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タイトル:特許公報(B2)_ヘルパーウイルス−フリーヘルペスウイルススベクターパッケージングシステム
出願番号:1997507663
年次:2004
IPC分類:7,C12N15/09,C07K14/03,C12N5/10,C12N7/00,C12P21/02,C12Q1/68


特許情報キャッシュ

フリーフェル,コーネル ゲラー,アルフレッド アイ リム,フィリップ JP 3555765 特許公報(B2) 20040521 1997507663 19960722 ヘルパーウイルス−フリーヘルペスウイルススベクターパッケージングシステム チルドレンズ メディカル センター コーポレーション 谷 良隆 フリーフェル,コーネル ゲラー,アルフレッド アイ リム,フィリップ US 08/508,088 19950726 20040818 7 C12N15/09 C07K14/03 C12N5/10 C12N7/00 C12P21/02 C12Q1/68 JP C12N15/00 A C07K14/03 C12N7/00 C12P21/02 C C12Q1/68 A C12N5/00 B 7 C12N 15/00-15/90 C12N 7/00- 7/08 JSTPlus(JOIS) BIOSIS/WPI(DIALOG) 特表平04−503306(JP,A) Virology, Vol.167(1988),p.400-406 30 US1996012033 19960722 WO1997005263 19970213 1999510053 19990907 26 20011018 三原 健治 発明の背景ヒト遺伝子療法に重大な関心が寄せられている。このヒト遺伝子療法という用語は、組換えバイオテクノロジーを使って1つの細胞に様々な異なる物質を導入するための広範な様々な方法を開述するために用いられている。その方法としては、例えば、遺伝子、アンチセンスDNAまたはRNA、あるいは細胞障害物質をエンコードする遺伝子等を、ベクターを使って、ほ乳類細胞、好ましくは、生体内または生体外におけるヒト細胞に導入す方法が含まれる。初期の研究は、殆どが、これらの細胞を形質転換するためのレトロウイルスベクターの使用法に向けられていた。研究対象がこの点に集中していたのは、レトロウイルスが細胞を感染させ、宿主細胞内に高効率でそれらの遺伝物質を組込む能力を有しているためである。レトロウイルスベクターに対するヘルパーウイルスパッケージングシステムの開発により、ヒト遺伝子療法に用いる上で、このベクターシステムが革新的に発達した。レトロウイルスのヘルパーウイルスフリーパッケージングシステムは、一般的に、選択されたベクターを表現する安定した生産者細胞系を生成することにより構成される。レトロウイルスのゲノムは、約11kbと比較的サイズが小さいため、ウイルスの集合に必要なすべての蛋白質を合成するパッケージング細胞系を作ることができる。生産者系は、レトロウイルスベクターをそのようなパッケージング細胞系に導入することにより作られる。しかし、レトロウイルスを使用するに際しては数多くの難点が報告されている。例えば、殆どのレトロウイルスベクターは有糸核分裂中止後(非分裂)細胞に対する遺伝子導入能力を持っておらず、従って、成体神経系の殆どの細胞、特にニューロンは非活動性、即ち有糸核分裂中止後であるため、このベクターを神経系に適用することはできない。更に、レトロウイルスベクターの場合、組換えウイルス生産細胞系から野生型ウイルスが発生し、疾病をもたらすことも報じられている。これらの難点に鑑みて、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、及び1型単純ヘルペスウイルス(HSV−1)等を基礎とした他のベクターシステムによる有糸分裂及び非有糸分裂細胞内への遺伝子導入が、特に非有糸分裂細胞、例えば神経細胞に使用するため、検討されている。しかし、各システムには限界がある。:アデノウイルスベクターは限定された長期(2ヶ月)遺伝子発現だけを支持することができ、また、それらは神経細胞から徐々に消失するらしく、更に、それらは細胞変性作用と免疫応答の両方を引き起こすことがある[Le Gal La Salle,ら(1993);Davidson,ら(1993);Yang,ら(1995)]。アデノ関連ウイルスベクターは細胞変性作用が小さく、4ヶ月まで、少なくとも幾つかの遺伝子発現を支持することができるが、遺伝子導入が非能率的で、これらのベクターは〜4kbの異物DNAしか受け入れることができない[Kaplitt,ら(1994)]。これと対照的に、HSV−1を基礎としたベクター[Jenkins,ら(1985);Ho,ら(1988);Dobson,ら(1990);Chiocca,ら(1990);Fink,ら(1992);Frenkel,ら(1982);Kwong,ら(1985);Geller,ら(1988);Geller,ら(1990)]は、HSV−1が神経細胞を効率的に感染させることができ、ニューロンに無定限に存続することができることから、関心が高まっている[Stevens(1975);Roizman(1981)]。組換えHSV−1ベクター[Wolfe,ら(1992)]及びHSV−1プラスミドベクター[Federoff,ら(1992);Battleman,ら(1993);Bergold,ら(1993);Geller,ら(1993);Ho,ら(1993);Geschwind,ら(1994);Xu,ら(1994);Geller,ら(1995)]がニューロンの生理学的特性を変えるために使用されており、HSV−1プラスミドベクターは1年まで幾つかの遺伝子発現を支持することができる[During,ら(1994)]。HSV−1プラスミドベクターは150kbのHSV−1ゲノムを〜1%しか含んでおらず、HSV−1の複製欠損欠失突然変異体であることが多いヘルパーウイルスを使ってHSV−1粒子内にパッケージされている[Geller,ら(1990);Lim,ら(1995)]。しかし、このベクターシステムの有効性は数多くの問題により制限されている:(i)主にヘルパーウイルスからの遺伝子発現による[Johnson,ら(1992a);Johnson,ら(1992b);Nguyen,ら(1992);Johnson,ら(1994);Wood,ら(1994);Ho,ら(1995)](及び部分的にはHSV−1粒子の特異蛋白質による)急性の細胞変性作用及び免疫応答、(ii)ヘルパーウイルスと内在性潜伏ウイルスとの潜在的相互作用、(iii)遺伝子発現の不安定性[During,ら(1994)]、(iv)[腫瘍を引き起こすことが知られていない野生型(wt)HSV−1に対立するものとして]ヘルパーウイルスにより媒介される潜在的な腫瘍形成、及び(v)ヘルパーウイルスのwt HSV−1への復帰突然変異。ヘルパーウイルスは、パッケージング後は不必要なばかりでなく、これら多くの問題の原因となるが、ヘルパーウイルスからパッケージングされたベクターを物理的に分離することは未だ達成されていない。ヘルペスウイルスベクターに対するヘルパーウイルス−フリーパッケージングシステムの実現が望まれていた。しかし、これまで、そのようなヘルパーウイルス−フリーシステムの開発は実現の見込みがないものと信じられていた[Lieb及びOlivo(1993)]。発明の要約我々は、ヘルパーウイルス−フリーのヘルペスウイルスパッケージングシステムを発見した。このシステムを用いることにより、ヘルペスウイルスが大きなゲノムを有するため、広範囲な所望のヌクレオチドセグメント、好ましくはDNAセグメントを、中空ヘルペスウイルス粒子内にパッケージすることができる。好ましくは、ヘルペスウイルスはアルファヘルペスウイルスである。より好適には、ヘルペスウイルスは、水痘帯状疱疹ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、あるいはHSV−1やHSV−2等の単純ヘルペスウイルス等のアルファヘルペスウイルスである。他の好適なヘルペスウイルスはエプスタイン−バーウイルスである。ヘルパーウイルスの非存在下においてヘルペスウイルス粒子をパッケージングするためのヘルパー−フリーウイルスシステムは、ヘルペスウイルスの複製を支持する能力を有する細胞内への導入により、ヘルペスウイルス粒子内に集合するのに充分なヘルペスウイルス構造蛋白質を表現することができる1つのDNAセグメント(あるいは複数のセグメント)を形成する少なくとも1つのベクターを使用することを基礎とするものである。ヘルペスウイルスセグメントの形成には、単一のベクター、あるいは複数のベクターを使用することができる(単一または複数のベクターを、ヘルペスウイルスDNAベクターと称する)。例えば、エプスタイン−バーウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、及びHSV−1を含む様々なヘルペスウイルスのゲノム全体を表現する重複クローンを含むコスミドのセットが分離されている(出典を記載したことにより、その内容が本明細書に組み入れられている、van Zijl,ら、(1988);Cohen,ら、(1993);Tomkinson,ら、(1993);Cunningham,ら、(1993)参照)。ヘルペスウイルスDNAベクターは、使用するどのウイルスも、機能性ヘルペスウイルス切断−パッケージング部位含有配列を含まないように調製される。(この配列を、「a」配列と称する)。この「a」配列は、当業者に良く知られている様々な技法のいずれかにより、ヘルペスウイルスDNAベクターから除去することができる。例えば、この配列全体を単純に除去することができる。また、配列全体を除去する代わりに、パッケージングを不可能にするに充分な配列部分を除去することもできる。更に、代替的な手段として、そのような部位にヌクレオチドを挿入して機能性を失わせることもできる。最も好適には、相同組換えを防ぐため、その部位全体を除去する方法が採られる。2番目のベクターは、ヘルペスウイルス切断/パッケージング部位含有配列と、ヘルペスウイルスDNA複製蛋白質及び酵素により認識されるDNA複製開始点(ori)を含んでいる。このベクターにより、ヘルパーウイルスの非存在下において、所望のヌクレオチド挿入物のパッケージングが可能になる。この2番目のベクターは、時としてパッケージングベクターと呼ばれることがある。使用されるDNA複製開始点は、好ましくは、ヘルペスウイルスDNA複製開始点である。この2番目のベクターは、あらゆる所望の異種ヌクレオチド配列、好ましくはDNA配列を粒子内にパッケージするために使用される。好適には、パッケージングベクターは、(a)少なくとも1つの異種DNA配列に作動的に連鎖するプロモーター配列と、(b)mRNAの転写とプロセッシングを可能にするに充分であり、その翻訳により発現蛋白質がもたらされる少なくとも1つの配列を含んでいる。一層好適には、このベクターは、プロモーター配列に続いて介在配列を含んでいる。更に一層好適には、このプロセッシング配列はポリアデニル化配列である。例えば、この異種配列は、あらゆる所望の蛋白質、好適には治療用蛋白質をエンコードすることができる。また、それはアンチセンスDNA、RNAあるいは抗原蛋白質等の所望の免疫原をエンコードすることもできる。更に、それは、免疫原性反応を惹起する特異的ペプチド配列をエンコードすることもできる。そのようなペプチド配列の長さは、典型的には、少なくとも約6アミノ酸である。【図面の簡単な説明】第1A及び1B図は、HSV−1プラスミドベクターに対するヘルパーウイルス−フリーパッケージングシステムの発生を示している。第1A図において、HSV−1ゲノム(先頭のライン)は、共に逆方向繰返し配列(白抜きの矩形:open rectangles)に隣接する独特な長いセグメントと独特な短いセグメント(水平方向のライン)で構成されている。IE 1遺伝子、oriS及びoriLが示されている。DNA切断/パッケージングシグナルを含む「a」配列(幅の狭い矩形:solid rectangles)は、長いセグメントと短いセグメントとの連接部、及び両者の末端に位置している。第1B図は、コスミドセットC6Δa48Δa(cos6Δa、28、14、56、48Δa)からのHSV−1クローンの概略図である。cos6Δaとcos48Δaが欠失した「a」配列は「×」で示されている。第2A及び2B図は、断面(2A)と完全なヌクレオカプシド(2B)を示す、pHSVlac/ヘルパー−フリーの電子顕微鏡写真である。スケール・バーは100nmである。第3A、3B、3C、3D、3E、及び3F図は、pHSVlac/ヘルパー−フリーあるいはpHSVlac/ヘルパーを用いた、培養皮質細胞内への遺伝子導入を示している。β−ガラクトシダーゼ陽性細胞の光学顕微鏡写真が示されている:pHSVlac/ヘルパーによる、遺伝子導入の2日後(3A)あるいは8日後(3B);pHSVlac/ヘルパー−フリーによる、2日後(3C)、8日後(3D)、及びそれぞれニューロンあるいはグリアの形態学のいずれかを示す高倍率での2日後(3E、3F)の写真。スケール・バーは、500μm(A−D)及び50μm(E、F)である。第4図は、pHSVlac/ヘルパー−フリー(白抜きの円)あるいはpHSVlac/ヘルパー(黒塗りの円)のいずれかを用いた遺伝子導入後の様々な時間におけるβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞数の定量化を示している。データは、遺伝子導入(〜1,200)の2日後に観察されたβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞を%表示で示しており、結果は3回の実験の平均値である。第5A、5B、5C、5D、5E、5F、5G、及び5H図は、ラット脳内への遺伝子導入後の細胞浸潤及びβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞を示す光学顕微鏡写真である。pHSVlac/ヘルパー(5A)、pHSVlac/ヘルパー−フリー(5B)、あるいはPBS(5C)の導入後の、MBの注入部位のクレゾールバイオレット染色。pHSVlac/ヘルパー(5D)あるいはpHSVlac/ヘルパー−フリー(5E、5F)を用いた、STの注入部位に隣接したβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞。pHSVlac/ヘルパー−フリー注入の4日後(5G)あるいは1ヶ月後(5H)におけるSTの個々のβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞。スケール・バーは50μmである。第6図は、遺伝子導入の効率と脳内のpHSVlac DNAの存続性を示している。pHSVlac/ヘルパー−フリーあるいはpHSVlac/ヘルパーのいずれかの注入の4日後または1ヶ月後(各経過時点において2匹のラット)におけるpHSVlac DNAのPCR解析、もしくはPBS(4日経過時点における1匹のラット)でのpHSVlac DNAのPCR解析。コントロール反応は、大腸菌から精製したpHSVlac DNA(+)かDNAなし(−)かのいずれかを用いた。標準(Stds.)、100bpラダー。583bp反応生成物が指示されている(矢印)。発明の詳細な説明我々は、ヘルパーウイルス−フリーのヘルペスウイルスパッケージングシステムを発見した。このシステムを用いることにより、ヘルペスウイルスが大きなゲノムを有するため、広範囲な所望のヌクレオチドセグメント、好ましくはDNAセグメントを、中空ヘルペスウイルス粒子内にパッケージすることができる。例えば、直径が約200mmの単純ヘルペスウイルス(HSV−1)粒子は、約150kb DNAを収容することができる。しかし、ヘルパーウイルスを使ってベクターをパッケージすると、パッケージングベクターとヘルパーウイルスとの競合により、ベクターのサイズは約15kbに制限される。これと対照的に、ヘルパー−フリーシステムを用いることにより挿入物を実質的に大きくすることができ、好ましくは、挿入物は僅か数kbから約60kbの範囲にわたることができ、より好適には、約5kb−60kbの挿入物を使用することができ、更に好適には、約10kb−50kb、より一層好適には、少なくとも約10kb−40kbの挿入物を使用することができる。比較すると、アデノ関連ウイルスベクターのヌクレオチド挿入サイズ限界は約4kbであるのに対し、アデノウイルスベクターでの本サイズ限界は約7kbである。当分野で知られているように、例えばハンチントン遺伝子産物をエンコードするもののように、長さが何kbにも及ぶ遺伝子が存在する。更に、プロモーターやエンハンサーを使用することによっても、挿入物の長さは一層有意に長くなり得る。また、複数の遺伝子を挿入したい場合もある。従って、本発明のシステムは、多数のプロモーターや遺伝子を含む挿入物の使用を可能化することにより、現在利用されているベクターと比べて、有意な利点をもたらすものである。我々は、すべてのヘルペスウイルスに広く適用することができ、ヘルパーウイルスの非存在下において所望のヌクレオチドセグメントをパッケージすることができる中空ヘルペスウイルス粒子の調製手順を発見した。100種以上のヘルペスウイルスが存在する。好ましくは、ヘルペスウイルスはアルファヘルペスウイルスである。より好適には、ヘルペスウイルスは、水痘帯状疱疹ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、あるいはHSV−1やHSV−2等の単純ヘルペスウイルス等のアルファヘルペスウイルスである。他の好適なヘルペスウイルスはエプスタイン−バーウイルスである。より好適には、ウイルスは単純ヘルペスウイルスである。より一層好適には、ウイルスはHSV−1である。ヘルパーウイルスの非存在下においてヘルペスウイルス粒子をパッケージングするためのヘルパー−フリーウイルスシステムは、ヘルペスウイルスの複製を支持することができる細胞内への導入により、ヘルペスウイルス粒子内に集合するのに充分なヘルペスウイルス構造蛋白質を表現する能力を有する1つのDNAセグメント(あるいは複数のセグメント)を形成する少なくとも1つのベクターを使用することを基礎とするものである。ヘルペスウイルスセグメントの形成には、単一のベクター、あるいは複数のベクターを使用することができる(単一または複数のベクターを、ヘルペスウイルスDNAベクターと称する)。ヘルペスウイルスDNAベクターは、当業者に良く知られた技法を用いて構成することができる。例えば、ヘルペスウイルスのゲノム全体をエンコードするDNAセグメントを、例えばコスミド[Evans,ら(1989)]、酵母人工染色体(YACS)[Sambrook,ら(1989)]、または大腸菌Fエレメント・プラスミド[O'Conner,ら(1989)]等の、大きなDNAセグメントを担持することができる多数のベクターの中から分離することができる。例えば、エプスタイン−バーウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、及びHSV−1を含む様々なヘルペスウイルスのゲノム全体を表現する重複クローンを含むコスミドのセットが分離されている[van Zijl,ら(1988);Cohen,ら、(1993);Tomkinson,ら、(1993);Cunningham,ら、(1993)、参照。出典を記載したことにより、これらの内容は本明細書に組み入れられている]。ヘルペスウイルスDNAベクターは、使用するどのウイルスも、機能性ヘルペスウイルス切断−パッケージング部位含有配列を含まないように調製される。(この配列を、「a」配列と称する)。この「a」配列は、当業者に良く知られている様々な技法のいずれかにより、ヘルペスウイルスDNAベクターから除去することができる。例えば、この配列全体を単純に除去することができる。また、配列全体を除去する代わりに、パッケージングを不可能にするに充分な配列部分を除去することもできる。更に、代替的な手段として、そのような部位にヌクレオチドを挿入して機能性を失わせることもできる。最も好適には、相同組換えを防ぐため、その部位全体を除去する方法が採られる。例えば、「a」配列は、recA補助制限エンドヌクレアーゼ切断法[RARE:Ferrin,ら、出典を記載したことにより本明細書に組み入れられている]等の当分野で既知の技法を用いることにより除去することができる。一般的には、2つのオリゴヌクレオチドを用いて、2つの制限エンドヌクレアーゼ部位のそれぞれに三本鎖DNA領域が形成される。三本鎖DNAはメチラーゼによるメチル化に耐性を示す。この第3鎖をメチル化反応後に取り除くことができる。次いで、二本鎖DNAは、予めメチル化から保護された部位でのみDNAを切断することができる適当なエンドヌクレアーゼで消化される。従って、適切に設計することにより、この方法を用いて、あらゆる所望の部位から「a」配列を取り除くことができる。それ故、ヘルペスウイルスDNAベクターは所望のヘルペスウイルス蛋白質を発現することができるが、切断/パッケージング部位が取り除かれているので、結果として生じるヘルペスウイルスDNAセグメントは、ヘルペスウイルス粒子内にパッケージされるDNAをもたらすパッケージング配列を持っておらず、ウイルスは複製する能力が無く、また、他の細胞を感染させることもできない。ヘルペスウイルス粒子のコアは、カプシドマトリックスを創る様々な構造遺伝子から形成される。マトリックス形成に必要なそれらの遺伝子は、粒子の調製に使用される感受性細胞中に存在することが必要である。好ましくは、必要なエンベロープ蛋白質も発現される。更に、ヘルペスウイルス粒子の表面に存在する多数の他の蛋白質がある。これらの蛋白質のあるものは、特定の細胞へのウイルスの侵入の仲介を助けている。従って、これらの蛋白質をエンコードする機能遺伝子を含めるか除外するかは、その粒子の個々の使用法に依存する。この課題については、以下でもっと詳細に検討する。2番目のベクターは、ヘルペスウイルス切断/パッケージング部位含有配列と、ヘルペスウイルスDNA複製蛋白質及び酵素により認識されるDNA複製開始点(ori)を含んでいる。このベクターにより、ヘルパーウイルスの非存在下において、所望のヌクレオチド挿入物のパッケージングが可能になる。この2番目のベクターは、時としてパッケージングベクターと呼ばれることがある。使用されるDNA複製開始点は、好ましくは、ヘルペスウイルスDNA複製開始点である。この2番目のベクターは、あらゆる所望の異種ヌクレオチド配列、好ましくはDNA配列を粒子内にパッケージするために使用される。好適には、パッケージングベクターは、(a)少なくとも1つの異種DNA配列に作動的に連鎖するプロモーター配列と、(b)mRNAの転写とプロセッシングを可能にするに充分であり、その翻訳により発現蛋白質がもたらされる少なくとも1つの配列を含んでいる。一層好適には、このベクターは、プロモーター配列に続いて介在配列を含んでいる。更に一層好適には、このプロセッシング配列はポリアデニル化配列である。例えば、この異種配列は、あらゆる所望の蛋白質、好適には治療用蛋白質をエンコードすることができる。また、それはアンチセンスDNA、RNAあるいは抗原蛋白質等の所望の免疫原をエンコードすることもできる。更に、それは、免疫原性反応を惹起する特異的ペプチド配列をエンコードすることもできる。そのようなペプチド配列の長さは、典型的には、少なくとも約6アミノ酸である。異種ヌクレオチド配列は、治療用蛋白質等の広範な様々な蛋白質、即ち、遺伝性あるいは後天性の欠損症を補償するための蛋白質等をエンコードすることができる。治療用蛋白質の例には以下のものが含まれる:例えばパーキンソン病の治療のためのチロシンヒドロキシラーゼ等の神経伝達物質生合成酵素;例えば神経成長因子受容体及びtrk受容体も使用することができるアルツハイマー病の治療のための神経成長因子等のニューロトロフィンを含む神経栄養性因子;レッシュ−ニーハン病の治療のためのヒポキサンチン−グアニン・ポルホリボシル転移酵素(HGPRT);テイ−サックス病の治療のためのβ−ヘキソサミニダーゼa鎖;糖尿病の治療のためのインスリン。また、例えば神経成長因子受容体、trk受容体等の受容体を調製することもできる。大きな挿入物が可能なため、一連の異なる蛋白質をエンコードすることができる。例えば、受容体−リガンド複合体を形成する一連の蛋白質をエンコードすることもできる。他の蛋白質には、例えば、プロテインキナーゼc等のシグナル導入酵素;c−fos、NF−Kβ等の転写因子;erbB、erbB−2/neu、ras等の癌遺伝子;グルタミン酸受容体、ドーパミン受容体等の神経伝達物質受容体、等が含まれる。また、異種ヌクレオチド配列はアンチセンス分子(DNAまたはRNA)をエンコードすることもできる。これらの分子は、特定の疾病に関連した遺伝子発現の調節に用いることができる。アンチセンス分子は、プロモーターに関してコーディング領域の向きを逆にすることにより、ヌクレオチド配列から得られる。従ってアンチセンスRNAは対応するmRNAに対して相補的である。アンチセンス・サイエンスの復習のためには、Green,ら(1986)を参照。そしてこれはその引用により本明細書に組み入れられる。アンチセンス配列は、安定性を増し、RNA感受性に対する感度を下げるため、修飾された糖リン酸主鎖を含むことができる。修飾の例がRossi,ら(1991)により開示されている。異種ヌクレオチド配列は、好ましくは、所望の標的細胞の配列の転写を指示することができるプロモーター配列に作動的に連鎖している。そのプロモーターは、HSV−1 IE及びIE 4/5プロモーター等のプロモーターであってもよい。また、特定の標的細胞の異種配列の転写を指示する能力を有するプロモーターも使用することができる。例えば、標的細胞がニューロン細胞の場合、ニューロン特異エノラーゼ・プロモーター[Forss−Petter,ら(1986)]等のプロモーターを使用することができる。ラット・チロシンヒドロキシラーゼ(TH)プロモーターは、中脳の細胞型特異発現を支持することができる[Song,ら(1995)]。更に、ある実施態様では、当分野で良く知られている誘発性プロモーターや他の誘発性調節配列の使用が好ましい。例えば、HIV感染細胞を標的とする場合には、所望の蛋白質をエンコードする遺伝子に作動的に連鎖されたtar配列を使用することができる。そのようなシステムでは、その感染細胞により生成されたtat蛋白質は、作動的に連鎖された遺伝子の発現をトランス活性化する。野生型ヘルペスウイルスをもたらす、パッケージングベクターとヘルペスウイルスDNAベクターとの間の組換えが生じる可能性を最小化するため、パッケージングベクターは少なくとも1つのヘルペスウイルスDNAベクターと最小程度の相同性を有し、及び/又は、ヘルペスウイルスDNAベクターは細胞障害性または免疫原性機能を有する蛋白質をエンコードする少なくとも1つの機能的ヘルペスウイルス遺伝子を持っていないことが望ましい。従って、ヘルペスウイルスパッケージングベクターとヘルペスウイルスDNAベクターとの間の配列の重複を低減し、使用されるDNA複製開始点(ori)と使用されるあらゆるヘルペスウイルスプロモーターとを除き、ヘルペスウイルスDNAセグメントと40%以上の配列の相同性を示す20もしくはそれ以上のヌクレオチド領域が無いようにすることが好ましい。また、これらの2つの異なるベクターで異なるプロモーターが使用されることが、より好ましい。更に、異なるDNA複製開始点を使用することが、より一層好ましい。これらの目標は、本開示内容に基づいて、当分野で知られている様々な手段により達成することができる。例えば、ヘルペスウイルスとしてHSV−1を使用し、パッケージングベクターにoriSを使用する場合、ヘルペスウイルスDNAベクターセグメントのoriSを除去するか、別なoriに置換する。また、ヘルペスウイルスベクターのoriを置換する代わりに、パッケージングベクターのoriを置換しても良い。より好適には、HSV−1のoriが、ヘルペスウイルス・ファミリーの別なメンバーからのoriに置換される。例えば、ウシのヘルペスウイルスのoriをコアのori領域に保存し、次いで分裂させ使用する。同様に、ヘルペスウイルスDNAセグメントのプロモーターを他のヘルペスウイルスプロモーターに置換し、それらがパッケージングベクターのプロモーターとは異なるようにすることもできる。例えば、HSV−1のoriSの場合、IE 3及びIE 4/5プロモーターを、そのoriの前のセグメントに混合する。これらのプロモーターは、IE 1及びIE 2等の他のHSV−1 IEプロモーターと置換することもできる。好適性は減るが、それと代替的に、ヘルペスウイルスDNAセグメントのプロモーターを置換することもできる。これを行う場合、適当なタイミングで特定の遺伝子の発現をもたらすプロモーターを使用するように注意を払わなければならない。その他にも、より小さなorisフラグメントをベクターに用いる等、パッケージングベクターとヘルペスウイルスベクターとの間の相同性を低減させる方法はある。しかし、oriフラグメントを短くすると力価収率が下がることがある。これらの手法のいずれかを用いて、またはそれらを組み合わせて相同性のレベルを低減させることができる。代替的に、または上述の相同性を低減させる手法と組み合わせて、ヘルペスウイルスDNAセグメントからの遺伝子の配列を、それが機能性蛋白質をエンコードしないように改変することができる。ここで用いる「機能性」という用語は、野生型の活性を有する蛋白質を意味する。例えば、必須遺伝子や、その能力を有する必須遺伝子の部分、あるいはウイルスのDNA複製または細胞障害性に必要な遺伝子を欠失させることができる。更に、読み枠を改変したり、あるいは別な方法で機能性蛋白質の表現を妨げるヌクレオチドを挿入することもできる。例えば、HSV−1の場合、IE 2及びIE 3遺伝子が、必須遺伝子を不活化するための好ましい候補である。これは、部分的には、これらの遺伝子を発現する細胞系が当分野で知られていることと、これらの遺伝子を用いることにより野生型ウイルスを産出する危険性無しに粒子を発現することができることによるものである。例えば、E5細胞はIE 3を表現し、2−2細胞はIE 2を表現する。従って、所望の細胞系において、必要なヘルペスウイルス蛋白質をルーチン的に発現させることができる。これらのヘルペスウイルス粒子にその粒子を使用することにより、既知の技法を用いて、ヘルペスウイルスDNAセグメントを改変し、粒子に存在する細胞変性作用をもたらす蛋白質をエンコードする遺伝子を不活化することができる。例えば、細胞性蛋白質合成に影響を及ぼす蛋白質を不活化することができる。HSV−1においては、UL 41遺伝子産物(それらは、57kb及び58kbであるが)、細胞性蛋白質合成の阻害と細胞mRNAの分解の両者を指示している[Read,ら(1993);James,ら(1995)、これらは出典を記載したことにより本明細書に組み入れられている]。UL 13は、細胞性蛋白質合成の遮断を指示することができるプロテインキナーゼをエンコードしている。このプロテインキナーゼは自己リン酸化と種々のHSV−1蛋白質のリン酸化の両者に関与している[Cunningham,ら(1992);Coulter,ら(1993)]。UL 13を欠失させることにより、その遺伝子産物がUL 41遺伝子産物と協同して作用することを指示する細胞性蛋白質合成の遮断を有意に低減することができる。但し、それはUL 41遺伝子産物をリン酸化するものではない。細胞性遺伝子発現に影響を及ぼし得る遺伝子を改変することもできる。例えば、HSV−1の場合、VP 16は、IEプロモーターの活性を増大させ、また、潜在的に細胞性遺伝子の発現をもたらすこともできる。UL 48遺伝子はトランスアクチベーターをエンコードしている。しかし、UL 48遺伝子産物自体はHSV−1粒子の集合に必須であり、そのため蛋白質のこの部分を破壊することはできないが、この蛋白質を改変し、破壊、またはそのトランスアクチベーション活性を低減させることができる[Ace,ら(1988);Ace,ら(1989)参照]。UL 46遺伝子産物はUL 48遺伝子産物の転写活性を増大させ、UL 47遺伝子産物はUL 48遺伝子産物の転写活性を減少させる。これらの遺伝子産物は、DNA、UL 48遺伝子産物、及び細胞性因子と複合体を形成する[McKnight,ら(1987);Carpenter,ら(1991)]。US 11遺伝子産物は、仁の60SリボソームRNAと連携しており、特異HSV−1エンコードRNAのプロセッシングを阻害し、細胞質の60Sリボソームサブユニットに結合する[Roller,(1994)]。細胞性蛋白質のリン酸化に影響を及ぼし得る蛋白質をエンコードする遺伝子がある。例えば、HSV−1は2つのser/thrプロテインキナーゼをエンコードしている。前述のUL 13及びUS 3もそうである。蛋白質のリン酸化は免疫反応をトリガーすることができ、神経細胞はシグナル導入経路を使って情報を処理する。免疫反応及び情報処理は、共に、HSV−1粒子蛋白質が分解された後にも長期にわたって持続する作用をもたらすことがある。本開示に基づき、標準的な方法を使ってこれらの蛋白質を不活化することによりこれらの影響を最小化するのが好ましい。不活化は、突然変異によりその蛋白質をエンコードする遺伝子を欠失させたり、置換によりその蛋白質を不活化することにより行うことができる。また、粒子の表面に存在する非必須HSV−1糖蛋白質をエンコードする遺伝子を不活化することにより免疫反応を減じることもできる。ある例では、できる限りヘルペス粒子に似せることが望ましい場合があるが、他の例では、単に免疫応答の発生を助けているに過ぎない不必要な多くの蛋白質が粒子の表面に存在している場合もある。ヘルペスウイルス粒子は多くの糖蛋白質を含んでいる。例えば、HSV−1粒子は約12個のHSV−1エンコード糖蛋白質を含んでいる。これらのうち2つの糖蛋白質がHSV−1の溶菌サイクルにとって必須である:UL 27及びUS 6は、感染(例えば、HSV−1粒子と細胞の原形質膜との間の膜−膜融合)の初期イベントを仲介するgB及びgDをエンコードしている。UL 10はgMをエンコードしており、UL 10の欠失突然変異体は培養線維芽細胞中で良く成長する[MacLean,ら(1991);Baines,ら(1991);MacLean,ら(1993)]。UL 43は機能が未知の膜関連蛋白質をエンコードしているが、欠失突然変異蛋白質は培養線維芽細胞中で良く成長する[MacLean,ら(1991)]。UL 44はgCをエンコードしており、突然変異体は培養線維芽細胞中で良く成長する[Hidaka,ら(1990)]。US 4は、gG及び、US 4の発現を崩壊させ、培養線維芽細胞中で良く成長するLacZ挿入突然変異蛋白質をエンコードしている[Balan,ら(1994)]。US 5は、gJ及び、発現を崩壊させ、培養線維芽細胞中で良く成長するLacZ挿入突然変異蛋白質をエンコードしている[同]。US 7及びUS 8は、それぞれ、gIとgEをエンコードしている。これらの2つの糖蛋白質は、免疫グロブリンクラスg(IgG)のFc領域に対する受容体として機能する複合体を形成し、従って、部分的に、HSV−1粒子と、免疫系エフェクター機構からの感染細胞との両者を保護している[Frank,ら(1989)]。これらの蛋白質のいずれかの表現を崩壊する突然変異体は、培養線維芽細胞中で良く成長する。UL 56は、HSV−1に対するIgM及びIgG抗体により認識されるHSV−1粒子に含まれる蛋白質をエンコードしている。欠失突然変異体は培養線維芽細胞中で良く成長し、マウスに注入すると、病原性の低下を示す[Rosen−Wolff,ら(1991)]。粒子が使用される方法に応じて、これらの遺伝子を幾つでも不活化することができる。ヘルペスウイルスによる感染及びDNA複製に感受性を有する細胞をベクターによりトランスフェクションし、ヘルパーウイルス−フリーシステムにおいてウイルス粒子を調製する。ベクターはで調製することができ、次いで、その粒子を収集、精製し、当分野で良く知られた方法でそれらを注入する。より好適には、粒子を精製し、次いでそれらを用いて所望の細胞をトランスフェクションする。本教示に基づき、標準的な技法により、ヘルペスウイルスDNAセグメントを表現する一時的な、あるいは安定した細胞系を調製することができる。例えば、ヘルペスウイルスDNAセグメントを調製するのに使用した各コスミドからの大きなフラグメントがゲル精製され、λ粒子にパッケージされ、大腸菌のコスミドとして増殖される。「a」配列を持たないコスミドは、制限エンドヌクレアーゼ分析により同定することができる。代替的に、挿入変異、欠失変異、または点突然変異等の標準的な突然変異誘発法を用いて、ヘルペスウイルスDNAセグメント内に含まれている「a」配列を除去及び/又は不活化してもよい。「a」配列の欠失変異体は、パッケージング能力を失っているクローンに対するスクリーニングにより選択することができる。その後、安定した細胞系が必要な場合は、標準的な技法により安定してトランスフェクションされている細胞をスクリーニングすることができる。そのような安定したヘルペスウイルスDNA細胞系は、パッケージングベクターによるトランスフェクションにとって好ましいソースである。代替的に、細胞をヘルペスウイルスDNAベクターとパッケージングベクターの両者によりコトランスフェクションすることもできる。本発明のヘルペスウイルス粒子は、異種DNAを標的細胞に導入するために用いることができる。標的細胞は、生体内、試験管内あるいは生体外であってよい。また、標的細胞は分裂細胞でも静止細胞でもよい。静止細胞には非有糸分裂細胞や有糸核分裂後細胞が含まれる。好ましい非有糸分裂細胞はグリアである。好ましい有糸核分裂後細胞はニューロンである。また、標的細胞には例えば神経細胞またはニューロン細胞等の神経系細胞も含まれる。導入すべき異種遺伝子を担持するウイルス粒子の標的細胞への導入は、当業者により知られている何らかの方法で成し遂げられる。例えば、定位的注入により脳の所望の位置にウイルス粒子を差し向けることができる。定位的脳手術は標準的な神経手術法を用いて実施される[PellegrinoとCushman,(1971)]。更に、粒子は、SynchroMed注入システム等の小型ポンプ注入システムを用いる大脳室内(「icv」)注入により導入することもできる。バルク・フローに基づく対流(convection)と呼ばれる最近の方法は、脳の広範な領域に大きな分子を導入するのに有効であることが証明されており、ウイルス粒子を標的細胞に導入するのにも有用であろう[Bobo,ら(1994);Morrison,ら(1994)]。カテーテル法や、静脈注射、非経口的注射、腹腔内注射、及び皮下注射、経口あるいは他の既知の投薬経路を含む他の方法を使用することもできる。充分量のウイルス粒子を注入し、標的細胞を含む組織における治療用蛋白質の血清濃度を約1pg/mlから20μg/mlとする。より好適には、約0.1μg/mlから10μg/mlである。より一層好適には、約0.5μg/mlから10μg/mlである。例えば、経口的に投薬することができる固形の用量剤形は、カプセル剤、錠剤、ピル、粉末剤、及び顆粒剤を含む。そのような固形剤の場合、活性成分、即ち、中空ウイルス粒子が、スクロース、ラクトース、またはデンプン等の少なくとも1つの不活性担体と混合される。また、このような固形剤は、不活性希釈剤の他、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤等の付加的物質を含んでいてもよい。更に、剤形がカプセル剤、錠剤、及びピルの場合には緩衝剤を含んでいてもよい。また、錠剤、カプセル剤、及びピルは、粒子を予め定められた時限にわたって放出するための限時解放被覆剤を含むことができる。非経口的に投薬する場合、典型的には、薬学的に受容可能な非経口的賦形剤と共に、滅菌された水性または非水性溶液、懸濁液、あるいは乳濁液を含む。非水性溶媒または賦形剤の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油及びトウモロコシ油等の植物油、ゼラチン、及びオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルである。また、これらの用量剤形は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤等の添加剤を含んでいてもよい。それらは、ウイルス粒子を不活化しないよう注意を払いさえすれば、例えば、細菌保持濾過器による濾過、組成物への滅菌剤の組み込み、組成物への放射線照射、等の様々な方法で滅菌してもよい。また、それらは、使用前に、滅菌水や注射可能な他のある滅菌媒質で調製することもできる。これらの賦形剤の更なる例としては、食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、及び5%ヒト血清アルブミンを含む。また、リポソームも担体として使用することができる。例えば緩衝液及び保存剤等の等張及び化学的安定性を増強する物質等の添加剤を使用してもよい。そのような賦形剤中の活性成分の好ましい濃度範囲は約1mg/mlから約10mg/mlである。より好適には、約3mg/mlから約10mg/mlである。以下の実施例により本発明を更に説明する。これらの実施例は本発明を理解する上での助けとするために挙げたもので、それを限定するものとして解釈すべきではない。実 施 例実施例Iヘルパーウイルス−フリーHSV−1パッケージングシステムの作成我々は、HSV−1ゲノム(コスミドセットC)を発現する1組の5個のコスミドを修飾することにより、ヘルパーウイルス−フリーパッケージングシステムを開発した[cunningham,ら(1993)]:ウイルス形成を阻害するため、DNA切断/パッケージングシグナルを含む「a」配列を、2個のコスミド(コスミドセットC6Δa48Δa)から除去した(第1A及び1B図)。recA補助制限エンドヌクレアーゼ切断法[Ferrin,ら(1991)]を用いて、「a」配列[cos6、ヌクレオチド783及び151,436;cos48、ヌクレオチド125,585及び126,793(McGeoch,ら(1988))]に隣接する2つのHinP1 I部位での選択的消化により「a」配列を除去した。2つのオリゴヌクレオチドを使用して、2つの各HinP1 I部位に、Hha Iメチラーゼによるメチル化に耐性を示す三本鎖DNAの領域を形成した。1つのオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド753−812(cos6)と125,559−125,618(cos48)に対して相補的である[McGeoch,ら(1988)]。(5'GGCGGCGGCGGTGGGCCGGGCCTCTGGCGCCGACTCGGGCGGGGGGCTGTCCGGCCAGTC3')(配列番号:1)、及び他方のオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド151,409−151,468(cos6)と126,764−126,823(cos48)に対して相補的である。(5'CTCAGGTCAGAGATCCAAACCCTCCGGGGGCGCCCGCGCACCACCACCGCCCCTCGCCCC3')(配列番号:2)。90ngの各オリゴヌクレオチド、1μgのコスミドDNA、及び10μgの大腸菌recA蛋白質(New England Biolabs)を、37℃で10分間、一緒にインキュベートした。10単位のHha Iメチラーゼ(New England Biolabs)とS−アデノシルメチオニン(最終濃度120μM)を加え、反応物を、37℃で50分間、インキュベートした。Hha Iメチラーゼを不活化するとともにrecA−DNA複合体を解離するための熱処理(65℃、10分間)後、そのDNAをHinP1 Iで消化した。大きなDNAフラグメントをアガロースゲル電気泳動で分離し、T4DNAリガーゼを用いて連結反応させ、バクテリオファージ・ラムダ粒子(Gigapack Plus、Strategene)内にパッケージングした。コスミドを大腸菌XL1Blue MR(Strategene)で増殖させ、「a」配列を欠いているコスミドを制限エンドヌクレアーゼ分析により同定した。同様な方法を用いて、水痘帯状疱疹ウイルスゲノムを表現するコスミドセットから、リボヌクレオチドレダクターゼの大きなサブユニットを除去した[Heineman,ら(1994)]。この実施例で使用されるプラスミドベクターであるpHSVlacは、HSV−1DNA複製開始点orisと、パッケージングを支持し、HSV−1即時型(IE)4/5プロモーターからの大腸菌lacZ遺伝子を表現するための「a」配列とを含んでいる[Geller,ら(1988);Geller,ら(1990)]。コスミドを、HSV−1挿入物を切除するため、Pac Iで消化した後、フェノール抽出により精製し、2−2細胞[Smith,ら(1992)]を、10%の胎児ウシ血清(FBS)を含むダルベッコの修飾最少必須培地(DMEM)で増殖させ、4×105個/60mmの密度で組織培養皿にプレートした。翌日、その細胞を、lipofectAMINE法(GIBCO)を用いてトランスフェクションした:0.4μgのpHSVlac DNAと0.4μgの各コスミドDNAを100μlのOPTI−MEM I中に希釈し、12μlのlipofectAMINEを含む100μlのOPTI−MEM Iと混合し、室温で45分間インキュベートした後、0.8mlのOPTI−MEM Iを加えた。一度細胞をOPTI−MEM Iで洗浄した後、DNA/lipofectAMINE溶液を加え、細胞を、37℃で5.5時間、インキュベートした。細胞をOPTI−MEM Iで3回洗浄した後、2%FBSを含む3mlのDMEMを加え、細胞を、37℃で2.5日間、インキュベートした。pHSVlac粒子を収集するため、細胞を媒質中にすり落とし、懸濁液を、3回、凍結融解し、音波処理し、遠心分離(10分間、〜1,400×g)により細胞片を除去した。高い効率でトランスフェクションできることから2−2細胞を用いた;しかし、pHSVlacの力価は下がったが、VERO細胞またはBHK−21細胞のどちらを用いてもこの方法を上手く実施することができた。コスミドセットC6Δa48ΔaとpHSVlacの混合物と共に細胞をコトランスフェクションすることにより、コスミドはHSV−1粒子(pHSVlac/ヘルパー−フリー)内へのpHSVlacのパッケージングを指示したが、HSV−1は生成されなかった。コスミドセットC6Δa48ΔaとpHSVlacを用いた〜200回のパッケージング実験において、この結果が繰り返し得られた。異なるパッケージング法を用いて得られたpHSVlac系統の特性が以下の表Iに示されている。pHSVlacは、ヘルパーウイルス−フリーシステムを使用するか、ヘルパーウイルスKOS 5dl1,2を使用するかのいずれかによりパッケージングされた。pHSVlac(IVP)の力価は、BHK−21細胞及びX−galを用いた細胞化学染色法により決定し、HSV−1(PFU)の力価は、2−2細胞を用いた標準プラーク検定により決定した。IE 1の発現は抗−ICPO抗体を用いて検出した。ND=不実施。これらのベクター粒子は、pHSVlac/ヘルパー−フリー粒子をカーボン被覆パルロジオンフィルムに吸着することにより電子顕微鏡で調べた。更に、それらを300メッシュの銅格子に載置し、2%Na−リンタングステン酸(pH6.6)で30秒間ネガティブ染色し、空気乾燥後、直ちにPhilips CM12電子顕微鏡を用いて100kVで調べた。電子顕微鏡によるこれらのベクター粒子の調査の結果、wt HSV−1[Schrag,ら(1989)]に匹適する構造を有するヌクレオカプシド(第2A及び2B図)が示された。コスミドセットC6Δa48Δaのみ、またはpHSVlacのみで行ったトランスフェクションはパッケージングされたベクターもHSV−1も生成しなかったが、一方、pHSVlacと、1つの「a」配列または2つの「a」配列(非修飾コスミドセットC)を含むコスミドセットとを用いて行ったトランスフェクションは、ベクターのパッケージングとHSV−1の形成の両方を支持した。pHSVlacとcos6Δa及びcos48Δa(orisを含む1.05kb及びIE 4/5プロモーター)の双方との間の限定された配列相同性のため、pHSVlacといずれかのコスミドとの間の相同的組換えは、パッケージングに必要な両エレメント(oris及び「a」配列)を含むHSV−1ゲノムのフラグメントを産生することができた。しかし、複製及びパッケージングされるためには、そのようなDNA分子が環状化されなければならず、また、完全な環状HSV−1ゲノムを産生するには最小限6個の組換えが必要である。感染性HSV−1を産生する確率は、HSV−1プラスミドベクターとコスミドセットC6Δa48Δaとの間のあらゆる配列相同生をなくすことにより更に低減させることができるであろう;即ち、感染性HSV−1の産生には非正統的組換えが必要である。更に、コスミドセットC6Δa48Δaから必須遺伝子[例えば、IE 2(21)]を除去することにより、もし何らかのヘルパーウイルスが産生された場合でも、それがwt HSV−1と似つかないものであることが保証されよう。pHSVlacとパッケージされたいずれかのコスミドとの間で何らかの組換えが起こっているかどうかを決定するため、我々は、抗ICPO抗体を用いて免疫細胞化学検定を行った。感染の1日後、VERO細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、次いで、マウス抗−ICPO抗体(腹水の1:1000希釈液)と共に一晩インキュベートした[Everett,ら(1993)]。免疫反応性を、アルカリホスファターゼ−複合ヤギ抗−マウスIgG抗体(希釈率1:2000)(Boehringer Mannheim)とBCIP/NBT基質(Sigma)を用いて視覚化した。ICPOはcos6Δaとcos48Δa(第1A及び1B図)の双方に存在するIE 1遺伝子によりエンコードされており、HSV−1粒子には存在しない。ICPOの免疫反応性は、pHSVlac/ヘルパー−フリーで感染された細胞では検出されなかった(表I)が、以上で検討したように生成されたDNA複製−欠失ヘルパーウイルス(pHSVlac/ヘルパー)を用いてパッケージされたpHSVlacで感染された細胞の核では観察された。それと対照的に、HSV−1粒子の免疫反応性は、pHSVlac/ヘルパー−フリーかpHSVlac/ヘルパーのいずれで感染させた場合にも観察された(表示せず)。DNA複製−欠失ヘルパーウイルス(pHSVlac/ヘルパー)を生成するため、IE 2欠失突然変異体HSV−1 KOS 5dl1,2[Sacks,ら(1987)]及び2−2細胞[Smith,ら(1992)]を用いて、確立された方法[Geller,ら(1990);Lim,ら(1995)]によりpHSVlacをパッケージングした。このヘルパーウイルスはIE 3欠失突然変異体と類似した細胞変性作用をもたらし、wt HSV−1への復帰頻度は<10-7であった(F.Lim,未刊資料)。実施例II試験管内遺伝子導入遺伝子導入実験に使用する前に、力価が1ml当たり少なくとも1×107個の感染性ベクター粒子(IVP)を得るため、pHSVlac系統を精製及び濃縮した[Lim,ら(1995)]。培養ラット大脳皮質細胞[Choi,ら(1987)]をpHSVlac/ヘルパー−フリーまたはpHSVlac/ヘルパーで感染させ、2日、4日、または8日後に、X−galで染色した[Emson,ら(1990);Smith,ら(1995)]。pHSVlac/ヘルパーで感染させた培養物は、この期間の間に、β−ガラクトシダーゼ陽性細胞の数(第2、A、B、及びG図)が徐々に減少した。これと対照的に、pHSVlac/ヘルパー−フリーで感染させた場合には、β−ガラクトシダーゼ陽性細胞の数が比較的一定に保たれ(第2、C、D、及びG図)、陽性細胞はニューロンかグリアかいずれかの形態を示した(第2、E及びF図)。遺伝子導入の7日から8日後、細胞から培地に放出された乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性を測定することにより細胞変性作用を定量化した[Koh,ら(1987)]。pHSVlac/ヘルパーは、mock感染培養物と比較して、〜2倍のLDH放出上昇をもたらし、一方、pHSVlac/ヘルパー−フリーは有意なLDH放出の変化を示さなかった(表示せず)。実施例III生体内遺伝子導入等量(9×103IVP)のpHSVlac/ヘルパーかpHSVlac/ヘルパー−フリーかのいずれか、またはリン酸バッファー食塩水(PBS)を、成体ラットの右側中脳(MB)及び左側線条体(ST)へ定位的に注入した。ウイルス系統を、雄スプレーグ−ドーリーラット(100−125グラム)の右側MB(AP3.5、ML4.0、DV6.8;正中線に向けた針に対する角度20゜)及び左側ST(AP0.5、ML.0、DV6.0)に定位的注入(10分にわたり3μl/部位)により導入した。座標はブレグマ及びブレグマ−ラムダに関するミリメートル数を示している[Paxinos,ら(1986)]。4日または1ヶ月後に、ラットを抱水クロラール(400mg/kg、ip)で麻酔し、50mlのPBSを経心的に注入した後、PBS中4%のパラホルムアルデヒド200mlを注入した。脳を凍結保護し、凍結ミクロトームで30μmの冠状縫合切片を切り出し、4℃でPBS中に保存した。切片をクレシルバイオレットかX−galで染色し[Emson,ら(1990);Smith,ら(1995)]、30×の倍率で細胞数計測を行った。pHSVlac/ヘルパー注入の4日後、クレシルバイオレット染色は、多くの細胞に浸潤が生じ、注入部位の近位でかなり細胞が損傷していることを示した(第3A図及び表II)。それと対照的に、pHSVlac/ヘルパー−フリーは最小の細胞浸潤または細胞損傷をもたらし、注入部位はPBSで得られたものと同様の様相を呈した(第3、B及びC図;表II)。恐らく細胞障害生が低下したことにより、pHSVlac/ヘルパー−フリーは、pHSVlac/ヘルパーの場合よりも多くのβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞を生成した(第3、D及びE図;表II)。〜3倍多いpHSVlac/ヘルパー−フリー(3×10 4IVP)を注入したところ、細胞損傷が最小の状態で、β−ガラクトシダーゼ陽性細胞数が略比例的に増大した(第3F図)。遺伝子導入の1ヶ月後に、β−ガラクトシダーゼ陽性細胞数が有意に減少した:pHSVlac/ヘルパー−フリーは、4日後に観察されたうち、平均で〜5%(MB)及び〜2%(ST)のβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞数を生成し、一方、pHSVlac/ヘルパーの場合は、どちらの領域(ラット2匹/グループ)でも陽性細胞を生成しなかった。pHSVlac/ヘルパー−フリー注入の4日後と1ヶ月後のどちらの場合も、多くのβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞が神経の形態を呈した(第3、G及びH図)。以下に挙げる表IIは遺伝子導入の効率と脳内におけるpHSVlac DNAの存続性を示している。表IIにおけるβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞数の平均値と細胞浸潤の平均面積は、右側MBと左側ST(25)(ラット3匹/グループ)に遺伝子を導入してから4日後に測定した。染色に用いられた場所に隣接した脳の区域からDNAを抽出し、以下のようにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析に掛けた:0.5mgの組織/μl[Higuti,(1989)]及びアリコートを、lacZ遺伝子[Kalnin,ら(1983)]から誘導したプライマー(5ピコモル)を用いてネスト(nested)PCRに掛けた。一次反応:100μl中に10ngのDNA;プライマー、ヌクレオチド1,802−1,826(5'TCTGTATCAACGGTCTGGTCTTGC3')(配列番号:3)及びヌクレオチド2,882−2,905(5'CATCAGTTGCTGTTGACTGTAGC3')(配列番号:4)に相補的;25サイクル;94℃、1分間;50℃、1分間;72℃、4分間。二次反応:100μl中に2μlの一次反応物;プライマー、ヌクレオチド2,034−2,057(5'GTTGATTGAACTGCCTGAACTACC3')(配列番号:5)及びヌクレオチド2,594−2,616(5'CACTTCAACATCAACGGTAATCG3')(配列番号:6)に相補的;40サイクル;94℃、1分間;55℃、1分間;72℃、4分間。反応生成物を1.2%アガロースゲルで電気泳動させた。PCRは、pHSVlac/ヘルパー−フリーとpHSVlac/ヘルパーのいずれにおいても、pHSVlac DNAが注入後少なくとも1ヶ月は存続することを示し(第6図)、ヘルパーウイルスがpHSVlac DNAの存続にとって必要でないことを立証した。pHSVlac/ヘルパー−フリーを受けたすべてのラットが健常性を呈し、体重が増加し、食物摂取や総体的な動的行動に変化を示さず、殺されるまで生存し、また、組織学的分析では脳腫瘍は見られなかった。これらのHSV−1プラスミドベクター系統にヘルパーウイルスが存在しないことから、(i)内在性ウイルスとの相互作用の確率が低下し、(ii)遺伝子導入がより効率的になり、(iii)細胞変性作用が低減し、(iv)細胞湿潤が低減する、という結果がもたらされた。これらの改善点の多くは、細胞変性作用と免疫応答の双方の大半がヘルパーウイルスからの遺伝子発現に原因があったために実現されたものであろう[Johnson,ら(1992a);Johnson,ら(1992b);Nguyen,ら(1992);Johnson,ら(1994);Wood,ら(1994);Ho,ら(1995)]。ベクターDNAは神経細胞で存続できることから、生体内における長期遺伝子発現の不安定性は、少なくとも一部は、IE 4/5プロモーターの失活によるとするのがもっともらしく、また、安定性の増大は異なるプロモーターを用することにより得られるものと思われる。ベクターシステムに対する付加的な修飾が、残存する潜在的な細胞変性作用を低減し、HSV−1の形成に対する更なる障壁を付加するものと思われる。以下は前記明細書中で参照されている刊行物のリストであり、その開示は出典に記載することにより明細書に組み入れられている。前述の開示によって利益を受ける当業者が、本発明の概念から逸脱しない限りそれに様々な変更を加えたり、記載された特定の実施態様から逸脱してもよいことは明らかである。従って、本発明は、添付した請求の範囲及びその精神によってのみ限定されるべきである。配列表配列番号:1配列の特性:長さ:60塩基対型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状分子の型:cDNA仮想的:ノーアンチセンス:ノーフラグメントの型:起源:配列配列番号:2配列の特性:長さ:60塩基対型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状分子の型:cDNA仮想的:ノーアンチセンス:ノーフラグメントの型:起源:配列配列番号:3配列の特性:長さ:24塩基対型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状分子の型:cDNA仮想的:ノーアンチセンス:ノーフラグメントの型:起源:配列配列番号:4配列の特性:長さ:23塩基対型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状分子の型:cDNA仮想的:ノーアンチセンス:ノーフラグメントの型:起源:配列配列番号:5配列の特性:長さ:24塩基対型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状分子の型:cDNA仮想的:ノーアンチセンス:ノーフラグメントの型:起源:配列配列番号:6配列の特性:長さ:23塩基対型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状分子の型:cDNA仮想的:ノーアンチセンス:ノーフラグメントの型:起源:配列 ヘルパーウイルスの非存在下においてヘルペスウイルスベクターをパッケージングするためのシステムであって:a.ヘルペスウイルスDNA複製を支持する能力を有する細胞内への導入によりヘルペスウイルス構造蛋白質を表現することができるDNAセグメントを形成することができるが、ヘルペスウイルス切断/パッケージング部位−含有配列(ヘルペスウイルスDNAセグメント)を欠いている第1ベクターと;b.ヘルペスウイルスパッケージング部位−含有配列と、ヘルペスウイルスDNA複製蛋白質及び酵素により認識されるDNA複製開始点とを含むパッケージングベクター、を含むヘルペスウイルスベクターパッケージングシステム。 第1ベクターが単一のベクターである請求の範囲第1項のシステム。 第1ベクターが2つもしくはそれ以上のベクターを含む請求の範囲第1項のシステム。 第1のベクターがコスミドcos6Δa、cos28、cos14、cos56、及び、cos48Δaを含む請求の範囲第3項のシステム。 請求の範囲第1項、第2項、第3項、または第4項のシステムによりトランスフェクションされた細胞。 ベクターが、ヘルペスウイルス構造蛋白質を集合的に表現するDNAセグメントを形成する請求の範囲第3項のシステム。 ヘルペスウイルスがアルファヘルペスウイルスである請求の範囲第1項のシステム。 アルファヘルペスウイルスが単純ヘルペスウイルスである請求の範囲第7項のシステム。 単純ヘルペスウイルスが1型単純ヘルペスウイルスである請求の範囲第8項のシステム。 パッケージングベクターがヘルペスウイルスDNAベクターと最小程度の相同性を有する、及び/またはヘルペスウイルスDNAベクターが細胞障害性または免疫原性機能を持たない請求の範囲第1項のシステム。 パッケージングベクターが、ヘルペスウイルスDNAセグメントに存在する他のどのDNA複製開始点とも異なるDNA複製開始点を有する請求の範囲第1項のシステム。 DNA複製開始点がヘルペスウイルスDNA複製開始点である請求の範囲第1項のシステム。 パッケージングベクターが、更に、異種配列と作動的に連鎖されているプロモーター配列と、RNAの転写及びプロセッシングを行うに充分でその翻訳により蛋白質が表現される配列を含んでいる請求の範囲第1項のシステム。 パッケージングベクターが、更に、プロモーター配列に次いで介在配列を含んでいる請求の範囲第13項のシステム。 プロセッシングを行うに充分な配列がポリアデニル化配列である請求の範囲第13項のシステム。 異種配列が治療用蛋白質、アンチセンスDNAまたはRNA、もしくは抗原蛋白質をエンコードする請求の範囲第13項のシステム。 ヘルペスウイルスDNAセグメントが、細胞変性作用または免疫応答を招く遺伝子を発現する能力を持たない請求の範囲第13項のシステム。 ヘルペスウイルスDNAセグメントが必須ヘルペスウイルス遺伝子を発現する能力を持たず、該必須遺伝子が細胞系のゲノム内に含まれている請求の範囲第13項のシステム。 異種DNA配列を含むヘルペスウイルス粒子を生成するための請求の範囲第13項のシステムの使用。 異種DNAを含む請求の範囲第19項の粒子を、標的細胞と接触させるか、該標的細胞を含む宿主(ヒトを除く)に投与することからなる異種DNAを標的細胞に導入するための方法。 標的細胞が分裂細胞または静止細胞である請求の範囲第20項の方法。 静止細胞が非分裂細胞または有糸核分裂中止後細胞である請求の範囲第21項の方法。 非分裂細胞がグリアであり、有糸核分裂中止後細胞がニューロンである請求の範囲第22項の方法。 標的細胞が神経系の細胞型である請求の範囲第20項の方法。 標的が神経細胞またはニューロン細胞である請求の範囲第24項の方法。 機能性ヘルペスウイルス切断/パッケージング部位−含有配列を欠失させることにより野生型から改変されたヘルペスウイルスゲノムおよび、ヘルペスウイルスパッケージング部位−含有配列とヘルペスウイルスDNA複製蛋白質及び酵素により認識されるDNA複製開始点とを含むDNAセグメントを含んで形質転換された、ヘルペスウイルスDNA複製を支持することができる細胞系。 DNAセグメントが、更に、異種配列と作動的に連鎖されているプロモーター配列と、RNAの転写及びプロセッシングを行うに充分でその翻訳により蛋白質が表現される配列を含んでいる請求の範囲第26項の細胞系。 細胞系が一時的にトランスフェクションされている請求の範囲第27項の細胞系。 細胞系が安定的にトランスフェクションされている請求の範囲第27項の細胞系。 請求の範囲第27項の細胞系によって生成される異種DNA配列を含むヘルペスウイルス粒子。


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