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タイトル:公表特許公報(A)_クコアミンBの塩及び製造方法と応用
出願番号:2013538030
年次:2014
IPC分類:C07C 235/34,C07C 231/12,A61P 31/04,A61P 29/00,A61K 31/165


特許情報キャッシュ

鄭江 鄭新川 劉シン 周紅 王寧 曹紅衛 李彦 魯永玲 趙苛岑 楊景程 楊陽 祝元鋒 衛国 黄敏 JP 2014501708 公表特許公報(A) 20140123 2013538030 20110321 クコアミンBの塩及び製造方法と応用 中国人民解放軍第三軍医大学第一付属病院 512278157 天津紅日薬業株式有限公司 512278168 長谷部 善太郎 100122954 山田 泰之 100162396 鄭江 鄭新川 劉シン 周紅 王寧 曹紅衛 李彦 魯永玲 趙苛岑 楊景程 楊陽 祝元鋒 衛国 黄敏 CN 201010539028.4 20101110 C07C 235/34 20060101AFI20131220BHJP C07C 231/12 20060101ALI20131220BHJP A61P 31/04 20060101ALI20131220BHJP A61P 29/00 20060101ALI20131220BHJP A61K 31/165 20060101ALI20131220BHJP JPC07C235/34C07C231/12A61P31/04A61P29/00A61K31/165 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW CN2011000479 20110321 WO2012062026 20120518 43 20130620 4C206 4H006 4C206AA01 4C206AA02 4C206GA07 4C206GA23 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZB11 4C206ZB35 4H006AA01 4H006AA02 4H006AB20 4H006AC41 4H006AC52 4H006BJ50 4H006BN30 4H006BU32 4H006BV22 本発明は医薬技術分野に属する。特に、クコアミンBの塩及びその製造方法と膿毒症の予防と治療をする薬物製造のためのクコアミンBの塩の応用に関する。 膿毒症とは感染因子により媒介誘発された全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome,SIRS)であり、火傷、外傷、腫瘍、感染症疾病などの患者によくある合併症であり、現在では世界中で集中治療室(ICU)患者の死亡を招く主な原因になることが認められている。膿毒症の従来の臨床治療方法は主に、早期抗生物質投与及び低酸素性虚血性障害の治療として、臓器不全とショックの一般治療法を行うことであって、まだ特効療法がない。薬物療法として、通常、糖性グルココルチコイド群、インスリン、免疫調節剤などの非特異的な薬物を主として経験的に使用しているが、その治療効果はまだ認められていない。1990年代に、抗リピドAモノクローナル抗体HA−1A(Centoxin)が湾岸戦争において米軍で戦傷と火傷の後、膿毒症を治療することに用いられ、この薬が一部のヨーロッパの国と日本で臨床使用されたが、膿毒症ショックにたいして不利な作用を有する可能性があるため、1992年に米国のFDAより承認されずヨーロッパ市場から消え失せた。リコンビナントヒト活性化プロテインC(recombinant human activated protein C,rhAPC)は現在、米国のFDAにより承認された唯一の膿毒症の治療薬物である(商品名:Xigris)。臨床実験結果からは、rhAPCが膿毒症患者28日内の死亡率を低減させられることが分かり、2001年11月にFDAより販売許可された。しかしながら、2005年の第二回臨床実験結果よって、rhAPC組の28日内の死亡率と対照群は差異がないことを示した。2007年の臨床実験において、rhAPCは膿毒症患者の生存率を上げる作用を持たないばかりか、患者がひどい出血傾向をきたすとの副作用も有するため、この臨床実験を行う組織はそれを膿毒症を治療する臨床薬物とすることを勧めない、と提案した。 病原体関連分子パターン(pathogen-associated molecular patterns, PAMPs)及びそのパターン認識受容体(pattern recognition receptors, PRRs)を発現することによって、人類の膿毒症の認識に対して質的な飛躍を遂げた。現在、膿毒症の発病メカニズムは、病原体が有機体に侵入した後、その菌体のPAMPs(主にリポ多糖/内毒素(lipopolysaccharide/endotoxin, LPS)、細菌ゲノムDNA(CpG DNA)、とペプチドグリカン(peptideglycan, PGN)などを含む)が有機体非特異的免疫システムにおける炎症反応の細胞膜上/細胞内の相応なPRRsより認識され、炎症反応の細胞の活性化を導き、炎症性メディエーターを放出して全身性炎症反応を引き起こしてさらに器官障害を招く。従って、従来の炎症反応における重要なエフェクター分子を拮抗すること、血液凝固及び補体などシステムの混乱を是正すること、及びただ一つのLPS等の治療措置を拮抗することに失敗した場合、複数の主なPAMPs(LPS、CpG DNAとPGN等)を同時に拮抗する薬物を探し、膿毒症の発生を根元的に遮断して、その治療を突破的に進展させることが可能である。 クコアミンB(kukoamine B)は、別名が地骨皮乙素であって、生薬の地骨皮から分離することによって得られた天然に存在するアルカロイドであり、化学構造は下記式である。 最初、クコアミンBが日本人Shinji Funayama(船山信次)により1995年に地骨皮から、遊離アルカリの形態で存在していることが発見された(S. Funayama, G. ZhangとS. Nozoe. Phytochemistry、1995; 38: 1529-1531)。植物から抽出、分離と精製する方法及び構造の表面的特徴のほか、クコアミンBの生物活性に関する研究は報告されていない。本出願人はより早く提出した中国特許出願にて膿毒症及び自己免疫疾患を予防と治療する薬物を製造するためのクコアミンBの応用に関するもの、を開示した。(中国特許出願番号201010156503.X) 異なる産地・採集時の地骨皮はクコアミンBの含有量の違いが大きいため、膿毒症の予防と治療をする薬物の製造用に、植物から直接にクコアミンBを抽出、分離と精製することは、原料が不安定、生産コストが高い、エネルギー消費が高いなどの欠陥を有する。クコアミンBの製造のため、化学合成により新たな方法を提供したが、従来の研究報告及び特許を遡ると、クコアミンBの全化学合成に対する研究は見たことがない。 天然産物とするクコアミンBに比べると、クコアミンBの塩は新たな塩の状態で存在して、新たな化学構造を有している。クコアミンBの塩及びその全化学合成方法に関して、未だ特許、文献報告が見当たらず、膿毒症の治療についてもまだ見当たらず、特に複数のPAMPs(LPSとCpG DNA)を同時に拮抗することによって膿毒症を治療する報告は見たことがない。 本発明では、上記欠陥に対してクコアミンBの塩及び製造方法を提供し、また、膿毒症の予防と治療をする薬物を製造するためのクコアミンBの塩、及びクコアミンBの塩含有薬物組成物の応用、を提供する。クコアミンBの塩とクコアミンBの塩含有薬物組成物を用いて、膿毒症を治療する作用、仕組みは新規性を有し、よい治療効果、安全、信頼を有するもので、膿毒症の治療のため新規手段を提供する。 本発明の課題を解決する手段は下記である。 下記の化学構成を有するクコアミンBの塩であって、式中、Aは無酸素酸または酸素酸からなる無機酸、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、又は酸性アミノ酸からなる有機酸であること。 前記クコアミンBの塩は化合物構造の塩基性基で形成された酸性塩であって、無機酸塩と有機酸塩を含む。 前記無酸素酸が塩酸、臭化水素酸のいずれかであり、効果が良い。 前記酸素酸が硫酸、リン酸、硝酸のいずれかである。 前記無機酸が塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸のいずれかである。 前記カルボン酸が酢酸、プロパン酸、ブタン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、アジピン酸、安息香酸、フェニルプロピオン酸、ケイ皮酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、フマル酸、ニコチン酸、パルミチン酸のいずれかである。 前記ヒドロキシ酸がリンゴ酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシブチル酸、ラクトビオン酸、酒石酸、マンデル酸、グルコン酸、グルクロン酸、アスコルビン酸のいずれかである。 前記スルホン酸がメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、樟脳スルホン酸のいずれかである。 前記酸性アミノ酸がグルタミン酸、アスパラギン酸のいずれかである。 前記有機酸が酢酸、マレイン酸、琥珀酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸のいずれかであり、効果が良い。 前記クコアミンBの塩における酸は複数の種類の無機酸及び/または有機酸から広範囲で選ばれており、主に医薬で許可され使用する各類の酸からそれぞれに2〜3個代表的な酸を選択し、無機酸における無酸素酸から塩酸と臭化水素酸を選択し、酸素酸から硫酸とリン酸を選択し、有機酸におけるカルボン酸から酢酸、マレイン酸、と琥珀酸を選択し、ヒドロキシ酸からリンゴ酸、乳酸、酒石酸を選び、スルホン酸からメタンスルホン酸とp-トルエンスルホン酸を選択し、酸性アミノ酸からグルタミン酸とアスパラギン酸を選択することを含めクコアミンBの塩の製造についての共通問題を説明する。出願人による実験ではただこの4種類の無機酸及び10種類の有機酸の結果を示したが、ほかの無機酸及び/又は有機酸(本発明にて例示された酸及び例示されない酸を含む)も全て同じ方法でクコアミンBの塩を製造することができる。 前記クコアミンBの塩及びクコアミンBの塩含有薬物組成物を用いて製造された膿毒症を予防と治療をする薬物は、例えば粉末、錠剤、顆粒、カプセル、溶液、乳液、懸濁剤などとして剤型投与することが可能であり、又は、例えば注射投与、経腔内投与、経粘膜投与などの方法により、非経胃腸投与されることが可能である。成人に対して、最適用量は毎日、体重1kg当たり0.1〜15mgであり、投与方法は一日一回投与または一日数回投与でもよい。 クコアミンBの塩を製造する方法は3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピオン酸(又は3,4-ジヒドロキシベンゼンプロピオン酸)とブタンジアミンを原料として、一連の化学合成反応によって得られるものであって、具体的に下記である。 (1)下記式で表される化合物Iと臭化水素酸とを100〜160℃で反応させて、化合物IIを生成するステップ。 化合物I:臭化水素酸の当量比が1:2〜5である。 (2)化合物IIをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、反応システムをN,N-ジメチルホルムアミド溶液の環境に置き、炭酸カリウムと塩化ベンジルを加え、60〜100℃で反応させて化合物IIIを生成するステップ。 化合物II:炭酸カリウム:塩化ベンジルの当量比が1:3〜6:3〜5である。 (3)化合物IIIを水酸化ナトリウム溶液に加えたものに、メタノールを加え、反応システムをメタノール溶液の環境に置き、40〜90℃で反応させて化合物IVを生成するステップ。 化合物III:水酸化ナトリウムの当量比が1:1〜3である。 (4)化合物IVをジクロロメタンに溶解してN,N-ジメチルホルムアミドを加え、反応システムをジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合液の環境に置き、塩化チオニルを加え、45〜65℃で反応させて化合物Vを生成するステップ。 化合物IV:塩化チオニルの当量比が1:1〜2である。 (5)水酸化ナトリウム溶液を化合物VIに加えたものに、二炭酸ジ-tert-ブチルのエタノール溶液を加え、室温で反応させて化合物VIIを生成するステップ。 水酸化ナトリウム:化合物VI:二炭酸ジ-tert-ブチルの当量比が1〜2:1:0.5〜1である。 (6)化合物VIIをメタノールに溶解し、反応システムをメタノール溶液の環境に置き、アクリロンのメタノール溶液を加え、室温で反応させて化合物VIIIを生成するステップ。 化合物VII:アクリロンの当量比が1:1〜2である。 (7)化合物VIIIにテトラヒドロフランとトリエチルアミンを加え、反応システムをテトラヒドロフランとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、クロロギ酸ベンジルのテトラヒドロフラン溶液を加え、室温で反応させて化合物IXを生成するステップ。 化合物VIII:クロロギ酸ベンジルの当量比が1:1〜2である。 (8)化合物IXをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでアンモニア飽和メタノール溶液を加え、化合物IX質量の10〜50%に相当するレーニーニッケルを加え、換気し、システムを1〜10MPa水素ガス雰囲気に置き、35〜50℃で反応させて化合物Xが生成するステップ。 (9)化合物Xをジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをジクロロメタンとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、0℃以下で化合物Vのジクロロメタン溶液をそれに加えて、化合物XIを反応生成するステップ。 化合物X:化合物Vの当量比が1:1〜1.5である。 (10)化合物XIをジクロロメタンに溶解し、反応システムをジクロロメタン溶液の環境に置き、トリフルオロ酢酸を加え、室温で反応させて化合物XIIを生成するステップ。 化合物XI:トリフルオロ酢酸の当量比が1:2〜5である。 (11)化合物XIIをメタノールに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをメタノールとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、50〜80℃まで昇温し、アクリロンのメタノール溶液を加え、室温まで降温して化合物XIIIを生成するステップ。 化合物XII:アクリロンの当量比が1:1〜2である。 (12)化合物XIIIをジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをジクロロメタンとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、0℃以下で化合物Vのジクロロメタン溶液をそれに加えて、化合物XIVを反応生成するステップ。 化合物XIII:化合物Vの当量比が1:1〜1.5である。 (13)化合物XIVをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでアンモニアのメタノール溶液とテトラヒドロフランとの混合溶液を加え、反応システムを該溶液環境に置き、化合物XIV質量の10〜50%に相当するレーニーニッケルを加え、換気し、システムを1〜10MPa水素ガス雰囲気に置き、35〜50℃で反応させて化合物XVを生成するステップ。 (14)化合物XVと上記いずれか一つに記載の酸とをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでメタノールと、テトラヒドロフランと、水との混合溶液を加え、反応システムを該溶液環境に置き、化合物XV質量の10〜30%に相当するパラジウム炭素を加え、換気し、反応システムを1〜10 MPa水素ガス圧力下に置き、25〜45℃で反応させてクコアミンBの塩を生成するステップ。 化合物XV:酸の当量比が1:1〜8である。 クコアミンBの塩の薬物組成物は上記クコアミンBの塩を活性成分とするものと薬学的に許容可能なキャリア及び/又は希釈剤とを含む。 膿毒症の予防と治療をする薬物を製造するためのクコアミンBの塩の応用。 膿毒症の予防と治療をする薬物を製造するためのクコアミンBの塩の薬物組成物の応用。 出願人は実験により、上記合成反応のクコアミンBの塩の収率は15%であることを証明した。 本発明に記載されたクコアミンBの塩の薬物組成物はクコアミンBの塩を活性成分とするものと、薬学的に許容可能なキャリア及び/又は希釈剤とを含む。 本発明に記載されたクコアミンBの塩は膿毒症の予防と治療をする薬物の製造に使用可能である。 出願人は薬理活性実験よって下記を明らかにする: (1)クコアミンBの塩はLPSの活性サイトlipid Aと結合することができる。 (2)クコアミンBの塩は体外で用量依存の方式でLPSを中和することができる。 (3)クコアミンBの塩は用量依存の方式でそれぞれにLPS及びCpG DNAがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制できる。 本発明は、クコアミンBの塩及びクコアミンBの塩含有薬物組成物を使用し、膿毒症を治療する作用、仕組みが新規であり、膿毒症を媒介誘発する複数のPAMPsを同時に拮抗することができる。従来のグルココルチコイド、インスリン、抗炎症性メディエーター薬物、抗凝固薬、抗LPSポリペプチド、と抗lipid Aモノクローナル抗体などの薬物と違って、治療効果がよく、複数の病原体分子を同時に拮抗することによりその誘発される炎症反応を顕著に抑制することができ、膿毒症の治療のため新規手段を提供する。 本発明は広範囲で複数の種類の無機酸及び/又は有機酸を選択してクコアミンBの塩の製造についての共通問題を説明する。化学および薬学分野での技術者にとって、同類の無機酸及び/又は有機酸を用いて同じ方法によって、化学分野での熟知方法でクコアミンBの塩を製造することができることが分かる。当業者は、そのクコアミンBが一般的な植物化学方法で植物から抽出、分離、純化することによって得られるものであることも分かる。したがって、ほかの無機酸及び/又は有機酸を本発明に挙げられる無機酸及び/又は有機酸代わりにすること、及び天然に存在するまたは化学合成されるクコアミンBを対象として本発明の発明主旨に基づく構造の手直しや改変は本発明の技術方案及び保護範囲に入るべきである。当業者が本説明からの示唆により本発明を実施するためのいずれの改変も本出願の保護範囲に入るべきである。クコアミンBの塩がlipid Aと結合する反応を示す。図1中の、AはクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩の実験結果であり、BはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、アスパラギン酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩が体外でLPSを中和することを示す。図2中の、AはクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩の実験結果であり、BはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、アスパラギン酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がLPSがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図3中の、A、B、C、DはぞれぞれにクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がLPSがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図3中の、E、F、G、HはぞれぞれにクコアミンBのメタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がLPSがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図3中の、I、JはぞれぞれにクコアミンBの塩酸塩、硫酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がCpG DNAがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図4中の、A、BはぞれぞれにクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がCpG DNAがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図4中の、C、D、E、FはぞれぞれにクコアミンBの乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がCpG DNAがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図4中の、G、H、I、JはぞれぞれにクコアミンBのグルタミン酸塩、酢酸塩、塩酸塩、硫酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩が膿毒症モデルマウスを保護する実験結果である。 LPS及びCpG DNAは膿毒症を発症することを導く重要な病原性因子であって、薬物がLPS及びCpG DNAを拮抗することは、それが膿毒症を予防と治療する作用であることを反映している。 下記の実施例は本発明を詳細に説明するものである。特に好ましい、薬用機能成熟するクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、塩酸塩、硫酸塩、マレイン酸塩、アスパラギン酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩で説明する。後述はただ本発明の望ましい実施の形態であって、何れかの形式で本発明を限定しない。ここで強調すべきなのは、本発明の趣旨又は範囲を逸脱しなければ、本発明に対する改変又は同等代替は、全て本発明の保護範囲に入るべきである。 特別説明しない場合、本文中で用いられた試薬は全て分析用である。 特別説明しない場合、本文中下記に列挙する英語略語は、全て記載の中国語の意味を有する。実施例1:クコアミンBのリンゴ酸塩の合成 1.1実験方法: (1)化合物f1 50gを計り取り、臭化水素酸100 ml(濃度40%)に溶解させ、140℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、直接冷却して黄色い結晶析出が見え、吸引濾過し、少量の石油エーテルで洗浄して、黄色い固体化合物f2 40gを得た。化合物f2 40gをDMF120mlに溶解させ、炭酸カリウム116g及び塩化ベンジル86mLを加え、80℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、直接に濾して、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引濾過し、濃縮して化合物f3が得られた。14.4gの水酸化ナトリウムを水80mlに溶解させ、化合物f3 85gをそれに加え、さらにメタノール80 mlを加え、90℃まで加熱して還流反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、ロータリー・エバポレーターで濃縮して、ビーカーに入れ、強い酸性を示すまで濃塩酸を加え、濾し、濾過ケーキを集め、乾燥することによって銀黄色い化合物f 60gが得られ、収率は69%であった。化学反応式は下記である。 (2)ブタンジアミン(化合物a)20gを計り取り500ml容丸底フラスコに入れ、28%水酸化ナトリウム溶液を23ml加え、十分に溶解させた後、室温で撹拌しながら、濃度が12.5%である(Boc)2Oのアルコール溶液200mlをゆっくりと滴下し、十分に滴下させた後、室温で攪拌して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、ロータリー・エバポレーターで濃縮してアルコールを蒸乾し、DCMで反応物が十分に抽出されるまで数回抽出し、有機層を合わせ飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、静かに放置して吸引濾過し、濃縮して無色油状物b 13.7gが得られ、収率は64%であった。化学反応式は下記である。 (3)化合物b 27gを計り取りメタノール60mlに溶解させ、室温で攪拌しながら12mlのアクリロンと20mlのメタノールとの混合溶液を滴下し、十分に滴下させた後、室温で攪拌して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、ロータリー・エバポレーターで濃縮して、無色油状物c 31gが得られ、収率は88.6%であった。化学反応式は下記である。 (4)化合物c 30gを計り取り250ml容丸底フラスコに入れ、80mlのTHF及び26mlのトリエチルアミンを加え、室温で攪拌しながら21mlのCbz-Clと50mlのTHFとの混合溶液を滴下し、十分に滴下させた後、室温で攪拌して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、ロータリー・エバポレーターで濃縮して有機溶剤を蒸乾し、酢酸エチルで抽出し、1 mol/LのHCl溶液で三回洗浄し、水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、静かに放置して吸引濾過し、濃縮して薄黄色い油状物が得られる。濃縮した後、一部の石油エーテルを加えて攪拌すると大量の白い固体が析出できる。吸引濾過し、白い固体を石油エーテルで洗浄し、風乾した白い固体d 40gが得られ、収率は86%であった。化学反応式は下記である。 (5)化合物d 15gを計り取りオートクレーブに置き、溶解して完全に透明になるまでアンモニア飽和メタノール溶液150mlを加え、4.5gのRaney Niを加え、換気し、システムを5〜10 MPa水素ガス雰囲気に置き、50℃まで加熱して攪拌しながら反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、珪藻土で吸引濾過し、濃縮して青い油状物e 13.8gが得られ、収率は92%であった。化学反応式は下記である。 (6)化合物f 13.1gを計り取り無水DCM40mlに溶解させ、DMF0.1mlを加え、室温で攪拌しながら3.9mlの塩化チオニルを滴下し、十分に滴下させた後、45〜65℃まで加熱して5時間還流撹拌反応させ、ロータリー・エバポレーターで濃縮してDCMを蒸乾し、化合物f0が得られる。得られたばかりの化合物f0に無水トルエンを加えロータリー・エバポレーターで乾燥させ余計な塩化チオニルを除去する。別の化合物e 13.8gを計り取り無水DCM50mlに溶解させ、12mlのトリエチルアミンを加え、0℃で得られたばかりの化合物f0のDCM溶液(濃度10%)の40mlをそれにゆっくりと滴下し、TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、濃縮してエチルエーテルで抽出し、飽和炭酸カリウム溶液三回、1 mol/LのHCl溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、静かに放置して吸引濾過し、濃縮して赤い油状物g 23gが得られ、収率は88%であった。化学反応式は下記である。 (7)化合物g 13gを計り取りDCM30mlに溶解させ、TFA5 mlを加え、室温で攪拌する。TLCで監視して、十分に反応させた後、ロータリー・エバポレーターで濃縮してDCMを蒸乾した後、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、静置して、吸引濾過し、濃縮して赤い油状物h 11gが得られ、収率は85%であった。化学反応式は下記である。 (8)化合物h 18.1gを計り取り40mlのMeOHに溶解させ、8mlのトリエチルアミンを加え、60℃まで加熱して攪拌しながら2.1mlのアクリロンと15mlのメタノールとの混合溶液をゆっくりと滴下し、十分に滴下させた後、少しずつ室温までに下げて、攪拌して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、直接にロータリー・エバポレーターで濃縮乾燥して有機溶剤を除去し、化合物iが得られた。化学反応式は下記である。(9)化合物f 10.5gを計り取り100ml容丸底フラスコに入れ、無水DCM35 mlに溶解させ、DMFを2滴(0.1ml)加え、さらに2.6mlの塩化チオニルをゆっくりと滴下し、十分に滴下させた後、45〜65℃までに加熱して4時間還流反応させ、ロータリー・エバポレーターで濃縮してDCMを蒸乾し、化合物f0が得られる。得られたばかりの化合物f0に乾燥されたトルエンを加えロータリー・エバポレーターで濃縮して余計な塩化チオニルを除去する。別に化合物i 19.6gを計り取り無水DCM50 mlに溶解させ、12mlのトリエチルアミンを加え、0℃で得られたばかりの化合物f0のDCM溶液(濃度10%)をそれにゆっくりと滴下し、TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、濃縮し、エチルエーテルで抽出し、飽和炭酸カリウム溶液三回、1 mol/LのHCl溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、静かに放置して吸引濾過し、ロータリー・エバポレーターで濃縮乾燥して赤い油状物が得られる。この赤い油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー法で分離させ、200〜300メッシュのシリカゲルを固定相とし、酢酸エチル:石油エーテル(2:1)を移動相として、流出する全液を集めて乾燥するまで濃縮して、化合物j 21gが得られ、収率は79%であった。化学反応式は下記である。 (10)化合物j 20gを計り取りオートクレーブに置き、アンモニア飽和メタノール溶液:THFが3:1である溶液400mlを加え、換気し、反応システムを1〜2 MPaに置き、50℃で撹拌反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、濃縮して青い油状物k 18.6gが得られ、収率は93%であった。化学反応式は下記である。 (11)化合物k 1gおよびリンゴ酸0.8gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して深緑色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、深緑色の固体粉末407mgが得られた。化学反応式は下記である。1.2 実験結果:深緑色の固体粉末407mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36;プロトン核磁気共鳴1H-NMR (400 MHz, D2O):δ (ppm) 6.88-6.73 (m, 6H), 4.41(s, 1H), 3.43-3.23 (m, 6H), 2.86-2.59 (m, 16H), 1.87-1.41 (m, 8H)であり、クコアミンBのリンゴ酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例2:クコアミンBの琥珀酸塩の合成2.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1gおよび琥珀酸0.71gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して濃い緑色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、濃い緑色の固体粉末365mgが得られた。化学反応式は下記である。2.2 実験結果:濃い緑色の固体粉末365mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの琥珀酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例3:クコアミンBの乳酸塩の合成3.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1gおよび乳酸0.5mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、黄色い固体粉末340mgが得られた。化学反応式は下記である。3.2 実験結果:黄色い固体粉末340mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの乳酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例4:クコアミンBの酒石酸塩の合成4.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1gおよび酒石酸0.9gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、黄色い固体粉末383mgが得られた。化学反応式は下記である。4.2 実験結果:黄色い固体粉末383mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの酒石酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例5:クコアミンBのメタンスルホン酸塩の合成5.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびメタンスルホン酸0.58gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末355mgが得られた。化学反応式は下記である。5.2 実験結果:薄黄色い固体粉末355mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのメタンスルホン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例6:クコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩の合成6.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびp-トルエンスルホン酸1gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末396mgが得られた。化学反応式は下記である。6.2 実験結果:薄黄色い固体粉末396mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例7:クコアミンBのグルタミン酸塩の合成7.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびグルタミン酸0.88gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末380mgが得られた。化学反応式は下記である。7.2 実験結果:薄黄色い固体粉末380mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのグルタミン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例8:クコアミンBの酢酸塩の合成8.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよび酢酸0.4mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末330mgが得られた。化学反応式は下記である。8.2 実験結果:薄黄色い固体粉末330mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの酢酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例9:クコアミンBの塩酸塩の合成9.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよび塩酸0.64mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス圧力下に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、黄色い固体粉末320mgが得られた。化学反応式は下記である。9.2 実験結果:黄色い固体粉末320mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの塩酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例10:クコアミンBの硫酸塩の合成10.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよび硫酸0.4mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末355mgが得られた。化学反応式は下記である。10.2 実験結果:薄黄色い固体粉末355mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの硫酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例11:クコアミンBのマレイン酸塩の合成11.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびマレイン酸0.7gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガスに置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、黄色い固体粉末365mgが得られた。化学反応式は下記である。11.2 実験結果:黄色い固体粉末365mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのマレイン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例12:クコアミンBのアスパラギン酸塩の合成12.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびアスパラギン酸0.8gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末374mgが得られた。化学反応式は下記である。12.2 実験結果:薄黄色い固体粉末374mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのアスパラギン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例13:クコアミンBの臭化水素酸塩の合成13.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよび臭化水素酸0.5mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末345mgが得られた。化学反応式は下記である。13.2 実験結果:薄黄色い固体粉末345mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの臭化水素酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例14:クコアミンBのリン酸塩の合成14.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびリン酸0.4mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末354mgが得られた。化学反応式は下記である。14.2 実験結果:薄黄色い固体粉末354mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのリン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例15:クコアミンBの塩とlipid Aとの親和力測定 15.1実験方法:出願人の中国特許『膿毒症を治療する薬物を製造するための、薬草から選択・分離される活性成分または活性物質の応用途』(中国特許番号:ZL 200510070677.3)にて記載された方法を参考にして実験を行う。主に下記のステップを含む: (1)IAsys plus親和センサの機器使用説明での脂質の被包に関する取り扱い説明に基づいて、lipid Aを非誘導型キュベットに被包する。その中で、lipid Aの疎水性側鎖がキュベットと結合し、親水の一端が外側に遊離させ、結合作用を発生するターゲットとする。 (2)クコアミンBの塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、琥珀酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のそれぞれ1mgを取りそれぞれにPBS(0.01 M,pH 7.4)1 mlを加えて十分に溶解させる。 (3)上記溶液の5 μlを予めlipid Aを被包した親和センサのキュベット(キュベットには45 μl PBSを含有する)にそれぞれ加えて、反応させる; (4)結合反応時間は3分間で、結合反応の曲線を記録する; (5)50 μl PBSでキュベットを三回洗い、分離曲線を記録する; (6)0.1 M HClでキュベットを三回洗い、再生曲線を記録する。15.2 実験結果:各種クコアミンBの塩は全てlipid Aと結合できた。結合反応の曲線を図1に示す。その中の図1AはクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩の実験結果であり、図1BはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、アスパラギン酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩の実験結果である。実施例16:クコアミンBの塩が体外でLPSを中和する実験。 16.1実験方法:32 Well Kinetic Tube Reader (ATi321-06) 内毒素測定器の取り扱い説明書に基づいて実験を行った。主に下記のステップを含む: (1)非発熱性水でクコアミンBの塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、琥珀酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩を20 μMの溶液にそれぞれ調製する。 (2)上記溶液100μlと同体積のLPS(0.25 ng/ml)とをそれぞれ混合した。同時に、対照群を設け、対照群は100μl非発熱性水と同体積のLPS(0.25 ng/ml)と混合したもので、37℃で30分間培養させた後、各群100 μlを取って、リムルス試薬溶液を含有する検知管にそれぞれ加え、32 Well Kinetic Tube Reader (ATi321-06) 細菌内毒素測定システムの取り扱い説明書に基づいて、キネティック濁度法で各群のLPS値を検査する。どの濃度も三回繰り返して検査する。 16.2 実験結果:各種クコアミンBの塩が全て体外でLPSを中和することができた。結果を図2に示す。その中の図2AはクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩の実験結果であり、図2BはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、アスパラギン酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩の実験結果である。実施例17:クコアミンBの塩がLPSによるRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制する実験。 17.1実験方法: DMEM培養液でRAW 264.7細胞を1×106/mlまで希釈し、96ウェルプレート(200μl/ウェル)に加え、37°C、体積分数が5%であるCO2で4時間培養し、壁に付着させた後、細胞上澄み液が200 ml無血清のDMEM培養液であるものと交換し、その後LPS(終濃度は100 ng/ml)を加えるとともに、それぞれに終濃度が0、50、100、200 μMである各種クコアミンBの塩(クコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、塩酸塩、硫酸塩を含む)を加える。空白対照群(medium)にLPSを加えず、4時間続けて培養させ、上澄み液を取り、ELISAキットの取り扱い説明書に基づいてTNF-αの濃度を測定する。 17.2 実験結果:各種クコアミンBの塩はLPSによるRAW264.7細胞から炎症性メディエーターTNF-αの放出誘導することを抑制できる。実験結果を図3に示す。その中の図3AはクコアミンBのリンゴ酸塩の実験結果であり、図3BはクコアミンBの琥珀酸塩の実験結果であり、図3CはクコアミンBの乳酸塩の実験結果であり、図3DはクコアミンBの酒石酸塩の実験結果であり、図3EはクコアミンBのメタンスルホン酸塩の実験結果であり、図3FはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩の実験結果であり、図3GはクコアミンBのグルタミン酸塩の実験結果であり、図3HはクコアミンBの酢酸塩の実験結果であり、図3IはクコアミンBの塩酸塩の実験結果であり、図3JはクコアミンBの硫酸塩の実験結果である。実施例18:クコアミンBの塩がCpG DNAによるRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制する実験。 18.1実験方法: DMEM培養液でRAW 264.7細胞を1×106/mlまで希釈し、96ウェルプレート(200μl/ウェル)に加え、37°C、体積分数が5%であるCO2で4時間培養し、壁に付着させた後、細胞上澄み液が200 ml無血清のDMEM培養液であるものと交換し、その後CpG DNA(終濃度は100 ng/ml)を加えるとともに、それぞれに終濃度が0、50、100、200 μMである各種クコアミンBの塩(クコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、塩酸塩、硫酸塩を含む)を加える。空白対照群(medium)にLPSを加えず、4時間続けて培養させ、上澄み液を取り、ELISAキットの取り扱い説明書に基づいてTNF-αの濃度を測定する 18.2 実験結果:各種クコアミンBの塩はCpG DNAによるRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出誘導することを抑制できる。実験結果を図4に示す。その中の、図4AはクコアミンBのリンゴ酸塩の実験結果であり、図4BはクコアミンBの琥珀酸塩の実験結果であり、図4CはクコアミンBの乳酸塩の実験結果であり、図4DはクコアミンBの酒石酸塩の実験結果であり、図4EはクコアミンBのメタンスルホン酸塩の実験結果であり、図4FはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩の実験結果であり、図4GはクコアミンBのグルタミン酸塩の実験結果であり、図4HはクコアミンBの酢酸塩の実験結果であり、図4IはクコアミンBの塩酸塩の実験結果であり、図4JはクコアミンBの硫酸塩の実験結果である。実施例19:クコアミンBの塩が膿毒症モデルマウスを保護する作用。 19.1実験方法:Balb/cマウス、19〜21g、雄雌各半分である。全部で120匹であり、ランダムで六つの群に分けられ、各群に20匹を有する。それぞれに対照群と、抗生物質薬物投与群と、抗生物質とクコアミンBの塩酸塩の薬物併用投与群と、抗生物質とクコアミンBのメタンスルホン酸塩の薬物併用投与群と、抗生物質とクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩の薬物併用投与群と、抗生物質とクコアミンBのベンゼンスルホン酸塩の薬物併用投与群とする。 マウスを麻酔機で麻酔させた。イソフルランの放出濃度が5%であり、混合ガスの圧力が1MPaであり、麻酔時間は約5分間である。盲腸の結紮穿孔手術(CLP)でマウスモデルする。具体的なステップは下記の通りである:マウスを仰向けにし、下腹部の皮膚をヨードフォアで消毒した後、腹部の白線の中点下0.3cmから下へ皮膚、筋層、腹膜を眼科剪刀で一層ずつ切る(切り目の長さが約0.8cmである)。筋層を眼科用ピンセットで挟み上げて、直視して眼科用ピンセットを用いて腹腔を診察し、盲腸末端を取出して腹壁外に置き、その後盲腸の末端から0.5cmのところで4番の縫合線で結紮する。結紮後、盲腸を12番針で1孔垂直穿刺し、そっと糞便を少し押し出して、最後に、盲腸を腹腔に取り戻して縫合する。対照群は尾静脈より0.2ml生理食塩水を注射され、投与群の抗生物質(アンピシリン)の投与量は80mg/kgであり、マウスモデルした4時間後、尾静脈より注射させる。クコアミンBの塩酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩の毎回投与量は全て2.5mg/kgであり、それぞれにマウスモデルした後0、4、12、20、28、36、44、52、60、68時間に尾静脈より注射させる。7日内に動物の一般状態及び死亡状況を観察し、対照群と投与群との間に生存差異を比較する。 19.2 実験結果:CLP対照群マウスの7日内の死亡率は95%であり、アンピシリン(80mg/kg)投与マウスの生存率は15%であり、クコアミンBの塩と抗生物質を併用投与させる場合、クコアミンBの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩は生存率を20%まで高め、クコアミンBのベンゼンスルホン酸塩は生存率を30%まで高め、クコアミンBのメタンスルホン酸塩は生存率を50%まで高める。この結果から、クコアミンBの塩酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩は膿毒症モデルマウスを保護する作用を有することが分かる。その中で、クコアミンBのメタンスルホン酸塩の効果は一番である。実験結果を図5に示す。 下記の化学構成を有するクコアミンBの塩であって、式中、Aは無酸素酸または酸素酸からなる無機酸、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、又は酸性アミノ酸からなる有機酸であることを特徴とするクコアミンBの塩。 前記無酸素酸が塩酸と臭化水素酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のクコアミンBの塩。 前記酸素酸が硫酸、リン酸、硝酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のクコアミンBの塩。 前記無機酸が塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のクコアミンBの塩。 前記カルボン酸が酢酸、プロパン酸、ブタン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、アジピン酸、安息香酸、フェニルプロピオン酸、ケイ皮酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、フマル酸、ニコチン酸、パルミチン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のクコアミンBの塩。 前記ヒドロキシ酸がリンゴ酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシブチル酸、ラクトビオン酸、酒石酸、マンデル酸、グルコン酸、グルクロン酸、アスコルビン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のクコアミンBの塩。 前記スルホン酸がメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、樟脳スルホン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のクコアミンBの塩。 前記酸性アミノ酸がグルタミン酸、アスパラギン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のクコアミンBの塩。 前記有機酸が酢酸、マレイン酸、琥珀酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のクコアミンBの塩。 下記のステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載のクコアミンBの塩を製造する方法。(1)下記式で表される化合物Iと臭化水素酸とを100〜160℃で反応させて、化合物IIを生成するステップ。 化合物I:臭化水素酸の当量比が1:2〜5である。(2)化合物IIをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、反応システムをN,N-ジメチルホルムアミド溶液の環境に置き、炭酸カリウムと塩化ベンジルを加え、60〜100℃で反応させて化合物IIIを生成するステップ。 化合物II:炭酸カリウム:塩化ベンジルの当量比が1:3〜6:3〜5である。(3)化合物IIIを水酸化ナトリウム溶液に加えたものに、メタノールを加え、反応システムをメタノール溶液の環境に置き、40〜90℃で反応させて化合物IVを生成するステップ。 化合物III:水酸化ナトリウムの当量比が1:1〜3である。(4)化合物IVをジクロロメタンに溶解してN,N-ジメチルホルムアミドを加え、反応システムをジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合液の環境に置き、塩化チオニルを加え、45〜65℃で反応させて化合物Vを生成するステップ。 化合物IV:塩化チオニルの当量比が1:1〜2である。(5)水酸化ナトリウム溶液を化合物VIに加えたものに、二炭酸ジ-tert-ブチルのエタノール溶液を加え、室温で反応させて化合物VIIを生成するステップ。 水酸化ナトリウム:化合物VI:二炭酸ジ-tert-ブチルの当量比が1〜2:1:0.5〜1である。(6)化合物VIIをメタノールに溶解し、反応システムをメタノール溶液の環境に置き、アクリロンのメタノール溶液を加え、室温で反応させて化合物VIIIを生成するステップ。 化合物VII:アクリロンの当量比が1:1〜2である。(7)化合物VIIIにテトラヒドロフランとトリエチルアミンを加え、反応システムをテトラヒドロフランとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、クロロギ酸ベンジルのテトラヒドロフラン溶液を加え、室温で反応させて化合物IXを生成するステップ。 化合物VIII:クロロギ酸ベンジルの当量比が1:1〜2である。(8)化合物IXをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでアンモニア飽和メタノール溶液を加え、化合物IX質量の10〜50%に相当するレーニーニッケルを加え、換気し、システムを1〜10MPa水素ガス雰囲気に置き、35〜50℃で反応させて化合物Xが生成するステップ。(9)化合物Xをジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをジクロロメタンとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、0℃以下で化合物Vのジクロロメタン溶液をそれに加えて、化合物XIを反応生成するステップ。 化合物X:化合物Vの当量比が1:1〜1.5である。(10)化合物XIをジクロロメタンに溶解し、反応システムをジクロロメタン溶液の環境に置き、トリフルオロ酢酸を加え、室温で反応させて化合物XIIを生成するステップ。 化合物XI:トリフルオロ酢酸の当量比が1:2〜5である。(11)化合物XIIをメタノールに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをメタノールとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、50〜80℃まで昇温し、アクリロンのメタノール溶液を加え、室温まで降温して化合物XIIIを生成するステップ。 化合物XII:アクリロンの当量比が1:1〜2である。(12)化合物XIIIをジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをジクロロメタンとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、0℃以下で化合物Vのジクロロメタン溶液をそれに加えて、化合物XIVを反応生成するステップ。 化合物XIII:化合物Vの当量比が1:1〜1.5である。(13)化合物XIVをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでアンモニアのメタノール溶液とテトラヒドロフランとの混合溶液を加え、反応システムを該溶液環境に置き、化合物XIV質量の10〜50%に相当するレーニーニッケルを加え、換気し、システムを1〜10MPa水素ガス雰囲気に置き、35〜50℃で反応させて化合物XVを生成するステップ。(14)化合物XVと請求項2〜9のいずれか一つに記載の酸とをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでメタノールと、テトラヒドロフランと、水との混合溶液を加え、反応システムを該溶液環境に置き、化合物XV質量の10〜30%に相当するパラジウム炭素を加え、換気し、反応システムを1〜10MPa水素ガス雰囲気に置き、25〜45℃で反応させてクコアミンBの塩を生成するステップ。 化合物XV:酸の当量比が1:1〜8である。請求項1に記載のクコアミンBの塩を活性成分とするものと、薬学的に許容可能なキャリア及び/又は希釈剤とを含むクコアミンBの塩の薬物組成物。膿毒症の予防と治療をする薬物を製造するためのクコアミンBの塩の応用。膿毒症の予防と治療をする薬物を製造するためのクコアミンBの塩の薬物組成物の応用。 【課題】 膿毒症の予防と治療をする薬物を製造するためのクコアミンBの塩、及びクコアミンBの塩含有薬物組成物の応用を提供する。【解決手段】 下記の化学構成を有するクコアミンBの塩。 式中、Aは無酸素酸又は酸素酸からなる無機酸、又はカルボン酸又はヒドロキシ酸又はスルホン酸、又は酸性アミノ酸からなる有機酸【選択図】図1


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特許公報(B2)_クコアミンBの塩の製造方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_クコアミンBの塩の製造方法
出願番号:2013538030
年次:2015
IPC分類:C07C 231/12,C07C 231/02,C07C 235/34,A61P 31/04,A61P 29/00,A61K 31/165


特許情報キャッシュ

鄭江 鄭新川 劉シン 周紅 王寧 曹紅衛 李彦 魯永玲 趙苛岑 楊景程 楊陽 祝元鋒 衛国 黄敏 JP 5809286 特許公報(B2) 20150918 2013538030 20110321 クコアミンBの塩の製造方法 中国人民解放軍第三軍医大学第一付属病院 512278157 天津紅日薬業株式有限公司 512278168 長谷部 善太郎 100122954 山田 泰之 100162396 鄭江 鄭新川 劉シン 周紅 王寧 曹紅衛 李彦 魯永玲 趙苛岑 楊景程 楊陽 祝元鋒 衛国 黄敏 CN 201010539028.4 20101110 20151110 C07C 231/12 20060101AFI20151021BHJP C07C 231/02 20060101ALI20151021BHJP C07C 235/34 20060101ALI20151021BHJP A61P 31/04 20060101ALI20151021BHJP A61P 29/00 20060101ALI20151021BHJP A61K 31/165 20060101ALI20151021BHJP JPC07C231/12C07C231/02C07C235/34A61P31/04A61P29/00A61K31/165 C07C A61K A61P CAplus/REGISTRY(STN) 中国特許出願公開第101829075(CN,A) Tetrahedron Letters,1998年,Vol.39,p.5117-5120 Journal of Enzyme Inhibition and Medical Chemistry,2009年,vol.24, No.5,p.1188-1193 C.G.WERMUTH編,「最新 創薬化学 下巻」,株式会社 テクノミック,1999年,347〜365頁 Journal of Pharmaceutical Sciences,1977年,Vol.66, No.1,p.1-19 BASTIN,R.J. et al,Salt selection and optimization procedures for pharmaceutical new chemical entities,Organic Process Research & Development,2000年,Vol.4, No.5,p.427-435 9 CN2011000479 20110321 WO2012062026 20120518 2014501708 20140123 36 20140220 松澤 優子 本発明は医薬技術分野に属する。特に、クコアミンBの塩及びその製造方法と膿毒症の予防と治療をする薬物製造のためのクコアミンBの塩の応用に関する。 膿毒症とは感染因子により媒介誘発された全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome,SIRS)であり、火傷、外傷、腫瘍、感染症疾病などの患者によくある合併症であり、現在では世界中で集中治療室(ICU)患者の死亡を招く主な原因になることが認められている。膿毒症の従来の臨床治療方法は主に、早期抗生物質投与及び低酸素性虚血性障害の治療として、臓器不全とショックの一般治療法を行うことであって、まだ特効療法がない。薬物療法として、通常、糖性グルココルチコイド群、インスリン、免疫調節剤などの非特異的な薬物を主として経験的に使用しているが、その治療効果はまだ認められていない。1990年代に、抗リピドAモノクローナル抗体HA−1A(Centoxin)が湾岸戦争において米軍で戦傷と火傷の後、膿毒症を治療することに用いられ、この薬が一部のヨーロッパの国と日本で臨床使用されたが、膿毒症ショックにたいして不利な作用を有する可能性があるため、1992年に米国のFDAより承認されずヨーロッパ市場から消え失せた。リコンビナントヒト活性化プロテインC(recombinant human activated protein C,rhAPC)は現在、米国のFDAにより承認された唯一の膿毒症の治療薬物である(商品名:Xigris)。臨床実験結果からは、rhAPCが膿毒症患者28日内の死亡率を低減させられることが分かり、2001年11月にFDAより販売許可された。しかしながら、2005年の第二回臨床実験結果よって、rhAPC組の28日内の死亡率と対照群は差異がないことを示した。2007年の臨床実験において、rhAPCは膿毒症患者の生存率を上げる作用を持たないばかりか、患者がひどい出血傾向をきたすとの副作用も有するため、この臨床実験を行う組織はそれを膿毒症を治療する臨床薬物とすることを勧めない、と提案した。 病原体関連分子パターン(pathogen-associated molecular patterns, PAMPs)及びそのパターン認識受容体(pattern recognition receptors, PRRs)を発現することによって、人類の膿毒症の認識に対して質的な飛躍を遂げた。現在、膿毒症の発病メカニズムは、病原体が有機体に侵入した後、その菌体のPAMPs(主にリポ多糖/内毒素(lipopolysaccharide/endotoxin, LPS)、細菌ゲノムDNA(CpG DNA)、とペプチドグリカン(peptideglycan, PGN)などを含む)が有機体非特異的免疫システムにおける炎症反応の細胞膜上/細胞内の相応なPRRsより認識され、炎症反応の細胞の活性化を導き、炎症性メディエーターを放出して全身性炎症反応を引き起こしてさらに器官障害を招く。従って、従来の炎症反応における重要なエフェクター分子を拮抗すること、血液凝固及び補体などシステムの混乱を是正すること、及びただ一つのLPS等の治療措置を拮抗することに失敗した場合、複数の主なPAMPs(LPS、CpG DNAとPGN等)を同時に拮抗する薬物を探し、膿毒症の発生を根元的に遮断して、その治療を突破的に進展させることが可能である。 クコアミンB(kukoamine B)は、別名が地骨皮乙素であって、生薬の地骨皮から分離することによって得られた天然に存在するアルカロイドであり、化学構造は下記式である。 最初、クコアミンBが日本人Shinji Funayama(船山信次)により1995年に地骨皮から、遊離アルカリの形態で存在していることが発見された(S. Funayama, G. ZhangとS. Nozoe. Phytochemistry、1995; 38: 1529-1531)。植物から抽出、分離と精製する方法及び構造の表面的特徴のほか、クコアミンBの生物活性に関する研究は報告されていない。本出願人はより早く提出した中国特許出願にて膿毒症及び自己免疫疾患を予防と治療する薬物を製造するためのクコアミンBの応用に関するもの、を開示した。(中国特許出願番号201010156503.X) 異なる産地・採集時の地骨皮はクコアミンBの含有量の違いが大きいため、膿毒症の予防と治療をする薬物の製造用に、植物から直接にクコアミンBを抽出、分離と精製することは、原料が不安定、生産コストが高い、エネルギー消費が高いなどの欠陥を有する。クコアミンBの製造のため、化学合成により新たな方法を提供したが、従来の研究報告及び特許を遡ると、クコアミンBの全化学合成に対する研究は見たことがない。 天然産物とするクコアミンBに比べると、クコアミンBの塩は新たな塩の状態で存在して、新たな化学構造を有している。クコアミンBの塩及びその全化学合成方法に関して、未だ特許、文献報告が見当たらず、膿毒症の治療についてもまだ見当たらず、特に複数のPAMPs(LPSとCpG DNA)を同時に拮抗することによって膿毒症を治療する報告は見たことがない。 本発明では、上記欠陥に対してクコアミンBの塩及び製造方法を提供し、また、膿毒症の予防と治療をする薬物を製造するためのクコアミンBの塩、及びクコアミンBの塩含有薬物組成物の応用、を提供する。クコアミンBの塩とクコアミンBの塩含有薬物組成物を用いて、膿毒症を治療する作用、仕組みは新規性を有し、よい治療効果、安全、信頼を有するもので、膿毒症の治療のため新規手段を提供する。 本発明の課題を解決する手段は下記である。 下記の化学構成を有するクコアミンBの塩であって、式中、Aは無酸素酸または酸素酸からなる無機酸、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、又は酸性アミノ酸からなる有機酸であること。 前記クコアミンBの塩は化合物構造の塩基性基で形成された酸性塩であって、無機酸塩と有機酸塩を含む。 前記無酸素酸が塩酸、臭化水素酸のいずれかであり、効果が良い。 前記酸素酸が硫酸、リン酸、硝酸のいずれかである。 前記無機酸が塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸のいずれかである。 前記カルボン酸が酢酸、プロパン酸、ブタン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、アジピン酸、安息香酸、フェニルプロピオン酸、ケイ皮酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、フマル酸、ニコチン酸、パルミチン酸のいずれかである。 前記ヒドロキシ酸がリンゴ酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシブチル酸、ラクトビオン酸、酒石酸、マンデル酸、グルコン酸、グルクロン酸、アスコルビン酸のいずれかである。 前記スルホン酸がメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、樟脳スルホン酸のいずれかである。 前記酸性アミノ酸がグルタミン酸、アスパラギン酸のいずれかである。 前記有機酸が酢酸、マレイン酸、琥珀酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸のいずれかであり、効果が良い。 前記クコアミンBの塩における酸は複数の種類の無機酸及び/または有機酸から広範囲で選ばれており、主に医薬で許可され使用する各類の酸からそれぞれに2〜3個代表的な酸を選択し、無機酸における無酸素酸から塩酸と臭化水素酸を選択し、酸素酸から硫酸とリン酸を選択し、有機酸におけるカルボン酸から酢酸、マレイン酸、と琥珀酸を選択し、ヒドロキシ酸からリンゴ酸、乳酸、酒石酸を選び、スルホン酸からメタンスルホン酸とp-トルエンスルホン酸を選択し、酸性アミノ酸からグルタミン酸とアスパラギン酸を選択することを含めクコアミンBの塩の製造についての共通問題を説明する。出願人による実験ではただこの4種類の無機酸及び10種類の有機酸の結果を示したが、ほかの無機酸及び/又は有機酸(本発明にて例示された酸及び例示されない酸を含む)も全て同じ方法でクコアミンBの塩を製造することができる。 前記クコアミンBの塩及びクコアミンBの塩含有薬物組成物を用いて製造された膿毒症を予防と治療をする薬物は、例えば粉末、錠剤、顆粒、カプセル、溶液、乳液、懸濁剤などとして剤型投与することが可能であり、又は、例えば注射投与、経腔内投与、経粘膜投与などの方法により、非経胃腸投与されることが可能である。成人に対して、最適用量は毎日、体重1kg当たり0.1〜15mgであり、投与方法は一日一回投与または一日数回投与でもよい。 クコアミンBの塩を製造する方法は3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロピオン酸(又は3,4-ジヒドロキシベンゼンプロピオン酸)とブタンジアミンを原料として、一連の化学合成反応によって得られるものであって、具体的に下記である。 (1)下記式で表される化合物Iと臭化水素酸とを100〜160℃で反応させて、化合物IIを生成するステップ。 化合物I:臭化水素酸の当量比が1:2〜5である。 (2)化合物IIをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、反応システムをN,N-ジメチルホルムアミド溶液の環境に置き、炭酸カリウムと塩化ベンジルを加え、60〜100℃で反応させて化合物IIIを生成するステップ。 化合物II:炭酸カリウム:塩化ベンジルの当量比が1:3〜6:3〜5である。 (3)化合物IIIを水酸化ナトリウム溶液に加えたものに、メタノールを加え、反応システムをメタノール溶液の環境に置き、40〜90℃で反応させて化合物IVを生成するステップ。 化合物III:水酸化ナトリウムの当量比が1:1〜3である。 (4)化合物IVをジクロロメタンに溶解してN,N-ジメチルホルムアミドを加え、反応システムをジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合液の環境に置き、塩化チオニルを加え、45〜65℃で反応させて化合物Vを生成するステップ。 化合物IV:塩化チオニルの当量比が1:1〜2である。 (5)水酸化ナトリウム溶液を化合物VIに加えたものに、二炭酸ジ-tert-ブチルのエタノール溶液を加え、室温で反応させて化合物VIIを生成するステップ。 水酸化ナトリウム:化合物VI:二炭酸ジ-tert-ブチルの当量比が1〜2:1:0.5〜1である。 (6)化合物VIIをメタノールに溶解し、反応システムをメタノール溶液の環境に置き、アクリロンのメタノール溶液を加え、室温で反応させて化合物VIIIを生成するステップ。 化合物VII:アクリロンの当量比が1:1〜2である。 (7)化合物VIIIにテトラヒドロフランとトリエチルアミンを加え、反応システムをテトラヒドロフランとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、クロロギ酸ベンジルのテトラヒドロフラン溶液を加え、室温で反応させて化合物IXを生成するステップ。 化合物VIII:クロロギ酸ベンジルの当量比が1:1〜2である。 (8)化合物IXをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでアンモニア飽和メタノール溶液を加え、化合物IX質量の10〜50%に相当するレーニーニッケルを加え、換気し、システムを1〜10MPa水素ガス雰囲気に置き、35〜50℃で反応させて化合物Xが生成するステップ。 (9)化合物Xをジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをジクロロメタンとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、0℃以下で化合物Vのジクロロメタン溶液をそれに加えて、化合物XIを反応生成するステップ。 化合物X:化合物Vの当量比が1:1〜1.5である。 (10)化合物XIをジクロロメタンに溶解し、反応システムをジクロロメタン溶液の環境に置き、トリフルオロ酢酸を加え、室温で反応させて化合物XIIを生成するステップ。 化合物XI:トリフルオロ酢酸の当量比が1:2〜5である。 (11)化合物XIIをメタノールに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをメタノールとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、50〜80℃まで昇温し、アクリロンのメタノール溶液を加え、室温まで降温して化合物XIIIを生成するステップ。 化合物XII:アクリロンの当量比が1:1〜2である。 (12)化合物XIIIをジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをジクロロメタンとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、0℃以下で化合物Vのジクロロメタン溶液をそれに加えて、化合物XIVを反応生成するステップ。 化合物XIII:化合物Vの当量比が1:1〜1.5である。 (13)化合物XIVをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでアンモニアのメタノール溶液とテトラヒドロフランとの混合溶液を加え、反応システムを該溶液環境に置き、化合物XIV質量の10〜50%に相当するレーニーニッケルを加え、換気し、システムを1〜10MPa水素ガス雰囲気に置き、35〜50℃で反応させて化合物XVを生成するステップ。 (14)化合物XVと上記いずれか一つに記載の酸とをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでメタノールと、テトラヒドロフランと、水との混合溶液を加え、反応システムを該溶液環境に置き、化合物XV質量の10〜30%に相当するパラジウム炭素を加え、換気し、反応システムを1〜10 MPa水素ガス圧力下に置き、25〜45℃で反応させてクコアミンBの塩を生成するステップ。 化合物XV:酸の当量比が1:1〜8である。 クコアミンBの塩の薬物組成物は上記クコアミンBの塩を活性成分とするものと薬学的に許容可能なキャリア及び/又は希釈剤とを含む。 膿毒症の予防と治療をする薬物を製造するためのクコアミンBの塩の応用。 膿毒症の予防と治療をする薬物を製造するためのクコアミンBの塩の薬物組成物の応用。 出願人は実験により、上記合成反応のクコアミンBの塩の収率は15%であることを証明した。 本発明に記載されたクコアミンBの塩の薬物組成物はクコアミンBの塩を活性成分とするものと、薬学的に許容可能なキャリア及び/又は希釈剤とを含む。 本発明に記載されたクコアミンBの塩は膿毒症の予防と治療をする薬物の製造に使用可能である。 出願人は薬理活性実験よって下記を明らかにする: (1)クコアミンBの塩はLPSの活性サイトlipid Aと結合することができる。 (2)クコアミンBの塩は体外で用量依存の方式でLPSを中和することができる。 (3)クコアミンBの塩は用量依存の方式でそれぞれにLPS及びCpG DNAがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制できる。 本発明は、クコアミンBの塩及びクコアミンBの塩含有薬物組成物を使用し、膿毒症を治療する作用、仕組みが新規であり、膿毒症を媒介誘発する複数のPAMPsを同時に拮抗することができる。従来のグルココルチコイド、インスリン、抗炎症性メディエーター薬物、抗凝固薬、抗LPSポリペプチド、と抗lipid Aモノクローナル抗体などの薬物と違って、治療効果がよく、複数の病原体分子を同時に拮抗することによりその誘発される炎症反応を顕著に抑制することができ、膿毒症の治療のため新規手段を提供する。 本発明は広範囲で複数の種類の無機酸及び/又は有機酸を選択してクコアミンBの塩の製造についての共通問題を説明する。化学および薬学分野での技術者にとって、同類の無機酸及び/又は有機酸を用いて同じ方法によって、化学分野での熟知方法でクコアミンBの塩を製造することができることが分かる。当業者は、そのクコアミンBが一般的な植物化学方法で植物から抽出、分離、純化することによって得られるものであることも分かる。したがって、ほかの無機酸及び/又は有機酸を本発明に挙げられる無機酸及び/又は有機酸代わりにすること、及び天然に存在するまたは化学合成されるクコアミンBを対象として本発明の発明主旨に基づく構造の手直しや改変は本発明の技術方案及び保護範囲に入るべきである。当業者が本説明からの示唆により本発明を実施するためのいずれの改変も本出願の保護範囲に入るべきである。クコアミンBの塩がlipid Aと結合する反応を示す。図1中の、AはクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩の実験結果であり、BはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、アスパラギン酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩が体外でLPSを中和することを示す。図2中の、AはクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩の実験結果であり、BはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、アスパラギン酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がLPSがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図3中の、A、B、C、DはぞれぞれにクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がLPSがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図3中の、E、F、G、HはぞれぞれにクコアミンBのメタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がLPSがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図3中の、I、JはぞれぞれにクコアミンBの塩酸塩、硫酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がCpG DNAがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図4中の、A、BはぞれぞれにクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がCpG DNAがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図4中の、C、D、E、FはぞれぞれにクコアミンBの乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩がCpG DNAがRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制することを示す。図4中の、G、H、I、JはぞれぞれにクコアミンBのグルタミン酸塩、酢酸塩、塩酸塩、硫酸塩の実験結果である。クコアミンBの塩酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩が膿毒症モデルマウスを保護する実験結果である。 LPS及びCpG DNAは膿毒症を発症することを導く重要な病原性因子であって、薬物がLPS及びCpG DNAを拮抗することは、それが膿毒症を予防と治療する作用であることを反映している。 下記の実施例は本発明を詳細に説明するものである。特に好ましい、薬用機能成熟するクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、塩酸塩、硫酸塩、マレイン酸塩、アスパラギン酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩で説明する。後述はただ本発明の望ましい実施の形態であって、何れかの形式で本発明を限定しない。ここで強調すべきなのは、本発明の趣旨又は範囲を逸脱しなければ、本発明に対する改変又は同等代替は、全て本発明の保護範囲に入るべきである。 特別説明しない場合、本文中で用いられた試薬は全て分析用である。 特別説明しない場合、本文中下記に列挙する英語略語は、全て記載の中国語の意味を有する。実施例1:クコアミンBのリンゴ酸塩の合成 1.1実験方法: (1)化合物f1 50gを計り取り、臭化水素酸100 ml(濃度40%)に溶解させ、140℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、直接冷却して黄色い結晶析出が見え、吸引濾過し、少量の石油エーテルで洗浄して、黄色い固体化合物f2 40gを得た。化合物f2 40gをDMF120mlに溶解させ、炭酸カリウム116g及び塩化ベンジル86mLを加え、80℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、直接に濾して、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引濾過し、濃縮して化合物f3が得られた。14.4gの水酸化ナトリウムを水80mlに溶解させ、化合物f3 85gをそれに加え、さらにメタノール80 mlを加え、90℃まで加熱して還流反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、ロータリー・エバポレーターで濃縮して、ビーカーに入れ、強い酸性を示すまで濃塩酸を加え、濾し、濾過ケーキを集め、乾燥することによって銀黄色い化合物f 60gが得られ、収率は69%であった。化学反応式は下記である。 (2)ブタンジアミン(化合物a)20gを計り取り500ml容丸底フラスコに入れ、28%水酸化ナトリウム溶液を23ml加え、十分に溶解させた後、室温で撹拌しながら、濃度が12.5%である(Boc)2Oのアルコール溶液200mlをゆっくりと滴下し、十分に滴下させた後、室温で攪拌して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、ロータリー・エバポレーターで濃縮してアルコールを蒸乾し、DCMで反応物が十分に抽出されるまで数回抽出し、有機層を合わせ飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、静かに放置して吸引濾過し、濃縮して無色油状物b 13.7gが得られ、収率は64%であった。化学反応式は下記である。 (3)化合物b 27gを計り取りメタノール60mlに溶解させ、室温で攪拌しながら12mlのアクリロンと20mlのメタノールとの混合溶液を滴下し、十分に滴下させた後、室温で攪拌して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、ロータリー・エバポレーターで濃縮して、無色油状物c 31gが得られ、収率は88.6%であった。化学反応式は下記である。 (4)化合物c 30gを計り取り250ml容丸底フラスコに入れ、80mlのTHF及び26mlのトリエチルアミンを加え、室温で攪拌しながら21mlのCbz-Clと50mlのTHFとの混合溶液を滴下し、十分に滴下させた後、室温で攪拌して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、ロータリー・エバポレーターで濃縮して有機溶剤を蒸乾し、酢酸エチルで抽出し、1 mol/LのHCl溶液で三回洗浄し、水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、静かに放置して吸引濾過し、濃縮して薄黄色い油状物が得られる。濃縮した後、一部の石油エーテルを加えて攪拌すると大量の白い固体が析出できる。吸引濾過し、白い固体を石油エーテルで洗浄し、風乾した白い固体d 40gが得られ、収率は86%であった。化学反応式は下記である。 (5)化合物d 15gを計り取りオートクレーブに置き、溶解して完全に透明になるまでアンモニア飽和メタノール溶液150mlを加え、4.5gのRaney Niを加え、換気し、システムを5〜10 MPa水素ガス雰囲気に置き、50℃まで加熱して攪拌しながら反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、珪藻土で吸引濾過し、濃縮して青い油状物e 13.8gが得られ、収率は92%であった。化学反応式は下記である。 (6)化合物f 13.1gを計り取り無水DCM40mlに溶解させ、DMF0.1mlを加え、室温で攪拌しながら3.9mlの塩化チオニルを滴下し、十分に滴下させた後、45〜65℃まで加熱して5時間還流撹拌反応させ、ロータリー・エバポレーターで濃縮してDCMを蒸乾し、化合物f0が得られる。得られたばかりの化合物f0に無水トルエンを加えロータリー・エバポレーターで乾燥させ余計な塩化チオニルを除去する。別の化合物e 13.8gを計り取り無水DCM50mlに溶解させ、12mlのトリエチルアミンを加え、0℃で得られたばかりの化合物f0のDCM溶液(濃度10%)の40mlをそれにゆっくりと滴下し、TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、濃縮してエチルエーテルで抽出し、飽和炭酸カリウム溶液三回、1 mol/LのHCl溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、静かに放置して吸引濾過し、濃縮して赤い油状物g 23gが得られ、収率は88%であった。化学反応式は下記である。 (7)化合物g 13gを計り取りDCM30mlに溶解させ、TFA5 mlを加え、室温で攪拌する。TLCで監視して、十分に反応させた後、ロータリー・エバポレーターで濃縮してDCMを蒸乾した後、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、静置して、吸引濾過し、濃縮して赤い油状物h 11gが得られ、収率は85%であった。化学反応式は下記である。 (8)化合物h 18.1gを計り取り40mlのMeOHに溶解させ、8mlのトリエチルアミンを加え、60℃まで加熱して攪拌しながら2.1mlのアクリロンと15mlのメタノールとの混合溶液をゆっくりと滴下し、十分に滴下させた後、少しずつ室温までに下げて、攪拌して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、直接にロータリー・エバポレーターで濃縮乾燥して有機溶剤を除去し、化合物iが得られた。化学反応式は下記である。(9)化合物f 10.5gを計り取り100ml容丸底フラスコに入れ、無水DCM35 mlに溶解させ、DMFを2滴(0.1ml)加え、さらに2.6mlの塩化チオニルをゆっくりと滴下し、十分に滴下させた後、45〜65℃までに加熱して4時間還流反応させ、ロータリー・エバポレーターで濃縮してDCMを蒸乾し、化合物f0が得られる。得られたばかりの化合物f0に乾燥されたトルエンを加えロータリー・エバポレーターで濃縮して余計な塩化チオニルを除去する。別に化合物i 19.6gを計り取り無水DCM50 mlに溶解させ、12mlのトリエチルアミンを加え、0℃で得られたばかりの化合物f0のDCM溶液(濃度10%)をそれにゆっくりと滴下し、TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、濃縮し、エチルエーテルで抽出し、飽和炭酸カリウム溶液三回、1 mol/LのHCl溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、静かに放置して吸引濾過し、ロータリー・エバポレーターで濃縮乾燥して赤い油状物が得られる。この赤い油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー法で分離させ、200〜300メッシュのシリカゲルを固定相とし、酢酸エチル:石油エーテル(2:1)を移動相として、流出する全液を集めて乾燥するまで濃縮して、化合物j 21gが得られ、収率は79%であった。化学反応式は下記である。 (10)化合物j 20gを計り取りオートクレーブに置き、アンモニア飽和メタノール溶液:THFが3:1である溶液400mlを加え、換気し、反応システムを1〜2 MPaに置き、50℃で撹拌反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、濃縮して青い油状物k 18.6gが得られ、収率は93%であった。化学反応式は下記である。 (11)化合物k 1gおよびリンゴ酸0.8gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して深緑色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、深緑色の固体粉末407mgが得られた。化学反応式は下記である。1.2 実験結果:深緑色の固体粉末407mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36;プロトン核磁気共鳴1H-NMR (400 MHz, D2O):δ (ppm) 6.88-6.73 (m, 6H), 4.41(s, 1H), 3.43-3.23 (m, 6H), 2.86-2.59 (m, 16H), 1.87-1.41 (m, 8H)であり、クコアミンBのリンゴ酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例2:クコアミンBの琥珀酸塩の合成2.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1gおよび琥珀酸0.71gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して濃い緑色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、濃い緑色の固体粉末365mgが得られた。化学反応式は下記である。2.2 実験結果:濃い緑色の固体粉末365mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの琥珀酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例3:クコアミンBの乳酸塩の合成3.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1gおよび乳酸0.5mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、黄色い固体粉末340mgが得られた。化学反応式は下記である。3.2 実験結果:黄色い固体粉末340mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの乳酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例4:クコアミンBの酒石酸塩の合成4.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1gおよび酒石酸0.9gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、黄色い固体粉末383mgが得られた。化学反応式は下記である。4.2 実験結果:黄色い固体粉末383mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの酒石酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例5:クコアミンBのメタンスルホン酸塩の合成5.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびメタンスルホン酸0.58gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末355mgが得られた。化学反応式は下記である。5.2 実験結果:薄黄色い固体粉末355mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのメタンスルホン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例6:クコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩の合成6.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびp-トルエンスルホン酸1gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末396mgが得られた。化学反応式は下記である。6.2 実験結果:薄黄色い固体粉末396mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例7:クコアミンBのグルタミン酸塩の合成7.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびグルタミン酸0.88gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末380mgが得られた。化学反応式は下記である。7.2 実験結果:薄黄色い固体粉末380mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのグルタミン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例8:クコアミンBの酢酸塩の合成8.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよび酢酸0.4mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末330mgが得られた。化学反応式は下記である。8.2 実験結果:薄黄色い固体粉末330mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの酢酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例9:クコアミンBの塩酸塩の合成9.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよび塩酸0.64mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス圧力下に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、黄色い固体粉末320mgが得られた。化学反応式は下記である。9.2 実験結果:黄色い固体粉末320mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの塩酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例10:クコアミンBの硫酸塩の合成10.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよび硫酸0.4mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末355mgが得られた。化学反応式は下記である。10.2 実験結果:薄黄色い固体粉末355mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの硫酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例11:クコアミンBのマレイン酸塩の合成11.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびマレイン酸0.7gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガスに置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、黄色い固体粉末365mgが得られた。化学反応式は下記である。11.2 実験結果:黄色い固体粉末365mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのマレイン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例12:クコアミンBのアスパラギン酸塩の合成12.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびアスパラギン酸0.8gを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末374mgが得られた。化学反応式は下記である。12.2 実験結果:薄黄色い固体粉末374mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのアスパラギン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例13:クコアミンBの臭化水素酸塩の合成13.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよび臭化水素酸0.5mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末345mgが得られた。化学反応式は下記である。13.2 実験結果:薄黄色い固体粉末345mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBの臭化水素酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例14:クコアミンBのリン酸塩の合成14.1実験方法:ステップ(1)〜(10)は実施例1のステップ(1)〜(10)と同じ。 (11)化合物k 1.0gおよびリン酸0.4mlを計り取りオートクレーブに置き、MeOH:THF:水が3:1:1である溶液30mlを加えて溶解して澄んだ状態になった後、Pd/C触媒0.2gを加え、換気し、反応システムを10 MPa水素ガス雰囲気に置き、45℃まで加熱して反応させる。TLCで監視して、十分に反応させた後、吸引濾過し、乾燥するまで濃縮して薄黄色の半固体が得られ、エタノール30mlを加え、超音波振動し、静かに放置して沈殿させ、傾けて上清み溶液を取り除き、数回繰り返して、最後に吸引濾過し、薄黄色い固体粉末354mgが得られた。化学反応式は下記である。14.2 実験結果:薄黄色い固体粉末354mgが得られる。紫外線吸収スペクトル:λmax nm = 280(メタノール);マススペクトル:[M+H]+ m/z 531.36であり、クコアミンBのリン酸塩であることが証明され、化学構造は下記である。実施例15:クコアミンBの塩とlipid Aとの親和力測定 15.1実験方法:出願人の中国特許『膿毒症を治療する薬物を製造するための、薬草から選択・分離される活性成分または活性物質の応用途』(中国特許番号:ZL 200510070677.3)にて記載された方法を参考にして実験を行う。主に下記のステップを含む: (1)IAsys plus親和センサの機器使用説明での脂質の被包に関する取り扱い説明に基づいて、lipid Aを非誘導型キュベットに被包する。その中で、lipid Aの疎水性側鎖がキュベットと結合し、親水の一端が外側に遊離させ、結合作用を発生するターゲットとする。 (2)クコアミンBの塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、琥珀酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のそれぞれ1mgを取りそれぞれにPBS(0.01 M,pH 7.4)1 mlを加えて十分に溶解させる。 (3)上記溶液の5 μlを予めlipid Aを被包した親和センサのキュベット(キュベットには45 μl PBSを含有する)にそれぞれ加えて、反応させる; (4)結合反応時間は3分間で、結合反応の曲線を記録する; (5)50 μl PBSでキュベットを三回洗い、分離曲線を記録する; (6)0.1 M HClでキュベットを三回洗い、再生曲線を記録する。15.2 実験結果:各種クコアミンBの塩は全てlipid Aと結合できた。結合反応の曲線を図1に示す。その中の図1AはクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩の実験結果であり、図1BはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、アスパラギン酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩の実験結果である。実施例16:クコアミンBの塩が体外でLPSを中和する実験。 16.1実験方法:32 Well Kinetic Tube Reader (ATi321-06) 内毒素測定器の取り扱い説明書に基づいて実験を行った。主に下記のステップを含む: (1)非発熱性水でクコアミンBの塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、琥珀酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩を20 μMの溶液にそれぞれ調製する。 (2)上記溶液100μlと同体積のLPS(0.25 ng/ml)とをそれぞれ混合した。同時に、対照群を設け、対照群は100μl非発熱性水と同体積のLPS(0.25 ng/ml)と混合したもので、37℃で30分間培養させた後、各群100 μlを取って、リムルス試薬溶液を含有する検知管にそれぞれ加え、32 Well Kinetic Tube Reader (ATi321-06) 細菌内毒素測定システムの取り扱い説明書に基づいて、キネティック濁度法で各群のLPS値を検査する。どの濃度も三回繰り返して検査する。 16.2 実験結果:各種クコアミンBの塩が全て体外でLPSを中和することができた。結果を図2に示す。その中の図2AはクコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩の実験結果であり、図2BはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、アスパラギン酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩の実験結果である。実施例17:クコアミンBの塩がLPSによるRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制する実験。 17.1実験方法: DMEM培養液でRAW 264.7細胞を1×106/mlまで希釈し、96ウェルプレート(200μl/ウェル)に加え、37°C、体積分数が5%であるCO2で4時間培養し、壁に付着させた後、細胞上澄み液が200 ml無血清のDMEM培養液であるものと交換し、その後LPS(終濃度は100 ng/ml)を加えるとともに、それぞれに終濃度が0、50、100、200 μMである各種クコアミンBの塩(クコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、塩酸塩、硫酸塩を含む)を加える。空白対照群(medium)にLPSを加えず、4時間続けて培養させ、上澄み液を取り、ELISAキットの取り扱い説明書に基づいてTNF-αの濃度を測定する。 17.2 実験結果:各種クコアミンBの塩はLPSによるRAW264.7細胞から炎症性メディエーターTNF-αの放出誘導することを抑制できる。実験結果を図3に示す。その中の図3AはクコアミンBのリンゴ酸塩の実験結果であり、図3BはクコアミンBの琥珀酸塩の実験結果であり、図3CはクコアミンBの乳酸塩の実験結果であり、図3DはクコアミンBの酒石酸塩の実験結果であり、図3EはクコアミンBのメタンスルホン酸塩の実験結果であり、図3FはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩の実験結果であり、図3GはクコアミンBのグルタミン酸塩の実験結果であり、図3HはクコアミンBの酢酸塩の実験結果であり、図3IはクコアミンBの塩酸塩の実験結果であり、図3JはクコアミンBの硫酸塩の実験結果である。実施例18:クコアミンBの塩がCpG DNAによるRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出を誘導することを抑制する実験。 18.1実験方法: DMEM培養液でRAW 264.7細胞を1×106/mlまで希釈し、96ウェルプレート(200μl/ウェル)に加え、37°C、体積分数が5%であるCO2で4時間培養し、壁に付着させた後、細胞上澄み液が200 ml無血清のDMEM培養液であるものと交換し、その後CpG DNA(終濃度は100 ng/ml)を加えるとともに、それぞれに終濃度が0、50、100、200 μMである各種クコアミンBの塩(クコアミンBのリンゴ酸塩、琥珀酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩、酢酸塩、塩酸塩、硫酸塩を含む)を加える。空白対照群(medium)にLPSを加えず、4時間続けて培養させ、上澄み液を取り、ELISAキットの取り扱い説明書に基づいてTNF-αの濃度を測定する 18.2 実験結果:各種クコアミンBの塩はCpG DNAによるRAW264.7細胞から炎症性メディエーターの放出誘導することを抑制できる。実験結果を図4に示す。その中の、図4AはクコアミンBのリンゴ酸塩の実験結果であり、図4BはクコアミンBの琥珀酸塩の実験結果であり、図4CはクコアミンBの乳酸塩の実験結果であり、図4DはクコアミンBの酒石酸塩の実験結果であり、図4EはクコアミンBのメタンスルホン酸塩の実験結果であり、図4FはクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩の実験結果であり、図4GはクコアミンBのグルタミン酸塩の実験結果であり、図4HはクコアミンBの酢酸塩の実験結果であり、図4IはクコアミンBの塩酸塩の実験結果であり、図4JはクコアミンBの硫酸塩の実験結果である。実施例19:クコアミンBの塩が膿毒症モデルマウスを保護する作用。 19.1実験方法:Balb/cマウス、19〜21g、雄雌各半分である。全部で120匹であり、ランダムで六つの群に分けられ、各群に20匹を有する。それぞれに対照群と、抗生物質薬物投与群と、抗生物質とクコアミンBの塩酸塩の薬物併用投与群と、抗生物質とクコアミンBのメタンスルホン酸塩の薬物併用投与群と、抗生物質とクコアミンBのp-トルエンスルホン酸塩の薬物併用投与群と、抗生物質とクコアミンBのベンゼンスルホン酸塩の薬物併用投与群とする。 マウスを麻酔機で麻酔させた。イソフルランの放出濃度が5%であり、混合ガスの圧力が1MPaであり、麻酔時間は約5分間である。盲腸の結紮穿孔手術(CLP)でマウスモデルする。具体的なステップは下記の通りである:マウスを仰向けにし、下腹部の皮膚をヨードフォアで消毒した後、腹部の白線の中点下0.3cmから下へ皮膚、筋層、腹膜を眼科剪刀で一層ずつ切る(切り目の長さが約0.8cmである)。筋層を眼科用ピンセットで挟み上げて、直視して眼科用ピンセットを用いて腹腔を診察し、盲腸末端を取出して腹壁外に置き、その後盲腸の末端から0.5cmのところで4番の縫合線で結紮する。結紮後、盲腸を12番針で1孔垂直穿刺し、そっと糞便を少し押し出して、最後に、盲腸を腹腔に取り戻して縫合する。対照群は尾静脈より0.2ml生理食塩水を注射され、投与群の抗生物質(アンピシリン)の投与量は80mg/kgであり、マウスモデルした4時間後、尾静脈より注射させる。クコアミンBの塩酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩の毎回投与量は全て2.5mg/kgであり、それぞれにマウスモデルした後0、4、12、20、28、36、44、52、60、68時間に尾静脈より注射させる。7日内に動物の一般状態及び死亡状況を観察し、対照群と投与群との間に生存差異を比較する。 19.2 実験結果:CLP対照群マウスの7日内の死亡率は95%であり、アンピシリン(80mg/kg)投与マウスの生存率は15%であり、クコアミンBの塩と抗生物質を併用投与させる場合、クコアミンBの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩は生存率を20%まで高め、クコアミンBのベンゼンスルホン酸塩は生存率を30%まで高め、クコアミンBのメタンスルホン酸塩は生存率を50%まで高める。この結果から、クコアミンBの塩酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩は膿毒症モデルマウスを保護する作用を有することが分かる。その中で、クコアミンBのメタンスルホン酸塩の効果は一番である。実験結果を図5に示す。 下記のステップを含むことを特徴とする、下記の化学構成を有するクコアミンBの塩を製造する方法。 式中、Aは、無酸素酸または酸素酸からなる無機酸、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸、又は酸性アミノ酸からなる有機酸である。(1)下記式で表される化合物Iと臭化水素酸とを100〜160℃で反応させて、化合物IIを生成するステップ。 化合物I:臭化水素酸の当量比が1:2〜5である。(2)化合物IIをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、反応システムをN,N-ジメチルホルムアミド溶液の環境に置き、炭酸カリウムと塩化ベンジルを加え、60〜100℃で反応させて化合物IIIを生成するステップ。 化合物II:炭酸カリウム:塩化ベンジルの当量比が1:3〜6:3〜5である。(3)化合物IIIを水酸化ナトリウム溶液に加えたものに、メタノールを加え、反応システムをメタノール溶液の環境に置き、40〜90℃で反応させて化合物IVを生成するステップ。 化合物III:水酸化ナトリウムの当量比が1:1〜3である。(4)化合物IVをジクロロメタンに溶解してN,N-ジメチルホルムアミドを加え、反応システムをジクロロメタンとN,N-ジメチルホルムアミドとの混合液の環境に置き、塩化チオニルを加え、45〜65℃で反応させて化合物Vを生成するステップ。 化合物IV:塩化チオニルの当量比が1:1〜2である。(5)水酸化ナトリウム溶液を化合物VIに加えたものに、二炭酸ジ-tert-ブチルのエタノール溶液を加え、室温で反応させて化合物VIIを生成するステップ。 水酸化ナトリウム:化合物VI:二炭酸ジ-tert-ブチルの当量比が1〜2:1:0.5〜1である。(6)化合物VIIをメタノールに溶解し、反応システムをメタノール溶液の環境に置き、アクリロンのメタノール溶液を加え、室温で反応させて化合物VIIIを生成するステップ。 化合物VII:アクリロンの当量比が1:1〜2である。(7)化合物VIIIにテトラヒドロフランとトリエチルアミンを加え、反応システムをテトラヒドロフランとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、クロロギ酸ベンジルのテトラヒドロフラン溶液を加え、室温で反応させて化合物IXを生成するステップ。 化合物VIII:クロロギ酸ベンジルの当量比が1:1〜2である。(8)化合物IXをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでアンモニア飽和メタノール溶液を加え、化合物IX質量の10〜50%に相当するレーニーニッケルを加え、換気し、システムを1〜10MPa水素ガス雰囲気に置き、35〜50℃で反応させて化合物Xを生成するステップ。(9)化合物Xをジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをジクロロメタンとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、0℃以下で化合物Vのジクロロメタン溶液をそれに加えて、化合物XIを反応生成するステップ。 化合物X:化合物Vの当量比が1:1〜1.5である。(10)化合物XIをジクロロメタンに溶解し、反応システムをジクロロメタン溶液の環境に置き、トリフルオロ酢酸を加え、室温で反応させて化合物XIIを生成するステップ。 化合物XI:トリフルオロ酢酸の当量比が1:2〜5である。(11)化合物XIIをメタノールに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをメタノールとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、50〜80℃まで昇温し、アクリロンのメタノール溶液を加え、室温まで降温して化合物XIIIを生成するステップ。 化合物XII:アクリロンの当量比が1:1〜2である。(12)化合物XIIIをジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミンを加え、反応システムをジクロロメタンとトリエチルアミンとの混合溶液の環境に置き、0℃以下で化合物Vのジクロロメタン溶液をそれに加えて、化合物XIVを反応生成するステップ。 化合物XIII:化合物Vの当量比が1:1〜1.5である。(13)化合物XIVをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでアンモニアのメタノール溶液とテトラヒドロフランとの混合溶液を加え、反応システムを該溶液環境に置き、化合物XIV質量の10〜50%に相当するレーニーニッケルを加え、換気し、システムを1〜10MPa水素ガス雰囲気に置き、35〜50℃で反応させて化合物XVを生成するステップ。(14)化合物XVと酸とをオートクレーブに置き、完全に溶解するまでメタノールと、テトラヒドロフランと、水との混合溶液を加え、反応システムを該溶液環境に置き、化合物XV質量の10〜30%に相当するパラジウム炭素を加え、換気し、反応システムを1〜10MPa水素ガス雰囲気に置き、25〜45℃で反応させて、クコアミンBの塩を生成するステップ。 化合物XV:酸の当量比が1:1〜8である。 前記無酸素酸が塩酸と臭化水素酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記酸素酸が硫酸、リン酸、硝酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記無機酸が塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記カルボン酸が酢酸、プロパン酸、ブタン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、アジピン酸、安息香酸、フェニルプロピオン酸、ケイ皮酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、フマル酸、ニコチン酸、パルミチン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記ヒドロキシ酸がリンゴ酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシブチル酸、ラクトビオン酸、酒石酸、マンデル酸、グルコン酸、グルクロン酸、アスコルビン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記スルホン酸がメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、樟脳スルホン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記酸性アミノ酸がグルタミン酸、アスパラギン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記有機酸が酢酸、マレイン酸、琥珀酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の方法。


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