生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_ゴーシェ病の診断のための方法
出願番号:2014513942
年次:2014
IPC分類:G01N 33/92,G01N 33/68,G01N 33/53,G01N 27/62


特許情報キャッシュ

ロルフズ アーント マシャー ヘルマン JP 2014517308 公表特許公報(A) 20140717 2014513942 20120606 ゴーシェ病の診断のための方法 セントジーン アーゲー 513307461 清水 初志 100102978 春名 雅夫 100102118 山口 裕孝 100160923 刑部 俊 100119507 井上 隆一 100142929 佐藤 利光 100148699 新見 浩一 100128048 小林 智彦 100129506 渡邉 伸一 100130845 大関 雅人 100114340 五十嵐 義弘 100114889 川本 和弥 100121072 ロルフズ アーント マシャー ヘルマン EP 11004597.8 20110606 G01N 33/92 20060101AFI20140620BHJP G01N 33/68 20060101ALI20140620BHJP G01N 33/53 20060101ALI20140620BHJP G01N 27/62 20060101ALI20140620BHJP JPG01N33/92 ZG01N33/68G01N33/53 SG01N27/62 V AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA EP2012002409 20120606 WO2012167925 20121213 54 20140120 2G041 2G045 2G041CA01 2G041DA05 2G041EA04 2G041FA12 2G041HA01 2G041LA07 2G041LA08 2G045AA25 2G045CA25 2G045CA26 2G045CB07 2G045DA60 2G045FB03 2G045FB12発明の分野 本発明は、対象におけるゴーシェ病を診断するための方法、対象におけるゴーシェ病の経過を決定するための方法、ゴーシェ病に罹患していることまたはゴーシェ病の発症リスクがあることについての試験結果が陽性であった対象に適用された少なくとも1つの治療の有効性を決定するための方法、ゴーシェ病を治療するための化合物の有効性を決定するための方法、バイオマーカーを検出するための質量分析の使用、ゴーシェ病のバイオマーカーの使用、対象に由来する試料中のバイオマーカーの存在を決定するためのキット、およびソフトウェア製品に関し、バイオマーカーは遊離lyso-Gb1である。発明の背景 ライソゾーム蓄積症は本明細書においてライソゾーム蓄積障害またはLSDとも呼ばれ、ライソゾーム機能の欠陥に起因する稀な遺伝性代謝障害の一群である。身体細胞内の特定の細胞小器官-ライソゾームが機能不全になった時にLSDが生じる。よく知られているライソゾーム蓄積症のいくつかがゴーシェ病およびファブリー病である。 LSDは、通常、脂質、糖タンパク質、またはいわゆるムコ多糖の代謝に必要な1種類の酵素が欠損した結果であるライソゾーム機能不全によって引き起こされる。個人個人としてLSDは約1:10,000〜1:250,000の頻度で発生するが、集団としての発生率は約1:5,000である。これらの障害のほとんどは常染色体劣性遺伝性である。しかしながら、ファブリー病およびハンター症候群(MPSII)などの少数の障害はX連鎖遺伝性である。 他の遺伝病と同様に、典型的にライソゾーム蓄積症は親から遺伝する。それぞれの障害は、酵素活性の欠損に変わる異なる遺伝子変異に起因するが、これらは全て、ほぼ全てのライソゾーム障害がライソゾーム内への物質の異常蓄積から生じるという共通の生化学的特徴を共有する。 ライソゾーム蓄積症は主に小児がかかり、多くの場合、若くかつ予測できない年齢で死亡し、多くが生後数ヶ月または数年以内に死亡する。他の多くの小児は、特定の障害の様々な症状に数年間罹患した後に、この疾患で死亡する。 ライソゾーム蓄積症の症状は特定の障害ならびに発症年齢のような他の変数に応じて変化し、軽度から重度になる場合がある。ライソゾーム蓄積症の症状には、発育遅延、運動障害、発作、認知症、聴覚消失、および/または失明が含まれ得る。ライソゾーム蓄積症を有する人の中には、肝臓肥大(肝腫大)および脾臓肥大(巨脾腫)、肺問題および心臓問題、ならびに異常に発達した骨をもつ人もいる。 ライソゾーム蓄積症の原因となる治療法はなく、治療は主として対症的であるが、一部の適応症には骨髄移植および酵素補充療法(ERT)が用いられ、十分な成功を収めている。さらに、臍帯血移植がこれらの多くの疾患の専門センターにおいて行われている。さらに、これらの疾患の一部について、蓄積材料の蓄積を減少させるのに用いられる方法である基質抑制療法(SRT)が現在評価されている。さらに、これらの障害のうちいくつかについては、患者によって産生される欠損酵素を安定化するのに用いられる技法であるシャペロン療法が調べられている。遺伝子療法が、これらの疾患のさらなる治療選択肢を構成する。 現在まで、ゴーシェ病の確定診断は、β-グルコシダーゼ酵素の欠陥を直接測定する生化学検査と遺伝子確認を適用した時だけしか行うことができない。非常に多くの異なる変異が特定のライソゾーム蓄積症の原因となり得るので、診断を確定するために、ゴーシェ病ではβ-グルコシダーゼ遺伝子全体の配列決定が適用される。 高いアルカリホスファターゼレベル、アンジオテンシン変換酵素(ACE)レベル、および免疫グロブリンレベルなどの関連する生化学的異常に基づいて、またはゴーシェ病の場合は「しわのよった紙(crinkled paper)」の細胞質および糖脂質を含むマクロファージを示す細胞分析によって診断方法を適用しようとする試みがあるが、初期段階での前記ライソゾーム蓄積症の極めて特異的かつ高感度の検出を示す、この疾患の進行をモニタリングする、ならびに適用された療法の効力を早期モニタリングする簡単な生化学検査の需要は満たされていない。 したがって、ゴーシェ病を早期検出および診断するためのバイオマーカーの特定には、患者の臨床アウトカムを改善する期待が大いに持てる。症状がはっきりしない、もしくは症状が無い患者には、あるいは療法に反応しない患者を検出するには特に重要である。 バイオマーカーは多くの手において技術的に実行可能であり、測定しやすく;実験/患者と対照の間で、または治療と未治療の間で首尾一貫した、相対的な大きさで有用であり;信頼性が高く、厳密で、かつ臨床的に正確であり、強力に予測するものとして、または予後を示すものとして分類可能でなければならない。 ゴーシェ病において、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ、ヘキソサミニダーゼ、およびヒトキチナーゼであるキトトリオシダーゼを含む、間接バイオマーカーとして用いられる、いくつかのライソゾーム酵素が増加することが見出された。したがって、キトトリオシダーゼおよびCCL18のような、ゴーシェ細胞のこのような代用マーカーを測定することによって、組織内の貯蔵細胞の低減をモニタリングすることが試みられている(C.E. Hollak et al. Marked elevation of plasma chitotriosidase activity. A novel hallmark of Gaucher disease, J. Clin. Invest. 93 (1994) 1288-1292(非特許文献1); R.G. Boot et al. Marked elevation of the chemokine CCL18/PARC in Gaucher disease: a novel surrogate marker for assessing therapeutic intervention, Blood 103 (2004) 33-39(非特許文献2))。しかしながら、ゴーシェ病バイオマーカーとしてのキトトリオシダーゼの使用における他の欠点に加えて、この酵素は、ゴーシェ病病態との直接的なつながりと関係なく蓄積する。さらに、特定の民族のうち35%までが、人為的に低下したキトトリオシダーゼ活性または測定不可能なキトトリオシダーゼ活性の原因となるキトトリオシダーゼコード遺伝子欠陥を示す。 バイオマーカーとしての主要な蓄積分子の使用は、ゴーシェ病患者の血漿中のグルコシルセラミド(Gb1)について評価され、健常個体におけるGb1レベルと比較された(Groener et al. Biochim Biophys Acta. 2008 Jan-Feb;1781(1-2):72-8. Epub 2007 Dec 5.; Plasma glucosylceramide and ceramide in type 1 Gausher disease patients: correlations with disease severity and response to therapeutic intervention.; Groener JE et al.(非特許文献3))。それにもかかわらず、前記研究において測定されたGb1は前記患者の血漿中で増加したが、前記Gb1増加は顕著ではなく、したがって、前記方法の特異度および感度は低い。このことは、Gb1がゴーシェ病のバイオマーカーとして適用できないことを示している。 既に1989年には、Rosengrenら(Lysosulfatide (galactosylsphingosine-3-O-sulfate) from metachromatic leukodystrophy and normal human brain, Rosengren B, Fredman P, Mansson JE, Svennerholm L.; J Neurochem. 1989 Apr;52(4):1035-41(非特許文献4))は、リピドーシスでは主要なスフィンゴ脂質の異化だけでなく、そのリゾ化合物(lyso-compound)の異化も影響を受けることを示した。だが、この研究は、スフィンゴリピド症における発病機構においてリゾ化合物が重要な役割を果たさないと結論づけた。したがって、リゾ化合物は、ゴーシェ病などのスフィンゴリピド症の診断に適したバイオマーカーでない可能性がある。 現在まで、前記の方法の他に、特異度および感度の高いバイオマーカーの使用ならびにゴーシェ病の診断方法が利用できなかったことに注目するのは重要である。このことは、不十分な検出限界、感度、および/または特異度を示し、したがって、臨床用途に適さないことが分かる。 したがって、迅速で簡単な、より重要なことには信頼性の高いゴーシェ病の診断方法が必要とされている。C.E. Hollak et al. Marked elevation of plasma chitotriosidase activity. A novel hallmark of Gaucher disease, J. Clin. Invest. 93 (1994) 1288-1292R.G. Boot et al. Marked elevation of the chemokine CCL18/PARC in Gaucher disease: a novel surrogate marker for assessing therapeutic intervention, Blood 103 (2004) 33-39Groener et al. Biochim Biophys Acta. 2008 Jan-Feb;1781(1-2):72-8. Epub 2007 Dec 5.; Plasma glucosylceramide and ceramide in type 1 Gausher disease patients: correlations with disease severity and response to therapeutic intervention.; Groener JE et al.Lysosulfatide (galactosylsphingosine-3-O-sulfate) from metachromatic leukodystrophy and normal human brain, Rosengren B, Fredman P, Mansson JE, Svennerholm L.; J Neurochem. 1989 Apr;52(4):1035-41 前記を考慮して、本発明の根底にある問題は、ゴーシェ病を診断するための方法を提供することである。 本発明の根底にあるさらなる問題は、ゴーシェ病の経過および予後予測を決定するための方法を提供することである。 本発明の根底にあるなおさらなる問題は、ゴーシェ病に罹患していることまたはゴーシェ病の発症リスクがあることについての試験結果が陽性であった対象に適用された少なくとも1つの治療の有効性を極めて迅速に決定するための方法を提供することである。 本発明の根底にあるさらなる問題は、ゴーシェ病を治療するための化合物の有効性を決定するための方法を提供することである。 本発明の根底にある別の問題は、ゴーシェ病の特異的なかつ高感度の診断を可能にするバイオマーカーを提供することである。本発明の根底にあるなおさらなる問題は、ゴーシェ病に対して特異的なかつ高感度のバイオマーカーと相互作用する化合物を含むキットである。 これらの問題および他の問題は、添付の独立請求項の主題によって解決される。従属請求項から好ましい態様が選ばれることがある。 本発明の根底にある問題は、以下の工程を含む、対象におけるゴーシェ病を診断するための方法によって、第1の局面の第1の態様でもある第1の局面において解決される:a) 対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーを検出する工程。 第1の局面の第1の態様の一態様でもある第1の局面の第2の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:b) 試料中に存在するバイオマーカーのレベルを決定する工程。 第1の局面の第1および第2の態様の一態様でもある第1の局面の第3の態様において、バイオマーカーのレベルは、対象がゴーシェ病に罹患しているかどうか、または対象がゴーシェ病を発症するリスクがあるかどうかを示す。 第1の局面の第1、第2、および第3の態様の一態様でもある第1の局面の第4の態様において、対象に由来する試料は、以前にゴーシェ病の治療を受けたことのある、または以前にゴーシェ病と診断されたことのある対象に由来する試料である。 第1の局面の第1、第2、および第3の態様の一態様でもある第1の局面の第5の態様において、対象に由来する試料は、以前にゴーシェ病の治療を受けたことがない対象または以前にゴーシェ病と診断されたことがない対象に由来する試料である。 第1の局面の第1、第2、第3、第4、および第5の態様の一態様でもある第1の局面の第6の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:c) 対象がゴーシェ病に罹患しているかどうか、または対象がゴーシェ病を発症するリスクがあるかどうかの診断に基づいて、療法を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程。 第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、および第6の態様の一態様でもある第1の局面の第7の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:d) c)の工程における療法を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程の後に、対象に由来する試料中のバイオマーカーを検出する工程。 第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、および第7の態様の一態様でもある第1の局面の第8の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:e) c)の工程における療法を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程の後に、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程。 第1の局面の第8の態様の一態様でもある第1の局面の第9の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:f) 工程b)において決定されたバイオマーカーのレベルが、工程e)において決定されたバイオマーカーのレベルより低いかどうかを決定する工程。 第1の局面の第9の態様の一態様でもある第1の局面の第10の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:g) f)の工程に基づいて、療法を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程。 第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および第10の態様の一態様でもある第1の局面の第11の態様において、前記方法は、対象に由来する試料中の少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーを検出する工程をさらに含む。 第1の局面の第11の態様の一態様でもある第1の局面の第12の態様において、前記方法は、対象に由来する試料中の少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーのレベルを決定する工程をさらに含む。 第1の局面の第11および第12の態様の一態様でもある第1の局面の第13の態様において、少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーはキトトリオシダーゼおよびCCL18を含む群より選択される。 第1の局面の第13の態様の一態様でもある第1の局面の第14の態様において、少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーはキトトリオシダーゼである。 第1の局面の第13の態様の一態様でもある第1の局面の第15の態様において、少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーはCCL18である。 第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、および第15の態様の一態様でもある第1の局面の第16の態様において、前記方法は、キトトリオシダーゼおよびCCL18を検出する工程をさらに含む。 第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、および第16の態様の一態様でもある第1の局面の第17の態様において、バイオマーカーおよび/または少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーは、イムノアッセイ、質量分析、バイオチップアレイ、機能性核酸、および/または遊離lyso-Gb1の蛍光誘導体によって検出される。 第1の局面の第17の態様の一態様でもある第1の局面の第18の態様において、バイオマーカーは質量分析によって検出される。 第1の局面の第18の態様の一態様でもある第1の局面の第19の態様において、質量分析は、SELDI、MALDI、MALDI-Q TOF、MS/MS、TOF-TOF、およびESI-O-TOFからなる群より選択される。 第1の局面の第19の態様の一態様でもある第1の局面の第20の態様において、質量分析ではMS/MSが用いられる。 第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、および第20の態様の一態様でもある第1の局面の第21の態様において、前記方法はタンパク質沈殿および/またはHPLCをさらに含む。 第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、および第21の態様の一態様でもある第1の局面の第22の態様において、前記方法は、タンパク質沈殿、HPLC、およびMS/MSをさらに含む。 第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、および第22の態様の一態様でもある第1の局面の第23の態様において、対象はヒトである。 第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、および第23の態様の一態様でもある第1の局面の第24の態様において、試料中のバイオマーカーを検出する工程は、以下の工程を含む:試料をタンパク質沈殿に供する工程;試料からタンパク質を沈殿させる工程であって、試料からタンパク質を沈殿させることによって試料の上清が得られる、工程;試料の上清をHPLCおよびMS/MSに供する工程;ならびに試料の上清中に存在するバイオマーカーの量および/または少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーの量を決定する工程。 本発明の根底にある問題は、以下の工程を含む、対象におけるゴーシェ病を診断するための方法によって、第2の局面の第1の態様でもある第2の局面において解決される:i) 内部標準を、対象に由来する試料に添加する工程であって、対象に由来する試料が血漿、血清、および血液を含む群より選択される、工程;ii) 任意での、内部標準を含有する試料を混合する工程;iii) 試料をタンパク質沈殿工程に供する工程であって、それによって、試料からタンパク質が沈殿され、試料の上清が得られる、工程;iv) 任意での、上清を得る第1の分離工程に試料の上清を供する工程であって、好ましくは、第1の分離工程が遠心分離工程である、工程;v) 工程c)もしくは工程d)の上清またはその一部を第2の分離工程に供する工程であって、第2の分離工程が、上清の一部をHPLC-MS/MSシステムに注入する工程およびHPLCカラムと勾配型の酸性水:アセトニトリル/アセトンを使用する工程を含み、HPLCカラムが、好ましくは、C8およびC18 HPLCカラムを含む群より選択されるHPLCカラムであり、第2の分離工程によって、分離された試料が得られる、工程;vi) 分離された試料をMS/MSに供する工程であって、MS/MSはエレクトロスプレーイオン化および多重反応モニタリング(Multiple Reacting Monitoring)を含む、工程。ここで、前記方法は、好ましくは、第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様のいずれか1つに記載の方法であり、かつa) 対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーを検出する工程;および任意で、b) 試料中に存在するバイオマーカーのレベルを決定する工程をさらに含む。 第2の局面の第1の態様の一態様でもある第2の局面の第2の態様において、内部標準はD5-プロピオン酸フルチカゾンおよび/またはlyso-Gb2を含む。 第2の局面の第1および第2の態様、ならびに第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様の一態様でもある第2の局面の第3の態様において、b)の工程および/またはe)の工程は、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルをカットオフレベルと比較することをさらに含む。 第2の局面の第1、第2、および第3の態様、ならびに第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様、好ましくは、第2の局面の第3の態様の一態様でもある第2の局面の第4の態様において、カットオフレベルより高い、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルは、対象がゴーシェ病に罹患していること、またはゴーシェ病を発症するリスクがあることを示す。 第2の局面の第4の態様の一態様でもある第2の局面の第5の態様において、カットオフレベルより低い、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルは、対象がゴーシェ病に罹患していないこと、またはゴーシェ病を発症するリスクがないことを示す。 第2の局面の第1、第2、第3、第4、および第5の態様、ならびに第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様の一態様でもある第2の局面の第6の態様において、カットオフレベルは、対象におけるゴーシェ病を診断する感度が好ましくは約98.5%〜100%、より好ましくは100%になるように、および対象におけるゴーシェ病を診断する特異度が好ましくは99.4%〜100%、より好ましくは100%になるように選択される。 第2の局面の第1、第2、第3、第4、第5、および第6の態様、ならびに第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様の一態様でもある第2の局面の第7の態様において、b)の工程および/またはe)の工程は、前記対象におけるバイオマーカーのレベルを、対照に由来する試料おいて検出されたバイオマーカーのレベルと比較することをさらに含む。 第2の局面の第7の態様の一態様でもある第2の局面の第8の態様において、対照は、ゴーシェ病を有さないことについての試験結果が陽性であった対象に由来する試料である。 第2の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、および第8の態様、ならびに第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様の一態様でもある第2の局面の第9の態様において、対照試料中のバイオマーカーのレベルより高い、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルは、対象がゴーシェ病に罹患していることおよび/またはゴーシェ病を発症するリスクがあることを示す。 第2の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、および第9の態様、ならびに第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様の一態様でもある第2の局面の第10の態様において、ゴーシェ病は、非神経細胞障害性I型、慢性神経細胞障害性II型、および急性神経細胞障害性III型を含む群より選択される。 第2の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および第10の態様、ならびに第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様、好ましくは、第2の局面の第10の態様の一態様でもある第2の局面の第11の態様において、対象に由来する試料は、血液、血液製剤、尿、唾液、脳脊髄液、糞便、組織試料、およびリンパ液からなる群より選択される。 第2の局面の第11の態様の一態様でもある第2の局面の第12の態様において、対象に由来する試料は血液および血液製剤からなる群より選択される。 第2の局面の第11および第12の態様の一態様でもある第2の局面の第13の態様において、血液製剤は血清および血漿を含む群より選択される。 第2の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、および第13の態様、ならびに第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様、好ましくは、第2の局面の第13の態様の一態様でもある第2の局面の第14の態様において、前記方法の検出限界は0.2ng/mlである。 第2の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、および第14の態様、ならびに第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様、好ましくは、第2の局面の第11、第12、第13、第14、および第15の態様のいずれかの一態様でもある第2の局面の第15の態様において、カットオフレベルは5.0ng/mlである。 第2の局面の第11および第12の態様の一態様でもある第2の局面の第16の態様において、血液は全血である。 第2の局面の第17の態様の一態様でもある第2の局面の第17の態様において、全血は乾燥血液フィルターカード(dry blood filter card)上に収集される。 第2の局面の第17および第18の態様の一態様でもある第2の局面の第18の態様において、前記方法の検出限界は0.2ng/mlである。 第2の局面の第17、第18、および第19の態様の一態様でもある第2の局面の第19の態様において、カットオフレベルは20.0ng/mlである。 本発明の根底にある問題は、以下の工程を含む、対象におけるゴーシェ病の経過を決定するための方法によって、第3の局面の第1の態様でもある第3の局面において解決される:a) 対象に由来する試料中に存在する遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーのレベルを、いくつかの時点において決定する工程。 第3の局面の第1の態様の一態様でもある第3の局面の第2の態様において、対象は、以前にゴーシェ病の治療を受けたことがある、または以前にゴーシェ病と診断されたことがある。 第3の局面の第1の態様の一態様でもある第3の局面の第3の態様において、対象は以前にゴーシェ病の治療を受けたことがない、または対象は以前にゴーシェ病と診断されたことがない。 第3の局面の第1、第2、および第3の態様の一態様でもある第3の局面の第4の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:b) 対象がゴーシェ病に罹患しているかどうか、または対象がゴーシェ病を発症するリスクがあるかどうかの診断に基づいて、療法を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程。 第3の局面の第1、第2、第3、および第4の態様の一態様でもある第3の局面の第5の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:c) b)の工程における療法を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程の後に、対象に由来する試料中のバイオマーカーを検出する工程。 第3の局面の第1、第2、第3、第4、および第5の態様の一態様でもある第3の局面の第6の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:d) b)の工程における療法を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程の後に、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程。 第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、および第6の態様の一態様でもある第3の局面の第7の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:e) 工程a)において決定されたバイオマーカーのレベルが、工程d)において決定されたバイオマーカーのレベルより低いかどうかを決定する工程。 第3の局面の第7の態様の一態様でもある第3の局面の第8の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:f) e)の工程に基づいて、療法を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程。 第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、および第8の態様の一態様でもある第3の局面の第9の態様において、前記方法は、対象に由来する試料中の少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーを検出する工程をさらに含む。 第3の局面の第9の態様の一態様でもある第3の局面の第10の態様において、前記方法は、対象に由来する試料中の少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーのレベルを決定する工程をさらに含む。 第3の局面の第9および第10の態様の一態様でもある第3の局面の第11の態様において、少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーはキトトリオシダーゼおよびCCL18を含む群より選択される。 第3の局面の第11の態様の一態様でもある第3の局面の第12の態様において、少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーはキトトリオシダーゼである。 第3の局面の第11の態様の一態様でもある第3の局面の第13の態様において、少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーはCCL18である。 第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、および第13の態様の一態様でもある第3の局面の第14の態様において、前記方法は、キトトリオシダーゼおよびCCL18を検出する工程をさらに含む。 第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、および第14の態様の一態様でもある第3の局面の第15の態様において、バイオマーカーおよび/または少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーは、イムノアッセイ、質量分析、バイオチップアレイ、機能性核酸、および/または遊離lyso-Gb1の蛍光誘導体によって検出される。 第3の局面の第15の態様の一態様でもある第3の局面の第16の態様において、バイオマーカーは質量分析によって検出される。 第3の局面の第16の態様の一態様でもある第3の局面の第17の態様において、質量分析はSELDI、MALDI、MALDI-Q TOF、MS/MS、TOF-TOF、およびESI-O-TOFからなる群より選択される。 第3の局面の第17の態様の一態様でもある第3の局面の第18の態様において、質量分析ではMS/MSが用いられる。 第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、および第18の態様の一態様でもある第3の局面の第19の態様において、前記方法はタンパク質沈殿および/またはHPLCをさらに含む。 第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、および第19の態様の一態様でもある第3の局面の第20の態様において、前記方法は、タンパク質沈殿、HPLC、およびMS/MSをさらに含む。 第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、および第21の態様の一態様でもある第3の局面の第21の態様において、対象はヒトである。 第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、および第22の態様の一態様でもある第3の局面の第22の態様において、対象に由来する試料中のバイオマーカーを検出する工程は、以下の工程を含む:対象に由来する試料からタンパク質を沈殿させる工程であって、試料からタンパク質を沈殿させることによって試料の上清が得られる、工程;一定体積の上清をHPLCおよびMS/MSに供する工程;ならびに対象に由来する試料中に存在するバイオマーカーの量および/または少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーの量を決定する工程。 第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、および第23の態様の一態様でもある第3の局面の第23の態様において、ゴーシェ病は、非神経細胞障害性I型、慢性神経細胞障害性II型、および急性神経細胞障害性III型を含む群より選択される。 本発明の根底にある問題は、以下の工程を含む、ゴーシェ病に罹患していることまたはゴーシェ病の発症リスクがあることについての試験結果が陽性であった対象に適用された少なくとも1つの治療の有効性を決定するための方法によって、第4の局面の第1の態様でもある第4の局面において解決される:a) 対象に由来する試料中に存在する遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーのレベルを、いくつかの時点において決定する工程。 第4の局面の第1の態様の一態様でもある第4の局面の第2の態様において、対象は以前にゴーシェ病の治療を受けたことがある、または以前にゴーシェ病と診断されたことがある。 第4の局面の第1の態様の一態様でもある第4の局面の第3の態様において、対象は以前にゴーシェ病の治療を受けたことがない、または対象は以前にゴーシェ病と診断されたことがない。 第4の局面の第1、第2、および第3の態様の一態様でもある第4の局面の第4の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:b) バイオマーカーのレベルの減少に基づいて、対象に適用された少なくとも1つの治療を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程。 第4の局面の第1、第2、第3、および第4の態様の一態様でもある第4の局面の第5の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:c) 対象に由来する試料中のバイオマーカーを検出する工程であって、b)の工程における少なくとも1つの治療を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程の後、治療開始前に試料が採取されている、工程。 第4の局面の第1、第2、第3、第4、および第5の態様の一態様でもある第4の局面の第6の態様において、治療は、酵素補充療法、基質抑制療法、シャペロン療法、遺伝子療法、DNA/RNAスキッピング(skipping)の幹細胞移植を含む群より選択される。 第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、および第6の態様の一態様でもある第4の局面の第7の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:d) 工程a)において決定されたバイオマーカーのレベルが、工程c)において決定されたバイオマーカーのレベルより低いかどうかを決定する工程。 第4の局面の第7の態様の一態様でもある第4の局面の第8の態様において、前記方法は、以下の工程をさらに含む:e) d)の工程に基づいて、対象に適用された少なくとも1つの治療を適用する、維持する、軽減する、向上させる、または適用しない工程。 第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、および第8の態様の一態様でもある第4の局面の第9の態様において、前記方法は、対象に由来する試料中の少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーを検出する工程をさらに含む。 第4の局面の第9の態様の一態様でもある第4の局面の第10の態様において、前記方法は、対象に由来する試料中の少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーのレベルを決定する工程をさらに含む。 第4の局面の第9および第10の態様の一態様でもある第4の局面の第11の態様において、少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーはキトトリオシダーゼおよびCCL18を含む群より選択される。 第4の局面の第11の態様の一態様でもある第4の局面の第12の態様において、少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーはキトトリオシダーゼである。 第4の局面の第11の態様の一態様でもある第4の局面の第13の態様において、少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーはCCL18である。 第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、および第13の態様の一態様でもある第4の局面の第14の態様において、前記方法は、キトトリオシダーゼおよびCCL18を検出する工程をさらに含む。 第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、および第14の態様の一態様でもある第4の局面の第15の態様において、任意/前記のバイオマーカーは、イムノアッセイ、質量分析、バイオチップアレイ、機能性核酸、および/または遊離lyso-Gb1の蛍光誘導体によって検出される。 第4の局面の第15の態様の一態様でもある第4の局面の第16の態様において、バイオマーカーは質量分析によって検出される。 第4の局面の第16の態様の一態様でもある第4の局面の第17の態様において、質量分析は、SELDI、MALDI、MALDI-Q TOF、MS/MS、TOF-TOF、およびESI-O-TOFからなる群より選択される。 第4の局面の第17の態様の一態様でもある第4の局面の第18の態様において、質量分析ではMS/MSが用いられる。 第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、および第18の態様の一態様でもある第4の局面の第19の態様において、前記方法はタンパク質沈殿および/またはHPLCをさらに含む。 第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、および第19の態様の一態様でもある第4の局面の第20の態様において、前記方法は、タンパク質沈殿、HPLC、およびMS/MSをさらに含む。 第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、および第20の態様の一態様でもある第4の局面の第21の態様において、対象はヒトである。 第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、および第21の態様の一態様でもある第4の局面の第22の態様において、対象に由来する試料中のバイオマーカーを検出する工程は、以下の工程を含む:対象に由来する試料からタンパク質を沈殿させる工程であって、試料からタンパク質を沈殿させることによって試料の上清が得られる、工程;一定体積の上清をHPLCおよびMS/MSに供する工程;対象に由来する試料中に存在するバイオマーカーの量および/または少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーの量を決定する工程。 第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、および第22の態様の一態様でもある第4の局面の第23の態様において、ゴーシェ病は、非神経細胞障害性I型、慢性神経細胞障害性II型、および急性神経細胞障害性III型を含む群より選択される。 本発明の根底にある問題は、以下の工程を含む、ゴーシェ病を治療するための化合物の有効性を決定する方法によって、第5の局面の第1の態様でもある第5の局面において解決される: a) ゴーシェ病を有する対象におけるバイオマーカーのレベルを決定する工程; b) 該対象に該化合物を投与する工程; c) 該対象におけるバイオマーカーのレベルを再び決定する工程;および d) 工程a)において決定されたバイオマーカーのレベルが、工程c)において決定されたバイオマーカーのレベルより低いかどうかを決定する工程。ここで、工程a)において決定されたバイオマーカーのレベルより低い、工程c)において決定されたバイオマーカーのレベルは、該化合物の有効性を示し、かつバイオマーカーは遊離lyso-Gb1である。 第5の局面の第1の態様の一態様でもある第5の局面の第2の態様において、前記方法は、対照におけるバイオマーカーのレベルを決定する工程をさらに含む。 第5の局面の第1および第2の態様の一態様でもある第5の局面の第3の態様において、ゴーシェ病は、非神経細胞障害性I型、慢性神経細胞障害性II型、および急性神経細胞障害性III型を含む群より選択される。 本発明の根底にある問題は、遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーを検出するための質量分析の使用によって第6の局面の第1の態様でもある第6の局面において解決される。 第6の局面の第1の態様の一態様でもある第6の局面の第2の態様において、検出はHPLCの使用を含む。 第6の局面の第1および第2の態様の一態様でもある第6の局面の第3の態様において、検出はMS/MSを含む。 本発明の根底にある問題は、ゴーシェ病のバイオマーカーの使用によって、第7の局面の第1の態様でもある第7の局面において解決される。好ましくは、第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様、第2の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、および第19の態様、第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、および第23の態様、第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、および第23の態様、ならびに第5の局面の第1、第2、および第3の態様のいずれか1つに記載の方法において、バイオマーカーは遊離lyso-Gb1である。 第7の局面の第1の態様の一態様でもある第7の局面の第2の態様において、ゴーシェ病は、非神経細胞障害性I型、慢性神経細胞障害性II型、および急性神経細胞障害性III型を含む群より選択される。 本発明の根底にある問題は、対象に由来する試料中のバイオマーカーの存在を決定するためのキットによって、第8の局面の第1の態様でもある第8の局面において解決される。前記キットは、a) バイオマーカーの相互作用パートナー;b) 任意での、バイオマーカーに結合する少なくとも1種類の捕捉用試薬を付着させて含む固体支持体;およびc) バイオマーカーを検出するために固体支持体を使用するための説明書を含み、バイオマーカーは遊離lyso-Gb1である。 第8の局面の第1の態様の一態様でもある第8の局面の第2の態様において、キットは、a) ゴーシェ病を診断する;b) 対象におけるゴーシェ病の経過を決定する;および/またはc) 対象に適用された少なくとも1つの治療の有効性を決定するためのものである。ここで、a)、b)、および/またはc)において適用される方法は、好ましくは、第1の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、および第24の態様、第2の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、および第19の態様、第3の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、および第23の態様、第4の局面の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、および第23の態様、ならびに第5の局面の第1、第2、および第3の態様のいずれか1つに記載の方法である。 第8の局面の第1および第2の態様の一態様でもある第8の局面の第3の態様において、ゴーシェ病は、非神経細胞障害性I型、慢性神経細胞障害性II型、および急性神経細胞障害性III型を含む群より選択される。 本発明の根底にある問題は、a) 試料に起因するデータにアクセスするコードであって、データが試料中の少なくとも1つのバイオマーカーの検出を含み、バイオマーカーが遊離lyso-Gb1、キトトリオシダーゼ、およびCCL18を含む群より選択される、コード;ならびにb) 検出の関数として試料のゴーシェ病の状況を分類する分類アルゴリズムを実行するコードを含むソフトウェア製品によって、第9の局面の第1の態様でもある第9の局面において解決される。 第9の局面の第1の態様の一態様でもある第9の局面の第2の態様において、ゴーシェ病は、非神経細胞障害性I型、慢性神経細胞障害性II型、および急性神経細胞障害性III型を含む群より選択される。 驚いたことに、本発明者らは、遊離lyso-Gb1が、対象におけるゴーシェ病を診断するための方法、より具体的には、バイオマーカーとして前記遊離lyso-Gb1を用いて高い特異度および感度で対象におけるゴーシェ病を診断するための方法を可能にするバイオマーカーを構成することを発見した。 驚いたことに、本発明者らはまた、本発明の方法によって検出することができる遊離lyso-Gb1が、対象の血中に総Gb1の約1/1000の濃度で循環していることを発見した。さらに、驚いたことに、本発明者らは、総Gb1とは異なり、対象の血中に存在する遊離lyso-Gb1が、対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーを検出する工程を含む対象におけるゴーシェ病を診断するための方法において有用なことを発見した。驚いたことに、本発明者らはまた、本発明の方法によって対象に由来する試料において決定された遊離lyso-Gb1レベルが、高い感度および高い特異度でのゴーシェ病の診断を可能にすることを発見した。 今までのところ、本発明の方法が、スフィンゴリピド症診断のためのバイオマーカーとしてリゾ化合物を用いてリゾ化合物のレベルを決定する工程を含む点で、本発明は最新技術の開示とは異なる。より具体的には、驚いたことに、本発明者らは、対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1のレベルを決定する工程が、高い感度および高い特異度でのゴーシェ病の診断を可能にすることを発見した。 ゴーシェ病において蓄積される総Gb1の一部が、その遊離リゾ型の分子、すなわち、遊離lyso-Gb1として存在し、Gb1に加えて遊離リゾ型で対象の血中に循環していることを認めたことも、本発明者らの利点である。遊離lyso-Gb1レベルを示したボックスプロットである。y軸は、本発明による方法によって、患者血漿において決定された遊離lyso-Gb1の対数化レベルをng/mlの単位で表す。x軸は、実施例2に記載のようにグループ分けされた患者群を表す。ボックスプロットは、それぞれの患者群の第25百分位数をボックスの下底によって、第75百分位数をボックスの上底によって表す。ボックスの中央付近のバンドは、それぞれの群の第50百分位数(すなわち、中央値)を表す。ひげは、データの平均より大きく、かつデータの平均より小さい標準偏差を表す。ひげの間に含まれないデータは、外れ値として小さな丸または星で示した。水平線は5ng/mlのカットオフレベルを表す。対象の性別によってさらにグループ分けされた、図1Aに図示した遊離lyso-Gb1レベルを示したボックスプロットである。y軸は、本発明による方法によって、患者血漿において決定された遊離lyso-Gb1の対数化レベルをng/mlの単位で表す。x軸は、実施例2に記載のように患者の性別によってさらにグループ分けされた患者群を表す。ボックスプロットは、それぞれの患者群の第25百分位数をボックスの下底によって、第75百分位数をボックスの上底によって表す。ボックスの中央付近のバンドは、それぞれの群の第50百分位数(例えば、中央値)を表す。ひげは、データの平均より大きく、かつデータの平均より小さい標準偏差を表す。ひげの間に含まれないデータは、外れ値として小さな丸または星で示した。水平線は5ng/mlのカットオフレベルを表す。遊離lyso-Gb1およびキトトリオシダーゼの信者動作特性(ROC)曲線を示したグラフである。x軸は「1-特異度」を表し、y軸は感度を表す。遊離lyso-Gb1は100%の感度および100%の特異度を示し、キトトリオシダーゼの感度は、それぞれ、良くても0.9591または95.91%である。遊離lyso-Gb1およびCCL18の受信者動作特性(ROC)曲線を示したグラフである。x軸は「1-特異度」を示し、y軸は感度を示す。遊離lyso-Gb1は100%の感度および100%の特異度を示し、CCL18の感度は、それぞれ、良くても0.8658および86.58%である。y軸は、試験の経過中に、療法、より正確にはERTに供された20人のドイツ人ゴーシェ病患者の、本発明による方法によって決定された遊離lyso-Gb1レベルをng/ml血漿の単位で時間の関数として示す。それぞれの曲線およびそれぞれの患者数は、それぞれ、x軸に示したように異なる時点において同じ患者から収集された血漿において決定されたレベルを表す。x軸は血漿収集の時点を表す。時点0は、それぞれの患者の療法下での最初の測定を示す。実施例3に記載のようなゴーシェ病患者における遊離lyso-Gb1レベルの経時変化の分析のために、複数の血液試料が分析された患者については非統合データを使用した。計24人の未治療ゴーシェ病患者(10人のドイツ人患者、14人のイスラエル人患者)の本発明による方法によって決定された遊離lyso-Gb1をng/ml血漿の単位で時間の関数として示した図である。本明細書で使用する未治療とは、好ましくは、ゴーシェ病に関して治療、例えば、酵素補充療法が適用されていないことを意味する。実施例3に記載のようにゴーシェ病患者における遊離lyso-Gb1レベルの経時変化を分析するために、複数の血液試料が分析された患者の非統合データを分析した。療法開始前後の期間中の、計9人のイスラエル人ゴーシェ病患者の、本発明による方法によって決定された遊離lyso-Gb1をng/ml血漿の単位で時間の関数として示した図である。x軸は時間を月単位で示し、「0」は療法開始後の最初の時点を示す。「全体」と表記した曲線は、回帰に基づいた遊離lyso-Gb1値を図示する。療法開始前後の期間中の、イスラエル人ゴーシェ病患者およびドイツ人ゴーシェ病患者の本発明による方法によって決定された回帰に基づいた遊離lyso-Gb1値をng/ml血漿の単位で時間の関数として示した図である。x軸は時間を月単位で示し、「0」は療法開始後の最初の時点を示す。「全体」と表記した曲線は、回帰に基づいた遊離lyso-Gb1値を図示する。ホモならびに複合ヘテロの場合での、グルコセレブロシダーゼ遺伝子の2つの高頻度変異、すなわち、N370SおよびL444Pのうちの1つについての試験結果が陽性であった患者における遊離lyso-Gb1レベルの中央値を示した表である。複合ヘテロ接合性とは、ヘテロの状態で遺伝病を引き起こすことができる、特定の遺伝子座において2つの不均質な劣性対立遺伝子をもつ状態である。当業者であれば、グルコセレブロシダーゼ遺伝子の変異L444Pを有する患者は悪性度の高い予後に直面することも認めるであろう。このことは、ホモの場合において特に当てはまる。したがって、本発明による方法はゴーシェ病の重篤度を決定する工程を含むことが本発明の一態様である。前記のゴーシェ病の重篤度を決定する工程は、対象に由来する試料中に存在するバイオマーカーのレベル、好ましくは、遊離lyso-Gb1のレベルを決定すること、ならびに/またはグルコセレブロシダーゼ遺伝子の異なる変異を有する対象および/もしくはグルコセレブロシダーゼ遺伝子の変異を有さない対象に由来する試料において決定された前記バイオマーカーの前記レベルを比較することを含む。本発明者らは、セレブロシダーゼ遺伝子のホモL444P変異を有することについての試験結果が陽性であった患者に由来する試料において、本発明による方法によって決定された遊離lyso-Gb1レベルが約194ng/mlであり、セレブロシダーゼ遺伝子のホモN370S変異を有することについての試験結果が陽性であった患者に由来する試料において決定された遊離lyso-Gb1レベルと比較して高いことを発見した。本発明による方法によって決定された遊離lyso-Gb1レベルは約159ng/mlである。本発明者らはまた、複合ヘテロL444P変異を有することについての試験結果が陽性であった患者に由来する試料において、本発明による方法によって決定された遊離lyso-Gb1レベルが89ng/mlであり、ホモL444P変異を有することについての試験結果が陽性であった患者に由来する試料中の本発明による方法によって決定された遊離lyso-Gb1レベルと比較して有意に低いことも発見した。本発明による方法によって決定された遊離lyso-Gb1レベルは約45.4ng/mlである。理論に拘束されるつもりはないが、本発明者らは、本発明の方法によって決定された対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1レベルがゴーシェ病の重篤度を示すものと信じている。したがって、本発明の方法は、ゴーシェ病に罹患していることおよび/またはゴーシェ病を発症するリスクがあることについての試験結果が陽性であった対象に適用された少なくとも1つの治療の有効性を決定するための方法であることが本発明のさらなる態様である。括弧内に示した数字は、それぞれの患者群において測定された濃度の範囲を示す。IQRは四分位数間範囲を意味する。ゴーシェ病療法に供された全ての患者をERTに供した。分単位での保持時間の関数として、健常対象に由来する試料の遊離lyso-Gb1およびISのピーク強度をcpsで図示したHPLC-質量分析クロマトグラムである。本明細書で使用する物質の保持時間は好ましくはx軸に図示され、本発明による溶質、例えば、バイオマーカーおよび/または内部標準の注入の注入時間と前記溶質のピーク最大の溶出時間との間の経過時間である。当業者であれば、本明細書に記載の方法による物質の保持時間は前記溶質の独特の特徴であり、特定に使用できることを認めるであろう。実施例1に記載のように、内部標準としてLyso-Gb2を含む内部標準標準溶液を試料に添加した。したがって、試料へのISの前記添加、すなわち、本発明による方法に供される試料のスパイキングを行い、前記HPLC-質量分析クロマトグラムにおいて内部標準のピーク下面積、すなわち、ピーク面積を求めることによって、ピーク面積と、物質、例えば、ISおよび/またはバイオマーカーの濃度との関係を計算できると理解するのは重要である。前記試料中のIS濃度は既知である。より正確には、当業者であれば、HPLC-質量分析クロマトグラム、例えば、図5A、図5B、または図5Cに図示したHPLC-質量分析クロマトグラムに図示した物質のピーク面積が、HPLC-質量分析に供された前記物質の量の尺度を表すことを認めるであろう。さらに、当業者であれば、前記方法によって量が決定される遊離lyso-Gb1のピーク面積と、IS、例えば、遊離lyso-Gb2のピーク面積との比;ならびに前記方法ならびに前記遊離lyso-Gb1および/またはISを用いて作成された較正曲線を用いて、HPLC-質量分析に供された対象に由来する試料中の物質の量、例えば、本発明の方法に供された試料中の遊離lyso-Gb1の量を計算することができる。したがって、この後に、遊離lyso-Gb1レベルの決定が可能になる。ゴーシェ病患者に由来する試料の遊離lyso-Gb1およびISのピーク強度を図示したHPLC-質量分析クロマトグラムである。17.1ng/mlの遊離lyso-Gb1レベルが、本質的に実施例1に記載のように本発明の方法に従って決定された。前記対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを5ng/mlのカットオフレベルと比較した時に、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルがカットオフレベルと比較して高いことは対象がゴーシェ病に罹患していることを示す。5ng/mlのカットオフレベルは、本発明の方法に従って対象におけるゴーシェ病を診断するための感度が100%になるように、および本発明の方法に従って対象におけるゴーシェ病を診断するための特異度が100%になるように選択された。ゴーシェ病患者に由来する試料の遊離lyso-Gb1およびISのピーク強度を図示したHPLC-質量分析クロマトグラムである。319ng/mlの遊離lyso-Gb1レベルが、本質的に実施例1に記載のように本発明の方法に従って決定された。前記対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを5ng/mlのカットオフレベルと比較した時に、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルがカットオフレベルと比較して高いことは対象がゴーシェ病に罹患していることを示す。5ng/mlのカットオフレベルは、本発明の方法に従って対象におけるゴーシェ病を診断するための感度が100%になるように、および本発明の方法に従って対象におけるゴーシェ病を診断するための特異度が100%になるように選択された。 本明細書で使用する「ライソゾーム蓄積障害」という用語は「ライソゾーム蓄積症」または「LSD」とも呼ばれ、好ましくは、ライソゾーム機能の欠陥に起因する遺伝病および代謝障害をいう。ライソゾーム蓄積障害は、通常、脂質、糖タンパク質、またはいわゆるムコ多糖の代謝に必要な1種類の酵素が欠損した結果であるライソゾーム機能不全によって引き起こされる。他の遺伝病と同様に、ライソゾーム蓄積症は親から遺伝する。それぞれの障害は、酵素活性の欠損に変わる異なる遺伝子変異に起因するが、これらは全て、全てのライソゾーム障害がライソゾーム内への物質の異常蓄積から生じるという共通の生化学的特徴を共有する。 本明細書で使用する「ゴーシェ病」という用語は、好ましくは、ライソゾーム蓄積症(LSD)、より具体的には、マクロファージ-単球系の細胞内にグルコセレブロシドが沈着することを特徴とするスフィンゴリピド症をいう。ゴーシェ病はライソゾーム蓄積症の中で最もよくみられるものである(James, William D.; Berger, Timothy G.; et al. (2006). Andrews' Diseases of the Skin: clinical Dermatology. Saunders Elsevier. ISBN 0-7216-2921-0)。ゴーシェ病は、酵素グルコセレブロシダーゼの遺伝性欠損によって引き起こされる。この欠損は、1番染色体(1q21)に位置する、ある特定のライソゾーム加水分解酵素であるグルコセレブロシダーゼ(β-グルコシダーゼ、EC3.2.1.45、PDB 1OGSとも知られる)をコードする遺伝子の劣性変異に起因し、男女とも罹患する。様々なβ-グルコシダーゼ変異が、残存する酵素活性に影響を与え、表現型に大きな影響を与える。 グルコセレブロシダーゼは、本明細書において、β-グルコセレブロシダーゼ、β-グルコシダーゼ、酸性β-グルコシダーゼ、グルコシルセラミダーゼ、またはD-グルコシル-N-アシルスフィンゴシングルコヒドロラーゼとも呼ばれる。 この酵素は、グルコシルセラミダーゼ活性を有する55.6KD、497アミノ酸長のタンパク質である。すなわち、この酵素は、糖脂質代謝中間体であるグルコセレブロシドと呼ばれる脂肪物質のβ-グルコシド結合を切断、すなわち加水分解することによってグルコセレブロシド分解を触媒する。グルコセレブロシドは本明細書においてグルコシルセラミドまたはGb1とも呼ばれ、赤血球および白血球の細胞膜構成要素である。この酵素に欠損がある場合、物質が蓄積する、特に、単核細胞系列の細胞内に蓄積する。これは、これらの透明な細胞が老廃物を排泄できないためである。老廃物は原線維に蓄積し、細胞はいわゆるゴーシェ細胞に変わる。ゴーシェ細胞は光学顕微鏡上では、しわのよった紙のように見える。脂肪物質は脾臓、肝臓、腎臓、肺、脳、および骨髄に蓄積し得る。 ゴーシェ病には3つの一般的な臨床サブタイプがある。 ・非神経細胞障害性I型は本明細書においてI型とも呼ばれ、この疾患の最もよく見られる型であり、50,000人に約1人に発生する。非神経細胞障害性I型は、アシュケナージ系ユダヤ人(Ashkenazi Jewish)遺伝形質をもつ人の中で最も多く発生する。症状は若年期または成人期に始まることがあり、肝臓肥大およびひどく肥大脾臓(と肝脾腫)を含む。脾臓は破裂し、さらなる合併症を引き起こし得る。骨格の弱さおよび骨疾患が広範囲にわたることがある。脾臓肥大および骨髄置換が貧血、血小板減少、および白血球減少を引き起こす。脳は病理学的な影響を受けないが、肺、まれに腎臓の機能が低下することがある。この群における罹患対象は、通常、(血小板レベルが低いために)簡単に傷ができ、赤血球数が少ないために疲労を感じる。疾患発症および重篤度に応じて、I型患者は成人期まで長生きすることがある。多くの罹患対象は軽度型の疾患を有し、いかなる症状も示さないことがある。 ・慢性神経細胞障害性II型は本明細書においてII型とも呼ばれ、小児期の任意の時期、または成人期になってからでも発症する場合があり、100,000人に約1人で発症する。慢性神経細胞障害性II型は、急性型またはIII型バージョンと比較してゆっくりと進行するが、軽度の神経学的症状を特徴とする。主な症状には、脾臓肥大および/または肝臓肥大、発作、協調性の低下、骨格異常、眼球運動障害、貧血を含む血液障害、ならびに呼吸問題が含まれる。患者は、多くの場合、十代初めおよび成人期まで生存する。 ・急性神経細胞障害性III型は本明細書においてIII型とも呼ばれ、典型的には生後6ヶ月以内に発症し、発生率は100,000人に約1人である。症状には、肝臓肥大および脾臓肥大、広範囲かつ進行性の脳損傷、眼球運動障害、痙縮、発作、四肢硬直、ならびに吸引能力および嚥下能力の不良が含まれる。罹患小児は、通常、2歳までに死亡する。 これらのサブタイプは、全範囲の観察可能な症状を考慮に入れていないことで批判を浴びている。疾患経過を予測する複雑さを大幅に増やす複合ヘテロ変化もある。 ゴーシェ病のII型およびIII型では、グルコセレブロシドは、脳の発達中および神経のミエリン鞘形成中の複合脂質代謝回転のために脳に蓄積する。 症状には、脾臓肥大および肝臓肥大、肝機能不全、痛みを伴うことがある骨格障害および骨病変、重篤な神経学的合併症、リンパ節および(時として)隣接する関節の膨張、膨隆腹、茶色がかった色の皮膚、貧血、少量の血小板、ならびに眼の白い部分(強膜)における黄色の脂肪沈着物が含まれることがある。最も重篤には、罹患した人は感染に対して高感受性になることもある。療法: 酵素補充療法は本明細書においてERTとも呼ばれ、真っ先に選ばれる療法である。しかしながら、首尾良い骨髄移植は、活性β-グルコシダーゼをもつ単球集団を導入するので疾患の非神経学的症状を治癒することがある。この処置には大きなリスクがあり、ゴーシェ病患者では稀にしか行われないことに言及することは重要である。患者の貧血がひどければ、または肥大した臓器が患者の快適さに影響を及ぼす場合、脾臓を除去する外科手術(脾摘出術)がごくまれに必要とされることがある。輸血が一部の貧血患者の利益になることがある。移動性および生活の質を改善するために他の患者は関節置換術を必要とすることがある。他の治療選択肢には、感染症の場合には抗生物質、発作の場合には抗てんかん薬、骨病変の場合にはビスホスホネート、および肝移植が含まれる。 ERTは、組換えグルコセレブロシダーゼ(イミグルセラーゼ, Genzyme; ベラグルセラーゼ, Shire; タリグルセラーゼ, Protalix) の慢性静脈内投与に基づく(G.A. Grabowski et al., Enzyme therapy in type I Gaucher's disease: comparative efficacy of mannose-terminated glucocerebrosidase from natural and recombinant sources, Ann. Intern. Med. 122 (1995) 33-39.)。I型患者およびほとんどのIII型患者の場合、静脈内組換えグルコセレブロシダーゼ(例えば、イミグルセラーゼ)を用いたERTは、肝臓および脾臓の大きさを有意に縮小させ、骨格異常を低減し、他の症状を逆転することができる。 つい最近、本明細書においてSRTとも呼ばれる基質抑制療法がゴーシェ病の代替治療法として開発された(F.M. Platt et al. N-butyl-deoxynojirirnycin is a novel inhibitor of glycosphingolipid biosynthesis, J. Biol. Chem. 269 (1994) 8362-8365.)。ゴーシェ病患者における低下した異化能力のバランスを保つ試みの中でN-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット、Actelion)によるスフィンゴ糖脂質合成の部分阻害が用いられる。SRTは脳への血液障壁を通過できるので、II型の阻止において有効であることが判明した可能性がある。現在、II型およびIII型ゴーシェ病の患者において発生し得る重篤な脳損傷に対する有効な治療法はない。 ERTおよびSRTはいずれも、一般的に、肝脾腫の縮小、血液学的異常の修正、骨格劣化の安定化または改善などの著しい臨床改善をもたらす。 グルコセレブロシドは本明細書においてグルコシルセラミドまたはGb1とも呼ばれ、単糖頭部基がグルコースである任意のセレブロシドを意味する。 本明細書で使用する、好ましくは、様々な方法に関連して使用する「lyso-Gb1」という用語は、好ましくは、分子がその遊離アミノの形で存在することも意味することが当業者によって理解されるだろう。より正確には、本明細書で使用するlyso-Gb1は、好ましくは、脂肪酸部分が分子のスフィンゴシン部分の一級アミノ基と結合していない点でGb1と異なる。さらに、lyso-Gb1は、本明細書においてグルコシルスフィンゴシンまたはリゾグルコセレブロシドとも呼ばれ、以下の式を有する。 本明細書で使用する「遊離lyso-Gb1」という用語は、好ましくは、それ自体として、対象に由来する試料、例えば、血液中に存在する、好ましくは、前記対象の試料を操作した結果ではない、lyso-Gb1をいうことが当業者により理解されるだろう。このような試料操作は、Groener et al. (Groener et al. Plasma glucosylceramide and ceramide in type 1 Gaucher disease patients: Correlations with disease severity and response to therapeutic intervention. Biochimica et Biophysica Acta 1781(2908) 72-78, 2007)に記載のものでもよい。これによれば、試料が採取された対象の血中にそれ自体として存在する遊離lyso-Gb1は、より具体的には、血液に含まれる試料および好ましくは患者の体外にある試料の化学的処理、生化学的処理、または物理的処理によって生成されたlyso-Gb1ではない。本明細書で使用する遊離lyso-Gb1はまた好ましくはGb1に加えて存在し、対象の代謝活性によって生成された化合物であることも当業者により理解されるだろう。したがって、対象に由来する試料中に存在する、ゴーシェ病に関連して蓄積される分子であるGb1を、対象の血液中に存在する遊離リゾ型の分子、すなわち、遊離lyso-Gb1と比較すると、少なくとも1つの脂肪酸部分がlyso-Gb1のスフィンゴシン部分の一級アミノ基と結合している。 好ましくは本明細書において用いられる「試料」という用語は、限られた量の対象の材料を意味する。前記対象の材料は、対象および/または対象の身体の一部であるか、対象および/または対象の身体から採取されており、前記材料は、体液、例えば、血液、血液製剤、尿、唾液、脳脊髄液、およびリンパ液、ならびに糞便、または対象および/または対象の身体の一部である任意の種類の組織および/または細胞材料を含む群より選択される。前記試料中の本発明のバイオマーカーの存在および/またはレベルは、対象の多量の材料におけるバイオマーカーの存在および/またはレベルに類似する、ならびにバイオマーカーの存在および/またはレベルを表すと意図されることが当業者により認められるだろう。より正確には、および例示的で非限定的な例として、対象に由来する数mlの血液の試料において決定された本発明のバイオマーカーのレベルは、対象身体の血中の前記バイオマーカーのレベルも表す。さらに、対象におけるゴーシェ病を診断するための本発明の方法の一態様において、対象に由来する試料は、前記試料が本発明の方法における使用に適するように、前記対象の材料を、例えば、処理された、固定された、および/または保存された形で含む。このような処理、固定、および/または保存は好ましくはlyso-Gb1を生じない。したがって、試料中の対象の材料は、例えば、メタノールおよび/もしくは水などの本発明の方法に適した溶媒で希釈されてもよく、例えば、フィルターカード上で乾燥されてもよく、このように乾燥された後に、例えば、メタノールおよび/もしくは水などの本発明の方法に適した溶媒で分離されてもよく、または血液が凝固するのを防ぐ物質、例えば、EDTAまたはヘパリンが添加されてもよい。さらに、本発明の方法は、前記対象の材料が、前記対象の材料の単一の成分に分離されることを含む、および/または前記対象の材料の単一の成分が前記対象の材料から抽出される、例えば、血液が血漿もしくは血清に分離され、細胞の血液成分もしくはタンパク質が試料から沈殿されることを含むことが当業者によって理解されるだろう。このような処理、固定、および/または保存の後に、試料は、前記試料に含まれるバイオマーカーを検出するための、および/またはバイオマーカーのレベルを決定するための本発明の方法に供されることがすぐに理解されるだろう。このような処理、固定、および/または保存は好ましくはlyso-Gb1を生じない。 本発明の方法の一態様において、全血が乾燥血液フィルターカード上に収集される。好ましくは、約3μlの全血が、直径3mmの前記乾燥血液フィルターカードの一点に収集される。当業者であれば、このように収集された正確な体積は、特定の患者のヘマトクリットに応じて変化することがあることを認めるであろう。 グルコシルセラミドおよびその前駆体セラミドのレベルは、先行技術では、血漿中のその存在と、ゴーシェ病I型の重篤度および療法の適用に対する応答とを相関付けるために用いられた(Groener et al., Plasma glucosylceramide and ceramide in type 1 Gaucher's disease patients: Correlations with disease severity and response to therapeutic intervention. Biochimica et Biophysica Acta 1781(2908) 72-78, 2007)。これによって、Gb1レベルは異なることが見出されたが、治療されたゴーシェ病I型患者および未治療のゴーシェ病I型患者の血漿中のセラミドレベルには有意差がなかった。 Groener et al.(Groener et al., 前記)によって報告された研究では、ゴーシェ病患者と健常患者を区別するためにGb1/セラミドの比が用いられた。Gb1およびセラミドは、本質的に、Groener et al. (J.E.M. Groener et al., HPLC for simultaneous quantification of total ceramide, glucosylceramide, and ceramide trihexoside concentrations in plasma, Clin. Chern. 53(2007) 742-747)に記載のように高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定された。これに関連して、血漿中に存在するGb1が主に糖部分およびセラミド部分からなることを理解するのは重要である。セラミド部分はスフィンゴシンおよび脂肪酸部分を含む。先行技術の方法によれば、脂質は抽出され、セラミドおよびグルコシルセラミドはアルカリ加水分解によって脱アシルされ、したがって、リゾ型、すなわち、lyso-Gb1が形成される(T. Taketomi et al., Rapid method of preparation of lysoglycosphingolipids and their confirmation by delayed extraction matrix-assisted laser desporption ionization time-of-flight mass spectrometry, J. Biochem. (Tokyo) 120 (1996) 573-579)。その後に、このように生成されたlyso-Gb1を、一級アミン基におけるO-フタルアルデヒド(OPA)を用いた誘導体化によって蛍光色素で標識する。その後に、誘導体化スフィンゴイド塩基を逆相HPLCによって分離し、蛍光検出器で検出した。したがって、先行技術の前記方法は、遊離lyso-Gb1およびGb1からなる総Gb1を検出することができ、対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1レベルをGb1レベルと区別することができない。Gb1のNH2基から様々な脂肪酸部分を切断した後の前記総Gb1レベルは、通常、5〜30μg/mL血漿または血清の範囲内である。これから、Groener et al. (Groener et al., 前記)の方法では、血液に含まれる遊離lyso-Gb1、したがって、脂肪酸部分の切断を行っていない、好ましくは、作業者が試料を取り扱うことによって行われる切断を行っていない試料中の遊離lyso-Gb1ではなく、対象に由来する試料、好ましくは、血液試料から調製および入手することができる総Gb1がバイオマーカーとして用いられる。今までのところ、本発明は、先行技術において開示されるような総Gb1ではなく遊離lyso-Gb1の検出に関する。対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1を検出する工程および/または遊離lyso-Gb1のレベルを決定する工程を含む本発明の方法の一態様は、対象の血中に存在し得るGb1またはGb1レベルと分けて、および/または切り離して、遊離lyso-Gb1および/または遊離lyso-Gb1レベルが決定されることである。さらなる態様において、遊離lyso-Gb1の検出および/または遊離lyso-Gb1レベルの決定に加えて、Gb1および/またはGb1レベルが検出/決定される。 重要なことに、血漿中に循環しており、当技術分野の前記方法に従って有機溶媒を用いてGb1に付随して抽出されるほど十分に親油性のある、それぞれの一級アミンはそれに応じて標識され、したがって、切断されたlyso-Gb1の検出を妨害することができる。 先行技術の前記研究においてlyso-Gb1として測定された総Gb1は前記患者の血漿中で増加するが、前記総Gb1増加は顕著ではなく、したがって、前記方法の特異度および感度は低い。このことは、Gb1がゴーシェ病のバイオマーカーとして適さないことを示している。 これに関連して、本発明者らの知る限りでは、本発明に関連して本明細書の実施例において説明されたデータは、先行技術のゴーシェ病バイオマーカー、すなわち、キトトリオシダーゼおよびCCL18と遊離lyso-Gb1との直接比較に関する特異度および感度の最初の体系的な分析を表すことに注目するのは重要である。 本発明の方法によって決定された時に≧99.0%遊離lyso-Gb1の感度および/または特異度を提供することは、ゴーシェ病に関連した臨床用途に適したバイオマーカーである。今までのところ、本発明のバイオマーカーおよびその使用は、先行技術において公知のバイオマーカーの性能、より具体的には、キトトリオシダーゼおよびCCL18の性能を明らかに上回る。また、Groener et al.(Groener et al., 前記)によって提供される方法は、先行技術の前記方法の特異度および感度が低く、遊離lyso-Gb1ではなく総Gb1を用いた先行技術のこのような方法に基づくゴーシェ病の診断が信頼性の高いその臨床用途に適していないので、すなわち、この方法には信頼性が高く、統計学的に保証された予測によってゴーシェ病を診断するのに十分な感度および特異度がないので、本発明の方法と比較して不利であることがすぐに理解されると考えられる。キトトリオシダーゼ: ゴーシェ細胞はキトトリオシダーゼを分泌し、症状を示すゴーシェ病患者の血漿中にあるキトトリオシダーゼは平均して数百倍高いことが以前に見出されている(Hollak et al. Marked elevation of plasma chitotriosidase activity. A novel hallmark of Gaucher disease. J Clin Invest. 1994;93: 1288-1292)。したがって、血漿キトトリオシダーゼはゴーシェ病発現の代用マーカーとして用いられ、診断、疾患発症の早期決定、および治療効力のモニタリングに用いられる(Hollak et al. Marked elevation of plasma chitotriosidase activity. A novel hallmark of Gaucher disease. J Clin Invest. 1994; 93: 1288-1292; Mistry et al. A practical approach to diagnosis and management of Gaucher's disease. Baillieres Clin Haematol. 1997; 10: 817-838; Cox et al. Novel oral treatment of Gaucher's disease with N-butyldeoxynojirimycin (OGT 918) to decrease substrate biosynthesis. Lancet. 2000; 355: 1481-1485; Hollak et al. Clinically relevant therapeutic endpoints in type I Gaucher disease. J Inherit Metab Dis. 2001; 24: 97-105)。 それにもかかわらず、血漿キトトリオシダーゼレベルはある特定の臨床症状を反映せず、ゴーシェ細胞の全身体負荷を反映する(Aerts et al. Plasma and metabolic abnormalities in Gaucher's disease. Baillieres Clin Haematol. 1997;10: 691-709)。さらに、血漿キトトリオシダーゼレベルは、骨病態および脳損傷によって動かされる疾患の負荷(burden)を反映していない。キトトリオシダーゼレベルはゴーシェ病の病態生理と直接のつながりはない。さらに、治療後に、キトトリオシダーゼレベルは極めてゆっくりと変化するので、キトトリオシダーゼは、疾患の原因から独立して、患者に供される、または患者に供されたことのある治療効力ならびに疾患の再発を素早く評価するのに適していない。 さらに、ゴーシェ病患者を含む患者には、キトトリオシダーゼ遺伝子に24塩基対(bp)重複があるためキトトリオシダーゼ活性が欠損している可能性があるという事実によって、ゴーシェ細胞マーカーとしての血漿キトトリオシダーゼの使用は妨害される。明らかに、これらの個体は、血漿キトトリオシダーゼ活性の測定によってモニタリングすることができない。(Hollak et al. Marked elevation of plasma chitotriosidase activity. A novel hallmark of Gaucher disease. J Clin Invest. 1994; 93: 1288-1292; Boot et al. The human chitotriosidase gene. Nature of inherited enzyme deficiency. J Biol Chem. 1998; 273: 25680-25685)。キトトリオシダーゼ遺伝子にある24bp重複の頻度は民族に左右され、おおよそ35%まで上昇し得る(Prof. Guiliani, Brasil, 未発表データ)。CCL18: グルコシルセラミドを含むマクロファージまたはゴーシェ細胞はCCL18の主な供給源である。ゴーシェ病患者の血漿中のCCL18レベルは有意に高い(Boot, R.G. et al. 2004. Marked elevation of the chemokine CCL18/PARC in Gaucher disease: a novel surrogate marker for assessing therapeutic intervention. Blood 103:33-39.)。したがって、適用された療法の成功をモニタリングするための代用マーカーとして血漿中のCCL18レベルを使用する試みがなされた。それにもかかわらず、高レベルのCCL18が、様々なタイプの癌ならびに関節、肺、および皮膚の炎症などの様々な疾患に関連することも見出された。例えば、卵巣癌腫患者の腹水は、卵巣癌腫のない患者(バッド・キアリ症候群)と比較して有意に高いレベルのCCL18を含有する(Schutyser, E. et al. 2002. Identification of biologically active chemokine isoforms from ascitic fluid and elevated levels of CCL18/pulmonary and activation-regulated chemokine in ovarian carcinoma. J Biol. Chem. 277:24584-24593.)。CCL18は特定の免疫細胞を引きつけ、活性化するので、腫瘍抑制において役割を果たす。さらに、急性リンパ球性白血病を有する小児は高レベルのCCL18を示すことが見出されたのに対して、急性骨髄性白血病を有する小児は高い血清レベルのCCL18を示さない(Struyf, S et al. 2003. ARC/CCL18 is a plasma CC chemokine with increased levels in childhood acute lymphoblastic leukemia. Am J Pathol. 163: 2065-2075.)。さらにまた、血漿CCL18レベルはある特定の臨床症状を反映せず、ゴーシェ細胞の全身体負荷を反映する。前記から分かるように、CCL18はゴーシェ病の診断について極めて低い特異度を示し、したがって、主に、キトトリオシダーゼ活性欠損患者の「補助的な」代用マーカーとして適用される。 キトトリオシダーゼおよびCCL18の使用に関連して、キトトリオシダーゼは、全患者の10〜30%において試験結果が陽性と出なかったという点にも注目しなければならない。すなわち、患者はゴーシェ病に罹患しているが、試験結果が陰性となり、療法の適用も断念される。さらに、これらの場合、マーカーは、モニタリング、例えば、ERTのモニタリングのためのフォローアップマーカーとしてこれ以上使用することができない。患者がキトトリオシダーゼの欠陥の影響を受けると思われれば、CCL18がゴーシェ病を診断するためのバイオマーカーとして用いられる。これによって、バイオマーカーとしてCCL18を使用する方法は比較的低い特異度および感度を示し、すなわち、全患者の約25%において偽陽性または偽陰性と診断する。 本明細書で使用する「ゴーシェ病の状況」という用語は、好ましくは、対象における疾患の状況をいう。ゴーシェ病の状況のタイプの例には、ゴーシェ病に罹患する、またはゴーシェ病を発症する対象のリスク、対象における疾患の段階、および疾患の治療の有効性が含まれるが、これに限定されない。他の状況およびそれぞれの状況の程度は当技術分野において公知である。本発明の一態様において、ゴーシェ病の状況は、重度、軽度、または健常のゴーシェ病の状況を含む。 本明細書で使用する「診断する」という用語は、好ましくは、対象における疾患もしくは障害の存在もしくは非存在を決定する工程、および/あるいは対象が疾患、障害、または疾患もしくは障害に関連した症状を発症するリスクがあるかどうか確かめる工程、ならびに疾患の状況を予測する工程を意味する。 本発明の文脈において「検出する」という用語は、試料中の物質の存在もしくは非存在を検出する工程および/または前記タイプの前記物質を定量する工程を含む方法を意味する。検出する工程は、当技術分野において公知の方法、およびさらに、グルコシダーゼ酵素の直接測定、例えば、グルコシダーゼをコードする遺伝子の配列決定を含むが、これに限定されない本明細書に記載の方法によって達成することができる。任意の適切な方法を用いて、本明細書に記載のバイオマーカーの1つまたは複数を検出することができる。これらの方法には、質量分析(例えば、HPLC-MS/MS)、蛍光(例えば、サンドイッチイムノアッセイ)、HPLC-蛍光またはHPLC-UV、好ましくは、遊離lyso-Gb1誘導体化後のHPLC-蛍光またはHPLC-UVが含まれるが、それに限定されるわけではない。 本明細書で使用するバイオマーカーは、好ましくは、別の表現型の状況(例えば、疾患を有さない)と比較して、ある表現型状況の(例えば、疾患を有する)対象に由来する試料に異なって存在し、対象に由来する試料から単離され得る、または対象に由来する試料において測定され得る任意の生物学的化合物、例えば、タンパク質およびその断片、ペプチド、ポリペプチド、プロテオグリカン、糖タンパク質、リポタンパク質、炭水化物、脂質、核酸、有機化学物質または無機化学物質、天然ポリマー、および低分子である。さらに、バイオマーカーは、無傷の分子全体でもよく、その一部でもよく、好ましくは、質量分析、抗体、バイオマーカーに特異的に結合する別のタンパク質、バイオマーカーに特異的に結合する機能性核酸、および/または蛍光標識によって検出される。さらに、バイオマーカーの測定可能な局面が患者の所定の状況、例えば、ゴーシェ病の特定の状況と関連するのであれば、バイオマーカーには情報価値があるとみなされる。測定可能な局面は、例えば、対象に由来する試料中のバイオマーカーの存在、非存在、もしくはレベル、および/またはバイオマーカーのプロファイルの一部としてのその存在を含んでもよい。測定可能な局面は、バイオマーカーの2つ以上の測定可能な局面の比でもよい。このバイオマーカーは、例えば、既知の同一性のものでもよく、既知の同一性のものでなくてもよい。バイオマーカーのプロファイルは少なくとも2つのこのような測定可能な局面を含み、測定可能な局面は、同じまたは異なるクラスのバイオマーカー、例えば、核酸および炭水化物に対応してもよい。バイオマーカープロファイルはまた少なくとも3、4、5、10、20、30、またはそれより多い測定可能な局面を含んでもよい。1つの態様において、バイオマーカープロファイルは、数百またはさらには数千の測定可能な局面を含む。別の態様において、バイオマーカープロファイルは、少なくとも1つのバイオマーカーの少なくとも1つの測定可能な局面および少なくとも1つの内部標準の少なくとも1つの測定可能な局面を含む。 本発明による方法の一態様において、対象に由来する試料に内部標準が添加される。したがって、本明細書においてISとも呼ばれる内部標準の試料への前記添加によって、すなわち、試料中のISの濃度が既知である、本発明による方法に供される試料のスパイキング(spiking)によって、例えば、内部標準のピーク下面積、すなわち、ピーク面積を求めることによって、例えば、HPLC-質量分析クロマトグラムにおける内部標準のピーク下面積、すなわち、ピーク面積を求めることによって、ピーク面積と、物質の濃度、例えば、ISの濃度および/またはこの場合、遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーの濃度との関係は、例えば、遊離lyso-Gb1ピーク面積とISピーク面積との比を計算することによって計算することができることが認められる。さらに、当業者であれば、ISとして様々な分子を使用できることを認めるであろう。そうではあるが、バイオマーカー、例えば、遊離lyso-Gb1などの分子と比較して類似した化学構造を有するISが好ましい。これによれば、本発明者らは、一態様において、さらなる糖部分を含み、さらに、それ自体として天然に存在しない点でlyso-Gb1と異なるlyso-Gb2を選択した。好ましい態様では、ISである分子は本発明の方法において遊離lyso-Gb1と区別することができる。さらに好ましい態様において、ISは、理想的には、分子が天然に存在しないか、または稀に存在するように選択される。本発明の一態様において、内部標準が対象に由来する試料に添加される場合、試料への前記添加前に、ISは溶媒、例えば、エタノールに溶解されるように添加されることが好ましい。さらに好ましい態様において、溶媒は、タンパク質沈殿を引き起こすことができるように、好ましくは、本発明の方法に供された時にタンパク質沈殿工程を引き起こすことができるように選択される。 本発明の一部の態様において、タンパク質沈殿および/またはタンパク質沈殿工程は本発明の方法の一部である。本明細書で使用する沈殿は、好ましくは、溶液中での固体の形成、すなわち、例えば、対象に由来する試料、例えば、血清中でのタンパク質沈殿物の形成を意味することが理解されると考えられる。試料中に沈殿、例えば、タンパク質沈殿が生じた時には、形成された固体は沈殿物と呼ばれる、または遠心機によって圧縮された時にはペレットと呼ばれる。固体の上部に残っている液体は、どちらの場合でも上清と呼ばれる。本発明は、特に、沈澱または沈降および遠心分離を含む、前記上清および前記沈殿物またはペレットを沈殿および/または分離する様々な方法を意図する。当業者であれば、タンパク質沈殿のための、ならびに/または上清およびタンパク質沈殿物を分離するためのさらなる方法を知っているだろう。そうではあるが、当業者であれば、方法、好ましくは、本発明の方法が適用されれば、沈殿タンパク質が、装置、例えば、本発明に関連して用いられるカラムまたはHPLC-カラムを不能にすると認めるだろう。沈殿タンパク質は、好ましくは、溶媒および/または試料から分離される。 本発明の一部の態様において、試料中の本発明の方法によって決定された本発明のバイオマーカー、例えば、遊離lyso-Gb1レベルは、別の試料中の本発明の方法によって決定された本発明の同じバイオマーカーまたは別のバイオマーカーのレベル、例えば、同じ患者に由来する、別の患者に由来する、対照に由来する、ならびに/または同じ時点もしくは異なる時点に由来するレベル、ならびに/あるいはカットオフレベル、ならびに/あるいは対照のレベルおよび/もしくはISのレベルと比較される。これに関連して、本明細書で使用する「を比較する」または「と比較される」は、好ましくは、バイオマーカーのレベルの2以上の値の数値比較を意味する。したがって、このような値の少なくとも2つが互いに比較されれば、前記値の1つが大きい、小さい、または同一であるかどうかがすぐに明らかになる。 本発明の一部の態様において、バイオマーカーのレベルは対照においても決定される。本明細書で使用する対照は、好ましくは、前記対象のゴーシェ病の状況が分かっている対象に由来する試料である。一態様において、対照は健常患者の試料である。さらなる態様において、ある量の前記バイオマーカーが健常患者の前記試料に添加された後に、本発明の方法を用いて、前記の添加されたバイオマーカーを含む健常患者の前記試料中の前記バイオマーカーのレベルが決定される。さらなる態様において、対照は、既知のゴーシェ病の状況を有する少なくとも1つの対象に由来する試料である。このような既知のゴーシェ病の状況は、重度、軽度、または健常のゴーシェ病の状況、例えば、対照患者を含む。さらに好ましい態様において、対照は、ゴーシェ病の治療を受けていない対象に由来する試料である。なおさらに好ましい態様において、対照は、1つの対象に由来する試料もしくは異なる対象に由来する試料のプールおよび/または異なる時点において対象から採取された試料である。 本明細書で使用する「レベル」または「バイオマーカーのレベル」という用語は、好ましくは、試料または対象の中の物質、好ましくは、本発明のバイオマーカーの濃度、より好ましくは、遊離lyso-Gb1の濃度を意味する。ある特定の態様において、前記試料は、未処理試料として、前記バイオマーカーのレベルを決定する工程を含む本発明の方法に供されるとは限らないことが当業者によって理解されるだろう。すなわち、前記試料は、例えば、タンパク質沈殿、分離、例えば、遠心分離、および/またはHPLCに供され、その後に、例えば、質量分析を用いてバイオマーカーのレベルを決定する工程に供されてもよい。さらに、バイオマーカーの「1つの(a)」レベルという用語は、本発明に従って決定される本発明のバイオマーカーのレベルに関連して用いられる時はいつでも、本発明の方法によって決定され、本発明の方法に供された試料中に含まれる本発明のバイオマーカーの「その(the)」レベルが意図されることに注目しなければならない。 異なる群におけるバイオマーカーのレベルの平均または中央値が統計的に有意であると計算されれば、バイオマーカーのレベルはゴーシェ病の異なる状況間で異なる。統計的有意性の一般的な検定には、特に、t検定、ANOVA、ウィルコクソン、マン・ホイットニー、オッズ比、およびクラスカル・ワリス(Kruskal-Wallis)が含まれる。バイオマーカーは単独でまたは組み合わされて、対象がある表現型の状況に属する相対リスクまたは対象が別の表現型の状況に属する相対リスクの尺度を提供する。したがって、本発明のバイオマーカーは、本発明の一態様では、疾患、薬物または治療の治療有効性のマーカーとして有用である。 本明細書で使用するバイオマーカーの「レベルを決定する工程」という用語は、好ましくは、対象に由来する試料中の少なくとも1種類の物質の量を定量する工程、および/または対象の身体の一部、例えば、唾液、血液、リンパ液、血清、血漿、もしくは液に含まれる前記物質の量を定量する工程、および/または対象における前記物質の量を定量する工程を含む方法であって、物質がバイオマーカーを含む群より選択される方法を意味する。 したがって、対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1を検出する工程および/または対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1のレベルを決定する工程は、好ましくは、Gb1と分けて、および/または切り離して遊離lyso-Gb1を検出することができないように、および/またはそのレベルを決定することができないように、対象の血中に存在するGb1を化学的に変換しない、変形しない、または誘導体化しないことを含むことが当業者によって理解されるだろう。当業者であれば、脱アセチル工程、例えば、メタノールを含有する水酸化ナトリウム中での加水分解による脱アセチル工程に供された対象に由来する試料中に存在するGb1が、Gb1から脂肪酸部分を切断し、したがって、望ましくないことに、遊離lyso-Gb1と区別できない化学的に変換された、変形された、または誘導体化された形のGb1をもたらすことを認めるだろう。したがって、本発明者らの利点は、Gb1から切り離された遊離lyso-Gb1がゴーシェ病を診断するための方法において有用だと認めたことである。 本発明の方法の好ましい態様において、前記方法は、対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1を検出するための方法および/または遊離lyso-Gb1のレベルを決定するための方法であって、対象に由来する試料中に存在するGb1がGb1脱アセチル工程に供されない、好ましくは、試料に含まれるGb1からの脂肪酸部分の切断工程に供されない方法である。本発明の方法のさらに好ましい態様において、対象に由来する試料中に存在するGb1は化学的に変換されない、変形されない、または誘導体化されない。本発明の方法のなおさらに好ましい態様において、Gb1から脂肪酸部分を切断する工程の前に、および/またはGb1が化学的に変換される、変形される、もしくは誘導体化される工程の前に、対象に由来する試料中に存在する遊離lyso-Gb1は、対象に由来する試料中に存在するGb1から分離される。なおさらなる好ましい態様において、対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーを検出する工程および/または遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーのレベルを決定する工程は、HPLCを用いた分離の後に質量分析を適用することによって行われる。 対象はゴーシェ病に関連する症状に罹患していなければ、ゴーシェ病に関して健常対象とみなされる。さらに、本発明の方法の一態様において、対象は、セレブロシダーゼ遺伝子の機能的部分の変異、および/または酵素グルコセレブロシダーゼもしくはその活性を低減もしくは欠損してゴーシェ病に関連する症状をもたらすセレブロシダーゼ遺伝子変異を有さなければ、健常とみなされる。対象に由来する試料が、本明細書に記載のような変異の遺伝子検査に供されれば、前記変異は検出される。本発明のさらなる態様において、健常対象に由来する試料は、本発明の方法において対照試料として、またはブランクマトリクス(blank matrix)として用いられる。本明細書において言及されるブランクマトリクスとは、好ましくは、健常対象に由来する試料である。そうではあるが、このようなブランクマトリクスは天然レベルの遊離lyso-Gb1を含有し得ることが理解されると考えられる。 本発明の一態様において、バイオマーカーのレベルは、疾患もしくは障害に罹患している、または疾患もしくは障害を発症するリスクがある対象を示している。本発明による方法によって決定されたバイオマーカーのレベルは対照バイオマーカーのレベルと比較され、前記比較の結果によって疾患の診断が可能になる。 より具体的には、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを対照バイオマーカーレベルと比較する工程は、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルをカットオフレベルと比較することを含み、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルがカットオフレベルと比較して上昇している、増加している、もしくは高い場合、これによって、対象がゴーシェ病に罹患していることもしくはゴーシェ病を発症するリスクがあることが示され、および/または対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルがカットオフレベルと比較して減少している、もしくは低い場合、これによって、対象がゴーシェ病に罹患していないこともしくはゴーシェ病を発症するリスクがないことが示される。対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを対照レベルと比較する工程がゴーシェ病の重篤度の決定を可能にすることも本発明の範囲内であり、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルが対照レベルと比較して上昇している、増加している、もしくは高い場合、これによって、対象が重篤度の高い状況もしくは進行のゴーシェ病に罹患していることまたは重篤度の高い状況もしくは進行のゴーシェ病を発症するリスクがあることが示され、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルが対照レベルと比較して減少している、もしくは低い場合、これによって、対象が重篤度の低い状況もしくは進行のゴーシェ病に罹患していることまたは重篤度の低い状況もしくは進行のゴーシェ病を発症するリスクがあることが示される。本発明のさらなる態様において、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを対照レベルと比較する工程は、前記対象におけるバイオマーカーのレベルを、対照からの試料において検出されたバイオマーカーのレベルと比較することを含み、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルが対照試料と比較して上昇している、増加している、もしくは高い場合、これによって、対象がゴーシェ病に罹患していることおよび/もしくはゴーシェ病を発症するリスクがあることが示され、ならびに/あるいは対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルが対照試料と比較して上昇している、増加している、もしくは高い場合、これによって、対象が重篤度の高い状況もしくは進行のゴーシェ病に罹患していることまたは重篤度の高い状況もしくは進行のゴーシェ病を発症するリスクがあることが示される。前記対照は、好ましくは、健常対象、ゴーシェ病に罹患している対象またはゴーシェ病の症状に罹患するリスクのある対象、セレブロシダーゼ遺伝子の変異または変異の組み合わせについての試験結果が陽性であった対象であって、セレブロシダーゼ遺伝子の変異または変異の組み合わせが、重篤度の高い状況もしくは進行または重篤度の低い状況もしくは進行のゴーシェ病を発症する対象の見込みを示す対象を含む群より選択される。本発明のさらなる態様において、対照レベルは、対照に由来する試料において決定され、任意で、対照に由来する試料中の遊離lyso-Gb1のレベルを決定する工程の前に、対照に由来する試料に特定の量の遊離lyso-Gb1が添加される。 本発明者らの利点は、対象におけるゴーシェ病を診断するための方法であって、対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーを検出する工程を含む、好ましくは、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程をさらに含む、より好ましくは、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルをカットオフレベルと比較する工程をさらに含む方法であって、高い感度、すなわち、少なくとも99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、または100%の感度、および少なくとも99.0%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、または100%の高い特異度を示す方法を確立できたことである。本発明のさらなる態様において、本発明による方法は、対象におけるゴーシェ病の進行状況に関係なく対象におけるゴーシェ病の診断を可能にする。より具体的には、本発明の方法は、ゴーシェ病の初期状況を有する対象における、ならびにゴーシェ病の進行した状況または進んだ状況を有する対象におけるゴーシェ病の診断を可能にする。 ゴーシェ病を正しく診断する方法の検出力は、一般的に、この方法の感度、この方法の特異度、または受信者動作特性曲線(本明細書において「ROC曲線」とも呼ばれる)下の面積として測定される。ROC曲線は、診断方法の可能性のある異なるカットオフレベルについて偽陽性率に対して真の陽性率をプロットしたものである。ROC曲線は感度と特異度との関係を示す。感度は、試験によって陽性であると予測された真の陽性のパーセンテージであるのに対して、特異度は、試験によって陰性であると予測された真の陰性のパーセンテージである。ROC曲線は、1-特異度の関数として試験の感度を示す。ROC曲線下面積が大きくなればなるほど試験の予測値が強力になる。したがって、感度の増加には特異度の減少が伴う。曲線がROC空間の左軸、次いで、上端に近づけば近づくほど、試験の正確度が高くなる。逆に、曲線がROCグラフの45度対角線に近づけば近づくほど、試験の正確度が低くなる。したがって、ROC下面積は試験の正確度の尺度である。試験の正確度は、試験が、試験されている群を、問題になっている疾患のある群および疾患のない群にどの程度うまく分離するかに左右される。1の曲線下面積(本明細書において「AUC」とも呼ばれる)は完璧な方法を表すのに対して、0.5の面積は有用でない方法を表す。したがって、本発明の好ましい診断方法のAUCは0.50超であり、より好ましい方法のAUCは0.9超であり、最も好ましい方法のAUCは0.998超である。 方法の有用性の他の有用かつ適切な尺度は陽性予測値および陰性予測値である。陽性予測値は、試験結果が陽性であったもののうち、実際に陽性であったパーセンテージである。陰性予測値は、試験結果が陰性であったもののうち、実際に陰性であったパーセンテージである。 先行技術のバイオマーカー、例えば、キトトリオシダーゼおよび/またはCCL18を使用する、対象におけるゴーシェ病の状況を定量するための方法は、典型的に90%以下の感度および特異度を示す。 当業者であれば、本発明による方法の特異度および感度は前記と同じくらい高く、下記の実施例に記載のように決定されたが、本発明の方法を用いて、ゴーシェ病を有する患者の試験結果が偽陰性である場合、またはゴーシェ病を有さない患者の試験結果が偽陽性である場合に、個々の事例は排除されない場合があることを認めるであろう。本発明による方法の特異度および感度を決定している間に前記の事例を考慮に入れると、特異度および感度は前記の値より低くなると考えられる。そうではあるが、当業者であれば、ゴーシェ病を診断するための方法について、前記で概説されたような高特異度および高感度は以前に述べられたことがないことも認めるであろう。したがって、実施例のパートにおいて報告された患者集団以外の患者集団、例えば、患者数の点で異なる集団が本発明の方法に供されれば、本発明の方法の感度および特異度が変化する場合があることに注目するのは重要である。バイオマーカーを用いた先行技術において公知の方法は、本発明による方法と比較して高い特異度および高い感度を実現しないと本発明者らは固く信じている。このことは、本発明の方法の検出限界が多くの健常対象における遊離lyso-Gb1レベルの決定を可能にするので特に当てはまる。したがって、本発明の方法を適用して試験結果が偽陰性となった罹患対象は、前記の試験結果が偽陰性となった罹患対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルが、健常対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルと同じくらい高いという理由で試験結果が偽陰性となる。特に、バイオマーカーのレベルが低すぎて本発明の方法によって決定できなかったという理由で、前記の試験結果が偽陰性となった対象が、試験結果が陰性とならないことに注目するのは重要である。 本明細書で使用する物質、例えば、遊離lyso-Gb1の「検出限界」は、好ましくは、物質レベルを決定するための方法によって決定された物質レベルである。前記検出限界より少ない、または前記検出限界より低いレベルは前記方法によって決定することができない。したがって、本明細書で使用する「カットオフレベル」および「検出限界」は好ましくは同一であるとは限らないが、両方とも、物質、例えば、本発明のバイオマーカーのある特定のレベルを反映することがすぐに明らかになる。対照的に、カットオフレベルは、好ましくは、方法の選択性および感度が可能な限り高くなるように選択されることがすぐに理解されると考えられる。これとは対照的に、検出限界は、前記バイオマーカーのレベルを決定するための方法を用いて検出することができるバイオマーカーの最小レベルを反映する、本発明の絶対的なバイオマーカーレベルを反映する。したがって、検出限界は、物質のレベルを決定するための方法、および前記方法によってレベルが決定される物質に左右されることがすぐに明らかになる。当業者であれば、試験によって陽性と予測された真の陽性のパーセンテージも、前記真の陽性についてバイオマーカーのレベルが決定され得るかどうかに左右されるので、高い検出限界、例えば、理想的なカットオフレベルより高い検出限界が方法の低い感度をもたらす可能性があることをすぐに理解するだろう。言い換えると、検出限界が理想的なカットオフレベルより高ければ、バイオマーカーのレベルがカットオフレベルよりわずかに高い真の陽性は、バイオマーカーのレベルがカットオフレベルより低い真の陰性と区別されない可能性がある。なぜなら、バイオマーカーのレベルがカットオフレベルよりわずかに高い真の陽性とバイオマーカーのレベルがカットオフレベルより低い真の陰性の両方について、バイオマーカーのレベルは決定されない可能性があるからである。したがって、低い検出限界が有利であることがすぐに明らかになる。したがって、低い検出限界が、高い選択性および感度で試料中に存在するバイオマーカーのレベルを決定する工程を含む、対象におけるゴーシェ病を診断するための方法を可能にすることを示すことも本発明者らの利点である。本明細書で使用する「理想的なカットオフレベル」は、好ましくは、本明細書に記載のカットオフレベルであり、前記の理想的なカットオフレベルを用いた前記方法の選択性および感度が最も高い。 本発明による方法の一態様は、本発明の方法によって対象における疾患または障害、好ましくは、ゴーシェ病を診断することによって前記方法を検証する工程;遺伝子の配列決定、好ましくは、疾患または障害を引き起こすことが当業者に公知の変異を有する遺伝子の配列決定、より好ましくは、ゴーシェ病の場合、セレブロシダーゼ遺伝子の配列決定を含む遺伝子検査によって、対象における疾患または障害、好ましくは、ゴーシェ病を診断する工程;ならびに前記方法の結果および前記遺伝子検査と比較する工程を含むことである。前記対象が前記疾患または障害に関連した症状に罹患していなければ、および遺伝子検査の結果が、疾患または障害を引き起こすことが当業者に公知の遺伝子の変異を明らかにしなければ、本明細書で使用する健常対象は好ましくは疾患または障害に関して健常であるとみなされる。健常対象はまた、ゴーシェ病を有さないことについての試験結果が陽性であった対象であると理解される。 本明細書で使用する、対象における「ゴーシェ病の状況を定量する工程」という用語は、好ましくは、対象におけるゴーシェ病の存在または非存在の特定または検出、対象におけるゴーシェ病の発症または発症リスクの予測、対象におけるゴーシェ病の経過の決定、対象におけるゴーシェ病の重篤度の決定および/または予測、対象がゴーシェ病の初期状況またはゴーシェ病の進行した状況もしくは進んだ状況に罹患しているかどうかの決定、あるいは対象におけるバイオマーカーのレベルが有意に経時変化したかどうかの決定を含む群より選択される対象のバイオマーカープロファイルの分類を意味する。 本明細書で使用する「対象治療を管理する」または「対象管理」という用語は、好ましくは、ゴーシェ病の状況を決定した後の臨床家または医師の行為をいう。例えば、本発明による方法の結果が決定的でなければ、または状況の確認が必要な理由があれば、医師は、グルコセレブロシダーゼ機能の検査および/またはグルコセレブロシダーゼをコードする遺伝子の配列決定などの新たな試験を命じることがある。または、状況からゴーシェ病治療が妥当であると分かれば、医師は、対象にゴーシェ病治療の予定を組み込むことがある。同様に、状況が陰性であれば、または結果から治療が成功していると分かれば、さらなる管理は必要でない場合がある。そうではあるが、当業者であれば、遺伝子療法に加えて任意の療法が適用される、例えば、ERTおよび/またはSRTはゴーシェ病患者に生涯を通じて適用しなければならないとすぐに認めるだろう。さらに、対象治療の管理は、ゴーシェ病治療として適用される薬物の用量、例えば、患者に投与される、ERTにおいて適用される組換え酵素の単位の滴定(titrating)を含むことが本発明の一態様である。対象に由来する試料中に存在するバイオマーカーのレベルがいくつかの時点において決定される、またはバイオマーカーの他のレベル、カットオフレベル、および/または対照における前記バイオマーカーのレベルと比較される本発明の方法の一部の態様において、当業者は、ゴーシェ病を治療するために、もしくはゴーシェ病を治療しないために、またはゴーシェ病の治療を続けるために、療法を適用する、もしくは療法を適用しない、または既に適用されている療法を変更する。 バイオマーカーのレベルのこのような比較から、例えば、前記バイオマーカーのレベルが、例えば、カットオフレベルより高いと分かれば、すなわち、患者がゴーシェ病を有すると診断されば;または以前に同じ患者において決定されたレベルの方が低いもしくは同じであると分かれば、すなわち、適用された療法が十分でなければ、すなわち、レベルを減少させなければ、当業者が、投与量を適用する、および/または投与量を維持する、もしくは投与量を変更する、例えば、投与量またはさらに高い投与量を適用する、すなわち、投与量を増やすことは本発明の範囲内である。他方で、バイオマーカーのレベルのこのような比較から、例えば、前記バイオマーカーのレベルが、例えば、カットオフレベルより低いと分かれば、すなわち、患者がゴーシェ病を有さないと診断されば;または以前に同じ患者において決定されたレベルの方が高いと分かれば、すなわち、適用された療法が十分であれば、すなわち、レベルを減少すれば、当業者が、投与量を適用する、もしくは適用しない、または投与量を維持もしくは低減する、例えば、投与量を適用しない、もしくはさらに低い投与量を適用する、すなわち、投与量を減少させる。本発明の一態様において、このような比較に基づいた比較的高い遊離lyso-Gb1レベルは、ERTにおいて適用される高い投与量の組換え酵素の適用を示す、および/またはこのような比較に基づいた比較的低い遊離lyso-Gb1レベルは、ERTにおいて適用される低い投与量の組換え酵素を適用することを示す。そうではあるが、当業者が患者の病歴を考慮することもすぐに理解されることであり、すなわち、バイオマーカーのレベルがカットオフレベルより低くなるように、ゴーシェ病に罹患しかつ治療を受けている患者の対象治療を管理している当業者は、例えば、投与量を減少させたり本発明の方法のさらなる適用の間の時間を延ばしたりするのではなく治療を止めるように決断することはないと考えられる。 ゴーシェ病の経過は、疾患の経過中に異なる時点において対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを決定することによって、本発明による方法によって決定されてもよい。本発明によるゴーシェ病を診断するための方法の一回の適用は、ゴーシェ病の診断を可能にし、ある特定の態様では、対象がゴーシェ病に罹患しているかどうか、またはゴーシェ病を発症するリスクがあるかどうかの診断に基づいて対象治療を管理する工程を含むことに注目するのは重要である。本発明の方法にこのように供された対象試料の、ゴーシェ病に罹患していることまたはゴーシェ病を発症するリスクがあることについての試験結果が陽性であれば、当業者であれば、対象治療の管理に関して決定するやり方、すなわち、どのように対象を治療するか、例えば、ERTに関してある特定の用量の酵素を適用して対象を治療するかを知っているだろう。対象治療を管理するやり方についての当業者の決定とは関係なく、当業者が、後の時点での、本発明による方法の少なくとも1回のさらなる適用を決定し得ることは、すぐに理解されると考えられる。したがって、本発明の一態様は、異なる時点で決定されたバイオマーカーのレベルが比較され得ることである。異なる時点とは少なくとも2つの時点を意味する。任意の理論に拘束されるつもりはないが、本発明者らは、ある特定の患者に由来する試料中の本発明のバイオマーカーのレベルが、患者から試料が採取された時点での前記患者における疾患の重篤度と相関付けられ得ると発見した。したがって、前の時点の試料において決定されたバイオマーカーのレベルと比較して後の時点の試料において決定されたバイオマーカーのレベルが高いことは、前の時点の対象の状況と比較して後の時点における対象の重篤度が高い状況を示すとすぐに理解されると考えられる。前の時点の試料において決定されたバイオマーカーのレベルと比較して後の時点の試料において決定されたバイオマーカーのレベルが低いことは、前の時点の対象の状況と比較して後の時点の対象の重篤度が低い状況を示す。したがって、1つの局面において、本発明は、対象におけるゴーシェ病の経過を決定するための方法であって、対象に由来する試料中に存在する遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーのレベルを、いくつかの時点において決定する工程を含む方法を提供する。さらなる局面において、本発明は、ゴーシェ病に罹患していることまたはゴーシェ病の発症リスクがあることについての試験結果が陽性であった対象に適用された少なくとも1つの治療の有効性を決定するための方法であって、対象に由来する試料中に存在する遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーのレベルを、いくつかの時点において決定する工程を含む方法に関する。したがって、本発明の方法は、本発明の方法の結果に基づいて、療法の選択、ならびに/または選択された療法の用量および/もしくは投与量の調節を可能にすることが当業者によってすぐに理解されるだろう。例えば、対象にゴーシェ病治療の予定が組み込まれれば、本発明による対象におけるゴーシェ病を診断するための方法は3ヶ月ごとに適用されてもよく、対象に適用された治療および/または療法の有効性を決定するために、このように決定されたバイオマーカーのレベルが比較される。安定したバイオマーカーのレベルがある期間にわたって維持されている状況に対象が達したら、本発明による対象におけるゴーシェ病を診断するための方法の適用の頻度が6ヶ月ごとに減らされてもよい。療法の投与量が変わったら、例えば、ERTにおいて適用される組換え酵素の単位が低減または増加したら、本発明による対象におけるゴーシェ病を診断するための方法の適用の頻度を3ヶ月ごとに逆戻りさせてもよい。対象に由来する試料において決定されたバイオマーカーのレベルを比較することによって、熟練した医師であれば、バイオマーカーのレベルが増加している、減少しているかどうか、またはある期間にわたって安定したバイオマーカーのレベルが維持されているかどうかを認めるであろう。したがって、熟練した医師は、本発明による方法を用いて決定されたバイオマーカーのレベルの比較に従って、療法の投与量、例えば、ERTにおいて適用される組換え酵素の単位を低減しようと決断してもよく、療法の投与量を増やそうと決断してもよく、療法の投与量を維持しようと決断してもよい。12ヶ月以内に遊離lyso-Gb1レベルが約60%低減することは、ゴーシェ病の療法が成功したことを示す。本明細書で使用する低減は、好ましくは、期間の終わりに決定された本発明の方法によって決定された遊離lyso-Gb1レベルが、前記期間の開始において決定された本発明の方法によって決定された遊離lyso-Gb1レベルと比較されることを意味する。したがって、熟練した医師は、適用された療法の投与量を低減しようと決断してもよく、療法の投与量を維持しようと決断してもよい。遊離lyso-Gb1レベルの低減が有意に弱ければ、熟練した医師は療法の投与量を増やそうと決断してもよい。遊離lyso-Gb1レベルの低減が療法の有効性と相関関係にあると認めたことは本発明者らの利点でもある。期間内での、例えば、12ヶ月以内での遊離lyso-Gb1レベルの低減が強ければ強いほど、療法、例えば、ERT、SRT、またはシャペロンに基づく療法は成功している。したがって、本発明のさらなる態様は、本発明の方法が、対象に適用された療法または少なくとも2つの療法の有効性を比較するための方法であることである。 したがって、当業者であれば、1人の対象における進行、すなわち、ゴーシェ病の経過、ならびに療法の有効性は、対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1レベルを頻繁に決定する工程によってモニタリングできることを認めるであろう。 さらなる局面において、本発明は、ゴーシェ病に罹患していることまたはゴーシェ病の発症リスクがあることについての試験結果が陽性であった対象に適用された少なくとも1つの治療の有効性を決定するための方法であって、対象に由来する試料中に存在する遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーのレベルを、いくつかの時点において決定する工程を含む方法に関する。対象治療の管理に関して前記で概説されたものに関連して、当業者であれば、本発明の方法を適用して1種類の治療または少なくとも2種類の治療の組み合わせの有効性を比較できることをすぐに理解するだろう。したがって、本発明の方法によってゴーシェ病のいくつかの新たな薬物、剤形、投与量、または治療を試験および比較することは可能である。 本発明の一態様は、本発明によるゴーシェ病を診断するための方法が、対象が以前にゴーシェ病の治療を受けたことがあるか、または対象が以前にゴーシェ病の治療を受けたことがないかに関係ないことである。したがって、対象に由来する試料は、以前にゴーシェ病の治療を受けたことがある対象に由来する試料ならびに以前にゴーシェ病の治療を受けたことがない対象に由来する試料でもよい。したがって、本発明のさらなる態様は、本発明の方法が、対象治療を管理する工程、および/または対象管理後に対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程を含むことである。前記の対象治療は、対象がゴーシェ病に罹患しているか、またはゴーシェ病を発症するリスクがあるかの診断;対象管理後の、対象に由来する試料中のバイオマーカーの検出;または対象管理後の、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルの決定に基づいてもよい。そうではあるが、当業者であれば、ゴーシェ病を有さない一部の患者またはゴーシェ病が首尾良く治療された一部の患者の試料が検出限界より低い遊離lyso-Gb1レベルを示すことを理解するだろう。 任意の理論に拘束されるつもりはないが、本発明者らは、対象に由来する試料中に存在する遊離lyso-Gb1レベルがゴーシェ病に罹患している対象における疾患の重篤度とさらに相関関係があると考える。これに関連して、本発明者らは、本明細書において提供された(例えば、本明細書の図4に示された)結果を評価することによって、原則として、遊離lyso-Gb1レベルが特定の個体において異なるが、より具体的には、同じ変異を有する特定の個体において異なることがあるが、遊離lyso-Gb1レベルが高ければ高いほど、臨床スコアによる統計平均の点から見てゴーシェ病の経過の重篤度はひどくなることを発見した。これによって、一般的に、軽度の(例えば、N370S変異)またはより重度の(例えば、L444P変異)ゴーシェ病の経過を引き起こすことが知られている特異なグルコセレブロシダーゼ遺伝子変異についての試験結果が陽性であった患者において、前記患者において決定された遊離lyso-Gb1レベルが、このような変異に一般的に関連する重篤度と統計的に相関関係にあったので、遊離lyso-Gb1レベルはゴーシェ病の重篤度と相関関係がある。 したがって、本発明の異なる局面のさらなる態様は、以下の工程を含む、対象におけるゴーシェ病の重篤度を決定するための方法に関する:a) 対象に由来する試料中に存在するバイオマーカーのレベルを決定する工程であって、バイオマーカーが遊離lyso-Gb1である、工程、およびb) 例えば、対象における遊離lyso-Gb1レベル、好ましくは、本発明の方法によって決定された対象における遊離lyso-Gb1レベルを臨床スコアと比較することによって、ゴーシェ病の重篤度を決定する工程。 これに関連して、本発明の方法に供されたセレブロシダーゼ遺伝子の配列決定時にL444P変異(ホモおよび複合ヘテロ)を示したゴーシェ病に罹患している患者に由来する試料において遊離lyso-Gb1レベルが決定された場合、遊離lyso-Gb1の平均レベルは、同じ方法(図4)を適用してセレブロシダーゼ遺伝子の配列決定時にN370S変異を示したゴーシェ病に罹患している患者に由来する試料において決定された遊離lyso-Gb1の平均レベルより高いことに注目するのは重要である。変異L444Pは、重篤度の高いゴーシェ病の経過を引き起こすことが知られている。これは、対象が前記変異に関してホモである場合に特に当てはまる。これと一致して、ホモにおいて遊離lyso-Gb1の高い平均レベルがホモN370S変異と比較して決定された(それぞれ、194ng/mlおよび159ng/ml。図4を参照されたい)。さらに、複合ヘテロL444P変異を有する患者の遊離lyso-Gb1レベルはホモ患者より有意に低い(それぞれ、89ng/mlおよび45.4ng/ml)。当業者であれば、ゴーシェ病の重篤度または症状またはその症状の全体を分類するための臨床スコアを知っているだろう。したがって、本発明の方法の一態様は、本発明の方法に従って決定されたバイオマーカーのレベルに基づいて、患者におけるゴーシェ病の経過が予測され、より具体的には、ゴーシェ病の重篤度が決定されることである。 本発明の一態様は、本明細書に記載のように前記患者に由来する試料において決定されたキトトリオシダーゼの平均レベルがゴーシェ病の重篤度と相関付けられたので、キトトリオシダーゼ遺伝子の変異を有さない、特に、本明細書に記載の24bp重複を有さない患者において決定されたキトトリオシダーゼレベルはゴーシェ病の重篤度を相関付けるための基準として役立つことである。したがって、例えば、200nmolMU/h/ml未満のキトトリオシダーゼレベルは、ゴーシェ病に罹患していない患者のゴーシェ病の状況と相関付けられる。これに関連して、ゴーシェ病の治療を受けた患者が200nmolMU/h/ml未満のキトトリオシダーゼレベルも示すことがあることに注目するのは重要である。2000nmolMU/h/mlを超えるレベルは「末期の(fullblown)」または「重篤な」ゴーシェ病の状況と相関付けられ、200〜2000nmolMU/h/mlのキトトリオシダーゼレベルは、「軽度の」ゴーシェ病の状況と相関付けられる。 これに関連して、200〜1000nmolMU/h/mlのキトトリオシダーゼレベルが、別のLSD、例えば、ニーマン・ピック病C型またはクラッベ病に罹患している対象に由来する試料にも見出されることがあり、それによって、ゴーシェ病を診断するためのキトトリオシダーゼの使用が不適切になることに注目するのは重要である。したがって、ゴーシェ病の重篤度と相関付けるためにキトトリオシダーゼレベルの使用に関連して前記で概説された考慮すべき事項は、典型的には、ゴーシェ病および/または高いキトトリオシダーゼレベルを示すことが知られている他のLSDの存在または非存在が変異分析によって証明される患者にのみ適用される。 遊離lyso-Gb1レベルが、キトトリオシダーゼ遺伝子の変異を有さない、特に、本明細書に記載の24bp重複を有さない前記患者において本発明の方法に従って決定されれば、前記患者のそれぞれに由来する試料において決定された前記遊離lyso-Gb1レベルは、前記患者のキトトリオシダーゼレベル、ならびに/または前記患者のゴーシェ病の重篤度および/もしくはゴーシェ病の状況の程度と相関付けられる。したがって、健常、軽度、および重度を含む、ゴーシェ病の重篤度および/またはゴーシェ病の状況の程度が決定され、好ましくは、前記で概説されたようなキトトリオシダーゼレベルおよび/またはキトトリオシダーゼレベルの範囲と相関付けられる。 当業者であれば、対象に由来する試料において決定され、前記のようにゴーシェ病の重篤度と相関付けられた本発明のバイオマーカーのレベルは、ある特定の療法および/または前記療法の用量もしくは投与量の適用を示すことを認めるであろう。例えば、本発明の方法に従って決定されたバイオマーカーのレベルが「重篤な」または「末期の」ゴーシェ病の状況と相関付けられれば、対象はゴーシェ病治療の予定が組み込まれ、本発明による対象におけるゴーシェ病を診断するための方法は3ヶ月ごとに適用されてもよく、対象に適用された治療および/または療法の有効性を決定するために、このように決定されたバイオマーカーのレベルが比較される。バイオマーカーのレベルが「軽度の」ゴーシェ病と相関付けられている、または安定したバイオマーカーのレベルがある期間にわたって維持されている状況に対象が達したら、本発明による対象におけるゴーシェ病を診断するための方法の適用の頻度を6ヶ月ごとに減らしてもよい。 別の局面において 本発明は、ゴーシェ病治療のための組成物の有効性を決定する方法に関する。このような方法は、以下の工程を含んでもよい:ゴーシェ病を有する対象における遊離lyso-Gb1のレベルを決定する工程;前記対象に、前記化合物の有効性を決定するのに十分な量で前記化合物を投与する工程;前記対象における遊離lyso-Gb1レベルを再び決定する工程;前記組成物の投与の前後に決定された遊離lyso-Gb1レベルを比較する工程であって、前記組成物の投与後に決定された遊離lyso-Gb1レベルと比較して、前記組成物の投与後に決定された遊離lyso-Gb1レベルが低いことはゴーシェ病治療のための前記化合物の有効性を示す、工程。 これより、本発明を、以下の実施例および図によってさらに例示する。以下の実施例および図から、さらなる特徴、態様、および利点が考慮され得る。 より具体的には、 図1Aは、ng/ml血漿の単位で遊離lyso-Gb1レベルを示したボックスプロットである; 図1Bは、対象の性別によってグループ分けされたng/ml血漿の単位で遊離lyso-Gb1レベルを示したボックスプロットである; 図2Aは、遊離lyso-Gb1およびキトトリオシダーゼの受信者動作特性(ROC)曲線を示したグラフである; 図2Bは、遊離lyso-Gb1およびCCL18の受信者動作特性(ROC)曲線を示したグラフである; 図3Aは、計20人のドイツ人ゴーシェ病患者の時間の関数としてng/ml血漿の単位で遊離lyso-Gb1を示した図である; 図3Bは、計24人の未治療ゴーシェ病患者(10人のドイツ人患者、14人のイスラエル人患者)の時間の関数としてng/ml血漿の単位で遊離lyso-Gb1を示した図である; 図3Cは、療法開始前後の計9人のイスラエル人ゴーシェ病患者の時間の関数としてng/ml血漿の単位で遊離lyso-Gb1を示した図である; 図3Dは、療法開始前後のイスラエル人ゴーシェ病患者およびドイツ人ゴーシェ病患者の時間の関数としてng/ml血漿の単位で遊離lyso-Gb1の回帰に基づいた値を示した図である; 図4は、2個の高頻度変異について遊離lyso-Gb1レベルの中央値を示した表である; 図5Aは、健常対象の遊離lyso-Gb1およびISのピーク強度を示したHPLC-質量分析クロマトグラムである; 図5Bは、ゴーシェ病患者の遊離lyso-Gb1およびISのピーク強度を示したHPLC-質量分析クロマトグラムである; 図5Cは、ゴーシェ病患者の遊離lyso-Gb1およびISのピーク強度を示したHPLC-質量分析クロマトグラムである。 以下に記載の実施例では、対象に由来する試料としてヒト血漿を使用した。そうではあるが、当業者であれば、例えば、唾液、液、血漿、血清、全血(full blood)、乾燥血液フィルターカード上にある血液、または別の血液製剤を含む、対象に由来する試料の使用されたタイプに応じて、本発明の方法を試料タイプに合わせなければならず、さらに、以下の実施例に記載の方法に従って、それぞれの試料タイプについてカットオフレベルを決定しなければならないことを認めるであろう。本発明者らは、ヒト血清試料およびヒト血漿試料が同じ対象に由来し、同じ時点で採取され、試料が同時に測定されれば、ヒト血漿試料の代わりに、下記のように方法においてヒト血清試料を用いても、遊離lyso-Gb1の検出、したがって、遊離lyso-Gb1の決定されたレベルに従って同一の結果が得られる、より具体的には、同じカットオフレベルが得られることを発見した。拘束されるつもりはないが、かつ例示として、ヒト患者に由来する唾液を用いることによって、試料のpH値に応じて方法を調節することができる。または、対象に由来する試料として全血または乾燥血液フィルターカード上に収集された血液を使用した場合は、カットオフレベルが20ng/mlになるように決定することができる。実施例1:ヒト血清中の遊離lyso-Gb1を検出するための方法機材 対象に由来する血漿試料中の遊離lysoGb-1を検出するために、以下の機材を使用した。試薬 対象に由来する血漿試料中の遊離lysoGb-1を検出するために、以下の試薬を使用した。 値(例えば、pH値)が温度に左右される限りにおいては、このような値を温度25℃で求めた。 本明細書で使用する「p.a.」という略語は「プロアナリシス(pro analysis)」を意味する。 本明細書で使用する「プラム(purum)」という用語は、好ましくは、前記で特定された値の純度を有する商業グレードの化合物を意味する。 本明細書で使用するASTM-Iは、逆浸透および紫外線(UV)酸化を含む精製法によって達成される水グレード標準純度(water grade standard purity)をいう。較正標準の調製 1.70mgのLyso-Gb1(Matreyaによって送付された)を5mLのMeOHに溶解することによってLyso-Gb1原液を調製した。 この後に、以下に表示したように、12μLのLyso-Gb1原液および5mLのDMSO/MeOH(1:1;v/v)の混合物として溶液V1-A-534を調製した。 この後に、溶液V1-A-534または高濃度の較正標準を溶媒MeOH/水(1:1;v/v)にスパイキングすることによって較正標準を調製した。詳細なスパイキング計画を以下に表示する。 較正のために、0.400〜100ng/mLの間で7種類の濃度レベルを有する較正標準、すなわち、較正標準Std3A-534、Std4A-534、Std5A-534、Std6A-534、Std7A-534、Std8A-534、およびStd9A-534を使用した。対照試料の調製 溶液V1-A-534または高濃度の対照試料をブランクマトリクスにスパイキングすることによって対照試料を調製した。 詳細なスパイキング計画を以下に表示する。ブランクマトリクス ブランクマトリクスとして健常対象のヒト血漿を使用した。当業者であれば、健常対象に由来する前記血漿が天然の遊離lyso-Gb1レベルを含有することを認めるであろう。前記の天然の遊離lyso-Gb1レベルは本発明の方法によれば約1.4ng/mlである。したがって、前記の天然の遊離lyso-Gb1レベルを含むブランクマトリクスのスパイキングによって調製された対照試料が、濃縮溶液または高濃度の対照試料によるスパイキングによって得られた遊離lyso-Gb1レベルに加えて、前記の天然の遊離lyso-Gb1レベルも含むことは明らかである。したがって、対照試料中の遊離lyso-Gb1レベルは以下の通りである。QC-A1-534 1ng/mL+ブランクマトリクスにおける天然濃度QC-B1-534 5ng/mL+ブランクマトリクスにおける天然濃度QC-C1-534 50ng/mL+ブランクマトリクスにおける天然濃度 当業者であれば、ブランクマトリクスとして用いられた健常対象のヒト血漿は当業者に公知の任意の商業的供給業者において購入できること認めるであろう。非健常対象、すなわち、ゴーシェ病を有する対象の血漿がブランクマトリクスとして間違って用いられたら、これが、本発明による方法によって決定された対照試料中の非常に高い遊離lyso-Gb1レベルをもたらすことに注目するのは重要である。したがって、この方法の許容範囲は、本発明による方法に供される対象の推定レベルの±15%の範囲内にあるとすぐに認められると考えられる。試験試料内部標準の調製 Lyso-Gb2(Matreyaによって送付された)1.00mgをDMSO/MeOH(1/1;vol/vol)2mLに溶解することによって内部標準(IS1)原液を調製した。 この後、内部標準標準溶液をIS1原液410μLおよびエタノール500mLの混合物として調製した。エタノールは任意の商業的供給業者から購入することができる。エタノールは、本明細書に記載の方法に適したグレードを有する無水エタノールである。当業者であれば、試料に前記内部標準標準溶液100μLを添加するのであれば、試料50μlに含まれているタンパク質は沈殿しなければならないと認めるだろう。試料および溶液の保管 対照試料または試験試料を-20℃より低い温度ですぐに保管した。または、アリコートを新しいガラスバイアルに移した後に、同じ条件下で保管した。 濃縮溶液(原液、V1-A-534など)ならびに内部標準原液を次のスパイキングまで-20℃より低い温度で凍結した。 内部標準標準溶液を使用するまで2℃〜8℃で保管した。 本発明者らは、前述された溶液中で遊離lyso-Gb1が安定していることを発見した。より正確には、37℃で2日間、保管される前および保管された後に前記試料中で遊離lyso-Gb1レベルが決定された場合に、本発明による方法によって決定されたゴーシェ病患者の血漿試料および/または血清試料の遊離lyso-Gb1レベルが同一であることが発見された。したがって、本発明の溶液および試料は当業者に周知の多くのやり方で輸送することができる。患者材料の輸送にはコールドチェーンの使用が好ましいが、必ずしも必要されるとは限らない。当業者であれば、溶液および試料を適切に保管するための方法およびこれらのそれぞれの条件も知っているだろう。例えば、前記の溶液および試料は数週間保管されてもよい。分析のための試料調製 分析バッチにおいて使用する全ての試料を、以下の通り分析のために調製した: 凍結試料を、周囲条件から選んだ水浴中で約20〜25℃で解凍した。解凍後、試料を混合した。 50μLの試料を試料バイアルに移した。 100μLの内部標準標準溶液(EtOH中)を試料に添加した。 この後に、このように得られた混合物を、DVX-2500マルチチューブボルテックス装置を用いて2500rpmで約30秒間、混合した。 相分離のために、このように得られた混合物を4000rpmで2分間、遠心分離した。 注入目的に十分な一定体積(約100μL)の上清を適切な(コニカル)オートサンプラーバイアルに移した。方法クロマトグラフィーパラメータおよびオートサンプラーパラメータ この後、前記のように分析のために調製した試料を以下に記載の方法に供した。 本明細書において使用したACE 3 C8カラム(ACE C8カラムNr.ACE-112-0502)は、Advanced Chromatography Technologies, Aberdeenから購入された。 「±」範囲が示されたパラメータは、シーケンス間で調整され得るパラメータを表すことが当業者により認められるだろう。本明細書で使用するシーケンスは、好ましくは、規定された数、好ましくは、連続して分析される最大250個の試料からなるバッチである。流速および温度を含むパラメータは変化しない。シーケンス間で行われる調整および較正は当業者に公知であり、カラムの交換を含む。 明記された限界の範囲内でのこれらの調整はわずかな変化であり、測定ステーションにおいて試験の生データに記録される。検出 この後に、このように調製された試料を検出方法に供した。検出方法のパラメータを以下に記載した。 当業者であれば、質量分析を用いて、対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1を検出するための方法および/または遊離lyso-Gb1のレベルを決定するための方法は、前記対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1の特異的な検出および/または定量を可能にする他の移行および断片も使用し得ることを認めるであろう。結果の評価および計算 前記の明記された方法を用いて得られた結果を評価および計算するために、以下のプロトコールを適用した。丸め手順 クロマトグラフィーデータシステム(CDS)に送り出され、取り出された濃度データを有効数字5桁に丸めた。さらに、スプレッドシートの中の計算値を完全な計算精度まで行い、その後に、報告しようとする有効桁/小数位に丸めた。したがって、丸めによって、中間結果のずれが引き起こされたかもしれない。正確度および変動係数(CV)をそれぞれ小数第1位および小数第2位で報告する。 丸め手順に関する注意点:報告された桁の数字よりも下の桁の数字が「5」以上であった場合、報告された桁に切り上げられた。回帰および統計値 較正標準に基づいて、データ処理ソフトウェアを用いて、ピーク面積比(対象に由来する試料に含まれる遊離リゾ物質のピーク面積/内部標準のピーク面積)によって較正曲線フィッティングを証明した。遊離リゾ物質濃度を、内部標準法A二次方程式(y=ax2+bx+c)回帰モデルを用いて評価した。評価しようとする全てのバッチにある、それぞれの分析物の濃度を計算するために、重み係数(weighting factor)1/conc.を使用する。濃度を以下の式によって計算した。 これに基づいて、平均値、精度の結果(CVで表した)、および正確度(式を以下に示した)をプログラム「Lotus123」を用いて計算する。 適切な統計モデルは、例えば、Green, J.R., Statistical Treatment of Experimental Data (Elsevier, New York, 1977), page 210 ff.Lothar Sachs, Angewandte Statistik - Anwendung statistischer Methoden (Springer, Berlin, Heidelberg, New York, Tokyo 1984)に記載されている。ソフトウェア データ習得、データ処理、統計値および計算は、Analyst(登録商標)ソフトウェア1.4.2以上(AB SCIEX, USA/Canada)ならびにLotus 1-2-3 97以上(Lotus Corp, USA)を用いて行った。ハンドブック- ハンドブックArbeiten mit SmartSuite 97(Lotus Development Corp., 1997)- 使用したソフトウェアドキュメンテーションDocumentation of Analyst(登録商標) Software (AB SCIEX, USA/Canada):Operator's Manual & Operator's Manual Addendum 「New Functionality in Analyst 1.2」およびOnline Help System Analyst 1.4(またはそれ以上)実施例2:試験参加者の遺伝子検査および分類 試験参加への患者の同意を得た後に、患者をグルコセレブロシダーゼ遺伝子変異の遺伝子検査に供した。したがって、Seeman et al.(Seeman et al., 1995)に従って、5〜10mlのEDTA血液を配列決定した。さらに、特に、対照において、グルコセレブロシダーゼ遺伝子に加えて適切な他の遺伝子を配列決定した。さらに、前述された24bp重複を検出するためにキトトリオシダーゼ遺伝子を配列決定した。前記遺伝子検査を、年齢および性別が同じ対照患者の試験試料を用いて調整した。 253人の対象を試験した。 前記の遺伝子検査の結果に従って、試験に参加した患者を以下の群に分類した:1.) ゴーシェ病を有する患者:診断のためのゴールドスタンダードは、ホモまたは複合ヘテロのいずれかのグルコセレブロシダーゼ遺伝子内の2個の病原性変異を検出することであった(図中では「ゴーシェ」という名で群を呼んだ)。2.) グルコセレブロシダーゼ遺伝子内の1個の変異のヘテロ保因者である患者(典型的には罹患患者の親類)(図中では「ヘテロ」という名で群を呼んだ)。3.) 対照として他のライソゾーム蓄積障害を有する患者(図中では「他のLSD」という名で群を呼んだ)。これは、スフィンゴミエリナーゼ欠損(ニーマン・ピック病A/B)、クラッベ病、およびニーマン・ピック病C1を有する患者を含む。診断は全て2個の病原性変異の検出によって証明された。4.) 年齢および性別が同じ健常対照(図中では「対照」という名で群を呼んだ)。以下の表1aは、前記の遺伝子検査の結果による前記群への患者の分類を示す。 (表1a)遺伝子解析の結果によって分類された対象 232人のドイツ人患者の性別分布ならびに21人のイスラエル人患者の性別分布を表1bに示した。 (表1b)232人のドイツ人対象および21人のイスラエル人を性別によって分類した 以下の表1cは、232人のドイツ人患者の年齢の分布および前記の遺伝子検査の結果に基づいた前記患者の分類ならびに前記患者の性別を示す。 (表1c)253人の対象の患者特徴 前記253人の対象の試料中の遊離lyso-Gb1レベルを実施例1に記載の方法に従って決定した。遺伝子解析による分類に応じて、前記患者に由来する試料中の遊離lyso-Gb1レベルを図1Aに示した。図1Bは、遺伝子解析に基づいた分類および患者の性別に応じて、前記患者に由来する試料中の遊離lyso-Gb1レベルを示す。 前記の遺伝子検査において得られた結果に従ってゴーシェ病患者として分類された患者におけるグルコセレブロシダーゼ遺伝子の変異タイプおよび変異タイプの分布を以下の表2に示した。 (表2)ドイツ人ゴーシェ病集団(166個の対立遺伝子)において検出された変異の分布キトトリオシダーゼ活性の測定 キトトリオシダーゼ活性は、本質的にHollak et al.(Hollak CE, van Weely S, van Oers MH, Aerts JM. Marked elevation of plasma chitotriosidase activity. A novel hallmark of Gaucher disease. J Clin Invest. 1994 Mar;93(3):1288-92)に記載のように、EDTA血漿または血清10μlを、基質として、McIlvain緩衝液(0.1Mクエン酸/0.2Mリン酸ナトリウム, pH5.2)に溶解した0.022mM蛍光発生基質4-メチルウンベリフェリル-fl-D-NN,N'-トリアセチルキトトリオース(4MU-キトトリオシド; Sigma Aldrich, ST. Louis, MO, USA)100μlと37℃でインキュベートすることによって測定した。ゴーシェ病患者では、インキュベーションの前に、試料を脱塩水で50x希釈した。30分後、0.5Mグリシン/NaOH緩衝液(pH10.5)200μlを用いて室温で混合することによって反応を止めた。キトトリオシダーゼによる基質加水分解によって蛍光分子4-メチルウンベリフェロンが生成される。蛍光分子4-メチルウンベリフェロンを、蛍光計(Tecan Group Ltd., Mannedorf, Switzerland)を用いて励起366nmおよび発光446nmで定量し、標準的な4-メチルウンベリフェロン較正曲線と比較した。キトトリオシダーゼ活性を、インキュベートされた血清1ミリリットルにつき1時間に加水分解される基質のナノモルで表した。CCL18の定量 血漿中のCCL18は、R&D Systems, Minneapolis, MN, USAから購入したDuoSet ELISA Developmentキットを用いて製造業者の説明書に従って定量した。方法の感度は5pg/mlであった。実施例3:バイオマーカーとして遊離lyso-Gb1を用いたゴーシェ病の診断 前記の実施例1に記載したプロトコールを用いて、253人の対象に由来する485個の血液試料のHPLC-質量分析クロマトグラムを作成した。2人のゴーシェ病患者および1人の健常対照者に由来する3個の試料の遊離lyso-Gb1およびISのピーク強度を示す例示的なHPLC-質量分析クロマトグラムを、図5A、図5B、および図5Cに図示した。 患者を群「ゴーシェ病」群に分類するためのゴールドスタンダードは、ホモ変異または複合ヘテロ接合性のいずれかを検出した実施例2に記載の遺伝子検査に従って、グルコセレブロシダーゼ遺伝子のコード領域全体ならびにイントロン-エキソン境界の配列決定に基づいた。 患者に由来する試料中のキトトリオシダーゼレベルまたはCCL18レベルを測定した結果を、それぞれ、58人または44人のゴーシェ病患者において入手することができた。前記結果は実施例2に記載のように得られた。 異なるバイオマーカーの診断値を比較するために、およびバイオマーカー間の相関関係を計算するために、複数の血液試料が入手できたのであれば、まず最初に、前記の方法において得られたデータは、療法前のゴーシェ病患者の全てのマーカーの最初期の測定データおよび非ゴーシェについては特定の患者の最高レベルを用いて統合された。 2つのバイオマーカーを比較するために対標本(paired sample)統計法を使用した。この方法は、AUCがマン・ホイットニーU統計値と数学的に等価であることを利用する(Delong E.R., Delong D.M., Clarke-Pearson D.L. (1988) Comparing the areas under two or more correlated receiver operating characteristic curves: a nonparametric approach, Biometrics, 44, 837-45.)。 ゴーシェ病患者をゴーシェ病のない患者と区別するために、前記の実施例1に記載の方法によって得られた異なるバイオマーカー(遊離lyso-Gb1、キトトリオシダーゼ、およびCCL18)のレベルの正確度を、受信者動作特性(ROC)曲線分析を用いて評価した(Metz C.E. (1978) Basic principles of ROC analysis, Semin Nucl Med, 8, 283-98; Zweig M.H., Campbell G. (1993) Receiver-operating characteristic (ROC) plots: a fundamental evaluation tool in clinical medicine, Clin Chem, 39, 561-77)。キトトリオシダーゼ活性およびCCL18の測定は本明細書の実施例2に記載のように行った。 ROC曲線は、PASW Statistics 18, Release Version 18.0.2 ((著作権) SPSS, Inc., 2009, Chicago, IL, www.spss.com)を用いて計算した。ROC曲線および線型混合モデルの比較は、SAS software, Version 9.2 of the SAS System for Windows. ((著作権) 2008 SAS Institute Inc., Cary, NC, USA)を用いて行った。 キトトリオシダーゼレベルおよび遊離lyso-Gb1レベルの正確度を比較したROC曲線を図2Aに示し、CCL18レベルおよび遊離lyso-Gb1レベルの正確度を比較したROC曲線を図2Bに示した。 図2Aおよび図2Bに示したROC曲線に図示した結果は、遊離lyso-Gb1の異なるカットオフレベルに応じた本発明による方法の特異度および感度も示した。したがって、以下の表3は、遊離lyso-Gb1の異なるカットオフレベルに応じた本発明による方法の特異度および感度を示す。 (表3)ドイツ人対象(n=232)における遊離lyso-Gb1のカットオフレベルに応じてゴーシェ病を診断するための方法の感度および特異度 したがって、本発明による方法によって決定された対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルをカットオフレベル、好ましくは、高特異度および高感度の診断を可能にするカットオフレベルと比較することによって、前記対象におけるゴーシェ病の診断が可能になる。カットオフレベルと比較して、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルが高いことは、対象がゴーシェ病に罹患していることまたはゴーシェ病を発症するリスクがあることを示し、カットオフレベルと比較して、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルが低いことは、対象がゴーシェ病に罹患していないことまたはゴーシェ病を発症するリスクがないことを示す。 異なるバイオマーカーの曲線下面積(AUC)および95%信頼限界を表4に報告した。 (表4)ゴーシェの診断に関する異なるバイオマーカーの感度および特異度 したがって、表3において、対象に由来する試料においてゴーシェ病を診断するための方法において用いられた示されたバイオマーカーの感度および特異度を、それぞれのバイオマーカーを用いたそれぞれの方法においてAUCが最も高いカットオフレベルを用いて比較した。それぞれの方法の理想的なカットオフレベルを示した。キトトリオシダーゼ活性およびCCL18の測定は本明細書の実施例2に記載のように行った。遊離lyso-Gb1は本発明の方法に従って決定した。理想的なカットオフレベルは5ng/mlである。 当業者であれば、ゴーシェ病を診断するためのバイオマーカーとして遊離lyso-Gb1を用いた本発明による方法は、CCL18またはキトトリオシダーゼを用いた方法より明らかに有利であることを認めるであろう。このことは、ゴーシェ病をもつ人を含む、白人集団の少なくとも6%、例えば、ラテンアメリカ人集団の35%までがキトトリオシダーゼ活性を欠損しているので特に当てはまる。 したがって、本願の方法に従って対象に由来する試料において決定された遊離lyso-Gb1レベルが5.0ng/mLを超えると、100%の感度および特異度で、対象がゴーシェ病に罹患している、またはゴーシェ病を発症するリスクがあると診断することが可能になる。実施例4:バイオマーカーの経時変化の分析 本実施例に関連して使用した方法および患者は、実施例1〜3に記載の方法および患者であった。 バイオマーカーのレベルが、ゴーシェ病患者においてどのように経時変化したかを分析するために、複数の血液試料が分析された患者の非統合データを分析した。時点0を、それぞれの患者の療法下での最初の測定に設定した。 患者一人一人の経時的な遊離lyso-Gb1レベルを図3A、図3B、および図3Cに示した。 療法が成功したことを示す遊離lyso-Gb1レベルの時間依存的低減の有意性を検定するために、線形混合モデルを用いて、療法開始後の遊離lyso-Gb1レベルを療法開始前の遊離lyso-Gb1レベルと比較した。未治療患者は、遊離lyso-Gb1の有意な低減を経時的に示さない。 したがって、値の分布のゆがみを克服するために遊離lyso-Gb1レベルの値を対数化した。患者間の開始値ならびに変化率の不均一性を明らかにするために、ランダム切片(random intercept)モデルおよびランダム傾き(random slope)モデルを使用した。全てのモデルにおいて、観察された不均一性は統計的に有意であった。線形的な時間低減のp値だけを報告した。 時間とキトトリオシダーゼおよびCCL18のマーカーレベルとの曲線的な関係を検定するために、時間の値および時間の2乗項を組み込んだ値を中心に置いた。遊離lyso-Gb1の場合、2乗項はモデルを改善せず、最終モデルに組み込まれなかった。 療法の1つとして、ドイツ人患者は平均して40U/kg体重で治療されている。ユニットは、ERTにおける組換えグルコセレブロシダーゼのユニットをいう。遊離lyso-Gb1の低減は療法開始後に特に大きい(6ヶ月後<0.0001)。だが、経時的な低減も有意である(<0.0001)。治療12ヶ月後には遊離lyso-Gb1は平均して60%の範囲内で低減する。 明細書、特許請求の範囲、配列表、および/または図面に開示された本発明の特徴は、別々に、または任意の組み合わせで、本発明を様々な形で実現するための材料となり得る。 a) 対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーを検出する工程を含む、対象におけるゴーシェ病を診断するためのインビトロ方法。 遊離lyso-Gb1が、対象に存在しているlyso-Gb1であり、対象に由来する前記試料を操作した結果ではない、請求項1記載の方法。 b) 試料中に存在する前記バイオマーカーのレベルを決定する工程をさらに含む、請求項1〜2のいずれか一項記載の方法。 前記バイオマーカーのレベルによって、対象がゴーシェ病に罹患しているかどうか、または対象がゴーシェ病を発症するリスクがあるかどうかが示される、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。 対象に由来する試料中の少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーを検出する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。 前記少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーが、キトトリオシダーゼおよびCCL18を含む群より選択される、請求項5記載の方法。 前記バイオマーカーおよび/または前記少なくとも1種類のさらなるバイオマーカーが、イムノアッセイ、質量分析、バイオチップアレイ、機能性核酸、および/または遊離lyso-Gb1の蛍光誘導体によって検出される、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。 前記バイオマーカーが質量分析によって検出される、請求項7記載の方法。 b)の工程が、対象に由来する試料中の前記バイオマーカーのレベルをカットオフレベルと比較することをさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。 対象に由来する試料中の前記バイオマーカーのレベルがカットオフレベルより高い場合、これによって、対象がゴーシェ病に罹患していることまたはゴーシェ病を発症するリスクがあることが示される、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。 カットオフレベルが5.0ng/mlであり、かつ試料が血清試料または血漿試料である、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。 a) 対象に由来する試料中に存在する遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーのレベルを、いくつかの時点において決定する工程を含む、対象におけるゴーシェ病の経過を決定するための方法。 a) 対象に由来する試料中に存在する遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーのレベルを、いくつかの時点において決定する工程を含む、ゴーシェ病に罹患していることまたはゴーシェ病の発症リスクがあることについての試験結果が陽性であった対象に適用された少なくとも1つの治療の有効性を決定するための方法。 a) ゴーシェ病を有する対象におけるバイオマーカーのレベルを決定する工程; b) 該対象に化合物を投与する工程; c) 該対象における該バイオマーカーのレベルを再び決定する工程; d) 工程a)において決定された該バイオマーカーのレベルが、工程c)において決定された該バイオマーカーのレベルより低いかどうかを決定する工程を含む、ゴーシェ病を治療するための化合物の有効性を決定する方法であって、 工程c)において決定された該バイオマーカーのレベルが、工程a)において決定された該バイオマーカーのレベルより低い場合、これによって該化合物の有効性が示され、かつ 該バイオマーカーが遊離lyso-Gb1である、前記方法。 遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーを検出するための質量分析の使用。 a) バイオマーカーの相互作用パートナー; b) 任意での、該バイオマーカーに結合する少なくとも1種類の捕捉用試薬を付着させて含む固体支持体;および c) 該バイオマーカーを検出するためにキットを使用するための説明書を含む、対象に由来する試料中のバイオマーカーの存在を決定するためのキットであって、 該バイオマーカーが遊離lyso-Gb1である、前記キット。 本発明は、a) 対象に由来する試料中の遊離lyso-Gb1であるバイオマーカーを検出する工程を含む、対象におけるゴーシェ病を診断するためのインビトロ方法に関する。


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