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タイトル:特許公報(B2)_複合酸化物触媒およびアクリル酸の製造方法
出願番号:1999349067
年次:2006
IPC分類:B01J 23/88,B01J 37/00,C07B 61/00,C07C 51/235,C07C 57/055


特許情報キャッシュ

谷本 道雄 中村 大介 柚木 弘己 JP 3744750 特許公報(B2) 20051202 1999349067 19991208 複合酸化物触媒およびアクリル酸の製造方法 株式会社日本触媒 000004628 谷本 道雄 中村 大介 柚木 弘己 20060215 B01J 23/88 20060101AFI20060126BHJP B01J 37/00 20060101ALI20060126BHJP C07B 61/00 20060101ALI20060126BHJP C07C 51/235 20060101ALI20060126BHJP C07C 57/055 20060101ALI20060126BHJP JPB01J23/88 ZB01J37/00 ZC07B61/00 300C07C51/235C07C57/055 A B01J 21/00〜38/74 C07C 57/055 特開平04−159243(JP,A) 特開平08−047641(JP,A) 特開2000−336060(JP,A) 5 2001162173 20010619 9 20020205 大工原 大二 【0001】【産業上の利用分野】 本発明は、アクロレインからアクリル酸を製造するための、アクリル酸製造用複合酸化物触媒およびこの触媒を用いたアクロレインからアクリル酸の製造方法に関する。【0002】【従来の技術】アクロレインの気相接触酸化反応によってアクリル酸を効率よく製造するための改良触媒は数多く提案されている。例えば、特公昭44−12129号公報にはモリブデン、バナジウム、タングステンからなる触媒、特公昭49−11371号公報にはモリブデン、バナジウム、銅、タングステン、クロムからなる触媒、特公昭50−25914号公報にはモリブデン、バナジウムからなる触媒、特開昭52−85091号公報にはモリブデン、バナジウム、銅と、アンチモン、ゲルマニウムの少なくとも1種の元素とからなる触媒が記載されている。【0003】しかしながら、これら従来の触媒は、工業的実施において目的とするアクリル酸の収率が不十分であったり、活性の低下が速く、触媒寿命の点からも十分満足できるとはいえない。このため、安定性に優れ、長期間にわたって高収率でアクリル酸の製造を可能とする触媒の開発が必要である。【0004】本出願人は特開昭49−117419号公報においてモリブデン、バナジウム、アルカリ土類金属を含む触媒を開示しているが、なおアクリル酸の収率、触媒寿命の点において改良すべき余地がある。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つは、複合酸化物触媒、特にアクロレインの気相接触酸化によりアクリル酸を製造するのに好適な複合酸化物触媒を提供することにある。【0006】本発明の他の目的は、触媒の存在下にアクロレインを気相にて分子状酸素または分子状酸素含有ガスにより酸化して長期にわたって高収率でアクリル酸を製造する方法を提供することにある。【0007】【課題を解決するための手段】本発明者らは、下記の一般式(1):MoaVbWcCudAeBfCgDhEiOx (1)(式中の各成分およびその比率については後記の通りである。)で示される複合酸化物触媒を調製するにあたり、B成分およびC成分の供給源の少なくとも一部として、B成分とC成分とを含む化合物を用いると、活性、選択性および触媒寿命がともに優れ、長期にわたって安定した性能を示す触媒が得られ、この触媒を用いることにより長期にわたって高収率でアクロレインからアクリル酸を製造できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。【0008】 すなわち、本発明は、下記一般式(1):MoaVbWcCudAeBfCgDhEiOx (1)(ここで、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタングステン、Cuは銅、Aはアンチモン、ニオブおよびスズから選ばれる少なくとも1種の元素、Bはアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素、Cはケイ素、アルミニウム、チタニウムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素、Dはリン、テルル、セリウム、鉛、ヒ素および亜鉛から選ばれる少なくとも1種の元素、Eは周期律表第IA属元素、第IIIB属元素、ホウ素、鉄、ビスマス、コバルト、ニッケルおよびマンガンから選ばれる少なくとも1種の元素、そしてOは酸素であり、a、b、c、d、e、f、g、h、iおよびxはそれぞれMo、V、W、Cu、A、B、C、D、EおよびOの原子比を表し、a=12のとき、2≦b≦15、0≦c≦10、0<d≦6(好ましくは、0.05≦d≦6)、0≦e≦6、0<f≦10(好ましくは、0.01≦f≦10)、0<g≦10(好ましくは、0.01≦g≦10)、0≦h≦5、0≦i≦5であり、xはそれぞれの元素の酸化状態によって定まる数値である。)で表されるアクロレインの気相接触酸化によりアクリル酸を製造するための複合酸化物触媒であって、その調製に際して、B成分およびC成分の供給源の少なくとも一部として、B成分とC成分とを含む化合物を用いることを特徴とするアクリル酸製造用複合酸化物触媒である。また、本発明は、アクロレインを気相にて分子状酸素または分子状酸素含有ガスにより酸化してアクリル酸を製造する気相接触酸化反応において、この反応を上記アクリル酸製造用複合酸化物触媒の存在下に行うことを特徴とするアクリル酸の製造方法である。【0009】【発明の実施の形態】前記一般式(1)で表される複合酸化物触媒それ自体は、前記特開昭49−117419号公報に記載のように公知である。本発明の複合酸化物触媒において、A成分としてはアンチモンおよびスズが、B成分としてはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムが、C成分としてはケイ素およびアルミニウムが、またD成分としてはリン、テルルおよび亜鉛が、またE成分としてはナトリウム、カリウム、鉄、コバルト、ニッケルおよびホウ素が好適に用いられる。【0010】本発明の特徴は、一般式(1)で表される複合酸化物触媒の調製の際に、B成分およびC成分の供給源(出発原料)の少なくとも一部として、B成分とC成分とを含む化合物(以下、便宜上、B/C成分含有化合物という。)を用いる点にある。このようにすることにより、優れた性能を有する複合酸化物触媒が得られる理由については明らかではないが、現時点ではB成分の安定性が向上するためと推測されている。なお、本発明はこの推測によって制約を受けるものではない。【0011】B成分およびC成分の供給源(出発原料合計量)に占めるB/C成分含有化合物の割合は、原子比で、0.5/1〜1/1、好ましくは0.8/1〜1/1であり、特に、B成分の供給源は、その全てをB/C成分含有化合物とするのが好適である。【0012】Mo、V、W、Cu、A成分、D成分およびE成分の供給源としては、各成分元素を含有する化合物であって、焼成によって酸化物を生成する化合物であればいずれも使用することができる。【0013】B/C成分含有化合物としては、一般に市販されているB成分元素とC成分元素とを含む化合物をそのまま使用することもできるが、通常、酸化物(B/C成分含有酸化物)の形態で用いられる。このB/C成分含有酸化物は、例えば、次のようにして調製することができる。▲1▼B成分元素を含む化合物とC成分元素を含む化合物とをそれぞれ出発原料として用い、これら化合物を水に溶解あるいは分散させ、水分を除去した後、乾燥などの処理を経た後、好ましくは、500〜2000℃の温度で加熱処理する。▲2▼B成分元素を含む酸化物とC成分元素を含む酸化物とを十分に混合した後、好ましくは、500〜2000℃の温度で加熱処理する。▲3▼B成分元素とC成分元素とを含む化合物を、好ましくは、500〜2000℃の温度で加熱処理する。【0014】上記B/C成分含有酸化物は、平均粒子径が200μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下となるように粉砕して使用するのが好ましい。【0015】B成分またはC成分が2つ以上の元素からなる場合には、その少なくとも1つの元素について、B/C成分含有化合物として用いればよい。また、B/C成分含有化合物には、B成分およびC成分のほかの成分元素、例えば、E成分元素を含ませて、そのE成分の供給源としてもよい。【0016】本発明の複合酸化物触媒は、B成分およびC成分の供給源の少なくとも一部としてB/C成分含有化合物を用いる点を除けば、この種の複合酸化物触媒の調製に一般に用いられている方法によって調製することができる。【0017】本発明の複合酸化物触媒の形状については特に制限はなく、リング状、球状、円柱状、タブレット状など任意の形状にすることができる。その平均直径は1〜15mm、好ましくは3〜10mmである。この際、触媒の強度、紛化度を改善する効果があるとして一般によく知られているガラス繊維などの無機繊維、各種ウィスカーなどを添加してもよい。また、触媒物性を再現よく制御するために硝酸アンモニウム、セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸などの添加物を使用することもできる。【0018】本発明の複合酸化物触媒は、それ自体単独で使用することができるが、アルミナ、シリカ−アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化チタン、アルミニウムスポンジなどの不活性担体に担持して使用するのが好ましい。【0019】この場合、一般式(1)で表される複合酸化物の担持率(%)([(複合酸化物の質量)/(不活性担体の質量+複合酸化物の質量)]×100)は、10〜70%、好ましくは15〜50%である。【0020】本発明の複合酸化物触媒は、300〜600℃、好ましくは350℃〜500℃の温度で1〜10時間程度焼成して得られる。【0021】本発明によるアクロレインからアクリル酸の製造方法は、触媒として上記複合酸化物触媒を用いる点を除けば、従来公知の方法によって行うことができ、その実施に際しての装置、条件などについては特に制限はない。すなわち、反応器としては一般の固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器が用いられ、反応条件についていえば、気相接触酸化反応によるアクロレインからアクリル酸の製造に一般に用いられている条件下で実施することができる。例えば、1〜15容量%のアクロレイン、0.5〜25容量%の酸素、1〜30容量%の水蒸気および20〜80容量%の窒素などの不活性ガスなどからなる混合ガスを200〜400℃の温度範囲で0.1〜1MPaの圧力下に300〜5,000h-1(STP)の空間速度で本発明の複合酸化物触媒と接触させればよい。【0022】原料ガスとしては、アクロレイン、酸素および不活性ガスからなる混合ガスはもとよりのこと、プロピレンを直接酸化して得られるアクロレイン含有の混合ガスも、必要に応じて空気または酸素、さらには水蒸気を添加して使用することもできる。このプロピレンを直接酸化して得られるアクロレイン含有混合ガス中に含まれる副生成物としてのアクリル酸、酢酸、酸化炭素、プロパン、あるいは未反応プロピレンなどは本発明で使用する触媒組成物に対して何ら障害をもたらすものではない。【0023】【発明の効果】本発明によれば、再現性よく、高活性、高収率の触媒を得ることができる。また、本発明の複合酸化物触媒は長期にわたり高い活性を維持することから、本発明の方法によれば高収率で長期間にわたって安定してアクリル酸を製造することができる。【0024】【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。【0025】なお、アクロレイン転化率、アクリル酸選択率およびアクリル酸収率は次式によって求めた。アクロレイン転化率(%)=[(反応したアクロレインのモル数)/(供給したアクロレインのモル数)]×100アクリル酸選択率(%)=[(生成したアクリル酸のモル数)/(反応したアクロレインのモル数)]×100アクリル酸収率(%)=[(生成したアクリル酸のモル数)/(供給したアクロレインのモル数)]×100実施例1(Mg/Si−Al含有化合物の調製)純水200mlを加熱攪拌しながら、この中に硝酸マグネシウム53gおよび硝酸アルミニウム7.8gを溶解した。この液に20質量%のシリカゾル93gを添加・混合し、加熱しながら蒸発乾固して固形物を得た。得られた固形物は段階的に加熱処理温度を上昇させ、最終1,400℃にて3時間焼成した後、粉砕し、平均粒子径が30μmの粉体(1)を得た。(触媒の調製)純水2,000mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモニウム106gおよびパラタングステン酸アンモニウム44.6gを溶解した。別に純水200gを加熱攪拌しながら、硝酸第二銅87.8gおよび三酸化アンチモン12gを添加した。得られた2つの液を混合した後、粉体(1)11.2gを加え、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これに平均粒径が5mmのシリカ−アルミナからなる球状担体1,200mlを加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間焼成して触媒(1)を調製した。この触媒(1)の金属元素の組成(酸素は除く、以下同じ)は次のとおりであった。Mo12V5.5W1Cu2.2Sb0.5Mg0.5Si0.75Al0.05担持率は23.4%であった。(酸化反応)このようにして得られた触媒(1)1,000mlを直径25mmのステンレン製反応管に充填した。この反応管にアクロレイン5容量%、酸素5.5容量%、水蒸気25容量%および窒素などからなる不活性ガス64.5容量%の混合ガスを導入し、反応温度260℃、空間速度(SV)1,500h-1(STP)で反応させた。反応初期および8,000時間経過時の性能を表1に示した。比較例1実施例1において、「Mg/Si−Al含有化合物」を調製することなく、硝酸マグネシウム、シリカゾルおよび硝酸アルミニウムをそのまま使用した以外は実施例1と同様にして触媒(1)と同一組成の触媒(2)を調製した。この触媒(2)を用い、実施例1と同じ条件で酸化反応を行った。結果を表1に示した。実施例2(Sr/Si−Al含有化合物の調製)20質量%のシリカゾル74.4gに酸化ストロンチウム10.7g、硝酸コバルト0.6gおよび酸化アルミニウム10.5gを添加・混合し、加熱しながら蒸発乾固して固形物を得た。得られた固形物は段階的に加熱処理温度を上昇させ、最終1,500℃にて3時間焼成した後、粉砕し、平均粒子径が30μmの粉体(2)を得た。(触媒の調製)純水2,000mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム53.5gを溶解した。別に純水200gを加熱攪拌しながら、硝酸第二銅99.8gおよび三酸化アンチモン12gを添加した。得られた2つの液を混合した後、粉体(2)28.9gを加え、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これに平均粒径が5mmのシリカ−アルミナからなる球状担体1,200mlを加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間焼成して触媒(3)を調製した。この触媒(3)の金属元素の組成は次のとおりであった。Mo12V6W1.2Cu2.5Sb0.5Sr0.5Si1.2Al1Co0.01担持率は24.8%であった。(酸化反応)実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(3)を用いた以外は実施例1と同じ条件で反応を行った。結果を表1に示した。実施例3(Ca−Ba/Si−Al含有化合物の調製)純水200mlを加熱攪拌しながら、この中に硝酸カルシウム48.8g、硝酸バリウム54gおよび硝酸ナトリウム0.9gを溶解した。この液に20質量%のシリカゾル335gおよび酸化アルミニウム33.7gを添加・混合し、加熱しながら蒸発乾固して固形物を得た。得られた固形物は段階的に加熱処理温度を上昇させ、最終1,400℃にて3時間焼成した後、粉砕し、平均粒子径が30μmの粉体(3)を得た。(触媒の調製)純水2,000mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモニウム96.6gおよびパラタングステン酸アンモニウム44.6gを溶解した。別に純水200gを加熱攪拌しながら、硝酸第二銅99.8gを溶解した。得られた2つの液を混合した後、粉体(3)115.5gを加え、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これに平均粒径が5mmのシリカ−アルミナからなる球状担体1,200mlを加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間焼成して触媒(4)を調製した。この触媒(4)の金属元素の組成は次のとおりであった。Mo12V5W1Cu2.5Ca1Ba1Si5.4Al3.2Na0.05担持率は26.7%であった。(酸化反応)実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(4)を用いた以外は実施例1と同じ条件で反応を行った。結果を表1に示した。実施例4(Mg/Si−Al含有化合物の調製)純水400mlを加熱攪拌しながら、この中に硝酸マグネシウム12.7g、硝酸カリウム0.2gおよび硝酸鉄1.0gを溶解した。この液に20質量%のシリカゾル220gおよび酸化アルミニウム1.8gを添加・混合し、加熱しながら蒸発乾固して固形物を得た。得られた固形物は段階的に加熱処理温度を上昇させ、最終1,200℃にて3時間焼成した後、粉砕し、平均粒子径が30μmの粉体(4)を得た。(触媒の調製)純水2,000mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム67gを溶解した。別に純水200gを加熱攪拌しながら、硝酸第二銅99.8gを溶解した。得られた2つの液を混合した後、粉体(4)186gを加え、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これに平均粒径が5mmのシリカ−アルミナからなる球状担体1,200mlを加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間焼成して触媒(5)を調製した。この触媒(5)の金属元素の組成は次のとおりであった。Mo12V6W1.5Cu2.5Mg0.2Si0.3Al0.02K0.01Fe0.01担持率は23.8%であった。(酸化反応)実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(5)を用いた以外は実施例1と同じ条件で反応を行った。結果を表1に示した。実施例5(Mg/Si含有化合物の調製)ナカライテスク(株)製ケイ酸マグネシウム100gを1,500℃にて3時間焼成して粉体(5)を得た。(触媒の調製)純水2,000mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモニウム96.6gおよびパラタングステン酸アンモニウム53.5gを溶解した。別に純水200gを加熱攪拌しながら、硝酸第二銅87.8g、酸化チタン13.0gおよび三酸化アンチモン4.8gを添加した。得られた2つの液を混合した後、粉体(5)51.7gを加え、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これに平均粒径が5mmのシリカ−アルミナからなる球状担体1,200mlを加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間焼成して触媒(6)を調製した。この触媒(6)の金属元素の組成は次のとおりであった。Mo12V5W1.2Cu2.2Sb0.2Mg2.4Si3.6Ti1担持率は25.0%であった。(酸化反応)実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(6)を用いた以外は実施例1と同じ条件で反応を行った。結果を表1に示した。【0026】【表1】 下記一般式(1):MoaVbWcCudAeBfCgDhEiOx (1)(ここで、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタングステン、Cuは銅、Aはアンチモン、ニオブおよびスズから選ばれる少なくとも1種の元素、Bはアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素、Cはケイ素、アルミニウム、チタニウムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の元素、Dはリン、テルル、セリウム、鉛、ヒ素および亜鉛から選ばれる少なくとも1種の元素、Eは周期律表第IA属元素、第IIIB属元素、ホウ素、鉄、ビスマス、コバルト、ニッケルおよびマンガンから選ばれる少なくとも1種の元素、そしてOは酸素であり、a、b、c、d、e、f、g、h、iおよびxはそれぞれMo、V、W、Cu、A、B、C、D、EおよびOの原子比を表し、a=12のとき、2≦b≦15、0≦c≦10、0<d≦6、0≦e≦6、0<f≦10、0<g≦10、0≦h≦5、0≦i≦5であり、xはそれぞれの元素の酸化状態によって定まる数値である。)で表されるアクロレインの気相接触酸化によりアクリル酸を製造するための複合酸化物触媒であって、その調製に際して、B成分およびC成分の供給源の少なくとも一部として、B成分とC成分とを含む化合物を用いることを特徴とするアクリル酸製造用複合酸化物触媒。 B成分がマグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれる少なくとも1種の元素である請求項1記載のアクリル酸製造用複合酸化物触媒。 C成分がケイ素およびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素である請求項1または2記載のアクリル酸製造用複合酸化物触媒。 B成分とC成分とを含む化合物が500〜2000℃の温度で加熱処理されたものである請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル酸製造用複合酸化物触媒。 アクロレインを気相にて分子状酸素または分子状酸素含有ガスにより酸化してアクリル酸を製造する気相接触酸化反応において、この反応を請求項1のアクリル酸製造用複合酸化物触媒の存在下に行うことを特徴とするアクリル酸の製造方法。


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