生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_骨増殖を変化させるための化合物及び方法
出願番号:2011505130
年次:2011
IPC分類:A61K 31/53,A61P 19/08,A61P 19/10,A61P 1/02,A61P 19/02,A61L 27/00,A61K 45/00,A61P 43/00,C07D 255/02


特許情報キャッシュ

エリーズ,デブラ ローゼンバーグ,ウィリアム JP 2011518169 公表特許公報(A) 20110623 2011505130 20090414 骨増殖を変化させるための化合物及び方法 オステオジェネックス インコーポレイティド 510273547 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 渡辺 陽一 100117019 中島 勝 100141977 石津 縁 100160727 エリーズ,デブラ ローゼンバーグ,ウィリアム US 61/045,149 20080415 A61K 31/53 20060101AFI20110527BHJP A61P 19/08 20060101ALI20110527BHJP A61P 19/10 20060101ALI20110527BHJP A61P 1/02 20060101ALI20110527BHJP A61P 19/02 20060101ALI20110527BHJP A61L 27/00 20060101ALI20110527BHJP A61K 45/00 20060101ALI20110527BHJP A61P 43/00 20060101ALI20110527BHJP C07D 255/02 20060101ALN20110527BHJP JPA61K31/53A61P19/08A61P19/10A61P1/02A61P19/02A61L27/00 FA61L27/00 JA61L27/00 HA61K45/00A61P43/00 107A61P43/00 121C07D255/02 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2009040497 20090414 WO2009129225 20091022 26 20101214 4C081 4C084 4C086 4C081AB02 4C081AB03 4C081AB04 4C081AB05 4C081AB06 4C081BA12 4C081BA13 4C081CA022 4C081CD122 4C081CE02 4C081CF012 4C081CF022 4C081CF032 4C081CF042 4C081DA01 4C084AA19 4C084MA02 4C084NA14 4C084ZA96 4C084ZA97 4C084ZB22 4C084ZC75 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC64 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA96 4C086ZA97 4C086ZB22 4C086ZC75 関連出願の相互参照 本出願は、2008年4月15日に出願された、米国出願第61/045,149号の優先権を主張し、これは全ての目的のために、その全体が本明細書に組み込まれる。 哺乳類における、単純な加齢、骨変性及び骨粗鬆症、骨折治癒、融合、又は関節固定、骨形成不全症等の広範におよぶ異質な障害の治療のために、並びにネジ、ロッド、脊椎融合のためのチタンケージ、股関節、膝関節、足関節、肩関節、義歯床及びロッド等の様々な整形外科的及び歯周的医療移植物の設置の成功のために、骨形成が示唆されることは周知である。 カテプシンK阻害剤及びTGFベータ結合タンパク質等を用いる、骨減少、骨折、骨粗鬆症、関節炎、腫瘍転移、パジェット病、及びその他の代謝性骨障害等の増加した骨吸収により、少なくとも部分的に特徴付けられる症状を治療する、骨鉱化作用の増加は、Selwyn Aubrey Stochに、2004年11月25日公開された、米国公報第2004/0235728号、及びMary E. Brunkow等による米国特許第6,489,445号、及び2004年1月15日に公開された、米国公報第2004/0009535号により示されるように、周知である。Brunkow '535公報、及び'455特許において、TGFベータ結合タンパク質には、TGFベータ結合タンパク質スクレロスチン(sclerostin)とTGFベータスーパーファミリーメンバー、特に骨形態形成タンパク質との間の相互作用を干渉する、Sostポリペプチド(全長及び短ペプチド)抗体がある。上記の全ての疾患は、骨鉱物の全身的損失に起因するので、抗体療法の投与は、骨鉱物密度の全身的(体全体の)増加のためのものである。 Brunkow '535公報、及び'455特許において、結合タンパク質は、好ましくは、少なくとも1つのヒト骨形態形成タンパク質(BMP)、BMP−5及びBMP−6に特異的に結合する。 Brunkowの米国特許第6,395,511号は、ヒトTGFベータ結合タンパク質の新規ファミリー及びそれをコードする核酸を教示する。当該タンパク質は、少なくともヒト骨形態形成タンパク質−5及びヒト骨形態形成タンパク質−6に結合する。 硬結性骨化症は、進行性硬化性骨形成異常である。スクレロスチン(Sost遺伝子)は、もともと、硬結性骨化症原因遺伝子として同定された。スクレロスチンは、マウス胚の成長する骨において活発に発現した。スクレロスチンの断続的発現は、膜内形成頭蓋骨及び軟骨内形成長骨の両方の表面上に局在した。スクレロスチンの生理学的役割は、まだ解明されていない。しかしながら、Sostにおける機能変異の損失は、骨異常増殖により特徴付けられる希少な骨形成異常の原因である。 2006年7月27日に公開された米国公報第2006/0165799号は、骨形成及び骨癒合を刺激するための、生体適合硫酸カルシウム及び粘性を有する生体高分子を含んでなる、骨充填組成物を教示する。当該組成物は、周囲器官へ拡散することなく、損傷骨の欠失部分へ容易に投与されることが意図される。 1999年に通知された米国特許第5,939,039号では、自己固定型セメント又はペーストを形成するために使用できる、特有のリン酸カルシウム前駆体鉱物を産生するプロセスを教示する。体内に設置されると、これらのリン酸カルシウムセメント(CPC)は、再吸収され、且つ骨に再構築(変換)されることになる。 例えば、'039特許に従って調製したリン酸カルシウム粒子は、リン酸カルシウムの使用のために知られる整形外科的又は歯科的な任意の手法;骨充填欠陥修繕、腫瘍学的欠陥充填、頭蓋上顎顔面(craniomaxillofacial)空間充填、及び再構成、歯科的抜歯部位充填、で使用できる。 2006年9月7日に公開されたCarl Alexander DePaulaの米国公報第2006/0198863号は、骨欠陥充填のための形成可能な(formable)セラミック組成物に関する。当該組成物は、ハイドロゲル担体含有クエン酸バッファと混合した、粒子サイズ約40ミクロン〜500ミクロンのセラミックベータリン酸三カルシウム粒子を含んでなる。当該組成物は、pH7.0〜7.8であり、且つ組成物中の担体のハイドロゲル成分の範囲は約1.0〜5.0%である。 WiseとSOSTは、緊密に関連するファミリーメンバーであることが理解される(Ellies et al., JBMR 2006 Nov;21(11):1738-49)。当業者は、Wise欠損変異マウスが骨表現型を呈することを知っている(2005年、Nashville,TNでのAmerican Society of Bone Mineral Researchミーティングでの基調講演、State of the Art lectures, an embryonic source of skeletal tissue、Patterning Craniofacial Development;Robb Krumlauf, Ph.D., Stowers Institute for Medical Research, Kansas City, Missouri, USAによる)。 2005年11月17日に公開されたVigneryの米国公報第2005/025604号は、骨芽細胞活性の増加、及び骨同化剤の全身血液濃度の上昇、例えば再吸収阻害剤の全身血液濃度の情報等の、機能的に形成される骨の誘導を示す。 最終的に、Yanagita, Modulator of bone morphogenic protein activity in the progression of kidney diseases, Kidney Int., Vol. 70, No. 6 (2006) 989-93が、Usag−1(別名「Wise」)がBMP阻害によるシスプラチン発作から腎臓を保護することを示している。Yanagita, Uterine sensitization-associated gene-1 (USAG-1), a novel antagonist expressed in the kidney, accelerates tubular injury, J. Clin. Invest., Vol. 116, No. 1 (2005) 70-9, Yanagita, BMP antagonists: their roles in development and involvement in pathophysiology, Cytokine Growth Factor Rev., Vol 16, No. 3 (2005) 309-17, and Yanagita, USAG-1: a bone morphogenic protein antagonist abundantly expressed in the kidney, Biochem. Biophys. Res. Commun., Vol. 316, No. 2 (2004) 490-500も参照されたい。 当該技術分野で必要とされるものは、上記、及びその他の骨障害を治療するための新規な方法である。驚くべきことに、本発明は、この必要性及びその他の必要性を満たすものである。 ある実施態様によれば、本発明は、医薬として許容される賦形剤、及び式I(式中、R1及びR2は、各々、Hである)の化合物を含む、医薬組成物を提供する。Xは、C1-6アルキレンである。R3は、H、−OR4、−OC(O)R4、−OC(O)NR4R5、−OC(O)OR4、−OP(O)(OR4)2及び−OC(O)(CH2)2C(O)OHである。R4及びR5は、各々独立に、H及びC1-20アルキルである。当該化合物には、化合物の塩、水和物、及び異性体も含まれる。 第二の実施態様によれば、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することによる、当該対象における骨増殖の促進方法を提供する。 第三の実施態様によれば、本発明は、式Iの化合物の治療有効量を、腎損傷に罹患する対象に投与することにより、腎損傷の治療方法を提供する。 第四の実施態様によれば、本発明は、構造支持体から形成される、整形外科的又は歯周的医療装置を提供し、ここで当該構造支持体の移植可能部分は、対象内に永続的に移植されるよう適合され、ここで当該移植可能部分は骨に付加し、当該支持体は、本発明の化合物を含む少なくとも部分的な外部被覆を有する。図1は、骨増殖を促進させるためのWnt経路を調節するOGX−21化合物を示す。図2は、マウス中、OGX−21が10mg/kg(A)、20mg/kg(B)、及び30mg/kg(C)での食塩水コントロールに対する脛長骨量増加の変化割合を示す。図3は、マウス中、OGX−21が10mg/kg(L)、20mg/kg(M)、及び30mg/kg(H)での食塩水コントロールに対する椎長骨量増加の変化割合を示す。図4は、マウス中、OGX−21が、10mg/kg(A)で2%、20mg/kg(B)で28%、及び30mg/kg(C)で15%のベースライン超の、血清オステオカルシンの増加割合を示す。I.一般 本発明は、対象における骨増殖を促進するための化合物、組成物及び方法を包含する。本発明の化合物は、SOST(スクレロスチン)、及びWnt経路を調節するWiseアンタゴニストである。Wnt経路の調節により、本発明の化合物及び組成物は、骨増殖を促進する。当該骨増殖は、全身的骨増殖であっても、又は局所的骨増殖であってもよい。本発明の化合物及び組成物は、局所的又は全身的に投与されてよい。本発明はまた、本発明の化合物及び組成物を送達するための移植可能な装置を提供する。本発明の化合物及び組成物はまた、腎損傷を治療するために作用する。II.定義 本明細書で使用される場合、「医薬賦形剤」なる用語は、活性剤の投与、及び対象からの吸収を補助する物質のことを言う。本発明において有用な医薬賦形剤には、限定するものではないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、被覆剤、甘味剤、香味料、及び着色料がある。当業者は、他の医薬賦形剤が本発明に有用であることを認識するはずである。 本明細書で使用される場合、「アルキル」なる用語は、指示される炭素原子数を有する、直鎖型又は分岐型で、飽和型の脂肪族の基である。例えば、C1−C6アルキルには、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等がある。 アルキレンは、1〜7個の炭素原子の、直鎖型又は分岐型いずれかのアルキレン、すなわち、1〜7個の炭素原子の二価炭化水素基を意味し、;例えば、直鎖アルキレンは、式−(CH2)n;(式中、nは、1、2、3、4、5、6又は7である)の二価の基である。好ましくは、アルキレンは、1〜4個の炭素原子の直鎖アルキレンを意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、又はブチレン鎖、又はC1−C3アルキル(好ましくはメチル)で一置換されるか、もしくはC1−C3アルキル(好ましくはメチル)で、同じかもしくは異なる炭素原子上で二置換される、メチレン、エチレン、プロピレン、又はブチレン鎖であり、炭素原子の総数は最大7個である。 本明細書で使用される場合、「塩」なる用語は、本発明の方法で使用される化合物の、酸性又は塩基性の塩のことを言う。医薬として許容される塩の例示的な例は、無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸等)塩、有機酸(酢酸、プロピオン酸、グルタミン酸、クエン酸等)塩、四級アンモニウム(ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等)塩である。医薬として許容される塩は非毒性であると解される。好適な医薬として許容される塩についてのさらなる情報は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985に記載があり、これは参照により組み込まれる。 本発明の酸性化合物の医薬として許容される塩は、塩基、特にナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ及びアルカリ土類金属塩等、アンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム及びトリス(ヒドロキメチル)メチルアンモニウム塩等のカチオン性塩で形成される塩である。 同様に、無機酸、有機カルボン酸、及び有機スルホン酸等の酸付加塩、例えば、塩酸、メタンスルホン酸、マレイン酸も、ピリジル等の塩基性基を提供することができ、構造の部分を構成する。 化合物の中性型は、塩基又は酸と塩を接触させ、且つ従来的手法で親化合物を単離することにより再生できる。化合物の親形態は、極性溶媒中の溶解性頭の特定の物理的特性の点で、様々な塩形態とは異なるが、それ以外は、当該塩は、本発明の目的のための化合物の親形態と同等である。 本明細書で使用される場合、「水和物」なる用語は、少なくとも1分子の水と錯体形成した化合物のことを言う。本発明の化合物は、1〜10分子の水と錯体形成できる。 本発明の特定の化合物は、不斉炭素(光学中心)か、又は二重結合を有し、ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、及び個別の異性体は、本発明の範囲内に全て含まれることが意図される。 本明細書で使用される場合、「対象」なる用語は、限定するものではないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等の哺乳類等の動物のことを言う。特定の実施態様によれば、当該対象はヒトである。 本明細書で使用される場合、「治療有効量又は用量」又は「治療十分量又は用量」又は「有効又は十分量又は用量」なる用語は、投与されるための治療効果を生み出す用量のことを言う。正確な用量は治療の目的に依存することになり、且つ既知の技術(例えば、Lieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols. 1-3, 1992); Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999); Pickar, Dosage Calculations (1999); and Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, 2003, Gennaro, Ed., Lippincott, Williams & Wilkinsを参照されたい)を用いて、当業者が解明できる。感作細胞において、治療有効用量は、非感作細胞についての従来的な治療有効用量より低いことがしばしばあり得る。 本明細書で使用される場合、「カルシウム塩」なる用語は、カルシウム含有塩のことを言う。カルシウム塩の例には、限定するものではないが、酢酸カルシウム、アルミン酸カルシウム、アルミノケイ酸カルシウム、ヒ酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、臭化カルシウム、炭化カルシウム、炭酸カルシウム、塩素酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、カルシウムシアナミド、二水素リン酸カルシウム、フッ化カルシウム、ギ酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルコヘプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセリンリン酸カルシウム、六ホウ化カルシウム、水素化カルシウム、水酸化カルシウム、次亜塩素酸カルシウム、イノシン酸カルシウム、ヨウ素酸カルシウム、ヨウ化カルシウム、乳酸カルシウム、乳酸グルコン酸カルシウム、酢酸カルシウムマグネシウム、リンゴ酸カルシウム、硝酸カルシウム、窒化カルシウム、シュウ酸カルシウム、酸化カルシウム、パンガミン酸カルシウム、過酸化カルシウム、リン酸カルシウム、リン化カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ化カルシウム、カルシウムソルベート、ステアリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫化カルシウム、酒石酸カルシウム、塩化カルシウム(I)、クエン酸二カルシウム、リン酸二カルシウム、ヘプタアルミン酸ドデカカルシウム、アルミン酸三カルシウム、リン酸三カルシウム、及び過リン酸塩がある。当業者は、他のカルシウム塩が、本発明において有用である。 本明細書で使用される場合、「損傷又は局所症状」なる用語は、本発明の方法による治療の必要がある、対象の身体における特定の部位のことを言う。例えば、損傷は骨折であってよく、そして局所症状は疾患状態(例えば、骨粗鬆症等)であり、特定の骨、関節、指、手、足、四肢、脊椎、頭部、胴等の対象の身体における特定の部位に限定される。 本明細書で使用される場合、「骨増殖促進」なる用語は、新規骨増殖の刺激、骨密度の増加、又は骨鉱物含量のことを言う。 本明細書で使用される場合、「関節固定」なる用語は、2つの骨間の関節固定の、しばしば外科手術を介する人工的な誘導のことを言う。関節固定は、特に、骨移植片、金属移植物、又は合成骨代替物の使用を介して達成できる。 本明細書で使用される場合、「骨自家移植片」なる用語は、対象自身の骨を移植することを言う。 本明細書で使用される場合、「骨同種移植片」なる用語は、ある対象から別の対象に骨を移植することを言う。 本明細書で使用される場合、「再吸収阻害薬」なる用語は、骨の吸収を遅延又は遮断する薬物のことを言う。 本明細書で使用される場合、「骨量低下により特徴付けられる骨関連疾患」なる用語は、−1未満のTスコアを有する骨のことを言う。量低下を決定する他の方法は、当業者に既知である。 本明細書で使用される場合、「骨折」なる用語は、割れるか、又は破壊された骨のことを言う。 本明細書で使用される場合、「脊椎固定術」なる用語は、2以上の椎骨を組み合わせるための外科的技術のことを言う。 本明細書で使用される場合、「構造支持体」なる用語は、対象において移植可能であり得る装置の部分(移植可能部分)のことを言う。構造支持体なる用語は、様々な異なる物質、例えば金属、セラミック、高分子、及び以下に記載されるような無機物質から調製できる。当該構造支持体は、骨増殖を促進する様々な物質で被覆できる。 本明細書で使用される場合、「外部被覆」なる用語は、構造支持体の部分だけを被覆できる(部分的な外部被覆)か、又は構造支持体全体を被覆できる、構造支持体の被覆のことを言う。例えば、当該部分的外部被覆は、構造支持体の移植可能な部分だけを完全に被覆できる。 本明細書で使用される場合、「弱まった骨」なる用語は、−0.5未満のTスコア(0.8g/cm2未満)である骨のことを言う。 本明細書で使用される場合、「脱鉱物骨」なる用語は、カルシウム及びリン酸塩が除去された骨のことを言う。残存物質は、マトリックス中に含有された骨誘導タンパク質を含む。これらのタンパク質には、新規な骨形成を誘導する骨形態形成タンパク質がある。脱鉱物骨は、多くの場合、「脱鉱物骨マトリックス(DBM)」の形態となる。DBMは、新鮮凍結又は凍結乾燥バルク骨同種移植片により作製しても、又は鉱物相、脱離コラーゲン、増殖因子、及び骨誘導の内因的特性を提供する非コラーゲンタンパク質を除去する死体骨の穏やかな酸抽出から作製されてもよい。DBMはまた、外科医により所望される最適な操作特性を提供する担体と混合される粉末を最終的にもたらす、様々な方法で加工されてよい。DBMは、ゲル、ペースト、パテ、及び外科的手法の必要性を満たすよう仕立てられる布において臨床的に利用可能である。DBMには、外科的手法の前に抗生物質を混合されるものもある。 本明細書で使用される場合、「腎損傷」なる用語は、老廃物を排泄し、且つ身体の電解質バランスの維持を助ける腎臓の不能のことを言う。腎損傷は、以下のいくつかにより特徴づけられ、特に、高血圧、尿素の蓄積、及び尿素露の形成、血液中へのカリウムの蓄積、エリスロポエチン合成の減少、流体量の増加、高リン血症、及び代謝アシドーシスがある。 本明細書で使用される場合、「骨誘導マトリックス」なる用語は、骨誘導物質として作用でき、且つその上で浸潤細胞が付加、増殖、及び類骨作製、骨新生になる骨有機相、又は新規骨形成のプロセスへ参加する足場構造を有する物質のことを言う。マトリックス又は足場は、骨形成に関与する特定の細胞事象が起きる3次元形態を内因的に有する構造的成分又は基質を意味する。骨誘導マトリックスは、宿主毛細血管、血管周囲組織、及び前骨芽細胞の部分成長を可能にする。骨誘導マトリックスにはまた、刺激により骨形成潜在力を提供し、新規な骨を構築するための骨誘導剤がある。 本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」及び「治療」なる用語は、客観的又は主観的パラメータ、例えば、軽減;寛解;症候、又は患者にとってより耐えられる症候、損傷、病因もしくは症状の発生の縮小;症候又は症状の頻度又は期間の低減を含む、損傷、病因、症状、又は症候(例えば、疼痛)の治療又は改善における成功の任意の兆候、又はある状況においては、症候又は症状の発症の予防のことを言う。症候の治療又は改善は、任意の客観的又は主観的パラメータ、例えば身体検査の結果に基づくことができる。 本明細書で使用される場合、「RankL阻害剤」なる用語は、RankLの活性を阻害する化合物又は剤のことを言う。RankL(核因子κBリガンドのための受容体活性因子)は、破骨細胞の活性化による骨代謝において重要である。RankL阻害因子には、限定するものではないが、ヒトモノクローナル抗体デノスマブがある。当業者は、本発明において他のRankL阻害剤が有用であることを理解するはずである。III.化合物 本発明の方法において有用な化合物には、トリアジン及びトリアジン誘導体がある。ある実施態様によれば、本発明の化合物は、式I:(式中、R1及びR2は、各々、H及びC1-6アルキルである)を有する。Xは、C1-6アルキレンである。R3は、H、−OR4、−OC(O)R4、−OC(O)NR4R5、−OC(O)OR4、−OP(O)(OR4)2及び−OC(O)(CH2)2C(O)OHである。R4及びR5は、各々独立に、H及びC1-20アルキルである。当該化合物には、化合物の塩、水和物、及び異性体も含まれる。 他の実施態様によれば、R1及びR2は、各々Hであり、且つR3は、−OH、−OMe、−OC(O)OMe、−OC(O)NH2、−OC(O)NHMe、−OC(O)NMe2、OC(O)OMe、−OP(O)(OH)、−OP(O)(OMe)(OH)、−OP(O)(OMe)2、及び−OC(O)(CH2)2C(O)OHである。あるその他の実施態様によれば、Xは−CH2CH2−である。さらに他の実施態様によれば、R3はOR4である。さらに他の実施態様によれば、R3はOHである。さらに他の実施態様によれば、化合物は、以下のものである。 本発明の化合物には、塩、水和物、溶媒和物、及びプロドラッグ形態がある。異性体及び代謝物はまた、本発明の方法において有用である。 本発明の化合物は、当業者に既知の様々な方法により作製してよい。ある実施態様によれば、本発明の化合物は、既知の方法を用いて、5−アザブロモウラシルから作製できる(J. Med. Chem. 1977, 20, 475)。当業者は、化合物を作製する他の方法は、本発明において有用であることを理解するはずである。IV.投与 ある実施態様によれば、本発明は、医薬として許容される賦形剤、及び式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。他の実施態様によれば、医薬組成物は、R1及びR2が、各々Hであり、且つR3は、−OH、−OMe、−OC(O)OMe、−OC(O)NH2、−OC(O)NHMe、−OC(O)NMe2、OC(O)OMe、−OP(O)(OH)、−OP(O)(OMe)(OH)、−OP(O)(OMe)2、及び−OC(O)(CH2)2C(O)OHである、化合物を含む。ある他の実施態様によれば、Xは−CH2CH2−である。さらに他の実施態様によれば、R3はOR4である。さらに他の実施態様によれば、R3はOHである。さらに他の実施態様によれば、化合物は、以下のものである。 本発明の化合物及び組成物は、局所的又は全身的に投与できる。A.局所送達 骨形成のための、本発明の化合物の移植の成功には、インビボ(in vivo)での投与部位で化合物の維持ができる、好適な担体物質と、化合物の結合が必要である。当該担体は、生体適合性、マトリックス、インビボ生物分解性、及び細胞浸潤が十分可能な多孔性であってよい。 Sost又はWiseアンタゴニストは、好適な送達又は支持システム(マトリックス)との複合状態での臨床的投与に有用である。本明細書に記載されるように、当該マトリックスは、Sost又はWiseアンタゴニストと組み合わせられ、哺乳類の身体において、骨形成を確実且つ再現性良く誘導することができる。好ましくは、マトリックスには、多孔性物質の粒子が含まれる。当該孔は、マトリックスへの先祖細胞遊走、そしてその後の分化及び増殖を可能にする大きさであることが好ましい。粒子サイズの範囲は、70um〜850um、好ましくは70um〜420um、最も好ましくは150um〜420umがあり得る。それは、骨欠陥にかかる形状に粒子状物質を緊密に包装するか、又はそうでなければ、生体適合性、好ましくはインビボでの生物分解性である所望の物質として構築して、遊走先祖細胞のリクルートメント用の「一時的足場」及び基底層として、及びその後のそれらのアンカリング及び増殖の基材として提供することにより、加工することができる。 ある実施態様によれば、当該マトリックスは、骨誘導マトリックスがあり得る。骨誘導マトリックスには、骨誘導剤、及び任意に、構造支持体を含むことができる。骨誘導剤は、骨同種移植片、骨自家移植片、脱鉱物骨、又は歯周靱帯細胞があり得る。また、骨誘導マトリックスには、カルシウム塩、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸カルシウムセメント、ヒドロキシアパタイト、サンゴ系のヒドロキシアパタイト(HA)、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(TCP)、炭酸カルシウム、コラーゲン、焼石膏、ホスホホリン(phosphophoryn)、ホウケイ酸塩、生体適合性セラミック、リン酸カルシウムセラミック、及びポリテトラフルオロエチレンがあり得る。 他の有用なマトリックス物質には、例えば、コラーゲン;グリコール酸、乳酸、及び酪酸のホモポリマー又はコポリマー、例えばその誘導体;及びセラミックス、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、及びその他のリン酸カルシウム、及び硫酸カルシウムがある。本発明において有用な他のマトリクスには、限定するものではないが、Kryptonite bone cement(Doctors Research Group, Oxford, CT)、及びGenex bone graft(Biocomposites, Wilmington, NC)がある。これらのマトリックス物質の組合せも有用であり得る。 SOSTアンタゴニスト候補が担体中に送達されると、コントロール溶液は、理想的には担体不存在SOSTアンタゴニスト候補である。SOSTアンタゴニスト候補の複数投与を、試験動物に、好ましくは既定の投与スケジュールに従って投与してよい。当該投与スケジュールは、数日の期間にわたり、より好ましくは数週間の期間にわたる可能性がある。B.全身送達 例示的な実施態様によれば、SOSTアンタゴニスト候補のインサイチュ(in situ)局所注入は試験動物に行われ、コントロール動物には等量のSOSTアンタゴニスト候補不存在のコントロール溶液を投与する。好適な投薬は、試験される特定のSOSTアンタゴニスト候補の性質に依存することになる。例として、投与において、全身的注入は、静脈内、皮下、又は筋肉内からの使用も可能であることに留意すべきである。噴霧吸入、目薬、又は経口摂取により行われる投与は、全身的注入を用いて到達されるものと類似するSOSTアンタゴニスト候補の血中濃度を提供するために十分な量であるべきである。噴霧吸入、目薬、又は経口摂取により送達され、これらの濃度に到達させるSOSTアンタゴニスト候補の量は、阻害剤sedの性質に依存し、且つ日常の実験により決定できる。 本発明の方法を用いて治療される個体は、任意の哺乳類であってよく、例えば骨の局所増加は、骨折治癒、癒合(関節固定)、整形外科的再構築、及び歯周的修繕のために使用できる。骨の全身的増加は、骨量低下、すなわち、骨粗鬆症の治療用となるはずである。かかる個体には、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、又はヤギ、特に商業的に重要な動物、又は家庭用動物、より好ましくはヒトが含まれる。 治療的使用において、SOSTアンタゴニストは、一般的に、アンタゴニスト及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物の形態であることになる。医薬として許容される担体は、当該技術分野において周知であり、且つ、生理学的緩衝化食塩水又はその他のバッファ等の水性溶液、又はグリコール、グリセロール、オリーブ油等の油、又は注射用有機エステル等の溶媒又はビヒクルを含む。医薬として許容される担体の選択は、部分的にはSOSTアンタゴニストの化学的性質に依存するはずである。 医薬として許容される担体には、例えば、作用して、SOSTアンタゴニストを安定化させるか、又はその吸収を増加させる、生理学的に許容される化合物、又は上記の他の賦形剤が含まれてよい。生理学的に許容される化合物には、例えば、グルコース、スクロース、又はデキストラン等の炭水化物、アスコルビン酸又はグルタチオン等の抗酸化剤、キレート剤、低分子量タンパク質、又はその他の安定化剤、又は賦形剤が含まれる。当業者は、医薬として許容される担体、例えば、生理学的に許容される化合物の選択は、例えばSOSTアンタゴニストの投与経路、及びその特定の生理化学的特徴に依存することを知っているはずである。 一般的に、かかる担体は、使用される投薬量及び濃度で受容者に無毒性であるべきである。通常は、かかる組成物の調製には、治療剤を、バッファ、アスコルビン酸等の抗酸化剤、低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、グルコース、マルトース、スクロース又はデキストリン等の炭水化物、EDTA等のキレート剤、グルタチオン、及びその他の安定化剤及び賦形剤と組み合わせることが必要である。中性緩衝化食塩水又は非特異的血清アルブミンと混合した食塩水は、例示的な適切な希釈剤である。 本発明の医薬組成物は、様々な異なる経路による投与用に調製できる。一般的に、担体の種類は、投与様式に基づいて選択される。医薬組成物は、任意の適切な投与手順用の製剤化でき、例えば局所、経口、経鼻、鞘内、経直腸、経膣、舌下、又は非経口投与、例えば、皮下、静脈内、筋肉内、胴内、空洞内(intracavernous)、又は管内、又は尿道内の注射又は注入がある。医薬組成物(例えば、経口投与、又は注射による送達用)は、液体の形態があり得る(例えば、エリキシル、シロップ、溶液、エマルション、又は懸濁物)。液体医薬組成物は、例えば、以下の1又は複数を含んでよく、注射用水、食塩水、好ましくは生理食塩水、リンガー溶液、等張塩化ナトリウム、溶媒又は懸濁媒体として機能できる固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又はその他の溶媒等の滅菌希釈剤;キレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩、及び塩化ナトリウム又はデキストロース等の浸透圧(tonicity)調整用の剤等のバッファである。非経口調製物は、アンプル、ディスポーザブルシリンジ、又はガラスもしくはプラスティック製の複数投与バイアルに封入されてよい。生理食塩水の使用が好ましく、注射用医薬組成物は好ましくは滅菌される。 本発明の方法には、他の医薬、例えば抗生物質、静菌剤、及び抗炎症剤等のカクテル中の、SOSTアンタゴニストの適用が含まれる。あるいは、当該方法は、SOSTアンタゴニスト及び1又は複数の追加の医薬を用いて、治療計画を最適化する、罹患する個体の段階的投与を含んでもよい。かかる最適化計画において、顆粒化阻害剤等の医薬は、任意の順序、且つ任意の組合せで適用できる。 本発明のSOST、Wise、又はLRPアンタゴニストは、単回投与後の、持続治療用の遅延放出製剤に含まれてもよい。ある実施態様によれば、製剤は、ミクロスフェアの形態で調製される。当該ミクロスフェアは、生物分解性制御放出物質と共に、治療の要請に応じて、任意に追加の医薬と共に、SOSTアンタゴニストの同種マトリックスとして調製できる。ミクロスフェアは、好ましくは、浸潤及び/又は注射に適するサイズで調製され、且つ全身に注入され、又は治療部位に直接注入される。 本発明の製剤は、全身体の空間/空洞における投与に適しており、限定するものではないが、例えば、胸膜、腹膜、頭蓋、縦隔、心膜、滑液嚢もしくは嚢、硬膜、鞘内、眼球内、関節内、椎間板内、骨髄内、外脊髄等への投与がある。 遅延放出の実施態様には、生物分解性であり、及び/又は遅く溶解するポリマー性物質が含まれるものがある。かかるポリマー性物質には、ポリビニルピロリドン、低分子量及び中分子量のヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルスターチ、メタクリレートジビニルベンゼンカリウムコポリマー、ポリビニルアルコール、スターチ、スターチ誘導体、微結晶セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、及びセルロース誘導体、β−シクロデキストリン、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物)、グルカン、scierozlucan、マンナン、キサンタン、アルギン酸(alzinic acid)及びその誘導体、デキストリン誘導体、モノステアリン酸グリセリン、半合成グリセリド、パルミトステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、タルク、安息香酸ナトリウム、ホウ酸、及びコロイド状シリカがある。 本発明の遅延放出剤には、スターチ、アルファ化スターチ、リン酸カルシウム、マンニトール、乳糖、サッカロース、グルコース、ソルビトール、微結晶セルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、スターチ溶液、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガカントゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、コロイド状シリカ、モノステアリン酸グリセリン、水素化ヒマシ油、ワックス、及び一置換、二置換及び三置換グリセリドが含まれてよい。遅延放出剤は、WO94/06416に一般的に記載されるように調製してもよい。 個体に投与されるSOST、Wise、又はLRPアンタゴニストの量は、部分的に、疾患及び/又は損傷の程度に依存することになる。診断的又は治療的手法のため、投与剤の有効量の決定方法は、当業者に周知であり、当該方法には、第I相、第II相、及び第III相臨床試験か、又はPilot及びPivotal試験(Pilot and Pivotal trials)(FDA装置承認手続(FDA device approval pathway))がある。一般的には、剤アンタゴニストは、全身的投与される場合、約0.01〜200mg/体重kgの用量で投与され、そして創傷部位に直接投与される場合、約0.1〜100μMの濃度で投与される。SOSTアンタゴニストの総量は、比較的短い期間にわたる、ボーラスとして、もしくは注入のいずれかで、単回投与として対象に投与できるか、又は分割された治療プロトコルを用いて投与されてもよく、ここで複数投与はより長期間にわたり投与される。当業者は、1又は複数の損傷領域へ有効量提供されることが必要な、特定のSOSTアンタゴニスト濃度は、対象の年齢及び総体的な健康、並びに投与経路、投与される治療回数、及びSOSTアンタゴニストの性質等の多くの因子に依存することを知っている。これらの因子により、当業者は、治療目的で、骨形成を有効に促進するための有効量を得るような特定用量を調節するはずである。 本発明の化合物は、当業者に既知の様々な異なる手法で製剤化され得る。医薬として許容される担体は、部分的には、投与される特定組成物により、及び当該組成物の投与に使用される特定の方法により決定される。従って、本発明の医薬組成物の広範に及ぶ好適な製剤が存在する(例えば、上記のRemington’s Pharmaceutical Sciences, 20th ed., 2003を参照されたい)。 経口投与に適する製剤は、(a)水、食塩水、又はPEG400等の希釈剤に懸濁される有効量の本発明の化合物等の、液体溶液;(b)液体、固体、顆粒、又はゼラチンとして、活性成分の既定量を各々含有する、カプセル、小袋(sachet)、デポー(depot)又は錠剤;(c)適切な液体中の懸濁物;(d)好適なエマルション;及び(e)パッチからから構成され得る。医薬形態には、1又は複数の、乳糖、スクロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、コーンスターチ、ポテトスターチ、微結晶セルロース、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びその他の賦形剤、着色剤、充填剤、結合剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤化剤、保存剤、香味剤、色素、崩壊剤、及び医薬として適合する担体があり得る。ロゼンジ形態は、例えば、スクロース等の香料中に活性成分を含むことができ、並びに香錠は、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアエマルション等の不活性基材に活性成分を含むことができ、又はゲル等は、活性成分に加えて、当業者に既知の担体を含有できる。 好ましくは医薬調製物は、単位投薬形態である。かかる形態において、調製物は、活性な構成成分の適切な量を含有する単位用量に再分割される。当該単位投薬単位は、包装された調製物、包装された錠剤、カプセル、及びバイアルもしくはアンプル中の粉末等の分離された量の調製物を含有する包装があり得る。また、当該単位投薬形態は、カプセル、錠剤、カシェ剤、又はロゼンジそれ自身があり得るか、又はそれは包装形態中に、適切な数のこれらのうちの任意のものがあってもよい。必要ならば、組成物は、その他の適合可能な治療剤を含有してもよい。好ましい医薬調製物は、持続放出製剤中の本発明の化合物を送達できる。 医薬調製物は、典型的に、ヒト及び非ヒト哺乳類を含む、哺乳類に送達される。本発明の方法を用いて治療される非ヒト哺乳類には、家庭用動物(すなわち、イヌ、ネコ、マウス(murine)、ネズミ(rodentia)、及びウサギ)及び農業用動物(ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ)がある。 本発明の方法の実践において、医薬組成物は、単独で使用されても、又はその他の治療剤もしくは診断剤と併用して使用されてもよい。本発明の併用プロトコルにおいて使用される追加の薬物は、別々に投与できてもよく、又は、併用プロトコルにおいて使用される1又は複数の薬物は、混合状態等で、一緒に投与されてもよい。1又は複数の薬物が、別々に投与される場合、各々の薬物の投与のタイミング及びスケジュールは変動し得る。治療剤又は診断剤は、本発明の化合物と同時に投与しても、別々に投与しても、又は異なる時間で投与してもよい。V.整形外科的及び歯周的装置 ある実施態様によれば、本発明は、構造支持体から形成される整形外科的又は歯周的医療装置を提供し、ここで構造支持体の移植可能部分は、対象内に永続的に移植されるよう適合され、ここで当該移植可能部分は骨に付加し、当該構造支持体は、本発明の化合物を含む少なくとも部分的な外部被覆を有する。 本発明の他の態様は、医療移植物に関する。かかる医療装置及び移植物には、例えば、以下の文献で教示される、軟骨内骨及び骨軟骨欠損の修繕のためのものと同じ方法を用いる骨形成装置及び方法があり、前記文献には、2006年8月10日に公開されたDavid Rueger等の米国特許出願公報第20060177475号、及び米国特許第6,190,880号、第5,344,654号、第5,324,819号、第5,468,845号、第6,949,251号、第6,426,332号、及び第5,656,593号、及び米国公報第2002/0169122号、第2002/0187104号、第2006/0252724号、及び第2007/0172479号(その主題は参照により本明細書に組み込まれる)がある。 これらの医療装置は、機械的に連動する骨及び/又は軟骨に選択的に適合化される、移植可能な部分を有する構造支持体を一般的に提供し、これは、例えば、2006年8月10日公開された、Joseph Vaccarino III等の米国公報第2006/0178752号(その主題は参照により本明細書に組み込まれる)に教示されている。これらの骨移植物は、好ましくは、少なくともその部分上に活性剤を含んでなる。2006年8月24日に公開された、John Dennis Bobynの米国公報第2006/0188542号(その主題は参照により本明細書に組み込まれる)に示される通り、活性剤は、好ましくは、持続放出で、又は少なくとも2相放出スキームで、骨近傍に局所的に送達可能であるように、移植物として製剤化される。後者は、第一相が、第一量の活性剤を放出し、且つ第二及びその後の相が、第二量の活性剤を徐々に放出し、それにより、活性剤により刺激される骨形成が調節される。 骨移植物等の医療装置は、インサイチュでのより迅速且つより完全な骨形成を促進する、Sostアンタゴニストを有する移植可能な部分を特徴とする。医療装置の移植可能部分は、少なくとも部分的に、又は全体的に、Sostアンタゴニストで被覆されるか、又はSostアンタゴニストで充満されてよい。ある実施態様によれば、当該外部被覆は、構造支持体の移植可能な部分を完全に被覆する。 あるその他の実施態様によれば、構造支持体の移植可能部分は、骨誘導マトリックスを含んでなる。当該マトリックス物質は、骨増殖誘導性であり得る。これは、歯及び人工骨移植片の一片等の物質が好ましい。あるいは、移植可能な片が耐荷重性であり、ステンレス鋼等から形成される場合、これらの移植可能片は、Sostアンタゴニスト被覆で形成される場合に好ましい可能性がある。その場合、新規な骨増殖形成誘導性の、分離したマトリックス物質を提供することも好ましい。 好適なマトリックスには、例えば、2006年8月24日に公開された、Takashi Saito等の米国公報第2006/0188544号(その主題は参照により本明細書に組み込まれる)に教示されるような、ホスホホリン及び/又はコラーゲン等を含むもの等、スポンジ様構造を有する複合生体材料を含んでなるものがある。かかる被覆には、例えば、2006年9月4日に公開された、Zongtao Zhang等の米国公報第2006/0204542号、及び米国特許第6,949,251号、第5,298,852号、第5,939,039号、及び第7,189,263号(その主題は参照により本明細書に組み込まれる)に教示される単層及び多層被覆があり、及びそこに教示される方法を含む従来方法により作製できる。 マトリックスは、本発明の装置の一部であり得る。他の実施態様によれば、骨誘導マトリックスには、骨同種移植片、骨自家移植片、脱鉱物骨、又は歯周靱帯細胞がある。あるその他の実施態様によれば、骨誘導マトリックスには、カルシウム塩、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸カルシウムセメント、ヒドロキシアパタイト、サンゴ系ヒドロキシアパタイト(HA)、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(TCP)、炭酸カルシウム、コラーゲン、焼石膏、ホスホホリン(phosphophoryn)、ホウケイ酸塩、生体適合性セラミック、リン酸カルシウムセラミック、及びポリテトラフルオロエチレンがある。当業者は、その他の骨誘導マトリックス及び骨誘導剤が、本発明において有用であること理解するはずである。VI.骨損失治療用化合物の同定のためのアッセイ 本発明方法において有用な化合物は、当業者に既知の様々な方法で同定できる。かかるアンタゴニストを同定するための複数の例示的な方法、例えば細胞ベース及びインビトロ(in vitro)法(Journal of Bone and Mineral Research 2006, 21(11), 1738-1749)を、本明細書に記載する。SOSTアンタゴニストを同定する一般的な方法には、制御条件下、アンタゴニスト候補が骨形成に与える影響を評価することが必要である。好ましい骨形成は、生動物で、マイクロ−CT法を用いて決定される。好ましい動物には、齧歯類、より好ましくは霊長類がある。大腿骨、脛骨、及び椎骨は、かかる研究の特に有用な対象である。 簡単に述べると、試験動物を、SOSTアンタゴニスト候補の既定用量で治療した。コントロール動物は、コントロール溶液、好ましくは、非刺激性バッファ溶液又はその他の担体で治療する。 投与スケジュールが完了すると、試験動物及びコントロール動物の両方を、骨形成の存在量を決定するために調べる。これは、任意の好適な方法で行うことができるが、好ましくは、生動物における、骨鉱物含量を分析して行う。動物における骨のマイクロ−CT検査方法は、当業者に周知である。SOSTアンタゴニストとしての使用に適するSOSTアンタゴニスト候補は、コントロール動物と比較して、試験動物における顕著な骨形成がないことにより同定される。試験動物の(1又は複数の)試験骨における骨形成は、コントロール動物の同じ骨に存在するものと比較して、0.5%、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900又は1000%の骨形成である。より好ましくは、骨形成は、20%、最も好ましくは30%、又は40%であり得る。必要ならば、骨形成レベルは、各動物に存在する骨形成の容量を決定することにより計算してよい。計算は、骨形成の3次元画像を構築し、そして組織形態計測等を利用して画像から容量を計算することにより行うことができる。 一般的な上記の分子モデリングの例は、CHARMm及びQUANTAプログラム(Polygen Corporation, Waltham, Mass)からなる。CHARMmは、エネルギー最小化及び分子動力学機能を行う。QUANTAは、構造グラフィックモデリング、及び分子構造解析を行う。QUANTAは、相互作用の構造、改変、視覚化、及び互いに分子挙動の解析を行うことができる。 SOSTアンタゴニストはまた、コンピュータ、又は選択された分子の3次元的原子構造の視覚化及び分子が相互作用するはずの新規な化合物の合理的設計を可能にする分子モデリングとして、既知のプロセスを用いて同定してよい。典型的に、3次元構造物は、X線結晶解析、又は選択された分子のNMR画像からのデータに依存する。分子動力学は、力場データを必要とする。コンピュータグラフィックシステムは、どのような化合物が標的分子と結合するかの予測が可能であり、且つ化合物及び標的分子の構造の実験的操作により、完全な結合特異性が得られる。分子−化合物相互作用が何であるかの予測は、一方又は双方において小さな変化があった場合、分子機械的なソフトウェア、及び分子設計プログラムと使用者との間の、使用者に利用し易いメニュー形式のインターフェースと通常結合されるコンピュータとして集約的なコンピュータを必要とする。VII.骨増殖促進の方法 ある実施態様によれば、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することによる、当該対象における骨増殖を促進する方法を提供する。 骨増殖は、当業者に既知の様々な方法で測定できる。骨増殖の測定方法には、限定するものではないが、Uct(マイクロCT)、Dual X線吸収(骨密度)、超音波、QCT、SPA、DPA、DXR、SEXA、QUS、X線、外科的操作の際のヒトの目の使用、アリザリンレッドS、血清オステオカルシン、血清アルカリホスファターゼ、血清骨Glaタンパク質(BGP)、骨鉱物含量、血清カルシウム、血清リン、タンタルマーカー、及び血清IGF−1がある。 骨増殖の多くの指標は、骨密度等の骨増殖を測定するために使用できる。ある実施態様によれば、骨増殖は、骨密度の0.1%の増加により示されてよい。他の実施態様によれば、骨増殖は、骨密度の、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900又は1000%又はそれ以上の増加により示されてよい。 当業者は、骨増殖が、局所的、全身的、又はその両方であることを理解するはずである。A.局所的骨増殖 ある実施態様によれば、本発明は、損傷又は局所症状の部位で骨増殖を促進する方法を提供する。局所的骨増殖が必要な対象は、様々な病気及び疾患状態に罹患する可能性がある。他の実施態様によれば、損傷は、骨折又は弱った骨があり得る。ある他の実施態様によれば、当該対象は、脊椎固定術、関節固定、又は整形外科的もしくは歯周的合成骨移植片もしくは移植物を必要とする可能性がある。 本発明の局所的骨増殖は、様々な方法で到達できる。ある実施態様によれば、方法は、上記のような骨誘導マトリックスを対象に投与することをさらに含んでなる。当該マトリックスは、上記のような本発明の装置の一部であり得る。他の実施態様によれば、骨誘導マトリックスには、骨同種移植片、骨自家移植片、脱鉱物骨、又は歯周靭帯細胞等の骨誘導マトリックスがある。ある他の実施態様によれば、骨誘導マトリックスには、カルシウム塩、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸カルシウムセメント、ヒドロキシアパタイト、サンゴ系のヒドロキシアパタイト(HA)、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(TCP)、炭酸カルシウム、コラーゲン、焼石膏、ホスホホリン(phosphophoryn)、ホウケイ酸塩、生体適合性セラミック、リン酸カルシウムセラミック、及びポリテトラフルオロエチレンがある。B.全身的骨増殖 他の実施態様によれば、本発明は、全身的骨増殖を促進する方法を提供する。全身的骨増殖とは、対象全体の骨増殖のことを言い、且つ対象の身体における全ての骨に影響を及ぼし得る。全身的骨増殖が必要な対象は、様々な病気及び疾患状態に罹患する可能性がある。骨量低下は、当業者に既知の様々な方法で決定できる。例えば、骨量低下は、Tスコアが約−1未満により特徴づけられる。骨量低下表現型疾患は、骨粗鬆症、骨減少症、及び骨粗鬆症偽性神経膠腫症候群(OPPG)があり得る。 本発明の方法は、二次的に誘導された骨粗鬆症(骨量低下)により特徴付けられる疾患の治療のために使用することもでき、当該疾患には、例えば、限定するものではないが、骨軟化症、多骨性繊維性形成異常、パジェット病、リウマチ様関節炎、無重力、変形性関節症、遅延性不活性もしくは不動、骨髄炎、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、胃切除、二次的に誘導された骨粗鬆症、無月経、クッシング病、クッシング症候群、真性糖尿病、糖尿病、摂食障害、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、過プロラクチン血症、クラインフェルター症候群、甲状疾患、ターナー症候群、ステロイド誘導性骨粗鬆症、痙攣、又はうつ誘導性骨粗鬆症、不動、関節炎、癌誘導性二次的骨粗鬆症、ゴナドトロピン放出性ホルモンアゴニスト誘導性骨量低下、甲状医薬誘導性骨量低下、ジランチン(フェニトイン)、デパコート(depakote)誘導性骨量低下、化学療法誘導性骨量低下、免疫抑制剤誘導性骨量低下、血液低粘稠化剤誘導性骨量低下、グレーブス病、若年性リウマチ様関節炎、吸収不良症候群、神経性食欲不振症、腎疾患、鎮痙治療(例えば、てんかんに対するもの)、副腎皮質治療(例えば、リウマチ様関節炎、喘息に対するもの)、免疫抑制治療(例えば、癌に対するもの)、栄養不良(特に、カルシウム、ビタミン)、過剰運動誘導性無月経(月経周期の不在)、喫煙及びアルコール乱用、妊娠関連骨粗鬆症、銅欠乏症、2型高二塩基性アミノ酸尿症、ウェルナー症候群、ハジュ・チーニー(Hajdu-Cheney)症候群、変形性皮質性骨化過剰症、2型メチルマロン酸性尿症、シスタチオニンベータシンターゼ欠損症、エキセメスタン、高グロブリンE(IgE)症候群、ヘモクロマトーシス、シングルトン・メンテン(Singleton-Merten)症候群、ベータサラセミア(ホモ接合型)、反射性交感神経骨形成異常、サルコイドーシス、ウェインチェスター症候群、ハーラーマン・ストライフ症候群(HSS)、シプロテロン、グリセロールキナーゼ欠損症、Bonnet−Dechaume−Blanc症候群、プレドニゾロン、ヘパリン、老人性骨異形成症、隆起骨溶解(Torg osteolysis)症候群、精巣摘除術、ファブリー病、偽性早老(Pseudoprogeria)症候群、Wolcott−Rallison症候群、強直性脊椎炎、骨髄腫、全身性乳児ヒアリン症、オールブライト遺伝性骨形成異常、神経性食思不振症、自己免疫性リンパ球増殖症候群、ブラウン−セカール症候群、ダイアモンド−ブラックファン貧血、摂食障害、乳汁漏出−高プロラクチン血症、性腺形成不全、腎症状、メンケス病、閉経、神経炎、FSH耐性による卵巣機能不全、家族性卵巣機能不全、早期老化、原発性胆汁性肝硬変、プロラクチノーマ、家族性プロラクチノーマ、腎骨形成異常、潰瘍性大腸炎、低体重、ウェルナー症候群、骨腫瘍、骨癌、脆化性骨疾患、先天性骨形成不全、及び遅発性骨形成不全がある。当業者は、他の種類の症状、疾患、及び治療が骨粗鬆症をもたらすことを理解するはずである。 本発明の化合物の投与後、全身的骨増殖は、骨密度の増加等の様々な方法で決定できる。骨密度は、Tスコア及びZスコア等の様々な異なる方法により測定できる。Zスコアは、患者の年齢及び性別についての、平均超又は平均未満の標準偏差の数である。Tスコアは、患者と同じ性別の健常な30歳の成人についての、平均超又は平均未満の標準偏差の数である。骨量低下は、Tスコアが−1〜−2.15であることが特徴である。骨粗鬆症は、Tスコアが−2.15未満であることが特徴である。Tスコア又はZスコアの増加は、骨増殖を示唆する。骨密度は、脊椎又は股関節部のような骨格の様々な場所で測定できる。当業者は、他の骨密度の決定方法が、本発明において有用であることを理解するはずである。C.本発明の化合物及び再吸収阻害薬による骨増殖の促進 その他の実施態様によれば、本発明の方法は、再吸収阻害薬と併用して、式Iの化合物を投与することにより骨増殖を促進する。再吸収阻害薬には、骨の再吸収を遅延又は遮断するものがある。式Iの化合物と再吸収阻害薬の投与は、局所的骨増殖及び/又は全身的骨増殖を促進できる。ある実施態様によれば、式Iの化合物と再吸収阻害薬の投与は、全身的骨増殖を促進する。骨増殖は、骨鉱物含量の増加、骨密度の増加、及び/又は新規骨の増殖により達成できる。その他の実施態様によれば、式Iの化合物と再吸収阻害薬の局所投与は、全身的骨増殖を達成する。 本発明の方法において有用な再吸収阻害薬には、限定するものではないが、デノスマブ、RankL阻害剤、ビスホスホネート、選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)、カルシトニン、カルシトニン類似体、ビタミンD及びビタミンD類似体がある。 他の実施態様によれば、再吸収阻害剤は、ビスホスホネート(すなわち、フォサマックス、アクトネル、リクラスト)、副甲状腺ホルモン(PTH)又は類似体(すなわち、テリバラチド(Forteo))、カルシトニン又は類似体(すなわち、ミアカルシック(Miacalcic))、ビタミンD又は類似体、SERM又は類似体(すなわち、エビスタ)があり得る。 本発明の方法において有用なビスホスホネートは、任意の好適なビスホスホネートがあり得る。ある実施態様によれば、当該ビスホスホネートは、パミドロネート(APD, アレディア)、ネリドロネート(Neridronate)、オルパドロネート(Olpadronate)、アレンドロネート(フォサマックス)、イバンドロネート(ボニバ)、リセドロネート(アクトネル)、及びゾレドロネート(ゾメタ)等、窒素性である。他の実施態様によれば、ビスホスホネートは、エチドロネート(ダイドロネル)、クロドロネート(ボネフォス(Bonefos)、ロロン(Loron))及びチルドロネート(スケリド(Skelid))等、非窒素性である。当業者は、他のビスホスホネートが本発明において有用であることを理解するはずである。 本発明の方法において有用なSERMは、任意の好適なSERMであり得る。ある実施態様によれば、SERMは、クロミフェン、ラロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェン、バゼドキシフェン、ラソキシフェン、又はオルメロキシフェンであり得る。当業者は、他のSERMが本発明において有用であることを理解するはずである。 再吸収阻害薬はまた、任意の好適なカルシトニン類似体であってよい。ある実施態様によれば、本発明の方法において有用なカルシトニン類似体は、限定するものではないが、ミアカルシック(miacalcic)である。当業者は、他のカルシトニン類似体が本発明において有用であることを理解するはずである。 本発明の方法において有用なビタミンD類似体は、任意の好適なビタミンD類似体であり得る。ある実施態様によれば、本発明において有用なビタミンD類似体には、限定するものではないが、ビタミンD1(ルミステロールを有するエルゴカルシフェロール(1:1)の分子化合物)、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール又はカルシフェロール)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、ビタミンD4(22ジヒドロエルゴカルシフェロール)、及びビタミンD5(シトカルシフェロール)がある。当業者は、その他のビタミンD類似体が本発明において有用であることを理解するはずである。 本発明において有用なRankL阻害剤には、RankLの活性を阻害する任意の化合物がある。例えば、RankL阻害剤には、限定するものではないが、ヒトモノクローナル抗体デノスマブがある。当業者は、他のRankL阻害剤が本発明において有用であることを理解するはずである。VIII.腎損傷の治療 ある実施態様によれば、本発明は、治療有効量の式Iの化合物を、腎損傷に罹患する対象に投与することによる、腎損傷の治療方法を提供する。 腎損傷は、当業者に既知の様々な病気により引き起こされる可能性がある。ある実施態様によれば、腎損傷は、感染、放射線、毒物、脱水症、又は傷害により引き起こされる。腎損傷を引き起こす毒物には、限定するものではないが、化学物質、毒薬、及び化学療法剤がある。当業者は、腎損傷の他の原因が、本発明の方法により治療できることを理解するはずである。 本発明の化合物で治療可能な腎損傷には、急性腎不全がある。急性腎不全は、急性腎臓不全又は急性腎臓損傷としても知られる。急性腎不全は、通常腎臓から排出される、窒素性(ウレア及びクレアチニン)、及び非窒素性老廃物の残留をもたらす。腎機能不全の重篤度及び期間により、この蓄積は、代謝性アシドーシス(血液の酸性化)及び高カリウム血症(カリウム濃度の上昇)等の代謝性障害を伴い、体液バランスを変更し、そして他の器官系に影響を及ぼす。急性腎不全は、乏尿症又は無尿(尿産生の低下又は中断)により特徴付けられるが、非乏尿性の急性腎不全も起こり得る。 対象は、(1)急性障害のリスクがある;(2)腎損傷による損傷がある;(3)急性腎不全である;及び(4)腎機能の低下がある、ことを特徴としてよい。急性腎損傷のリスクは、血清クレアチニンが1.5倍に増加するか、又は6時間の間で尿産生が<0.5ml/体重kgであることにより特徴付けられる。血清クレアチニンが2.0倍に増加するか、12時間の間で尿産生が<0.5ml/体重kgであると、損傷に達する。血清クレアチニンが3.0倍に増加するか、クレアチニンが>355M(>44の上昇)であるか、又は24時間の間で尿排出量が0.3ml/kg未満であると、不全に達する。対象が、急性腎不全が持続するか、又は完了まで4週間超、腎機能低下状態である場合に、腎機能の低下に達する。 腎生体組織検査は、その原因が明確であり、且つ適切なスクリーニング調査が確実に陰性である場合以外は、急性腎不全の状況において行われ、明確な診断を提供でき、及び予後の見解も提供することがある。 本発明の腎治療剤は、受けた腎損傷を有する対象、又は慢性的な腎不全のリスクを有する対象において使用できる。本明細書で使用される場合、対象は、慢性腎不全であるか、そのリスクがあり、又は当該対象が機能するネフロン単位の進行性低下に関連する腎機能の進行性低下に罹患すると合理的に期待できる場合、腎代替療法(すなわち、慢性血液透析、連続的腹膜透析、又は腎臓移植)の必要となる危険性があるもののことを言う。特定の対象が、慢性腎不全であるか、又はその危険性があるかの決定は、関連する医療分野又は獣医学的分野における当業者により定常的になされ得る。慢性腎不全であるか、又はその危険性があるか、又は腎臓移植治療が必要となる危険性がある対象には、限定するものではないが、以下のものがあり:慢性腎不全、末期腎疾患、慢性糖尿病性腎症、高血圧性腎硬化、慢性糸球体腎炎、遺伝性腎炎、及び/又は腎形成異常に罹患すると考えられる対象;糸球体肥大、管肥大、慢性糸球体硬化症、腎細胞癌、及び/又は慢性尿細管間質性硬化を示唆する生検を有する対象;超音波、MRI、CATスキャン、又は腎線維症を示唆するその他の非侵襲的検査を受ける対象;尿沈渣に存在する異常な数の幅広いキャストを有する対象;対象について期待されるGFRが、慢性的に約50%未満、及びより具体的には約40%、30%、又は20%であるGFRを有する対象;体重が少なくとも約50kgのヒト男性であって、且つ慢性的に、約50ml/分未満、より具体的には約40ml/分、30ml/分、又は20ml/分未満であるGFRを有するヒト男性;体重が少なくとも約40kgのヒト女性であって、且つ慢性的に、約40ml/分未満、より具体的には約30ml/分、20ml/分、又は10ml/分未満であるGFRを有するヒト女性;機能性ネフロン単位数が、健常である以外は同様の対象において処理される機能性ネフロン単位の数の、約50%未満、より具体的には約40%、30%未満、又は20%未満で処理される対象;1個の腎臓を有する対象;及び腎臓移植受容者である。IX.実施例実施例1:骨増殖の促進 上記のアッセイと、Journal of Bone and Mineral Research 2006, 21(11), 1738-1749(その全体が本明細書に組み込まれる)に記載のアッセイを用いて、化合物OGX−21を、骨増殖を促進するものとして同定した。 図1は、OGX−21が、Wnt経路を調整し、骨増殖を促進することを示す。実施例2:骨増殖 4月齢のオスC57BL/6マウスを、食塩水ビヒクル、又は低用量、中用量、もしくは高用量のスクレロスチン阻害剤で、(静脈を介して)30日間毎日治療した。試験の終点には、脛骨及びL5椎骨の両方に近い部分での、骨形成の生化学的マーカー、EIA Elisaで測定したオステオカルシン、及びマイクロ−CT分析による骨梁量の測定を行った。図2は、マイクロ−CTで測定した、OGX−21が10mg/kg(A)、20mg/kg(B)、及び30mg/kg(C)での食塩水コントロールに対する脛長骨量増加の変化割合を示す。図3は、マイクロ−CTで測定した、マウス中、OGX−21が10mg/kg(L)、20mg/kg(M)、及び30mg/kg(H)での食塩水コントロールに対する椎長骨量増加の変化割合を示す。図4は、EIA Elisaで測定した、マウス中、OGX−21が、10mg/kg(A)で2%、20mg/kg(B)で28%、及び30mg/kg(C)で15%のベースライン超の、血清オステオカルシンの増加割合を示す。 前述の発明を、理解を明確化する目的で、例示及び例によりいくらか詳細に記載したが、当業者は、特定の変化及び修正が添付の請求の範囲内で行うことができることを理解するはずである。さらに、本明細書で示した各々の文献は、各々の文献が参照により個別に組み込まれるのと同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。 式I(式中、R1及びR2は、各々独立に、H及びC1-6アルキルからなる群から選択される基であり;Xは、C1-6アルキレンであり;R3は、H、−OR4、−OC(O)R4、−OC(O)NR4R5、−OC(O)OR4、−OP(O)(OR4)2及び−OC(O)(CH2)2C(O)OHからなる群から選択される基であり;R4及びR5は、各々独立に、H及びC1-20アルキルからなる群から選択される基である)の化合物、並びに、その塩、水和物、及び異性体の治療有効量を、それを必要とする対象に投与し、それにより、対象における局所的骨増殖を促進することを含んでなる、当該対象における骨増殖の促進方法。 前記骨増殖が、損傷又は局所症状の部位で促進される、請求項1に記載の方法。 前記骨増殖が、骨折及び弱まった骨からなる群から選択される部位で促進される、請求項2に記載の方法。 前記対象が、脊椎固定術、関節固定、又は整形外科的もしくは歯周的な合成の骨移植片もしくは移植物を必要とする、請求項2に記載の方法。 骨誘導マトリックスを患者に投与することをさらに含んでなる、請求項2に記載の方法。 骨誘導マトリックスが、骨同種移植片、骨自家移植片、脱鉱物骨、及び歯周靱帯細胞からなる群から選択される骨誘導剤を含んでなる、請求項5に記載の方法。 前記骨誘導マトリックスが、カルシウム塩、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸カルシウムセメント、ヒドロキシアパタイト、サンゴ系のヒドロキシアパタイト(HA)、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(TCP)、炭酸カルシウム、コラーゲン、焼石膏、ホスホホリン(phosphophoryn)、ホウケイ酸塩、生体適合性セラミック、リン酸カルシウムセラミック、及びポリテトラフルオロエチレンを含んでなる、請求項5に記載の方法。 前記骨増殖が全身的である、請求項1に記載の方法。 前記対象が、骨量低下疾患表現型に罹患する、請求項8に記載の方法。 前記骨量低下疾患表現型が、骨粗鬆症、骨減少症、及び骨粗鬆症偽性神経膠腫症候群(OPPG)からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。 前記化合物が、再吸収阻害薬と併用して投与される、請求項1に記載の方法。 前記再吸収阻害薬が、デノスマブ、RankL阻害剤、ビスホスホネート、選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)、カルシトニン、カルシトニン類似体、ビタミンD、及びビタミンD類似体からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。 前記骨増殖が全身的である、請求項11に記載の方法。 前記骨増殖が、前記化合物及び前記再吸収阻害薬の局所投与により促進される、請求項11に記載の方法。 式I(式中、R1及びR2は、各々独立に、H及びC1-6アルキルからなる群から選択される基であり;Xは、C1-6アルキレンであり;R3は、H、−OR4、−OC(O)R4、−OC(O)NR4R5、−OC(O)OR4、−OP(O)(OR4)2及び−OC(O)(CH2)2C(O)OHからなる群から選択される基であり;R4及びR5は、各々独立に、H及びC1-20アルキルからなる群から選択される基である)の化合物、並びに、その塩、水和物、及び異性体の治療有効量を、それを必要とする対象に投与し、それにより、腎損傷を治療することを含んでなる、当該対象における腎損傷の治療方法。 構造支持体を含んでなる整形外科的又は歯周的医療装置であって、該構造支持体の移植可能部分は、対象内に永久的に移植されるよう適合され、ここで当該移植可能部分は骨に付加し、当該構造支持体は、式I(式中R1及びR2は、各々独立に、H及びC1-6アルキルからなる群から選択される基であり;Xは、C1-6アルキレンであり;R3は、H、−OR4、−OC(O)R4、−OC(O)NR4R5、−OC(O)OR4、−OP(O)(OR4)2及び−OC(O)(CH2)2C(O)OHからなる群から選択される基であり;R4及びR5は、各々独立に、H及びC1-20アルキルからなる群から選択される基である)の化合物、並びに、その塩、水和物、及び異性体を含んでなる、少なくとも部分的な外部被覆を有する、医療装置。 医薬として許容される賦形剤、及び式I(式中R1及びR2は、各々独立に、H及びC1-6アルキルからなる群から選択される基であり;Xは、C1-6アルキレンであり;R3は、H、−OR4、−OC(O)R4、−OC(O)NR4R5、−OC(O)OR4、−OP(O)(OR4)2及び−OC(O)(CH2)2C(O)OHからなる群から選択される基であり;R4及びR5は、各々独立に、H及びC1-20アルキルからなる群から選択される基である)の化合物、並びに、その塩、水和物、及び異性体を含んでなる、医薬組成物。 R1及びR2は、各々、Hであり;及びR3は、−OH、−OMe、−OC(O)OMe、−OC(O)NH2、−OC(O)NHMe、−OC(O)NMe2、OC(O)OMe、−OP(O)(OH)、−OP(O)(OMe)(OH)、−OP(O)(OMe)2、及び−OC(O)(CH2)2C(O)OHからなる群から選択される基である、請求項17に記載の組成物。 Xが、−CH2CH2−である、請求項17に記載の組成物。 R3がOR4である、請求項19に記載の組成物。 R3がOHである、請求項20に記載の組成物。 前記化合物が、式である、請求項21に記載の組成物。 本発明は、骨増殖を促進するための化合物、組成物、及び方法を提供する。本発明の方法において有用な化合物には、式Iの化合物がある。式中、R1及びR2は、各々独立に、H及びC1-6アルキルからなる群から選択される基である。Xは、C1-6アルキレンである。R3は、H、−OR4、−OC(O)R4、−OC(O)NR4R5、−OC(O)OR4、−OP(O)(OR4)2、又は−OC(O)(CH2)2C(O)OHである。R4及びR5は、各々独立に、H又はC1-20アルキルである。当該化合物には、化合物の塩、水和物、及び異性体も含まれる。


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