌数を測定した。 リン酸カルシウムの添加量を、0%(無添加)、1%とし、リン酸カルシウムとしてリン酸水素二カルシウム2水和物、リン酸八カルシウム、リン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイトを用いた。 各種リン酸カルシウムによる乳酸菌の生残菌数を表3、及び図1に示した。[実施例4]ヨーグルトの製造 市販成分無調整乳に、ハイドロキシアパタイトを0.001%、0.01%、0.1%、1.0%、10%量添加、分散し、加熱殺菌(80℃、15分)した。殺菌後、氷冷水中にて40℃に冷却し、牛乳1lあたり約300mgのスターター(ABT−1)を各々に添加した。撹拌後、直ちに、100ml容のカップに分注し、アルミシールで密封し、各々発酵(40℃、7時間)させた。コントロールとしてハイドロキシアパタイトの添加無しで、上記と同様の操作を行ない、発酵させた。 菌数測定各菌体数は前記実施例と同様の方法で、スターター添加時を0時間とし、経時的に測定した。生菌数を図2に示した。各種リン酸カルシウムと乳酸菌の生残菌数を示すグラフ図である。生菌数を示すグラフ図である。 リン酸カルシウムを有効成分として含有したことを特徴とする嫌気性菌の増殖促進物質。 リン酸カルシウムが、リン酸水素カルシウム二水和物、リン酸水素カルシウム無水物、リン酸三カルシウム、2リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸四カルシウム、ハイドロキシアパタイト、オクタリン酸カルシウム、ウィットロッカイト、非晶質リン酸カルシウムからなる群から選択される1種又は2種以上からなる物質である請求項1記載の嫌気性菌の増殖促進物質。 嫌気性菌がビフィズス菌および/または乳酸菌である請求項1又は2記載の嫌気性菌の増殖促進物質。 リン酸カルシウムを0.001〜15.0%含有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の嫌気性菌の増殖促進物質。 請求項1乃至4の何れかに記載の嫌気性菌の増殖促進物質を0.001〜10.0%含有することを特徴とする食品。 1乃至4の何れかに記載の嫌気性菌の増殖促進物質をビフィズス菌および/または乳酸菌とともに培養、発酵、あるいはリン酸カルシウムをビフィズス菌および/または乳酸菌を含有する食品とともに培養、発酵させて得られる発酵食品。 食品がヨーグルトである請求項5又は6記載の食品。 【課題】 ビフィズス菌や乳酸菌等の嫌気性菌の生残性を向上しうる嫌気性菌の培養方法、さらにビフィズス菌や乳酸菌を含有する食品の生菌数の低下が問題となっている。【解決手段】 リン酸カルシウムとビフィズス菌や乳酸菌等の嫌気性菌が配合されている嫌気性菌組成物を提供する。該嫌気性菌組成物をビフィズス菌や乳酸菌を含有する食品に配合する。リン酸カルシウムとして、リン酸水素カルシウム二水和物、リン酸水素カルシウム無水物、リン酸三カルシウム、2リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸四カルシウム、ハイドロキシアパタイト、オクタリン酸カルシウム、ウィットロッカイト、非晶質リン酸カルシウムが使用される。【選択図】 図1


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