タイトル: | 公表特許公報(A)_CCR3阻害薬の使用 |
出願番号: | 2015503847 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C07D 401/14,A61K 31/4545,A61P 27/02,A61P 29/00,A61P 11/02,A61P 1/04 |
ニヴェンズ ミハエル チャダム ブイス ティエリ ゲーゲル ロルフ ザイター ペーター JP 2015512432 公表特許公報(A) 20150427 2015503847 20130402 CCR3阻害薬の使用 ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 503385923 辻居 幸一 100092093 熊倉 禎男 100082005 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 山崎 一夫 100119013 市川 さつき 100123777 渡辺 浩司 100147588 ニヴェンズ ミハエル チャダム ブイス ティエリ ゲーゲル ロルフ ザイター ペーター EP 12162937.2 20120403 C07D 401/14 20060101AFI20150331BHJP A61K 31/4545 20060101ALI20150331BHJP A61P 27/02 20060101ALI20150331BHJP A61P 29/00 20060101ALI20150331BHJP A61P 11/02 20060101ALI20150331BHJP A61P 1/04 20060101ALI20150331BHJP JPC07D401/14A61K31/4545A61P27/02A61P29/00A61P11/02A61P1/04 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC EP2013056864 20130402 WO2013149986 20131010 18 20141002 4C063 4C086 4C063AA03 4C063BB02 4C063CC12 4C063DD03 4C063EE01 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086BC21 4C086GA07 4C086GA08 4C086MA01 4C086MA04 本発明は、ドライ型加齢黄斑変性(dry age-related macular degeneration)(dAMD)、ウェット型加齢黄斑変性(wAMD)、未熟児網膜症(retinopathy of prematurity)(ROP)、網膜中心静脈閉塞症(central retinal vein occlusion)(CRVO)、鼻ポリープ症、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎(ententeritis))、好酸球増加症候群及びチャーグ・ストラウス症候群から選択される疾患の治療用薬物として使用するための下記式1のCCR3阻害薬に関する。式中R1はH、C1-6-アルキル、C0-4-アルキル-C3-6-シクロアルキル、C1-6-ハロアルキルであり;R2はH、C1-6-アルキルであり;Xは、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオンであり;jは1又は2である。背景情報 ケモカインは、種々多様な細胞によって放出されて、いくつかある細胞型の中で特に、マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球、好酸球、好塩基球及び好中球を誘引及び活性化する、分子量6〜15kDaの走化性サイトカインである(Luster, New Eng.J Med., 338, 436-445 (1998); Rollins, Blood, 90, 909-928 (1997); Lloyd, Curr. Opin. Pharmacol., 3, 443-448 (2003); Murray, Current Drug Targets., 7, 579-588 (2006); Smit, Eur J Pharmacol., 533,277-88 (2006)に掲載)。 アミノ酸配列の最初の2つのシステインが単一のアミノ酸で隔てられているか(CXC)又は隣接しているか(CC)によって決まる2つの主分類のケモカイン、CXC及びCCがある。インターロイキン-8(IL-8)、好中球活性化タンパク質2(NAP2)及びメラノーマ増殖刺激活性タンパク質(MGSA)等のCXCケモカインは主に好中球及びTリンパ球に対して走化性であり、一方ランテス(RANTES)、MIP-la、MIP-1、単球走化性タンパク質(MCP-1、MCP-2、MCP-3、MCP-4、及びMCP-5)及びエオタキシン(-1、-2、及び-3)等のCCケモカインは、いくつかある細胞型の中で特に、マクロファージ、Tリンパ球、好酸球、マスト細胞、樹状細胞、及び好塩基球に対して走化性である。また主ケモカインのサブファミリーのどちらにも分類されないケモカインリンホタクチン-1、リンホタクチン-2(両方ともCケモカイン)、及びフラクタルカイン(CXXXCケモカイン)も存在する。 ケモカインは、G-タンパク質結合7回膜貫通型(seventransmembrane)ドメインタンパク質のファミリーに属する特異的な細胞表面受容体(「ケモカイン受容体」と呼ばれる)に結合する(Horuk, Trends Pharm.Sci., 15, 159-165 (1994); Murphy, Pharmacol Rev., 54 (2):227-229 (2002); Allen, Annu.Rev.Immunol., 25, 787-820 (2007)に掲載)。それらの同族リガンドと結合すると、ケモカイン受容体は会合三量体Gタンパク質を介して細胞内シグナルを伝達し、いくつかある反応の中で特に、細胞内カルシウム濃度の急増、G-タンパク質の活性化、細胞形状の変化、細胞接着分子の発現増加、脱顆粒、細胞遊走の促進、生存及び増殖をもたらす。下記特徴的パターンでCCケモカインに結合又は反応する少なくとも11のヒトケモカイン受容体がある:CCR-1(又は「CKR-1」又は「CC-CKR-1」)[MIP-la、MCP-3、MCP-4、ランテス](Ben-Barruch, et al., Cell, 72, 415-425 (1993), Luster, New Eng.J.Med., 338, 436-445 (1998));CCR-2A及びCCR-2B(又は「CKR-2A」/「CKR-2B」又は「CC-CKR-2A」/「CC-CKR-2B」)[MCP-1、MCP2、MCP-3、MCP-4、MCP-5](Charo et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 91, 2752-2756 (1994), Luster, New Eng.J.Med., 338, 436-445 (1998));CCR3(又は「CKR-3」又は「CC-CKR-3」)[エオタキシン-1、エオタキシン-2、ランテス、MCP-3、MCP-4](Combadiere, et al., J.Biol.Chem., 270, 16491-16494 (1995), Luster, New Eng.J.Med., 338, 436-445 (1998));CCR-4(又は「CKR-4」又は「CC-CKR-4」)[TARC、MIP-la、ランテス、MCP-1](Power et al., J.Biol.Chem., 270, 19495-19500 (1995), Luster, New Eng.J.Med., 338, 436-445 (1998));CCR-5(又は「CKR-5」又は「CCCKR-5」)[MIP-la、ランテス、MIP-lp](Sanson, et al., Biochemistry, 35, 3362-3367 (1996));CCR-6(又は「CKR-6」又は「CC-CKR-6」)[LARC](Baba et al., J.Biol.Chem., 272, 14893-14898 (1997));CCR-7(又は「CKR-7」又は「CC-CKR-7」)[ELC](Yoshie et al., J.Leukoc.Biol.62, 634-644 (1997));CCR-8(又は「CKR-8」又は「CC-CKR-8」)[1-309、TARC、MIP-1p](Napolitano et al., J.Immunol., 157, 2759-2763 (1996), Bernardini et al., Eur.J.Immunol., 28, 582-588 (1998));CCR-10(又は「CKR-10」又は「CC-CKR-10」)[MCP-1、MCP-3](Bonini et al, DNA and Cell Biol., 16, 1249-1256 (1997));及びCCR31(又は「CKR-11」又は「CC-CKR-11」)[MCP-1、MCP-2、MCP-4]( Schweickart et al., J Biol Chem, 275 9550-9556 (2000))。 哺乳動物ケモカイン受容体に加えて、哺乳動物サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス及びポックスウイルスによって発現されるデコイ受容体CCX-CKR、D6及びDARC/Duffy並びにタンパク質はケモカイン受容体の結合特性を示す(Wells and Schwartz, Curr. Opin. Biotech., 8, 741-748 (1997); Comerford, Bioessays., 29(3):237-47 (2007)により掲載)。ランテス及びMCP-3等のヒトCCケモカインは、これらのウイルス的にコードされた受容体による迅速なカルシウム動員を引き起こすことができる。受容体発現は、正常な免疫系サーベイランスの破壊及び感染への反応を許容することによって、感染に対して許容状態になり得る。さらに、CXCR-4、CCR2、CCR3、CCR5及びCCR8等のヒトケモカイン受容体は、例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のように、微生物によって哺乳動物細胞の感染に対する共受容体として作用することができる。 ケモカイン受容体は、喘息及びアレルギー性疾患、並びに関節リウマチ、グレーブス病、慢性閉塞性肺疾患、及びアテローム性動脈硬化症等の自己免疫病態を含めた、炎症性、感染性、及び免疫調節性障害及び疾患の重要なメディエーターであるとして意味づけられている。例えば、ケモカイン受容体CCR3は、とりわけ好酸球、好塩基球、TH2細胞、肺胞マクロファージ、マスト細胞、上皮細胞、ミクログリア細胞、星状細胞及び線維芽細胞上で発現される。CCR3は、好酸球をアレルギー性炎症部位へ誘引し、引き続きこれらの細胞を活性化する際に中心的役割を果たす。CCR3に対するケモカインリガンドは、細胞内カルシウム濃度の急増、G-タンパク質のGTP交換の増加、ERKリン酸化の増加、受容体インターナリゼーションの増強、好酸球の形状変化、細胞接着分子の発現増加、細胞の脱顆粒、及び遊走の促進を誘発する。従って、ケモカイン受容体を阻害する薬剤は該障害及び疾患に有用であろう。さらに、ケモカイン受容体を阻害する薬剤は、HIVによるCCR3発現細胞の感染を遮断することによって又はサイトメガロウイルス等のウイルスによる免疫細胞反応の操作を阻止する際のように感染性疾患にも役立つであろう。 従って、CCR3は重要な標的であり、CCR3の拮抗作用は炎症性、好酸球性、免疫調節性及び感染性障害及び疾患の治療に有効である可能性がある(Wegmann, Am J Respir Cell Mol Biol., 36(1):61-67 (2007); Fryer J Clin Invest., 116(1):228-236 (2006); De Lucca, Curr Opin Drug Discov Devel., 9(4):516-524 (2006))。 WO 2010 115836では、式1の置換ピペリジンは、副作用、例えばWatson PS, Bioorg Med Chem Lett., 16(21):5695-5699 (2006)に記載されているようにノルエピネフリン(NET)、ドーパミン(DAT)又はセロトニン再取り込み輸送体(5-HTT)の阻害、或いはDe Lucca, J Med Chem., 48(6):2194-2211(2005)に記載されているように5HT2A、5HT2C又はドーパミンD2受容体の阻害、或いはDe Lucca, Curr Opin Drug Discov Devel., 9(4):516-524 (2006)記載されているようにhERGチャネルの阻害が少ないので、CCR3拮抗薬として非常に適していることが発見かつ開示された。 驚くべきことに今や式1の化合物は、ドライ型加齢黄斑変性(dAMD)、ウェット型加齢黄斑変性(wAMD)、未熟児網膜症(ROP)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症及び好酸球性食道炎から選択される疾患の治療に有用であることが分かった。 同様に式1の化合物は、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群、及びチャーグ・ストラウス症候群から選択される他の疾患の治療に有用である。発明の説明 本発明の対象は、ドライ型加齢黄斑変性(dAMD)、ウェット型加齢黄斑変性(wAMD)、未熟児網膜症(ROP)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群及びチャーグ・ストラウス症候群から選択される疾患の治療用薬物として使用するための下記式1(式中R1はH、C1-6-アルキル、C0-4-アルキル-C3-6-シクロアルキル、C1-6-ハロアルキルであり;R2はH、C1-6-アルキルであり;Xは、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオンであり;jは1又は2である)の化合物である。 式中、R1がH、C1-6-アルキルであり;R2がH、C1-6-アルキルであり;Xが、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオンであり;jが1又は2である、式1の化合物が好ましい。 式中、R1がH、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり;R2がH、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり;Xが、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群、好ましくは塩化物イオンより選択されるアニオンであり;jが1又は2、好ましくは2である、式1の化合物が好ましい。 式中、R1がH、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり;R2がH、メチルであり;Xが、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオン、好ましくは塩化物イオンであり;jが1又は2、好ましくは2である、式1の化合物が好ましい。 式中、R1がH、メチルであり;R2がH、メチルであり;Xが、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオン、好ましくは塩化物イオンであり;jが1又は2、好ましくは2である、式1の化合物が好ましい。 二塩酸塩としての下表の実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の化合物がさらに好ましい。従って、好ましくはXは塩化物イオンであり、好ましくはjは2である。 未熟児網膜症(ROP)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症及び好酸球性食道炎から選択される疾患の治療用薬物として使用するための式1の化合物が好ましい。 本発明の別の態様は、鼻ポリープ症、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群及びチャーグ・ストラウス症候群、好ましくは鼻ポリープ症及び好酸球性食道炎から選択される疾患の治療のための式1の化合物の使用である。 本発明の別の態様は、鼻ポリープ症、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群及びチャーグ・ストラウス症候群、好ましくは鼻ポリープ症及び好酸球性食道炎から選択される疾患の治療用薬物を製造するための式1の化合物の使用である。 本発明の別の態様は、未熟児網膜症(ROP)及び網膜中心静脈閉塞症(CRVO)から選択される疾患の治療のための式1の化合物の使用である。 本発明の別の態様は、式1の化合物を患者に投与することによって、未熟児網膜症(ROP)及び網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群及びチャーグ・ストラウス症候群、好ましくは未熟児網膜症(ROP)及び網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症及び好酸球性食道炎から選択される疾患を治療する方法である。 本発明の別の態様は、式1を含有する医薬組成物を患者に投与することによって、未熟児網膜症(ROP)及び網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群及びチャーグ・ストラウス症候群、好ましくは未熟児網膜症(ROP)及び網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症及び好酸球性食道炎から選択される疾患を治療する方法である。 本発明の別の態様は、式1の化合物を含有する有効量の医薬組成物を患者に投与することによって、未熟児網膜症(ROP)及び網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群及びチャーグ・ストラウス症候群、未熟児網膜症(ROP)及び網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症及び好酸球性食道炎から選択される疾患を治療する方法である。 本発明の別の態様は、式1の化合物を含有する有効量の医薬組成物を患者に投与することによって、未熟児網膜症(ROP)及び網膜中心静脈閉塞症(CRVO)から選択される疾患を治療する方法である。使用する用語と定義 ここで具体的に定義しない用語は、本開示及び文脈に照らして当業者がそれらに与えるであろう意味が与えられるものとする。しかしながら、本明細書で使用する場合、反対に特定していない限り、下記用語は指定した意味を有し、下記慣習を順守する。 下記基(group)、基(radical)又は部分では、基に先行して炭素原子数を特定することが多く、例えば、C1-6-アルキルは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。一般に、2つ以上のサブ基を含んでなる基では、最初に名付けたサブ基がその基の付着点であり、例えば、置換基「C1-3-アルキル-アリール」は、C1-3-アルキル基に結合しているアリール基を意味し、この置換基が付着している基にC1-3-アルキル基が結合している。 化学名の形でも式としても本発明の化合物を表している場合、いずれの矛盾も式が優先するものとする。サブ式ではアスタリスクを用いて、定義どおりのコア分子に連結している結合を示すことができる。 特に指定のない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲全体を通して、所定の化学式又は化学名は互変異性体並びに全ての立体、光学及び幾何異性体(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体等…)並びにそのラセミ体のみならず別個のエナンチオマーの異なる比率の混合物、ジアステレオマーの混合物、又は上記形態のいずれの混合物をも包含するものとし、該異性体及びエナンチオマーは、塩(医薬的に許容できるその塩を含めて)及びその例えば水和物等の溶媒和物(例えば遊離化合物の溶媒和物又は該化合物の塩の溶媒和物を含めて)としても存在する。 単独又は別の基と組み合わせた用語「C1-n-アルキル」(nは2〜nの整数である)は、1〜n個のC原子を有する非環式飽和分岐若しくは直鎖炭化水素基を表す。例えば用語C1-5-アルキルは、基H3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH3)2-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH3)2-、H3C-C(CH3)2-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-及びH3C-CH2-CH(CH2CH3)-を包含する。 単独又は別の基と組み合わせた用語「C1-n-ハロアルキル」(nは2〜nの整数である)は、1〜n個のC原子を有する非環式飽和分岐若しくは直鎖炭化水素基であって、1個以上の水素原子がフッ素、塩素又は臭素、好ましくはフッ素及び塩素の中から選択されるハロゲン原子、特に好ましくはフッ素と置き換わっているものを表す。例としてCH2F、CHF2、CF3が挙げられる。 単独又は別の基と組み合わせた用語「C3-n-シクロアルキル」(nは4〜nの整数である)は、3〜n個のC原子を有する環式飽和非分岐炭化水素基を表す。例えば用語C3-7-シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが挙げられる。発明の詳細 ドライ型加齢黄斑変性(dAMD)は、網膜中心を冒す進行性の慢性疾患であり、世界中の高齢者の失明の主因である。ドライ型AMDはAMDの進行型であり、地図状萎縮の領域をもたらすドルーゼンの蓄積に関連し、黄斑を伴うと、壊滅的な中心的視力低下を引き起こす。正確な機序は分かっていないが、ドライ型AMD患者は高い頻度で、マクロファージの網膜への浸潤によって媒介されるプロセスを通じてwAMDに進行し、これは血管新生促進因子の放出を促し、新血管新生をもたらす。従って式1の化合物は、ドライ型AMDの予防処置としての有用性があると予想される。 ウェット型加齢黄斑変性(wAMD)は、脈絡膜の新血管新生を特徴とする進行型AMDの形態であり、最終的にブルッフ膜を裂き、網膜を破壊し、黄斑領域内で血管漏出及び浮腫を引き起こし、それによって突然の中心的視力低下をもたらす。標準治療処置はVEGF-Aを標的とするが、治療にもかかかわらず、まだ約1/3が進行する。継続的又は高用量VEGF療法と関連してさらなる網膜毒性が実証された。従ってCNVの特異性の高いターゲティングによる治療戦略が望ましい。CCR3とそのリガンドの両発現がこの疾患の病態生理に特に関連づけられている。NCE又はNBEアプローチによるさらなるCCR3拮抗は、この疾患の可能性のある療法としてのCCR3遮断という役割に関する前臨床研究において追加の支持的証拠を提供した。前臨床の証拠は、式1の化合物が薬理学的マウスモデルのレーザー誘起新血管新生の予防において完全に有効であることを示唆する。従って式1の化合物は、wAMDと関連する新血管新生及び浮腫の予防に有用性がある。 未熟児網膜症(ROP)は、早産の結果として新生児集中治療を受けた、未熟児で生まれた赤ん坊を冒す眼疾患である。酸素毒性と局所的低酸素の両方がROPの発症に寄与すると考えられる。この疾患の根底にある病態生理学は、低酸素状態が血管新生促進因子の刺激につながり、これが無秩序な血管成長を引き起こし、瘢痕及び網膜剥離をもたらす。ROPは穏やかな強度のものもあり、治療介入なしで完全に回復し得るが、重篤な場合には永久的失明につながり得る。この疾患の正確な原因は分かっていないが、主な仮説は、酸素補充が血管収縮によって網膜の局所的な低酸素をもたらし、これが新血管新生を誘発すること、或いは正常な血管プロセスが酸素補充によって鈍らせることであるが、酸素補充が突然除去されると、血管の急速な増殖及び血管結合組織疾患を引き起こす。現在の療法は、その重症形の疾患への外科的及び治療的の両処置を包含する。外科的療法としては網膜剥離のための強膜バックリング及び/又は硝子体茎切除術がある。しかしながら現在はレーザー誘起光凝固がROP治療の頼みの綱である。式1の化合物には、ROPと関連する新血管新生の予防に有用性がある。 網膜中心静脈閉塞症(CRVO)は、酸素を使い果たした血液が眼の脈管構造から自由に流れ出るのを阻止する静脈閉塞の結果として生じる状態である。酸素を使い果たした血液の流れの制限のため、酸素を豊富に含む血液が網膜の表層に到達するのが阻害され、確実に低酸素状態になる。この局所的低酸素が網膜の表層に血管新生促進因子を誘発させる。これらの因子の放出が異常な黄斑性浮腫及び新血管新生の発生に寄与する。CRVOと関連する黄斑性浮腫及び新血管新生の治療に式1の化合物が有用な可能性がある。 鼻ポリープ症(NP)は、炎症組織の鼻腔中への伸長を特徴とする上気道の慢性炎症性疾患であり、正確な病因は分かっていないが、成人の1〜5%の有病率があることが知られている(Settipane GA: Epidemiology of nasal polyps.Allergy Asthma Proc 1996, 17:231-236)。NPは典型的に20歳以上の男性に存在し、生活の質に通年性アレルギー性鼻炎よりかなり高い影響を与える鼻の閉塞、嗅覚鈍麻、及び反復感染を引き起こす(Li et al., Characterizing T-Cell Phenotypes in Nasal Polyposis in Chinese Patients, J Investig Allergol Clin Immunol 2009; Vol.19(4): 276-282)。全てのNP患者の1/3までが喘息を持つと報告されているが、喘息患者の7%だけがNPを持つ。NPに関与する優勢な細胞型は好酸球であるが、極東では好中球がNPに見られる優勢な細胞型である(Amar YG, Frenkiel S, Sobol SE: Outcome analysis of endoscopic sinus surgery for chronic sinusitis in patients having Samter’s triad. J Otolaryngol 2000, 29:7-12)。Samnterの三徴候(ポリープ症、喘息、及びアスピリン過敏性)が全NPの10%を占めることが知られており、最高の再発率でこれらの徴候の可能性がある(Naclerio et al., Medical and Surgical Management of nasal Polyps, Curr Opin Otolaryngol Head Neck Surg 2001, 9:27-36)。 局所的に作用する鼻用コルチコステロイド(nCS)による治療が現在の最先端治療の選択肢であり、ささやかな成功を示している。鼻用ステロイドによる反応欠如の理由は、ステロイドに非反応性であるポリープの根底にある原因(例えば嚢胞性線維症又は線毛機能不全)に由来するが、NP治療の臨床的有用性のおそらくさらなる制限は、鼻腔内分布を制限する高度の鼻閉塞である(Hellquist HB.Nasal polyps update. Histopathology. Allergy Asthma Proc.1996;17:237-42)。経口全身コルチコステロイド(OCS)によるNPの長期治療は有効であるが、既知の副作用のため広くは採用されていない。しかしながら手術のためポリープを縮ませるか又はnCSの鼻腔内送達を増やすために手術又は鼻腔内ステロイドによる治療の開始前にOCSを利用することが多い。薬物管理に非反応性の患者は、鼻ポリープを除去する外科的管理を必要とし、鼻用ステロイドによる慢性治療を続けてNPの再発を避けなければならない。患者の特有の小集団は非常に高い再発の可能性を有し、当該小集団はアスピリン不耐性、真菌性副鼻腔炎、喘息、又は嚢胞性線維症の患者である。生活の質に対する高い影響(例えば重篤なNPにおける嗅覚機能の完全な喪失)、nCSによる見栄えのしない反応率、OCSの望ましくない副作用プロファイル、及び重篤又は非反応性ケースでの手術の必要性のため、NPにおいて未だ対処されていない医学的必要性は高いと考えられる。標的疾患リンク−組織学的評価は、鼻ポリープを4つの型に分類できることを明らかにする:浮腫性(好酸球性)、線維性(非好酸球性)、腺性、及び非定型性(Hellquist HB. Nasal polyps update. Histopathology.Allergy Asthma Proc.1996;17:237-42)。今日までに行なわれたNPの組織学的評価の大部分(80〜90%)では、NPの原因は強力な好酸球成分を有することと特徴づけられている。好酸球は、主要塩基性タンパク質、好酸球カチオン性タンパク質等の細胞毒性物質の放出、及び炎症プロセスを永続化させるケモカインのオートクリン産生によって組織損傷を惹起する。主要文献ではサイトカインIL-1、IL-4、IL-5及びIL-8のみならず、かつ最も重要なことにケモカインエオタキシン(CCL11)及びランテス(CCL5)が好酸球増加症にとっての走化能とされている。エオタキシン及びランテスは、CCR3を介して好酸球にシグナルを送ることが知られており、かつ2つのさらなるエオタキシン、すなわちエオタキシン2(CCL24)とエオタキシン3(CCL26)がほとんど排他的にCCR3受容体を介して好酸球にシグナルを送ることが示された。鼻ポリープにおけるエオタキシンレベルの評価は、NPにおけるエオタキシンレベルと好酸球数との間の有意な相関関係を明らかにした。従って主要文献ではCCR3拮抗薬に対する標的疾患リンクが提供され、式1の化合物を用いて男性で得られたデータは、まず最初に用量及び曝露依存様式で好酸球の形状変化を阻止する能力を示す(内部データ)。好酸球の形状変化の阻害は、好酸球活性化及びエオタキシン活性の阻害の代替測定となる。従って式1の化合物のような全身利用可能な化合物はNPにおける好酸球数を減らし、炎症を軽減するであろうし、高い医学的必要性が確認されているNPの症状の改善を達成できるであろうことを示唆する。 好酸球性食道炎(EoE)は食道慢性Th2関連慢性炎症性疾患であり、現在10,000個体中少なくとも4個体で発症する(Noel RJ, Putnam PE, Rothenberg ME. Eosinophilic Esophagitis. N Engl J Med.2004;351:940-941)。2000年以来、内視鏡検査手順の増加と並行して診断上の発症率が劇的に増加している(Prasad et al: Epidemiology of Eosinophilic Esophagitis over 3 Decades in Olmstead County, Minnesota.Clin Gastroenterol Hepatol.2009, 7: 1055-1061)。この疾患の顕著な特徴には典型的に嚥下障害、食物嵌入、胸痛が含まれ、高用量プロトンポンプ阻害薬療法にもかかわらず未解決の胸やけがある。EoEの患者の約1/3は食物嵌入の内視鏡除去を必要とし、EoE小児科研究は、EoEの慢性的性質が食習慣の行動変化に現れることを示した。一次診断は、食道上皮内の高倍率視野によって>15の好酸球が見られる内視鏡バイオプシーの組織学的評価と関連する嚥下障害の提示である。GERDの初期誤診が一般的であることからEoEの治療は通常高用量プロトンポンプ阻害薬の数クールを含む。PPIに非反応性の患者では内視鏡検査によりEoEが確認されると、3D(薬物(Drugs)、食事制限(Diet)、及び食道の拡張(dilation))による処置が標準治療とみなされる。現在EoEの承認された療法はないが、最も一般的に用いられる薬物は嚥下型フルチカゾンiCS(440ug、1日2回(bid))である。近位及び遠位食道間の組織学的差異は、嚥下されたフルチカゾンにより準最適な沈着が生じることを示す。反応率は通常50%より高いが、療法の中断に対する高い再発率はEoEが慢性状態であることを示している(Straumann A, Aceves SS, Blanchard C, Collins MH, Furuta GT, Hirano I, Schoepfer AM, Simon D, Simon H-U.Pediatric and adult Eosinophilic Esophagitis: similarities and differences. Allergy 2012; 67: 477-490)。LTA及びTNF-a療法による試験は、療法の明らかな改善をもたらさなかった(A.J.Lucendo et al., Montelukast Was Inefficient in Maintaining Steroid-Induced Remission in Adult Eosinophilic Esophagitis Dig Dis Sci (2011) 56:3551-3558)。メポリズマブ(抗IL-5)療法は組織学的好酸球数の有意な減少を実証したが、小(n=11)探索研究では有意な症状の改善を実証できなかった(Straumann A、活発な好酸球性食道炎の抗インターロイキン-5抗体治療(メポリズマブ):無作為化プラセボ対照二重盲検試験、Gut 2010;59:21-30)。メポリズマブは周辺性好酸球を5倍減少させたが、バイオプシー好酸球を2倍しか減少させず(例えば走化性漏出)、患者は有意に高い周辺性エオタキシンレベル又は抗IL-5抗体への自己抗体を有した(A Straumann、活溌な好酸球性食道炎の抗-インターロイキン-5抗体治療(メポリズマブ):無作為化プラセボ対照二重盲検試験、Gut 2010;59:21-30)。これらの知見は、EoEの抗IL-5療法に対する関門を提示している。EoEは相当な症候負担及び医療負担で全ての年齢に発症し、未だ対処されていない高い医学的必要性を示している。標的疾患リンク−好酸球は通常は食道上皮では見られず、Th2型炎症性疾患としてのEoEの認識は、この疾患の理解へ向けた大きなステップだった(Straumann A, Aceves SS, Blanchard C, Collins MH, Furuta GT, Hirano I, Schoepfer AM, Simon D, Simon H-U.Pediatric and adult eosinophilic esophagitis: similarities and differences. Allergy 2012; 67: 477-490)。EoEの診断における疾患の認識増加及びバイオプシーの中心的役割を前提として、一次文献で多数の研究が要約され、好酸球が主要な診断マーカーであると示している。この病態生理学は、おそらく疾患のT細胞成分に差があるが、一般的に成人及び小児科EoEに対して一貫性がある。特徴的なTh2細胞型は何らかの役割を果たすが、エオタキシン-3系(axis)(CCR3及びCCL26)は好酸球の食道への動員の原因となる重要な因子であることに最も強く関与している。この好酸球のエフェクター機能は、食道上皮の直接破壊の証拠を伴うことが示された。好酸球の脱顆粒は好酸球カチオン性タンパク質及び好酸球ペルオキシダーゼの放出をもたらし、両方とも細胞毒性効果を有し、EoE患者で観察される重要な食道のリモデリングに関係がある。従ってEoEにおける好酸球の顕著な役割、エオタキシン-3系による直接シグナル伝達、及び好酸球走化性におけるCCR3の明白な役割を前提として、CCR3拮抗薬を用いたEoEに対する標的疾患リンクが主要文献に提供されている。式1の化合物を用いて男性で得られたデータは、まず最初に用量及び曝露依存様式で好酸球の形状変化を阻止する能力を示す(内部データ)。好酸球の形状変化の阻害は、好酸球活性化及びエオタキシン活性の阻害の代替測定となる。従って式1の化合物のような全身利用可能な化合物はEoEにおける好酸球数を減らし、炎症を軽減するであろうし、高い医学的必要性が確認されているEoEの症状の改善を達成できるであろうことを示唆する。 さらに式1の化合物は、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群、及びチャーグ・ストラウス症候群から選択されるさらなる炎症性疾患(これらの疾患はそれぞれ好酸球性炎症と関連するので)に有用であると予想される。患部組織への好酸球走化性の阻止は、根底にある炎症及び組織損傷を回復させると予測される。投与量 式1の化合物の投与量範囲は、一般的に100〜1000mg、特に200〜900mg、300〜900mg又は350〜850mg又は390〜810mgである。100、200、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900mg、好ましくは350、400、450、750、800、850mgの1日の経口投与量に対して1又は2錠、好ましくは2錠与えることができる。 投与量範囲は1錠又は2錠で達成することができ;好ましくはそれぞれ投与量の半分を含有する錠剤を2錠投与する。 活性成分の適用は、1日3回まで、好ましくは1日1又は2回行なってよい。特定の有効性成分含量は400mg又は800mgである。実施例 従って、本発明は、鼻ポリープ症及び好酸球性食道炎(EoE)から選択される疾患の治療のための式1の化合物の使用に関する。上記合理的発明によれば、これは本化合物がCCR3受容体を阻害する能力と関連する。式1の化合物のKi値(ヒトCCR3受容体におけるヒトエオタキシン-1)を下表に示す。 本明細書では、「活性」は、上記アッセイで測定したときに阻害における1μM以上で50%の阻害を示す化合物を意味するものとする。該結果は、CCR3受容体活性の阻害薬としての本化合物の固有活性を示している。 式1の化合物の実施例は、参照によってその内容をここに援用するWO2010115836の記載に従って調製することができる。HClを含有する溶液から遊離塩基を結晶化することによって、これらの実施例の塩を形成することができる。好ましくは実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10は二塩酸塩の形態である。(表続き)(表続き) ドライ型加齢黄斑変性(dAMD)、ウェット型加齢黄斑変性(wAMD)、未熟児網膜症(ROP)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群及びチャーグ・ストラウス症候群から選択される疾患の治療用薬物として使用するための下記式1(式中R1はH、C1-6-アルキル、C0-4-アルキル-C3-6-シクロアルキル、C1-6-ハロアルキルであり;R2はH、C1-6-アルキルであり;Xは、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオンであり;jは1又は2である)の化合物。 式中、R1がH、C1-6-アルキルであり;R2がH、C1-6-アルキルであり;Xが、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオンであり;jが1又は2である、請求項1に記載の化合物。 式中、R1がH、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり;R2がH、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり;Xが、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオン、好ましくは塩化物イオンであり;jが1又は2、好ましくは2である、請求項1又は2に記載の化合物。 式中、R1がH、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり;R2がH、メチルであり;Xが、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオン、好ましくは塩化物イオンであり;jが1又は2、好ましくは2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。 式中、R1がH、メチルであり;R2がH、メチルであり;Xが、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオン、好ましくは塩化物イオンであり;jが1又は2、好ましくは2である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。 式中、Xが塩化物イオンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。 式中、jが2である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。 未熟児網膜症(ROP)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症及び好酸球性食道炎から選択される疾患の治療用薬物として使用するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の式1の化合物。 鼻ポリープ症、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群及びチャーグ・ストラウス症候群から選択される疾患の治療ための請求項1〜7のいずれか1項に記載の式1の化合物の使用。 鼻ポリープ症及び好酸球性食道炎から選択される疾患の治療のための請求項9に記載の使用。 未熟児網膜症(ROP)及び網膜中心静脈閉塞症(CRVO)から選択される疾患の治療のための請求項9に記載の使用。 本発明は、ドライ型加齢黄斑変性(dAMD)、ウェット型加齢黄斑変性(wAMD)、未熟児網膜症(ROP)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、鼻ポリープ症、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎(例えば好酸球性胃炎及び好酸球性腸炎)、好酸球増加症候群及びチャーグ・ストラウス症候群から選択される疾患の治療用薬物として使用するための下記式(1)(式中、R1はH、C1-6-アルキル、C0-4-アルキル-C3-6-シクロアルキル、C1-6-ハロアルキルであり;R2はH、C1-6-アルキルであり;Xは、塩化物イオン又は1/2ジベンゾイル酒石酸イオンから成る群より選択されるアニオンであり;jは1又は2である)のCCR3阻害薬に関する。【選択図】なし