生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_トランスフェクションおよび免疫活性化のためのRNAの複合化
出願番号:2010523324
年次:2010
IPC分類:C12N 15/09,C07K 7/06,C07K 7/08,C12N 15/115,A61K 38/00,A61K 48/00,A61K 31/7088,A61K 47/48,A61P 35/00,A61P 9/00,A61P 31/00,A61P 31/12,A61P 37/02,A61P 37/08


特許情報キャッシュ

フォティンムレックゼック,マリオラ バウムホッフ,パトリック JP 2010537651 公表特許公報(A) 20101209 2010523324 20080904 トランスフェクションおよび免疫活性化のためのRNAの複合化 キュアバック ゲーエムベーハー 509014386 CUREVAC GMBH 特許業務法人原謙三国際特許事務所 110000338 フォティンムレックゼック,マリオラ バウムホッフ,パトリック EP PCT/EP2007/007702 20070904 C12N 15/09 20060101AFI20101112BHJP C07K 7/06 20060101ALI20101112BHJP C07K 7/08 20060101ALI20101112BHJP C12N 15/115 20100101ALI20101112BHJP A61K 38/00 20060101ALI20101112BHJP A61K 48/00 20060101ALI20101112BHJP A61K 31/7088 20060101ALI20101112BHJP A61K 47/48 20060101ALI20101112BHJP A61P 35/00 20060101ALI20101112BHJP A61P 9/00 20060101ALI20101112BHJP A61P 31/00 20060101ALI20101112BHJP A61P 31/12 20060101ALI20101112BHJP A61P 37/02 20060101ALI20101112BHJP A61P 37/08 20060101ALI20101112BHJP JPC12N15/00 AC07K7/06C07K7/08C12N15/00 HA61K37/02A61K48/00A61K31/7088A61K47/48A61P35/00A61P9/00A61P31/00A61P31/12A61P37/02A61P37/08 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MT,NL,NO,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2008007244 20080904 WO2009030481 20090312 119 20100428 4B024 4C076 4C084 4C086 4H045 4B024AA01 4B024CA11 4B024DA02 4B024EA10 4B024GA11 4B024HA17 4C076AA95 4C076CC03 4C076CC07 4C076CC26 4C076CC27 4C076CC31 4C076CC35 4C076EE41 4C076EE59 4C084AA02 4C084AA07 4C084AA13 4C084BA35 4C084MA05 4C084NA13 4C084NA14 4C084ZA36 4C084ZB05 4C084ZB07 4C084ZB08 4C084ZB13 4C084ZB26 4C084ZB31 4C084ZB33 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086EA16 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA13 4C086NA14 4C086ZA36 4C086ZB05 4C086ZB07 4C086ZB08 4C086ZB13 4C086ZB26 4C086ZB31 4C086ZB33 4H045AA10 4H045AA20 4H045AA30 4H045BA15 4H045BA16 4H045BA17 4H045BA54 4H045EA20 4H045EA31 4H045FA33 4H045GA25発明の詳細な説明 本発明は、8〜15アミノ酸の長さであり、かつ式(Arg)l(Lys)m(His)n(Orn)o(Xaa)xによって表わされる1つ以上のオリゴペプチドと複合体を形成するRNA(分子)を少なくとも1つ含む複合化RNAに関する。さらに、本発明は、上記本発明の複合化RNAを利用することによって、細胞または生体をトランスフェクトする方法に関する。また、本発明の開示内容には、上記本発明の複合化RNAを包含する薬学的組成物およびキット、ならびに、細胞、組織または生体をトランスフェクトするための上記本発明の複合化RNAの使用、および/または免疫反応を調節、好ましくは免疫反応を誘引または亢進するための上記本発明の複合化RNAの使用を含む。 遺伝子を導入する方法によって患者の細胞または組織に核酸をトランスフェトすることは、分子医学の主要な方法であって、多数の疾病の治療および予防において重要な役割を果たす。核酸のトランスフェクト方法が、組織または生体の免疫刺激を起こすことがある。あるいは、もしくは、さらに、核酸のトランスフェクションに続いて、導入された核酸によりコードされる情報のプロセッシング、つまり所望のポリペプチドまたはタンパク質への翻訳が起こることがある。核酸としてのDNAまたはRNAは、遺伝子治療に代わるアプローチとなる。核酸のトランスフェクションにより、トランスフェクトされた核酸のタイプに依存して、調節、例えば遺伝子発現の抑制または促進が起こることもある。これらの核酸のトランスフェクションは、通常、遺伝子を導入する方法を使って実施される。 細胞または組織に遺伝子を導入する方法は、この数十年間集中的に研究されてきたが、成果は限られたものでしかない。周知の方法としては物理的または物理化学的方法、例えば、(裸の)核酸を(直接)注入する方法または微粒子銃を用いた遺伝子導入方法が挙げられる。微粒子銃による遺伝子導入法(微粒子銃照射としても知られている)は、コーネル大学で開発された方法であり、組織または培養細胞への遺伝物質の導入を可能にする。微粒子銃による遺伝子導入法は、通常、表面コーティング用金属粒子(例えば金粒子または銀粒子)によって達成され、吸着したDNAを含むこれらの金属粒子を、遺伝子銃を用いて細胞内に打ち込む。ただし、微粒子銃による遺伝子導入法は、おそらくRNAの速い分解に起因して、RNAに対して使用した場合にうまく機能するということがまだ示されていない。また、これらの方法はin vivoでの応用に適しておらず、このことは実用上重大な制限があることを意味している。 他の物理的または物理化学的方法としては、in vitro電気穿孔法などが挙げられる。in vitro電気穿孔法は、高圧電流の使用を基本としており、細胞膜に浸透性を持たせて、新しいDNAまたはRNAの細胞内への導入を可能にする。したがって、トランスフェクションに先立って、化学物質を使用する、あるいは慎重な凍結処理を行うことによって、細胞壁は通常弱められて、「電気的形質転換受容性」を有する状態にされる。電気的形質転換受容性を有する細菌または細胞(例えば、真核細胞)とDNA(またはRNA)とが混合されると、電気放電を使用することによってプラスミドが細胞内に導入され、反応室を横断するスパークの経路に存在する細胞内へDNA(またはRNA)が導入され得る。 さらに他の物理的または物理化学的方法としては、ナノプレックス(ナノ粒子システム)、リポプレックス(リポソームシステム)、ポリプレックス、またはカチオン性ポリマーの使用などがあげられる。このナノプレックス(ナノ粒子システム)は、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリスチレン、シアノアクリレート、ポリ乳酸(polylactat)(PLA)、ポリ−乳酸−コ−グルコール酸(PLGA)、ポリエチルなどを、細胞または組織内への核酸輸送のためのキャリアシステムとして使用することを含んでいる。リポプレックスつまりリポソームシステムは、通常、細胞膜に似た働きを可能にするカチオン性脂質を使用することを含んでいる。これにより、脂質の正に帯電した部分が、核酸の負に帯電した部分と相互作用し、それゆえ、細胞膜との融合を可能になる。リポプレックス、つまりリポソームシステムとしては、例えばDOTMA、DOPE、DOSPA、DOTAP、DC−Chol、EDMPCなどが挙げられる。ポリプレックス(カチオン性ポリマー)は、通常、負に帯電した核酸と複合体を形成することで、核酸の凝縮を起こし、これらの核酸を分解から保護する。ポリプレックス(カチオン性ポリマー)を使った細胞内への輸送は、通常、受容体媒介性エンドサイトーシスを介して生じる。これにより、DNAは、例えばポリプレックスポリ−L−リジン(PLL)を介して特定の分子(例えばトランスフェリン)と結合する。なお、このPLLは表面受容体と結合して、エンドサイトーシスを誘発する。ポリプレックス(カチオン性ポリマー)としては、例えば、ポリ−L−リジン(PLL)、キトサン、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリジメチルアミノエチルメタクリル酸塩(PD−MAEMA)、ポリアミドアミン(PAMAM)が挙げられる。 細胞または生体内へ遺伝子を導入するその他の周知の物理的または物理化学的方法としては、例えば、ウイルスを基本とするトランスフェクションなどの方法が挙げられる。具体的な例としては、DNAウイルスがDNA媒介物として使用できる。この種のウイルスは、その感染特性によって非常に高いトランスフェクション率を有する。通常使用されるウイルスは、トランスフェクションされた細胞内で機能的な感染性粒子が形成されないように、なんらかの遺伝子改変が行われている。このような安全予防策がとられてはいるものの、例えば組み換え現象は起こり得るので、導入された治療上有効な遺伝子およびウイルス性遺伝子が制御されず伝播する危険性が全くないとは言い切れない。 この文脈においてさらに好適なのは、いわゆる転座性タンパク質またはタンパク質形質導入ドメイン(PTD)を使用して、マクロ分子を細胞または組織内へ輸送することである。転座性タンパク質は、細胞(転座性タンパク質)同士の間、例えばHIV tat(HIV)、アンテナペディア(ショウジョウバエアンテナペディア)、HSV VP22(単純ヘルペス)、FGF、またはラクトフェリンなどの間でマクロ分子を輸送できるペプチド群であると考えられる。一方、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)は、これらの配列に共有結合しているタンパク質およびペプチドを細胞膜を介して細胞内へ導くことのできるペプチド群であると考えられる(Leifert and Whitton:Translocatory proteins and protein transduction domains:a critical analysis of their biological effects and the underlying mechanisms、Molecular Therapy Vol.8 No.1 2003)。転座性タンパク質とPTDとに共通しているのは塩基性領域であり、この塩基性領域は、ポリアニオン(例えば核酸)を結合することができるので、主に融合ペプチド輸送の役目を負っていると考えられる。ただしこれに限られるわけではなく、PTDは、受容体依存性不飽和吸着性エンドサイトーシスを使って、カチオン性トランスフェクション試薬と同様に作用することができる。PTDは、通常、タンパク質またはペプチドに結合して、ペプチドをベースとしたワクチンが投与される際にCTL応答を実現または亢進する(Melikov and Chernomordik, Arginine−rich cell penetrating peptides:from endosomal uptake to nuclear delivery, Cell、Mol. Life Sci. 2005)。 タンパク質形質導入ドメイン(PTD)は、細胞膜を貫通する能力を有し、それゆえに(マクロ)分子の細胞内への輸送を実現するので、「細胞貫通ペプチド」(cell penetrating peptide;CPP)とも呼ばれることがある。CPPは低分子ペプチドであって、通常塩基性アミノ酸の含有量が多く、7〜30個のアミノ酸の長さを有する。CPPを介して細胞内へ輸送される上述のマクロ分子としては、DNA、siRNA、またはPNA(ペプチド核酸)およびペプチドがあげられ、上記CPPは通常共有結合を介してこれらのマクロ分子に結合しており、細胞にトランスフェクトされる。細胞貫通ペプチド(CPP)は、薬理学的な関心の高い多様な分子の細胞内輸送を、in vitroおよびin vivo双方で媒介するために使用され、成果をおさめている。ただし、細胞への取り込みが生じるメカニズムは依然不明である。CPP類は多種多様であり、両親媒性螺旋状ペプチド類(例えば、トランスポータン、ペネトラチン)疎水性ペプチド類(例えば、MTS、VP22、MAP、KALA、PpTG20)、プロリンリッチ・ペプチド類、MPGペプチド類、Pep−1、L−オリゴマー類、カルシトニン・ペプチド類、またはカチオン性かつ親水性のアルギニンリッチ・ペプチド類などからなる。上記カチオン性かつ親水性のアルギニンリッチ・ペプチド類には、細胞のプロテオグリカン(例えば、HIV−1Tatタンパク質の形質導入ドメイン)との結合を介した(共有結合した)複合分子の細胞への取り込みを媒介するアルギニンリッチCPPが含まれる(Deshayes et al.、Cell−penetrating peptides:tools for intracellular delivery of therapeutics、Cell. Mol. Life Sci. 2005)。特に、アルギニンリッチCPP類は、タンパク質またはDNA(例えばプラスミドDNA)を細胞内へ媒介する媒介物であると記載されている。さらに、ポリアルギニン類は(マクロ)分子の細胞への輸送に使用されてもよく、ここで(マクロ)分子は、典型的にはなくとも60〜80個のアミノ酸(特にアルギニン類)の長さを有し、さらに典型的には1000個から15000個のアミノ酸の長さを有していて、高分子化合物を表わしている。CPP類が細胞内へ取り込まれる一般的なメカニズムは不明なままであるが、ポリアルギニンの場合の取り込みメカニズムとしてエンドサイトーシスが提案されている。エンドサイトーシスとは、マクロ分子が細胞膜を通過せずに細胞に入る細胞プロセスであり、クラスリン依存性エンドサイトーシス、カベオリン依存性エンドサイトーシス、および/またはFアクチン依存性エンドサイトーシスの3つの異なるエンドサイトーシス・メカニズムが提案されている(例えば、Melikov and Chernomordik, Arginine−rich cell penetrating peptides:from endosomal uptake to nuclear delivery, Cell、Mol. Life Sci. 2005)。いかなる理論に縛られるわけではないが、エンドサイトーシス中、CPPによって複合化されたマクロ分子は、まず、ヘパラン(HS)を含めた、負に帯電した細胞表面のグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan;GAG)に結合する。そして、クラスリン依存性エンドサイトーシス、カベオリン依存性エンドサイトーシス、および/またはFアクチン依存性エンドサイトーシスによって、例えば細胞外で細胞膜を上記CPP結合マクロ分子を包むように折り畳むことによって、上記CPP結合マクロ分子が細胞内に入る。この結果、CPP結合マクロ分子が中に組み込れた袋状の小胞が形成される。後期エンドゾームおよび/またはゴルジ体および/または小胞体(ER)を介するCPP結合マクロ分子の輸送によって、CPP結合マクロ分子が細胞質内へ運搬される。この段階で、CPPが誘引した一過的な孔が脂質二重層に開くことがある。あるいは、CPPによって複合化されたマクロ分子が細胞内の他の場所へ、例えば特定の目的に要求される作用様式によっては、エンドゾーム内へ輸送されることもある。一例としてTLR−7受容体およびTLR−8受容体はエンドゾーム中に位置している。したがって、免疫活性化RNAを細胞にトランスフェクトするとエンドゾームへ輸送され、例えば(具体的な相互作用およびその相互作用のパートナーによっては)下記のRNAリガンドによって免疫活性化される。なお、上記免疫活性化RNAは、例えば、TLR1からTLR13(トール様受容体:TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11、TLR12、またはTLR13)のリガンドから選択されたToll(トール)様受容体(Toll−like receptor;TLR)のリガンドである。 上記において定義された細胞貫通ペプチド(CPP)は当該技術分野において周知であり、広く議論されている。ただし、ペプチド、タンパク質、およびDNAを積荷として輸送するために、これらのCPPを(キャリアとして)使用することは確立されており、上記CPPは通常共有結合で積荷分子に連結されている。一方、CPPを使った細胞内部へのRNA輸送は、非常に限られた事例数しか報告されておらず、特に低分子RNA配列、例えば二本鎖siRNA配列に限定されている。 一例をあげると、Futaki et al.(The Journal of Biological Chemistry、Vol.276,No.8,pp.5836〜5840,2001)には、4〜16個のアミノ酸の長さを有するキャリアオリゴペプチド(Arg)nを、積荷ペプチドのin vitro導入のために使用することが開示されている。また、同文献によれば、このキャリアオリゴペプチドは積荷ペプチドに共有結合している。さらに、6個または8個のアルギニンの長さを有する(Arg)nの場合に、最適な転座が得られることが実証されている。 CPPによるペプチドまたはペプチド模倣物の膜貫通型輸送は、さらにDeshayes et al.(2005、前掲)によって示された。Deshayes et al.(2005、前掲)には、オリゴペプチドArg7およびArg9を、積荷ペプチドのin vitro導入および積荷タンパク質(例えばシクロスポリンまたはカタラーゼ)のin vivo導入のために使用することが開示されている。 従来技術では、マクロ分子、例えばDNA、ペプチド、またはタンパク質を細胞にトランスフェクトする場合、高分子ポリペプチド、例えばポリ−L−アルギニン(例えば通常分子量が約5000Daから15kDa)またはポリ−L−リジン(例えば通常分子量が約54kDa)、および高分子PEI(polyethyleneimine;ポリエチレンイミン)(例えば通常分子量が約25kDa)が使用された(Bettinger et al.、 Nucleic Acids Research,Vol.29、No.18(2001))。ただし、高分子ポリ−L−リジンとPEIは、キャリア分子としては効果的ではないようである。さらに、高分子ポリ−L−アルギニンを高い濃度で使用する際、補体系の賦活を引き起こす有毒な作用が観察された。それゆえ、低分子量のトランスフェクション薬剤、例えば、低分子ポリアルギニンを開発するために努力がなされた。ただし、分子量の低いポリアルギニンは、キャリア/積荷の複合体(例えば、ポリアルギニンをキャリア、DNA分子を積荷として形成された複合体)の安定性が通常低い。それゆえ、McKenzie et al.(McKenzie et al.、A potent new class of reductively activated peptide gene delivery agents;The Journal of Biological Chemistry Vol.274、No.14、2000)は、これらのペプチドをグルタルアルデヒドを介してDNAに架橋結合し、シッフ塩基を形成することによって、ペプチド/DNAの複合体の安定性を亢進させようとした。しかし、このような架橋結合の結果、細胞内での複合体の解離が極めて遅くなり、したがって、コードされているタンパク質の発現が経時的に極めて低い。この問題を回避するために、McKenzie et al.(2000、前掲)は、CPPとDNAとの間でジスルフィド結合を形成することによって複合体を安定させるシステイン残基を、CPPキャリア内に導入した。トランスフェクション時に、これらのジスルフィド結合は細胞内部の還元環境に起因して細胞内で切断され、その結果、コードされているペプチドの発現が増加する。ただし、この架橋結合は精巧であり、DNAの非所望の修飾をさらに引き起こす可能性がある。 さらに、上述のように、低分子PEI(例えば通常分子量が約2000Da)および低分子ポリ−L−リジン(例えば通常分子量が約3400Da)を、上記マクロ分子のトランスフェクションに使用してもよい。ただし、これらの実験では、低分子PEIまたはポリ−L−リジンの場合、トランスフェクションの改善が観察されたものの、これらのキャリア分子がDNAと極めて安定した複合体を形成したために、発現は検出できなかった。この安定した複合体の形成の結果、これらのキャリア分子の複合化DNAは、コードされているタンパク質への翻訳および発現には必要なステップである解離を示さないようである(Bettinger et al.、(2001)、前掲)。 さらに、CPPによってDNAが輸送されることが、Niidome et al.(The Journal of Biological Chemistry,Vol.272.、No.24,pp.15307〜15312, 1997)によって示された。Niidome et al.(1997、前掲)には、プラスミドDNAを積荷の一部として輸送するためにCPPを使用すること、特に、規定アルギニン含有量が25%、長さがアミノ酸12個または24個であるカチオン性のα−ヘリックス状ペプチドを使用することが開示されている。その結果、高分子であるおよび/または疎水性を有するペプチドがDNAに強力に結合し、細胞内へのDNAの輸送を実現することができることが発見された。さらに、Niidome et al.(Bioconjugate Chem. 1999, 10, 773〜780)は、16〜17個のアミノ酸の長さを有するペプチドが、プラスミドDNAの輸送には最も効率的であることを示した。ただし、低分子ペプチド(例えば約12個のアミノ酸)をCPPとして使用する際には、DNAの細胞へのトランスフェクション効率は大幅に減少することがわかった。 低分子であるアルギニン分子の細胞へのトランスフェクション効率を亢進するために、Futaki et al.(Bioconjugate Chem. 2001, 12, 1005〜1011)は、4〜16アミノ酸の長さであるステアリル化されたオリゴペプチド(Arg)nを使用した。これらのオリゴペプチドは、トランスフェクション実験において、ルシフェラーゼをコードしているプラスミドDNAをin vitro導入するために、4〜16アミノ酸の長さであるステアリル化されていないオリゴペプチド(Arg)n、およびポリアルギニン(分子量5000〜15000)が比較対象として使用された。これに応じて、トランスフェクションに使用されるキャリアペプチドがプラスミドDNAと混合されて、キャリア/積荷複合体を形成した。8個のアルギニンの長さを有するステアリル化された(Arg)nの場合に、最適な転座が得られることが実証された。また一方で、6〜7および9〜15のアルギニンの長さであるアルギニンは、細胞輸送活性の大幅な低下を示した。さらに、ステアリル化されていないアルギニンおよびポリアルギニンの輸送活性は、思わしくない結果しか示さず、これらのキャリアペプチドを使うと輸送活性に損失が生じることを示唆した。したがって、Futaki et al.(2001、前掲)に示された、ステアリル化されたキャリアペプチドとステアリル化されていないキャリアペプチドとの間の、観察上のトランスフェクション効率の差は、これらの実験において使用されるCPPの化学的性質を大幅に変化させる脂質類の存在に起因している。 Kim et al.(Kim et al.、 Basic peptide system for efficient delivery of foreign genes, Biochimica et Biophysica Acta 1640(2003) 129〜136)によれば、低分子であるアルギニンキャリアペプチド、例えば(Arg)9から(Arg)15を、緑色蛍光タンパク質PEGFP−N3をコードするDNAの複合化と細胞へのトランスフェクションのために使用してもよい。アルギニン(Arg)9から(Arg)15を使用する際には、細胞へのトランスフェクション効率は(Arg)9から(Arg)15に向けて増加し、(Arg)15の場合に最適な結果が得られた。これらの結果は、DNAを細胞へトランスフェクトする最適な輸送特性は、式(Arg)n(nは15より十分に大きな値)によって表わされるキャリアペプチドの場合に実現されることを示唆している。ただし、低分子であるアルギニンペプチドのトランスフェクション目的の適用性については、Kim et al.(2003、前掲)にDNA分子の場合に積荷として記述されているだけであった。 さらに、細胞へのトランスフェクションは、CPPをRNAと組み合わせて使用することによって実施してもよい。ただし、RNAの細胞への輸送については、実施例がほんのわずかな件数しか実施されていない。その原因は、RNAの劣化が速いことと、複合体の安定性が低いことにあると考えられる。したがって、CPPを使ったRNAのトランスフェクションは、比較的安定している二本鎖RNA、例えばsiRNAに限定されるようである。一例をあげると、Toenges et al.(RNA(2006), 12:1431〜1438)は、siRNAと複合体を形成するステアリル化された8−アルギニン(Arg)8を、低分子二本鎖siRNAを海馬の神経細胞へin vitro導入するために使用した。Toenges et al.(2006、前掲)の結果によれば、siRNAの輸送またはその他のRNA分子の輸送には、キャリアペプチドのステアリル成分が必須であるように思われる。 Veldhoen et al.(2006)は、さらに、低分子二本鎖siRNA配列を使った細胞へのトランスフェクションのために、非共有的複合体において特定CPPを使用することについて報告した(Veldhoen et al.、 Cellular delivery of small interfering RNA by a non−covalently attached cell penetrating peptide:quantitative analysis of uptake and biological effect、Nucleic Acids Research 2006)。Veldhoen et al.(2006)で使用されたペプチドは、MPGα(Ac−GALFLAFLAAALSLMGLWSQPKKKRKV−Cya)およびMPGα−mNLS(Ac−GALFLAFLAAALSLMGLWSQPKSKRKV−Cya)である。これらの特定ペプチドは、N側末端においてはアセチル類(Ac)で、また、C側末端においてはシステアミド類で付加的に修飾した。Veldhoen et al.(2006)は、前記キャリアペプチドを使用することによって、長さが約18個〜40個のヌクレオチドの二本鎖siRNAを細胞に導入することが可能であることを示した。 以上を要約すれば、マクロ分子を細胞内へ輸送することを目的としたCPPまたはその他のキャリアペプチドの使用に関する基本的な事項を、ペプチドおよびDNA分子の場合について示した。二本鎖siRNAの細胞貫通特性を開示した具体的な報告はほとんどない。 RNA導入は現代の分子医学では重要な道具である。また、DNA分子は重大な問題を起こす可能性があるので、DNA細胞トランスフェクションと比較して優れた性質を示す。例えば、DNA分子を適用すると、そのDNAが宿主ゲノムに組み込れる危険性がある。外来性DNAが宿主ゲノムに組み込まれると、宿主遺伝子の発現に対して影響を与える可能性がある。また、発癌遺伝子の発現または腫瘍抑制遺伝子の破壊が誘発されることもありうる。さらに、宿主にとっては欠かすことができない遺伝子が、外来性DNAがこの遺伝子のコード領域に組み込まれることによって不活性化される(遺伝子産物も同様に不活性化される)。DNAが細胞成長の調整に関わる遺伝子に組み込まれると、具体的な危険性がある。この場合、宿主細胞は変性状態になり、癌または腫瘍の形成を起こすこともある。このようなDNAへの非所望の組み込みは、細胞にトランスフェクトされたDNAが強力なプロモーター、例えばウイルス性CMVプロモーターを備えていれば、さらに大きな問題を引き起こすかもしれない。上記プロモーターが治療済み細胞のゲノムへ組み込まれると、細胞内での遺伝子発現の調整に所望しない変化を引き起こす可能性がある。もう一つの欠点は、DNA分子がエピゾームとしてまたは上記で言及したように宿主ゲノム内へ組み込まれて、細胞核内に長時間残存することである。この現象は、時間的に限定されないまたはできない導入遺伝子タンパク質の生成と、この導入遺伝子タンパク質に対して関連する許容性が生じる危険との双方の原因になる。DNAの注入によって、抗DNA抗体の発達(Gilkeson et al.、 J Clin Invest 95, 1398〜1402(1995))、および自己免疫疾患の誘引が誘発される可能性もある。列挙したこれら全ての危険性がDNAの適用と関連性がある。逆に、これらの危険性は、DNAの替わりにRNA、特にmRNAを使用すれば発生しない。例えば、mRNAは宿主ゲノムに組み込まれない。また、転写の実行にはプロモーターなどのウイルス性配列が一切不要である。RNAの使用によって生じる欠点があるとすれば、DNAに比較して不安定であることがその原因となるかもしれない(RNA劣化酵素、特にいわゆるRNase(RNA分解酵素)、さらに、RNAを不安定にするその他多数のプロセスがRNA不安定性化の元凶となる)。しかし一方で、RNAを安定化する方法が、当該技術分野において、例えば、WO03/051401、WO02/098443、WO99/14346、EP−A−1083232、US5,580,859、およびUS6,214,804において開示されている。さらに、リポゾームを使うか(Martinon et al.、 Eur J Immunol 23, 1719〜1722(1993))、または弾道デバイス(遺伝子銃)で核酸を細胞基質内in vivo投与することによって(Vassilev et al.、 Vaccine 19, 2012〜2019(2001)、RNAをRNA分解酵素による劣化から保護する方法も開発された。 RNA分子自身は、上述のようにDNAに比べて有利な特性を有するので、本発明の目的は、細胞内へのRNA輸送に適しており、かつ効率的なキャリアを提供することである。したがって、本発明は、効率的な細胞内へのRNAトランスフェクションを可能にする溶液を提供する。 この本発明の目的は、請求項によって特徴づけられる本発明の実施形態によって実現される。具体的には、上記目的は以下の複合化RNA(分子)によって達成される。すなわち、1つ以上のオリゴペプチドで複合化されたRNA(分子)、好ましくはmRNAを少なくとも1つ備えた複合化RNA(分子)であり、上記少なくとも1つのオリゴペプチドは8〜15アミノ酸の長さであり、かつ、上記少なくとも1つのオリゴペプチドは、以下の実験式によって表わされる上記少なくとも1つのオリゴペプチド内において、任意の順序で配置されたl個のArg残基、m個のLys残基、n個のHis残基、o個のOrn残基、およびx個のXaa残基を含有している複合化RNA(分子)である。(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x (式I)なお、・Arg、Lys、His、およびOrn全体の含有量が上記オリゴペプチドの全てのアミノ酸の少なくとも50%、例えば少なくとも60%または70%を占める場合、l+m+n+o+x=8〜15であり、また、l、m、n、およびoは互いに独立した、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および15から選択された任意の数値であり、・Xaaは、Arg、Lys、His、およびOrnを除いた天然(つまり自然に生じる)アミノ酸および非天然アミノ酸から選択された任意のアミノ酸であり、・Xaa全体の含有量が上記オリゴペプチドの全てのアミノ酸の50%を超えない、例えば40%または30%を越えない場合、xは、0、1、2、3、4、5、6、7、および8から選択された任意の数値である。 本発明の文脈において、複合化RNAとは、本発明において定義するように、実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる1つ以上のオリゴペプチドでもって、RNAとオリゴペプチドとの間で非共有的複合体を形成することによって複合化された、RNA(分子)、好ましくはmRNAであると理解すべきである。ここで、“非共有的”とは、RNAとオリゴペプチドとが、これらの分子の非共有的な相互作用によって可逆的に連結しており、上記分子は共有結合以外の任意のタイプの電子相互作用によって、例えばファンデルワールス結合(つまり、上記複合化分子の不特定な引力から発生する弱い静電性の引きつけあい)によって、互いに連結していることを意味している。RNAと少なくとも1つのオリゴペプチドとの連結は、複合体の解離平衡状態にある。細胞内については、理論に縛られるわけではないが、RNAとオリゴペプチドとが解離した状態の方で平衡であるように思われる。 本発明に係わる上記複合化RNAの少なくとも1つのオリゴペプチドは、8〜15アミノ酸の長さであり、好ましくは8〜14、8〜13、8〜12、または9〜12、または9〜11アミノ酸の長さであり、さらに好ましくは8〜10、9〜11、10〜12、11〜13、12〜14、または13〜15アミノ酸の長さであり、一層好ましくは、8、9、10、11、12、13、14、または15アミノ酸の長さである上記式によって表わされるペプチドから選択されてもよい。 本発明に係る上記複合化RNAのオリゴペプチドは、上記において定義したように、実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる。なお、(塩基性アミノ酸である)Arg、Lys、His、および/またはOrn全体の含有量が、本発明に係る上記複合化RNAのオリゴペプチドの全てのアミノ酸の少なくとも50%(例えば少なくとも51、52、53、54、55、56、57、58、または59%)、少なくとも60%(例えば少なくとも61、62、63、64、65、66、67、68、または69%)、少なくとも70%(例えば少なくとも71、72、73、74、75、76、77、78、または79%)、少なくとも80%(例えば少なくとも81、82、83、84、85、86、87、88、または89%)、少なくとも90%(例えば少なくとも91、92、93、94、95、96、97、98、または99%)、もしくは100%を占めるる場合、l+m+n+o+x=8〜15であり、また、l、m、n、およびoは互いに独立した、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および15から選択された任意の数値であるか、またはこれらの2つの数値によって形成される任意の範囲である。上記アミノ酸Arg、Lys、His、およびOrn(三文字表記)は、それぞれアルギニン、リジン、ヒスチジン、およびオルニチン(すべてアミノ酸)を指す。この文脈において、オルニチンは、構造がNH2−CH2−CH2−CH2−CHNH2−COOHと表わされるアミノ酸である。オルニチンは21番目のアミノ酸として人工的に合成されたものであって、DNAによってコードされたアミノ酸ではないという意味で、“自然に生じる”20個のアミノ酸には属しない。したがって、オルニチンは主要なタンパク質合成とは無関係である。ただし、オルニチンはL−アルギニンから開始する酵素反応によって生成される。保護されていないオルニチンを含んだポリペプチドは自発的にラクタム化を起こすので、オルニチンは遺伝子コードの一部をなすとは考えられていない。オルニチンは、アルギナーゼ酵素がL−アルギニンに作用して尿素を発生させる反応の生成物の一つであるから、塩基性アミノ酸だとみなすべきである。 別の好適な実施形態によれば、本発明の複合化RNAのオリゴペプチドの(それぞれの)アミノ酸は、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x(式I)によって表わされ、実験式について上記において定義されたように任意の頻度で発生する。つまり、各塩基性アミノ酸(Xaaを含む)は、上記において定義した実験式において、上記において定義した数値または範囲で発生する。なお、上記において定義した数値のうち2つを使って、任意の範囲を形成すればよい。ただし、上記実験式中の塩基性アミノ酸Argの含有量が、実験式全体に対して少なくとも10%であれば特に好ましく、少なくとも20%であればさらに好ましく、少なくとも30%、40%、または50%に達すれば一層好ましく、少なくとも60%、70%、80%、90%、または100%に達すればなお一層好ましい。別の特に好適な実施形態によれば、上記実験式中の塩基性アミノ酸Lysの含有量は、実験式全体に対して少なくとも10%、さらに好ましくは少なくとも20%、一層好ましくは少なくとも30%、40%、または50%に達し、なお一層好ましくは少なくとも60%、70%、80%、90%、または100%に達する。さらに別の特に好適な実施形態によれば、上記実験式中の塩基性アミノ酸Hisの含有量は、実験式全体に対して少なくとも10%、さらに好ましくは少なくとも20%、一層好ましくは少なくとも30%、40%、または50%に達し、なお一層好ましくは少なくとも60%、70%、80%、90%、または100%に達する。さらに別の好適な実施形態によれば、上記実験式中の塩基性アミノ酸Ornの含有量は、実験式全体に対して少なくとも10%、さらに好ましくは少なくとも20%、一層好ましくは少なくとも30%、40%、または50%に達し、なお一層好ましくは少なくとも60%、70%、80%、90%、または100%に達する。上記において定義された塩基性アミノ酸Arg、Lys、His、および/またはOrnの上記において定義された含有量、数値、または範囲は、どれもさらに互いに組み合わてもよく、好ましくは本発明の複合化RNAのオリゴペプチドの全ての塩基性アミノ酸全体の含有量が、最初に定義されたように、少なくとも50%(少なくとも51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、または59%)、少なくとも60%(少なくとも61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、または69%)、少なくとも70%(少なくとも71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、または79%)、少なくとも80%(少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、または89%)、少なくとも90%(少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)、または100%に達する。 さらに、上記式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x中のアミノ酸、つまりArg、Lys、His、および/またはOrnは、天然(つまり自然に生じる)アミノ酸Arg、Lys、His、およびOrnから選択されてもよく、または、これらのアミノ酸に由来する非天然(つまり自然には生じない)アミノ酸から選択されてもよい。アミノ酸Arg、Lys、His、およびOrnに由来する非天然の(つまり自然には生じない)アミノ酸としては、上記オリゴペプチドを有する場合、これらのアミノ酸の、化学的に修飾された任意の公知の誘導体が細胞または生体にとって有毒でない限り、上記誘導体が使用されてもよい(このようなアミノ酸の誘導体は複数の会社が販売している;例えばSigma Aldrich社(http://www.sigmaaldrich.comを参照)。 さらに、本発明に係る上記複合化RNAのオリゴペプチドは、上記実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x中にアミノ酸Xaaを含有していてもよく、このアミノ酸Xaaは、Arg、Lys、His、またはOrn以外の、天然(つまり自然に生じる)アミノ酸または非天然(つまり自然には生じない)アミノ酸から選択された任意のアミノ酸であってもよい。Xaaは、好ましくは、自然に発生する中性(および疎水性)アミノ酸、および/または自然に発生する中性(および極性)アミノ酸、および/または自然に生じる酸性アミノ酸から選択されるが、これに限定されるものではない。なお、上記自然に生じる中性(および疎水性)アミノ酸とは、中性(および疎水性)側鎖を有するアミノ酸、例えば、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、プロリン(Pro)、トリプトファン(Trp)、フェニルアラニン(Phe)、またはメチオニン(Met)である。また、上記自然に生じる中性(および極性)アミノ酸とは、中性(および極性)側鎖を有するアミノ酸、例えば、グリシン(Gly)、セリン(ser)、スレオニン(Thr)、チロシン(Tyr)、システイン(Cys)、アスパラギン(Asn)、またはグルタミン(Glu)である。さらに、上記自然に生じる酸性アミノ酸とは、酸性側鎖を有するアミノ酸、例えば、アスパラギン酸(Asp)またはグルタミン酸(Glu)である。好ましくは、本発明に係わる上記複合化RNAのオリゴペプチドは、上記実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xにおいて、酸性側鎖を持たないアミノ酸から選択されたアミノ酸Xaaを含有していてもよい。一層好ましくは、実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x中のXaaは、中性側鎖を有するアミノ酸から、つまり、上記において定義された中性(および疎水性を有する)側鎖を有するアミノ酸および/または中性(および極性を有する)側鎖を有するアミノ酸から選択される。また、上記オリゴペプチドと共に提供する場合に、アミノ酸の任意の公知の誘導体、つまり、化学的に修飾されたアミノ酸が細胞または生体にとって有毒でない限り、上記誘導体が、上記実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xにおいて、Xaaの替わりに使用されてもよい(このようなアミノ酸の誘導体は複数の会社が販売している;例えばSigma Aldrich社(http://www.sigmaaldrich.comを参照)。Xaaの含有量は、通常上記式中、全てのオリゴペプチド配列の全てのアミノ酸の0%〜30%、0%〜40%、または0%〜50%である。つまり、Xaaの含有量は全体で、全てのオリゴペプチド配列の全てのアミノ酸の30%、40%、または50%以下であり、好ましくは、全てのオリゴペプチド配列の全てのアミノ酸の20%以下、一層好ましくは10%以下、および最も好ましくは5%以下である。したがって、Xaaの含有量が、上記複合化RNAのオリゴペプチドの全てのアミノ酸の30%(またはそれ未満)、40%、または50%という上記の数値以下であれば、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x中のxは、0、1、2、3、4、5、6、7、または8から選択された任意の数値であってもよい。 通常、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xで示される本発明に係わる上記複合化RNAオリゴペプチドのアミノ酸Arg、Lys、His、Orn、およびXaaは、オリゴペプチド配列の任意の位置に配置されてもよい。したがって、実験式(I)はアミノ酸の順序についてなんら指定するものではなく、むしろアミノ酸の種類とペプチド中におけるその発生頻度とを反映させようというものである。つまり、ペプチド鎖がl個のArg残基、m個のLys残基、n個のHis残基、o個のOrn残基、およびx個のXaa残基を含有することを示唆しており、ペプチド鎖におけるこれらの残基の順序について指定するものではない。 ただし、上記オリゴペプチドは、一方の末端部または好ましくは両方の末端部において、酸性側鎖以外のアミノ酸を備えていることが好ましい。さらに好ましくは、上記オリゴペプチド配列が、一方の末端部または好ましくは両方の末端部において、中性アミノ酸または塩基性アミノ酸を備えており、一層好ましくは、一方または両方の末端部において、塩基性アミノ酸を備えている。さらに好適な実施形態では、上述の一般式によって表わされる上記オリゴペプチドは、少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つの末端塩基性残基、特にArg、Orn、またはLysをどちらかの末端において含有する。別の好適な実施形態によれば、上述の一般式によって表わされるオリゴペプチドは、好ましくは、一方の末端部または好ましくは両方の末端部においてカチオン性アミノ酸(つまりArg、Orn、またはLys)を有しない。一層好ましくは、両方の末端部においてカチオン性アミノ酸(つまりArg、Orn、またはLys)を有しない。換言すれば、上述の一般式によって表わされるオリゴペプチドの1つの末端部、またはさらに好ましくは両方の末端部は、Arg、Orn、Lys、もしくはこれらのカチオン性アミノ酸の任意の変異体または誘導体を除いたアミノ酸から選択される、任意の非カチオン性アミノ酸を備えていてもよい。両末端部は、例えば1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、またはさらに多くの、上記において定義された塩基性非カチオン性残基を、特定配列のN末端部および/またはC末端部を先頭として備えている。 別の好適な実施形態によれば、本発明に係る上記複合化RNAのオリゴペプチドの一方または両方の末端部は、その末端部の一方または両方において、少なくとも1つのヒスチジン残基を備えていてもよい。例えば、オリゴペプチド全体の長さが上記において定義されたように8〜15アミノ酸に限定されている限り、本発明に係る上記複合化RNAのオリゴペプチドは、1つ、2つ、3つ、またはより多くのヒスチジン残基を一方または両方の末端部において連続して備えていてもよい。 また、本発明に係る上記複合化RNAのオリゴペプチドのXaa残基は、通常少なくとも1つのArg、Lys、His、またはOrnを挟んで互いに離間している。このようにXaa残基が離間することによって、オリゴペプチド中の非塩基性アミノ酸がクラスタをつくることが避けられるので好ましい。これは、非塩基性クラスタが形成されると、本発明に係る上記複合化RNAのキャリアペプチドとしてのオリゴペプチドの有利性が低減するからである。 ただし、上述の式によって表わされる複合化RNAのオリゴペプチドの塩基性アミノ酸残基は、上記において定義されたArg、Lys、His、またはOrnから選択され、通常、少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、4個、5個、または6個、またはより多くの、本発明において定義される塩基性アミノ酸のクラスタの形態で生じる。特に好適な実施形態によれば、上記クラスタは、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、または15個のアミノ酸を備えていてもよい。上記塩基性アミノ酸のクラスタは、好ましくは、少なくとも3個、4個、5個、または6個、またはより多くの塩基性アミノ酸のクラスタであって、好ましくは、塩基性面または結合領域を上記オリゴペプチド内に生成する。この塩基性面または結合領域によって、本発明に係る上記複合化RNAのキャリアペプチドとしてのオリゴペプチドは、有利な特徴を獲得する。 別の好適な実施形態によれば、本発明の複合化RNAのオリゴペプチドは、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x(式I)によって表わされ、以下の式からなる小群より選択されてもよい(ただしこれに限定されるものではない)。すなわち、Arg8、Arg9、Arg10、Arg11、Arg12、Arg13、Arg14、Arg15(配列番号1〜8);Lys8、Lys9、Lys10、Lys11、Lys12、Lys13、Lys14、Lys15(配列番号9〜16);His8、His9、His10、His11、His12、His13、His14、His15(配列番号17〜24);Orn8、Orn9、Orn10、Orn11、Orn12、Orn13、Orn14、Orn15(配列番号25〜32)。 別の好適な実施形態によれば、本発明の複合化RNAのオリゴペプチドは、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x(式I)によって表わされ、下記の小群より選択されてもよい(ただしこれに限定されるものではない)。この小群は、上記において定義された実験式Iで表わされる、好適な例として本発明の特定のオリゴペプチドを定義する。なお、(実験式(I)と同様に)下記の式はアミノ酸の順序についてなんら指定するものではなく、もっぱら各ペプチドの成分としてのアミノ酸(の個数)を指定することによって実験式を反映させようというものである。したがって、実験式Arg(7−14)Lys1は、この式の範疇に入るペプチドが7個〜14個のArg残基と1個のLys残基とを含有し、その順序はいかなる順序であってもよいことを意味している。ペプチドが7個のArg残基と1個のLys残基とを含有するのであれば、7個のArg残基と1個のLys残基とを有する全ての変異体が包含される。したがってLys残基は、例えばArgが7個とLys残基が1個からなるアミノ酸8個の長さの配列中で、どこに配置されてもよい。上記小群は、好ましくは、以下のオリゴペプチドからなる。すなわち、Arg(7−14)Lys1、Arg(7−14)His1、Arg(7−14)Orn1、Lys(7−14)His1、Lys(7−14)Orn1、His(7−14)Orn1;Arg(6−13)Lys2、Arg(6−13)His2、Arg(6−13)Orn2、Lys(6−13)His2、Lys(6−13)Orn2、His(6−13)Orn2;Arg(5−12)Lys3、Arg(5−12)His3、Arg(5−12)Orn3、Lys(5−12)His3、Lys(5−12)Orn3、His(5−12)Orn3;Arg(4−11)Lys4、Arg(4−11)His4、Arg(4−11)Orn4、Lys(4−11)His4、Lys(4−11)Orn4、His(4−11)Orn4;Arg(3−10)Lys5、Arg(3−10)His5、Arg(3−10)Orn5、Lys(3−10)His5、Lys(3−10)Orn5、His(3−10)Orn5;Arg(2−9)Lys6、Arg(2−9)His6、Arg(2−9)Orn6、Lys(2−9)His6、Lys(2−9)Orn6、His(2−9)Orn6;Arg(1−8)Lys7、Arg(1−8)His7、Arg(1−8)Orn7、Lys(1−8)His7、Lys(1−8)Orn7、His(1−8)Orn7;Arg(6−13)Lys1His1、Arg(6−13)Lys1Orn1、Arg(6−13)His1Orn1、Arg1Lys(6−13)His1、Arg1Lys(6−13)Orn1、Lys(6−13)His1Orn1、Arg1Lys1His(6−13)、Arg1His(6−13)Orn1、Lys1His(6−13)Orn1;Arg(5−12)Lys2His1、Arg(5−12)Lys1His2、Arg(5−12)Lys2Orn1、Arg(5−12)Lys1Orn2、Arg(5−12)His2Orn1、Arg(5−12)His1Orn2、Arg2Lys(5−12)His1、Arg1Lys(5−12)His2、Arg2Lys(5−12)Orn1、Arg1Lys(5−12)Orn2、Lys(5−12)His2Orn1、Lys(5−12)His1Orn2、Arg2Lys1His(5−12)、Arg1Lys2His(5−12)、Arg2His(5−12)Orn1、Arg1His(5−12)Orn2、Lys2His(5−12)Orn1、Lys1His(5−12)Orn2;Arg(4−11)Lys3His1、Arg(4−11)Lys2His2、Arg(4−11)Lys1His3、Arg(4−11)Lys3Orn1、Arg(4−11)Lys2Orn2、Arg(4−11)Lys1Orn3、Arg(4−11)His3Orn1、Arg(4−11)His2Orn2、Arg(4−11)His1Orn3、Arg3Lys(4−11)His1、Arg2Lys(4−11)His2、Arg1Lys(4−11)His3、Arg3Lys(4−11)Orn1、Arg2Lys(4−11)Orn2、Arg1Lys(4−11)Orn3、Lys(4−11)His3Orn1、Lys(4−11)His2Orn2、Lys(4−11)His1Orn3、Arg3Lys1His(4−11)、Arg2Lys2His(4−11)、Arg1Lys3His(4−11)、Arg3His(4−11)Orn1、Arg2His(4−11)Orn2、Arg1His(4−11)Orn3、Lys3His(4−11)Orn1、Lys2His(4−11)Orn2、Lys1His(4−11)Orn3;Arg(3−10)Lys4His1、Arg(3−10)Lys3His2、Arg(3−10)Lys2His3、Arg(3−10)Lys1His4、Arg(3−10)Lys4Orn1、Arg(3−10)Lys3Orn2、Arg(3−10)Lys2Orn3、Arg(3−10)Lys1Orn4、Arg(3−10)His4Orn1、Arg(3−10)His3Orn2、Arg(3−10)His2Orn3、Arg(3−10)His1Orn4、Arg4Lys(3−10)His1、Arg3Lys(3−10)His2、Arg2Lys(3−10)His3、Arg1Lys(3−10)His4、Arg4Lys(3−10)Orn1、Arg3Lys(3−10)Orn2、Arg2Lys(3−10)Orn3、Arg1Lys(3−10)Orn4、Lys(3−10)His4Orn1、Lys(3−10)His3Orn2、Lys(3−10)His2Orn3、Lys(3−10)His1Orn4、Arg4Lys1His(3−10)、Arg3Lys2His(3−10)、Arg2Lys3His(3−10)、Arg1Lys4His(3−10)、Arg4His(3−10)Orn1、Arg3His(3−10)Orn2、Arg2His(3−10)Orn3、Arg1His(3−10)Orn4、Lys4His(3−10)Orn1、Lys3His(3−10)Orn2、Lys2His(3−10)Orn3、Lys1His(3−10)Orn4;Arg(2−9)Lys5His1、Arg(2−9)Lys4His2、Arg(2−9)Lys3His3、Arg(2−9)Lys2His4、Arg(2−9)Lys1His5、Arg(2−9)Lys5Orn1、Arg(2−9)Lys4Orn2、Arg(2−9)Lys3Orn3、Arg(2−9)Lys2Orn4、Arg(2−9)Lys1Orn5、Arg(2−9)His5Orn1、Arg(2−9)His4Orn2、Arg(2−9)His3Orn3、Arg(2−9)His2Orn4、Arg(2−9)His1Orn5、Arg5Lys(2−9)His1、Arg4Lys(2−9)His2、Arg3Lys(2−9)His3、Arg2Lys(2−9)His4、Arg1Lys(2−9)His5、Arg5Lys(2−9)Orn1、Arg4Lys(2−9)Orn2、Arg3Lys(2−9)Orn3、Arg2Lys(2−9)Orn4、Arg1Lys(2−9)Orn5、Lys(2−9)His5Orn1、Lys(2−9)His4Orn2、Lys(2−9)His3Orn3、Lys(2−9)His2Orn4、Lys(2−9)His1Orn5、Arg5Lys1His(2−9)、Arg4Lys2His(2−9)、Arg3Lys3His(2−9)、Arg2Lys4His(2−9)、Arg1Lys5His(2−9)、Arg5His(2−9)Orn1、Arg4His(2−9)Orn2、Arg3His(2−9)Orn3、Arg2His(2−9)Orn4、Arg1His(2−9)Orn5、Lys5His(2−9)Orn1、Lys4His(2−9)Orn2、Lys3His(2−9)Orn3、Lys2His(2−9)Orn4、Lys1His(2−9)Orn5;Arg(1−8)Lys6His1、Arg(1−8)Lys5His2、Arg(1−8)Lys4His3、Arg(1−8)Lys3His4、Arg(1−8)Lys2His5、Arg(1−8)Lys1His6、Arg(1−8)Lys6Orn1、Arg(1−8)Lys5Orn2、Arg(1−8)Lys4Orn3、Arg(1−8)Lys3Orn4、Arg(1−8)Lys2Orn5、Arg(1−8)Lys1Orn6、Arg(1−8)His6Orn1、Arg(1−8)His5Orn2、Arg(1−8)His4Orn3、Arg(1−8)His3Orn4、Arg(1−8)His2Orn5、Arg(1−8)His1Orn6、Arg6Lys(1−8)His1、Arg5Lys(1−8)His2、Arg4Lys(1−8)His3、Arg3Lys(1−8)His4、Arg2Lys(1−8)His5、Arg1Lys(1−8)His6、Arg6Lys(1−8)Orn1、Arg5Lys(1−8)Orn2、Arg4Lys(1−8)Orn3、Arg3Lys(1−8)Orn4、Arg2Lys(1−8)Orn5、Arg1Lys(1−8)Orn6、Lys(1−8)His6Orn1、Lys(1−8)His5Orn2、Lys(1−8)His4Orn3、Lys(1−8)His3Orn4、Lys(1−8)His2Orn5、Lys(1−8)His1Orn6、Arg6Lys1His(1−8)、Arg5Lys2His(1−8)、Arg4Lys3His(1−8)、Arg3Lys4His(1−8)、Arg2Lys5His(1−8)、Arg1Lys6His(1−8)、Arg6His(1−8)Orn1、Arg5His(1−8)Orn2、Arg4His(1−8)Orn3、Arg3His(1−8)Orn4、Arg2His(1−8)Orn5、Arg1His(1−8)Orn6、Lys6His(1−8)Orn1、Lys5His(1−8)Orn2、Lys4His(1−8)Orn3、Lys3His(1−8)Orn4、Lys2His(1−8)Orn5、Lys1His(1−8)Orn6;Arg(5−12)Lys1His1Orn1、Arg1Lys(5−12)His1Orn1、Arg1Lys1His(5−12)Orn1、Arg1Lys1His1Orn(5−12);Arg(4−11)Lys2His1Orn1、Arg(4−11)Lys1His2Orn1、Arg(4−11)Lys1His1Orn2、Arg2Lys(4−11)His1Orn1、Arg1Lys(4−11)His2Orn1、Arg1Lys(4−11)His1Orn2、Arg2Lys1His(4−11)Orn1、Arg1Lys2His(4−11)Orn1、Arg1Lys1His(4−11)Orn2、Arg2Lys1His1Orn(4−11)、Arg1Lys2His1Orn(4−11)、Arg1Lys1His2Orn(4−11);Arg(3−10)Lys3His1Orn1、Arg(3−10)Lys2His2Orn1、Arg(3−10)Lys2His1Orn2、Arg(3−10)Lys1His2Orn2、Arg(3−10)Lys1His1Orn3、Arg3Lys(3−10)His1Orn1、Arg2Lys(3−10)His2Orn1、Arg2Lys(3−10)His1Orn2、Arg1Lys(3−10)His2Orn2、Arg1Lys(3−10)His1Orn3、Arg3Lys1His(3−10)Orn1、Arg2Lys2His(3−10)Orn1、Arg2Lys1His(3−10)Orn2、Arg1Lys2His(3−10)Orn2、Arg1Lys1His(3−10)Orn3、Arg3Lys1His1Orn(3−10)、Arg2Lys2His1Orn(3−10)、Arg2Lys1His2Orn(3−10)、Arg1Lys2His2Orn(3−10)、Arg1Lys1His3Orn(3−10);Arg(2−9)Lys4His1Orn1、Arg(2−9)Lys1His4Orn1、Arg(2−9)Lys1His1Orn4、Arg(2−9)Lys3His2Orn1、Arg(2−9)Lys3His1Orn2、Arg(2−9)Lys2His3Orn1、Arg(2−9)Lys2His1Orn3、Arg(2−9)Lys1His2Orn3、Arg(2−9)Lys1His3Orn2、Arg(2−9)Lys2His2Orn2、Arg4Lys(2−9)His1Orn1、Arg1Lys(2−9)His4Orn1、Arg1Lys(2−9)His1Orn4、Arg3Lys(2−9)His2Orn1、Arg3Lys(2−9)His1Orn2、Arg2Lys(2−9)His3Orn1、Arg2Lys(2−9)His1Orn3、Arg1Lys(2−9)His2Orn3、Arg1Lys(2−9)His3Orn2、Arg2Lys(2−9)His2Orn2、Arg4Lys1His(2−9)Orn1、Arg1Lys4His(2−9)Orn1、Arg1Lys1His(2−9)Orn4、Arg3Lys2His(2−9)Orn1、Arg3Lys1His(2−9)Orn2、Arg2Lys3His(2−9)Orn1、Arg2Lys1His(2−9)Orn3、Arg1Lys2His(2−9)Orn3、Arg1Lys3His(2−9)Orn2、Arg2Lys2His(2−9)Orn2、Arg4Lys1His1Orn(2−9)、Arg1Lys4His1Orn(2−9)、Arg1Lys1His4Orn(2−9)、Arg3Lys2His1Orn(2−9)、Arg3Lys1His2Orn(2−9)、Arg2Lys3His1Orn(2−9)、Arg2Lys1His3Orn(2−9)、Arg1Lys2His3Orn(2−9)、Arg1Lys3His2Orn(2−9)、Arg2Lys2His2Orn(2−9);Arg(1−8)Lys5His1Orn1、Arg(1−8)Lys1His5Orn1、Arg(1−8)Lys1His1Orn5、Arg(1−8)Lys4His2Orn1、Arg(1−8)Lys2His4Orn1、Arg(1−8)Lys2His1Orn4、Arg(1−8)Lys1His2Orn4、Arg(1−8)Lys1His4Orn2、Arg(1−8)Lys4His1Orn2、Arg(1−8)Lys3His3Orn1、Arg(1−8)Lys3His1Orn3、Arg(1−8)Lys1His3Orn3、Arg5Lys(1−8)His1Orn1、Arg1Lys(1−8)His5Orn1、Arg1Lys(1−8)His1Orn5、Arg4Lys(1−8)His2Orn1、Arg2Lys(1−8)His4Orn1、Arg2Lys(1−8)His1Orn4、Arg1Lys(1−8)His2Orn4、Arg1Lys(1−8)His4Orn2、Arg4Lys(1−8)His1Orn2、Arg3Lys(1−8)His3Orn1、Arg3Lys(1−8)His1Orn3、Arg1Lys(1−8)His3Orn3、Arg5Lys1His(1−8)Orn1、Arg1Lys5His(1−8)Orn1、Arg1Lys1His(1−8)Orn5、Arg4Lys2His(1−8)Orn1、Arg2Lys4His(1−8)Orn1、Arg2Lys1His(1−8)Orn4、Arg1Lys2His(1−8)Orn4、Arg1Lys4His(1−8)Orn2、Arg4Lys1His(1−8)Orn2、Arg3Lys3His(1−8)Orn1、Arg3Lys1His(1−8)Orn3、Arg1Lys3His(1−8)Orn3、Arg5Lys1His1Orn(1−8)、Arg1Lys5His1Orn(1−8)、Arg1Lys1His5Orn(1−8)、Arg4Lys2His1Orn(1−8)、Arg2Lys4His1Orn(1−8)、Arg2Lys1His4Orn(1−8)、Arg1Lys2His4Orn(1−8)、Arg1Lys4His2Orn(1−8)、Arg4Lys1His2Orn(1−8)、Arg3Lys3His1Orn(1−8)、Arg3Lys1His3Orn(1−8)、Arg1Lys3His3Orn(1−8)。 1つの好適な実施形態によれば、本発明の複合化RNAのオリゴペプチドは、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされ、Arg8、Arg9、Arg10、Arg11、Arg12、Arg13、Arg14、Arg15(配列番号1〜8);Lys8、Lys9、Lys10、Lys11、Lys12、Lys13、Lys14、Lys15(配列番号9〜16);His8、His9、His10、His11、His12、His13、His14、His15(配列番号17〜24);またはOrn8、Orn9、Orn10、Orn11、Orn12、Orn13、Orn14、Orn15(配列番号25〜32)からなる小群より選択される。 別の好適な実施形態によれば、本発明の複合化RNAのオリゴペプチドは、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされ、一般式Arg9(R9とも称される)、Arg9His3(R9H3とも称される)、His3Arg9His3(H3R9H3とも称される)、TyrSerSerArg9SerSerTyr(YSSR9SSYとも称される)、His3Arg9SerSerTyr(H3R9SSYとも称される)、(ArgLysHis)4((RKH)4とも称される)、Tyr(ArgLysHis)2Arg(Y(RKH)2Rとも称される)からなる小群より選択される。一層好ましくは、これらの一般式は以下のように定義される。すなわち、Arg9:Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg(配列番号2)Arg9His3:Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−His−His−His(配列番号39)His3Arg9His3:His−His−His−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−His−His−His(配列番号40)TyrSerSerArg9SerSerTyr:Tyr−Ser−Ser−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Ser−Ser−Tyr(配列番号41)His3Arg9SerSerTyr:His−His−His−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Ser−Ser−Tyr(配列番号42)(ArgLysHis)4:Arg−Lys−His−Arg−Lys−His−Arg−Lys−His−Arg−Lys−His(配列番号43)Tyr(ArgLysHis)2Arg:Tyr−Arg−Lys−His−Arg−Lys−His−Arg(配列番号44) 本発明の複合化RNA(分子)の少なくとも1つのオリゴペプチドは、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされ、付加的に修飾されてもよい。本発明の文脈において、修飾とは通常、その結果生じる複合化RNAのトランスフェクション能力に対して干渉しない、ペプチドに適した任意の修飾を含む。 それゆえ、典型的な修飾には、例えば上記において定義された修飾されたアミノ酸の使用を含む。さらに、上記オリゴペプチドの末端アミノ酸残基は、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされ、カルボキシ基(C側末端)およびアミノ基(N側末端)(ならびにカルボキシ側鎖基またはアミドアミノ酸側鎖基、上記参照)を有し、適切なアミノ保護基またはカルボキシル保護基を使うことによって、保護された形態(例えばC末端がアミド基によって保護されている)および/または保護されていない形態で存在してもよい。また、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる上記オリゴペプチドの酸付加塩を使用してもよい。一般的な酸付加塩はハイドロハリック(hydrohalic)酸塩、つまり、HB、HI、またはさらに好ましくはHClである。 上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる上記オリゴペプチド中で、リジンの末端または側鎖カルボキシル基もしくはε−アミノ基をペグ化することによって、凝集および血清劣化に対する耐性が生じる。このペグ化は本発明の権利範囲内である。 本発明の複合化RNAの(分子)の少なくとも1つのオリゴペプチドは、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされ、さらに、少なくとも1つの特定のリガンドに結合または連結するように修飾されてもよく、上記少なくとも1つの特定のリガンドは、上記少なくとも1つのオリゴペプチドの一方または両方の末端部に結合または連結されていてもよい。上記オリゴペプチドの一方または両方の末端部に結合または連結された上記少なくとも1つの特定のリガンドは、同一であっても、あるいは異なっていてもよい。さらにこの特定のリガンドは、受容体またはタンパク質またはタンパク質/受容体複合体、例えば細胞表面であれば例えばRGD−ペプチド、トランスフェリン、またはマンノースなど(ただしこれに限定されるものではない)と、結合または相互作用可能な任意の化合物から選択されてもよい。 上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる上記オリゴペプチドの誘導体を生成する、その他の好ましい修飾は上記オリゴペプチドに共有結合してもよい炭水化物および/または脂質に基づいている。炭水化物および/または脂質を、その反応性側鎖類を介して、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、またはチロシン、もしくはグルタミン酸塩またはアスパラギン酸塩に結合することが好ましい。あるいは、炭水化物および/または脂質が、本発明において定義されたオリゴペプチド末端類にさらに連結されてもよい。さらに、上記オリゴペプチドは、機能的に異なるペプチドまたはタンパク質類に結合されてもよく、この機能的に異なるペプチドまたはタンパク質類はオリゴペプチドをさらに安定化するおよび/または体液、特に血液中においてオリゴペプチドの輸送特性の改善に役立つようなものであってもよい。適したペプチドまたはタンパク質は、例えばアルブミン、トランスフェリンなどから選択されてもよく、このアルブミン、トランスフェリンなどは、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされるオリゴペプチドに、直接もしくはペプチドまたは有機リンカー配列を介して結合されてもよい。好ましくは、これらのペプチドまたはタンパク質は、オリゴペプチドの有する一方の一つの末端に連結されている。 この文脈において、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされるオリゴペプチドの、脂質を使った修飾では、通常(飽和または不飽和)脂肪酸、特に長鎖の(飽和または不飽和)脂肪酸(中でも、>C12、>C14、または>C16の長鎖)を使用しないことに注意されたい。したがって、本発明の文脈において、上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされるオリゴペプチドを、脂肪酸を使って修飾することは、本発明の不可欠な要素ではない。ただし、キャリアペプチドの修飾に脂肪酸が使用されるのであれば、例えばブタン脂肪酸(butanoic fatty acid)(酪酸脂肪酸(butyric fatty acid))、ペンタン脂肪酸(pentanoic fatty acid)(吉草酸脂肪酸(valeric fatty acid))、ヘキサン脂肪酸(hexanoic fatty acid)(カプロン脂肪酸(caproic fatty acid))、オクタン脂肪酸(octanoic fatty acid)(カプリル脂肪酸(caprylic fatty acid))、ノナン脂肪酸(nonanoic fatty acid)(ペラルゴン脂肪酸(pelargonic fatty acid))、デカン脂肪酸(decanoic fatty acid)(カプリン脂肪酸(capric fatty acid))、ドデカン脂肪酸(dodecanoic fatty acid)(ラウリン脂肪酸(lauric fatty acid))、テトラデカン脂肪酸(tetradecanoic fatty acid)(ミリスチン脂肪酸(myristic fatty acid))、ヘキサデカン脂肪酸(hexadecanoic fatty acid)(パルミチン脂肪酸(palmitic fatty acid))、ヘプタデカン脂肪酸(heptadecanoic fatty acid)(マルガリン(ダツリン)脂肪酸(margaric (daturic) fatty acid))、オクタデカン脂肪酸(octadecanoic fatty acid)(ステアリン脂肪酸(stearic fatty acid))、エイコサン脂肪酸(eicosanoic fatty acid)(アラキン脂肪酸(arachidic fatty acid))、ドコサン脂肪酸(docosanoic fatty acid)(ベヘン脂肪酸(behenic fatty acid))、テトラコサン脂肪酸(tetracosanoic fatty acid)(リグノセリン脂肪酸(lignoceric fatty acid))、ヘキサコサン脂肪酸(hexacosanoic fatty acid)(セロチン酸脂肪酸(cerotic fatty acid))、ヘプタコサン脂肪酸(heptacosanoic fatty acid)(カルボセリン脂肪酸(carboceric fatty acid))、オクタコサン脂肪酸(octacosanoic fatty acid)(モンタン脂肪酸(montanic fatty acid))、トリアコンタン脂肪酸(triacontanoic fatty acid)(メリシン脂肪酸(melissic fatty acid))、ドトリアコンタン脂肪酸(dotriacontanoic fatty acid)(ラッセル脂肪酸(lacceroic fatty acid))、トリアコンタン脂肪酸(tritriacontanoic fatty acid)(セロメリッシン(フィリン)脂肪酸(ceromelissic (psyllic) fatty acid))、テトラトリアコンタン脂肪酸(tetratriacontanoic fatty acid)(ゲダ脂肪酸(geddic fatty acid))、ペンタトリアコンタン脂肪酸(pentatriacontanoic fatty acid)(蝋型脂肪酸(ceroplastic fatty acid))など、またはこれらの不飽和類似体からなる群より選択されてもよい(ただしこれに限定されるものではない)。特定の例をあげると、本発明では、通常、式Iのキャリアペプチドの修飾のために、オクタデカン脂肪酸(ステアリン脂肪酸)またはその不飽和類似体を使用しない。つまり、通常、式Iのステアリル化されたオリゴペプチドは、ここでは上記本発明の複合体のRNA成分の複合化のために使用されない。 上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされるオリゴペプチドの劣化問題を回避するためには、本発明の別の一実施形態によれば、Dアミノ酸からなる、または少なくとも部分的にDアミノ酸からなる、上記オリゴペプチドのレトロ−インバーソ(retro−inverso)型異性体が使用されてもよい。「レトロ−インバーソ(retro−inverso)型異性体」という用語は、配列方向が反対で、各アミノ酸残基のキラリティーが反転している直鎖ペプチドの異性体を指す(例えば、Jameson et al.、 Nature, 368, 744〜746(1994);Brady et al.、 Nature, 368, 692〜693(1994)を参照)。親ペプチドに対して、レトロ−インバーソ(retro−inverso)型ペプチドは、アミノ酸が逆の順序で、通常Fmocアミノ酸誘導体をともなって組み立てられる。通常、未精製のペプチドは逆位相HPLCによって精製されてもよい。 上述の実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xで表わされるオリゴペプチドに導入可能な他の修飾は、ペプチドの主鎖の修飾に関連したものである。好ましくは、修飾されたオリゴペプチドは骨格模倣物であり、その主鎖は自然に生じる主鎖とは異なるが、その側鎖構造はオリゴペプチド、もしくはその断片、変異体、または誘導体と同一である。一般に、骨格模倣物は、一つ以上の主鎖の成分(NH、CH、CO)が、置換(好ましくは)または挿入によって修飾されている。置換基としては、例えば(I)−NH−を置換する−O−、−S−、または−CH2−、(II)−CHR−を置換する−N−、C−アルキル−、または−BH−、および(III)−CO−を置換する−CS−、−CH2−、−SOn−、−P=O(OH)−、または−B(OH)−があげられる。本発明において定義される実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされるオリゴペプチドのペプチド模倣物は、これらの修飾それぞれの組み合わせであってもよい。特に、各グループI、II、およびIIIのそれぞれの修飾を組み合わてもよい。ペプチド模倣物において、主鎖の各成分は修飾されてもよく、または、ある限った個数の成分を自然に生じたものではない成分と交換してもよい。好ましくは、本発明において定義される実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされるオリゴペプチドの全ての主鎖の成分(−NH−、−CHR−、またはCOのいずれか)が、他の自然に生じたものではない基に変換される。オリゴペプチドの主鎖のアミド結合(−NH−CO−)が(分子全体において、または少なくとも1つの位置において)置換される場合、好適な置換成分は生物学的等価性を有するもの、例えばレトロ−インバース(retro−inverse)型アミド結合(−CO−NH−)、ヒドロキシルエチレン(−CH(OH)−CH2−)、アルケン(CH2=CH−)、カルバ(CH2−CH2−)、および/または−P=O(OH)−CH2−)である。あるいは、本発明において定義される実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xにおいて表わされるオリゴペプチドの骨格模倣物中において、例えばCα原子に隣接する成分によって、挿入による主鎖の伸長が生じてもよい。例えば−O−、−S−、−CH−、−NH−が、上記Cα原子の何れの側に挿入されてもよい。 特に好ましいのは、本発明において定義される実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされるオリゴペプチドのオリゴカルバミン酸塩ペプチドの主鎖構造である。したがって、アミド結合をカルバミン酸塩類によって置換してもよい。単量体であるN−保護アミノアルキル炭酸塩は、対応するアミノ酸またはアミノアルコールから得ることができる。アミノ酸またはアミノアルコールは、活性を有するエステル、例えばFmoc類を使用することによってp型ニトロフェニルエステル、または固相合成によって感光性ニトロアトリルオキシカルボニル(nitroatryloxycarbonyl)基に変換される。 本発明の複合化RNAは、さらに、トランスフェクションの目的に適した少なくとも1つのRNA(分子)を備え、この少なくとも1つのRNA(分子)は、上記で開示されたように実験式I((Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x)によって表わされる1つ以上のオリゴペプチドで複合化されている。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、(好ましくは、本発明に係る複合化RNAとして適用されるRNAのタイプに依存して)任意の長さを有していてもよい。上記少なくとも1つのRNA(分子)は、トランスフェクトされるRNAのタイプに応じて、5〜20000ヌクレオチドの長さ、さらに好ましくは5〜10000ヌクレオチドの長さ、または300〜10000ヌクレオチドの長さ、一層好ましくは5〜5000ヌクレオチドの長さ、最も好ましくは20〜5000ヌクレオチドの長さ、50〜5000ヌクレオチドの長さ、100〜5000ヌクレオチドの長さ、または300〜10000ヌクレオチドの長さであってもよいが、これに限定されるものではない(下記の開示を参照)。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、任意のRNAであってもよく、好ましくは、低分子RNAオリゴヌクレオチド(好適な長さは5〜80、さらに好ましくは20〜80ヌクレオチド)、コーディングRNA、免疫活性化RNA、siRNA、アンチセンスRNA、またはリボスイッチ、リボザイム、またはアプタマーである。ただしこれに限定されるものではない。さらに、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、一本鎖RNAまたは二本鎖RNA(後者は2本の一本鎖RNA(複数分子)が非共有的に連結しているのであるから、一種のRNA(単一分子)であるともみなすことができる)であってもよいし、あるいは、部分的な二本鎖RNA(これは通常、長めの一本鎖RNA分子と比較的低分子の一本鎖RNA分子とによって形成されるか、あるいは、長さがほぼ等しく、一方の一本鎖RNA分子がもう一方の一本鎖RNA分子に対して部分的に相補的であり、それゆえ両者がこの領域において二本鎖RNA分子を形成する2本の一本鎖RNA分子によって形成される)であってもよい。好ましくは、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、一本鎖RNAである。本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、さらに、環状RNAまたは直鎖RNAであってもよく、好ましくは直鎖RNAである。さらに好ましくは、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、(直鎖)一本鎖RNAである。本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、リボゾームRNA(rRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、またはウイルスRNA(vRNA)、好ましくはmRNAである。本発明では、これらのRNAのどれが細胞にトランスフェクトされてもよい。本発明において、mRNAは通常いくつかの構造的要素からなるRNAであり、例えば、必要に応じて5’−UTR領域が存在し、この上流にリボゾーム結合部位が配置され、さらにコード領域と、必要に応じて3’−UTR領域とが続き、さらにポリA尾部(および/またはポリC尾部)が続く。mRNAは、モノシストロン性RNA、ジシストロン性RNA、さらに多シストロン性RNAとして、つまり、1つ、2つ、またはそれ以上の個数のタンパク質のコード配列を担持するRNAとして発生してもよい。ジシストロン性mRNAまたは多シストロン性mRNA中のこのようなコード配列は、例えばここで定義されるように、少なくとも1つのIRES配列によって離間している。 低分子RNAオリゴヌクレオチド 第1の実施形態において、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は低分子RNAオリゴヌクレオチドであってもよい。本発明において、低分子RNAオリゴヌクレオチドは、上記において定義された任意のRNAを備えていてもよい。上記低分子RNAオリゴヌクレオチドは、好ましくは一本鎖または二本鎖RNAオリゴヌクレオチドであり、さらに好ましくは一本鎖RNAオリゴヌクレオチドである。上記低分子RNAオリゴヌクレオチドは、一層好ましくは、直鎖一本鎖RNAオリゴヌクレオチドである。 好ましくは、ここで使用される上記低分子RNAオリゴヌクレオチドは、一般にRNA分子に対して上記において定義された長さを有し、さらに好ましくは、5〜100、5〜50、または5、30ヌクレオチドの長さ、あるいは、20〜100、20〜80、一層好ましくは20、60ヌクレオチドの長さである。低分子RNAオリゴヌクレオチドは、各種目的のために、例えば、(非特異的)免疫活性化、遺伝子の転写/翻訳の低減/抑制のために使用されてもよい。 コーディングRNA 第2の実施形態において、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、コーディングRNAであってもよい。本発明の複合化RNAのコーディングRNAは、上記において定義された任意のRNAであってもよい。上記コーディングRNAは、好ましくは一本鎖RNAまたは二本鎖RNAであり、さらに好ましくは一本鎖RNA、および/または環状RNAまたは直鎖RNA、さらに好ましくは直鎖RNAである。上記コーディングRNAは、一層好ましくは(直鎖)一本鎖RNAである。上記コーディングRNAは、最も好ましくは((直鎖)一本鎖)メッセンジャーRNA(mRNA)である。 上記コーディングRNAは、さらに、タンパク質またはペプチドをコードしていてもよい。ただし、上記タンパク質またはペプチドは、例えば、治療上有効なタンパク質またはペプチド、腫瘍抗原、抗体、免疫活性化タンパク質またはペプチドなどから選択されたもの、もしくは特定の(治療目的の)用途に適した任意の他のタンパク質またはペプチドから選択されたものであって、タンパク質をコードする上記少なくとも1つのRNA(分子)が細胞、組織、または生体に輸送され、それに続いてこの細胞、組織、または生体中でタンパク質が発現するものである(ただしこれに限定されるものではない)。 この文脈において、治療上有効なタンパク質は、従来技術に基づいて当業者にとって公知である、任意の組み換えタンパク質または単離されたタンパク質から選択されてもよい。本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされた治療上有効なタンパク質は、AIF、Apaf(例えば、Apaf−1、Apaf−2、Apaf−3)oder APO−2(L)、APO−3(L)、アポパイン、Bad、Bak、Bax、Bcl−2、Bcl−xL、Bcl−xS、bik、CAD、カルパイン、カスパーゼ(例えば、カスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−3、カスパーゼ−4、カスパーゼ−5、カスパーゼ−6、カスパーゼ−7、カスパーゼ−8、カスパーゼ−9、カスパーゼ−10、カスパーゼ−11)、ced−3、ced−9、c−Jun、c−Myc、crm A、cytochrom C、CdR1、DcR1、DD、DED、DISC、DNA−PKCS、DR3、DR4、DR5、FADD/MORT−1、FAK、Fas(Fas−リガンドCD95/fas(受容体))、FLICE/MACH、FLIP、ホドリン、fos、G−アクチン、Gas−2、ゲルゾリン、グランザイムA/B、ICAD、ICE、JNK、ラミンA/B、MAP、MCL−1、Mdm−2、MEKK−1、MORT−1、NEDD、NF−kappaB、NuMa、p53、PAK−2、PARP、パーフォリン、PITSLRE、PKCδ、pRb、プレセニリン、prICE、RAIDD、Ras、RIP、スフィンゴミエリナーゼ、単純ヘルペスから得られるチミジンキナーゼ、TRADD、TRAF2、TRAIL−R1、TRAIL−R2、TRAIL−R3、トランスグルタミナーゼなどを含む、アポトーシス因子またはアポトーシス関連タンパク質から選択されてもよい(ただしこれに限定されるものではない)。 本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされた治療上有効なタンパク質は、さらに、以下に列挙するタンパク質からなる群より選択されるタンパク質を含む、組み換えタンパク質から選択されてもよい。すなわち、0ATL3、0FC3、0PA3、0PD2、4−1BBL、5T4、6Ckine、707−AP、9D7、A2M、AA、AAAS、AACT、AASS、ABAT、ABCA1、ABCA4、ABCB1、ABCB11、ABCB2、ABCB4、ABCB7、ABCC2、ABCC6、ABCC8、ABCD1、ABCD3、ABCG5、ABCG8、ABL1、ABO、ABRACAA1、ACACA、ACADL、ACADM、ACADS、ACADVL、ACAT1、ACCPN、ACE、ACHE、ACHM3、ACHM1、ACLS、ACPI、ACTA1、ACTC、ACTN4、ACVRL1、AD2、ADA、ADAMTS13、ADAMTS2、ADFN、ADH1B、ADH1C、ADLDH3A2、ADRB2、ADRB3、ADSL、AEZ、AFA、AFD1、AFP、AGA、AGL、AGMX2、AGPS、AGS1、AGT、AGTR1、AGXT、AH02、AHCY、AHDS、AHHR、AHSG、AIC、AIED、AIH2、AIH3、AIM−2、AIPL1、AIRE、AK1、ALAD、ALAS2、ALB、HPG1、ALDH2、ALDH3A2、ALDH4A1、ALDH5A1、ALDH1A1、ALDOA、ALDOB、ALMS1、ALPL、ALPP、ALS2、ALX4、AMACR、AMBP、AMCD、AMCD1、AMCN、AMELX、AMELY、AMGL、AMH、AMHR2、AMPD3、AMPD1、AMT、ANC、ANCR、ANK1、ANOP1、AOM、AP0A4、AP0C2、AP0C3、AP3B1、APC、aPKC、APOA2、APOA1、APOB、APOC3、APOC2、APOE、APOH、APP、APRT、APS1、AQP2、AR、ARAF1、ARG1、ARHGEF12、ARMET、ARSA、ARSB、ARSC2、ARSE、ART−4、ARTC1/m、ARTS、ARVD1、ARX、AS、ASAH、ASAT、ASD1、ASL、ASMD、ASMT、ASNS、ASPA、ASS、ASSP2、ASSP5、ASSP6、AT3、ATD、ATHS、ATM、ATP2A1、ATP2A2、ATP2C1、ATP6B1、ATP7A、ATP7B、ATP8B1、ATPSK2、ATRX、ATXN1、ATXN2、ATXN3、AUTS1、AVMD、AVP、AVPR2、AVSD1、AXIN1、AXIN2、AZF2、B2M、B4GALT7、B7H4、BAGE、BAGE−1、BAX、BBS2、BBS3、BBS4、BCA225、BCAA、BCH、BCHE、BCKDHA、BCKDHB、BCL10、BCL2、BCL3、BCL5、BCL6、BCPM、BCR、BCR/ABL、BDC、BDE、BDMF、BDMR、BEST1、βカテニン/m、BF、BFHD、BFIC、BFLS、BFSP2、BGLAP、BGN、BHD、BHR1、BING−4、BIRC5、BJS、BLM、BLMH、BLNK、BMPR2、BPGM、BRAF、BRCA1、BRCA1/m、BRCA2、BRCA2/m、BRCD2、BRCD1、BRDT、BSCL、BSCL2、BTAA、BTD、BTK、BUB1、BWS、BZX、C0L2A1、C0L6A1、C1NH、C1QA、C1QB、C1QG、C1S、C2、C3、C4A、C4B、C5、C6、C7、C7orf2、C8A、C8B、C9、CA125、CA15−3/CA 27−29、CA195、CA19−9、CA72−4、CA2、CA242、CA50、CABYR、CACD、CACNA2D1、CACNA1A、CACNA1F、CACNA1S、CACNB2、CACNB4、CAGE、CA1、CALB3、CALCA、CALCR、CALM、CALR、CAM43、CAMEL、CAP−1、CAPN3、CARD15、CASP−5/m、CASP−8、CASP−8/m、CASR、CAT、CATM、CAV3、CB1、CBBM、CBS、CCA1、CCAL2、CCAL1、CCAT、CCL−1、CCL−11、CCL−12、CCL−13、CCL−14、CCL−15、CCL−16、CCL−17、CCL−18、CCL−19、CCL−2、CCL−20、CCL−21、CCL−22、CCL−23、CCL−24、CCL−25、CCL−27、CCL−3、CCL−4、CCL−5、CCL−7、CCL−8、CCM1、CCNB1、CCND1、CCO、CCR2、CCR5、CCT、CCV、CCZS、CD1、CD19、CD20、CD22、CD25、CD27、CD27L、cD3、CD30、CD30、CD30L、CD33、CD36、CD3E、CD3G、CD3Z、CD4、CD40、CD40L、CD44、CD44v、CD44v6、CD52、CD55、CD56、CD59、CD80、CD86、CDAN1、CDAN2、CDAN3、CDC27、CDC27/m、CDC2L1、CDH1、CDK4、CDK4/m、CDKN1C、CDKN2A、CDKN2A/m、CDKN1A、CDKN1C、CDL1、CDPD1、CDR1、CEA、CEACAM1、CEACAM5、CECR、CECR9、CEPA、CETP、CFNS、CFTR、CGF1、CHAC、CHED2、CHED1、CHEK2、CHM、CHML、CHR39C、CHRNA4、CHRNA1、CHRNB1、CHRNE、CHS、CHS1、CHST6、CHX10、CIAS1、CIDX、CKN1、CLA2、CLA3、CLA1、CLCA2、CLCN1、CLCN5、CLCNKB、CLDN16、CLP、CLN2、CLN3、CLN4、CLN5、CLN6、CLN8、C1QA、C1QB、C1QG、C1R、CLS、CMCWTD、CMDJ、CMD1A、CMD1B、CMH2、MH3、CMH6、CMKBR2、CMKBR5、CML28、CML66、CMM、CMT2B、CMT2D、CMT4A、CMT1A、CMTX2、CMTX3、C−MYC、CNA1、CND、CNGA3、CNGA1、CNGB3、CNSN、CNTF、COA−1/m、COCH、COD2、COD1、COH1、COL10A、COL2A2、COL11A2、COL17A1、COL1A1、COL1A2、COL2A1、COL3A1、COL4A3、COL4A4、COL4A5、COL4A6、COL5A1、COL5A2、COL6A1、COL6A2、COL6A3、COL7A1、COL8A2、COL9A2、COL9A3、COL11A1、COL1A2、COL23A1、COL1A1、COLQ、COMP、COMT、CORD5、CORD1、COX10、COX−2、CP、CPB2、CPO、CPP、CPS1、CPT2、CPT1A、CPX、CRAT、CRB1、CRBM、CREBBP、CRH、CRHBP、CRS、CRV、CRX、CRYAB、CRYBA1、CRYBB2、CRYGA、CRYGC、CRYGD、CSA、CSE、CSF1R、CSF2RA、CSF2RB、CSF3R、CSF1R、CST3、CSTB、CT、CT7、CT−9/BRD6、CTAA1、CTACK、CTEN、CTH、CTHM、CTLA4、CTM、CTNNB1、CTNS、CTPA、CTSB、CTSC、CTSK、CTSL、CTS1、CUBN、CVD1、CX3CL1、CXCL1、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL16、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CYB5、CYBA、CYBB、CYBB5、CYFRA 21−1、CYLD、CYLD1、CYMD、CYP11B1、CYP11B2、CYP17、CYP17A1、CYP19、CYP19A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP21A2、CYP27A1、CYP27B1、CYP2A6、CYP2C、CYP2C19、CYP2C9、CYP2D、CYP2D6、CYP2D7P1、CYP3A4、CYP7B1、CYPB1、CYP11B1、CYP1A1、CYP1B1、CYRAA、D40、DADl、DAM、DAM−10/MAGE−B1、DAM−6/MAGE−B2、DAX1、DAZ、DBA、DBH、DBI、DBT、DCC、DC−CK1、DCK、DCR、DCX、DDB1、DDB2、DDIT3、DDU、DECR1、DEK−CAN、DEM、DES、DF、DFN2、DFN4、DFN6、DFNA4、DFNA5、DFNB5、DGCR、DHCR7、DHFR、DHOF、DHS、DIA1、DIAPH2、DIAPH1、DIH1、DIO1、DISCI、DKC1、DLAT、DLD、DLL3、DLX3、DMBT1、DMD、DM1、DMPK、DMWD、DNAI1、DNASE1、DNMT3B、DPEP1、DPYD、DPYS、DRD2、DRD4、DRPLA、DSCR1、DSG1、DSP、DSPP、DSS、DTDP2、DTR、DURS1、DWS、DYS、DYSF、DYT2、DYT3、DYT4、DYT2、DYT1、DYX1、EBAF、EBM、EBNA、EBP、EBR3、EBS1、ECA1、ECB2、ECE1、ECGF1、ECT、ED2、ED4、EDA、EDAR、ECA1、EDN3、EDNRB、EEC1、EEF1A1L14、EEGV1、EFEMP1、EFTUD2/m、EGFR、EGFR/Her1、EGI、EGR2、EIF2AK3、eIF4G、EKV、El 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3.1、HOM−TES−14/SCP−1、HOM−TES−85、HOXA1、HOXD13、HP、HPC1、HPD、HPE2、HPE1、HPFH、HPFH2、HPRT1、HPS1、HPT、HPV−E6、HPV−E7、HR、HRAS、HRD、HRG、HRPT2、HRPT1、HRX、HSD11B2、HSD17B3、HSD17B4、HSD3B2、HSD3B3、HSN1、HSP70−2M、HSPG2、HST−2、HTC2、HTC1、hTERT、HTN3、HTR2C、HVBS6、HVBS1、HVEC、HV1S、HYAL1、HYR、I−309、IAB、IBGC1、IBM2、ICAM1、ICAM3、iCE、ICHQ、ICR5、ICR1、ICS1、IDDM2、IDDM1、IDS、IDUA、IF、IFNa/b、IFNGR1、IGAD1、IGER、IGF−1R、IGF2R、IGF1、IGH、IGHC、IGHG2、IGHG1、IGHM、IGHR、IGKC、IHG1、IHH、IKBKG、IL1、IL−1RA、IL10、IL−11、IL12、IL12RB1、IL13、IL−13Rα2、IL−15、IL−16、IL−17、IL18、IL−1a、IL−1α、IL−1b、IL−1β、IL1RAPL1、IL2、IL24、IL−2R、IL2RA、IL2RG、IL3、IL3RA、IL4、IL4R、IL4R、IL−5、IL6、IL−7、IL7R、IL−8、IL−9、未成熟ラミニン受容体、IMMP2L、INDX、INFGR1、INFGR2、INFα、IFNβINFγ、INS、INSR、INVS、IP−10、IP2、IPF1、IP1、IRF6、IRS1、ISCW、ITGA2、ITGA2B、ITGA6、ITGA7、ITGB2、ITGB3、ITGB4、ITIH1、ITM2B、IV、IVD、JAG1、JAK3、JBS、JBTS1、JMS、JPD、KAL1、KAL2、KALI、KLK2、KLK4、KCNA1、KCNE2、KCNE1、KCNH2、KCNJ1、KCNJ2、KCNJ1、KCNQ2、KCNQ3、KCNQ4、KCNQ1、KCS、KERA、KFM、KFS、KFSD、KHK、ki−67、KIAA0020、KIAA0205、KIAA0205/m、KIF1B、KIT、KK−LC−1、KLK3、KLKB1、KM−HN−1、KMS、KNG、KNO、K−RAS/m、KRAS2、KREV1、KRT1、KRT10、KRT12、KRT13、KRT14、KRT14L1、KRT14L2、KRT14L3、KRT16、KRT16L1、KRT16L2、KRT17、KRT18、KRT2A、KRT3、KRT4、KRT5、KRT6A、KRT6B、KRT9、KRTHB1、KRTHB6、KRT1、KSA、KSS、KWE、KYNU、L0H19CR1、L1CAM、LAGE、LAGE−1、LALL、LAMA2、LAMA3、LAMB3、LAMB1、LAMC2、LAMP2、LAP、LCA5、LCAT、LCCS、LCCS1、LCFS2、LCS1、LCT、LDHA、LDHB、LDHC、LDLR、LDLR/FUT、LEP、LEWISY、LGCR、LGGF−PBP、LGI1、LGMD2H、LGMD1A、LGMD1B、LHB、LHCGR、LHON、LHRH、LHX3、LIF、LIG1、LIMM、LIMP2、LIPA、LIPA、LIPB、LIPC、LIVIN、L1CAM、LMAN1、LMNA、LMX1B、LOLR、LOR、LOX、LPA、LPL、LPP、LQT4、LRP5、LRS1、LSFC、LT−β、LTBP2、LTC4S、LYL1、XCL1、LYZ、M344、MA50、MAA、MADH4、MAFD2、MAFD1、MAGE、MAGE−A1、MAGE−A10、MAGE−A12、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A6、MAGE−A9、MAGEB1、MAGE−B10、MAGE−B16、MAGE−B17、MAGE−B2、MAGE−B3、MAGE−B4、MAGE−B5、MAGE−B6、MAGE−C1、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−D1、MAGE−D2、MAGE−D4、MAGE−E1、MAGE−E2、MAGE−F1、MAGE−H1、MAGEL2、MGB1、MGB2、MAN2A1、MAN2B1、MANBA、MANBB、MAOA、MAOB、MAPK8IP1、MAPT、MART−1、MART−2、MART2/m、MAT1A、MBL2、MBP、MBS1、MC1R、MC2R、MC4R、MCC、MCCC2、MCCC1、MCDR1、MCF2、MCKD、MCL1、MC1R、MCOLN1、MCOP、MCOR、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、MCPH2、MCPH1、MCS、M−CSF、MDB、MDCR、MDM2、MDRV、MDS1、ME1、ME1/m、ME2、ME20、ME3、MEAX、MEB、MEC 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l、PTPRK、PTPRK/m、PTS、PUJO、PVR、PVRL1、PWCR、PXE、PXMP3、PXR1、PYGL、PYGM、QDPR、RAB27A、RAD54B、RAD54L、RAG2、RAGE、RAGE−1、RAG1、RAP1、RARA、RASA1、RBAF600/m、RB1、RBP4、RBP4、RBS、RCA1、RCAS1、RCCP2、RCD1、RCV1、RDH5、RDPA、RDS、RECQL2、RECQL3、RECQL4、REG1A、REHOBE、REN、RENBP、RENS1、RET、RFX5、RFXANK、RFXAP、RGR、RHAG、RHAMM/CD168、RHD、RHO、Rip−1、RLBP1、RLN2、RLN1、RLS、RMD1、RMRP、ROM1、ROR2、RP、RP1、RP14、RP17、RP2、RP6、RP9、RPD1、RPE65、RPGR、RPGRIP1、RP1、RP10、RPS19、RPS2、RPS4X、RPS4Y、RPS6KA3、RRAS2、RS1、RSN、RSS、RU1、RU2、RUNX2、RUNXl、RWS、RYR1、S−100、SAA1、SACS、SAG、SAGE、SALL1、SARDH、SART1、SART2、SART3、SAS、SAX1、SCA2、SCA4、SCA5、SCA7、SCA8、SCA1、SCC、SCCD、SCF、SCLC1、SCN1A、SCN1B、SCN4A、SCN5A、SCNN1A、SCNN1B、SCNN1G、SCO2、SCP1、SCZD2、SCZD3、SCZD4、SCZD6、SCZD1、SDF−1α/βSDHA、SDHD、SDYS、SEDL、SERPENA7、SERPINA3、SERPINA6、SERPINA1、SERPINC1、SERPIND1、SERPINE1、SERPINF2、SERPING1、SERPINI1、SFTPA1、SFTPB、SFTPC、SFTPD、SGCA、SGCB、SGCD、SGCE、SGM1、SGSH、SGY−1、SH2D1A、SHBG、SHFM2、SHFM3、SHFM1、SHH、SHOX、SI、SIAL、SIALYL LEWISX、SIASD、S11、SIM1、SIRT2/m、SIX3、SJS1、SKP2、SLC10A2、SLC12A1、SLC12A3、SLC17A5、SLC19A2、SLC22A1L、SLC22A5、SLC25A13、SLC25A15、SLC25A20、SLC25A4、SLC25A5、SLC25A6、SLC26A2、SLC26A3、SLC26A4、SLC2A1、SLC2A2、SLC2A4、SLC3A1、SLC4A1、SLC4A4、SLC5A1、SLC5A5、SLC6A2、SLC6A3、SLC6A4、SLC7A7、SLC7A9、SLC11A1、SLOS、SMA、SMAD1、SMAL、SMARCB1、SMAX2、SMCR、SMCY、SM1、SMN2、SMN1、SMPD1、SNCA、SNRPN、SOD2、SOD3、SOD1、SOS1、SOST、SOX9、SOX10、Sp17、SPANXC、SPG23、SPG3A、SPG4、SPG5A、SPG5B、SPG6、SPG7、SPINK1、SPINK5、SPPK、SPPM、SPSMA、SPTA1、SPTB、SPTLC1、SRC、SRD5A2、SRPX、SRS、SRY、βhCG、SSTR2、SSX1、SSX2(HOM−MEL−40/SSX2)、SSX4、ST8、STAMP−1、STAR、STARP1、STATH、STEAP、STK2、STK11、STn/KLH、STO、STOM、STS、SUOX、SURF1、SURVIVIN−2B、SYCP1、SYM1、SYN1、SYNS1、SYP、SYT/SSX、SYT−SSX−1、SYT−SSX−2、TA−90、TAAL6、TACSTD1、TACSTD2、TAG72、TAF7L、TAF1、TAGE、TAG−72、TALI、TAM、TAP2、TAP1、TAPVR1、TARC、TARP、TAT、TAZ、TBP、TBX22、TBX3、TBX5、TBXA2R、TBXAS1、TCAP、TCF2、TCF1、TCIRG1、TCL2、TCL4、TCL1A、TCN2、TCOF1、TCR、TCRA、TDD、TDFA、TDRD1、TECK、TECTA、TEK、TEL/AML1、TELAB1、TEX15、TF、TFAP2B、TFE3、TFR2、TG、TGFα、TGFβ、TGFβI、TGFβ1、TGFβR2、TGFβRE、TGFγ、TGFβRII、TGIF、TGM−4、TGM1、TH、THAS、THBD、THC、THC2、THM、THPO、THRA、THRB、TIMM8A、TIMP2、TIMP3、TIMP1、TITF1、TKCR、TKT、TLP、TLR1、TLR10、TLR2、TLR3、TLR4、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLX1、TM4SF1、TM4SF2、TMC1、TMD、TMIP、TNDM、TNF、TNFRSF11A、TNFRSF1A、TNFRSF6、TNFSF5、TNFSF6、TNFα、TNFβ、TNNI3、TNNT2、TOC、TOP2A、TOP1、TP53、TP63、TPA、TPBG、TPI、TPI/m、TPI1、TPM3、TPM1、TPMT、TPO、TPS、TPTA、TRA、TRAG3、TRAPPC2、TRC8、TREH、TRG、TRH、TRIM32、TRIM37、TRP1、TRP2、TRP−2/6b、TRP−2/INT2、Trp−p8、TRPS1、TS、TSC2、TSC3、TSC1、TSG101、TSHB、TSHR、TSP−180、TST、TTGA2B、TTN、TTPA、TTR、TU M2−PK、TULP1、TWIST、TYH、TYR、TYROBP、TYROBP、TYRP1、TYS、UBE2A、UBE3A、UBE1、UCHL1、UFS、UGT1A、ULR、UMPK、UMPS、UOX、UPA、UQCRC1、URO5、UROD、UPK1B、UROS、USH2A、USH3A、USH1A、USH1C、USP9Y、UV24、VBCH、VCF、VDI、VDR、VEGF、VEGFR−2、VEGFR−1、VEGFR−2/FLK−1、VHL、VIM、VMD2、VMD1、VMGLOM、VNEZ、VNF、VP、VRNI、VWF、VWS、WAS、WBS2、WFS2、WFS1、WHCR、WHN、WISP3、WMS、WRN、WS2A、WS2B、WSN、WSS、WT2、WT3、WT1、WTS、WWS、XAGE、XDH、XIC、XIST、XK、XM、XPA、XPC、XRCC9、XS、ZAP70、ZFHX1B、ZFX、ZFY、ZIC2、ZIC3、ZNF145、ZNF261、ZNF35、ZNF41、ZNF6、ZNF198、およびZWS1である。 また、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされた治療上有効なタンパク質は、さらに、例えば(遺伝子を導入された)生物において成長を促進するために、成長ホルモンまたは成長因子から選択されてもよく、該成長ホルモンまたは成長因子としては、例えばTGFα、IGF(インスリン様成長因子)、代謝および/または造血に影響を与えるタンパク質(例えば、αアンチトリプシン、LDL受容体、エリスロポエチン(EPO)、インスリン、GATA−1など)、もしくは、例えば血液凝固系の第VIII因子および第XI因子などのタンパク質があげられる。このようなタンパク質は、さらに、酵素を備え、該酵素としては、例えば、βガラクトシダーゼ(lacZ)、DNA制限酵素(例えば、EcoRI、HindIIIなど)、リゾチームなど、もしくはプロテアーゼ、例えば、パパイン、ブロメライン、ケラチナーゼ、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、レニン(キモシン)、スイザイム(suizyme)、ノルターゼ(nortase)などがあげられる。これらのタンパク質は、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされてもよい。したがって、本発明は、治療される生体において欠陥が生じたタンパク質(例えば、変異、欠損、または発現欠陥のいずれかの原因による)を置換し、これにより、タンパク質を効果的に発現し、かつ発現量を増加させることが可能な技術を提供する。このような欠陥が生じたタンパク質は、例えば一元発生の障害において発生し、好ましくは本質的な免疫反応を引き起こすことがないので、治療される生体において機能的ではない。 あるいは、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされた治療上有効なタンパク質は、さらに、例えば障害または疾病の原因となる機能障害性または外因性のタンパク質の(過剰な)発現によって引き起こされる特定の疾患の治療を可能にするプロテアーゼなどから選択されてもよい。したがって、本発明を使用して、病原性生体(ウイルス、細菌など)を攻撃する複合化RNAを、治療として生体に導入してもよい。例えば、治療用プロテアーゼをコードするRNAを使用して、ウイルスの構築に欠かすことのできないウイルス性タンパク質、またはウイルス生成に必要不可欠なその他のステップに欠かすことのできないウイルス性タンパク質を切断してもよい。 本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされた治療上有効なタンパク質は、さらに、中心的な役割を果たす細胞内プロセス(例えばアポトーシス、細胞成長など)に対して、特に生体の免疫系に関連して影響を与え得るシグナル伝達の調節(抑制または活性化)などを通じて各種細胞内経路を調節する、タンパク質から選択されてもよい。これにより、例えばサイトカイン、リンフォカイン、モノカイン、インターフェロンなどの免疫調節物質が、本発明において定義される複合化RNAによって効率よく発現する。好ましくは、これらのタンパク質は、このような理由で、例えば、4個の位置特異的に保存されたシステイン残基を含有するサイトカインファミリー(CCCC)のクラスIのサイトカインと、保存された配列モチーフTrp−Ser−X−Trp−Ser(WSXWS)とをさらに含む。なお、ここで、Xは保存されていないアミノ酸を表わしている。サイトカインファミリーのクラスIのサイトカインとしては、GM−CSFサブファミリー(例えばIL−3、IL−5、GM−CSF)、IL−6サブファミリー(例えばIL−6、IL−11、IL−12)、またはIL−2サブファミリー(例えばIL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15)、またはサイトカインIL−1α、IL−1β、IL−10などがあげられる。上記タンパク質は、4個の位置特異的に保存されたシステイン残基を同様に含有するが、保存された配列モチーフTrp−Ser−X−Trp−Ser(WSXWS)は含有しないサイトカインファミリー(インターフェロン受容体ファミリー)(CCCC)のクラスIIのサイトカインをさらに備えていてもよい。サイトカインファミリーのクラスIIのサイトカインとしては、例えばIFN−α、IFN−β、IFN−γ、などがあげられる。本発明にしたがって使用される(上記本発明の免疫抑制組成物の)少なくとも1つの修飾された(m)RNAによってコードされたタンパク質は、さらに、腫瘍壊死ファミリーのサイトカイン(例えばTNF−α、TNF−β、TNF−RI、TNF−RII、CD40、Fasなど)を含んでいてもよく、あるいは、7個の膜貫通ヘリックス型を含有し、Gタンパク質(例えばIL−8、MIP−1、RANTES、CCR5、CXR4など)と相互作用をするケモカインファミリーのサイトカインを含んでいてもよい。上記タンパク質は、さらに、AIF、Apaf(例えばApaf−1、Apaf−2、Apaf−3)、またはAPO−2(L)、APO−3(L)、アポパイン、Bad、Bak、Bax、Bcl−2、Bcl−xL、Bcl−xS、bik、CAD、カルパイン、カスパーゼ(例えばカスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−3、カスパーゼ−4、カスパーゼ−5、カスパーゼ−6、カスパーゼ−7、カスパーゼ−8、カスパーゼ−9、カスパーゼ−10、カスパーゼ−11)、ced−3、ced−9、c−Jun、c−Myc、crm A、チトクロムC、CdR1、DcR1、DD、DED、DISC、DNA−PKCS、DR3、DR4、DR5、FADD/MORT−1、FAK、Fas(FasリガンドCD95/fas(受容体))、FLICE/MACH、FLIP、ホドリン、fos、G−アクチン、Gas−2、ゲルゾリン、グランザイムA/B、ICAD、ICE、JNK、ラミンA/B、MAP、MCL−1、Mdm−2、MEKK−1、MORT−1、NEDD、NF−κB、NuMa、p53、PAK−2、PARP、パーフォリン、PITSLRE、PKCδ、pRb、プレセニリン、prICE、RAIDD、Ras、RIP、スフィンゴミエリナーゼ、チミジンキナーゼを含む、アポトーシス因子またはアポトーシス関連タンパク質から選択されてもよく、あるいは単純ヘルペス、TRADD、TRAF2、TRAIL、TRAIL−R1、TRAIL−R2、TRAIL−R3、トランスグルタミナーゼなどから選択されてもよい。 また、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされた治療上有効なタンパク質は、さらに、抗原特異的T細胞受容体をコードしていてもよい。T細胞受容体、すなわちTCR(T cell receptor)とは、一般に、主要組織適合性複合体(major histocompatibility complex;MHC)分子に結合した抗原を認識する役目を担う、Tリンパ球(またはT細胞)の表面上で見られる分子である。T細胞受容体は、T細胞の95%においてはα鎖およびβ鎖からなるヘテロ二量体であり、一方、T細胞の5%はγ鎖およびδ鎖からなるTCRを有する。TCRが抗原およびMHCと結合すると、関連する酵素、共受容体、および固有アクセサリー分子によって媒介される一連の生化学的現象を介して、該TCRのTリンパ球が賦活化される。したがって、これらのタンパク質は、特定の抗原を特異的に標的とすることを可能にし、その標的指向性によって免疫系の機能性を支援する。したがって、これらの受容体をコードしている、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)を投与することによって、in vivoで細胞にトランスフェクトする手法、または、好ましくは、ex vivoで細胞にトランスフェクトする(例えば、ある免疫細胞を特異的にトランスフェクトする)手法の採用を検討する。導入されたT細胞受容体分子はMHC分子上の特定の抗原を認識し、これにより攻撃すべき抗原に対する免疫系の認識を支援する。 本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされた治療上有効なタンパク質は、さらに、アジュバントタンパク質を含んでいてもよい。この文脈において、アジュバントタンパク質は、好ましくは、本発明において定義される生来の免疫反応を誘発できる任意のタンパク質であると理解すべきである。好ましくは、この生来の免疫反応には、パターン認識受容体の賦活化が含まれ、パターン認識受容体としては、例えば、ヒトのトール様受容体TLR1〜TLR10またはマウスのトール様受容体TLR1〜TLR13から選択されたトール様受容体を含む、トール様受容体(Toll−like receptor;TLR)ファミリーから選択された受容体があげられる。好ましくは、生来の免疫反応が哺乳類において、さらに好ましくはヒトにおいて誘発される。好ましくは、上記アジュバントタンパク質は、ヒトアジュバントタンパク質または病原性アジュバントタンパク質、特に細菌性アジュバントタンパク質から選択される。さらに、アジュバント効果に関与するヒトタンパク質をコードするmRNAが共に使用されてもよい。 ヒトアジュバントタンパク質は、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、通常、生来の免疫反応、例えば、外因性TLRリガンドがTLRに結合する反応を(哺乳類において)誘発できる任意のヒトタンパク質を含む。さらに好ましくは、本発明の複合化RNAによってコードされたヒトアジュバントタンパク質は、以下に列挙するものからなる群より選択される(ただしこれに限定されるものではない)。すなわち、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18、IL−21CCL21、GM−CSF、およびTNFαを含む、生来の免疫反応を誘引または亢進するサイトカイン;IL−1、IL−6、IL−8、IL−12、およびTNFαを含む、マクロファージから放出されるサイトカイン;C1q、MBL、C1r、C1s、C2b、Bb、D、MASP−1、MASP−2、C4b、C3b、C5a、C3a、C4a、C5b、C6、C7、C8、C9、CR1、CR2、CR3、CR4、C1qR、C1INH、C4bp、MCP、DAF、H、I、P、およびCD59を含む補体系の成分;TLRおよびIL−1R1を含む、上記パターン認識受容体のシグナル伝達ネットワークの成分であるタンパク質(ただし上記成分は、IL−1α、IL−1β、βデフェンシン、熱ショックタンパク質(例えば、HSP10、HSP60、HSP65、HSP70、HSP75、およびHSP90)、gp96、フィブリノーゲン、およびフィブロネクチンのTypIII反復エキストラ(extra)ドメインAを含む、パターン認識受容体のリガンドである);IL−1RI、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、およびTLR11を含む受容体;低分子GTPaseシグナル伝達の成分(RhoA、Ras、Rac1、Cdc42など)、PIPシグナル伝達成分(PI3K、Srcキナーゼなど)、MyD88依存性シグナル伝達成分(MyD88、IRAK1、IRAK2など)、およびMyD88非依存性シグナル伝達成分(TICAM1、TICAM2など)を含むシグナル伝達因子;例えばNF−κB、c−Fos、c−Jun、およびc−Mycを含む、活性化転写因子;例えばIL−1α、IL−1β、βデフェンシン、IL−6、IFNγ、IFNα、およびIFNβを含む、誘起標的遺伝子;CD28、CD40−リガンド、またはPD1を含む、共刺激分子;LAMPを含むタンパク質ドメイン;細胞表面タンパク質;または、CD80、CD81、CD86、trif、flt3リガンド、チモペンチン、Gp96、またはフィブロネクチンなどを含む、ヒトアジュバントタンパク質、もしくは上記ヒトアジュバントタンパク質のうち任意のヒトアジュバントタンパク質の任意のホモログである。 病原性アジュバントタンパク質は、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、通常、生来の免疫反応を(哺乳類において)誘発することが可能な任意の病原性(アジュバント)タンパク質を含む。さらに好ましくは、上記病原性アジュバントタンパク質は、細菌、原虫、ウイルス、または菌類、動物などに由来する病原性(アジュバント)タンパク質から選択され、一層好ましくは、細菌性タンパク質、原虫タンパク質(例えば、トキソプラズマ原虫のプロフィリン様タンパク質)、ウイルス性タンパク質、または真菌タンパク質、動物タンパク質などからなる群(ただしこれに限定されるものではない)より選択される病原性アジュバントタンパク質から選択される。 この文脈において、細菌性(アジュバント)タンパク質は、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、生来の免疫反応を(好ましくは哺乳類において)誘発できる任意の細菌性タンパク質を含んでもよい。さらに好ましくは、細菌性(アジュバント)タンパク質は、上記複合化RNAによってコードされていてもよく、アグロバクテリウム、アキフェックス(Aquifex)、アゾスピリルム、バチルス、バルトネラ、ボルデテラ、ボレリア、バークホルデリア、カンピロバクター、カウロバクター、クロストリジウム、エシェリキア、ヘリコバクター、ラクノスピラセ(Lachnospiraceae)、レジオネラ、リステリア、プロテウス、シュードモナス、リゾビウム、ロドバクター、ロゼブリア(Roseburia)、サルモネラ、セルプリナ、セラチア、シゲラ、トレポネーマ、ビブリオ、ウォリネラ、エルシニアを含む生体から得られるフラゲリンを含む細菌性フラゲリン(ただしこれに限定されるものではない)からなる群より選択される細菌性アジュバントタンパク質を含んでもよく、さらに好ましくは、アグロバクテリウム・ツメファシエンス、アキフェックス・ピロフィラス(Aquifex pyrophilus)、アゾスピリルム・ブラシレンセ、バチルス・スブチリス、バチルス・チューリンゲンシス、バルトネラ・バシリホルミス、ボルデテラ・ブロンキセプチカ、ボレリア・ブルグドルフェリ、バークホルデリア・セパシア、カンピロバクター・ジェジュニ、カウロバクター・クレセンタス、ベネット(Bennett)クローン1型クロストリジウム・ボツリヌム、エシェリキア・コリ、ヘリコバクター・ピロリ、ラクノスピラセ・バクテリアム(Lachnospiraceae bacterium)、レジオネラ・ニューモフィラ、リステリア・モノサイトゲネス、プロテウス・ミラビリス、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeroguinosa)、シュードモナス・シリンゲ、リゾビウム・メリロティ、ロドバクター・スフェロイデス、ロゼブリア・セシコラ(Roseburia cecicola)、ロゼブリス・ホミニス(Roseburis hominis)、サルモネラ・チフィリウム、サルモネラ・ボンゴリ(bongori)、サルモネラ・チフィ、サルモネラ・エンテリティディス、セルプリナ・ハイオディセンテリア、セラチア・マルセセンス、シゲラ・ボイディ、トレポネーマ・ファゲデニス(phagedenis)、ビブリオ・アルギノリチカス、ビブリオ・コレラエ、ビブリオ・パラヘモリチカス、ウォリネラ・スクシオゲネス、およびエルシニア・エンテロコリチカなどの種から得られるフラゲリン(ただしこれに限定されるものではない)からなる群より選択される細菌性アジュバントタンパク質を含んでもよい。 細菌性フラゲリンは、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、さらに、アジュバントとしての特質を示す任意の細菌性フラゲリンから選択されることが特に好適であり、さらに好ましくは、以下に列挙するものからなる群より選択される細菌性フラゲリンから選択されてもよい。すなわち、Hsp60、Hsp70、Hsp90、Hsp100を含む細菌性熱ショックタンパク質(すなわちシャペロン);グラム陰性細菌から得られるOmpA(外膜タンパク質);OmpFを含む細菌性ポリン;ボルデテラ・パータシスから得られる百日咳毒素(bacterial toxin;PT)、ボルデテラ・パータシスから得られる百日咳アデニル酸シクラーゼ毒素CyaAおよびCyaC、百日咳毒素から得られるPT−9K/129G変異体、ボルデテラ・パータシスから得られる百日咳アデニル酸シクラーゼ毒素CyaAおよびCyaC、破傷風毒素、コレラ毒素(CT)、コレラ毒素Bサブユニット、コレラ毒素から得られるCTK63変異体、CTから得られるCTE112K変異体、エシェリキア・コリの熱不安定性エンテロトキシン(labile enterotoxin;LT)、熱不安定エンテロトキシンから得られるBサブユニット(B subunit from heat−labile enterotoxin;LTB)、毒性が低減されたエシェリキア・コリ熱不安定エンテロトキシン変異体(LTK63とLTR72を含む)を含む細菌性毒素;フェノール溶解性モジュリン(modulin);ヘリコバクター・ピロリから得られる好中球活性化タンパク質(HP−NAP);界面活性剤タンパク質D;ボレリア・ブルグドルフェリから得られる表層タンパク質Aリポタンパク;マイコバクテリウム・ツベルクローシスから得られるAg38(38kDa抗原);細菌性線毛から得られるタンパク質;ビブリオ・コレラエのエンテロトキシンCT;グラム陰性細菌の線毛から得られるピリン;界面活性剤タンパク質Aなど;もしくは上記細菌性(アジュバント)タンパク質のうち任意の細菌性(アジュバント)タンパク質の任意のホモログである。 細菌性フラゲリンは、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、一層好ましくは、受託番号を示した以下の配列中の任意の配列からなる群より選択される配列を含む。 原生生物タンパク質は、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、アジュバントとしての特質を示す任意の原生生物タンパク質から選択されてもよく、さらに好ましくは、トリパノソーマ・クルージから得られるTc52、トリパノソーマ・ゴンディから得られるPFTG、原虫熱ショックタンパク質、リーシュマニア菌種から得られるLeIF、トキソプラズマ原虫から得られるプロフィリン状タンパク質などからなる群より選択されてもよいが、これに限定されるものではない。 ウイルス性タンパク質は、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、アジュバントとしての特質を示す任意のウイルス性タンパク質から選択されてもよく、さらに好ましくは、呼吸器合胞体ウイルス融合糖タンパク質(Fタンパク質)、MMTウイルスから得られる外被タンパク質、マウス白血病ウイルスタンパク質、野性型麻疹ウイルスの赤血球凝集素タンパク質などからなる群より選択されてもよいが、これに限定されるものではない。 真菌タンパク質は、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、アジュバントとしての特質を示す任意の真菌タンパク質から選択されてもよく、さらに好ましくは、真菌性免疫調節タンパク質(fungal immunomodulatory protein;FIP、LZ−8)などからなる群より選択されてもよいが、これに限定されるものではない。 最後に、病原性アジュバントタンパク質は、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、アジュバントとしての特質を示すさらに別の任意の病原性タンパク質から最終的に選択されてもよく、さらに好ましくは、キーホールリンペットヘモシアニン(Keyhole limpet hemocyanin;KLH)、OspAなどからなる群より選択されてもよいが、これに限定されるものではない。 他の構成としては、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、抗原をコードしていてもよい。本発明では「抗原」という用語は、免疫系によって認識され、例えば抗体を形成することによって抗原特異的な免疫応答を誘発できる物質を指す。抗原はその起源によって分類できる。この分類によれば、抗原には、外因性抗原と内因性抗原の2つの主なクラスがある。外因性抗原は、例えば、吸入、摂取、または注射などによって(細胞または身体の)外部から細胞または身体に入る抗原である。これらの抗原は、抗原提示細胞(antigen−presenting cell;“APC”、例えば樹状細胞またはマクロファージ)によって内在化され、処理されて断片を形成する。そしてAPCは、その表面上においてMHC II分子を使用することによって、ヘルパーT細胞(例えばCD4+)に断片を提示する。これらの抗原断片がT細胞によって認識されると、T細胞が活性化され、サイトカインが分泌される。サイトカインとは、免疫細胞、例えば細胞傷害性T細胞、B細胞、またはマクロファージの増殖を賦活する物質である。一方、内因性抗原とは、例えば正常な細胞の代謝の結果として細胞内部で生成された抗原である。これらの抗原の断片がAPCの表面上のMHC I分子に提示される。これらの抗原は、賦活化された抗原特異的な細胞傷害性CD8+T細胞によって認識される。認識後、上記T細胞は、抗原提示細胞の溶解またはアポトーシスを引き起こす異なる毒素を分泌しながら反応する。内因性抗原としては、抗原、例えば、その細胞自身の遺伝子情報によってコードされたタンパク質またはペプチドだけではなく、細胞内部の外来性核酸によってコードされたタンパク質またはペプチドをも含み、さらに、細胞内で発生するウイルス起源の抗原をも含む。内因性抗原の分類の1つが、腫瘍抗原の分類である。これらの抗原は、腫瘍細胞の表面上のMHC I分子によって提示される。この分類は、さらに、腫瘍特異的抗原(tumor−specific antigen;TSAs)と腫瘍関連抗原(tumor−associated−antigen;TAA)とに分類され得る。TSAは腫瘍細胞によってのみ提示され、正常で“健康な”細胞によって提示されることは決してない。TSAは通常、腫瘍特異的な変異の結果生じる。TAAは、TSAより一般的に見られ、通常、腫瘍細胞と健康な細胞の双方によって提示される。これらの抗原は認識され、抗原提示細胞は細胞傷害性T細胞によって破壊され得る。また、腫瘍抗原は、腫瘍の表面上においても、例えば変異型受容体の形態で発生可能である。この場合、腫瘍抗原は抗体によって認識され得る。 抗原は、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、例えばタンパク質、ペプチド、またはその断片を含んでいてもよい。好ましくは、抗原とは、タンパク質およびペプチド、またはその断片であり、例えばこれらのタンパク質またはペプチドのエピトープである。エピトープ(“抗原決定基”とも称される)は、通常、5〜15、好ましくは9〜15アミノ酸を有する上記抗原性タンパク質またはペプチド構造の外表面上に位置している断片である(B細胞エピトープおよびT細胞エピトープが通常MHC分子上で提示され、例えばMHC−Iは通常、約9アミノ酸の長さのエピトープを提示し、MHC−IIは通常、約12〜15アミノ酸の長さのエピトープを提示する)。さらに、本発明に係る複合体の少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされた抗原は、さらに、共有結合または非共有結合によって上記RNA(分子)に連結されている任意の他の生体分子、例えば脂質、炭水化物などを含んでいてもよい。 本発明によれば、抗原は本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、また、外因性抗原であっても内因性抗原であってもよい。内因性抗原としては、細胞内、特に変性細胞、例えば腫瘍細胞において生成された抗原があげられる。これらの抗原は「腫瘍抗原」と称される。内因性抗原は細胞の表面上に位置していることが好ましいが、これに限定されるものではない。さらに、腫瘍抗原とは、自分自身が変性していない(あるいは、もともとは変性していなかった)が、腫瘍であると推定される細胞に関連する細胞中において発現した抗原をも意味する。腫瘍を供給する血管またはその(再)編成に関連する抗原、特に血管新生に関連する抗原、例えば成長因子(例えばVEGF、bFGFなど)も、上記腫瘍抗原に含まれる。腫瘍に関連する抗原としては、細胞または組織から得られ、通常腫瘍に包埋されている抗原も含まれる。さらに、癌疾患にかかっている(気づいていてもよく、気づいていなくてもよい)患者の体内で発現する物質(通常タンパク質またはペプチド)もあり、これらの物質は当該患者の体液中では高い濃度で発生する。一例としては、腫瘍細胞の侵入および遊離に関連したタンパク質があげられる。これらの物質も「腫瘍抗原」と称されるが、免疫応答誘引物質の厳密な意味においては、抗原ではない。上記物質の使用も本発明の権利範囲に含まれる。 抗原は、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、典型的には、例えば特定の目的に適した任意の抗原(例えば本発明において定義される例えば特定の感染性疾病に関連した(または該感染性疾病を引き起こす)抗原)、癌抗原(例えば腫瘍特異的な表面抗原)、癌疾患において発現する抗原、癌疾患において発現する変異抗原、または、その他の疾病(例えば自己免疫疾患、アレルギーなど)の原因に関わるタンパク質抗原から選択されてもよいが、これに限定されるものではない。例えば、患者にアレルギーまたは自己免疫性状態を引き起こす抗原を投与することによって患者を脱感作するために、これらの抗原を使用してもよい。 本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされた、好ましい抗原性(ポリ)ペプチドの例としては、腫瘍抗原などの、公知の抗原ペプチド全てがあげられる。腫瘍抗原の特定の例としては、腫瘍特異的な表面抗原(tumour−specific surface antigen;TSSA)、例えば5T4、α5β1インテグリン、707−AP、AFP、ART−4、B7H4、BAGE、Bcr−abl、MN/C IX抗原、CA125、CAMEL、CAP−1、CASP−8、βカテニン/m、CD4、CD19、CD20、CD22、CD25、CDC27/m、CD30、CD33、CD52、CD56、CD80、CDK4/m、CEA、CT、Cyp−B、DAM、EGFR、ErbB3、ELF2M、EMMPRIN、EpCam、ETV6−AML1、G250、GAGE、GnT−V、Gp100、HAGE、HER−2/new、HLA−A*0201−R170I、HPV−E7、HSP70−2M、HAST−2、hTERT(またはhTRT)、iCE、IGF−1R、IL−2R、IL−5、KIAA0205、LAGE、LDLR/FUT、MAGE、MART−1/melan−A、MART−2/Ski、MC1R、ミオシン/m、MUC1、MUM−1、−2、−3、NA88−A、PAP、プロテイナーゼ−3、p190 minor bcr−abl、Pml/RARα、PRAME、PSA、PSM、PSMA、RAGE、RU1またはRU2、SAGE、SART−1またはSART−3、サバイビン、TEL/AML1、TGFβ、TPI/m、TRP−1、TRP−2、TRP−2/INT2、VEGF、およびWT1、もしくは例えばNY−Eso−1またはNY−Eso−Bなどの配列から選択したものがあげられる。任意のクラスの腫瘍抗原が本発明の目的に適しており、例えば、血管新生に関わることが知られ、細胞外マトリックス構造などに影響を与える腫瘍抗原があげられる。上記抗原の断片およびその類似物も本発明の権利範囲に含まれる。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされている腫瘍抗原の例を、下記の表1および表2に図示する。これらの表は、癌疾患に関連する特異的(タンパク質)抗原(つまり“腫瘍抗原”)をその癌疾患と対応させて示している。本発明では、“癌疾患”および“腫瘍疾患”という用語を同意語として使用する。 本発明に係る好適な実施形態では、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよい腫瘍抗原の例は、以下に列挙するものからなる群より選択される。すなわち、5T4、707−AP、9D7、AFP、AlbZIP HPG1、 5 1インテグリン、 5 6インテグリン、 −アクチニン−4/m、 メチルアシル−補酵素Aラセミ化酵素、ART−4、ARTC1/m、B7H4、BAGE−1、BCL−2、bcr/abl、 カテニン/m、BING−4、BRCA1/m、BRCA2/m、CA 15−3/CA 27−29、CA 19−9、CA72−4、CA125、カルレティキュリン、CAMEL、CASP−8/m、カテプシンB、カテプシンL、CD19、CD20、CD22、CD25、CDE30、CD33、CD4、CD52、CD55、CD56、CD80、CDC27/m、CDK4/m、CDKN2A/m、CEA、CLCA2、CML28、CML66、COA−1/m、コアクトシン様タンパク質、XXIII型コラーゲン、COX−2、CT−9/BRD6、Cten、サイクリンB1、サイクリンD1、cyp−B、CYPB1、DAM−10、DAM−6、DEK−CAN、EFTUD2/m、EGFR、ELF2/m、EMMPRIN、EpCam、EphA2、EphA3、ErbB3、ETV6−AML1、EZH2、FGF−5、FN、Frau−1、G250、GAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE7b、GAGE−8、GDEP、GnT−V、gp100、GPC3、GPNMB/m、HAGE、HAST−2、ヘプシン、Her2/neu、HERV−K−MEL、HLA−A*0201−R17I、HLA−A11/m、HLA−A2/m、HNE、ホメオボックスNKX3.1、HOM−TES−14/SCP−1、HOM−TES−85、HPV−E6、HPV−E7、HSP70−2M、HST−2、hTERT、iCE、IGF−1R、IL−13Ra2、IL−2R、IL−5、未成熟ラミニン受容体、カリクレイン−2、カリクレイン−4、Ki67、KIAA0205、KIAA0205/m、KK−LC−1、K−Ras/m、LAGE−A1、LDLR−FUT、MAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A6、MAGE−A9、MAGE−A10、MAGE−A12、MAGE−B1、MAGE−B2、MAGE−B3、MAGE−B4、MAGE−B5、MAGE−B6、MAGE−B10、MAGE−B16、MAGE−B17、MAGE−C1、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−D1、MAGE−D2、MAGE−D4、MAGE−E1、MAGE−E2、MAGE−F1、MAGE−H1、MAGEL2、乳グロビンA、MART−1/メランA、MART−2、MART−2/m、基質タンパク質22、MC1R、M−CSF、ME1/m、メソテリン、MG50/PXDN、MMP11、MN/CA IX−抗原、MRP−3、MUC−1、MUC−2、MUM−1/m、MUM−2/m、MUM−3/m、ミオシン クラスI/m、NA88−A、N−アセチルグルコサミン転移酵素−V、ネオPAP、ネオPAP/m、NFYC/m、NGEP、NMP22、NPM/ALK、N−Ras/m、NSE、NY−ESO−1、NY−ESO−B、OA1、OFA−iLRP、OGT、OGT/m、OS−9、OS−9/m、オステオカルシン、オステオポンチン、p15、p190 minor bcr−Abl、p53、p53/m、PAGE−4、PAI−1、PAI−2、PART−1、PATE、PDEF、Pim−1−キナーゼ、ピン−1、Pml/PARα、POTE、PRAME、PRDX5/m、プロステイン、プロテイナーゼ−3、PSA、PSCA、PSGR、PSM、PSMA、PTPRK/m、RAGE−1、RBAF600/m、RHAMM/CD168、RU1、RU2、S−100、SAGE、SART−1、SART−2、SART−3、SCC、SIRT2/m、Sp17、SSX−1、SSX−2/HOM−MEL−40、SSX−4、STAMP−1、STEAP、サバイビン、サバイビン−2B、SYT−SSX−1、SYT−SSX−2、TA−90、TAG−72、TARP、TEL−AML1、TGFβ、TGFβRII、TGM−4、TPI/m、TRAG−3、TRG、TRP−1、TRP−2/6b、TRP/INT2、TRP−p8、チロシナーゼ、UPA、VEGF、VEGFR−2/FLK−1、およびWT1である。 本発明に係る好適な実施形態では、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよい腫瘍抗原の例は、以下に列挙するものからなる群より選択される。すなわち、MAGE−A1[受託番号M77481]、MAGE−A6[受託番号NM_005363]、メランA[受託番号NM_005511]、GP100[受託番号M77348]、チロシナーゼ[受託番号NM_000372]、サバイビン[受託番号AF077350]、CEA[受託番号NM_004363]、Her−2/neu[受託番号M11730]、WT1[受託番号NM_000378]、PRAME[受託番号NM_006115]、EGFRI(上皮性成長因子受容体1)[受託番号AF288738]、ムチン−1[受託番号NM_002456]、およびSEC61G[受託番号NM_014302]である。 さらに他の構成としては、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)が抗体をコードしていてもよい。本発明によれば上記抗体は、任意の抗体、例えば、当該技術分野において公知である、任意の組み換えによって生成された抗体または天然に生じる抗体、特に治療用、診断用、または科学的目的に適した抗体、または特定の癌疾患に関連して特定される抗体から選択されてもよい。本発明において、「抗体」という用語は最も広い意味で使用され、具体的には、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体(作動薬、拮抗薬、および遮断抗体または中和抗体を含む)ならびにポリエピトープ特異性を有する抗体種を含む。本発明によれば、「抗体」は通常、当該技術分野において公知の任意の抗体(例えばIgM抗体、IgD抗体、IgG抗体、IgA抗体、およびIgE抗体)、例えば天然に生じる抗体、ワクチン接種によって宿主生体において生成される抗体、天然に生じる抗体またはワクチン接種によって宿主生体において生成される抗体から単離特定された抗体、および当該技術分野において公知の生体分子的方法で組み換えによって生成される抗体、さらに、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、細胞内抗体(つまり細胞において発現して必要に応じて特定の細胞区画において局在化される抗体)、および前記抗体の断片や変異体を含む。一般に抗体は、軽鎖および重鎖からなり、軽鎖と重鎖は共に可変ドメインおよび定常ドメインを有する。軽鎖は、N末端可変ドメインVLおよびC末端定常ドメインCLからなる。一方、例えば、IgG抗体の重鎖は、N末端可変ドメインVHおよび3つの定常ドメインCH1、CH2、CH3を含む。単鎖抗体は、本発明において定義される複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよく、好ましくは一本鎖RNAによって、さらに好ましくはmRNAによってコードされていてもよい。 一つ目の別の構成によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、ポリクローナル抗体をコードしていてもよい。この場合、上記「ポリクローナル抗体」という用語は、通常、特定の抗原または免疫原、もしくはワクチン接種によって宿主生体(例えば、ヤギ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ロバ、サル、類人猿、および齧歯類を含む哺乳類、なお齧歯類にはマウス、ハムスター、およびウサギが含まれる)において生成されたタンパク質のエピトープ、に対して向けられる抗体の混合物を意味する。ポリクローナル抗体は、一般に同一ではなく、それゆえ通常は、同じ抗原の異なるエピトープまたは領域を認識する。したがって、このような場合、通常、本発明によってクレームされているように複合化された異なるRNA分子の混合物(組成物)に適用され、上記異なるRNA分子はそれぞれが、特定の抗原または免疫原もしくはタンパク質のエピトープに対して向けられる特定の(モノクローナルな)抗体をコードしている。 さらに他の構成としては、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、モノクローナル抗体をコードしていてもよい。「モノクローナル抗体」という用語は、ここでは通常、ほぼ均質な抗体の集団、つまり、集団を構成する個々の抗体が、起こりうる自然発生的な変異を除けば(少量は存在してもかまわない)同一である集団から得られる抗体を指す。モノクローナル抗体は特異性が高く、単一の抗原性部位に対して向けられる。さらに、異なる決定基(エピトープ)に対して向けられる異なる抗体を通常含んでいる従来の(ポリクローナル)抗体の調製とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の一つの決定基に対して向けられる。例えば、上記において定義されたモノクローナル抗体は、Kohler and Milstein, Nature, 256:495(1975)によって最初に記述されたハイブリドーマ法によって作製してもよい。あるいは、組み換えDNA法、例えば米国特許第4,816,567号明細書に記載の方法によって作製してもよい。「モノクローナル抗体」は、さらに、例えば、McCafferty et al.、 Nature, 348:552〜554(1990)に記載された手法を使って生成されたファージライブラリから単離されてもよい。KohlerおよびMilsteinによれば、対象としている免疫原(抗原)を宿主、例えばマウスに注射し、免疫原に反応して生成されたB細胞リンパ球を、ある時間が経過した後に回収する。このB細胞を、マウスから得られた骨髄腫細胞と組み合わせて、B細胞が骨髄腫細胞と融合できる培地に導入すると、B細胞は雑種細胞を生成する。そして、これらの融合した細胞(雑種細胞)をマイクロタイターのプレートの別のウェルに入れて成長させ、モノクローナル抗体を生成させる。モノクローナル抗体は試験を行なって、対象としている抗原を検出するためにはどれが適しているかを決定する。選択後、そのモノクローナル抗体を、細胞培養において、またはマウスに上記雑種細胞を注射することによって、成長させることができる。ただし、本発明の目的のためには、これらのモノクローナル抗体のペプチド配列を決定しなければならない。また、これらの抗体をコードするRNA配列は、当該技術分野において周知の手順によって調製してもよい。 ヒトにおける治療用目的の使用には、非ヒトモノクローナル抗体または非ヒトポリクローナル抗体、例えばマウス抗体は、さらに、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされていてもよい。ただし、このような抗体は、一般に上記非ヒト抗体に対するヒト抗体を人体において生成することによって免疫応答を誘引するので、通常は限られた用途にしか役に立たない。したがって、特定の非ヒト抗体はヒトに対して一度きりしか投与できない。この問題を解決するために、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によって、キメラ抗体、ヒト化非ヒト抗体、およびヒト抗体をコードすることもできる。本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされる“キメラ“抗体とは、好ましくは、上述の抗体の定常ドメインが、他の生体、好ましくはヒト配列からの抗体の配列に置き替えられた抗体である。本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によって同様にコードされた“ヒト化“(非ヒト)抗体とは、抗体の上述の定常ドメインおよび可変ドメイン(ただし高頻度可変ドメインは除く)がヒト配列に置き替えられた抗体である。さらに他の構成としては、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、ヒト抗体、すなわちヒト配列だけを有する抗体をコードしていてもよい。このようなヒト抗体は、ヒトIgG遺伝子座にとっての導入遺伝子である、ヒト組織または免疫された非ヒト宿主生体から単離し得る。配列が決定されたRNA配列を、当該技術分野において周知の手順によって調製してもよい。また、ヒト抗体は、ファージ表示法を使用することによって準備することができる。 さらに、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、二重特異性抗体をコードしていてもよい。本発明の文脈における“二重特異性”抗体とは、好ましくは、例えば、エフェクター細胞(例えばCTL、NK細胞、マクロファージ、顆粒球など)を標的にするエフェクター分子(例えば毒素、薬物、サイトカインなど)を補充する目的で、エフェクターと各標的との間でアダプターとして作用する抗体である(Kontermann R.E.、 Acta Pharmacol. Sin, 2005, 26(1):1〜9のレビューを参照)。ここで記載される二重特異性抗体は、一般に、例えば上述の2つの異なる抗原、免疫原、エピトープ、薬物、細胞(または細胞上の受容体)、またはその他の分子(または構造)を認識するように構成されている。二重特異性とは、上記抗体の抗原結合領域が2つの異なるエピトープに対して特異的であることをここでは意味する。したがって、異なる抗原、免疫原、またはエピトープなどはお互いに近接させることができ、必要に応じて2つの成分を直接相互作用させることが可能である。例えば、異なる細胞、例えばエフェクター細胞および標的細胞を、二重特異性抗体を介して連結することができる。一方ではここに記載するように溶解性抗原に結合し、他方では腫瘍細胞の表面上の抗原または受容体に結合する抗体またはその断片も、本発明に含まれるが、これに限定されるものではない。 まとめると、本発明によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、さらに、上記において定義された抗体をコードしてもよい。これらの抗体は細胞内において発現する抗体、つまり細胞の特定の部分に局在化されて、さらにそこで発現する核酸によってコードされた抗体であるから、上記抗体は細胞内抗体とも称されることがある。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされた抗体は、好ましくは完全長抗体、つまり、上述の完全長重鎖および完全長軽鎖からなる抗体を含んでいてもよい。ただし、抗体(例えば抗体断片、変異体、または付加物)の誘導体は、本発明に係る複合化RNAの少なくとも1つのRNAによってコードされていてもよい。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、さらに、前記抗体のFab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fc断片、Facb断片、pFc’断片、Fd断片、およびFv断片から選択された抗体断片をコードしていてもよい。一般に、抗体断片は当該技術分野において公知である。例えば、Fab(“fragment, antigen binding”:抗原結合断片)断片は、重鎖および軽鎖それぞれの1つの定常のドメインと1つの可変ドメインとからなる。この2つの可変ドメインは、特定の抗原上でエピトープを結合する。上記2つの鎖はジスルフィド連鎖を介して連結されている。scFv(“single chain variable fragment”:単鎖可変断片)断片は、例えば、通常軽鎖および重鎖の可変ドメインからなる。上記ドメインは、一般には、例えば15個〜25個のグリシン、プロリン、および/またはセリン残基からなるペプチドのようなポリペプチド連鎖である、人工的連鎖によって連結されている。 本発明によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、前記治療上有効なタンパク質、抗原、または抗体の断片および/またはその変異体をコードしていてもよく、さらに、上記断片および/または変異体は、前記治療上有効なタンパク質、抗原、または抗体のうちの一つと、これらの治療上有効なタンパク質、抗原、または抗体をコードしている核酸配列またはアミノ酸配列の全長の少なくとも70%、80%、または85%、好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の配列相同性を有してもよい。好ましくは、上記断片および/または変異体は、完全長の治療上有効な天然タンパク質、抗原、または抗体と比較すると、同じ生物学的機能または特異的活性、例えば特異的結合能(例えば特定の抗原の特異的結合能)、触媒活性(例えば治療上有効なタンパク質の触媒活性)などを有する。この文脈において、ここに記載する抗体の「生物学的機能」には、さらに、抗原の中和、補体活性化、またはオプソニン化が含まれる。したがって、抗体は通常、細胞表面上の天然エピトープまたは自由抗原のいずれかを認識する。上記において定義された抗体は、抗原提示細胞と相互作用し、異なる防御メカニズムが惹起される。上記抗体は、一方で、標的とする細胞において、その細胞の自己破壊(アポトーシス)につながるシグナル伝達メカニズムを惹起できる。また他方で、上記抗体は、身体の免疫系の他の成分またはエフェクター細胞が認識して攻撃できるような方法で、細胞に標識をつけることができる。この攻撃メカニズムは、抗体依存性補体性細胞傷害(antibody−dependent complement−mediated cytotoxicity;CMC)および抗体依存性細胞性細胞傷害(antibody−dependent cellular cytotoxicity;ADCC)と称される。ADCCにおいては、抗体によって標識された細胞に関わる免疫細胞によって抗体が認識され、直接的行動を介してまたは他のタイプの細胞を補充することによって、タグ付き細胞の死を引き起こす。CMCとは、通常複数の抗体が互いの近辺に存在するときに、異なる補体タンパク質が段階的に活性化されるプロセスであり、その結果、細胞は溶解するか、あるいは、他の免疫細胞をこの場所に引きつけてエフェクター細胞機能が発揮される。抗原の中和において、抗体は、抗原と結合して中和することができる。このような中和反応は次に、抗体遮断を引き起こす。こうすることによって、抗体は1つの抗原とだけ、または、二重特異性抗体の場合には2つの抗原とだけしか結合できない。特に、scFv抗体断片は、抗体の定常ドメインの機能を有しないので、中和反応において有用である。補体活性化において補体タンパク質の複合化システムは、抗体Fc部とは独立した抗体との結合を介して賦活され得る。補体タンパク質の段階的活性化の最終生成物が作用する結果、細胞は溶解し、炎症環境が生じる。上記オプソニン化において、病原体またはその他の非細胞性粒子は、抗体の定常ドメインとの結合を介して、貪食細胞がアクセスできるようになる。あるいは、異物であると認識された細胞は、抗体依存性細胞性細胞傷害(antibody−dependent cell−mediated cytotoxicity;ADCC)を介して溶解され得る。特に、NK細胞は、Fc受容体を賦活化することによって溶解能を示す。 2つのRNA配列(核酸またはアミノ酸)が相同である割合を決定するためには、配列を並べ、続いて双方を比較すればよい。したがって、例えば、第1の配列の配列に隙間を挿入して、第2の配列の対応する位置における成分を比較してもよい。第1の配列中のある位置が、第2の配列中のある位置の場合と同じ成分によって占められていれば、2つの配列はこの位置において相同である。2つの配列の相同割合は、相同である位置の個数を位置の総数で除算して得られる数値の関数である。 2つの配列の相同割合は数学的アルゴリズムを使って決定され得る。使用可能な数学的アルゴリズムの好例(ただしこの例に限定されるものではない)は、Karlin et al.(1993), PNAS USA, 90:5873〜5877のアルゴリズム、またはAltschul et al.(1997), Nucleic Acids Res, 25:3389〜3402のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムがBLASTプログラムに組み込まれている。本発明の複合化RNAのRNA配列とある程度まで相同な配列は、このプログラムで特定できる。 生理的配列と比較すると保存的な置換を含むアミノ酸配列をコードする(本発明の複合化RNAの)少なくとも1つのRNA分子は、特に変異体という用語で称される種類のRNA分子に属している。同じクラスに由来するコードされたアミノ酸を入れ替える置換を、保存的置換と称する。特に、これらのアミノ酸は、コードされたアミノ酸、コードされた脂肪性側鎖、正または負に帯電した側鎖、側鎖中の芳香族基、または側鎖(例えばヒドロキシル機能を有する側鎖)が水素架橋に入ることのできるコードされたアミノ酸である。このことは、例えば、極性を有する側鎖を持つアミノ酸が、同様に極性を有する側鎖を持つ別のアミノ酸によって置き替えられることを意味している。あるいは、例えば、疎水性側鎖を特徴とするアミノ酸が、同様に疎水性側鎖を有する別のアミノ酸によって置換される(例えばセリン(スレオニン)がスレオニン(セリン)によって置換される、またはロイシン(イソロイシン)がイソロイシン(ロイシン)によって置換される)ことを意味している。三次元構造を改変する原因とならない配列上の位置、または結合領域に影響しない配列上の位置においては、特に挿入および置換が可能である。挿入または除去による三次元構造の改変は、例えば、CDスペクトル(circular dichroism spectra;円二色性スペクトル)を使って容易に決定され得る(Urry, 1985, Absorption, Circular Dichroism and ORD of Polypeptides, in:Modern Physical Methods in Biochemistry, Neuberger et al.(ed.), Elsevier, Amsterdam)。 免疫活性化RNA 第3の実施形態によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、免疫活性化RNAであってもよい。こうすることによって、免疫活性化RNAは、上記において定義された式(I)によって表わされる本発明のオリゴペプチドでRNAを複合化する以前に、すでに免疫活性効果を示す。または、さらに好ましくは、ここで使用される上記RNAの免疫活性効果は、上記において定義された式(I)によって表わされる本発明のオリゴペプチドでRNAを複合化することによって、亢進またはさらに誘引される。本発明の複合化RNAの免疫活性化RNAは、任意のRNA、例えば上記において定義されたコーディングRNAであってもよい。好ましくは、上記免疫活性化RNAは、一本鎖RNA、二本鎖RNA、または部分的二本鎖RNAであり、さらに好ましくは、一本鎖RNA、および/または環状RNAまたは直鎖RNA、さらに好ましくは直鎖RNAである。さらに好ましくは、上記免疫活性化RNAは、(直鎖)一本鎖RNAである。一層好ましくは、上記免疫活性化RNAは、((直鎖)一本鎖)メッセンジャーRNA(mRNA)である。免疫活性化RNAは、さらに、上記において定義された低分子RNAオリゴヌクレオチドとしても生じる。 ここで使用される免疫活性化RNAは、さらに、天然にみられるか、または合成によって調整され、かつ免疫応答を誘引する任意のクラスのRNA分子から選択されてもよい。この文脈において、免疫応答は様々な仕組みで現れる。適切な免疫応答にとって大きな要素は、異なるT細胞小グループの活性化である。Tリンパ球は通常、ヘルパーT1(Th1)細胞とヘルパーT2(Th2)細胞の2つの小グループに分類され、免疫系はこの2つの小グループを使って、細胞内(Th1)病原体(例えば抗原)および細胞外(Th2)病原体(例えば抗原)を破壊できる。上記2つのTh細胞グループは、それぞれが生成するエフェクタータンパク質(サイトカイン)のパターンにおいて異なる。したがって、Th1細胞は、マクロファージと細胞傷害性T細胞の賦活によって細胞性免疫応答を補助する。一方、Th2細胞は、B細胞を活性化して血漿細胞に転換すること、および(例えば抗原に対抗する)抗体を形成することによって、体液性免疫応答を促進する。したがって、免疫応答においてTh1/Th2比は非常に重要である。本発明の関連においては、免疫応答のTh1/Th2比は、好ましくは細胞性応答(Th1応答)側に向かってシフトしていて、その結果、細胞性免疫応答が誘引される。一例としては、免疫系はトール様受容体(TLR)のリガンドによって賦活される。TLRとは、病原体関連分子パターン(pathogen−associated molecular pattern;PAMP)を認識する、高度に保存的なパターン認識受容体(pattern recognition receptor;PRR)ポリペプチドのファミリーである。TLRは、さらに、哺乳類の先天的免疫において重要な役割を果たす。現在少なくとも13のファミリーメンバーが確認され、それぞれTLR1〜TLR13(トール様受容体:TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11、TLR12、およびTLR13)と称されている。さらに、複数の特異的TLRリガンドが確認されている。例えば、非メチル化細菌性DNAおよびその合成類似体(CpG DNA)はTLR9のリガンドであることが見出されている(Hemmi H et al.(2000) Nature 408:740−5;Bauer S et al.(2001) Proc NatlAcadSci USA 98, 9237−42)。さらに、あるTLRに対するリガンドが、ある核酸分子を含んでいること、およびあるタイプのRNAが、配列から独立してまたは配列に対して依存的に免疫活性を有していて、これらの各種免疫活性化RNAが例えばTLR3、TLR7、TLR8、または細胞内受容体(例えばRIG−I、MDA−5など)を活性化することも報告されている(Lipford et al. determined certain G, U−containing oligoribonucleotides as immunostimulatory by acting via TLR7 and TLR8(WO 03/086280を参照))。Lipford et al.に記載の免疫活性G、U含有オリゴリボヌクレオチドは、リボゾームRNA、トランスファーRNA、メッセンジャーRNA、およびウイルスRNAを含むRNA由来のものであると考えられる。 本発明によれば、例えば、実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x(式I)によって表わされるキャリアペプチドで複合化された、上記において定義された任意のRNA(分子)は、(具体的な長さ、一本鎖もしくは二本鎖の状態、修飾、および/またはヌクレオチド配列には無関係に)免疫活性を有する、つまり免疫応答を亢進することが見出された。それゆえ、実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x(式I)によって表わされるキャリアペプチドで複合化され、上記において定義されたRNAは、特定の治療に対して適しており、かつ、そうすることが望ましいのであれば、(非特異的)免疫活性化を亢進するために使用できる。したがって、式(I)によって表わされるペプチドで任意のRNAを複合化することで免疫活性化効果を奏することは、本発明の複合化RNAが内在する特性であると言える。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つの(免疫活性)RNA(分子)は、それゆえ、TLRのリガンドを表わすおよび/またはTLRのリガンドをコードするRNA配列(ただしこれに限定されるものではない)を含む、免疫活性を有することが知られている任意のRNA配列を含んでいる。なお、前記TLRのリガンドは、好ましくはTLR1〜TLR13からなるファミリーから選択され、さらに好ましくはTLR7およびTLR8、つまりRNA(例えばRIG−IまたはMAD−5など)またはその他の任意の免疫活性化RNA配列の細胞内受容体のリガンドから選択される(例えば、Meylan, E.、 Tschopp, J.(2006)、Toll−like receptors and RNA helicases:two parallel ways to trigger antiviral responses、Mol. Cell 22, 561〜569を参照)。さらに、免疫活性化RNAとして使用されるRNA分子(のクラス)は、免疫応答を誘発可能なその他の任意のRNAを含んでいてもよい。このような免疫活性化RNAとしては、リボゾームRNA(rRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、およびウイルスRNA(vRNA)などがあげられるが、これに限定されるものではない。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つの(免疫活性)RNA(分子)として使用されるさらに他のRNA分子(のクラス)は、例えば式(IIa)GlXmGnによって表わされるRNA分子を含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。ただし、上記式中、Gはグアノシン、ウラシル、またはグアノシンの類似体もしくはウラシルの類似体であり、Xはグアノシン、ウラシル、アデノシン、チミジン、シトシン、またはこれらのヌクレオチドの類似体であり、lは1〜40の整数であって、l=1の場合のGはグアノシンまたはその類似体であって、l>1の場合のヌクレオチドの少なくとも50%がグアノシンまたはその類似体であり、mは3以上の整数であって、m=3の場合のXはウラシルまたはその類似体であって、m>3の場合のウラシルまたはその類似体が少なくとも3つ連続して起こり、nは1〜40の整数であって、n=1の場合のGはグアノシンまたはその類似体であって、n>1の場合のヌクレオチドの少なくとも50%がグアノシンまたはその類似体である。 また、本発明の複合化RNAの少なくとも1つの(免疫活性)RNA(分子)として使用されるさらに他のRNA分子(のクラス)は、例えば式(IIb)ClXmCnによって表わされるRNA分子を含んでいてもよいが、これに限定されるものではない。ただし、上記式中、Cはシトシン、ウラシル、またはシトシンの類似体もしくはウラシルの類似体であり、Xはグアノシン、ウラシル、アデノシン、チミジン、シトシン、またはこれらのヌクレオチドの類似体であり、lは1〜40の整数であって、l=1の場合のCはシトシンまたはその類似体であって、l>1の場合のヌクレオチドの少なくとも50%はシトシンまたはその類似体であり、mは3以上の整数であって、m=3の場合のXはウラシルまたはその類似体であって、m>3の場合のウラシルまたはその類似体が少なくとも3つ連続して起こり、nは1〜40の整数であって、n=1の場合のCはシトシンまたはその類似体であって、n>1の場合のヌクレオチドの少なくとも50%がシトシンまたはその類似体である。 好ましくは、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用される免疫活性化RNA分子は、一般的に本発明の複合化RNAのRNA分子について上記において定義された長さを有し、さらに好ましくは5〜5000、500〜5000、さらに好ましくは1000〜5000、あるいは5〜1000、5〜500、5〜250、5〜100、5〜50、さらに好ましくは5〜30ヌクレオチドの長さを有する。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用される少なくとも1つの免疫活性化RNAは、上記DNAの免疫活性特性を亢進するために、さらに、修飾されてもよく、好ましくは“化学的に修飾”されてもよい。「化学的に修飾」という用語は、本発明に係る免疫活性化RNAとして使用されるRNAが、天然のRNA種と比較すると、個々のまたはいくつかの原子、または原子グループが置換、挿入、または除去によって修飾されることを意味する。 好ましくは、上記RNAの化学的修飾には、天然のヌクレオチドの少なくとも1つの類似体を含む。本発明において使用され得るヌクレオチド類似体は、グアノシン、ウラシル、アデノシン、チミジン、およびシトシンの類似体であるが、ここに列挙したものが全てではない。上記修飾は、塩基、リボース類、および/またはリン酸塩主鎖類の修飾を指す。この文脈において、グアノシン、ウラシル、アデノシン、およびシトシンの類似体としては、天然に生じるまたは天然に生じない任意のグアノシン、ウラシル、アデノシン、チミジン、またはシトシンを化学的に、例えばアセチル化、メチル化、ヒドロキシル化などによって修飾したものが例示できるが、この例示はいかなる限定を示唆するものではなく、また、具体的には以下に列挙するものを含む。すなわち、1−メチル−アデノシン、1−メチル−グアノシン、1−メチル−イノシン、2,2−ジメチル−グアノシン、2,6−ジアミノプリン、2’−アミノ−2’−デオキシアデノシン、2’−アミノ−2’−デオキシシチジン、2’−アミノ−2’−デオキシグアノシン、2’−アミノ−2’−デオキシウリジン、2−アミノ−6−クロロプリンリボシド、2−アミノプリン−リボシド、2’−アラアデノシン、2’−アラシチジン、2’−アラウリジン、2’−アジド−2’−デオキシアデノシン、2’−アジド−2’−デオキシシチジン、2’−アジド−2’−デオキシグアノシン、2’−アジド−2’−デオキシウリジン、2−クロロアデノシン、2’−フルオロ−2’−デオキシアデノシン、2’−フルオロ−2’−デオキシシチジン、2’−フルオロ−2’−デオキシグアノシン、2’−フルオロ−2’−デオキシウリジン、2’−フルオロチミジン、2−メチル−アデノシン、2−メチル−グアノシン、2−メチル−チオ−N6−イソペネニル−アデノシン、2’−O−メチル−2−アミノアデノシン、2’−O−メチル−2’−デオキシアデノシン、2’−O−メチル−2’−デオキシシチジン、2’−O−メチル−2’−デオキシグアノシン、2’−O−メチル−2’−デオキシウリジン、2’−O−メチル−5−メチルウリジン、2’−O−メチルイノシン、2’−O−メチル偽ウリジン、2−チオシチジン、2−チオ−シトシン、3−メチル−シトシン、4−アセチル−シトシン、4−チオウリジン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)−ウラシル、5,6−ジヒドロウリジン、5−アミノアリルシチジン、5−アミノアリル−デオキシ−ウリジン、5−ブロモウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオ−ウラシル、5−カルボキシメチルアモノメチル−ウラシル、5−クロロ−アラ−シトシン、5−フルオロ−ウリジン、5−ヨードウリジン、5−メトキシカルボニルメチル−ウリジン、5−メトキシ−ウリジン、5−メチル−2−チオ−ウリジン、6−アザシチジン、6−アザウリジン、6−クロロ−7−デアザ−グアノシン、6−クロロプリンリボシド、6−メルカプト−グアノシン、6−メチル−メルカプトプリン−リボシド、7−デアザ−2’−デオキシ−グアノシン、7−デアザアデノシン、7−メチル−グアノシン、8−アザアデノシン、8−ブロモ−アデノシン、8−ブロモ−グアノシン、8−メルカプト−グアノシン、8−オキソグアノシン、ベンズイミダゾール−リボシド、βD−マンノシル−ケオシン、ジヒドロ−ウラシル、イノシン、N1−メチルアデノシン、N6−([6−アミノヘキシル]カルバモイルメチル)−アデノシン、N6−イソペンテニル−アデノシン、N6−メチル−アデノシン、N7−メチル−キサントシン、N−ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ピューロマイシン、ケオシン、ウラシル−5−オキシ酢酸、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウィブトキソシン、キサントシン、およびキシロ−アデノシンである。これらの類似体の調製法は当業者にとって公知であり、例えば、米国特許第4,373,071号明細書、米国特許第4,401,796号明細書、米国特許第4,415,732号明細書、米国特許第4,458,066号明細書、米国特許第4,500,707号明細書、米国特許第4,668,777号明細書、米国特許第4,973,679号明細書、米国特許第5,047,524号明細書、米国特許第5,132,418号明細書、米国特許第5,153,319号明細書、米国特許第5,262,530号明細書、および米国特許第5,700,642号明細書に記載されている。上述の類似体の場合、本発明によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用される免疫活性化RNA配列の免疫原性を亢進する類似体、および/または上記免疫活性化RNAにさらに導入された修飾と干渉しない類似体に対して、特定の優先度が与えられる。 siRNA 第4の実施形態では、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、siRNAの形態であってもよい。siRNAは、特にRNA干渉現象との関連において興味が持たれる。RNA干渉現象は免疫学的な研究の過程において注目された。最近、RNAに基づいた防御メカニズムが発見された。この防御メカニズムは、菌界ならびに植物界および動物界の双方において起こり、”ゲノムの免疫系”として作用する。このシステムは、もともと様々な種において互いに独立して記載され、線虫(C. elegans)における記載が最初であった。その後、プロセスの根底にあるメカニズムが同一であると認識できたのである。つまり、植物におけるRNA媒介ウイルス抵抗性、植物における転写後遺伝子サイレンシング(posttranscriptional gene silencing;PTGS)、および真核生物におけるRNA干渉は、共通の過程に基づいている。RNA干渉(RNAi)のin vitro手法は、二本鎖RNA分子(dsRNA)に基づいており、遺伝子発現の配列特異的な抑制を誘発する(Zamore(2001)、Nat. Struct. Biol.9:746〜750;Sharp(2001) Genes Dev. 5:485〜490:Hannon(2002) Nature 41:244〜251)。哺乳類細胞への高分子dsRNAのトランスフェクションでは、タンパク質キナーゼRおよびLが賦活化されることによって、非特異的効果、例えば、インターフェロン応答が生じる(Stark et al.(1998) Annu. Rev. Biochem. 67:227〜264;He and Katze(2002) Viral Immunol. 15:95〜119)。例えば21マーから23マーのように、より低分子のいわゆるsiRNA(低分子干渉RNA)が使用される場合には、30bpより低分子であるsiRNAでは非特異的効果が誘発されないので、これらの非特異的効果は避けられる(Elbashir et al.(2001) Nature 411:494〜498)。最近では、dsRNA分子がin vivoでも使用されている(McCaffrey et al.(2002), Nature 418:38〜39;Xia et al.(2002), Nature Biotech. 20:1006〜1010;Brummelkamp et al.(2002), Cancer Cell 2:243〜247)。したがって、本発明に係る複合化RNAのために使用されるsiRNAは、通常、約8〜30のヌクレオチド、好ましくは17〜25、一層好ましくは20〜25、最も好ましくは21〜23ヌクレオチドを有する(一本鎖または)二本鎖RNA配列、好ましくは二本鎖RNA配列を含んでいる。原則的に、上述のRNA配列、例えば(m)RNA配列のコード領域で発生し、かつ、17〜29、好ましくは19〜25、最も好ましくは21〜23塩基対の長さを有する、全てのセクションが、siRNAにとっては標的配列となる。同様に、siRNAは、コード領域には存在しない、特にRNAの5’非コード領域に存在する、上記(治療関連)タンパク質または抗原のヌクレオチド配列を対象とし、したがって、例えば調整機能を有するRNAの非コード領域に対しても向けられる。siRNAの標的配列は、したがって、RNAの翻訳領域および/もしくは非翻訳領域、ならびに/または制御因子の領域に存在する。siRNAの標的配列はさらに、非翻訳配列および翻訳配列のオーバーラップ領域に存在する。特に、上記標的配列には、RNAのコード領域の開始トリプレットから少なくともヌクレオチド1つ上流のヌクレオチドが含まれる。 アンチセンスRNA 第5の実施形態によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、アンチセンスRNAであってもよい。本発明の文脈において、アンチセンスRNAは、好ましくは、テンプレート、つまりDNAの繋がりではなく、上記コーディングに基づいて転写される(一本鎖)RNA分子であり、こうすることによってセンスRNA(メッセンジャーRNA)に対して相補的になる。本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるアンチセンスRNAは、通常、センスRNA分子とアンチセンスRNA分子との間で二本鎖を形成し、それゆえ、mRNAの翻訳をブロックできる。本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるアンチセンスRNAは、(治療関連)タンパク質または抗原(例えば上記のもの)をコードするmRNA配列の任意の部分を対象とすることによって(mRNA配列の任意の部分に対して相補的にすることによって)、コードされているタンパク質の翻訳が低減/抑制されるのであれば、上記任意の部分を対象とする(相補的にする)ことができる。したがって、標的とされるmRNA上にある、アンチセンスRNAの標的配列は、mRNAの翻訳領域および/または非翻訳領域、例えばmRNA制御因子の領域、特に調整機能を実現しているRNAの5’非コード領域に位置している。標的とされるmRNA上にある、アンチセンスRNAの標的配列は、さらに、標的mRNAの非翻訳(コード)配列および翻訳(コード)配列に対して部分的に相補的な領域をその配列で被覆することによって、アンチセンスRNAがmRNAに結合するように生成される。特に、上記アンチセンスRNAは、標的mRNAのコード領域の開始トリプレットから少なくともヌクレオチド1つ上流のヌクレオチドによって、標的mRNA配列に対して相補的であってもよい。好ましくは、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるアンチセンスRNAは、一般的に(本発明の複合化RNAの)RNA分子について上記において定義された長さを有する。通常、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるアンチセンスRNAは、標的mRNAの断片である。さらに詳細に記載すると、上記アンチセンスRNAは、さらに好ましくは5〜5000、500〜5000、さらに好ましくは1000〜5000、あるいは5〜1000、5〜500、5〜250、5〜100、5〜50、または5〜30、あるいは一層好ましくは20〜100、20〜80、または20〜60ヌクレオチドの長さを有する。 RNAの修飾 一実施形態によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるRNA、特に低分子RNAオリゴヌクレオチド、コーディングRNA、免疫活性化RNA、siRNA、アンチセンスRNA、リボスイッチ、リボザイム、またはアプタマーは、(上記RNAの、例えば特定の治療用途における可能性、長さ、および/または配列には無関係に)修飾RNAとして使用してもよく、任意の修飾(特に以下に開示する修飾)が、(任意に組み合わせて、またはそのままで)上記において定義されたRNA(分子)に導入されてもよい。ただし、特定のタイプのRNA(例えばコーディングRNA)には適した種類の修飾もあれば、任意のRNA分子に対して、例えば本発明において定義されるように特定のRNAの種類に制限されることなく適用される修飾もある。したがって、本発明の目的において使用するために望ましい特定の効果または複合的効果を実現するために、RNAの修飾が導入されてもよい。したがって、例えば劣化に対してRNAを安定させることによって、そのトランスフェクション効率を亢進し、翻訳効率を改善し、免疫原としての可能性を高めるように、および/または治療用途における可能性を高める(例えばサイレンシング特性またはアンチセンス特性を高める)ように修飾が設計されてもよい。本発明の複合化RNAの成分としての修飾されたRNAによって、少なくとも1つの、さらに好ましくは少なくとも2つの機能的性質が同時に改善できて、例えばRNAが安定化し、治療用途における可能性または免疫原としての可能性が改善すれば特に好ましい。 一般に、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用するRNAを安定化し、in vivoにおけるその半減期を延ばすことは主要な目的である。好ましくは、in vivo条件下における修飾されたRNAの半減期は(修飾されていないRNAとの比較において)、少なくとも20%、さらに好ましくは少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも50%、一層好ましくは少なくとも70%、80%、90%、100%、150%、または200%長い。修飾によって実現する安定化によって、修飾されたmRNAの半減期が、修飾されていないRNAとの比較において、少なくとも5分、10分、15分、30分、さらに好ましくは少なくとも60分延びることがある。 一実施形態によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)、好ましくはコーディングRNA、例えばmRNAは、RNAの例えばコード領域のG/C含有量を調整(修飾)することによって安定化されてもよい。本発明の特に好適な実施形態では、(本発明の複合化RNAの)RNAのコード領域のG/C含有量が変更される。具体的には、対応する野性型RNA、つまり修飾されていないRNAのコード領域と比較して、G/C含有量が多くなるように変更される。修飾されたRNAにコードされたアミノ酸配列は、好ましくは、対応する野性型RNAによってコードされたアミノ酸配列から変更されない。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるRNAのこの修飾は、翻訳される任意のRNAのコード配列が、そのRNAの効率的な翻訳にとって重要であるという事実に基づいている。特に、G(グアノシン)/C(シトシン)含有量が多い配列は、A(アデノシン)/U(ウラシル)含有量が多い配列より安定している。したがって、本発明によれば、RNAのコドンを野性型RNAから変更し、一方で、翻訳されたアミノ酸配列は保持し、G/Cヌクレオチド含有量を増加させる。複数のコドンが全く同一のアミノ酸をコードする(いわゆる遺伝子コードの)ということに関連して、安定性のために最も好ましいコドン(いわゆる代替コドンの使用)が決定される。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるRNAによってコードされるアミノ酸における野性型配列との比較において、上記RNA配列の修飾には様々な可能性がある。もっぱらGまたはCヌクレオチドを含有するコドンによってコードされたアミノ酸の場合、コドンの修飾の必要はない。したがって、Pro(CCCまたはCCG)、Arg(CGCまたはCGG)、Ala(GCCまたはGCG)、およびGly(GGCまたはGGG)のコドンは、AもUも存在しないので修飾の必要がない。 一方、Aヌクレオチドおよび/またはUヌクレオチドを含有するコドンは、同一アミノ酸をコードするが、Aおよび/またはUを含有しない他のコドンに置換することによって修飾される。具体例としては以下のコドンがあげられる。すなわち、Proのコドンは、CCUまたはCCAからCCCまたはCCGに変更すればよい。Argのコドンは、CGU、CGA、AGA、またはAGGからCGCまたはCGGに変更すればよい。Alaのコドンは、GCUまたはGCAからGCCまたはGCGに変更すればよい。Glyのコドンは、GGUまたはGGAからGGCまたはGGGに変更すればよい。 また、コドンからAヌクレオチドまたはUヌクレオチドを取り除くことができない場合もあるが、Aヌクレオチドおよび/またはUヌクレオチドの含有量がより少ないコドンを使用することによってAおよびUの含有量を減らすことは可能である。具体例としては以下のコドンがあげられる。Pheのコドンは、UUUからUUCに変更すればよい。Leuのコドンは、UUA、UUG、CUU、またはCUAからCUCまたはCUGに変更すればよい。Serのコドンは、UCU、UCA、またはAGUからUCC、UCG、またはAGCに変更すればよい。Tyrのコドンは、UAUからUACに変更すればよい。Cysのコドンは、UGUからUGCに変更すればよい。Hisのコドンは、CAUからCACに変更すればよい。Glnのコドンは、CAAからCAGに変更すればよい。Ileのコドンは、AUUまたはAUAからAUCに変更すればよい。Thrのコドンは、ACUまたはACAからACCまたはACGに変更すればよい。Asnのコドンは、AAUからAACに変更すればよい。Lysのコドンは、AAAからAAGに変更すればよい。Valのコドンは、GUUまたはGUAからGUCまたはGUGに変更すればよい。Aspのコドンは、GAUからGACに変更すればよい。Gluのコドンは、GAAからGAGに変更すればよい。停止コドンUAAは、UAGまたはUGAに変更すればよい。 一方で、Met(AUG)およびTrp(UGG)のコドンの場合は、配列は全く変更できない。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるRNAのG/C含有量を、その特定の野性型RNA(つまりもとの配列)との比較において高めるために、上で列挙した置換は、個々に使用しても、または任意の可能な組み合わせで使用してもかまわない。こうすることによって、例えば、野性型配列において発生するThrのコドンが全てACC(またはACG)に変更され得る。ただし、例えば、上記の可能な置換を組み合わせて使用することが好ましい。具体例としては、もとの配列(野性型RNA)においてThrをコードしているコドンを全てACC(またはACG)に置換し、かつ、もともとSerをコードしているコドンを全てUCC(またはUCGまたはAGC)に置換する。もとの配列においてIleをコードしているコドンを全てAUCに置換し、もともとLysをコードしているコドンを全てAAGに置換し、かつ、もともとTyrをコードしているコドンを全てUACに置換する。もとの配列においてValをコードしているコドンを全てGUC(またはGUG)に置換し、もともとGluをコードしているコドンを全てGAGに置換し、もともとAlaをコードしているコドンを全てGCC(またはGCG)に置換し、かつ、もともとArgをコードしているコドンを全てCGC(またはCGG)に置換する。もとの配列においてValをコードしているコドンを全てGUC(またはGUG)に置換し、もともとGluをコードしているコドンを全てGAGに置換し、もともとAlaをコードしているコドンを全てGCC(またはGCG)に置換し、もともとGlyをコードしているコドンを全てGGC(またはGGG)に置換し、かつ、もともとAsnをコードしているコドンを全てAACに置換する。もとの配列においてValをコードしているコドンを全てGUC(またはGUG)に置換し、もともとPheをコードしているコドンを全てUUCに置換し、もともとCysをコードしているコドンを全てUGCに置換し、もともとLeuをコードしているコドンを全てCUG(またはCUC)に置換し、もともとGlnをコードしているコドンを全てCAGに置換し、かつ、もともとProをコードしているコドンを全てCCC(またはCCG)に置換する、などの例があげられる。 好ましくは、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるRNAのコード領域のG/C含有量は、野性型RNAの、タンパク質をコードするコード領域のG/C含有量との比較において、少なくとも7%、さらに好ましくは少なくとも15%、特に好ましくは少なくとも20%増加させる。特定の実施形態によれば、タンパク質をコードしている領域において、または野性型RNA配列の全体において、置換可能コドンの少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも70%、一層好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%、95%、または100%に達する割合が置換され、こうすることによって上記配列のG/C含有量を増加させる、または最大化することができる。 この文脈において、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるRNAのG/C含有量を、野性型配列との比較において最大値(つまり置換可能コドンの100%)まで、特にタンパク質をコードしている領域において増加させることは特に好適である。 本発明によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるRNAの別の好ましい修飾は、上記翻訳効率が細胞中のtRNAの発生頻度の変化によっても決まるという知見に基づいている。したがって、いわゆる「希少コドン」がRNA配列において高い割合で存在していれば、対応する修飾されたRNA配列は、比較的“頻出”するtRNAをコードするコドンが存在する場合に比べて、大幅に低い割合で翻訳される。 本発明によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるRNAにおいて、タンパク質をコードする領域は、細胞内において比較的希少なtRNAをコードする野性型配列の少なくとも1つのコドンを、細胞内において比較的頻出させ、上記比較的希少なtRNAと同じアミノ酸を搬送するtRNAをコードするコドンと交換するように、野性型RNAの対応する領域との比較において修飾される。この修飾によって、RNA配列は、頻繁に生じるtRNAが利用可能なコドンが挿入されるように修飾される。換言すれば、本発明によれば、この修飾によって、細胞内において比較的希少なtRNAをコードする野性型配列の全てのコドンが、細胞内において比較的頻出し、上記比較的希少なtRNAと同じアミノ酸をそれぞれのコドンの場合において担うtRNAをコードするコドンとそれぞれのコドンの場合において交換される。 どのtRNAが細胞内において比較的頻繁に生じるのか、また、その一方で、どのtRNAの発生が比較的希少なのかは、当業者にとって公知である。例えば、Akashi, Curr. Opin. Genet. Dev. 2001, 11(6):660〜666.に記載されている。最も頻繁に発生するtRNAを特定のアミノ酸に対して使用するコドン、例えば、(ヒト)細胞内において最も頻繁に生じるtRNAを使用するGlyコドンが、特に好ましい。 本発明によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるRNAにおいて増加させた、特に最大化した配列上のG/C含有量を、RNAのコード領域によってコードされたタンパク質のアミノ酸配列を修飾せずに、“頻出”するコドンと関連付けることが特に好適である。この好適な実施形態によって、特に効率よく翻訳、安定化された(修飾された)、本発明に係る複合化RNAのRNAを提供することが可能になる。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)としてここで使用されるRNAのG/C含有量(増加させたG/C含有量;tRNAの交換)の決定は、WO02/098443に開示されているコンピュータプログラムを使って実施され得る。なお、WO02/098443の−開示内容は、その全体が本発明の開示内容に含まれるものとする。このコンピュータプログラムを使って、任意の所望のRNAのヌクレオチド配列が、細胞内においてできるだけ頻繁に生じるtRNAをコードするコドンの使用と組み合わせて、最大G/C含有量が結果的に達成できるように、遺伝子コード、またはその縮重性を手かがりにして修飾され得る。 RNA(分子)によってコードされたアミノ酸配列は、好ましくは、配列との比較において修飾されない。あるいは、G/C含有量だけを変更することも可能であり、またはもとの配列との比較においてコドンの使用法だけを変更することも可能である。WO02/098443には。Visual Basic 6.0のソースコード(開発環境としては、マイクロソフト社製Visual Studio Enterprise 6.0を、サービスパック3とともに使用)も記載されている。 本発明の別の好適な実施形態では、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)のリボゾーム結合部位の環境中におけるA/U含有量は、その特定の野性型RNAのリボゾーム結合部位の環境におけるA/U含有量との比較すると増加している。この修飾(リボゾーム結合部位周囲におけるA/U含有量の増加)によって、リボゾームが修飾されたRNAに結合する効率が上昇する。リボゾームがリボゾーム結合部位(Kozak配列、つまりGCCGCCACCAUGG(配列番号33)であり、該AUGが開始コドンを形成する)に効果的に結合すると、次に、修飾されたRNAが効率的に翻訳されるという効果を奏する。 本発明のさらに別の実施形態によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、潜在的に不安定化要素となる可能性のある配列因子が修飾されてもよい。特に、RNAのコード領域、および/または5’非翻訳領域および/または3’非翻訳領域は、不安定化配列因子を含有しないように、特定の野性型RNAとの比較において修飾されてもよく、上記RNA(分子)にコードされたアミノ酸配列は、好ましくは特定の野性型RNAとの比較において修飾されない。例えば、真核生物のRNAの配列において不安定化配列因子(destabilizing sequence element;DSE)が発生し、上記不安定化配列因子にシグナルタンパク質が結合して、in vivoにおけるRNAの酵素分解を調整することは公知である。したがって、RNA(分子)をさらに安定化するためには、タンパク質をコードする領域には不安定化配列因子が全く含まれない、またはほぼ含まれないように、野性型RNAの対応領域との比較における1つ以上の変更が、上記タンパク質をコードする領域において必要に応じて実施される。本発明によれば、非翻訳領域(3’−UTRおよび/または5’−UTR)に存在するDSEは、さらに、上記の修飾によって、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)から取り除かれてもよい。 この不安定化配列としては、例えば、多数の不安定RNAの3’−UTRセクションにおいて生じるAUリッチ配列(AU−rich sequence;AURES)があげられる(Caput et al.、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1986, 83:1670〜1674)。本発明に係る複合化RNAのRNAは、したがって、好ましくは、上記RNAがこのような不安定化配列を含有しないように、野性型RNAとの比較において修飾される。このことは、起こり得るエンドヌクレアーゼによって認識される配列モチーフ、例えば、トランスフェリン受容体をコードする遺伝子の3’−UTR部分に含有されるGAACAAGという配列にも適用できる(Binder et al.、 EMBO J. 1994, 13:1969〜1980)。これらの配列モチーフは、本発明によれば、好ましくは本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)において除去されてもよい。 本発明によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、5’Cap構造を有していてもよい。本発明において使用され得るCap構造の例としては、m7G(5’)ppp、(5’(A,G(5’)ppp(5’)A、およびG(5’)ppp(5’)Gなどがあげられる。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の安定性を亢進する別の修飾は、5’端または3’端におけるRNAの伸長、通常は、10〜200ヌクレオチドの長さ分のホモヌクレオチド伸長に基づいている。これらの伸長は、特にRNAがmRNAとして提供されている場合、通常約10〜200アデノシンヌクレオチド、好ましくは約10〜100アデノシンヌクレオチド、さらに好ましくは約20〜70アデノシンヌクレオチド、一層好ましくは約20〜60アデノシンヌクレオチドのポリA尾部を、3’末端に含んでいてもよい。この構成の替わりに、あるいは、この構成に加えて、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、特にRNAがmRNAとして提供されている場合、通常約10〜200シトシンヌクレオチド、好ましくは約10〜100シトシンヌクレオチド、さらに好ましくは約20〜70シトシンヌクレオチド、一層好ましくは約20〜60、または10〜40シトシンヌクレオチドに達するポリC尾部を、3’末端に含有してもよい。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)において生じる可能性のある別の修飾は、特にRNAがmRNAとして提供されている場合、好ましくは少なくとも1つのIRESおよび/または少なくとも1つの5’および/または3’末端の安定化配列に関する。本発明によれば、1つ以上のいわゆるIRES(internal ribosomal entry site;配列内リボソーム進入部位)がRNAに挿入されてもよい。IRESは、それゆえ、唯一のリボゾーム結合部位として機能するが、リボゾームによって互いに独立して翻訳される複数のタンパク質をコードするRNA(多シストロン性RNA)を提供するためにもさらに役立つ。本発明において使用され得るIRES配列の例としては、ピコルナウイルス(例えばFMDV)、ペスチウイルス(CFFV)、ポリオウイルス(PV)、脳心筋炎ウイルス(ECMV)、口蹄疫ウイルス(FMDV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ブタコレラウイルス(CSFV)、マウス角膜白斑ウイルス(MLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、またはコオロギ麻痺ウイルス(CrPV)などがあげられる。 本発明によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、当該分野において公知である、少なくとも1つの5’端および/または3’端安定化配列を有していてもよい。5’非翻訳領域および/または3’非翻訳領域におけるこれらの安定化配列は、細胞基質においてRNAの半減期を延ばすという効果を有する。これらの安定化配列は、ウイルス、細菌、および真核生物において天然に生じる配列に対して100%の配列相同性を有していることもあるが、部分的にまたは完全に合成されたものであってもよい。本発明においてRNAを安定化させるために使用され得る安定化配列の一例として、例えばHomo sapiensまたはXenopus laevis由来のβグロビン遺伝子の非翻訳配列(untranslated sequence;UTR)をあげることができる。安定化配列の別の例としては、αグロビン、α(I)コラーゲン、15−リポキシゲナーゼ、またはチロシンヒドロキシラーゼをコードする非常に安定したRNAの3’UTRに含有されている、一般式(C/U)CCANxCCC(U/A)PyxUC(C/U)CC(配列番号34)によって表わされるものがあげられる(Holcik et al.、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1997, 94:2410〜2414を参照)。このような安定化配列は、当然ながら、個々にまたは互いに組み合わせて、ならびに、当業者にとって公知のさらに他の安定化配列と組み合わせて使用できる。本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、したがって、好ましくは、グロビンUTR(非翻訳領域)によって安定化したRNAとして、特にβグロビンUTRによって安定化したRNAとして存在する。 所望であれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、主鎖修飾を有していてもよい。本発明との関連における主鎖修飾とは、RNAに含まれているヌクレオチドの主鎖のリン酸塩が化学的に修飾されている修飾である。このような主鎖修飾は、通常、メチルホスホン酸、ホスホロアミド酸、およびホスホロチオエート(例えばシチジン−5’−O−(1−チオリン酸塩))からなる群から選択される修飾を含んでいるが、このことがなんらの限定を示唆するものではない。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、糖修飾をさらに含有していてもよい。本発明との関連における糖修飾とは、存在するヌクレオチドの糖の化学的修飾であって、通常、2’−デオキシ−2’−フルオロ−オリゴリボヌクレオチド(2’−フルオロ−2’−デオキシシチジン−5’−三リン酸塩、2’−フルオロ−2’−デオキシウリジン−5’−三リン酸塩)、2’−デオキシ−2’−デアミンオリゴリボヌクレオチド(2’−アミノ−2’−デオキシシチジン−5’−三リン酸塩、2’−アミノ−2’−デオキシウリジン−5’−三リン酸塩)、2’−O−アルキルオリゴリボヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−C−アルキルオリゴリボヌクレオチド(2’−O−メチルシチジン−5’−三リン酸塩、2’−メチルウリジン−5’−三リン酸塩)、2’−C−アルキルオリゴリボヌクレオチド、およびその異性体(2’−アラシチジン−5’−三リン酸塩、2’−アラウリジン−5’−三リン酸塩)、またはアジド三リン酸塩(2’−アジド−2’−デオキシシチジン−5’−三リン酸塩、2’−アジド−2’−デオキシウリジン−5’−三リン酸塩)からなる群より選択される糖修飾を含むが、このことがなんらの限定を示唆するものではない。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、好ましくは、少なくとも1つのRNA(分子)によってコードされたタンパク質の発現を、不変、つまり自然(=天然)のRNA配列との比較において大幅に増加させることに適した、少なくとも1つの塩基修飾をさらに含有していてもよい。この場合において「大幅」とは、タンパク質の発現が、天然のRNA配列の発現との比較において、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、40%、50%、または60%、さらに好ましくは少なくとも70%、80%、90%、または100%に達する増加率で、最も好ましくは少なくとも150%、200%、または300%に達する増加率で増加することを意味する。本発明との関連において、塩基修飾を有するヌクレオチドは、好ましくは、2−アミノ−6−クロロプリンリボシド−5’−三リン酸塩、2−アミノアデノシン−5’−三リン酸塩、2−チオシチジン−5’−三リン酸塩、2−チオウリジン−5’−三リン酸塩、4−チオウリジン−5’−三リン酸塩、5−アミノアリルシチジン−5’−三リン酸塩、5−アミノアリルウリジン−5’−三リン酸塩、5−ブロモシチジン−5’−三リン酸塩、5−ブロモウリジン−5’−三リン酸塩、5−ヨードシチジン−5’−三リン酸塩、5−ヨードウリジン−5’−三リン酸塩、5−メチルシチジン−5’−三リン酸塩、5−メチルウリジン−5’−三リン酸塩、6−アザシチジン−5’−三リン酸塩、6−アザウリジン−5’−三リン酸塩、6−クロロプリンリボシド−5’−三リン酸塩、7−デアザアデノシン−5’−三リン酸塩、7−デアザグアノシン−5’−三リン酸塩、8−アザアデノシン−5’−三リン酸塩、8−アジドアデノシン−5’−三リン酸塩、ベンズイミダゾール−リボシド−5’−三リン酸塩、N1−メチルアデノシン−5’−三リン酸塩、N1−メチルグアノシン−5’−三リン酸塩、N6−メチルアデノシン−5’−三リン酸塩、O6−メチルグアノシン−5’−三リン酸塩、偽ウリジン−5’−三リン酸塩、またはピューロマイシン−5’−三リン酸塩、キサントシン−5’−三リン酸塩からなる塩基修飾されたヌクレオチドの群から選択される。5−メチルシチジン−5’−三リン酸塩、7−デアザグアノシン−5’−三リン酸塩、5−ブロモシチジン−5’−三リン酸塩、および偽ウリジン−5’−三リン酸塩からなる塩基修飾されたヌクレオチドの群から選択された塩基修飾ヌクレオチドに対しては、特段の優先度が与えられる。 本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、必要とする患者に対して投与すれば免疫抑制的に作用する、つまり免疫応答を防止または低減させることに好ましくは適した少なくとも1つの修飾を、上記少なくとも1つのRNA(分子)が含有するように、ヌクレオチドのヌクレオシド内にさらに含有していてもよい。この少なくとも1つの修飾は、好ましくは以下のa)、b)、c)から選択されたヌクレオシド修飾から選択される。すなわち、a)シチジンおよび/またはウリジンのヌクレオシドのピリミジン塩基の4位、5位、または6位における化学的修飾、b)アデノシン、イノシン、および/またはグアノシンのヌクレオシドのプリン塩基の2位、6位、7位、または8位における化学的修飾、および/またはc)アデノシン、イノシン、グアノシン、シチジン、および/またはウリジンのヌクレオシドの糖の2’位における化学的修飾である。 この文脈において、(m)RNAは、通常、アデノシン−5’−モノリン酸塩、グアノシン−5’−モノリン酸塩、イノシン−5’−モノリン酸塩、シチジン−5’−モノリン酸塩、および/またはウリジン−5’−モノリン酸塩から選択された複数のヌクレオチドによって形成される核酸鎖である。これらのヌクレオチドは、そのモノリン酸塩を介して互いに連結されている。ヌクレオチドは、ヌクレオシドと構造的要素として5’−モノリン酸塩とを備え、上記ヌクレオシドは、通常核酸塩基によって、つまりピリミジン(ウラシルまたはシトシン)またはプリン(アデニンまたはグアニン)塩基、および糖によって形成される。したがって、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)のヌクレオシドの修飾は、常に、上記少なくとも1つのRNA(分子)の各ヌクレオチドのヌクレオシド構造における修飾を意味しているものとする。 第1の修飾a)によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の少なくとも1つのヌクレオシドが、シチジンおよび/またはウリジンのヌクレオシドのピリミジン塩基の5位または6位において化学的修飾によって修飾されてもよい。シチジンおよび/またはウリジンのヌクレオシドのピリミジン塩基の4位、5位、または6位における上記化学的修飾は、以下に列挙するものからなる群より選択されるが、これに限定されるものではない。すなわち、4−チオ、5−ヨード−/(5−I−)、5−ブロモ−/(5−Br−)、5−アミノアリル−、5−フルオロ−/(5−F−)、5−ヒドロキシ−、5−ヒドロ−/(5−H−)、5−ニトロ−、5−プロピニル−/(5−(C≡C−CH3)−)、5−メチル−、5−メチル−2−チオ−、5−ホルミル−、5−ヒドロキシメチル−、5−メトキシ−、5−オキシ酢酸メチルエステル−、5−オキシ酢酸−、5−カルボキシヒドロキシメチル−、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ピリミジンメチルエステル−、5−メトキシカルボニルメチル−、5−メトキシカルボニルメチル−2−チオ、5−アミノメチル−、5−アミノメチル−2−チオ−、5−アミノメチル−2−セレノ−、5−メチルアミノメチル−、5−カルバモイルメチル−、5−カルボキシメチルアミノメチル−、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオ−、5−カルボキシメチル−、5−メチルジヒドロ−、5−タウリノメチル−、5−タウリノメチル−2−チオウリジン、5−イソペンテニルメチル−、5−イソペンテニルメチル−2−チオ−、5−アミノプロピル−/(5−(C3H6NH3)−)、5−メトキシ−エトキシ−メチル−/(5−(CH2−O−C2H4−O−CH3)−)、または6−アザ−である。 第2の修飾b)によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の少なくとも1つのヌクレオシドは、上記対応する少なくとも1つの修飾されていないRNA(分子)を投与すると通常現れる(先天的)免疫活性応答を、哺乳類において抑制および/または無効化するために適しており、上記の構成の替わりに、アデノシン、イノシン、および/またはグアノシンのヌクレオシドのプリン塩基の2位、6位、7位、または8位において化学的修飾によって修飾されてもよい。アデノシン、イノシン、および/またはグアノシンのヌクレオシドのプリン塩基の2位、6位、7位、または8位における上記化学的修飾は、2−アミノ−、7−デアザ−、8−アザ−、または8−アジド−からなる群より選択されてもよいが、これに限定されるものではない。 第3の修飾c)によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の少なくとも1つのヌクレオシドは、上記対応する少なくとも1つの修飾されていないRNA(分子)を投与すると通常現れる(先天的)免疫活性応答を哺乳類において抑制および/または無効化するために適しており、RNA配列に組み込まれる場合、アデノシン、イノシン、グアノシン、シチジン、および/またはウリジンのヌクレオシドの糖の2’位において少なくとも1つの化学的修飾によって修飾されてもよい。アデノシン、イノシン、グアノシン、シチジン、および/またはウリジンのヌクレオシドの糖の2’位における上記化学的修飾は、2’−デオキシ−、2’−アミノ−2’−デオキシ−、2’−アミノ−、2’−フルオロ−2’−デオキシ−、2’−フルオロ−、2’−O−メチル−2’−デオキシ−、または2’−O−メチル−からなる群より選択されてもよいが、これに限定されるものではない。 特に好適な実施形態によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の少なくとも1つのヌクレオシドが、上記において定義された修飾a)およびc)にしたがって、シチジンおよび/またはウリジンのヌクレオシドのピリミジン塩基の4位、5位、または6位、およびリボース糖の2’位において修飾される。 別の特に好適な実施形態によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の少なくとも1つのヌクレオシドが、上記において定義された修飾b)およびc)にしたがって、さらに好ましくは上記において定義されたように、アデノシン、イノシン、および/またはグアノシンのヌクレオシドのプリン塩基の2位、6位、7位、または8位、およびリボース糖の2’位において修飾される。 さらに特に好適な実施形態によれば、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の少なくとも1つのヌクレオシドが修飾され、以下の群から選択される化学的修飾された((m)RNAの)ヌクレオチドを形成する。すなわち、4−チオ−ウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、2−アミノプリン−リボシド−5’−(モノ)リン酸塩、5−アミノアリルシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−アミノアリルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ブロモシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ブロモ−2’−デオキシシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ブロモウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ヨードシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ヨード−2’−デオキシシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ヨードウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ヨード−2’−デオキシウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−プロピニル−2’−デオキシシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−プロピニル−2’−デオキシウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ホルミルシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、5、2’−O−ジメチルシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ヒドロキシメチルシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ホルミル−2’−O−メチルシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、5,2’−O−ジメチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−メチル−2−チオウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−ヒドロキシウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−メトキシウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、ウリジン5−オキシ酢酸−5’−(モノ)リン酸塩、ウリジン5−オキシ酢酸メチルエステル−5’−(モノ)リン酸塩、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジンメチルエステル−5’−(モノ)リン酸塩、5−メトキシカルボニルメチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−メトキシカルボニルメチル−2’−O−メチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−メトキシカルボニルメチル−2−チオウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−アミノメチル−2−チオウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−メチルアミノメチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−メチルアミノメチル−2−チオウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−メチルアミノメチル−2−セレノウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−カルバモイルメチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−カルバモイルメチル−2’−O−メチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−カルボキシメチルアミノメチル−2’−O−メチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−カルボキシメチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−メチルジヒドロウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−タウリノメチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−タウリノメチル−2−チオウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−(イソペンテニルメチル)ウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−(イソペンテニルメチル)−2−チオウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、5−(イソペンテニルメチル)−2’−O−メチルウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、6−アザシチジン−5’−(モノ)リン酸塩、7−デアザアデノシン−5’−(モノ)リン酸塩、7−デアザグアノシン−5’−(モノ)リン酸塩、8−アザアデノシン−5’−(モノ)リン酸塩、8−アジドアデノシン−5’−(モノ)リン酸塩、偽ウリジン−5’−(モノ)リン酸塩、2’−アミノ−2’−デオキシシチジン−(モノ)リン酸塩、2’−フルオロチミジン−5’−(モノ)リン酸塩、イノシン−5’−(モノ)リン酸塩、および2’−O−メチル−イノシン−5’−(モノ)リン酸塩である。 要求に応じて、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)が、好ましくは機能的効果を実現するために導入される、ヌクレオチドによる置換、付加、または除去を含んでいてもよい。上記RNA、例えばmRNAがWT配列に由来するものであれば、この各種のヌクレオチド修飾が導入されてもよい。これにより、複合化RNAのRNAの調製のために、本発明において、公知の部位に対する変異誘発を利用する技術によってDNAマトリックスが使用される(例えば、Maniatis et al.、 Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 3rd ed.、 Cold Spring Harbor, NY, 2001を参照)。このようなプロセスでは、RNAの調製のために、対応するDNA分子がin vitroで転写されてもよい。このDNAマトリックスは、適したプロモーター、例えばT7プロモーターまたはSP6プロモーターをin vitro転写のために有しており、このプロモーターに続いて、RNAの調製のために望ましいヌクレオチド配列とin vitro転写に対する終了シグナルとが現れる。本発明によれば、対象としているRNAのマトリックスを形成するDNA分子は、まず発酵的増殖を行ない、次に、細菌内で複製され得るプラスミドの一部として単離することによって調製されてもよい。本発明にとって適していると言うことのできるプラスミドは、例えば、pT7Ts(GenBank受託番号U26404、Lai et al.、 Development 1995, 121:2349〜2360)のプラスミド、およびpGEM(登録商標)シリーズのプラスミドがある。pGEM(登録商標)シリーズの例としては、pGEM(登録商標)−1(GenBank受託番号X65300、Promega)およびpSP64(GenBank受託番号X65327)があげられる。さらに、Mezei and Storts, Purification of PCR Products, in:Griffin and Griffin(ed.), PCR Technology:Current Innovation, CRC Press, Boca Raton, FL, 2001を参照のこと。 本発明に係わるRNA複合体の成分の質量比またはモル比とは、1つ以上のオリゴペプチドに対するRNA(一本鎖でも二本鎖でもよい)の質量比またはモル比の意味であり、通常、いかなる制限を受けるものではなく、特定の適用に対して適切なものが選ばれる。ただし、上記1つ以上のオリゴペプチドとRNAとの質量比またはモル比は、1:1未満、1:2未満、1:3未満、1:4未満、1:5未満、1:6未満、1:7未満、1:8未満、1:9未満、1:10未満、1:11未満、1:12未満、1:13未満、1:14未満、1:15未満、1:16未満、1:17未満、1:18未満、または1:20未満であってもよい。あるいは、上記1つ以上のオリゴペプチドとRNAとの質量比またはモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1を超えてもよい。好ましくは、上記1つ以上のオリゴペプチドとRNAとの質量比またはモル比は、上記1つ以上のオリゴペプチドの含有量に対して1:5以上でもよい。さらに好ましくは、上記1つ以上のオリゴペプチドとRNAとの(モル比または)質量比は1:5〜20:1、さらに好ましくは1:3〜15:1である。 特定の好適な実施形態によれば、本発明に係るRNA複合体の成分の質量比、特に、上記1つ以上のオリゴペプチドに対する複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の質量比は、好ましくは約1:100〜約1:0.5の範囲であり、さらに好ましくは約1:50〜約1:1の値を有し、一層好ましくは、複合体におけるRNA:ペプチドの比に関して約1:100、約1:90、約1:80、約1:70、約1:60、約1:50、約1:45、約1:40、約1:35、約1:30、約1:25、約1:20、約1:15、約1:10、約1:5、約1:4、約1:3、約1:2、または約1:1、さらに約1:0.5に達する値を有する。なお、上記の具体的に示した値を2つ組み合わせることによって、任意の範囲を形成してもよい。最も好ましくは、上記1つ以上のオリゴペプチドに対する複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の質量比は、約1:50〜約1:1の範囲であってもよい。 同様に、本発明に係るRNA複合体の成分のモル比、特に、上記1つ以上のオリゴペプチドに対する複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)のモル比は、好ましくは、特定の好適な実施形態によれば、約1:20000〜約1:500の範囲であり、さらに1:250に達する値でもよく、さらに好ましくは約1:10000〜約1:1000の範囲、一層好ましくは、複合体におけるRNA:ペプチドの比に関して約1:9500、約1:9000、約1:8500、約1:8000、約1:7500、約1:7000、約1:6500、約1:6000、約1:5500、約1:5000、約1:4500、約1:4000、約1:3500、約1:3000、約1:2500、約1:2000、約1:1500、約1:1000、約1:500、約1:450、約1:400、約1:350、約1:300、または約1:250の値を有する。なお、上記の具体的に示した値を2つ組み合わせることによって、任意の範囲を形成してもよい。最も好ましくは、上記1つ以上のオリゴペプチドに対する複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)のモル比は、約1:10000〜約1:1000の範囲である。免疫活性化のためには、本発明に係わるRNA複合体の成分のモル比は、約1:10000〜約1:100の範囲であってもよく、さらに、約1:10000〜約1:500に達する範囲であってもよい。 本発明の文脈において、上記モル比および質量比は、通常互いに関連しており、各比は、例えばRNAの長さやペプチドの長さなどの要素によって影響を受けることがある。ただし、判定の際には質量比およびモル比を平均複合体サイズに対して算出してもよく、約1:50〜1:1の質量比が約1:10000〜1:1000のモル比にほぼ対応する。モル比および質量比の代表的な例は、実施例において示す。この代表的な値はさらに計算の際に使用してもかまわない。 さらに、本発明に係るRNA複合体の成分の比、特に、上記1つ以上のオリゴペプチドに対する複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の比は、さらに、全てのRNA複合体の窒素/リン酸塩比(N/P比)に基づいて算出されてもよい。例えば、1μgのRNAは、RNAが塩基の統計的分布を示すと仮定すれば、通常約3nmolのリン酸塩残基を含有している。また、1μgのペプチドは、分子量および塩基性アミノ酸の個数に依存して、通常約x nmolの窒素残基を含有している。好適な一例として、(Arg)9(分子量1424g/mol、窒素原子9個)の場合について算出すると、1μgの(Arg)9が約700pmolの(Arg)9を含有し、それゆえ、700x9=6300pmolの塩基性アミノ酸、つまり6.3nmolの窒素原子を含有する。質量比RNA/(Arg)9が約1:1の場合、N/P比の計算結果は約2になる。好適な一例として、質量比が約2:1であり、2μgのRNAを含むプロタミン(分子量約4250g/mol、サケのプロタミンを使用した場合、窒素原子は21個)の場合について算出すると、このRNAについては、リン酸塩が6nmolであることが計算の結果得られる。1μgのプロタミンは約235pmolのプロタミン分子を含有し、それゆえ、235x21=4935pmolの塩基性窒素原子、つまり4.9nmolの窒素原子を含有する。RNA/プロタミンの質量比が約2:1の場合、N/P比の計算結果は約0.81になる。RNA/プロタミンの質量比が約8:1の場合、N/P比の計算結果は約0.2になる。本発明の文脈において、N/P比は、好ましくは約0.2〜50、好ましくは約0.5〜50、最も好ましくは約0.75〜25、または1〜25の範囲である(複合体中のRNA:ペプチド比について、一層好ましくは、約10〜50の範囲、最も好ましくは約25〜50の範囲である)。 本発明の別の一実施形態は、本発明に係る複合化RNA、ならびに必要に応じて(薬学的に)適切なキャリアおよび/または別の補助的物質および添加剤を備えた組成物、好ましくは薬学的組成物に関する。本発明によって採用される(医薬品)組成物は、通常、安全かつ効果的な量の本発明に係る複合化RNAを備える。ここで使用する「安全かつ効果的な量」という文言は、例えば、細胞内、in vitro組織内、またはin vivoにおいて効果を発揮することのできる、本発明に係る複合化RNAの量を意味している。上記の効果を発揮とは、例えば、上述したように、コードされているタンパク質(例えば、治療上有効なタンパク質、抗体、または抗原、または上述のその他の任意のタンパク質またはペプチド)の多量の発現を(in vitroまたはin vivoで)誘引すること、細胞、組織、または生体において(in vivo)治療対象である病状(例えば、本発明において記載する、腫瘍疾患または癌疾患、循環器病、感染症、自己免疫疾患、(単)遺伝子疾患など)の好転を誘引すること、および/または免疫応答を誘引または亢進することを意味している。ただし、上記の定義と同時に、「安全かつ効果的な量」は、重大な副次的効果を避けられる程度に、特に本発明において言及される疾病の治療において、十分に低い量である。換言すれば、長所と危険性の妥当なバランスが実現可能な量である。この限界値を決定することは、一般に合理的な医学的判断の範囲内にある。したがって、上記(医薬品)組成物の本発明に係る複合化RNAの濃度は一定ではなく、例えば0.1ng/mlから1,000mg/ml以上の広い範囲にわたるが、これに限定されるものではない。本発明に係る複合化RNAのこのような「安全かつ効果的な量」は、治療にあたる医師の知識と経験内で、治療対象である特定の病状、年齢、治療を受ける患者の健康状態、病状の重さ、治療期間の長さ、同時に行う治療の特性、使用される(薬学的に)適切な特定キャリアなどの要素との関連において変化してもかまわない。ここに記載する(医薬品)組成物は、ヒトを対象とした医学および獣医学的な目的に採用され得る。 ここに記載する本発明に係る(医薬品)組成物は、適切なキャリア、好ましくは薬学的に適切なキャリアを、必要に応じてを備えていてもよい。ここで使用する「適切なキャリア」という用語には、好ましくは、1つ以上の適合性を有する固体または液体充填剤、希釈剤、または人への投与に適した被包性化合物が含まれる。ここで使用する「適合性を有する」という用語は、組成物の構成物質が、本発明に係る複合化RNAおよび組成物中に必要に応じて含まれている上記補助的物質と、そのまま混合可能、また、通常の使用状態では組成物の(医薬的)効果を大きく低減させる相互作用が生じない方法で互いに混合可能であることを意味する。(医薬的)効果の低減とは、例えばコードされているタンパク質の(医薬的)活性を低減させること、コードされたタンパク質の発現を抑制またはその発現の障害となること、もしくは、例えば上記複合化RNAの免疫原としての可能性を抑制することを意味している。適切なキャリアは、治療を受ける人への投与に適したキャリアであるためには、当然充分に高い純度と充分に低い毒性とを有していなければならない。 キャリアは、それが固体であっても、または液体であっても、投与法によって選択される。したがって、上述の(薬学的に)適切なキャリアの選択は、特に本発明に係る(医薬品)組成物が投与される形態によって決定される。本発明に係る(医薬品)組成物は、例えば全身投与され得る。投与経路の例としては、例えば皮内または経皮、経口、非経口などがあげられ、さらに皮下注射、筋肉注射、動脈注射、または静脈注射、外用および/または鼻腔内経路が含まれる。本発明に係る(医薬品)組成物の適切な使用量は、動物モデルを使った通例の実験によって決定され得る。上記モデルとしては、ウサギ、ヒツジ、マウス、ラット、イヌ、およびヒト以外の霊長類のモデルなどがあげられるが、これに限定されるものではない。 液体の形態で、例えば注射によって投与する場合、上記キャリアは、発熱物質を含まない水、等張性生理食塩水溶液、および緩衝溶液(例えばリン酸緩衝溶液)から選択されてもよい。好ましい注射用単位投与量形態には、滅菌水溶液、生理食塩水溶液、またはその混合物(例えばリンガ・ラクタット溶液)が含まれる。上記溶液のpH値は、約7.0〜約7.6、好ましくは約7.4に調節すべきである。 好ましくは、上記(医薬品)組成物には、水中に存在する本発明の複合化RNAが含まれる。あるいは、本発明に係る(医薬品)組成物は、液体調製用キャリアとして注射用緩衝液を含有していてもよく、こうすることによって好ましくはトランスフェクションが改善され、また、本発明の複合化RNAのRNAがタンパク質をコードしていれば、細胞、組織、または生体における、コードされているタンパク質の翻訳がさらに改善される。本発明に係る(医薬品)組成物は、液体の形態であれば、例えば(医薬品)組成物全体に対して、ナトリウム塩(好ましくは少なくとも50mMのナトリウム塩)、カルシウム塩(好ましくは少なくとも0.01mMのカルシウム塩および/またはマグネシウム塩)、ならびに必要に応じてカリウム塩(好ましくは少なくとも3mMのカリウム塩)を含有する水性注射用緩衝液または水を備えていてもよい。好適な実施形態によれば、このような注射用緩衝液中に含有されるナトリウム塩、カルシウム塩および/またはマグネシウム塩、ならびに必要に応じて加えられるカリウム塩は、ハロゲン化物の形態(例えば塩化物、ヨウ化物、または臭化物)もしくはその水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、または硫酸塩の形態である。ここで述べる例としては、ナトリウム塩の場合であればNaCl、NaI、NaBr、Na2CO3、NaHCO3、および/またはNa2SO4、必要に応じて存在するカリウム塩の場合であればKCl、KI、KB、K2CO3、KHCO3、および/またはK2SO4、およびカルシウム塩および/またはマグネシウム塩の場合であればCaCl2、CaI2、CaBr2、CaCO3、CaSO4、Ca(OH)2、MgCl2、MgI2、MgBr2、MgCO3、MgSO4、および/またはMg(OH)2などがあげられる。上記注射用緩衝液は、上述のカチオンの有機アニオンをさらに含有していてもよい。特に好適な実施形態では、このような注射用緩衝液は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl2)、および必要に応じて塩化カリウム(KCl)を塩として含有し、これら塩化物に加えて、他のアニオンがさらに存在することも可能である。 これらの塩は通常、本発明に係る(医薬品)組成物において必要に応じて使用される注射用緩衝液中に存在する。なお、この場合、(液体の形態であれば)上記(医薬品)組成物全体に対する塩の濃度は、塩化ナトリウム(NaCl)が少なくとも50mM、塩化カリウム(KCl)が少なくとも3mM、および塩化カルシウムおよび/または塩化マグネシウム(CaCl2)が少なくとも0.01mMである。上記注射用緩衝液は、高張性注射用緩衝液および等張性注射用緩衝液または低張性注射用緩衝液の何れの形態であってもよい。本発明との関連では、この文脈において、上記注射用緩衝液は特定の基準培地について各場合において高張性、等張性、または低張性である。つまり上記注射用緩衝液は、特定の基準培地と比較すると塩含有量が高い、同じである、または低い。好ましくは、浸透またはその他の濃度の効果によって細胞にダメージを与えない塩濃度が採用される。ここの基準培地は、例えば”in vivo”法で発生する液体であり、例えば血液、リンパ流体、細胞質流体、またはその他の体内で発生する流体、もしくは従来から”in vitro”法で採用されている液体または緩衝液である。上記液体および緩衝液は、当業者には公知である。 本発明に係わる(医薬品)組成物中に必要に応じて含有される上記注射用緩衝液は、別の成分、例えば糖(単糖類、二糖類、三糖類、または多糖類)、特にブドウ糖またはマンニトールをさらに含有していてもよい。ただし好適な実施形態では、使用する注射用緩衝液中に糖類は一切存在しない。例えば糖類などの非帯電成分を、注射用緩衝液が厳密に含有しないことも好ましい。上記注射用緩衝液は通常、もっぱら金属カチオン、特にアルカリまたはアルカリ土類金属からなる群から選択された金属カチオン、およびアニオン(中でも上述のアニオン)を含有する。使用する注射用緩衝液の(医薬品)組成物全体に対するpH値は、液体の形態であれば、好ましくは1と8.5との間、好ましくは3と5との間、さらに好ましくは5.5と7.5との間、特に5.5と6.5との間である。適切な場合には、上記注射用緩衝液は、注射用緩衝液を緩衝pH値に保持する緩衝系をさらに含有してもよい。この系は、例えば、リン酸緩衝系、HEPES、またはNa2HPO4/NaH2PO4であってもよい。ただし、使用する注射用緩衝液が上述の緩衝系を一切含まない、または緩衝系を一切含まないことが、とりわけ好ましい。 本発明に係わる(医薬品)組成物中に必要に応じて含有される上記注射用緩衝液は、上述の一価カチオンおよび二価カチオンに加えて、またはその代替として、二価カチオンおよび一価カチオンを含有していてもよい。この二価カチオンは、特にアルカリ土類金属(例えばマグネシウム(Mg2+)または鉄(Fe2+))からなる群から選択された二価カチオンであり、一価カチオンは、特にアルカリ金属(例えばリチウム(Li+))からなる群から選択された一価カチオンである。これらの一価カチオンは、好ましくはその塩の形態、例えばハロゲン化物の形態(例えば塩化物、ヨウ化物、または臭化物)もしくはその水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、または硫酸塩の形態である。ここで述べる例としては、リチウム塩の場合であればLiCl、LiI、LiBr、Li2CO3、LiHCO3、およびLi2SO4、マグネシウム塩の場合であればMgCl2、MgI2、MgBr2、MgCO3、MgSO4、およびMg(OH)2、ならびに鉄塩の場合であればFeCl2、FeBr2、FeI2、FeF2、Fe2O3、FeCO3、FeSO4、およびFe(OH)2などがあげられる。上述の二価カチオンおよび/または一価カチオンの全ての組み合わせも同様に例としてあげられる。したがって、二価カチオンだけを含有する注射用緩衝液、一価カチオンだけを含有する注射用緩衝液、または二価カチオンと一価カチオンとを含有する注射用緩衝液が、本発明に係る(医薬品)組成物において使用される。二価カチオンまたは一価カチオンのいずれか1つのタイプだけ、特に好ましくは、例えばCa2+カチオンだけ、またはその塩(例えばCaCl2)だけを含有する注射用緩衝液は、同様に使用される。上記以外の二価カチオンまたは一価カチオン、特にアルカリ土類金属およびアルカリ金属からなる群から選択される上記以外のカチオンを、注射液の調製のために、本発明によって使用される注射用緩衝液中のそれぞれCa2+またはNa1+の一部または全体の替わりに採用するのであれば、注射用緩衝液における、Ca2+(二価カチオン)およびNa1+(一価カチオン)の場合の上述の容積モル濃度(つまり、通常Na+濃度が少なくとも50mM、Ca2+濃度が少なくとも0.01mM、および必要に応じてK+濃度が少なくとも3mM)を、さらに考慮に入れてもよい。実際に、使用される注射用緩衝液において、上述のCa2+またはNa1+を全て、それぞれ別の二価カチオンまたは一価カチオンに置き換えることも可能で、さらに、例えば、別の複数の二価カチオン(Ca2+の替わり)の組み合わせに置き換えることも可能であるし、および/または別の複数の一価カチオン(Na1+の替わり)の組み合わせに置き換えることも可能である(特に、それぞれ、アルカリ土類金属からなる群より選択される別の複数の二価カチオンの組み合わせ、またはアルカリ金属からなる群より選択される別の複数の一価カチオンの組み合わせに置き換えることも可能である)。しかし、Ca2+またはNa1+の多くとも一部、つまり、Ca2+およびNa1+によってそれぞれ占められる注射液における一価のカチオンおよび二価カチオンの特定の全容積モル濃度の少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、一層好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも80%を置き替えることが好ましい。ただし、本発明に係る薬学的組成物において必要に応じて含有される注射用緩衝液が、二価カチオンとしてはCa2+だけ、および一価カチオンとしてはNa1+だけを含有していれば、とりわけ好適である。言い換えれば、薬学的組成物全体に対して、Ca2+が二価カチオンの合計容積モル濃度の100%を占め、Na1+が一価カチオンの合計容積モル濃度の100%を占めれば、とりわけ好適である。上記注射用緩衝液の水溶液は、全薬学的組成物に対して、溶液に含有される塩の30mol%まで、好ましくは25mol%まで、好ましくは20mol%まで、さらに好ましくは15mol%まで、さらに好ましくは10mol%まで、一層好ましくは5mol%まで、同様にさらに好ましくは不溶解性またはほとんど不溶解性の塩の2mol%までを含有してもよい。本発明の文脈において、ほとんど不溶解性の塩とは、その溶解度積が10−4未満である塩である。容易に溶解する塩とは、その溶解度積が10−4を超える塩である。好ましくは、本発明に係る薬学的組成物において必要に応じて含有される注射用緩衝液は、塩化ナトリウム(NaCl)が50mMから800mM、好ましくは60mMから500mM、さらに好ましくは70mMから250mM、特に好ましくは60mMから110mM、塩化カルシウム(CaCl2)が0.01mMから100mM、好ましくは0.5mMから80mM、さらに好ましくは1.5mMから40mM、および必要に応じて塩化カリウム(KCl)が3mMから500mM、好ましくは4mMから300mM、さらに好ましくは5mMから200mMである。さらに、有機アニオンがその他のアニオンとして、上述した無機アニオン(例えばハロゲン化物、硫酸塩、または炭酸塩)に加えて発生してもよい。該有機アニオンとしては、コハク酸塩、ラクトビオン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸などがあげられ、これらの有機アニオンは複数種類が存在していてもかまわない。 本発明に係る(医薬品)組成物において必要に応じて含有される注射用緩衝液は、好ましくは乳酸を含有する。該注射用緩衝液が有機アニオンを含有する場合、上記注射用緩衝液は、特に好ましくは乳酸だけを有機アニオンとして含有する。本発明の文脈において、乳酸は、所望の任意の乳酸、例えばL−乳酸やD−乳酸であってよい。本発明との関連において発生する乳酸塩は、特に上記注射用緩衝液が一価カチオンとしてはNa+だけを含有し、二価カチオンとしてはCa2+だけを含有する場合、通常乳酸ナトリウムおよび/または乳酸カルシウムである。本発明に係る(医薬品)組成物において必要に応じて使用される上述の注射用緩衝液は、全薬学的組成物に対して、好ましくは15mMから500mM、さらに好ましくは15mMから200mM、最も好ましくは15mMから100mMの乳酸を含有する。 液体以外の形態(例えば固体の形態または半流動体の形態)で処方される場合、本発明の薬学的組成物は、適切なキャリアまたはその構成物質として役立つ化合物を含有してもよい。例としては、ラクトース、ブドウ糖、およびショ糖などの糖類;コーンスターチまたはジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;トラガント粉末;麦芽;ゼラチン;獣脂;ステアリン酸やステアリン酸マグネシウムなどの固体潤滑剤;硫酸カルシウム;ラッカセイ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびカカオ油などの植物油;ポリプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール類;およびアルギン酸などがあげられる。ただし、上記化合物は、液体組成物の調製にも使用してよい。 本発明の薬学的組成物に含まれていてもよいその他の成分としては、例えば、Tween(登録商標)などの乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;着色料;人工香味料;治療薬キャリア;錠剤形成剤;安定剤;抗酸化剤;防腐剤などがあげられる。 その他の注入に適したキャリアとしては、ヒドロゲル、放出を制御するまたは遅延させるデバイス、ポリ乳酸、およびコラーゲンマトリックスなどがあげられる。ここで使用され得る適切なキャリアとしては、ローション、クリーム、ゲルなどにおける使用に適したキャリアなどがあげられる。上記化合物を経口投与するのであれば、錠剤やカプセル等は好ましい単位投与量の形態である。経口投与に使用され得る単位投与量の形態の調製に適したキャリアは、従来技術において周知であり、その選択は、本発明の目的にとっては重要でなく、当業者によって容易に実施可能な二次的な検討事項、例えば、風味、コスト、および保存安定性などによって決まる。 本発明は、上述の本発明の複合化RNAを細胞または組織にトランスフェクトする(in vitroまたはin vivoによる)トランスフェクション法をさらに提供する。本発明の(in vitroまたはin vivoによる)トランスフェクション法は、好ましくは、a)実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる1つ以上のオリゴペプチドで複合化されたRNAを少なくとも1つ備えた、本発明に係る複合化RNAを必要に応じて調製および/または準備するステップと、b)ステップaによって調製および/または準備された複合化RNAを用いて、細胞、(生体)組織、または生体に(in vitroまたはin vivoによって)トランスフェクトするステップとを備える。 細胞または組織に、本発明の複合化RNAをトランスフェクトする本発明のin vitro・トランスフェクションまたはin vivo・トランスフェクションのステップaにしたがって、上記において定義された複合化RNAを調製および/または準備することは、当該技術分野において公知である任意の方法によって実施されればよい。ここで使用される複合化RNAは、実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる1つ以上のオリゴペプチドで複合化されたRNAを少なくとも1つ備える。それゆえ、上記において定義された複合化RNAをステップaによって調製および/または準備することは、上記少なくとも1つのRNAと、実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる1つ以上のオリゴペプチドとを調製および/または準備することを含む。 低分子ペプチド配列、例えば(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xなどの調製法は、当該技術分野において広く知られており、例えば固相合成(例えばFmoc固相合成、またはその他の適した方法)を採用すればよい(例えば、R. Martin, Ed.、 Protein Synthesis: Methods and Protocols. Methods in Molecular Biology、Vol.77、Humana Press (1998)を参照)。 上記において定義された本発明の複合体の成分としての少なくとも1つのRNA(分子)の調製および/または準備には、ステップaによれば、第1のサブステップa1)が含まれる。第1のサブステップa1)では、具体的には、通常所望のRNAに対応する配列を備えた核酸テンプレートの準備および/または調製を行う。上記核酸テンプレートの配列は任意の核酸であってもよく、例としては一本鎖DNAまたは二本鎖DNA、cDNA、ゲノムDNAまたはその断片などがあげられ、上述の治療上有効なタンパク質、抗体、または抗原、もしくは任意の他のタンパク質またはペプチドをコードしてもよい。通常、DNA配列、例えばDNAプラスミドは、好ましくは直鎖形態であり、この目的のために採用されてもよい。好ましくは、上記核酸テンプレートの配列は、(発現)ベクターであってもよく、さらに好ましくは、RNAポリメラーゼ結合部位を有する(発現)ベクターである。従来技術において公知の任意の(発現)ベクター、例えば市販の(発現)ベクター(上記を参照)が、このために使用され得る。好ましい(発現)ベクターとしては、例えばSP6、T7またはT3結合部位をクローン部位の上流および/または下流に有するベクターなどがあげられる。該ベクターは、上述の治療上有効なタンパク質、抗体、または抗原、もしくは任意の他のタンパク質またはペプチドをコードする核酸配列を備えていてもよく、この核酸配列は通常、例えば使用されるベクターの多発性クローン部位を介して上記(発現)ベクターにクローニングによって導入される。 転写に先立って、上記(発現)ベクターは通常、RNAの将来の3’末端が位置する部位において適切な制限酵素を使って切断され、当該断片は精製される。こうすることによって、転写RNAがベクター配列を含むことが防止され、規定通りの長さのRNA転写物が得られる。この文脈において、好ましくは、突出末端を生成する制限酵素(例えばAatII、ApaI、BanII、BglI、Bsp1286、BstXI、CfoI、HaeII、HgiAI、HhaI、KpnI、PstI、PvuI、SacI、SacII、SfiI、SphIなど)は使用しない。しかしながら、そのような制限酵素を使用するのであれば、突出3’末端は、好ましくは、例えばKlenowまたはT4DNAポリメラーゼで充填される。 上記の構成の替わりに、本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)を調製および/または準備するために使用される核酸テンプレートを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を採用することによって調製してもよい。好ましくは、上記核酸テンプレート、つまり使用するプライマーの片方は、通常RNAポリメラーゼ結合部位の配列を含有している。さらに、使用するプライマーの5’末端は、好ましくは約10〜50、さらに好ましくは15〜30、最も好ましくは約20ヌクレオチドの延長部を含有している。 in vitro転写に先立って、転写テンプレートとして使用される上記核酸、例えばDNAまたはcDNAテンプレートは、高い収率を保証するために通常精製され、RNaseを有していない。この文脈において、上記テンプレートの精製は、従来技術において公知の任意の方法、例えば塩化セシウム勾配またはイオン交換方法を用いて、もしくはアガロースゲル電気泳動を介した精製によって実施可能である。 核酸テンプレートの調製および/または準備に続いて、本発明の複合化RNAの少なくとも1つの所望のRNA(分子)を調製するために、上記において定義された第1のサブステップa1)にしたがって調製された上記核酸テンプレートを使って、第2のサブステップa2)にしたがってin vitro転写反応が実施されてもよい。 第2のサブステップa2)による上記in vitro転写反応は、通常in vitro転写反応において実施される。適切なin vitro転写培地は、上述の核酸テンプレート、例えば約0.1μg〜10μg、好ましくは約1μg〜5μg、さらに好ましくは2.5μg、最も好ましくは約1μgの上記核酸を最初に備えている。適切なin vitro転写培地は、必要に応じて還元剤、例えばDTT、さらに好ましくは約1μl〜20μlの50mMのDTT、一層好ましくは約5μlの50mMのDTTをさらに備えている。上記in vitro転写培地は、通常ヌクレオチド、例えばヌクレオチド混合物を含んでおり、本発明の場合には、A、G、C、またはUヌクレオチドの混合物を、一つのヌクレオチドあたり約0.1mM〜10mM、好ましくは一つのヌクレオチドあたり0.1mM〜1mM、好ましくは合計で約4mM含んでいる。同様に、適切なin vitro転写培地は、RNAポリメラーゼ、例えばT7RNAポリメラーゼ(例えばT7−Opti mRNAキット、CureVac社、ドイツ、テュービンゲン)、T3RNAポリメラーゼまたはSP6を、通常RNAポリメラーゼの約10U〜500U、好ましくは約25U〜250U、さらに好ましくは約50U〜150U、最も好ましくは約100U備えている。さらに、in vitro転写培地は、本発明の複合化RNAの転写された少なくとも1つのRNA(分子)の劣化を回避するために、好ましくはRNaseを含まない。したがって、適切なin vitro転写培地は、必要に応じてさらにRNaseインヒビターを備えている。 そして、上記核酸テンプレートはin vitro転写培地において培養され、上述の治療上有効なタンパク質、抗体、または抗原、もしくは任意の他のタンパク質またはペプチドをコードしていてもよい本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)に転写される。培養時間は通常、約30分間〜240分間、好ましくは約40分間〜120分間、最も好ましくは約90分間である。培養温度は通常、約30℃〜45℃、好ましくは37℃〜42℃である。培養温度は、使用するRNAポリメラーゼに左右され、例えばT7RNAポリメラーゼの場合には約37℃である。上記転写によって得られた本発明の複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)は、好ましくはmRNAである。上記in vitro転写において得られる収率は、上述の採用された初期量の場合、通常、使用されるテンプレートDNA1μgあたりRNAが約30μg程度である。本発明の文脈において、in vitro転写において得られる収率は、線型アップスケーリングによって増加させることが可能である。これを実現するためには、上述の採用された初期量を、好ましくは、要求される収率にしたがって、例えば、5倍、10倍、50倍、100倍、500倍、1,000倍、5,000倍、10,000倍、50,000倍、100,000倍などの倍率で増加させる。 培養後、本発明の複合化RNAの転写された少なくとも1つのRNA(分子)を必要に応じて精製してもよい。この精製には、従来技術において公知である任意の適切な方法、例えばクロマトグラフィー精製法(例えば親和性クロマトグラフィー)、ゲル濾過などを使用すればよい。上記精製によって、組み込まれていない、つまり過剰なヌクレオチドおよびテンプレートDNAがin vitro転写培地から除去され、きれいなRNAが得られる。例えば、上記転写後、反応混合物に依然含有されているDNAテンプレートを除去するために、転写RNAとの反応混合物は通常DNaseで消化される。上記の構成に続いてまたは上記の構成の替わりに、本発明の複合化RNAの転写された少なくとも1つのRNA(分子)を、LiClを用いて沈殿させてもよい。そして、上記転写RNAの精製をIP RP−HPLCによって行う。こうすることによって、特に、相対的に高分子である断片と低分子である断片を互いに効果的に分離することができるようになる。 好ましくは、この文脈において、RNAの精製は、予備用の規模でRNAの精製法を用いて実施される。この予備の規模は、HPLCによって多孔質性逆位相を固定相(PUREメッセンジャー)として使用してRNAが精製されるという点において異なる。例えば精製を実施するためには、HPLC精製の固定相として、逆位相が採用できる。逆位相を用いたクロマトグラフィーの場合、極性を持たない化合物が通常固定相として機能し、極性を有する溶媒、例えば通常緩衝液の形態で採用される水とアセトニトリルおよび/またはメタノールとの混合物は、溶出の移動相として機能する。好ましくは、上記多孔質性逆位相は、8.0μm±2μm、好ましくは±1μm、さらに好ましくは+/−0.5μmの粒子サイズを有する。上記逆位相物質はビーズの形態であってもよい。上記精製は、この粒子サイズを有する多孔質性逆位相を用いて、また、必要に応じてビーズの形態で、特に好適に実施され、特に良好な分離結果が得られる。使用する逆位相は、好ましくは多孔質である。これは、例えばAzarani A. and Hecker K.H.に記載された、多孔質でない固定逆位相の場合、過度な高圧が発生して、RNAの予備的精製がたとえ可能であっても非常な困難がともなうようになるという理由による。逆位相は、好ましくは孔サイズが200Åから5,000Å、特に300Åから4,000Åである。逆位相に特に好適な孔サイズは、200Å〜400Å、800Å〜1,200Å、および3,500Å〜4,500Åである。上記の孔サイズを有する逆位相によれば、上記転写RNAの精製において特に良好な結果が得られる。逆位相に用いる物質は、好ましくはポリスチレンジビニルベンゼンであり、特に非アルキル化ポリスチレンジビニルベンゼンが使用される。ポリスチレンジビニルベンゼンを用いた固定相は、それ自体が公知である。上記精製の場合、それ自体が公知であってHPLC法ですでに採用され、かつ市販されているポリスチレンジビニルベンゼンが使用可能である。特に粒子サイズが8.0μm±0.5μm、孔サイズが250μm〜300μm、900μm〜1,100μm、または3,500μm〜4,500μmである非アルキル化多孔質ポリスチレンジビニルベンゼンが、精製の使用にとって非常に好ましい。逆位相にこの物質を使用すれば、上述の長所は特に好適に実現され得る。 HPLC精製は、正の電荷を有するイオンが、負に帯電したRNAに対する逆イオンとして移動相に添加されるイオン対法によって実施可能である。親油性イオン対は、逆位相系の極性を持たない固定相によって速度が落とされ、これにより形成される。実施の際には、イオン対法の精密な条件を、具体的なそれぞれの分離課題に合わせて経験的に決定するしなければならない。逆イオンのサイズ、その濃度、および溶液のpH値は、分離結果に対して大幅に寄与する。好適には、アルキルアンモニウム塩(例えば酢酸トリエチルアンモニウム)および/またはテトラアルキルアンモニウム化合物(例えばテトラブチルアンモニウム)が移動相に添加される。好ましくは、0.1Mの酢酸トリエチルアンモニウムが添加され、pH値が約7に調節される。移動相の選択は、所望の分離の特性に依存する。このことは、特定の分離に対して見つけた移動相、例えば従来技術から知りえる移動相を、十分な成功の見通しをもって別の分離課題に対して容易に転用ができないことを意味している。理想的な溶出条件、特に採用する移動相は、経験的に実験を通じて各分離課題ごとに決定しなければならない。HPLC法によってRNAを溶出する場合、移動相としては、水性溶媒と有機溶媒の混合物が採用可能である。この文脈において、pH値が約7、例えば6.5〜7.5、例えば7.0である緩衝液を水性溶媒として使用することが好適であり、好ましくは緩衝用酢酸トリエチルアンモニウムが使用され、特に好ましくは、上述のようにイオン対法において、さらにRNAに対する逆イオンとして作用する0.1Mの酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液が使用される。移動相において採用される有機溶媒は、アセトニトリル、メタノール、またはこれらの2つの混合物であってもよく、とりわけ好ましくはアセトニトリルである。上述のHPLC法を用いたRNAの精製は、これらの有機溶媒を用いて特に好適に実施される。上記移動相は、特に好ましくはpH値が7の0.1Mの酢酸トリエチルアンモニウムとアセトニトリルとの混合物である。同様に、移動相を基準にして、上記移動相が5.0体積%から20.0体積%の有機溶媒を含有し、100体積%を満たす残りの部分が水性溶媒であれば、特に好ましいことが分かった。また、移動相を基準にして、移動相が9.5体積%から14.5体積%の有機溶媒を含有し、100体積%を満たす残りの部分が水性溶媒であれば、本発明に係わる方法にとってとりわけ好ましい。上記RNAの溶出は、続いて均一濃度でまたは勾配分離を用いて実施される。均一濃度分離の場合、RNAの溶出は、常に一定である、単一の溶出剤、または複数の溶出剤の混合物を用いて実施される。なお、上記において詳述した溶媒は、溶出剤として使用可能である。 あるいは、本発明のトランスフェクション方法のステップaにおいて、上記少なくとも1つのRNA(分子)は、化学的合成によって調製されてもよい。こうすることによって、当該技術分野において公知の各種方法が使用できる。ホスホラミダイト法は、化学的にオリゴヌクレオチド、例えばRNA断片を合成する方法として最も広く使用されている(Nucleic Acid Research,17:7059〜7071,1989)。一般に、このホスホラミダイト法は、テトラゾールを促進剤として用い、ヌクレオシドホスホラミダイトとヌクレオシドとの凝縮反応をキー反応として利用する。この反応は通常、糖類中のヒドロキシル基とヌクレオシド塩基類中のアミノ基との双方に対して競合しながら起こるので、所望のヌクレオチドを合成するためには、糖類中のヒドロキシル基だけに対して選択的に反応することが要求される。したがって、アミノ基に対する副反応は、通常、アミノ基を保護することによって防止される。上記保護基は、合成が終了すると除去される。RNA分子の合成方法に関するさらに具体的な情報は、”7th Symposium Chem. Nucleic Acid Components,”、Nucleic Acids Symposium Series, 18,181〜184(19878月30日)において報告されたArnold et al., ”Chloridite and Amidite Automated Synthesis of Oligodeoxyribonucleotides Using Amidine Protected Nucleosides,”;Chemical Abstracts, 108(19),p.692、Abstr.、No.167875z(1988年5月9日);Hayakawa et al.,”Benzimidazolium Triflate as an Efficient Promoter for Nucleotide Synthesis via the Phosphoramidite Method”、J. Organic Chemistry, 61(23)、7996〜7997(1996年11月15日);Pirrung et al., ”Proofing of Photolithographic DNA Synthesis with 3’,5’−Dimethoxybenzoinyloxycarbonyl−Protected Deoxynucleoside Phosphoramidites,” J. Organic Chemistry, 63(2),、241〜246(1998年1月23日); Effenberger et al., Trifluoromethanesulfonic Imidazolide−−A Convenient Reagent for Introducing the Triflate Group, Tetrahedron Letters,1980(45)、3947〜3948(1980年9月)に記載がある。これらの文献はすべて参照によってここに引用される。 本発明のステップaにおける複合化RNAの調製は、通常、サブステップa3)にしたがって、実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる特定量の上記1つ以上のオリゴペプチドに対して、上記少なくとも1つのRNA(分子)を特定量付加することによって行う。こうすることによって、少なくとも1つのRNA(分子)、およびここで規定された実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる1つ以上のオリゴペプチドについて上述した、モル比または質量比が通常予想される。複合体の形成は、通常両方の成分を混合した際に起こる。このようにすることによって、通常は、上記ペプチド性成分が上記RNA成分に付加される。ただし逆になることもある。 ただし、方法ステップa)による上記調製ステップは必要に応じて実施するステップであり、本発明に係る複合化RNAがすでに利用可能であれば実施しなくてもよい。したがって、上記において定義されたサブステップa1)、a2)、およびa3)も必要に応じて実施するステップであり、複合化RNAを生成するために使用されるRNAがすでに利用可能であれば、必ずしも実施する必要はない。同様に、実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる1つ以上のオリゴペプチドは、直接使用されてもよく、すでに利用可能(例えば供給者から入手可能)であれば、必ずしも調製する必要はない。 本発明の、in vitroまたはin vivoで細胞または組織にトランスフェクトする方法のステップb)においては、ステップaにおいて準備および/または調製された複合化RNAが、細胞または組織にトランスフェクトされる。in vitroまたはin vivoにおいて細胞または組織にトランスフェクトすることは、一般にステップaにおいて準備および/または調製された複合化RNAを、細胞または組織に付加することによって実施される。そして、好ましくは、上記複合化RNAが、細胞性メカニズム、例えばエンドサイトーシスを使用することによって細胞に入る。複合化RNAそのものの細胞または組織への付加は、本発明によれば、本発明の複合化RNA(分子)のトランスフェクション可能性のおかげで、その他の成分を一切付加させることなく実施される。あるいは、ステップaにおいて準備および/または調製された複合化RNAの細胞または組織への付加は、組成物の形態で、例えば水溶液の成分(好ましくは上記において定義された薬学的組成物)として実施されてもよい。さらに、上記組成物は、トランスフェクション活性をさらに亢進させるために、必要に応じて付加的成分を含有していてもよい。 (ステップaにおいて準備および/または調製された)複合化RNAのin vitroにおけるトランスフェクションのための、この文脈における細胞(または宿主細胞)には、任意の細胞が含まれ、好ましくは、(上記において定義された)任意のRNA分子が、本発明の複合化RNAを使用することによってトランスフェクトされる細胞が含まれるが、これに限定されるものではない。特に、RNAトランスフェクションによって、本発明に係わる複合化RNAのRNAによってコードされたタンパク質が、細胞内において発現することが可能になる。または、本発明の複合体のRNA(例えばsiRNA、反感知RNA)が、細胞性遺伝子の発現を減弱させるまたは抑制することが可能になる。この文脈における細胞は、好ましくは、培養された真核細胞(例えばイースト菌細胞、植物細胞、動物細胞、およびヒト細胞)または原核生物細胞(例えば細菌細胞など)を含んでいるか、もしくは免疫応答を誘引する。翻訳後の修飾、例えばコードされているタンパク質のグリコシル化が必要であれば(N結合および/またはO結合)、好ましくは、多細胞性生体の細胞が選択される。原核生物細胞とは対照的に、上記(高等)真核細胞は、合成タンパク質の翻訳後の修飾を可能にする。当業者は、上記高等真核細胞または株化細胞を多数知っている。例としては、293T(胚性腎臓株化細胞)、HeLa(ヒト子宮頸部癌腫細胞)、CHO(チャイニーズハムスターの卵巣からの細胞)、さらに、実験用途で開発された細胞および株化細胞(例えばhTERT−MSC、HEK293、Sf9、またはCOS細胞など)や、その他の株化細胞などがあげられる。適切な真核細胞としては、疾病または感染によって機能が損なわれた細胞または株化細胞(例えば癌細胞、特に本記載において言及される任意の種類の癌の癌細胞)、HIVによって機能が損なわれた細胞、および/または免疫系または中枢神経系(central nervous system; CNS)の細胞などがさらにあげられる。同様に、適切な細胞は真核微生物、例えばイースト菌に由来してもよく、このイースト菌としては、例えば出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae; Stinchcomb et al., Nature, 282:39, (1997))、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、カンジダ、ピキア、および糸状菌類、アスペルギルス属、ペニシリウム属などがあげられる。同様に、適切な細胞には原核生物細胞、例えば細菌細胞が含まれ、この細菌細胞としては、例えばエシェリキア・コリから得られる細菌細胞、または一般のバチルス、ラクトコッカス、ラクトバチルス、シュードモナス、ストレプトマイセス、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス、好ましくは大腸菌などの細菌から得られる細菌細胞などがあげられる。ヒト細胞または動物細胞(例えば本記述中で言及した動物の細胞)は真核細胞として特に好ましい。さらに、抗原提示細胞(antigen presenting cell; APC)が、本発明に係る複合化RNAのex vivoトランスフェクションに使用されてもよい。特に好ましいのは樹状細胞であり、樹状細胞は、本発明に係る複合化RNAのex vivoトランスフェクションに使用されてもよい。 特に好適な実施形態によれば、血液細胞および/または造血細胞、またはその部分的な集団、つまり、血液(全血)から単離される任意のタイプの細胞および/またはこれらの細胞に由来する培養株化細胞に由来する任意のタイプの細胞に、本発明において定義される複合化RNAが上記トランスフェクション法を使ってトランスフェクトされてもよい。これらの細胞の例としては、例えば赤血液細胞(赤血球)、顆粒球、単核細胞(末梢血単核球、peripheral blood mononuclear cell; PBMC)および/または血小板、APS、DCなどがあげられる。好ましくは、血液細胞が使用され、その中でも、よく分化したプロフェッショナルなAPC(例えばDC)をわずかな比率で含有していることを特徴とする血液細胞の部分的な集団が特に使用される。トランスフェクションの対象となる細胞は、トランスフェクションに対する使用時に、好ましくはそのDC含有率が5%未満、特に好ましくは多くとも2%以下である。本発明の文脈において、「血液細胞」とは、好ましくは、全血、血清、またはその他の供給源(例えば脾臓またはリンパ節)からの赤血球、顆粒球、単核細胞(PBMC)、および/または血小板のほぼ純粋な集団の、プロフェッショナルなAPCをわずかな比率で含む混合物または濃縮物であると理解すべきである。本発明によって使用される血液細胞は、好ましくは新鮮な血液細胞である。つまり、血液細胞の収集(特に採血)とトランスフェクションとの間の時間が非常に短い、例えば12時間未満、好ましくは6時間未満、特に好ましくは2時間未満、とりわけ好ましくは1時間未満である。さらに、本発明に係る複合化RNAのトランスフェクション法を使ってトランスフェクションの対象となる血液細胞は、好ましくは、本発明の薬学的組成物を用いて治療する、実際の患者に由来する。上記において定義された血液細胞、造血細胞、またはその部分的な集団の使用は、以下に述べる驚くべき発見に基づいている。つまり、本発明において定義されるmRNAによってコードされたある抗原に対して治療を受ける患者に接種する場合には、個々人、特に治療を受ける実際の患者の例えば血液から得られる血液細胞(例えばPBMC)を、手間と時間と費用のかかる細胞培養手法を使って、プロフェッショナルな抗原提示細胞(APC)(特に樹状細胞(DC))を高い比率で含んだ細胞の集団に分化させることが不要なのである。翻って、血液細胞、特に上述した血液細胞の部分的な集団を採取する例えば実際の患者において、適切な免疫活性化を実現する薬学的組成物を得るために、1つ以上の抗原をコードするmRNAを直接血液細胞にトランスフェクトすれば、免疫活性化を成功させるには充分なのである。なお、この免疫活性化は、好ましくは腫瘍からの1つ以上の抗原、もしくは病原菌または薬剤からの1つ以上の抗原に対して向けられる。本発明において定義される複合化RNAを血液細胞または血液細胞に由来する(血液細胞から単離、または各培養株化細胞から単離される)細胞にトランスフェクトすることは、抗原に限定されるものではなく、当然、複合化RNAを得るために使用される、本発明において定義される任意のRNA、例えば本発明において定義される任意の他の免疫活性化RNAや任意のコーディングRNAなどに関連する。 培養細胞(例えばヒトまたは動物細胞)をin vitroでトランスフェクトする必要、または外植細胞(例えばヒトまたは動物細胞)をin vitroで(再移植の前に宿主生体に)トランスフェクトする必要がある一方で、本発明の複合化RNAを患者に直接投与してin vivoでトランスフェクトすることも予想される。そこで、(ステップaにおいて準備および/または調製された)複合化RNAのトランスフェクションは、ステップbにおいてin vivoで起こることもあり得る。つまり、生体組織および/または生体に投与されることもあり得る。したがって、本発明のトランスフェクション法のステップaにおいて準備された複合化RNAは、生体組織または生体に、そのまま、または例えば(液体)組成物(特に水性組成物、例えば上記において定義された薬学的組成物)の一成分として投与されてもよい。この文脈において、生体(または生物)とは、通常、ヒト、および例えばブタ、ヤギ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ロバ、サル、類人猿、または齧歯類(例えばマウス、ハムスター、およびウサギ)などの動物を含む群から選択される哺乳類のことを意味している。ただしこれに限定されるものではない。さらに、上述の生体組織は、好ましくはこれらの生体に由来する。これらの生体組織および/または生体に対する複合化RNAは、任意の適した投与経路を介して、例えば全身に対して投与される。投与経路の例としては、上記において定義されたように、例えば皮内、経皮、経口、非経口などがあげられ、さらに、皮下注射、筋肉注射、静脈注射、外用および/または鼻腔内経路が含まれる。 また、in vitroまたはex vivoで使用されてもよいトランスフェクション法は、例えば本発明において言及される各種疾病の治療法としてin vivoで使用しても非常に適切である。本発明に係る治療法の好ましい一形態では、他の薬学的に効果的な物質、例えば抗体、または抗原(特に、本発明において開示される病原性抗原または腫瘍抗原)を投与すること、もしくは少なくとも1種類のサイトカインを投与することを含む別のステップを含んでいてもよい。両方を、例えば上記サイトカインまたは抗原をコードするDNAまたはRNAとして、上記複合化RNAとは別に投与してもよい。あるいは、上記サイトカインまたは抗原をそのまま投与してもよい。上記治療法は、免疫系をさらに賦活する(本発明において開示される)付加的な補助剤を投与することをさらに含んでいてもよい。本発明のさらに別の実施形態によれば、上記において定義された複合化RNAは、1つ以上のオリゴペプチドで複合化されたRNAを少なくとも1つ含んでおり、上記オリゴペプチドは8〜15アミノ酸の長さを有し、実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされ、上記複合化RNAが本発明において言及される特定の疾病の治療および/または予防のために使用されてもよい。特定の疾病の治療および/または予防は、通常、本発明の複合化RNAのRNAによってコードされた適切なタンパク質の選択に左右される。この文脈における治療は、(このタンパク質をコードする)本発明に係る複合化RNAをそのまま投与すること、または上記において定義された本発明に係る(医薬品)組成物を投与することのいずれかによって行われてもよい。 この文脈において、疾病または病状の例としては、例えば以下に列挙する疾病から選択される癌または腫瘍疾患があげられるが、これに限定されるものではない。すなわち、メラノーマ、悪性メラノーマ、結腸癌腫、リンパ腫、肉腫、芽腫、腎臓癌腫、胃腸腫瘍、神経膠腫、前立腺腫瘍、膀胱癌、直腸腫瘍、胃癌、食道癌、膵癌、肝臓癌、乳癌腫(すなわち乳癌)、子宮癌、子宮頸部癌、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukaemia; AML)、急性リンパ系白血病(acute lymphoid leukaemia; ALL)、慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukaemia; CML)、慢性リンパ球性白血病(chronic lymphocytic leukaemia; CLL)、肝細胞腫、例えば乳頭腫ウイルス誘引性癌腫(例えば子宮頸部癌腫、すなわち子宮頸部癌)、多様なウイルス誘引性腫瘍、アデノ癌腫、ヘルペスウイルス誘引性腫瘍(例えばバーキットリンパ腫、EBV誘引性B細胞リンパ腫)、B型肝炎誘引性腫瘍(肝細胞癌)、HTLV−1誘引性リンパ腫およびHTLV−2誘引性リンパ腫、聴神経腫瘍(acusticus neurinoma)、肺癌腫(すなわち肺癌、気管支癌腫)、小細胞肺癌腫、咽頭癌、肛門癌腫、グリア芽細胞腫、直腸癌腫、星状細胞腫、脳腫瘍、網膜芽細胞腫、基底細胞腫、脳腫転移、髄芽細胞腫、膣癌、精巣癌、甲状腺癌腫、ホジキン症候群、髄膜腫、シュネーベルガー病(Schneeberger’s disease)、下垂体腫瘍、菌状息肉腫、カルチノイド、神経鞘腫、棘細胞癌、バーキットリンパ腫、喉頭癌、腎臓癌、胸腺腫、コーパス(corpus)癌腫、骨癌、非ホジキンリンパ腫、尿道癌、CUP症候群、頭部/頸部腫瘍、乏突起神経膠腫、外陰癌、腸癌、結腸癌腫、食道癌腫(すなわち食道癌)、疣贅症状、小腸腫瘍、頭蓋咽頭腫、卵巣癌、軟部組織腫瘍、卵巣癌(すなわち卵巣癌)、膵癌腫(すなわち膵癌)、子宮内膜癌腫、肝臓腫転移、陰茎癌、舌癌、胆嚢癌、白血病、形質細胞腫、蓋腫瘍(lid tumour)、前立腺癌(すなわち前立腺腫瘍)などである。 この文脈において、疾病または病状のさらに別の例としては、例えば以下に列挙する疾病から選択されるウイルス性感染症から選択される感染症などがあげられるが、これに限定されるものではない。すなわち、重症急性呼吸器症候群(SARS)、黄熱病、ライム病、炭疽病、エイズ(AIDS)、尖圭コンジローマ(condyloma acuminata)伝染性軟属腫、デング熱、三日熱、エボラウイルス、感冒、初夏髄膜脳炎(early summer meningoencephalitis; ESME)、インフルエンザ、帯状疱疹、肝炎、単純ヘルペスI型、単純ヘルペスII型、帯状疱疹、インフルエンザ、日本脳炎、ラッサ熱、マールブルグウイルス、麻疹、口蹄疫、単核球症、流行性耳下腺炎、ノーウォークウイルス感染症、パイフェル腺熱、天然痘、ポリオ(灰白髄炎)、仮性クループ、感染性紅斑、狂犬病、疣贅、ウエストナイル熱、水疱、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus; CMV)、細菌性感染症などである。上記細菌性感染症の例としては、例えば、流産(前立腺炎症)、炭疽病、虫垂炎(盲腸の炎症)、ボレリア症、ボツリヌス中毒症、カンピロバクター、トラコーマ病原体(尿道、結膜の炎症)、コレラ、ジフテリア、ドナボノシス(donavonosis)、喉頭蓋炎、シラミ媒介性チフス、腸チフス、ガス壊疽、ノウサギ疫病(hare plague)、ピロリ菌、百日咳、気候性横痃、骨髄炎、レジオネラ症病、ハンセン病、リステリア症、肺炎、髄膜炎、細菌性髄膜炎、炭疽病、中耳炎、マイコプラズマ・ホミニス、新生児敗血(絨毛羊膜炎)、水癌、パラチフス、疫病、ライター病、ロッキー山紅斑熱、サルモネラパラチフス、サルモネラ腸チフス、猩紅熱、梅毒、破傷風、淋病、ツツガムシ病、結核、発疹チフス、腟炎、軟性下疳、ならびに寄生虫、原虫、または菌類によって引き起こされる感染症があげられる。さらに、上記寄生虫、原虫、または菌類によって引き起こされる感染症の例としては、例えば、アメーバ性赤痢、ビルハルツ住血吸虫症、シャーガス病、包虫、魚類条虫類、魚肉中毒(シガテラ)、キツネ条虫類(fox tapeworm)、真菌症白癬、イヌ条虫類、カンジダ症、粃糠疹、そう痒(疥癬)、リーシュマニア症、皮膚リーシュマニア症、ランブリアン赤痢(lamblian dysentery、ジアルジア症)、シラミ、マラリア、顕微鏡法、糸状虫症(河川盲目症)、真菌症、無鉤条虫、住血吸虫症、睡眠病、有鉤条虫、トキソプラズマ症、トリコモナス症、トリパノソーマ症(睡眠病)、内臓のリーシュマニア症、おむつによる皮膚炎、または矮小条虫などがあげられる。 同様に本発明の文脈における疾病の例としては、以下に列挙するウイルスなどから選択されるウイルスによって引き起こされる(感染性)ウイルス性疾患なとがあげられるが、これに限定されるものではない。すなわち、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、オルソポックス痘瘡ウイルス、オルソポックス小痘瘡ウイルス、パラポックスオビス(ovis)ウイルス、伝染性軟属腫ウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、疱疹Bウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、ヒト巨大細胞ウイルス(human cytomegaly virus)、ヒトヘルペスウイルス6型、ヒトヘルペスウイルス7型、エプスタイン・バーウイルス、ヒトヘルペスウイルス8型、B型肝炎ウイルス、チクングニアウイルス、オニョンニョンウイルス、ルビウイルス、C型肝炎ウイルス、GBウイルスC、ウエストナイルウイルス、デング熱ウイルス、黄熱病ウイルス、跳躍病ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、日本脳炎B型ウイルス、ポワッサンウイルス、FSMEウイルス、SARS付随コロナウイルス、ヒトコロナウイルス229E、ヒトコロナウイルスOc43、トロウイルス、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルスI型、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルスII型、ヒト免疫不全ウイルス1型、ヒト免疫不全ウイルス2型、ラッサ熱ウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、タカリベウイルス、フニンウイルス、マチュポウイルス、ボルナ疾病ウイルス、ブニヤムウェラウイルスウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、スナバエ発熱ウイルス、トスカーナウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、ハザラウイルス、ハサン(Khasan)ウイルス、ハンタンウイルス、ソウルウイルス、プロスペクト・ヒルウイルス、プーマラウイルス、ドブラバ・ベルグレードウイルス、トゥーラウイルス、シンノンブルウイルス、ビクトリア湖マールブルグウイルス、ザイールエボラウイルス、スーダンエボラウイルス、象牙海岸エボラウイルス、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、バラインフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、水疱性口内炎インディアナウイルス、狂犬病ウイルス、モコラウイルス、ドゥベンハーゲ・ウイルス、ヨーロッパ・コウモリ・リッサウイルス1型+2型、オーストラリア・コウモリ・リッサウイルス、アデノウイルスA〜F、ヒトパピローマウイルス、コンジロームウイルス6型、コンジロームウイルス11型、ポリオーマウイルス、アデノ随伴ウイルス2型、ロタウイルス、またはオルビウイルスなどである。これらの疾病は、例えば本発明に係るワクチンによって治療することができる。 さらに、疾病または病状の例としては、以下に列挙する循環器病から選択する循環器病などがあげられるが、これに限定されるものではない。すなわち、冠動脈心疾患、動脈硬化症、卒中、および高血圧、ならびにアルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、ジストニア、てんかん、多発性硬化症、およびパーキンソン病などから選択される神経細胞の疾病である。 この文脈において疾病または病状の例としては、例えばアレルギー障害またはアレルギー疾病などがあげられる。アレルギーとは通常、ある腫の外来性抗原またはアレルゲンに対する異常な後天性免疫過敏症を含む状態である。アレルギーは通常、これらの抗原またはアレルゲンに対して局所的または全身的な炎症反応を引き起こし、体内においてこれらのアレルゲンに対する免疫を生じさせる。この文脈におけるアレルゲンの例としては、例えば、草、花粉、カビ、薬物、または様々な環境的なトリガーなどがあげられる。いかなる理論に縛られるわけではないが、アレルギー疾患の発生には、複数の異なる疾病メカニズムが関わっていると考えられる。P. GellとR. Coombsによる分類方式によれば、「アレルギー」という言葉は、古典的IgE機構によって引き起こされるI型過敏症に限られる。I型過敏症は、マスト細胞および好塩基球が過度にIgEによって活性化され、その結果、鼻汁のような軽い症状から、生命を脅かすアナフィラキシ・ショック、および死亡にもいたる全身的な炎症反応が起きることを特徴とする。周知の種類のアレルギーの例としては、例えば、アレルギー性喘息(鼻の粘膜の肥大を引き起こす)、アレルギー性結膜炎(結膜の発赤および痒みを引きを起こす)、アレルギー性鼻炎(いわゆる枯草熱)、即時型過敏反応、血管浮腫、アトピー性皮膚炎(湿疹)、じん麻疹、好酸球増加症、昆虫刺傷に対する呼吸系アレルギー、皮膚アレルギー(各種発疹、例えば湿疹、じん麻疹、および(接触性)皮膚炎を引きを起こし、また、これらの症状を含む)、食品アレルギー、薬に対するアレルギーなどがあげられるが、これに限定されるものではない。本発明に関して、アレルゲン(例えばネコアレルゲン、埃アレルゲン、ダニ抗原、植物抗原(例えばカバノキ抗原)など)をコードする例えばRNAを含有する例えば薬学的組成物が本発明の複合体として提供される。こうすることによって、コードされた上記アレルゲンは、患者の免疫応答を脱感作させる。あるいは、本発明の上記薬学的組成物が、上記の(過剰な)免疫応答をより強力なTH1応答に変化させ、こうすることによって、患者の非所望のIgE応答を抑制するまたは減弱させる。 さらに、ここで定義される疾病または病状の例としては、例えば自己免疫疾患などがあげられる。自己免疫疾患は、大きく分類すると、各疾病の主な臨床病理学的特徴によって、全身的な自己免疫性障害と器官特異的、つまり局在的な自己免疫性障害とに分けられる。自己免疫疾患は、SLE、シェーグレン症候群、強皮症、関節リウマチ、および多発性筋炎を含む全身的症候群のカテゴリーと、内分泌学症候群(DM1型、橋本甲状腺炎、アジソン病など)、皮膚科学的症候群(尋常性天疱瘡)、血液学的症候群(自己免疫性溶血性貧血)、神経系症候群(多発性硬化症)、または実質的に体組織の任意の限局性腫瘤を含む局所的症候群のカテゴリーとに分類できる。治療対象となる自己免疫疾患は、I型自己免疫疾患、II型自己免疫疾患、III型自己免疫疾患、またはIV型自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症(multiple sclerosis; MS)、関節リウマチ、糖尿病、I型糖尿病、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus; SLE)、慢性多発性関節炎、バセドウ病、自己免疫性型慢性肝炎、大腸炎、アレルギーI型疾病、アレルギーII型疾病、アレルギーIII型疾病、アレルギーIV型疾病、線維筋痛症、脱毛、ベヒテレフ病、クローン病、重症筋無力症、慢性単純性苔癬、リウマチ性多発筋痛症、進行性全身性硬化症(progressive systemic sclerosis; PSS)、乾癬、ライター病、リウマチ性関節炎、乾癬、血管炎など、またはII型糖尿病からなる群より選択されてもよい。 上記免疫系が自己抗原に対して免疫反応を誘引する正確な形態は、現時点でははっきりしないが、病気の原因についてはいくつかの発見がある。これによると、自己反応はT細胞バイパスに起因している。正常な免疫系には、B細胞が抗体を大量に生成する前に、T細胞によってB細胞が活性化されること必要である。T細胞のこの要件は、まれなケースではあるがバイパスされることがある。このようなケースの一例としては、例えば、T細胞受容体のβ−サブユニットに非特異的に直接結合することによって、B細胞のポリクローナル賦活、またはT細胞のポリクローナル賦活さえも惹起できるスーパー抗原を生成する生体に感染させる場合があげられる。別の説明では、分子の模倣から自己免疫疾患が起こるとする。外因性抗原が、ある宿主抗原と構造的な類似点を有していてもよい。この場合、この抗原に対して生成される(自己抗原を模倣する)任意の抗体は、理論的にはさらに宿主抗原に結合し、免疫応答を増幅する。分子の模倣の最も驚くべき形態は、ヒト心筋と抗原を共有するグループAのβ溶連菌において観察され、リウマチ熱における心臓の症状に関連する原因となっている。したがって、本発明は、本発明の複合化RNAの成分として自己抗原をコードするRNA(または本発明の複合化RNAを含んだ(液体)組成物)を提供することを可能にする。または、自己抗原(タンパク質、mRNA、または自己抗原タンパク質をコードとするDNA)と本発明の複合化RNAとを含む薬学的組成物を提供することを可能にする。いずれ場合にも、免疫系は通常、脱感作される。 最後に、同様に、本発明の文脈において治療対象である疾病の例としては、例えば単遺伝子疾患、つまり遺伝性疾病、または一般的な遺伝子疾患などがあげられる。上記遺伝子疾患は、通常遺伝子の欠陥によって、例えばタンパク質の転写や翻訳を許さない調整変異、またはタンパク質活性が消失する遺伝子変異が原因となって引き起こされる。これらの疾病は、代謝障害またはその他の症状、例えば筋ジストロフィーを頻繁に引き起こす。したがって、本発明は、本発明において定義される複合化RNAを提供するによってこれらの疾病の治療を可能にする。したがって、以下の疾病が治療可能である。すなわち、3β−水酸化ステロイド脱水素酵素欠乏症(II型);3−ケトチオラーゼ欠乏症;6−メルカプトプリン敏感症;アースコグ・スコット症候群;無βリポタンパク血症;無カタラーゼ血症;軟骨無発生症;軟骨無発生症・低軟骨形成症;軟骨無形成症;色覚異常;遠位中間肢異形成症(ハンター・トンプソン型);ACTH欠乏症;Acyl−CoA脱水素酵素欠乏症(短鎖、中鎖、長鎖);大腸腺腫症;アデノシン・脱アミノ酵素欠乏;アデニロスクシナーゼ欠乏症;アダリノパシー(Adhalinopathy);副腎性過形成、先天性(11β−ヒドロキシラーゼ欠乏、17α−ヒドロキシラーゼ欠乏、および21−ヒドロキシラーゼ欠乏に起因する);副腎性形成不全、先天性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症;副腎性器症候群;副腎白質ジストロフィー;副腎脊髄神経障害;無フィブリノーゲン血症;無ガンマグロブリン血症;アラジール症候群;白子症(褐色白子症、眼白子症、眼皮膚白皮症、赤褐色白子症);アルコール不耐症、急性;アルドラーゼA欠乏症;アルドステロン症、糖質コルチコイド反応性;アレキサンダー病;アルカプトン尿症;汎発性脱毛症;α1−抗キモトリプシン欠乏;αメチルアシル−CoAラセミ化酵素欠乏;αサラセミア/精神遅滞症候群;アルポート(Alport)症候群;アルツハイマー病−1(APPに関連する);アルツハイマー病−3;アルツハイマー病−4;エナメル質形成不全;アミロイド神経障害(家族性型、いくつかの対立形質型);アミロイド症(オランダ型;フインランド型;遺伝性腎臓;腎臓;老年性全身性);筋萎縮性側索硬化症;無アルブミン血症;男性ホルモン非感受性;貧血(ダイアモンド・ブラックファン);貧血(溶血性、PK欠乏);貧血(溶血性、Rh null、抑制因子型);貧血(新生児溶血性、致命的および近致命的);貧血(鉄芽球性、運動失調を伴う);貧血(鉄芽球性/低色素);G6PD欠乏に起因する貧血;動脈瘤(家族性動脈性);アンジェルマン症候群;血管浮腫;無虹彩症;前眼部異常および白内障;前眼部間葉系発育異常;前眼部間葉系発育異常および白内障;抗トロンビンIII欠乏;不安に関連した性格特性;アペール症候群;無呼吸(麻酔後);ApoA−IおよびapoC−III欠乏(複合性);アポリポタンパクA−II欠乏;アポリポタンパクB−100(リガンド欠損性);見かけの鉱質コルチコイド過剰症候群(これに起因する高血圧);アルギニン血症;アルギニノコハク酸尿症;関節症(進行性偽性リウマトイド、子供の関節症);アスパルチルグルコサミン尿症;運動失調(偶発性);単独ビタミンE欠乏をともなう運動失調;毛細血管拡張性運動失調症;骨形成不全II;ATP依存性DNAリガーゼI欠乏;房室伝導欠損をともなう心房中隔欠損症;丘疹破壊をともなう無毛症;自閉症(サクシニルプリンミック(succinylpurinemic));自己免疫の多腺性病、I型;自律神経系機能障害;アクセンフェルト異常;無精子症;パンフォース・ラザルス(Bamforth−Lazarus)症候群;バナヤン・ゾナナ(Bannayan−Zonana)症候群;バルト症候群;バーター症候群(2型または3型);基底細胞癌腫;基底細胞母斑症候群;BCG感染症;ベアレ・スティーブンソン(Beare−Stevenson)真皮症候群;ベッカー型筋ジストロフィー;ベックウィズ・ウィーデマン症候群;ベルナール・スーリエ症候群(B型;C型);ベツレムミオパチー;胆汁酸吸収障害、一次;ビオチニダーゼ欠乏症;膀胱癌;トロンボキサン受容体欠損に起因する出血障害;ブルーム症候群;短指症(B1型またはC型);鰓耳(Branchiootic)症候群;鰓弓耳腎(Branchiootorenal)症候群;乳癌(浸潤性管内;小葉;雄性、ライフェンスタイン症候群をともなう;孤発性);乳癌−1(早発性);乳癌−2(早発性);ブロディーミオパチー;ブルガダ症候群;ブルンネル症候群;バーキットリンパ腫;チョウジストロフィー(レチナール);C1q欠乏(A型;B型;C型);C1r/C1s欠乏;C1s欠乏、単独型;C2欠乏症;C3欠乏症;C3b失活剤欠乏症;C4欠乏症;C8欠乏症、II型;C9欠乏症;常染色体性性転換をともなう屈曲肢異形成症;屈指症−関節症−内反又心膜炎(Camptodactyly−arthropathy−coxa varapericarditis)症候群;カナバン病;カルバモイルリン酸塩合成酵素I欠乏;糖タンパク質糖鎖不全症候群(I型;Ib型;II型);肺のカルチノイド腫瘍;心脳ミオパチー(致命的小児性、チトクロムc酸化酵素欠乏症に起因);心筋症(拡張性;X連鎖拡張性;家族性肥大性;肥大性);カルニチン欠乏症(全身性原発性);カルニチン−Aアシルカルニチン転位酵素欠乏症;手根管症候群(家族性);白内障(青色白内障;先天性;結晶性aculeiform;若年発症;多形性および層状;点状;先天層間(zonular pulverulent));白内障、Coppock状;CD59欠乏症;セントラルコア疾病;小脳失調;脳アミロイド血管症;皮質下梗塞および白質脳症をともなう大脳動脈症;大脳空洞性形成異常−1;大脳眼顔面骨格症候群;脳腱黄色腫症;脳血管障害;セロイドリポフスチン沈着症(神経細胞性、変異体若年性型、顆粒状オスミウム酸親和性沈着物);セロイドリポフスチン沈着症(神経細胞−1、小児性);セロイド−リポフスチン沈着症(神経細胞−3、若年性);チャー(Char)症候群;シャルコー・マリー・トゥース病;シャルコー・マリー・トゥース神経障害;シャルルボア・サゲネー(Charlevoix−Saguenay)型;チェディアック・東症候群;塩素イオン下痢(フインランド型);胆汁うっ滞(良性反復性肝内);胆汁うっ滞(家族性肝内);胆汁うっ滞(進行性家族性肝内);コレステロールエステル蓄積症;点状軟骨異形成症(末節骨短縮型;近位肢型;X連鎖性優性;X連鎖性劣性;グレーベ型);軟骨肉腫;全脈絡膜萎縮;慢性肉芽腫症(常染色体性、CYBA欠乏に起因);慢性肉芽腫症(X連鎖性);NCF−1欠乏に起因する慢性肉芽腫症;NCF−2欠乏に起因する慢性肉芽腫症;カイロミクロン血症症候群、家族性;シトルリン血症;古典的コケイン症候群−1;口唇裂、唇顎裂、口蓋裂;口唇裂/口蓋外胚葉異形成症症候群;鎖骨頭蓋異骨症;CMO II欠乏;コーツ病;コケイン症候群−2、B型;コフィン・ローリー症候群;コルヒチン抵抗性;結腸アデノ癌腫;結腸癌;色覚異常(2型色覚異常;1型色覚異常;3型色覚異常);直腸結腸癌;複合第V因子およびVIII欠損;複合高脂血症(家族性);複合免疫不全(X連鎖性、中等度);複合化I欠乏;複合神経障害;錐体ジストロフィー3型;錐体杆体ジストロフィー3型;錐体杆体ジストロフィー6型;錐体杆体レチナールジストロフィー2型;先天性両側性輸精管欠損;結膜炎、木質性;拘縮性くも指;コプロポルフィリン症;先天性角膜扁平;角膜薄濁;角膜ジストロフィー(アベリノ型;ゼラチン質液滴状;グレーノーI型;格子I型;ライス・バックラーズ型(Reis−Bucklers));コルチゾール抵抗性;クマリン抵抗性;カウデン病;CPT欠乏、肝臓(I型;II型);筋痙攣(家族性、カリウム悪化);頭蓋・聾・手症候群;頭蓋骨癒合症(2型);クレチン症;クロイツフェルト・ヤコブ病;クリグラー・ナジャー症候群;クルーゾン症候群;クラリーノ(Currarino)症候群;皮膚弛緩症;環状血球新生;環状魚鱗癬;円柱腫症;嚢胞性線維症;シスチン症(腎症);シスチン尿(II型;III型);ダルトン症;ダリエー病;D−二機能性タンパク質欠乏症;聴覚消失、常染色体優性1;聴覚消失、常染色体優性11;聴覚消失、常染色体優性12;聴覚消失、常染色体優性15;聴覚消失、常染色体優性2;聴覚消失、常染色体優性3;聴覚消失、常染色体優性5;聴覚消失、常染色体優性8;聴覚消失、常染色体優性9;聴覚消失、常染色体性劣性1;聴覚消失、常染色体劣性2;聴覚消失、常染色体劣性21;聴覚消失、常染色体劣性3;聴覚消失、常染色体劣性4;聴覚消失、常染色体劣性9;聴覚消失、非症候性感音性13;聴覚消失、X連鎖性1;聴覚消失、X連鎖性3;デブリソキン感受性;デジュリーヌ・ソッタ病;認知症(家族性デンマーク型);認知症(パーキンソニズムをともなう前頭側頭骨);歯の疾病;歯科的異常;歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症;デニス・ドラッシュ症候群;隆起性皮膚線維肉腫;デスモイド疾病;尿崩症(腎発生);尿崩症(神経下垂体);糖尿病(インスリン抵抗性);糖尿病(希少型);糖尿病(II型);捻曲性骨異形成症;ジヒドロピリミジン尿症;薬用量感受性性転換;網膜のドイン蜂巣状変性;デュービン‐ジョンソン症候群;デュシェンヌ筋ジストロフィー;血小板減少症をともなう異常赤血球産生症貧血;異常フィブリノーゲン血症(α型;β型;γ型);先天性角化異常症−1;プロトロンビン不全血症;ジストニア(ドパ反応性);ジストニア(筋クローヌス性);ジストニア−1(ねじれ);外胚葉異形成症;偏位水晶体;瞳孔水晶体;欠指症(外胚葉異形成症、および口唇裂/口蓋症候群3);エーラス・ダンロス症候群(早老性型);エーラス・ダンロス症候群(I型;II型;III型;IV型;VI型;VII型);エラスチン大動脈弁上部狭窄症;楕円赤血球症−1;楕円赤血球症−2;楕円赤血球症−3;エリス・ファンクレフェルト症候群;エメリ・ドレフュシュ筋ジストロフィー;肺気腫;脳疾患;心内膜線維弾性症−2;子宮内膜癌腫;終板アセチルコリンエステラーゼ欠乏;亢進性S錐体症候群;拡大前庭水管;表皮水疱症;栄養障害型表皮水疱症(優性または劣性);単純性表皮水疱症;表皮溶解性角化症;表皮剥離性掌蹠角化症;てんかん(全般;若年性;筋クローヌス性;夜間性前頭葉;進行性筋クローヌス性);てんかん、良性、新生児(1型または2型);骨端異形成症(多発性);偶発性運動失調(2型);偶発性運動失調/ミオキミア症候群;赤血病(α;異形成);赤血球増多;紅斑角皮症;エストロゲン抵抗性;LDH−A欠乏に起因する労作性ミオグロビン尿症;外骨腫、多発性(1型;2型);滲出性硝子体網膜症、X連鎖性;ファブリ病;補体因子欠乏;第VII因子欠乏症;第X因子欠乏症;第XI因子欠乏症;第XII因子欠乏症;第XIIIA因子欠乏症;第XIIIB因子欠乏症;家族性地中海熱;ファンコニ貧血;ファンコニ・ピッケル(Fanconi−Bickel)症候群;ファーバー脂肪性肉芽腫症;脂肪肝(急性);ソラマメ症;魚眼症;中心窩形成不全;脆弱X染色体症候群;フレイジャー症候群;フリードライヒ失調症;果糖・ビスホスファターゼフルクトース不耐性;フコシドーシス;フマラーゼ欠乏症;白点状眼底;黄色斑眼底;G6PD欠乏;GABAトランスアミナーゼ欠乏症;白内障をともなうガラクトキナーゼ欠乏;ガラクトースエピメラーゼ欠乏症;ガラクトース血症;ガラクトシアリドーシス;GAMT欠乏;ガードナー症候群;胃癌;ゴーシェ病;熱性痙攣プラスの全般てんかん;生殖細胞腫瘍;ゲルストマン・シュトロイスラー病;巨細胞肝炎(新生児);巨大血小板異常;巨細胞線維芽細胞腫;ギテルマン症候群;グランツマン血小板無力症(A型;B型);緑内障1A;緑内障3A;多形神経膠芽腫;糸球体硬化症(限局的分節状);ブドウ糖輸送欠損(血液脳関門);ブドウ糖/ガラクトース吸収障害;グルコシダーゼI欠乏;グルタル酸尿症(I型;IIb型;IIC型);グルタチオン(Gluthation)合成酵素欠乏症;グリセロールキナーゼ欠乏;グリシン受容体(α1ポリペプチド);糖原病I;糖原病II;糖原病III;糖原病IV;糖原病VI;糖原病VII;糖原病(肝臓、常染色体性);糖原病(X連鎖性、肝臓);GM1ガングリオシドーシス;GM2ガングリオシドーシス;甲状腺腫(青年性多結節性);甲状腺腫(先天性);甲状腺腫(非風土性、単純);性器発育不全(XY型);肉芽腫症、敗血性;グレーブス病;Greig頭蓋骨癒合・合指症候群;グリセリ(Griscelli)症候群;成長ホルモン欠乏性低身長症;聴覚消失および精神遅滞をともなう発育遅延;女性化乳房(家族性、芳香化酵素活性の増加に起因);オルニチン血症をともなう脈絡膜および網膜の脳回転状萎縮(B6応答性または無応答性);ヘイリーヘイリー病;ハイム・ムンク症候群;手足子宮症候群;ハルデロポルフィリン尿症(Harderoporphyrinuria);HDL欠乏(家族性);心ブロック(非進行性または進行性);ハインツ小体貧血;ヘルプ症候群;血尿(家族性良性);ヘムオキシゲナーゼ−1欠乏;片麻痺性片頭痛;ヘモクロモトーシス(Hemochromotosis);ヘモグロビンH疾病;ADA過剰に起因する溶血性貧血;アデニル酸キナーゼ欠乏に起因する溶血性貧血;バンド3欠損に起因する溶血性貧血;ブドウ糖リン酸塩異性化酵素欠乏に起因する溶血性貧血;グルタチオン合成酵素欠乏症に起因する溶血性貧血;ヘキソキナーゼ欠乏に起因する溶血性貧血;PGK欠乏に起因する溶血性貧血;溶血性尿毒症症候群;血球貪食性リンパ組織球症;血友病A;血友病B;第V因子欠乏に起因する出血性素因;ヘモシデローシス(全身性、無セルロプラスミン血症に起因);肝性リパーゼ欠乏症;肝芽腫;肝細胞癌;遺伝性出血性末梢血管拡張症−1;遺伝性出血性末梢血管拡張症−2;ヘルマンスキー・プドラック症候群;ヘテロタキシー(X連鎖性内臓性);ヘテロトピア(室周囲);ヒッペル・リンダウ病;ヒルシュスプルング病;HRG欠乏に起因するヒスチジンに富んだ糖タンパク質血栓形成傾向;HMG−CoA脱離酵素欠乏;全前脳症−2;全前脳症−3;全前脳症−4;全前脳症−5;ホルト・オーラム症候群;ホモシスチン尿;Hoyeraal−Hreidarsson症候群;HPFH(欠失型または非欠失型);HPRT関連痛風;ハンチントン病;中脳水道狭窄に起因する水頭症;胎児水腫;高βリポタンパク血症;高コレステロール血症、家族性;高フェリチン血症・白内障症候群;高グリセロール血症;高グリシン血症;高グロブリン血症Dおよび周期熱症候群;高インスリン症;高インスリン症・高アンモニア血症症候群;高カリウム血性周期性四肢麻痺;高リポタンパク血症;高リジン血症;高メチオニン血症(持続性、常染色体性、優性、メチオニン、アデノシルトランスフェラーゼI/III欠乏に起因する);高オルニチン血症・高アンモニア血症ホモシトルリン血症症候群;高シュウ酸尿症;副甲状腺機能亢進;プテリン−4a カルビノールアミン脱水酵素欠乏症に起因する高フェニルアラニン血症;高プロインスリン血症;高プロリン血症;高血圧;甲状腺機能亢進症(先天性);高トリグリセリド血症;低αリポタンパク血症;低βリポタンパク血症;低カルシウム血症;軟骨低形成症;低色素小球性貧血;歯数不足;低フィブリノーゲン血症;低グロブリン血症およびB細胞欠損;性腺機能低下症(性腺刺激ホルモン過剰);低ゴナドトロピン性(性腺機能低下症);低カリウム血性周期性四肢麻痺;低マグネシウム血症;ミエリン形成不全(先天性);副甲状腺機能低下症;低ホスファターゼ症(成人性;幼児期;小児性;遺伝性);低プロトロンビン血症;甲状腺機能低下症(先天性;遺伝性先天性;非甲状腺腫性);魚鱗癬様紅皮症;魚鱗癬;ジーメンス型水疱性魚鱗癬;IgG2欠乏症;線毛運動不全症−1;免疫不全(T細胞受容体/CD3複合体);免疫不全(X連鎖性、高IgMをともなう);CD3γにおける欠損に起因する免疫不全;免疫不全・セントロメア不安定性・顔貌異常を伴うICF症候群(Immunodeficiency−centromeric instabilityfacial anomalies syndrome);色素失調症;疼痛に対する非感受性(先天性、無汗症をともなう);不眠(致命的家族性);インターロイキン2受容体欠乏症(α鎖);椎間板疾病;常染色体優性虹彩角発生奇形;単独成長ホルモン欠乏(GHの欠乏をともなうIllig型、および生理不活性アクティブGHをともなうKowarski型);イソ吉草酸血症;ジャックソン・ワイス(Jackson−Weiss)症候群;ジェンセン(Jensen)症候群;ジャーベル・ランゲニールセン症候群;ジュベール(Joubert)症候群;ジュベルグ・マルシディ(Juberg−Marsidi)症候群;カルマン症候群;神崎病;角膜炎;角化症(手掌足底);角化症手掌足底線条体I;角化症手掌足底線条体II;SCOT欠乏に起因するケトアシドーシス;Keutel症候群;クリッペル・トルノネー症候群;Kniest異形成症;コストマン好中球減少;クラッベ病;クズリップ・ポリダクティリ(Kurzripp−Polydaktylie)症候群;PDX1欠乏症に起因する乳酸酸血症;ランゲル中脚異形成症;ラロン低身長症;ローレンス・ムーン・ビードル・バルデ(Laurence−Moon−Biedl−Bardet)症候群;LCHAD欠乏;レーバー先天黒内障;左右軸形成異常;リー症候群;平滑筋腫症(拡散性、アルポート症候群をともなう);妖精症;レリ・ワイル(Leri−Weill)軟骨形成異常;レッシュ・ナイハン症候群;白血病(急性骨髄性;急性前骨髄球性;急性T細胞リンパ芽球性;慢性骨髄性;若年性骨髄単球性;白血病−1(T細胞急性リンパ球性);白血球接着欠乏症;ライディッヒ細胞腺腫;レルミット・デュクロ症候群;リドル症候群;リー・フラウメニ症候群;リポアミド脱水素酵素欠乏症;リポジストロフィー;類脂質副腎性過形成;リポタンパクリパーゼ欠乏症;脳回欠損(X連鎖性);脳回欠損−1;肝臓糖原病(0型);QT延長症候群−1;QT延長症候群−2;QT延長症候群−3;QT延長症候群−5;QT延長症候群−6;眼脳腎症候群;肺癌;肺癌(非小細胞);肺癌(小細胞);リンパ浮腫;リンパ腫(B細胞非ホジキン);リンパ腫(拡散性大細胞型);リンパ腫(濾胞性);リンパ腫(MALT);リンパ腫(マントル細胞);リンパ球増殖性症候群(X連鎖性);リジン尿性タンパク不耐症;マシャド・ジョセフ病;(5q症候群の)大球性貧血抵抗性;黄斑変性症;悪性中皮腫;マロニル−CoA脱炭酸酵素欠乏症;マンノース症(αまたはβ);メープルシロップ尿症(Ia型;Ib型;II型);マルファン症候群;マロトー・ラミー症候群;マーシャル(Marshall)症候群;MASA症候群;マスト細胞白血病;血液疾患をともなう肥満細胞症;マッカードル病;マッキューン・オールブライ異形成症;マキュージック・カウフマン(McKusick−Kaufman)症候群;マクラウド表現型;甲状腺髄様癌;髄芽細胞腫;メースマン角膜変性症;巨赤芽球性貧血−1;メラノーマ;メンブロ増殖性(Membroproliferative)糸球体腎炎;メニエール病;髄膜腫(NF2関連;SIS関連);メンケス病;精神遅滞(X連鎖性);メフェニトイン低代謝群;中皮腫;異染性白質ジストロフィー;骨幹端軟骨無形成症(ムルク・ジェンセン(Murk Jansen)型;シュミット型);メトヘモグロビン血症;メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ欠乏(常染色体劣性);メチルコバラミン欠乏(cbl Gタイプ);メチルマロン酸尿症(ムターゼ欠乏症タイプ);メバロン酸尿症;MHCクラスII欠乏;小眼球症(白内障および虹彩異常);三好ミオパチー;若年発症成人型糖尿病(MODY);モーア・トラネプジャルグ(Mohr−Tranebjaerg)症候群;モリブデン補助因子欠乏症(A型またはB型);連珠毛;モルブス(Morbus)ファブリ;モルブス(Morbus)ゴーシェ;ムコ多糖症;膵線維症;ムエンケ(Muencke)症候群;ミュア・トール症候群;マリブレー低身長症;マルチプルカルボキシラーゼ欠損症(ビオチン応答性);多発性内分泌腫瘍症;筋糖原病;筋ジストロフィー(先天性メロシン欠損型);筋ジストロフィー(福山型先天性);筋ジストロフィー(肢・腰帯);筋ジストロフィー)デュシェンヌ状);単純性表皮水疱症をともなう筋ジストロフィー;筋無力症候群(スローチャネル型先天性);マイコバクテリア感染症(非定型、家族性播種性);骨髄異形成症候群;骨髄性白血病;骨髄性悪性腫瘍;ミエロペルオキシダーゼ欠乏症;ミオアデニル酸デアミナーゼ欠乏;PGK欠乏に起因するミオグロビン尿/溶血;ミオ神経胃腸ミオパチー症候群(Myoneurogastrointestinal encephalomyopathy syndrome);ミオパチー(アクチン;先天性;デスミン関連;心臓骨格性;遠位性;ネマリン);CPTII欠乏に起因するミオパチー;ホスホグリセリン酸ムターゼ欠乏症に起因するミオパチー;先天性筋緊張症;ミオトニア・レビオール(Myotonia levior);筋緊張性ジストロフィー;粘液性脂肪肉腫;NAGA欠乏;爪膝蓋骨症候群;ネマリンミオパチー1(常染色体優性);ネマリンミオパチー2(常染色体劣性);新生児副甲状腺機能亢進;腎結石症;ネフロン癆(若年性);腎症(慢性低補体血症性)腎症−1;ネフローゼ症候群;ネザートン症候群;神経芽細胞腫;神経線維腫症(1型または2型);神経線維鞘腫症;神経細胞−5セロイド−リポフスチン沈着症;神経障害;好中球減少(同種免疫性新生児);ニーマン・ピック病(A型;B型;C1型;D型);夜盲(先天性定常性);ナイミーヘン症候群;左心室心筋非圧縮;非表皮溶解性掌蹠角化症;ノリエ病;ノラム病(Norum disease);ヌクレオシドホスホリラーゼ欠乏;肥満;後角症候群;眼白子症(ネトゥルシップ・フォールス(Nettleship−Falls)型);眼咽頭筋ジストロフィー;小口病;多数歯欠損症;オメン症候群;オピッツG症候群;腎臓疾病をともなう視神経眼欠損症;オルニチントランスカルバミラーゼ欠乏;オロト酸尿症;起立性調節障害;OSMED症候群;脊椎後縦靱帯骨化症;骨関節症;骨形成不全症;骨溶解;大理石骨病(劣性または特発性);骨肉腫;卵巣癌;卵巣発育異常;先天性爪肥厚症(ジャックソン・ローウラー(Jackson−Lawler)型またはヤダゾーン・レワンドウスキー(Jadassohn−Lewandowsky)型);骨パジェット病;パリスター・ホール症候群;膵臓非形成;膵癌;膵炎;パピヨン・ルフェーブル症候群;傍神経節腫;先天性パラミオトニー;頭頂孔;パーキンソン疾病(家族性または若年性);発作性夜間血色素尿症;ペリツェウス・メルツバッハー病;ペンドレッド症候群;会陰尿道下裂;周期熱;ペルオキシソーム生物発生障害;乳児期の持続性高インシュリン性低血糖;持続性ミュラー管症候群(II型);ペーテルス奇形;ポイツ・ジェガース症候群;パイフェル症候群;フェニルケトン尿症;ホスホリボシルピロリン酸塩合成酵素関連痛風;肝臓および筋肉のホスホリラーゼキナーゼ欠乏;まだら症;毛母腫;両側性網膜芽細胞腫をともなった松果体腫;下垂体ACTH分泌腺腫;下垂体ホルモン欠乏;下垂体腫瘍;胎盤ステロイドスルファターゼ欠乏症;プラスミン・インヒビター欠乏;プラスミノーゲン欠乏(I型およびII型);プラスミノーゲン栃木病;血小板異常;血小板糖タンパク質IV欠乏;血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼ欠乏症;多発性嚢胞腎;硬化性リューケンインセロファロパチー(leukenencephalophathy)をともなう多嚢胞性脂肪膜状骨異形成症;多指症、後部;ポリープ症;膝窩翼状片症候群;ポルフィリン症(急性肝性、急性間欠性、または先天性赤血球新生性);晩発性皮膚ポルフィリン症;肝赤血球新生ポルフィリン症(Porphyria hepatoerythropoietic);異型ポルフィリン症;プラダー・ウィリ症候群;思春期早発症;早期卵巣機能不全;早老症I型;早老症II型;進行性外眼筋麻痺;進行性肝内胆汁うっ滞−2;プロラクチン産生腺腫(副甲状腺機能亢進、カルチノイド症候群);プロリダーゼ欠乏症;プロピオン酸血症;前立腺癌;タンパク質S欠乏;タンパク質尿症;プロトポルフィリン症(赤血球新生);偽軟骨無形成症;偽雌雄同体;偽低アルドステロン症;偽副甲状腺機能低下症;偽膣会陰陰嚢尿道下裂;偽ビタミンD欠乏クル病;弾力線維性仮性黄色腫(常染色体優性;常染色体劣性);肺胞タンパク症;肺高血圧症;電撃性紫斑病;濃化異骨症;ピロ変形赤血球症;ピルビン酸カルボキシラーゼ欠乏症;ピルビン酸脱水素酵素欠乏症;ラブソン・メンデンホール(Rabson−Mendenhall)症候群;レフスム疾病;腎細胞癌腫;腎尿細管性アシドーシス;聴覚消失をともなう腎尿細管性アシドーシス;腎尿細管性アシドーシス・大理石骨病症候群;細網症(家族性組織球性);網膜変性症;網膜ジストロフィー;網膜色素変性症;白点状網膜炎;網膜芽細胞腫;レチノール結合タンパク質欠乏症;網膜分離症;レット症候群;Rh(mod)症候群;棒状体素因症候群;ラブドイド腫瘍;横紋筋肉腫;横紋筋肉腫(肺胞);肢根型点状軟骨異形成症;リビング症候群;クル病(ビタミンD抵抗性);リーガー奇形;ロビノウ(Robinow)症候群;ロトムンド・トムソン症候群;ルビンシュタイン・テイビ症候群;サッカロピン尿症;セートレ・ヒョツェン症候群;サラ疾病;サンドホフ疾病(小児性、若年性、および成人型);サンフィリポ症候群(A型またはB型);シントラー病;裂脳症;統合失調症(慢性);シュワン腫(孤発性);SCID(常染色体劣性、T陰性/B陽性);分泌経路w/TMD;先天性SED;瀬川症候群;選択的T細胞欠損;SEMD(パキスタン型);SEMD(ストラドウィック型);中隔視神経異形成症;重症複合免疫不全症(B細胞陰性);重症複合免疫不全症(T細胞陰性、B細胞/ナチュラルキラー細胞陽性);重症複合免疫不全症(X連鎖性);ADA欠乏に起因する重症複合免疫不全症;性転換(XY、副腎不全をともなう);セザリー症候群;シャー・ワールデンブルグ症候群;低身長;シュプリンツェン・ゴールドベルグ症候群;シアル酸蓄積障害;シアリドーシス(I型またはII型);シアル酸尿症;鎌状赤血球貧血;シンプソン・ゴラビ・ベメル(Simpson−Golabi−Behmel)症候群;内臓不定位;シェーグレン・ラルソン症候群;スミス・フィンマン・マイアズ(Smith−Fineman−Myers)症候群;スミス・レムリ・オピッツ症候群(I型またはII型);ソマトトロフィノーマ(Somatotrophinoma);ソースビー眼底変性症;痙性対麻痺;球状赤血球症;球状赤血球症−1;球状赤血球症−2;ケネディの球脊髄性筋萎縮症;脊髄性筋萎縮症;脊髄小脳失調症;スポンジロコスタル(Spondylocostal)骨形成不全;晩発性脊椎骨端異形成症;脊椎骨幹端異形成症(日本型);シュタルガルト病−1;多発性脂腺嚢腫;スティックラー症候群;スタージ・ウェーバー症候群;皮質下ラミナル・ヘテロピア(laminal heteropia);皮質下層状異所形成;コハク酸半アルデヒド脱水素酵素欠乏症;ショ糖不耐症;サザーランド・ハーン(Sutherland−Haan)症候群;無CF・汗塩素イオン上昇(Sweat chloride elevation without CF);指節癒合症;骨癒合症候群;合多指症;タンジール病;テイ・サックス疾病;T細胞性急性リンパ性白血病;T細胞免疫不全;T細胞性前リンパ球性白血病;サラセミア(αまたはδ);Hb Lepore に起因するサラセミア;致死性骨異形成症(I型またはII型);チアミン応答性巨赤芽球性貧血症候群;血小板血症;血栓形成傾向(ジスプラスミノーゲネミック(dysplasminogenemic));ヘパリン補因子II欠乏に起因する血栓形成傾向;タンパク質C欠乏に起因する血栓形成傾向;トロンボモジュリン欠損に起因する血栓形成傾向;甲状腺腺腫;甲状腺ホルモン抵抗性;甲状腺ヨードペルオキシダーゼ欠乏症;ティーツェ症候群;トルブタミド低代謝群;タウンズ・ブロックス(Townes−Brocks)症候群;トランスコバラミンII欠乏;トリーチャー・コリンズ下顎顔面形成異常;Trichodontoosseous症候群;Trichorhinophalangeal症候群;裂毛症;三機能的タンパク質欠乏症(I型またはII型);トリプシノーゲン欠乏症;結節性硬化症−1;結節性硬化症−2;ターコット症候群;チロシンホスファターゼ;チロシン血症;尺側・乳房症候群;尿路結石症(2,8−dihydroxyadenine);アッシャー症候群(1B型または2A型);静脈形成異常;心室頻拍;男性化;ビタミンK依存性凝固欠損;VLCAD欠乏;Vohwinkel症候群;フォンヒッペル・リンダウ症候群;フォンウィルブランド疾病;ワールデンブルグ症候群;ワールデンブルグ症候群/眼白子症;ワールデンブルグ・シャー神経性変異体;ワールデンブルグ・シャー症候群;ワーグナー症候群;ワルファリン感受性;ワトソン症候群;ワイセンバッハ・ツバイミュラー(Weissenbacher−Zweymuller)症候群;ウェルナー症候群;Weyers・acrodental骨形成不全;白色海綿状母斑;ウィリアムズ・ビューレン症候群;ウィルムス腫瘍(1型);ウィルソン病;ウィスコット・オールドリッチ症候群;ウォルコット・ラリソン(Wolcott−Rallison)症候群;ウルフラム症候群;ウォルマン疾病;キサンチン尿症(I型);色素性乾皮症;X−SCID;イエメン型盲聾色素脱失症候群;低カルシウム尿性高カルシウム血症(I型);ツェルウェガー症候群;ヅロトガラ・オグル(Zlotogora−Ogur)症候群などである。 遺伝子によって遺伝する性質があり、通常単一遺伝子の欠損によって引き起こされ、かつメンデルの法則にしたがって遺伝する、治療対象として好ましい疾病は、好ましくは以下に列挙する常染色体性劣性遺伝病からなる群より選択される。すなわち、例えば、アデノシンデアミナーゼ欠乏、家族性高コレステロール血症、カナバン症候群、ゴーシェ病、ファンコニ貧血、神経細胞セロイドリポフスチン沈着症、膵線維症(嚢胞性線維症)、鎌状赤血球貧血、フェニルケトン尿症、アルカプトン尿症、白子症、甲状腺機能不全、ガラクトース血症、α1−アンチトリプシン欠乏、色素性乾皮症、リビング症候群、ムコ多糖症、口唇裂、下顎、口蓋、ローレンス・ムーン・ビードル・バルデ症候群、短肋骨多指症候群、クレチン症、ジュベール症候群、早老症II型、短指症、副腎性器症候群、およびX染色体遺伝病などである。X染色体遺伝病の例としては、例えば、色覚異常(例えば赤/緑色覚異常)、脆弱X染色体症候群、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型およびベッカー・キネール(Becker−Kiener)型)、血友病AおよびB、G6PD欠乏、ファブリ疾病、ムコ多糖症、ノリエ症候群、網膜色素変性症、敗血性肉芽腫症、X−SCID、オルニチントランスカルバミラーゼ欠乏、レッシュ・ナイハン症候群などがあげられる。あるいは、上記治療対象として好ましい疾病は、好ましくは以下に列挙する常染色体性優性遺伝病からなる群より選択される。すなわち、例えば、遺伝性血管浮腫、マルファン症候群、神経線維腫症、早老症I型、骨形成不全症、クリッペル・トルノネー症候群、スタージ・ウェーバー症候群、ヒッペル・リンダウ(Hippel−Lindau)症候群、および結節症硬化症(tuberosis sclerosis)などである。 本発明はさらに遺伝性を有しない疾病、あるいは上記カテゴリーに属さない疾病の治療を可能にする。これらの疾病の例としては、例えば特定のタンパク質因子(例えば上述の特定の治療上有効なタンパク質)を必要としている患者の治療などがあげられる。こういった患者の例としては。例えば、透析患者(例えば(定期的)腎臓透析を受ける患者、および上記において定義された特定の治療上有効なタンパク質(例えばエリスロポエチン(EPO)など)を必要とする患者)があげられる。 別の一実施形態によれば、本発明は、本発明に係る少なくとも1つの複合化RNAを使用して細胞または生体をトランスフェクトすること含む。細胞または生体のトランスフェクションは、好ましくは本発明の複合化RNAを細胞または組織にトランスフェクトするために、上記(in vitroまたはin vivo)トランスフェクション法を使って実施されてもよい。 さらに別の実施形態によれば、本発明は、上記疾病、障害、条件、または病理学的状態のうち任意のものを治療するために(薬剤を調製するために)本発明に係る少なくとも1つの複合化RNAを使用することを含む。この文脈において薬剤は、例えば上記において定義された薬学的組成物であっても、あるいは本発明において定義され、付加的に本発明の複合化RNA、ワクチンなどを含んだ注射用緩衝液であってもよい。二種類以上の複合化RNA分子を使用するのであれば、複合化RNAはそのRNA(分子)が異なり、こうすることによって少なくとも2種類の特定の複合化RNA(分子)の混合物を形成してもよい。上記疾病のうち任意の疾病を治療するために(薬剤を調製するために)二種類以上の複合化RNAを使用するのであれば、これらの複合化RNA混合物には同種のRNA(分子)が含有されていてもよく、または(少なくとも2種類の)異なるRNA(分子)が含有されていてもよい。この文脈において、上記RNA(分子)のうちの任意のRNA(分子)が、以下に列挙する本発明の複合化RNAのために使用されてもよい。すなわち、例えば低分子RNAオリゴヌクレオチド、コーディングRNA、免疫活性化RNA、siRNA、アンチセンスRNA、もしくはリボスイッチ、リボザイム、またはアプタマーなどである。さらに好ましくはコーディングRNA(分子)、一層好ましくは直鎖コーディングRNA(分子)、最も好ましくはmRNAが使用されてもよい。好ましくは上記コーディングRNA(分子)、さらに好ましくは直鎖コーディングRNA(分子)、さらに好ましくはmRNAが上記複合化RNAのために使用される。上記RNA(分子)は通常、(特定の)癌などを治療する際に特定の癌抗原または腫瘍抗原に結合可能な、特定の疾病の治療に適したタンパク質またはペプチド(例えば抗体)をコードする。好適なRNA(分子)の組み合わせは、従来技術においてまたは本発明の開示によって、当業者にとって公知である。 本発明の別の一実施形態によれば、(付加的に)治療中に免疫反応を誘発する(例えば誘引または亢進する)ことが好ましい。この文脈において、免疫反応は様々な形態で発生する。好適な免疫反応にとって重要な要素は、異なるT細胞小グループを活性化することである。Tリンパ球は通常、ヘルパーT1(Th1)細胞およびヘルパーT2(Th2)細胞の2つの小グループに分類される。免疫系は、この2つの小グループを使って、細胞内(Th1)および細胞外(Th2)の病原体(例えば抗原)を破壊することができる。上記2つのTh細胞グループは、それぞれのグループが生成するエフェクタータンパク質(サイトカイン)のパターンが異なる。したがって、Th1細胞は、マクロファージおよび細胞傷害性T細胞を活性化することによって、細胞性免疫反応を補助する。一方、Th2細胞は、B細胞を活性化して血漿細胞に転換させることによって、および(例えば抗原に対して)抗体を形成をすることによって、体液性免疫反応を促進する。Th1/Th2比は、したがって、免疫反応にとって非常に重要である。本発明の治療対象となる各種疾病の場合、免疫反応のTh1/Th2比は、好ましくは細胞性応答(Th1応答)に片寄っており、こうすることによって細胞性免疫反応を誘引する。これに応じて、本発明は、さらにこの免疫反応の片寄りを元に戻すために使用されてもよい。したがって、本発明には、上記疾病のうち任意の疾病を治療するために(薬剤を調製するために)、本発明に係る少なくとも1つの複合化RNAを使用することがさらに含まれ、ここで上記薬剤(および/または上記複合化RNA)は、上記において定義された組織または生体において免疫反応を誘発させる(例えば誘引する、または亢進する)ことができてもよい。ここでも、この文脈における薬剤は、例えば上記において定義された薬学的組成物であっても、あるいは本発明において定義され、本発明の複合化RNAなどを含んだ注射用緩衝液であってもよい。上記疾病のうち任意の疾病を治療するために(薬剤を調製するために)、この文脈において二種類以上の複合化RNAを使用するのであれば、上記複合化RNAの種類は、そのRNA(分子)について異なっていてもよく、また、異なる種類のRNAの混合物を形成してもよい。 ただし、本実施形態の場合、好ましくは、これらの複合化RNAのうちの少なくとも一種類が、治療中に上記免疫反応を誘引または亢進し、その一方で、他の複合化RNAが免疫応答を誘引または亢進する必要がない、もしくは免疫応答を防止するために使用されてもよい。この文脈において、上記RNA(分子)のうちの任意のRNA(分子)が、以下に列挙する本発明の複合化RNAのために使用されてもよい。すなわち、例えば、低分子RNAオリゴヌクレオチド、コーディングRNA、免疫活性化RNA、siRNA、アンチセンスRNA、もしくはリボスイッチ、リボザイム、またはアプタマーなどである。さらに好ましくはコーディングRNA(分子)、一層好ましくは直鎖コーディングRNA(分子)、最も好ましくはmRNAが上記複合化RNAのために使用されてもよい。上記RNA(分子)がコーディングRNA(分子)であれば、さらに好ましくは直鎖コーディングRNA(分子)であれば、さらに好ましくはmRNAであれば、該RNA(分子)は通常、(特定の)癌などを治療する際に特定の癌抗原に結合可能な、特定の疾病の治療に適したタンパク質またはペプチド(例えば抗体)をコードする。二種類以上の複合化RNAが薬剤に含有されるならば、異なる組み合わせのタンパク質またはペプチドが選択されてもよい。好適なRNA(分子)の組み合わせ(コーディングRNAが使用されているのであれば、コードされているタンパク質またはペプチドの好適な組み合わせ)は、従来技術において当業者にとって公知である。あるいは、本発明の開示において定義された治療上効果的なタンパク質をコードするRNAなどを組み合わせてもよい。上記のように特定の疾病の治療と同時に、1つの薬学的組成物または薬剤を使って免疫反応を誘引または亢進することは、上述の特定の疾病の治療を誘引または亢進した免疫反応が支援する場合には特に有利である。 あるいは、疾病の治療、および免疫反応の誘引または亢進は、上記において定義された複数の異なる薬学的組成物または薬剤を、時差をつけて使用することによって実施されてもよい。例えば、本発明の複合体化(免疫活性化)RNAを含んだ、本発明において定義される薬学的組成物または薬剤を、本発明において定義される別の薬学的組成物または薬剤の投与に先立って(またはその投与と同時に)投与することによって、免疫反応を誘引してもよく、あるいは亢進してもよい。なお、上記別の薬学的組成物または薬剤には、以下に列挙する本発明の複合化RNAが含有されてていもよい。すなわち、例えば低分子RNAオリゴヌクレオチド、コーディングRNA、免疫活性化RNA、siRNA、アンチセンスRNA、もしくはリボスイッチ、リボザイム、またはアプタマーなどの特定の疾病の治療に適した複合化RNAである。 一実施形態によれば、本発明は、上記において定義された組織または生体において免疫反応を調節する、好ましくは誘引または亢進するために(薬剤を調製するために)、さらに好ましくは本発明において言及される疾病または状態を支援するために、本発明に係わる少なくとも1つの複合化RNAを使用することをさらに含む。こうすることによって、本発明の複合化RNAは、免疫系を非特異的に賦活化するために、例えばあるサイトカインの生成を誘発するために使用されてもよい。したがって上記複合化RNAは、例えば病原体または腫瘍に由来する抗原によって誘発される特異的免疫反応を支援するために使用されてもよい。この文脈において薬剤は、例えば上記において定義された薬学的組成物であっても、または本発明において定義され、本発明の複合化RNA、ワクチンなどを含んだ注射用緩衝液であってもよい。上記免疫反応は、8〜15アミノ酸の長さを有し、かつ実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる1つ以上のオリゴペプチドに起因する少なくとも1つの複合化RNAによって調節されてもよく、および/または上記複合化RNAのRNAによってコードされたタンパク質の免疫活性特性によって調節されてもよい。 したがって、本発明は、必要に応じて、様々な目的を実現するのに非常に役立つ。複合化RNAは、そのままでまたは本発明の組成物の成分として、それ自体が、本発明の複合体の成分としてのRNAのトランスフェクション性を改善する。本発明の複合化RNAのこの根底にある性質は、様々な応用にとって有益である。細胞にRNAを導入したい時には、本発明によって、トランスフェクション効率の改善が必ず保証される。この特性そのものが、多種多様な疾病の治療、上記において定義された例えば単遺伝子疾患または遺伝子疾患を治療するための本発明の使用を可能にする。 さらに、本発明は、免疫障害、例えばアレルギー性疾患または自己免疫疾患の治療が予想される場合はいつでも使用されてもよい。また、本発明は、患者の免疫系の非特異的または特異的免疫反応を亢進することによって、該免疫系を賦活化せてもよい。したがって、本発明は、適切な場合は、疾病を治療するために非特異的免疫反応を誘発してもよい。また、必要に応じて、(例えば本発明の複合体の成分としてのRNAによって抗原をコードすることによって)特異的免疫反応をそのまま誘発してもよく、または本発明の複合化RNAと抗原とを例えば同一組成物として組み合わせることによって誘発してもよい。必要に応じて、本発明の複合化RNAは、好ましくは、免疫反応を調節できる(好ましくは、免疫反応を誘引または亢進することができる、もしくはアレルギー性疾患または自己免疫疾患の場合、特定のアレルギーまたは自己抗原に対して患者の免疫系を脱感作することによって免疫反応を調節できる)抗原または抗体、もしくは上記において定義された他の任意のタンパク質またはペプチドであってもよい。組織または生体において免疫反応を調節するために、例えば免疫反応を誘引または亢進するために、上記のように複合化RNAが、そのまままたは上記において定義された薬剤としてこの組織または生体に投与されてもよい。使用可能な投与形態は、薬学的組成物の場合、上述した形態と同じであってもよい。薬剤の投与は、本発明において言及される疾病または病状の治療より先に、それと同時に、および/またはそれに続いて、例えばこれらの疾病または病状に適した治療または治療薬の投与のより先に、それと同時に、および/またはそれに続いて薬剤を投与することによって行われてもよい。 他の実施形態によれば、本発明は、例えばサイトカインの生成を上記において定義された組織または生体において誘発することによって、免疫反応を、好ましくは非特異的免疫反応を調節するために、好ましくは誘発するために、例えば誘引または亢進するために(薬剤を調製するために)、また、好ましくは、本発明において言及される疾病または病状を支援するために、ペプチド(Arg)7を本発明において定義されるRNA(分子)とともに複合体において使用すること、またはペプチド(Arg)7を単独で使用することをさらに含む。一方で、本発明の式(I)によって表わされるペプチドの範囲を決定する中で、本発明の発明者らは、たとえ核酸、特にRNAのhPBMCへのトランスフェクションが観察されなくても、hPBMCにおいて(Arg)7が免疫反応を大幅に誘引または亢進することができるという驚くべき発見をした。RNA(分子)は、本発明において定義される任意のRNA(分子)であってもよく、好ましくは低分子RNAオリゴヌクレオチド、コーディングRNA、免疫活性化RNA、siRNA、アンチセンスRNA、もしくはリボスイッチ、リボザイム、またはアプタマーであってもよいが、これに限定されるものではない。ここでも、この文脈における薬剤は、例えば上記において定義された薬学的組成物であっても、あるいは本発明の複合化RNAなどを付加的に含有する本発明において定義される注射用緩衝液であってもよく、本発明において定義される薬剤中の本発明の複合化RNAは、本発明において定義されるRNA(分子)との複合体中のペプチド(Arg)7によって、または単独のペプチド(Arg)7よって置き替えられている。 別の実施形態によれば、本発明は、上記疾病のうち任意の疾病または病状を治療するために(薬剤を調製するために)、ペプチド(Arg)7を本発明において定義されるRNA(分子)とともに複合体中で使用すること、または上記ペプチド(Arg)7を単独で使用することをさらに含んでいる。 最後の実施形態によれば、本発明はさらに、本発明に係る複合化RNAおよび/または本発明に係る薬学的組成物と、必要に応じて本発明に係る複合化RNAの投与および投与量および/または本発明に係る薬学的組成物に関する情報とともに技術的な指示とを含んだキットを提供する。上記キットは、少なくとも1つの抗原または少なくとも1つの抗体もしくは抗原または抗体を含んだ組成物、付加的な補助剤または少なくとも1つの補助剤を含んだ組成物、ならびに/もしくは少なくとも1つのサイトカインまたは少なくとも1つのサイトカインを含んだ組成物の群の成分のうち1つ以上を個別にさらに備えていてもよい。上記抗原、抗体、および/またはサイトカインは、そのまま(タンパク質)提供してもよく、あるいはその抗原、抗体、またはサイトカインをコードするDNAまたはRNAとして提供してもよい。 本発明は、ペプチド(Arg)7を本発明において定義されるRNA(分子)との複合化物中に含んだキット、またはペプチド(Arg)7だけを含んだキットと、必要に応じて上記ペプチド(Arg)7の投与および投与量に関する情報とともに技術的な指示とをさらに提供する。上記キットは、例えば上述した任意の適用または使用に適用されてもよく、好ましくは、上記疾病のうち任意の疾病を治療するために(薬剤を調製するために)本発明に係る少なくとも1つの複合化RNAの使用に適用されてもよい。上記キットは、さらに、上記疾病のうち任意の疾病を治療するために(薬剤を調製するために)本発明に係る少なくとも1つの複合化RNAの使用に適用されてもよく、ここで、上記薬剤(および/または上記複合化RNA)は、上記において定義された組織または生体において免疫反応を誘引または亢進することができる。上記キットは、さらに、上記において定義された組織または生体において免疫反応を調節するために、好ましくは誘発する、例えば誘引または亢進するために(薬剤を調製するために)、また、好ましくは、本発明において言及される疾病または病状を支援するために、本発明に係る少なくとも1つの複合化RNAの使用に適用されてもよい。 図面 以下の図は、本発明をさらに説明するためのものであり、図面に示した範囲に本発明の主題を限定するものではない。 図1は、安定化されたルシフェラーゼのmRNA配列の配列を示し、ルシフェラーゼをコードする天然mRNAがポリA/ポリC−tag(A70−C30)によって修飾されている。この第1の構造物(CAP−Ppluc(wt)−muag−A70−C30、配列番号35)は、以下の配列因子を含んでいた。すなわち、αグロビン遺伝子からの安定化配列、3’末端部(ポリA−尾部)に位置する70のアデノシン、および3’−末端部(ポリC尾部)に位置する30のシトシンであり、シンボル =コードする配列 =αグロビン遺伝子の3’−UTR =ポリA−尾部 =ポリC尾部によって表わされている。 図2は、安定化されたルシフェラーゼのmRNA配列の配列を示し、配列番号35(図1参照)によって表わされる上記構造物が、コドンをうまく使用するためにGC最適化配列によってさらに修飾されている。最終構造物(構造物CAP−Ppluc(GC)−muag−A70−C30、配列番号36)は、以下の配列因子を含んでいた。すなわち、コドンをうまく使用するためのGC最適化配列、αグロビン遺伝子からの安定化配列、3’末端部(ポリA−尾部)に位置する70のアデノシン、および3’−末端部(ポリC尾部)に位置する30のシトシンであり、シンボル =コードする配列 =αグロビン遺伝子の修飾3’−UTR =ポリA−尾部 =ポリC尾部によって表わされている。 図3は、配列番号35(配列番号37)(図1参照)によって表わされる配列のコード配列を示す。 図4は、配列番号36(配列番号38)(図2参照)によって表わされる配列のGC最適化コード配列を示す。GC最適化コドンには下線を引いた。 図5は、hPBMC細胞においてノナアルギニン((Arg)9)で複合化されたRNAの免疫活性効果を、IL−6生成量を測定することによって示している。図から読み取れるように、hPBMC細胞のIL−6生成量は非常に大きい。つまり、ノナアルギニン((Arg)9)で複合化されたRNAの免疫活性効果は非常に高い。 図6は、hPBMC細胞においてノナアルギニン((Arg)9)で複合化されたRNAの免疫活性効果を、TNFα生成量を測定することによって示している。図から読み取れるように、hPBMC細胞のTNFα生成量は非常に大きい。つまり、ノナアルギニン((Arg)9)で複合化されたRNAの免疫活性効果は非常に高い。 図7は、hPBMCにおいてノナアルギニン((Arg)9)またはポリ−L−アルギニンで複合化されたRNAのそれぞれの免疫活性効果を、比較例において比較した結果を示す。有利な効果として、1:5(RNA:ノナアルギニン)未満の質量比の場合(1:10、1:8、1:5、1:2、1:1、2:1)に、非常に高い免疫活性効果が観察される。ただし、RNA:ノナアルギニン質量比が5:1の場合には、観察されるTNFα生成量はあまり多くない。ノナアルギニン((Arg)9)またはmRNAを単独で使用した活性化実験についても、同じことが言える。また、ノナアルギニン((Arg)9)と比較すると、mRNAをポリ−L−アルギニンで複合化することによって、TNFα生成の誘引が大幅に減少することが観察された。ポリ−L−アルギニンの濃度が高いと、そのポリ−L−アルギニンがトランスフェクトされる細胞にとって有害であるようである。ポリ−L−アルギニン:RNAの質量比が1:2以上の場合、細胞が溶解するので特に有害なようである。 図8は、ノナアルギニン((Arg)9)を使ったRNAの複合体を、HeLa細胞にトランスフェクトすると発現するルシフェラーゼを示す。図8から読み取れるように、2:1(RNA:ノナアルギニン)未満の質量比が有利なようである。対照的に、(高分子)ポリ−L−アルギニンで複合化しても、低いルシフェラーゼ活性しか生じない。したがって、(高分子)ポリ−L−アルギニンは、mRNAのトランスフェクションには適していないようである。 図9は、比較例において、ヘプタアルギニン((Arg)7)を使ったRNAの複合体を、HeLa細胞にトランスフェクトすると発現するルシフェラーゼを示す。図9から読み取れるように、ヘプタアルギニン((Arg)7)を使ったRNAの複合体をトランスフェクトしても、低いルシフェラーゼ活性しか生じない。したがって、ヘプタアルギニン((Arg)7)もmRNAのトランスフェクションには適していないようである。 図10は、hPBMC細胞におけるヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化されたRNAの免疫活性効果を、IL−6生成量を測定することによって示している。図から読み取れるように、hPBMC細胞のIL−6生成量は非常に大きい。つまり、ヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化されたRNAの免疫活性効果は非常に高い。 図11は、hPBMC細胞におけるヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化されたRNAの免疫活性効果を、TNFα生成量を測定することによって示している。図から読み取れるように、hPBMC細胞のTNFα生成量は非常に大きい。つまり、ヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化されたRNAの免疫活性効果は非常に高い。 図12は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、R9ペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。 図13は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、R9H3ペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。 図14は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、H3R9H3ペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。 図15は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、YYYR9SSYペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。 図16は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、H3R9SSYペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。 図17は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、(RKH)4ペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。 図18は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、Y(RKH)2Rペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。 図19は、トランスフェクション効率に対する、末端に位置するヒスチジンの効果を示す。 図20は、トランスフェクション効率に対する、末端に位置する中性アミノ酸の効果を示す。 図21は、hPBMCにおけるTNFαの分泌に対する、R9H3で複合化されたRNAの免疫活性効果を示す。 図22は、hPBMCにおけるIL−6の分泌に対する、R9H3で複合化されたRNAの免疫活性効果を示す。 〔実施例〕 以下の実施例は、本発明をさらに説明するためのものであり、本発明の主題を実施例に示した範囲に限定するものではない。 (実施例1:ルシフェラーゼのmRNA構造物の調製) 以下の実験では、安定化されたルシフェラーゼのmRNA配列を調製し、トランスフェクション実験に使用した。ここで、上記ルシフェラーゼをコードする天然mRNAを、ポリA/ポリC−tag(A70−C30)で修飾し、コドンをうまく使用するためにGCを最適化し、さらに安定化させた。 第1の構造物(CAP−Ppluc(wt)−muag−A70−C30構造物、配列番号35)は、以下の配列因子を含んでいた。すなわち、αグロビン遺伝子からの安定化配列、3’末端部に位置する70のアデノシン、および3’−末端部に位置する30のシトシンである。 以下の実験においてここで使用した最終構造物(CAP−Ppluc(GC)−muag−A70−C30構造物、配列番号36)は、以下の配列因子含有していた。すなわち、コドンをうまく使用するためにGC最適化された配列、αグロビン遺伝子からの安定化配列、3’末端部に位置する70のアデノシン、および3’−末端部に位置する30のシトシンである。 これらの配列は、図1および図2(配列番号35および配列番号36)にも図示する。個々のコード配列は図3および図4(配列番号35および配列番号36)に示す。 (実施例2:安定化されたルシフェラーゼのmRNAのin vitro転写) 配列番号35または配列番号36によって表わされる、上記の安定化されたルシフェラーゼのmRNA(Luc−RNActive)を、T7−ポリメラーゼ(T7−Opti mRNAキット、CureVac社、ドイツ、テュービンゲン)を用いて、製造指示に従ってin vitroで転写した。 全てのmRNA転写物が、70の塩基からなるポリA−尾部と5’−Cap構造とを含有していた。上記5’−Cap構造は、過剰な量のN7−メチル−グアノシン−5’−三リン酸エステル−5’−グアノシンを添加することによって得られた。 (実施例3:ノナアルギニン((Arg)9)、ポリ−L−アルギニン、またはそれ以外の(Arg)9ベースのペプチドによる、個々のRNA複合体の形成) 配列番号36(Luc−RNActive)によって表わされる15μgのRNA安定化されたルシフェラーゼmRNAを、ノナアルギニン(Arg9)またはポリ−L−アルギニン(シグマ・オールドリッチ;P4663;5000〜15000g/mol)と異なる質量比で混合し、こうすることによって複合体を形成した。((Arg)9)については、図示するように、好適な例として以下の質量比を使用した。上記と同じ指示にしたがって、比較例にはポリ−L−アルギニンを使用した。 また、(Arg)9ベースの別の複合化RNAを、以下のペプチドを複合化に用いて調製した。 R9:Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg R9H3:Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−His−His−His H3R9H3:His−His−His−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−His−His−His YSSR9SSY:Tyr−Ser−Ser−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Ser−Ser−Tyr H3R9SSY:His−His−His−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Ser−Ser−Tyr (RKH)4:Arg−Lys−His−Arg−Lys−His−Arg−Lys−His−Arg−Lys−His Y(RKH)2R:Tyr−Arg−Lys−His−Arg−Lys−His−Arg 複合化には、配列番号36によって表わされる4μgの安定化されたルシフェラーゼmRNA(Luc−RNActive)を、それぞれ上記の(式Iによって表わされる)ペプチドとモル比で混合し、こうすることによって複合体を形成した。その後、得られた溶液を、水で50μlの最終的な体積に調節し、室温で30分間培養した。使用した比率を下の表に示す。そして、トランスフェクションの1日前に、HeLa細胞(150×103/穴)を24穴のマイクロタイタープレートに播種し、トランスフェクション実施時に70%コンフルエントの状態にした。 (実施例4:HeLa細胞における、配列番号35または配列番号36によって表わされる安定化されたルシフェラーゼmRNA(Luc−RNActive)の、ノナアルギニン((Arg)9)によって媒介されるトランスフェクションおよび発現) トランスフェクションの1日前に、HeLa細胞(150×103/穴)を24穴のマイクロタイターのプレートに播種し、トランスフェクション実施時に70%コンフルエントの状態にした。トランスフェクションをするために、実施例3に開示した上記RNA/(ペプチド)溶液(40μl)50μlを、血清を含まない培地250μlと混合し、上記細胞(最終RNA濃度:13μg/ml)に添加した。トランスフェクション溶液の添加に先立って、上記HeLa細胞を、一穴について1mlのオプティメン(Optimen; Invitrogen)で穏やかかつ慎重に2度洗浄した。そして、上記トランスフェクション溶液(300μl/穴)を上記細胞に添加し、細胞を37℃で4時間培養した。その後、10%FCSを含んだ300μlのRPMI培地(Camprex)を各穴に添加し、上記細胞を37℃でさらに20時間培養した。上記トランスフェクション溶液を、トランスフェクションの24時間後に吸引によって排出し、上記細胞を300μlの溶解緩衝液(25mMのTris−PO4、2mMのEDTA、10%のグリセロール、1%のTriton−X100、2mMのDTT)に溶解させた。そして、その上清をルシフェリン緩衝液(25mMのグリシルグリシン、15mMのMgSO4、5mMのATP、62.5μMのルシフェリン)と混合し、ルミノメーター(Lumat LB 9507(Berthold Technologies, ドイツ、Bad Wildbad))を使って蛍光を検出した。これらの実験の結果を図8および図12〜図18に示す。 (実施例5:ノナアルギニン((Arg)9)またはポリ−L−アルギニン(比較例)を用いたRNA複合体の、トランスフェクション時の免疫活性化) a)トランスフェクション実験 健康なドナーの末梢血から得られたHPBMC細胞を、フィコール勾配を使って単離し、その後1xPBS(リン酸塩を緩衝液とする生理食塩水)で洗浄した。そして上記細胞を96穴のマイクロタイタープレート(200×103/穴)に播種した。上記hPBMC細胞を、実施例4に記載の手順で、10μlの上記RNA/ペプチド複合体(RNA最終濃度:6μg/ml、同量のRNAを使用)とともに、X−VIVO 15培地(BioWhittaker)(最終RNA濃度:10μg/ml)において24時間培養した。hPBMC細胞に対する免疫活性効果を、サイトカインの生成(インターロイキン6と腫瘍壊死因子α)を検出することによって測定した。したがって、ELISAマイクロタイタープレート(Nunc Maxisorb)を、特異的なサイトカイン抗体をさらに含んだ結合緩衝液(0.02%のNaN3、15mMのNa2CO3、15mMのNaHCO3、pH9.7)とともに一晩(o/n)培養した。そして1%のBSA(ウシ血清アルブミン)を含んだ1xPBSで細胞を封止した。上記細胞の上清を添加し、37℃で4時間培養した。その後、上記マイクロタイタープレートを1xPBSおよび0.05%のTween−20で洗浄し、ビオチンで標識した二次抗体(BD Pharmingen、ドイツ、ハイデルブルグ)と共に培養した。ストレプトアビジン結合した西洋わさびペルオキシダーゼを上記プレートに添加した。そして、そのプレートを、0.05%のTween−20を含んだ1xPBSで再度洗浄し、ABTS(2、2’−アジノ−ビス(3−エチル−ベンズチアゾリン−6−スルホン酸)を基質として添加した。サイトカインの量は、Sunrise ELISAリーダー(Tecan、ドイツ、クライルスハイム)を用いて組み換えサイトカイン(BD Pharmingen、ドイツ、ハイデルブルグ)と共に標準曲線を使用し、405nm(OD405)における吸収度を測定することによって決定した。 b)結果 i)ノナアルギニン((Arg)9)で複合化したRNAの免疫活性効果 i1)HPBMC細胞を、上記において開示したように、ノナアルギニン((Arg)9)で複合化したRNAとともに24時間培養した。ここで、RNA:(Arg)9の質量比は1:1であった。次に、上記細胞上清内におけるIL−6の生成量をELISAを使って測定した。その結果、HPBMC細胞のIL−6生成量は非常に大きかった。つまり、ノナアルギニン((Arg)9)(図5を参照)で複合化したRNAの免疫活性効果は非常に高かった。 i2)HPBMC細胞を、上記において開示したように、ノナアルギニン((Arg)9)で複合化したRNAとともに24時間培養した。ここで、RNA:(Arg)9の質量比は1:1であった。次に、上記上清細胞内におけるTHFαの生成量をELISAを使って測定した。その結果、HPBMC細胞のTNFα生成量は非常に大きかった。つまり、ノナアルギニン((Arg)9)(図6を参照)で複合化したRNAの免疫活性効果は非常に高かった。 ii)ノナアルギニン((Arg)9)またはポリ−L−アルギニンで複合化したRNAそれぞれの免疫活性効果の比較結果(比較例) hPBMCを、RNAの複合体およびノナアルギニン((Arg)9)またはポリ−L−アルギニンなどを用いて、異なるRNA:ノナアルギニンの質量比(1:10、1:8、1:5、1:2、1:1、2:1、5:1、8:1および10:1)の条件でそれぞれ24時間培養した。その後、TNFαの生成量をELISAを使って測定した。 有利な効果として、5:1(RNA:ノナアルギニン)未満の質量比の場合(1:10、1:8、1:5、1:2、1:1、2:1)(図7を参照)に、非常に高い免疫活性効果が観察された。RNA:ノナアルギニン質量比が5:1の場合には、観察されるTNFα生成量はあまり多くない。ノナアルギニン((Arg)9)またはmRNAを(図7の左側を参照)単独で使用した活性化実験についても、同じことが言える。 また、ノナアルギニン((Arg)9)(図7の右側を参照)と比較すると、ポリ−L−アルギニンによってmRNAを複合化することによって、TNFαの生成の誘引が大幅に減少する。さらに、観察によると、ポリ−L−アルギニンの濃度が高いと、ポリ−L−アルギニンがトランスフェクトされる細胞にとって有害であるようである。RNA:ポリ−L−アルギニンの質量比が1:2以下の場合、細胞が溶解するので特に有害なようである。 (実施例6:ノナアルギニン((Arg)9)またはポリ−L−アルギニンを用いたRNA複合体をトランスフェクトする際における、HeLa細胞におけるそれぞれのルシフェラーゼの発現(比較例)) a)ノナアルギニン((Arg)9)を用いたRNA複合体をHeLa細胞にトランスフェクトする際における、ルシフェラーゼの発現。異なる比率のノナアルギニンまたはポリ−L−アルギニンでそれぞれ複合化したルシフェラーゼをコードするRNActiveを、HeLa細胞にトランスフェクトした。24時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。RNA:ノナアルギニンの質量比は、2:1未満が有利なようである(図8を参照)。 b)比較すると、(高分子)ポリ−L−アルギニンで複合化しても、ルシフェラーゼ活性が高いレベルにまで増加することはないようである。したがって、(高分子)ポリ−L−アルギニンは、mRNA(図8参照)のトランスフェクションには適していないようである。 (実施例7:ヘプタアルギニン((Arg)7)を用いたRNA複合体をトランスフェクトする際における、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現(比較例)) 異なる比率のヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化したルシフェラーゼをコードするRNActiveを、HeLa細胞にトランスフェクトした。24時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。ヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化しても、ルシフェラーゼ活性が高いレベルにまで増加することはないようである。したがって、ヘプタアルギニン((Arg)7)は、mRNA(図9参照)のトランスフェクションには適していないようである。 (実施例8:ヘプタアルギニン((Arg)7)を用いたRNA複合体をトランスフェクトする際における免疫活性化(比較例)) a)トランスフェクション実験 ヘプタアルギニン((Arg)7)について、上述の実施例5の実験と同様にトランスフェクション実験を実施した。 b)ヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化したRNAの免疫活性効果の結果 i)HPBMC細胞を、上記において開示したように、ヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化したRNAとともに24時間培養した。ここで、RNA:(Arg)7の質量比は1:1であった。次に、細胞上清内におけるIL−6の生成量を、ELISAを使って測定した。その結果、HPBMC細胞のIL−6生成量は非常に大きかった。つまり、ヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化されたRNAの免疫活性効果は非常に高かった(図10参照)。 ii)HPBMC細胞を、上記において開示したように、ヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化したRNAとともに24時間培養した。ここで、RNA:(Arg)7の質量比は1:1であった。次に、細胞上清内におけるTHFαの生成量をELISAを使って測定した。その結果、HPBMC細胞のTNFα生成量は非常に大きかった。つまり、ヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化したRNAの免疫活性効果は非常に高かった(図11参照)。 (実施例9:トランスフェクション効率に対するヒスチジンの効果の決定) トランスフェクション効率に対するヒスチジンの効果を決定するために、ヒスチジン含有量の異なるペプチドを使って、上記トランスフェクション実験と同様にしてトランスフェクションを実施した。したがって、配列番号36によって表わされる安定化されたルシフェラーゼのmRNA(Luc−RNActive)4μgを、(式Iによって表わされる)それぞれのペプチド、特にR9、R9H3、またはH3R9H3とモル比で混合し、これにより複合体を形成した。その後、得られた溶液を、水で50μlの最終的な体積に調節し、室温で30分間培養した。各実験で使用した比率は1:10000、1:5000、および1:1000であった。そして、トランスフェクションの1日前に、HeLa細胞(150×103/穴)を24穴のマイクロタイタープレートに播種し、トランスフェクション実施時に70%コンフルエントの状態にした。トランスフェクトするために、50μlの上記RNA/(ペプチド)溶液を、血清を含まない培地250μlと混合し、上記細胞(最終RNA濃度:13μg/ml)に添加した。トランスフェクション溶液の添加に先立って、上記HeLa細胞を、一穴について1mlのオプティメン(Optimen; Invitrogen)で穏やかかつ慎重に2度洗浄した。そして、上記トランスフェクション溶液(300μl/穴)を上記細胞に添加し、細胞を37℃で4時間培養した。その後、10%FCSを含んだ300μlのRPMI培地(Camprex)を各穴に添加し、上記細胞を37℃でさらに20時間培養した。上記トランスフェクション溶液を、トランスフェクションの24時間後に吸引によって排出し、上記細胞を300μlの溶解緩衝液(25mMのTris−PO4、2mMのEDTA、10%のグリセロール、1%のTriton−X100、および2mMのDTT)に溶解させた。そして、その上清をルシフェリン緩衝液(25mMのグリシルグリシン、15mMのMgSO4、5mMのATP、62.5μMのルシフェリン)と混合し、ルミノメーター(Lumat LB 9507(Berthold Technologies, ドイツ、Bad Wildbad))を使って蛍光を検出した。 結果を図19に示す。図から読み取れるように、3個のヒスチジンを片方の末端に付加することによって、複合化RNAのトランスフェクション効率はすでに増加しており、3個のヒスチジンを両方の末端に付加すると、複合化RNAのトランスフェクション効率が大幅に増加する。 (実施例10:トランスフェクション効率に対する中性アミノ酸の効果の決定) トランスフェクション効率に対する中性アミノ酸の効果を決定するために、ペプチドH3R9CCSを使って、上記実施例9のトランスフェクション実験と同様にして別のトランスフェクション実験を実施した。これらの追加実験の結果を図20に示す。 (実施例11:hPBMCにおけるR9H3を用いた免疫活性化) hPBMCにおける免疫活性化に対するR9H3の効果を試験した。したがって、上述の実施例3のR9H3とRNAとの複合体を調製した。さらに、健康なドナーの末梢血から得られたHPBMC細胞を、フィコール勾配を使って単離し、その後1×PBS(リン酸塩を緩衝液とする生理食塩水)で洗浄した。そして上記細胞を96穴のマイクロタイタープレート(200×103/穴)に播種した。上記hPBMC細胞を、実施例4に記載の手順で、10μlの上記RNA/ペプチド複合体(最終RNA濃度:6μg/ml、同量のRNAを使用)とともに、X−VIVO 15培地(BioWhittaker)において24時間培養した。hPBMC細胞に対する免疫活性効果を、サイトカインの生成(インターロイキン6と腫瘍壊死因子α)を検出することによって測定した。したがって、ELISAマイクロタイタープレート(Nunc Maxisorb)を、特異的なサイトカイン抗体をさらに含んだ結合緩衝液(0.02%のNaN3、15mMのNa2CO3、15mMのNaHCO3、pH9.7)とともに一晩(o/n)培養した。そして1%BSA(ウシ血清アルブミン)を含んだ1×PBSで細胞を封止した。上記細胞の上清を添加し、37℃で4時間培養した。その後、上記マイクロタイタープレートを1×PBSおよび0.05%のTween−20で洗浄し、ビオチンで標識した二次抗体(BD Pharmingen、ドイツ、ハイデルブルグ)と共に培養した。ストレプトアビジン結合した西洋わさびペルオキシダーゼを上記プレートに添加した。そして、そのプレートを、0.05%のTween−20を含んだ1×PBSで再度洗浄し、ABTS(2、2’−アジノ−ビス(3−エチル−ベンズチアゾリン−6−スルホン酸)を基質として添加した。サイトカインの量は、Sunrise ELISAリーダー(Tecan、クライルスハイム、ドイツ)を用いて組み換えサイトカイン(BD Pharmingen、ドイツ、ハイデルブルグ)と共に標準曲線を使用し、405nm(OD405)における吸収度を測定することによって決定した。結果は図21および図22に示す。図から読み取れるように、RNA:R9H3の比が1:5000のときに、免疫活性化が非常に高かった。図1は、安定化されたルシフェラーゼのmRNA配列の配列を示し、ルシフェラーゼをコードする天然mRNAがポリA/ポリC−tag(A70−C30)によって修飾されている。この第1の構造物(CAP−Ppluc(wt)−muag−A70−C30、配列番号35)は、以下の配列因子を含んでいた。すなわち、αグロビン遺伝子からの安定化配列、3’末端部(ポリA−尾部)に位置する70のアデノシン、および3’−末端部(ポリC尾部)に位置する30のシトシンであり、シンボル =コードする配列 =αグロビン遺伝子の3’−UTR =ポリA−尾部 =ポリC尾部によって表わされている。図2は、安定化されたルシフェラーゼのmRNA配列の配列を示し、配列番号35(図1参照)によって表わされる上記構造物が、コドンをうまく使用するためにGC最適化配列によってさらに修飾されている。最終構造物(構造物CAP−Ppluc(GC)−muag−A70−C30、配列番号36)は、以下の配列因子を含んでいた。すなわち、コドンをうまく使用するためのGC最適化配列、αグロビン遺伝子からの安定化配列、3’末端部(ポリA−尾部)に位置する70のアデノシン、および3’−末端部(ポリC尾部)に位置する30のシトシンであり、シンボル =コードする配列 =αグロビン遺伝子の修飾3’−UTR =ポリA−尾部 =ポリC尾部によって表わされている。図3は、配列番号35(配列番号37)(図1参照)によって表わされる配列のコード配列を示す。図4は、配列番号36(配列番号38)(図2参照)によって表わされる配列のGC最適化コード配列を示す。GC最適化コドンには下線を引いた。図5は、hPBMC細胞においてノナアルギニン((Arg)9)で複合化されたRNAの免疫活性効果を、IL−6生成量を測定することによって示している。図から読み取れるように、hPBMC細胞のIL−6生成量は非常に大きい。つまり、ノナアルギニン((Arg)9)で複合化されたRNAの免疫活性効果は非常に高い。図6は、hPBMC細胞においてノナアルギニン((Arg)9)で複合化されたRNAの免疫活性効果を、TNFα生成量を測定することによって示している。図から読み取れるように、hPBMC細胞のTNFα生成量は非常に大きい。つまり、ノナアルギニン((Arg)9)で複合化されたRNAの免疫活性効果は非常に高い。図7は、hPBMCにおいてノナアルギニン((Arg)9)またはポリ−L−アルギニンで複合化されたRNAのそれぞれの免疫活性効果を、比較例において比較した結果を示す。有利な効果として、1:5(RNA:ノナアルギニン)未満の質量比の場合(1:10、1:8、1:5、1:2、1:1、2:1)に、非常に高い免疫活性効果が観察される。ただし、RNA:ノナアルギニン質量比が5:1の場合には、観察されるTNFα生成量はあまり多くない。ノナアルギニン((Arg)9)またはmRNAを単独で使用した活性化実験についても、同じことが言える。また、ノナアルギニン((Arg)9)と比較すると、mRNAをポリ−L−アルギニンで複合化することによって、TNFα生成の誘引が大幅に減少することが観察された。ポリ−L−アルギニンの濃度が高いと、そのポリ−L−アルギニンがトランスフェクトされる細胞にとって有害であるようである。ポリ−L−アルギニン:RNAの質量比が1:2以上の場合、細胞が溶解するので特に有害なようである。図8は、ノナアルギニン((Arg)9)を使ったRNAの複合体を、HeLa細胞にトランスフェクトすると発現するルシフェラーゼを示す。図8から読み取れるように、2:1(RNA:ノナアルギニン)未満の質量比が有利なようである。対照的に、(高分子)ポリ−L−アルギニンで複合化しても、低いルシフェラーゼ活性しか生じない。したがって、(高分子)ポリ−L−アルギニンは、mRNAのトランスフェクションには適していないようである。図9は、比較例において、ヘプタアルギニン((Arg)7)を使ったRNAの複合体を、HeLa細胞にトランスフェクトすると発現するルシフェラーゼを示す。図9から読み取れるように、ヘプタアルギニン((Arg)7)を使ったRNAの複合体をトランスフェクトしても、低いルシフェラーゼ活性しか生じない。したがって、ヘプタアルギニン((Arg)7)もmRNAのトランスフェクションには適していないようである。図10は、hPBMC細胞におけるヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化されたRNAの免疫活性効果を、IL−6生成量を測定することによって示している。図から読み取れるように、hPBMC細胞のIL−6生成量は非常に大きい。つまり、ヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化されたRNAの免疫活性効果は非常に高い。図11は、hPBMC細胞におけるヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化されたRNAの免疫活性効果を、TNFα生成量を測定することによって示している。図から読み取れるように、hPBMC細胞のTNFα生成量は非常に大きい。つまり、ヘプタアルギニン((Arg)7)で複合化されたRNAの免疫活性効果は非常に高い。図12は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、R9ペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。図13は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、R9H3ペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。図14は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、H3R9H3ペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。図15は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、YYYR9SSYペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。図16は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、H3R9SSYペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。図17は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、(RKH)4ペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。図18は、HeLa細胞におけるルシフェラーゼの発現に対する、Y(RKH)2Rペプチドで複合化されたRNAの効果を示す。図19は、トランスフェクション効率に対する、末端に位置するヒスチジンの効果を示す。図20は、トランスフェクション効率に対する、末端に位置する中性アミノ酸の効果を示す。図21は、hPBMCにおけるTNFαの分泌に対する、R9H3で複合化されたRNAの免疫活性効果を示す。図22は、hPBMCにおけるIL−6の分泌に対する、R9H3で複合化されたRNAの免疫活性効果を示す。 1つ以上のオリゴペプチドと複合化された少なくとも1つのRNA(分子)を包含する複合化RNAであって、 上記オリゴペプチドは8〜15アミノ酸の長さであり、かつ以下の実験式 (Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x (式I)によって表され、 上記実験式において、 l+m+n+o+x=8〜15であり、かつl、m、n、およびoは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および15から選択された任意の数値であり、Arg、Lys、His、およびOrnの総含有量が、上記オリゴペプチドの全てのアミノ酸の少なくとも50%に相当するように規定され; Xaaは、Arg、Lys、His、およびOrn以外の天然アミノ酸または非天然アミノ酸から選択された任意のアミノ酸であり;さらに xは、0、1、2、3、4、5、6、7、および8から選択された任意の数値であり、Xaaの総含有量が、上記オリゴペプチドの全アミノ酸の50%を超えないように規定される、複合化RNA。 上記少なくとも1つのRNA(分子)はmRNAである、請求項1に記載の複合化RNA。 上記オリゴペプチドは、8〜14、8〜13、8〜12、9〜12、または9〜11アミノ酸の長さである、請求項1または2に記載の複合化RNA。 上記Arg、Lys、His、およびOrnの総含有量が、上記複合化RNAの上記オリゴペプチドの全アミノ酸の少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%に相当している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合化RNA。 実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)x中のXaaが、疎水性の中性側鎖を有するアミノ酸および中性極性側鎖を有するアミノ酸を含む、中性側鎖を有するアミノ酸から選択されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合化RNA。 実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる上記オリゴペプチドが、酸性側鎖を有するアミノ酸を一方または両方の末端部に包含していない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合化RNA。 実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる上記オリゴペプチドが、 一方もしくは両方の末端部に中性アミノ酸もしくは塩基性アミノ酸を包含している、 一方もしくは両方の末端部に塩基性アミノ酸を包含している、または 両方の末端部に少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、さらに好ましくは少なくとも3つの、塩基性アミノ酸を包含している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合化RNA。 実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる上記オリゴペプチドが、その配列内部に、少なくとも3つの近接した塩基性アミノ酸の範囲を包含している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合化RNA。 実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる上記オリゴペプチドが、一方または両方の末端部に少なくとも1個、2個、または3個の非カチオン性アミノ酸を包含し、上記非カチオン性アミノ酸は、好ましくはヒスチジンから選択されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合化RNA。 上記複合化RNAの上記少なくとも1つのRNA(分子)がmRNAであり、上記mRNAは、治療上有効なタンパク質もしくはペプチド、免疫活性化タンパク質もしくはペプチド、腫瘍抗原、または抗体をコードしている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合化RNA。 上記RNAが修飾されたRNAであり、特に野生型RNAと比較して安定化したRNAである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合化RNA。 上記修飾されたRNAのコード領域のG/C含有量が、野性型RNAのコード領域のG/C含有量より多く、上記修飾されたRNAにコードされたアミノ酸配列が、好ましくは上記野性型RNAにコードされたアミノ酸配列と比較して修飾されていない、請求項11に記載の複合化RNA。 上記複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の、上記1つ以上のオリゴペプチドに対する質量比が、約1:100〜約1:0.5の範囲内にあるか、または約1:50〜約1:1、約1:100、約1:90、約1:80、約1:70、約1:60、約1:50、約1:45、約1:40、約1:35、約1:30、約1:25、約1:20、約1:15、約1:10、約1:5、約1:4、約1:3、約1:2、約1:1、もしくは約1:0.5の値である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合化RNA。 上記複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の、上記1つ以上のオリゴペプチドに対するモル比が、約1:20000〜約1:500もしくは1:250の範囲内にあるか、約1:10000〜約1:1000の範囲内にあるか、または約1:9500、約1:9000、約1:8500、約1:8000、約1:7500、約1:7000、約1:6500、約1:6000、約1:5500、約1:5000、約1:4500、約1:4000、約1:3500、約1:3000、約1:2500、約1:2000、約1:1500、約1:1000、約1:500、約1:450、約1:400、約1:350、約1:300、もしくは約1:250の値である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合化RNA。 上記複合化RNAの少なくとも1つのRNA(分子)の、上記1つ以上のオリゴペプチドに対する窒素/リン酸塩比(N/P比)が、約0.2〜50、約0.5〜50、または約0.75〜25の範囲内にある、請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合化RNA。 上記オリゴペプチドが、 Arg9His3、His3Arg9His3、TyrSerSerArg9SerSerTyr、His3Arg9SerSerTyr、(ArgLysHis)4、Tyr(ArgLysHis)2Argからなる群、または Arg8、Arg9、Arg10、Arg11、Arg12、Arg13、Arg14、Arg15、(配列番号1〜8); Lys8、Lys9、Lys10、Lys11、Lys12、Lys13、Lys14、Lys15、(配列番号9〜16); His8、His9、His10、His11、His12、His13、His14、His15、(配列番号17〜24);および Orn8、Orn9、Orn10、Orn11、Orn12、Orn13、Orn14、Orn15、(配列番号25〜32)から選択される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の複合化RNA。 請求項1〜16のいずれか1項に記載の複合化RNAを、必要に応じて、薬学的に適したキャリアと共に備えた薬学的組成物。 a.実験式(Arg)l;(Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる1つ以上のオリゴペプチドと複合化したRNAを少なくとも1つ包含する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の複合化RNAを、必要に応じて調製および/または準備するステップと、 b.ステップaによって調製および/または準備した複合化RNAを用いて、細胞、組織、または生体をトランスフェクトするステップとを包含する、細胞または生体をトランスフェクトするための方法。 上記生体が、ヒト、ヤギ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ロバ、サル、類人猿、ならびにマウス、ハムスター、およびウサギを含めた齧歯類からなる群より選択される哺乳類である、請求項18に記載の方法。 細胞または生体をトランスフェクトするための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の複合化RNAの使用。 腫瘍または癌疾患、循環器病、感染症、(感染性)ウイルス性疾患、自己免疫疾患、(単)遺伝子疾患、および/またはアレルギーから選択される疾病を治療するための薬剤を調製するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の複合化RNAの使用。 上記複合化RNAのトランスフェクションが、生体における免疫反応を誘引する、請求項21に記載の使用。 サイトカインもしくはサイトカインを含む組成物、および/または少なくとも1つの付加的なアジュバントもしくは少なくとも1つの付加的なアジュバントを含む組成物を備えた、請求項22に記載のキット。 本発明は、1つ以上のオリゴペプチドで複合化したRNAを少なくとも1つ包含した複合化RNAであって、上記オリゴペプチドが8〜15アミノ酸の長さであり、かつ実験式(Arg)l;(;Lys)m;(His)n;(Orn)o;(Xaa)xによって表わされる、複合化RNAに関する。本発明は、細胞または生体をトランスフェクトすることによって、本発明の複合化RNAを利用する方法にさらに関する。また、本発明の複合化RNAを細胞、組織、または生体にトランスフェクトするための、および/または免疫反応を調節するため、好ましくは免疫反応を誘引または亢進するための、本発明の複合化RNAの使用と、本発明の複合化RNAを包含した薬学的組成物およびキットを、ここに開示する。 配列表


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