生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_片頭痛の治療のための製剤
出願番号:2014020406
年次:2014
IPC分類:A61K 45/06,A61K 47/34,A61K 47/36,A61K 47/12,A61K 47/32,A61K 47/26,A61K 47/24,A61K 47/42,A61P 25/06,A61P 25/04,A61P 43/00,A61K 9/10,A61P 1/08,A61K 31/4045,A61K 31/404,A61K 31/4196,A61K 31/422,A61K 31/454,A61K 31/403,A61K 31/439,A61K 31/4178


特許情報キャッシュ

ファー ステファン ジェイ. トゥラニン ジョン ホーリー ロジャー シュースター ジェフリー エイ. JP 2014129365 公開特許公報(A) 20140710 2014020406 20140205 片頭痛の治療のための製剤 ゾゲニクス インコーポレーティッド 507363901 清水 初志 100102978 春名 雅夫 100102118 山口 裕孝 100160923 刑部 俊 100119507 井上 隆一 100142929 佐藤 利光 100148699 新見 浩一 100128048 小林 智彦 100129506 渡邉 伸一 100130845 大関 雅人 100114340 五十嵐 義弘 100114889 川本 和弥 100121072 ファー ステファン ジェイ. トゥラニン ジョン ホーリー ロジャー シュースター ジェフリー エイ. US 61/048,463 20080428 A61K 45/06 20060101AFI20140613BHJP A61K 47/34 20060101ALI20140613BHJP A61K 47/36 20060101ALI20140613BHJP A61K 47/12 20060101ALI20140613BHJP A61K 47/32 20060101ALI20140613BHJP A61K 47/26 20060101ALI20140613BHJP A61K 47/24 20060101ALI20140613BHJP A61K 47/42 20060101ALI20140613BHJP A61P 25/06 20060101ALI20140613BHJP A61P 25/04 20060101ALI20140613BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140613BHJP A61K 9/10 20060101ALI20140613BHJP A61P 1/08 20060101ALI20140613BHJP A61K 31/4045 20060101ALI20140613BHJP A61K 31/404 20060101ALI20140613BHJP A61K 31/4196 20060101ALI20140613BHJP A61K 31/422 20060101ALI20140613BHJP A61K 31/454 20060101ALI20140613BHJP A61K 31/403 20060101ALI20140613BHJP A61K 31/439 20060101ALI20140613BHJP A61K 31/4178 20060101ALI20140613BHJP JPA61K45/06A61K47/34A61K47/36A61K47/12A61K47/32A61K47/26A61K47/24A61K47/42A61P25/06A61P25/04A61P43/00 121A61K9/10A61P1/08A61P43/00 111A61K31/4045A61K31/404A61K31/4196A61K31/422A61K31/454A61K31/403A61K31/439A61K31/4178 10 2011507418 20090424 OL 39 4C076 4C084 4C086 4C076AA09 4C076AA11 4C076AA16 4C076AA20 4C076AA22 4C076AA67 4C076BB11 4C076CC01 4C076DD43M 4C076DD60M 4C076DD63 4C076DD66M 4C076DD67M 4C076EE12M 4C076EE13 4C076EE23M 4C076EE24M 4C076EE30M 4C076EE37M 4C076EE38 4C076EE42M 4C076EE43M 4C076FF16 4C076FF17 4C076FF31 4C076FF33 4C084AA20 4C084MA02 4C084MA21 4C084MA66 4C084NA08 4C084NA10 4C084ZA081 4C084ZA711 4C084ZC021 4C084ZC751 4C086AA01 4C086BC12 4C086BC13 4C086BC21 4C086BC38 4C086BC60 4C086BC69 4C086CB16 4C086GA07 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA05 4C086MA21 4C086MA66 4C086NA08 4C086NA10 4C086ZA08 4C086ZA71 4C086ZC02 4C086ZC75発明の分野 本発明は、片頭痛および群発頭痛を治療するための新規製剤に関する。新規な組み合わせおよび新規な持続放出製剤を含む様々なクラスの製剤を列挙する。好ましくは、これらの製剤は無針送達に適用可能である。発明の背景 片頭痛は、頭痛、嘔気、嘔吐、ならびに明るい光および雑音に対する感受性の増大を含む、数多くの急性症状を引き起こす衰弱性神経疾患である。治療しないと、発作は数時間〜2、3日持続する。患者のおよそ1/3が、発作の発現時に、奇妙な光または匂いの知覚という前兆を経験する。 片頭痛に対する感受性は広まっており、女性の18%および男性の6%が、前年に片頭痛を少なくとも1回発現したと報告し[Lancet 2004;363:381-391]、また12〜28%の人が生涯の間に片頭痛に侵される。[Eur J Neurol 2006; 13:333-45]。思春期から閉経までの女性に、最も高い割合が認められる。双生児での研究により、片頭痛感受性の遺伝要素が示されており、片頭痛は癲癇患者の家系において2倍多く見られる[Ottman, R and Lipton, R, Neurology, 1994]。片頭痛の年間の直接医療費は10億ドルを超え、雇用主に対する年間費用はおよそ130億ドルである。 片頭痛には、多くの薬物治療および非薬物治療が用いられる。非薬物治療には、冷または温シャワー、暗い静かな部屋での安静、コーヒー、マッサージまたは理学療法、鍼治療、指圧、バイオフィードバック、自己催眠、薬草療法、および食事療法が含まれる。最近のデータから、卵円孔開存(PFO)と前兆を伴う片頭痛との相関関係の可能性が示唆されており(Headache, Oct 2007)、外科的にPFOを閉鎖することが片頭痛に影響するかどうかを判定するための研究が進行中である。 用いられている予防薬には、低用量アスピリン、β遮断剤、抗ヒスタミン剤(ピゾチフェンを含む) 抗痙攣剤(ジバルプロエクスを含む)、モノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI;フェヘルジン(phehelzine)、イソカルボキサジドを含む)、例えば三環系抗うつ剤(TCA;アミトリプチリン、ノルトリプチリン、ドキセピン、およびプロトリプチリンを含む)などの抗うつ剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、メチセルジド(副作用のために、米国市場からは撤退済み)、およびメマンチンが含まれる。β遮断剤には、非選択的作用物質(アルプレノロール、カルテオロール、レボブノロール、メピンドロール、メチプラノロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロール、チモロール) β1選択的作用物質(アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、エスモロール、メトプロロール、ネビボロール) 混合α1/βアドレナリンアンタゴニスト(カルベジロール、セリプロロール、ラベタロール) およびβ2選択的作用物質(ブタキサミン)が含まれるが、これらに限定されない。WO0219213A2は、クエン酸シルデナフィルを週に3回または4回服用した場合に、ヒト片頭痛患者に18カ月間片頭痛が起こらず、治療をやめた場合に片頭痛が再発した例を含め、片頭痛の予防処置に対するPDE-5阻害剤の使用を開示している。ゾニサミドは、片頭痛予防薬として研究され、かつ用いられている。 片頭痛の治療には、多くの急性頓挫療法が用いられる。「トリプタン」として知られる選択的セロトニン受容体アゴニストが広く処方されており、これには、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、ドニトリプタン(donitriptan)、およびゾミトリプタン(zomitriptan)が含まれる。異なるトリプタンは、異なる薬物動態パラメータを有する。スマトリプタンは半減期2.5時間であり、リザトリプタンは半減期2〜3時間であり、ナラトリプタンは半減期5〜8時間であり、ゾルミトリプタン半減期3時間であり、エレトリプタンは半減期4時間であり、アルモトリプタンは半減期3〜4時間であり、かつフロバトリプタンは半減期26時間である。 トリプタンの導入および1991年よりも前は、エルゴタミン、メチセルジド、およびジヒドロエルゴタミンを含むエルゴペプチン(ergopeptine)が、経口薬のケアの標準であった。アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、およびアセトアミノフェンを含むNSAIDは店頭で入手でき、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、メクロフェナム酸、イソメテプテン、およびインドメタシンを含む他のNSAIDは処方箋によって入手できる。オピオイド鎮痛剤には、コデイン、モルヒネ、ヒドロコドン、アセチルジヒドロコデイン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベリン、フェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル、およびトラマドールが含まれる。プロクロルペラジンを含むフェノチアジンは、嘔気および眩暈を治療するために用いられており、片頭痛の痛みを治療するために開発中である。Cox-2阻害剤には、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(登録商標))、メロキシカム、ピロキシカム、JTE-522(Japan Tobacco, inc.)、L-745,337、NS398、デラコキシブ(deracoxib)、バルデコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブ、4-(4-シクロヘキシル-2-メチルオキサゾール-5-イル)-2フルオロベンゼンスルホンアミド、2-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-2シクロペンテン-1-オン、N-[2-(シクロヘキシルオキシ)-4-ニトロフェニル]メタンスルホンアミド、2-(3,4ジフルオロフェニル)-4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブトキシ)-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-3(2H)ピリダジノン、2-[(2,4-ジクロロ-6-メチルフェニル)アミノ]-5-エチル-ベンゼン酢酸、(3Z) 3-[(4-クロロフェニル)[4-(メチルスルホニル)フェニル]メチレン]ジヒドロ-2(3H)-フラノン、および(S)-6,8-ジクロロ-2-(トリフルオロメチル)-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸が含まれる。アモバルビタール、ブタルビタール、シクロバルビタール、ペントバルビタール、アロバルビタール、メチルフェノバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、およびビニルビタールを含むバルビツレートを用いることもできる。イオンチャネルモジュレーター、特にカルシウムチャネル遮断剤(ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピン)またはナトリウムチャネルもしくはカリウムチャネルモジュレーターは、片頭痛の治療において有用である場合がある。EP0754453B1は、リドカイン、テトラカイン、プリロカイン、ブピビカイン(bupivicaine)、メピバカイン、エチドカイン、プロカイン、およびベンゾカインを含む局所麻酔剤の局所使用を開示している。フェヘルジンおよびイソカルボキサジドを含むモノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)を用いることも可能である。その他の有用な薬物には、ジクロラルフェナゾン、ニモピジン(nimopidine)、サブスタンスPアンタゴニスト、カプサイシン受容体アゴニスト、ボツリヌス毒素、カプトプリル、チオスピロン(tiospirone)、またはステロイドが含まれる。これらの化合物のいずれについても、その異性体、薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグを含むがこれらに限定されない変種もまた用いることが可能である。 アスピリン、アセトアミノフェン、およびカフェイン(Exedrin(商標)、Novartis)、カフェインおよびエルゴタミン(Migerot(商標)、G and W Labs)、ブタルビタール、アセトアミノフェン、およびカフェイン(Fioricet(商標)、Watson Pharmaceuticals、コデインと組み合わせたものも入手可能である、およびEsgic(商標)、Mikart)、ブタルビタール、アスピリン、およびカフェイン(Fiorinal(商標)、Watson Pharmaceuticals、コデインと組み合わせたものも入手可能である)の組み合わせを含む、組み合わせ型(combination)製品も用いられている。研究により、スマトリプタンとナプロキセンとの組み合わせは、いずれか単独の薬物よりも有効であることが示された[JAMA 297 (13): 1443-54]。US6586458は、5-HTアゴニストと長時間作用型NSAIDとの組み合わせを記載している。WO0215899A1は、選択的5-HT受容体アゴニスト、ならびにアセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症剤、および/またはカフェインを含む組成物を開示している。WO0048583A2は、5-HTアゴニストとCOX-2阻害剤との組み合わせを開示している。US5597826は、片頭痛または群発頭痛を治療するためのセルトラリンと5-HTアゴニストとの組み合わせを開示している。WO0021536A1は、片頭痛または群発頭痛を治療するための、おそらくはトリプタンと組み合わせたロイコトリエンLTD4受容体遮断薬の使用を開示している。EP1056448B1は、トラマドールとメトクロプラミドまたはドンペリドンとの組み合わせを開示している。WO07103113A2は、オピオイドとNSAIDとの組み合わせを開示している。US20030133951A1は、ニコチン受容体部分アゴニストおよび鎮痛剤を開示している。Midrinは、頭痛を治療するために主に用いられる、アセトアミノフェン、ジクロラルフェナゾン、およびイソメテプテンの組み合わせである(Amidrine、Atarin、Isocom、Midchlorという商品名でも販売されている)。 片頭痛に伴う嘔気および嘔吐を治療するには、多くの制吐剤が有用である:有用な制吐剤には、メトクロプラミド、ドンペリドン、スコポラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、ジアゼパム、ロラゼパム、クロルプロマジン、メトトリメプラジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン、ベンズキナミド、次サリチル酸ビスマス、ブクリジン、シンナリジン、シクリジン、ジフェニドール、ドラセトロン、ドンペリドン、ドロナビノール、ドロペリドール、ハロペリドール、メトクロプラミド、ナビロン、チエチルペラジン、トリメトベンゼミド(trimethobenzemide)、フキ(bog rhubarb)(セイヨウフキ(Petasites hydridus))抽出物、ナツシロギク(ナツシロギク(Tanacetum parthenium))抽出物、ジヒドロエルゴタミン、ロキサピン、プロクロルペラジン、エジオピタント(eziopitant)、メクリジン、またはサブスタンスPアンタゴニストが含まれるが、これらに限定されない。ドンペリドン(商品名MotiliumまたはMotillium)はJanssenによって開発された抗ドーパミン作用薬であり、一般的に嘔気および嘔吐を抑制するために経口で、直腸内に、または静脈内に用いられる。特に有用なのは、オンダンセトロンおよびグラニセトロンなどの5-HT3アンタゴニストであってよく、選択的5-HT3アンタゴニストは、メトクロプラミドなどのDz/5-HT3混合アンタゴニストよりも、後者が錐体外路副作用を伴うという理由で優れている。上記のものの異性体、薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグもまた有用であり得る。 前兆の症状は、フェンシクリジン、ケタミン、およびデキストロメトルファンを含むNMDAアンタゴニストで治療することができる。 いくつかの理由で、片頭痛の治療には効果的な薬物送達が極めて重要である。米国片頭痛調査II(The American Migraine Study II)により、片頭痛患者の最大の望みの一つは、片頭痛薬から軽減作用が速やかに生じることであることが明らかになった。しかしながら、経口などの伝統的な投与経路、および経皮または経鼻などの非伝統的な経路は、軽減を1時間またはそれ以上遅らせ得る緩慢な吸収によって阻まれる。経口薬には、多くの場合にそうであるように、片頭痛が嘔吐を伴う場合には、効果がないというさらなる問題もある。 しかしながら、経口薬には、自己投与するのに容易であるという利点がある。片頭痛および群発頭痛の衰弱性性質のために、自己投与するのに容易でかつ速い剤形が重要である。 片頭痛薬は複数の経路による送達に利用することができるが、注射に利用できるものは少なく、注射用に事前充填されたものはさらに少ない。事前充填された単回使用の無針注射器として利用できるものはないが、Zogenixは現在、スマトリプタンの無針送達のためのシステムを開発中である。スマトリプタンは現在、経口錠剤として、事前充填型注射器として、鼻腔用スプレーとして、および坐剤として利用可能である。リザトリプタンは、経口錠剤としておよび口腔内崩壊錠として利用可能である。ゾルミトリプタンは、経口錠剤として、口腔内崩壊錠として、および鼻腔用スプレーとして利用可能である。エルゴタミンは、舌下剤形としておよび直腸坐剤として利用可能である。ジヒドロエルゴタミンは、鼻腔内スプレー、または自己注射を含む注射用に利用可能である。グラニセトロンおよびオンダンセトロンは注射用溶液として利用可能であり、オンダンセトロンはまた口腔内崩壊錠としても利用可能である。ケトロラクは、注射用溶液として利用可能である。US20040162333A1は、5-HTを含む、味をマスキングした、迅速な吸収のための微粒子を開示している。 片頭痛患者のおよそ50%が、車で連れて行ってもらうという他者への依存;費用;医師に面会するまでの長い待ち時間;および症状を悪化させ得る明るく照らされた(多くの場合、蛍光灯による)雑音環境といった困難にもかかわらず、難治性の片頭痛の痛みの急性治療のために救急治療室(ER)に受診したことを報告している[Neurology. 1994;44(suppl 4):S47-S55]。これらの大きな障害を考えると、ER受診にはやむを得ない理由が明らかにあるはずである;このやむを得ない理由は、クロルプロマジン、ジヒドロエルゴタミン、ドロペリドール、ハロペリドール、ケトロラク、マグネシウム、メトクロプラミド、プロクロルペラジン、ステロイド、スマトリプタン、およびバルプロ酸を含む非経口のオピオイド、制吐剤、および様々な他の製品を含む、ERで利用可能な難治性片頭痛のための多くの即効性注射治療である。皮下用スマトリプタンおよび注射用ジヒドロエルゴタミンを除くこれらの薬物は、外来患者には一般的に利用できない。とりわけ、スマトリプタンを除く他のトリプタン、特にナラトリプタン、フロバトリプタンを含む長時間作用型トリプタンは、注射剤形態で利用することができない。 したがって、現在、片頭痛薬のより良好な送達のためのまだ満たされていない医学的な必要性が存在する。転帰および生活の質の改善は、使用が容易であり、速く、かつ効果的な製品によって達成され得る。 薬物の使いやすさを改善するための1つの方法は、持続放出により投薬事象の回数を減らすことによる。投薬事象の回数を減らすことは、片頭痛治療にかなり有望である注射剤にとって特に重要である。 現在、生体適合性、明確に規定された分解経路、および分解産物の安全性などの厳密な規制遵守要件を理由に、ペプチドおよびタンパク質薬物を含む薬物の制御送達のために使用できる合成または天然ポリマー材料はほとんどない。入手可能な毒物学的データおよび臨床データに関して最も広く研究された先端の生分解性ポリマーは、脂肪族ポリ(α-ヒドロキシ酸)、例えばポリ(D,L-またはL-乳酸)(PLA)およびポリ(グリコール酸)(PGA)ならびにそれらのコポリマー(PLGA)である。これらのポリマーは市販されており、現在、例えば生体吸収性縫合糸として医療用品に用いられている。酢酸ロイプロリドの制御放出のためのFDAにより認可されたシステム、Lupron Depot.(商標)もまた、PLGAコポリマーに基づいている。Lupron Depotは注射可能なミクロスフェアからなり、これは前立腺癌の治療のために長期(例えば、数日)にわたり酢酸ロイプロリドを放出する。 A. S. Sawhney and J. A. Hubbell, J, Biomed. Mat. Res., 24, 1197-1411 (1990)は、インビトロで直ちに分解するD,L-ラクチド、グリコリド、およびc-カプロラクトンのターポリマーを合成した。材料の親水性は、ポロキサマー界面活性剤(Pluronic F-68)との共重合により増加した。このポロキサマーは、約80重量%の比較的疎水性のポリ(オキシプロピレン)ブロックおよび20重量%の親水性ポリ(オキシエチレン)ブロックを含むブロックコポリマーである。ポロキサマーとの共重合により、水中での生理的温度(例えば、37℃)で機械的に安定した、より強い部分的結晶材料が得られた。 水溶液中で作製することができる1つのシステムは、上記で言及した、Pluronic(商標)商標名で市販されているブロックコポリマーのクラスである。これらのコポリマーは2つの異なるポリマーブロック、すなわち親水性ポリ(オキシエチレン)ブロックおよび疎水性ポリ(オキシプロピレン)ブロックから構成されて、ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)のトリブロックを生成する。トリブロックコポリマーは水を吸収して、逆熱ゲル化挙動を示すゲルを形成する。 Churchillら、米国特許第4,526,938号および同第4,745,160号は、水溶液中で自己分散性であるかまたは自己分散性となり得るコポリマーを示している。これらのコポリマーは、疎水性Aブロック、例えばポリラクチド(PLA)またはポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)など、および親水性Bブロック、例えばポリエチレングリコール(PEG)またはポリビニルピロリドンなどから構成されるABAトリブロックまたはABブロックコポリマーである。 Dunnらは特許第5,324,519号において、熱可塑性ポリマーおよび薬学的に許容される有機溶媒の液体製剤の組成物(商標名Atrigel)を開示している。この組成物は液体として移植部位に投与され、そこで溶媒は周囲の水性組織液中に拡散するかまたは消散する。熱可塑性ポリマーはこれらの水性液中では溶解せず、そのため凝固または固化して、微細孔性の固体またはゼラチンマトリックスを形成する。この組成物は、インサイチューで架橋してポリマーまたはコポリマーの固体またはゼラチンマトリックスを形成し得る、熱硬化性プレポリマーまたはコポリマー、好ましくはアクリルエステル末端生分解性プレポリマーの液体製剤である。 米国特許第6,117,949号においてRathiらは、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)コポリマーまたはポリ(ラクチド)ポリマーで作製された、Aブロックとしての多量の疎水性ポリマー、および逆熱ゲル化特性を有する少量の親水性ポリエチレングリコールポリマーBブロックから構成される、水溶性生分解性ABA型またはBAB型トリブロックポリマーを開示している。 米国特許第5,980,948号は、ポリエチレングリコールテレフタレート/ポリブチレンテレフタレートコポリマーなどのポリエーテルエステルコポリマーを含むマトリックス中に封入された生物活性物質を含む生成物からなる組成物を記載している。ポリエーテルエステルコポリマーは、生物活性物質(タンパク質、ペプチド、および薬物小分子が含まれる)が分解または変性しないように保護する。 米国特許第5,747,058号は、イソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を用いるインサイチューでの送達システムを記載している。イソ酪酸酢酸スクロースは高親油性の糖誘導体であり、これは現在、食品産業でヒトの食物に対する安定剤および乳化剤として用いられている。SABER(商標)と呼ばれるこの技術は、TiptonおよびRichard(Southern Biosystems, Inc.)により1995年に特許権が得られた。液体イソ酪酸酢酸スクロース担体の高粘性は、エタノールまたはジメチルスルホキシドなどの水溶性または混和性溶媒の添加により低下する。薬物を添加した後、組成物を注射すると、これがインサイチューで高粘性埋込物を形成し、これは時間をかけてその薬物を放出する。 EP 1184032は、デキストランまたはその誘導体の結晶化に基づいた、ヒドロゲルを生成する方法を記載している。これらのヒドロゲルは、薬学、医学、および生物工学用途において、例えばインビボおよびインビトロ適用で有効成分を送達するための制御放出システムとしての使用が見いだされる。ヒドロゲルは、本質的に有機溶媒も結晶化増強剤も含まないデキストラン水溶液から、結晶化により形成される。 EP0842657は、デキストランおよびポリエチレングリコールを含む2相制御放出システムを記載している。EP0941068は、タンパク質のための2相デキストラン含有制御放出システムを記載している。 特に家庭使用設定の多くの非経口薬は、針恐怖症、複雑な説明書、自己投与の恐怖、ならびに針刺し事故および相互汚染の危険性のために、許容に限界がある。これらの問題は、所要握力が高いこと、送達時間が長いこと、ならびに大口径注射針に付随する付加的な痛みおよび恐怖などの多くの送達困難をもたらす粘性の上昇によって制限される、上記およびその他の制御放出製剤との関連で特に重大である。したがって、好ましくは充填、再構成、およびその他の複雑な手順を必要としないシステムを用いる迅速な自動化様式で、注射針なしでこれらの化合物を送達する必要がある。 無針注射器は多くの異なる種類のエネルギーを用いて利用することができ、エネルギーは使用者により供給されてもよく、例えば、バネが手動により圧縮され掛け金がかけられて、注射器を「作動」させる必要があるまでエネルギーは一時的に保存される。あるいは、既に保存されたエネルギーを有する注射器を供給してもよい--例えば、予め圧縮されたバネ(機械的またはガス)または点火装薬の手段による。 いくつかの注射器は単回使用後に廃棄するように意図されているが、一方、再装填可能なエネルギー保存手段および使い捨てのまたは詰め替え可能な薬剤カートリッジを有するものもあり、特定の用途および市場に適合するように多くの組み合わせが存在する。本開示の目的に関して、エネルギー保存および放出機構を説明するために、それが薬剤カートリッジと組み合わせられるか否かにかかわらず、「アクチュエータ」という用語を用いる。すべての場合において、所要圧力で全薬剤を送達するには、ピストン行程の末端で十分な力を準備する必要がある。 EP 0 063 341およびEP 0 063 342は、圧添加剤を用いてモーターによって駆動される、注射すべき液体を放出させるためのピストンポンプを含む無針注射器を開示している。液体容器は、ピストンポンプに対し横方向に載置される。ピストンが収縮した際に、注射に必要な液体の量が、入口経路およびフラップチェックバルブによりポンプ室に吸引される。ピストンがノズル本体の方向に移動すると直ちに、液体は出口経路を通じてノズル方向へ付勢され、放出される。ピストンポンプのピストンは、固体の円形ピストンである。 EP 0 133 471は、特別なバルブによりサイフォンカートリッジから、加圧下の二酸化炭素を用いて作動する無針ワクチン接種ユニットを記載している。 EP 0 347 190は、注射した薬物の浸透深さをガス圧によって調節することができ、薬物の体積をピストン行程によって調節することができる真空圧縮ガス注射器を開示している。 EP 0 427 457は、2段階バルブにより圧縮ガスによって作動する無針皮下シリンジを開示している。注射剤は、注射器ハウジングに固定された保護ケーシング内に収められたアンプル内に配置される。アンプルは、ピストン棒の末端に取り付けられる。アンプルの他端にはノズルが配置され、その直径はアンプルの末端に向かって減少する。 WO89/08469は、1回限りの使用のための無針注射器を開示している。WO92/08508は、3回注射のために設計された無針注射器を記載している。薬物を含むアンプルは駆動ユニットの一端にねじ込まれ、ピストン棒はアンプルの開放端に収められる。その一端ではアンプルがノズルを含み、ノズルを通って薬物が放出される。アンプルの長さのおよそ中心に、置換可能な閉鎖プラグが供えられる。注射すべき用量は、アンプルの深さを変化させることによって調節することができる。注射器を作動させた後に駆動ユニットから突出したピストン棒は、手で押し戻す。どちらのユニットも圧縮ガスで作動する。 WO93/03779は、2部ハウジングおよびユニットに対し横方向に取り付けられた液体容器を備えた無針注射器を開示している。ピストン用の駆動バネは、駆動モーターにより加圧される。ノズルを注射位置に押し付けることにより、ハウジングの2つの部分が互いに移動すると直ちに、バネが解除される。液体の取り込み経路および計量チャンバーの出口に、それぞれバルブが備えられる。 WO95/03844は、液体充填カートリッジを含み、その一端にノズルを含み、そのノズルを通して液体が放出される無針注射器を開示している。他端では、カートリッジはキャップ型ピストンによって閉鎖され、このピストンは該カートリッジに押し込まれ得る。予め応力をかけたバネ荷重ピストンは、バネの解除後に、キャップ型ピストンを所定の距離だけカートリッジ内に移動させ、その場合に注射すべき液体の量が放出される。ノズルを注射位置に十分にしっかりと押し付けると直ちに、バネが動作する。この注射器は、1回限りのまたは繰り返しの使用が意図される。カートリッジはバネ荷重ピストンの前に配列され、注射器の固定構成成分である。複数回の使用が意図される注射器のピストンの位置は、各使用後に、ある距離だけノズル方向に移動する。ピストンおよび駆動バネはリセットすることができない。バネの前応力は、最初、カートリッジ内の液体の全量を一度に放出するのに十分大きい。注射器が分解され、完全に充填された新たなカートリッジが注射器の駆動部分に取り付けられた場合にのみ、バネに再び応力をかけることができる。 米国特許第5,891,086号は、アクチュエータと薬剤カートリッジとを組み合わせた無針注射器を記載している。カートリッジには対象において注射すべき液体が事前充填され、液体出口および該液体と接する自由ピストンを有し、アクチュエータは、バネにより付勢され、ラッチ手段により一時的に抑制される衝撃部材を含み、該衝撃部材はバネ力下で第1の方向に移動可能であって、自由ピストンを最初に打撃し、次いで該ピストンを第1の方向に移動させ続けて、1回用量の液体を液体出口を通して放出させ、該バネは内蔵されたエネルギー貯蔵を提供し、かつ高エネルギー状態から低エネルギー状態へと移行するが、逆方向へは移行しないように適合化されている。アクチュエータは該ラッチを作動させるための起動手段を含んでもよく、したがって、該カートリッジの液体出口と対象との間で所定の接触力が達成された場合にのみ、注射が開始され得る。この無針注射器のさらなる例および改良は、US6620135、US6554818、US6415631、US6409032、US6280410、US6258059、US6251091、US6216493、US6179583、US6174304、US6149625、US6135979、US5957886、US5891086、およびUS5480381に見出され、これらは参照により本明細書に組み入れられる。 米国特許第3,859,996号、Mizzyは、注射器オリフィスが確実に、必要な圧力で対象の皮膚上に皮膚姿勢に対し正しく垂直に配置される制御漏出法を開示している。配置条件が満たされた場合、制御漏出は対象の皮膚上での接触圧によって密封され、注射器制御回路内の圧力が上昇してやっと、感圧パイロット弁が開いて高圧ガスがピストンを駆動し、薬剤を注射する。 WO82/02835特許、CohenおよびEp-A-347190、Fingerは、オリフィスと皮膚との間の密封を改善し、互いの間での相対運動を妨げる方法を開示している。この方法は、表皮を放出オリフィス上に直接かつしっかりと吸引するための真空装置を使用する。表皮をオリフィス内に吸引するために、放出オリフィスは皮膚表面に対し垂直に配置される。薬剤を皮膚内に注射するためのこの方法および注射器機構は異なるものであり、その独特のアンプル設計のために本発明には適用されない。 米国特許第3,859,996号、Mizzyは、対象上に配置される注射器上の感圧スリーブを開示しており、これにより注射器の動作は、オリフィスと皮膚との間で正確な接触圧が達成されるまで作動しないように妨げられる。基本的な目的は、放出オリフィス上で表皮を伸ばし、加圧した薬剤を、表皮がオリフィスから変形して離れていくよりも高い速度で適用することである。 米国特許第5,480,381号、T. Westonは、表皮がオリフィスから変形して離れる前に、表皮を貫通するのに十分高い速度で薬剤に加圧する手段を開示している。加えて、この装置は、対象の表皮上の放出オリフィスの圧力が、注射器の動作を可能にする所定値であることを直接感知する。この装置は機械的順序づけのためのカムおよびカム従動子機構に基づき、液体を放出するための液体出口を備えたチャンバーおよび液体を消散させるための衝撃部材を含む。 米国特許第5,891,086号、T. Westonは、カートリッジの構成成分を打撃し、1回用量の薬剤を放出させるために、衝撃部材に一定の力を及ぼす加圧ガスが事前充填されたチャンバーを含む無針注射器を記載している。この装置は用量および衝撃ギャップを設定する調節ノブを含み、注射を開始するために直接接触圧感知を使用する。 注射針およびシリンジを用いた粘性製剤の送達のために、20ゲージまたはそれ以上というかなり太い注射針が必要であることは、特に重大であり得る。太い注射針は重度の痛みを伴い得る。太い注射針はまた、特に、痛みを伴い方向感覚を失う片頭痛または群発頭痛の発作を起こしている患者において、視覚的に恐怖を感じさせる恐れがある。これらの問題のために、多くの場合、好ましい注射針はさもなければ用いられる注射針よりも細く、それによって送達時間は長くなり、介護者側ではかなりの握力が必要となる。このために、自己治療によるかまたは家族の一員などの比較的未熟な介護者による家庭設定での治療の可能性が排除される場合が多い。家庭で投薬できないことで、治療費は高くなり、治療は遅れ、かつ服薬遵守は低下する。 本発明者らは、片頭痛患者を治療する方法をここに開示する。 片頭痛、および群発頭痛などの関連頭痛、ならびにそれらの症状を治療するためのシステムを開示する。このシステムは、1時間またはそれ未満、30分またはそれ未満、15分またはそれ未満、10分またはそれ未満のうちに即効性の疼痛軽減効果を提供する第1の成分;および4時間またはそれ以上、6時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、48時間またはそれ以上にわたって長期の軽減効果を提供する第2の成分からなる二相製剤を含む。 このシステムは、皮下注射針または無針注射器などの薬物送達装置を含む。二相製剤は、基本的に異なる少なくとも2つの方法で二相にすることができる。製剤の1つの態様において、第1の成分は実質的に遊離形態である薬物を含むが、これは水性担体などの担体中に存在してもよい。第2の成分は、制御放出製剤中に同じ薬物を含む。別の態様では、二相製剤は2つの異なる薬物を用いて作製され、この場合、第1の薬物は疼痛および他の症状の軽減に対して即時の薬理学的効果を有し、かつ第2の薬物はそれらに対してより長期の効果を有する。製剤化成分と薬物成分を共に組み合わせて、急速放出、即時放出、または即効性形態の第1の薬物、および長期間にわたって作用する制御放出製剤中に存在する、第1の薬物と異なる第2の薬物を提供する二相製剤を得ることが可能である。 本発明の1つの局面は、製剤が一般的に、注射の際に高粘性となるかまたは高粘性であり続ける、10 cPまたはそれ未満、10 cPまたはそれ以上、100 cPまたはそれ以上、1,000 cPまたはそれ以上、10,000 cPまたはそれ以上、100,000 cPまたはそれ以上、1,000,000 cPまたはそれ以上の高粘性成分を含むことである。注射針による高粘性成分の注射は、著しく長い時間を要し得る。したがって、無針注射器を用いることで、該製剤を患者に投与する速度を上げることができる。 本発明の1つの局面は、片頭痛患者に、現在のところ注射によって利用することができない注射可能な片頭痛治療を提供し、より迅速で効果的な緩和をもたらすことである。 本発明の別の局面は、片頭痛患者に、片頭痛の2つ以上の症状を治療する併用療法を提供することである。治療すべき症状には、頭痛、嘔気、嘔吐、肩こり、脱力感および/もしくは疲労、眩暈、口渇増加、排尿増加、食欲不振、下痢、便秘、体液貯留、食物への欲求、光および/もしくは音に対する感受性、臭気に対する感受性、視界不良、鼻詰まり、顔面蒼白、熱感もしくは冷感、発汗、頭皮の圧痛、こめかみにおける静脈もしくは動脈の隆起、頭皮もしくは顔面上での液小嚢(small pocket of fluid)の蓄積、ならびに/または集中力の低下;抑鬱、多幸感、易刺激性、不隠状態、精神機能低下、活動亢進、疲労、眠気、神経過敏、および/または易刺激性を含むがこれらに限定されない心理的症状;閃輝暗点、(視力喪失の領域周囲の明るい周縁部、および視野を遮る閃光またはギザギザした線)、物体の視覚的なサイズ変更もしくは形状変更、体の片側での顔、腕、もしくは手のしびれもしくは刺痛、筋力低下、体の片側での軽度麻痺、発話困難、および/または失語(loss of speech)を含むがこれらに限定されない前兆症状の2つまたはそれ以上が含まれるが、これらに限定されない。 1つの態様において、本発明は、疼痛、前兆、嘔気、嘔吐の2つまたはそれ以上を治療する。併用療法は、異なる片頭痛症状を標的とし、単一の送達システムに事前充填され、混合も頻回送達も必要としない2つの異なる薬学的に活性な薬物を含む。 1つの組み合わせの態様は、頭痛、嘔気、および嘔吐を同時に治療するための5-HT3アンタゴニストと5-HT1アゴニストとの組み合わせである。 本発明の別の局面は、非経口送達を利用する組み合わせ型製品を提供して、迅速な緩和(例えば、1時間未満)および緩和の長期持続(例えば、4時間またはそれ以上)を提供することである。 1つの態様において、本発明は、長期緩和のために現在用いられており、経鼻または経口などの比較的遅い吸収経路を介して現在送達されている長時間作用型薬物を含む製剤の非経口送達を含む。この改善の結果は、迅速な作用発現および持続効果の両方を達成するものである。好ましくは、長時間作用型薬物は半減期5〜8時間のナラトリプタンであり、より好ましくは、これは半減期26時間のフロバトリプタンである。 別の態様において、製品は、即効性化合物と長期持続を有する化合物の組み合わせを含む。 別の態様において、治療は、微粒子、ポリマー、ゲル等のような長期放出型式にある化合物、および長期放出型式にない第2の化合物の送達を含む。 別の態様において、治療は、長期放出型式にある2つの化合物(異なる薬理学的標的を有する)の送達を含み、この場合の化合物の特性は、一方が迅速に放出され、かつ他方が長期間にわたり放出されるというものである。 さらに別の態様において、薬物製品は、長期放出型式に一部分のみ含まれるか、または送達に際して長期放出型式に一部分のみ迅速に含まれるようになり、遊離薬物の迅速な「バースト」、および次に残りの薬物の長期持続送達をもたらす薬物を含む。 特定の態様において、製剤は、迅速放出プロファイルと長期放出プロファイルを組み合わせた製剤中に、短時間作用型トリプタン、例えばスマトリプタンを含む。 別の態様は、本質的に長い循環半減期を有するトリプタン薬、例えばナラトリプタンまたはフロバトリプタンの、経口投与以外の別の送達を含む。別の送達経路は、例えば皮下注射など非経口であってよい。 さらに別の態様において、本発明は、無針注射用に設計された単一の二相製剤中に即効性および長時間作用型の片頭痛薬を含む二相製剤を含む。特定の態様において、即効性および長時間作用型の薬物はトリプタンである。好ましくは、長時間作用型トリプタンはナラトリプタンまたはフロバトリプタンより選択され、短時間作用型トリプタンは、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、またはゾミトリプタンより選択される。 本発明の別の局面は、疼痛が10分またはそれ未満のうちに軽減され得る、群発頭痛の症状の非常に迅速な緩和を提供すること、および数時間にわたって疼痛を緩和し続けることである。 本発明は、経口、口腔内、経鼻、経肺、直腸内、膣内、経皮、眼内、または筋肉内、皮内、皮下、動脈内、もしくは静脈内を含む非経口などの、所望の送達動態および薬力学を促進する任意の送達経路および送達方法を通して行うことができるが、これは好ましくは経口ではなく、より好ましくは経鼻、経肺、口腔内、または非経口である。1つの態様において、送達は静脈内または皮下であり、1つの態様において、製剤は皮下経路を介して無針注射器によって送達される。 本発明は、事前充填された内蔵型携帯式無針注射器を利用して行うことができる。 本発明は、米国特許第5,891,086号(その全体が参照により組み入れられる)に記載されている、内蔵圧縮ガス装填を動力源とする無針注射器を用いて行うことができる。第5,891,086号は、皮下(SC)、皮内(ID)、または筋肉内(IM)に対するがこれらの適用に限定されない無針注射により、粘性製剤を含む製剤を送達するための装置を記載している。無針注射器を形成するためのカートリッジと共に使用するためのアクチュエータであって、カートリッジには対象に注射すべき液体が事前充填され、該カートリッジは液体出口および該液体と接する該液体出口の内側の自由ピストンを有し、該アクチュエータは下記を含む: (a) カートリッジと接続するように適合化された前方部分を有するハウジングと; (b) 第1の位置から前方部分に向かって移動可能となって、カートリッジと接続した場合に自由ピストンを打撃し、該自由ピストンを液体出口に向かって移動させ続け、これにより1回用量の液体がカートリッジ内の液体出口を通して放出されるように、前方部分の内側の該ハウジング内に載置された衝撃部材と; (c) 加圧ガスが該衝撃部材と常に連絡し、これに対して常に力を及ぼして、通常、該衝撃部材を液体出口に向かって付勢するように、該加圧ガスで事前充填され、かつ衝撃部材と接続している、該ハウジング内のチャンバーと;ならびに (d) 該衝撃部材と係合して、該圧縮ガスによってもたらされた該力に応答して該衝撃部材が前方部分に向かって移動するのを防ぎ、かつ該衝撃部材との係合から解除されて発射位置まで移動可能となるように載置され、そのような移動を可能とする、該ハウジング内のラッチ。 本発明は、第5,891,086号の注射器を含む無針注射器を用いて送達することができる様々な製剤を記載する。これらの製剤は有効成分を含み、様々なポリマー、担体等を含んでよい。 本発明の1つの局面は、高粘性製剤の無針注射に関する所望の送達時間である。 本発明の別の局面は、注射に伴う疼痛の許容可能なレベルを維持することである。 本発明の別の局面は、片頭痛製剤の注射に伴う注射針の恐怖の軽減に関する。 本発明の別の局面は、片頭痛製剤の注射に伴う針刺し事故および相互汚染の危険性の排除に関する。 本発明の別の局面は、事前充填された単回使用の使い捨て注射器を供給することによる、製剤の注射に伴う調製の単純化に関する。 本発明の別の局面は、高粘性デポー製剤、特に表面浸食システムの注射に関連する薬物放出プロファイルに関する。 本発明のこれらおよびその他の局面は、以下により十分に説明する装置および方法論の詳細を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。 本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより最も理解される。一般的な習慣に従い、図面の様々な特徴は一定の縮尺でないことを明記しておく。一方、様々な特徴の寸法は、明瞭さのために任意に拡大または縮小してある。図面には以下の図が含まれる。注射針およびシリンジ(Imigran)および事前充填型無針注射器(IntraJect、IJ)によって注射した皮下スマトリプタンの薬物動態プロファイルを示すグラフである。皮下注射スマトリプタンと経口スマトリプタンの薬物動態パラメータおよび薬力学的パラメータを比較する表である。4種のトリプタン薬に関して、2時間有効性と最大血漿濃度到達時間の逆相関関係を示すグラフである。注射針およびシリンジならびに無針注射器(IntraJect)の注射時間に及ぼす粘性の影響を示すグラフである。注射によって送達した場合の、様々なドーパミンアンタゴニストの有効性を示す。発明の詳細な説明 本発明の装置、製剤、および方法を説明する前に、本発明は記載する特定の態様に限定されず、当然のことながらそれ自体変わり得ることが理解されるべきである。本明細書で使用する専門用語は、特定の態様を説明する目的のためのみのものであって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、限定する意図はないこともまた理解されるべきである。 ある値域が提供される場合、特記されない限り下限値の単位の10分の1まで、その範囲の上限値と下限値の間にある各媒介値もまた具体的に開示されることが理解される。規定範囲内の任意の規定値または媒介値とその規定範囲内の任意の他の規定値または媒介値との間のより小さな各範囲も、本発明に包含される。これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、独立的にその範囲内に含まれても範囲から除外されてもよく、より小さな範囲内にいずれかの限界値が含まれる、いずれの限界値も含まれない、または両限界値が含まれる各範囲もまた、規定範囲における任意の具体的に除外される限界値に従って本発明に包含される。規定範囲が限界値の一方または両方を含む場合、それら含まれた限界値のいずれか一方または両方を除外する範囲もまた本発明に含まれる。 特記されない限り、本明細書で使用する専門用語および科学用語はすべて、本発明が属する分野の当業者によって共通に理解される意味と同じ意味を有する。本発明の実施または試験において、本明細書に記載したものと類似または同等の任意の方法および材料を使用することができるが、いくつかの可能性のある好ましい方法および材料はここに記載したものである。本明細書で言及した出版物はすべて、その出版物の引用に関連する方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み入れられる。矛盾が生じる範囲では、本開示が、組み入れられた出版物の任意の開示に優先することが理解される。 本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その」とは、特記する場合を除き、その対象物の複数形も含むことに留意されたい。したがって、例えば「1つの製剤」への言及は複数のそのような製剤を含み、「そのポリマー」への言及は1つまたは複数のポリマーおよび当業者に公知のその同等物を含み、以下同様である。 活性化合物を列挙する場合、薬学的に許容される塩、異性体、エステル、プロドラッグ、活性断片等を含むがこれらに限定されないその変種も含むように意図されることが理解されるべきである。 本明細書で考察する出版物は、単に本出願の出願日以前にそれらが開示されたという理由で提供されている。本明細書中のいかなるものも、本発明が先行発明のせいでそのような出版物を先行できないことを認めると解釈されるべきではない。さらに、提供する出版物の日付は実際の出版日と異なる可能性があり、独立して確認する必要がある場合がある。定義 比重:化合物密度の水密度に対する割合。 センチポアズおよびセンチストーク:粘性の異なる測定値、単に異なる単位だけではない。センチポアズは粘性の動的測定値であるのに対し、センチストークは粘性の運動学的測定値である。センチストークおよびセンチポアズのs.i.単位への変換は下記の通りである:1 cS=0.000001 m2/s 1 cP=0.001 Ns/m2 センチストークからセンチポアズへの変換:センチポアズ=センチストーク×106×kg/m3単位での液体の密度 製剤:注射することができる物質の任意の液体、固体、またはその他の状態。好ましい製剤は、溶液、懸濁液、ポリマー、およびゲルを含むがこれらに限定されない液体製剤である。製剤には、注射に適しており、1つまたは複数の活性薬学的成分を含む、賦形剤を含むものが含まれるが、これに限定されない。本発明のいくつかの局面は、重大な問題なしに注射により製剤を投与することができないほど十分に高い粘性を有する製剤を用いた場合に、一般的に明らかとなる。 デポー注射、デポー、および同様の用語:長期間にわたり一貫した様式でその活性化合物を放出する、薬理学的薬剤の通常、皮下、静脈内、皮内、または筋肉内の注射。デポー注射は、デカン酸塩またはエステルなどの特定の形態の薬物として利用可能であり得る。デポー注射の例には、Depo Proveraおよびデカン酸ハロペリドールが含まれる。デポーは体内の一点に局在し得るが、必ずしもそうとは限らない。 バルク浸食:デポー中への水の浸透速度は、デポーが浸食される(すなわち、水溶性産物に変換される)速度を上回る−デポーの全体積中にわたって起こる浸食過程を引き起こす --- 現在、薬物送達で使用されているほとんどの親水性ポリマーに当てはまる。 表面浸食:デポー中への水の浸透速度は、デポーが浸食される速度より遅い−デポーは、水が装置の全体積に浸透する前に浸食し始める。 生分解性:デポーは体内で化学的に崩壊または分解して、無毒性成分を形成する。分解速度は薬物放出の速度と同じであってもよいし、異なってもよい。 s.i.単位:国際単位系。 API:活性薬学的成分または薬物。 トリプタン:片頭痛および群発頭痛の治療に有用なインドール環ベースの薬物。これらは5-HT1(セロトニン)受容体アゴニストである。これらは血管内で5-HT1Bおよび5-HT1D受容体に結合し、収縮、およびそれに続く炎症誘発性神経ペプチド放出の阻害を引き起こす。加えて、これらは神経終末においてセロトニン受容体に作用し、CGRPおよびサブスタンスPを含むいくつかのペプチドの放出を減少させる。トリプタンには、スマトリプタン(Imitrex、Imigran)、リザトリプタン(Maxalt)、ナラトリプタン(Amerge、Naramig)、ゾルミトリプタン(Zomig)、エレトリプタン(Relpax)、アルモトリプタン(Axert, Almogran)、ドニトリプタン、およびフロバトリプタン(Frova、Migard)が含まれるが、これらに限定されない。トリプタンという用語はまた、これらの薬物の塩、エステル、活性断片、類似体、および他の形態、ならびに将来開発され得るインドール環ベースの薬物などの他の形態を含むことが意図される。 片頭痛:多くの症状を伴う神経疾患であり、その最たるものは頭痛である。頭痛は多くの場合に片側で起こり、拍動は数時間〜数日間持続し、嘔気および嘔吐、明るい光および雑音に対する感受性の増大、ならびに他の症状を伴う場合が多い。片頭痛を経験する人のおよそ1/3に、先行する前兆が現れる。片頭痛は、前兆を伴わない5回もしくはそれ以上の発作、または前兆を伴う2回もしくはそれ以上の発作、4時間〜3日間の持続期間、2カ所またはそれ以上の片側部位、拍動性質、中程度から重度の疼痛、日常的な身体活動による悪化またはその回避、ならびに1つまたは複数の付随症状−嘔気および/または嘔吐、光恐怖、音声恐怖−によって、他の頭痛状態と区別され得る。ほとんどの例は片頭痛という用語で示しているが、本発明は、例えば群発頭痛といった他の状態にも適用され得る。 群発頭痛:群発頭痛は著しく痛みが強い、刺すような片側性頭痛であり、15分〜3時間持続する。片側特性は事象間で頭の一方から他方に移動する場合があり、または稀に群発頭痛事象中に移動する場合がある。他の症状には、眼瞼下垂(まぶたの下垂)、結膜充血(赤目)、流涙(涙を流すこと)、鼻漏(鼻汁)、不隠状態および歩き回り、ならびにそれほど多くはないが顔面の紅潮、腫れ、発汗、および/または明るい光および大きな雑音に対する嫌悪が含まれ得る。群発頭痛は、毎日または1週間後の同じ時間に定期的に繰り返し起こる場合が多い。 AUC:送達した薬物の経時的な血漿濃度の曲線下面積または積分。 閃輝暗点:視力喪失の領域周囲の明るい周縁部、および視野を遮る閃光またはギザギザした線。 前兆:発症の直前(2、3秒〜1時間前)に、一部の片頭痛患者が経験する障害。前兆を有する大部分の患者は、毎回同じ種類の前兆を有する。前兆感覚には、明るい光、ジグザグ線、形状またはサイズの歪み、視野狭窄、盲点、暗い点、片目の視力低下などの視覚変化、幻聴、または音の振幅もしくは周波数の変調などの聴覚の影響;異様な匂い、しびれ、刺痛、体から分離する感覚、恐怖、嘔気、脱力、不安定、話ができないこと、話を理解することができないことが含まれ得る。 卵円孔開存またはPFO:出生後に心臓の上室の左側と右側が癒合できないことによって起こる心臓の穴。PFOの発生と前兆を伴う片頭痛との間に、相関関係が認められた。 Intraject:Intrajectは単回使用の事前充填された使い捨て無針注射器である。カートリッジには対象において注射すべき液体が事前充填され、液体出口および該液体と接する自由ピストンを有し、アクチュエータは、バネにより付勢され、ラッチ手段により一時的に抑制される衝撃部材を含み、該衝撃部材はバネ力下で第1の方向に移動可能であって、自由ピストンを最初に打撃し、次いで該ピストンを第1の方向に移動させ続けて、1回用量の液体を液体出口を通して放出させ、該バネは内蔵されたエネルギー貯蔵を提供し、かつ高エネルギー状態から低エネルギー状態へと移行するが、逆方向へは移行しないように適合化されている。アクチュエータは該ラッチを作動させるための起動手段を含んでもよく、したがって、該カートリッジの液体出口と対象との間で所定の接触力が達成された場合にのみ、注射が開始され得る。Intrajectは米国特許第5,891,086号に記載されており、さらなる説明および改良は、US6620135、US6554818、US6415631、US6409032、US6280410、US6258059、US6251091、US6216493、US6179583、US6174304、US6149625、US6135979、US5957886、US5891086、およびUS5480381に見出され、これらは参照により本明細書に組み入れられる。本発明と共に多くの送達システムおよび技法を用いることができるが、Intrajectが好ましい方法である。発明全般 片頭痛および群発頭痛などの他の関連状態には多くの異なる治療があり、それぞれに異なる適応症および利点がある。しかしながら、簡便で迅速な送達方法により、複数の症状を治療する、および片頭痛を迅速にかつ発症の持続期間中完全に治療する、まだ満たされていない必要性が存在する。このまだ満たされていない必要性を満たすことが本発明の本質である。 片頭痛は重度の痛みを伴う衰弱性状態であるため、これを非常に迅速に治療することで患者の快適度が良くなることは明らかである。しかしながら、図2および3に見られ得るように、片頭痛の迅速な治療には非自明な利点がある。 図2は、注射スマトリプタンと経口スマトリプタンの薬物動態パラメータを比較している。注射薬物の送達用量は経口用量の3%であるが、最大濃度は経口用量の最大濃度のおよそ半分であり、またAUCは経口用量の約1/5であり、注射スマトリプタンの最大血漿濃度が達成された107分後である2時間の時点で、注射によって得られた疼痛緩和は、経口用量よりも注射用量に関して実際に優れている。 図3は、4種のトリプタンの臨床的有効性とそれらのピーク血漿濃度到達時間を比較している。この図から、効果とTmaxとの間に逆相関関係があることが明らかである。実に驚いたことには、約2時間の時点でピーク血漿レベルを達成するスマトリプタンおよびゾルミトリプタンを用いた2時間時の疼痛緩和は、ほぼ1時間早くピーク血漿濃度を達成するリザトリプタンのものよりも低い。これらの驚くべき結果は、片頭痛および他の関連状態の初期治療は、迅速な送達によって最良に治療されるという事実に起因する(Fox, 2004, Freidank-Mueschenborn et al, 2005)。薬物の血漿レベルが、それよりも遅く吸収される薬物の血漿レベルよりもはるかに低い場合でさえ、初期血漿濃度によって数時間後により良好な緩和がもたらされる。 他の研究によってこれらの結果が確認される。例えば、筋肉内ジクロフェナクは70%(Del Bene et al, 1987)〜88%(Karachalios et al, 1993)有効であるのに対し、経口ジクロフェナクはわずかに44%有効であることが示された。(Dahlof et al, 1993)。注射ドーパミンアンタゴニストは、82〜100%の有効性で、片頭痛の治療において非常に効果的であることが示された(図5)。 片頭痛は通常、嘔気および嘔吐を伴うため、薬物の経口送達に代わるものが好ましい。しかし、製剤の改善、浸透性増強剤等が、より迅速な送達を別の送達経路を介してもたらしているが、これまでに注射よりも速い方法があるとは考えにくい。したがって、片頭痛の痛みを治療するのに必要な迅速な作用発現を達成する好ましい方法は、常に注射である。非常に迅速な送達が必要であるため、ならびに片頭痛および群発頭痛などの関連状態が衰弱性性質であるため、事前充填された自己投与が容易な注射器が好ましい。 迅速な作用発現が必要であるため、手近に保持することができ、かつ発症の最初の徴候時に用いることができる注射器「キット」を備えることが好ましい。現在利用可能な唯一そのような製品は、IMITREX(登録商標) StatDose(登録商標)(注射用コハク酸スマトリプタン)である。しかしながら、非常に複雑な説明書(22工程)および注射針による自己投与の恐怖のために、StatDoseは患者からの許容に限界がある。非常に複雑な説明書は迅速な送達の必要性に反し、衰弱性の片頭痛または群発頭痛の発症中に行うことは不可能であり得る。さらなる懸念事項には、針刺し事故および相互汚染の可能性が含まれる。 StatDoseのさらなる欠点は、これが迅速な血漿濃度を達成させながらも、スマトリプタンの半減期が比較的短いために、治療はまた急速に消滅し得、片頭痛事象の再発および再投薬の必要性が生じることである。したがって、片頭痛事象の大部分またはすべてのために、迅速に作用しかつ持続する片頭痛治療のまだ満たされていない必要性が存在する。本発明は、以下の1つまたは複数を含むいくつかの方法で、このまだ満たされていない必要性を満たすことを提供する。 1:迅速な作用発現および持続効果の両方をもたらす、長期緩和のために現在用いられており、経鼻または経口などの比較的遅い吸収経路を介して送達される長時間作用型薬剤を含む製剤の送達。好ましくは、長時間作用型薬物は半減期5〜8時間のナラトリプタンであり、より好ましくは、これは半減期26時間のフロバトリプタンである。 2:長期持続を有する化合物と組み合わせた即効性化合物の送達。好ましくは、組み合わせは、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタン、ナラトリプタン、フロバトリプタンの1つまたは複数を含む。最も好ましくは、即効性化合物は、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、またはゾミトリプタンの1つまたは複数より選択され、長時間作用型化合物はナラトリプタン、フロバトリプタンの1つまたは複数より選択される。 3:微粒子、ポリマー、ゲル等のような長期放出型式にある化合物、および長期放出型式にない第2の化合物の送達。 4:化合物の特性が、一方は迅速に放出され、かつ他方は長期間にわたり放出されるというものである、長期放出型式にある2つの化合物の送達。 5:長期放出型式に一部分のみ含まれるか、または送達に際して長期放出型式に一部分のみ迅速に含まれるようになり、遊離薬物の迅速な「バースト」、および次に残りの薬物の長期持続送達をもたらす薬物の送達。 上記の1〜5において、好ましくは別の送達経路は非経口であり、最も好ましくはこれは皮下注射である。注射器は事前充填され、送達に最低限の工程を必要とすることが好ましい。好ましくは工程数は10またはそれ未満、より好ましくは5またはそれ未満、最も好ましくは3またはそれ未満である。注射針による自己投与に付随する恐怖を排除するために;および針刺し、相互汚染を含むがこれらに限定されない安全性リスクを排除するために;および使用済み注射針に付随する廃棄の必要性を排除するために、注射器が無針注射器であることもまた好ましい。 片頭痛および群発頭痛には、痛みに加えて多くの症状が存在する。これらには、嘔気、嘔吐、肩こり、脱力感および/もしくは疲労、眩暈、口渇増加、排尿増加、食欲不振、下痢、便秘、体液貯留、食物への欲求、光および/もしくは音に対する感受性、臭気に対する感受性、視界不良、鼻詰まり、顔面蒼白、熱感もしくは冷感、発汗、頭皮の圧痛、こめかみにおける静脈もしくは動脈の隆起、頭皮もしくは顔面上での液小嚢の蓄積、ならびに/または集中力の低下;抑鬱、多幸感、易刺激性、不隠状態、精神機能低下、活動亢進、疲労、眠気、神経過敏、および/または易刺激性を含むがこれらに限定されない心理的症状;閃輝暗点、(視力喪失の領域周囲の明るい周縁部、および視野を遮る閃光またはギザギザした線)、物体の視覚的なサイズ変更もしくは形状変更、体の片側での顔、腕、もしくは手のしびれもしくは刺痛、筋力低下、体の片側での軽度麻痺、発話困難、および/または失語を含むがこれらに限定されない前兆症状が含まれるが、これらに限定されない;これらの症状の治療には、現在のところ頭痛の治療に加えて薬物送達事象が必要である。迅速な治療を強化するために、および衰弱性片頭痛の発症中に行うべき治療法を単純化するためには、2つ以上の症状を治療するための複数の薬物を含む組み合わせ型製品によって、ケアの現行基準が改善される。 セロトニン(5-ヒドロキシ-トリプタン、5-HT)は、片頭痛の病因に関与するとされる神経伝達物質である。例えば、5-HTの血漿および血小板レベルは、片頭痛発作の異なる局面で異なることが報告されている。大部分の頭痛発作中には、同時に増加量が尿中に排出される。片頭痛ならびに付随する嘔気および嘔吐は、無数の5-HTシグナル伝達経路が関与する5-HT機能障害と関連づけられ得る。本発明の1つの態様において、本発明者らは、異なるシグナル伝達経路に影響する選択的な5-HTベースの薬物の組み合わせを含む治療様式を提案している。組み合わせて用いることで、それらはより完全にかつ迅速に片頭痛の症状を軽減するはずである。特に本発明者らは、片頭痛の発作中に各成分の同時かつ迅速な血中レベルを提供する剤形での、選択的5-HT3受容体アンタゴニストと5-HT1受容体アゴニストとの組み合わせを提案している。オンダンセトロンおよびグラニセトロンなどの5HT3アンタゴニストは、末梢および化学受容器トリガーゾーンにおいて5-HT3受容体を遮断して、嘔吐反応を妨げる。本発明者らは、これらの選択的5-HT3アンタゴニストは、メトクロプラミドなどのDz/5-HT3混合アンタゴニストよりも、後者が錐体外路副作用を伴うという理由で優れていると確信している。スマトリプタンを含むトリプタンは、5-HTおよび他の神経伝達物質の放出を制御し、ならびに頸動脈の異常な拡張を制御して、脳実質に対して正常な血流の回復をもたらすことができる選択的5-HT1アゴニストの例である。したがって、選択的5-HT3アンタゴニストと5-HT1アゴニストとの組み合わせは、片頭痛に伴う嘔気および嘔吐ならびに頭痛症状の治療を効果的に促進する。好ましくは、5-HT3アンタゴニストは、オンダンセトロン、トロピセトロン グラニセトロン ドラセトロン、ヒドロドラセトロン(hydrodolasetron)、パロノセトロン、アロセトロン、シランセトロン、シサプリド、レンザプリド(renzapride) メトクロプラミド、ガラノラクトン(galanolactone)、またはこれらの組み合わせより選択される。最も好ましくは、5-HT3アンタゴニストはグラニセトロン、オンダンセトロンの一方または両方である。 作用の長期持続を必要とする本発明の局面に関して、本発明は、皮下無針注射器装置を用いて注射するのが困難な、薬学的に活性な薬物からなる高粘性製剤を含む容器を装着した無針注射器装置を含めることによって、必要な持続期間を達成し得る。図4に示されるように、本発明の無針注射器装置は、約20℃で1 cS〜10,000 cSまたはそれ以上などの比較的広い範囲にわたる粘性を有する製剤を含み、なお約1秒未満で約0.5 mlの製剤を送達することができる。これは開口部および長さを有するノズルを備えた無針注射器装置を利用することによって得られ、1 cS〜約10,000 cSの範囲の粘性を有する、0.05 mL〜1.5 mLまたはそれ以上などの一定範囲の体積の製剤が、約1秒またはそれ未満、より好ましくは約0.1秒未満で、無針注射器装置からノズルを通して患者に送達され得る。注射器は、注射針よりも実質的に大きなオリフィス/長さ比を有する無針注射器中のノズル構成を使用してよく、それにより、十分に発達した層流によって生じる粘性抵抗の影響を実質的に軽減または排除し、したがって製剤の粘性とは無関係に注射液を安全に、簡便に、かつ再現性よく送達することが可能となる。この構成は、送達時間、送達速度、送達する薬物の速度、浸透深さ、および送達の再現性のような送達パラメータに対する粘性の影響を最小限にし得る。この最小限化を達成するために重要であるのは、オリフィス長とオリフィス出口直径の比である。この比は、10未満、好ましくは7未満、より好ましくは5未満、最も好ましくは約2である。本方法は、無針注射器装置に液体製剤を装填する工程を含む。この装填工程はケアする場所で行うことができるが、片頭痛治療に関しては、これは工場で行われることが好ましい。製剤は、薬学的に許容される薬物、またはより好ましくは担体中の薬物からなる。製剤は本明細書に記載されるように粘性を有し、デポーまたは多くの持続放出製剤に関して、粘性は約20℃で約5 cSまたはそれ以上であることが好ましい。製剤を無針注射器に装填した場合、約0.1 mlの製剤またはそれ以上、好ましくは約0.5 mLの製剤が、装置から狭い流れとして装置の出口ノズルを通して押し出される。流れは、その流れが患者の皮膚を穿刺するような速度で押し出される。0.5 mlの製剤は、装置のノズルから皮膚を通して、約1秒またはそれ未満、より好ましくは約0.1秒未満で押し出される。 製剤は微粒子などの粒子を含んでもよく、必要に応じて、粘性を増加させ得るまたは減少させ得る、製剤の粘性に影響する薬剤を含んでもよい。そのような粘性増強剤は米国特許第6,667,061号に記載されており、これにはカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの化合物が含まれる。製剤はまた、湿潤剤または一般に注射製剤中に見られ得る他の成分を含んでもよい。本発明は、無針注射器装置と共に用いるために特別に設計された容器を含み、その容器には、本明細書に記載した様式で注射に特に適した本発明の製剤が装填される。いくつかの製剤は、製剤が注射された場合に、製剤の粘性が体温により増加し、患者内で固体または半固体埋込物を形成するように設計される。そのような製剤は、製剤内に含まれる薬物の制御放出を提供することに関して特に有用である。 制御放出(CR)薬物送達システムを用いると、即時放出剤形と比較して治療的により有用であり、かつ通常はより一貫し安定した血液レベルが提供されることによって、治療応答が改善される。これらにより、a) 必要な薬物が少なくなり得るため、b) 薬物がインビボでその部位に標的化されて、高い全身レベルが回避され得るため、またはc) 必要なピーク血漿濃度が低くなるため、有害反応が減少し得る。標的化および制御放出の結果として、患者の服薬遵守は、投薬回数の減少および投与計画の簡素化により改善され得る。標的化、およびより制御された持続的な予測可能なレベルにより、有効性もまた増強され得る。CR非経口薬物送達システムには、懸濁液、リポソーム、ミクロスフェア、ゲル、ポリマー、および埋込物が含まれるが、これらに限定されない。微小ミクロスフェアおよびより大きな埋込型装置を用いて、数日〜数カ月、さらには数年の期間にわたって放出を調整することができる。これらの送達システムは、様々な疾患の治療または予防のための薬物を送達するために、製薬産業によってますます利用されるようになっている。 さらに、より良好な薬理学的効果を提供し、および/または注射回数を減少させるために、多くの製薬会社は持続放出製剤を開発してきており、または開発中である。 しかしながら、これらの分子の多くは、妥当なサイズの用量(<1 ml)を注射するように十分に濃縮された安定した溶液に製剤化することが難しい。これらの製剤はまた、通常は粘性が高い−中には、多ポアズの粘性を有するゲル状のものさえある。このことは、従来の注射針およびシリンジを用いて注射するには非実用的であることを意味する。粘性 対 注射時間 注射針およびシリンジを用いて粘性液体を注射することの難しさを理解するために、ならびに理論が適用可能かどうかを判定するために、実験室での試験を行った。粘性流体を手動シリンジを用いて注射針を通して押し出し、所与の適用力での注射時間を記録した。実験の詳細および結果を実施例の項に詳述する。 この研究の結果から、従来の注射針と比較して実質的により大きなオリフィス/長さ比を有するノズルを備えた無針注射器は、高い駆動圧で製剤を送達することができ、注射針およびシリンジを用いて送達することができるものよりも数千倍も粘性の高い液体を送達する能力を有することが示された。表面浸食製剤の改善された薬物送達プロファイル 注射針およびシリンジを用いて注射した場合、大部分のデポーは実質的に球状のデポーを形成する。対照的に、無針注射器は、球よりも表面対体積比が大きな、より広がった複雑な形態を形成し得る。デポーが浸食されるにつれ、体積の減少と共に表面積も減少するため、表面浸食システムには球状デポーは好ましくない。好ましい形状は、シートまたはシート状形状である。この種の形状では、デポーが浸食されても、表面積は実質的に減少しない。そのため、無針注射器はデポーの薬物放出動態を実際に改善する能力を有し、結果的に薬物放出のより一定した速度をもたらす。 表面浸食システムの例には、ポリ酸無水物およびポリ(オルトエステル)のポリマーファミリーが含まれる。1985年にLangerらは、表面制御浸食を有する極めて疎水性の高いポリマーであるポリ酸無水物ポリ[ビス(p-カルボキシフェノキシ)]プロパンセバシン酸(P(CPP:SA))を開発した。カルムスチン埋込物を伴うポリフェプロザン(polifeprosan)20(Gliadel(登録商標)ウエハ)は1996年に米国市場に参入し、今日では世界中の数カ国で認可されている。ポリオルトエステルが小分子および高分子適用に用いられたという研究が報告されている(Heller et al. European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 50 (2000) 121±128、米国特許第6,667,371号)。注射中の痛み 注射部位における痛みおよび不快感により、患者はデポー注射を拒絶する場合がある。(J Clin Psychiatry. 2001 Nov; 62(11):855-9) 著者は、統合失調症を患う患者に対する抗精神病薬の長時間作用型デポー注射を、痛みについて評価した研究を報告した。デポー注射は痛みを引き起こし、これは注射直後に最大となった。報告された注射部位の痛みと、患者によって報告されたデポー注射に対する患者の姿勢に及ぼすその影響との間には相関関係が存在した。 Nutropin Depotの添付文書によると、Nutropin Depotで治療した小児患者138名を含む研究において、最も頻度の高い有害反応は注射部位反応であり、これはほとんどすべての患者で起こった。平均すると、1回の注射につき2つ〜3つの注射部位有害反応が報告された。これらの反応には、小結節(注射の61%)、紅斑(53%)、注射後の痛み(47%)、注射中の痛み(43%)、挫傷(20%)、痒み(13%)、脂肪萎縮(13%)、および腫脹または腫れ(8%)が含まれた。これらの反応の強度は一般に軽度〜中程度に順位付けされたが、注射中の痛みは時折重度(7%)と順位付けされた。Cooperらは、25G注射針よりも、無針注射器による注射では痛みが有意に軽減することを報告した(Anaesthesia, Volume 55 Issue 3 Page 247, March 2000)。 視覚的アナログ尺度を用いて、無針送達と注射針およびシリンジ送達とで痛みを比較する工程を含む研究において、注射針およびシリンジを用いた場合に対象の30%が注射の痛みがないと報告したのに対し、無針注射器を用いた場合には対象の60%が注射の痛みがないと報告した。対象の41%が4またはそれ未満の痛みを報告したのに対し、注射針およびシリンジを用いた場合には、対象の65%がこの程度の痛みを報告した(Stout et al, Drug Delivery Technology, April 2004, Vol 4, No.3)。粘性制御放出製剤 好ましくは無針注射器によって片頭痛の治療において用いることのできる多くの特定化合物および化合物の一般的記述を本明細書に開示する。さらに、本明細書と関連して使用することができる他の製剤を教示するために、参照により本明細書に組み入れられる多くの特許および出版物を開示する。しかしながら、本発明のある特定の局面は高粘性製剤に向けられており、そのような高粘性製剤は一般に、図4に示したような様式で挙動する製剤であることに留意することが重要である。具体的には、製剤は約20℃で1〜約10,000 cSの範囲にあるような粘性を有し、無針注射器装置によって約1秒またはそれ未満で送達することができる。特定の製剤の例には、約20℃で100〜約10,000 cSの範囲の粘性を有し、無針注射器装置によって約0.1秒またはそれ未満で送達することができる(0.5 ml)ものが含まれる。一般に、そのような製剤を皮下針注射によって投与する場合、注射には約10秒またはそれ以上を要する。したがって、以下に記載する製剤および化合物は、製剤(0.5 ml)が無針注射器装置を用いて約0.1秒で送達することでき、皮下針注射装置によってそのような短い時間では容易に送達することができない、またはより具体的には、皮下針注射装置では注射を完了するのに1秒超、2秒超、3秒超、もしくは10秒超を要するような所望の粘性レベルを得ることを考慮して、当業者により再考され、考慮されるべきである。 無針注射によって送達することができる持続放出ポリマー製剤の例は、媒体としてポリ(オルトエステル)を用いることができる。例えば、米国特許第4,304,767号、同第4,957,998号、同第5,968,543号、およびWO02/092661、ならびにAdv. Polymer Sci., 107, 41-92 (1993)およびその中の参考文献を参照されたい。これらの制御放出ポリマーの粘性は1,500 cP範囲にあることが報告された(Biomaterials, 23, 2002, 4397-4404を参照されたい)。高分子量ポリマーには、かなり高い力が必要であった(Adv. Drug Del Reviews, 53, 2001, 45-73を参照されたい)。 持続放出製剤は、ポリ(オルトエステル)からなるコポリマーまたは複合物であってよいポリマーを含み得る。本発明の製剤は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸のコポリマー、およびそれらの混合物からなるがこれらに限定されない群より選択されるポリマーを含んでもよく、または含む。本発明の製剤は、乳酸とグリコール酸のコポリマー、およびそれらの混合物からなるがこれらに限定されない群より選択されるポリマー材料を含んでよい。 本発明の1つの態様において、製剤はデポーを形成し得る。 本発明の1つの態様において、製剤はポリマー形態、コポリマー形態、またはペプチドを用いた複合形態もしくは他の複合物であり、この場合、該ポリマー、コポリマー、または複合物はメタクラレート(methacralate)からなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はカプロラクトンからなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はキトサンからなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はポリ酸無水物からなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はポリエチレングリコールからなるか、または該ポリマーまたはコポリマーはポリホスホエステル(polyphosphoester)からなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はポリホスホスファゼン(polyphosphosphazene)からなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はデキストランまたは他の炭水化物もしくは糖からなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はデンドリマーまたはフラーレンなどの他の星型ポリマーからなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はコロイドまたは懸濁液形態であるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物は架橋形態であるか、または結晶もしくはナノ結晶として存在するか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はリン酸カルシウム粒子またはナノ粒子であるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はポリエーテルエステルからなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はヒアルロン酸からなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はコラーゲンからなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はゼラチンからなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はデキストランからなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物は両親媒性物質からなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物は、脂質、およびリポソーム、六角形状を含むがこれらに限定されないポリマーハイブリッドを伴うまたは伴わない脂質の様々な物理的凝集物からなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はメタクリルアミドからなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はポリエチレンオキシドからなるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物は乳化可能な脂質からなるか、または非ポリマー非水溶性液体担体材料はイソ酪酸酢酸スクロースであるか、または該ポリマー、コポリマー、または複合物はリン酸カルシウムからなるか、またはこれは、以下に限定されないが、重合の、封入された、分散された、懸濁された糖または炭水化物成分からなるか、または製剤は油懸濁液中にあるか、または製剤は液晶の形態である。リポソーム 薬物送達システムとしてのリン脂質媒体は、1965年にBanghamにより「リポソーム」として提案された[Bangham et al., J.Mol.Biol. 13 (1) (1965) 238-252.]。90年代初期に、静脈注射用の3つの製品が市場に参入した:全身性真菌治療のためのアムホテリシンBのリポソーム調製物(Ambisome(登録商標))、ならびに2つの化学療法リポソーム製剤:リポソームドキソルビシン(Doxil(登録商標))およびリポソームダウノルビシン(Daunosome(登録商標))。 ペグ化リポソームは、循環半減期が長いことが示されている。ペグ化長期循環リポソーム中に捕捉されたバソプレッシンは、静脈注射の1カ月後、生物活性を有したままである。 単層または多層リポソームを用いるのではない新規アプローチは、送達すべき薬物を封入している何百もの非同心性水性チャンバーから構成される微視的球状粒子に基づいている。(DepoFoam(商標)システム)。これらの多小胞リポソーム(1〜100μm)は複数の非同心性の内部水性区画を含み、封入効率の増加をもたらす。皮下注射後、封入されたペプチドおよびタンパク質の放出は、インスリンでは最長7日まで、およびロイプロリド製剤では最長3週間まで延長されることが示された[Ye, Q et al., DepoFoam technology,, J.Control.Rel. 64 (1-3) (2000), 155-166]。 Novosom AG社は、タンパク質およびペプチドのためのリポソームベースの新規デポーシステムの特許権を取得した(Cagicles(登録商標))。これらのデポーは2工程法により製造される:第1にタンパク質を水性媒質に溶解し、次に膜形成物質の溶液に添加するが、その物質は、得られた膜がタンパク質との可逆相互反応に入るように選択される。この穏和な条件の過程により、封入率を取り込みタンパク質の30%を上回るまで高めることが可能になる。さらに、Cagiclesデポーの皮下または筋肉内注射後、1カ月持続するタンパク質放出が実現可能であった[Panzner, S., Novosom AG、特許出願番号2000-EP11079、特許番号WO2001034115号(2000)]。これらの研究は、リポソームの基本的な適用性を証明した。リポソームの溶解性の利点は周知であり、報告されている。脂質ナノ粒子およびミクロスフェア 固体脂質ナノ粒子(SLN)は、主にトリグリセリドに基づいたコロイド担体システムである。その疎水性およびその小さなサイズのために、SLNは、溶融混合物中に容易に溶解され得る親油性薬物の取り込みにより適していると考えられる。例えば、ほんの少量のリゾチームを様々な脂質中に取り込むことができる(Almeida et al, Int.J.Pharm. 149 (2) (1997) 255-265)。固体脂質ナノ粒子は、薬物標的化における表面修飾SLNの適用のために、またはおそらくはワクチンのアジュバントとしての使用のために、溶解度の低い薬物(例えば、パクリタキセル)を封入する可能性を有する。さらに、SLNは水性分散液の形態で経口薬物送達に適用され得る、またはSLNはあるいは錠剤、カプセル剤、もしくはペレット剤などの伝統的な剤形における添加剤として用いられ得る、と仮定することができる。 米国特許第6,277,413号は、少なくとも1種類の生分解性ポリマーおよび少なくとも1種類の脂質を含むマトリックスと、生分解性ミクロスフェアから放出可能な生理活性物質とを有する、生分解性ミクロスフェアを記載している。脂質結晶 EP 0767,656B1は、グリセロールエステルベースであり、かつジアシルグリセロールおよびリン脂質、または水、グリセロール、エチレングリコール、もしくはプロピレングリコールを含む極性基を含む薬学的組成物を記載している。成分間の比率はL2相または液晶相を形成するように調節され、L2相または液晶相中には生物材料が分散または溶解されている。油懸濁液 一般に、油性媒質の粘性は緩衝液などの水相の粘性よりもかなり高い。そのため、油懸濁液を実行することにより薬物放出を延長することができる。加えて、モノステアリン酸アルミニウムなどのゲル化剤を添加することにより、油性担体の粘性をさらに増加させることができる−したがって、薬物溶解度および薬物輸送速度のような過程パラメータの制御が可能になる。薬物担体として油を用いるさらなる重要な局面は、油性媒質および周囲組織における化合物の分配係数である。分配係数が高い親油性薬物は主に油性媒質中に蓄積することになり、有効な薬物作用のさらなる減速をもたらす。 数年間にわたり、様々なペプチドおよびタンパク質が油中に分散されて、持続放出製剤が作り出されてきた。Nestorらは早くも1979年に、ピーナッツ油またはゴマ油などの油およびステアリン酸アルミニウムなどのゲル化剤を適用して、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)の超アゴニスト類似体の長時間作用型注射デポー製剤の開発に関する特許権を取得した[Nestor et al, Syntex Inc.、米国特許第4,256,737号(1979).]。ヒドロゲル 熱可逆性ヒドロゲルは薬物送達において大変興味深い。これらには、ポリ(エチレングリコール)/ポリ(プロピレングリコール)ブロックコポリマー(ポロキサマー)、ポリ(エチレングリコール)/ポリ(ブチレングリコール)ブロックコポリマー、ポロキサマー-g-ポリ(アクリル酸)、および水溶液中でゾル-ゲル転移を示すNイソプロピルアクリルアミドのコポリマーを含む感熱性ゲル材料が含まれる。ポリ(エチレンオキシド)(PEG)およびポリ(乳酸)(PLA)のジブロックコポリマー、ならびにPEG-PLGA-PEGのトリブロックコポリマーもまた、生理的条件下で生分解性の注射可能な薬物送達システムを提供する別のヒドロゲルとして用いられる。ゼラチン、アガロース、アミラーゼ、アミロペクチン、セルロース誘導体、カラゲナン、およびゲランを含むいくつかの天然ポリマーは、熱可逆性ゲル化挙動を示す。メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどの、天然ポリマーのいくつかのセルロース誘導体は、逆熱ゲル化挙動(高温でゲル化)を示す。これらのヒドロゲルの粘性は、非経口送達の懸念事項である。これらのヒドロゲルの粘性は、低い剪断速度で極めて高くなり得る(Eur. J. of Pharm. and Biopharm., 59, 2005, 333-342)。ポリヒドロキシルメタクラレートは、ヒドロゲル製剤において広く用いられている(Peppas et al., European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 50, 2000, 27)。米国特許第6,602,952号は、キトサンおよびキトサンの複合物からなる群より選択されるポリマーに共有結合で架橋された、ポリ(エチレングリコール)誘導体などの多官能性ポリ(アルキレンオキシド)、ならびメトキシポリ(エチレングリコール)などの単官能性ポリ(アルキレンオキシド)を含むポリマー構造を記載している。水性媒質では、ポリマー構造はヒドロゲルを形成する。デポー製剤および埋込物 埋め込み型薬物送達装置は、特に治療に持続放出効果が付加される場合に、様々な疾患および状態の治療のための魅力的な治療ツールを提供する。様々な埋め込み型薬物送達装置が開発されており、これらは貯蔵場所から治療部位への薬物の移動を達成するために異なる機構に基づいている。米国特許第4,938,763号は、非反応性、水不溶性の熱可塑性ポリマーを生体適合性、水溶性溶媒に溶解して液体を形成し、この液体を体内に配置し、溶媒を消散させて固体埋込物を生成させることにより、インサイチューで埋込物を形成する方法を開示している。米国特許第5,747,058号は、周囲または生理的条件下できちんと結晶化しない、体温で少なくとも5,000 cPの粘性がある非ポリマー非水溶性高粘性液体担体材料を含む、物質の制御放出用組成物を記載している。高分子の送達 高濃度のタンパク質製剤もまた、タンパク質薬物を容易に送達する能力に影響する物理特性を有し得る。例えば、高粘性調製物は注射による投与が困難である可能性がある。SC注射用のシリンジには、26または27ゲージ注射針が装着される場合が多い(J of Phamaceutical Sciences, Volume 93, Issue 6, p 1390-1402)。 モノクローナル抗体などのタンパク質は、頻繁な投与計画を用いて高用量(数mg/kg)で投与される場合が多い。癌の治療用に認可されているリツキサン1およびハーセプチン1という2つの抗体は病院で静脈内投与されるが、外来での投与が必要となる可能性のある疾患を治療するためにモノクローナル抗体を使用するためのいくつかのプログラムが進行中であり、したがってSC投与経路の開発が必要である。例えば1 mg/kgまたは100 mg/用量を超えるような高用量での治療では、SC経路により提供され得る量が少量(<1.5 mL)であるために、100 mg/mLを上回る濃度の製剤を開発することが必要である(J of Pharmaceutical Sciences, Volume 93, Issue 6, p 1390-1402)。 米国特許第6,541,606号は、組成物を形成するためのポリマー担体を含むマトリックス内に封入されたタンパク質結晶または結晶製剤を記載している。この製剤および組成物は、タンパク質本来の生物活性のある三次構造の保存を強化し、必要な場所で必要な時に活性タンパク質を徐々に放出し得る貯蔵場所を生成する。複合システム ポリマー担体システムは、マクロファージによる取り込みを回避するという観点から、非ポリマー担体に勝るある種の利点を有し得る。リポソームはリン脂質でできた球状小胞であり粒子であるため、これらはマクロファージによって取り込まれる。リポソームをPEGでコーティングすることにより、リポソームに「ステルス」特性が付与された場合でさえ、肝臓および脾臓では高レベルが見出され得る。一方、抗体は、腫瘍細胞上のほとんどの受容体が正常細胞上にも存在し、癌に独特なものを見出すことが難しいという欠点を有する。 対照的に、水溶性ポリマーは、大きな粒子ではなく単一の分子で作用することを可能にする。肝臓および脾臓を回避するために、PEGおよびN-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドなどの非荷電親水性ポリマーを用いることができる。これらのポリマーは水和されると、最長約24時間までの期間にわたって血液中を循環することができる(C&E News, Volume 80, Number 34, 39-47)。 他の複合システムの例にはペグ化が含まれる。ペグ化は、分子の見かけの分子量を増加させることにより、血流からのクリアランス速度を低下させる。特定のサイズまでは、タンパク質の糸球体濾過速度はタンパク質のサイズに反比例する。クリアランスの低下により、非ペグ化材料に対し効率を高めることができる(Conforti et al., Pharm. Research Commun. vol. 19, pg. 287, 1987、およびKatre et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. vol. 84, pg. 1487, 1987を参照されたい)。複合化はインビトロまたはインビボのいずれでも可能であった。 WO2005034909A2は、コアおよび生物活性部分に結合された超分岐ポリマーを記載している。生物活性部分は、実質的に非酵素的に切断可能なリンカーLによりコアに結合されている。この組成物を用いて、生物活性部分をその標的に送達することができる。 米国特許第6,946,134号は、長期保管寿命および/または溶液中での長期もしくは治療活性を示す、アルブミンまたはアルブミンの断片もしくは変種に融合された治療タンパク質を記載している。担体分子としてのアルブミンの役割およびその不活性な性質は、インビボでポリペプチドの担体および輸送体として用いるのに望ましい特性である。様々なタンパク質の担体としてのアルブミン融合タンパク質の成分としてのアルブミンの使用が、WO93/15199、WO93/15200、およびEP 413 622において示唆されている。ポリペプチドに対する融合物のためのHAのN末端断片の使用もまた提唱されている(EP 399 666)。 米国特許第5,367,051号は、ポリマー化形態である場合に、高温安定性を特徴とする、すなわち少なくとも約300℃の温度に耐え得る、フラーレン官能化アミン含有ポリマーおよびポリマー化可能なモノマーを記載している。フラーレン基は、ポリマー上のアミン基を介してポリマーに結合している。デンドリマー デンドリマーは明確に規定されたポリマー構造である。デンドリマーは、中心のコアから生じる反復超分岐構造に基づいている(US 4,507,466)。典型的なデンドリマーは、ポリアミドアミン(PAMAM)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミン、またはポリリジンに基づいている。これらの合成高分子は段階的様式で構築され、各反応サイクルによって分岐の別の層または「世代」が付加される。デンドリマーは、段階的な分岐的(「ボトムアップ」)または収束的(「トップダウン」)合成によって、合成的に入手される。中心構造成分はコアユニットであり、そこから超分岐デンドリマーが放射状に対称様式で伸長する。コアはデンドリマー複合化のための少なくとも2つの反応基を提供してもよく、これはまたヘテロ官能性であってもよく、保護基が用いられ得る。後者の場合、デンドリマーを構築することができ、その後ゲスト化合物を直交化学によってアニリンコアに複合化することができる(WO88/01180)。コアおよびデンドリマーは、デンドリマーの内部または骨格を形成する。立体的な込み合いによって支持される球対称の結果、超分岐の末端基が外部を規定する。高次の世代のデンドリマーでは、末端分岐はかなり高密度の殻を形成し、柔軟な内部空隙が見出されている。所与のデンドリマーに関して、これらの空洞は折り返された末端基および密接に配位された溶媒分子により満たされていることが理解される。デンドリマーは、複雑な疎水性化合物に同様によく適したミセルに関連している。しかし対称的に、これらは単分子の性質を有し、および様々な種の動的平衡がないため、より高い構造秩序を示す。合成化合物は、高次構造上の剛性および平坦性などの特定の構造的条件、ならびに三級アミンに対する親和性などの電荷分布が適合する場合にのみ、デンドリマー中に拡散し得る。ピレンまたはナフタレンなどの様々な無極性化合物が、デンドリマー内に封入されている。 米国特許第5,714,166号およびWO95/24221において、デンドリマー-タンパク質複合物が明らかにされている。G4のPAMAMデンドリマーは、その末端官能基を介してインスリン、蛍光標識インスリン、アビジン、モノクローナル抗体、およびブラジキニンに共有結合されている。複合化に用いられる反応基はデンドリマーの表面にのみ存在し、したがって浸出法によって生じた任意の共有結合付加物はデンドリマーの外部と結合することになる。 PAMAMデンドリマーはその表面上に遊離アミン基を含み、静電相互作用によりDNAと容易に結合する。 WO01/07469は、オルニチンおよびグリシンアミノ酸から構成される水溶性ポリペプチドデンドリマーについて詳述している。この特許出願はまた、穏和な条件下でヘパリンの存在下でのデンドリマーコアのデンドリマー化によるオリゴ糖、ヘパリンの非共有結合的封入を教示している。オリゴ糖は、樹枝状骨格内のW-不安定結合の光誘起開裂によって、デンドリマーから放出される。ここで用いられたコア構造は、トリス(2-マレイミドエチル)アミンであった。他のポリマーシステム Passiraniらは、食作用による早期捕捉を免れる薬物担体の開発における生体模倣アプローチにおいて、ヘパリン、デキストラン、およびメチルメタクラレートの使用を評価した(Passirani et al, Pharm Res, 1998, 15, 1046)。 ポリホスファゼンおよびポリスチレンのハイブリッドブロックおよびグラフトコポリマーの合成は、両ポリマーの性状を組み合わせ、新たな特性を創出する方法である。ホスファゼンおよびスチレンホモポリマーそれぞれの価値ある特性の多くを、ポリスチレンおよびポリホスファゼンポリマー両方の全体の固体状態または溶液特性を犠牲にすることなく、組み合わせることができる。米国特許第6,392,008号は、ポリホスファゼン含有ポリマーのそのような組成物を記載している。 米国特許第5,176,907号は、生体適合性かつ生分解性のポリ(ホスホエステル-ウレタン)、ポリ(ホスホエステル-ウレタン)を含む組成物、ならびに薬物送達装置および埋込物としての使用法を記載している。無針注射器 本発明と共に用いることのできる特定の注射器装置には、IntraJect(登録商標)、Biojector 2000, Iject(登録商標)、Intelliject、Injex、HSI 500、Medijector vision、Mini-Ject、PenJet(登録商標)、Vitajet、PMED、Avant Guardian 101、Activa、Antares、Ypsomed、Medjet、The Medical house、Am-O-Jet(商標)、Crossject(商標)、DermoJet(登録商標) & Vacci-Jet、Hyjettor(商標)、IM-O-JET(商標)、およびLectraJet(商標)より選択される注射器が含まれるが、これらに限定されない。 薬物およびワクチンの無針注射は、注射針およびシリンジと同程度に効果的であるが、問題の多くがない別の投与経路を示す。この注射法は、皮膚に浸透させるために高圧の薬物の微細な流れを利用する。注射過程に皮下注射針が存在しないことで、針刺し事故の可能性が排除され、廃棄が簡単になり、また針恐怖症に対する顕著な視覚的誘因が排除される。無針注射の迅速性(典型的には0.5秒またはそれ未満)により、患者の服薬遵守および許容がさらに高まる。 現在用いられている異なる無針注射装置は、注射のための動力源−例えば機械バネ、圧縮ガス、または化学反応−によって識別され得る。これらの設計のそれぞれが、特定の利点および欠点を有する。 機械バネ動力装置は、比較的安価で、耐久性があるという利点を有する。機械バネ型の注射器の欠点は、コイルバネによって生じる力の量が制限されることに起因し、これによってこのクラスの注射器の多用途性はある程度減少する。 機械バネ動力の無針注射装置の例にはActiva AdvantaJetが含まれ、これは主に0.5〜50単位のインスリンの皮下注射のために設計されたものである。Equidyne Injexは主に糖尿病市場に向けられており、0.02〜0.5 mlのインスリンを皮下に送達することができる。ワクチンを送達するためのInjexの使用も同様に検討されている(Sarno MJ et al., 2000. Pediatr. Infect. Dis. J. 19:839-842)。Bioject/Vitajet 3は当初はインスリンの皮下注射のために開発され、最近になって、組換えヒト成長ホルモンのSaizen製剤(Silverstein et al, 2001 Endocrine 15:15-17)およびSerostim製剤(Murray et al, 2001 Today's Therapeutic Trends 19:137-155)のための送達プラットホームとしてSeronoによって適合化された。成長ホルモンの無針送達は、小児市場における許容および服薬遵守(Saizen)ならびにHIV陽性患者に注射するための安全性の改善(Serostim)の観点から、かなり魅力がある。 Antares/Medi-Jector VISIONは、2〜50単位のインスリンの皮下注射を対象とした機械バネ動力装置である(Bremseth et al, 2001, Diabetes Technol. Ther. 3:225-232)。Medi-Ject装置はまた、他の薬物(Verrips et al, 1998, Acta Paediatr. 87(2):154-8)およびDNAワクチン(Anwer et al., 1999, Pharm. Research 16:889-895)を送達する上で効果的であることも判明している。Medijector VISIONは交換可能な透明無針シリンジを使用し、3つのオリフィスサイズが入手可能である。オリフィスサイズを変化させると、注射圧が調節されて、様々な皮膚タイプの厚さおよび浸透性ならびに解剖学的位置の違いに適応する。他の同様のMedijector装置が、組換えヒト成長ホルモンの投与用に市販されている(GH, Hirasing et al., , 1998Acta Paediatr. 87(2):154-8)。 ガス動力装置は、機械バネと比較して、圧縮ガスによってより持続的な力が提供されるという利点を示す。したがって、より大きな体積の注射剤(1.0 mlまで)を、皮下または筋肉内経路のいずれかを介して投与することができる。ガス動力装置の主な欠点は、バネと異なり動力源が枯渇し、そのため定期的に交換しなければならないことである。 ガス動力注射装置の例にはCO2動力Biojector 2000が含まれ、この利点には、これが0.1〜1.0 mlの範囲の体積の筋肉内(IM)および皮下(SC)注射を提供することができることから、多用途性が含まれる(Stout R, Miller R, 1997)。Visionary Medical Productsは、0.5 mlまでの薬物を送達するために事前充填されたアンプルを用いる小さな使い捨て注射器であるPenJetを製造している。装置の活性化は感圧式であり、これによって、注射剤を投与する際に使用者が適量の力を加えることが確実になる。利便性を向上させるため、National Medical Productsは、0.02〜0.25 mlのインスリンの皮下注射剤を送達するように設計されたCO2動力使い捨て注射器であるJ-Tipを開発した。J-Tipを用いたリドカインおよび低分子量ヘパリンの注射も、同様に評価されている(Hollingsworth SJ et al., 2000. Ann. R. Coo. Surg. Eng. 82:428-431)。 米国特許第5,911,703号は本発明の2段階ジェット注射器を記載しており、これは、シリンジユニット、シリンジプランジャーを2段階の順序で前進させるための駆動機構、およびシリンジの注射チューブを取り囲む吸引区画を組み合わせて含む。駆動機構は、シリンジユニットが駆動機構に機能的に接続された場合に、シリンジのプランジャーと長軸方向に同一線上に配置される押し棒を含む。したがって、押し棒の移動によって、プランジャーのシリンジチャンバー内への前進が起こる。本発明によれば、押し棒は、該押し棒と係合し、該押し棒の周囲に同軸上に配置された2つの別個のバネによって駆動される。具体的には、2つの同軸バネの1つ目は、比較的高いバネ定数、およびそれが比較的短い作用距離を有するような寸法であるという事実を特徴とする衝撃バネである。第1のバネと比較して第2のバネは潅流バネであり、より低いバネ定数およびより長い作用距離を有する。 以下の実施例は、当業者に本発明の作製法および使用法の完全な開示および説明を提供するために提示するものであり、本発明者らが自身の発明と見なす範囲を制限することを意図するものではなく、下記の実験が実施した実験のすべて、または実施した実験のみを示していることを意図するものでもない。使用した数字(例えば、量、温度等)に関しては正確性を期すよう努力したが、いくらかの実験誤差および偏差が考慮されるべきである。特記しない限り、割合は重量割合であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏、また圧力は大気圧またはその近傍である。実施例1粘性 対 注射時間 Intrajectと注射針およびシリンジとの両方を用いて、粘性流体の注射時間を判定するための2つの試験を行った。この試験において用いた粘性流体は、一連の異なる粘性のDow Corningシリコーン油であった。注射針およびシリンジの場合には、一連の流体を手で押し出して時間を記録し、Intrajectの場合には、装着した力センサーを用いて、利用可能な粘性すべてに対して注射時間を測定したが、最も濃い流体に対しては、力センサーから適切に流れ出ていかず、そのため使用可能な読み取り値が得られなかったため、高速ビデオを使用した。 注射針試験では、3 mlシリンジおよび23G注射針を使用した;注射針は内径0.38 mmを有し、Intrajectオリフィス(0.3 mm)のサイズに最も近い入手可能な注射針サイズであった。注射針は31 mmの長さを有し、シリンジは58.5 mm2の内断面積を有した。50、100、500、および1,000 cSの粘性を有する0.5 ml量の液体製剤を注射針およびシリンジから手で押し出し、要した時間を記録し、平均した。可能な限り大きな力を手でシリンジに加え、用いた油のすべてに対して同様の力を加えた。しかしながら、より薄い流体では、シリンジプランジャーがより速く移動していたため、濃い流体と同程度の大きな力を加えることは困難であった。同様の力をロードセルに加えた場合、約15 Nと記録された。 φ0.3 mmオリフィスを含むIntraject無針装置を使用した。すべての発射に対して同じオリフィスを用いて、オリフィス間の差異から生じ得る任意の変動を排除した。1、5、10、20、50、100、500、および1,000 cSの粘性を有する0.5 ml量の液体製剤を各装置で使用した。12,500 cSおよび30,000 cSの両流体の注射時間を判定するには、高速ビデオを使用した。 両方の組の注射時間データを図4に共にプロットした。十分に発達した流動および15 Nの力に対する理論を用いて、0.5 mlの粘性液体を注射するための理論時間を計算し、これもまたプロットした。 重要な結果は下記の通りであった(図4を参照されたい)。 31 mm長の23G注射針は、使用者がシリンジの末端に親指で可能な限り大きな力(約15 N)を加えて、0.5 mlの1,000 cS溶液を注射するのに90秒を要した。これは、水の粘性を有する薬物での1秒未満と対比される。 対照的に、Intrajectは1,000 cS溶液を送達するのに0.085秒を要した。 高粘性流体の注射時間は、試験データから外挿することができる。Intrajectの場合、これにより、0.5 mlの150,000 cS流体では送達時間1秒、および1,000,000 cS流体では送達時間7秒とされた。これらの流体と共に23G注射針およびシリンジを用いた場合には、注射時間はそれぞれ5時間および33時間とされる。 性能差には2つの理由がある。第1に、Intrajectノズルは注射針よりもかなり短く、これは粘性流動が発達する機会がないことを意味する。第2に、Intrajectにおける駆動圧力は注射針およびシリンジの場合よりもはるかに大きく、これによって液体のより速い流動およびより短い注射時間が得られる。 十分に発達した層状パイプ流理論を適用することにより、注射針の長さおよび直径の異なる組み合わせに対し注射時間を予測すること、ならびに高粘性流体を用いたIntrajectの限界を理解することが可能となる。 この研究から得られた結果から、注射針よりも実質的に大きなオリフィス/長さ比を有するノズルを備えた、および/または高い駆動圧で製剤を送達することができる無針注射器は、注射針およびシリンジを用いて送達することができるものよりも粘性が何千倍も高い液体を送達する能力を有することが示される。 本発明をその特定の態様に関して説明してきたが、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更がなされてよく、かつ均等物が代用されてよいことが当業者に理解されねばならない。加えて、特定の状況、材料、物質の組成物、工程、1つまたは複数の工程段階を本発明の目的、精神、および範囲に適合化させるために、多くの改変がなされてもよい。そのような改変はすべて、本明細書に添付する特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。 薬物送達システムと、 1時間またはそれ未満のうちに即効性の疼痛軽減効果を提供する第1の成分および4時間を越える期間にわたって長期の疼痛軽減効果を提供する第2の成分を含む二相製剤とを含む、片頭痛または群発頭痛を治療するためのシステム。 第1の成分が第1の薬物を含み、かつ第2の成分が第1の薬物と異なる第2の薬物を含む、請求項1記載のシステム。 第2の薬物がトリプタンである、請求項2記載のシステム。 第1の薬物が、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、およびゾミトリプタン(zomitriptan)からなる群より選択される、請求項3記載のシステム。 第2の薬物が、ナラトリプタン、フロバトリプタンからなる群より選択される、請求項3記載のシステム。 薬物送達システムが無針注射器であり、かつ第2の成分が、4時間またはそれ以上の期間にわたって薬物の制御放出を提供する担体からなる、請求項1記載のシステム。 担体が、ポリ(オルトエステル)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸、グリコール酸、メタクラレート(methacralate)、カプロラクトン、キトサン、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコール、ポリホスホエステル(polyphosphoester)、ポリホスホスファゼン(polyphosphosphazene)、デキストラン、炭水化物、糖、デンドリマー、星型ポリマー、フラーレン、リポソームを含むがこれに限定されないポリマーハイブリッドを伴うかまたは伴わない脂質の物理的凝集物、ポリエーテルエステル、ヒアルロン酸、コラーゲ(collage)、ゼラチン、デキストラン、両親媒性物質、メタクリルアミド、ポリエチレンオキシド、それらのコポリマーおよび複合物からなる群より選択され、かつ第2の成分が1,000 cPまたはそれ以上の粘性を有する、請求項6記載のシステム。 第2の成分が10,000またはそれ以上の粘性を有し、かつさらに薬物送達システムが無針注射器である、請求項7記載のシステム。 第1の成分が遊離薬物からなり、かつ第2の成分が制御放出担体中に含まれる薬物からなる、請求項1記載のシステム。 薬物送達システムが無針注射器であり、製剤が高粘性を有し、かつ制御放出担体が、ポリ(オルトエステル)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸、グリコール酸、メタクラレート、カプロラクトン、キトサン、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコール、ポリホスホエステル、ポリホスホスファゼン、デキストラン、炭水化物、糖、デンドリマー、星型ポリマー、フラーレン、リポソームを含むがこれに限定されないポリマーハイブリッドを伴うかまたは伴わない脂質の物理的凝集物、ポリエーテルエステル、ヒアルロン酸、コラーゲ、ゼラチン、デキストラン、両親媒性物質、メタクリルアミド、ポリエチレンオキシド、それらのコポリマーおよび複合物からなる群より選択される、請求項9記載のシステム。 第2の成分が、コロイド、懸濁液、結晶、ナノ結晶、粒子、ナノ粒子、乳濁液、ゲル、液晶、および溶液からなる群より選択される形態である、請求項1記載のシステム。 注射の際に、注射液の担体が、薬物の周囲にデポーを形成する、請求項10記載のシステム。 注射の際に、注射液の担体が、封入された粒子を形成する、請求項10記載のシステム。 製剤が、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタンを含むがこれらに限定されないトリプタン;エルゴタミン、メチセルジド、ジヒドロエルゴタミンを含むがこれらに限定されないエルゴペプチン(Ergopeptine);アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、メクロフェナム酸、イソメテプテン インドメタシンを含むがこれらに限定されないNSAID;コデイン、モルヒネ、ヒドロコドン、アセチルジヒドロコデイン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベリン、フェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル、トラマドールを含むがこれらに限定されないオピオイド鎮痛剤;プロクロルペラジンを含むがこれに限定されないフェノチアジン;セレコキシブ、ロフェコキシブ、メロキシカム、ピロキシカム、JTE-522、L-745,337、NS398、デラコキシブ(deracoxib)、バルデコキシブ、イウミラコキシブ(iumiracoxib)、エトリコキシブ、パレコキシブ、4-(4-シクロヘキシル-2-メチルオキサゾール-5-イル)-2フルオロベンゼンスルホンアミド、2-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-2シクロペンテン-1-オン、N-[2-(シクロヘキシルオキシ)-4-ニトロフェニル]メタンスルホンアミド、2-(3,4ジフルオロフェニル)-4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブトキシ)-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-3(2H)ピリダジノン、2-[(2,4-ジクロロ-6-メチルフェニル)アミノ]-5-エチル-ベンゼン酢酸、(3Z) 3-[(4-クロロフェニル)[4-(メチルスルホニル)フェニル]メチレン]ジヒドロ-2(3H)-フラノン、および(S)-6,8-ジクロロ-2-(トリフルオロメチル)-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸を含むがこれらに限定されないCox-2阻害剤;アモバルビタール、ブタルビタール、シクロバルビタール、ペントバルビタール、アロバルビタール、メチルフェノバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、ビニルビタールを含むがこれらに限定されないバルビツレート;ナトリウムチャネルモジュレーター、カリウムチャネルモジュレーターを含むがこれらに限定されないイオンチャネルモジュレーター;ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンを含むがこれらに限定されないカルシウムチャネル遮断剤;リドカイン、テトラカイン、プリロカイン、ブピビカイン(bupivicaine)、メピバカイン、エチドカイン、プロカイン、ベンゾカインを含むがこれらに限定されない局所麻酔剤;フェヘルジン(phehelzine)、イソカルボキサジドを含むがこれらに限定されないモノアミン酸化酵素阻害剤;ロイコトリエンLTD4受容体遮断剤、ジクロラルフェナゾン、ニモピジン(nimopidine)、メトクロプラミド、カプサイシン受容体アゴニスト、ボツリヌス毒素、カプトプリル、チオスピロン(tiospirone)、ステロイド、カフェイン、メトクロプラミド、ドンペリドン、スコポラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、ジアゼパム、ロラゼパム、クロルプロマジン、メトトリメプラジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン、ベンズキナミド、次サリチル酸ビスマス、ブクリジン、シンナリジン、シクリジン、ジフェニドール、ドラセトロン、ドンペリドン、ドロナビノール、ドロペリドール、ハロペリドール、メトクロプラミド、ナビロン、チエチルペラジン、トリメトベンゼミド(trimethobenzemide)、およびエジオピタント(eziopitant)、メクリジン、またはサブスタンスPアンタゴニスト、ドンペリドン;オンダンセトロン、トロピセトロン グラニセトロン ドラセトロン、ヒドロドラセトロン(hydrodolasetron)、パロノセトロン、アロセトロン、シランセトロン、シサプリド、レンザプリド(renzapride) メトクロプラミド、ガラノラクトン(galanolactone)を含むがこれらに限定されない5-HT3アンタゴニスト;フェンシクリジン、ケタミン、デキストロメトルファンを含むがこれらに限定されないNMDAアンタゴニスト、ならびにそれらの異性体、薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグからなる群より選択される薬物を含む、請求項1記載のシステム。 頭痛と、 肩こり、悪寒、脱力感、眩暈、口渇増加、排尿増加、食欲不振、下痢、便秘、体液貯留、食物への欲求、光に対する感受性、音に対する感受性、疲労、眠気、食欲不振、嘔気、嘔吐、臭気に対する感受性、視界不良、鼻詰まり、顔面蒼白、熱感 冷感、発汗、頭皮の圧痛、静脈の隆起、動脈の隆起、液小嚢(small pocket of fluid)の蓄積、集中力の低下、神経過敏からなる群より選択される付加的な症状;抑鬱、多幸感、易刺激性、不隠状態、精神機能低下、活動亢進を含むがこれらに限定されない心理的症状;閃輝暗点、物体の視覚的なサイズ変更もしくは形状変更、体の片側での顔、腕、もしくは手のしびれもしくは刺痛、筋力低下、体の片側での軽度麻痺、発話困難、または失語(loss of speech)を含むがこれらに限定されない前兆症状とを治療するために製剤化された、請求項1記載のシステム。 頭痛、嘔気、および嘔吐からなる群より選択される1つまたは複数の症状を治療するために製剤化されたシステムであって、かつ製剤が、5-HT1アゴニストおよび5-HT3アンタゴニストからなる群より選択される薬学的に活性な薬物を含む、請求項1記載のシステム。 5-HT1アゴニストがトリプタンである、請求項16記載のシステム。 5-HT1アゴニストが、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタン、それらの薬学的に許容される塩、異性体、類似体からなる群より選択される、請求項16記載のシステム。 5-HT3アンタゴニストが、オンダンセトロン、トロピセトロン、グラニセトロン、ドラセトロン、ヒドロドラセトロン、パロノセトロン、アロセトロン、シランセトロン、シサプリド、レンザプリド、メトクロプラミド、ガラノラクトン、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項16記載のシステム。 5-HT3アンタゴニストがグラニセトロンとオンダンセトロンとの組み合わせからなる、請求項16記載のシステム。 【課題】衰弱性神経疾患である片頭痛、及び群発頭痛等の関連頭痛、並びにそれらの症状を治療するための持続性放出製剤を含み、無針送達に適用可能なシステムの提供。【解決手段】薬物送達システムと、1時間又はそれ未満のうちに即効性の疼痛軽減効果を提供する第1の成分及び4時間を越える期間にわたって長期の疼痛軽減効果を提供する高粘性の第2の成分を含む二相製剤とを含む。更に、薬物送達システムが無針注射器であり、かつ第2の成分が、4時間又はそれ以上の期間に亙って薬物の制御放出を提供する担体からなるシステム。第1の成分としてスマトリプタン、アルモトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン及びゾミトリプタンからなる群より選択される薬物を含み、第2の成分としてナラトリプタン及びフロバトリプタンからなる群より選択される薬物を含むシステム。【選択図】なし20140306A16333全文3 無針注射器装置と、 1時間またはそれ未満のうちに即効性の疼痛軽減効果を提供する第1の成分および4時間を越える期間にわたって長期の疼痛軽減効果を提供する第2の成分を含む製剤とを含み、 該第1の成分が、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、およびゾミトリプタン(zomitriptan)からなる群より選択される薬物を含み、 該第2の成分が、ナラトリプタン、およびフロバトリプタンからなる群より選択される薬物を含む、片頭痛または群発頭痛を治療するためのシステム。 第1の成分が遊離薬物からなり、かつ第2の成分が制御放出担体中に含まれる薬物を含む、請求項1記載のシステム。 担体が、ポリ(オルトエステル)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸、グリコール酸、メタクラレート(methacralate)、カプロラクトン、キトサン、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコール、ポリホスホエステル(polyphosphoester)、ポリホスホスファゼン(polyphosphosphazene)、炭水化物、糖、デンドリマー、星型ポリマー、フラーレン、リポソームを含むがこれに限定されないポリマーハイブリッドを伴うかまたは伴わない脂質の物理的凝集物、ポリエーテルエステル、ヒアルロン酸、コラーゲ(collage)、ゼラチン、両親媒性物質、メタクリルアミド、ポリエチレンオキシド、それらのコポリマーおよび複合物からなる群より選択され、かつ製剤が10cPまたはそれ以上の粘性を有する、請求項2記載のシステム。 製剤が、100cPまたはそれ以上の粘性を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。 製剤が、1000cPまたはそれ以上の粘性を有する、請求項4に記載のシステム。 第2の成分が、コロイド、懸濁液、結晶、乳濁液、ゲル、液晶、および溶液からなる群より選択される形態である、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。 注射の際に、注射液の担体が、薬物の周囲にデポーを形成する、請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。 製剤が粒子を含む、請求項1〜7のいずれかに記載のシステム。 第1の成分がスマトリプタンを含み、第2の成分がナラトリプタンを含む、請求項1に記載のシステム。 無針注射器装置が、製剤が事前充填され、内蔵型、単回使用、および携帯式である、請求項1〜9のいずれかに記載のシステム。A1633000723 本発明のこれらおよびその他の局面は、以下により十分に説明する装置および方法論の詳細を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。[発明1001] 薬物送達システムと、 1時間またはそれ未満のうちに即効性の疼痛軽減効果を提供する第1の成分および4時間を越える期間にわたって長期の疼痛軽減効果を提供する第2の成分を含む二相製剤とを含む、片頭痛または群発頭痛を治療するためのシステム。[発明1002] 第1の成分が第1の薬物を含み、かつ第2の成分が第1の薬物と異なる第2の薬物を含む、発明1001記載のシステム。[発明1003] 第2の薬物がトリプタンである、発明1002記載のシステム。[発明1004] 第1の薬物が、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、およびゾミトリプタン(zomitriptan)からなる群より選択される、発明1003記載のシステム。[発明1005] 第2の薬物が、ナラトリプタン、フロバトリプタンからなる群より選択される、発明1003記載のシステム。[発明1006] 薬物送達システムが無針注射器であり、かつ第2の成分が、4時間またはそれ以上の期間にわたって薬物の制御放出を提供する担体からなる、発明1001記載のシステム。[発明1007] 担体が、ポリ(オルトエステル)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸、グリコール酸、メタクラレート(methacralate)、カプロラクトン、キトサン、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコール、ポリホスホエステル(polyphosphoester)、ポリホスホスファゼン(polyphosphosphazene)、デキストラン、炭水化物、糖、デンドリマー、星型ポリマー、フラーレン、リポソームを含むがこれに限定されないポリマーハイブリッドを伴うかまたは伴わない脂質の物理的凝集物、ポリエーテルエステル、ヒアルロン酸、コラーゲ(collage)、ゼラチン、デキストラン、両親媒性物質、メタクリルアミド、ポリエチレンオキシド、それらのコポリマーおよび複合物からなる群より選択され、かつ第2の成分が1,000 cPまたはそれ以上の粘性を有する、発明1006記載のシステム。[発明1008] 第2の成分が10,000またはそれ以上の粘性を有し、かつさらに薬物送達システムが無針注射器である、発明1007記載のシステム。[発明1009] 第1の成分が遊離薬物からなり、かつ第2の成分が制御放出担体中に含まれる薬物からなる、発明1001記載のシステム。[発明1010] 薬物送達システムが無針注射器であり、製剤が高粘性を有し、かつ制御放出担体が、ポリ(オルトエステル)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸、グリコール酸、メタクラレート、カプロラクトン、キトサン、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコール、ポリホスホエステル、ポリホスホスファゼン、デキストラン、炭水化物、糖、デンドリマー、星型ポリマー、フラーレン、リポソームを含むがこれに限定されないポリマーハイブリッドを伴うかまたは伴わない脂質の物理的凝集物、ポリエーテルエステル、ヒアルロン酸、コラーゲ、ゼラチン、デキストラン、両親媒性物質、メタクリルアミド、ポリエチレンオキシド、それらのコポリマーおよび複合物からなる群より選択される、発明1009記載のシステム。[発明1011] 第2の成分が、コロイド、懸濁液、結晶、ナノ結晶、粒子、ナノ粒子、乳濁液、ゲル、液晶、および溶液からなる群より選択される形態である、発明1001記載のシステム。[発明1012] 注射の際に、注射液の担体が、薬物の周囲にデポーを形成する、発明1010記載のシステム。[発明1013] 注射の際に、注射液の担体が、封入された粒子を形成する、発明1010記載のシステム。[発明1014] 製剤が、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタンを含むがこれらに限定されないトリプタン;エルゴタミン、メチセルジド、ジヒドロエルゴタミンを含むがこれらに限定されないエルゴペプチン(Ergopeptine);アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、メクロフェナム酸、イソメテプテン インドメタシンを含むがこれらに限定されないNSAID;コデイン、モルヒネ、ヒドロコドン、アセチルジヒドロコデイン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベリン、フェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル、トラマドールを含むがこれらに限定されないオピオイド鎮痛剤;プロクロルペラジンを含むがこれに限定されないフェノチアジン;セレコキシブ、ロフェコキシブ、メロキシカム、ピロキシカム、JTE-522、L-745,337、NS398、デラコキシブ(deracoxib)、バルデコキシブ、イウミラコキシブ(iumiracoxib)、エトリコキシブ、パレコキシブ、4-(4-シクロヘキシル-2-メチルオキサゾール-5-イル)-2フルオロベンゼンスルホンアミド、2-(3,5-ジフルオロフェニル)-3-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-2シクロペンテン-1-オン、N-[2-(シクロヘキシルオキシ)-4-ニトロフェニル]メタンスルホンアミド、2-(3,4ジフルオロフェニル)-4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブトキシ)-5-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-3(2H)ピリダジノン、2-[(2,4-ジクロロ-6-メチルフェニル)アミノ]-5-エチル-ベンゼン酢酸、(3Z) 3-[(4-クロロフェニル)[4-(メチルスルホニル)フェニル]メチレン]ジヒドロ-2(3H)-フラノン、および(S)-6,8-ジクロロ-2-(トリフルオロメチル)-2H-1-ベンゾピラン-3-カルボン酸を含むがこれらに限定されないCox-2阻害剤;アモバルビタール、ブタルビタール、シクロバルビタール、ペントバルビタール、アロバルビタール、メチルフェノバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、ビニルビタールを含むがこれらに限定されないバルビツレート;ナトリウムチャネルモジュレーター、カリウムチャネルモジュレーターを含むがこれらに限定されないイオンチャネルモジュレーター;ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンを含むがこれらに限定されないカルシウムチャネル遮断剤;リドカイン、テトラカイン、プリロカイン、ブピビカイン(bupivicaine)、メピバカイン、エチドカイン、プロカイン、ベンゾカインを含むがこれらに限定されない局所麻酔剤;フェヘルジン(phehelzine)、イソカルボキサジドを含むがこれらに限定されないモノアミン酸化酵素阻害剤;ロイコトリエンLTD4受容体遮断剤、ジクロラルフェナゾン、ニモピジン(nimopidine)、メトクロプラミド、カプサイシン受容体アゴニスト、ボツリヌス毒素、カプトプリル、チオスピロン(tiospirone)、ステロイド、カフェイン、メトクロプラミド、ドンペリドン、スコポラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、ジアゼパム、ロラゼパム、クロルプロマジン、メトトリメプラジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン、ベンズキナミド、次サリチル酸ビスマス、ブクリジン、シンナリジン、シクリジン、ジフェニドール、ドラセトロン、ドンペリドン、ドロナビノール、ドロペリドール、ハロペリドール、メトクロプラミド、ナビロン、チエチルペラジン、トリメトベンゼミド(trimethobenzemide)、およびエジオピタント(eziopitant)、メクリジン、またはサブスタンスPアンタゴニスト、ドンペリドン;オンダンセトロン、トロピセトロン グラニセトロン ドラセトロン、ヒドロドラセトロン(hydrodolasetron)、パロノセトロン、アロセトロン、シランセトロン、シサプリド、レンザプリド(renzapride) メトクロプラミド、ガラノラクトン(galanolactone)を含むがこれらに限定されない5-HT3アンタゴニスト;フェンシクリジン、ケタミン、デキストロメトルファンを含むがこれらに限定されないNMDAアンタゴニスト、ならびにそれらの異性体、薬学的に許容される塩、エステル、またはプロドラッグからなる群より選択される薬物を含む、発明1001記載のシステム。[発明1015] 頭痛と、 肩こり、悪寒、脱力感、眩暈、口渇増加、排尿増加、食欲不振、下痢、便秘、体液貯留、食物への欲求、光に対する感受性、音に対する感受性、疲労、眠気、食欲不振、嘔気、嘔吐、臭気に対する感受性、視界不良、鼻詰まり、顔面蒼白、熱感 冷感、発汗、頭皮の圧痛、静脈の隆起、動脈の隆起、液小嚢(small pocket of fluid)の蓄積、集中力の低下、神経過敏からなる群より選択される付加的な症状;抑鬱、多幸感、易刺激性、不隠状態、精神機能低下、活動亢進を含むがこれらに限定されない心理的症状;閃輝暗点、物体の視覚的なサイズ変更もしくは形状変更、体の片側での顔、腕、もしくは手のしびれもしくは刺痛、筋力低下、体の片側での軽度麻痺、発話困難、または失語(loss of speech)を含むがこれらに限定されない前兆症状とを治療するために製剤化された、発明1001記載のシステム。[発明1016] 頭痛、嘔気、および嘔吐からなる群より選択される1つまたは複数の症状を治療するために製剤化されたシステムであって、かつ製剤が、5-HT1アゴニストおよび5-HT3アンタゴニストからなる群より選択される薬学的に活性な薬物を含む、発明1001記載のシステム。[発明1017] 5-HT1アゴニストがトリプタンである、発明1016記載のシステム。[発明1018] 5-HT1アゴニストが、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタン、それらの薬学的に許容される塩、異性体、類似体からなる群より選択される、発明1016記載のシステム。[発明1019] 5-HT3アンタゴニストが、オンダンセトロン、トロピセトロン、グラニセトロン、ドラセトロン、ヒドロドラセトロン、パロノセトロン、アロセトロン、シランセトロン、シサプリド、レンザプリド、メトクロプラミド、ガラノラクトン、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される、発明1016記載のシステム。[発明1020] 5-HT3アンタゴニストがグラニセトロンとオンダンセトロンとの組み合わせからなる、発明1016記載のシステム。


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