生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_細胞内シグナル伝達分子
出願番号:2003534539
年次:2005
IPC分類:7,C12N15/09,A61K38/00,A61K39/395,A61K45/00,A61K49/00,A61P1/00,A61P5/00,A61P5/14,A61P15/00,A61P25/00,A61P29/00,A61P35/00,A61P37/06,C07K1/22,C07K14/47,C07K16/18,C07K16/46,C12M1/00,C12M1/34,C12N1/15,C12N1/19,C12N1/21,C12N5/10,C12N9/00,C12N9/02,C12N9/12,C12N9/14,C12N9/16,C12N15/02,C12P21/02,C12P21/08,C12Q1/00,C12Q1/32,C12Q1/34,C12Q1/42,C12Q1/48,C12Q1/68,G01N33/15,G01N33/50,G01N33/53,G01N37/00


特許情報キャッシュ

ユエ、ヘンリー リュ、デュング・アイナ・エム スウォーナカール、アニータ タング、ワイ・トム グリフィン、ジェニファー・エイ エマーリング、ブルック・エム フォーサイス、イアン・ジェイ ヤオ、モニーク・ジー ランクマール、ジャヤラクシミ リチャードソン、トマス・ダブリュ ベチャ、シャニア・ディー リー、アーンスティーン・エイ ワレン、ブリジット・エイ レーア−メイソン、パトリシア・エム ボーグン、マライア・アール リー、ジョアナ・エックス ダガン、ブレンダン・エム ギエツェン、キンバリー・ジェイ ラル、プリーティ・ジー ボロースキー、マーク・エル アイソン、クレイグ・エイチ サンガベル、カビサ スー、ユーミング リー、サリー エリオット、ビッキー・エス スプレイグ、ウィリアム・ダブリュ アジムザイ、ヤルダ ハファリア、エープリル、ジェイ・エイ ディング、リー ニュエン、ダニエル・ビー ホンチェル、シンシア・ディー ルオ、ウェン チョーラ、ナリンダー・ケイ マーキス、ジョセフ・ピー ジャクソン、ジェニファー・エル トラン、ユエン・ケイ JP 2005504546 公表特許公報(A) 20050217 2003534539 20020816 細胞内シグナル伝達分子 インサイト・ゲノミックス・インコーポレイテッド 301005050 大島 陽一 100089266 ユエ、ヘンリー リュ、デュング・アイナ・エム スウォーナカール、アニータ タング、ワイ・トム グリフィン、ジェニファー・エイ エマーリング、ブルック・エム フォーサイス、イアン・ジェイ ヤオ、モニーク・ジー ランクマール、ジャヤラクシミ リチャードソン、トマス・ダブリュ ベチャ、シャニア・ディー リー、アーンスティーン・エイ ワレン、ブリジット・エイ レーア−メイソン、パトリシア・エム ボーグン、マライア・アール リー、ジョアナ・エックス ダガン、ブレンダン・エム ギエツェン、キンバリー・ジェイ ラル、プリーティ・ジー ボロースキー、マーク・エル アイソン、クレイグ・エイチ サンガベル、カビサ スー、ユーミング リー、サリー エリオット、ビッキー・エス スプレイグ、ウィリアム・ダブリュ アジムザイ、ヤルダ ハファリア、エープリル、ジェイ・エイ ディング、リー ニュエン、ダニエル・ビー ホンチェル、シンシア・ディー ルオ、ウェン チョーラ、ナリンダー・ケイ マーキス、ジョセフ・ピー ジャクソン、ジェニファー・エル トラン、ユエン・ケイ US 60/313,245 20010817 US 60/314,751 20010824 US 60/316,752 20010831 US 60/316,847 20010831 US 60/322,188 20010914 US 60/326,390 20010928 US 60/328,952 20011012 US 60/345,468 20011019 US 60/372,499 20020412 7 C12N15/09 A61K38/00 A61K39/395 A61K45/00 A61K49/00 A61P1/00 A61P5/00 A61P5/14 A61P15/00 A61P25/00 A61P29/00 A61P35/00 A61P37/06 C07K1/22 C07K14/47 C07K16/18 C07K16/46 C12M1/00 C12M1/34 C12N1/15 C12N1/19 C12N1/21 C12N5/10 C12N9/00 C12N9/02 C12N9/12 C12N9/14 C12N9/16 C12N15/02 C12P21/02 C12P21/08 C12Q1/00 C12Q1/32 C12Q1/34 C12Q1/42 C12Q1/48 C12Q1/68 G01N33/15 G01N33/50 G01N33/53 G01N37/00 JP C12N15/00 A A61K39/395 D A61K39/395 N A61K45/00 A61K49/00 Z A61P1/00 A61P5/00 A61P5/14 A61P15/00 A61P25/00 A61P29/00 A61P35/00 A61P37/06 C07K1/22 C07K14/47 C07K16/18 C07K16/46 C12M1/00 A C12M1/34 Z C12N1/15 C12N1/19 C12N1/21 C12N9/00 C12N9/02 C12N9/12 C12N9/14 C12N9/16 B C12P21/02 C C12P21/08 C12Q1/00 C12Q1/32 C12Q1/34 C12Q1/42 C12Q1/48 Z C12Q1/68 A G01N33/15 Z G01N33/50 Z G01N33/53 D G01N33/53 M G01N37/00 102 C12N15/00 C C12N15/00 F C12N5/00 A A61K37/02 AP(GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,LU,MC,NL,PT,SE,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,OM,PH,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2002026322 20020816 WO2003031568 20030417 576 20040213 2G045 4B024 4B029 4B050 4B063 4B064 4B065 4C084 4C085 4H045 2G045AA25 2G045AA40 2G045BB03 2G045BB20 2G045CB01 2G045DA12 2G045DA13 2G045DA14 2G045DA36 2G045DA37 2G045DA77 2G045FB02 2G045FB03 2G045FB15 4B024AA01 4B024AA11 4B024AA19 4B024BA44 4B024BA80 4B024CA04 4B024CA05 4B024CA06 4B024CA07 4B024CA09 4B024CA10 4B024CA11 4B024DA02 4B024DA06 4B024EA04 4B024FA02 4B024FA10 4B024GA05 4B024GA11 4B024GA18 4B024GA19 4B024HA03 4B024HA08 4B024HA12 4B024HA14 4B024HA19 4B029AA07 4B029AA21 4B029AA23 4B029BB20 4B029CC03 4B029FA12 4B050CC01 4B050CC03 4B050DD11 4B050LL03 4B063QA01 4B063QA18 4B063QA20 4B063QQ20 4B063QQ42 4B063QQ44 4B063QQ63 4B063QQ89 4B063QR04 4B063QR07 4B063QR08 4B063QR10 4B063QR13 4B063QR18 4B063QR20 4B063QR32 4B063QR55 4B063QR57 4B063QR62 4B063QR63 4B063QR66 4B063QR82 4B063QS12 4B063QS25 4B063QS34 4B063QS36 4B063QX02 4B063QX07 4B064AG01 4B064AG27 4B064CA02 4B064CA10 4B064CA19 4B064CA20 4B064CC24 4B064DA01 4B064DA13 4B065AA26X 4B065AA90X 4B065AA93Y 4B065AB01 4B065AC14 4B065BA02 4B065BA24 4B065CA24 4B065CA27 4B065CA44 4B065CA46 4C084AA17 4C084DC50 4C084NA14 4C084ZA01 4C084ZA66 4C084ZA81 4C084ZB08 4C084ZB11 4C084ZB26 4C084ZC02 4C084ZC06 4C085AA13 4C085BB11 4C085CC02 4C085CC04 4C085CC21 4H045AA10 4H045AA11 4H045AA20 4H045AA30 4H045AA40 4H045BA10 4H045BA41 4H045CA40 4H045DA76 4H045DA86 4H045DA89 4H045EA20 4H045EA50 4H045EA61 4H045FA72 4H045FA74 4H045GA26 【技術分野】【0001】本発明は、新規の核酸群、それら核酸がコードする細胞内シグナル伝達分子ならびに、これらの核酸とタンパク質とを利用した、細胞増殖異常、内分泌障害、自己免疫/炎症疾患、神経疾患、胃腸障害、生殖障害、発達障害、および小胞輸送障害を含む、診断、治療、および予防に関する。本発明は更に、核酸および細胞内シグナル伝達分子の発現における、外因性化合物の効果についての評価に関する。【背景技術】【0002】細胞間の信号伝達は、多細胞生物の成長、発生および生存に必須である。細胞は、分子シグナルを送受信して信号伝達する。分子シグナルの一例の成長因子は、標的細胞表面の特異的膜貫通受容体に結合し活性化させる。活性化された受容体は細胞内でシグナルを伝達し、それによってカスケード式生化学反応を開始し、それらの反応が最終的に標的細胞内で遺伝子転写と細胞周期進行に影響を与える。【0003】細胞内シグナル伝達は、シグナル伝達分子の細胞膜受容体への結合に始まり細胞内標的分子の活性化で終わるカスケード式生化学反応を通じて細胞が細胞外シグナル(ホルモン、神経伝達物質、成長因子及び分化因子等)に応答する過程である。この過程の中間段階においては、プロテインキナーゼを通じたリン酸化による様々な細胞質タンパク質の活性化およびプロテインホスファターゼによるその不活性化が起こり、更にこれらの活性化した蛋白質の幾つかが最終的に細胞核へ移行しそこで特定遺伝子群の転写がトリガされる。細胞内シグナル伝達過程は細胞増殖、細胞分化及び遺伝子転写など全タイプの細胞機能を調節し、本過程に関わる多様な分子の例としてはプロテインキナーゼ及びホスファターゼが、更にセカンドメッセンジャー分子として例えばサイクリックヌクレオチド、カルシウム-カルモジュリン、イノシトール、及び種々の分裂促進因子(タンパク質リン酸化を調節)が挙げられる。【0004】特有のクラスのシグナル伝達分子が、臭気物質の検出に関与する。臭気物質の検出過程には、臭気受容体類の特異的な認識が関与する。嗅覚粘膜は、また別のグループの臭気物質結合タンパク質を有するようであり、これらは別のクラスの臭気物質を認識し結合する。例えば、臭気粘膜で高度に発現されるが他の組織では検出されないmRNA群に相当するcDNAクローン群がラットから単離されている。これらのクローンによってコードされるタンパク質は、リポ多糖またはポリ塩化ビフェニルに結合するタンパク質に相同的であり、粘膜組織の特定の部位で異なるタンパク質が発現されているようである。これらのタンパク質は、臭気物質が臭気物質受容体によって特異的な認識を受ける以前あるいは以後に、それらの臭気物質と相互作用しており、おそらく選択的シグナルフィルターとして作用していると信じられている(Dear, T.N. 他 (1991) EMBO J. 10:2813-2819、Vogt, R.G. 他 (1991) J. Neurobiol. 22:74-84)。【0005】細胞はまた、シグナルをオフに切り替えることによって変化しつつある状態に応答する。多くのシグナル伝達タンパク質は短命で、ユビキチン(高度に保存されている小さなタンパク質)との共有結合連結による分解へ急速に標的化される。細胞はまた、膜で囲まれた細胞質外区画(extracytoplasmic compartments)内での変性したタンパク質またはアンフォールドしたタンパク質の濃度変化監視機序を維持する。そうした機序の内には、小胞体内で利用可能なシャペロン分子の濃度を監視し、サイトゾルにシグナルを送り、小胞体内シャペロンをコードする核内遺伝子の転写を活性化させるような、ある膜貫通受容体が含まれる。【0006】細胞内シグナル伝達経路内の数種のタンパク質はシグナル伝達カスケードに関与する他のタンパク質同士の連結またはクラスター化に寄与する。これらのタンパク質を足場、固着またはアダプタ蛋白質と呼ぶ(概説はPawson, T.およびJ.D. Scott (1997) Science 278:2075-2080を参照)。プロテインキナーゼ及びホスファターゼ等の細胞内シグナル伝達タンパク質の多くは比較的基質特異性が広いため、これらのアダプターは成分のシグナル伝達タンパク質を特定の生化学経路に組織化する手助けをする。上記シグナル伝達分子の多くは、タンパク質間相互作用を促進する特定のドメイン群を持つ特徴がある。これらドメインの例、及び他の重要な細胞内メッセンジャーについて以下に述べる。【0007】細胞内シグナル伝達セカンドメッセンジャー分子タンパク質リン酸化プロテインキナーゼ類とプロテインホスファターゼ類は、種々のシグナル蛋白質のリン酸化と活性化を制御することにより細胞内シグナル伝達プロセスで重要な役割を果たす。この反応のための高エネルギー燐酸は一般に、或るプロテインキナーゼによってアデノシン三リン酸(ATP)分子から或る特定のタンパク質へ転移され、また、或るプロテインホスファターゼによってそのタンパク質から取り除かれる。プロテインキナーゼは、セリンまたはトレオニン残基をリン酸化するもの(セリン/トレオニンキナーゼ、STK)とチロシン残基をリン酸化するもの(プロテインチロシンキナーゼ、PTK)の2つのグループに大ざっぱに分けられる。少数のプロテインキナーゼは、セリン/トレオニン残基とチロシン残基との二重特異性を有する。ほとんどすべてのキナーゼは、保存された250〜300のアミノ酸からなる触媒ドメインを有し、そのドメイン内には、キナーゼファミリーに特徴的な特定の残基群と配列モチーフ群を含む(Hardie, G. および S. Hanks (1995) The Protein Kinase Facts Books, Vol I:7-20, Academic Press, San Diego, CA)。【0008】STKには、サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)(ホルモン誘導性細胞応答の仲介に関与)、カルシウム−カルモジュリン(CaM)依存性プロテインキナーゼ(平滑筋の収縮、グリコーゲン分解、および神経伝達の仲介に関与)、およびマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPキナーゼ)(リン酸化カスケードを介して細胞表面から核へのシグナル伝達を仲介)などのセカンドメッセンジャー依存性プロテインキナーゼが含まれる。PKA発現の変化は、癌、甲状腺疾患、糖尿病、アテローム性動脈硬化症および心血管疾患など、種々の障害や疾患に関連する(Isselbacher, K. J.他(1994) Harrison’s Principles of Internal Medicine, McGraw-Hill, Inc. New York, NY,416431, 1887ページ)。【0009】PTKは、膜貫通型の受容体PTKと非膜貫通型で非受容体のPTKに分けられる。膜貫通型PTKは、ほとんどの成長因子に対する受容体である。非受容体PTKは膜貫通領域を含まず、細胞表面受容体の細胞内領域との複合体を形成する。非受容体PTKを介して機能する受容体には、サイトカイン受容体およびホルモン受容体(成長ホルモンおよびプロラクチン)や、Tリンパ球およびBリンパ球における抗原特異的受容体が含まれる。これらPTKの多くは、PTK活性化が正常な細胞制御を受けない癌細胞における変異性オンコジーン産物として初めに同定された。実際、既知オンコジーンの約3分の1がPTKをコードする。また、細胞形質転換(発癌)はチロシンリン酸化活性の上昇を伴う場合が多いことは周知である(Charbonneau H. および N.K. Tonks (1992) Annu. Rev. Cell Biol. 8:463-493)。【0010】以前は原核生物だけに存在すると考えられていたある別のファミリーのプロテインキナーゼが、ヒスチジンプロテインキナーゼファミリー(HPK)である。HPKは、哺乳類のSTKまたはPTKとほとんど相同性をもたず、HPK特有の配列モチーフを有する(Davie, J.R. 他(1995) J. Biol. Chem. 270:19861-19867)。HPK分子のN末端半分(領域I)中の1つのヒスチジン残基は、自己リン酸化部位である。HPK分子のC末端半分にある3つの付加的なモチーフには、領域IIでの不変のアスパラギン残基と領域IIIとIVのヌクレオチド結合ドメインに特徴的な2つのグリシンリッチなループが含まれる。最近、HPKの特徴をもつ、1つの分枝鎖α-ケト酸デヒドロゲナーゼキナーゼがラットで見つかっている(Davie 他、前出)。【0011】プロテインホスファターゼは、キナーゼによって以前に活性化された分子からリン酸基を除いてプロテインキナーゼの効果を調節する。プロテインホスファターゼの2つの主なカテゴリは、プロテイン(セリン/トレオニン)ホスファターゼ(PP)とプロテインチロシンホスファターゼ(PTP)である。PPはリン酸化セリン/トレオニン残基を脱リン酸する、多くのcAMP仲介性ホルモン応答の重要な制御因子である(Cohen, P. (1989) Annu. Rev. Biochem. 58:453-508)。PTPはプロテインチロシンキナーゼの効果を逆転し、細胞周期および細胞内シグナル伝達プロセスにおいて重要な役割を果たす(CharbonneauおよびTonks, 前出)。前述のように、多くのPTKが発癌遺伝子によってコードされ、発癌にチロシンリン酸化活性の上昇を伴う場合が多い。従ってPTPは、細胞におけるチロシンリン酸化のレベルを調節して細胞形質転換および様々な癌の成長を防止或いは逆転する可能性がある。この仮定は、PTPの過剰な発現により細胞の形質転換を抑制でき、PTPの特異的阻害により細胞形質転換を促進できるという研究結果によって支持される(Charbonneauおよび Tonks, 前出)。【0012】リン脂質及びイノシトールリン酸シグナル伝達イノシトールリン脂質(ホスホイノシチド)細胞内シグナル伝達経路は、シグナル伝達分子が形質膜のGタンパク質結合受容体に結合して始まる。これによって、イノシトールキナーゼによる形質膜の内側のホスファチジルイノシトール(PI)残基のリン酸化が起こり、PI残基が二リン酸状態(PIP2)に変換される。同時に、Gタンパク質結合受容体の結合が三量体Gタンパク質を刺激し、それによってホスホイノシチドに特異的なホスホリパーゼC-βが活性化される。ホスホリパーゼC-βは次にPIP2 を切断し、2種の産物、イノシトール三リン酸(IP3)とジアシルグリセロールとを生じる。これら2つの産物は、別々のシグナル伝達イベントのメディエーターとして作用する。IP3は形質膜を通って拡散し小胞体(ER)からのカルシウム放出を誘発し、一方、ジアシルグリセロールは膜内に残り、プロテインキナーゼC(標的細胞内の選択されたタンパク質をリン酸化するセリン−トレオニンキナーゼ)の活性化に寄与する。IP3によって開始されたカルシウム応答は特異的なイノシトールホスファターゼによるIP3の脱リン酸で終了する。この経路によって仲介される細胞応答には、バソプレッシンに応答する肝臓内グリコーゲン分解、アセチルコリンに応答する平滑筋収縮、およびトロンビン誘導性血小板凝集がある。【0013】イノシトールリン酸シグナル伝達は、tubbyと呼ばれる膜結合転写調節因子を制御する。tubbyはGαq共役受容体の細胞内メッセンジャーとして働く(Santagata 他(2001) Science 292:2041-2050)。tubbyファミリーのメンバーは、約260アミノ酸のC末端tubbyドメイン(二重鎖DNAに結合する)とN末端転写活性化ドメインを含む。tubbyはホスファチジルイノシトール4、5-二リン酸に結合し、ホスファチジルイノシトール4、5-二リン酸は原形質膜にtubbyを局在させる。Gタンパク質の活性化は、ホスホリパーゼC-の活性化とホスホイノシチド加水分解を導く。ホスファチジルイノシトール4、5-二リン酸が無くなると、tubbyが原形質膜より解離して核へ移動し、核でtubbyは標的遺伝子の転写を調節する。tubby遺伝子の欠損は、肥満、網膜変性、および聴力損失と関連する(Boggon, T.J. 他(1999) Science 286:2119-2125)。【0014】サイクリックヌクレオチドシグナル伝達サイクリックヌクレオチド(cAMP及びcGMP)は、ホルモン、光及び神経伝達物質等のさまざまな細胞外信号を伝達する細胞内セカンドメッセンジャーとして機能する特に、サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)は、さまざまなホルモン誘発性の細胞応答を含む殆どの哺乳動物細胞におけるcAMPの全効果の原因であると考えられている。目の中の視覚神経の興奮及び光信号の伝達はサイクリックGMPに調節されるCa2+特異性チャネルによって制御されている。これらさまざまな応答の仲介に関してサイクリックヌクレオチドの細胞内レベルが重要であるため、サイクリックヌクレオチドの合成と分解の調節は重要なことである。例えば、アドレナリンがβアドレナリン作動性受容体に結合することにより、AMPからcAMPを合成するアデニリルシクラーゼが活性化されて、筋肉内のcAMPレベルが増加する一方で、光受容体におけるcGMPレベルが増加し、グアニル酸シクラーゼが活性化され、これによってCa2+特異的チャネルの再開と目の中の暗状態が回復する。哺乳類アデニルシクラーゼには9つの膜貫通型アイソフォームと精巣内で優先的に発現される1つの可溶性の型が知られている。可溶性アデニリルシクラーゼは1つのPループすなわちヌクレオチド結合ドメインを有し、男性不妊に関与している可能性がある(Buck, J. 他(1999) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:79-84)。【0015】これと対照的に、cAMPとcGMP特異的ホスホジエステラーゼ(PDE)によるサイクリックヌクレオチドの加水分解は、サイクリックヌクレオチドレベルの増加に仲介されるこれらおよびその他の効果の反対の効果をもたらす。PDEファミリーの多様性を考慮すると、このタンパク質はサイクリックヌクレオチドの調節に特に重要であるようだ。基質の特異性と親和性、補助因子への感受性、および抑制性薬剤への感受性に基づいて、少なくとも7つのファミリーの哺乳類PDE(PDE1〜7)が同定されている(Beavo, J.A. (1995) Physiol. Rev. 75:725748)。PDEインヒビターは、様々な臨床的疾患を治療するのに特に有用であることがわかっている。PDE4インヒビターであるロリプラムは、抑鬱症の治療に用いられ、類似のインヒビターは抗炎症薬として評価が行われている。テオフィリンは、気管支喘息およびその他の呼吸器疾患の治療に用いられる非特異的PDEインヒビターである(Banner, K.H. および Page, C.P. (1995) Eur. Respir. J. 8:9961000)。【0016】カルシウムシグナル伝達分子Ca2+は、cAMPよりもさらに広く細胞内メディエーターとして使用されているもう一つのセカンドメッセンジャー分子である。細胞外シグナルに応答して、Ca2+は2つの経路でサイトゾルに流入する。第1の経路は主に神経シグナル伝達において機能し、Ca2+が電位依存性Ca2+チャネルを通じて神経終末に入る。第2はより遍在的な経路であり、細胞外シグナル伝達分子が受容体に結合するのに応答してCa2+がERからサイトゾル内に放出される。Ca2+はプロテインキナーゼCのような調節酵素を直接活性化し、その調節酵素がシグナル伝達経路をトリガする。Ca2+はカルモジュリン(CaM)など特異的なCa2+結合タンパク質(CBP)にも結合する。CBPは次に細胞内の複数の標的タンパク質、たとえば酵素、膜輸送ポンプおよびイオンチャネルなどを活性化する。CaM相互作用は多数の細胞過程に関与する。これには、限定はされないが、遺伝子調節、DNA合成、細胞周期進行、有糸分裂、細胞質分裂、細胞骨格編成、筋収縮、シグナル伝達、イオン恒常性、エキソサイトーシス、および代謝調節がある(Celio, M.R.他(1996) Guidebook to Calciumbinding Proteins, Oxford University Press, Oxford, UK, 15-20ページ)。一部のCa2+結合タンパク質は、1つ以上のEFハンドCa2+結合モチーフが存在するという特徴を持ち、これらのモチーフはαへリックスにはさまれた12アミノ酸を含んでいる(Celio、前出)。CBPの調節は、様々な疾患の制御に関係している。CaM調節性プロテインホスファターゼのカルシニュリンは、免疫抑制薬シクロスポリンおよびFK506の阻害標的である。このことは、免疫応答および免疫疾患におけるカルシニュリンとCaMの重要性を示唆している(Schwaninger M. 他(1993) J. Biol Chem.268:2311123115)。様々な種類の癌に関して、CaMレベルは腫瘍および腫瘍由来細胞株で数倍に増加する(Rasmussen, C.D. およびA.R. Means (1989) Trends Neurosci. 12:433-438)。【0017】アネキシンは、細胞膜に結合するカルシウム結合タンパク質のファミリーである(Towle, C.A. および B.V. Treadwell (1992) J. Biol. Chem. 267:5416-5423)。アネキシンは、負に帯電したリン脂質(ホスファチジルコリンとホスファチジルセリン)にカルシウム依存的、可逆的に結合する。アネキシンは、原形質膜でのシグナル伝達に関係する種々の過程(膜-細胞骨格相互作用、ホスホリパーゼ抑制、抗凝血、および膜融合など)に関与する。アネキシンは約60残基の4〜8のリピートセグメントを含む。各リピートは5つのα螺旋に折り畳み、右旋性の超らせんを形成する。【0018】Gタンパク質シグナル伝達グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)は、細胞外受容体の特別のクラスであるGタンパク質共役受容体(GPCR)と、cAMPとCa2+など細胞内セカンドメッセンジャーの間のシグナル伝達の重要なメディエーターである。Gタンパク質はGPCRの細胞質側に連結され、リガンド結合によるGPCRの活性化がGタンパク質のGTPへの結合を刺激し、Gタンパク質での「活性化」状態を誘導する。活性化状態で、Gタンパク質は細胞内の他のイベントを起こすシグナルとして作用する。そのようなイベントとしてはcAMPレベルの上昇、またはERからサイトゾルへのCa2+放出があり、それらは次に他の細胞内タンパク質のリン酸化と活性化を調節する。Gタンパク質の不活性状態へのリサイクリングは、Gタンパク質のGTPase活性による結合したGTPのGDPへの加水分解を伴う(Alberts, B. 他(1994) Molecular Biology of the Cell Garland Publishing, Inc. New York, NY, 734-759ページを参照)。Gタンパク質スーパーファミリーは幾つかのファミリーで構成され、翻訳因子、膜貫通シグナル過程に関与するヘテロ三量体Gタンパク質、および低分子量(LMW)Gタンパク質(例えばプロトオンコジーンRasタンパク質とrab、rap、rho、rac、smg21、smg25、YPT、SEC4、ARFの各遺伝子産物)およびチューブリンにグループ分けしうる(Kaziro, Y. 他(1991) Annu. Rev. Biochem. 60:349-400)。どの場合も、GTPase活性は他のタンパク質との相互作用を通じて調節される。Gタンパク質活性は、脂質類似体、アミノ酸およびその誘導体、ペプチド、サイトカイン、特殊な刺激(光、味、臭い等)に反応する膜7回貫通細胞表面受容体(Gタンパク質共役受容体)によりトリガされる。刺激による受容体の活性化は、Gタンパク質に結合したGDPからGTPへの置換を引き起こす。Gα-GTPは受容体βγ複合体から解離する。そしてこれらの分離した組成物のそれぞれは下流エフェクターと相互作用して、制御することができる。Gαが結合したGTPをGDPに加水分解し、βγ複合体と再会合する時、シグナル伝達は停止する(Neer, 前出)。【0019】Rasタンパク質は膜結合分子スイッチであり、GTPとGDPとに結合し、GTPをGDPへゆっくり加水分解する。Rasのこの固有GTPase作用は、総称して「GAP」またはGTPase活性化タンパク質として知られるタンパク質のファミリーによって刺激される。RasのGTP結合型は活性なので、Ras-GAPタンパク質はRasを下方制御する。Ras GapはRasのGTPase活性を加速するα螺旋状ドメインであり、それによって「オフ」位置に「スイッチ」する(Wittinghofer, A.他(1997) FEBS Lett. 410:6367)。【0020】グアニンヌクレオチド結合タンパク質(GTP結合タンパク質)は、すべての真核細胞において代謝、細胞成長、分化、シグナル伝達、細胞骨格組織化、並びに細胞内小胞の輸送および分泌を含む広範囲な調節機能に関与する。高等生物では、免疫応答(Aussel, C. 他 (1988) J. Immunol. 140:215-220)、アポトーシス、分化、および癌化を含めた細胞増殖 (Dhanasekaran, N. 他 (1998) Oncogene 17: 1383-1394)等のプロセスを調節するシグナル伝達に関与する。結合したGDPのGTPへの交換とそれに続くGTPのGDPへの加水分解は、GTP結合タンパク質類のコンフォメーション変化と他の細胞成分との相互作用を可能にするエネルギーを供給する。GTP結合タンパク質のスーパーファミリーは幾つかのファミリーで構成され、翻訳因子、膜貫通シグナル伝達過程に関与するヘテロ三量体GTP結合タンパク質(Gタンパク質とも呼ばれる)、および低分子量(LMW)GTP結合タンパク質(例えばプロトオンコジーンRasタンパク質とrab、rap、rho、rac、smg21、smg25、YPT、SEC4、ARFの各遺伝子産物)およびチューブリンにグループ分けしうる(Kaziro, Y. 他(1991) Annu. Rev. Biochem. 60:349-400)。どの場合も、GTPase活性は他のタンパク質との相互作用を通じて調節される。【0021】低分子量(LMW)GTP結合タンパク質は、細胞成長、細胞周期制御、タンパク質分泌および細胞内小胞相互作用を調節する。これらのGTP-結合タンパク質は、分裂促進シグナルを伝達することにより受容体と活性化するタンパク質からの細胞外シグナルに応答する(Tavitian, A. (1995) C. R. Seances Soc. Biol. Fil. 189:7-12)。低分子量GTP-結合タンパク質は、21〜30kDの1本鎖ポリペプチドから構成され、これはGTPに結合して加水分解でき、そうすることによって不活性状態から活性にサイクリングする。【0022】低分子量GTP結合タンパク質は、GDPとGTPの交換により、サイトソルから膜へのタンパク質と可溶性化合物の移動等の細胞タンパク質輸送イベントにおいて重要な役割を果たす(Ktistakis, N.T. (1998) BioEssays 20:495-504)。小胞輸送において、小胞と標的特異的識別因子(v-SNARE および t-SNARE)間の相互作用は、その小胞を受容膜に融合させる。出芽過程は密接に関連するADPリボシル化因子(ARF)とSARタンパク質等のGTPaseによって調節されるが、rab等のGTPaseはSNARE複合体の集合を可能にする。また、欠陥のある複合体の除去で或る役割を果たしている可能性がある(Rothman, J. および F.T.Wieland (1996) Science 272:227-234)。rabタンパク質は、タンパク質の局在、プロセシング、および分泌のための、小胞から膜への移動と膜から小胞への移動を制御する。Rho GTP-結合タンパク質は、成長因子受容体と、正常な細胞成長と分裂に必要なアクチン重合を結びつけるシグナル伝達経路を制御する。Ran GTP-結合タンパク質は細胞核内に局在し、核内タンパク質移入、DNA合成制御、および細胞周期進行で重要な役割を有する (Hall, A. (1990) Science 249:635-640、Scheffzek, K. 他(1995) Nature 374:378-381)。【0023】GTPを結合した活性型とGDPを結合した不活性型の間のLMW GTP結合タンパク質のサイクリングは、他のタンパク質群によって制御されている。グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)は、ヌクレオチド解離速度を数桁も増加させて、GDPの放出とGTPとの結合を促進する。数種のRasファミリータンパク質もまた、GDP解離を阻害するグアニンヌクレオチド解離インヒビター(GDI)によって調節される。LMW GTP-結合タンパク質のGTP加水分解の固有速度は通常非常に遅いが、GTPase活性化タンパク質(GAP)によってその速度が数桁も刺激されることがある(Geyer, M.およびWittinghofer, A. (1997) Curr. Opin. Struct. Biol. 7:786-792)。【0024】三量体Gタンパク質はα、β、γの3つのサブユニットから成り、それらのサブユニットは不活性コンフォメーションで原形質膜の内面で三量体として会合する。GαはGDPまたはGTPに結合し、GTPase活性を持つ。βγ複合体は、Gαの或る受容体への結合を増強する。GγはGβの折り畳みと活性に必要である(Neer, E.J. 他(1994) Nature 371:297-300)。各サブユニットの複数の相同体が哺乳類組織で同定されており、サブユニットの異なる組み合わせが特定の機能と組織特異性をもつ(Spiegel, A.M. (1997) J. Inher. Metab. Dis. 20:113-121)。G-βタンパク質あるいはβトランスデューシンとしても知られるβサブユニットは、WDリピート配列モチーフ(調節機能を有する多くのタンパク質に見られるモチーフ)の7つのタンデムリピートを含む。βトランスデューシンタンパク質の突然変異と変異体発現は、種々の疾患に関連する(Neer, E.J. 他 (1994) Nature 371:297-300、Margottin, F. 他 (1998) Mol. Cell. 1:565574)。【0025】へテロ三量体Gタンパク質のαサブユニットは、4つの別個のクラスに分けられ得る。α-sクラスは百日咳毒素によるADPリボシル化に感受性があり、百日咳毒素は受容体Gタンパク質相互作用を脱共役させる。この脱共役は、cAMPレベルを減らす受容体へのシグナル伝達をブロックする。これら受容体は通常、イオンチャネルを調節し、ホスホリパーゼを活性化する。阻害的α-Iクラスも、α-IによるcAMPレベル低下を妨げる百日咳毒素に修飾されやすい。百日咳毒素の修飾に抵抗力のあるαサブユニットの2つの新規なクラスが、ホスホリパーゼを活性化するα-q、およびショウジョウバエ遺伝子concertinaと配列相同性をもち、胚発生の制御に寄与する可能性のあるα-12である(Simon, M.I. (1991) Science 252:802-808)。【0026】哺乳類のGβサブユニットとGγサブユニットは各々約340アミノ酸長で、80%以上の相同性を共有する。Gβサブユニット(別名:トランスデューシン)は7つのリピートユニットを有し、それぞれのリピートは約43アミノ酸長である。両方のサブユニットの活性は、カルモジュリンとphosducin(フォスデューシン)、または神経タンパク質GAP43のような他のタンパク質によって調節されている可能性がある(Clapham, D. および E. Neer (1993) Nature 365:403-406)。βサブユニットとγサブユニットは緊密に会合している。βサブユニット配列は種間で非常に保存されており、Gタンパク質結合システムの組織化と機能で基本的に重要な役割を果たすことを意味する(Van der Voorn, L. (1992) FEBS Lett. 307:131-134)。それら配列は、WDリピート配列モチーフ(調節機能を有する多くのタンパク質に見られるモチーフ)の7つのタンデムリピートを含む。WDリピートタンパク質は、約40アミノ酸の保存性のゆるいリピートを4〜8コピー含むが、そのリピートはタンパク質間相互作用に関与する。βトランスデューシンタンパク質の突然変異と変異体発現は、種々の疾患に関連する。LIS1(ヒト血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼの或るサブユニット)内の突然変異はMiller-Dieker脳回欠損を起こす。RACK1は活性化したプロテインキナーゼCと結合し、RbAp48は網膜芽腫タンパク質と結合する。CstFはin vitroで哺乳類mRNA前駆体のポリアデニル化に必要であり、切断刺激因子のサブユニット群と会合する。βカテニンの調節の欠陥は、ヒト細胞の腫瘍性形質転換に寄与する。ヒトFボックスタンパク質bTrCPのWD40リピートは、βカテニンへの結合を仲介して、ユビキチンリガーゼによるβカテニン標的化分解を調節する(Neer, 他 前出; Hart, M. 他(1999) Curr. Biol. 9:207-210)。γサブユニット一次構造はβサブユニット一次構造より変異性がある。これらはしばしば翻訳後、C末端から4アミノ酸のシステイン残基のイソプレニル化とカルボキシルメチル化によって修飾され、これはβγサブユニットと膜および他のGタンパク質との相互作用に必要であるらしい。βγサブユニットは、アデニリルシクラーゼのアイソフォーム群、ホスホリパーゼC、および幾つかのイオンチャネルの活性を調節することが示されている。βγサブユニットは特定のキナーゼ類を介して受容体リン酸化に関与し、MAPキナーゼカスケードのp21ras依存性活性化と、Gタンパク質による特定の受容体の認識に関与すると考えられている(Clapham および Neer、前出)。【0027】Gタンパク質はアデニリルシクラーゼなど種々のエフェクターと相互作用する(Clapham および Neer、前出)。cAMPによって仲介されるシグナル経路は、副腎皮質、甲状腺、卵巣、下垂体、および精巣などのホルモン依存性内分泌組織で分裂促進的である。これら組織での癌は、gsp(Gsタンパク質)オンコジーンとして知られる、Gαsの突然変異的に活性化された型に関連付けられてきた(Dhanasekaran, N.他(1998) Oncogene 17: 1383-1394)。別のエフェクターはフォスデューシン(網膜リンタンパク質)であり、網膜のGβとGγ(Gβγ)と特定の複合体を形成し、網膜Gαと相互作用するGβγの能力を調節する(Clapham および Neer、前出)。【0028】Gタンパク質シグナル伝達カスケードでの異常は、白血球とリンパ球の異常な活性化をおこすことがあり、多くの炎症性疾患と自己免疫疾患(リウマチ様関節炎、胆汁性肝硬変、溶血性貧血、紅斑性狼瘡、および甲状腺炎など)に見られる組織損傷や組織破壊に至る。脳、甲状腺、副腎、および性腺組織の細胞増殖のサイクリックAMP刺激を含めた、異常な細胞増殖はGタンパク質によって調節されている。Gαサブユニットでの突然変異が、成長ホルモンを分泌する下垂体GH産生腫瘍、機能亢進性甲状腺腫、および卵巣と副腎の腫瘍で見つかっている(Meij, J.T.A. (1996) Mol.Cell Biochem.157:31-38; Aussel, C. 他(1988) J. Immunol. 140: 215-220)。【0029】LMW Gタンパク質は、細胞成長、細胞周期制御、タンパク質分泌および細胞内小胞相互作用を調節するGTPaseである。LMW Gタンパク質は、ヘテロ三量体Gタンパク質のαサブユニットの様に、GTPに結合して加水分解できる1本鎖ポリペプチドから構成され、従って不活性と活性の状態の間でサイクリングする。LMW Gタンパク質は受容体と活性化するタンパク質からの細胞外シグナルに応答し、種々の細胞機能に関与する分裂促進シグナルを伝達する。GTPの結合と加水分解はLMW-Gタンパク質の応答を調節し、この過程中のエネルギー源として作用する(Bokoch, G.M. および C.J. Der (1993) FASEB J. 7:750-759)。【0030】LMW-Gタンパク質スーパーファミリーの少なくとも60のメンバーが同定されており、現在、ras、rho、arf、sar1、ran、およびrabのサブファミリー群に分けられている。活性化されたras遺伝子は、最初にヒトの癌で見つかり、その後の研究は、rasの機能が、細胞が成長し続けるか又は分化するかの決定に重要なことを確認した。Ras1とRas2タンパク質は、アデニル酸シクラーゼを刺激して(Kaziro、他 前出)、広範囲の細胞過程に影響を与える。細胞表面レセプターを刺激するとRasが活性化し、Rasが次に、細胞質キナーゼを活性化する。これらのキナーゼは核に移動して、遺伝子発現とタンパク質合成を制御する重要な転写因子を活性化させる(Barbacid, M. (1987) Annu. Rev. Biochem. 56:779-827、Treisman, R. (1994) Curr. Opin. Genet. Dev. 4:96-98)。LMW-Gタンパク質スーパーファミリーの他のメンバーはシグナル伝達に役割をもち、その役割は、活性化された遺伝子の機能と、作用を開始させるGタンパク質の位置によって異なる。Rho Gタンパク質は、成長因子受容体と、正常な細胞成長と分裂に必要なアクチン重合を連結するシグナル伝達経路を制御する。rab、arf、およびsar1のタンパク質ファミリーは、タンパク質のプロセシング、局在、および分泌のための、小膜から膜への移動と膜から小胞への移動を制御する。小胞と標的の特異的識別因子(v-SNARE および t-SNARE)が互いに結合して、その小胞を受容膜に融合させる。出芽過程は密接に関連するADPリボシル化因子(ARF)とSARタンパク質によって調節されるが、rabタンパク質はSNARE複合体の集合を可能にする。また、欠陥のある複合体の除去で或る役割を果たしている可能性がある(Rothman, J. および F. Wieland (1996) Science 272:227-234)。Ran Gタンパク質は細胞核内に局在し、核内タンパク質移入、DNA合成制御、および細胞周期進行で重要な役割を有する(Hall, A. (1990) Science 249:635-640、Barbacid,前出、Ktistakis, N. (1998) BioEssays 20:495-504、Sasaki, T. および Y. Takai (1998) Biochem. Biophys. Res. Commun. 245:641-645)。【0031】小胞輸送でのRabタンパク質の機能は、多くの他のタンパク質の協力を要する。特に、膜の標的化過程は、一連のエスコート蛋白質によって援助される(Khosravi-Far, R. 他(1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:6264-6268)。中間ゴルジでは、輸送小胞のVAMP様タンパク質が受容膜のシンタキシン(syntaxin)様タンパク質に結合するのを、GTP結合したRabタンパク質が引き起こし、このことが次にカスケード式のタンパク質結合イベントと膜融合イベントを引き起こすことが知られている。輸送後、標的膜内のGTPase活性化タンパク質(GAP)によって、GTP結合Rabタンパク質がGDP結合状態に変換される。最後に、グアニンヌクレオチド解離インヒビター(GDI)が、GDP結合タンパク質を起点側の膜に動員する。【0032】GTPを結合した活性型とGDPを結合した不活性型の間のLMW Gタンパク質のサイクリングは、様々なタンパク質によって制御される。グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)は、ヌクレオチド解離速度を数桁も増加させて、GDPの放出とGTPとの結合を促進する。 最も良く特徴付けられたGEFは、ショウジョウバエSon-of-Sevenless タンパク質の哺乳類相同体である。数種のRasファミリータンパク質もまた、GDP解離を阻害するグアニンヌクレオチド解離インヒビター(GDI)によって調節される。LMW Gタンパク質のGTP加水分解の固有速度は通常、非常に遅いが、GTPase活性化タンパク質(GAP)によってその速度が数桁も刺激されることがある(Geyer, M.およびA. Wittinghofer (1997) Curr. Opin. Struct. Biol. 7:786-792)。GEFとGAPの活性の両方は、細胞外刺激によって制御され、RalBP1とPOB1のような付属タンパク質によって調節されている可能性がある。GTPに結合するが加水分解しない突然変異Rasファミリー蛋白質は、常に活性化されており、細胞増殖や癌を起こす。ヒトのオンコジーンNET1(ある種のRho−GEF)のような、LMW Gタンパク質を不適当に活性化するGEFも同様の異常を起こす(Drivas, G.T. 他(1990) Mol.Cell Biol.10:1793-1798; Alberts, A.S.およびR. Treisman (1998) EMBO J. 14:4075-4085)。【0033】ARFファミリーGタンパク質の1つのメンバーがcentaurinβ1Aであり、これは膜トラフィックとアクチン細胞骨格の調節因子である。GTPase活性化タンパク質(GAP)とArfグアニンヌクレオチド交換因子のcentaurinβファミリーは、ホスホイノシチドによって活性化されるプレクストリン(pleckstrin)相同性(PH)ドメインを含む。PHドメインはホスホイノシチドに結合するので、シグナル伝達過程にPHドメインが関与していると考えられる。ホスホイノシチドは、centaurinβファミリーを介してArf−GTPをArf−GDPに変換する役割を持ち、またArf活性化で或る役割を持つ(Kam, J.L. 他(2000) J. Biol. Chem. 275:9653-9663)。rho GAPファミリーはまた、形質膜でのアクチン重合の調節といくつかの細胞内過程に関与すると考えられる。遺伝子ARHGAP6はGTPase活性化タンパク質6アイソフォーム4をコードする。Xp22.3での500kbの重要な領域の欠失に見られるように、ARHGAP6での突然変異は小眼球・線状皮膚異形成症(syndrome microphthalmia with linear skin defects、MLS)を起こす。MLSはX連鎖優性の男性致死症候群である(Prakash, S.K. 他(2000) Hum. Mol. Genet. 9:477-488)。【0034】Rabタンパク質は、膜特異的シグナル情報を含む高度に変異性のあるアミノ末端とRabタンパク質がアンカーする標的膜を決定するプレニル化したカルボキシ末端を有する。様々な種で30以上のRabタンパク質が同定されており、各々のRabは特徴的な細胞内位置と特有の輸送機能を有する。特に、Rab1とRab2はERからゴルジへの輸送に重要である。Rab3は分泌小胞を細胞外膜へ輸送する。Rab5はエンドソームにあり初期エンドソームの後期エンドソームへの融合を調節する。Rab6はゴルジ体に特異的であり、ゴルジ間輸送イベントを調節する。Rab7とRab9は、それぞれ後期エンドソームとゴルジ小胞のリソソームとの融合を刺激する。Rab10は中間ゴルジ(medial Golgi)からトランスゴルジへの小胞融合を仲介する。Rabタンパク質の突然変異型は、ある経路のタンパク質輸送を遮断したり、細胞内小器官全体の大きさを変え得る。したがって、Rab類は膜トラフィックで主要な調節的役割を果たす(Schimmoller, I.S. および S.R. Pfeffer (1998) J. Biol. Chem. 243:22161-22164)。【0035】小胞輸送でのRabタンパク質の機能は、多くの他のタンパク質の協力を要する。特に、膜の標的化過程は、一連のエスコート蛋白質によって援助される(Khosravi-Far, R. 他(1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:6264-6268)。中間ゴルジでは、輸送小胞のVAMP様タンパク質が受容膜のシンタキシン(syntaxin)様タンパク質に結合するのを、GTP結合したRabタンパク質が引き起こし、このことが次にカスケード式のタンパク質結合イベントと膜融合イベントを引き起こすことが知られている。輸送後、標的膜内のGTPase活性化タンパク質(GAP)によって、GTP結合Rabタンパク質がGDP結合状態に変換される。最後に、グアニンヌクレオチド解離インヒビター(GDI)が、GDP結合タンパク質を起点側の膜に動員する。【0036】他のGタンパク質シグナル伝達系調節因子(RGS)も存在し、主に、未知の機序によってGタンパク質経路を負に調節して作用する(Druey, K.M. 他(1996) Nature 379:742-746)。ほぼ15のメンバーのRGSファミリーが同定されている。RGSファミリーメンバーは、RGSドメインという約120アミノ酸の領域内の類似性を通じて構造的に関連しており、培養された哺乳類293T細胞でのMAPキナーゼのインターロイキン(サイトカイン)誘導を阻害する能力によって機能的にも関連している(Druey 他、前出)。【0037】Gタンパク質Rhoファミリーの或るメンバー、CDC42は、細胞分裂に必要な細胞骨格再構成の調節因子である。CDC42は、特定のGAP(CDC42GAP)によって不活性化され、CDC42GAPはCDC42のGTPase活性を強く刺激する一方、他のRhoファミリーメンバーへはずっと小さな効果をもつ。CDC42GAPはまた、p85αやc-Srcのような細胞シグナルタンパク質のSH3ドメインと相互作用するSH3結合ドメインを1つ含むので、CDC42GAPはCDC42と他の細胞シグナル経路群とのリンクとして作用する可能性がある(Barfod, E.T. 他(1993) J. Biol. Chem. 268:26059-26062)。【0038】Dblタンパク質は、RhoとRasのGタンパク質のためのGEFの1つのファミリーである(Whitehead, I.P. 他(1997) Biochim. Biophys. Acta 1332:F1-F23)。すべてのDblファミリーメンバーは、約180アミノ酸のDbl相同性(DH)ドメインおよびDHドメインからすぐのC末端側に位置するプレクストリン相同性(PH)ドメインを含む。種々の細胞株を形質転換する能力によって実証されるように、ほとんどのDblタンパク質は発癌作用を有し、これは、Rhoによって媒介される発癌シグナル経路の調節因子としての役割と一致する。kalirinタンパク質はDblファミリーの神経細胞特異的なメンバーで、培養された神経細胞の固有な細胞下領域に局在する(Johnson, R.C. (2000) J. Cell Biol. 275:19324-19333)。【0039】他のGタンパク質シグナル伝達系調節因子(RGS)も存在し、主に、未知の機序によってGタンパク質経路を負に調節して作用する(Druey, K.M. 他(1996) Nature 379:742-746)。ほぼ15のメンバーのRGSファミリーが同定されている。RGSファミリーメンバーは、RGSドメインという約120アミノ酸の領域内の類似性を通じて構造的に関連しており、培養された哺乳類293T細胞でのMAPキナーゼのインターロイキン(サイトカイン)誘導を阻害する能力によって機能的にも関連している(Druey 他、前出)。【0040】免疫関連ヌクレオチド(Immuno-associated nucleotide (IAN) )ファミリータンパク質は、保存されたATP/GTP結合部位P-ループモチーフによって示されるように、GTP結合活性を有する。IANファミリーには、IAN-1、IAN-4、IAP38、およびIAG-1が含まれる。IAN-1は、免疫系で、特にT細胞と胸腺細胞によって発現される。その発現は、胸腺イベント中に誘導される(Poirier, G.M.C. 他(1999) J. Immunol. 163: 4960-4969)。IAP38は、B細胞とマクロファージで発現され、その発現は病原体によって脾細胞内で誘導される。IAG-1は植物分子であり、細菌感染時に誘導される(Krucken, J. 他(1997) Biochem. Biophys. Res. Commun. 230:167-170)。IAN-4はミトコンドリア膜タンパク質であり、bcr/abl発癌遺伝子の突然変異型に対して野生型で形質移入された造血前駆細胞32Dで優先的に発現される。bcr/abl発癌遺伝子は慢性骨髄性白血病(あるクローン性骨髄増殖疾患)に関連していることが知られており、この疾患は22番染色体上のbcr遺伝子と9番染色体上のabl遺伝子との間の転座に起因する。bcrはブレイクポイントクラスター領域遺伝子であり、ablはAbelsonマウス白血病ウイルスの癌化遺伝子の細胞性相同体である。したがって、IANファミリーのタンパク質は免疫応答と細胞性転換での細胞生存で或る役割を果たすようである(Daheron, L. 他(2001) Nucleic Acids Res. 29:1308-1316)。【0041】フォルミン関連遺伝子(FRL)は、大きなファミリーの形態調節遺伝子から成り、Rhoファミリーの低分子GTPaseとの相互作用を通じて、形態形成、胚形成、細胞極性、細胞遊走、および細胞質分裂で重要な役割を果たすことが示されている。フォルミンは最初、四肢すべてで遠位骨と指が融合してサイズが小さくなっている、マウスの四肢奇形(limb deformity (ld))突然変異体で同定された。FRLは、フォルミン相同性ドメイン(FH1、FH2、FH3)を含む。FH1ドメインは、Src相同性3(SH3)ドメイン、WWP/WWドメイン群、およびプロフィリンと結合することが示されている。FH2ドメインでの破壊は特徴的なldの表現型の結果となるため、FH2ドメインは保存的で、フォルミンの機能に必須であると示された。FH3ドメインはFRLのN末端にあり、RhoファミリーGTPaseであるRacとの会合に必要である(Yayoshi-Yamamoto, S. 他(2000) Mol. Cell. Biol. 20:6872-6881)。【0042】シグナル伝達複合タンパク質ドメインPDZドメインは、初めて発見されたときにこのドメインを含んでいた3つのタンパク質にちなんで名づけられた。これらのタンパク質はPSD-95(postsynaptic density 95)、Dlg(Drosophila lethal(1)discs large-1)およびZO-1(zonula occludens-1)である。これらのタンパク質はそれぞれ神経シナプス伝達、腫瘍抑制および細胞間結合形成において重要な役割を果たす。これらのタンパク質の発見以来、多様な原核生物および真核生物においてPDZ含有タンパク質が更に60以上同定されている。このドメインは受容体およびイオンチャネルのクラスター化に、また多タンパク質シグナル伝達複合体を原形質膜の細胞質面の特殊化した機能領域へ導く過程に関与するとされている(PDZドメイン含有タンパク質に関する概説はPonting, C. P. 他(1997) Bioessays 19:469-479参照)。PDZドメインの多くは真核生物のMAGUK(膜関連グアニル酸キナーゼ)タンパク質ファミリーの中で見られる。MAGUKのメンバーは受容体とチャネルとの細胞内ドメインに結合する。しかし、PDZドメインは様々な膜局在タンパク質、たとえばプロテインチロシンホスファターゼ、セリン/トレオニンキナーゼ、Gタンパク質補助因子および、シントロフィン(syntrophin)と神経一酸化窒素シンターゼ(nNOS)などシナプス関連タンパク質の中でも見られる。1つのタンパク質で最大9つのPDZドメインが同定されているが、所与のタンパク質において通常およそ1〜3つのPDZドメインが見られる。グルタミン酸受容体相互作用タンパク質(GRIP)は7つのPDZドメインを含んでいる。GRIPは数種のグルタミン酸受容体を他のタンパク質にリンクするアダプタである。また、脳の興奮性シナプスにおけるこれら受容体のクラスター形成の原因である可能性がある (Dong, H. 他(1997) Nature 386:279-284)。ショウジョウバエのscribble(SCRIB)タンパク質は、複数のPDZドメインとロイシンリッチリピートの両方を含む。SCRIBは上皮の有隔結合(septate junction)に局在する。有隔結合は、脊椎動物で頂端と基底の細胞表面の境界にある密着結合(tight junction)に相似する。SCRIBは頂端タンパク質の分布と接着結合の側底細胞表面への正しい配置に関与する(Bilder, D. および N. Perrimon (2000) Nature 403:676-680)。【0043】PXドメインは、タンパク質間相互作用を促進するために特殊化されたドメインの1例である。PXドメインは、sorting nexin、およびNADPHオキシダーゼのPhoX成分とホスファチジルイノシトール3-キナーゼのCpkクラスを含めた様々な他のタンパク質群に見られる。ほとんどのPXドメインは、SH3ドメイン結合タンパク質に特徴的な或るポリプロリンモチーフを含む(Ponting, C.P. (1996) Protein Sci. 5:2353-2357)。NADPHオキシダーゼのPhoX成分が関わるSH3ドメイン仲介相互作用は、NADPHオキシダーゼの多タンパク質複合体の形成で或る役割を果たす(Leto, T.L. 他(1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10650-10654; Wilson, L. 他(1997) Inflamm. Res. 46:265-271)。【0044】SH3ドメインは細胞質プロテインチロシンキナーゼであるプロトオンコジーンc-Srcの或る領域との相同性によって定義される。SH3はプロリンリッチのリガンドと相互作用し50から60のアミノ酸からなる小さなドメインである。SH3ドメイン群は、シグナル伝達、細胞分極、および膜と細胞骨格との相互作用に関与する様々な真核生物タンパク質で見られる。いくつかのSH3ドメイン含有タンパク質は、受容体チロシンキナーゼと直接相互作用する。たとえば、SLAP-130タンパク質はT細胞受容体(TCR)に刺激されるプロテインキナーゼの基質である。SLAP-130はSH3ドメインを通じてタンパク質SLP-76と相互作用し、インターロイキン2のTCR誘導性発現に影響する(Musci, M.A. 他(1997) J. Biol. Chem. 272:11674-11677)。最近同定されたもう一つのSH3ドメイン蛋白質がマクロファージアクチン関連チロシン燐酸化タンパク質(MAYP)である。MAYPはマクロファージがコロニー刺激因子1(CSF-1)へ応答するときにリン酸化され、おそらく、CSF-1に誘導されるアクチン細胞骨格再編成の調節において役割を果たす(Yeung, Y.-G. 他(1998) J. Biol. Chem. 273:30638-30642)。SH3ドメインの構造は互いに直角にパックされた2枚の逆平行βシートによって特徴付けられる。このパッキングにより、異なるSH3ドメイン間で高度に保存されている残基群で内張りされた疎水性ポケットが形成される。このポケットが、リガンドのプロリン残基との重要な疎水性接触を実現する(Feng, S. 他(1994) Science 266:1241-1247)。【0045】WWドメインと呼ばれる新規なドメインは、プロリンリッチなリガンドに結合できる点でSH3ドメインに似ている。WWドメインが初めて見つかったのは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに直接関与する細胞骨格タンパク質であるジストロフィン内である(Bork, P. および M. Sudol (1994) Trends Biochem. Sci. 19:531-533)。WWドメインはその後、発生、細胞分化および細胞増殖に関与する様々な細胞内信号伝達分子の中で見つかっている。WWドメインの構造は、4つの保存された芳香族残基(一般にトリプトファン)の近くに群を成すβストランドからなる。【0046】SH3と同様に、SH2ドメインはc-Srcの或る領域との相同性によって定義される。SH2ドメインは、ホスホチロシン残基と直接に相互作用し、したがって受容体チロシンキナーゼが仲介するシグナル経路の制御と伝達の直接の機序を提供する。例えば、10種ほどの異なるSH2ドメイン群が、活性化されたPDGF受容体中のリン酸化チロシン残基に結合することができ、したがってリガンド仲介受容体活性化に対し、非常に協調した、かつ精巧に適合した応答を提供できる(概説はSchaffhausen, B. (1995) Biochim. Biophys. Acta. 1242:61-75参照)。BLNKタンパク質は、B細胞活性化に関与するリンカー蛋白質であり、B細胞受容体関連キナーゼを、種々のシグナル経路へリンクするSH2ドメインエフェクターに橋渡しする(Fu, C. 他(1998) Immunity 9:93-103)。【0047】プレクストリン(pleckstrin)相同性(PH)ドメインは、血小板のプロテインキナーゼCの主要な基質であるpleckstrinで最初に同定された。発見以来、PHドメインは細胞内シグナル伝達または細胞骨格編成に関与する90以上のタンパク質で同定されている。プレクストリン相同性ドメインを含むタンパク質としては、様々なキナーゼ、ホスホリパーゼCの各アイソフォーム、グアニンヌクレオチド放出因子およびGTPase活性化タンパク質等が挙げられる。たとえば、FGD1ファミリーのメンバーは、Rhoグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)およびPHドメインの両方とFYVE Znフィンガードメインを含む。FGD1遺伝子は遺伝性骨格異形成の一つであるfaciogenital異形成の原因である (Pasteris, N.G. およびJ.L. Gorski (1999) Genomics 60:57-66)。多くのPHドメインタンパク質は原形質膜との会合で機能し、この会合を仲介しているのはPHドメインそのものであるらしい。PHドメインは1つの両親媒性αヘリックスと隣接した2枚の逆平行βシートからなる共通の構造を共有する。その構成部分であるβストランド同士をつなぐ可変ループ群は一般に、正に荷電した環境にある。また、リガンド結合部位として機能している可能性がある(Lemmon, M.A. 他(1996) Cell 85:621-624)。アンキリン(ANK)リピートは多様な細胞内シグナル伝達機能に関連するタンパク質間相互作用を仲介する。例えばANKリピートは細胞増殖に関与するタンパク質、すなわちキナーゼ、キナーゼインヒビター、腫瘍抑制因子、および細胞周期制御タンパク質などで見られる(例えばKalus, W. 他(1997) FEBS Lett.401:127-132; Ferrante, A.W. 他(1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:1911-1915参照)。これらのタンパク質は一般に複数のANKリピートを含み、その各々が約33個のアミノ酸からなっている。ミオトロフィンは、多くの心臓病の寄与因子である心臓肥大の発症に重要な役割を果たすANKリピート蛋白質である。構造研究によると、ミオトロフィンANKリピートは、他のANKリピート同様にその各々が突出した「チップ」に続くヘリックス・ターン・ヘリックスコアを形成している。これらのチップは可変配列であり、タンパク質間相互作用において役割を果たしている可能性がある。ANKリピートのヘリックス・ターン・ヘリックス領域は互いに積み重なっており、疎水性相互作用で安定化されている (Yang, Y. 他(1998) Structure 6:619-626)。ASBタンパク質ファミリーのメンバーは、サイトカインシグナル伝達抑制因子(suppressor of cytokine signaling:SOCS)ドメイン、並びに複数のアンキリンリピートを含む(Hilton, D.J. 他(1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:114-119)。【0048】テトラトリコペプチドリピート(TPR)は、バクテリアからヒトにいたる生物に見られる34個のアミノ酸の反復モチーフである。TPRは両親媒性のヘリックスを形成すると予測されており、タンパク質同士の相互作用を仲介すると思われる。TPRドメインはCDC16、CDC23、およびCDC27で見つかっている。これらは有糸分裂の後期の始まりにおいてタンパク質を分解のために誘導する後期促進複合体のメンバーである。TPRが関与する他の過程としては、細胞周期制御、転写抑制、ストレス応答、およびプロテインキナーゼ阻害等が挙げられる(Lamb, J.R. 他(1995) Trends Biochem. Sci. 20:257-259)。【0049】アルマジロ/βカテニンリピートは、タンデムにリピートするとαヘリックスのスーパーヘリックスを形成する42アミノ酸モチーフである。βカテニンのアルマジロリピート領域の構造はスーパーヘリックスの片面に正電荷の浅い溝を持っていて、そこが結合表面である可能性がある。p120cas、プラコグロビンおよびβカテニンのアルマジロリピートはカドヘリンの細胞質ドメインに結合する。βカテニン/カドヘリン複合体は細胞接着および細胞移動性を支配する調節シグナルの標的である(Huber, A.H. 他(1997) Cell 90:871-882)。【0050】約40残基の8つのタンデムリピート(WD-40リピート)(各リピートには中心にTrp-Aspモチーフを含む)がβトランスデューシン(G-β)を作り上げ、G-βはグアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)の3つのサブユニット(α、β、およびγ)の1つである。高等真核生物でG-βは、約340アミノ酸残基で高度に保存されたタンパク質の、小さな多重遺伝子族として存在する。WDリピートは、また他のタンパク質ファミリーでも見つかっている。例えば、βTRCPは、βカテニンを含む特定のタンパク質群をユビキチン-プロテアソーム分解経路に動員するユビキチンリガーゼ複合体の1成分である。βTRCPとそのアイソフォーム群はすべて、7つのWDリピート、並びに特徴的な「F-ボックス」モチーフを含む(Koike, J. 他.(2000) Biochem. Biophys. Res. Commun. 269: 103-109)。【0051】ノッチファミリー受容体によるシグナル伝達は、発生期に細胞運命決定を制御する(Frisen, J.およびLendahl, U. (2001) Bioessays 23:3-7)。ノッチ受容体シグナル経路は、多細胞種での多くの器官および組織の、形態形成と発達とに関与する。ノッチ受容体は、反復EGFドメインの細胞外領域を含む大きな膜貫通タンパク質である。ノッチレス(Notchless)は、ノッチ活性をモジュレ−トする分子のスクリ−ンで同定された(Royet, J. 他(1998) EMBO J. 17:7351-7360)。9つのWD40リピートを含むノッチレスはノッチの細胞質ドメインに結合し、ノッチ活性を阻害する。Eps8は、細胞内上皮成長因子受容体(EGFR)の或る基質である。【0052】セマフォリンは分泌されたグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーと膜貫通糖タンパク質である。セマフォリンは、様々な感覚神経軸索と運動神経軸索において化学忌避剤(chemorepellant)として機能する(Soker, S. (2001) Int. J. Biochem. Cell Biol. 33:433-437)。セマフォリンは、プレキシン受容体の1タイプのリガンドを構成する。【0053】腫瘍壊死因子受容体関連因子 (TRAF)は、アダプタタンパク質のファミリーを構成し、これらの受容体のサイトゾルドメインを下流タンパク質キナ−ゼまたは他のタンパク質ファミリーにも見出されるWDリピ−トに関連させる。【0054】例えば、βTRCPはユビキチンリガーゼの1成分である。これらのタンパク質は、TRAFとTNF受容体と、他のアダプタタンパク質とキナ−ゼ間の相互作用の仲介に関与するCOOH末端の近くの固有領域であるTRAFドメイン(TD)を共有する。【0055】発現プロファイル作成マイクロアレイは、生体分析で用いられる分析ツ−ルである。マイクロアレイは複数の分子を有し、それらは或る固体支持体の表面で空間的に分布し、その表面と安定して結合している。ポリペプチド、ポリヌクレオチド、そして/あるいは抗体のマイクロアレイが開発されており、その種々の用途には遺伝子シークエンシング、遺伝子発現のモニタリング、遺伝子マッピング、細菌同定、薬剤発見、コンビナトリアルケミストリがある。【0056】特にマイクロアレイの使用として見出された1つの分野は、遺伝子発現分析である。アレイ技術は、単一の多型遺伝子の発現や、多数の関連遺伝子または無関係の遺伝子の発現プロファイルを探求する、簡単な方法を提供し得る。単一遺伝子の発現を試験するときは、アレイを用いて、或る特定遺伝子又はその変異体の発現を検出する。発現プロファイルを試験するときは、アレイは次のような遺伝子を同定するプラットフォームを提供する。即ちどの遺伝子が組織特異的か、毒性アッセイにおいてテストされる物質に影響されるか、シグナル伝達カスケードの一部であるか、ハウスキーピング機能を実行するか、又は、特定の遺伝的素因や、条件、疾患、又は障害に、特異的に関連する遺伝子であるかの同定である。【0057】ステロイドホルモンステロイドは、コレステロール、胆汁酸、ビタミンD、ホルモン等の脂質可溶性分子の1クラスであり、シクロペンタヒドロフェナントレン(cyclopentanoperhydrophenanthrene)に基づく共通な4リング構造を共有し、広範囲な機能を実施する。例えば、コレステロールは膜流動性を制御する細胞膜の1成分である。それは脂質を可溶化して、消化中に小腸で吸収を促進する胆汁酸の前駆体でもある。ビタミンDは小腸におけるカルシウムの吸収を調節し、血漿におけるカルシウムの濃度を制御する。副腎皮質、卵巣、精巣によって生成されるステロイドホルモンには、グルココルチコイド、電解質コルチコイド、アンドロゲン、エストロゲンが含まれる。それらは核内の特定の遺伝子の転写を調節する細胞内受容体に結合することにより、多様な生体プロセスを制御する。例えばグルココルチコイドは、肝臓における糖新生の調節により血糖濃度、脂肪組織のリポリシスの促進により脂肪酸の血中濃度を上昇させ、中枢神経内のカテコールアミンへの感度を調節し、炎症を減少する。主要な電解質コルチコイドであるアルドステロンは副腎皮質により生成され、ナトリウムイオン再吸収を促進するよう腎臓の遠位尿細管の細胞に作用する。精巣内のライディヒの間細胞により生成されるアンドロゲンには、思春期の変化すなわち精子の生成と第二次性徴の維持を誘発する男性ホルモンテストステロン等がある。女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは、卵巣そしてさらに妊娠中に胎盤と胎児の副腎皮質により生成される。エストロゲンは、女性生殖プロセスと第二次性徴を調節する。プロゲステロンは、月経周期と妊娠中の子宮内膜における変化を調節する。【0058】ステロイドホルモンは、避妊法、また怪我や関節炎、喘息、自己免疫障害等の疾患での抗炎症治療において広範囲に利用されている。天然のプロゲスチンであるプロゲステロンは、無月経、異常子宮出血を治療するために、または避妊薬として主に使用される。内因性のプロゲステロンは、エストロゲンに初回刺激された子宮の内膜内の受精卵着床に備えた分泌作用の誘導と妊娠維持を担う。それは黄体形成ホルモン(LH)に応答して黄体から分泌される。外因性のプロゲスチンの主要な避妊効果には、LHのmidcycle surge(月経中期サージ)の抑制が関係する。細胞レベルでプロゲスチンは自由に拡散して標的細胞に入っていき、プロゲステロン受容体に結合する。標的細胞には、女性の生殖管、乳腺、視床下部、下垂体がある。いったん受容体に結合すると、プロゲスチンは視床下部からのゴナドトロピン放出ホルモンの放出の頻度を遅くし、排卵前LHサージを鈍くする。それにより卵胞成熟と排卵を防ぐ。プロゲステロンには、最小限のエストロゲンとアンドロゲンの作用がある。プロゲステロンは、肝臓でプレグナンジオールに代謝され、グルクロン酸と抱合する。【0059】6_-メチル-17-ヒドロキシプロゲステロンとしても知られるメドロキシプロゲステロン(MAH)は、プロゲステロンよりも約15倍も大きな薬理学的作用を有する合成プロゲスチンである。MAHは腎臓癌と子宮内膜癌、無月経、異常子宮出血および、ホルモン失調と関連する子宮内膜症の治療のために使用される。MAHは呼吸中枢刺激作用を有し、睡眠時無呼吸、慢性閉塞性肺疾患あるいは炭酸過剰症によって引き起こされる、血液の低酸素化の症例に使用されている。【0060】RU-486としても知られるミフェプリストンは、プロゲステロンの受容体を阻害する抗プロゲステロン剤である。それは、妊娠を維持するのに必要であるプロゲステロンの影響を打ち消す。ミフェプリストンは、妊娠初期に投与し、続いてプロスタグランジン系ミソプロストールで処置すると自然流産を誘発する。さらに研究によると、避妊手段を用いない性交の後、5日以内に投与するとミフェプリストンは非常に低量の投与で、性交後の避妊薬として非常に効果的になり得る。従って避妊失敗や性的暴行の場合の女性に「モーニングアフターピル」を提供する。ミフェプリストンにはまた、腫瘍がプロゲステロン依存性である場合の乳癌と卵巣癌の治療において潜在的な使用可能性がある。それは脳髄膜腫のステロイド依存性成長に干渉する。また子宮内膜組織のエストロゲン依存性成長を阻止して子宮内膜症の治療においても有用であろう。子宮類線維腫とクッシング症候群の治療においても有用であろう。ミフェプリストンは糖質コルチコイド受容体に結合し、コルチゾール結合に干渉する。ミフェプリストンは抗糖質コルチコイドとしても作用する可能性があり、AIDS、神経性無食欲症、潰瘍、糖尿病、パーキンソン病、多発性硬化症、アルツハイマー病等、コルチゾールレベルが上昇する症状の治療に効果がありうる。【0061】ダナゾールは、エチニルテストステロン由来の合成ステロイドである。ダナゾールは、卵胞刺激ホルモンとLHの下垂体合成を低下させることによりエストロゲン生成を間接的に減少する。ダナゾールはまた標的組織内で性ホルモン受容体に結合して、同化作用、抗エストロゲン作用、弱いアンドロゲン作用を示す。ダナゾールはいかなるプロゲストゲン作用も有しておらず、コルチコトロピンの正常な下垂体放出あるいは副腎によるコルチゾールの放出を抑制しない。ダナゾールは、子宮内膜症の治療において、痛みを緩和し、子宮内膜細胞成長を阻害するために使用される。また乳腺症疾患と遺伝性血管浮腫の治療にも使用される。【0062】コルチコステロイドは炎症を緩和して、免疫応答を抑制するために使用される。コルチコステロイドは、炎症反応を仲介するサイトカインの調節により、好酸球、好塩基球、気道上皮性細胞機能を阻害する。コルチコステロイドは、炎症部位で白血球侵入を阻害し、炎症反応のメディエーターの機能において干渉し、さらに体液の免疫応答を抑制する。コルチコステロイドは、アレルギー、喘息、関節炎、皮膚病を治療するために使用される。ベクロメタゾンは、ステロイド依存性喘息を治療、アレルギーまたは非アレルギー(血管運動性)鼻炎に付随する症状を緩和、あるいは外科的切除に続く再発性鼻ポリープを予防するために使用される合成グルココルチコイドである。鼻腔内ベクロメタゾンの抗炎症作用および血管収縮作用は、ヒドロコルチゾンによるものより5000倍強力である。ブデソニドは、アレルギー性鼻炎または喘息に付随する症状を制御するために使用されるコルチコステロイドである。ブデソニドは、全身作用は弱いが強い局所抗炎症作用を有する。デキサメタゾンは、抗炎症組成物または免疫抑制組成物において使用される合成グルココルチコイドである。喘息の症状を予防するために吸入薬においても使用される中枢神経系に到達する強力な能力のために、デキサメタゾンは脳水腫を調節するために通常選択される治療である。デキサメタゾンは、ヒドロコルチゾンより約20〜30倍、そしてプレドニゾンより5〜7倍強力である。プレドニゾンは肝臓で代謝されて、活性型であるプレドニゾロン(抗炎症特性を有するグルココルチコイド)になる。プレドニゾンはヒドロコルチゾンより約4倍強力であり、そしてプレドニゾンの作用持続時間はヒドロコルチゾンとデキサメタゾンの中間である。プレドニゾンは、同種移植の拒絶反応、喘息、全身性紅斑性狼瘡、関節炎、潰瘍性大腸炎、その他の炎症症状を治療するために使用される。ベタメタゾンは抗炎症作用と免疫抑制作用を有する合成グルココルチコイドであり、乾癬と、水虫や白癬等の真菌感染症を治療するために使用される。【0063】コルチコステロイドの抗炎症作用は、リポコルチンと総称されるホスホリパーゼA2抑制タンパク質に関係すると考えられる。逆にリポコルチンは、前駆体分子アラキドン酸の放出を阻害することによりプロスタグランジン、ロイコトリエン等炎症の強力な媒介物の生合成を制御する。提案されている作用の機構には、減少したIgE合成、白血球上で増加したβ-アドレナリン受容体の数、減少したアラキドン酸代謝が含まれる。慢性気管支喘息等の即時アレルギー反応中、アレルゲンは肥満細胞の表面上のIgE抗体を架橋し、これらの細胞の化学走化性物質の放出を誘発する。従って肥満細胞の流入と活性化が、喘息患者の炎症と口腔粘膜の過剰刺激感受性に部分的に関与している。この炎症は、コルチコステロイドの投与によって遅れ得る。【0064】免疫応答細胞とタンパク質ヒトの末梢血単核球細胞(PBMC)は、Bリンパ球、Tリンパ球、NK細胞、単球、樹状細胞、前駆細胞を含む。【0065】グルココルチコイドは天然ホルモンであり、薬理量で投与すると、炎症および免疫応答を防止または抑制する。非結合グルココルチコイドは容易に細胞膜を越え、特異的細胞質レセプターに高親和性の結合をする。結合後、転写とタンパク合成に影響する。この結果には、炎症部位の白血球浸潤阻害、炎症応答メディエータ機能妨害、および液性免疫応答抑制を含みうる。コルチコステロイドの抗炎症作用は、リポコルチンと総称されるホスホリパーゼA2抑制タンパク質に関係すると考えられる。逆にリポコルチンは、前駆体分子アラキドン酸の放出を阻害することによりプロスタグランジンとロイコトリエン等炎症の強力な媒介物の生合成を制御する。【0066】ブドウ球菌の外毒素は、適切なTCR-Vβ鎖を発現して特異的にヒトのT細胞を活性化する。自然状態ではポリクローナルであるが、ブドウ球菌の外毒素によってT細胞を活性化するには、外毒素分子をT細胞に提示して最適なT細胞活性化に必要な共刺激シグナルを伝える、抗原提示細胞(APC)の存在を要する。ブドウ球菌の外毒素はAPCによってT細胞に提示される必要があるが、これらの分子はAPCによるプロセシングを必要としない。ブドウ球菌の外毒素はヒトのMHCクラスII分子の非多型性部分に直接結合し、これによりMHCクラスII分子の多型性抗原溝へのペプチドの捕捉、切断、結合の必要性を回避する。【0067】結腸癌遺伝子発現プロファイル作成の潜在的応用は特に、結腸癌のような癌の診断、予後診断、および治療の向上に関わる。結腸癌の発達には複数の段階があり、これらの段階の中で前癌結腸細胞が比較的順序の決まったイベントを経て腫瘍を形成する。腫瘍進行と悪性転換との過程に影響しうる幾つかの因子としては、遺伝因子、突然変異、及び選択がある。【0068】結腸直腸癌における遺伝子の改変の本質を理解するために、多くの研究は遺伝性疾患に焦点を合わせてきた。家族性大腸腺腫症(FAP)は、タンパク質の不完全または不活性な形態につながる大腸腺腫様ポリポーシス遺伝子(APC)の変異により引き起こされる。この腫瘍抑制因子遺伝子は、染色体5qにマッピングされてきた。遺伝性非ポリポーシス結腸直腸癌(HNPCC)は、不一致な修復遺伝子における突然変異により引き起こされる。遺伝性結腸癌症候群は人口のわずかな割合でしか発生せず、ほとんどの結腸直腸癌は散発的であると見なされるが、遺伝性症候群の研究から得られる知識は広範囲に応用することが可能である。例えば、APCの体細胞変異は散発性の結腸腫瘍の少なくとも80%で発生する。APCの変異は、疾患における開始事象であると見なされる。続いて他の変異が発生する。約50%の結腸直腸癌はras癌遺伝子における活性化突然変異を有するが、85%はp53における不活性化突然変異を有する。これらすべての遺伝子における変更は、結腸癌における遺伝子発現の変化につながる。【0069】当分野では新規の組成物群を必要とする。これら新規の組成物には、細胞増殖異常、内分泌系障害、自己免疫/炎症疾患、神経系疾患、胃腸疾患、生殖系障害、発達障害、および小胞輸送に関する疾患の診断・予防・治療のための核酸とタンパク質が含まれる。【発明の開示】【発明の効果】【0070】本発明の種々の実施態様は、総称して「INTSIG」、個別にはそれぞれ「INTSIG-1」、「INTSIG-2」、「INTSIG-3」、「INTSIG-4」、「INTSIG-5」、「INTSIG-6」、「INTSIG-7」、「INTSIG-8」、「INTSIG-9」、「INTSIG-10」、「INTSIG-11」、「INTSIG-12」、「INTSIG-13」、「INTSIG-14」、「INTSIG-15」、「INTSIG-16」、「INTSIG-17」、「INTSIG-18」、「INTSIG-19」、「INTSIG-20」、「INTSIG-21」、「INTSIG-22」、「INTSIG-23」、「INTSIG-24」、「INTSIG-25」、「INTSIG-26」、「INTSIG-27」、「INTSIG-28」、「INTSIG-29」、「INTSIG-30」、「INTSIG-31」、「INTSIG-32」、「INTSIG-33」、「INTSIG-34」、「INTSIG-35」、「INTSIG-36」、「INTSIG-37」、「INTSIG-38」、「INTSIG-39」、「INTSIG-40」、「INTSIG-41」、「INTSIG-42」、「INTSIG-43」、「INTSIG-44」、および「INTSIG-45」、と呼ぶ、細胞内シグナル分子である、精製されたポリペプチドを提供し、またこれらのタンパク質およびそれらをコードするポリヌクレオチドを使って病気および症状の検出、診断および治療を行う方法を提供する。実施様態は、効果、適量、毒性、薬理学の決定を含む薬剤発見プロセスを促進するために、精製した細胞内シグナル分子そして/あるいはそれらをコ−ドするポリヌクレオチドを利用する方法を提供する。関連する実施様態は、疾患の病因と医学的状況を調査するために、精製した細胞内シグナル分子そして/あるいはそれらをコ−ドするポリヌクレオチドを利用する方法を提供する。【0071】或る実施様態は、(a)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドと、(b)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択されたアミノ酸配列と90%以上同一であるあるいは少なくとも約90%同一である天然のアミノ酸配列を含むポリペプチドと、(c)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択されたアミノ酸配列を有するポリペプチドの生物学的活性断片と、(d)SEQ ID NO:1-45とからなる群から選択されたアミノ酸配列を有するポリペプチドの免疫原性断片とで構成される群から選択された単離したポリペプチドを提供する。別の実施様態は、SEQ ID NO:1-45のアミノ酸配列を含む単離したポリペプチドを提供する。【0072】また別の実施態様は(a)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択した或るアミノ酸配列を持つポリペプチド、(b)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択した或るアミノ酸配列との少なくとも90%の同一性を持つ或る天然アミノ酸配列を有するポリペプチド、(c)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択した或るアミノ酸配列を持つポリペプチドの生物学的活性断片、または(d)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択した或るアミノ酸配列を持つポリヌクレオチドの免疫原性断片、からなる群から選択した或るポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチドを提供する。一実施態様では、該ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1-45からなる群から選択した或るポリペプチドをコードする。別の実施態様では、ポリヌクレオチドはSEQ ID NO:46-90からなる群から選択される。【0073】更に別の実施様態は、(a)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含むポリペプチド、(b)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるあるいは少なくとも約90%同一である天然のアミノ酸配列を含むポリペプチド、(c)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの生物学的活性断片、または(d)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの免疫原性断片、からなる群から選択されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと機能的に連結したプロモーター配列を含む組換えポリヌクレオチドを提供する。別の実施態様では、本発明は組換えポリヌクレオチドを用いて形質転換した細胞を提供する。しかし別の実施様態は、組換えポリヌクレオチドを含む遺伝形質転換生物体を提供する。【0074】別の実施様態は、(a)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含むポリペプチド、(b)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるあるいは少なくとも約90%同一である天然のアミノ酸配列を含むポリペプチド、(c)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの生物学的活性断片、または(d)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの免疫原性断片、からなる群から選択したポリペプチドを製造する方法を提供する。製造方法は、(a)組換えポリヌクレオチドを用いて形質転換した細胞をポリペプチドの発現に適した条件下で培養する過程と、(b)そのように発現したポリペプチドを受容する過程とを有し、組換えポリヌクレオチドはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに機能的に結合したプロモーター配列を有する。【0075】更に別の実施様態は、(a)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含むポリペプチド、(b)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるあるいは少なくとも約90%同一である天然のアミノ酸配列を含むポリペプチド、(c)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの生物学的活性断片、または(d)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの免疫原性断片、から構成される群から選択されたポリペプチドに特異結合するような単離された抗体を提供する。【0076】また更に別の実施態様は、(a)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択したポリヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチド、(b)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択した或るポリヌクレオチド配列との少なくとも90%の同一性を有する或る天然ポリヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチド、(c)(a)に相補的なポリヌクレオチド、(d)(b)に相補的なポリヌクレオチド、および(e)(a)〜(d)のRNA等価物、からなる群から選択した、単離されたポリヌクレオチドを提供する。別の実施様態では、ポリヌクレオチドは少なくとも約20、30、40、60、80、あるいは100の連続したヌクレオチドを含むことができる。【0077】また別の実施様態は、サンプル中の標的ポリヌクレオチドを検出する方法を提供する。ここで標的ポリヌクレオチドは、(a)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択したポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、(b)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択したポリヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるあるいは少なくとも約90%同一である天然のポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、(c)(a)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(d)(b)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、および(e)(a)〜(d)のRNA等価物、からなる群から選択される。検出方法は、(a)サンプル中の上記標的ポリヌクレオチドに相補的な或る配列からなる少なくとも20の連続したヌクレオチド群からなる或るプローブを用いて該サンプルをハイブリダイズする過程と、(b)該ハイブリダイゼーション複合体の有無を検出する過程を含む。該プローブと該標的ポリヌクレオチドあるいはその断片との間でハイブリダイゼーション複合体が形成されるような条件下で、プローブは、該標的ポリヌクレオチドに対し特異的にハイブリダイズする。関連する或る実施様態では、方法にはハイブリダイゼーション複合体の量を検出することが含まれ得る。別の実施様態では、プローブは少なくとも約20、30、40、60、80、あるいは100の連続したヌクレオチドを含むことができる。【0078】更にまた別の実施様態は、サンプル中の標的ポリヌクレオチドを検出する方法を提供する。ここで標的ポリヌクレオチドは、(a)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択したポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、(b)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択したポリヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるあるいは少なくとも約90%同一である天然のポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、(c)(a)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(d)(b)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、および(e)(a)〜(d)のRNA等価物、からなる群から選択される。検出方法は、(a)ポリメラーゼ連鎖反応増幅を用いて標的ポリヌクレオチドまたはその断片を増幅する過程と、(b)増幅した標的ポリヌクレオチドまたはその断片の存在・不存在を検出する過程を含む。関連する或る実施様態では、検出方法には増幅した標的ポリヌクレオチドまたはその断片の量を検出することが含まれ得る。【0079】別の実施様態は、有効量のポリペプチドと薬剤として許容できる賦形剤とを含む成分を提供する。有効量のポリペプチドは、(a)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含むポリペプチド、(b)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるあるいは少なくとも約90%同一である天然のアミノ酸配列を含むポリペプチド、(c)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの生物学的活性断片、または(d)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの免疫原性断片、からなる群れから選択される。一実施態様では、この組成物はSEQ ID NO:145からなる一群から選択されたアミノ酸配列を有し得る。別の実施様態は、機能的INTSIGの発現の低下や異常に関連した疾患や症状の治療方法や、そのような治療を必要とする患者にこの組成物を投与することを含む方法を提供する。【0080】また別の実施様態は、(a)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含むポリペプチド、(b)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるあるいは少なくとも約90%同一である天然のアミノ酸配列を含むポリペプチド、(c)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの生物学的活性断片、または(d)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの免疫原性断片、、からなる群から選択したポリペプチドのアゴニストとしての有効性を確認するために、或る化合物をスクリーニングする方法を提供する。スクリーニング方法は、(a)該ポリペプチドを含むサンプルを或る化合物に曝す過程と、(b)サンプル中のアゴニスト活性を検出する過程からなる。別の実施様態は、この方法で同定したアゴニスト化合物と許容される医薬用賦形剤を含む、或る組成物を提供する。また別の実施態様は、機能的INTSIGの発現の低下を伴う疾患や症状の治療を要する患者への、この組成物の投与方法を提供する。【0081】さらにまた別の実施様態は、(a)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含むポリペプチド、(b)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるあるいは少なくとも約90%同一である天然のアミノ酸配列を含むポリペプチド、(c)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの生物学的活性断片、または(d)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの免疫原性断片、からなる群から選択したポリペプチドのアンタゴニストとしての有効性を確認するために、或る化合物をスクリーニングする方法を提供する。スクリーニング方法は、(a)該ポリペプチドを含むサンプルを或る化合物に曝す過程と、(b)サンプル中のアンタゴニスト活性を検出する過程からなる。別の実施様態は、この方法で同定したアンタゴニスト化合物と許容される医薬用賦形剤を含む、或る組成物を提供する。更なる別の実施様態では、本発明は、機能的INTSIGの過剰発現を伴う疾患や症状の治療をする方法やそのような治療を必と要する患者へのこの組成物の投与方法を提供する。【0082】別の実施様態は、(a)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含むポリペプチド、(b)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性あるいは少なくとも約90%の同一性を有する天然のアミノ酸配列を含むポリペプチド、(c)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの生物学的活性断片、または(d)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの免疫原性断片を含む群から選択されたポリペプチドに特異結合する化合物をスクリーニングする方法を提供する。スクリーニング方法は、(a)ポリペプチドを適切な条件下で少なくとも1つの試験化合物と混合させる過程と、(b)試験化合物とのポリペプチドの結合を検出し、それによってポリペプチドに特異結合する化合物を同定する過程とを含む。【0083】また別の実施態様は、(a)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択した或るアミノ酸配列を含むポリペプチド、(b)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列との少なくとも90%または少なくとも約90%の同一性を有する或る天然アミノ酸配列を含むポリペプチド、(c)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択した或るアミノ酸配列を有するポリペプチドの生物学的活性断片、および(d)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択した或るアミノ酸配列を有するポリペプチドの免疫原性断片、からなる群から選択した或るポリペプチドの活性をモジュレートする或る化合物をスクリーニングする方法を提供する。スクリーニング方法は、(a)該ポリペプチドの活性を許容し得る条件下で、該ポリペプチドを少なくとも1つの試験化合物と混合する過程と、(b)該ポリペプチドの活性をこの試験化合物の存在下で算定する過程と、(c)この試験化合物の存在下での該ポリペプチドの活性をこの試験化合物の不存在下での該ポリペプチドの活性と比較する過程からなり、この試験化合物の存在下での該ポリペプチドの活性の変化は、該ポリペプチドの活性をモジュレートする化合物を標示する。【0084】更に別の実施様態は、SEQ ID NO:46-90からなる群から選択した或るポリヌクレオチド配列を含む標的ポリヌクレオチドの発現を改変する効果につき、或る化合物をスクリーニングする一方法を提供する。この方法は、(a)この標的ポリヌクレオチドを含むサンプルを或る化合物に曝露する過程と、(b)この標的ポリヌクレオチドの発現の改変を検出する過程と、(c)可変量のこの化合物の存在下でのこの標的ポリヌクレオチドの発現と、この化合物の不在下での発現とを比較する過程とからなる。【0085】別の実施様態は、試験化合物の毒性の算定方法を提供する。この方法には、以下の過程がある。(a)核酸を有する生体サンプルを試験化合物で処理する過程、(b)処理済み生体サンプルの核酸をハイブリダイズする過程。この過程には、次のようなプローブを用いる。(i)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択した或るポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、(ii)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択した或るポリヌクレオチド配列との少なくとも90%の同一であるあるいは少なくとも約90%同一である天然ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、(iii)(i)に相補的な配列を有するポリヌクレオチド、(iv)(ii)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(v)(i)〜(iv)のRNA等価物、からなる群から選択した或るポリヌクレオチドの少なくとも46の連続したヌクレオチド群からなるプローブである。ハイブリダイゼーションは、上記プローブと生体サンプル中の標的ポリヌクレオチドとの間に特異的ハイブリダイゼーション複合体が形成されるような条件下で生じる。上記標的ポリヌクレオチドは、(i)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択した或るポリヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチド、(ii)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択した或るポリヌクレオチド配列との少なくとも90%または少なくとも約90%の同一性を有する天然ポリヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチド、(iii)(i)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(iv)(ii)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド、(v)(i)〜(iv)のRNA等価物、からなる群から選択する。あるいは標的ポリヌクレオチドは、上記(i)〜(v)からなる群から選択したポリヌクレオチド配列の断片を持つ場合がある。毒性の算定方法には更に、以下の過程がある。(c)ハイブリダイゼーション複合体の量を定量する過程と、(d)処理済み生体サンプル中のハイブリダイゼーション複合体の量を、非処理の生体サンプル中のハイブリダイゼーション複合体の量と比較する過程である。処理済み生体サンプル中のハイブリダイゼーション複合体の量の差異が、試験化合物の毒性を示す。【0086】(本発明の記載について)タンパク質、核酸および方法について説明するが、その前に、説明した特定の装置、機器、材料および方法に本発明の実施様態が限定されるものではなく、変更され得ることを理解されたい。また、ここで使用する専門用語は特定の実施様態を説明する目的で用いたものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことも併せて理解されたい。【0087】補足請求および明細書中で用いている単数形の「或る」および「その(この)」の表記は、文脈から明らかにそうでないとされる場合を除いて複数のものを指す場合もあることに注意されたい。したがって、例えば「或る宿主細胞」と記されている場合にはそのような宿主細胞が複数あることもあり、「或る抗体」と記されている場合には1個以上の抗体、および、当業者に公知の抗体の等価物などについても言及している。【0088】本明細書中で用いる全ての技術用語および科学用語は、特に定義されている場合を除き、当業者に一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書で説明するものと類似あるいは同等の任意の装置、材料および方法を用いて本発明の実施または試験を行うことができるが、ここでは好適な装置、材料、方法について説明する。本発明で言及する全ての刊行物は、刊行物中で報告されていて且つ本発明の実施様態に関係して用い得る、細胞株、プロトコル、試薬およびベクターについて説明および開示する目的で引用しているものである。本明細書のいかなる開示内容も、本発明が先行技術の効力によってこのような開示に対して先行する権利を与えられていないことを認めるものではない。【0089】(定義)用語「INTSIG」は、天然、合成、半合成或いは組換え体など全ての種(特にウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、ウマ及びヒトを含む哺乳動物)から得られる実質的に精製されたINTSIGのアミノ酸配列を指す。【0090】用語「アゴニスト」は、INTSIGの生物学的活性を強めたり、模倣する分子を指す。このアゴニストは、INTSIGに直接相互作用するか、或いはINTSIGが関与する生物学的経路の成分と作用して、INTSIGの活性を調節するタンパク質、核酸、糖質、小分子、任意の他の化合物や組成物を含み得る。【0091】用語「対立遺伝子変異配列」は、INTSIGをコードする遺伝子の別の形を指す。対立遺伝子変異体は、核酸配列における少なくとも1つの突然変異から作製し得る。また、変容したmRNAまたはポリペプチドを作製し得る。その構造または機能は、変容することもしないこともある。或る遺伝子は、その天然型の対立遺伝子変異体を全く持たない場合もあり、1個以上持つこともある。対立遺伝子変異体を生じさせる通常の突然変異性変化は一般に、ヌクレオチドの自然な欠失、付加または置換に帰するものである。これら各変化は、単独或いは他の変化と共に、所定の配列内で1回若しくは数回生じ得る。【0092】INTSIGをコードする「変異」核酸配列は、様々なヌクレオチドの欠失、挿入、或いは置換が起こっても、INTSIGと同じポリペプチド或いはINTSIGの機能特性の少なくとも1つを備えるポリペプチドを指す。この定義には、INTSIGをコードするポリヌクレオチドの正常な染色体の遺伝子座ではない位置での対立遺伝子変異配列との不適当或いは予期しないハイブリダイゼーション、並びにINTSIGをコードするポリヌクレオチドの特定のオリゴヌクレオチドプローブを用いて容易に検出可能な或いは検出困難な多型性を含む。コードされたタンパク質も「変異」し得るものであり、サイレント変化を生ぜしめて結果的に機能的に等価なINTSIGとなるようなアミノ酸残基の欠失、挿入または置換を含み得る。意図的なアミノ酸置換は、生物学的或いは免疫学的にINTSIGの活性が保持される範囲で、残基の、極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、及び/または両親媒性、についての1つ以上の類似性に基づいて成され得る。例えば、負に帯電したアミノ酸にはアスパラギン酸およびグルタミン酸があり、正に帯電したアミノ酸にはリジンおよびアルギニンがある。親水性値が近似した非荷電極性側鎖を持つアミノ酸としては、アスパラギンとグルタミン、およびセリンとトレオニンを含みうる。親水性値が近似した非荷電側鎖を持つアミノ酸としては、ロイシンとイソロイシンとバリン、グリシンとアラニン、およびフェニルアラニンとチロシンを含みうる。【0093】用語「アミノ酸」および「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質配列、あるいはそれらのいずれかの断片を指し、天然分子または合成分子を指し得る。ここで「アミノ酸配列」は天然のタンパク質分子のアミノ酸配列を指すものであり、「アミノ酸配列」及び類似の語は、アミノ酸配列を、列挙したタンパク質分子に関連する完全な本来のアミノ酸配列に限定しようとするものではない。【0094】「増幅」は、或る核酸配列の付加的複製物を作製する行為に関する。増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)技術または当分野でよく知られている他の核酸増幅技術を用いて実行される。【0095】用語「アンタゴニスト」は、INTSIGの生物学的活性を阻害或いは減弱する分子である。アンタゴニストは、INTSIGに直接相互作用するか、或いはINTSIGが関与する生物学的経路の成分と作用して、INTSIGの活性を調節する抗体、anticalin、核酸、糖質、小分子、任意の他の化合物や組成物などのタンパク質を含み得る。【0096】「抗体」の語は、抗原決定基と結合することができる、無傷の免疫グロブリン分子やその断片、例えばFab、F(ab')2 及びFv断片を指す。INTSIGポリペプチドと結合する抗体は、免疫抗原として、そのままのポリペプチド、または関心のある小ペプチドを含む断片を用いて作製可能である。動物(マウス、ラット、ウサギ等)を免疫化するために用いるポリペプチドまたはオリゴペプチドは、RNAの翻訳、または化学合成によって得られるポリペプチドまたはオリゴペプチドに由来し得るもので、所望によりキャリアタンパク質に抱合することも可能である。通常用いられるキャリアであってペプチドと化学結合するものは、ウシ血清アルブミン、サイログロブリン及びスカシガイのヘモシアニン(KLH)等がある。結合その結合ペプチドは、動物を免疫化するために用いる。【0097】「抗原決定基」の語は、特定の抗体と接触する、分子の領域(即ちエピトープ)を指す。タンパク質またはタンパク質断片を用いて宿主動物を免疫化する場合、タンパク質の多数の領域が、抗原決定基(タンパク質の特定の領域または3次元構造)に特異結合する抗体の産生を誘発し得る。抗原決定基は、抗体への結合において無損傷抗原(即ち免疫応答を誘発するために用いられる免疫原)と競合し得る。【0098】用語「アプタマー」は、特定の分子標的に結合する核酸またはオリゴヌクレオチドを指す。アプタマーはin vitroでの進化プロセスに由来する(例えば、SELEX(Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichmentの略、試験管内選択法)、米国特許第5,270,163号に記述)。これは、大規模な組合せライブラリ群から標的特異的アプタマー配列を選択するプロセスである。アプタマーの構成は二本鎖または一本鎖であり、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ヌクレオチド誘導体または他のヌクレオチド様分子を含み得る。アプタマーのヌクレオチド構成要素は修飾された糖基(例えば、リボヌクレオチドの2'-OH 基が2'-F または 2'-NH2で置換されている)を有することが可能で、これらの糖基は、例えば、ヌクレアーゼに対する耐性あるいは血中でのより長い寿命など、望む性質を改善しうる。循環系からアプタマーが除去される速度を遅くするために、アプタマーを高分子量キャリアー等の分子に抱合させることができる。アプタマーは、たとえば架橋剤の光活性化によって各々のリガンドと特異的に架橋させることができる(Brody, E.N. および L. Gold (2000) J. Biotechnol. 74:5-13)。【0099】「intramer」の用語はin vivoで発現されるアプタマーを意味する例えば、ワクシニアウイルスに基づく或るRNA発現系を用いて、白血球の細胞質内で特定のRNAアプタマー類が高レベルに発現されている(Blind, M.他(1999) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:3606-3610)。【0100】「スピーゲルマー(spiegelmer)」の語はL-DNA、L-RNAその他の左旋性ヌクレオチド誘導体またはヌクレオチド様分子を含むアプタマーを指す。左旋性ヌクレオチドを含むアプタマーは、右旋性のヌクレオチドを含む基質に通常作用する天然の酵素による分解に耐性がある。【0101】用語「アンチセンス」は、或る特定の核酸配列を有するポリヌクレオチドの「センス」(コーディング)鎖との塩基対を形成し得る任意の組成物を指す。アンチセンス組成物としては、DNAや、RNAや、ペプチド核酸(PNA)や、修飾されたバックボーン連結たとえばホスホロチオ酸、メチルホスホン酸またはベンジルホスホン酸などを有するオリゴヌクレオチドや、修飾された糖基たとえば2'-メトキシエチル糖または2'-メトキシエトキシ糖などを有するオリゴヌクレオチドや、あるいは修飾された塩基たとえば5-メチルシトシン、2-デオキシウラシルまたは7-デアザ-2'-デオキシグアノシンなどを有するオリゴヌクレオチドがあり得る。アンチセンス分子は、化学合成または転写など、任意の方法で製造することができる。相補的アンチセンス分子は、細胞に導入されると、細胞が産生した天然核酸配列との塩基対を形成し、二重鎖を形成して転写または翻訳を妨害する。「負」または「マイナス」という表現は、ある参考DNA分子のアンチセンス鎖を意味し、「正」または「プラス」という表現は、ある参考DNA分子のセンス鎖を意味しうる。【0102】「生物学的に活性」の語は、天然分子の構造的機能、調節機能または生化学的機能を有するタンパク質を指す。同様に、用語「免疫学的に活性」または「免疫原性」は、天然或いは組換え体のINTSIG、合成のINTSIGまたはそれらの任意のオリゴペプチドが、適当な動物或いは細胞の特定の免疫応答を誘発して特定の抗体と結合する能力を指す。【0103】「相補(的)」または「相補性」の語は、塩基対形成によってアニーリングする2つの一本鎖核酸の間の関係を指す。例えば、配列「5'A-G-T3'」は、相補配列「3'T-C-A5'」と対を形成する。【0104】「〜のポリヌクレオチドを含む(持つ)組成物」または「〜のポリペプチドを含む(持つ)組成物」は、所定のポリヌクレオチド配列若しくはポリペプチドを持つ、任意の組成物を指す。この組成物には、乾燥製剤または水溶液が含まれ得る。INTSIGをコード、若しくはINTSIGの断片をコードするポリヌクレオチドを含む組成物は、ハイブリダイゼーションプローブとして使用され得る。これらプローブは、凍結乾燥形態で貯蔵でき、また、糖質などの安定化剤と結合させ得る。ハイブリダイゼーションにおいては、塩(例えばNaCl)、界面活性剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム;SDS)及びその他の構成要素(例えばデンハート液、粉乳、サケの精子のDNA等)を含む水溶液中にプローブを分散させることができる。【0105】「コンセンサス配列」は、不要な塩基を分離するためにDNA配列の解析を繰り返し行い、XL-PCRキット(Applied Biosystems,Foster City CA)を用いて5'及び/または3'の方向に伸長され、再度シークエンシングされた核酸配列、またはGELVIEW 断片アセンブリシステム(GCG, Madison, WI)か、あるいはPhrap (University of Washington, Seattle WA)等の断片アセンブリ用のコンピュータプログラムを用いて1つ或いはそれ以上の重複するcDNAやEST、またはゲノムDNA断片からアセンブリされた核酸配列を指す。伸長及びアセンブリの両方を行ってコンセンサス配列を作製する配列もある。【0106】「保存的なアミノ酸置換」は、置換がなされた時に元のタンパク質の特性を殆ど損なわないと予測されるような置換、即ちタンパク質の構造と特に機能が保存され、そのような置換による大きな変化がない置換を指す。下表は、タンパク質中で元のアミノ酸と置換可能で、保存アミノ酸置換と認められるアミノ酸を示している。【0107】【0108】保存アミノ酸置換では通常、(a)置換領域におけるポリペプチドのバックボーン構造、例えばβシートやα螺旋構造、(b)置換部位における分子の電荷または疎水性、及び/または(c)側鎖の大部分を保持する。【0109】「欠失」は、結果的に1個若しくは数個のアミノ酸残基またはヌクレオチドが失われてなくなるようなアミノ酸またはヌクレオチド配列における変化を指す。【0110】「誘導体」の語は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの化学修飾を指す。例えば、アルキル基、アシル基、ヒドロキシル基またはアミノ基による水素の置換は、ポリヌクレオチドの化学修飾に含まれ得る。ポリヌクレオチド誘導体は、天然分子の生物学的または免疫学的機能を少なくとも1つは保持しているポリペプチドをコードする。ポリペプチド誘導体は、グリコシル化、ポリエチレングリコール化(pegylation)、或いは任意の同様なプロセスであって誘導起源のポリペプチドの、少なくとも1つの生物学的若しくは免疫学的機能を保持するプロセスによって修飾されたポリペプチドである。【0111】「検出可能な標識」は、測定可能なシグナルを生成することができ、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドに共有結合または非共有結合するようなレポーター分子または酵素を指す。【0112】「差次的発現」は少なくとも2つの異なったサンプルを比較することによって決められる、増加(上方調節)、あるいは減少(下方調節)、または遺伝子発現またはタンパク発現の欠損を指す。このような比較は例えば、処理済サンプルと不処理サンプル、または病態サンプルと健常サンプルとの間で行われ得る。【0113】「エキソンシャフリング」は、異なるコード領域(エキソン)の組換えを意味する。1つのエキソンはコードされるタンパク質の1つの構造的または機能的ドメインを代表し得るため、安定したサブストラクチャー群の新たな組み合わせによって、新しいタンパク質がアセンブリされることが可能であり、新しいタンパク質機能の進化を促進できる。【0114】用語「断片」は、INTSIGの又はINTSIGをコードするポリヌクレオチドの固有の部分であって、その親配列(parent sequence)と配列は同一であり得るが親配列より長さが短いものを指す。或る断片は、定義された配列の全長から1ヌクレオチド/アミノ酸残基を差し引いた長さよりも短い長さを有し得る。例えば或る断片は、約5〜約1000の連続したヌクレオチドまたはアミノ酸残基を有し得る。プローブ、プライマー、抗原、治療用分子として、或いはその他の目的のために用いられる断片は、少なくとも5、10、15、16、20、25、30、40、50、60、75、100、150、250若しくは500の連続したヌクレオチド或いはアミノ酸残基長さであり得る。断片は、或る分子の特定領域から優先的に選択し得る。例えば、或るポリペプチド断片は、定義された或る配列内に見られるような或るポリペプチドの最初の250または500アミノ酸(または最初の25%または50%)から選択した、或る長さの連続したアミノ酸を持ち得る。これらの長さは明らかに例として挙げているものであり、本発明の実施態様では、配列表、表および図面を含む本明細書が支持する任意の長さであり得る。【0115】SEQ ID NO:46-90の断片は、例えば、この断片を得たゲノム内の他の配列とは異なる、SEQ ID NO:46-90を特異的に同定する固有のポリヌクレオチド配列の領域を持ちうる。SEQ ID NO:46-90のある断片は、本発明の例えば、ハイブリダイゼーションや増幅技術の1つ以上の実施様態、またはSEQ ID NO:46-90を関連ポリヌクレオチドから区別する類似の方法に有用である。SEQ ID NO:46-90の断片の正確な長さ及び断片に対応するSEQ ID NO:46-90の領域は、断片に対する意図した目的に基づき当業者が慣例的に決定することが可能である。【0116】SEQ ID NO:1-45の断片はSEQ ID NO:46-90の断片によってコードされている。SEQ ID NO::1-45の断片はSEQ ID NO:1-45を特異的に同定する固有のアミノ酸配列の領域を含む。例えば、SEQ ID NO:1-45の断片は、SEQ ID NO:1-45を特異認識する抗体を産出するための免疫原性ペプチドとして有用である。SEQ ID NO:1-45の断片および断片に対応するSEQ ID NO:1-45の領域の正確な長さは、断片に対する意図した目的に基づき、本明細書に記載されている、あるいは当分野で知られている1つ以上の分析方法を用いて当業者が慣例的に決定することが可能である。【0117】「完全長」ポリヌクレオチドとは、少なくとも1つの翻訳開始コドン(例えばメチオニン)と、それに続く1オープンリーディングフレームおよび翻訳終止コドンを有する配列である。或る「完全長」ポリヌクレオチド配列は、或る「完全長」ポリペプチド配列をコードする。【0118】「相同性」の語は、2つ以上のポリヌクレオチド配列または2つ以上のポリペプチド配列の配列類似性、互換性、または配列同一性を意味する。【0119】ポリヌクレオチド配列に適用される「一致率」または「〜%同一」の語は、標準化されたアルゴリズムを用いてアラインメントされた少なくとも2つ以上のポリヌクレオチド配列間で一致する残基の割合を意味する。標準化アルゴリズムは、2配列間のアラインメントを最適化するため、標準化された再現性のある方法で比較対象の2配列内にギャップ群を挿入し得るので、2つの配列をより有意に比較できる。【0120】ポリヌクレオチド配列間の一致率は、当分野で知られているあるいは本明細書に記載されている1つ以上のコンピュータアルゴリズムまたはプログラムを用いて決定し得る。例えば、一致率は、MEGALIGN version 3.12e配列アラインメントプログラムに組込まれているようなCLUSTAL Vアルゴリズムのデフォルトのパラメータを用いて決定できる。このプログラムは、LASERGENE ソフトウェアパッケージ(一組の分子生物学的分析プログラム)(DNASTAR, Madison WI)の一部である。CLUSTAL Vは、Higgins, D.G.およびP.M. Sharp (1989; CABIOS 5:151-153)、並びにHiggins, D.G. 他(1992; CABIOS 8:189-191)に記載がある。ポリヌクレオチド配列を2つ1組でアラインメントする際のデフォルトパラメータは、Ktuple=2、gap penalty=5、window=4、「diagonals saved」=4と設定する。デフォルトとして「重みづけされた」残基の重みづけ表を選択する。CLUSTAL Vは、アラインメントされたポリヌクレオチド配列対間の「percent similarity(類似率)」として一致率を報告する。【0121】あるいは、米国国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)が、一般的に用いられ、且つ、無料で利用可能な用い得る配列比較アルゴリズム一式を提供している(Altschul, S.F. 他(1990)J. Mol. Biol. 215:403-410)。BLASTアルゴリズムは、幾つかの情報源から入手可能であり、メリーランド州ベセスダにあるNCBIおよびインターネット(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)からも入手可能である。BLASTソフトウェア一式には様々な配列分析プログラムが含まれており、既知のポリヌクレオチド配列を種々のデータベースから得た別のポリヌクレオチド配列とアラインメントする「blastn」もその1つである。その他にも、2つのヌクレオチド配列をペアワイズで直接比較するために用いる「BLAST 2 Sequences」と称されるツールも利用可能である。「BLAST 2 Sequences」は、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/bl2.htmlにアクセスして、対話形式で利用ができる。「BLAST 2 Sequences」ツールは、blastn 及び blastp(以下に記載)の両方に用いることができる。BLASTプログラムは、一般的には、ギャップ及び他のパラメータをデフォルト設定に設定して用いる。例えば、2つのヌクレオチド配列を比較するには、デフォルトパラメータに設定した「BLAST 2 Sequences」ツールVersion 2.0.12(2000年4月21日)を用いてblastnを実行し得る。デフォルトパラメータの設定例を以下に示す。【0122】Matrix: BLOSUM62Reward for match: 1Penalty for mismatch: -2Open Gap: 5 and Extension Gap: 2 penaltiesGap x drop-off: 50Expect: 10Word Size: 11Filter: on【0123】一致率は、ある定義された配列の全長(例えば特定のSEQ IDナンバーで定義された配列)について測定し得る。或いは、より短い長さ、例えば、定義された、より大きな配列から得られた断片(例えば少なくとも20、30、40、50、70、100または200の連続したヌクレオチドの断片)の長さについて一致率を測定してもよい。ここに挙げた長さは単なる例示的なものに過ぎず、表、図および配列リストを含めた本明細書に記載された配列が支持する任意の断片長を用いて、一致率を測定し得る或る長さを説明し得ることを理解されたい。【0124】高度の同一性を示さない核酸配列が、それにもかかわらず遺伝子コードの縮重が原因で、類似のアミノ酸配列をコードする場合がある。この縮重を利用して核酸配列内で変化を生じさせて、全ての核酸配列が実質上同一のタンパク質をコードするような多数の核酸配列を生成し得ることを理解されたい。【0125】ポリペプチド配列に用いられる用語「一致率」または「一致性%」とは、標準化されたアルゴリズムを用いてアラインメントされる2つ以上のポリペプチド配列間の一致する残基の百分率のことである。ポリペプチド配列アラインメントの方法は公知である。保存的アミノ酸置換を考慮するアラインメント方法もある。既に詳述したこのような保存的置換は通常、置換部位の電荷および疎水性を保存するので、ポリペプチドの構造を(したがって機能も)保存する。【0126】ポリペプチド配列間の一致率は、MEGALIGN version 3.12e配列アラインメントプログラムに組込まれているようなCLUSTAL Vアルゴリズムのデフォルトのパラメータを用いて決定できる(既に説明したのでそれを参照されたい)。CLUSTAL Vを用いて、ポリペプチド配列をペアワイズアラインメントする際のデフォルトパラメータは、Ktuple=1、gap penalty=3、window=5、「diagonals saved」=5と設定される。PAM250マトリクスが、デフォルトの残基重み付け表として選択される。ポリヌクレオチドのアラインメントと同様に、アラインメントされたポリペプチド配列の対の一致率は、CLUSTAL Vによって「percent similarity(類似性パーセント)」として報告される。【0127】或いは、NCBI BLASTソフトウェア一式を用いてもよい。例えば、2つのポリペプチド配列をペアワイズで比較する場合、「BLAST 2 Sequences」ツールVersion 2.0.12(2000年4月21日)のblastpをデフォルトパラメータに設定して用い得る。デフォルトパラメータの設定例を以下に示す。【0128】Matrix: BLOSUM62Open Gap: 11 and Extension Gap: 1 penaltiesGap x drop-off: 50Expect: 10Word Size: 3Filter: on【0129】一致率は、ある定義されたポリペプチド配列の全長(例えば特定のSEQ IDナンバーで定義された配列)について測定し得る。或いは、より短い長さ、例えば、定義された、より大きなポリペプチド配列から得られた断片(例えば少なくとも15、20、30、40、50、70、または150の連続した残基の断片)の長さについて一致率を測定してもよい。ここに挙げた長さは単なる例示的なものに過ぎず、表、図および配列リストを含めた本明細書に記載された配列が支持する任意の断片長を用いて、一致率を測定し得る或る長さを説明し得ることを理解されたい。【0130】「ヒト人工染色体(HAC)」は、約6kb(キロベース)〜10MbのサイズのDNA配列を含み得る、染色体の複製、分離及び維持に必要な全ての要素を含む直鎖状の微小染色体である。【0131】用語「ヒト化抗体」は、もとの結合能力を保持しつつよりヒトの抗体に似せるために、非抗原結合領域のアミノ酸配列が変えられた抗体分子を指す。【0132】「ハイブリダイゼーション」とは、所定のハイブリダイゼーション条件下で、ある一本鎖ポリヌクレオチドがある相補的な一本鎖と塩基対を形成するアニーリングのプロセスである。特異的ハイブリダイゼーションは、2つの核酸配列が高い相補性を共有することの指標である。特異的ハイブリダイゼーション複合体は許容されるアニーリング条件下で形成され、1回以上の「洗浄」ステップ後もハイブリダイズされたままである。洗浄ステップは、ハイブリダイゼーションプロセスのストリンジェンシーを決定する際に特に重要であり、よりストリンジェントな条件では、非特異結合(すなわち完全には一致しない核酸鎖対間の結合)が減少する。核酸配列のアニーリングに対する許容条件は、当業者が慣例的に決定できる。許容条件は、どのハイブリダイゼーション実験でも一定でありうるが、洗浄条件は所望のストリンジェンシーを得るように、従ってハイブリダイゼーション特異性も得るように実験によって変更することができる。アニーリングが許容される条件は、例えば、温度が68℃で、約6×SSC、約1%(w/v)のSDS、並びに約100μg/mlのせん断して変性したサケ精子DNAが含まれる。【0133】一般に、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは或る程度、洗浄ステップを実行する温度を基準にして表すことができる。このような洗浄温度は通常、所定のイオン強度及びpHにおける特定の配列の融点(Tm)より約5〜20℃低くなるように選択する。このTmは、所定のイオン強度及びpHの下で、完全に一致するプローブに標的配列の50%がハイブリダイズする温度である。Tmを計算する式および核酸のハイブリダイゼーション条件はよく知られており、Sambrook, J. 他(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, 1-3巻, Cold Spring Harbor Press, Plainview NYに記載されており、特に2巻の9章を参照されたい。【0134】本発明のポリヌクレオチド間の高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションでは、約0.2x SSC及び約0.1%のSDSの存在の下、約68℃で1時間の洗浄過程を含む。別法では、約65℃、60℃、55℃、または42℃の温度で行う。SSC濃度は、約0.1%のSDS存在下で、約0.1〜2×SSCの範囲で変化し得る。通常は、ブロッキング剤を用いて非特異ハイブリダイゼーションを阻止する。このようなブロッキング剤には、例えば、約100〜200μg/mlの、せん断した変性サケ精子DNAがある。特定条件下で、例えばRNAとDNAのハイブリダイゼーションでは、有機溶剤、例えば約35〜50%v/vの濃度のホルムアミドを用いることもできる。洗浄条件の有用なバリエーションは、当業者には自明であろう。ハイブリダイゼーションは、特に高ストリンジェント条件下では、ヌクレオチド間の進化的な類似性を示唆し得る。進化的類似性は、ヌクレオチド群、およびヌクレオチドがコードするポリペプチド群について、或る同様の役割を強く示唆する。【0135】用語「ハイブリダイゼーション複合体」は、相補的な塩基間の水素結合の形成によって形成された、2つの核酸配列の複合体を指す。ハイブリダイゼーション複合体は、溶解状態で形成し得る(C0tまたはR0t解析など)。あるいは、一方の核酸が溶解状態で存在し、もう一方の核酸が固体支持体(例えば紙、膜、フィルタ、チップ、ピンまたはガラススライド、あるいは他の適切な基板であって細胞若しくはその核酸が固定される基板)に固定されているような2つの核酸間に形成され得る。【0136】用語「挿入」或いは「付加」は、1個以上のアミノ酸残基或いはヌクレオチドがそれぞれ追加されるアミノ酸配列或いはポリヌクレオチド配列の変化を指す。【0137】「免疫応答」は、炎症、外傷、免疫異常症、伝染性疾患または遺伝性疾患に関連する症状を指し得る。これらの症状は、細胞及び全身の防御系に作用し得る種々の因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、その他のシグナル伝達分子の発現によって特徴づけることができる。【0138】用語「免疫原性断片」は、例えば哺乳動物などの生きている動物に導入すると、免疫反応を引き起こすINTSIGのポリペプチド断片またはオリゴペプチド断片を指す。用語「免疫原性断片」はまた、本明細書で開示するまたは当分野で周知のあらゆる抗体生産方法に有用なINTSIGのポリペプチド断片またはオリゴペプチド断片を含む。【0139】用語「マイクロアレイ」は、基板上の複数のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体またはその他の化合物の構成を指す。【0140】用語「エレメント」または「アレイエレメント」は、マイクロアレイ上に固有の指定された位置を有する、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体またはその他の化合物を指す。【0141】用語「調節」は、INTSIGの活性の変化を指す。例えば、調節によって、INTSIGのタンパク質活性、或いは結合特性、またはその他の生物学的特性、機能的特性或いは免疫学的特性の変化が起こる。【0142】「核酸」および「核酸配列」の語は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはこれらの断片を指す。「核酸」および「核酸配列」の語はまた、ゲノム起源または合成起源のDNAまたはRNAであって一本鎖または二本鎖であるかあるいはセンス鎖またはアンチセンス鎖を表し得るようなDNAまたはRNAや、ペプチド核酸(PNA)や、任意のDNA様またはRNA様物質を指すこともある。【0143】「機能的に連結した」は、第1の核酸配列と第2の核酸配列が機能的な関係にある状態を指す。例えば、或るプロモーターが或るコード配列の転写または発現に影響を及ぼす場合には、そのプロモーターはそのコード配列に機能的に連結している。機能的に連結したDNA配列群は非常に近接するか連続的に隣接することがあり、また、2つのタンパク質コード領域を結合するために必要な場合は同一リーディングフレーム内にあり得る。【0144】「ペプチド核酸(PNA)」は、末端がリジンで終わるアミノ酸残基のペプチドのバックボーンに結合した、少なくとも約5ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドを含む、アンチセンス分子または抗遺伝子剤を指す。末端のリジンは、この組成に溶解性を与える。PNAは、相補的一本鎖DNAまたはRNAに優先的に結合して転写の伸長を停止するものであり、ポリエチレングリコール化して細胞におけるPNAの寿命を延長し得る。【0145】INTSIGの「翻訳後修飾」には、脂質化、グリコシル化、リン酸化、アセチル化、ラセミ化、蛋白分解性切断及びその他の当分野で既知の修飾を含まれ得る。これらのプロセスは、合成或いは生化学的に生じ得る。生化学的修飾は、INTSIGの酵素環境に依存し、細胞の種類によって異なり得る。【0146】「プローブ」とは、核酸の内、INTSIGやそれらの相補配列、またはそれらの断片をコードし、同一や対立遺伝子核酸、または関連する核酸の検出に用いる核酸を指す。プローブは、単離されたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドであって、検出可能な標識またはレポーター分子に接着した配列である。典型的な標識には、放射性アイソトープ、リガンド、化学発光試薬および酵素がある。「プライマー」は、短い核酸、通常はDNAオリゴヌクレオチドであり、相補的塩基対を形成することで標的ポリヌクレオチドにアニーリングされ得る。プライマーは次に、DNAポリメラーゼ酵素によって標的DNA鎖に沿って伸長し得る。プライマー対は、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による、核酸の増幅(および同定)に用い得る。【0147】本発明に用いるようなプローブ及びプライマーは通常、既知の配列の、少なくとも15の連続したヌクレオチドを含んでいる。特異性を高めるため、長めのプローブおよびプライマー、例えば開示した核酸配列の少なくとも20、25、30、40、50、60、70、80、90、100または少なくとも150の連続したヌクレオチドからなるようなプローブおよびプライマーも用い得る。これよりもかなり長いプローブおよびプライマーもある。表、図面および配列リストを含む本明細書が支持する、任意の長さのヌクレオチドを用い得るものと理解されたい。【0148】プローブおよびプライマーの調製および使用方法については、Sambrook, J. 他(1989; Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, 1-3巻, Cold Spring Harbor Press, Plainview NY)、Ausubel, F.M. 他(1999) Short Protocols in Molecular Biology, 第4版, John Wiley & Sons, New York NY)、Innis, M. 他.(1990; PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications, Academic Press, San Diego CA)などの参照文献に記載がある。PCRプライマー対は、その目的のためのコンピュータプログラム、例えばPrimer(Version 0.5, 1991, Whitehead Institute for Biomedical Research, Cambridge MA)を用いるなどして既知の配列から得ることができる。【0149】プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドの選択は、そのような目的のために本技術分野でよく知られているソフトウェアを用いて行う。例えばOLIGO 4.06ソフトウェアは、各100ヌクレオチドまでのPCRプライマー対の選択に有用であり、オリゴヌクレオチドおよび、最大5,000までの大きめのポリヌクレオチドであって32キロベースまでのインプットポリヌクレオチド配列から得た配列を分析するのにも有用である。類似のプライマー選択プログラムには、拡張能力のための追加機能が組込まれている。例えば、PrimOUプライマー選択プログラム(テキサス州ダラスにあるテキサス大学南西部医療センターのゲノムセンターから一般向けに入手可能)は、メガベース配列から特定のプライマーを選択することが可能であり、したがってゲノム全体の範囲でプライマーを設計するのに有用である。Primer3プライマー選択プログラム(Whitehead Institute/MIT Center for Genome Research(マサチューセッツ州ケンブリッジ)より入手可能)によって、ユーザーは、プライマー結合部位として避けたい配列を指定できる「非プライミングライブラリ(mispriming library)」を入力できる。Primer3は特に、マイクロアレイのためのオリゴヌクレオチドの選択に有用である(後二者のプライマー選択プログラムのソースコードは、それぞれの情報源から得てユーザー固有のニーズを満たすように修正し得る)。PrimerGenプログラム(英国ケンブリッジ市の英国ヒトゲノムマッピングプロジェクト-リソースセンターから一般向けに入手可能)は、多数の配列アラインメントに基づいてプライマーを設計し、それによって、アラインメントされた核酸配列の最大保存領域または最小保存領域のいずれかとハイブリダイズするようなプライマーの選択を可能にする。従って、このプログラムは、固有であって保存されたオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの断片の同定に有用である。上記選択方法のいずれかによって同定したオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチド断片は、ハイブリダイゼーション技術において、例えばPCRまたはシークエンシングプライマーとして、マイクロアレイエレメントとして、あるいは核酸のサンプルにおいて完全または部分的相補的ポリヌクレオチドを同定する特異プローブとして有用である。オリゴヌクレオチドの選択方法は、上記の方法に限定されるものではない。【0150】本明細書における「組換え核酸」は天然の配列ではなく、2つ以上の配列の離れたセグメントを人工的に組み合わせた核酸である。この人為的組合せはしばしば化学合成によって達成するが、より一般的には核酸の単離セグメントの人為的操作によって、例えばSambrookの文献(前出)に記載されているような遺伝子工学的手法によって達成する。組換え核酸の語は、単に核酸の一部が付加、置換または欠失により改変された核酸も含む。しばしば組換え核酸には、プロモーター配列に機能的に連結した核酸配列が含まれる。このような組換え核酸は、例えばある細胞を形質転換するために使用されるベクターの一部と成し得る。【0151】あるいはこのような組換え核酸は、ウイルスベクターの一部と成すことができ、ベクターは例えばワクシニアウイルスに基づくものであり得る。そのようなベクターは哺乳類に接種され、その組換え核酸が発現されて、その哺乳類内で防御免疫応答を誘導するように使用することができる。【0152】「調節因子」は、通常は遺伝子の非翻訳領域に由来する核酸配列であり、エンハンサー、プロモーター、イントロン及び5'及び3'の非翻訳領域(UTR)を含む。調節エレメントは、転写、翻訳またはRNA安定性を制御する宿主タンパク質またはウイルスタンパク質と相互作用する。【0153】「レポーター分子」は、核酸、アミノ酸または抗体の標識に用いられる化学的または生化学的な部分である。レポーター分子には、放射性核種、酵素、蛍光剤、化学発光剤、発色剤、基質、補助因子、阻害因子、磁気粒子およびその他の当分野で既知の成分がある。【0154】DNA分子に対する「RNA等価物」は、基準となるDNA分子と同じ直鎖の核酸配列から構成されるが、全ての窒素性塩基のチミンがウラシルで置換され、糖鎖のバックボーンがデオキシリボースではなくリボースからなる。【0155】用語「サンプル」は、その最も広い意味で用いられている。INTSIG、INTSIGをコードする核酸、またはその断片を含むと推定されるサンプルは、体液と、細胞からの抽出物や細胞から単離された染色体や細胞内小器官、膜と、細胞と、溶液中に存在するまたは基板に固定されたゲノムDNA、RNA、cDNAと、組織と、組織プリント等を含み得る。【0156】用語「特異的結合」及び「特異的に結合する」は、タンパク質若しくはペプチドと、アゴニスト、抗体、アンタゴニスト、小分子、若しくは任意の天然若しくは合成の結合組成物との間の相互作用を指す。この相互作用は、タンパク質の特定の構造(例えば抗原決定基即ちエピトープ)であって結合分子が認識するものが存在するか否かに依存している。例えば、抗体がエピトープ「A」に対して特異的である場合、遊離した標識A及びその抗体を含む反応において、エピトープA(つまり遊離した、標識されていないA)を含むポリペプチドの存在が、抗体に結合する標識されたAの量を低減させる。【0157】用語「実質的に精製された」は、自然の環境から取り除かれてから、単離或いは分離された核酸配列或いはアミノ酸配列であって、自然に結合している組成物が少なくとも約60%除去されたものであり、好ましくは約75%以上の除去、最も好ましくは約90%以上除去されたものを指す。【0158】「置換」とは、一つ以上のアミノ酸またはヌクレオチドをそれぞれ別のアミノ酸またはヌクレオチドに置き換えることである。【0159】用語「基板」は、任意の好適な固体或いは半固体の支持物を指し、膜及びフィルター、チップ、スライド、ウエハ、ファイバー、磁気または非磁気ビーズ、ゲル、チューブ、プレート、ポリマー、微小粒子、毛細管が含まれる。基板は、ウェル、溝、ピン、チャネル、孔など、様々な表面形態を有することができ、基板表面にはポリヌクレオチドやポリペプチドが結合する。【0160】「転写イメージ(transcript image)」または「発現プロファイル(プロフィール)」は、所定条件下での所定時間における特定の細胞の種類または組織による集合的遺伝子発現のパターンを指す。【0161】「形質転換(transformation)」とは、外来DNAが受容細胞に導入されるプロセスのことである。形質転換は、本技術分野で知られている種々の方法に従って自然条件または人工条件下で生じ得るものであり、外来性の核酸配列を原核宿主細胞または真核宿主細胞に挿入する、任意の既知の方法を基にし得る。形質転換の方法は、形質転換する宿主細胞の種類によって選択する。限定するものではないが形質転換方法には、バクテリオファージあるいはウイルス感染、電気穿孔法(エレクトロポレーション)、熱ショック、リポフェクションおよび微粒子銃を用いる方法がある。「形質転換された細胞」には、導入されたDNAが自律的に複製するプラスミドとして或いは宿主染色体の一部として複製可能である安定的に形質転換された細胞が含まれる。さらに、限られた時間に一過的に導入DNA若しくは導入RNAを発現する細胞も含まれる。【0162】ここで用いる「遺伝形質転換生物体(transgenic organism)」とは任意の生物体であり、限定するものではないが動植物を含み、生物体の1個以上の細胞が、ヒトの関与によって、例えば本技術分野でよく知られているトランスジェニック(transgenic)技術によって導入された異種核酸を有する。核酸の細胞への導入は、直接または間接的に、細胞の前駆物質に導入することによって、計画的な遺伝子操作によって、例えば微量注射法によって或いは組換えウイルスでの感染によって行う。別の実施態様で核酸の導入は、組換えウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクターを感染させて成し得る (Lois, C. 他(2002) Science 295:868-872)。遺伝子操作の語は、古典的な交雑育種あるいはin vitro受精を指すものではなく、組換えDNA分子の導入を指す。本発明に基づいて予期される遺伝形質転換生物体には、バクテリア、シアノバクテリア、真菌および動植物がある。本発明の単離されたDNAは、本技術分野で知られている方法、例えば感染、形質移入、形質転換またはトランス接合によって宿主に導入することができる。本発明のDNAをこのような生物体に移入する技術はよく知られており、前出のSambrook 他(1989)などの参考文献に記載されている。【0163】特定の核酸配列の「変異体」は、核酸配列1本全部の長さに対して特定の核酸配列と少なくとも40%の相同性を有する核酸配列であると定義する。 その際、デフォルトパラメータに設定した「BLAST 2 Sequences」ツールVersion 2.0.9(1999年5月7日)を用いてblastnを実行する。このような核酸対は、所定の長さに対して、例えば少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の相同性を示し得る。或る変異体は、例えば「対立遺伝子」変異体(前述)、「スプライス」変異体、「種」変異体または「多型性」変異体として記載し得る。スプライス変異体は参照分子とかなりの相同性を有し得るが、mRNAプロセッシング中のエキソンの選択的スプライシングによって通常、より多くまたはより少数のヌクレオチドを有することになる。対応するポリペプチドは、追加機能ドメイン群を有するか、あるいは参照分子には存在するドメイン群が欠落していることがある。種変異体は、種によって異なるポリヌクレオチドである。結果的に生じるポリペプチドは通常、相互にかなりのアミノ酸相同性を有する。多型性変異体は、所与の種の個体間で特定の遺伝子のポリヌクレオチド配列が異なる。多型変異配列はまた、ポリヌクレオチド配列の1つのヌクレオチドが異なる「1塩基多型性」(SNP)も含み得る。SNPの存在は、例えば特定の集団、病状または病状性向を示し得る。【0164】特定のポリペプチド配列の「変異体」は、ポリペプチド配列の1本の長さ全体で特定のポリペプチド配列に対して少なくとも40%の相同性を有するポリペプチド配列として定義される。定義づけには、デフォルトパラメータに設定した「BLAST 2 Sequences」ツールVersion 2.0.9(1999年5月7日)を用いてblastpを実行する。このようなポリペプチド対は、そのポリペプチドの一方の所定の長さに対して、例えば少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、あるいは少なくとも99%またはそれ以上の配列同一性を示し得る。【0165】(発明)本発明の様々な実施様態は、新規のヒト細胞内シグナル伝達分子(ISIGP)及びISIGPをコードするポリヌクレオチドが含まれ、これらの組成物を利用した、細胞増殖異常、内分泌系障害、自己免疫/炎症疾患、神経系疾患、胃腸疾患、生殖系障害、発達障害、および小胞輸送に関する疾患の診断・予防・治療に関する。【0166】表1は、本発明の完全長ポリヌクレオチドおよびポリペプチド実施様態の命名の概略である。各ポリヌクレオチドおよびその対応するポリペプチドは、1つのIncyteプロジェクト識別番号(IncyteプロジェクトID)に相関する。各ポリペプチド配列は、ポリペプチド配列識別番号(ポリペプチドSEQ ID NO:)とIncyteポリペプチド配列番号(IncyteポリペプチドID)によって表示した。各ポリヌクレオチド配列は、ポリヌクレオチド配列識別番号(ポリヌクレオチドSEQ ID NO:)とIncyteポリヌクレオチドコンセンサス配列番号(IncyteポリヌクレオチドID)によって表示した。列6は本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチド配列に相当する物理的な完全長クローンのIncyte ID 番号を示す。完全長のクローンは列3に示すポリペプチド配列に少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチドをコードする。【0167】表2は、GenBankタンパク質(genpept)データベースとPROTEOMEデータベースとに対するBLAST分析で同定した、本発明のポリペプチド群に相同な配列群を示す。列1および列2はそれぞれ、本発明の各ポリペプチドに対するポリペプチド配列識別番号(ポリペプチド SEQ ID NO:)と、それに対応するIncyteポリペプチド配列番号(IncyteポリペプチドID)を示す。列3は、GenBankの最も近い相同体のGenBank識別番号(Genbank ID NO :)と最も近いPROTEOMEデータベース相同体のPROTEOMEデータベース識別番号(PROTEOME ID NO:)を示す。列4は、各ポリペプチドとその相同体1つ以上との間の一致に関する確率スコアを示す。列5は、GenBankとPROTEOMEデータベースの相同体の注釈を示し、更に該当箇所には関連する引用文献も示す。これらを引用することを以って本明細書の一部とする。【0168】表3は、本発明のポリペプチドの多様な構造的特徴を示す。列1および列2はそれぞれ、本発明の各ポリペプチドに対するポリペプチド配列識別番号(SEQ ID NO:)と、それに対応するIncyteポリペプチド配列番号(IncyteポリペプチドID)を示す。列3は、各ポリペプチドのアミノ酸残基数を示す。列4および列5はそれぞれ、GCG配列分析ソフトウェアパッケージのMOTIFSプログラム(Genetics Computer Group, Madison WI)によって決定された、リン酸化およびグリコシル化の可能性のある部位を示す。列6は、シグネチャ配列、ドメイン、およびモチーフを含むアミノ酸残基を示す。列7は、タンパク質の構造/機能の分析のための分析方法を示し、該当箇所には更に、分析方法に利用した検索可能なデータベースを示す。【0169】表2及び表3は共に、本発明の各々のポリペプチドの特性を要約しており、それらの特性が請求の範囲に記載されたポリペプチドがGTPase関連タンパク質であることを確立している。また他の例として、SEQ ID NO:1はヒトグアニンヌクレオチド調節タンパク質(GenBank ID g484102) とR190残基からE706残基まで53%同一であることがBasic Local Alignment Search Tool (BLAST)によって示された(表2参照)。BLAST確率スコアは1.3e-129であり、これは観察されたポリペプチド配列アラインメントが偶然に得られる確率を示している。SEQ ID NO:1はまた、1つのPHドメイン、1つのRhoGEFドメイン、および1つのSH3ドメインを有し、これは、隠れマルコフモデル(HMM)を基にした保存されたタンパク質ファミリードメイン群のPFAMデータベースにおいて、統計的に有意な一致を検索して決定された(表3参照)。BLAST解析よりのデータは、SEQ ID NO:1がグアニンヌクレオチド調節タンパク質である、さらに実証的な証拠を提供する。【0170】別の例として、SEQ ID NO:6はL225残基からC1845残基までヒト核内二重特異性ホスファターゼ(GenBank ID g3015538)と58%の同一性を有することがBLASTによって示された。BLAST確率スコアは0.0である。SEQ ID NO:2はまた、DENN(AEX-3)およびPHドメインを有するが、これは、隠れマルコフモデル(HMM)を基にしたPFAMデータベースにおいて、統計的に有意な一致を検索して決定された。BLAST解析から得られたデータによって、SEQ ID NO:6が二重特異性ホスファターゼであることが裏付けられた。 別の例において、SEQ ID NO:10はヒトのTRAF4関連因子1(GenBank ID g4580011)とA44残基からM316残基にかけて99%同一であることがBLASTによって示されたBLAST確率スコアは1.0e-138である。さらにSEQ ID NO:10はマウスのセマフォリン細胞質内ドメイン関連タンパク質3B(GenBank ID g6651021)とM18残基からV775残基にかけて50%同一であることがBLASTによって示された。BLAST確率スコアは9.6e-51である。SEQ ID NO:10はまた、1つのPDZドメインを有する。これは、隠れマルコフモデル(HMM)を基にしたPFAMデータベースにおいて、統計的に有意な一致を検索して決定された。BLAST-PRODOM、BLIMPS、MOTIFS解析よりのデータは、SEQ ID NO:10がシグナル伝達分子であるという、さらに確証的な証拠を提供する。【0171】別の例として、SEQ ID NO:15は、マウスのPDZ-RGS3タンパク質(GenBank ID g13774477)とM1残基からL917残基まで、79%の同一性を有することが、BLASTによって示された。BLAST確率スコアは0.0である。PDZRGS3タンパク質はPDZドメインによりBエフリンを結合し、ヘテロ三量体Gタンパク質シグナル伝達(RGS)ドメインの調節因子を持つ(Lu,Q. 他 (2001) Cell 105 (1), 69-79)。SEQ ID NO:15はまた、1つのGタンパク質シグナル伝達調節因子ドメインと1つのPDZドメインを持つが、これは、隠れマルコフモデル(HMM)を基にした保存されたPFAMデータベースにおいて、統計的に有意な一致を検索して決定された。BLIMPS、MOTIFS、及び更なるBLAST解析よりのデータは、SEQ ID NO:15がPDZ-RGS3タンパク質である、さらに実証的な証拠を提供する。【0172】別の例として、SEQ ID NO:24はRho-相互作用GDP/GTP交換因子であるp116Rip(GenBank ID g1657837)とM1残基からD1023残基にかけて91%同一であることがBLASTによって示された。BLAST確率スコアは0.0である。SEQ ID NO:24はまた、1つのPHドメインを有するが、これは、隠れマルコフモデル(HMM)を基にしたPFAMデータベースにおいて、統計的に有意な一致を検索して決定された。更なるBLAST解析からのデータは、SEQ ID NO:24がRho結合タンパク質である、更なる確証を提供する。【0173】別の例として、SEQ ID NO:27は、ソルビン(sorbin)およびSH3ドメイン含有遺伝子(GenBank ID g13650131)とP56残基からL1123残基まで、82%の同一性を有することが、BLASTによって示された。BLAST確率スコアは0.0であるが、これは観測されたポリペプチド配列が偶然に得られる確率を示す。SEQ ID NO:27はまた、1つのSH3ドメインと1つのソルビンドメインを有するが、これは、隠れマルコフモデル(HMM)を基にしたPFAMデータベースにおいて、統計的に有意な一致を検索して決定された。BLIMPSおよびBLAST解析よりのデータは、SEQ ID NO:27がSH3ドメイン含有タンパク質である、さらに実証的な証拠を提供する。【0174】別の例として、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32-36、SEQ ID NO:39はラットのシナプスras GTPase-活性化タンパク質SynGAP(GenBank ID g2935448)と著しい相同性を示すことがBLASTによって示された。SEQ ID NO:30は、M1残基からP1143残基までGenBank ID g2935448に対して95%同一である。SEQ ID NO:32は、M1残基からV1308残基までGenBank ID g2935448に対して97%同一である。SEQ ID NO:33は、M1残基からV1279残基までGenBank ID g2935448に対して99%同一である。SEQ ID NO:34は、M1残基からV1293残基までGenBank ID g2935448に対して99%同一である。SEQ ID NO:35はGenBank ID g2935448に対して、M1残基からL387残基まで99%、V416残基からP1157残基まで98%同一である。SEQ ID NO:36は、M1残基からP1128残基までGenBank ID g2935448に対して98%同一である。SEQ ID NO:39はGenBank ID g2935448に対して、M1残基からL545残基まで99%、V574残基からV1322残基まで98%同一である(表2参照)。SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32-36、SEQ ID NO:39それぞれに対するBLAST確率スコアは0.0であり、これは、観察されたポリペプチド配列アラインメントを偶然に得る確率を示す。SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32-36、SEQ ID NO:39はGTPase活性化タンパク質として同定されることが、PROTEOMEデータベースを使ったBLAST解析によって示された。SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32-36、SEQ ID NO:39は各々RasGTPase活性化タンパク質シグネチャとプロファイルドメインを持つが、これは、隠れマルコフモデル(HMM)を基にしたPFAMデータベースにおいて、統計的に有意な一致を検索して決定された(表3参照)。BLIMPS、MOTIFS及びPROFILESCAN分析から得たデータは、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32-36、SEQ ID NO:39がGTPase活性化タンパク質であることを裏づける証拠を更に提供する。【0175】別の例において、SEQ ID NO:42はヒトのRas様GTPase(GenBank ID g2117166)とM33残基からS309残基にかけて97%同一であることがBLASTによって示されたBLAST確率スコアは4.5e-145である。SEQ ID NO:42はGTP-結合タンパク質であることが、PROTEOMEデータベースを使ったBLAST解析によって示された。SEQ ID NO:42はまた、1つのRasファミリードメインを有するが、これは、隠れマルコフモデル(HMM)を基にしたPFAMデータベースにおいて、統計的に有意な一致を検索して決定された。BLIMPS、MOTIFS及び付加的なBLAST解析よりのデータは、SEQ ID NO:42がRasファミリーGTPaseである、さらに実証的な証拠を提供する。SEQ ID NO:2-5、SEQ ID NO:7-9、SEQ ID NO:11-14、SEQ ID NO:16-23、SEQ ID NO:25-26、SEQ ID NO:28-29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:37-38、SEQ ID NO:40-41は、同様な方法で解析され注釈された。SEQ ID NO:1-45の解析のためのアルゴリズム及びパラメータが表7で記述されている。【0176】表4に示すように、完全長ポリヌクレオチドの具体例は、cDNA配列またはゲノムDNA由来のコード(エキソン)配列を用いて、あるいはこれら2種類の配列を任意に組み合わせてアセンブリした。列1は本発明の各ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチド配列識別番号(ポリヌクレオチドSEQ ID NO)および対応するIncyteポリヌクレオチドコンセンサス配列番号(Incyte ID)、および塩基対の各ポリヌクレオチド配列の長さを示している。列2は、完全長ポリヌクレオチド実施態様のアセンブリに用いたcDNA配列および/またはゲノム配列の、また、例えばSEQ ID NO:46-90を同定するため、或いはSEQ ID NO:46-90と、関連するポリヌクレオチド群とを区別するためのハイブリダイゼーション技術または増幅技術に有用なポリヌクレオチドの断片の、開始ヌクレオチド(5')位置および終了ヌクレオチド(3')位置を示す。【0177】表4の列2で記述されたポリヌクレオチド断片は、具体的にはたとえば組織特異的なcDNAライブラリまたはプールされたcDNAライブラリに由来するIncyte cDNAを指す場合がある。或いは列2に記載したポリヌクレオチド断片は、完全長ポリヌクレオチドのアセンブリに寄与したGenBank cDNAまたはESTを指す場合もある。さらに、列2のポリヌクレオチド断片は、ENSEMBL(The Sanger Centre、英国ケンブリッジ)データベースから由来した配列(即ち「ENST」命名を含む配列)を同定し得る。或いは、列2で記述されたポリヌクレオチド断片は、NCBI RefSeq Nucleotide Sequence Records データベースから由来する場合もあり(即ち「NM」または「NT」の命名を含む配列)、またNCBI RefSeq Protein Sequence Recordsから由来する場合もある(即ち「NP」の命名を含む配列)。または列2のポリヌクレオチド断片は、「エキソンスティッチング(exon-stitching)」アルゴリズムにより結び合わせたcDNA及びGenscan予想エキソンの両方のアセンブリ体を意味する場合がある。例えば、FL_XXXXXX_N1_N2_YYYYY_N3_N4 と同定されるポリヌクレオチドは、アルゴリズムが適用される配列のクラスターの識別番号がXXXXXXであり、アルゴリズムにより生成される予測の番号がYYYYY であり、(もし存在すれば)N1,2,3..が解析中に手動で編集された可能性のある特定のエキソンであるような「縫合された(stitched)」配列である(実施例5参照)。または、列2のポリヌクレオチド断片は「エキソンストレッチング(exon-stretching)」アルゴリズムにより結び合わせたエキソンのアセンブリ体を指す場合もある。例えば、FLXXXXXX_gAAAAA_gBBBBB_1_Nとして同定されるポリヌクレオチド配列は、「ストレッチされた」配列である。XXXXXXはIncyteプロジェクト識別番号、gAAAAAは「エキソンストレッチング」アルゴリズムを適用したヒトゲノム配列のGenBank識別番号、gBBBBBは一番近いGenBankタンパク質相同体のGenBank識別番号またはNCBI RefSeq 識別番号であり、Nは特定のエキソンを指す(実施例5を参照)。あるRefSeq配列が「エキソンストレッチング」アルゴリズムのためのタンパク質相同体として使用された場合では、RefSeq識別子(「NM」、「NP」、または「NT」によって表される)が、GenBank識別子(即ち、gBBBBB)の代わりに使用される場合もある。【0178】あるいは、接頭コードは手作業で編集されたか、ゲノムDNA配列から予測されたか、または配列解析方法の組み合わせから由来している構成配列を同定する。次の表は構成配列の接頭コードと、接頭コードに対応する同じ配列の分析方法の例を列記する(実施例4と5を参照)。【0179】場合によっては、最終コンセンサスポリヌクレオチド配列を確認するために、表4に示すような配列の適用範囲と重複するIncyte cDNA適用範囲が得られたが、該当するIncyte cDNA識別番号は示さなかった。【0180】表5は、Incyte cDNA配列を用いてアセンブリされた完全長ポリヌクレオチドのための代表的なcDNAライブラリを示している。代表的なcDNAライブラリとはIncyte cDNAライブラリであり、これは、最も頻繁にはIncyte cDNA配列群によって代表されるが、これら配列は、上記のポリヌクレオチドをアセンブリおよび確認するために用いられた。cDNAライブラリを作製するために用いた組織およびベクターを表5に示し、表6で説明している。【0181】表8は、本発明のポリヌクレオチド配列に見られる一塩基多型((SNP) を、種々のヒト集団での対立遺伝子(アレル)頻度と共に示す。列1および列2はそれぞれ、本発明の各ポリヌクレオチドのポリヌクレオチド配列識別番号(SEQ ID NO :)およびそれに対応するIncyteプロジェクト識別番号(PID)を示す。列3はSNPが検出されたESTのIncyte識別番号(EST ID)を示し、列4はSNPの識別番号(SNP ID)を示す。列5はSNPが存在するEST配列内の位置(EST SNP)を示し、列6は完全長ポリヌクレオチド配列内のSNPの位置(CB1 SNP)を示す。列7はEST配列内に存在する対立遺伝子を示す。列8および列9はSNP部位に存在する2つの対立遺伝子を示す。列10はESTに存在する対立遺伝子に基づいてSNP部位に含まれるコドンによってコードされるアミノ酸を示す。列11〜14は四つの異なったヒト母集団における対立遺伝子1の発生頻度を示す。n/d(検出されない)の項目は母集団における対立遺伝子1の発生頻度が低すぎて検出されなかったことを示し、また、n/a(利用不可)はその母集団において対立遺伝子の発生頻度が決定されなかったことを示す。【0182】本発明はまた、INTSIGの変異体も含む。好適なINTSIGの変異体は、INTSIGアミノ酸配列に対して、少なくとも約80%、あるいは少なくとも約90%、さらには少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有し、INTSIGの機能的または構造的特徴を少なくとも1つ含む変異体である。【0183】種々の実施態様もまた、INTSIGをコードするポリヌクレオチドをも含む。特定の実施例において、本発明は、INTSIGをコードするSEQ ID NO:46-90からなる群から選択した配列を含むポリヌクレオチド配列を含む。配列表に示したSEQ ID NO:4690のポリヌクレオチド配列は等価RNA配列を含むが、窒素塩基チミンの出現はウラシルに置換され、糖のバックボーンはデオキシリボースではなくリボースから構成されている。【0184】本発明はまた、INTSIGをコードするポリヌクレオチドの変異体を含む。詳細には、このような変異体ポリヌクレオチドは、INTSIGをコードするポリヌクレオチドとの、少なくとも約70%のポリヌクレオチド配列同一性、あるいは少なくとも約85%のポリヌクレオチド配列同一性、更には少なくとも約95%ものポリヌクレオチド配列同一性を持つこととなる。本発明の或る実施態様では、SEQ ID NO:46-90からなる群から選択されたアミノ酸配列と少なくとも約70%、或いは少なくとも約85%、または少なくとも約95%ものポリヌクレオチド配列同一性を有するようなSEQ ID NO:46-90からなる群から選択された配列を有するポリヌクレオチド配列の変異配列を含む。上記の任意のポリヌクレオチドの変異体は、INTSIGの機能的若しくは構造的特徴を少なくとも1つ有するアミノ酸配列をコードし得る。【0185】さらに、或いは別法では、本発明のポリヌクレオチド変異体は、INTSIGをコードするポリヌクレオチドのスプライス変異体である。或るスプライス変異体はINTSIGをコードするポリヌクレオチドとの顕著な配列同一性を持つ部分複数を有し得るが、mRNAプロセッシング中のエキソン群の選択的スプライシングによって生ずる、配列の数ブロックの付加または欠失により、通常、より多数またはより少数のポリヌクレオチドを有することになる。或るスプライス変異体には、約70%未満、または約60%未満、あるいは約50%未満のポリヌクレオチド配列同一性が、INTSIGをコードするポリヌクレオチドとの間で全長に渡って見られるが、このスプライス変異体の幾つかの部分には、INTSIGをコードするポリヌクレオチドの各部との、少なくとも約70%、あるいは少なくとも約85%、または少なくとも約95%、なおまたは100%の、ポリヌクレオチド配列同一性を有することとなる。例えば、配列SEQ ID NO:54を含むポリヌクレオチド、配列SEQ ID NO:90を含むポリヌクレオチドは互いにスプライス変異体である。配列SEQ ID NO:57を含むポリヌクレオチド、配列SEQ ID NO:59を含むポリヌクレオチドは互いにスプライス変異体である。配列SEQ ID NO:69を含むポリヌクレオチド、配列SEQ ID NO:70を含むポリヌクレオチドは互いにスプライス変異体である。配列SEQ ID NO:75を含むポリヌクレオチド、配列SEQ ID NO:77を含むポリヌクレオチド、配列SEQ ID NO:78を含むポリヌクレオチド、配列SEQ ID NO:79を含むポリヌクレオチド、配列SEQ ID NO:80を含むポリヌクレオチド、配列SEQ ID NO:81を含むポリヌクレオチド、配列SEQ ID NO:84を含むポリヌクレオチドは互いにスプライス変異体である。また配列SEQ ID NO:76を含むポリヌクレオチド、配列SEQ ID NO:88を含むポリヌクレオチドは互いにスプライス変異体である。上記したスプライス変異体は何れも、INTSIGの機能的或いは構造的特徴の少なくとも1つを有する或るポリペプチドをコードし得る。【0186】遺伝暗号の縮重により作り出され得るINTSIGをコードする種々のポリヌクレオチド配列には、自然発生する任意の既知の遺伝子のポリヌクレオチド配列と最小の類似性しか有しないものも含まれることを、当業者は理解するであろう。したがって本発明には、可能コドン選択に基づく組合せの選択によって産出し得るあらゆる可能なポリヌクレオチド配列のバリエーションを網羅し得る。これらの組み合わせは、天然のINTSIGのポリヌクレオチド配列に適用される標準的なトリプレット遺伝暗号を基に作られ、全てのそのような変異が明確に開示されているとみなす。【0187】INTSIGとその変異体とをコードするポリヌクレオチドは一般に、好適に選択されたストリンジェンシー条件下で天然INTSIGのポリヌクレオチドとハイブリダイズ可能であるが、非天然コドン群を含めるなどの実質的に異なるコドン使用を有するINTSIG或いはその誘導体をコードするポリヌクレオチドを作り出すことは、有益であり得る。宿主が特定コドンを利用する頻度に基づいて、特定の真核宿主または原核宿主に発生するペプチドの発現率を高めるようにコドンを選択し得る。コードされたアミノ酸配列を変えないで、INTSIG及びその誘導体をコードするヌクレオチド配列を実質的に変更する別の理由は、天然の配列から作られる転写物より例えば長い半減期など好ましい特性を備えるRNA転写物を作ることにある。【0188】本発明にはまた、INTSIGとその誘導体とをコードする、ポリヌクレオチド群またはそれらの断片の、完全に合成化学による作製も含む。作製後、当分野で周知の試薬を用いて、この合成ポリヌクレオチドを任意の様々な入手可能な発現ベクター及び細胞系中に挿入し得る。更に、合成化学を用いてINTSIGまたはその任意の断片をコードする或るポリヌクレオチドに突然変異を誘導し得る。【0189】本発明の実施態様には、種々のストリンジェンシー条件下で、請求項に記載のポリヌクレオチド、特に、SEQ ID NO:46-90に示す配列を持つポリヌクレオチド、及びそれらの断片群にハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド群が含まれる(Wahl, G.MおよびS.L. Berger (1987) Methods Enzymol.152:399-407、Kimmel, A.R.(1987)Methods Enzymol.152:507-511)。アニーリングおよび洗浄条件を含むハイブリダイゼーションの条件は、「定義」に記載した。【0190】DNAシークエンシングの方法は当分野では公知であり、本発明のいずれの実施例もDNAシークエンシング方法を用いて実施可能である。DNAシークエンシング方法には酵素を用い得る。例えばDNAポリメラーゼ1のクレノウ断片、SEQUENASE(US Biochemical, Cleveland OH)、Taqポリメラーゼ(Applied Biosystems)、熱安定性T7ポリメラーゼ(Amersham Biosciences, Piscataway NJ)を用い得る。あるいは、例えばELONGASE増幅システム(Invitrogen, Carlsbad CA)において見られるように、ポリメラーゼと校正エキソヌクレアーゼとを併用し得る。好適には、MICROLAB2200液体転移システム(Hamilton, Reno, NV)、PTC200サーマルサイクラー(MJ Research, Watertown MA)およびABI CATALYST 800サーマルサイクラー(Applied Biosystems)などの装置を用いて配列の準備を自動化する。次に、ABI 373或いは377 DNAシークエンシングシステム(Applied Biosystems)、MEGABACE 1000 DNAシークエンシングシステム(Amersham Biosciences)または当分野でよく知られている他の方法を用いてシークエンシングを行う。結果として得られた配列を当分野でよく知られている種々のアルゴリズムを用いて分析する(Ausubel 他, 前出, 7章、Meyers, R.A. (1995) Molecular Biology and Biotechnology, Wiley VCH, New York NY, 856-853ページ)。【0191】当分野で周知の、PCR法をベースにした種々の方法と、部分的ヌクレオチド配列とを利用して、INTSIGをコードする核酸を伸長し、プロモーターや調節エレメントなど、上流にある配列を検出し得る。例えば、使用し得る方法の1つである制限部位PCR法は、ユニバーサルプライマー及びネステッドプライマーを用いてクローニングベクター内のゲノムDNAから未知の配列を増幅する方法である(Sarkar, G. (1993) PCR Methods Applic 2:318-322)。別の方法にインバースPCR法があり、これは広範な方向に伸長させたプライマーを用いて環状化した鋳型から未知の配列を増幅する方法である。鋳型は、或る既知のゲノム遺伝子座およびその周辺の配列群からなる制限酵素断片群から得る(Triglia, T. 他(1988) Nucleic Acids Res.16:8186)。第3の方法としてキャプチャPCR法があり、これはヒト及び酵母菌人工染色体DNAの既知の配列に隣接するDNA断片をPCR増幅する方法に関与している(Lagerstrom, M.他(1991) PCR Methods Applic.1:111119)。この方法では、PCRを行う前に複数の制限酵素の消化及びライゲーション反応を用いて未知の配列領域内に組換え二本鎖配列を挿入することが可能である。未知の配列群を検索するために用い得る他の複数の方法も当分野で既知である(Parker, J.D 他(1991) Nucleic Acids Res.19:30553060)。更に、PCR、ネステッドプライマー及びPromoterFinderライブラリ(Clontech, Palo Alto CA)を用いてゲノムDNAをウォーキングすることができる。この手順は、ライブラリ類をスクリーニングする必要がなく、イントロン/エキソン接合部の発見に有用である。全てのPCRベースの方法では、市販ソフトウェア、例えばOLIGO 4.06プライマー分析ソフトウェア(National Biosciences, Plymouth MN)或いは別の好適なプログラムを用いて、長さが約22〜30ヌクレオチド、GC含有率が約50%以上で、温度約68℃〜72℃で鋳型に対してアニーリングするように、プライマー群を設計し得る。【0192】完全長cDNA群をスクリーニングする際は、より大きなcDNA群を含むようにサイズ選択されたライブラリ群を用いるのが好ましい。更に、ランダムプライマーのライブラリは、遺伝子群の5'領域を有する配列をしばしば含んでおり、オリゴd(T)ライブラリが完全長cDNAを作製できない状況に対して好適である。ゲノムライブラリ群は、5'非転写調節領域への、配列の伸長に有用であろう。【0193】市販のキャピラリー電気泳動システムを用いて、シークエンシングまたはPCR産物のサイズを分析し、またはそのヌクレオチド配列を確認することができる。具体的には、キャピラリーシークエンシングは、電気泳動による分離のための流動性ポリマーと、4つの異なるヌクレオチドに特異的であるような、レーザで刺激される蛍光色素と、発光された波長の検出に利用するCCDカメラとを有し得る。出力/光の強度は、適切なソフトウェア(Applied Biosystems社のGENOTYPER、SEQUENCE NAVIGATOR等)を用いて電気信号に変換し得る。サンプルのロードからコンピュータ分析及び電子データ表示までの全プロセスがコンピュータ制御可能である。キャピラリー電気泳動法は、特定のサンプルに少量しか存在しないようなDNA小断片のシークエンシングに特に適している。【0194】本発明の別の実施例では、INTSIGをコードするポリヌクレオチドまたはその断片を組換えDNA分子にクローニングして、適切な宿主細胞内にINTSIG、その断片または機能的等価物を発現させることが可能である。遺伝暗号固有の縮重により、実質的に同じ或いは機能的に等価のポリペプチドをコードする別のポリヌクレオチドを産生し、これらの配列をINTSIGの発現に利用し得る。【0195】種々の目的でINTSIGがコードする配列を変えるために、本発明のヌクレオチドを当分野で通常知られている方法を用いて組み換えることができる。ここで目的には、限定するものではないが遺伝子産物のクローニング、プロセッシング、発現の調節がある。遺伝子断片及び合成オリゴヌクレオチドのランダムなフラグメンテーション及びPCR再アセンブリによるDNAシャッフリングを用い、ヌクレオチド配列を組み換えることが可能である。例えば、オリゴヌクレオチドを介した部位特異的変異誘導を利用して、新規な制限部位の作製、グリコシル化パターンの変更、コドン優先の変更、スプライス変異体の生成等を起こす突然変異を導入し得る。【0196】本発明のヌクレオチドは、MOLECULARBREEDING(Maxygen Inc., Santa Clara CA, 米国特許第5,837,458号、Chang, C.-C.他 (1999) Nat. Biotechnol. 17:793-797; Christians, F.C. 他(1999) Nat. Biotechnol. 17:259-264; Crameri, A. 他(1996) Nat. Biotechnol. 14:315-319)などのDNAシャッフリング技術の対象となり得る。これにより、生物活性または酵素活性、あるいは他の分子や化合物と結合する能力など、INTSIGの生物学的特性を改変あるいは改良し得る。DNAシャッフリングは、遺伝子断片のPCRを介する組換えを用いて遺伝子変異体のライブラリを作製するプロセスである。ライブラリはその後、所望の特性を持つ遺伝子変異体群を同定する、選択またはスクリーニングの手順を経る。続いて、これら好適な変異体をプールし、更に反復してDNAシャッフリングおよび選択/スクリーニングを行い得る。従って、「人工的な」育種及び急速な分子の進化によって遺伝的多様性が生み出される。例えば、ランダムポイント突然変異を持つ単一の遺伝子の断片を組換えて、スクリーニングし、その後所望の特性が最適化されるまでシャッフリングし得る。或いは、所与の遺伝子を同種または異種のいずれかから得た同一遺伝子ファミリーの相同遺伝子と組み換え、それによって天然に存在する複数の遺伝子の遺伝多様性を、管理され制御可能な方法で、最大化させることができる。【0197】別の実施態様では、INTSIGをコードするポリヌクレオチドは、当分野で周知の化学的方法を用いて、全体或いは一部を合成可能である(例えば、Caruthers. M.H.他(1980) Nucleic Acids Symp. Ser. 7:215-223; Horn, T.他(1980) Nucleic Acids Symp. Ser. 7:225-232)。あるいは、INTSIG自体またはその断片を当分野で既知の化学的方法を用いて合成し得る。例えば、種々の液相または固相技術を用いてペプチド合成を行うことができる(Creighton, T. (1984) Proteins, Structures and Molecular Properties, WH Freeman, New York NY, 55-60ページ; Roberge, J.Y.他(1995) Science 269:202-204)。自動合成はABI 431Aペプチドシンセサイザ(Applied Biosystems)を用いて達成し得る。更にINTSIGのアミノ酸配列または任意のその一部は、直接的な合成の際の変更、及び/または他のタンパク質または任意のその一部からの配列との組み合わせにより、天然のポリペプチド配列を有するポリペプチドまたは変異体ポリペプチドを作製することが可能である。【0198】ペプチドは、分離用高速液体クロマトグラフィーを用いて実質上精製可能である(Chiez, R.M.及び F.Z. Regnier (1990) Methods Enzymol. 182:392-421)。合成ペプチドの組成は、アミノ酸分析またはシークエンシングによって確認することができる(前出のCreighton, 28-53ページ)。【0199】生物学的に活性なINTSIGを発現させるために、INTSIGをコードするポリヌクレオチドまたはその誘導体を好適な発現ベクターに挿入する。この発現ベクターは、好適な宿主に挿入されたコーディング配列の転写及び翻訳の調節に必要な要素を含む。必要なエレメントとしては、ベクター内およびINTSIGをコードするポリヌクレオチドにおける調節配列(例えばエンハンサー、構成型および発現誘導型のプロモーター、5'および3'の非翻訳領域など)が含まれる。必要なエレメント群は、強度および特異性が様々である。特定の開始シグナルによって、INTSIGをコードするポリヌクレオチドのより効果的な翻訳を達成することが可能である。開始シグナルの例には、ATG開始コドンと、コザック配列など近傍の配列とが含まれる。INTSIGをコードするポリヌクレオチド配列、およびその開始コドンや、上流の調節配列が好適な発現ベクターに挿入された場合は、更なる転写制御シグナルや翻訳制御シグナルは必要でないこともある。しかしながら、コード配列あるいはその断片のみが挿入された場合は、インフレームATG開始コドンなど外来性の翻訳制御シグナルが発現ベクターに含まれるようにすべきである。外来性の翻訳エレメント及び開始コドンは、様々な天然物及び合成物を起源とし得る。用いられる特定の宿主細胞系に好適なエンハンサーを含めることで発現の効率を高めることが可能である(Scharf, D.他(1994) Results Probl.Cell Differ.20:125162)。【0200】当業者に周知の方法を用いて、INTSIGをコードするポリヌクレオチド、好適な転写及び翻訳調節エレメントを含む発現ベクターを作製することが可能である。これらの方法としては、in vitro組換えDNA技術、合成技術、およびin vivo遺伝子組換え技術がある(Sambrook, J.他(1989) Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Plainview NY, 4, 8, および 16-17章; Ausubel他、前出、1, 3および15章)。【0201】種々の発現ベクター/宿主系を利用して、INTSIGをコードするポリヌクレオチドの保持及び発現が可能である。限定するものではないがこのような発現ベクター/宿主系には、組換えバクテリオファージ、プラスミドまたはコスミドDNA発現ベクターで形質転換させた細菌や、酵母菌発現ベクターで形質転換させた酵母菌などの微生物や、ウイルス発現ベクター(例えばバキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系や、ウイルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウイルス:CaMVまたはタバコモザイクウイルス:TMV)または細菌発現ベクター(例えばTiまたはpBR322プラスミド)で形質転換させた植物細胞系、動物細胞系等がある(Sambrook、前出、 Ausubel 他、前出、Van Heeke, G. および S.M. Schuster (1989) J. Biol. Chem. 264:55035509; Engelhard, E.K. 他(1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:3224-3227、Sandig, V.他(1996) Hum.Gene Ther.7:1937-1945、Takamatsu, N. (1987) EMBO J. 6:307-311;『マグローヒル科学技術年鑑』(The McGraw Hill Yearbook of Science and Technology) (1992) McGraw Hill, New York NY, 191-196ページ、Logan, J.およびT. Shenk (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:3655-3659、Harrington, J.J. 他(1997) Nat. Genet. 15:157-355)。レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルスまたはワクシニアウイルス由来の発現ベクター、または種々の細菌性プラスミド由来の発現ベクターを用いて、ポリヌクレオチドを標的器官、組織または細胞集団へ送達することができる(Di Nicola, M.他(1998) Cancer Gen. Ther. 5:350-356; Yu, M.他(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6340-6344; Buller, R.M.他(1985) Nature 317:813-815; McGregor, D.P.他(1994) Mol. Immunol. 31:219-226; Verma, I.M.およびN. Somia (1997) Nature 389:239-242)。本発明は使用する宿主細胞によって限定されない。【0202】細菌系では、多数のクローニングベクター及び発現ベクターを、INTSIGをコードするポリヌクレオチド群の使用目的に応じて選択できる。例えばINTSIGをコードするポリヌクレオチドの慣例的なクローニング、サブクローニング、増殖には、PBLUESCRIPT(Stratagene, La Jolla CA)またはPSPORT1プラスミド(Invitrogen)などの多機能の大腸菌ベクターを用いることができる。ベクターのマルチクローニング部位にINTSIGをコードするポリヌクレオチドを連結反応するとlacZ遺伝子が破壊され、組換え分子を含む形質転換された細菌の同定のための比色スクリーニング法が可能となる。更にこれらのベクターは、クローニングされた配列におけるin vitro転写、ジデオキシのシークエンシング、ヘルパーファージによる一本鎖のレスキュー、入れ子状態の欠失の生成にも有用であろう(Van Heeke, G. および S.M. Schuster (1989) J. Biol. Chem. 264:5503-5509 )。例えば、抗体の産生のためなどに多量のINTSIGが必要な場合は、INTSIGの発現をハイレベルで誘導するベクターが使用できる。例えば、強力な誘導SP6バクテリオファージプロモーターまたは誘導T7バクテリオファージプロモーターを含むベクターが使用できる。【0203】酵母の発現系を使用してINTSIGを産出し得る。α因子、アルコールオキシダーゼ、PGHプロモーター等の構成型或いは誘導型のプロモーターを含む多数のベクターが、出芽酵母菌(Saccharomyces cerevisiae) またはピキア酵母(Pichia pastoris)に使用可能である。更に、このようなベクターは、発現したタンパク質の、分泌か細胞内での保持かのどちらかを指示するものであり、安定した増殖のために宿主ゲノムの中に外来ポリヌクレオチド配列群を組み込むことを可能にする(Ausubel 他、前出; Bitter, G.A. 他、(1987) Methods Enzymol.153:516-544; Scorer, C.A.他(1994) Bio/Technology 12:181-184)。【0204】植物系を使用してINTSIGを発現することも可能である。INTSIGをコードするポリヌクレオチドの転写は、ウイルスプロモーター、例えば単独あるいはTMV由来のオメガリーダー配列と組み合せて用いられるようなCaMV由来の35Sおよび19Sプロモーターによって促進される(Takamatsu, N. (1987) EMBO J. 6:307311)。あるいは、RUBISCO の小サブユニットなどの植物プロモーター、または熱ショックプロモーターを用い得る(Coruzzi, G. 他(1984) EMBO J. 3:1671-1680; Broglie, R.他(1984) Science 224:838-843; および Winter, J.他(1991) Results Probl.Cell Differ. 17:85105)。 これらの構成物は、直接DNA形質転換または病原体を媒介とする形質移入によって、植物細胞内に導入可能である(『マグローヒル科学技術年鑑』(The McGraw Hill Yearbook of Science and Technology) (1992) McGraw Hill New York NY, 191-196ページ)。【0205】哺乳類細胞においては、多数のウイルスベースの発現系を利用し得る。アデノウイルスが発現ベクターとして用いられる場合、後発プロモーター及び3連リーダー配列からなるアデノウイルス転写物/翻訳複合体にINTSIGをコードするポリヌクレオチドを連結し得る。アデノウイルスゲノムの非必須のE1またはE3領域への挿入することにより、感染した宿主細胞にINTSIGを発現する生ウイルスを得ることが可能である(Logan, J.及びShenk, T.(1984)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:3655-3659)。更に、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサー等の転写エンハンサーを用いて、哺乳動物宿主細胞における発現を増大させ得る。SV40またはEBVをベースにしたベクターを用いてタンパク質を高レベルで発現させることもできる。【0206】また、ヒト人工染色体(HAC)類を用いて、或るプラスミドに含まれ得る断片やプラスミドから発現し得る断片より大きなDNAの断片群を送達し得る。治療のために約6kb〜10MbのHACsが作製され、従来の送達方法(リポソーム、ポリカチオンアミノポリマー、またはベシクル)で送達されている(Harrington, J.J.他(1997) Nat. Genet. 15:157-355)。【0207】哺乳動物系の組換えタンパク質の長期にわたる産生のためには、株化細胞におけるINTSIGの安定した発現が望ましい。例えば、発現ベクターを用いて、INTSIGをコードするポリヌクレオチドを株化細胞に形質転換することが可能である。このような発現ベクターは、ウイルス起源の複製要素及び/または内因性の発現要素や、同じベクター上に或いは別のベクター上に選択マーカー遺伝子を含み得る。ベクターの導入後、選択培地に移す前に強化培地で約1〜2日間、細胞を増殖させ得る。選択可能マーカーの目的は選択剤への抵抗性を与えることであり、選択可能マーカーの存在により、導入した配列をうまく発現するような細胞の成長および回収が可能となる。安定的に形質転換された細胞の耐性クローンは、その細胞型に適した組織培養技術を用いて増殖できる。【0208】任意の数の選択系を用いて、形質転換細胞株を回収できる。限定するものではないがこのような選択系には、tk−細胞のために用いられる単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子と、apr−細胞のために用いられる単純ヘルペスウイルスのアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子がある(Wigler, M. 他(1977) Cell 11:223-232; Lowy, I. 他(1980) Cell 22:817-823)。また、選択の基礎として代謝拮抗物質、抗生物質あるいは除草剤への耐性を用いることができる。例えばdhfrはメトトレキセートに対する耐性を与え、neoはアミノグリコシドであるネオマイシンおよびG-418に対する耐性を与え、alsはクロルスルフロンに対する耐性を、patはホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼに対する耐性を各々与える(Wigler, M. 他(1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:35673570、Colbere-Garapin, F.他(1981) J. Mol. Biol. 150:1-14)。この他の選択可能な遺伝子、例えば、代謝のための細胞の必要条件を変えるtrpB及びhisDは、文献に記載されている(Hartman, S.C.及びR.C. Mulligan (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:8047-8051)。可視マーカー類、例えばアントシアニンや、緑色蛍光タンパク質(GFP;Clontech)、βグルクロニダーゼおよびその基質であるβグルクロニド、またはルシフェラーゼおよびその基質であるルシフェリンを用い得る。これらのマーカーを用いて、形質転換体を同定するだけでなく、特定のベクター系に起因する一過性或いは安定したタンパク質発現を定量することも可能である(Rhodes, C.A. (1995) Methods Mol. Biol. 55:121-131)。【0209】マーカー遺伝子発現の有無によって目的の遺伝子の存在が示唆されても、その遺伝子の存在および発現の確認が必要な場合もある。例えば、INTSIGをコードする配列がマーカー遺伝子配列の中に挿入された場合、INTSIGをコードするポリヌクレオチドを含む形質転換された細胞は、マーカー遺伝子機能の欠落により同定可能である。または、1つのプロモーターの制御下でマーカー遺伝子がINTSIGをコードする配列とタンデムに配置することも可能である。誘導または選択に応答したマーカー遺伝子の発現は通常、タンデム遺伝子の発現も示す。【0210】一般に、INTSIGをコードするポリヌクレオチドを持ち、INTSIGを発現する宿主細胞は、当業者に周知の種々の方法を用いて特定できる。これらの方法には、DNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼーションや、PCR法、核酸或いはタンパク質の検出及び/または数量化のための膜系、溶液ベース、或いはチップベースの技術を含むタンパク質生物学的試験法または免疫学的アッセイが含まれるが、これらに限定されるものではない。【0211】特異的ポリクローナル抗体または特異的モノクローナル抗体を用いてINTSIGの発現の検出及び計測を行うための免疫学的方法は、当分野で公知である。このような技術の例としては、酵素に結合した免疫吸着剤検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、フローサイトメーター(FACS)などが挙げられる。INTSIG上の2つの非干渉エピトープに反応するモノクローナル抗体を用いた、2部位のモノクローナルベースイムノアッセイ(two-site, monoclonal-based immunoassay)が好ましいが、競合結合アッセイも用いることもできる。これらのアッセイおよび他のアッセイは、当分野で周知である(Hampton, R.他(1990) Serological Methods, a Laboratory Manual, APS Press, St. Paul MN, Sect.IV、Coligan, J.E.他(1997) Current Protocols in Immunology, Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience, New York NY; Pound, J.D. (1998) Immunochemical Protocols, Humana Press, Totowa NJ)。【0212】多岐にわたる標識方法及び抱合方法が、当業者に知られており、様々な核酸アッセイおよびアミノ酸アッセイにこれらの方法を用い得る。INTSIGをコードするポリヌクレオチドに関連する配列を検出するための、標識されたハイブリダイゼーションプローブ或いはPCRプローブを生成する方法には、オリゴ標識化、ニックトランスレーション、末端標識化、または標識されたヌクレオチドを用いるPCR増幅が含まれる。或いはINTSIGをコードするポリヌクレオチド、またはその任意の断片を、mRNAプローブを生成するためのベクターにクローニングしうる。このようなベクターは、当分野において知られており、市販もされており、T7、T3またはSP6などの好適なRNAポリメラーゼおよび標識されたヌクレオチドを加えて、in vitroでRNAプローブの合成に用いることができる。これらの方法は、例えばAmersham Biosciences、Promega(Madison WI)、U.S. Biochemicalなどの種々の市販キットを用いて実行できる。検出を容易にするために用い得る好適なレポーター分子あるいは標識には、基質、補助因子、インヒビター、磁気粒子のほか、放射性核種、酵素、蛍光剤、化学発光剤、発色剤などがある。【0213】INTSIGをコードするポリヌクレオチドで形質転換した宿主細胞を、細胞培地での該タンパク質の発現と回収とに好適な条件下で培養しうる。形質転換細胞から製造されたタンパク質が分泌されるか細胞内に留まるかは、使用される配列、ベクター、あるいはその両者に依存する。INTSIGをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、原核細胞膜及び真核細胞膜を透過してのINTSIGの分泌を誘導するシグナル配列を含むように設計できることは、当業者には理解されよう。【0214】更に、宿主細胞株の選択は、挿入したポリヌクレオチドの発現をモジュレートする能力、または発現したタンパク質を所望の形に処理する能力によって行い得る。限定するものではないがこのようなポリペプチドの修飾には、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化およびアシル化がある。タンパク質の「プレプロ」または「プロ」形を切断する翻訳後のプロセシングを利用して、タンパク質の標的への誘導、折りたたみ及び/または活性を特定することが可能である。翻訳後の活性のための、特定の細胞装置および特徴的な機序を持つ、種々の宿主細胞(例えばCHO、HeLa、MDCK、HEK293、WI38など)は、American Type Culture Collection(ATCC, Manassas, VA)から入手可能であり、外来タンパク質の正しい修飾およびプロセシングを確実にするように選択し得る。【0215】本発明の別の実施態様では、INTSIGをコードする天然ポリヌクレオチド、修飾ポリヌクレオチド、または組換えポリヌクレオチドを或る異種配列に結合させ、上記した任意の宿主系内で、或る融合タンパク質の翻訳を生じ得る。例えば、市販の抗体によって認識できる異種部分を含むキメラINTSIGタンパク質が、INTSIG活性のインヒビターに対するペプチドライブラリのスクリーニングを促進し得る。また、異種タンパク質部分および異種ペプチド部分も、市販されている親和性マトリックスを用いて融合タンパク質の精製を促進し得る。限定されるものではないがこのような部分には、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、チオレドキシン(Trx)、カルモジュリン結合ペプチド(CBP)、6-His、FLAG、c-myc、赤血球凝集素(HA)がある。GSTは固定化グルタチオン上で、MBPはマルトース上で、Trxはフェニルアルシンオキシド上で、CBPはカルモジュリン上で、そして6-Hisは金属キレート樹脂上で、同族の融合タンパク質の精製を可能にする。FLAG、c-mycおよび赤血球凝集素(HA)は、これらのエピトープ標識を特異的に認識する市販のモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を用いた、融合タンパク質の免疫親和性精製を可能にする。また、INTSIGをコードする配列と異種タンパク質配列との間にあるタンパク質分解切断部位を融合タンパク質が含むように遺伝子操作すると、INTSIGが精製の後に異種部分から切断され得る。融合タンパク質の発現および精製方法は、前出のAusubel他(前出、10および16章)に記載がある。市販されている種々のキットを用いて融合タンパク質の発現および精製を促進することもできる。【0216】別の実施例では、TNTウサギ網状赤血球可溶化液またはコムギ胚芽抽出系(Promega)を用いてin vitroで放射能標識したINTSIGの合成が可能である。これらの系は、T7、T3またはSP6プロモーターと機能的に連結したタンパク質コード配列の転写及び翻訳をカップルさせる。翻訳は、例えば35Sメチオニンのような放射能標識したアミノ酸前駆体の存在下で起こる。【0217】INTSIGに特異的に結合する化合物をスクリーニングするために、INTSIG、INTSIGの断片、あるいはINTSIGの変異体を用いることは可能である。INTSIGに対する特異的結合について、一つ以上の試験化合物をスクリーンすることができる。種々の実施様態において、INTSIGに対する特異結合について、1、2、3、4、5、10、20、50、100または200の試験化合物をスクリーンすることができる。試験化合物の例として、抗体、アンティカリン(anticalins)、オリゴヌクレオチド、タンパク質(例えばリガンドや受容体)、または小分子が挙げられる。【0218】関連の実施態様で、INTSIG変異体を用いて試験化合物たとえば抗体の、INTSIGへの結合や、INTSIG変異体へ、または組み合わせたINTSIGおよび/または1つ以上のINTSIG変異体への結合をスクリーニングできる。ある実施様態においては、SEQ ID NO:1-45の配列の正確な配列を有するINTSIGではなく、INTSIGの変異体に結合する化合物のスクリーニングにINTSIGの変異体を用いることができる。このようなスクリーニングを行うために使うINTSIG変異体はINTSIGに約50%から約99%の範囲で配列同一性を有し得る。また、種々の実施様態で60%、70%、75%、80%、85%、90%,および95%の配列同一性を有することができる。【0219】或る実施態様でINTSIGへの特異結合スクリーニングで同定された化合物は、INTSIGの天然リガンドに密接に関連する場合があり、例えばリガンドやその断片であり、または天然基質や、構造的または機能的な擬態物質(mimetic)、あるいは自然結合パートナーである(Coligan, J.E.他(1991) Current Protocols in Immunology 1(2):5章)。別の実施様態では、こうして同定した化合物は、受容体INTSIGの天然リガンドであり得る(Howard, A.D. 他.(2001) Trends Pharmacol.Sci.22:132-140; Wise, A. 他(2002) Drug Discovery Today 7:235-246)。【0220】別の実施態様で、INTSIGへの特異的結合のためのスクリーニングで同定される或る化合物はINTSIGが結合する天然受容体、少なくとも該受容体の或る断片、または例えばリガンド結合部位や結合ポケットの全体または一部を含む該受容体の或る断片に、密接に関連し得る。例えば該化合物は、シグナルを伝播可能なINTSIG受容体の場合や、シグナルを伝播できないINTSIGおとり受容体の場合がある(Ashkenazi, A.およびV.M. Divit (1999) Curr. Opin. Cell Biol. 11:255-260、Mantovani, A. 他(2001) Trends Immunol.22:328-336)。該化合物は既知の技術を用いて合理的に設計できる。こうした技術の例としては、化合物エタネルセプト(etanercept)(ENBREL; Amgen Inc., Thousand Oaks CA)作製に用いた技術を含む。エタネルセプトは、ヒトのリウマチ様関節炎の治療に有効である。エタネルセプトは遺伝子操作されたp75腫瘍壊死因子(TNF)受容体ダイマーであり、ヒトIgG1 のFc部分に連結されている(Taylor, P.C. 他(2001) Curr. Opin. Immunol. 13:611-616)。【0221】ある実施態様においては、類似した、あるいは異なる特異性を持つ2つ以上の抗体を、INTSIG、INTSIGの断片またはINTSIGの変異体への結合についてスクリーニングすることができる。こうしてスクリーニングした抗体の結合特異性を選択し、INTSIGの特定の断片または変異体を同定できる。1つの実施態様で、INTSIGの特定の断片または変異体を優先的に同定できる結合特異性を持つ抗体を選択できる。別の実施態様で、INTSIG産生の増加、低下、或いは異常を有する特定の疾患または病状を優先的に診断できる結合特異性を持つ抗体を選択できる。【0222】1つの実施態様で、アンティカリン(anticalin)を、INTSIGまたはその断片あるいは変異体への特異結合に関しスクリーニングできる。anticalinはリポカリン足場に基づいて作成されたリガンド結合タンパク質である(Weiss, G.A. 及び H.B. Lowman (2000) Chem. Biol. 7:R177-R184、Skerra, A. (2001) J. Biotechnol. 74:257-275)。リポカリンのタンパク質構造には、8つの逆平行ベータストランドを持つβバレルが含まれ得り、それらのストランドはバレルの開放末端に4つのループを支持する。これらのループはリポカリンの天然リガンド結合部位を形成し、この部位はin vitro でアミノ酸置換によって再度人工操作して、新規な結合特異性を与えることができる。このアミノ酸置換は当分野で既知の方法または本明細書に記載の方法を用いて行うことができる。また、保存的置換(例えば、結合特異性を変えないような置換)、あるいは、結合特異性を少し、中等度、または大きく変えるような置換を行うこともできる。【0223】一実施態様では、INTSIGに特異的に結合、もしくは刺激または阻害する化合物のスクリーニングには、分泌タンパク質或いは細胞膜上のタンパク質の何れか一方としてINTSIGを発現する適切な細胞の作製が含まれる。好適な細胞には、哺乳動物、酵母、ショウジョウバエ、または大腸菌からの細胞が含まれる。INTSIGを発現する細胞またはINTSIGを含有する細胞膜断片を試験化合物と接触させて、INTSIGまたは化合物のいずれかの結合、刺激または阻害を分析する。【0224】あるアッセイは、単に試験化合物をポリペプチドに実験的に結合させ、結合を、蛍光色素、放射性同位体、酵素抱合体またはその他の検出可能な標識により検出することができる。例えば、このアッセイは、少なくとも1つの試験化合物を、溶液中のあるいは固体支持物に固定されたINTSIGと混合させるステップと、INTSIGとこの化合物との結合を検出するステップを含み得る。別法では、標識された競合物の存在下での試験化合物の結合の検出および測定を行うことができる。更にこのアッセイは、無細胞再構成標本、化学ライブラリ、または、天然産物の混合物を用いて実施でき、試験化合物(群)は、溶液中で遊離させるか固体支持体に固定する。【0225】アッセイを用いて、或る化合物が、その天然リガンドに結合する能力、および/または、その天然リガンドの、その天然受容体への結合を阻害する能力を評価しうる。こうしたアッセイの例としては、米国特許第5,914,236号および第6,372,724号に記載されたような放射ラベルアッセイを含む。関連した実施態様では、1つ以上のアミノ酸置換が或るポリペプチド化合物(受容体など)に導入され、その天然リガンドに結合する能力を向上または改変しうる(Matthews, D.J. および J.A. Wells. (1994) Chem. Biol. 1:25-30)。もう一つの関連する実施様態においては、ポリペプチド化合物(たとえばリガンド)に1つ以上のアミノ酸置換を行うことにより、天然受容体への結合能力を改善または改変することができる(Cunningham, B.C.およびJ.A. Wells (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:3407-3411; Lowman, H.B. 他 (1991) J. Biol. Chem. 266:10982-10988)。【0226】INTSIG或いはその断片または変異体を用いて、INTSIGの活性をモジュレートする化合物をスクリーニングしうる。このような化合物としては、アゴニスト、アンタゴニスト、部分的アゴニストまたは逆アゴニストなどが含まれ得る。ある実施態様では、INTSIGの活性が許容される条件下でアッセイを実施し、そのアッセイでは少なくとも1つの試験化合物をINTSIGと混合し、試験化合物の存在下でINTSIGの活性を試験化合物不在下でのINTSIGの活性と比較する。試験化合物の存在下でのINTSIGの活性の変化は、INTSIGの活性を調整する化合物の存在を示唆する。別の実施態様において、試験化合物をINTSIGの活性に適した条件下でINTSIGを含むin vitroまたは無細胞再構成系と結合させてアッセイを実施する。これらアッセイのいずれかにおいて、INTSIGの活性を調整する試験化合物は間接的に結合することが可能であり、試験化合物と直接接触する必要がない。少なくとも1つ、または複数の試験化合物をスクリーニングすることができる。【0227】別の実施態様では、胚性幹細胞(ES細胞)における相同組み換えを用いて動物モデル系内で、INTSIGまたはその哺乳動物相同体をコードするポリヌクレオチドを「ノックアウト」する。このような技術は当技術分野において周知であり、ヒト疾患動物モデルの作製に有用である(米国特許第5,175,383号及び第5,767,337号等を参照)。例えば129/SvJ細胞系などのマウスES細胞は初期のマウス胚に由来し、培地で増殖させることができる。このES細胞は、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(neo: Capecchi, M.R.(1989)Science 244:1288-1292)などのマーカー遺伝子で破壊した、目的の遺伝子を持つベクターで形質転換される。このベクターは、相同組換えにより、宿主ゲノムの対応する領域に組込まれる。或いは、Cre-loxP系を用いて相同組換えを行い、組織特異的または発生段階特異的に目的遺伝子をノックアウトする(Marth, J.D. (1996) Clin. Invest. 97:1999-2002、Wagner, K.U.他(1997) Nucleic Acids Res.25:4323-4330)。 形質転換したES細胞を同定し、例えばC57BL/6マウス株などから採取したマウス細胞胚盤胞に微量注入する。これらの胚盤胞を偽妊娠メスに外科的に導入し、得られるキメラ子孫の遺伝形質を特定し、これらを交配させてヘテロ接合性系またはホモ接合性系を作製する。このようにして作製した遺伝子組換え動物は、潜在的な治療薬や毒性薬物で検査されうる。【0228】INTSIGをコードするポリヌクレオチドをin vitroでヒト胚盤胞由来のES細胞において操作することが可能である。ヒトES細胞は、内胚葉、中胚葉および外胚葉の細胞タイプを含む、少なくとも8つの別々の細胞系統に分化する可能性を有する。これらの細胞系統は、例えば神経細胞、造血系統および心筋細胞に分化する(Thomson, J.A.他(1998) Science 282:1145-1147)。【0229】INTSIGをコードするポリヌクレオチドを用いて、ヒト疾患をモデルとした「ノックイン」ヒト化動物(ブタ)または遺伝子組み換え動物(マウスまたはラット)を作製することが可能である。ノックイン技術を用いて、INTSIGをコードするポリヌクレオチドのある領域を動物ES細胞に注入し、注入した配列を動物細胞ゲノムに組み込ませる。形質転換細胞を胞胚に注入し、胞胚を上記のように移植する。遺伝子組換え子孫または近交系について試験し、潜在的医薬品を用いて処理し、ヒトの疾患の治療に関する情報を得る。別法では、例えばINTSIGを乳汁内に分泌するなどINTSIGを過剰発現する哺乳動物近交系は、このタンパク質の簡便な源泉ともなり得る(Janne, J. 他(1998) Biotechnol. Annu. Rev. 4:55-74)。【0230】(治療)INTSIGのある領域と細胞内シグナル伝達タンパク質の領域との間に、例えば配列及びモチーフの内容における化学的及び構造的類似性が存在する。さらに、INTSIGを発現する組織の例が、表6および実施例11に見つけられる。さらにGTPAの発現は、PF-1145Pでは健康な皮膚、精巣、子宮内膜組織、病変した肺組織、PF-1160では脳腫瘍、歯状核、平滑筋細胞組織、PF-1162では小腸、精巣腫瘍組織、PF-1170Pでは仙骨腫瘍、小脳扁桃、内嗅皮質、病変した胆嚢、小腸組織、PF-1187では病変した脳組織、および線条、淡蒼球、後部被殻、乳房、平滑筋、脾臓、精巣、胸腺組織等の健康な組織と密接に関連する。従って、ISIGPは、細胞増殖異常、内分泌系障害、自己免疫/炎症疾患、神経系疾患、胃腸疾患、生殖系障害、発達障害、および小胞輸送に関する疾患においてある役割を果たすと考えられる。INTSIGの発現若しくは活性の増大に関連する疾患の治療においては、INTSIGの発現または活性を低下させることが望ましい。INTSIGの発現または活性の低下に関連する疾患の治療においては、INTSIGの発現または活性を増大させることが望ましい。【0231】従って、或る実施例において、INTSIGの発現または活性の低下に関連した疾患の治療または予防のために、患者にINTSIGまたはその断片や誘導体を投与することが可能である。限定されるものではないが、そのような疾患として、細胞増殖異常には日光性角化症、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、滑液包炎、硬変、肝炎、混合型結合組織病(MCTD)、骨髄線維症、発作性夜間ヘモグロビン尿症、真性多血症、乾癬、原発性血小板血症、並びに腺癌及び白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、及び奇形癌、具体的には、副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、頚部、胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、子宮の癌が含まれ、内分泌疾患の中には原発脳腫瘍及び腺腫、妊娠性梗塞、下垂体切除、動脈瘤、血管奇形、血栓症、感染症、免疫異常、頭部外傷による合併症などの病変から起こる視床下部及び下垂体の障害と、性機能低下及びシーハン症候群、尿崩症、カルマン病、ハンド‐シュラークリスチャン病、レテラー・ジーヴェ病、サルコイドーシス、エンプティセラ(トルコ鞍空虚)症候群、小人症を含む下垂体低下に関連した障害、不適合分泌症候群(SIADH)及び先端巨大症、巨人症を含む下垂体亢進に関連した障害と、甲状腺腫及び粘液水腫、細菌感染性急性甲状腺炎、ウイルス感染性亜急性甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎(橋本病)、クレチン病を含む甲状腺機能低下症に関連した障害と、甲状腺中毒症及びその様々な型、グレーブス病、前脛骨粘液水腫、中毒性多結節性甲状腺腫、甲状腺癌、プランマー病を含む甲状腺機能亢進症と、Conn病(chronic hypercalemia)を含む副甲状腺機能亢進症と、I型及びII型糖尿病及び合併症などの膵臓疾患と、過形成及び副腎皮質の癌腫や腺腫、アルカローシスに関連した高血圧、アミロイド症、低カリウム血、クッシング病、リドル症候群、Arnold-Healy-Gordon症候群、褐色細胞腫瘍、アジソン病などの副腎に関連した障害と、女性の異常プロラクチン産生及び不妊症、子宮内膜症、月経周期の摂動、多嚢胞性卵巣疾患、高プロラクチン血症、選択的性腺刺激ホルモン不全(isolated gonadotropin deficiency)、無月経、乳汁漏出症、半陰陽、多毛症及び男性化、乳癌、閉経期後の骨粗鬆症、男性のライジッヒ細胞過形成、男性更年期、生殖細胞無形成症、ライジッヒ細胞腫瘍に関連した性機能亢進、アンドロゲン受容体の欠如に関連したアンドロゲン耐性、5α−還元酵素症候群、女性乳房症などの生殖腺ステロイドホルモンに関連した疾患が含まれ、自己免疫/炎症性の疾患の中には、炎症及び日光性角化症、後天性免疫不全症候群(AIDS)及び副腎機能不全、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、強直性脊椎炎、アミロイド症、貧血、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性多腺性内分泌カンジダ性外胚葉ジストロフィ(APECED)、気管支炎、胆嚢炎、接触皮膚炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、リンパ球毒素性一時性リンパ球減少症、赤芽球症、結節性紅斑、萎縮性胃炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、痛風、グレーブス病、橋本甲状腺炎、過好酸球増加症、過敏性大腸症候群、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋または心膜炎症、骨関節炎、骨粗しょう症、膵炎、乾癬、ライター症候群、リウマチ様関節炎、強皮症、シェ−グレン症候群、全身性アナフィラキシー、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、血小板減少症、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、ウェルナー症候群、癌合併症、血液透析、体外循環、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、寄生虫感染症、原虫感染症、蠕虫感染症、外傷が含まれ、神経系疾患には、癲癇、虚血性脳血管障害、脳卒中、脳腫瘍、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン病、痴呆、パーキンソン病およびその他の錐体外路障害、筋萎縮性側索硬化および他の運動ニューロン障害、進行性神経性筋萎縮症、網膜色素変性症(色素性網膜炎)、遺伝性運動失調、多発性硬化症および他の脱髄疾患、細菌性およびウイルス性髄膜炎、脳膿瘍、硬膜下膿瘍、硬膜外膿瘍、化膿性頭蓋内血栓性静脈炎、脊髄炎および神経根炎、ウイルス性中枢神経系疾患と、プリオン病(クールー、クロイツフェルト‐ヤコブ病、およびGerstmann-Straussler-Scheinker症候群を含む)、致死性家族性不眠症、神経系性栄養病および代謝病、神経線維腫症、結節硬化症、小脳網膜血管腫症(cerebelloretinal hemangioblastomatosis)、脳三叉神経血管症候群(encephalotrigeminal syndrome)、精神遅滞および他の中枢神経系発達障害(ダウン症を含む)、脳性麻痺、神経骨格異常症、自律神経系障害、脳神経疾患、脊髄疾患、筋ジストロフィー他の神経筋障害、末梢神経疾患、皮膚筋炎および多発性筋炎と、遺伝性、代謝性、内分泌性、および中毒性ミオパシーと、重症筋無力症、周期性四肢麻痺、精神障害(気分性、不安性の障害、統合失調症/分裂病)、季節性感情障害(SAD)、静座不能、健忘症、緊張病、糖尿病性ニューロパシー、遅発性ジスキネジア、ジストニー、パラノイド精神病、帯状疱疹後神経痛、トゥーレット病、進行性核上麻痺、大脳皮質基底核変性(corticobasal degeneration)、および家族性前頭側頭型痴呆が含まれ、胃腸障害には、嚥下障害、消化性食道炎、食道痙攣、食道狭窄、食道癌、消化不良、消化障害、胃炎、胃癌、食欲不振、悪心、嘔吐、胃不全麻痺、洞または幽門の浮腫、腹部アンギナ、胸焼け、胃腸炎、イレウス、腸管感染、消化性潰瘍、胆石症、胆嚢炎、胆汁うっ滞、膵臓炎、膵臓癌、胆道疾患、肝炎、高ビリルビン血症、硬変症、肝臓の受動的うっ血、ヘパトーム、感染性結腸炎、潰瘍性結腸炎、潰瘍性直腸炎、クローン病、ホウィップル病、マロリー‐ワイス症候群、大腸癌、大腸閉塞、過敏性腸症候群、短小腸症候群、下痢、便秘、胃腸出血、後天性免疫不全症候群(AIDS)腸症、黄疸、肝性脳症、肝腎症候群、脂肪肝、血色素症、ウィルソン病、α1アンチトリプシン欠損症、ライ症候群、原発性硬化性胆管炎、肝梗塞、門脈循環閉塞および血栓、小葉中心壊死、肝臓紫斑病、肝静脈血栓、肝静脈閉塞症、子癇前症、子癇、妊娠性急性脂肪肝、妊娠性肝臓内胆汁うっ滞と、結節性過形成および腺腫、癌腫など肝癌が含まれ、生殖障害として、プロラクチン産生の障害、不妊(例えば卵管疾患、排卵不良、子宮内膜症、性周期の途絶、月経周期の途絶、多嚢胞性卵巣症候群、卵巣過剰刺激症候群、子宮内膜腫瘍や卵巣腫瘍、子宮筋腫、自己免疫障害、異所性妊娠、奇形発生、乳癌、乳房線維嚢胞病、乳漏症、精子形成の途絶、異常精子生理、精巣癌、前立腺癌、良性前立腺肥大、前立腺炎、ペーロニー病、インポテンス、男性乳癌、女性化乳房、高ゴナドトロピン性腺機能低下症、低ゴナドトロピン性腺機能低下症、仮性半陰陽、無精子症、早発卵巣不全、アクロシン欠損症、晩発思春期、逆行性射精、無射精、血管芽腫、嚢胞・クロム親和細胞腫(cystsphaeochromocytomas)、傍神経節腫、精巣上体の嚢胞腺腫、および内リンパ嚢腫瘍)が含まれ、発達障害の中には尿細管性アシドーシス、貧血、クッシング症候群、軟骨形成不全性小人症、デュシェンヌ‐ベッカー型筋ジストロフィー、癲癇、性腺形成異常、WAGR症候群(ウィルムス腫瘍、無虹彩症、尿生殖器異常、精神薄弱)、スミス‐マジェニス症候群(Smith- Magenis syndrome)、脊髄形成異常症候群、遺伝性粘膜上皮異形成、遺伝性角皮症、シャルコー‐マリー‐ツース病及び神経線維腫症などの遺伝性神経病、甲状腺機能低下症、水頭症、Syndenham舞踏病(Syndenham's chorea)及び脳性小児麻痺などの発作障害、脊髄二分裂、無脳症、頭蓋脊椎披裂、先天性緑内障、白内障、感覚神経性聴力損失が含まれ、小胞輸送に関する疾患には、嚢胞性線維症、グルコースガラクトース吸収不良症候群、高コレステロール血症、真性糖尿病、尿崩症、高血糖症、低血糖症、グレーブス病、甲状腺腫、クッシング病、およびアジソン病、胃腸管障害(潰瘍性大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などを含む)があり、小胞輸送異常に関連する他の病態には、後天性免疫不全症候群(AIDS)、アレルギー(花粉症、喘息および蕁麻疹(発疹)などを含む)、自己免疫性溶血性貧血、増殖糸球体腎炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、重症筋無力症、リューマトイド、骨関節炎、強皮症、チェディアック‐東症候群、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、トキシックショック症候群、外傷性組織障害が含まれる。【0232】別の実施態様では、INTSIGまたはその断片や誘導体を発現し得るベクターを患者に投与して、上記しだけに限られるものではないが疾患を含むINTSIGの発現または活性の低下に関連した疾患を治療または予防することも可能である。【0233】さらに別の実施態様では、実質的に精製されたINTSIGを含む組成物を好適な医薬用キャリアと共に患者に投与して、限定するものではないが上記した疾患を含むINTSIGの発現または活性の低下に関連した疾患を治療または予防することも可能である。【0234】更に別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含むINTSIGの発現または活性の低下に関連した疾患の治療または予防のために、INTSIGの活性を調節するアゴニストを患者に投与することも可能である。【0235】更なる実施例では、INTSIGの発現または活性の増大に関連した疾患の治療または予防のために、患者にINTSIGのアンタゴニストを投与することが可能である。限定するものではないが、このような疾患の例には、上記した、細胞増殖異常、内分泌系障害、自己免疫/炎症疾患、神経系疾患、胃腸疾患、生殖系障害、発達障害、および小胞輸送に関する疾患が含まれる。一実施態様では、INTSIGと特異的に結合する抗体が直接アンタゴニストとして、或いはINTSIGを発現する細胞または組織に薬剤を運ぶ標的化機構、或いは送達機構として間接的に用いられ得る。【0236】別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含むINTSIGの発現または活性の増大に関連した疾患の治療または予防のために、INTSIGをコードするポリヌクレオチドの相補配列を発現するベクターを患者に投与することも可能である。【0237】他の実施態様において、タンパク質、アゴニスト、アンタゴニスト、抗体、相補的配列、またはベクタは他の適切な治療剤と併用して投与し得る。併用療法で用いる好適な治療薬は、当業者が従来の医薬原理に従って選択し得る。治療薬と組合せることにより、上記した種々の疾患の治療または予防に相乗効果をもたらし得る。この方法により、少量の各薬物で医薬効果をあげることが可能となり、それによって副作用の可能性を低減し得る。【0238】INTSIGに対するアンタゴニストは、当分野で一般的な方法を用いて製造することが可能である。詳しくは、精製されたINTSIGを用いて抗体を作ったり、治療薬のライブラリをスクリーニングしてINTSIGと特異的に結合するものの同定が可能である。INTSIGの抗体も、当分野で一般的な方法を用いて製造することが可能である。このような抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖、Fab断片、及びFab発現ライブラリによって作られた断片が含まれる。但し、これらに限定されるものではない。中和抗体(すなわち二量体の形成を阻害する抗体)は通常、治療用に好適である。一本鎖抗体(例えばラクダまたはラマ由来)は強力な酵素阻害剤である可能性があり、ペプチド擬態物質の設計において利点を持つようであり、免疫吸着剤とバイオセンサーとの開発においても利点を持つようである(Muyldermans, S. (2001) J. Biotechnol. 74:277-302)。【0239】抗体の産生のためには、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ラクダ、ヒトコブラクダ、ラマ、ヒト及びその他のものを含む種々の宿主が、INTSIGまたは任意の断片、または免疫原性の特性を備えるそのオリゴペプチドの注入によって免疫化され得る。宿主の種に応じて、種々のアジュバントを用いて免疫応答を高めることもできる。限定するものではないがこのようなアジュバントには、フロイントアジュバントと、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲルアジュバントと、リゾレシチン、プルロニックポリオル、ポリアニオン、ペプチド、油性乳剤、スカシガイのヘモシアニン(KLH)、ジニトロフェノールなどの界面活性剤とがある。ヒトに用いられるアジュバントの中では、BCG(カルメット‐ゲラン杆菌)およびコリネバクテリウム‐パルバム(Corynebacterium parvum)が特に好ましい。【0240】INTSIGに対する抗体を誘発するために用いられるオリゴペプチド、ペプチド、または断片は、少なくとも約5個のアミノ酸からなり、一般的には約10個以上のアミノ酸からなるものが好ましい。これらのオリゴペプチド、ペプチドまたは断片はまた、天然のタンパク質のアミノ酸配列の一部と同一であることが望ましい。INTSIGのアミノ酸群の短い区間を、KLHなどの別のタンパク質の配列と融合し、キメラ分子に対する抗体を産生し得る。【0241】INTSIGに対するモノクローナル抗体は、培地内の連続した細胞株によって、抗体分子を産生する任意の技術を用いて作製することが可能である。限定するものではないがこのような技術には、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、およびEBV-ハイブリドーマ技術がある(Kohler, G. 他(1975) Nature 256:495-497; Kozbor, D.他(1985) J. Immunol. Methods 81:31-42; Cote, R.J.他 (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:2026-2030; Cole, S.P.他(1984) Mol.Cell Biol. 62:109-120)。【0242】更に、「キメラ抗体」作製のために開発された技術、例えば、ヒト抗体遺伝子にマウス抗体遺伝子をスプライシングするなどの技術が、好適な抗原特異性および生物学的活性を有する分子を得るために用いられる(Morrison, S.L. 他(1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855、Neuberger, M.S. 他(1984) Nature 312:604-608; Takeda, S.他(1985) Nature 314:452-454)。別法では、当分野で周知の方法を用いて、一本鎖抗体の産生のための記載された技術を適用して、INTSIG特異的一本鎖抗体を生成する。関連特異性を有するがイディオタイプ組成が異なるような抗体を、ランダムな組合せの免疫グロブリンライブラリからチェーンシャッフリングによって産生することもできる(Burton D.R. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:10134-10137)。【0243】抗体の産生は、リンパ球集団におけるin vivo産生の誘導によって、或いは文献に開示されているように非常に特異的な結合試薬の免疫グロブリンのライブラリまたはパネルのスクリーニングによっても行い得る(Orlandi, R. 他(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:3833-3837、Winter, G.他(1991) Nature 349:293-299)。【0244】INTSIGに対する特異的な結合部位を含む抗体も得ることができる。例えば、限定するものではないが、このような断片には、抗体分子のペプシン消化によって作製されるF(ab')2 断片と、F(ab')2 断片のジスルフィド架橋を還元することによって作製されるFab断片とがある。あるいは、Fab発現ライブラリを作製することによって、所望の特異性を持つモノクローナルFab断片を迅速且つ容易に同定することが可能となる (Huse, W.D. 他(1989) Science 246:1275-1281)。【0245】種々の免疫学的検定(イムノアッセイ)を用いてスクリーニングすることにより、所望の特異性を有する抗体を同定し得る。確立された特異性を有するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の何れかを用いる競合的結合アッセイ、または免疫放射定量測定法のための数々のプロトコルが、当分野では周知である。通常このような免疫測定法には、INTSIGとその特異性抗体との間の複合体の計測が含まれる。二つの非干渉性INTSIGエピトープに対して反応性のモノクローナル抗体を用いる、2部位モノクローナルベースのイムノアッセイが一般に利用されるが、競合的結合アッセイも利用することができる(Pound、前出)。【0246】放射免疫測定法技術と共にScatchard分析などの様々な方法を用いて、INTSIGに対する抗体の親和性を評価する。親和性を結合定数Kaで表すが、このKaは、平衡状態の下でINTSIG抗体複合体のモル濃度を遊離抗体と遊離抗原のモル濃度で除して得られる値である。多数のINTSIGエピトープに対して親和性が不均一なポリクローナル抗体試薬のKaは、INTSIGに対する抗体の平均親和性または結合活性を表す。特定のINTSIGエピトープに単一特異的なモノクローナル抗体試薬のKaは、親和性の真の測定値を表す。Ka値が109〜1012liter/molの高親和性抗体試薬は、INTSIG抗体複合体が過酷な処理に耐えなければならないイムノアッセイに用いるのが好ましい。Ka値が106〜107liter/molの低親和性抗体試薬は、INTSIGが抗体から最終的に活性化状態で解離する必要がある免疫精製及び類似の処理に用いるのが好ましい(Catty, D. (1988) Antibodies, Volume I: A Practical Approach. IRL Press, Washington, DC; Liddell, J. E. 及び Cryer, A. (1991) A Practical Guide to Monoclonal Antibodies, John Wiley & Sons, New York NY)。【0247】ポリクローナル抗体製剤の抗体価および結合活性を更に評価して、後に使う或る適用例に対するこのような試薬の品質および適性を決定することができる。例えば、少なくとも1〜2mg/mlの特異的な抗体、好ましくは5〜10mg/mlの特異的な抗体を含むポリクローナル抗体試薬は一般に、INTSIG抗体複合体を沈殿させなければならない処理に用いられる。抗体の特異性、抗体価、結合活性、様々な適用例における抗体の品質や使用に対する指針については、一般に入手可能である(Catty、前出、Coligan 他、前出)。【0248】本発明の別の実施様態では、INTSIGをコードするポリヌクレオチド、またはその任意の断片や相補配列が、治療目的で使用することができる。ある実施態様では、INTSIGをコードする遺伝子のコーディング領域や調節領域に相補的な配列やアンチセンス分子(DNA、RNA、PNA、または修飾ヌクレオチド)を設計して遺伝子発現を変更することができる。このような技術は当分野では周知であり、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはより大きな断片が、INTSIGをコードする配列の制御領域から、またはコード領域に沿ったさまざまな位置から設計可能である(Agrawal, S., 編集(1996) Antisense Therapeutics, Humana Press, Totawa NJ)。【0249】治療に用いる場合、アンチセンス配列を適切な標的細胞に導入するのに好適な、任意の遺伝子送達系を用いることができる。アンチセンス配列は、転写時に標的タンパク質をコードする細胞配列の少なくとも一部に相補的な配列を作製する発現プラスミドの形で、細胞内に送達し得る(Slater, J.E.他(1998) J. Allergy Clin. Immunol. 102:469-475、Scanlon, K.J.他(1995) 9:1288-1296)。アンチセンス配列はまた、例えばレトロウイルスやアデノ関連ウイルスベクター等のウイルスベクターを用いて細胞内に導入することもできる(Miller, A.D. (1990) Blood 76:271、前出のAusubel、Uckert, W. 及び W. Walther (1994) Pharmacol. Ther. 63:323-347)。その他の遺伝子送達機構には、リポソーム系、人工的なウイルスエンベロープおよび当分野で公知のその他のシステムが含まれる(Rossi, J.J. (1995) Br. Med. Bull. 51:217-225; Boado, R.J.他(1998) J. Pharm. Sci. 87(11):1308-1315、Morris, M.C.他(1997) Nucleic Acids Res. 25:2730-2736)。【0250】本発明の別の実施例では、INTSIGをコードするポリヌクレオチドを、体細胞若しくは生殖細胞の遺伝子治療に用いることが可能である。遺伝子治療により、(i)遺伝子欠損症を治療し(例えばX染色体連鎖遺伝(Cavazzana-Calvo, M.他(2000) Science 288:669-672)により特徴付けられる重症複合型免疫不全(SCID)-X1病の場合)、先天性アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症に関連する重症複合型免疫不全症候群(Blaese, R.M. 他(1995) Science 270:475-480; Bordignon, C.他(1995) Science 270:470-475)、嚢胞性繊維症(Zabner, J.他(1993) Cell 75:207-216; Crystal, R.G.他(1995) Hum.Gene Therapy 6:643-666; Crystal, R.G.他(1995) Hum.Gene Therapy 6:667-703)、サラセミア(thalassamia)、家族性高コレステロール血症や、第8因子若しくは第9因子欠損に起因する血友病(Crystal, R.G. (1995) Science 270:404-410、Verma, I.M. および N. Somia (1997) Nature 389:239-242)、(ii)条件的致死性遺伝子産物を発現させ(例えば制御不能な細胞増殖に起因する癌の場合)、(iii)細胞内の寄生生物、例えばヒト免疫不全ウイルス(HIV)(Baltimore, D. (1988) Nature 335:395-396、Poeschla, E.他(1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 93:11395-11399)などヒトレトロウイルス、B型若しくはC型肝炎ウイルス(HBV、HCV)、Candida albicansおよびParacoccidioides brasiliensis等の寄生真菌、並びに熱帯熱マラリア原虫およびクルーズトリパノソーマ等の寄生原虫に対する防御機能を有するタンパク質を発現できる。INTSIGの発現若しくは調節に必要な遺伝子の欠損が疾患を引き起こす場合、導入した細胞の好適な集団からINTSIGを発現させて、遺伝子欠損によって起こる症状の発現を緩和することが可能である。【0251】本発明の更なる実施例では、INTSIGの欠損による疾患や異常症は、INTSIGをコードする哺乳動物発現ベクターを作製して、これらのベクターを機械的手段によってINTSIG欠損細胞に導入することによって治療する。in vivoあるいはex vitroの細胞に用いる機械的導入技術には、(i)個々の細胞内への直接的なDNA微量注射法、(ii)遺伝子銃、(iii)リポソームを介した形質移入、(iv)受容体を介した遺伝子導入、および(v)DNAトランスポゾンの使用がある(Morgan, R.A. および W.F. Anderson(1993)Annu. Rev. Biochem. 62:191-217、Ivics, Z.(1997)Cell 91:501-510; Boulay, J-L. およびH. Recipon(1998)Curr. Opin. Biotechnol. 9:445-450)。【0252】INTSIGの発現に影響を及ぼし得る発現ベクターには、限定するものではないが、PCDNA 3.1、EPITAG、PRCCMV2、PREP、PVAX、PCR2-TOPOTAベクター(Invitrogen, Carlsbad CA)、PCMV-SCRIPT、PCMV-TAG、PEGSH/PERV(Stratagene, La Jolla CA)、PTET-OFF、PTET-ON、PTRE2、PTRE2-LUC、PTK-HYG(Clontech, Palo Alto CA)が含まれる。INTSIGを発現させるために、(i)恒常的に活性なプロモーター(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、SV40ウイルス、チミジンキナーゼ(TK)、若しくはβ−アクチン遺伝子等)、(ii)誘導性プロモーター(例えば、市販されているT-REXプラスミド(Invitrogen)に含まれている、テトラサイクリン調節性プロモーター(Gossen, M.およびH. Bujard (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:5547-5551、Gossen, M. 他 (1995) Science 268:1766-1769、Rossi, F.M.V.およびH.M. Blau (1998) Curr. Opin. Biotechnol. 9:451-456))、エクジソン誘導性プロモーター(市販されているプラスミドPVGRXR及びPINDに含まれている:Invitrogen)、FK506/ラパマイシン誘導性プロモーター、またはRU486/ミフェプリストーン誘導性プロモーター(Rossi, F.M.V.およびH.M. Blau, 前出)、または(iii)正常な個体に由来するINTSIGをコードする内因性遺伝子の天然のプロモーター若しくは組織特異的プロモーターを用いることが可能である。【0253】市販のリポソーム形質転換キット(例えばInvitrogen社のPERFECT LIPID TRANSFECTION KIT)を用いれば、当業者は経験にそれほど頼らないでもポリヌクレオチドを培養中の標的細胞に導入することが可能になる。別法では、リン酸カルシウム法(Graham. F.L. および A.J. Eb(1973)Virology 52:456-467)若しくは電気穿孔法(Neumann, E. 他(1982) EMBO J. 1:841-845)。初代培養細胞にDNAを導入するためには、標準化された哺乳類の形質移入プロトコルの修正が必要である。【0254】本発明の別の実施例では、INTSIGの発現に関連する遺伝子欠損によって起こる疾患や異常症は、(i)レトロウイルス末端反復配列(LTR)プロモーター若しくは独立したプロモーターのコントロール下でINTSIGをコードするポリヌクレオチドと、(ii)好適なRNAパッケージングシグナルと、(iii)追加のレトロウイルス・シス作用性RNA配列及び効率的なベクターの増殖に必要なコーディング配列を伴うRev応答性エレメント(RRE)とからなるレトロウイルスベクターを作製して治療することができる。レトロウイルスベクター(例えばPFBおよびPFBNEO)はStratagene社から市販されており、刊行データ(Riviere, I. 他(1995)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:6733-6737)に基づく。上記データを引用することを以て本明細書の一部とする。このベクターは、好適なベクター産生細胞株(VPCL)において増殖される。VPCLは、各標的細胞上の受容体への親和性を持つエンベロープ遺伝子を、またはVSVgなど汎親和性エンベロープタンパク質を発現する(Armentano, D. 他(1987) J. Virol. 61:1647-1650; Bender, M.A.他 (1987) J. Virol. 61:1639-1646; Adam, M.A. および A.D. Miller (1988) J. Virol. 62:3802-3806; Dull, T.他 (1998) J. Virol. 72:8463-8471; Zufferey, R.他 (1998) J. Virol. 72:9873-9880)。Riggに付与された米国特許第5,910,434号(「Method for obtaining retrovirus packaging cell lines producing high transducing efficiency retroviral supernatant」)において、レトロウイルスパッケージング細胞株を得るための方法が開示されており、引用することをもって本明細書の一部とする。レトロウイルスベクター類の繁殖や、細胞集団(例えばCD4+T細胞群)の形質導入、および形質導入した細胞群の患者への戻しは、遺伝子治療分野では当業者に周知の手法であり、多数の文献に記載がある(Ranga, U.他(1997) J. Virol. 71:7020-7029; Bauer, G.他 (1997) Blood 89:2259-2267; Bonyhadi, M.L. (1997) J. Virol. 71:4707-4716; Ranga, U.他 (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:1201-1206; Su, L. (1997) Blood 89:2283-2290)。【0255】或る実施様態では、アデノウイルス系遺伝子治療の送達系を用いて、INTSIGの発現に関連する1つ或いは複数の遺伝子異常を有する細胞にINTSIGをコードするポリヌクレオチドを送達する。アデノウイルス系ベクター類の作製およびパッケージングについては、当業者に周知である。複製欠損型アデノウイルスベクター類は、種々の免疫調節タンパク質をコードする遺伝子群を、無損傷の膵島内に導入する目的で多様に利用し得ることが証明された(Csete, M.E.他(1995) Transplantation 27:263-268)。使用できる可能性のあるアデノウイルスベクターは、Armentanoに付与された米国特許第5,707,618号(「Adenovirus vectors for gene therapy」)に記載されており、引用することをもって本明細書の一部とする。アデノウイルスベクター類については、Antinozzi, P.A. 他(1999; Annu. Rev. Nutr. 19:511-544) 並びに、Verma, I.M. および N. Somia (1997; Nature 18:389:239-242)。【0256】別の実施様態では、ヘルペス系遺伝子治療の送達系を用いて、INTSIGの発現に関連する1つ或いは複数の遺伝子異常を有する標的細胞にINTSIGをコードするポリヌクレオチドを送達する。単純ヘルペスウイルス(HSV)系のベクターは、HSV親和性の中枢神経細胞にINTSIGを導入する際に特に有用であり得る。ヘルペス系ベクター類の作製およびパッケージングは、当業者に公知である。或る複製適格性単純ヘルペスウイルス(HSV)1型系のベクターが、或るレポーター遺伝子の、霊長類の眼への送達に用いられている(Liu, X. 他(1999) Exp.Eye Res.169:385395)。 HSV-1ウイルスベクターの作製についても、DeLucaに付与された米国特許第5,804,413号(「Herpes simplex virus strains for gene transfer」)に開示されており、該特許の引用をもって本明細書の一部とする。米国特許第5,804,413号には、ヒト遺伝子治療を含む目的のために好適なプロモーターの制御下において細胞に導入される少なくとも1つの外在性遺伝子を有するゲノムを含む組換えHSV d92の使用についての記載がある。上記特許はまた、ICP4、ICP27及びICP22を欠失した組換えHSV系統の作製及び使用について開示している。HSVベクター類については、Goins, W.F. 他(1999; J. Virol. 73:519532)、Xu, H. 他(1994; Dev. Biol. 163:152161)。クローン化ヘルペスウイルス配列の操作、巨大ヘルペスウイルスのゲノムの異なったセグメント群を含む多数のプラスミドを形質移入した後の組換えウイルスの産生、ヘルペスウイルスの成長及び増殖、並びにヘルペスウイルスの細胞への感染は、当業者に公知の技術である。【0257】別の実施様態では、αウイルス(正の一本鎖RNAウイルス)ベクターを用いてINTSIGをコードするポリヌクレオチドを標的細胞に送達する。プロトタイプのαウイルスであるセムリキ森林熱ウイルス(Semliki Forest Virus, SFV)の生物学的研究が広範に行われており、遺伝子導入ベクターはSFVゲノムに基づいている(Garoff, H. 及び K.-J. Li (1998) Cun. Opin. Biotech. 9:464-469)。αウイルスRNAの複製中に、通常はウイルスのカプシドタンパク質をコードするサブゲノムRNAが作り出される。このサブゲノムRNAは、完全長のゲノムRNAより高いレベルに複製されるため、酵素活性(例えばプロテアーゼ及びポリメラーゼ)を有するウイルスタンパク質に比べてカプシドタンパク質が過剰産生される。同様に、INTSIGをコードする配列をαウイルスゲノムのキャプシッドをコードする領域に導入することによって、ベクター導入細胞において多数のINTSIGをコードするRNAが産生され、高いレベルでINTSIGが合成される。通常、αウイルスの感染は、数日以内の細胞溶解を伴う。一方、シンドビスウイルス(SIN)の或る変異体を有するハムスター正常腎臓細胞(BHK-21)群が持続的な感染を確立する能力は、αウイルス類の溶解複製を、遺伝子治療に応用し得るように好適に改変可能であることを示唆する(Dryga, S.A.他(1997) Virology 228:74-83)。様々な宿主にαウイルスを導入できることから、様々なタイプの細胞にINTSIGを導入することできる。或る集団における或るサブセットの細胞群の特異的形質導入は、形質導入前に細胞の選別を必要とし得る。αウイルスの感染性cDNAクローンの処置方法、αウイルスのcDNAおよびRNAの形質移入方法およびαウイルスの感染方法は、当業者に公知である。【0258】転写開始部位(transcription initiation site)由来のオリゴヌクレオチドを用いて遺伝子発現を阻害することも可能である。この位置は、例えばスタート部位(start site)から数えて約−10と約+10の間である。同様に、三重らせん塩基対の形成方法を用いて阻害が可能となる。三重らせん塩基対形成は、ポリメラーゼ、転写因子または調節分子と結合できるように十分に開こうとする、二重らせんの能力を阻害するため有用である。三重らせんDNAを用いる最近の治療の進歩については文献に記載がある(Gee, J.E.他(1994) in Huber, B.E.およびB.I. Carr, Molecular and Immunologic Approaches, Futura Publishing, Mt. Kisco NY, 163-177ページ)。相補配列またはアンチセンス分子もまた、転写物がリボソームに結合するのを阻止することによってmRNAの翻訳を阻止するように設計することができる。【0259】リボザイムは酵素的RNA分子であり、RNAの特異的切断を触媒するためにリボザイムを用いることもできる。リボザイム作用のメカニズムは、相補的標的RNAへのリボザイム分子の配列特異的ハイブリダイゼーションとその後に起こる内ヌクレオチド鎖切断に関与している。例えば、人為操作されたハンマーヘッド型リボザイム分子は、INTSIGをコードするRNA分子のヌクレオチド鎖切断を、特異的且つ効果的に触媒する可能性がある。【0260】任意のRNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、GUA、GUU、GUC配列を含めたリボザイム切断部位に対して標的分子をスキャンすることによって先ず同定される。一度同定されると、切断部位を持つ標的遺伝子の領域に対応する15〜20リボヌクレオチドの短いRNA配列が、そのオリゴヌクレオチドを機能不全にするような2次構造の特徴をもっていないかを評価することが可能になる。候補標的の適合性の評価も、リボヌクレアーゼ保護アッセイを用いて相補的オリゴヌクレオチド群とのハイブリダイゼーションへのアクセス可能性をテストすることによって行い得る。【0261】相補リボ核酸分子及びリボザイムは、核酸分子の合成のために当分野で既知の任意の方法を用いて作製し得る。作製方法には、固相ホスホラミダイト化学合成など、オリゴヌクレオチドを化学的に合成する方法がある。或いは、INTSIGをコードするDNA分子のin vitro及びin vivo転写によってRNA分子を産出し得る。このようなDNA配列は、T7やSP6などの好適なRNAポリメラーゼプロモーターを用いて多様なベクター内に取り込むことが可能である。或いは、相補的RNAを構成的或いは誘導的に合成するようなこれらcDNA産物を、細胞株、細胞または組織内に導入することができる。【0262】細胞内の安定性を高め、半減期を長くするために、RNA分子を修飾し得る。限定するものではないが可能な修飾としては、分子の5'末端、3'末端、あるいはその両方において隣接配列群を追加することや、分子の主鎖内においてホスホジエステラーゼ結合ではなくホスホロチオエートまたは2' O-メチルを使用することが含まれる。この概念は、本来はPNA群の産出におけるものであるが、これら全ての分子に拡大することができる。そのためには、内因性エンドヌクレアーゼによって容易には認識されない、アデニン、シチジン、グアニン、チミン、およびウリジンにアセチル−、メチル−、チオ−および同様の修飾をしたものや、非従来型塩基、例えばイノシン、クエオシン(queosine)、ワイブトシン(wybutosine)を加える。【0263】本発明の更なる実施例は、INTSIGをコードするポリヌクレオチドの発現の変化に有効な化合物をスクリーニングする方法を含む。限定するものではないが特異ポリヌクレオチドの発現の改変に効果的な化合物には、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、三重らせん形成オリゴヌクレオチド、転写因子その他のポリペプチド転写制御因子、及び特異ポリヌクレオチド配列と相互作用し得る非高分子化学的実体がある。有効な化合物は、ポリヌクレオチド発現のインヒビターまたはエンハンサーのいずれかとして作用することによりポリヌクレオチド発現を改変し得る。従って、INTSIGの発現または活性の増加に関連する疾患の治療においては、INTSIGをコードするポリヌクレオチドの発現を特異的に阻害する化合物が治療上有用であり、INTSIGの発現または活性の低下に関連する疾患の治療においては、INTSIGをコードするポリヌクレオチドの発現を特異的に促進する化合物が治療上有用であり得る。【0264】特異ポリヌクレオチドの発現改変における有効性に対して、少なくとも1個から複数個の試験化合物をスクリーニングし得る。試験化合物は、当分野で通常知られている任意の方法により得られる。このような方法には、ポリヌクレオチドの発現を変異させる場合と、既存の、市販のまたは私的な、天然または非天然の化合物ライブラリから選択する場合と、標的ポリヌクレオチドの化学的及び/または構造的特性に基づく化合物を合理的にデザインする場合と、組合せ的にまたは無作為に生成した化合物のライブラリから選択する場合に有効であることが知られているような化合物の化学修飾がある。INTSIGをコードするポリヌクレオチドを含むサンプルは、このようにして得られた試験化合物の少なくとも1つに曝露する。サンプルは例えば、無傷細胞、透過化処理した細胞、あるいはin vitro 無細胞系すなわち再構成生化学系があり得る。INTSIGをコードするポリヌクレオチドの発現における変化は、当分野で通常知られている任意の方法でアッセイする。通常、INTSIGをコードするポリヌクレオチドの配列に相補的なヌクレオチド配列を有するプローブを用いたハイブリダイゼーションにより、特異ヌクレオチドの発現を検出する。ハイブリダイゼーション量を定量し、それによって1つ以上の試験化合物に曝露される及び曝露されないポリヌクレオチドの発現の比較に対する基礎を形成し得る。試験化合物に曝露されるポリヌクレオチドの発現における変化の検出は、ポリヌクレオチドの発現を改変する際に試験化合物が有効であることを示している。或る特定ポリヌクレオチドの改変発現に有効な化合物のためのスクリーニングを実行でき、例えば分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)遺伝子発現系(Atkins, D. 他(1999) 米国特許第5,932,435号、Arndt, G.M. 他(2000) Nucleic Acids Res.28:E15)またはHeLa細胞等のヒト細胞株(Clarke, M.L. 他(2000) Biochem. Biophys. Res. Commun. 268:8-13)。本発明の或る特定の実施態様は、或る特定ポリヌクレオチド配列に対するアンチセンス活性について、オリゴヌクレオチド(デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ペプチド核酸、修飾したオリゴヌクレオチド)の組合せライブラリをスクリーニングする過程に関する(Bruice, T.W. 他(1997) 米国特許第5,686,242号、Bruice, T.W.他(2000) 米国特許第6,022,691号)。【0265】ベクターを細胞または組織に導入する多数の方法が利用可能であり、in vivo、in vitro及びex vivoの使用に対して同程度に適している。ex vivo治療の場合、ベクターを、患者から採取した幹細胞内に導入し、クローニング増殖して同患者に自家移植で戻すことができる。トランスフェクションによる、またはリボソーム注入やポリカチオンアミノポリマーによる送達は、当分野で周知の方法を用いて実行することができる(Goldman, C.K.他(1997) Nat. Biotechnol. 15:462-466)。【0266】上記の治療方法はいずれも、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サルなどの哺乳類を含めて治療が必要な全ての被験体に適用できる。【0267】本発明の或る更なる実施態様は、薬物として許容できる或る賦形剤と共に製剤される或る活性成分を一般に有する、或る組成物の投与に関する。賦形剤には例えば、糖、でんぷん、セルロース、ゴムおよびタンパク質がある。様々な剤型が広く知られており、詳細はRemington's Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing, Easton PA)の最新版に記載されている。このような組成物は、INTSIG、INTSIGの抗体、ミメティック、アゴニスト、アンタゴニスト、またはINTSIGのインヒビターなどからなる。【0268】本発明に用いられる組成物は、任意の数の経路によって投与することができ、限定するものではないが経路には、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、クモ膜下腔内、心室内、肺、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、局所、舌下または直腸がある。【0269】肺から投与する組成物は、液状または乾燥粉末状で調製し得る。このような組成物は通常、患者が吸入する直前にエアロゾル化する。小分子(例えば伝統的な低分子量有機薬)の場合には、速効製剤のエアロゾル送達は当分野で公知である。高分子(例えばより大きなペプチドおよびタンパク質)の場合には、当該分野において肺の肺胞領域を介しての肺送達が最近向上したことにより、インスリンなどの薬物を実質的に血液循環へ輸送することを可能にした(Patton, J.S. 他, 米国特許第5,997,848号などを参照)。肺送達は、針注射なしに投与する点で優れており、有毒な可能性のある浸透エンハンサーの必要性をなくす。【0270】本発明での使用に適した組成物には、所定の目的を達成するために必要なだけの量の活性成分を含有する組成物が含まれる。有効投与量の決定は、当業者の能力の範囲内で行う。【0271】INTSIGまたはその断片を含む高分子を直接細胞内に送達するべく、特殊な形態に組成物が調製されるのが好ましい。例えば、細胞不透過性高分子を含むリポソーム製剤は、その高分子の細胞融合と細胞内送達とを促進し得る。別法では、INTSIGまたはその断片をHIV Tat-1タンパク質の陽イオン性N末端部に結合することもできる。このようにして生成された融合タンパク質類は、或るマウスモデル系の、脳を含む全ての組織の細胞群に形質導入することがわかっている(Schwarze, S.R. 他(1999) Science 285:1569-1572)。【0272】任意の化合物に対して、細胞培養アッセイ、例えば新生物性細胞の細胞培養アッセイにおいて、或いは、動物モデル、例えばマウス、ウサギ、イヌまたはブタ等において、先ず治療有効投与量を推定することができる。動物モデルはまた、好適な濃度範囲および投与経路を決定するためにも用い得る。このような情報を用いて、次にヒトに対する有益な投与量および投与経路を決定することができる。【0273】治療有効量は、症状や容態を回復させる活性処方成分(例えば、INTSIGまたはその断片、INTSIGの抗体、INTSIGのアゴニストまたはアンタゴニスト、インヒビターなど)量を意味する。治療有効性及び毒性は、細胞培養または動物実験における標準的な薬剤手法によって、例えばED50(集団の50%の治療有効量)またはLD50(集団の50%の致死量)を測定するなどして決定することができる。毒性効果の治療効果に対する投与量の比が治療指数であり、LD50/ED50比として表すことができる。高い治療指数を示すような組成物が望ましい。細胞培養アッセイと動物実験とから得られたデータは、ヒトに用いる投与量の範囲の策定に用いられる。このような組成物に含まれる投与量は、毒性を殆どあるいは全く持たず、ED50を含むような血中濃度の範囲にあることが好ましい。投与量は、用いられる投与形態、患者の感受性および投与の経路によってこの範囲内で変わる。【0274】正確な投与量は、治療が必要な被験者に関する要素を考慮して、現場の医者が決定することになる。充分なレベルの活性成分を与え、あるいは所望の効果を維持すべく、用法および用量を調整する。被験者に関する要素としては、疾患の重症度、患者の全身の健康状態、患者の年齢、体重及び性別(ジェンダー)、投与の時間及び頻度、併用薬、反応感受性及び治療に対する応答等を考慮しうる。作用期間が長い組成物は、特定の製剤の半減期及びクリアランス率によって3〜4日毎に1度、1週間に1度、或いは2週間に1度の間隔で投与し得る。【0275】通常の投与量は、投与の経路にもよるが約0.1〜100.000μgであり、合計で約1gまでとする。特定の投与量および送達方法に関するガイダンスは文献に記載されており、現場の医者は通常それを利用することができる。当業者は、ヌクレオチドの処方では、タンパク質またはそれらのインヒビター類とは異なる処方を利用することになる。同様に、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの送達は、特定の細胞、症状、部位などに特異的なものとなる。【0276】(診断)別の実施例では、INTSIGに特異的に結合する抗体が、INTSIGの発現によって特徴付けられる疾患の診断、またはINTSIGやINTSIGのアゴニストまたはアンタゴニスト、インヒビターで治療を受けている患者をモニターするためのアッセイに用いられる。診断目的に有用な抗体は、上記の治療の箇所で記載した方法と同じ方法で作成される。INTSIGの診断アッセイには、抗体及び標識を用いてヒトの体液或いは細胞や組織から採取されたものからINTSIGを検出する方法が含まれる。この抗体は修飾されたものも、されていないものも可能であり、レポーター分子との共有結合または非共有結合で標識化できる。レポーター分子としては広くさまざまな種類が本分野で知られており、また使用可能であるが、そのうちのいくつかは上記で説明されている。【0277】INTSIGを測定するためのELISA,RIA,及びFACSを含む種々のプロトコルは、当分野では周知であり、変わった或いは異常なレベルのINTSIGの発現を診断する元となるものを提供する。正常或いは標準的なINTSIGの発現の値は、複合体の形成に適した条件下で、正常な哺乳動物、例えばヒトなどの被験者から採取した体液または細胞とINTSIGに対する抗体とを混合させることによって決定する。標準複合体形成量は、種々の方法、例えば測光法で定量できる。被験者、対照、及び疾患生検組織からの各サンプルのINTSIGの発現の量が基準値と比較される。標準値と被験体との偏差が、疾患を診断するパラメータを確定する。【0278】本発明の別の実施態様では、INTSIGをコードするポリヌクレオチドを、診断目的で用い得る。用いることができるポリヌクレオチドには、オリゴヌクレオチド配列、相補的RNA及びDNA分子、そしてPNAが含まれる。このポリヌクレオチドを用いて、疾患と相関し得るINTSIGを発現する生検組織における遺伝子の発現を検出し定量する。この診断アッセイを用いて、INTSIGの存在の有無、更に過剰な発現を調べ、治療中のINTSIG値の調節を監視する。【0279】一態様では、INTSIGまたは近縁の分子をコードする、ゲノム配列などポリヌクレオチドを検出可能なPCRプローブ類とのハイブリダイゼーションを、INTSIGをコードする核酸配列の同定に用いうる。プローブが高度に特異的な領域(例えば5'調節領域)から作られている、或いはやや特異性の低い領域(例えば保存されたモチーフ)から作られているかにかかわらず、そのプローブの特異性と、ハイブリダイゼーション或いは増幅のストリンジェントによって、そのプローブがINTSIGをコードする自然界の配列のみを同定するかどうか、或いは対立遺伝子や関連配列コードする自然界の配列のみを同定するかどうかが決まるであろう。【0280】プローブはまた、関連する配列の検出に利用され、INTSIGをコードする任意の配列と少なくとも50%の配列同一性を有し得る。目的の本発明のハイブリダイゼーションプローブには、DNAあるいはRNAが可能であり、SEQ ID NO:4690の配列、或いはINTSIG遺伝子のプロモーター、エンハンサー、イントロンを含むゲノム配列に由来し得る。【0281】INTSIGをコードするポリヌクレオチドに対して特異的なハイブリダイゼーションプローブの作製方法には、INTSIG及びINTSIG誘導体をコードするポリヌクレオチドをmRNAプローブの作製のためのベクターにクローニングする方法がある。mRNAプローブ作製のためのベクターは、当業者に知られており、市販されており、好適なRNAポリメラーゼ及び好適な標識されたヌクレオチドを加えることによって、in vitroでRNAプローブを合成するために用いられ得る。ハイブリダイゼーションプローブは、種々のレポーター集団によって標識され得る。レポーター集団の例としては、32Pまたは35S等の放射性核種、或いはアビジン/ビオチン結合系を介してプローブに結合されたアルカリホスファターゼ等の酵素標識などが挙げられる。【0282】INTSIGをコードするポリヌクレオチドを用いて、INTSIGの発現に関連する疾患を診断することが可能である。限定されるものではないが、そのような疾患として、細胞増殖異常には日光性角化症、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、滑液包炎、硬変、肝炎、混合型結合組織病(MCTD)、骨髄線維症、発作性夜間ヘモグロビン尿症、真性多血症、乾癬、原発性血小板血症、並びに腺癌及び白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、及び奇形癌、具体的には、副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、頚部、胆嚢、神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、子宮の癌が含まれ、内分泌疾患の中には原発脳腫瘍及び腺腫、妊娠性梗塞、下垂体切除、動脈瘤、血管奇形、血栓症、感染症、免疫異常、頭部外傷による合併症などの病変から起こる視床下部及び下垂体の障害と、性機能低下及びシーハン症候群、尿崩症、カルマン病、ハンド‐シュラークリスチャン病、レテラー・ジーヴェ病、サルコイドーシス、エンプティセラ(トルコ鞍空虚)症候群、小人症を含む下垂体低下に関連した障害、不適合分泌症候群(SIADH)及び先端巨大症、巨人症を含む下垂体亢進に関連した障害と、甲状腺腫及び粘液水腫、細菌感染性急性甲状腺炎、ウイルス感染性亜急性甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎(橋本病)、クレチン病を含む甲状腺機能低下症に関連した障害と、甲状腺中毒症及びその様々な型、グレーブス病、前脛骨粘液水腫、中毒性多結節性甲状腺腫、甲状腺癌、プランマー病を含む甲状腺機能亢進症と、Conn病(chronic hypercalemia)を含む副甲状腺機能亢進症と、I型及びII型糖尿病及び合併症などの膵臓疾患と、過形成及び副腎皮質の癌腫や腺腫、アルカローシスに関連した高血圧、アミロイド症、低カリウム血、クッシング病、リドル症候群、Arnold-Healy-Gordon症候群、褐色細胞腫瘍、アジソン病などの副腎に関連した障害と、女性の異常プロラクチン産生及び不妊症、子宮内膜症、月経周期の摂動、多嚢胞性卵巣疾患、高プロラクチン血症、選択的性腺刺激ホルモン不全(isolated gonadotropin deficiency)、無月経、乳汁漏出症、半陰陽、多毛症及び男性化、乳癌、閉経期後の骨粗鬆症、男性のライジッヒ細胞過形成、男性更年期、生殖細胞無形成症、ライジッヒ細胞腫瘍に関連した性機能亢進、アンドロゲン受容体の欠如に関連したアンドロゲン耐性、5α−還元酵素症候群、女性乳房症などの生殖腺ステロイドホルモンに関連した疾患が含まれ、自己免疫/炎症性の疾患の中には、炎症及び日光性角化症、後天性免疫不全症候群(AIDS)及び副腎機能不全、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー、強直性脊椎炎、アミロイド症、貧血、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性多腺性内分泌カンジダ性外胚葉ジストロフィ(APECED)、気管支炎、胆嚢炎、接触皮膚炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、皮膚筋炎、糖尿病、肺気腫、リンパ球毒素性一時性リンパ球減少症、赤芽球症、結節性紅斑、萎縮性胃炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、痛風、グレーブス病、橋本甲状腺炎、過好酸球増加症、過敏性大腸症候群、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋または心膜炎症、骨関節炎、骨粗しょう症、膵炎、乾癬、ライター症候群、リウマチ様関節炎、強皮症、シェ−グレン症候群、全身性アナフィラキシー、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、血小板減少症、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、ウェルナー症候群、癌合併症、血液透析、体外循環、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、寄生虫感染症、原虫感染症、蠕虫感染症、外傷が含まれ、神経系疾患には、癲癇、虚血性脳血管障害、脳卒中、脳腫瘍、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン病、痴呆、パーキンソン病およびその他の錐体外路障害、筋萎縮性側索硬化および他の運動ニューロン障害、進行性神経性筋萎縮症、網膜色素変性症(色素性網膜炎)、遺伝性運動失調、多発性硬化症および他の脱髄疾患、細菌性およびウイルス性髄膜炎、脳膿瘍、硬膜下膿瘍、硬膜外膿瘍、化膿性頭蓋内血栓性静脈炎、脊髄炎および神経根炎、ウイルス性中枢神経系疾患と、プリオン病(クールー、クロイツフェルト‐ヤコブ病、およびGerstmann-Straussler-Scheinker症候群を含む)、致死性家族性不眠症、神経系性栄養病および代謝病、神経線維腫症、結節硬化症、小脳網膜血管腫症(cerebelloretinal hemangioblastomatosis)、脳三叉神経血管症候群(encephalotrigeminal syndrome)、精神遅滞および他の中枢神経系発達障害(ダウン症を含む)、脳性麻痺、神経骨格異常症、自律神経系障害、脳神経疾患、脊髄疾患、筋ジストロフィー他の神経筋障害、末梢神経疾患、皮膚筋炎および多発性筋炎と、遺伝性、代謝性、内分泌性、および中毒性ミオパシーと、重症筋無力症、周期性四肢麻痺、精神障害(気分性、不安性の障害、統合失調症/分裂病)、季節性感情障害(SAD)、静座不能、健忘症、緊張病、糖尿病性ニューロパシー、遅発性ジスキネジア、ジストニー、パラノイド精神病、帯状疱疹後神経痛、トゥーレット病、進行性核上麻痺、大脳皮質基底核変性(corticobasal degeneration)、および家族性前頭側頭型痴呆が含まれ、胃腸障害には、嚥下障害、消化性食道炎、食道痙攣、食道狭窄、食道癌、消化不良、消化障害、胃炎、胃癌、食欲不振、悪心、嘔吐、胃不全麻痺、洞または幽門の浮腫、腹部アンギナ、胸焼け、胃腸炎、イレウス、腸管感染、消化性潰瘍、胆石症、胆嚢炎、胆汁うっ滞、膵臓炎、膵臓癌、胆道疾患、肝炎、高ビリルビン血症、硬変症、肝臓の受動的うっ血、ヘパトーム、感染性結腸炎、潰瘍性結腸炎、潰瘍性直腸炎、クローン病、ホウィップル病、マロリー‐ワイス症候群、大腸癌、大腸閉塞、過敏性腸症候群、短小腸症候群、下痢、便秘、胃腸出血、後天性免疫不全症候群(AIDS)腸症、黄疸、肝性脳症、肝腎症候群、脂肪肝、血色素症、ウィルソン病、α1アンチトリプシン欠損症、ライ症候群、原発性硬化性胆管炎、肝梗塞、門脈循環閉塞および血栓、小葉中心壊死、肝臓紫斑病、肝静脈血栓、肝静脈閉塞症、子癇前症、子癇、妊娠性急性脂肪肝、妊娠性肝臓内胆汁うっ滞と、結節性過形成および腺腫、癌腫など肝癌が含まれ、生殖障害として、プロラクチン産生の障害、不妊(例えば卵管疾患、排卵不良、子宮内膜症、性周期の途絶、月経周期の途絶、多嚢胞性卵巣症候群、卵巣過剰刺激症候群、子宮内膜腫瘍や卵巣腫瘍、子宮筋腫、自己免疫障害、異所性妊娠、奇形発生、乳癌、乳房線維嚢胞病、乳漏症、精子形成の途絶、異常精子生理、精巣癌、前立腺癌、良性前立腺肥大、前立腺炎、ペーロニー病、インポテンス、男性乳癌、女性化乳房、高ゴナドトロピン性腺機能低下症、低ゴナドトロピン性腺機能低下症、仮性半陰陽、無精子症、早発卵巣不全、アクロシン欠損症、晩発思春期、逆行性射精、無射精、血管芽腫、嚢胞・クロム親和細胞腫(cystsphaeochromocytomas)、傍神経節腫、精巣上体の嚢胞腺腫、および内リンパ嚢腫瘍)が含まれ、発達障害の中には尿細管性アシドーシス、貧血、クッシング症候群、軟骨形成不全性小人症、デュシェンヌ‐ベッカー型筋ジストロフィー、癲癇、性腺形成異常、WAGR症候群(ウィルムス腫瘍、無虹彩症、尿生殖器異常、精神薄弱)、スミス‐マジェニス症候群(Smith- Magenis syndrome)、脊髄形成異常症候群、遺伝性粘膜上皮異形成、遺伝性角皮症、シャルコー‐マリー‐ツース病及び神経線維腫症などの遺伝性神経病、甲状腺機能低下症、水頭症、Syndenham舞踏病(Syndenham's chorea)及び脳性小児麻痺などの発作障害、脊髄二分裂、無脳症、頭蓋脊椎披裂、先天性緑内障、白内障、感覚神経性聴力損失が含まれ、小胞輸送に関する疾患には、嚢胞性線維症、グルコースガラクトース吸収不良症候群、高コレステロール血症、真性糖尿病、尿崩症、高血糖症、低血糖症、グレーブス病、甲状腺腫、クッシング病、およびアジソン病、胃腸管障害(潰瘍性大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などを含む)があり、小胞輸送異常に関連する他の病態には、後天性免疫不全症候群(AIDS)、アレルギー(花粉症、喘息および蕁麻疹(発疹)などを含む)、自己免疫性溶血性貧血、増殖糸球体腎炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、重症筋無力症、リューマトイド、骨関節炎、強皮症、チェディアック‐東症候群、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、トキシックショック症候群、外傷性組織障害が含まれる。INTSIGをコードするポリヌクレオチドは、サザーン法やノーザン法、ドットブロット法、或いはその他の膜系の技術、PCR法、ディップスティック(dipstick)、ピン(pin)、およびマルチフォーマットのELISA式アッセイ、および、変容したINTSIG発現を検出するために患者から採取した体液或いは組織を利用するマイクロアレイに使用可能である。このような定性方法または定量方法は、当分野で公知である。【0283】或る特定の態様では、INTSIGをコードするヌクレオチド群を、関連する障害、特に上記した障害を検出するアッセイ類に用い得る。INTSIGをコードする配列に相補的なポリヌクレオチドを、標準的な方法で標識化し、ハイブリダイゼーション複合体の形成に好適な条件の下、患者から採取した体液或いは組織のサンプルに加えることができる。好適なインキュベーション期間が経過したらサンプルを洗浄し、シグナルを定量して標準値と比較する。患者のサンプルのシグナルの量が対照サンプルに比較して著しく変化している場合は、そのサンプル内のINTSIGをコードするポリヌクレオチド群のレベル変化の存在により、関連する疾患の存在が明らかになる。このようなアッセイは、動物実験、臨床試験における特定の治療効果を評価するため、あるいは個々の患者の治療をモニターするために用いることもできる。【0284】INTSIGの発現に関連する疾患の診断の基準となるものを提供するために、発現の正常すなわち標準的なプロファイルが確立される。これは、ハイブリダイゼーション或いは増幅に好適な条件下で、動物或いはヒトの何れかの正常な被験者から抽出された体液或いは細胞と、INTSIGをコードする配列或いはその断片とを結合させることにより達成され得る。実質的に精製されたポリヌクレオチドを既知量で用いて行った実験から得た値を正常な被験者から得た値と比較することにより、標準ハイブリダイゼーションを定量することができる。このようにして得た標準値は、疾患の徴候を示す患者から得たサンプルから得た値と比較することができる。標準値からの偏差を用いて疾患の存在を確定する。【0285】疾患の存在が確定されて治療プロトコルが開始されると、患者の発現レベルが正常な被検者に観察されるレベルに近づき始めたかどうかを測定するため、ハイブリダイゼーションアッセイを定期的に繰り返し得る。連続アッセイから得られた結果を用いて、数日から数ヶ月の期間にわたる治療の効果を示し得る。【0286】癌に関しては、個体からの生体組織における異常な量の転写物(過少発現または過剰発現)の存在は、疾患の発生素質を示したり、実際に臨床的症状が現れる前に疾患を検出する方法を提供し得る。この種のより明確な診断により、医療の専門家が予防方法または積極的な治療法を早くから利用し、それによって癌の発生または更なる進行を防止することが可能となる。【0287】INTSIGをコードする配列から設計されたオリゴヌクレオチドのさらなる診断への利用には、PCRの利用が含まれ得る。これらのオリゴマーは、化学的に合成するか、酵素により生産するか、あるいはin vitroで産出し得る。オリゴマーは、好ましくはINTSIGをコードするポリヌクレオチドの断片、或いはINTSIGをコードするポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドの断片を含み、最適な条件下で、特定の遺伝子や条件を識別するために利用される。また、オリゴマーは、やや緩いストリンジェンシー条件下で、近縁のDNA或いはRNA配列の検出、定量、或いはその両方のため用いることが可能である。【0288】或る特定態様で、INTSIGをコードするポリヌクレオチド群に由来のオリゴヌクレオチドプライマー類を用い一塩基多型(SNP)を検出し得る。SNPは、多くの場合にヒトの先天性または後天性遺伝病の原因となるような置換、挿入及び欠失である。限定するものではないがSNPの検出方法には、SSCP(single-stranded conformation polymorphism)及び蛍光SSCP(fSSCP)がある。SSCPでは、INTSIGをコードするポリヌクレオチド群に由来のオリゴヌクレオチドプライマー類とポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を用いDNAを増幅する。このDNAは例えば、病変組織または正常組織、生検サンプル、体液などに由来し得る。DNA内のSNPによって、一本鎖形状のPCR生成物の2次及び3次構造に差異が生じる。この差異は非変性ゲル中でのゲル電気泳動法を用いて検出可能である。fSCCPでは、オリゴヌクレオチドプライマーを蛍光性に標識する。それによってDNAシークエンシング機などの高処理機器でアンプリマー(amplimer)の検出が可能になる。更に、インシリコSNP(in silico SNP, isSNP)と呼ばれる配列データベース分析法は、一般的なコンセンサス配列へアセンブリされるような個々のオーバーラップするDNA断片の配列を比較することにより、多型性を同定し得る。これらのコンピュータベースの方法は、DNAの実験室での調製に、また統計モデル及びDNA配列クロマトグラムの自動分析を用いたシークエンシングのエラーに起因する配列の変異をフィルタリングして除去する。別の態様では、例えば高処理MASSARRAYシステム(Sequenom, Inc., San Diego CA)を用いた質量分析によりSNPを検出し、特徴付ける。【0289】SNPを利用して、ヒト疾患の遺伝的基礎を研究しうる。例えば、少なくとも16の一般的SNPが非インスリン依存型真性糖尿病と関連がある。SNPはまた、嚢胞性線維症、鎌状赤血球貧血、慢性肉芽腫性疾病等の単一遺伝子病の転帰の違いを研究するために有用である。例えば、マンノース結合レクチンでの変異体(MBL2)は、嚢胞性線維症の肺での有害な転帰と相関することがわかっている。SNPはまた、生命を脅かす毒性等の薬剤への患者の反応に影響する遺伝変異体の同定という薬理ゲノミックスにおいても有用性がある。例えば、N-アセチルトランスフェラーゼにおける変異は抗結核剤、イソニアジドに応答した末梢神経障害の発生率が高くなるが、ALOX5 遺伝子のコアプロモータの変異は5-リポキシゲナーゼ経路を標的とする抗喘息薬での治療に対する臨床的反応を減少する。異なった集団でのSNPの分布についての分析は遺伝的浮動、突然変異、組み換えおよび選択の研究に有用であると共に、集団の起源と移動の調査にも有用である (Taylor, J.G. 他(2001) Trends Mol. Med. 7:507-512、Kwok, P.-Y.およびZ. Gu (1999) Mol. Med. Today 5:538-543、Nowotny, P. 他(2001) Curr. Opin. Neurobiol. 11:637-641)。【0290】INTSIGの発現を定量するために用い得る方法には、ヌクレオチドの放射標識またはビオチン標識、調節核酸の相互増幅(coamplification)、及び、標準曲線から得た結果の補間もある(Melby, P.C.他(1993) J. Immunol. Methods 159:235-244、Duplaa, C.他(1993) Anal. Biochem. 212:229-236)。目的のオリゴマーが種々の希釈液中に存在し、分光光度法または比色反応によって定量が迅速になるような高処理フォーマットのアッセイを行うことによって、複数のサンプルの定量速度を加速することができる。【0291】更に別の実施様態では、本明細書に記載した任意のポリヌクレオチドに由来するオリゴヌクレオチドまたはより長い断片を、或るマイクロアレイにおけるエレメント群として用いることができる。大多数の遺伝子の相対発現レベルを同時にモニターする転写イメージング技術にマイクロアレイを用いることが可能である。これについては、以下に記載する。マイクロアレイはまた、遺伝変異体、突然変異および多型性の同定に用いることができる。この情報を用いることで、遺伝子機能を決定し、疾患の遺伝的根拠を理解し、疾患を診断し、遺伝子発現の機能としての疾病の進行/後退をモニターし、疾病治療における薬物の活性を開発およびモニターすることができる。特に、患者にとって最もふさわしく、有効な治療法を選択するために、この情報を用いて患者の薬理ゲノムプロフィールを開発することができる。例えば、患者の薬理ゲノムプロファイルに基づき、患者に対して高度に効果的で副作用の最も少ない治療薬を選択することができる。【0292】別の実施例では、INTSIG、INTSIGの断片、INTSIGに特異的な抗体をマイクロアレイ上のエレメントとして用いることができる。マイクロアレイを用いて、上記のようなタンパク質−タンパク質相互作用、薬物−標的相互作用および遺伝子発現プロファイルをモニターまたは測定することが可能である。【0293】或る実施態様は、或る組織または細胞タイプの転写イメージを作製する、本発明のポリヌクレオチドの使用に関連する。転写イメージは、特定の組織または細胞タイプによる遺伝子発現の包括的パターンを表す。包括的遺伝子発現パターンは、所与の条件下で所与の時間に発現した遺伝子の数および相対存在量を定量することにより分析し得る(Seilhamer 他の米国特許第5,840,484号 「Comparative Gene Transcript Analysis」は特に引用することを以って本明細書の一部となす)。従って、特定の組織または細胞タイプの転写物または逆転写物全体に本発明のポリヌクレオチドまたはその相補体をハイブリダイズすることにより、転写イメージを生成し得る。或る実施例では、本発明のポリヌクレオチドまたはその相補体がマイクロアレイ上のエレメントのサブセットを複数含むような高処理フォーマットでハイブリダイゼーションを発生させる。結果として得られる転写イメージは、遺伝子活性のプロファイルを提供し得る。【0294】転写イメージは、組織、細胞株、生検またはその生体サンプルから単離した転写物を用いて作製し得る。転写イメージはしたがって、組織または生検サンプルの場合にはin vivo、細胞株の場合にはin vitroでの遺伝子発現を反映する。【0295】本発明のポリヌクレオチドの発現のプロフィールを作製する転写イメージはまた、工業的または天然の環境化合物の毒性試験のみならず、in vitroモデル系及び薬剤の前臨床評価と併せて使用し得る。全ての化合物は、作用および毒性のメカニズムを標示し、しばしば分子フィンガープリントまたは毒性シグネチャ(toxicant signatures)と称される、特徴的な遺伝子発現パターンを惹起する(Nuwaysir, E.F. 他(1999) Mol. Carcinog. 24:153-159; Steiner, S.およびN.L. Anderson (2000) Toxicol. Lett. 112-113:467-471)。試験化合物が、既知の毒性を有する化合物のシグネチャと同様のシグネチャを有する場合には、毒性特性を共有している可能性がある。フィンガープリントまたはシグネチャは、多数の遺伝子および遺伝子ファミリからの発現情報を含んでいる場合に、最も有用且つ正確である。理想的には、ゲノム全域にわたる発現の測定が、最高品質のシグネチャを提供する。たとえ、発現が任意の試験された化合物によって変容しない遺伝子があったとしても、それらの発現レベルを残りの発現データをノーマライズするために使用できるため、それらの遺伝子は重要である。ノーマライズ手順は、種々の化合物で処理した後の発現データの比較に有用である。毒性シグネチャの要素への遺伝子機能を割り当てることは毒性機構の解明に役立つが、毒性の予測につながるシグネチャの統計的な一致には遺伝子機能の知識は必要ではない(例えば2000年2月29日に米国国立環境健康科学研究所(National Institute of Environmental Health Sciences)より2000年2月29日に発行されたPress Release 00-02を参照されたい。これについてはhttp://www.niehs.nih.gov/oc/news/toxchip.htmで入手可能である)。したがって、毒性シグネチャを用いる中毒学的スクリーニングの際に、全ての発現した遺伝子配列を含めることは、重要且つ望ましい。【0296】或る実施例では、核酸を有する生体サンプルを試験化合物で処理することにより、この試験化合物の毒性を算定する。処理した生物学的サンプル中で発現した核酸は、本発明のポリヌクレオチドに特異的な1つ以上のプローブでハイブリダイズし、それによって本発明のポリヌクレオチドに対応する転写物レベルを定量し得る。処理した生体サンプル中の転写レベルを、未処理生体サンプル中のレベルと比較する。両サンプルの転写物レベルの差は、処理されたサンプル中で試験化合物が引き起こす毒性反応を示す。【0297】別の実施態様は、本明細書に開示するポリペプチド配列群を用いて或る組織または細胞タイプのプロテオームを分析することに関する。プロテオームの語は、特定の組織または細胞タイプでのタンパク質発現の包括的パターンを指す。プロテオームの各タンパク質成分は、個々に更なる分析にかけることができる。プロテオーム発現パターンすなわちプロファイルは、所与の条件下で所与の時間に発現したタンパク質の数および相対存在量を定量することにより分析し得る。したがって、或る細胞のプロテオームのプロファイルは、特定の組織または細胞タイプのポリペプチドを分離および分析することにより作成し得る。或る実施例では、1次元等電点電気泳動によりサンプルからタンパク質を分離し、2次元ドデシル硫酸ナトリウムスラブゲル電気泳動により分子量に応じて分離するような2次元ゲル電気泳動により、分離が達成される(前出のSteiner および Anderson)。タンパク質は、通常はクーマシーブルー、あるいは銀染色液または蛍光染色液などの物質を用いてゲルを染色することにより、分散した、独自の位置にある点としてゲル中で可視化される。各タンパク質スポットの光学密度は、通常、サンプル中のタンパク質レベルに比例する。異なるサンプル、例えば試験化合物または治療薬で処理または未処理のいずれかの生体サンプルからの、同等に位置したタンパク質スポットの光学密度を比較し、処理に関連するタンパク質スポット密度の変化を同定する。スポット内のタンパク質は、例えば化学的または酵素的切断とそれに続く質量分析を用いる標準的な方法を用いて部分的にシークエンシングする。或るスポット内のタンパク質の同一性は、その部分配列を、好適には少なくとも5個の連続するアミノ酸残基を、目的のポリペプチド配列と比較することにより決定し得る。場合によっては、決定的なタンパク質同定のための更なる配列データが得られる。【0298】プロテオームのプロファイルは、INTSIGに特異的な抗体を用いてINTSIG発現レベルを定量することによっても作成可能である。或る実施態様では、マイクロアレイ上のエレメントとしてこれら抗体を用い、マイクロアレイをサンプルに曝して各アレイエレメントへのタンパク質結合レベルを検出することにより、タンパク質発現レベルを定量する(Lueking, A. 他(1999) Anal. Biochem. 270:103-111、Mendoze, L.G.他(1999) Biotechniques 27:778-788)。検出は当分野で既知の様々な方法で行うことができ、例えば、チオール反応性またはアミノ反応性蛍光化合物とサンプル中のタンパク質を反応させ、各アレイエレメントにおける蛍光結合の量を検出し得る。【0299】プロテオームレベルでの毒性シグネチャも中毒学的スクリーニングに有用であり、転写レベルでの毒性シグネチャと並行に分析するべきである。いくつかの組織のいくつかのタンパク質については、転写物の存在量とタンパク質の存在量との相関が乏しいので(Anderson, N.L. および J. Seilhamer(1997)Electrophoresis 18:533-537)、転写イメージにはそれ程影響しないがプロテオームのプロファイルを改変するような化合物の分析において、プロテオーム毒性シグネチャは有用たり得る。更に、体液中の転写物の分析はmRNAの急速な分解のために困難なので、プロテオームのプロファイル作成はこのような場合により信頼でき、情報価値があり得る。【0300】別の実施様態では、タンパク質を含有する生体サンプルを試験化合物で処理することにより試験化合物の毒性を算定する。処理された生体サンプル中で発現したタンパク質は、各タンパク質の量を定量し得るように分離する。各タンパク質の量を、未処理生物学的サンプル中の対応するタンパク質の量と比較する。両サンプルのタンパク質量の差は、処理サンプル中の試験化合物に対する毒性反応を示す。個々のタンパク質は、個々のタンパク質のアミノ酸残基をシークエンシングし、これら部分配列を本発明のポリペプチドと比較することにより同定する。【0301】別の実施様態では、タンパク質を含有する生体サンプルを試験化合物で処理することにより試験化合物の毒性を算定する。生体サンプルから得たタンパク質は、本発明のポリペプチドに特異的な抗体を用いてインキュベートする。抗体により認識されたタンパク質の量を定量する。処理された生物学的サンプル中のタンパク質の量を、未処理生物学的サンプル中のタンパク質の量と比較する。両サンプルのタンパク質量の差は、処理サンプル中の試験化合物に対する毒性反応を示す。【0302】マイクロアレイは、本技術分野で既知の方法で調製し、使用し、分析する(例えばBrennan, T.M. 他(1995)米国特許第5,474,796号、Schena, M. 他(1996)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:10614-10619、Baldeschweiler 他(1995)PCT出願第WO95/251116号、Shalon, D.他(1995)PCT出願第WO95/35505号、Heller, R.A. 他(1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:2150-2155、Heller, M.J. 他.(1997) 米国特許第5,605,662号)。様々なタイプのマイクロアレイが公知であり、詳細については、Schena, M 編集 (1999、DNA Microarrays:A Practical Approach, Oxford University Press, London)に記載されている)。【0303】本発明の別の実施例ではまた、INTSIGをコードする核酸配列を用いて、天然のゲノム配列をマッピングするのに有用なハイブリダイゼーションプローブを作製することが可能である。コード配列または非コード配列のいずれかを用いることができ、或る例では、コード配列より非コード配列の方が好ましい。例えば、多重遺伝子族のメンバー内でのコード配列の保存により、染色体マッピング中に望ましくないクロスハイブリダイゼーションが生じる可能性がある。核酸配列は、特定の染色体、染色体の特定領域または人工形成の染色体、例えば、ヒト人工染色体(HAC)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、細菌P1産物、或いは単一染色体cDNAライブラリに対してマッピングされる(Harrington, J.J.他(1997) Nat. Genet. 15:345-355、Price, C.M. (1993) Blood Rev. 7:127134、Trask, B.J. (1991) Trends Genet.7:149154)。一度マッピングすると、核酸配列を用いて、例えば病状の遺伝と特定の染色体領域やまたは制限酵素断片長多型(RFLP)の遺伝とが相関するような遺伝子連鎖地図を作成可能である(Lander, E.S. 及び D. Botstein (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:7353-7357)。【0304】蛍光原位置ハイブリッド形成法(FISH)は、他の物理的および遺伝的地図データと相関し得る(Heinz-Ulrich他 (1995) in Meyers, 前出, 965-968ページ)。遺伝地図データの例は、種々の科学雑誌あるいはOnline Mendelian Inheritance in Man(OMIM)のウェブサイトに見ることができる。物理的な染色体地図上のINTSIGをコードする遺伝子の位置と、特定の疾患との相関性、あるいは特定の疾患に対する素因との相関性は、この疾患と関連するDNAの領域の決定に役立ち得るため、位置を決定するクローニングの作業を促進し得る。【0305】確定した染色体マーカーを用いた連鎖分析等の物理的マッピング技術及び染色体標本原位置ハイブリッド形成法を用いて、遺伝地図を拡張することができる。例えばマウスなど別の哺乳類の染色体上に遺伝子を配置することにより、正確な染色体上の遺伝子座が未知でも、関連するマーカー類をしばしば明らかにし得る。この情報は、ポジショナルクローニング、またはその他の遺伝子発見技術を用いて疾患遺伝子を探す研究者にとって価値がある。疾患または症候群に関与する遺伝子が、血管拡張性失調症の11q22-23領域等、特定の遺伝子領域への遺伝的結合によって大まかに位置決めがなされると、該領域にマップされる任意の配列は、更なる調査のための関連遺伝子あるいは調節遺伝子を提示している可能性がある(Gatti, R.A.他(1988) Nature 336:577-580)。転座、反転などに起因する、健常者、保有者、罹病者の三者間における染色体位置の相違を検出する場合にも、本発明のヌクレオチド配列を用い得る。【0306】本発明の別の実施例では、INTSIG、その触媒作用断片或いは免疫原断片またはそのオリゴペプチドを、種々の任意の薬剤スクリーニング技術における化合物のライブラリのスクリーニングに用いることができる。薬剤スクリーニングに用いる断片は、溶液中に遊離しているか、固体支持物に固定されるか、細胞表面上に保持されるか、細胞内に位置しうる。INTSIGと検査する薬剤との結合による複合体の形成を測定してもよい。【0307】別の薬物スクリーニング方法は、目的のタンパク質に対して好適な結合親和性を有する化合物を高い処理能力でスクリーニングするために用いられる(Geysen他(1984)PCT出願WO84/03564)。この方法においては、多数の様々な低分子の試験用化合物を固体基板上で合成する。試験用化合物は、INTSIG、或いはその断片と反応してから洗浄される。次に、本技術分野でよく知られている方法で、結合したINTSIGを検出する。精製したINTSIGはまた、上記した薬剤のスクリーニング技術において用いるプレート上で直接コーティングすることもできる。別法では、非中和抗体を用いてペプチドを捕捉し、ペプチドを固体支持物に固定することもできる。【0308】別の実施例では、INTSIGと特異結合可能な中和抗体がINTSIGとの結合について試験用化合物と競合する、競合的薬剤スクリーニングアッセイを用いることができる。このようにして、INTSIGと1つ以上の抗原決定因子を共有するどのペプチドの存在をも、抗体を使って検出できる。【0309】別の実施様態では、将来に開発される分子生物学技術が、現在知られているヌクレオチド配列の特性(限定はされないが、トリプレット遺伝コード、特異的な塩基対相互作用等を含む)に依存しているならば、INTSIGをコードするヌクレオチド配列をその新技術に用い得る。【0310】更に詳細説明をしなくとも、当業者であれば以上の説明を以って本発明を最大限に利用できるであろう。したがって、これ以下に記載する実施例は単なる例示目的にすぎず、いかようにも本発明を限定するものではない。【0311】更に詳細説明をしなくとも、当業者であれば以上の説明を以って本発明を最大限に利用できるであろう。従って、これ以下に記載する実施例は単なる例示目的にすぎず、いかようにも本発明を限定するものではない。【0312】本明細書において開示した全ての特許、特許出願及び刊行物、特に米国特許第60/313,245号、第60/314,751号、第60/316,752号、第60/316,847号、第60/322,188号、第60/326,390号、第60/328,952号、第60/345,468号、及び第60/372,499号は、言及することをもって本明細書の一部となす。【実施例】【0313】1 cDNAライブラリの作製Incyte cDNA群の由来は、LIFESEQ GOLDデータベース(Incyte Genomics, Palo Alto CA)に記載されたcDNAライブラリ群であり、表4の列3に列記した。幾つかの組織はホモジナイズしてグアニジニウムイソチオシアネートに溶解し、他の組織はホモジナイズしてフェノールにまたは変性剤群の好適な混合液に溶解した。混合液の1例であるTRIZOL(Invitrogen)は、フェノールとグアニジンイソチオシアネートとの単相溶液である。結果として得た溶解物は、塩化セシウムのクッション液の上に重層して遠心分離するか、クロロフォルムで抽出した。イソプロパノールか、酢酸ナトリウムとエタノールか、いずれか一方、或いは別の方法を用いて、溶解物からRNAを沈殿させた。【0314】RNAの純度を高めるため、RNAのフェノールによる抽出及び沈殿を必要な回数繰り返した。場合によっては、DNA分解酵素でRNAを処理した。殆どのライブラリでは、オリゴd(T)連結常磁性粒子(Promega)、OLIGOTEXラテックス粒子(QIAGEN, Chatsworth CA)またはOLIGOTEX mRNA精製キット(QIAGEN)を用いて、ポリ(A)+RNAを単離した。別法では、別のRNA単離キット、例えばPOLY(A)PURE mRNA精製キット(Ambion, Austin TX)を用いて、組織溶解物からRNAを直接単離した。【0315】場合によってはStratagene社へのRNA提供を行い、対応するcDNAライブラリをStratagene社が作製することもあった。そうでない場合は、UNIZAPベクターシステム(Stratagene)またはSUPERSCRIPTプラスミドシステム(Invitrogen)を用いて本技術分野で公知の推奨される方法または類似の方法でcDNAを合成し、cDNAライブラリを作製した(前出のAusubel、他、5章)。逆転写は、オリゴd(T)またはランダムプライマーを用いて開始した。合成オリゴヌクレオチドアダプターを二本鎖cDNAに連結反応させ、好適な制限酵素または酵素群でcDNAを消化した。殆どのライブラリに対しcDNAのサイズ選択(300〜1000bp)は、SEPHACRYL S1000、SEPHAROSE CL2BまたはSEPHAROSE CL4Bカラムクロマトグラフィ(Amersham Biosciences)、あるいは分取用アガロースゲル電気泳動法を用いて行った。cDNAは好適なプラスミドのポリリンカーの、適合する制限酵素部位にライゲーションされた。好適なプラスミドは、例えばPBLUESCRIPTプラスミド(Stratagene)、PSPORT1プラスミド(Invitrogen)PCDNA2.1プラスミド(Invitrogen, Carlsbad CA)、PBK-CMVプラスミド(Stratagene)、PCR2−TOPOTAプラスミド(Invitrogen)、PCMV-ICISプラスミド(Stratagene)、pIGEN(Incyte Genomics, Palo Alto CA)、pRARE (Incyte Genomics)、またはplNCY(Incyte Genomics)、またはこれらの誘導体である。組換えプラスミドは、Stratagene社のXL1-Blue、XL1-BIueMRFまたはSOLR、あるいはInvitrogen社のDH5α、DH10BまたはElectroMAX DH10Bなど適格な大腸菌細胞に形質転換した。【0316】2 cDNAクローンの単離UNIZAPベクターシステム(Stratagene)を用いたin vivo切除によって、或いは細胞溶解によって、実施例1のようにして得たプラスミドを宿主細胞から回収した。プラスミドを精製する方法は、MagicまたはWIZARD Minipreps DNA精製システム(Promega)、AGTC Miniprep精製キット(Edge Biosystems, Gaithersburg MD)、QIAGEN社のQIAWELL 8 Plasmid、QIAWELL 8 Plus PlasmidおよびQIAWELL 8 Ultra Plasmid 精製システム、R.E.A.L. Prep 96プラスミド精製キットの中から少なくとも1つを用いた。プラスミドは、沈殿させた後、0.1mlの蒸留水に再懸濁して、凍結乾燥して或いは凍結乾燥しないで4℃で保管した。【0317】別法では、高処理フォーマットにおいて直接結合PCR法を用いて宿主細胞溶解物からプラスミドDNAを増幅した(Rao, V.B. (1994) Anal. Biochem. 216:1-14)。宿主細胞の溶解および熱サイクリング過程は、単一反応混合液中で行った。サンプルを処理し、それを384穴プレート内で保管し、増幅したプラスミドDNAの濃度をPICOGREEN色素(Molecular Probes, Eugene OR)及びFLUOROSKAN2蛍光スキャナ(Labsystems Oy, Helsinki, Finland)を用いて蛍光分析的に定量した。【0318】3 シークエンシング及び分析実施例2に記載したようにプラスミドから回収したIncyte cDNAを、以下に示すようにシークエンシングした。cDNAのシークエンス反応は、標準的方法あるいは高処理装置、例えばABI CATALYST 800 サーマルサイクラー(Applied Biosystems)またはPTC-200 サーマルサイクラー(MJ Research)を、HYDRAマイクロディスペンサー(Robbins Scientific)またはMICROLAB 2200(Hamilton)液体転移システムと併用して処理した。cDNAのシークエンス反応は、Amersham Biosciences社が提供する試薬、またはABIシークエンシングキット、例えばABI PRISM BIGDYE Terminator cycle sequencing ready reaction kit(Applied Biosystems)の試薬を用いて準備した。cDNAのシークエンス反応の電気泳動的分離及び標識したポリヌクレオチドの検出には、MEGABACE 1000 DNAシークエンシングシステム(Applied Biosystems)か、標準ABIプロトコル及び塩基呼び出し(base calling)ソフトウェアを用いるABI PRISM 373または377シークエンシングシステム(Applied Biosystems)か、或いはその他の本技術分野で既知の配列解析システムを用いた。cDNA配列内のリーディングフレームは、標準的方法(前出のAusubel, 7章)を用いて決定した。cDNA配列の幾つかを選択して、実施例8に記載した方法で配列を伸長させた。【0319】IncyteのcDNA配列に由来するポリヌクレオチド配列は、ベクター、リンカー及びポリ(A)配列を除去し、あいまいな塩基をマスクすることによって有効性を確認した。その際、BLAST、動的プログラミング及び隣接ジヌクレオチド頻度分析に基づくアルゴリズム及びプログラムを用いた。次に、Incyte cDNA配列またはそれらの翻訳の問い合わせを、以下のデータベース群に対して行った。すなわち、選抜した公共のデータベース群(例えばGenBankの霊長類、げっ歯類、哺乳類、脊椎動物、真核生物のデータベースと、BLOCKS、PRINTS、DOMO、PRODOM)と、ヒト、ラット、マウス、線虫(Caenorhabditis elegans)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)およびCandida albicansからの配列群を持つPROTEOMEデータベース群(Incyte Genomics, Palo Alto CA)、および、隠れマルコフモデル(HMM)ベースのタンパク質ファミリーデータベース群、例えばPFAM、INCY、およびTIGRFAM (Haft, D.H. 他(2001) Nucleic Acids Res.29:41-43)、並びにHMMベースのタンパク質ドメインデータベースたとえばSMART(Schultz. J. 他(1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:5857-5864; Letunic, I. 他(2002) Nucleic Acids Res.30:242-244)。(HMMは、遺伝子ファミリーのコンセンサス1次構造を分析する確率的アプローチである。Eddy, S.R. (1996) Cuff. Opin. Struct. Biol. 6:361-365等を参照)。問合せは、BLAST、FASTA、BLIMPS、およびHMMERに基づくプログラムを用いて行った。Incyte cDNA配列は、完全長のポリヌクレオチド配列を産出するようにアセンブリした。あるいは、GenBank cDNA群、GenBank EST群、スティッチされた配列群、ストレッチされた配列群、またはGenscan予測コード配列群(実施例4および5を参照)を用い、Incyte cDNAのアセンブリ体群を完全長まで伸長させた。PhredとPhrapとConsedとに基づくプログラムを用いてアセンブリし、GenMarkとBLASTとFASTAとに基づくプログラムを用いて、cDNAのアセンブリ体を、オープンリーディングフレームについてスクリーニングした。完全長ポリヌクレオチド配列を翻訳し、対応する完全長ポリペプチド配列を得た。あるいは、或るポリペプチドは、完全長翻訳ポリペプチドの任意のメチオニン残基で開始し得る。完全長ポリペプチド配列群の続いての分析としての問い合わせを、GenBankタンパク質データベース群(genpept)、SwissProt、PROTEOMEデータベース群、BLOCKS、PRINTS、DOMO、PRODOMおよびProsite等のデータベースや、PFAM、INCY、およびTIGRFAM等の隠れマルコフモデル(HMM)ベースのタンパク質ファミリーデータベース群、並びにSMART等のHMMベースのタンパク質ドメインデータベース群に対し行った。完全長ポリヌクレオチド配列はまた、MACDNASIS PROソフトウェア(MiraiBio., Alameda CA)およびLASERGENEソフトウェア(DNASTAR)を用いて分析する。ポリヌクレオチド及びポリペプチド配列アラインメントは、アラインメントした配列間の一致率も計算するMEGALIGNマルチシークエンスアラインメントプログラム(DNASTAR)に組み込まれているようなCLUSTALアルゴリズムによって指定されるデフォルトパラメータを用いて作製する。【0320】Incyte cDNA及び完全長配列の分析及びアセンブリに利用したツール、プログラム及びアルゴリズムの概略と、適用可能な説明、参照文献、閾値パラメータを表7に示す。用いたツール、プログラム及びアルゴリズムを表7の列1に、それらの簡単な説明を列2に示す。列3は好適な参照文献であり、全ての文献は全体を引用を以って本明細書の一部となす。適用可能な場合には、列4は2つの配列が一致する強さを評価するために用いたスコア、確率値その他のパラメータを示す(スコアが高いほど、または確率値が低いほど、2配列間の相同性が高くなる)。【0321】完全長ポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列のアセンブリ及び分析に用いる上記のプログラムは、SEQ ID NO:46-90のポリヌクレオチド配列断片の同定にも利用できる。 ハイブリダイゼーション及び増幅技術に有用である約20〜約4000ヌクレオチドの断片を表4の列2に示した。【0322】4 ゲノムDNAからのコード配列の同定及び編集推定上の細胞内シグナル分子は、公共のゲノム配列データベース(例えば、gbpriやgbhtg)においてGenscan遺伝子同定プログラムを実行して初めに同定された。Genscanは、様々な生物からのゲノムDNA配列を分析する汎用遺伝子同定プログラムである(Burge, C. 及び S. Karlin (1997) J. Mol. Biol. 268:78-94、Burge, C. 及び S. Karlin (1998) Curr. Opin. Struct. Biol. 8:346-354)。プログラムは予測エキソンを連結し、メチオニンから停止コドンに及ぶアセンブリされたcDNA配列を形成する。Genscanの出力は、ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列のFASTAデータベースである。Genscanが一度に分析する配列の最大範囲は、30kbに設定した。これらのGenscan推定cDNA配列の内、どの配列が細胞内シグナル分子をコードするかを決定するために、コードされたポリペプチドをPFAMモデルにおいて細胞内シグナル分子について問合せて分析した。潜在的な細胞内シグナル分子はまた、細胞内シグナル分子として注釈が付けられていたIncyte cDNA配列への相同性を基に同定された。こうして選択されたGenscan予測配列は、次にBLAST分析により公共データベースgenpept及びgbpriと比較した。必要であれば、genpeptからのトップBLASTヒットと比較することによりGenscan予測配列を編集し、余分なまたは省略されたエキソンなど、Genscanが予測した配列におけるエラーを補正した。BLAST分析はまた、Genscan予測配列の、いかなるIncyte cDNAまたは公共cDNAカバレッジ(coverage)の発見にも用いられ、したがって転写の証拠を提供した。Incyte cDNAカバレッジが利用できた場合には、この情報を用いてGenscan予測配列を補正または確認した。完全長ポリヌクレオチド配列は、実施例3に記載したアセンブリプロセスを用いて、Incyte cDNA配列および/または公共cDNA配列でGenscan予測コード配列をアセンブリして得た。或いは、完全長ポリヌクレオチド配列は、編集した、または非編集のGenscan予測コード配列に完全に由来する。【0323】5 cDNA配列データを使ったゲノム配列データのアセンブリスティッチ配列(Stitched Sequence)部分cDNA配列は、実施例4に記載のGenscan遺伝子同定プログラムにより予測されたエキソンを用いて伸長させた。実施例3に記載されたようにアセンブリされた部分cDNAは、ゲノムDNAにマッピングし、関連するcDNA及び1つ以上のゲノム配列から予測されたGenscanエキソンを含むクラスタに分解した。cDNA及びゲノム情報を統合するべくグラフ理論及び動的プログラミングに基づくアルゴリズムを用いて各クラスタを分析し、引き続いて確認、編集または伸長して完全長配列を産出するような潜在的スプライス変異体を生成した。区間の全長が、2つ以上の配列に在るような配列区間群をクラスター内で同定し、そのように同定された区間群は、推移性により、等しいと考えた。例えば、1つのcDNAと2つのゲノム配列上に或る区間が存在する場合、この3つの区間は全て等しいと考えられた。このプロセスは、無関係であるが連続したゲノム配列をcDNA配列により結び合わせて架橋し得る。このようにして同定された区間を、親配列(parent sequence)に沿って現われる順にステッチアルゴリズムで縫い合わせ、可能な最も長い配列および変異配列を作製する。1種類の親配列に沿って発生した区間間の連鎖(cDNA−cDNAまたはゲノム配列−ゲノム配列)は、親の種類を変える連鎖(cDNA−ゲノム配列)に優先した。結果として得たスティッチ配列群を翻訳し、BLAST分析で公共データベースgenpeptおよびgbpriと比較した。Genscanが予測した不正確なエキソン群は、genpeptからのトップBLASTヒットとの比較により補正した。必要な場合には、追加cDNA配列を用いるかゲノムDNAの検査により配列を更に伸長させた。【0324】ストレッチ配列(Stretched Sequence)部分DNA配列は、BLAST分析に基づくアルゴリズムにより完全長まで伸長された。先ず、BLASTプログラムを用いて、GenBankの霊長類、げっ歯類、哺乳動物、脊椎動物及び真核生物のデータベースなどの公共データベースに対し、実施例3に記載したようにアセンブリされた部分cDNAを問い合わせた。次に、最も近いGenBankタンパク質相同体を、BLAST分析により、Incyte cDNA配列または実施例4に記載のGenScanエキソン予測配列のいずれかと比較した。結果として得られる高スコアリングセグメント対(HSP)を用いてキメラタンパク質を産出し、翻訳した配列をGenBankタンパク質相同体上にマッピングした。元のGenBankタンパク質相同体に対し、キメラタンパク質内では挿入または欠失が起こり得る。GenBankタンパク質相同体、キメラタンパク質またはその両方をプローブとして用い、公共のヒトゲノムデータベースから相同ゲノム配列を検索した。このようにして、部分的なDNA配列を、相同ゲノム配列の付加によりストレッチすなわち伸長した。結果として得られるストレッチ配列を検査し、完全遺伝子を含んでいるか否かを判定した。【0325】6 INTSIGをコードするポリヌクレオチドの染色体マッピングSEQ ID NO:46-90をアセンブリするために用いた配列を、BLAST及びSmith-Watermanアルゴリズムを用いて、Incyte LIFESEQデータベース及び公共のドメインデータベースの配列と比較した。SEQ ID NO:46-90 と一致するこれらのデータベースの配列を、Phrapなどのアセンブリアルゴリズム(表7)を使用して、連続及びオーバーラップした配列のクラスターにアセンブリした。スタンフォード・ヒトゲノムセンター(SHGC)、ホワイトヘッド・ゲノム研究所(WIGR)、Genethonなどの公的な情報源から入手可能な放射線ハイブリッドおよび遺伝地図データを用いて、いずれかのクラスター化された配列が既にマッピングされているかを判定した。マッピングされた配列が或るクラスターに含まれている場合、そのクラスターの全配列が、個々の配列番号と共に、地図上の位置に割り当てられた。【0326】地図上の位置は、ヒト染色体の範囲または区間として表される。センチモルガン単位での或る区間の地図上の位置は、染色体の短腕(p-arm)の末端に対して測定する(センチモルガン(cM)は、染色体マーカー間の組換え頻度に基づく計測単位である。平均して、1cMは、ヒト中のDNAの1メガベース(Mb)にほぼ等しい。 もっとも、この値は、組換えのホットスポット及びコールドスポットによって広範囲に変化する)。cM距離は、各クラスタ内に配列が含まれる放射線ハイブリッドマーカー類に対して境界を提供するGenethonによってマッピングされた遺伝マーカー群に基づく。NCBI「GeneMap'99」(http://www.ncbi.nlm.nih.gpv/genemap/)などの一般個人が入手可能なヒト遺伝子マップおよびその他の情報源を用いて、既に同定されている疾患遺伝子群が、上記した区間内若しくは近傍に位置するかを決定できる。【0327】7 ポリヌクレオチド発現の分析ノーザン分析は、遺伝子の転写物の存在を検出するために用いられる実験用技術であり、特定の細胞種或いは組織からのRNAが結合されている膜への標識されたヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを伴う(Sambrook 他,前出, 7章; Ausubel 他、前出, 4章)。【0328】BLASTを適用する類似のコンピュータ技術を用いて、GenBankやLifeSeq(Incyte Genomics)等のcDNAデータベースにおいて同一または関連分子を検索した。ノーザン分析は、多数の膜系ハイブリダイゼーションよりも非常に速い。更に、任意の特定の一致を厳密なあるいは相同的なものとして分類するか否かを決定するため、コンピュータ検索の感度を修正することができる。検索の基準は積スコアであり、次式で定義される。【0329】【数1】【0330】積スコアは、2つの配列間の類似度と、配列が一致する長さとの両方を考慮している。積スコアは、0〜100のノーマライズされた値であり、次のようにして求める。BLASTスコアにヌクレオチドの配列一致率を乗じ、その積を2つの配列の短い方の長さの5倍で除する。BLASTスコアを計算するには、或る高スコアリングセグメント対(HSP)内の一致する各塩基に+5のスコアを割り当て、各不一致塩基に−4を割り当てる。2つの配列は、2以上のHSPを共有し得る(ギャップにより隔離される)。2以上のHSPがある場合には、最高BLASTスコアのセグメント対を用いて積スコアを計算する。積スコアは、断片的オーバーラップとBLASTアラインメントの質とのバランスを表す。例えば積スコア100は、比較した2つの配列の短い方の長さ全体にわたって100%一致する場合のみ得られる。積スコア70は、一端が100%一致し、70%オーバーラップしているか、他端が88%一致し、100%オーバーラップしているかのいずれかの場合に得られる。積スコア50は、一端が100%一致し、50%オーバーラップしているか、79%一致し、100%オーバーラップしているかのいずれかの場合に得られる。【0331】或いは、INTSIGをコードするポリヌクレオチドを、由来する組織に対して分析する。例えば幾つかの完全長配列は、少なくとも一部は、オーバーラップするIncyte cDNA配列群を用いてアセンブリされる(実施例3を参照)。各cDNA配列は、ヒト組織から作製されたcDNAライブラリに由来する。各ヒト組織は、以下の臓器/組織カテゴリーの1つに分類される。すなわち心血管系、結合組織、消化器系、胎芽構造、内分泌系、外分泌腺、女性生殖器、男性生殖器、生殖細胞、血液および免疫系、肝、筋骨格系、神経系、膵臓、呼吸器系、感覚器、皮膚、顎口腔系、非分類性/混合性または尿路である。各カテゴリーのライブラリ数を数えて、全カテゴリーの総ライブラリ数で除する。同様に、各ヒト組織は、以下の疾患/条件カテゴリー即ち癌、細胞株、発達、炎症、神経性、外傷、心血管、プール、その他の1つに分類される。各カテゴリーのライブラリ数を数えて、全カテゴリーの総ライブラリ数で除する。得られるパーセンテージは、INTSIGをコードするcDNAの組織特異的および疾患特異的な発現を反映する。cDNA配列およびcDNAライブラリ/組織の情報は、LIFESEQ GOLD データベース(Incyte Genomics, Palo Alto CA)から得ることができる。【0332】8 INTSIGをコードするポリヌクレオチドの伸長完全長のポリヌクレオチドもまた、完全長分子の適切な断片から設計したオリゴヌクレオチドプライマーを用いて該断片を伸長させて生成した。或るプライマーは既知の断片の5'伸長を開始するべく合成し、別のプライマーは既知の断片の3'伸長を開始するべく合成した。開始プライマーは、長さが約22〜30ヌクレオチド、GC含有率が約50%以上となり、約68〜72℃の温度で標的配列にアニーリングするように、OLIGO 4.06ソフトウェア(National Biosciences)或いは別の適切なプログラムを用いて、cDNAから設計した。ヘアピン構造及びプライマー−プライマー二量体を生ずるようなヌクレオチドの伸長は全て回避した。【0333】選択したヒトcDNAライブラリ群を用い、配列を伸長した。2段階以上の伸長が必要または望ましい場合には、付加的プライマーあるいはプライマーのネステッドセットを設計した。【0334】高忠実度の増幅が、当業者によく知られている方法を利用したPCR法によって得られた。PCRは、PTC-200 サーマルサイクラー(MJ Research, Inc.)を用いて96ウェルプレート内で行った。反応混合液は、鋳型DNA及び200nmolの各プライマーを有する。また、Mg2+と(NH4)2SO4と2−メルカプトエタノールを含む反応バッファー、Taq DNAポリメラーゼ(Amersham Biosciences)、ELONGASE酵素(Invitrogen)、Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)を含む。プライマーの組、PCI AとPCI Bに対して以下のパラメータで増幅を行った。ステップ1:94℃で3分間、ステップ2:94℃で15秒間、ステップ3:60℃で1分間、ステップ4:68℃で2分間、ステップ5:ステップ2、3および4を20回繰り返す、ステップ6:68℃で5分間、ステップ7:4℃で保存。別法では、プライマー対であるT7とSK+とに対して以下のパラメータで増幅を行った。ステップ1:94℃で3分間、ステップ2:94℃で15秒間、ステップ3:57℃で1分間、ステップ4:68℃で2分間、ステップ5:ステップ2、3および4を20回繰り返す、ステップ6:68℃で5分間、ステップ7:4℃で保存。【0335】各ウェルのDNA濃度は、1×TE及び0.5μlの希釈していないPCR産物に溶解した100μlのPICOGREEN定量試薬(0.25(v/v) PICOGREEN; Molecular Probes, Eugene OR)を不透明な蛍光光度計プレート(Corning Costar, Acton MA)の各ウェルに分配してDNAが試薬と結合できるようにして測定した。サンプルの蛍光を計測してDNAの濃度を定量すべく、プレートをFluoroskan II (Labsystems Oy, Helsinki, Finland)でスキャンした。反応混合物のアリコット5〜10μlを1%アガロースゲル上で電気泳動法によって解析し、どの反応が配列の伸長に成功したかを判定した。【0336】伸長したヌクレオチドは、脱塩および濃縮して384穴プレートに移し、CviJIコレラウイルスエンドヌクレアーゼ(Molecular Biology Research, Madison WI)を用いて消化し、音波処理またはせん断し、pUC 18ベクター(Amersham Biosciences)への再連結を行った。ショットガン・シークエンシングのために、消化したヌクレオチドを低濃度(0.6〜0.8%)のアガロースゲル上で分離し、断片を切除し、寒天をAgar ACE(Promega)で消化した。伸長したクローンをT4リガーゼ(New England Biolabs, Beverly MA)を用いてpUC 18ベクター(Amersham Biosciences)に再連結し、Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)で処理して制限部位のオーバーハング部分を満たし、大腸菌細胞に形質移入した。形質移入した細胞を抗生物質含有培地上で選択し、個々のコロニーを選択してLB/2x carb液体培地の384穴プレート内において37℃で一晩培養した。【0337】細胞を溶解して、Taq DNAポリメラーゼ(Amersham Biosciences)及びPfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)を用いて以下の手順でDNAをPCR増幅した。ステップ1:94℃で3分間、ステップ2:94℃で15秒間、ステップ3:60℃で1分間、ステップ4:72℃で2分間、ステップ5:ステップ2、3および4を29回繰り返す、ステップ6:72℃で5分間、ステップ7:4℃で保存。上記したようにPICOGREEN試薬(Molecular Probes)でDNAを定量化した。DNAの回収率が低いサンプルは、上記と同一の条件を用いて再増幅した。サンプルは20%ジメチルスルホキシド(1:2, v/v)で希釈し、DYENAMIC エネルギートランスファー シークエンシングプライマー、及びDYENAMIC DIRECT kit(Amersham Biosciences)またはABI PRISM BIGDYE ターミネーターサイクル シークエンシング反応キット(Terminator cycle sequencing ready reaction kit)(Applied Biosystems)を用いてシークエンシングした。【0338】同様に、上記手順を用いて完全長ポリヌクレオチドを検証した。あるいは、完全長ポリヌクレオチドを用い、上記手順で、そのような伸長のために設計したオリゴヌクレオチド類と、或る適切なゲノムライブラリとを用いて5'調節配列を得た。【0339】9 INTSIGをコードするポリヌクレオチドにおける1塩基多型性の同定一塩基多型性(SNP)として知られる一般的なDNA配列変異体は、LIFESEQデータベース(Incyte Genomics)を用いてSEQ ID NO:46-90において同定された。実施例3に記述されているように、同じ遺伝子からの配列を共にクラスターにしてアセンブリし、これによって遺伝子内のすべての配列変異体の同定ができた。一連のフィルタからなるアルゴリズムを使って、SNPを他の配列変異体から区別した。前段フィルターは、最小限Phredクオリティスコア15を要求することにより大多数のベースコールのエラーを除去し、また、配列アライメントエラーや、ベクター配列、キメラおよびスプライス変異体の不適当なトリミングにより生じるエラーを取り除いた。染色体の高度解析の自動化手順により、推定SNPの近傍におけるオリジナルのクロマトグラムファイルが解析された。クローンエラーフィルタは統計的に生み出されたアルゴリズムを用いて、逆転写酵素、ポリメラーゼ、または体細胞突然変異によって引き起こされるエラーのような、実験処理時に導入されるエラーを識別した。クラスターエラーフィルターは、統計的に生み出されたアルゴリズムを用いて、近縁の相同体または偽遺伝子のクラスター化に起因するエラー、または非ヒト配列によるコンタミネーションにより生じたエラーを同定した。最後のフィルター群によって、免疫グロブリンまたはT細胞受容体に存在する重複(duplicates)とSNPが除去された。【0340】異なる4つのヒト集団のSNP部位における対立遺伝子頻度を分析するために、高処理MASSARRAYシステム(Sequenom, Inc.)を用いる質量分析によって、更なる特徴付けのためにいくつかのSNPが選択された。白人母集団は、ユタ州の83人、フランス人4人、ベネズエラ3人およびアーミッシュ派2人を含む92人(男性46人、女性46人)で構成された。アフリカ人母集団はすべてアフリカ系アメリカ人である194人( 男性97人、 女性97人)からなる。ヒスパニック母集団はすべてメキシコ系ヒスパニックの324人( 男性162人、 女性162人)からなる。アジア人母集団は126人(男性64人、女性62人)からなり、親の内訳は中国人43%、日本人31%、コリアン13%、ベトナム人5%およびその他のアジア人8%と報告されている。対立形質の発生頻度は最初に白人母集団において分析し、いくつかの例において、この母集団で対立形質分散を示さなかったSNPは他の三つの母集団においてさらに検査しなかった。【0341】10 個々のハイブリダイゼーションプローブの標識化及び使用SEQ ID NO:46-90から導き出されたハイブリダイゼーションプローブを用いて、cDNA、mRNA、またはゲノムDNAをスクリーニングする。約20塩基対からなるオリゴヌクレオチドの標識について特に記載するが、より大きなヌクレオチド断片に対しても本質的に同一の手順が用いられる。オリゴヌクレオチドは、OLIGO 4.06ソフトウェア(National Biosciences)等の最新ソフトウェアを用いて設計し、各オリゴマー50pmolと、[γ-32P]アデノシン3リン酸(Amersham Biosciences)250μCiと、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(DuPont NEN, Boston MA)とを化合させることにより標識する。標識したオリゴヌクレオチドは、SEPHADEX G-25超細繊分子サイズ排除デキストラン ビーズカラム(Amersham Biosciences)を用いて実質的に精製する。Ase I、Bgl II、Eco RI、Pst I、Xba1またはPvu II(DuPont NEN)のいずれか1つのエンドヌクレアーゼで消化されたヒトゲノムDNAの典型的な膜ベースのハイブリダイゼーション解析において、毎分107カウントの標識されたプローブを含むアリコットを用いる。【0342】各消化物から得たDNAは、0.7%アガロースゲル上で分画してナイロン膜(Nytran Plus, Schleicher & Schuell, Durham NH)に移す。ハイブリダイゼーションは、40℃で16時間行う。非特異的シグナル群を除去するため、最大で例えば0.1×クエン酸ナトリウム食塩水および0.5%ドデシル硫酸ナトリウムの条件下で、ブロット群を室温で順次洗浄する。オートラジオグラフィーまたはそれに代わるイメージング手段を用いてハイブリダイゼーションパターンを視覚化し、比較する。【0343】11 マイクロアレイマイクロアレイの表面上でアレイエレメントの結合または合成は、フォトリソグラフィ、ピエゾ式印刷(インクジェット印刷、前出のBaldeschweiler他等を参照)、機械的マイクロスポッティング技術及びこれらから派生したものを用いて達成することが可能である。上記各技術において基板は、均一な、無孔の表面を持つ固体とすべきである(Schena, M., 編集 (1999) DNA Microarrays: A Practical Approach, Oxford University Press, Londoに記載されている)。推奨する基板には、シリコン、シリカ、スライドガラス、ガラスチップおよびシリコンウェハがある。あるいは、ドットブロット法またはスロットブロット法に類似した手順を利用し、熱的、紫外線的、化学的または機械的結合手順を用いて基板の表面にエレメントを配置および結合させてもよい。通常のアレイは、利用可能な、当業者に公知の方法と機械とを用いて作製でき、任意の適正数のエレメントを有し得る(Schena, M. 他(1995) Science 270:467-470; Shalon, D.他(1996) Genome Res.6:639-645; Marshall, A. および J. Hodgson (1998) Nat. Biotechnol. 16:27-31を参照)。【0344】完全長cDNA、発現配列タグ(EST)、またはその断片またはオリゴマーが、マイクロアレイのエレメントと成り得る。ハイブリダイゼーションに好適な断片またはオリゴマーを、LASERGENEソフトウェア(DNASTAR)など本技術分野で公知のソフトウェアを用いて選択することが可能である。アレイエレメント群を、生体サンプル中のポリヌクレオチド群とハイブリダイズする。生体サンプル中のポリヌクレオチドは、検出を容易にするために蛍光標識などの分子タグに抱合させる。ハイブリダイゼーション後、生体サンプルからのハイブリダイズされていないヌクレオチドを除去し、蛍光スキャナを用いて各アレイエレメントでのハイブリダイゼーションを検出する。あるいは、レーザー脱離および質量スペクトロメトリを用いてもハイブリダイゼーションを検出し得る。マイクロアレイ上の或るエレメントにハイブリダイズする各ポリヌクレオチドの、相補性の度合と相対存在度とを算定し得る。一実施態様におけるマイクロアレイの調製および使用について、以下に詳述する。【0345】組織または細胞サンプルの調製全RNAを組織サンプルから単離するためグアニジニウムチオシアネート法を用い、ポリ(A)+RNA精製にオリゴ(dT)セルロース法を用いる。【0346】各ポリ(A)+RNAサンプルを逆転写するため、MMLV逆転写酵素を用い、また、0.05pg/μlのオリゴ(dT)プライマー(21mer)、1×第一鎖バッファ、0.03unit/μlのRNアーゼ阻害因子、500μMのdATP、500μMのdGTP、500μMのdTTP、40μMのdCTP、40μMのdCTP-Cy3(BDS)またはdCTP-Cy5(Amersham Biosciences)を用いる。【0347】逆転写反応は、GEMBRIGHTキット(Incyte)を用いてポリ(A)+RNA含有の25体積ml内で行う。特異的対照ポリ(A)+RNAは、非コード酵母ゲノムDNAからin vitro転写により合成する。37℃で2時間インキュベートした後、各反応サンプル(1つはCy3、もう1つはCy5標識)は、2.5mlの0.5M水酸化ナトリウムで処理し、85℃で20分間インキュベートし、反応を停止させてRNAを分解させる。サンプル群の精製には、2つの連続するCHROMA SPIN 30ゲル濾過スピンカラム(CLONTECH Laboratories, Inc. (CLONTECH), Palo Alto CA)を用いる。混合後、2つの反応サンプルのエタノール沈殿を、1mlのグリコーゲン(1mg/ml)、60mlの酢酸ナトリウム、および300mlの100%エタノールで行う。サンプルは次に、SpeedVAC(Savant Instruments Inc., Holbrook NY)を用いて乾燥して仕上げ、14μl 5×SSC/0.2% SDS中で再懸濁する。【0348】マイクロアレイの調製本発明の配列を用いて、アレイエレメントを作製する。各アレイエレメントは、クローン化cDNAインサートを持つベクター含有細菌細胞から増幅する。PCR増幅は、cDNAインサートに隣接するベクター配列に相補的なプライマーを用いる。30サイクルのPCRによって、1〜2ngの初期量から5μgを超える最終量までアレイエレメントを増幅する。増幅したアレイエレメントは、SEPHACRYL-400(Amersham Biosciences)を用いて精製する。【0349】精製したアレイエレメントは、ポリマーコートされたスライドグラス上に固定する。顕微鏡スライドグラス(Corning)は、0.1%のSDSおよびアセトン中で超音波洗浄し、処理の間および処理後に充分に蒸留水で洗浄する。スライドグラスは、4%フッ化水素酸(VWR Scientific Products Corporation(VWR), West Chester PA)中でエッチングし、充分に蒸留水中で洗浄し、95%エタノール中で0.05%アミノプロピルシラン(Sigma)を用いてコーティングする。コーティングしたスライドは、110℃のオーブンで硬化させる。【0350】米国特許第5,807,522号に記載されている手順を用いて、コーティングしたガラス基板にアレイエレメント群を付加する。この特許は、引用を以って本明細書の一部とする。平均濃度100ng/μlのアレイエレメントDNA1μlを、高速ロボット装置(robotic apparatus)により、開放型キャピラリープリンティングエレメント(open capillary printing element)に充填する。装置はここで、スライド毎に約5nlのアレイエレメントサンプルを加える。【0351】マイクロアレイには、STRATALINKER UV架橋剤(Stratagene)を用いてUV架橋する。マイクロアレイは、室温において0.2%SDSで1度洗浄し、蒸留水で3度洗浄する。リン酸緩衝生理食塩水 (PBS)(Tropix, Inc., Bedford MA)中の0.2%カゼイン中において60℃で30分間マイクロアレイをインキュベートした後、前に行ったように0.2%SDS及び蒸留水で洗浄することにより、非特異結合部位をブロックする。【0352】ハイブリダイゼーションハイブリダイゼーション反応に用いる9μlのサンプル混合体には、Cy3またはCy5で標識したcDNA合成産物群の各0.2μgを、5×SSC,0.2%SDSハイブリダイゼーション緩衝液中に含む。サンプル混合体は、65℃まで5分間加熱し、マイクロアレイ表面上で等分して1.8cm2 のカバーガラスで覆う。アレイは、顕微鏡スライドより僅かに大きい空洞を有する防水チェンバーに移す。チェンバーのコーナーに140μlの5×SSCを加えることにより、チェンバー内部を湿度100%に保持する。アレイを含むチェンバーは、60℃で約6.5時間インキュベートする。アレイは、第1洗浄緩衝液中(1×SSC、0.1%SDS)において45℃で10分間洗浄し、第2洗浄緩衝液中(0.1×SSC)において各々45℃で10分間、3度洗浄して乾燥させる。【0353】検出レポーター標識したハイブリダイゼーション複合体を検出するには、Cy3の励起のために488nm、Cy5の励起のために632nmでスペクトル線を発生し得るInnova70混合ガス10Wレーザー(Coherent, Inc., Santa Clara CA)を備えた顕微鏡を用いる。励起レーザー光の焦点をアレイ上に置くため、20×顕微鏡対物レンズ(Nikon, Inc., Melville NY)を用いる。アレイを含むスライドを、顕微鏡の、コンピュータ制御のX-Yステージに置き、対物レンズを通してラスタースキャンする。本実施例で用いる1.8cm×1.8cmのアレイは、解像度20μmでスキャンする。【0354】2回の異なるスキャンで、混合ガスマルチラインレーザは2つのフルオロフォアを連続的に励起する。発光された光は、波長に基づき分離され、2つのフルオロフォアに対応する2つの光電子増倍管検出器(PMT R1477, Hamamatsu Photonics Systems, Bridgewater NJ)に送られる。好適なフィルタ群をアレイと光電子増倍管との間に設置して、シグナルをフィルタする。用いるフルオロフォアの最大発光の波長は、Cy3では565nm、Cy5では650nmである。装置は両方の蛍光色素からのスペクトルを同時に記録し得るが、レーザ源において好適なフィルターを用いて、蛍光色素1つにつき1度スキャンし、各アレイを通常2度スキャンする。【0355】スキャンの感度は通常、既知濃度のサンプル混合体に添加されるcDNA対照種により生成されるシグナル強度を用いて較正する。アレイ上の特定の位置には相補的DNA配列が含まれ、その位置におけるシグナルの強度を、ハイブリダイズする種の重量比1:100,000に相関させる。 異なる源泉(例えば試験される細胞及び対照細胞など)からの2つのサンプルを、各々異なる蛍光色素で標識し、他と異なって発現した遺伝子を同定するために単一のアレイにハイブリダイズする場合には、その較正を、較正するcDNAのサンプルを2つの蛍光色素で標識し、ハイブリダイゼーション混合体に各々等量を加えることによって行う。【0356】光電子増倍管の出力は、IBMコンパチブルPCコンピュータにインストールされた12ビットRTI-835Hアナログ−ディジタル(A/D)変換ボード(Analog Devices, Inc., Norwood MA)を用いてディジタル化される。ディジタル化したデータは、青色(低シグナル)から赤色(高シグナル)までの擬似カラースケールへのリニア20色変換を用いて、シグナル強度がマッピングされたイメージとして表示される。データは、定量的にも分析される。2つの異なるフルオロフォアを同時に励起および測定する場合には、各フルオロフォアの発光スペクトルを用いて、データは先ずフルオロフォア間の光学的クロストーク(発光スペクトルの重なりに起因する)を補正される。【0357】グリッドが蛍光シグナルイメージ上に重ねられ、それによって各スポットからのシグナルはグリッドの各エレメントに集められる。各エレメント内の蛍光シグナルは統合され、シグナルの平均強度に応じた数値が得られる。シグナル分析に用いるソフトウェアは、GEMTOOLS遺伝子発現分析プログラム(Incyte)である。発現の変化が少なくともほぼ2倍、シグナルとバックグラウンドの割合が少なくとも2.5、および少なくとも40%のエレメントのスポットサイズを示すアレイエレメントは、差次的発現されるものとGEMTOOLS プログラム (Incyte Genomics)を用いて同定された。【0358】発現例えば、SEQ ID NO:54は10 ng/mlのインターロイキン4(IL-4)で処理したヒトの末梢血単核細胞(PBMC)において差次的に発現した。ヒトPBMCは、免疫系の主要な細胞成分を代表する異なる細胞集団に分類できる。PBMCは約52%のリンパ球(12%がBリンパ球、、40%がTリンパ球{25%がCD4+で15%がCD8+})、20%のNK細胞、25%の単球および3%の様々な細胞(樹状細胞および前駆細胞など)からなる。これらの細胞成分の比率および生物学的特徴は健常な個人の間で多少異なる傾向があり、年齢、性別、過去の医学的履歴および遺伝的背景に依存する。【0359】IL-4は、活性化したT細胞、肥満細胞、好塩基球により生成される多面的サイトカインである。IL-4は最初B細胞分化因子(BCDF)およびB細胞刺激因子(BSF1)として同定された。分子クローニング、ヒトとマウスIL-4両者の発現の後で、多数の他の機能がB細胞と他の造血細胞、および内皮細胞等の非造血細胞に帰因されている。IL-4は抗腫瘍効果をin vivoとin vitroの両者で示す。最近、IL-4はCD4+サブセット(Th1-様に対するTh2-様)の発生の重要な調節因子として同定された。IL-4の生物学的作用は、IL-4が特異的な細胞表面受容体群に結合することによって仲介される。IL-4の機能的高親和性受容体は、リガンド結合サブユニット(IL-4R)と、受容体複合体のリガンド結合親和性を調節することができる第2サブユニット(b鎖)からなる。いくつかの細胞タイプにおいては、IL-2受容体複合体のγ鎖はIL-4受容体複合体の機能的b鎖である。【0360】この実験において、PBMCの収集を、6名の健康な志願提供者の血液から、標準的な勾配分離(gradient separation)を用いて行った。各提供者からのPBMCを培地に2時間置いた。これは組換えIL-4の存在下または不在下で行った。異なる提供者群からの処理したPBMCと無処理の対照PBMCとを、それぞれの処理に応じてプールした。SEQ ID NO:54の発現は、少なくとも2倍の著しい減少が、IL-4処理したPBMCで見られた。【0361】また、SEQ ID NO:66 は炎症性応答において差次的発現を示すことがマイクロアレイ分析によって確認された。未処理の末梢血単核細胞(PBMC)(12% Bリンパ球、40% Tリンパ球、20% NK細胞、25%単球、3%樹状細胞および前駆細胞等多様な細胞)と比較すると、インターロイキン-1β(IL-1β)、インターロイキン-6(IL-6)またはTNF-αのいずれかで処理されたPBMCにおいてSEQ ID NO:66の発現は少なくとも2倍増加した。IL-1βは原型的炎症誘発性サイトカインであり、IL-6は免疫応答において重要な多機能タンパク質であり、またTNF-αはシグナル伝達経路によって炎症反応を仲介する多面的サイトカインである。したがってSEQ ID NO:66は、炎症応答の診断マーカーに有用である。【0362】さらにSEQ ID NO:88は、未処理の細胞に対して25μMのプレドニゾンで処理された末梢血単核細胞(PBMC)において発現の増加を示したことがマイクロアレイ分析で判定された。6人の健康な志願提供者の血液に由来するPBMCは、エタノールに溶解したプレドニゾンの段階的な投与の存在下で24時間インキュベートされた。さらに、伝播体単独の起こりえる影響をモニタリングするためにエタノールの一致する投与で同じ期間、一致するPBMCは処理された。処理されたPBMCは、同じ期間培養で維持される一致する未処理のPBMCと比較された。さらにSEQ ID NO:88は、未処理の細胞に対してブドウ球菌エンドトキシンB(SEB)で処理されたPBMCにおいて増加した発現を示した。7人の健常な志願提供者に由来するPBMCがin vitroで72時間SEBによって刺激された。各提供者からのSEB処理されたPBMCが、同じ提供者からの、SEBなしで24時間インキュベートされたPBMCと比較された。したがって、様々な実施様態でSEQ ID NO:54、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:88は下記の1つ以上の目的で使用することができる。すなわち、i)免疫疾患、および関連する疾患、症状の治療のモニタリング、ii)免疫疾患、および関連する疾患、症状の診断アッセイ、そしてiii)免疫疾患、および関連する疾患、症状の治療そして/あるいは他の療法の開発である。【0363】結腸癌の発達には複数の段階の過程があり、これらの過程の中で前癌結腸細胞が比較的順序の決まったイベントを経て腫瘍を形成する。腫瘍進行と悪性転換との過程に寄与しうる幾つかの因子としては、遺伝、突然変異、及び選択がある。SEQ ID NO:54の発現は、結腸腺癌組織が関係する様々な実験において、同じ提供者の関係しない組織と比べて著しく、少なくとも2分の1に減少した。SEQ ID NO:90は、結腸癌との関連において差次的発現を示したが、これはマイクロアレイ分析によって決定された。下記の一致するサンプルの遺伝子発現プロファイルが比較された。すなわち、卵巣起源の可能性があるあまり分化していない転移性腺癌と診断された、再発性の盲腸塊の臨床病歴を有する56才の女性の正常な結腸組織と結腸腫瘍組織(Huntsman Cancer Institute, Salt Lake City, UT)、粘液性腺癌と診断された58才の女性の正常および腫瘍サンプル(Huntsman Cancer Institute, Salt Lake City, UT)、結腸癌と診断された83才の女性の正常および腫瘍サンプル(Huntsman Cancer Institute, Salt Lake City, UT)、中程度に分化した結腸腺癌と診断されている64才の女性の正常および腫瘍サンプル (Huntsman Cancer Institute, Salt Lake City, UT)、である。SEQ ID NO:90の発現は、正常な結腸組織と比較して腫瘍組織において少なくとも2倍下方制御された。したがって、様々な実施様態でSEQ ID NO:54とSEQ ID NO:90は下記の1つ以上の目的で使用することができる。すなわち、i)結腸癌の治療のモニタリング、ii)結腸癌の診断アッセイ、そしてiii)結腸癌の治療法そして/あるいは他の療法の開発である。【0364】ほとんどの腫瘍と同様、前立腺癌は多段階の進行を通して発達して、最終的に侵略的な腫瘍の表現型をもたらす。腫瘍進行の初めの段階には、正常な内腔および/または基底上皮細胞の過剰増殖が関係する。アンドロゲン応答性細胞は過形成し、初期段階の腫瘍に発展する。初期段階の腫瘍はしばしばアンドロゲンに対して感受性がありアンドロゲン除去療法に反応するが、アンドロゲン非依存性細胞の集団が過形成集団から発展する。これらの細胞は、浸襲性となり、また骨、脳、または肺に転移する可能性がある前立腺腫瘍のより進んだ形態を表す。SEQ ID NO:55の発現は、PrEC細胞即ち正常な提供者から単離した初代前立腺上皮細胞株と比較して、DU-145細胞即ち広範囲な転移性前立腺癌の69才男性の脳内転移部位から単離した前立腺癌細胞株において差次的に発現された。DU 145には検出可能なホルモン感応性がなく、半固形培地でコロニーを形成する。そして週単位でのみ酸性ホスファターゼに対して陽性であり、細胞は前立腺特異抗原(PSA)に対して陰性であるSEQ ID NO:55の発現は、前立腺腫瘍細胞で少なくとも2倍増加した。【0365】遺伝子発現プロファイルを比較するために実施された別の実験は、SEQ ID NO:55の差次的発現を示した。PrEC/3は正常な提供者から単離した初代前立腺上皮細胞株である。前立腺癌細胞株DU145とPC3(転移性前立腺癌)は、PrEC/3細胞と比較された。これらの条件下でSEQ ID NO:55の発現は、腫瘍細胞株で少なくとも2倍増加した。【0366】同様の実験において、最適条件下で成長した前立腺癌細胞株DU145およびLNCaPの遺伝子発現プロファイルは、制限的な条件下で成長したPrEC/3の遺伝子発現プロファイルと比較された。SEQ ID NO:55の発現の、少なくとも2分の1の減少が、腫瘍細胞株で見られた。【0367】さらに、SEQ ID NO:69とSEQ ID NO:70は、正常な前立腺上皮細胞に対し前立腺癌細胞で差次的発現を示したが、これはマイクロアレイ分析で決定された。前立腺癌細胞株は、グレード4の前立腺癌の62才男性の骨内転位部位から単離された。SEQ ID NO:69とSEQ ID NO:70の発現は、正常な前立腺上皮細胞に比べて前立腺癌細胞株で少なくとも2倍増加した。したがって、様々な実施様態でSEQ ID NO:55とSEQ ID NO:69-70は下記の1つ以上の目的で使用することができる。すなわち、i)前立腺癌の治療のモニタリング、ii)前立腺癌の診断アッセイ、そしてiii)前立腺癌の治療法そして/あるいは他の療法の開発である。【0368】肺癌は、4つの組織病理的に異なる群に分けられる。3群(扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌)は、非小細胞肺癌(NSCLC)に分類される。第4群の癌は、小細胞肺癌(SCLC)という。NSCLCを全部合わせると全症例中の約70%になり、SCLCは約18%である。同じ提供者からの正常な肺組織と肺腫瘍組織を試験して対比較が実施された。2つの有棘細胞癌が、同じ提供者の正常な肺組織と比較され、すべての場合にSEQ ID NO:55の発現において少なくとも2倍増加した。SEQ ID NO:86はマイクロアレイ分析が測定するように肺腫瘍組織との関連において差次的発現を示した。肺癌は、米国男性の癌死の主因であり、女性の癌死の第2の原因である。肺癌は、4つの組織病理的に異なる群に分けられる。3群(扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌)は非小細胞肺癌に分類され、第4群は小細胞肺癌に分類される。非小細胞肺癌は肺癌症例の約70%を占める。正常および腫瘍組織の対比較が有棘細胞癌を示す73才の男性患者の一致した組織サンプルとの間で実施された。結果は、腫瘍組織におけるSEQ ID NO:86の発現が少なくとも2分の1減少していることを示した。したがって、様々な実施様態でSEQ ID NO:55とSEQ ID NO:86は下記の1つ以上の目的で使用することができる。すなわち、i)肺癌の治療のモニタリング、ii)肺癌の診断アッセイ、そしてiii)肺癌の治療法そして/あるいは他の療法の開発である。【0369】別の実施例では、転移性乳房腫瘍細胞株の細胞を初代乳腺上皮細胞および非悪性乳腺上皮細胞に対して比較する時SEQ ID NO:65は示差発現を示すことがマイクロアレイ分析によって実証された。転移性乳房腫瘍細胞株であるMDA-mb-231は、転移性乳癌の51才女性の胸水から単離され、初代乳腺上皮細胞株であるHMECは健常な提供者から単離され、非悪性乳腺上皮細胞株であるMCF10Aは繊維嚢胞性乳房疾患の36才の女性から単離した。全ての培養細胞は供給業者の推奨事項に従って確定した培養液で繁殖させ、70〜80%コンフルエントまで成長させてからRNA単離を行った。マイクロアレイ実験が示したところでは、SEQ ID NO:65の発現が、初代乳腺上皮細胞と非悪性乳腺上皮細胞に対して転移性乳房腫瘍細胞株で少なくとも2倍増加していた。したがって、様々な実施様態でSEQ ID NO:65は下記の1つ以上の目的で使用することができる。すなわち、i)乳癌の治療のモニタリング、ii)乳癌の診断アッセイ、そしてiii)乳癌の治療法そして/あるいは他の療法の開発である。【0370】SEQ ID NO:65はまたマイクロアレイ分析の判定で、分化した含脂肪細胞に対し前脂肪細胞で差次的発現を示した。脂肪組織の主要な機能は、脂肪を摂食時に貯蔵し空腹時に放出する能力である。いかにして種々の分子が生理的および病態生理的な諸状況での脂肪を調節するかを理解すれば、ヒト肥満症の診断法と治療法の開発にとって重要である。脂肪組織もインシュリンの主要な標的組織の1つであり、インスリン非依存型糖尿病において脂質生成とインシュリン耐性は連結している。細胞学的に、成熟した含脂肪細胞への前脂肪細胞への変換は核周囲の脂肪粒の蓄積によって特徴付けられる。in vivoでのこの転換プロセスは、II型糖尿病を患う患者のインシュリン感度を改善し、血清グルコースと血圧を減少する抗糖尿病薬の新規のクラスであるチアゾリジンジオン(thiazolidinediones)と他のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)アゴニストにより誘発され得る(Adams 他. (1997) J. Clin. Invest. 100:3149-3153)。幾つかのPPARγ試薬は、ヒト含脂肪細胞分化を誘発することが証明されている。これらのアッセイにおいて、ヒト初代前脂肪細胞は体格指数27.7の36才の健常な女性および体格指数32.47の40才の健常な女性の脂肪組織から単離された。前脂肪細胞は培養され、PPARγアゴニストとヒトインシュリンを含有する培地で培養することにより含脂肪細胞に分化するよう誘発された。マイクロアレイ実験が示したところでは、SEQ ID NO:65の発現が、未処理の前脂肪細胞と比較してPPARγアゴニストとインシュリンで処理した前脂肪細胞において少なくとも2分の1に減少した。したがってSEQ ID NO:65は、肥満症と糖尿病の診断マーカーとして、または潜在的治療標的として有用である。したがって、様々な実施様態でSEQ ID NO:65は下記の1つ以上の目的で使用することができる。すなわち、i)肥満症と糖尿病の治療のモニタリング、ii)肥満症と糖尿病の診断アッセイ、そしてiii)肥満症と糖尿病の治療法そして/あるいは他の療法の開発である。【0371】別の例でSEQ ID NO:71は同じ提供者の正常な卵巣組織と比較してヒト卵巣腺癌組織で差次的発現を示し、これはマイクロアレイ分析で判定した。卵巣癌は、婦人科癌死の主因である。卵巣癌の大部分は上皮細胞に由来する。そして上皮卵巣癌を患う患者の70%が末期症状である。結果として、この疾患の長期生存率はとても低い。卵巣癌の早期マーカーの同定は、生存率を飛躍的に上昇させる。卵巣癌を生じる分子的イベントはあまり理解されていない。既知の異常のいくつかにはP53の突然変異およびミクロサテライトの不安定性がある。正常卵巣を卵巣腫瘍と比較すると遺伝子発現パターンが異なっていると考えられるため、卵巣癌のマーカーの可能性があるものを同定するためにこれらの組織における遺伝子発現を試験した。SEQ ID NO:71の発現は、正常な組織と比較して卵巣組織において少なくとも2倍著しく増加した。したがって、様々な実施様態でSEQ ID NO:71は下記の1つ以上の目的で使用することができる。すなわち、i)卵巣癌の治療のモニタリング、ii)卵巣癌の診断アッセイ、そしてiii)卵巣癌の治療法そして/あるいは他の療法の開発である。【0372】肝臓代謝とホルモン除去機構への影響は、薬剤の薬力学を理解するために重要である。たとえば、ヒトC3A肝臓細胞株は、強力な接触阻害の成長に関して選択されたHepG2/C3(肝臓腫瘍を患う15歳の男子から単離した肝臓癌細胞株)のクローン誘導体である。クローン集団の使用は、細胞の再現性を強化する。C3A細胞は、培養中の初代ヒト肝細胞の多くの特徴を有する。すなわち、i)インシュリン受容体とインシュリン様成長因子II受容体の発現、ii)αフェトプロテインと比較した血清アルブミンの高率分泌、iii)アンモニアの尿素とグルタミンへの変換、iv)芳香アミノ酸の代謝、v)グルコースとインシュリンの無い培地での増殖、である。C3A細胞株は、成熟したヒト肝臓のin vitroモデルとして今や十分に確立されている(Mickelson 他(1995) Hepatology 22:866-875; Nagendra 他(1997) Am. J. Physiol. 272:G408-G416)。別の例で、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:77-81、SEQ ID NO:84は、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、メドロキシプロゲステロン、プレドニゾン、およびプロゲステロンで処理されたC3A細胞において、未処理のC3A細胞と比べて発現の増加を示すことがマイクロアレイ分析で明らかになった。したがって、様々な実施様態でSEQ ID NO:75、SEQ ID NO:77-81、SEQ ID NO:84は下記の1つ以上の目的で使用することができる。すなわち、i)肝臓および免疫疾患、および関連する疾患、症状の治療のモニタリング、ii)肝臓および免疫疾患、および関連する疾患、症状の診断アッセイ、そしてiii)肝臓および免疫疾患、および関連する疾患、症状の治療そして/あるいは他の療法の開発、である。【0373】12 相補的ポリヌクレオチドINTSIGをコードする配列或いはその任意の一部に対して相補的な配列は、天然のINTSIGの発現を検出、低下、または阻害するために用いられる。約15〜30塩基対を含むオリゴヌクレオチドの使用について記すが、これより小さなあるいは大きな配列の断片の場合でも、本質的に同じ手順を用いる。Oligo4.06ソフトウェア(National Biosciences)及びINTSIGのコーディング配列を用いて、適切なオリゴヌクレオチドを設計する。転写を阻害するためには、最も独特な5'配列から相補的オリゴヌクレオチドを設計し、これを用いて、プロモーターがコーディング配列に結合するのを防止する。翻訳を阻害するためには、相補的なオリゴヌクレオチドを設計して、リボソームがINTSIGをコードする転写物に結合するのを阻害する。【0374】13 INTSIGの発現INTSIGの発現及び精製は、細菌若しくはウイルスを基にした発現系を用いて行うことができる。細菌でINTSIGが発現するために、抗生物質耐性遺伝子及びcDNAの転写レベルを高める誘導性のプロモーターを含む好適なベクターにcDNAをサブクローニングする。このようなプロモーターとしては、lacオペレーター調節エレメントと併用するT5またはT7バクテリオファージプロモーター、およびtrp-lac(tac)ハイブリッドプロモーターが含まれるが、これらに限定するものではない。組換えベクターを、BL21(DE3)などの好適な細菌宿主に形質転換する。抗生物質耐性をもつ細菌が、イソプロピルβ−Dチオガラクトピラノシド(IPTG)で誘発されるとINTSIGを発現する。真核細胞でのINTSIGの発現は、昆虫細胞株または哺乳動物細胞株に一般にバキュロウイスルスとして知られているAutographica californica核多角体病ウイルス(AcMNPV)の組換え型を感染させて行う。バキュロウイルスの非必須の多角体遺伝子を、相同組換え或いは転移プラスミドの媒介を伴う細菌の媒介による遺伝子転移のどちらかによって、INTSIGをコードするcDNAと置換する。ウイルスの感染力は維持され、強力なポリヘドリンプロモーターによって高レベルのcDNA転写が行われる。組換えバキュロウイルスは、多くの場合はSpodoptera frugiperda(Sf9)昆虫細胞への感染に用いられるが、ヒト肝細胞の感染にも用いられることもある。後者の感染の場合は、バキュロウイルスへの更なる遺伝的修飾が必要になる(Engelhard, E.K 他、(1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:3224-3227、Sandig, V.他(1996) Hum.Gene Ther. 7:1937-1945)。【0375】殆どの発現系では、INTSIGが、例えばグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、またはFLAGや6-Hisなどのペプチドエピトープ標識で合成された融合タンパク質となるため、未精製の細胞溶解物からの組換え融合タンパク質の親和性ベースの精製が素早く1回で行うことができる。GSTは日本住血吸虫からの26kDaの酵素であり、タンパク質の活性および抗原性を維持した状態で、固定化したグルタチオン上での融合タンパク質の精製を可能とする(Amersham Biosciences)。精製の後、GST部分を特定の操作部位でINTSIGからタンパク分解的に切断できる。FLAGは8アミノ酸のペプチドであり、市販されているモノクローナルおよびポリクローナル抗FLAG抗体(Eastman Kodak)を用いた免疫親和性精製を可能にする。6ヒスチジン残基が連続して伸長した6-Hisは、金属キレート樹脂上での精製を可能にする(QIAGEN)。タンパク質の発現および精製の方法は、Ausubel他(前出、10および16章)に記載がある。これらの方法で精製したINTSIGを直接用いて以下の実施例17、および18のアッセイを行うことができる。【0376】14 機能的アッセイINTSIG機能は、哺乳動物細胞培養系において生理学的に高められたレベルでのINTSIGをコードする配列の発現によって評価する。cDNAを高いレベルで発現する強いプロモーターを含む哺乳動物発現ベクターにcDNAをサブクローニングする。選択されるベクターとしては、PCMV SPORT(Invitrogen, Carlsbad CA)およびPCR 3.1プラスミド(Invitrogen,)があり、どちらもサイトメガロウイルスプロモーターを持つ。リポソーム製剤あるいは電気穿孔法を用いて、5〜10μgの組換えベクターをヒト細胞株、例えば内皮由来または造血由来の細胞株に、一過的に形質移入する。更に、標識タンパク質をコードする配列を含む1〜2μgのプラスミドを同時に形質移入する。標識タンパク質の発現により、形質移入細胞と非形質移入細胞を区別する手段が与えられる。また、標識タンパク質の発現によって、cDNAの組換えベクターからの発現を正確に予想できる。標識タンパク質は、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP;Clontech)、CD64またはCD64-GFP融合タンパク質から選択できる。自動化された、レーザ光学に基づく技術であるフローサイトメトリー(FCM)を用いて、GFPまたはCD64-GFPを発現する形質移入された細胞を同定し、その細胞のアポトーシス状態や他の細胞特性を評価する。FCMは、細胞死に先行するか或いは同時に発生する現象を診断する蛍光分子の取込を検出して計量する。このような現象として挙げられるのは、ヨウ化プロピジウムによるDNA染色によって計測される核DNA含量の変化、前方散乱光と90°側方散乱光によって計測される細胞サイズと粒度の変化、ブロモデオキシウリジンの取込量の低下によって計測されるDNA合成の下方調節、特異抗体との反応性によって計測される細胞表面及び細胞内におけるタンパク質の発現の変容、及びフルオレセイン抱合したアネキシンVタンパク質の細胞表面への結合によって計測される原形質膜組成の変容とがある。フローサイトメトリー法については、Ormerod, M.G. (1994; Flow Cytometry, Oxford, New York NY)に記述がある。【0377】遺伝子発現におけるINTSIGの影響は、INTSIGをコードする配列とCD64またはCD64-GFPのどちらかが形質移入された高度に精製された細胞集団を用いて評価することができる。CD64またはCD64-GFPは、形質移入された細胞表面で発現し、ヒト免疫グロブリンG(IgG)の保存された複数の領域に結合する。形質転換された細胞と形質転換されない細胞とは、ヒトIgGかCD64に対する抗体のどちらかで被覆された磁気ビードを用いて分離することができる(DYNAL. Lake Success. NY)。 mRNAは、当分野で周知の方法で細胞から精製することができる。INTSIG及び目的の他の遺伝子をコードするmRNAの発現は、ノーザン分析やマイクロアレイ技術で分析することができる。【0378】15 INTSIGに特異的な抗体の作製実質的に精製されたINTSIGを、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE;例えば、Harrington, M.G.(1990)Methods Enzymol.182:488-495を参照)または他の精製技術で行い、これを用いて標準的なプロトコルで動物(例えばウサギ、マウスなど)を免疫化して抗体を作り出す。【0379】あるいは、LASERGENEソフトウェア(DNASTAR)を用いてINTSIGアミノ酸配列を解析し、免疫原性の高い領域を決定する。そして対応するオリゴペプチドを合成し、このオリゴペプチドを用いて当業者によく知られている方法で抗体を生成する。C末端付近あるいは親水性領域などの、適切なエピトープの選択方法については、当分野に記述が多い(前出Ausubel他, 11章)。【0380】通常は、長さ約15残基のオリゴペプチドを、FMOC 化学法を用いるABI 431A ペプチドシンセサイザ(Applied Biosystems)を用いて合成し、N-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)を用いた反応によってKLH(Sigma-Aldrich, St. Louis MO)に結合させて、免疫原性を高める(前出のAusubel 他)。完全フロイントアジュバントにおいて、オリゴペプチド-KLH複合体を用いてウサギを免疫化する。得られた抗血清の抗ペプチド活性及び抗INTSIG活性を検査するには、ペプチドまたはINTSIGを基板に結合し、1%BSAを用いてブロッキング処理し、ウサギ抗血清と反応させて洗浄し、さらに放射性ヨウ素標識されたヤギ抗ウサギIgGと反応させる。【0381】16 特異的抗体を用いる天然INTSIGの精製天然INTSIG或いは組換えINTSIGを、INTSIGに特異的な抗体を用いるイムノアフィニティークロマトグラフィにより実質的に精製する。イムノアフィニティーカラムは、CNBr-活性化SEPHAROSE(Amersham Biosciences)のような活性化クロマトグラフィー用レジンと抗INTSIG抗体とを共有結合させることにより形成する。結合後に、製造者の使用説明書に従ってこのレジンをブロックし、洗浄する。【0382】INTSIGを含む培養液をイムノアフィニティーカラムに通し、INTSIGを選択的に吸着できる条件で(例えば、界面活性剤の存在下において高イオン強度のバッファーで)そのカラムを洗浄する。そのカラムを、抗体とINTSIGとの結合を切るような条件で(例えば、pH2〜3のバッファー、或いは高濃度の尿素またはチオシアン酸塩イオンのようなカオトロピックイオンで)溶出させ、INTSIGを回収する。【0383】17 INTSIGと相互作用する分子の同定INTSIGまたはその生物学的に活性な断片を、125I ボルトンハンター試薬で標識する(Bolton A.E.及びW.M. Hunter (1973) Biochem. J. 133:529)。マルチウェルプレートに予め配列しておいた候補の分子を、標識したINTSIGと共にインキュベートし、洗浄して、標識したINTSIG複合体を有する全てのウェルをアッセイする。様々なINTSIG濃度で得られたデータを用いて、候補分子と結合したINTSIGの数量及び親和性、会合についての値を計算する。【0384】別法では、INTSIGと相互作用する分子を、Fields, S.及びO. Song(1989, Nature 340:245-246)に記載の酵母2−ハイブリッドシステムやMATCHMAKERシステム(Clontech)などの2−ハイブリッドシステムに基づいた市販のキットを用いて分析する。【0385】INTSIGはまた、ハイスループット型の酵母2ハイブリッドシステムを使用するPATHCALLINGプロセス(CuraGen Corp., New Haven CT)に用いて、遺伝子の2大ライブラリによってコードされるタンパク質間の全ての相互作用を判定できる(Nandabalan, K. 他 (2000) 米国特許第6,057,101号)。【0386】18 INTSIG活性の実証INTSIG活性は、タンパク質どうしでの複合体を形成する能力と関連しており、NIH3T3マウス線維芽細胞の成長特性を調節する能力によって測定される。INTSIGをコードするcDNAは好適な真核生物発現ベクターにサブクローンされる。このベクターを当分野で既知の方法でNIH3T3細胞に形質移入する。形質移入した細胞を、以下の定量可能な特性について非移入細胞と比較する。定量可能な特性には、培地での高密度への増殖、細胞の基質接着の減少、細胞形態変化および、免疫不全マウスに注射すると腫瘍を誘発する能力などが含まれる。INTSIGの活性は、INTSIGで形質移入されたNIH3T3 細胞における細胞形態変化の頻度とその増殖増加の程度に比例する。【0387】INTSIG活性は或いは、放射能標識されたフォルミンポリペプチド(SH3含有タンパク質に特異的に結合するプロリンリッチ領域を含む)へのINTSIGの結合によって測定される(Chan, D.C. 他(1996) EMBO J. 15:1045-1054)。INTSIGのサンプルをSDS-PAGEゲルに流し、エレクトロブロッティングによりニトロセルロース上に移す。脱脂粉乳を含むTBST(137 mM NaCl、2.7 mM KCl、25 mM Tris (pH 8.0)および0.1% Tween-20)中、1時間室温でそのブロットをブロックする。ブロットを次に放射性フォルミンポリペプチドを含むTBST中で4時間から一晩インキュベートする。ブロットをTBSTで4回洗ったあと、ブロットをオートラジオグラフフィルムに曝露する。放射能の定量は、放射性スポットを切り取ってラジオアイソトープカウンタでカウントすることにより行う。回復した放射活性の量はアッセイ中のINTSIG活性に比例する。【0388】通常、INTSIGのPDE活性はサイクリックヌクレオチド(cAMP若しくはcGMPのいずれか)のヌクレオチド一リン酸塩への変換をモニターすることで測定される。3H-cAMPと3H-cGMPのようなトリチウム含有基質、及び蛇毒よりの5'ヌクレオチダーゼの使用によって、PDE反応をシンチレーションカウンターを用いてモニターできる。INTSIGのcAMP−特異PDE活性は、INTSIG及び5'ヌクレオチダーゼの存在中で、3H-アデノシンへの3H-cAMPの変換を測定することでアッセイされる。ワンステップアッセイは、pH7.5、50mMのトリス-HCl、10mMのMgCI2、0.1unitの5'ヌクレオチダーゼ (クロタラスアトロクス(Crotalus atrox)毒液より)、0.0062〜0.1μM3H-cAMP、及び様々な濃度のcAMP(0.0062〜3 mM)を含む100μlの反応液を用いて行われた。反応は25μlの希釈された酵素上澄の添加によって開始される。反応は、ミニポリ−Qシンチレーションバイアル(Beckman Instruments,Fullerton CA)中で、直接実行される。アッセイは、生産物阻害に関係する非線形になるのを回避するべく、cAMPの15%未満が加水分解されると考えられる所定の時間、37℃でインキュベートされる。反応は、1 mlのDowex (Dow Chemical, Midland MI) AG1x8 (C1型)樹脂(1:3スラリー)の添加により停止される。3mlのシンチレーション流体が添加され、またバイアルが混合される。バイアル中の樹脂は、測定前、一時間に渡って定着することが許される。3H-アデノシンに関する可溶性放射能は、ベータシンチレーションカウンターを用いて定量化される。収集した放射能量は、反応中のINTSIGのcAMP特異性PDE活性に比例する。阻害剤若しくはアゴニストの研究目的で、反応は、1%のDMSO、50nMのcAMP、及び様々な濃度の阻害剤若しくはアゴニストの添加を伴い、上記条件の下で実行される。コントロール反応は、酵素アリコットを除くすべての試薬と共に実行される。【0389】別のアッセイでは、INTSIGのcGMP特異的PDE活性は、INTSIG及び5'ヌクレオチダーゼの存在中で、3H-cGMPから3Hグアノシンへの変換を測定することでアッセイされる。ワンステップアッセイは、pH7.5、50 mMのトリス-HCl、10mMのMgCI2、0.1unitの5'ヌクレオチダーゼ(Crotalus atrox毒液より)、及び0.0064〜2.0μM3H-cGMPを含む100μlの反応を用いて行われた。反応は25μlの希釈した酵素の上澄の添加によって開始される。反応は、ミニポリ−Qシンチレーションバイアル(Beckman Instruments)中で、直接実行される。アッセイは、生産物阻害に関係する非線形になるのを回避するべく、cAMPの15%未満が加水分解されると考えられる所定の時間、37℃でインキュベートされる。反応は、1 mlのDowex (Dow Chemical, Midland MI) AG1x8 (C1型)樹脂(1:3スラリー)の添加により停止される。3mlのシンチレーション流体が添加され、またバイアルが混合される。バイアル中の樹脂は、測定前、一時間に渡って定着することが許される。3H-グアノシンに関する可溶性放射能は、ベータシンチレーションカウンターを用いて定量化される。再生した放射能量は、反応中のINTSIGのcGMP特異性PDE活性に比例する。阻害剤若しくはアゴニストの研究目的で、反応は、1 のDMSO、50nMのcGMP、及び様々な濃度の阻害剤若しくはアゴニストの添加を伴い、上記条件の下で実行される。コントロール反応は、酵素アリコットを除くすべての試薬と共に実行される。【0390】或いは、INTSIGタンパク質のキナーゼ活性は、γ−標識された32P-ATPの存在下で、好適な基質のリン酸化を定量化することによって測定される。INTSIGを、そのような基質、32P-ATP、および或る適切なキナーゼバッファと共にインキュベートする。産物に組み込まれた32Pを電気泳動法で遊離32P-ATPより分離し、組み込まれた32Pをβラジオアイソトープカウンターで定量化する。組み込まれた32Pの量は、アッセイ中のINTSIGのプロテインキナーゼ活性に比例する。プロテインキナーゼ活性によって燐酸化された特定アミノ酸残基の決定は、加水分解された蛋白質のホスホアミノ酸解析によって成される。【0391】或いは、INTSIGのプロテインホスファターゼ活性のアッセイは、P-ニトロフェニルリン酸(PNPP)の加水分解を測定する。INTSIGを0.1%のβ-メルカプトエタノールの存在下、37℃のHEPESバッファ(pH 7.5)中でPNPPと共に60分間インキュベートする。この反応は10Nの水酸化ナトリウムを6 ml加えて停止し、PNPPの加水分解の結果、410nmでの反応混液の吸光度の増加が分光光度計で測定される。このアッセイでは、光吸収の増加がINTSIGの活性に比例する(Diamond, R.H. 他(1994) Mol.Cell Biol. 14:37523762)。【0392】または、INTSIGのアデニリルシクラーゼ活性は、ATPをcAMPに変換する能力により実証される(Mittal, C.K. (1986) Meth. Enzymol. 132:422-428)。このアッセイINTSIGは基質[α-32P]ATPと共にインキュベートされ、次に過剰基質が産生物のサイクリック[32P] AMPから分離される。INTSIG活性は、使い捨ての培養試験管(12 x 75 mm) に、pH 7.5の0.6 M Tris-HClを5μl、0.2 M MgCl2を5μl、クレアチンホスホキナーゼを3単位含む150 mM クレアチンリン酸を5μl、4.0 mM 1-メチル-3-イソブチルキサンチンを5μl、20 mM cAMPを5μl、20 mM ジチオスレイトールを5μl、10 mM ATPを5μl、[α-32P]ATP (2〜4 x 106 cpm)を10μl、および水を含む合計量100μlの溶液中で決定する。反応混合液は前もって30℃に温められる。反応はINTSIGを前もって温められた反応混合液に添加することにより開始する。30℃で10〜15分インキュベートした後、反応は30%のよく冷やしたトリクロロ酢酸(TCA)を25 μl 加えることにより終了する。インキュベーションを0時間した反応液とINTSIG不在でインキュベートした反応液が、ネガティブコントロールとして使用される。産物はイオン交換クロマトグラフィにより分離される。またサイクリック[32P] AMPはβラジオアイソトープカウンタを使用して定量化される。INTSIG活性は、反応中に形成されるサイクリック[32P] AMPの量に比例する。【0393】別のアッセイはINTSIGが媒介するG蛋白シグナル伝達活性の測定のため、Ca2+の動員を、シグナル伝達経路刺激の指標としてモニターする(例えばGrynkiewicz, G. 他(1985) J. Biol. Chem. 260:3440; McColl, S. 他(1993) J. Immunol. 150:4550-4555;および前出Aussel参照)。このアッセイでは、その発光特性がCa2+結合によって変化するFURA-2またはBCECF(Universal Imaging Corp, Westchester PA)のような蛍光色素で好中球またはT細胞を前もって負荷する必要がある。細胞が1つ以上の人工的な活性化刺激(例えば、T細胞受容体の抗CD3抗体による連結)、または生理的な活性化刺激(例えば同種的刺激によって)に曝された時、Ca2+の流れ(flux)が起こる。蛍光光度計または蛍光活性化セルソーターで細胞をアッセイすることにより、この流れを観察かつ定量化できる。Ca2+の流れの測定を正常状態の細胞群とINTSIGで形質転換された細胞群の間で比較する。増加したINTSIG濃度に帰する増加したCa2+動態は、INTSIG活性に比例する。【0394】或いは、INTSIGのGTP結合活性は、INTSIGの[α-32P]標識化GTPへの結合を測定するアッセイで決定する。精製したINTSIGはまず、フィルター上にブロットされ、次に好適なバッファーでリンスされる。そのフィルターを次に、放射能標識された[α-32P]-GTPを含むバッファ中でインキュベーションする。フィルターはバッファーで洗って非結合GTPを除き、ラジオアイソトープカウンターでカウントする。非特異的結合は、無標識GTPを100倍過剰に含めたアッセイで決定される。特異的結合の量は、INTSIG活性に比例する。【0395】或いは、INTSIGのGTPase活性は、[α-32P]-GTPから[α-32P]-GDPへの変換を測定するアッセイで決定する。バッファー中にINTSIGを[α-32P]-GTPと共にある適当な時間インキュベーションし、その反応を熱を加えることによって、あるいは酸で沈殿させた後、遠心することによって停止する。上澄みのアリコットをポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)にかけて、無標識のスタンダードと共にGDPとGTPに分ける。GDPのスポットが切り取られ、ラジオアイソトープカウンターでカウントされる。GDPで回復した放射活性の量は、INTSIGのGTPase活性に比例する。【0396】或いは、INTSIG活性は、加水分解できないGTP類似体であるGTPγSが10分間のインキュベーション時間に結合する量を定量化することによって測定される。1mM ジチオスレイトール、1mM EDTA、および1μM [35S]GTPγSを含む50mM Trisバッファー(pH7.5)中で、種々の量のINTSIGを30℃でインキュベーションする。サンプル群はニトロセルロースフィルターを通して、50 mM Tris-HCl(pH 7.8)、1 mM NaN3、10 mM MgCl2、1 mM EDTA、0.5 mM ジチオスレイトール、0.01 mM PMSF、および200 mM NaClから成るバッファで2回洗浄する。フィルターに結合したカウントは、結合した[35S]GTPγSの量を定量化するために液体シンチレーションによって測定される。INTSIG活性はまた、10分間、37℃のインキュベートで加水分解されるGTP量で測定しうる。INTSIGを1mM ジチオスレイトール、2mM EDTA、10μM[α-32P]GTP、および1μM H-rabタンパク質を含む50mM Tris-HClバッファ(pH7.8)中でインキュベーションする。MgCl2を10mMの最終濃度まで加えてGTPase活性を開始する。サンプル群を種々の時点で取り除き、同量の氷冷0.5mM EDTAと混合し冷凍する。アリコットはポリエチレンイミン-セルロース薄層クロマトグラフィープレート上にスポットし、その薄層クロマトグラフィープレートは1MのLiCl中で展開し、乾燥し、オートラジオグラフィーを行う。検出されたシグナルはINTSIG活性に比例する。【0397】別法では、INTSIG活性は、in vitroでの結合アッセイでINTSIGがその関連するLMW GTPaseと相互作用する能力として実証され得る候補となるLMW GTP加水分解酵素はグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として発現され、グルタチオン-Sepharose上でのアフィニティクロマトグラフィーによって精製される。100 mM NaCl、2 mM EDTA、5 mM MgCl2、0.2 mM DTT、100 μM AMP-PNP、および10 μM GDPを含む20mM Trisバッファーで30℃で20分間インキュベーションして、GDPでLMW GTP加水分解酵素を負荷する。INTSIGはバキュロウイルス系でFLAG融合タンパク質として発現される。INTSIG-FLAG融合タンパク質を含むこれらのバキュロウイルス細胞の抽出物は、GSTビーズで前もって取り除き、次にGST-GTPase融合タンパク質とインキュベーションする。形成された複合体は、グルタチオン-Sepharoseによって沈殿させ、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離する。分離されたタンパク質はニトロセルロース膜にブロットされ、市販の抗FLAG抗体でプローブされる。INTSIG活性は、複合体中に検出されるINTSIG-FLAG融合タンパク質の量に比例する。【0398】INTSIGの役割はin vitro でCa2+の動員を、シグナル伝達経路刺激の指標としてモニターすることによりアッセイされ得る(例えばGrynkiewicz, G. 他(1985) J. Biol. Chem. 260:3440; McColl, S. 他(1993) J. Immunol. 150:4550-4555;およびAussel, C. 他. (1988) J. Immunol. 140:215-220.参照)。このアッセイでは、FURA-2のような蛍光色素で好中球またはT細胞を前もって負荷する必要がある。Ca++を結合する時FURA2は吸収シフトを示し、その吸収シフトは300〜400 nmの間の励起スペクトルをスキャンし、510 nmでの発光をモニタリングすることによって観察することが可能である。細胞が1つ以上の人工的な活性化刺激(例えば、抗CD3抗体によるT細胞受容体の連結)、または生理的な活性化刺激(例えば同種的刺激によって)に曝された時、Ca++の流れが起こる。Ca++の流れは、細胞内オルガネラからのCa++ の放出または活性化Ca++チャネル経由の細胞へのCa++流入の結果として起きる。蛍光光度計または蛍光活性化セルソーターで細胞をアッセイすることにより、この流れを観察かつ定量化できる。Ca++の流れの測定を正常状態の細胞群とINTSIGで前もって負荷された細胞群の間で比較する。増加したINTSIG利用可能性に帰する増加した動態は、発光の増加につながる。【0399】また別のアッセイでは、INTSIG活性の検出に酵母2ハイブリッドシステムを用いる(Zalcman, G. 他(1996) J. Biol. Chem. 271:30366-30374)。具体的には、INTSIGのコード領域を含み得るpGAD1318のようなプラスミドを使って、レポーターL40酵母細胞を形質転換する。このレポーターL40酵母細胞は、LexAの結合配列から下流にレポーター遺伝子のLacZとHIS3を含む。これらの酵母細胞は、前もってpLexA-Rab6-GDP(マウス)プラスミドまたはpLexA-lamin Cを含むプラスミドで形質転換する。pLexA-lamin C細胞はネガティブコントロールとする。これらの形質転換された細胞は、ヒスチジンを含まない培地上に培養され、30℃で3日間インキュベーションされる。His+のコロニーは次に選択プレート上にパッチし、フィルターアッセイによってβガラクトシダーゼ活性に対してアッセイする。Rab6-GDPと結合するINTSIGは、マウスのRab6-GDPを含むプラスミドで形質転換された細胞に対して正のHis+/lacZ+ 活性によって示され、ラミンCを含むプラスミドで形質転換された細胞に対して負のHis+/lacZ+ 活性によって示される。【0400】別法でINTSIG活性を、ElonginBのようなWD-40リピートを認識する基質への、免疫共沈降によるINTSIGの結合で測定する(Kamura, T.他(1998) Genes Dev. 2(10):1296306)。12:38723881). 要するに、エピトープの付いた担体とINTSIGが混合され、市販されている担体のタグに対する抗体で免疫沈降される。反応溶液はSDS-PAGEにかけて、INTSIGタグに対する抗体を用いてINTSIGの存在を視覚化する。担体結合はINTSIG活性に比例する。【0401】あるいはINTSIGの活性は、コートされた小胞に含まれる程度によって測定される。哺乳動物細胞株、(例えばCOS7、HeLa、若しくはCHOなど)を、INTSIGをコードする真核細胞発現ベクターで形質転換させて、INTSIGを発現し得る。真核生物発現ベクターは市販されており、それらを細胞内に導入する技術は当業者には周知である。βガラクトシダーゼなど多数の標識遺伝子のいずれか一つを発現させる第二プラスミドの少量を細胞へ同時形質転換し、外来DNAを吸収し発現した細胞の迅速な同定を可能とする。形質転換の後、この細胞株がINTSIGおよびβ−ガラクトシダーゼを発現し蓄積するのに適した条件下でこれらの細胞を48〜72時間、インキュベーションする。【0402】或いはINTSIG活性を、小胞輸送経路を改変する能力で測定する。INTSIGで形質転換した細胞内の小胞輸送を、蛍光顕微鏡で試験する。小胞被覆蛋白や、トランスフェリンまたはマンノース6燐酸受容体など典型的小胞輸送基質の特異抗体は、市販されている。ER,ゴルジ体、ペルオキシソーム、エンドソーム、リソソーム、および原形質膜のような種々の細胞成分を試験する。対照細胞と比較して、INTSIGで形質転換された細胞内での小胞の数と局在の変化はINTSIG活性に特徴的である。形質転換された細胞を収集し、細胞ライセートを小胞形成に関してアッセイする。GTPの加水分解不能型であるGTPγSとATP再生系をライセートに加え、その混液を37℃で10分間インキュベーションする。これらの条件下で、90%以上の小胞はコートされたままである(Orci, L. 他(1989) Cell 56:357-368)。輸送小胞はゴルジ膜から塩によって解離され、それらの小胞はショ糖密度勾配にかけられ、遠心され、分画が収集されてSDS−PAGEで解析される。INTSIGのクラスリンまたはCOP coatamerとの共存は、小胞形成におけるINTSIG活性を示す。小胞形成におけるINTSIGの寄与は、GTPγSの追加の前にINTSIGに特異的な抗体と共にライセートをインキュベーションすることによって確認できる。その抗体はいINTSIGに結合して、その活性を妨害し、その結果、小胞形成を防止することになるであろう。【0403】または、INTSIG活性は、INTSIGがNADHおよびシトクロムb5と共にインキュベートする時のNADHからシトクロムb5への電子の移動(およびそれに伴う酸化)により測定される。pH 8.1、1 MのTris-酢酸バッファ中でNADHおよびシトクロムb5のそれぞれ150 mMと共にINTSIGのアリコットを含有する光学キュベットで反応は行なわれた。反応は21℃でインキュベートされ、NADHの酸化は紫外線分光光度計を用いて340 nmでの吸収の変化によってモニターされた。INTSIGの活性は、340nmで吸収の変化の速度に比例する。【0404】さらにINTSIG活性は、COX4の代わりにINTSIGを含む再構成シトクロムCオキシダーゼ酵素複合体の存在下でシトクロムCから電子受容体(KCN)への電子の移動により測定される。再構成シトクロムCオキシダーゼは、適切なバッファ内でシトクロムCおよびKCNと共にインキュベートされる。光学キュベットで反応は行なわれ、分光光度計を用いてシトクロムCの酸化による吸収の変化によってモニタリングされた。INTSIGの存在下で再構成されたシトクロムCオキシダーゼがネガティブコントロールとして用いられた。INTSIGの活性は、測定される光学吸収の変化に比例する。【0405】他の例において、INTSIG活性は、NADHからデシルユビキノン(decylubiquinone、DB)への電子移動の触媒作用によって、再構成されたNADHD複合体で測定される。反応混液には、NADHDタンパク質10 mg/mL、pH 7.5 50 mM trisHCLバッファ内の20 mMNADH、NaCl 50 mM、KCN 1 mMが含まれる。反応は、DBを2uMで添加することにより開始され、NADHの酸化による340nmで吸収に変化を紫外線分光光度計を用いてモニターされる。NHETP-3の不存在下で再構成されたNADHD複合体がネガティブコントロールとして比較された。再構成されたNADHD複合体中のMITOの活性は、340 nmでの吸収の変化の速度に比例する。【0406】当業者には、本発明の要旨および精神から逸脱しない範囲での、本発明の記載した組成物、方法およびシステムの種々の修正および変更の手段は自明であろう。本発明が新規であり、有用なタンパク質およびそのコードするポリヌクレオチドを提供することは高く評価されるであろう。また、これらは薬物発見および疾患および症状の検出、診断および治療にこれらの組成物を使用する方法に用いられ得る。本発明について説明するにあたり幾つかの実施例に関連して説明を行ったが、本発明の請求の範囲が、そのような特定の実施例に不当に制限されるべきではないことを理解されたい。また、本発明をこのような実施態様の説明によって、開示した形態だけに網羅されるか、あるいは、制限されるものと見なされるべきでもない。さらに、一実施態様の要素は他の実施態様の一つ以上の要素と容易に組み合わされ得る。このような組合わせによって本発明の範囲内で多数の実施態様が形成され得る。本発明の範囲は下記の請求項およびそれに相当するものによって定義することを意図するものである。【0407】(表の簡単な説明)表1は、本発明の完全長ポリヌクレオチドおよびポリペプチド実施様態の命名の概略である。【0408】表2は、本発明のポリペプチド実施例のGenBank識別番号と、最も近いGenBank相同体の注釈(annotation)と、PROTEOMEデータベース識別番号と、PROTEOMEデータベース相同体群の注釈とを示す。各ポリペプチドとそのGenBank相同体が一致する確率スコアも併せて示す。【0409】表3は、予測されるモチーフ及びドメインを含む本発明のポリペプチド実施様態の構造的特徴を、ポリペプチドの分析に用いるための方法、アルゴリズム及び検索可能なデータベースと共に示す。【0410】表4は、ポリヌクレオチド実施様態をアセンブリするために用いたcDNAやゲノムDNA断片を、ポリヌクレオチドの選択した断片と共に示す。【0411】表5は、ポリヌクレオチド実施様態の代表的なcDNAライブラリを示す。【0412】表6は、表5に示したcDNAライブラリの作製に用いた組織及びベクターを説明する付表である。【0413】表7は、ポリヌクレオチドとポリペプチドの分析に用いたツール、プログラム、アルゴリズムを、適用可能な説明、引用文献及び閾値パラメータと共に示す。【0414】表8は、本発明のポリヌクレオチド配列に見られる一塩基多型を、種々のヒト集団での対立遺伝子(アレル)頻度と共に示す。【0415】【表1−1】【0416】【表1−2】【0417】【表1−3】【0418】【表2−1】【0419】【表2−2】【0420】【表2−3】【0421】【表2−4】【0422】【表2−5】【0423】【表2−6】【0424】【表2−7】【0425】【表2−8】【0426】【表2−9】【0427】【表2−10】【0428】【表2−11】【0429】【表2−12】【0430】【表2−13】【0431】【表2−14】【0432】【表2−15】【0433】【表3−1】【0434】【表3−2】【0435】【表3−3】【0436】【表3−4】【0437】【表3−5】【0438】【表3−6】【0439】【表3−7】【0440】【表3−8】【0441】【表3−9】【0442】【表3−10】【0443】【表3−11】【0444】【表3−12】【0445】【表3−13】【0446】【表3−14】【0447】【表3−15】【0448】【表3−16】【0449】【表3−17】【0450】【表3−18】【0451】【表3−19】【0452】【表3−20】【0453】【表3−21】【0454】【表3−22】【0455】【表3−23】【0456】【表3−24】【0457】【表3−25】【0458】【表3−26】【0459】【表3−27】【0460】【表3−28】【0461】【表3−29】【0462】【表3−30】【0463】【表3−31】【0464】【表3−32】【0465】【表3−33】【0466】【表3−34】【0467】【表3−35】【0468】【表3−36】【0469】【表3−37】【0470】【表4−1】【0471】【表4−2】【0472】【表4−3】【0473】【表4−4】【0474】【表4−5】【0475】【表4−6】【0476】【表4−7】【0477】【表4−8】【0478】【表4−9】【0479】【表4−10】【0480】【表4−11】【0481】【表4−12】【0482】【表4−13】【0483】【表4−14】【0484】【表4−15】【0485】【表4−16】【0486】【表4−17】【0487】【表4−18】【0488】【表4−19】【0489】【表5−1】【0490】【表5−2】【0491】【表6−1】【0492】【表6−2】【0493】【表6−3】【0494】【表6−4】【0495】【表6−5】【0496】【表6−6】【0497】【表6−7】【0498】【表6−8】【0499】【表7−1】【0500】【表7−2】【0501】【表8】 以下の(a)乃至(k)からなる群から選択した単離されたポリペプチド。(a)SEQ ID NO:1-45(配列番号1乃至45)からなる群から選択したアミノ酸配列を含むポリペプチド(b)SEQ ID NO:1-3、SEQ ID NO:6-8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12-15、SEQ ID NO:17-22、SEQ ID NO:25-28、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:36-38、SEQ ID NO:40-43からなる群から選択した或るアミノ酸配列に対して少なくとも90%が同一であるような天然アミノ酸配列を含むポリペプチド(c)SEQ ID NO:4およびSEQ ID NO:33-34からなる群から選択したアミノ酸配列に対して少なくとも99%が同一であるような天然アミノ酸配列を含むポリペプチド(d)SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:29-30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:45からなる群から選択した或るアミノ酸配列に対して少なくとも98%が同一であるような天然アミノ酸配列を含むポリペプチド(e)SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:16およびSEQ ID NO:44からなる群から選択した或るアミノ酸配列と少なくとも94%が同一であるような天然アミノ酸配列を含むポリペプチド(f)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列に対して少なくとも96%が同一であるような天然アミノ酸配列を含むポリペプチド(g)SEQ ID NO:23のアミノ酸配列に対して少なくとも91%が同一であるような天然アミノ酸配列を含むポリペプチド(h)(b)SEQ ID NO:24のアミノ酸配列に対して少なくとも92%が同一であるような天然アミノ酸配列を持つポリペプチド(i)SEQ ID NO:35のアミノ酸配列に対して少なくとも97%が同一であるような天然アミノ酸配列を含むポリペプチド(j)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの生物学的活性断片、および(k)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドの免疫原性断片 SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。 請求項1に記載のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。 請求項2に記載のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:46-90からなる群から選択したポリヌクレオチド配列を含む、請求項4に記載の単離されたポリヌクレオチド。 請求項3に記載のポリヌクレオチドに機能的に連結したプロモーター配列を含む組換えポリヌクレオチド。 請求項6に記載の組換えポリヌクレオチドを用いて形質転換した細胞。 請求項6に記載の組換えポリヌクレオチドを含む遺伝形質転換体。 請求項1に記載のポリペプチドを生産する方法であって、(a)前記ポリペプチドの発現に好適な条件下で、請求項1のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結したプロモーター配列を含む組換えポリヌクレオチドで形質転換される細胞を培養する過程と、(b)そのように発現した前記ポリペプチドを回収する過程とからなる方法。 前記ポリペプチドが、SEQ ID NO:1-45からなる群から選択した或るアミノ酸配列を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。 請求項1に記載のポリペプチドと特異的に結合する単離された抗体。 以下の(a)乃至(i)からなる群から選択した単離されたポリヌクレオチド。(a)SEQ ID NO:46-90からなる群から選択したポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド(b)SEQ ID NO:46-55およびSEQ ID NO:57-89からなる群から選択した或るポリヌクレオチド配列に対して少なくとも90%が同一であるような天然ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド(c)SEQ ID NO:56のポリヌクレオチド配列に対して少なくとも99%が同一であるような天然ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド(d)(e)SEQ ID NO:90のポリヌクレオチド配列に対して少なくとも99%が同一であるような天然ポリヌクレオチド配列を本来有するポリヌクレオチド(e)(a)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド(f)(b)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド(g)(c)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド(h)(d)のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド(i)(a)〜(h)のRNA等価物 請求項12に記載のポリヌクレオチドの少なくとも60の連続したヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオチド。 請求項12に記載のポリヌクレオチドの配列を有する標的ポリヌクレオチドをサンプル中から検出する方法であって、(a)前記サンプル中の前記標的ポリヌクレオチドに相補的な配列を持つ少なくとも20の連続したヌクレオチドを持つプローブを用いて前記サンプルをハイブリダイズする過程と、(b)前記ハイブリダイゼーション複合体の有無を検出し、該複合体が存在する場合にはオプションでその量を検出する過程とを含む方法。 前記プローブが少なくとも60の連続したヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。 請求項12に記載のポリヌクレオチドの配列を有する標的ポリヌクレオチドをサンプル中から検出する方法であって、(a)ポリメラーゼ連鎖反応増幅を用いて前記標的ポリヌクレオチドまたはその断片を増幅する過程と、(b)前記の増幅した標的ポリヌクレオチドまたはその断片の有無を検出し、該標的ポリヌクレオチドまたはその断片が存在する場合にはオプションでその量を検出する過程を含むことを特徴とする方法。 請求項1に記載のポリペプチドと、薬剤として許容できる賦形剤とを含む組成物。 前記ポリペプチドが、SEQ ID NO:1-45からなる群から選択されたアミノ酸配列を持つことを特徴とする、請求項17に記載の組成物。 機能的なINTSIGの発現の低下に関連する疾患や病態の治療方法であって、そのような治療が必要な患者に請求項17に記載の組成物を投与することを含むことを特徴とする治療方法。 請求項1に記載のポリペプチドのアゴニストとしての有効性を確認するために化合物をスクリーニングする方法であって、(a)請求項1に記載のポリペプチドを含むサンプルを化合物に曝すステップと、(b)前記サンプルにおいてアゴニスト活性を検出する過程を含むことを特徴とする方法。 請求項20に記載の方法によって同定したアゴニスト化合物と、薬剤として許容できる賦形剤とを含むことを特徴とする組成物。 機能的なINTSIGの発現の低下に関連する疾患や病態の治療方法であって、そのような治療が必要な患者に請求項21に記載の組成物を投与することを含むことを特徴とする治療方法。 請求項1に記載のポリペプチドのアンタゴニストとして有効性を確認するために化合物をスクリーニングする方法であって、(a)請求項1のポリペプチドを含むサンプルを化合物に曝すステップと、(b)前記サンプルにおいてアンタゴニスト活性を検出する過程とを含むことを特徴とする方法。 請求項23に記載の方法によって同定したアンタゴニスト化合物と、薬剤として許容できる賦形剤とを含む組成物。 機能的なINTSIGの過剰な発現に関連する疾患や病態の治療方法であって、そのような治療が必要な患者に請求項24の組成物を投与することを含むことを特徴とする治療方法。 請求項1のポリペプチドに特異結合する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)請求項1に記載のポリペプチドを適切な条件下で少なくとも1つの試験化合物と混合する過程と、(b)請求項1に記載のポリペプチドの試験化合物との結合を検出し、それによって請求項1に記載のポリペプチドに特異結合する化合物を同定する過程を含む方法。 請求項1に記載のポリペプチドの活性を調節する化合物をスクリーニングする方法であって、(a)請求項1に記載のポリペプチドの活性が許容される条件下で、請求項1に記載のポリペプチドを少なくとも1つの試験化合物と混合する過程と、(b)請求項1に記載のポリペプチドの活性を試験化合物の存在下で算定する過程と、(c)試験化合物の存在下での請求項1に記載のポリペプチドの活性を、試験化合物の不存在下での請求項1に記載のポリペプチドの活性と比較する過程を含み、試験化合物の存在下での請求項1に記載のポリペプチドの活性の変化が、請求項1に記載のポリペプチドの活性を調節する化合物を標示することを特徴とする方法。 請求項5に記載の配列を持つ標的ポリヌクレオチドの発現を改変するのに効果的な化合物をスクリーニングする方法であって、(a)前記標的ポリヌクレオチドの発現に好適な条件下で、該標的ポリヌクレオチドを含むサンプルを化合物に曝露する過程と、(b)前記標的ポリヌクレオチドの発現改変を検出する過程と、(c)可変量の前記化合物の存在下と前記化合物の不存在下で、前記標的ポリヌクレオチドの発現を比較する過程とを含むことを特徴とする方法。 試験化合物の毒性を算定する方法であって、(a)核酸を含む生物学的サンプルを前記試験化合物で処理する過程と、(b)処理した前記生物学的サンプルの核酸と、請求項12に記載のポリヌクレオチドの少なくとも20の連続するヌクレオチドを持つプローブをハイブリダイズさせる過程であって、このハイブリダイゼーションゼーションが、前記プローブと前記生物学的サンプル中の標的ポリヌクレオチドとの間で特異的なハイブリダイゼーション複合体が形成される条件下で行われ、前記標的ポリヌクレオチドが、請求項12に記載のポリヌクレオチドまたはその断片のポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである、前記過程と、(c)ハイブリダイゼーション複合体の収量を定量する過程と、(d)前記処理された生物学的サンプル中のハイブリタイゼーション複合体の量を、処理されていない生物学的サンプル中のハイブリタイゼーション複合体の量と比較する過程とを含み、前記処理された生物学的サンプル中のハイブリタイゼーション複合体の量の差が、前記試験化合物の毒性を標示するような方法。 生物学的サンプル中のINTSIGの発現に関連する症状または疾患に対する診断試験法であって、(a)前記生物学的サンプルと請求項11の抗体との混合を、前記抗体が前記ポリペプチドに結合し、抗体とポリペプチドとの複合体を形成するのに適した条件下で行う過程と、(b)前記複合体を検出する過程とを含み、前記複合体の存在が、前記生物学的サンプル中の前記ポリペプチドの存在と相関することを特徴とする方法。 請求項11に記載の抗体であって、(a)キメラ抗体(b)単鎖抗体(c)Fab断片(d)F(ab')2 断片(e)ヒト化抗体のいずれかである抗体。 請求項11に記載の抗体と、許容できる賦形剤とを含む組成物。 被検者のINTSIGの発現に関連する病状又は疾患の診断方法であって、請求項32に記載の組成物の有効量を前記被検者に投与する過程を含むことを特徴とする方法。 前記抗体が標識されることを特徴とする請求項32に記載の組成物。 被検者のINTSIGの発現に関連する病状又は疾患の診断方法であって、請求項34に記載の組成物の有効量を前記被検者に投与する過程を含むことを特徴とする方法。 請求項11に記載の抗体の特異性を有するポリクローナル抗体を調製する方法であって、(a)抗体反応を誘発する条件下で、SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列またはその免疫原性断片を含むポリペプチドを用いて動物を免疫化する過程と、(b)前記動物から抗体を単離する過程と、(c)前記単離された抗体を前記ポリペプチドでスクリーニングし、それによって、SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異結合するポリクローナル抗体を同定する過程とを含むような方法。 請求項36に記載の方法で産生したポリクローナル抗体。 請求項37に記載のポリクローナル抗体と好適なキャリアとを有する組成物。 請求項11に記載の抗体の特異性を有するモノクローナル抗体を作製する方法であって、(a)抗体反応を誘発する条件下で、SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列またはその免疫原性断片を含むポリペプチドを用いて動物を免疫化する過程と、(b)前記動物から抗体産出細胞を単離する過程と、(c)前記抗体産出細胞と不死化した細胞とを融合して、モノクローナル抗体を産出するハイブリドーマ細胞を形成する過程と、(d)前記ハイブリドーマ細胞を培養する過程と、(e)SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異結合するようなモノクローナル抗体を前記培養物から単離する過程とを含むことを特徴とする方法。 請求項39に記載の方法で産出したモノクローナル抗体。 請求項40に記載のモノクローナル抗体と適切なキャリアとを含む組成物。 Fab発現ライブラリをスクリーニングすることにより産出されることを特徴とする請求項11に記載の抗体。 組換え免疫グロブリンライブラリのスクリーニングにより前記抗体を産出することを特徴とする請求項11に記載の抗体。 SEQ ID NO:1-45を有する群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドをサンプル中で検出する方法であって、(a)請求項11に記載の抗体と前記ポリペプチドとの特異結合を許容する条件下で、前記抗体と1サンプルとをインキュベートする過程と、(b)特異結合を検出する過程とを含み、該特異結合が、SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドがサンプル中に存在することを標示することを特徴とする方法。 SEQ ID NO:1-45 からなる群から選択したアミノ酸配列を有するポリペプチドを精製する方法であって、(a)請求項11に記載の抗体と前記ポリペプチドとの特異結合を許容する条件下で、前記抗体と1サンプルとをインキュベートする過程と、(b)前記サンプルから前記抗体を分離し、SEQ ID NO:1-45からなる群から選択したアミノ酸配列を含む精製ポリペプチドを得る過程とを含むことを特徴とする方法。 マイクロアレイの少なくとも1つのエレメントが請求項13に記載のポリヌクレオチドであることを特徴とするマイクロアレイ。 ポリヌクレオチドを含むサンプルの発現プロファイルを作製する方法であって、(a)サンプル中のポリヌクレオチドを標識化する過程(b)ハイブリダイゼーション複合体が形成されるのに適した条件下で請求項46のマイクロアレイのエレメントとサンプル中の標識化ポリヌクレオチドとを接触させる過程と、(c)サンプル中のポリヌクレオチドの発現を定量する過程を含む方法 或る固体基板上の固有の物理的位置に付着された種々のヌクレオチド分子を有するアレイであって、少なくとも1つの前記ヌクレオチド分子が、或る標的ポリヌクレオチドの少なくとも30の連続したヌクレオチド群と特異的にハイブリダイズ可能な最初のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列を有し、前記の標的ポリヌクレオチドが請求項12に記載のポリヌクレオチドであることを特徴とするアレイ。 請求項48に記載のアレイで、前記の最初のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの配列が前記の標的ポリヌクレオチドの少なくとも30の連続したヌクレオチドに完全に相補的であることを特徴とするアレイ。 請求項48に記載のアレイで、前記の最初のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの配列が前記の標的ポリヌクレオチドの少なくとも60の連続したヌクレオチドに完全に相補的であることを特徴とするアレイ。 請求項48に記載のアレイで、前記のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの最初の配列が前記の標的ポリヌクレオチドに完全に相補的であることを特徴とするアレイ。 請求項48に記載のアレイで、マイクロアレイであることを特徴とするアレイ。 請求項48に記載のアレイで、前記のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの最初の配列を有する或るヌクレオチド分子にハイブリダイズした前記の標的ポリヌクレオチドを更に有することを特徴とするアレイ。 請求項48に記載のアレイで、或るリンカーが前記のヌクレオチド分子の少なくとも1つと前記の固体基板とを連結していることを特徴とするアレイ。 請求項48に記載のアレイで、該基板上の固有の物理的位置の各々が複数のヌクレオチド分子を含み、任意の単一の固有の物理的位置でのその複数のヌクレオチド分子は同一の配列を有し、該基板上の固有の物理的位置の各々は、該基板上の別の固有の物理的位置でのヌクレオチド分子群の配列とは異なる或る配列を有するヌクレオチド分子群を含むことを特徴とするアレイ。 SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:35のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:36のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:37のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:38のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:39のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:40のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:41のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。 SEQ ID NO:46のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:47のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:48のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:49のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:50のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:51のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:52のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:53のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:54のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:55のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:56のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:57のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:58のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:59のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:60のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:61のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:62のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:63のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:64のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:65のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:66のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:67のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:68のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:69のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:70のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:71のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:72のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:73のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:74のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:75のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:76のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:77のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:78のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:79のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:80のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:81のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:82のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:83のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:84のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:85のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:86のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:87のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:88のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:89のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 SEQ ID NO:90のポリヌクレオチド配列を含む請求項12に記載のポリヌクレオチド。 本発明の様々な実施様態はヒトの細胞内シグナル伝達分子(INTSIG)、およびINTSIGを同定しコードするポリヌクレオチドを提供する。本発明の実施例はまた、発現ベクター、宿主細胞、抗体、アゴニストおよびアンタゴニストをも提供する。他の実施様態はINTSIGの異常発現に関連する疾患を診断、治療または予防する方法をも提供する。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る