生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_生物活性化合物およびその使用方法
出願番号:2007511090
年次:2007
IPC分類:C07D 493/08,C07D 493/10,C07H 15/18,A61K 36/53,A61K 36/00,A61K 31/7028,A61K 31/352,A61K 8/97,A61K 8/60,A61K 8/49,A61Q 19/00,A61P 35/00,A61P 29/00,A61P 31/00,A61P 13/08,A61P 11/06,A61P 17/06,A61P 9/08,A61P 9/00,A61P 17/00,A61P 9/10,A61P 27/02,A61P 17/02,A61P 13/12,A61P 31/04,A61P 31/12,A61P 31/10,A61P 35/04,A61P 35/02,A61P 25/00,A61P 37/02,A61P 1/04,A61P 19/06,A61P 19/02,A61P 19/00,A61P 37/08,A61P 31/14,A61P 31/20,A61P 31/18,A61P 31/16,A61P 31/22,A61P 31/06,A61P 31/08,A61P 33/04,A61P 33/06,A61P 33/02,A61P 33/10,A61P 33/12,A61P 33/14,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

ドン,ジガング ボーデ,アン ホー,チー−タン バイ,ネイシェン ドゥーシェンコフ,スラビック JP 2007535575 公表特許公報(A) 20071206 2007511090 20050502 生物活性化合物およびその使用方法 ラトガーズ,ザ ステイト ユニバーシティー オブ ニュー ジャージー 506365359 リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミネソタ 301078489 ウエルジェン,インコーポレーテッド 505031163 平木 祐輔 100091096 石井 貞次 100096183 藤田 節 100118773 ドン,ジガング ボーデ,アン ホー,チー−タン バイ,ネイシェン ドゥーシェンコフ,スラビック US 60/567,340 20040430 C07D 493/08 20060101AFI20071109BHJP C07D 493/10 20060101ALI20071109BHJP C07H 15/18 20060101ALI20071109BHJP A61K 36/53 20060101ALI20071109BHJP A61K 36/00 20060101ALI20071109BHJP A61K 31/7028 20060101ALI20071109BHJP A61K 31/352 20060101ALI20071109BHJP A61K 8/97 20060101ALI20071109BHJP A61K 8/60 20060101ALI20071109BHJP A61K 8/49 20060101ALI20071109BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20071109BHJP A61P 35/00 20060101ALI20071109BHJP A61P 29/00 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/00 20060101ALI20071109BHJP A61P 13/08 20060101ALI20071109BHJP A61P 11/06 20060101ALI20071109BHJP A61P 17/06 20060101ALI20071109BHJP A61P 9/08 20060101ALI20071109BHJP A61P 9/00 20060101ALI20071109BHJP A61P 17/00 20060101ALI20071109BHJP A61P 9/10 20060101ALI20071109BHJP A61P 27/02 20060101ALI20071109BHJP A61P 17/02 20060101ALI20071109BHJP A61P 13/12 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/04 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/12 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/10 20060101ALI20071109BHJP A61P 35/04 20060101ALI20071109BHJP A61P 35/02 20060101ALI20071109BHJP A61P 25/00 20060101ALI20071109BHJP A61P 37/02 20060101ALI20071109BHJP A61P 1/04 20060101ALI20071109BHJP A61P 19/06 20060101ALI20071109BHJP A61P 19/02 20060101ALI20071109BHJP A61P 19/00 20060101ALI20071109BHJP A61P 37/08 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/14 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/20 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/18 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/16 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/22 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/06 20060101ALI20071109BHJP A61P 31/08 20060101ALI20071109BHJP A61P 33/04 20060101ALI20071109BHJP A61P 33/06 20060101ALI20071109BHJP A61P 33/02 20060101ALI20071109BHJP A61P 33/10 20060101ALI20071109BHJP A61P 33/12 20060101ALI20071109BHJP A61P 33/14 20060101ALI20071109BHJP A23L 1/30 20060101ALI20071109BHJP JPC07D493/08 BC07D493/10 BC07D493/08 CC07H15/18A61K35/78 QA61K35/78 XA61K31/7028A61K31/352A61K8/97A61K8/60A61K8/49A61Q19/00A61P35/00A61P29/00A61P31/00A61P13/08A61P11/06A61P17/06A61P9/08A61P9/00A61P17/00A61P9/10A61P27/02A61P17/02A61P13/12A61P31/04A61P31/12A61P31/10A61P35/04A61P35/02A61P25/00A61P37/02A61P1/04A61P19/06A61P19/02A61P29/00 101A61P19/00A61P37/08A61P31/14A61P31/20A61P31/18A61P31/16A61P31/22A61P31/06A61P31/08A61P31/04 171A61P33/04A61P33/06A61P33/02A61P33/10A61P33/12A61P33/14A61P33/02 173A23L1/30 B AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW US2005015280 20050502 WO2006073457 20060713 110 20061222 4B018 4C057 4C071 4C083 4C086 4C088 4B018MD42 4B018MD48 4B018ME08 4B018MF01 4C057BB03 4C057DD01 4C057JJ19 4C071AA03 4C071AA04 4C071AA07 4C071AA08 4C071BB01 4C071BB02 4C071BB07 4C071CC11 4C071CC12 4C071CC13 4C071DD40 4C071EE02 4C071EE07 4C071FF17 4C071GG01 4C071HH05 4C071HH08 4C071KK17 4C071LL01 4C083AA111 4C083AA112 4C083AC841 4C083AC842 4C083CC02 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC06 4C083CC11 4C083CC12 4C083CC13 4C083CC23 4C083CC31 4C083CC38 4C083DD08 4C083DD21 4C083DD22 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD31 4C083DD38 4C083DD41 4C083EE11 4C083EE21 4C083FF01 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086CA01 4C086CA02 4C086EA04 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA05 4C086NA14 4C086ZA02 4C086ZA33 4C086ZA36 4C086ZA39 4C086ZA45 4C086ZA59 4C086ZA66 4C086ZA68 4C086ZA81 4C086ZA89 4C086ZA96 4C086ZB05 4C086ZB11 4C086ZB13 4C086ZB15 4C086ZB26 4C086ZB27 4C086ZB31 4C086ZB33 4C086ZB35 4C086ZC31 4C086ZC55 4C088AB38 4C088AC01 4C088BA08 4C088BA11 4C088BA13 4C088BA32 4C088CA03 4C088CA08 4C088CA09 4C088CA11 4C088CA14 4C088CA19 4C088NA14 4C088ZA33 4C088ZA36 4C088ZA39 4C088ZA45 4C088ZA59 4C088ZA66 4C088ZA68 4C088ZA81 4C088ZA89 4C088ZA96 4C088ZB05 4C088ZB11 4C088ZB13 4C088ZB15 4C088ZB26 4C088ZB27 4C088ZB31 4C088ZB33 4C088ZB35 4C088ZC31 4C088ZC55 本出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される2004年4月30日出願の米国仮出願第60/567,340号の利益を主張するものである。 本発明は、デプシドおよびジテルペノイド化合物と、例えば癌などの増殖性障害またはその症状を予防しまたは治療する方法に関する。デプシドおよび/またはジテルペノイド化合物を含む、医薬品、栄養補給食品、および化粧品組成物も包含する。 かつては冬凌草(Isodon rubescens)として知られたラブドシア・ルベッセンス(Rabdosia rubescens (Hemsl.) Hara (donglingcao))(シソ科)は、漢方薬である。R.ルベッセンス(R. rubescens)、およびこれと同じ属のその他の種の地上部は、熱および毒性を消し、「陰」に栄養を与え、うっ血を除去し、腫脹を緩和する機能を有することが観察された。 R.ルベッセンスは、胃痛、咽頭炎、咳、食道癌、乳癌、肝臓癌、および前立腺癌の治療に使用されている(Yu他, 1995, Oncology Reports 2(4): 571-575; Zhong Hua Ben Cao, 1999, vol.7, pp.150-514および553-561, Shanghai Science and Technology Press)。R.ルベッセンスは、生存者を増加させ、食道癌患者の副作用を低下させた(Wang他, 1993, Chung-Hua Chung Lin TSA Chin. 1993, 15(4), 300-302)。R.ルベッセンスは、PC−SPES、すなわち前立腺癌治療薬として推奨されるハーブ製剤に使用される8種の薬草の1つであり、米国特許第5,665,393号を参照されたい。 いくつかの研究では、R.ルベッセンスから生物医学的に有用な化合物を特定する試みが報告された。ルベセンシンA(オリドニン)およびルベセンシンB(ポニシジン)は、R.ルベッセンスの抽出物中で確認された2種の化合物であり、これらについて、生体外で癌細胞系に対する細胞毒性の試験をした。どちらの化合物も、抗血管新生性であることを示していた(Meade-Tollin他, 2004, Journal of Natural Products, 67(1): 2-4)。 本出願のこの章または任意のその他の章にある、任意の参考文献の引用または照合は、そのような参考文献を本発明の従来技術として利用可能であると認めたものと解釈すべきではない。 ある態様において、本発明は、被験者の癌などの増殖性障害またはその症状の、予防または治療に有用な化合物を提供する。 ある実施形態では、本発明は、以下に示す式Iを有する化合物、あるいは製薬上または生理学的に許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を提供する(式中、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、または(C1〜C12)アシルであり; R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシル、(C1〜C6)アルキル、または(C1〜C6)アルキルカルボキシルであり; R14およびR15は、それぞれ独立に、水素または(C1〜C6)アルキルである)。 いくつかの実施形態では、本発明は、以下に示す式IIによる化合物、あるいは製薬上または生理学的に許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を提供する(式中、R2、R3、R4およびR10は、上記式Iで定義した通りである)。 特定の実施形態では、本発明は、下記の構造を有する化合物を提供する。 ある実施形態では、本発明は、式IIIを有する化合物、あるいは製薬上または生理学的に許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を提供する(式中、Acはアセチルである)。 いくつかの実施形態では、化合物がルベセンシンO−1である。 別の態様では、本発明は、以下に示す式IVを有する化合物、あるいは製薬上または生理学的に許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を提供する(式中、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C12)アシル、糖、アセチル化糖、単糖、アセチル化単糖、二糖、またはアセチル化二糖である)。 いくつかの実施形態では、本発明は、下記の式Vを有する化合物、あるいは製薬上または生理学的に許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を提供する(式中、R1、R2、およびR3は、式IVで定義した通りである)。 いくつかの実施形態では、本発明は、下記の構造を有する化合物を提供する。 本発明は、本発明の複数のジテルペノイドおよび/またはデプシド化合物を含む組成物も提供する。一般にこの組成物は、ラブドシア・ルベッセンス植物の解剖学上の部分など、そのような化合物の天然源ではない。一態様では、本発明の組成物は、式I、II、および/またはIIIの化合物の1種または複数を含めたジテルペノイド、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物の混合物を含み、ただし(i)組成物中のジテルペノイドの濃度は、ジテルペノイドの天然源の場合とは異なり;かつ/または(ii)組成物中の1種のジテルペノイドの濃度と組成物中の別のジテルペノイドの濃度との比は、ジテルペノイド化合物の天然源の場合とは異なるものである。 別の態様では、本発明の組成物は、式IVおよび/または式Vの化合物の1種または複数を含めたデプシド、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を含み、ただし(i)組成物中のデプシドの濃度は、デプシドの天然源の場合とは異なり;かつ/または(ii)組成物中の1種のデプシドの濃度と組成物中の別のデプシドの濃度との比は、デプシド化合物の天然源の場合とは異なるものである。 そのような組成物は、例えば、本発明の少なくとも1種の特定のジテルペノイドまたはデプシドが選択的に除去され、保持され、または濃縮されるように、ラブドシア・ルベッセンスの天然源を処理することによって調製することができる。あるいは、1種または複数の精製されたジテルペノイドまたはデプシドを使用して、そのような組成物を作製することができる。そのような組成物は、例えば、本発明のジテルペノイドまたはデプシドの天然源または処理した形の天然源に、ある量の本発明の少なくとも1種のジテルペノイドまたはデプシドを添加することによって調製することもできる。 一実施形態では、本発明は、複数の有機溶媒でラブドシア・ルベッセンスのバイオマスなどの天然源を抽出し、抽出剤と合成吸着樹脂とを接触させ、樹脂を複数の有機溶媒で溶離し、本発明のジテルペノイドおよび/またはデプシドを含んだ画分を収集することによって調製された組成物を提供する。 様々な実施形態では、本発明の組成物は、式I、II、III、IV、および/または式Vを有する化合物を含むことができ、ただし式I、II、III、IV、および/または式Vを有する化合物の1種または複数の濃度は、化合物の天然源の場合よりも増加または減少している。 さらに別の態様では、本発明は、本発明の1種または複数のジテルペノイドおよび/またはデプシド化合物または組成物を含んだ栄養価のある組成物も提供する。さらに別の態様では、本発明は、本発明の1種または複数のジテルペノイドおよび/またはデプシド化合物または組成物を含んだ化粧品組成物も提供する。一実施形態では、本発明の栄養補給食品組成物および化粧品組成物を、天然源から調製する。 栄養補給食品組成物には、ラブドテルニンA、ルベセンシンM、ルベセンシンJ、ラブドテルニンB、およびラブドテルニンC、セクション6(実施例)に記載されるルベセンデプシド、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物が含まれるがこれらに限定することのない式I、II、III、IVおよび/または式Vを有する1種または複数のジテルペノイドおよび/またはデプシド化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和化合物を含むことができる、食品添加物、栄養補助サプリメント、および食品組成物が含まれるが、これらに限定するものではない。ある実施形態では、そのような組成物中の、あるジテルペノイドおよび/またはデプシドの割合は、天然源の場合と異なる。 別の実施形態では、本発明は、本発明の1種または複数のジテルペノイドおよび/またはデプシド化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を含む医薬組成物も提供する。本発明は、上記組成物のジテルペノイドおよび/またはデプシド化合物の他に、本発明の1種または複数の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物と、1種または複数の予防薬または治療薬とを含んだ医薬組成物も提供する。ある実施形態では、医薬組成物は、有効量の本発明の1種または複数の化合物と、製薬上許容される担体、希釈剤、ビヒクル、または賦形剤とを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、被験体への非経口、経皮、粘膜、経鼻、口腔、直腸、舌下、または経口投与に適している。 別の態様では、本発明は、増殖性障害、例えば癌やその症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させる必要のある被験体、好ましくはヒトの、増殖性障害、例えば癌やその症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法を提供する。ある実施形態では、この方法は、予防上または治療上有効な量の本発明の化合物またはその組成物を被験体に投与し、それによって障害を予防し、治療し、管理し、または寛解させることを含む。ある実施形態では、この方法は、障害の症状を管理することによって、または症状または障害に伴う不快感、例えば痛みを低減することによって、有益な結果を提供する。いくつかの実施形態では、予防され、治療され、管理され、または寛解される増殖性障害は、乳癌、結腸癌、食道癌、肝臓癌、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、卵巣癌、皮膚メラノーマ、またはこれらの症状である。 さらに別の態様では、本発明は、炎症性障害あるいは1種または複数のその症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法であって、それを必要とする被験体に、予防上または治療上有効な量の本発明の1種または複数の化合物を投与することを含む方法を提供する。この方法は、発赤や腫脹、浮腫、熱感、アレルギー反応などであるがこれらに限定することのない被験体の炎症の症状を緩和し、または炎症の症状に伴う不快感を低減させるのに有用である。 さらに別の態様では、本発明は、感染症あるいは1種または複数のその症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法であって、それを必要とする被験体に、予防上または治療上有効な量の本発明の1種または複数の化合物を投与することを含む方法を提供する。 本発明の化合物および組成物の投与は、例えば、本発明の医薬品、栄養補給食品組成物、または化粧品組成物の1種または複数を通して行うことができる。本発明は、併用療法およびプロトコルも提供する。 ある実施形態では、本発明は、癌またはその症状を予防しまたは治療するのに有効な量のルベセンシンJまたはルベセンデプシドを投与することを含む、癌またはその症状を予防しまたは治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、癌またはその症状を予防しまたは治療するための方法であって、ルベセンシンM、ラブドテルニンA、ラブドテルニンB、またはラブドテルニンCからなる群から選択された有効量の化合物を投与することを含み、それによって癌またはその症状を予防しまたは治療する方法を提供する。一態様では、本発明は、腫瘍増殖を阻害するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、この方法は、ルベセンシンJ、ルベセンシンO−1、ルベセンデプシド、ルベセンシンM、ラブドテルニンA、ラブドテルニンB、またはラブドテルニンCからなる群から選択された化合物を含む組成物を投与することを含む。 別の態様では、本発明は、1つまたは複数の容器内に、本発明の化合物、組成物、医薬組成物、栄養補助サプリメント、食品添加物、または食品組成物を含む製品を提供する。 3.1 用語および略語 本明細書で使用する「a」または「an」という用語は、他に明示しない限り、少なくとも1つを意味する。「約」という用語は、他に特に指示しない限り、この用語が修飾する値の上下10%以下の値を指す。例えば、「約5%(w/w)」という用語は、4.5%(w/w)から5.5(w/w)の範囲を意味する。 本明細書で使用する「化合物」および「本発明の化合物」という用語は、他に特に指示しない限り。 本明細書で使用する「組成物」および「本発明の組成物」という用語は、他に特に指示しない限り、同義で使用される。他に特に指示しない限り、この用語は、医薬組成物、栄養補給食品組成物、および化粧品組成物を包含し、かつこれに限定しないものとする。 本発明の化合物が天然源で生ずる場合、「組成物」および「本発明の組成物」という用語は、化合物の天然源を含むものではないが、本発明のある実施形態では、物理的および/または化学的に修正された形の天然源を包含することができると考えられる。例えば、植物から化合物を得ることができる場合、この用語は、植物または植物の解剖学上の部分を包含するものではないが、植物または植物の部分の粉末または溶媒抽出物は、本発明の組成物にすることができる。 本明細書で使用する「天然源」という用語は、自然環境で生ずる材料を指し、1種または複数の生物学的実体を含んでよい。例えば天然源は、植物、動物、植物または動物の解剖学上の部分、微生物、種々の植物、動物、および/または微生物の混合物、あるいは環境サンプルであることができる。天然源中に存在する生物学的実体は、必ずしも分類しまたは特徴付ける必要はない。この用語は、他の異なる化合物に対して1種または複数の特定の化合物を選択的に除去せずまたは保持しないプロセスによって、自然環境で生ずるものから直接調製された組成物も指す。 以下の略語を本明細書では使用し、また以下の略語には指示されるような定義がある:Acはアセチルであり、AP−1は活性化タンパク質−1であり、COSYは等核相関オーバーハウザー分光法であり、DMSOはジメチルスルホキシドであり、DPPHは1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドロキシルであり、DEPTは偏極移動分光法による無ひずみ強化であり、EIMSは電子イオン化質量分析であり、Etはエチルであり、FTはフーリエ変換であり、GCはガスクロマトグラフィーであり、gCOSYは勾配選択COSYであり、HPLCは高性能液体クロマトグラフィーであり、HMBCは異核多重結合相関であり、HMQCは異核多量子干渉であり、HRFABは高分解能高速原子衝撃であり、IRは赤外分光法であり、NMRは核磁気共鳴分光法であり、NOESYは核オーバーハウザー効果分光法であり、LCは液体クロマトグラフィーであり、Meはメチルであり、MSは質量分析であり、MTSは3−(4,3−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウムであり、PTLCは分取薄層クロマトグラフィーであり、ROESYは回転座標オーバーハウザー強化分光法であり、TLCは薄層クロマトグラフィーであり、TMSはトリメチルシリルであり、TOCSYは全オーバーハウザー相関分光法であり、UVは紫外線である。 本発明は、ラブドシア・ルベッセンス中に確認された1種または複数の生物学的に活性な化合物と、その使用に関する。開示を明確にするために、また限定を目的とすることなく、本発明の詳細な説明は、以下に示すいくつかのサブセクションに分割される。 化合物の構造と、本発明の化合物および組成物の作製方法について、それぞれセクション5.1および5.2に記述する。栄養補給食品組成物、医薬組成物、および化粧品組成物を含むがこれらに限定することのない、本発明の1種または複数の生物学的に活性な化合物を含む本発明の組成物については、セクション5.3から5.6に詳細に記述する。本発明の化合物および組成物を使用するための例示的な方法は、セクション5.7、5.8、5.10、およびこれらのサブショクションに記述する。 5.1 本発明の化合物 本発明の化合物について記述するとき、下記の用語は、他に特に指示しない限り下記の意味を有する。 「アシル」という用語は、カルボニル置換基を有するアルキルを指す。 「アルキル」という用語は、他に特に指示しない限り、指定された数の炭素原子を有する(すなわちC1〜C6は、1から6個の炭素を意味する)飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖または環状炭化水素残基、あるいはこれらの組合せを意味する。「アルキル」は、メチルやエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、オクチル、デシル、ドデシルなどの基によって例示される。 「アルキルカルボキシ」は、本明細書ではCOOR基を指すのに使用され、このときRは、上記にて定義されたアルキルである。 「溶媒和物」は、非共有結合の分子間力によって結合された化学量論的または非化学量論的な量の溶媒をさらに含む、本発明の化合物を指す。溶媒が水の場合、溶媒和物は水和物である。 一態様では、本発明は、式Iを有する化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を包含する(式中、R1からR15は、以下に定義する通りである)。 R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、または(C1〜C12)アシルである。ある実施形態では、R1、R2、R3、およびR4は、水素、メチル、エチル、アセチル、およびプロピオニルからなる群からそれぞれ独立に選択される。好ましい実施形態では、R1、R2、R3、およびR4が水素である。 R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシル、(C1〜C6)アルキル、または(C1〜C6)アルキルカルボキシルである。 ある実施形態では、R5〜R13はそれぞれ独立に、水素または(C1〜C6)アルキルである。 いくつかの実施形態では、R5〜R13は、水素、メチル、およびエチルからなる群からそれぞれ独立に選択される。 いくつかの実施形態では、R5〜R13の少なくとも4つが水素である。 好ましい実施形態では、R5〜R13が水素である。 ある実施形態では、R1〜R13が水素である。 R14およびR15は、それぞれ独立に、水素または(C1〜C6)アルキルである。ある実施形態では、R14およびR15がメチルである。いくつかの実施形態では、R14およびR15が水素である。 ある実施形態では、本発明は、上記にて定義された式Iを有する単離された化合物を提供する。 ある実施形態では、本発明は、式IIを有する化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を提供する(式中、R2、R3、R4、およびR10は、上記式Iで定義した通りである)。 いくつかの実施形態では、化合物は、ルベセンシンJ、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物である。 いくつかの実施形態では、本発明は、上記にて定義された式IIを有する単離された化合物を提供する。 式IIを有するこれら化合物の、説明的な例は、以下に示す化合物と、製薬上許容されるその塩および溶媒和物である。 上述の表に具体的に示されていない残基は、特に指示しない限り、水素であることが理解される。 一態様では、本発明は、式IIIを有する化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を提供する。 いくつかの実施形態では、化合物は、ルベセンシンO−1あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物である。 ある実施形態では、本発明は、上記にて定義された式IIIを有する単離された化合物を提供する。 一態様では、本発明は、式IVを有する化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を包含する(式中、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C12)アシル、単糖、アセチル化単糖、二糖、またはアセチル化二糖である)。 式IVの、ある実施形態では、R1〜R4がそれぞれ独立に、水素、メチル、エチル、アセチル、プロピオニル、単糖、または二糖である。 いくつかの実施形態では、R1〜R4は水素である。 いくつかの実施形態では、R1〜R3が水素であり、R4が単糖または二糖である。 いくつかの実施形態では、式IVの化合物が、(E)アルケンジアステレオマーである。 いくつかの実施形態では、式IVの化合物が、(Z)アルケンジアステレオマーである。 ある実施形態では、本発明は、上記にて定義された式IVを有する単離された化合物を提供する。 ある実施形態では、化合物は、式V、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を有する。 いくつかの実施形態では、R1、R2、およびR3が、水素、(C1〜C6)アルキル、または(C1〜C12)アシルである。 いくつかの実施形態では、化合物は、ルベセンデプシドあるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物である。 ある実施形態では、本発明は、上記にて定義された式Vを有する単離された化合物を提供する。 一態様では、本発明は、ルベセンシンN、ルベセンシンM、ラブドテルニンA、ラブドテルニンB、およびラブドテルニンCからなる群から選択された化合物を包含する。 ある実施形態では、本発明のジテルペノイドおよびデプシド化合物が単離される。 同じ分子式を有するが、その原子の結合の性質または順序あるいは空間内でのその原子の配置が異なる化合物を、「異性体」と呼ぶことも理解される。空間内でのその原子の配置が異なる異性体を、「立体異性体」と呼ぶ。互いの鏡像ではない立体異性体を「ジアステレオマー」と呼び、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体を「エナンチオマー」と呼ぶ。化合物が不斉中心を有する場合、例えば4個の異なる基に結合する場合、1対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置によって特徴付けることができ、Cahn、Ingold、およびPrelog(INPAC compendium of chemical terminology 2nded., 1997)のR−およびS−順位規則により記述され、あるいは分子が偏光平面を回転させる手法によって特徴付けられ、右旋性または左旋性(すなわち、それぞれ(+)または(−)異性体)と表される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーとしてまたはそれらの混合物として存在することができる。エナンチオマーを等しい割合で含有する混合物は、「ラセミ混合物」である。 本発明の化合物は、1種または複数の不斉中心を有することができ;したがってそのような化合物は、個々の(R)−または(S)−立体異性体としてあるいはそれらの混合物として生成することができる。他に特に指示しない限り、この明細書および特許請求の範囲における特定の化合物の種類または命名は、個々のエナンチオマーとそれらの混合物との両方を、そのラセミ体であろうとなかろうと含むものとする。立体化学的性質の決定および立体異性体の分離は、当技術分野で周知である。 一実施形態では、本発明は、本明細書に記述されたすべての化合物のラセミ体、あるいはR−またはS−エナンチオマーを含む。エナンチオマーはそれぞれ、他のエナンチオマーを実質的に含まない形で(例えば、少なくとも75%フリー(w/w)、少なくとも90%フリー(w/w)、または少なくとも99%フリー(w/w))、または混合物(例えばラセミ混合物)として提供することができる。 5.2 本発明の化合物の作製方法 一実施形態では、本発明の化合物は、天然源から抽出することができる。典型的な場合、天然のまたは乾燥した形をした植物の花の部分のような天然源またはその好ましい部分を、直接使用することができ、あるいは溶媒との表面接触を最大にするために、微粉砕し、粉砕し、または粉末化して、微粉末にすることができる。しかし本発明の方法は、かなりの量の本発明の化合物を含有する任意の既知の天然源、植物、またはバイオマスに関して用いることができる。ラブドシア・ルベッセンスは、好ましい出発材料である。 本発明の例示的な方法によれば、ラブドシア・ルベッセンスの地上部を乾燥させ、粉砕して粉末にする。次いでバイオマス中の本発明の化合物を溶液中に入れるのに十分な水混和性溶媒に、バイオマスを接触させることが好ましい。溶媒抽出は、室温でまたは高温で、通常は約3℃から約80℃で、超音波処理と共にまたは超音波処理なしで実施することができる。適切な溶媒には、アセトンおよびエタノールが含まれるが、これらに限定するものではない。メタノールまたはイソプロパノールを使用してもよいが、一般に、ヒトの食物に利用する組成物の調製ではそれほど望ましくない。使用することができるその他の溶媒には、四塩化炭素、シクロヘキサン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル、ブタノール、n−プロパノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ピリジンなどが含まれるが、これに限定するものではない。2種以上の溶媒の混合物を使用することができる。 バイオマス:溶媒の比は、バイオマス1kg当たりの抽出溶媒が最小で約10から30Lであるべきである。次いで溶液中の本発明の化合物および不溶性不純物を、濾過や遠心分離などの任意の従来の手段によって分離し、蒸発器により濃縮し、真空乾燥または噴霧乾燥によって乾燥し、その結果、本発明の化合物を含む粗製抽出物を生成することができる。 一実施形態では、本発明は、ヘキサンおよび/またはn−ブタノールなどであるがこれに限定することのない1種または複数の有機溶媒を用い、ラブドシア・ルベッセンスのバイオマスのような天然源を抽出することによって調製された、乾燥重量が約2%から10%、好ましくは乾燥重量が約5%の出発バイオマスを含む抽出組成物を提供する。組成物は、約20%から25%のジテルペノイドと約1%から10%のデプシドを含む。 別の実施形態では、本発明は、合成ポリマー樹脂を使用する逆相液体クロマトグラフィーを含めたクロマトグラフィーを含む、本発明のジテルペノイドおよびデプシドを富化(濃縮)する方法を提供する。クロマトグラフィーに好ましい固定相は、ジビニルベンゼンなどのポリビニル芳香族炭化水素と架橋したスチレンなどのビニル芳香族化合物のポリマーを含む。これらの有機ポリマー固定相は、小さくて極めて硬いマクロ孔質粒子をもたらすプロセスによって作製される。架橋アクリルポリマーも、ポリビニルアルコール(アルキル化または非アルキル化)のように、逆相液体クロマトグラフィーの固定相として有用である。RPLCに適切な固定有機相は、市販されている。例えばスチレンおよびアクリル固定相は、Diaion(商標)またはSepabeads(商標)という商標で三菱化学から、またAmberlite(商標)という名称でRohm and Haas Company、Philadelphia、Pa.から入手可能である。スチレン固定相は、Amberchrom(商標)という商標でTossohass、Montgomeryville、Pa.からも入手可能である。また、本発明のクロマトグラフィープロセスには、ポリアミド樹脂(例えばナイロン)、ポリエステル樹脂、およびフェノール樹脂も好ましい。 多くの有機溶媒は、液体クロマトグラフィーに適切な移動相または溶離液である。メタノールやエタノール、プロパノールなどの低級アルコール、ならびにアセトニトリルなどのニトリルは、有機溶離液として適している。アセトンやメチルエチルケトン、ジエチルケトンなどの低級脂肪族ケトン、ならびにテトラヒドロフランなどの環状エーテルを使用することもできる。ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、および酢酸エチルなどの酢酸のアルキルエステルも、使用することができる。そのような溶媒が様々な割合で含まれる混合物は、さまざまな極性の溶媒で溶離しまたはカラムを洗浄することが望まれる場合に使用することができる。水とアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−およびsec−ヘキサノールとの混合物である水性溶媒は、ある実施形態では様々な組成物の溶離液を使用して実施される本発明のクロマトグラフィープロセスの移動相または溶離液として、特に有用である。したがって、カラムに利用される水性溶媒の体積である溶離体積は、2つ以上の勾配体積を有する勾配溶離液にすることができ、その組成は同じまたは異ならせることができ、あるいは勾配溶離液の組成は、溶離中に連続的に変化させることができる。勾配溶離液である溶離体積の組成は、溶離中に段階的に、線形的に、S字状に、指数関数的に、対数的に、放物線状に、または双曲線状に変えることができる。勾配溶離液の濃度限界は、固定相から生成物を溶離するのに必要な極性有機溶媒の濃度によって、また必要な濃度で単一相が形成されるように極性有機溶媒が混和性になる要件によって決定される。 本発明のある実施形態では、溶離体積中の初期アルコール濃度は10体積%(10vol%)以下であり、分離および精製が進むにつれて増加する。本発明を実施するのに使用される液体クロマトグラフィーシステムは、分取用または分析用でよい。分取用カラムは、より大きいローディング容量を有し、典型的にはそのサイズが大きい。液体クロマトグラフィーカラムの寸法、カラムのローディング、温度、および流量に関しては、当業者なら、主に当技術分野で知られている実用上の問題に基づいて、これらのパラメータが変わることがわかるであろう。例えば溶離液の流量は、カラムの寸法、所望の分離の程度、固定相の粒径、およびカラム内の逆圧に応じて調節される。分離は典型的な場合、20℃から30℃で実施される。しかし、約45℃までの温度を使用することができる。分離は、高圧(500〜200psi)でまたは中圧(100〜500psi)で、または好ましくはより低い圧力(10〜100psi)で実施してよい。使用前に、コンディショニング体積のコンディショニング液で、好ましくは水性溶媒で、より好ましくは水でカラムを溶離することによって、液体クロマトグラフィーカラムをコンディショニングすることができる。コンディショニング体積は、好ましくは約1から約10カラム体積の間である。問題の化合物を含有する抽出物は、溶液、スラリ、または本発明の化合物を含有する抽出組成物から水性溶媒、好ましくはアルコールを蒸発させることによって得られたローディング濃縮物として、好ましくコンディショニングされたクロマトグラフィーカラムに利用する。処理される抽出組成物が固体である場合、適切な固体担体、例えば処理されまたは未処理のシリカゲルと混合してよく、その固体混合物を、固体支持体の上部に置く。カラムのローディングは、カラムを通して溶液、スラリ、またはローディング濃縮物を溶離することにより実現され;あるいは処理される生成物をシリカゲルと混合した場合、カラムをローディング溶離体積で溶離することによって実現される。溶液、スラリ、ローディング濃縮物、またはローディング溶離体積の溶離の後、カラム固定相への投入に使用される溶液、スラリ、またはローディング濃縮物の水性溶媒と同じ組成を有する水性溶媒を含む洗浄溶離体積で溶離することが好ましい。洗浄溶離体積は、1種を使用する場合、約1から約10カラム体積の間であることが好ましい。 特定の実施形態では、方法は、水溶液中あるいはメタノールまたはエタノール中にあるラブドシア・ルベッセンスの抽出物などの天然源の抽出組成物と、ポリアミド部分またはスチレン−ジビニルベンゼン部分を含む合成ポリマー樹脂とを、本発明のジテルペノイドおよび/またはデプシドがポリマー樹脂に吸着されるのに十分な時間接触させるステップと、この樹脂を、1種または複数の溶媒で溶離するステップと、本発明のジテルペノイドおよび/またはデプシドを含む画分を収集するステップとを含む。本発明のジテルペノイドおよび/またはデプシドを抽出し、濃度を高めるための例示的な方法を、セクション6および7に示す。 特定の実施形態では、本発明の化合物は、超臨界流体抽出技法を天然源に利用することによって、選択的に除去し、富化し、または維持することができる。一般に二酸化炭素を利用するこの技法は、特にヒトが消費する食品および薬物を調製するための分野で知られている。例えば、その開示全体を参照により本明細書に援用するHamburger他, Phytochemical Analysis (2004), 15(1), 46-54; Simandi他, Recents Progres en Genie des Procedes (1999) 13(71), 157-164を参照されたい。メタノールやエタノールなどの共溶媒(5%から15%)を、極性化合物の溶解度を高める技法に使用してもよい。したがって一実施形態では、本発明は、天然源から超臨界二酸化炭素抽出を介して得られた本発明の1種または複数のジテルペノイドおよび/またはデプシドを含む組成物を包含する。そのような組成物は、ラブドシア・ルベッセンスの抽出物または地上部などの本発明の化合物を含むバイオマスを、本発明の特定のジテルペノイドおよびデプシドを選択的に抽出する条件も含めた本発明のジテルペノイドおよびデプシドを抽出する時間および圧力(二酸化炭素の臨界圧から約100、200、300、400、500バール、および約800バールまで)および温度(約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃から約80℃)で超臨界二酸化炭素により処理するステップと、抽出された化合物を収集するステップとを含むプロセスによって生成される。 別の実施形態では、本発明の化合物は、化学的に合成することができる。本発明のジテルペノイドおよびデプシド化合物は、以下の例示的な一般的方法および手順を使用して、容易に入手可能な出発材料から調製することができる。ent−カウレン主鎖を得るための生合成経路の例を、図1に示す。典型的なまたは好ましいプロセス条件(例えば反応温度、時間、反応物質のモル比、溶媒、圧力など)が与えられた場合、他に特に指示しない限り、その他のプロセス条件を使用することもできることが理解されよう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物質または溶媒に応じて変えてよいが、そのような条件は、日常的な最適化手順によって当業者が決定することができる。 さらに、当業者に明らかなように、従来の保護基は、ある官能基が望ましくない反応を受けるのを防ぐのに必要である可能性がある。特定の官能基に適切な保護基、ならびに保護および脱保護に適切な条件として何を選択するかは、当技術分野で周知である。例えば、数多くの保護基とその導入および除去は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts, Protecting Groups in Organic Synthesis, 第3版, Wiley, New York, 1999とそこに引用されている参考文献に記載されている。 いったん合成したら、本発明の化合物を、例えばクロマトグラフィー(例えばフラッシュカラムクロマトグラフィーやHPLC)や再結晶、溶解度差などの標準的な精製技法を使用して、化学的前駆体またはその他の化学物質から単離することができる。 5.3 本発明の組成物 本発明は、セクション5.1で述べたような本発明の1種または複数の化合物を含む組成物を提供する。 一実施形態では、本発明は、本発明の化合物を含む組成物を提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の単離された化合物を含む組成物を提供する。化学的に合成される本発明の化合物という文脈において本明細書で使用される「単離された」という用語は、化学的前駆体を実質的に含まない化合物を指す。特定の実施形態では、化合物は、他の異なる化合物の60%、65%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%(乾燥重量で)である。 別の実施形態では、本発明は、本発明の複数の化合物を含む組成物も提供する。例えば本発明の組成物は、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、または10種以上の本発明の化合物を含むことができる。特定の実施形態では、組成物中の化合物を、個々に精製しまたは一緒に精製する。 本発明の組成物は、本発明の化合物の天然源を包含しない。そのような化合物の天然源の例には、ラブドシア・ルベッセンス植物、地上部や花の部分などのラブドシア・ルベッセンス植物の解剖学的部分、その他の密接な関係のあるラブドシア種およびその解剖学的部分が含まれる。 化合物の天然源は、自然の形の植物またはその解剖学的部分であることができるが、例えば微粉砕されたラブドシア・ルベッセンス植物またはその部分など、植物中に存在するその他の化合物に対して1種または複数の特定のジテルペノイドおよびデプシド化合物を選択的に除去せずまたは維持しないプロセスにより、植物またはその部分から直接調製された組成物を含むこともできる。 「単離された」という用語は、天然源、例えば植物から得ることができる本発明の化合物という文脈で使用する場合、天然源からの汚染物質、例えば土壌粒子、鉱物、環境からの化学物質、および/または細胞残屑や細胞壁物質、膜、細胞小器官、細胞中に存在する大半の核酸、炭水化物、タンパク質、および/または脂質などであるがこれらに限定することのない天然源からの細胞物質を、実質的に含まない化合物を指す。「天然源物質を実質的に含まない」という文言は、そこから単離される、細胞の細胞成分から分離された化合物の調製を指す。したがって、単離された化合物は、細胞物質および/または汚染物質を約30%、20%、10%、5%、2%、または1%(乾燥重量で)未満有する化合物の調製物を含む。 ある実施形態では、本発明の組成物は、式I、II、および/または式IIIの化合物の1種または複数を含むジテルペノイド、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を含み、(i)この組成物中のジテルペノイドの濃度は、ジテルペノイドの天然源の濃度とは異なり、かつ/または(ii)組成物中の少なくとも1種のジテルペノイドの濃度と別のジテルペノイドの濃度との比は、ジテルペノイド化合物の天然源中に見出される比とは異なっている。例えば、ジテルペノイドの1種の濃度の2倍の増加または減少を使用して、本発明の組成物と天然源とを区別することができる。 そのような組成物は、例えば、少なくとも1種の特定のジテルペノイドが選択的に除去されまたは富化されまたは維持されるように、ジテルペノイドの天然源を処理することによって調製することができる。あるいは、1種または複数の精製されたジテルペノイドを、そのような組成物の作製に使用することができる。そのような組成物は、例えば、ある量の本発明の少なくとも1種のジテルペノイドを、ジテルペノイド化合物の天然源に添加することによって調製することもできる。 ある実施形態では、本発明の組成物は、式IVおよび/または式Vの化合物の1種または複数を含むデプシド、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を含み、(i)この組成物中のデプシドの濃度は、ジテルペノイドの天然源の濃度とは異なり、かつ/または(ii)組成物中の1種のデプシドの濃度と別のデプシドの濃度との比は、デプシド化合物の天然源中に見出される比とは異なっている。例えば、デプシドの1種の濃度の2倍の増加または減少を使用して、本発明の組成物と天然源とを区別することができる。 そのような組成物は、例えば、少なくとも1種の特定のデプシドが選択的に除去されまたは富化されまたは維持されるように、デプシドの天然源を処理することによって調製することができる。あるいは、1種または複数の精製されたデプシドを、そのような組成物の作製に使用することができる。そのような組成物は、例えば、ある量の本発明の少なくとも1種のデプシドを、デプシド化合物の天然源に添加することによって、またはデプシド化合物の天然源を処理することによって調製することもできる。 特定の実施形態では、本発明の組成物は、式I、II、III、IVおよび/または式Vを有する化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を含み、(i)式Iを有する化合物の1種または複数の濃度は、化合物の天然源に見出される濃度に対して増加しまたは減少し、(ii)式IIを有する化合物の1種または複数の濃度は、化合物の天然源に見出される濃度に対して増加しまたは減少し、(iii)式IIIを有する化合物の1種または複数の濃度は、化合物の天然源に見出される濃度に対して増加しまたは減少し、(iv)式IVを有する化合物の1種または複数の濃度は、化合物の天然源に見出される濃度に対して増加しまたは減少し、(v)式Vを有する化合物の1種または複数の濃度は、化合物の天然源に見出される濃度に対して増加しまたは減少し、(vi)ルベセンシンJの濃度は、少なくとも約100μg/gであり、少なくとも約200μg/g、少なくとも約500μg/g、少なくとも約1mg/g、少なくとも約2mg/g、少なくとも約5mg/g、少なくとも約10mg/g、少なくとも約100mg/gであり;または約100μg/g未満、約50μg/g未満、約20μg/g未満、約10μg/g未満であり、(vii)ルベセンシンO−1の濃度は、少なくとも約100μg/g、少なくとも約200μg/g、少なくとも約500μg/g、少なくとも約1mg/g、少なくとも約2mg/g、少なくとも約5mg/g、少なくとも約10mg/g、少なくとも約100mg/gであり;または約20μg/g未満、約10μg/g未満、約5μg/g未満であり、(viii)ルベセンシンデプシドの濃度は、少なくとも約100μg/g、少なくとも約200μg/g、少なくとも約500μg/g、少なくとも約1mg/g、少なくとも約2mg/g、少なくとも約5mg/g、少なくとも約10mg/g、少なくとも約100mg/gであり;または約50μg/g未満、約20μg/g未満、約10μg/g未満であり、(x)式I、II、III、IV、および/または式Vを有する化合物の1種または複数の濃度は、組成物に対して約500μg/g、約1mg/g、約2mg/g、約5mg/g、約10mg/g、または約100mg/gよりも高い濃度で存在し、かつ/または(x)式I、II、III、IV、および/または式Vを有する化合物の1種または複数のレベルは、約100万分の1(ppm)、約2ppm、約5ppm、約10ppm、約20ppm、約50ppm、約100ppm、約150ppm、約200ppm、約250ppm、約300ppm、約400ppm、約500ppm、約750ppm、または約1000ppmに等しいかこれよりも多く存在する。 さらに別の実施形態では、本発明は、式I、II、III、IV、および/または式Vを有する化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を含む組成物であって、ジテルペノイドまたはデプシドの全含量に対する1種または複数のジテルペノイドまたはデプシドのパーセンテージ(乾燥重量による)が、化合物の天然源の場合とは異なる組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、組成物中の全ジテルペノイドの少なくとも約10%、約25%、少なくとも約35%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%を構成する式I、II、またはIIIを有するジテルペノイドを含む。 別の実施形態では、組成物は、組成物中の全デプシドの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約35%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%を構成する式IVまたはVを有するデプシドを含む。別の実施形態では、組成物は、組成物中の全ジテルペノイドの少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約35%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%を構成するルベセンシンJを含む。別の実施形態では、組成物は、組成物中の全ジテルペノイドの少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約35%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%を構成するルベセンシンO−1を含む。別の実施形態では、組成物は、組成物中の全デプシドの少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約35%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%を構成するルベセンデプシドを含む。 別の実施形態では、本発明の組成物は、式I、II、III、IV、および/または式V有する化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物、あるいは製薬上または生理学的に許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を含み、組成物中のあるジテルペノイドおよび/またはデプシドの比は、化合物の天然源で見出される比とは異なるものである。 化合物の天然源を含めた種々の混合物または組成物を区別するには、少なくとも1種のジテルペノイドまたはデプシド化合物の濃度がこの化合物の天然源で見出される濃度に対して、かつ/または少なくとも2種のジテルペノイドまたはデプシド化合物の比がこの化合物の天然源で見出される比に対して少なくとも1つの相違がある限り、組成物中のすべてのジテルペノイドまたはデプシドを定量する必要があるとは限らない。比は、混合物中のそれぞれの化合物の濃度または量の比率として表すことができる。したがって本発明の組成物は、2種以上の特定のジテルペノイドまたはデプシド化合物の比が、1つの比または指定された一組の比よりも高く、等しく、または低いと述べることによって記述することができる。本発明の組成物中の2種のジテルペノイドまたは2種のデプシドの比は、p:q(ただしpおよびqは整数である)という表現によって表すこともでき、例えば、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、50:1、75:1、100:1、200:1、500:1、1000:1である。 ある実施形態では、組成物が本発明の1種または複数の化合物を含み、この組成物中の化合物の濃度は、組成物の約0.001%(w/w)から約95%(w/w)に及ぶ。例えば、いくつかの実施形態では、化合物を、ルベセンシンJ、ルベセンシンO−1、ルベセンデプシド、ルベセンシンM、ラブドテルニンA、ラブドテルニンB、およびラブドテルニンCからなる群から選択する。いくつかの実施形態では、組成物中の化合物の濃度は、約0.005%(w/w)、約0.01%(w/w)、約0.05%(w/w)、約0.1%(w/w)、約0.5%(w/w)、約1%(w/w)、約5%(w/w)、約10%(w/w)、約15%(w/w)、約20%(w/w)、約25%(w/w)、約30%(w/w)、約40%(w/w)、約50%(w/w)、約60%(w/w)、約70%(w/w)、約80%(w/w)、または約90%(w/w)である。本発明の1種または複数の化合物の他に、そのような組成物は、本発明の化合物ではない任意の数の天然または合成成分または構成要素、例えば溶媒を含めたものを含むことができる。 ある実施形態では、下記の化合物、すなわちオリドニン(ルベセンシンA)、ポニシジン(ルベセンシンB)、ロストリン、エフサニンE、ルベセンシンI、ルベセンシンJ、ルベセンシンK、ルベセンシンL、ルベセンシンP、ルベセンシンM、ルベセンシンQ、ラブドテルニンA、ラブドテルニンB、ラブドテルニンC、およびルベセンデプシドの1種または複数などであるがこれらに限定するものではないある化合物を、ラブドシア・ルベッセンス抽出物などの本発明の化合物の天然源から選択的に除去しまたは実質的になくす。例えば本発明の組成物は、ラブドシア・ルベッセンスの天然源または抽出物におけるそのような化合物の当初レベルの約99%、約95%、約90%、約80%、約70%、約75%、約60%、約50%、約40%、約20%未満を含むことができる。 一態様では、本発明は、生体内および/または生体外で癌または腫瘍の増殖を阻害する式I、II、III、IV、またはVを有する化合物を提供する。ある実施形態では、化合物は、生体内での腫瘍体積または癌細胞の数の逆転をもたらす。その他の実施形態では、組成物は、安全で有効な量の本発明の化合物を含む。本明細書で使用する「安全で有効な量」という用語は、有益な効果をもたらすのに十分であるが望ましくない副作用(すなわち毒性またはアレルギー反応)が回避されるように、すなわち正しい医療判断の範囲内でリスク比に妥当な利益が与えられるように、十分低い量を指す。そのような化合物および組成物の活性は、セクション6に記載される細胞および方法などであるがこれらに限定することのない当技術分野での多くの既知の方法によって実証することができる。 いくつかの実施形態では、本発明は、約100μM、約80μM、約75μM、約60μM、約50μM、約40μM、約30μM、約25μM、または約10μM、または10μM未満の濃度で少なくとも50%だけJB6細胞の悪性形質転換を阻害する、式I、II、III、IV、またはVを有する化合物を包含する。いくつかの実施形態では、本発明は、約100μM、約80μM、約75μM、約60μM、約50μM、約40μM、約30μM、約25μM、または約10μM、または10μM未満の濃度で少なくとも50%だけHCT116結腸癌細胞増殖を阻害する、式I、II、III、IV、またはVを有する化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、約100μM、約80μM、約75μM、約60μM、約50μM、約40μM、約30μM、約25μM、または約10μM、または10μM未満の濃度で少なくとも50%だけSK−MEL−28皮膚癌細胞増殖を阻害する、式I、II、III、IV、またはVを有する化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、約100μM、約80μM、約75μM、約60μM、約50μM、約40μM、約30μM、約25μM、または約10μM、または10μM未満の濃度で少なくとも50%だけHT460肺癌細胞増殖を阻害する、式I、II、III、IV、またはVを有する化合物を提供する。 ある実施形態では、本発明の組成物は、参照によりその全体が本明細書に援用される下記の参考文献、すなわちde la Taille他, 2000, Journal of Alternative & Complementary Medicine, 6(5): 449-51; Han他, 2004a, Tetrahedron Letters 45(13): 2833-2837; Han他, 2004b, Tetrahedron Letter, 60(10): 2373-2377; Han他, 2003a, Heterocycles, 60(4): 933-938; Han他, 2003b, Helvetica Chimica Acta, 86(3): 773-777; Han他, 2003, Youji Huaxue 23(3): 270-273; Han他, 2003, Huaxue Xuebao, 61(7): 1077-1082; Ikezoe他, 2003, International Journal of Oncology, 23(4): 1187-1193; Li他, 2002, Polish Journal of Chemistry, 76(5): 721-724; Li他, 2000a, Phytochemistry 53(8): 855-859; Li他, 2000b, Chinese Chemical Letters, 11(1): 43-44; Liu他, 2000, Chemical & Pharmaceutical Bulletin 48(1): 148-149; Liu他, 2000, Tianran Chanwu Yanjiu Yu Kaifa 12(2): 4-7; Zhao他, 2000, Henan Yike Daxue Xuebao, 35(2): 138-139; Bai他, Abstracts of Papers, 223rd ACS National Meeting, Orlando, FL, United States, 2002年4月7〜11日: AGFD-093; Meade-Tollin他, 2004, Journal of Natural Products, 67(1): 2-4、米国特許第5,665,393号、United States Patent Publication US2003-0035851A1のいずれか1つに記載される組成物からなるものではない。特定の実施形態では、本発明の組成物は、SPESまたはPC−SPESの名称で知られている薬草混合物ではない。ある実施形態では、本発明の組成物は、下記の化合物または植物抽出物、すなわちルプロンまたはホップ(Humulus lupulus)の抽出物;ババシン、ババカルコン、ババシニン、および/またはババクロメン、あるいはプソラレアコリリフォリアL(Psoralea corylifolia L.)の抽出物;ゲンセノシド、またはトチバニンジン(Panax pseudo-ginseng Wall)の抽出物;バイカリンまたはコガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)の抽出物;ダイズフラボノイドおよびダイズイソフラボノイド、またはダイズ(Glycine max)の抽出物;クルクミンまたはウコン(Curcuma Linga)の抽出物;キク(Dendranthema morifolium)の抽出物;ガノデルマルシダム(Ganoderma-lucidum)の抽出物;カンゾウ(Glycyrrhiza uraensis)の抽出物;タイセイ(Isatis indigotica)の抽出物;またはノコギリヤシ(Serenoa repens)の抽出物の、いずれか1つまたは複数からなるものではない。 様々な実施形態では、意図される用途に応じてかつ限定することなく、本発明の組成物を、栄養補給食品組成物、化粧品組成物、または医薬組成物であることができる。 様々な実施形態では、本発明のジテルペノイドおよび/またはデプシド化合物を、単独で、または天然産物およびその誘導体と組み合わせて投与することができる。例えば、免疫修飾活性、抗血管新生活性、抗TNF−α活性、抗炎症活性、抗感染活性、抗ウイルス活性、および/または抗癌活性を有する植物抽出物などの天然産物および誘導体を、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。そのような抽出物の非限定的な例には、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物、紅茶抽出物、オレンジピール抽出物、甘草抽出物、レスベラトロール化合物および誘導体、オオグルマ(Inula)抽出物、メキシカンバンブー抽出物、または虎杖(huzhang)抽出物が含まれるが、これらに限定するものではない。そのような抽出物中に存在する精製された化合物およびその誘導体も、使用することができる。 例えば、植物化学物質または植物抽出物を、本発明の化合物および組成物と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物および組成物と組み合わせて使用することができる植物化学物質または植物抽出物の非限定的な例は、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第6,498,195号、第6,627,623号、第6,790,869号、国際特許公開番号WO 01/21137、WO 02/39956に開示されている。 5.4 栄養補給食品組成物 一実施形態では、本発明の組成物は、栄養補給食品組成物(nutraceutical composition)であることができる。本明細書で使用する「栄養価のある(nutraceutical)」または「本発明の栄養補給食品組成物」という用語は、同義として本発明の化合物を含む組成物を指すのに使用され、これらの用語には、本発明の食品組成物、食品添加物、バルクの食品組成物、バルクの食品添加物、栄養補助サプリメント、医療用食品、および特別食に使用される食品が含まれるが、これらに限定するものではない。したがって栄養補給食品組成物は、本発明の1種または複数の化合物、すなわち式I、II、III、IV、またはVを有する化合物、例えばルベセンシンJ、ルベセンシンO−1、および/またはルベセンデプシドを、好ましくは治療上、予防上、またはその他の目的に有効な量で含む、上記セクション5.3で述べたような組成物などの組成物である。様々な実施形態では、本発明の栄養補給食品組成物は、典型的な場合、1種または複数の消費可能なビヒクル、担体、賦形剤、または充填剤を含む。「消費可能な」という用語は、一般に、動物によって、より特別には人によって消費されるのに適しており、またはそのような消費に関して連邦政府または州政府の監督官庁により承認されたことを意味する。 本明細書で使用される「食品」は、処理されていようと、半分処理されていようと、または生のままであろうと、人も含めた動物よる消費を目的とする任意の物質を意味するが、化粧品、タバコ製品、または医薬品としてのみ使用される物質を含まない。 一実施形態では、「食品組成物」という用語は、本発明の1種または複数の組成物または化合物を含む食品を指す。本発明の組成物または化合物が添加される任意の食品は、本発明の食品組成物である。本発明の化合物がより高いレベルで存在するように作製される任意の食品も、本発明の食品組成物である。 本発明の食品組成物には、本発明の1種または複数の組成物または化合物を含むビスケットやチョコレート、キャンディ、チューインガム、スナック、ケーキ、アイスクリーム、ゼリーなどの菓子;パンやパイなどであるがこれらに限定することのないベーキング製品;パスタ;麺;豆腐(ビーンカード)などのダイズ加工製品;ヨーグルトやバターなどであるがこれらに限定することのない乳製品;ハムやハンバーガー、ソーセージなどであるがこれらに限定することのない食肉加工品;発酵製品;卵焼きや卵カスタードなどの卵加工品;魚のすり身製品やカニかまぼこなどの魚介類をベースにした加工品;ソースやドレッシング、マヨネーズ、ふりかけ(米飯のトッピング)などの調味料;ドライフルーツ;シリアル;ピザ;即席麺;スープ;スナック(例えばチップス、プレッツェル);食用バーやスポーツ用バーなどの栄養サプリメントが含まれるが、これらに限定するものではない。 本発明の食品組成物には、本発明の1種または複数の組成物または化合物を含む、単細胞タンパク質と、植物、藻類、植物細胞培養物、微生物、および動物から調製されたタンパク質濃縮物または単離物と、葉粉、粗挽き粉と、ダイズ、綿実、ラッカセイからの濃縮物および単離物と、魚粉と、肉、器官、および/または骨からの濃縮物も含まれるが、これらに限定するものではない。 本発明の食品組成物には、本発明の1種または複数の組成物または化合物を含む、強化ミネラル水や強化蒸留水、果汁ベースの飲料、シェイク、炭酸飲料、乳酸飲料、スポーツ飲料、牛乳、牛乳ベースの飲料、乳製品ベースの飲料、ヨーグルトベースの飲料、炭酸水ベースの飲料、アルコール飲料、コーヒーベースの飲料、茶ベースの飲料、緑茶ベースの飲料、紅茶ベースの飲料、穀物ベースの飲料、ダイズベースの飲料、豆乳、アロエベースの飲料、炭酸清涼飲料、または植物抽出物をベースとした飲料などであるがこれらに限定することのない飲料も含まれる。特定の実施形態では、本発明の食品組成物を、飲料水などの液体に溶かして戻したときに飲料を提供することができる、再構成可能な粉末にすることができる。 別の実施形態では、本発明は、本発明の1種または複数の組成物または化合物を含んだ食品添加物を提供する。本明細書で使用する「食品添加物」という用語は、それが栄養価を持っていようとなかろうと、通常は単独では食品として消費されず、また通常は食品の典型的な成分として使用されず、食品に意図的に添加される任意の物質を指す。例えば、食品への食品添加物の意図的な添加は、そのような食品の製造、加工、調製、処理、充填、包装、輸送、または保持における、官能的な目的も含めた技術的な目的のためである。食品添加物の使用の結果(直接的または間接的に)、その添加物またはその副産物が食品の成分になるか、そうでなければ食品の特徴に影響を及ぼし、あるいはそのようになることを当然予想することができる。特定の実施形態では、本発明の食品添加物は、本発明の食品組成物をもたらす食品に添加することができる。 様々な実施形態では、本発明の食品添加物を、食品の調製に使用される成分に添加することができる。当業者に知られている任意の方法を使用して、固体形態または液体形態の本発明の食品添加物を、天然のまたは加工した食材に添加しまたは組み込むことができる。例えば本発明の食品添加物は、バルクの食品成分を強化しまたは食品を調製するために食品業界で使用することができ、あるいは食品調製中に消費者が使用することができる。一実施形態では、本発明の食品添加物を、シロップやデンプン、穀物、小麦粉、脂肪および油(例えば調理油、フライ油、サラダ油、マーガリン、マヨネーズ、またはピーナツバター)、食物繊維、および充填剤などであるがこれらに限定することのない基本的な食品成分に組み込むことができる。別の実施形態では、本発明の食品添加物を使用して、水ベースの食品組成物を調製することができる。さらに、本発明の油ベースの食品添加物を乳化し、様々な飲料に使用することができる。 本発明の化合物および組成物は、その他の食品添加物に添加することもできる。本発明の化合物および組成物で強化することができるその他の食品添加物には、天然甘味料、人工甘味料、酸味料、固化防止剤、酸化防止剤、着色剤、硬化および酸洗い剤、乳化剤、酵素、代用脂肪、固定剤、天然香料、人工香料、香料強化剤、湿潤剤、膨脹剤、潤滑剤、保存剤、安定剤、および増粘剤が含まれるが、これらに限定するものではない。 本発明の食品および飲料の製造で許容される食品添加物の例には、スクロースやグルコース、フルクトース、異性化液糖、フルクトオリゴ糖、アスパルテーム、ソルビトール、スクラロース、デキストリン、マルトデキストリン、ステビアなどの甘味料;赤キャベツ着色剤やブドウ果皮着色剤、ニワトコ着色剤、カラメル、クチナシ着色剤、トウモロコシ着色剤、サフラン着色剤、カロテンなどの着色剤;ペクチン分解産物や安息香酸、ソルビン酸、パラベン、ソルビン酸カリウムなどの保存剤;アルギン酸ナトリウムやアルギン酸プロピレングリコール、グリコール酸カルシウムセルロース、グリコール酸ナトリウムセルロースなどの増粘剤;L−アスコルビン酸やトコフェロール、エリスロビン酸、ルチンなどの酸化防止剤;硫酸第一鉄や亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの発色剤;亜硝酸水素ナトリウムやメタ重亜硫酸カリウムなどの漂白剤;プロピレングリコールなどの品質保持剤;L−システイン塩酸塩やステアリル乳酸カルシウムなどの品質改良剤;塩化アンモニウムやD−酒石酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ミョウバンなどの膨張剤;レシチンやスフィンゴ脂質、植物ステロール、サポニン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、カゼインナトリウム、グリセロール脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤;硫酸コンドロイチンナトリウムなどのエマルジョン安定剤;レモン油やユーカリ油、ペパーミント油、バニラエキス、オレンジ油、ガーリック油、アセト酢酸エチル、アニスアルデヒド、エチルバニリン、ケイ皮酸、酢酸シトロネリル、シトラール、バニリン、酪酸ブチル、エステルなどの着香物質;L−アスコルビン酸やL−アスパラギン、L−アラニン、イノシトール、L−グルタミン、カロテン、トコフェロール、ビタミンA、葉酸、クエン酸鉄、ヘム鉄、非か焼カルシウムなどの栄養剤;過酸化ベンゾイルや過硫酸アンモニウム、二酸化塩素などの小麦粉改質剤;さらし粉や過酸化水素、次亜塩素酸などの殺菌剤;アセチルリシノール酸メチルやエステルガム、酢酸ビニル樹脂、ポリイソブチレン、ポリブテンなどのチューインガムベース;D−マンニトールなどのブロッキング防止剤;酸性ピロリン酸ナトリウムやピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウムなどの同化剤;アジピン酸やクエン酸、グルコン酸、コハク酸、D−酒石酸、乳酸、DL−リンゴ酸などの酸味料;魚エキスや酵母エキス、醤油、トマトピューレ、肉エキス、みりん、果実ピューレ、鰹節、L−アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、L−アルギニンL−グルタミン酸塩、5’−イノシン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、コハク酸、L−酒石酸、乳酸ナトリウムなどの調味料が含まれる。 別の実施形態では、本発明は、本発明の1種または複数の化合物または組成物を含む栄養補助サプリメントを提供する。本明細書で使用する「栄養補助サプリメント」という用語は、食事を補うことを目的とした製品(タバコ以外)を意味する。典型的な場合、栄養補助サプリメントは、栄養補助サプリメントという標示があり、かつ従来の食品としてあるいは食事または食品の単一物品として使用されるものではない製品である。本発明の栄養補助サプリメントは、典型的な場合、以下の栄養補助成分、すなわちビタミン;ミネラル;ハーブまたはその他の植物;アミノ酸;全体的な食事摂取を増加させることによって食事を補うために人間に使用される栄養補助サプリメント;あるいはこれら成分のいずれかの濃縮物、代謝物、構成要素、抽出物、または組合せの1種または複数を含むことができる。栄養補助サプリメントは、食品または食品組成物の加工中、製造中、調製中、または配達中あるいは食品の消費直前に食品または食品組成物に組み込まれる食品添加物とは異なって、いかなる食品にも無関係に被験者が消費することができる。 さらに別の実施形態では、本発明は、本発明の1種または複数の化合物または組成物を含む医療用食品を提供する。本明細書で使用する「医療用食品」という用語は、医師の監視下で経腸的に消費されまたは投与されるように配合された食品、あるいは、認められた科学的原理に基づいて独特の栄養要件が医学的評価により確立される疾患または状態の、特定の食事管理を目的とする食品を指す。医療用食品の例には、他のすべての食事摂取の代わりに使用される完全栄養食品である単独供給源の栄養製品;下痢または嘔吐によって失われた流体および電解質の代わりに使用される経口再水和溶液;完全栄養供給源を目的とするものではなく、特定の疾患を管理するために設計され、直接的または暗に示される効果に対する要求に沿った、特別に選択された成分を含有するモジュラー栄養製品;および代謝の先天異常の食事管理に使用することを目的とした製品が含まれるが、これらに限定するものではない。 さらに別の実施形態では、本発明は、本発明の1種または複数の化合物または組成物を含む、特別食に使用される食品を提供する。本明細書で使用する「特別食に使用される食品」という用語は、以下の事項の少なくとも1つのために、すなわち疾患、回復、妊娠、授乳、幼児、食品に対するアレルギー性過敏症、体重不足、体重超過、またはナトリウム摂取の制御の必要性などの状態を含めるがこれらに限定することのない物理的、生理的、病理的、またはその他の状態による理由で存在する特別食の需要を補うこと;全体的な食事摂取を増加させることによって人間の食事を補うために人間に使用される、ビタミン、ミネラル、またはその他の成分を補うこと;および単品の食事として使用される食品であるという理由で特別食の需要を補うことの、少なくとも1つのために使用されることになりまたは使用されると言われる食品を指す。 本発明の栄養補給食品組成物は、追加の健康的または医療的利益を与える1種または複数のその他の成分も含むことができる。本明細書で有用な任意選択の成分は、その健康上の利益またはその想定される作用様式によって分類することができる。しかし、本明細書で有用な任意選択の成分は、場合によっては、複数の健康上の利益をもたらすことができ、または複数の作用様式を介して作用することができると理解される。したがって本明細書における分類は、便宜上行われ、成分をいかなる特定の作用機序にも、あるいは列挙されたその特定の1つまたは複数の用途にも限定するものではない。 栄養補給食品組成物は、本発明の1種または複数の化合物または組成物の他に、ビタミン、ミネラル、電解質、スポーツ用栄養製品、アミノ酸、プロバイオティクス、代謝物、ホルモン、酵素、軟骨生成物、植物エキス、およびホメオパシー生成物などであるがこれらに限定することのない1種または複数の追加の成分を含むことができる。より具体的には、本発明の栄養補給食品組成物は、以下の非限定的なカテゴリーからの1種または複数の物質をさらに含むことができる:(i)5−ヒドロキシトリプトファンやアセチル−L−カルニチン、アセチルシステイン、ピログルタミン酸アルギニン、分枝鎖アミノ酸、クレアチン、DL−フェニルアラニン(フェニルアラニン)、ジメチルグリシン(DMG)、グルタミンペプチド、グルタチオン、グリシン、インスリン様増殖因子1、L−アルギニン(アルギニン)、L−アスパラギン酸塩、L−カルニチン、L−システイン、L−グルタミン、L−ヒスチジン、L−リジン(リジン)、L−メチオニン(メチオニン)、L−オルニチン、L−フェニルアラニン(フェニルアラニン)、L−テアニン、L−チロシン(チロシン)、ラクトフェリン、α−ケトグルタル酸オルニチン、p−アミノ安息香酸(アミノ安息香酸)、タウリンなどであるがこれらに限定することのないアミノ酸およびオリゴペプチド;(ii)キトサンや硫酸コンドロイチン、D−グルカル酸塩、D−リボース、フルクトオリゴ糖、グルコマンナン、グルコサミン、イヌリン、ラクツロース、カラマツアラビノガラクタン、変性シトラスペクチン、ペクチン、オオバコ(オオバコ外皮)、アルギン酸ナトリウム、酵母β−D−グルカンなどであるがこれらに限定することのないグリコサプリメント;(iii)19−ノランドロステンジオン、アンドロステンジオール、アンドロスタンジオン、β−シトステロール、ビオカニンA、DHEA、腺、ヒト成長ホルモン、分泌促進物質(ソマトロピン)、イプリフラボン、メラトニン、プレグネノロン、ダイズイソフラボン、トリアトリコール(TRIAC)などであるがこれらに限定することのないホルモン;アルコキシグリセロールやクロスグリ種油、ルリヂサ油、カプリル酸、ミリストレイン酸セチル、共役リノール酸(CLA)、ドカヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、オオマツヨイグサ油、魚油、アマニ油、γ−リノレン酸(GLA)、グリセロール(グリセリン)、麻実油、ヘキサコサノール、六リン酸イノシトール、L−α−グリセリルホスホリルコリン(α−GPC)、リチウムγ−リノレン酸(Li−GLA)、中鎖トリグリセリド、ミオイノシトール、オクタコサノール、シソ油、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ポリコサノール、スクアレン、植物スタノールなどであるがこれらに限定することのない脂質;(iv)7−オキソ−デヒドロエピアンドロステロンやα−リポ酸、ベタインおよびベタイン塩酸塩、CDP−コリン(シチコリンナトリウム)、補酵素Q10(CoQ10)、NADH、パンテチン、ピルビン酸塩、S−アデノシル−L−メチオン(SAMe)などであるがこれらに限定することのない代謝物および補助因子;(v)金属塩やキレート化金属、コロイド状ミネラル、コロイド状の銀、コロイド状の金、ベントナイト、アルミニウム、ヒ素、ホウ素、臭素、カルシウム、クロム、銅、フッ化物、ゲルマニウム、ヨウ素、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、カリウム、セレニウム、ケイ素、スズ、バナジウム、および亜鉛を含む化合物などであるがこれらに限定することのないミネラルおよび電解質;(vi)醸造用酵母やコンブ茶、菌多糖体、レッドイーストライスなどであるがこれらに限定することのない菌サプリメント;(vii)イノシン、核酸、ヌクレオチド;(viii)プレバイオティクスやプロバイオティクス、シンバイオティクス、ヨーグルト有機体などであるがこれらに限定することのない微生物;(ix)ウシ軟骨やウシ初乳、ブロメライン、ニワトリコラーゲンII、ゼラチン加水分解物(ゼラチン)、加水分解コラーゲン、サメ軟骨、ダイズタンパク質、乳清タンパク質などであるがこれらに限定することのないタンパク質;(x)ビタミンA(例えばβカロテン、レチノイン酸、レチノール、レチノイド、パルミチン酸レチニル、プロピオン酸レチニルなど)、ビタミンB(例えばナイアシン、ナイアシンアミド、リボフラビン、パントテン酸など)、ビタミンB6(塩酸ピリドキシン)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンC(例えばアスコルビン酸など)、ビタミンD(例えばエルゴステロール、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなど)、ビタミンE(例えば酢酸トコフェロールなど)、ビタミンK(例えばフィトナジオン、メナジオン、フィチオコールなど)、ニコチン酸α−トコフェリル、コハク酸αトコフェリルポリエチレングリコール、パルミチン酸アスコルビル、ビオチン、葉酸塩(葉酸)、γ−トコフェロール、ニコチン酸イノシトール(ナイアシン酸イノシトール)、ナイアシン、ニコチンアミド(ナイアシンアミド)、パントテン酸(パントテン酸カルシウム)、チアミン、トコトリエノールなどであるがこれらに限定することのない天然または合成形態のビタミン;(xi)DHEAやイチョウエキス、ニンジンエキス、レイシ(ガノデルマ)エキスなどの植物エキス;(xii)活性炭やβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラート(HMB)、コリン、コロソリック酸、デアノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ドロマイト、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−ヒドロキシブチラート(GHB)、肝臓加水分解物/乾燥肝末、リンゴ酸、メチルスルホニルメタン(MSM)、ロイヤルゼリー、ビンポセチン、アルニカ、蜂花粉、クロレラ、クロロフィル/クロロフィリン(クロロフィリン銅錯体)、クリシン、ココアフラボノイド、クルクミノイド、ダイゼイン、リコライス(deglycyrrhizinated licorice)(DGL)、花粉、ゲニステイン、グリシテイン、ブドウ種子プロアントシアニジン、緑茶カテキン、紅茶テアフラビン、ヘスペレチン、ヘスペリジン、フペルジンA、ヒドロキシクエン酸、ヒドロキシエチルルトシド、インドール−3−カルビノール、ルテインおよびゼアキサンチン、リコペン、燕麦β−D−グルカン、フィトスタノール、フィトステロール、ピペリン、プロポリス、ピクノゲノール、クエルセチン、レスベラトロール、ルチン、セコイソラリシレシノールジグリコシド(SDG)、ダイズイソフラボン、スピルリナ、スルホラフェイン、カモジグサ/ヤコブコウリンギクなどであるがこれらに限定することのない、当技術分野で知られているその他のサプリメント。 ミネラルおよび電解質の非限定的な例には、カルシウム化合物、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、鉄化合物、フマル酸鉄、グルコン酸鉄、硫酸鉄、マグネシウム化合物、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、セレン化合物、ナトリウム化合物、およびマンガン化合物が含まれるが、これらに限定するものではない。 また、本発明の1種または複数の化合物または組成物と、1種または複数の「一般に安全と見なされる」(「GRAS」)物質とを含む栄養補給食品組成物も、本発明に包含される。多くのGRAS物質は知られており、参照によりその全体が本明細書に援用される、米国公共保健機関の規則の様々なセクション、21CFR 73、74、75、172、173、182、184、および186に列挙されている。したがって様々な実施形態では、本発明の栄養補助サプリメント、食品組成物、または食品添加物が、1種または複数のGRAS物質を含む。 例えば、以下の例示的なGRASフレーバーアルコール、すなわちベンジルアルコール、アセトイン(アセチルメチルカルビノール)、エチルアルコール(エタノール)、プロピルアルコール(1−プロパノール)、イソプロピルアルコール(2−プロパノール、イソプロパノール)、プロピレングリコール、グリセロール、n−ブチルアルコール(n−プロピルカルビノール)、イソブチルアルコール(2−メチル−1−プロパノール)、ヘキシルアルコール(ヘキサノール)、L−メントール、オクチルアルコール(n−オクタノール)、シンナミルアルコール(3−フェニル−2−プロペン−1−オール)、α−メチルベンジルアルコール(1−フェニル−エタノール)、ヘプチルアルコール(ヘプタノール)、n−アミルアルコール(1−ペンタノール)、イソアミルアルコール(3−メチル−1−ブタノール)、アニスアルコール(4−メトキシベンジルアルコール、p−アニスアルコール)、シトロネロール、n−デシルアルコール(n−デカノール)、ゲラニオール、β−γ−ヘキサノール(3−ヘキセノール)、ラウリルアルコール(ドデカノール)、リナロール、ネロリドール、ノナジエノール(2,6−ノナジエン−1−オール)、ノニルアルコール(ノナノール−1)、ロジノール、テルピネオール、ボルネオール、クリネオール(オイカリプトール)、アニソール、クミニルアルコール(クミノール)、10−ウンデセン−1−オール、1−ヘキサデカノールを、本発明の化合物および組成物と組み合わせて使用することができる。適切な誘導体には、例えば、上記GRASフレーバーアルコールのエステル、エーテル、および炭酸塩が含まれることも考えられる。特に好ましいGRASフレーバーアルコールは、ベンジルアルコール、1−プロパノール、グリセロール、プロピレングリコール、n−ブチルアルコール、シトロネロール、ヘキサノール、リナロール、アセトイン、およびその誘導体である。 本発明の栄養補給食品組成物に、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、フロログルシノール、ピロガロール、シクロヘキサン、ウスニン酸、アシルポリフェノール、リグニン、アントシアン、フラボン、カテコール、没食子酸誘導体(例えばタンニン、ガロタンニン、タンニン酸、ガロタンニン酸)、カテキン、テアフラビン、カルノソール、カルノソリック酸((2,5−ジヒドロキシフェニル)カルゴン酸や(2,5−ジヒドロキシフェニル)アルキレンカルボン酸置換基、塩、エステル、アミドなど、その誘導体を含む)、コーヒー酸とそのエステルおよびアミド、フラボノイド(例えばフラボン、フラボノール、イソフラボン、ゴシペチン、ミリセチン、ロビネチン、アピゲニン、モリン、タキシフォリン、エリオジクチオール、ナリンギン、ルチン、ヘスペリジン、トロキセルチン、クリシン、タンゲリチン、ルテオリン、カテコール、クエルセチン、フィセチン、ケンフェロール、ガランギン、ロテノイド、アウロン、フラボノール、ジオール)、例えばツバキ(特にC.sinensis)またはプリムラからの抽出物などであるがこれらに限定することのない1種または複数のGRASポリフェノールを含めることも包含される。さらに、これらの誘導体、例えば塩、酸、エステル、酸化物、およびエーテルを使用してもよい。 本発明の栄養補給食品組成物中に、酢酸やアコニット酸、アジピン酸、ギ酸、リンゴ酸(1−ヒドロキシコハク酸)、カプロン酸、ヒドロケイ皮酸(3−フェニル−1−プロピオン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、乳酸(2−ヒドロキシピロピオン酸)、フェノキシ酢酸(グリコール酸フェニルエーテル)、フェニル乳酸(α−トルエン酸)、吉草酸(ペンタン酸)、イソ吉草酸(3−メチル酪酸)、ケイ皮酸(3−フェニルプロペン酸)、クエン酸、マンデル酸(ヒドロキシフェニル酢酸)、酒石酸(2,3−ジヒドロキシブタン二酸;2,3−ジヒドロキシコハク酸)、フマル酸、タンニン酸およびその誘導体などであるがこれらに限定することのない1種または複数のGRAS酸を含めることも包含される。本発明による適切な誘導体は、上述の酸のエステル(例えばC1〜6−アルキルエステルおよびベンジルエステル)、アミド(N−置換アミドを含む)、および塩(アルカリ、アルカリ土類、およびアンモニウム塩)である。本発明によれば、「誘導体」という用語は、側鎖ヒドロキシ官能基の修飾物(例えばアシルおよびアルキル誘導体)と、二重結合の修飾物(例えば上述の酸のペルヒドロ化およびヒドロキシル化誘導体)も包含する。 本発明の栄養補給食品組成物中に、チモール、メチルユージノール、アセチルユージノール、サフロール、ユージノール、イソユージノール、アネトール、メチルカビコール(エストラゴール;3−(4−メトキシフェニル)−1−プロペン)、カルバクロール、α−ビサボロール、フォルネソール、アニソール(メトキシベンゼン)、プロペニルグアエトール(5−プロペニル−2−エトキシフェノール)、およびこれらの誘導体などであるがこれらに限定することのない1種または複数のGRASフェノールを含めることも包含される。本発明による誘導体は、フェノールヒドロキシ基がエステル化されまたはエーテル化された化合物である。 本発明の栄養補給食品組成物に、アリシンなどであるがこれに限定することのない1種または複数のGRASエステルを含めることも包含され、以下の酢酸エステル、例えば酢酸イソアミル(酢酸3−メチル−1−ブチル)、酢酸ベンジル、酢酸ベンジルフェニル、酢酸n−ブチル、酢酸シンナミル(酢酸3−フェニルプロペニル)、酢酸シトロネリル、酢酸エチル(酢酸エステル)、酢酸ユージノール(アセチルユージノール)、酢酸ゲラニル、酢酸ヘキシル(エタン酸ヘキサニル)、酢酸ヒドロシンナミル(酢酸3−フェニルプロピル)、酢酸リナリル、酢酸オクチル、酢酸フェニルエチル、酢酸テルピニル、トリアセチン(三酢酸グリセリル)、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、および酢酸カルシウムを使用することができる。 本発明の栄養補給食品組成物に、樟脳やリモネン、β−カリオフィレンなどであるがこれに限定することのない1種または複数のGRASテルペンを含めることも包含される。 本発明の栄養補給食品組成物に、アセタールやアセトアルデヒドジブチルアセタール、アセトアルデヒドジプロピルアセタール、アセトアルデヒドフェネチルプロピルアセタール、ケイ皮アルデヒドエチレングリコールアセタール、デカナールジメチルアセタール、ヘプタナールジメチルアセタール、ヘプタナールグリセリルアセタール、およびベンズアルデヒドプロピレングリコールアセタールなどであるがこれらに限定することのない1種または複数のGRASアセタールを含めることも包含される。 本発明の栄養補給食品組成物に、アセトアルデヒドやアニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、イソブチルアルデヒド(メチル−1−プロパノール)、シトラール、シトロネラール、n−カプリルアルデヒド(n−デカナール)、エチルバニリン、フルフラール、ヘリオトロピン(ピペロナール)、ヘプチルアルデヒド(ヘプタナール)、ヘキシルアルデヒド(ヘキサナール)、2−ヘキセナール(β−プロピルアクロレイン)、ヒドロケイ皮アルデヒド(3−フェニル−1−プロパナール)、ラウリルアルデヒド(ドデカナール)、ノニルアルデヒド(n−ノナナール)、オクチルアルデヒド(n−オクタナール)、フェニルアセトアルデヒド(1−オキソ−2−フェニルエタン)、プロピオンアルデヒド(プロパナール)、バニリン、ケイ皮アルデヒド(3−フェニルプロペナール)、ペリルアルデヒド、およびクミンアルデヒドなどであるがこれらに限定することのない1種または複数のGRASアセトアルデヒドを含めることも包含される。 本発明の栄養補給食品組成物に、精油および/またはアルコールもしくはグリコール抽出物、または植物から高圧二酸化炭素法によって得られた抽出物、例えば、高含量のアルコールを有する油または抽出物:メリッサ、コリアンダー、カルダモン、ユーカリプタス;高含量のアルデヒドを有する油または抽出物:ユーカリ(Eucalyptus citriodora)、シナモン、レモン、レモングラス、メリッサ、シトロネラ、ライム、オレンジ;高含量のフェノールを有する油または抽出物:マヨラナ、タイム、ローズマリー、オレンジ、クローブ、フェンネル、樟脳、マンダリン、アニス、カスカリラ、エストラゴン、およびピメント;高含量の酢酸塩を有する油または抽出物:ラベンダー;高含量のエステルを有する油または抽出物:マスタード、オニオン、ガーリック;高含量のテルペンを有する油または抽出物:コショウ、ダイダイ、キャラウェイ、ディル、レモン、ペパーミント、ナツメグ;高含量の酸を有する油または抽出物:オリバナムなどであるがこれらに限定することのない1種または複数のGRAS精油を含めることも包含される。 本発明の栄養補給食品組成物における追加の物質のいずれかは、純粋なまたは実質的に純粋な材料として、あるいは、例えば天然(例えば植物)源からの適切な物理的および/または化学的単離によって得られた抽出物として含めることができる。 ある実施形態では、「医療用食品」、「特別食に使用される食品」、「栄養補助サプリメント」、または「食品添加物」という用語の意味は、米国食品医薬品局も含めた連邦または州政府の監督官庁により定義された用語の意味である。 ある実施形態では、本発明の栄養補給食品組成物は、本発明の化合物または組成物を約0.001重量%から約90重量%含む。同様に考えられるその他の量の組合せは、本発明の化合物または組成物が約0.0075重量%から約75重量%、約0.005重量%から約50重量%、約0.01重量%から約35重量%、0.1重量%から約20重量%、0.1重量%から約15重量%、1重量%から約10重量%、2重量%から約7重量%である。 5.5 医薬組成物 本発明は、被験体の障害を治療し、予防し、寛解させるための組成物を提供する。一実施形態では、組成物が、本発明の1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を含む。別の実施形態では、組成物は、ラブドシア・ルベッセンスの抽出物、例えばセクション5.2および実施例のセクションで記述されるように調製された抽出物の形をとる本発明の化合物と、製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物を含む。本発明の化合物またはラブドシア・ルベッセンスの抽出物を含む組成物は、医薬組成物の製造および単回剤形の調製に有用なバルク薬物組成物(滅菌されなくてよい)を含む。本発明の栄養補給食品組成物のいずれかを、当業者が医薬組成物として配合することもできる。 本明細書で使用する「製薬上許容される塩」という文言は、本発明の化合物の、製薬上許容される有機または無機塩を指す。好ましい塩には、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカル酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち1,1’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))が含まれるが、これらに限定するものではない。製薬上許容される塩では、酢酸イオンやコハク酸イオン、またはその他の対イオンなど、別の分子を含めることができる。対イオンは、親化合物の変化を安定化させる任意の有機または無機部分でよい。さらに、製薬上許容される塩は、その構造内に複数の荷電原子を有してよい。多数の荷電原子が製薬上許容される塩の一部である場合、多数の対イオンを有することができる。したがって製薬上許容される塩は、1個または複数の荷電原子および/または1個または複数の対イオンを有することができる。 本明細書で使用する「製薬上許容される溶媒和物」という用語は、1個または複数の溶媒分子と本発明の化合物との会合を指す。製薬上許容される溶媒和物を形成する溶媒の例には、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、およびエタノールアミンが含まれるが、これらに限定するものではない。 一実施形態では、本発明の組成物は、医薬組成物または単回剤形である。本発明の医薬組成物および単回剤形は、予防上または治療上有効な量の1種または複数の組成物(例えば、本発明の化合物あるいはその他の予防薬または治療薬)と、典型的には1種または複数のビヒククル、担体、または賦形剤を含む。ビヒクル、担体、または賦形剤は、製薬上許容されることが好ましい。「製薬上許容される」という用語は、動物に使用するために、より具体的にはヒトに使用するために、連邦または州政府の監督官庁によって認可され、あるいは米国薬局方またはその他の広く認められた薬局方に示されたことを意味する。 本発明は、さらに、無水医薬組成物および剤形を包含する。本発明の無水医薬組成物および剤形は、無水物または低水分含有成分と、低水分または低湿度条件を使用して調製することができる。ラクトースと、第1級または第2級アミンを含んだ少なくとも1種の活性成分とを含む医薬組成物および剤形は、製造中、包装中、および/または貯蔵中に水分および/または湿気とのかなりの接触が予測される場合、無水であることが好ましい。無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように調製され貯蔵されるべきである。したがって無水組成物は、適切な配合キットに含めることができるように、水への曝露を防ぐことが知られている材料を使用して包装することが好ましい。適切な包装の例には、密封された箔、プラスチック、単回容器(例えばバイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが含まれるが、これらに限定するものではない。 「ビヒクル」という用語は、これと一緒に本発明の化合物または組成物を貯蔵し、輸送し、かつ/または投与することができる、希釈剤、補助剤、賦形剤、担体、または充填剤を指す。適切なビヒクルは、薬学分野の当業者に周知であり、適切なビヒクルの非限定的な例には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、胡粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが含まれる。そのような医薬品ビヒクルは、ラッカセイ油やダイズ油、鉱油、ゴマ油など、石油、動物、野菜、または合成由来のものも含めた水や油などの滅菌液にすることができる。水は、医薬組成物を静脈内投与するときに好ましいビヒクルである。生理食塩液とデキストロースおよびグリセロールの水溶液も、特に注射液用の液体ビヒクルとして使用することができる。特定のビヒクルが、医薬品または栄養補給食品組成物または剤形に組み込むのに適しているか否かは、この剤形を患者に投与する方法やこの剤形中の特定の活性成分も含まれるがこれらに限定することのない、当技術分野で周知の様々な要因に左右される。組成物または単回剤形は、望むなら、少量の湿潤剤または乳化剤、あるいはpH緩衝剤を含有することもできる。 本発明はさらに、活性成分が分解する速度を低下させる1種または複数の化合物を含んだ医薬組成物および剤形を包含する。本明細書では安定剤と呼ぶそのような化合物には、アスコルビン酸などの酸化防止剤、pH緩衝剤、または塩緩衝剤が含まれるが、これらに限定するものではない。 本発明の医薬組成物は、その意図される投与経路に適合するよう処方される。投与経路の例には、非経口、例えば静脈内、皮内、皮下、経口(例えば吸入)、鼻内、経皮(局所)、経粘膜、腫瘍内、滑液内、および直腸投与が含まれるが、これらに限定するものではない。様々な実施形態では、医薬組成物または単回剤形が滅菌され、被験体、好ましくは動物被験体、より好ましくは哺乳類の被験体、最も好ましくはヒト被験者への投与に適した形をとる。 本発明の剤形の組成、形状、およびタイプは、典型的な場合、その用途に応じて変わることになる。剤形の例には、錠剤;カプレット;軟質弾性ゼラチンカプセルなどのカプセル;液状カシェ剤を含有する丸薬、ペレット、カプセル;トローチ;ロゼンジ;分散体;坐薬;軟膏;バップ剤(湿布);ペースト;粉末;包帯;クリーム;硬膏;溶液;パッチ;エアロゾル(例えば鼻スプレイまたは吸入器);ゲル;懸濁体(例えば水性または非水性液体懸濁体、水中油エマルジョン、または油中水液体エマルジョン)、溶液、およびエリキシルを含めた、患者への経口または粘膜投与に適した液体剤形;患者への非経口投与に適した液体剤形;および患者への非経口投与に適した液体剤形が得られるように、溶かして元に戻すことができる滅菌固体(例えば結晶質または非晶質固体)が含まれるが、これらに限定するものではない。粉末または顆粒の形をした配合物は、例えばミキサ、流動床装置、または噴霧乾燥装置を使用した従来の手法で、錠剤およびカプセルのもと、上述の成分を使用して調製することができる。 一般に、障害の急性期治療で使用される剤形は、活性成分の1種または複数を、同じ疾患の慢性期治療で使用される剤形が含むよりも多量に含有してよい。また、予防上および治療上有効な剤形は、種々のタイプの障害に応じて変化してもよい。同様に、非経口剤形は、活性成分の1種または複数を、同じ疾患または障害の治療に使用される経口剤形が含むよりも少ない量で含有してよい。本発明に包含される特定の剤形が互いに様々になるこれらおよびその他の方法は、当業者に容易に明らかにされよう。例えば、参照によりその全体が本明細書に援用されるRemington's Pharmaceutical Sciences, Gennaro他, 第19版, Easton, Pa., Mack Publishing Co., (1995); Remington: GennaroによるThe Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams & Wilkins; 第20版 (2003); Howard C. Ansel他によるPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery System, Lippincott Williams & Wilkins; 第7版 (1999年10月1日);およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, Swarbrick,J, & J.C.Boylan編, Marcel Dekker, Inc., New York, 1988を参照されたい。 本発明は、医薬組成物を、量が表示されるアンプルやサッシェなどの密封容器に包装できることも提供する。一実施形態では、医薬組成物は、密封容器内の乾燥滅菌した凍結乾燥粉末としてまたは水を含まない濃縮物として供給され、患者に投与するために適切な濃度まで、例えば水または生理食塩水に溶かして元に戻される。医薬組成物は、望むなら、活性成分を含有する1種または複数の単位剤形を含有することができるパックまたはディスペンサ器で呈示することができる。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチック箔を含むことができる。パックまたはディスペンサ器には、投与説明書を添付することができる。 5.5.1 経口剤形 本発明は、経口投与に適切な医薬組成物、ならびにその他の経口消費可能な組成物であって、本発明の栄養補給食品組成物、特に栄養補助サプリメントが含まれるがこれに限定することのない組成物を含めた本発明の化合物または組成物を含むものを提供する。そのような経口組成物は、錠剤(例えば咀嚼可能な錠剤)、カプレット;軟質弾性ゼラチンカプセルなどのカプセル;液状カシェ剤を含有する丸薬、ペレット、カプセル;トローチ;ロゼンジ;懸濁体(例えば水性または非水性の液状懸濁体、水中油エマルジョン、または油中水液状エマルジョン)、溶液、およびエリキシルなどであるがこれらに限定することのない個別の剤形として呈示することができる。そのような剤形は、所定量の活性成分を含有し、当業者に周知の製薬方法によって調製することができる。一般に、前掲のRemington's Pharmaceutical SciencesおよびRemington: The Science and Practice of Pharmacyを参照されたい。 本発明の典型的な経口剤形は、従来の医薬品配合技法により、均質混合物である活性成分と、少なくとも1種のビヒクル賦形剤とを組み合わせることによって調製する。賦形剤は、投与に望まれる調製形態に応じて、広く様々な形をとることができる。例えば、経口液体またはエアロゾル剤形での使用に適した賦形剤は、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、保存剤、および着色剤を含むが、これらに限定するものではない。固体経口剤形での使用に適した賦形剤の例には、デンプン、砂糖、微結晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤が含まれるが、これらに限定するものではない。 投与が容易であるので、錠剤およびカプセルは最も有利な経口単位剤形であり、その場合、固体賦形剤が用いられる。望むなら、錠剤を、標準的な水性または非水性技法によって被覆することができる。そのような剤形は、製薬方法のいずれかにより調製することができる。一般に、医薬組成物および剤形は、活性成分と液体担体、微粉砕された固体担体、またはその両方とを均一にかつ密接に混合し、次いで生成物を、必要に応じて所望の外観に成形することにより調製される。例えば錠剤は、圧縮または成型によって調製することができる。圧縮錠剤は、適切な機械を用い、任意選択で賦形剤と混合された粉末や顆粒などの流動性形態へと活性成分を圧縮することによって調製することができる。成型錠剤は、適切な機械を用い、不活性液状希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成型することによって作製することができる。 経口使用のための製剤は、咀嚼性錠剤として、または活性成分を不活性液状希釈剤、例えばジャガイモデンプン、ラクトース、微結晶質セルロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンと混合した硬質ゼラチンカプセルとして、または活性成分を水または油状媒体、例えばラッカセイ油、液体パラフィン、またはオリーブ油と混合した軟質ゼラチンカプセルとして呈示することもできる。 経口投与用の液状製剤は、例えば溶液、シロップ、または懸濁体の形をとることができ、あるいは使用前に水またはその他の適切なビヒクルに溶かして元に戻すための乾燥生成物として呈示することができる。そのような液体製剤は、懸濁剤(例えばソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または水素化食用脂肪);乳化剤(例えばレシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えばアーモンド油、油状エステル、エチルアルコール、または分留植物油);および保存剤(例えばメチルまたはプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)などのビヒクルと共に、従来の手段によって調製することができる。製剤は、必要に応じて緩衝塩、着香剤、着色剤、および甘味料を含有することもできる。 様々な実施形態では、当技術分野で知られている多くの賦形剤を、本発明の経口剤形に使用することができ、これらの賦形剤には、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、分散剤、湿潤剤、および懸濁剤が含まれるが、これらに限定するものではない。医薬品/栄養補給食品組成物および剤形での使用に適した結合剤には、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、またはその他のデンプン、ゼラチン、アカシアやアルギン酸ナトリウム、アルギン酸、その他のアルギン酸塩、粉末状トラガカント、グアールガムなどの天然および合成ガム、セルロースおよびその誘導体(例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばNo.2208、2906、2910)、微結晶質セルロース、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。 医薬組成物、栄養補助サプリメント、および本明細書に開示される剤形での使用に適した充填剤の例には、タルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒または粉末)、微結晶質セルロース、粉末状セルロース、デキストラート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。微結晶質セルロースの適切な形態には、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corporation、American Viscose Division、Avicel Sales、Marcus Hook、PAから入手可能)として販売されている材料、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。特定の結合剤は、AVICEL RC−581として販売されている微結晶質セルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースとの混合物である。適切な無水または低水分賦形剤または添加剤には、AVICEL−PH−103(商標)およびStarch 1500LMが含まれる。一実施形態では、本発明の組成物中の結合剤または充填剤は、医薬組成物、栄養補給食品組成物、栄養補助サプリメント、または剤形の約50から約99重量%で存在することができる。 崩壊剤は、水性環境に曝されたときに崩壊する錠剤が得られるように、本発明の組成物で使用することができる。非常に多くの崩壊剤を含有する錠剤は、貯蔵中に崩壊する可能性があるが、非常に少ない崩壊剤を含有する錠剤は、所望の速度でまたは所望の条件下で崩壊することができない。したがって、本発明の固体経口剤形の形成で崩壊剤を利用する場合、活性剤の放出を不利益に変化させないような十分な量の崩壊剤であるべきである。崩壊剤は、その他の、例えば本発明の栄養補助サプリメント組成物にも用いることができることに留意されたい。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプに応じて異なり、これは当業者に容易に理解される。 典型的な医薬組成物および栄養補給サプリメントは、崩壊剤を約0.5から約15重量%含み、いくつかの実施形態では、より具体的には崩壊剤を約1から約5重量%含む。 本発明の医薬組成物、栄養補助サプリメント、および剤形に使用することができる崩壊剤には、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルファ化デンプン、その他のデンプン、クレイ、その他のアルギン、その他のセルロース、ガム、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。 潤滑剤は、本発明の医薬組成物、栄養補助サプリメント、および剤形に使用することができ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、その他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えばラッカセイ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、およびこれらの混合物を含むことができるが、これらに限定するものではない。追加の潤滑剤には、例えば、サイロイドシリカゲル(Baltimore、MDのW.R.Grace Co.製のAEROSIL 200)、合成シリカの凝集エアロゾル(Plano、TXのDegussa Co.により販売される)、CAB−O−SIL(Boston、MAのCabot Co.により販売される発熱性二酸化ケイ素生成物)、およびこれらの混合物が含まれる。少しでも使用する場合、潤滑剤は、典型的にはこの潤滑剤が組み込まれる医薬組成物、栄養補助サプリメント、または剤形の約1重量%未満の量で使用される。 適切な分散剤または湿潤剤は、例えば、レシチンなどの天然に生ずるホスファチドであり、あるいは、エチレンオキシドと例えば脂肪酸、長鎖脂肪族アルコール、または脂肪酸およびヘキシトールまたはヘキシトール無水物から得られた部分エステル、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどとの縮合生成物である。適切な懸濁剤は、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどである。 5.5.2 非経口剤形 非経口剤形は、皮下、静脈内(ボーラス注射を含む)、筋肉内、および動脈内を含むがこれらに限定されない様々な経路によって、被験体に投与することができる。これらの投与は、典型的な場合、汚染物質に対する患者の生来の防御をすり抜けるので、非経口剤形は滅菌され、または被験体に投与する前に滅菌可能であることが好ましい。非経口剤形の例には、注射の準備ができた溶液、製薬上許容される注射用ビヒクルに溶解しまたは懸濁させる準備ができた固体生成物、注射の準備ができた懸濁液、およびエマルジョンが含まれるが、これらに限定するものではない。 本発明の非経口剤形を得るのに使用することができる適切なビヒクルは、当技術分野で周知である。その例には、注射用水USP;塩化ナトリウム注射液、リンガー液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液、乳酸化リンガー液などであるがこれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどであるがこれらに限定されない水混和性ビヒクル;トウモロコシ油、綿実油、ラッカセイ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジルなどであるがこれらに限定されない非水性ビヒクルが含まれるが、これらに限定するものではない。典型的な場合、静脈内投与のための組成物は、滅菌等張水性緩衝液に溶かした溶液である。 本明細書に開示された活性成分の1種または複数の溶解度を増加させる化合物も、本発明の非経口剤形に組み込むことができる。必要な場合、組成物は、可溶化剤と、注射部位の痛みを和らげるリグノカインなどの局所麻酔剤を含んでもよい。 5.5.3 経皮、局所&粘膜剤形 本発明の経皮、局所、および粘膜剤形には、点眼剤、スプレイ、エアロゾル、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、エマルジョン、懸濁液、または当業者に知られるその他の形態が含まれるが、これらに限定するものではない。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences; Remington: The Science and Practice of Pharmacy(前掲); Howard C. Ansel他によるPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Lippincott Williams & Wilkins; 第7版(1999年10月1日)を参照されたい。口腔内の粘膜組織を治療するのに適切な剤形は、マウスウォシュとして、または口内ゲルとして処方することができる。さらに経皮剤型は、皮膚に当てて、所望量の活性成分が浸透可能になるよう特定の期間装着することができる「リザーバタイプ」または「マトリックスタイプ」のパッチを含む。 本発明に包含される経皮、局所、および粘膜剤形を得るのに使用することができる適切な賦形剤(例えば担体および希釈剤)およびその他の材料は、医薬品および化粧品の分野の当業者に周知であり、所与の医薬組成物または剤形が施用される特定組織に応じて様々である。この点に留意すると、典型的な賦形剤には、無毒性で製薬上許容される、ローション、チンキ、クリーム、エマルジョン、ゲル、または軟膏を形成するための水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。乳化剤、保存剤、酸化防止剤、ゲル形成剤、キレート剤、保湿剤、または湿潤剤も、望むなら医薬組成物および剤形に添加することができる。そのような追加の成分の例は、当技術分野では周知である。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences; Remington: The Science and Practice of Pharmacy; Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(前掲)を参照されたい。 乳化剤の例には、天然に生ずるガム、例えばアガシアガムやトラガカントガムと、天然に生ずるホスファチド、例えばダイズレシチンやモノオレイン酸ソルビタン誘導体が含まれる。酸化防止剤の例には、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸およびその誘導体、トコフェロールおよびその誘導体、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびエイステインが含まれる。保存剤の例には、p−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピルや塩化ベンザルコニウムなどのパラベンが含まれる。湿潤剤の例には、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、および尿素が含まれる。キレート剤の例には、ナトリウムEDTA、クエン酸、およびリン酸が含まれる。ゲル形成剤の例には、カルボポル、セルロース誘導体、ベントナイト、アルギネート、ゼラチン、およびポリビニルピロリドンが含まれる。軟膏基剤の例には、蜜蝋、パラフィン、パルミチン酸セチル、植物油、脂肪酸(Span)のソルビタンエステル、ポリエチレングリコール、脂肪酸のソルビタンエステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween)が含まれる。 特定の実施形態では、本発明は、目薬、ローション、軟膏、または送達機器の形をした眼に投与するための製剤を提供する。典型的な場合、組成物は、ビヒクルと組み合わせた活性化合物を含み、または活性化合物を、適切な担体系に組み込む。目薬の製剤用の、製薬上不活性なビヒクルおよび/または賦形剤には、例えばホウ酸やホウ酸塩などの緩衝剤、活性化合物の最適な安定性または溶解度を得るためのpH調節剤、塩化ナトリウムやホウ酸ナトリウムなどの張度調節剤、ヒドロキシプロピルセルロースやメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、またはポリアクリルアミドなどの粘度調節剤、ラッカセイ油、ヒマシ油、および/または鉱油を含むビヒクルなどの油状ビヒクルが含まれる。活性薬物物質のエマルジョンおよび懸濁液は、目薬の形で存在してもよい。このような場合、組成物はさらに、安定剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、および/または懸濁剤を含むことができる。 治療される特定組織に応じて、追加の成分を、本発明の活性成分で治療する前に、または治療と併せて、または治療の後に使用することができる。例えば浸透強化剤は、組織への活性成分の送達を補助するのに使用することができる。適切な浸透強化剤には、アセトン;エタノールやオレイル、テトラヒドロフリルなどの様々なアルコール;ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ポリビニルピロリドンなどのピロリドン;Kollidonグレード(ポビドン、ポリビドン);尿素;Tween 80(ポリソルベート80)やSpan 60(モノステアリン酸ソルビタン)などの、様々な水溶性または不溶性の糖エステルが含まれるが、これらに限定するものではない。 医薬組成物または剤形のpH、あるいは医薬組成物または剤形が施用される組織のpHは、1種または複数の活性成分の送達を改善するために調節してもよい。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度、または等張度も、送達を改善するために調節することができる。ステアレートなどの化合物も、送達が改善されるよう、1種または複数の活性成分の親水性または親油性を有利に変化させるため、医薬組成物または剤形に添加することができる。これに関し、ステアレートは、製剤用の脂質ビヒクルとして、乳化剤または界面活性剤として、また送達強化または浸透強化剤としての役割を果たすことができる。活性成分の種々の塩、水和物、または溶媒和物は、得られる組成物の性質をさらに調節するために使用することができる。 5.6 化粧品組成物 別の実施形態では、本発明は、本発明の1種または複数の組成物または化合物と化粧剤とを含む化粧品組成物を提供する。本発明の化粧品組成物は、皮膚および/または毛に接触させ、堆積し、かつ/または接着させることによって、あるいは身体および/または毛の衛生をもたらし維持することによって、健康的、治療的、および審美的な皮膚および/または毛の利益をもたらすために利用することができる。 本発明の化粧品組成物に含めることができる、化粧剤や担体などの様々な任意選択の好ましい成分の、非排他的な一覧を以下に示す。 適切な化粧剤は、当業者に周知であり、吸収剤、抗にきび剤、固化防止剤、抗セルライト剤、消泡剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗菌剤、酸化防止剤、制汗/脱臭剤、抗皮膚萎縮剤、抗ウイルス剤、しわ予防剤、人工日焼け剤および促進剤、収斂剤、バリアリペア剤、結合剤、緩衝剤、充填剤、キレート剤、着色剤、染料、酵素、精油、被膜形成剤、香料、芳香剤、湿潤剤、親水コロイド、光拡散剤、不透明化剤、蛍光増白剤、光調節剤、微粒子、香水、pH調節剤、金属イオン封鎖剤、スキンコンディショナー/保湿剤、皮膚感触調節剤、皮膚保護剤、皮膚知覚剤、皮膚治療剤、皮膚剥離剤、美白剤、スキンスージングおよび/またはヒーリング剤、皮膚洗浄剤、皮膚増粘剤、日焼け止め剤、局所麻酔剤、ビタミン、およびこれらの組合せからなる群から選択されたものが含まれるが、これらに限定するものではない。さらなる記述については、参照によりその全体を本明細書に援用するHandbook of Cosmetics Science and Technology, 第1版, A.O.Barel(編)(2001)を参照されたい。 本発明の化粧品組成物は、化粧品として許容される担体と、あらゆる任意選択の成分とを含んでもよい。適切な担体は当技術分野で周知であり、最終使用の適用例に基づいて選択される。例えば本発明の担体には、皮膚への施用に適したものが含まれるが、これらに限定するものではない。本発明の担体は、皮膚(例えば日焼け止め、クリーム、乳液、ローション、マスク、血清など)または爪(例えば艶出し、トリートメントなど)への施用に適することが好ましい。そのような担体は、当技術分野で周知であり、皮膚および爪への施用に適した1種または複数の適合性ある液体または固体充填剤希釈剤またはビヒクルを含むことができる。担体の正確な量は、結合剤と、当業者が担体とは異なるとして分類されるあらゆるその他の任意選択の成分(例えば、その他の有効成分)とのレベルに応じて異なることになる。本発明の化粧品組成物は、本発明の組成物または化合物を約0.01重量%から約20重量%、約0.05重量%から約10重量%、約0.1重量%から約5重量%、約0.5重量%から約1重量%含むことができる。 化粧品組成物は、エマルジョンを含めるがこれに限定することのないいくつかの方法で配合することができる。エマルジョン技法では、エマルジョンが、「分散相」および「連続相」を含む組成物であり、この分散相は、連続相中に懸濁され連続相に取り囲まれた小さい粒子または液滴として存在している。例えば、適切なエマルジョンには、水中油、油中水、水中油中水、油中水中油、およびシリコン中水中油のエマルジョンが含まれる。好ましい組成物は、水中油エマルジョンを含む。 本発明の化粧品組成物は、クリーム、ワックス、ペースト、ローション、乳液、ムース、ジェル、オイル、トニック、およびスプレイを含めた広く様々な製品タイプに配合することができる。好ましい組成物は、ローション、クリーム、ジェル、およびスプレイに配合される。これらの製品形態は、石鹸、シャンプー、ヘア、ハンド、およびボディローション、コールドクリーム、フェイシャルモイスチャー、抗にきび製剤、局所鎮痛剤、ファンデーション、アイシャドウ、口紅などを含めたメークアップ/化粧品が含まれるがこれらに限定することのないいくつかの適用例で使用することができる。そのような製品を配合するのに必要な任意の追加の成分は、製品タイプに応じて異なり、当業者により日常的に選択することができる。 本発明の組成物をエアロゾルとして配合し、スプレイ式製品として皮膚に施用する場合、噴射剤を組成物に添加する。適切な噴射剤の例には、クロロフッ素化低分子量炭化水素が含まれる。 本発明の化粧品組成物は、本発明の利益を許容できないほど変化させないことを条件に、任意選択で、所与の製品タイプで従来使用されてきたような様々なその他の成分を含有することができる。これらの任意選択の成分は、哺乳類の皮膚への施用に適切であるべきであり、すなわち組成物に組み込まれた場合、正しい医療判断または配合者の判断の範囲内で、必要以上の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー応答などを引き起こすことなく、ヒトの皮膚に接触させた使用に適切である。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook, 第2版(1992)は、本発明の組成物での使用に適切な、スキンケア産業で一般に使用されている広く様々な非限定的化粧品および医薬品成分を記載している。このような成分の種類の例には、酵素、界面活性剤、研磨剤、皮膚剥離剤、吸収剤、審美成分であって例えば芳香剤、顔料、カラーリング/着色剤、精油、皮膚知覚剤、収斂剤など(例えばチョウジ油、メントール、樟脳、ユーカリ油、ユージノール、乳酸メンチル、ウィッチヘーゼル留出物)、抗にきび剤(例えばレゾルシノール、硫黄、サリチル酸、エリスロマイシン、亜鉛など)、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤(例えばブチルカルバミン酸ヨードプロピル)、酸化防止剤、結合剤、生物添加剤、緩衝剤、充填剤、キレート剤、化学添加剤、着色剤、化粧品収斂剤、化粧品殺生剤、変性剤、薬物収斂剤、外用鎮痛剤、ポリマービーズ、被膜形成剤、芳香剤、湿潤剤、不透明化剤、pH調節剤、噴射剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、皮膚漂白剤(または脱色、美白剤)(例えばヒドロキノン、アゼライン酸、コーヒー酸、コウジ酸、アスコルビン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルグルコサミン)、スキンスージングおよび/またはヒーリング剤(例えばパンテノールおよび誘導体(例えばエチルパンテノール)、アロエベラ、パントテン酸およびその誘導体、アラントイン、ビサボロール、およびグリチルリジン酸二カリウム)、増粘剤、親水コロイド、特定のゼオライト、およびビタミンおよびその誘導体(例えばコトフェロール、酢酸トコフェロール、ベータカロテン、レチノイン酸、レチノール、レチノイド、パルミチン酸レチニル、ナイアシン、ナイアシンアミドなど)が含まれる。 任意選択の成分の他の例には、湿潤剤;皮膚軟化剤;グリセロールやPEG400、チアモルホリノンおよびその誘導体、または尿素などの保湿剤;S−カルボキシメチルシステインやS−ベンジルシステアミン、その塩および誘導体などの抗脂漏剤;エリスロマイシンおよびそのエステルやネオマイシン、クリンダマイシンおよびそのエステル、テトラサイクリンなどの抗生物質;ケトコナゾールや4,5−ポリメチレン−3−イソチアゾリドンなどの抗真菌剤;ミノキシジル(2,4−ジアミノ−5−ピペリジノピリジン3−オキシド)およびその誘導体、ジアゾキシド(7−クロロ−3−メチル−1,2,4−ベンゾチアジアジン1,1−ジオキシド)およびフェニトイン(5,4−ジフェニルイミダゾリジン−2,4−ジオン)など、毛の再成長を促進させるための薬剤;非ステロイド系抗炎症剤;カロテノイド、特にb−カロテン;アントラリンやその誘導体などの抗乾癬剤が含まれる。本発明による化粧品組成物は、香料強化剤、パラヒドロキシ安息香酸エステルなどの保存剤、安定剤、水分調節剤、pH調節剤、浸透圧調節剤、乳化剤、UV−AおよびUV−Bスクリーニング剤、およびブチルヒドロキシアニソールやブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤を含有してもよい。 5.7 制御放出剤形 本発明は、本発明の化合物および組成物を含む制御放出剤形も提供する。本明細書で使用する「制御放出剤形」および「制御放出製剤」という用語は、(i)長時間にわたり、被験体の体内に実質的に一定の薬物濃度をもたらす製剤、(ii)所定の時間が経過した後、長時間にわたり、体内に実質的に一定の薬物濃度をもたらす製剤、(iii)活性薬剤物質の血漿レベルの変動に伴う望ましくない副作用を最小限に抑えながら(鋸歯状動的パターン)、体内で比較的一定の有効な薬物レベルを維持することによって、所定の時間中、薬物作用を維持する製剤、(iv)例えば、罹患組織または器官に隣接させてあるいは罹患組織または器官内に、制御放出組成物を空間的に配置することによって、薬物作用を局在化させようとする製剤、および/または(v)薬物を特定の標的細胞型に送達するために担体または化学誘導体を使用することにより、薬物作用を標的にしようとする製剤を指すために、同義に使用される。また制御放出製剤は、例えば「持続放出」、「長期放出」、「プログラム放出」、「時間放出」、「速度制御」、および/または「標的放出」製剤としても、当技術分野で知られている。 制御放出形態として投与することを目的とする栄養補給食品組成物、医薬組成物、または化粧品組成物は、任意の適切な剤形、特に経口、非経口、皮膚、鼻、直腸、膣、および/または眼に投与することを目的とする剤形として呈示することができる。そのような剤形は、様々な割合の所望の放出プロフィルを得るために、例えばポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透系、多層コーティング、ミクロ粒子、ナノ粒子、リポソーム、微小球、またはこれらの組合せを使用する1種または複数の活性成分の制御放出をもたらすのに使用することができる。本明細書に記述されるものも含めた当業者に知られている適切な制御放出製剤は、本発明の化合物および組成物と共に使用するため容易に選択することができる。その例には、参照により本明細書にそれぞれ援用される米国特許第3.845,770号、第3,916,899号、第3,536,809号、第3,598,123号、および第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,345,556号、および第5,733,566号が含まれるが、これらに限定するものではない。 一実施形態では、本発明は、制御放出用に適合された錠剤やカプセル、ゲルキャップおよびカプレットなどであるがこれらに限定することのない、経口投与に適した単回剤形を包含する。剤形は、コーティングのないものにすることができ、または胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、それによって長時間にわたる持続作用が得られるように、既知の技法によってコーティングすることができる。コーティングは、例えば制御放出製剤を実現させるため、所定パターンで活性薬剤物質を放出するように適合させることができ、または胃を通過した後まで活性薬剤物質を放出しないように適合させることができる(腸溶コーティング)。コーティングは、糖コーティング、被膜コーティング(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸コポリマー(Eudragit EO)、ポリエチレングリコールおよび/またはポリビニルピロリドンをベースにする)、または腸溶コーティング(例えばメタクリル酸コポリマー(Eudragit*LおよびS)、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸ビニルフタル酸塩、セラック、および/またはエチルセルロースをベースにする)にすることができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルやジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料も、用いることができる。 特定の実施形態では、本発明の化合物または組成物の浮揚性錠剤製剤を、化合物または組成物と、賦形剤と、ヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの20〜75%w/wの親水コロイドとの混合物を顆粒化することによって、調製することができる。次いで得られた顆粒を、錠剤に圧縮することができる。胃液に接触すると、錠剤は、その表面に実質的に水を通さないゲル障壁を形成することができる。このゲル障壁は、1未満の密度を維持するのに関与し、それによって、錠剤を胃液中に浮遊させたままにすることが可能になる。 本発明の制御放出剤形の使用は、本発明の化合物または組成物が、(i)狭い治療指数を有する場合、すなわち有害な副作用または中毒反応に至る血漿濃度と、治療またはその他の有益な作用に至る血漿濃度との差が小さい場合であって、一般に治療指標が、半数致死量(LD50)と半有効量(ED50)との比と定義される場合、(ii)胃腸管内に狭い吸収窓を有する場合、(iii)治療レベルに血漿レベルを維持するために、日中の頻繁な投薬が必要とされる、非常に短い生物学的半減期を有する場合、(iv)コンプライアンス上の問題を減少させる目的で、毎日1回または2回だけ、あるいはさらに少ない頻度で使用することが望まれる場合、および(v)有害なピーク濃度なしで血漿中に存在し、または血漿中の濃度の変動が最小限に抑えられた状態で存在することが望まれる場合に特に好ましい。 多くの制御放出製剤は、所望の治療上および/または有益な効果を即座にもたらす量の化合物または組成物を最初に放出するように、かつ長時間にわたってこの効果のレベルを維持するために、別の量の化合物または組成物を徐々に、また連続的に放出するように設計されている。この一定レベルの薬物を体内で維持するために、化合物または組成物は、代謝され体内から排出される薬物の量に取って代わる速度で剤形から放出されなければならない。活性成分の制御放出は、pH、温度、酵素、水、またはその他の生理学的条件または化合物が含まれるがこれらに限定することのない様々な条件により、刺激を受ける可能性がある。 5.8 本発明の組成物および化合物の使用 本明細書では、増殖性障害、炎症性障害、および感染疾患に関する有益な効果を実現するための、またそのような疾患、あるいは1種または複数のその症状に関する有益な効果を引き出すための、本発明の化合物および組成物の使用について記述する。この方法は、投与を必要とする被験体に、予防上または治療上有効な量の本発明の1種または複数の化合物または組成物を投与するステップを含む。そのような化合物の投与は、例えば、本発明の医薬組成物、栄養補給食品組成物、または化粧品組成物の1種または複数を介して行うことができる。 本明細書で使用する「障害」および「疾患」という用語は、被験体の不健康な状態(身体的および/または精神的)を指すために同義に使用される。ある状態は、複数の障害として特徴付けることができる。例えば、ある状態は、非癌性増殖性障害でありかつ炎症性障害であると特徴付けることができる。 本明細書で使用する「被験体(被験者)」および「患者」という用語は、本明細書では同義に使用される。「被験体(被験者)」という用語は、動物、好ましくは非霊長類および霊長類(例えばカニクイザルなどのサル、チンパンジー、およびヒト)を含めた哺乳類、より好ましくはヒトを指す。「動物」という用語には、ネコやイヌなどのコンパニオンアニマル;動物園の動物;野生動物;反芻動物や非反芻動物、家畜、家禽などの農場またはスポーツ用の動物(例えばウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、シチメンチョウ、アヒル、およびニワトリ);げっ歯類(例えばマウス)やウサギ、モルモットなどの実験用動物、ならびに遺伝的にまたはその他の手法でクローニングされまたは改質された動物(例えば形質転換動物)も含まれるが、これらに限定するものではない。 一実施形態では、障害またはその症状の予防、治療、管理、または寛解の必要がある被験体とは、障害を有し、障害の危険性があることがわかっており、障害について診断され、または前に障害から回復したことのある被験体である。特定の実施形態では、被験体は、障害を発症するための遺伝因子、環境因子、またはこれらの組合せによって病気に罹りやすくかつ/またはその危険性がある動物であり、好ましくは哺乳類であり、より好ましくはヒトである。さらに別の実施形態では、被験体は、障害のための1種または複数のその他の治療によって治りにくく、またはその治療に応答しない。本明細書で使用する「応答しない」または「治りにくい」という用語は、障害に関し、そのような障害に伴う1種または複数の症状を緩和するのに臨床上適切ではない現在利用可能なモダリティー(例えば予防薬または治療薬)で治療した患者について述べている。典型的な場合、そのような患者は、重篤で永続的に活性な疾患に苦しみ、その障害に伴う症状を寛解させるための追加の療法を必要とする。さらに別の実施形態では、被験体は、免疫無防備状態のまたは免疫抑制状態の、ヒトなどの哺乳類である。 本明細書で使用する「(1種または複数の)モダリティー」および「(1種または複数の)療法」という用語は、障害あるいはその1種または複数の症状の予防、治療、管理、または寛解に使用することができる任意のプロトコル、方法、および/または薬剤を指すことができる。ある実施形態では、「(1種または複数の)モダリティー」および「(1種または複数の)療法」という用語は、障害あるいはその1種または複数の症状の予防、管理、治療、または寛解に有用な、化学療法、放射線療法、手術、ホルモン療法、生物学的療法、免疫療法、および/またはその他の療法を指す。 本明細書で使用する「治療する」、「治療」、および「治療している」という用語は、ある障害の進行、重症度、および/または持続期間の低下または改善、あるいは1種または複数のモダリティー(例えば、本発明の化合物または組成物などのなどの1種または複数の治療薬)の投与からもたらされるその1種または複数の症状の寛解を指す。 本明細書で使用される「予防する」、「予防している」、および「予防」という用語は、療法(例えば予防薬または治療薬)の投与または療法の組合せ(例えば予防薬と治療薬の組合せ)の投与からもたらされる、被験体における障害またはその症状の再発、開始、または発症の予防または阻害を指す。 本明細書で使用される「管理する」、「管理している」、および「管理」という用語は、被験体が療法(例えば予防薬または治療薬)から得るが疾患の治癒をもたらさない有益な効果を指す。ある実施形態では、被験体に、1種または複数のモダリティー(例えば1種または複数の予防薬または治療薬)を投与して、疾患の進行または悪化が予防されるように疾患を「管理する」。ある実施形態では、この方法は、障害に伴う不快感を少なくすることによって、有益な効果を提供する。 本明細書で使用する「有効な量」という用語は、一般に、障害あるいはその1種または複数の症状の重症度、持続時間を低下または改善し、障害の進行を予防し、障害の後退を引き起こし、障害に伴う1種または複数の症状の再発、発症、または開始を予防し、あるいは別のモダリティーの予防上または治療上の効果を高めまたは向上させ、あるいは障害に伴う不快感を少なくするのに十分な、本発明の化合物または組成物の量を指す。 本明細書で使用する「(1種または複数の)治療薬」という用語は、障害あるいはその1種または複数の症状の治療、管理、または寛解に使用することができる任意の薬剤を指す。ある実施形態では、「治療薬」という用語は、本発明の化合物または組成物を指す。治療薬は、この薬剤が生体内および/または生体外で有する1つまたは複数の効果に基づいて、異なる薬剤であると特徴付けることができ、例えば抗炎症剤は、免疫調節剤であると特徴付けることもできる。 本明細書で使用する「治療上有効な量」という用語は、障害の1種または複数の症状の寛解をもたらすのに十分な治療薬の量が、障害の進行を予防し、障害の後退を引き起こし、あるいは別のモダリティーの治療効果を高めまたは向上させることを指す。 本明細書で使用する「(1種または複数の)予防薬」という用語は、使用されるとき、障害あるいはその1種または複数の症状の予防に使用することのできる任意の薬剤を指す。ある実施形態では、「予防薬」という用語は、本発明の化合物または組成物を指す。予防薬は、この薬剤が生体外および/または生体内で有する1種または複数の効果に基づいて、異なる薬剤であると特徴付けることができる。 本明細書で使用する「予防上有効な量」という文言は、障害またはその症状の発症、再発、または開始の予防または阻害をもたらし、あるいは別のモダリティー(例えば別の予防薬)の予防効果を高めまたは向上させるのに十分な、予防薬の量を指す。化合物の、予防上有効な量の例を、以下に示す。 癌の治療に関する特定の実施形態では、有効な量は、癌細胞の増殖を阻害しまたは低下させ、腫瘍細胞の広がり(転移)を阻害しまたは低下させ、癌またはその症状の開始、発症、または進行を阻害しまたは低下させ、あるいは腫瘍のサイズを低下させる治療薬の量を指す。好ましくは、治療上有効な量の療法(例えば治療薬)は、癌細胞の成長および/または増殖、あるいは腫瘍のサイズまたは重量を、リン酸緩衝生理食塩液(「PBS」)などの対照またはプラセボに対して少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%低下させる。 炎症に関する別の実施形態では、有効な量は、器官または組織(例えば関節、皮膚、胃の裏層)の炎症を低下させる療法(例えば治療薬)の量を指す。好ましくは、有効な量の療法(例えば治療薬)は、器官または組織の炎症を、リン酸緩衝生理食塩液などの対照またはプラセボに対して少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%低下させる。治療上有効な量の化合物の例を、以下に示す。 特定の実施形態では、そのような用語は、癌細胞の増殖の阻害または低下、腫瘍細胞の広がり(転移)の阻害または低下、癌またはその症状の開始、発症、または進行の阻害または低下、腫瘍サイズの低下、癌に伴う不快感または痛みの低下、あるいは患者のECOGまたはKarnofskyスコアの改善を指す。その他の実施形態では、そのような用語は、1つまたは複数の関節、器官、または組織の腫脹の低下、あるいは炎症性障害に伴う不快感または痛みの低下を指す。その他の実施形態では、そのような用語は、感染部位または循環内での感染性物質の数の低下、あるいは感染または感染性疾患に伴う症状、不快感、または痛みの低下を指す。 また本発明は、増殖性障害または炎症性障害、あるいはその1種または複数の症状を、予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法も提供し、前記方法は、それを必要とする被験体に、予防上または治療上有効な量の本発明の1種または複数の化合物または組成物と、本発明の化合物以外の、予防上または治療上有効な量の少なくとも1種のその他のモダリティー(例えば少なくとも1種のその他の予防薬または治療薬)とを投与するステップを含むものである。 本発明で使用する「組み合わせて」という用語は、複数のモダリティー(例えば1種または複数の予防薬および/または治療薬)の使用を指す。「組み合わせて」という用語の使用は、障害を有する被験体にモダリティーを投与する順序を制限するものではない。第1のモダリティー(例えば、本発明の化合物などの予防薬または治療薬)は、障害(例えば、増殖性障害または炎症性障害)を有する被験体に第2のモダリティー(例えば、抗炎症剤や抗血管新生剤などの予防薬または治療薬)を投与する前に(例えば5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前に)、同時に、または後に(例えば5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後に)投与することができる。 本明細書で使用する「相乗」という用語は、本発明の化合物の組合せ、および/または本発明の1種または複数の化合物、組成物と、障害を予防し管理しまたは治療するのに使用されたまたは使用されているものも含めた別のモダリティー(例えば、予防薬または治療薬)との組合せを指し、この組合せは、個々の化合物または治療の相加効果よりも有効なものである。モダリティーの組合せ(例えば予防薬または治療薬の組合せ)の相乗効果によって、モダリティーの1種または複数をより少ない投薬量で使用することが可能になり、かつ/または障害を有する被験体に対して前記モダリティーの投与頻度をより少なくすることが可能になる。より少ない投薬量の予防薬または治療薬を利用し、かつ/または前記薬剤をより少ない頻度で投与することができるので、障害の予防、管理、または治療における前記薬剤の効力を低下させずに、被験体への前記薬剤の投与に関連した毒性を低下させることができる。さらに、相乗効果の結果、障害の予防、管理、または治療における薬剤の効力を向上することができる。さらに、予防薬または治療薬の組合せの相乗効果によって、いずれかの療法の単独使用に伴う有害なまたは望ましくない副作用を回避または低下させることができる。 本明細書で使用する「副作用」という文言は、モダリティーの望ましくない悪影響を包含する。副作用は常に望ましくないが、望ましくない作用は必ずしも有害とは限らない。悪影響は有害で、不快であり、または危険性がある可能性がある。副作用には、熱、悪寒、無気力、胃腸の毒性(胃および腸の潰瘍および糜爛を含む)、吐き気、嘔吐、神経毒性、ネフローゼ毒性、腎毒性(乳頭壊死および慢性間質性腎炎などの状態を含む)、肝毒性、(上昇した血清肝酵素レベルを含む)、骨髄毒性(白血球減少、骨髄抑制、血小板減少、および貧血を含む)、ドライマウス、金属味、妊娠期間の延長、衰弱、傾眠、痛み(筋肉痛、骨痛、および頭痛を含む)、脱毛、無気力、めまい、錘体外路症状、静坐不能、心血管障害、および性機能不全が含まれるが、これらに限定するものではない。 5.8.1 増殖性障害 本発明の化合物、および前記化合物を含む組成物は、増殖性障害またはその1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させるのに使用することができる。本発明は、特に上皮細胞の細胞過剰増殖に伴う非癌性障害(例えば喘息、COPD、肺線維症、気管支過剰応答、乾癬、リンパ増殖障害、および脂漏性皮膚炎)、内皮細胞の細胞過剰増殖に伴う非癌性障害(例えば再狭窄、過剰増殖血管疾患、ベーチェット症候群、アテローム性動脈硬化症、および黄斑変性)の1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法を提供し、前記方法は、その必要がある被験体に本発明の1種または複数の化合物を投与するステップを含む。また本発明は、細胞過剰増殖に伴う非癌性障害を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法を提供し、前記方法は、前記障害を予防し、管理し、治療し、または寛解させるのに有用な本発明の1種または複数の化合物または組成物と、1種または複数のその他の療法(例えば、1種または複数のその他の予防薬または治療薬)とを、それを必要とする被験体に投与するステップを含む。 特定の実施形態では、本発明は、細胞過剰増殖に伴う非癌性障害(例えばベーチェット症候群、サルコイドーシス、ケロイド、肺線維症、および腎線維症)、あるいはその1種または複数の症状を、予防し、管理し、治療し、または寛解させるための方法を提供し、前記方法は、予防上または治療上有効な量の本発明の1種または複数の化合物を、それを必要とする被験体に投与するステップを含む。別の実施形態では、本発明は、細胞過剰増殖に伴う非癌性障害(例えばベーチェット症候群、サルコイドーシス、ケロイド、肺線維症、および腎線維症)、あるいはその1種または複数の症状を、予防し、管理し、治療し、または寛解させるための方法を提供し、前記方法は、予防上または治療上有効な量の本発明の1種または複数の化合物と、予防上または治療上有効な量の1種または複数のその他の療法(例えば1種または複数の予防薬または治療薬)とを、それを必要とする被験体に投与するステップを含む。 本発明は、細胞過剰増殖に伴う障害の従来の療法に対して不応性である被験体の、そのような障害の1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法を包含し、前記方法は、本発明の1種または複数の化合物の予防上または治療上有効な量である用量を、被験体に接触させまたは被験体に投与するステップを含む。また本発明は、細胞過剰増殖に伴う非癌性障害の療法に対して不応性である被験体の、そのような障害を予防し、管理し、治療し、または寛解させるための方法を提供し、前記方法は、それを必要とする被験体に、本発明の1種または複数の化合物と、前記障害の予防、治療、管理、または寛解に有用な1種または複数のその他の療法(例えば1種または複数のその他の予防薬または治療薬)を投与するステップを含む。 特定の実施形態では、本発明は、癌あるいはその1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法を提供し、前記方法は、それを必要とする被験体に、本発明の1種または複数の化合物の予防上または治療上有効な量である用量を投与するステップを含む。別の実施形態では、本発明は、癌あるいはその1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法を提供し、前記方法は、それを必要とする被験体に、本発明の1種または複数の化合物の予防上または治療上有効な量である用量と、癌または続発状態(例えばウイルス、細菌、または真菌感染)の予防、治療、管理、または寛解に有用な予防上または治療上有効な量の1種または複数の療法(例えば1種または複数の予防薬または治療薬)の用量とを投与するステップを含む。 本発明の化合物は、自己由来幹細胞移植を含む治療など、白血病およびリンパ腫を含むがこれらに限定されないある癌を管理し、治療し、または寛解させるために試験管内または生体外で使用することができる。これは、被験体の自己由来造血幹細胞を収集し、すべての癌細胞を取り除き、次いで患者の残りの骨髄細胞集団を、高線量放射線療法と併せてまたは併せずに高用量の本発明の化合物を投与することによって根絶し、幹細胞移植片を元の被験体に注入し直す多段階の方法を含むことができる。次いで支持療法を行いながら骨髄機能を復帰させ、被験体を回復させる。 本発明の化合物の1種または複数は、第1、第2、第3、第4、第5、またはそれ以上のラインの癌療法として使用することができる。本発明は、そのような癌に対する従来療法に不応性な被験体の、癌あるいはその1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法を提供し、前記方法は、前記被験体に、本発明の1種または複数の化合物の予防上または治療上有効な量である用量を投与するステップを含む。癌は、その癌細胞の少なくとも相当な部分が死滅しないとき、またはその細胞分裂が療法に応答して抑えられるとき、療法手段に不応性であると決定することができる。そのような決定は、「不応性」という当技術分野で許容される意味をそのような文脈で使用して、癌細胞に対する治療の有効性を評価するための当技術分野で知られている任意の方法により、生体内または生体外で行うことができる。特定の実施形態では、癌は、癌細胞の数が著しく減少せず、または増加した場合、不応性である。 本発明は、そのような癌に対する既存の単剤療法に不応性な被験体の、癌あるいはその1種または複数の症状を予防し、管理し、治療し、または寛解させるための方法を提供し、前記方法は、前記被験体に、本発明の1種または複数の化合物の予防上または治療上有効な量である用量と、癌または続発状態の予防、治療、管理、または寛解に有用な1種または複数の療法(例えば1種または複数の予防薬または治療薬)の予防上または治療上有効な量である用量とを投与するステップを含む。また本発明は、本発明の1種または複数の化合物を任意のその他の療法(例えば放射線療法、化学療法、または手術)と組み合わせて、他の治療に不応性であることがわかっているがもはやこの療法が行われていない患者に投与することによって、癌または続発状態を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法も提供する。 本発明は、癌を持っており、かつ前に他の癌療法を受けたことがあるために免疫抑制された患者を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法を提供する。また本発明は、治療される被験体にとって、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、および/または生物療法/免疫療法の毒性が強すぎることが証明されまたは証明される可能性がある場合、すなわち許容できずまたは耐えられない副作用が生ずる場合、癌を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための代替方法も提供する。さらに本発明は、本発明の1種または複数の化合物を投与することによって、治療をしたことがありかつ疾患活性のない患者の癌の再発を予防するための方法を提供する。 特定の実施形態では、本発明の方法により予防され、管理され、治療され、または寛解する癌は、皮膚癌、前立腺癌、乳癌、骨癌、メラノーマ、肺癌、および卵巣癌である。別の実施形態は、本発明の方法により予防され、管理され、治療され、または寛解する癌は、骨に転移しまたは転移する可能性のある腫瘍(非限定的な例は、骨に転移しまたは転移する可能性を有する前立腺癌、乳癌、および肺癌である)、肺に転移しまたは転移する可能性のある腫瘍、脳に転移しまたは転移する可能性のある腫瘍、および被験体のその他の器官または組織に転移しまたは転移する可能性のある腫瘍が含まれるがこれに限定することのない転移性腫瘍である。 本発明の方法により、同様に予防し、管理し、治療し、または寛解することができる癌には、新生物、腫瘍(悪性および良性)および転移、あるいは制御されない細胞増殖によって特徴付けられる任意の疾患または障害が含まれるが、これらに限定するものではない。癌は、原発性または転移性の癌でよい。本発明の方法により予防し、管理し、治療し、または寛解することができる癌の特定の例には、頭部、頚部、眼、口、喉、食道、胸部、骨、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、乳房、卵巣、腎臓、肝臓、膵臓、および脳の癌が含まれるが、これらに限定するものではない。追加の癌には、下記のもの、すなわち急性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性などの急性骨髄性白血病、赤白血病、および骨髄形成症候群、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病や慢性リンパ性白血病、毛様細胞白血病などであるがこれらに限定されない慢性白血病などであるがこれらに限定されない白血病;真性赤血球増加症;ホジキン病や非ホジキン病などであるがこれらに限定されないリンパ腫;鬱積性多発性骨髄腫などであるがこれに限定されない多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、プラズマ細胞白血病、孤立性プラズマ細胞腫、および骨髄外プラズマ細胞腫;ヴァルデンストレームマクログロブリン血症;有意性が未決定の単一クローン性高ガンマグロブリン血症;良性単一クローン性高ガンマグロブリン血症;H鎖病;骨の肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫、骨の線維肉腫、脊索腫、骨膜性肉腫、軟組織肉腫、血管肉腫(血管内皮腫)、線維肉腫、カポージ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫などであるがこれらに限定することのない、骨および結合組織の肉腫;グリオーム、神経膠星状細胞腫、脳幹神経膠腫、脳室上衣細胞腫、乏希突起神経膠腫、非グリア腫、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫、松果体腫、松果体芽細胞腫、原発性脳リンパ腫などであるがこれらに限定されない脳腫瘍;腺癌、小葉(小細胞)癌、腺管内癌、髄様乳癌、粘液性乳癌、管状腺乳癌、乳頭状乳癌、パジェット病、および炎症性乳癌を含むがこれらに限定されない乳癌;褐色細胞腫および副腎皮質癌などであるがこれらに限定することのない副腎癌;乳頭状または小胞甲状腺癌、骨髄甲状腺癌、および退性甲状腺癌などであるがこれらに限定されない甲状腺癌;インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫、カルチノイド腫瘍または膵島細胞腫などであるがこれらに限定されない膵臓癌;クッシング病、プロラクチン分泌腫、先端巨大症、および尿崩症などであるがこれらに限定されない下垂体癌;虹彩黒色腫や脈絡膜黒色腫、毛様体黒色腫などの眼黒色腫、および網膜芽細胞腫などであるがこれらに限定されない眼癌;偏平上皮癌や腺癌、黒色腫などの膣癌;偏平上皮細胞腫、黒色腫、腺癌、基底細胞腫、肉腫、パジェット病などの外陰癌;偏平上皮細胞腫や腺癌などであるがこれらに限定されない頚部癌;子宮内膜癌や子宮肉腫などであるがこれらに限定されない子宮癌;卵巣上皮腫、境界型腫瘍、生殖細胞腫瘍、間質腫瘍などであるがこれらに限定されない卵巣癌;偏平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘液性類表皮癌、腺偏平上皮癌、肉腫、黒色腫、プラズマ細胞腫、ゆうぜい癌、燕麦細胞(小細胞)癌などであるがこれらに限定されない食道癌;腺癌やカビ様増殖(ポリープ)、潰瘍、表在拡大型、散在性拡大型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、および癌肉腫などであるがこれらに限定されない胃癌;結腸癌;直腸癌;肝細胞癌や胚芽細胞腫などであるがこれらに限定されない肝臓癌、腺癌などの胆嚢癌;乳頭、結節性、および拡散性などであるがこれらに限定されない胆管癌;非小細胞肺癌や偏平上皮細胞癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌、小細胞肺癌などの肺癌;胚腫瘍、セミノーマ、退生、古典的(典型的)、精母細胞、非セミノーマ、胚性癌、奇形腫癌、絨毛癌(卵黄嚢腫瘍)などであるがこれらに限定されない精巣癌、腺癌や平滑筋肉腫、および横紋筋肉腫などであるがこれらに限定されない前立腺癌;ペナル(penal)癌;偏平上皮細胞癌などであるがこれに限定されない口腔癌;基底癌;腺癌や粘膜表皮癌、腺様嚢胞癌などであるがこれらに限定されない唾液腺癌;偏平上皮細胞癌やいぼなどであるがこれらに限定されない咽頭癌;基底細胞癌や偏平上皮細胞癌、黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節性黒色腫、黒子悪性黒色腫、末端部黒子黒色腫などであるがこれらに限定されない皮膚癌;腎細胞癌や腺癌、副腎腫、線維肉腫、移行細胞癌(腎盤および/または尿管)などであるがこれらに限定されない腎癌;ウィルムス腫;移行細胞癌、偏平上皮細胞癌、腺癌、癌肉腫などであるがこれらに限定されない膀胱癌が含まれるが、これらに限定するものではない。さらに、癌には、粘液肉腫、骨原性肉腫、内皮性肉腫、リンパ管内皮性肉腫、中皮腫、骨膜腫、血管芽細胞腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支原生癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、および乳頭腺癌が含まれる(そのような障害の概要については、Fishman他, 1985, Medicine, 第2版, J.B.Lippincott Co.,PhiladelphiaおよびMurphy他, 1997, Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery, Viking Penguin, Penguin Books U.S.A.,Inc.,米国を参照されたい)。また、アポトーシスの異常によって引き起こされる癌も、本発明の方法および組成物によって治療できると考えられる。そのような癌には、ろ胞性リンパ腫、p53変異による癌腫、乳房、前立腺、および卵巣のホルモン依存性腫瘍、家族性腺腫様ポリープなどの前癌病変、および脊髄形成異常症候群を含めることができるが、これらに限定するものではない。 5.8.2 炎症性障害 本発明の1種または複数の化合物および/または組成物は、炎症性障害あるいはその1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、緩和し、または寛解させるのに使用することができる。本発明の化合物または前記化合物を含む組成物は、炎症に伴う状態(特に炎症性障害)あるいはその1種または複数の症状の予防、治療、管理、または寛解に有用な1種または複数の療法(例えば1種または複数のその他の予防薬または治療薬)と組み合わせて投与してもよい。 本発明の化合物または組成物は、炎症に伴う1種または複数の症状および/または状態を予防し、低下させ、またはなくすのに使用することができ、例えば炎症に伴う発赤、ほてり、浮腫(膨脹)、および/または痛みを予防し、低下させ、またはなくすことができる。 特定の実施形態では、本発明は、炎症に伴う状態(例えば炎症性障害)あるいはその1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させる方法であって、その必要がある被験体に、本発明の1種または複数の化合物の予防上または治療上有効な量である用量を接触させ、または投与するステップを含む方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、炎症に伴う状態(例えば炎症性障害)あるいはその1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させる方法であって、その必要がある被験体に、本発明の1種または複数の化合物の予防上または治療上有効な量である用量と、1種または複数のその他の療法(例えば1種または複数のその他の予防薬または治療薬)の予防上または治療上有効な量である用量とを投与するステップを含む方法を提供する。 本発明は、炎症に伴う症状に対する従来の療法(例えばメトトレキサートおよびTNF−α拮抗薬(例えばREMICADE(商標)またはENBREL(商標)))に不応性の被験体の、そのような炎症に伴う状態(例えば炎症性障害)あるいはその1種または複数の症状を、予防し、管理し、治療し、または寛解させる方法であって、その必要がある被験体に、本発明の1種または複数の化合物の予防上または治療上有効な量である用量を投与するステップを含む方法を提供する。また本発明は、炎症に伴う状態に対する既存の単剤療法に不応性な被験体の、炎症に伴う状態(例えば炎症性障害)あるいはその1種または複数の症状を、予防し、治療し、管理し、または寛解させる方法であって、前記被験体に、本発明の1種または複数の化合物の予防上または治療上有効な量である用量と、1種または複数のその他の療法(例えば1種または複数のその他の予防薬または治療薬)の予防上または治療上有効な量である用量とを投与するステップを含む方法も提供する。また本発明は、本発明の1種または複数の化合物を任意のその他の療法と組み合わせて、他の治療に不応性であることがわかっているがもはやこの療法が行われていない患者に投与することによって、炎症に伴う状態(例えば炎症性障害)を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための方法も提供する。また本発明は、治療する患者にとって別の療法が非常に有害であることが証明されまたは証明される可能性のある場合、すなわち許容できないかまたは耐えることのできない副作用がもたらされる場合に、炎症に伴う状態(例えば炎症性障害)を予防し、治療し、管理し、または寛解させるための代替方法も提供する。さらに本発明は、本発明の1種または複数の化合物を投与することによって治療されたことがありかつ疾患状態がない患者での、炎症に伴う状態(例えば炎症性障害)の再発を予防するための方法を提供する。 本発明の方法により予防し、管理し、治療し、または寛解することのできる炎症性障害の例には、喘息、アレルギー反応、アレルギー障害、1型媒介性炎症を特徴とする炎症性障害、2型媒介性炎症を特徴とする炎症性障害、線維性疾患(例えば肺線維症)、乾癬、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、脳炎、炎症性腸疾患(例えばクローン病および潰瘍性大腸炎)、虚血性再潅流障害、通風、ベーチェット病、敗血症性ショック、未分化脊椎関節症、未分化関節症、関節炎、慢性関節リウマチ(若年および成年)、変形性関節症、乾癬性関節炎、炎症性骨溶解、全身性炎症応答症候群(SIRS)、敗血症、髄膜炎、および慢性ウイルスまたは細菌感染から生ずる慢性炎症が含まれるが、これらに限定するものではない。 特定の実施形態では、本発明の方法により予防され、治療され、管理され、または寛解する炎症性障害は、2型媒介性炎症として特徴付けられる炎症性障害である。2型媒介性炎症は、好酸性および好塩基性組織浸潤および/または拡張性肥満細胞脱顆粒、表面結合IgEの架橋に依存するプロセスによって特徴付けられる。別の実施形態では、本発明の方法により予防され、治療され、管理され、または寛解する炎症性障害は、喘息、ベーチェット病、関節炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、腎線維症、通風、またはアレルギー障害である。 特定の実施形態では、本発明の1種または複数の化合物の有効量を、喘息あるいはその1種または複数の症状の予防、治療、管理、または寛解に有用な1種または複数の療法(例えば予防薬または治療薬)の有効量と組み合わせて、被験体に投与する。そのような療法の非限定的な例には、アドレナリン作用性興奮薬(例えばカテコールアミン(例えばエピネフリン、イソプロテレノール、およびイソエタリン)、レゾルシノール(例えばメタプロテレノール、テルブタリン、およびフェノテロール)、サリゲニン(例えばサルブタモール))、抗コリン作動薬(例えば硫酸アトロピン、メチル硝酸アトロピン、および臭化イプラトロピウム(ATROVENT(商標)))、β2作動薬(例えばアブテロール(VENTOLIN(商標)およびPROVENTIL(商標))、ビトルテロール(TORNALATE(商標))、レバルブテロール(XOPONEX(商標))、メタプロテレノール(ALUPENT(商標))、ピルブテロール(MAXAIR(商標))、テルブタリン(BRETHAIRE(商標)およびBRETHINE(商標))、アルブテロール(PROVENTIL(商標)、REPETABS(商標)、およびVOLMAX(商標))、フォルモテロール(FORADIL AEROLIZER(商標))、およびサルメテロール(SEREVENT(商標)およびSEREVENT DISKUS(商標)))、コルチコステロイド(例えばメチルプレドニゾロン(MEDROL(商標))、プレドニゾン(PREDNISONE(商標)およびDELTASONE(商標))、およびプレドニゾロン(PRELONE(商標)、PEDIAPRED(商標)))、グルココルチコイド(例えば経口ステロイド、あるいはその他の全身性または経口ステロイド、および吸入グルココルチコイド)、その他のステロイド、免疫抑制剤(例えばメトトレキサートおよび金塩)、ロイコトリエン修飾剤(例えばモンテルカスト(SINGULAIR(商標))、ザフィルルカスト(ACCOLATE(商標))、およびジロイトン(ZYFLO(商標)))、肥満細胞安定剤(例えばクロモリンナトリウム(INTAL(商標))およびネドクロミルナトリウム(TILADE(商標)))、メチルキサンチン(例えばテオフィリン(UNIPHYL(商標)、THEO−DUR(商標)、SLO−BID(商標)、AND THEO−42(商標)))、および粘液溶解剤(例えばアセチルシステイン)が含まれるが、これらに限定するものではない。 特定の実施形態では、本発明の1種または複数の化合物の有効量を、アレルギーあるいはその1種または複数の症状の予防、治療、管理、または寛解に有用な1種または複数の療法(例えば予防薬または治療薬)の有効量と組み合わせて、被験体に投与する。療法の非限定的な例には、抗伝達物質薬(例えば抗ヒスタミン、表2参照)、コルチコステロイド、うっ血除去薬、交感神経作動薬(例えばα−アドレナリン作動薬およびβ−アドレナリン作動薬)、テオフィリンおよびその誘導体、グルココルチコイド、および免疫療法(例えばアレルゲンの長期反復注射、短期脱感作、および毒物免疫療法)が含まれる。 特定の実施形態では、本発明の1種または複数の化合物の有効量を、COPDあるいはその1種または複数の症状の予防、治療、管理、または寛解に有用な1種または複数の療法(例えば予防薬または治療薬)の有効量と組み合わせて、被験体に投与する。そのような療法の非限定的な例には、気管支拡張剤(例えば、短期作用β2−アドレナリン作動薬(例えばアルブテロール、ピルブテロール、テルブタリン、およびメタプロテレノール)、長期作用β2−アドレナリン作動薬(例えば経口持続放出性アルブテロールおよび吸入サルメテロール)、抗コリン作動薬(例えば臭化イプラトロピウム)、テオフィリンおよびその誘導体(テオフィリンの治療範囲は、好ましくは10〜20μg/mLである))、グルココルチコイド、外因性α1AT(例えば、60mg/kgの週用量で静脈内投与された、プールされたヒト血漿由来のα1AT)、酸素、肺移植、肺容積縮小手術、気管内挿管、換気支持、1年ごとのインフルエンザワクチンおよび23価多糖による肺炎球菌ワクチン接種、運動、および禁煙が含まれるが、これらに限定するものではない。 特定の実施形態では、本発明の1種または複数の化合物の有効量を、肺線維症あるいはその1種または複数の症状の予防、治療、管理、または寛解に有用な1種または複数の療法(例えば予防薬または治療薬)の有効量と組み合わせて、被験体に投与する。そのような療法の非限定的な例には、酸素、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾンの1日の投与量を、開始時には1〜1.5mg/kg/日(100mg/日まで)として6週間続け、3から6カ月かけてゆっくりと低下させ、最小維持用量0.25mg/kg/日にする)、細胞毒性薬物(例えば、シクロホスファミドを1日1回、経口で100〜120mg、およびアザチオプリンを1日1回、経口で3mg/kgから200mgまで)、気管支拡張剤(例えば、短期および長期作用β2−アドレナリン作動薬、抗コリン作動薬、テオフィリンおよびその誘導体)、および抗ヒスタミン(例えば、ジフェンヒドラミンおよびドキシルアミン)が含まれる。抗炎症療法およびその投薬量、投与経路、および推奨される使用は、当技術分野で知られており、Physician's Desk Reference(第58版, 2004)などの文献に記載されている。 5.8.3 感染性疾患 本発明の1種または複数の化合物または組成物は、感染性疾患あるいはその1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、緩和し、または寛解させるのに使用することができる。本発明の化合物または組成物は、感染性疾患あるいはその1種または複数の症状に伴う状態の、予防、治療、管理、または寛解に有用な1種または複数のその他の療法(例えば1種または複数のその他の予防薬または治療薬)と組み合わせて投与することもできる。 ヒトおよび非ヒト脊椎動物の両方の感染性ウイルスには、レトロウイルス、RNAウイルス、およびDNAウイルスが含まれる。ヒトに見出されたウイルスの例には、レトロウイルス科(例えば、HIV−1(HTLV−III、LAV、またはHTLV−III/LAとも呼ばれる)やHIV−IIIなどのヒト免疫不全ウイルス);およびHIV−LPなどのその他の単離体;ピコルナウイルス科(例えばポリオウイルス、A型肝炎ウイルス;エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス);カルシウイルス科(例えば、胃腸炎を引き起こす株);トガウイルス科(例えば、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス);フラウイルス科(例えばデングウイルス、脳炎ウイルス、黄熱ウイルス);コロナウイルス科(例えばコロナウイルス);ラブドウイルス科(例えば水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス);フィロウイルス科(例えばエボラウイルス);パラミクソウイルス科(例えばパラインフルエンザウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、RSウイルス);オルトミクソウイルス科(例えばインフルエンザウイルス);ブンガウイルス科(例えばハンターンウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルス、およびナイロウイルス);アレナウイルス科(出血熱ウイルス);レオウイルス科(例えばレオウイルス、オルビウイルス、およびロタウイルス);ビルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス);パルボウイルス科(パルボウイルス);パポバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス);アデノウイルス科(ほとんどのアデノウイルス);ヘルペスウイルス科(単純疱疹ウイルス(HSV)1型および2型、水痘−帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス);ポックスウイルス科(痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス);およびイリドウイルス科(例えばアフリカ豚コレラウイルス);および分類されていないウイルス(例えば海綿状脳症の病因物質、デルタ型肝炎の物質(B型肝炎の欠陥付随体と考えられる)、非A型、非B型肝炎の物質(クラス1=内部に伝達;クラス2=非経口的に伝達(すなわちC型肝炎);ノーウォークおよび関連するウイルス、およびアストロウイルス)が含まれるが、これらに限定するものではない。 考えられるレトロウイルスには、単純レトロウイルスと複合レトロウイルスの両方が含まれる。単純レトロウイルスには、B型レトロウイルス、C型レトロウイルス、およびD型レトロウイルスのサブグループが含まれる。B型レトロウイルスの例は、マウス乳腺癌ウイルス(MMTV)である。C型レトロウイルスには、サブグループC型群A(ラウス肉腫ウイルス(RSV)、鳥類白血病ウイルス、および鳥類骨髄芽球症ウイルスを含む)およびC型群B(マウス白血病ウイルス(MLV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、マウス肉腫ウイルス(MSV)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、脾臓壊死ウイルス(SNV)、細網内皮症ウイルス(RV)、およびシミアン肉腫ウイルス(SSV)を含む)が含まれる。D型レトロウイルスには、メーソンファイザー猿ウイルス(MPMV)およびシミアンレトロウイルス1型(SRV−1)が含まれる。複合レトロウイルスには、レンチウイルス、T細胞白血病ウイルス、および泡沫状ウイルスのサブグループが含まれる。レンチウイルスには、HIV−1が含まれるが、HIV−2、SIV、ビスナウイルス、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、およびウマ感染性貧血ウイルス(EIAV)も含まれる。T細胞白血病ウイルスには、HTLV−1、HTLV−II、シミアンT細胞白血病ウイルス(STLV)、およびウシ白血病ウイルス(BLV)が含まれる。泡沫状ウイルスには、ヒト泡沫状ウイルス(HFV)、シミアン泡沫状ウイルス(SFV)、およびウシ泡沫状ウイルス(BFV)が含まれる。 脊椎動物における抗原であるRNAウイルスの例には、下記のものが含まれるが、これらに限定するものではない:オルトレオウイルス属(複数の血清型の、哺乳類および鳥類両方のレトロウイルス)、オルビウイルス属(ブルータングウイルス、ユーゲナンジーウイルス、ケメロボウイルス、アフリカウマ病ウイルス、およびコロラドダニ熱ウイルス)、ロタウイルス属(ヒトロタウイルス、ネブラスカ子ウシ下痢ウイルス、マウスロタウイルス、シミアンロタウイルス、ウシまたはヒツジロタウイルス、鳥類ロタウイルス)を含むレオウイルス科ファミリー;エンテロウイルス属(ポリオウイルス、コクサッキーウイルスAおよびB、腸細胞障害性ヒトみなし子(ECHO)ウイルス、A型肝炎ウイルス、シミアンエンテロウイルス、マウス脳脊髄炎(ME)ウイルス、ポリオウイルスムリス、ウシエンテロウイルス、ブタエンテロウイルス)、カルジオウイルス属(脳心筋炎ウイルス(EMC)、メンゴウイルス)、ライノウイルス属(少なくとも113サブタイプを含むヒトライノウウイルス;その他のライノウイルス)、アプトウイルス属(口蹄疫(FMDV)を含むピコルナウイルス科ファミリー;ブタ小水疱性発疹ウイルス、サンミグエルアザラシウイルス、ネコピコルナウイルスおよびノーウォークウイルスを含むカルシウイルス科ファミリー;アルファウイルス属(東部ウマ脳炎ウイルス、セムリキ森林ウイルス、シンドビスウイルス、チクングニヤウイルス、オニョンニョンウイルス、ロス川ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス)、フラビウイルス属(蚊媒介型黄熱病ウイルス、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、西ナイルウイルス、クンジンウイルス、中央ヨーロッパマダニ媒介型ウイルス、極東マダニ媒介型ウイルス、キャサヌールシ森林ウイルス、跳躍病ウイルス、ポーワッサンウイルス、オムスク出血性熱ウイルス)、ルビウイルス属(ルベラウイルス)、ペスチウイルス属(粘膜病ウイルス、豚コレラウイルス、ボーダー病ウイルス)を含むトガウイルス科ファミリー;ブンヤウイルス属(ブンヤンウェラおよび関連ウイルス、カリフォルニア脳炎群ウイルス)、フレボウイルス属(サシチョウバエ熱ウイルス、リフトバレー熱ウイルス)、ナイロウイルス属(クリミア−コンゴ出血性熱ウイルス、ナイロビヒツジ病ウイルス)、およびUukuウイルス属(Uukuニエミおよび関連ウイルス)を含むブンヤウイルス科ファミリー;インフルエンザウイルス属(インフルエンザA型、多くのヒトサブタイプ)を含むオルトミクソウイルス科ファミリー;ブタインフルエンザウイルス、トリおよびウマインフルエンザウイルス;インフルエンザB型(多くのヒトサブタイプ)、およびインフルエンザC型(可能な別の属);パラミクソウイルス属(パラインフルエンザウイルス1型、センダイウイルス、赤血球吸着ウイルス、パラインフルエンザウイルス2から5型、ニューカッスル病ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス)、モルビリウイルス属(麻疹ウイルス、亜急性硬化汎脳炎ウイルス、ジステンパーウイルス、牛疫ウイルス)、肺炎ウイルス属(呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ウシ呼吸器合胞体ウイルス、およびマウス肺炎ウイルス)を含むパラミクソウイルス科ファミリー;森林ウイルス、シンドビスウイルス、チクングニヤウイルス、オニョンニョンウイルス、ロス型ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス)、フラビウイルス属(蚊媒介型黄熱ウイルス、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、西ナイルウイルス、クンジンウイルス、中央ヨーロッパマダニ媒介型ウイルス、極東マダニ媒介型ウイルス、キャサヌール森林ウイルス、跳躍病ウイルス、ポーワッサンウイルス、オムスク出血性熱ウイルス)、ルビウイルス属(ルベラウイルス)、ペスチウイルス属(粘膜病ウイルス、豚コレラウイルス、ボーダー病ウイルス);ブンヤウイルス属(ブンヤンウェラおよび関連ウイルス、カリフォルニア脳炎群ウイルス)、フレボウイルス属(サシチョウバエ熱シシリアンウイルス、リフトバレー熱ウイルス)、ナイロウイルス属(クリミアン−コンゴ出血性熱ウイルス、ナイロビヒツジ病ウイルス)、Uukuウイルス属(Uukuニエミおよび関連ウイルス)を含むブンヤウイルス科ファミリー;インフルエンザウイルス属(インフルエンザウイルスA型、多くのヒトサブタイプ)を含むオルトミクソウイルス科ファミリー;ブタインフルエンザウイルス、トリおよびウマインフルエンザウイルス;インフルエンザB型(多くのヒトサブタイプ)、およびインフルエンザC型(可能な別の属);パラミクソウイルス属(パラインフルエンザウイルス1型、センダイウイルス、赤血球吸着ウイルス、パラインフルエンザウイルス2から5型、ニューカッスル病ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス)、モルビリウイルス属(麻疹ウイルス、亜急性硬化汎脳炎ウイルス、ジステンパーウイルス、牛疫ウイルス)、肺炎ウイルス属(呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ウシ呼吸器合胞体ウイルスおよびマウス肺炎ウイルス)を含むパラミクソウイルス科ファミリー;ベシクロウイルス属(VSV)、チャンディプラウイルス、フランダース−ハートパークウイルス)、リッサウイルス属(狂犬病ウイルス)、フィッシュラブドウイルス、および2種の可能なラブドウイルス(マルブルグウイルスおよびエボラウイルス)を含むラブドウイルス科ファミリー;リンパ球脈絡髄膜炎ウイルス(LCM)、タカリベウイルス複合体、およびラッサウイルスを含むアレナウイルス科ファミリー;伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、マウス肝炎ウイルス、ヒト腸コロナウイルス、ネコ伝染性腹膜炎(ネココロナウイルス)を含むコロノアウイルス科ファミリーのメンバー。 脊椎動物における抗原である例示的なDMAウイルスには、オルトポックスウイルス属(大痘瘡、小痘瘡、サル痘ポックスワクシニア、牛痘、水牛痘、ウサギ痘、エクトロメリア)、レポリポックスウイルス属(粘液腫、線維腫)、トリポックスウイルス属(鶏痘、その他のトリポックスウイルス)、カプリポックスウイルス属(ヒツジ痘、ヤギ痘)、スイポックスウイルス属(ブタ痘)、パラポックスウイルス属(伝染性膿疱性皮膚炎ウイルス、偽牛痘、ウシ丘疹性口内炎ウイルス)を含むポックスウイルス科ファミリー;イリドウイルス科ファミリー(アフリカ豚熱ウイルス、カエルウイルス2および3、魚類リンパ球ウイルス);αヘルペスウイルス(単純ヘルペス1型および2型、水痘−帯状疱疹ウイルス、ウマ流産ウイルス、ウマヘルペスウイルス2および3、仮性狂犬病ウイルス、伝染性ウシ角結膜炎ウイルス、伝染性ウシ鼻気管炎ウイルス、ネコ鼻気管炎ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス)、βヘルペスウイルス(ヒトサイトメガロウイルス、ブタ、サル、およびげっ歯類のサイトメガロウイルス);γヘルペスウイルス(エプスタイン−バーウイルス(EBV)、マレク病ウイルス、ヘルペスサイミリ、ヘルペスウイルスアテレス、ヘルペスウイルスシルビラーグ、ギニアピッグヘルペスウイルス、リュッケ腫瘍ウイルス)を含むヘルペスウイルス科ファミリー;マストアデノウイルス属(ヒトサブグループA、B、C、D、E、およびグループ分けされていないもの;シミアンアデノウイルス(少なくとも23の血清型)、伝染性イヌ肝炎、畜牛、ブタ、ヒツジ、カエルおよびその他の種のアデノウイルス、トリアデノウイルス属(トリアデノウイルス);および培養できないアデノウイルスを含むアデノウイルス科ファミリー;パピローマウイルス属(ヒトパピローマウイルス、ウシパピローマウイルス、ショープウサギパピローマウイルス、およびその他の種の様々な病原性パピローマウイルス)、ポリオーマウイルス属(ポリオーマウイルス、シミアン空胞形成物質(SV−40)、ウサギ空胞形成物質(RKV)、Kウイルス、BKウイルス、JCウイルス、およびリンパ栄養性パピローマウイルスなどのその他の霊長類ポリオーマウイルス)を含むパポウイルス科ファミリー;アデノ関連ウイルス属、パルボウイルス属(ネコ汎白血球減少症ウイルス、ウシパルボウイルス、イヌパルボウイルス、アリューシャンミンク病ウイルスなど)を含むパルボウイルス科ファミリーが含まれるが、これらに限定するものではない。最後に、DNAウイルスは、クールーおよびクロイツフェルド−ヤコブ病ウイルスや慢性感染性ニューロパシー物質など、上記ファミリーに適合しないウイルスを含むことができる。 本発明の方法により治療または予防することができる細菌性の感染または疾患は、ミコバクテリア(例えば、ヒト型結核菌(Mycobacteria tuberculosis)、ウシ型結核菌(M.bovis)、トリ型結核菌(M.aviuim)、らい菌(M.leprae)、またはM.アフリカナム(M.africanum))、リッケチア、マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラなど、そのライフサイクル中に細胞内段階を有する細菌を含むがこれらに限定されない細菌によって引き起こされる。考えられる細菌性感染のその他の例には、グラム陽性バチルス(例えばリステリア、炭疽菌などのバチルス、エリジペロスリックス種)、グラム陰性バチルス(例えばバルトネラ、ブルセラ、カンピロバクター、エンテロバクター、エシェリキア、フランシセラ、ヘモフィラス、クレブシエラ、モルガネラ、プロテウス、プロビデンシア、シュードモナス、サルモネラ、セラチア、シゲラ、ビブロ、およびエルジニア種)、スピロヘータ細菌(例えば、ライム病を引き起こすボレリア・ブルガドルフェリ(Borrelia burgadorferi)含めたボレリア種)、嫌気性細菌(例えばアクチノミセスおよびクロストリジウム種)、グラム陽性および陰性球菌細菌、エンテロコッカス種、ストレプトコッカス種、ニューモコッカス種、スタフィロコッカス種、ナイセリア種によって引き起こされる感染が含まれるが、これらに限定するものではない。感染性細菌の特定の例には、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pyloris)、ボレリア・ブルガドルフェリ(Borelia burgforferi)、レジオネラ・ニューモフィリア(Legionella pneumophilia)、ヒト型結核菌(Mycobacteria tuberculisis)、トリ型結核菌(M.avium)、M.イントラセルラレ(M.intracellulare)、M.カンサイイ(M.kansaii)、M.ゴルドナエ(M.gordonae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、淋菌(Nisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(ストレプトコッカスA群)、ストレプトコッカス・アガラクチアエ(Streptococcsus agalactiae)(ストレプトコッカスB群)、ヴィリダンス型連鎖球菌(Streptococcus viridans)、糞便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ボビ(Streptococcus bovis)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、炭疽菌(Bacillus antracis)、ジフテリア菌(corynebacterium diphtheria)、豚丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ウェルチ菌(Clostridium perfringers)、破傷風菌(Clostridium tetani)、エンテロバクター・アエロゲン(Enterobacter aerogenes)、肺炎かん菌(Klebsiella pneumoniae)、パスツレラ・マルトシダ(Pasturella multocida)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusovacterium nucleatum)、ストレプトバチルス・モニリホルミス(Streptobacillus moniliformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidium)、フランベジアトレポネーマ(Treponema pertenue)、レプトスピラ(Leptospira)、リケッチア(Rickettsia)、およびイスラエル放線菌(Actinomyces israelli)が含まれるが、これらに限定するものではない。 真菌感染から、または真菌に関連して生ずる真菌性の感染または状態(例えば呼吸器感染)は、本発明の方法によって予防し、治療し、管理し、かつ/または寛解することができる。真菌性感染を引き起こす真菌の例には、アブシディア種(例えば、アブシディア・コリンビフェラ(Absidia corumbifera)およびアブシディア・ラモサ(Absidia ramosa))、アスペルギルス種(例えば黄色アスペルギルス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フミゲータス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、黒色アスペルギルス(Aspeergillus niger)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus))、バシディオボールス・ラナルム(Basidiobolus ranarum)、ブラストミセス・デルマティティディス(Blastomyces dermatitidis)、カンジダ種(例えばカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ・ケル(Candida kerr)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・シュードトロピカリス(Candida pseudotropicalis)、カンジダ・キレルモンジ(Candida quillermondii)、カンジダ・ルゴーサ(Candida rugosa)、カンジダ・ステラロイデア(Candida stellatoidea)、およびカンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis))、コクシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)、コニディオボルス種、クリプトコックス・ネオフォーム(Cryptococcus neoforms)、クンニングハメラ(Cunninghamella)種、皮膚糸状菌、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、石膏状小胞子菌(Microsporum gypseum)、ムコール・パシルス(Mucor pusillus)、ブラジルパラコクシジオイデス(Paracoccidioides brasiliensis)、シュードアレシェリア・ボイジ(Pseudallescheria boydii)、リノスポリジウム・セーベリ(Rhinosporidium seeberi)、ニューモシスティス・カリニ(Pneumocystis carinii)、クモノスカビ(Rhizopus)種(例えばリゾパスアリザス(Rhizopus arrhizus)、リゾパス・オリザエ(Rhizopus oryzae)、およびリゾパス・ミクロスポラス(Rhizopus microsporus))、サッカロミセス種、スポロトリクス・シェンキ(Sporothrix schenckii)、接合菌綱、および接合菌綱(Zygomycetes)や子嚢菌綱(Ascomycetes)、担子菌綱(Basidiomycetes)、不完全菌(Deuteromycetes)、卵菌(Oomycetes)などの種類が含まれるが、これらに限定するものではない。さらに、本発明の方法により治療または予防することができる真菌性疾患には、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、スポロトリクス症、コクシジオイデス真菌症、パラコクシジオイドミコーシス、ヒストプラズマ症、ブラストミセス症、接合真菌症、およびカンジダ症が含まれるが、これらに限定するものではない。 本発明の方法によって治療または予防することができる寄生虫病には、アメーバ症、マラリア、リーシュマニア、コクシジウム、ジアルジア鞭毛中症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、およびトリパノソーマ症が含まれるが、これらに限定するものではない。また、回虫症、鉤虫症、鞭虫症、糞線虫症、トキソカラ症、旋毛虫症、オンコセルカ症、フィラリア、およびディロフィラリア症などであるがこれらに限定することのない、様々な虫による感染も包含される。また、住血吸虫症、肺吸虫症、肝吸虫症などであるがこれらに限定することのない、様々な吸虫類による感染も包含される。これらの疾患を引き起こす寄生虫は、細胞内であるが細胞外であるかに基づいて分類することができる。本明細書で使用する「細胞内寄生虫」は、その全ライフサイクルが細胞内にある寄生虫である。ヒト細胞内寄生虫の例には、リーシュマニア種、プラスモディウム種、トリパノソーマ種、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)、バベシア種、および旋毛虫が含まれる。本明細書で使用する「細胞外寄生虫」は、その全ライフサイクルが細胞外にある寄生虫である。ヒトに感染することが可能な細胞外寄生虫には、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、エンテロサイトゾーンビエネウシ(Enterocytozoon bieneusi)、ネグレリア(Naegleria)およびアカントアメーバ(Acanthamoeba)ならびにほとんどの蠕虫が含まれる。さらに別の種類の寄生虫は、主に細胞外にあるが、そのライフサイクルの臨界期には絶対に細胞内に存在すると定義される。そのような寄生虫を、本明細書では「偏性細胞内寄生虫」と呼ぶ。これらの寄生虫は、その寿命のほとんどまたはその寿命の短い部分を細胞外環境で存在することができるが、それらはすべて、少なくとも1つの偏性細胞内段階をそのライフサイクル内に有する。この後者の寄生虫の範疇には、ローデシアトリマノソーマ(Trypanosoma rhodesiense)およびガンビアトリパノソーマ(Trypanosoma gambiense)、イソスポラ種、クリプトスポリジウム種、アイメリア種、ネオスポラ種、サルコシスティス種、および住血吸虫種が含まれる。 5.9 本発明の化合物との組合せに有用な薬剤 本発明は、本発明の化合物または組成物を、障害の予防、治療、管理、または寛解に有用であることが知られておりあるいはこれまで使用されまたは現在使用されており、あるいは障害に伴う不快感または痛みを弱める際に使用される、予防薬や治療薬などの別のモダリティーと組み合わせて使用して、障害(例えば増殖性障害または炎症性障害)を予防し、管理し、治療し、または寛解させるための方法を提供する。使い方に応じて、本発明の組成物または化合物は、別のモダリティーと同時投与することができ、あるいは本発明の組成物または化合物を混合し、次いで単一の組成物として被験体に投与することができる。 一実施形態では、本発明の1種または複数の化合物あるいは本発明の組成物を、店頭で売られている処方箋なしの薬品に加えることができる。そのような薬品の例には、鎮痛薬、アセトアミノフェノン、非ステロイド系抗炎症剤、サリチル酸化合物、抗生物質、下痢止め、駆虫薬、制吐薬、整腸剤、抗真菌薬、抗ヒスタミン、鎮咳薬、抗カビ剤、制酸薬、鎮痒薬、解熱剤、うっ血除去薬、去痰薬、緩下薬、痔失薬、人工涙液、鎮静薬、動揺病薬、にきび薬、脂漏薬、日焼け用製剤、アフタ性口内炎用製剤、ステロイド、咽頭炎ロゼンジ、禁煙補助薬、および創部ケア製品が含まれるが、これらに限定するものではない。 治療薬または予防薬には、植物エキス、小分子、合成薬、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸(例えば、アンチセンスヌクレオチド配列、RNAi、3重らせん体、および生物活性タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むがこれらに限定されないDNAおよびRNAヌクレオチド)、抗体、合成または天然の無機分子、擬似体、および合成または天然の有機分子が含まれるが、これらに限定するものではない。特定の実施形態では、組成物が、本発明の1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物と、1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の免疫調節剤を含む。別の実施形態では、組成物が、本発明の1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物と、1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の抗血管新生剤を含む。さらに別の実施形態では、組成物が、本発明の1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物と、1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の抗炎症剤を含む。別の実施形態では、組成物が、本発明の1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物と、1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の抗癌剤を含む。別の実施形態では、組成物が、本発明の1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物と、1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の抗ウイルス剤を含む。別の実施形態では、組成物が、本発明の1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物と、1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の抗生物質を含む。別の実施形態では、組成物が、本発明の1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物と、1種または複数の天然産物、植生化学物質、または植物学的抽出物を含む。別の実施形態では、組成物が、本発明の1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物と、以下の予防薬または治療薬、すなわち免疫調節剤、抗血管新生剤、植物学的抽出物、抗癌剤、免疫調節剤、抗血管新生剤、抗炎症剤、抗ウイルス剤、または抗菌剤(例えば抗生物質)の1種、2種、3種、またはそれ以上の任意の組合せを含む。 障害(例えば増殖性障害または炎症性障害)あるいはその1種または複数の症状の予防、管理、治療、または寛解に寄与する任意の薬剤は、本明細書に記述される本発明に従って本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。増殖性障害または炎症性障害あるいはその1種または複数の症状を、予防し、治療し、管理し、または寛解させるためにこれまで使用されておりまたは現在使用されている予防薬または治療薬に関する情報については、例えば、Gilman他, Goodman and Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 第10版, McGraw-Hill, New York, 2001; The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, Berkow, M.D.他(編), 第17版, Merck Sharp & Dohme Research Laboratories, Rahway, NJ, 1999; Cecil Textbook of Medicine, 第20版, BennettおよびPlum(編), W.B.Saunders, Philadelphia, 1996を参照されたい。そのような薬剤の例には、抗炎症剤(例えばコルチコステロイド(例えばプレドニゾンおよびヒドロコルチゾン)、グルココルチコイド、ステロイド、非ステロイド系抗炎症剤(例えばアスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、およびCOX−2阻害剤)、β作動薬、抗コリン作動薬、およびメチルキサンチン)、免疫調節剤、金の注射、スルファサラジン、ペニシルアミン、抗血管新生剤(例えばアンギオスタチン、TNF−α拮抗薬(例えば抗TNFα抗体)、およびエンドスタチン)、抗線維性、制吐剤(例えばメトクロプロミド、ドムペリドン、プロクロペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタル、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、およびトピセトロン)、オピオイド(例えばモルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、オキシモルホン、オキシコドン、メトポン、アポモルフィン、ノルモルフィン、エトルフィン、ブプレノルフィン、メペリジン、ロペルミド、アニレリジン、エトヘプタジン、ピミニジン、ベタプロジン、ジフェノキシラート、フェンタニル、スフェンタニル、アルフェンタニル、レミフェンタニル、レボルファノール、デキストロメトルファン、フェナゾシン、ペンタゾシン、シクラゾシン、メタドン、イソメタドン、およびプロポキシフェン)、造血コロニー刺激因子(例えばフィルグラスチム、ペグフィルグラスチムサルグラモスチム、モルグラモスチム、およびエポエチンα)、制吐剤(例えばメトクロプロミド、ドムペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタル、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、およびトロプセトロン)、ダプソン、ソラレン(例えば、メトキサレンおよびトリオキサレン)、抗ヒスタミン、抗マラリア剤(例えばヒドロキシクロロキン)、抗ウイルス剤、および抗生物質(例えばダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、エリトマイシン、ペニシリン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))が含まれるが、これらに限定するものではない。 5.9.1 免疫調節剤 任意の免疫調節剤を、本発明の方法および組成物に使用することができる。免疫調節剤は、被験体の免疫応答の1種または複数あるいはすべての態様に影響を及ぼすことができる。免疫応答の態様には、炎症応答、補体カスケード、白血球およびリンパ球の分化、増殖、および/またはエフェクター機能、単球および/または好塩基球算定、および免疫系の細胞間での細胞コミュニケーションが含まれるが、これらに限定するものではない。本発明のある実施形態では、免疫調節剤が、免疫応答の一態様を調節する。その他の実施形態では、免疫調節剤が、複数の態様の免疫応答を調節する。本発明の好ましい実施形態では、被験体への免疫調節剤の投与によって、被験体の1種または複数の態様の免疫応答能力を、阻害しまたは低下させる。本発明の特定の実施形態では、免疫調節剤が、被験体の免疫応答を阻害しまたは抑制する。本発明によれば、免疫調節剤は、本発明の化合物ではない。ある実施形態では、免疫調節剤は、抗炎症剤ではない。その他の実施形態では、免疫調節剤は、抗血管新生剤ではない。さらに他の実施形態では、免疫調節剤は、TNF-α拮抗薬ではない。 ある実施形態では、免疫調節剤は、化学療法剤である。その他の実施形態では、免疫調節剤は、化学療法剤ではない。 免疫調節剤の例は当業者に周知であり、その例には、サイトカインやペプチド擬似体、抗体(例えばヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFvs、Fab、またはF(ab)2断片、またはエピトープ結合断片)などのタンパク質様薬剤、核酸分子(例えばアンチセンス核酸分子、3重らせん体および免疫調節遺伝子産物をコードする核酸分子)、小分子、有機化合物、および無機化合物が含まれるが、これらに限定するものではない。特に、免疫調節剤には、メトトレキサート、レフルノミド、シクロホスファミド、サイトキサン、イムラン、シクロスポリンA、ミノサイクリン、アザチオプリン、抗生物質(例えばFK506(タクロリムス))、メチルプレドニゾロン(MP)、コルチコステロイド、ステロイド、ミコフェノール酸モフェチル、ラパマイシン(シロリムス)、ミゾリビン、デオキシスペルグアリン、ブレキナール、マロノニトリロアミンデス(例えばレフルナミド)、T細胞受容体モジュレーター、およびサイトカイン受容体モジュレーターが含まれるが、これらに限定するものではない。 本明細書で使用する「(1種または複数の)抗体」という用語は、抗原結合部位、例えば免疫グロブリンを含有する分子を指す。免疫グロブリン分子は、任意のタイプ(例えばIgG、IgE、IgM、IgD、IgA、およびIgY)、クラス(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)、またはサブクラスのものにすることができる。抗体には、モノクローナル抗体、多選択性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、カメライズド抗体、キメラ抗体、単一ドメイン抗体、単鎖Fvs(scFv)、単鎖抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、および抗イディオトープ(抗Id)抗体(例えば本発明の抗体に対する抗Id抗体を含む)、および上述のいずれかのエピトープ結合断片が含まれるが、これらに限定するものではない。 本明細書で使用する「T細胞受容体モジュレーター」という用語は、T細胞受容体のリン酸化、T細胞受容体に関連したシグナル伝達経路の活性化、および/またはサイトカインなど特定のタンパク質の発現を調節する物質を指す。そのような物質は、T細胞受容体のリン酸化、T細胞受容体に関連したシグナル伝達経路の活性化、および/またはサイトカインなど特定のタンパク質の発現を、直接または間接的に調節することができる。したがって、T細胞受容体モジュレーターの例には、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合タンパク質、およびT細胞受容体またはその断片に免疫特異的に結合する抗体が含まれるが、これらに限定するものではない。さらに、T細胞受容体モジュレーターの例には、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド(例えば可溶性T細胞受容体)、融合タンパク質、およびT細胞受容体またはその断片のリガンドに免疫特異的に結合する抗体が含まれるが、これらに限定されない。T細胞受容体モジュレーターの例には、抗T細胞受容体抗体(例えば、抗CD4抗体(例えば、cM−T412(Boeringer)、IDEC−CE9.1(登録商標)(IDECおよびSKB)、mAB 4162W94、オルトクローンおよびOKTcdr4a(Janssen−Cilag))、抗CD3抗体(例えば、Nuvion(Porduct Design Labs)、OKT3(Johnson & Johnson)、またはRituxan(IDEC))、抗CD5抗体(例えば、抗CD5リシン結合免疫複合体)、抗CD7抗体(例えば、CHH−380(Novartis))、抗CD8抗体、抗CD40リガンドモノクローナル抗体(例えば、IDEC 131(IDE))、抗CD52抗体(例えば、CAMPATH 1H(Ilex))、抗CD2抗体、抗CS11a抗体(例えば、キサネリム(Genentech))、および抗B7抗体(例えばIDEC−114(IDEC))、CTLA4−免疫グロブリン、およびLFA−3TIP(Biogen、国際公開WO 93/08656および米国特許第6,162,432号)が含まれるが、これらに限定するものではない。 本明細書で使用する「サイトカイン受容体モジュレーター」という用語は、サイトカイン受容体のリン酸化、サイトカイン受容体に関連するシグナル伝達経路の活性化、および/またはサイトカインなど特定のタンパク質の発現を調節する物質を指す。そのような物質は、サイトカイン受容体のリン酸化、サイトカイン受容体に関連したシグナル伝達経路の活性化、および/またはサイトカインなど特定のタンパク質の発現を、直接または間接的に調節することができる。したがって、サイトカイン受容体モジュレーターの例には、サイトカイン、サイトカインの断片、融合タンパク質、およびサイトカイン受容体またはその断片に免疫特異的に結合する抗体が含まれるが、これらに限定するものではない。さらに、サイトカイン受容体モジュレーターの例には、ペプチド、ポリペプチド(例えば可溶性サイトカイン受容体)、融合タンパク質、およびサイトカインまたはその断片に免疫特異的に結合する抗体が含まれるが、これらに限定されない。サイトカイン受容体モジュレーターの例には、可溶性サイトカイン受容体(例えば、TNF−α受容体またはその断片の細胞外ドメイン、IL−1β受容体またはその断片の細胞外ドメイン、IL−6受容体またはその断片の細胞外ドメイン)、サイトカインまたはその断片(例えば、インターロイキン(IL)−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15、IL−23、TNF−α、TNF−β、インターフェロン(IFN)−α、IFN−β、IFN−γ、およびGM−CSF)、抗サイトカイン受容体抗体(例えば抗IFN受容体抗体、抗IL−2受容体抗体(例えばゼナパックス(Protein Design Labs))、抗IL−4受容体抗体、抗IL−6受容体抗体、抗IL−10受容体抗体、抗IL−12受容体抗体、抗IL−15受容体抗体、および抗IL−23受容体抗体)、抗サイトカイン抗体(例えば抗IFNα抗体、抗IFN-β抗体、抗IFN−γ抗体、抗TNF−α抗体、抗IL−1β抗体、抗IL−2抗体、抗IL−4抗体、抗IL−6抗体、抗IL−8抗体(例えばABX−IL−8(Abgenix))、抗IL−9抗体、抗IL−10抗体、抗IL−12抗体、および抗IL−23抗体)が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、サイトカイン受容体モジュレーターは、IL−4、IL−10、またはその断片である。別の実施形態では、サイトカイン受容体モジュレーターは、抗IL−1β抗体、抗IL−6抗体、抗IL−12受容体抗体、または抗TNF-α抗体である。別の実施形態では、サイトカイン受容体モジュレーターは、TNF−α受容体またはその断片の細部外ドメインである。ある実施形態では、サイトカイン受容体モジュレーターは、TNF−α拮抗薬ではない。 免疫調節剤は、中和抗体の形成を阻害するため、Tヘルパーサブセット(TH1またはTH2)とB細胞との間の相互作用を阻止するように選択することができる。免疫調節剤は、細胞障害性T細胞(CTL)で媒介された死滅の発生率を低下させるため、TH1細胞とCTLとの間の相互作用を阻害するように選択してもよい。さらに、免疫調節剤は、CD4+および/またはCD8+T細胞の増殖、分化、活性、および/または機能が変化するように(阻害または抑制されるように)選択することができる。例えば、T細胞に特異的な抗体を、CD4+および/またはCD8+T細胞の増殖、分化、活性、および/機能を枯渇させまたは変化させる免疫調節剤として使用することができる。 本発明の一実施形態では、T細胞、好ましくは記憶T細胞を減少させまたは枯渇させる免疫調節剤を、本発明の方法により増殖性障害または炎症性障害に罹っている被験体に投与する。例えば、米国特許第4,658,019号を参照されたい。本発明の別の実施形態では、CD8+T細胞を不活性化する免疫調節剤を、本発明の方法により増殖性障害または炎症性障害に罹っている被験体に投与する。特定の実施形態では、抗CD8抗体を、CD8+T細胞を減少させまたは枯渇させるのに使用する。 TH(Tヘルパー)細胞によるB細胞の活性化に必要な相互作用を阻止または遮断する抗体、したがって中和抗体の生成を遮断する抗体は、本発明の方法による免疫調節剤として有用である。例えば、T細胞によるB細胞の活性化では、Tヘルパー細胞上のCD40リガンドとB細胞上のCD40抗原との結合や、T細胞上のCD28および/またはCTLA4リガンドと、B細胞上のB7抗原との結合のように、ある相互作用を発生させる必要がある(Durie他, Immunol. Today, 15(9):406-410(1994))。どちらの相互作用もないと、B細胞は、中和抗体の生成が引き起こされるように活性化することができない。 CD40リガンド(CD40L)−CD40相互作用は、Tヘルパー細胞の活性化と機能の両方におけるその活性化が広範であるので、ならびにそのシグナル経路に冗長性がないので、免疫応答を遮断するのに望ましい点である。したがって本発明の特定の実施形態では、CD40LとCD40との相互作用が、免疫調節剤の1種または複数の投与時に一時的に阻止される。これは、TH細胞上のCD40リガンドを阻止し、かつTヘルパー細胞上のCD40リガンドとB細胞上のCD40抗原との正常な結合を阻止する薬剤で治療することにより実現できる。CD40リガンドに対する抗体(抗CD40L)(Bristol−Myers Squibb Coから入手可能;例えば、1993年8月18日公開の欧州特許出願第555,880号参照)または可溶性CD40分子は、本発明の方法により免疫調節剤として選択されかつ使用することができる。 別の実施形態では、CD4+Tヘルパー細胞のTH0、TH1、および/またはTH2サブセットの1種または複数の生物活性(例えば分化、増殖、および/またはフェクター機能)を低下させ阻害する免疫調節剤を、本発明の方法により炎症性障害または増殖性障害または感染症に罹っている被験体に投与する。そのような免疫調節剤の一例は、IL−4である。IL−4は、TH1細胞の機能を犠牲にして、TH2細胞の抗原特異的活性を高める(例えば、Yokota他, 1986 Proc. Natl. Adcad. Sci., USA, 83:5894-5898; および米国特許第5,017,691号参照)。Tヘルパー細胞(特にTH1および/またはTH2細胞)の生物活性(例えば、増殖、分化、および/またはエフェクター機能)に影響を及ぼす免疫調節剤のその他の例には、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、およびインターフェロン(IFN)−γが含まれるが、これらに限定されない。 好ましい実施形態では、免疫調節剤として利用されるタンパク質、ポリペプチド、またはペプチド(抗体を含む)を、タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドのレシピエントと同じ種から得て、これらのタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドに対する免疫応答の可能性が低下するようにする。別の好ましい実施形態では、被験体がヒトである場合、免疫調節剤として利用されるタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、ヒトまたはヒト化されている。 本発明によれば、1種または複数の免疫調節剤を、障害(例えば、異常血管新生を特徴としまたはこれに伴う障害、増殖性障害、炎症性障害、あるいは、NF−κB活性化およびp44/42MAPKのリン酸化を阻害することによって、またはNO、IL−1β、TNF−αの生成およびiNOSの発現およびCox−2遺伝子発現を低下させまたは阻害することによって、予防され、管理され、治療され、または寛解する障害)に罹っている被験体に対し、本発明の化合物の前に、後に、または同時に投与する。1種または複数の免疫調節剤は、免疫応答の1種または複数の態様を低下させまたは阻害するために本発明の化合物と組み合わせて、増殖性障害または炎症性障害に罹っている被験体に投与することが好ましい。当業者に周知の任意の技法を使用して、特定の被験体における免疫応答の1種または複数の態様を測定することができ、それによって、前記被験体にいつ免疫調節剤を投与すべきか決定される。好ましい実施形態では、約500細胞/mm3の平均絶対リンパ球数、好ましくは600細胞/mm3、650細胞/mm3、700細胞/mm3、750細胞/mm3、800細胞/mm3、900細胞/mm3、1000細胞/mm3、1100細胞/mm3、または1200細胞/mm3が、被験体内で維持される。別の好ましい実施形態では、増殖性障害または炎症性障害に罹っている被験体には、その絶対リンパ球数が500細胞/mm3以下、550細胞/mm3以下、600細胞/mm3以下、650細胞/mm3以下、700細胞/mm3以下、750細胞/mm3以下、または800細胞/mm3以下である場合、免疫調節剤を投与しない。 好ましい実施形態では、免疫応答の1種または複数の態様が一時的に低下しまたは阻害されるように、1種または複数の免疫調節剤を本発明の化合物と組み合わせて、障害(例えば、異常血管新生を特徴としまたはこれに伴う障害、増殖性障害、炎症性障害、あるいは、NF−κB活性化およびp44/42MAPKのリン酸化を阻害することによって、またはNO、IL−1β、TNF−αの生成およびiNOSの発現およびCox−2遺伝子発現を低下させまたは阻害することによって、予防され、管理され、治療され、または寛解する障害)に罹っている被験体に投与する。そのような、免疫系の1種または複数の態様の一時的な阻害または低下は、何時間、何日間、何週間、または何カ月間続けることができる。好ましくは、免疫応答の1種または複数の態様の一時的な阻害または低下は、数時間(例えば2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、14時間、16時間、18時間、24時間、36時間、または48時間)、数日(例えば3日、4日、5日、6日、7日、または14日)、または数週間(例えば3週間、4週間、5週間、または6週間)続く。免疫応答の1種または複数の態様の一時的な低下または阻害は、本発明の化合物の予防能力および/または治療能力を高める。 免疫調節活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドをコードする核酸分子、あるいは免疫調節活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、本発明の方法により、障害(例えば、異常血管新生を特徴としまたはこれに伴う障害、増殖性障害、炎症性障害、あるいは、NF−κB活性化およびp44/42MAPKのリン酸化を阻害することによって、またはNO、IL−1β、TNF−αの生成およびiNOSの発現およびCox−2遺伝子発現を低下させまたは阻害することによって、予防され、管理され、治療され、または寛解する障害)に罹っている被験体に投与することができる。さらに、免疫調節活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの誘導体、類似体、または断片をコードする核酸分子、あるいは、免疫調節活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの誘導体、類似体、または断片を、本発明の方法により、障害(例えば、異常血管新生を特徴としまたはこれに伴う障害、増殖性障害、炎症性障害、あるいは、NF−κB活性化およびp44/42MAPKのリン酸化を阻害することによって、またはNO、IL−1β、TNF−αの生成およびiNOSの発現およびCox−2遺伝子発現を低下させまたは阻害することによって、予防され、管理され、治療され、または寛解する障害)に罹っている被験体に投与することができる。好ましくは、そのような誘導体、類似体、および断片は、完全長の野生型タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの免疫調節活性を保持する。 抗血管新生剤として使用することができるタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、当技術分野で周知でありまたは本明細書に記述される任意の技法によって生成することができる。免疫調節活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、当技術分野で周知でありまたは本明細書に記述される技法を利用して、そのようなタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの生体内半減期が長くなるように設計製作することができる。市販されており、免疫調節剤として機能することが知られている薬剤を、本発明の組成物および方法で使用することが好ましい。薬剤の免疫調節活性は、同時刺激性分子やサイトカインなどの特定の遺伝子産物(例えばRNAまたはタンパク質)の発現に関し、例えばCTLアッセイ(51Cr放出アッセイ)、増殖アッセイ(3H−チミジンの組込みまたはトリパンブルー細胞計数)、ノーザンブロットアッセイ、およびイムノアッセイ(例えばELISAおよびウェスタンブロット発現)も含めた当業者に周知の任意の技法により、生体外および/または生体内で決定することができる。 免疫調節剤およびその投薬量、投与経路、および推奨される用法は、当技術分野で知られており、Physician's Desk Reference (第58版, 2004)などの文献に記載されている。 5.9.2 抗血管新生剤 抗血管新生剤は、本発明の組成物および方法で使用することができる。抗血管新生剤の非限定的な例には、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、TNF−αに免疫特異的に結合する抗体などの抗体(例えばヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFvs、Fab断片、F(ab)2断片、およびその抗原結合断片)、核酸分子(例えばアンチセンス分子または3重らせん体)、有機分子、無機分子、および血管新生を低下させまたは阻害する小分子が含まれる。特に、抗血管新生剤の例には、エンドスタチン、アンギオスタチン、アポミグレン、抗血管新生抗トロンビンIII、フィブロネクチンの29kDa N末端および40kDa C末端であるタンパク質分解断片、uPA受容体拮抗薬、プロラクチンの16kDaタンパク質分解断片、血小板第4因子の7.8kDaタンパク質分解断片、血小板第4因子の抗血管新生24アミノ酸断片、13.40と称される抗血管新生因子、トロンボスポンジンIの抗血管新生22アミノ酸ペプチド断片、ペプチドを含有するSPARC、RGD、およびNGRの抗血管新生20アミノ酸ペプチド断片、ラミニン、フィブロネクチン、プロコラーゲン、およびEGFの小抗血管新生ペプチド、抗インテグリンαvβ3抗体、酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)拮抗薬、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)拮抗薬、血管内皮成長因子(VEGF)拮抗薬(例えばAvastin(登録商標)などの抗VEGF抗体)、およびVEGF受容体(VEGFR)拮抗薬(例えば抗VEGFR抗体)が含まれるが、これらに限定するものではない。 インテグリンαvβ3拮抗薬の例には、非触媒メタロプロテイナーゼ断片やRGDペプチド、ペプチド擬似体、融合タンパク質、ジスインテグリンあるいはその誘導体または類似体などのタンパク質様物質、インテグリンαvβ3に免疫特異的に結合する抗体、核酸分子、有機分子、および無機分子が含まれるが、これらに限定するものではない。インテグリンαvβ3に免疫特異的に結合する抗体の非限定的な例には、11D2(Searle)が含まれる。小分子ペプチドメトリックインテグリンαvβ3拮抗薬の非限定的な例には、S836(Searle)およびS448(Searle)が含まれる。ジスインテグリンの例にはAccutinが含まれるが、これに限定するものではない。本発明は、参照によりその全体がそれぞれ本明細書に援用される以下の米国特許および国際公開に開示されているインテグリンαvβ3拮抗薬のいずれかの、本発明の組成物および方法での使用も包含する:米国特許第5,652,109号;第5,652,110号;第5,578,704号;第5,149,780号;第5,196,511号;第5,204,445号;第5,262,520号;第5,306,620号;第5,478,725号;第5,498,694号;第5,523,209号;第5,578,704号;第5,589,570号;第5,652,109号;第5,652,110号;第5,693,612号;第5,705,481号;第5,753,230号;第5,767,071号;第5,770,565号;第5,780,426号;第5,817,457号;第5,830,678号;第5,849,692号;第5,955,572号;第5,985,278号;第6,048,861号;第6,090,944号;第6,096,707号;第6,130,231号;第6,153,628号;第6,160,099号;および第6,171,58号;および国際公開WO 95/22543;WO 98/33919;WO 00/78815;WO 00/31248;WO 98/46264;WO 98/40488;およびWO 02/070007。 本発明の特定の実施形態では、抗血管新生剤がエンドスタチンである。天然に生ずるエンドスタチンは、C末端が約180のアミノ酸のコラーゲンXVIII型(コラーゲンXVIIIの2つのスプライス形態をコードするcDNAは、GenBank受入れ番号AF18081およびAF18082を有する)からなる。本発明の別の実施形態では、抗血管新生剤がプラスミノーゲン断片である(プラスミノーゲンのコード配列は、GenBank受入れ番号NM_000301およびA33096に見出すことができる)。アンギオスタチンペプチドは、天然ではプラスミノーゲンの4つのクリングルドメイン、クリングル1からクリングル4までを含む。組換えクリングル1、2、および3は、天然ペプチドの抗血管新生性を持っており、一方クリングル4は、そのような活性を持たないことが実証されている(Cao他, 1996, J.Biol.Chem. 271: 29461-29467)。したがってアンギオスタチンペプチドは、クリングル1、クリングル2、およびクリングル3からなる群から選択された、少なくとも1つ、好ましくは複数のクリングルドメインを含む。特定の実施形態では、抗血管新生ペプチドは、ヒトアンギオスタチン分子の40kDaアイソフォーム、ヒトアンギオスタチン分子の42kDaアイソフォーム、ヒトアンギオスタチン分子の45kDa、またはこれらの組合せである。別の実施形態では、抗血管新生剤は、アンギオスタチンよりも強力な血管新生の阻害剤であるプラスミノーゲンのクリングル5ドメインである(アンギオスタチンはクリングルドメイン1〜4を含む)。本発明の別の実施形態では、抗血管新生剤が抗トロンビンIIIである。以下、抗トロンビンと呼ぶ抗トロンビンIIIは、タンパク質を血管構造壁面に繋ぎ止めるヘパリン結合ドメインと、トロンビンと相互に作用する活性部位ループを含む。抗トロンビンがヘパリンに繋ぎ止められている場合、タンパク質は構造変化を引き起こし、活性ループがトロンビンと相互に作用することが可能になり、その結果、トロンビンによる前記ループのタンパク質分解切断が生ずる。タンパク質分解切断の現象は、抗トロンビン構造の別の変化をもたらし、すなわち(i)トロンビンと抗トロンビンとの間の相互作用伝達手段を変化させ、(ii)ヘパリンから複合体を放出する(Carrell, 1999, Science 285: 1861-1862, およびその内部の参考文献)。O'Reilly他(1999, Science 285: 1926-1928)は、切断された抗トロンビンが強力な抗血管新生活性を有することを発見した。したがって一実施形態では、抗血管新生剤が、抗血管新生形態の抗トロンビンである。本発明の別の実施形態では、抗血管新生剤は、フィブロネクチンの40kDaおよび/または29kDaタンパク質分解断片である。 本発明の別の実施形態では、抗血管新生剤が、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化物質(uPA)受容体拮抗薬である。実施形態の一態様では、拮抗薬が、uPAの優性ネガティブ変異体である(例えば、Crowley他, 1993, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5021-5025参照)。実施形態の別の態様では、拮抗薬が、ペプチド拮抗薬またはその融合タンパク質である(Goodson他, 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 7129-7133)。実施形態のさらに別の態様では、拮抗薬は、優性ネガティブ可溶性uPA受容体である(Min他, 1996, Cancer Res. 56: 2428-2433)。本発明の別の実施形態では、抗血管新生剤は、約120アミノ酸または生物学的に活性なその断片を含むプロラクチンの16kDa N末端断片である(プロラクチンに関するコード配列は、GenBank受入れ番号NM_000948に見出すことができる)。本発明の別の実施形態では、抗血管新生剤は、7.8kDa血小板第4因子断片である。本発明の別の実施形態では、抗血管新生剤は、血小板第4因子の抗血管新生13アミノ酸断片、13.40と称される抗血管新生因子、トロンボスポンジンIの抗血管新生22アミノ酸ペプチド断片、SPARCの抗血管新生20アミノ酸ペプチド断片、ラミニン、フィブロネクチン、プロコラーゲン、またはEGFの小抗血管新生ペプチドに対応する小ペプチド、あるいはインテグリンαvβ3またはVEGF受容体の小ペプチド拮抗薬である。別の実施形態では、小ペプチドは、RGDまたはNGRモチーフを含む。ある実施形態では、抗血管新生剤がTNF−α拮抗薬である。別の実施形態では、抗血管新生剤はTNF−α拮抗薬ではない。 抗血管新生活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドをコードする核酸分子、あるいは抗血管新生活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、本発明の方法により、障害(例えば、異常血管新生を特徴としまたはこれに伴う障害、増殖性障害、炎症性障害、あるいは、NF−κB活性化およびp44/42MAPKのリン酸化を阻害することによって、またはNO、IL−1β、TNF−αの生成およびiNOSの発現およびCox−2遺伝子発現を低下させまたは阻害することによって、予防され、管理され、治療され、または寛解する障害)に罹っている被験体に投与することができる。さらに、抗血管新生活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの誘導体、類似体、断片、または変種をコードする核酸分子、あるいは抗血管新生活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの誘導体、類似体、断片、または変種は、本発明の方法により、障害(例えば、異常血管新生を特徴としまたはこれに伴う障害、増殖性障害、炎症性障害、あるいは、NF−κB活性化およびp44/42MAPKのリン酸化を阻害することによって、またはNO、IL−1β、TNF−αの生成およびiNOSの発現およびCox−2遺伝子発現を低下させまたは阻害することによって、予防され、管理され、治療され、または寛解する障害)に罹っている被験体に投与することができる。好ましくは、そのような誘導体、類似体、変種、および断片は、完全長の野生型タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの抗血管新生活性を保持する。 抗血管新生剤として使用することができるタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、当技術分野で周知でありまたは本明細書に記述される任意の技法によって生成することができる。抗血管新生活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、当技術分野で周知でありまたは本明細書に記述される技法を利用して、そのようなタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの生体内半減期が長くなるように設計製作することができる。市販されている抗血管新生剤を、本発明の組成物および方法で使用することが好ましい。薬剤の抗血管新生活性は、当業者に周知でありまたは本明細書に記述されるの任意の技法によって、生体外および/または生体内で決定することができる。 抗血管新生剤およびその投薬量、投与経路、および推奨される用途は、当技術分野で知られており、Physician's Desk Reference(第58版, 2004)などの文献に記載されている。 5.9.3 TNF−α拮抗薬 TNF−α拮抗薬を、本発明の組成物および方法で使用することができる。TNF−α拮抗薬の非限定的な例には、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、TNF−αに免疫特異的に結合する抗体などの抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFvs、Fab断片、F(ab)2断片、およびその抗原結合断片)、核酸分子(例えばアンチセンス分子または3重らせん体)、有機分子、無機分子、およびTNF−αの機能、活性、および/または発現を阻止し、低下させ、阻害し、または無効にする小分子が含まれる。様々な実施形態では、TNF−α拮抗薬は、TNF−αの機能、活性、および/または発現を、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)などの対照に比べて少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%だけ低下させる。 TNF−αに免疫特異的に結合する抗体の例には、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標);Centacor)、D2E7(Abbott Laboratories/Knoll Pharmaceuticals Co.、Mt.Olive、N.J.)、HUMICADE(商標)とも呼ばれるCDP571およびCDP−870(共にCelltech/Pharmacia、Slough、U.K.)、およびTN3−19.12(Williams他, 1994, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 91: 2762-2766; Thorbecke他, 1992, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 89: 7375-7379)が含まれるが、これらに限定するものではない。本発明は、参照によりそれぞれの全体が本明細書に援用される以下の米国特許に開示されたTNF−αに免疫特異的に結合する抗体の、本発明の組成物および方法での使用も包含する:米国特許第5,136,021号;第5,147,638号;第5,223,395号;第5,231,024号;第5,334,380号;第5,360,716号;第5,426,181号;第5,436,154号;第5,610,279号;第5,644,034号;第5,656,272号;第5,658,746号;第5,698,195号;第5,736,138号;第5,741,488号;第5,808,029号;第5,919,452号;第5,958,412号;第5,959,087号;第5,968,741号;第5,994,510号;第6,036,978号;第6,114,517号;および第6,171,787号。可溶性TNF−α受容体の例には、sTNF−R1(Amgen)、エタネルセプト(ENBREL(商標);Immunex)およびそのラット相同RENBREL(商標)、TNFrI、TNFrII(Kohno他, 1990, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 87: 8331-8335)、およびTNF−αInh(Seckinger他, 1990, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 87:5188-5192)由来のTNF−αの可溶性阻害剤含まれるが、これらに限定するものではない。 一実施形態では、本発明の組成物および方法で使用されるTNF−α拮抗薬は、可溶性TNF−α受容体である。特定の実施形態では、本発明の組成物および方法で使用されるTNF−α拮抗薬は、エタネルセプト(ENBREL(商標);Immunex)またはその断片、誘導体、または類似体である。別の実施形態では、本発明の組成物および方法で使用されるTNF−α拮抗薬は、TNF−αに免疫特異的に結合する抗体である。特定の実施形態では、本発明の組成物および方法で使用されるTNF−α拮抗薬は、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標);Centacor)、その誘導体、類似体、または抗原結合断片である。 本発明に包含されるその他のTNF−α拮抗薬には、インターフェロンγ活性化マクロファージを介してTNF−α生成を阻止することが知られている(Oswald他, 1992, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 89:8676-8680)IL−10、TNFR−IgG(Ashkenazi他, 1991, Proc.natl.Acad.Sci. USA 88:10535-10539)、マウス産物TBP 1(Serono/Yeda)、ワクチンCytoTAb(Protherics)、アンチセンス分子104838(ISIS)、ペプチドRDP−58(SangStat)、サリドマイド(Celgene)、CDC−801(Celgene)、DPC−333(Dupont)、VX−745(Vertex)、AGIX−4207(AtheroGenics)、ITF−2357(Italfarmaco)、NPI−13021−31(Nereus)、SCIO−469(Scios)、TACEターゲッター(Immunix/AHP)、CLX−120500(Calyx)、チアゾロピリム(Dynavax)、アウラノフィン(Ridaura)(SmithKline Beecham Pharmaceuticals)、キナクリン(メパクリンジクロロハイドレート)、テニダップ(Enablex)、メラニン(Large Scale Biological)、およびUriachによる抗p38 MAPK剤が含まれるが、これらに限定するものではない。 TNF−α拮抗薬活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドをコードする核酸分子、あるいはTNF−α拮抗薬活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、本発明の方法により、障害(例えば、異常血管新生を特徴としまたはこれに伴う障害、増殖性障害、炎症性障害、あるいは、NF−κB活性化およびp44/42MAPKのリン酸化を阻害することによって、またはNO、IL−1β、TNF−αの生成およびiNOSの発現およびCox−2遺伝子発現を低下させまたは阻害することによって、予防され、管理され、治療され、または寛解する障害)に罹っている被験体に投与することができる。さらに、TNF−α拮抗薬活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの誘導体、類似体、断片、または変種をコードする核酸分子、あるいは、TNF−α拮抗薬活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの誘導体、類似体、断片、または変種を、本発明の方法により、障害(例えば、異常血管新生を特徴としまたはこれに伴う障害、増殖性障害、炎症性障害、あるいは、NF−κB活性化およびp44/42MAPKのリン酸化を阻害することによって、またはNO、IL−1β、TNF−αの生成およびiNOSの発現およびCox−2遺伝子発現を低下させまたは阻害することによって、予防され、管理され、治療され、または寛解する障害)に罹っている被験体に投与することができる。好ましくは、そのような誘導体、類似体、変種、および断片は、完全長の野生型タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドのTNF−α拮抗薬活性を保持する。 TNF−α拮抗薬として使用することができるタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、当技術分野で周知でありまたは本明細書に記述される任意の技法によって生成することができる。TNF−α拮抗薬活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドは、当技術分野で周知でありまたは本明細書に記述される技法を利用して、そのようなタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの生体内半減期が長くなるように設計製作することができる。市販されておりTNF−α拮抗薬として機能することが知られている薬剤を、本発明の組成物および方法で使用することが好ましい。薬剤のTNF−α拮抗薬活性は、当業者に周知の任意の技法によって、生体外および/または生体内で決定することができる。 TNF−α拮抗薬およびその投薬量、投与経路、および推奨される用途は、当技術分野で知られており、Physician's Desk Reference (第58版, 2004)などの文献に記載されている。 5.9.4 抗炎症剤 任意の抗炎症療法(例えば抗炎症剤)を、本発明の組成物および方法で使用することができる。抗炎症剤の非限定的な例には、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、ステロイド系抗炎症剤、β作動薬、抗コリン作動薬、抗ヒスタミン(例えばエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、およびフェノチアジン)、およびメチルキサンチンが含まれる。NSAIDの例には、アスピリン、イブプロフェン、サリチル酸塩、アセトミノフェン、セレコキシブ(CELEBREX(商標))、ジクロフェナク(VOLTAREN(商標))、エトドラク(LODINE(商標))、フェノプロフェン(NALFON(商標))、インドメタシン(INDOCIN(商標))、ケトララク(TORADOL(商標))、オキサプロジン(DAYPRO(商標))、ナブメントン(RELAFEN(商標))、スリンダク(CLINORIL(商標))、トルメンチン(TOLECTIN(商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(商標))、ナプロキセン(ALEVE(商標)、NAPROSYN(商標))、ケトプロフェン(ACTRON(商標))、およびナブメトン(RELAFEN(商標))が含まれるが、これらに限定するものではない。そのようなNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ酵素(例えばCOX−1および/またはCOX−2)を阻害することによって機能する。ステロイド系抗炎症剤の例には、グルココルチコイド、デキサメタゾン(DECADRON(商標))、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン(DELTASONE(商標))、プレドニゾロン、トリアムシノロン、アズルフィジン、およびプロスタグランジンやトロンボキサン、ロイコトリエンなどのエイコサノイドが含まれるが、これらに限定するものではない。 抗炎症剤およびその投薬量、投与経路、および推奨される用途は、当技術分野で知られており、Physician's Desk Reference (第58版, 2004)などの文献に記載されている。 5.9.5 抗癌剤 癌などの増殖性障害に伴う1種または複数の症状を予防し、治療し、管理し、または寛解させるのに有用な療法(例えば任意の予防薬または治療薬)を、本発明の組成物および方法で使用することができる。治療薬または予防薬には、ペプチド、ポリペプチド、融合タンパク質、核酸分子、小分子、擬似物質、合成薬、無機分子、および有機分子が含まれるが、これらに限定するものではない。癌療法の非限定的な例には、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、および/または生物療法/免疫療法が含まれる。 ある実施形態では、抗癌剤は、化学療法薬などの免疫調節剤である。一実施形態では、抗癌剤は免疫調節剤ではない。特定の実施形態では、抗癌剤は、抗血管新生剤である。その他の実施形態では、抗癌剤は抗血管新生剤ではない。 抗癌剤の例には、アシビシン;アクラルブシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナソトロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシラート;ビスホスホナート(例えばパミドロナート(Aredria)、クロンドロン酸ナトリウム(Bonefos)、ゾレドロン酸(Zometa)、アレンドロナート(Fosamax)、エチドロナート、イバンドロナート、シマドロナート、リセドロマート、およびチルドロマート);ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;クリスナトルメシラート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシラート;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ズアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロキスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルオロシタビン;フォスキドン;フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモフォシン;インターロイキン2(組換えインターロイキン2またはrIL2を含む)、インターフェロンα−2a;インターフェロンα−2b;インターフェロンα−n1;インターフェロンα−n3;インターフェロンβ−Ia;インターフェロンγ−Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコル;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;抗CD2抗体;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;ミトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガセ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィメルナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムタラゼン;スパルフォサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;トリメトレキサートグルクロナート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;ビングリシナートスルファート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;および塩酸ゾルビシンが含まれるが、これらに限定するものではない。 その他の抗癌剤には、20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TK拮抗薬;アルトレタミン;アムバムスチン;アミドックス;アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;拮抗薬D;拮抗薬G;アンタレリックス;抗背方化形態形成タンパク質−1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗ネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィジコリン;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節剤;アプリン酸;アラ−CDP−DL−PTBA;アルギンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;Avastin(登録商標);アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタート;BCR/ABL拮抗薬;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタン誘導体;βアレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルフォキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カムプトテシン誘導体;カナリア痘IL−2;カペシタビン;カルボキスアミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロルリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベスシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペントアントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;デクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデミンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デキスラゾキサン;デキスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール、9−;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;ズオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エピリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作動薬;エストロゲン拮抗薬;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エクセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;ホルフェニメックス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;HMG CoAレダクターゼ阻害剤(例えばアトロバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、レスコール、ルピトール、ロバスタチン、ロスバスタチン、およびシムバスタチン);ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモフォシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活ペプチド;インスリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロン作動薬;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4−;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチン;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血病αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;LFA−3TIP(Biogen、Cambridg、MA;米国特許第6,162,432号);リアロゾール;線状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶菌ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタト;マソプロコル;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチン;不適性二重鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトマイシン類似体;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチン;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍抑制剤1−ベース療法;マスタード抗癌剤;マイカパーオキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチン;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン;O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;口内サイトカイン誘発剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミド;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パセリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリスルフェートナトリム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化物質阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニソン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;タンパク質Aベースの免疫調節剤;タンパク質キナーゼC阻害剤;タンパク質キナーゼC阻害剤、ミクロアルガル;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体;raf拮抗薬;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;レテリプチンデメチル化;レニウムRe186エチドロナート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロイツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチン;Sdi1擬似物質;セムスチン;セネセンス由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達調節剤;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;過活動血管活性腸管ペプチド拮抗薬;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;5−フルオロウラシル;ロイコボリン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチン擬似物質;チマルファシン;チモポイエチン受容体作動薬;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;泌尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体拮抗薬;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;サリドマイド;ベラレゾール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;ジノスタチンスチマラマーが含まれるが、これらに限定するものではない。 より特定の実施形態では、本発明は、表1に開示されているような抗癌剤を含んだ本発明の組成物を包含する。また本発明は、本発明の化合物または組成物の投与を含む方法も包含する。 特定の実施形態では、癌細胞を破壊するためにx線、γ線、およびその他の放射線源の使用を含む放射線療法を、本発明の化合物または組成物と組み合わせて使用する。好ましい実施形態では、放射線治療は、放射線が遠くに離れた線源から指し向けられる、外部放射線照射または遠隔放射線療法として施される。その他の好ましい実施形態では、放射線治療は、放射線源が癌細胞または腫瘍の塊の近くの体内に置かれている、内部療法または近接照射療法として施される。 癌療法、およびその投薬量、投与経路、および推奨される用途は、当技術分野で知られており、Physician's Desk Reference(第58版, 2004)などの文献に記載されている。 5.9.6 抗生物質 抗菌剤または抗生物質は、本発明の方法および化合物および組成物に使用することができ、アミノグリコシド抗生物質(例えば、アプラマシン、アルベカシン、バムベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ネオマイシン、ネオマイシン、ウンデシレナート、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン、およびスペクチノマイシン)、アムフェニコール抗生物質(例えば、アジダムフェニコール、クロラムフェニコール、フロルフェニコール、およびチアムフェニコール)、アナサマイシン抗生物質(例えば、リファミドおよびリファムピン)、カルバセフェム(例えば、ロラカルベフ)、カルバペネム(例えば、ビアペネムおよびイミペネム)、セファロスポリン(例えば、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セフォゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、およびセフピロメ)、セファマイシン(例えば、セフブペラゾン、セフメタゾール、およびセフミノックス)、モノバクタム(例えば、アズトレオナム、カルモナム、およびチゲモナム)、オキサセフェム(例えば、フロモキセフ、およびモキサラクタム)、ペニシリン(例えば、アムジノシリン、アムジノシリンピボキシル、アモキシシリン、バカムピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリンナトリウム、エピシリン、フェンベニシリン、フロキサシリン、ペナムクシリン、ペネタメートヒドリオジド、ペニシリンo−ベネタミン、ペニシリン0、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン、ペニメピシクリン、およびフェンシヒシリンカリウム)、リンコサミド(例えば、クリンダマイシン、およびリンコマイシン)、マクロリド(例えば、アジスロマシン、カルボマイシン、クラリソマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、およびエリスロマイシンアシストラート)、アムホマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンドウラシジン、エンビオマイシン、テトラサイクリン(例えば、アピサイクリン、クロルテトラサイクリン、クロモサイクリン、およびデメクロサイクリン)、2,4−ジアミノピリミジン(例えば、ブロジモプリム)、ニトロフラン(例えば、フラルタドン、および塩化フラゾリウム)、キノロンおよびその類似体(例えば、シノキサシン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、フルメキン、およびグレパグロキサシン)、スルホンアミド(例えば、アセチルスルファメトキシピラジン、ベンジルスルファミド、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、スルファクリソイジン、およびスルファサイチン)、スルホン(例えば、ジアチモスルホン、グルコスルホンナトリウム、およびソラスルホン)、シクロセリン、ムピロシン、およびツベリンが含まれるが、これらに限定するものではない。 抗菌剤の追加の例には、アセダプソン;アセトスルホンナトリウム;アラメシン;アレキシジン;アムジノシリン;アムジノシリンピボキシル;アミサイクリン;アミフロキサシン;アミフロキサシンメシラート;アミカシン;硫酸アミカシン;アミノサリチル酸;アミノサリチル酸ナトリウム;アモキシシリン;アムホマイシン;アムピシリン;アムピシリンナトリウム;アパルシリンナトリウム;アプラマイシン;アスパルトシン;硫酸アストロマイシン;アビラマイシン;アボパルシン;アジスロマイシン;アズロシリン;アズロシリンナトリウム;塩酸バカムピシリン;バシトラシン;バシトラシンメシレンジサリチラート;バシトラシン亜鉛;バムベルマイシン;ベンゾイルパスカルシウム;ベリスロマイシン;硫酸ベタマイシン;ビアペネム;ビニラマイシン;塩酸ビフェナミン;ビスピリチオンマグスルフェックス;ブチカシン;硫酸ブチロシン;硫酸カルベニシリン;カルバドックス;カルベニシリン二ナトリウム;カルベニチリンインダニルナトリウム;カルベニシリンフェニルナトリウム;カルベニシリンカリウム;カルモナムナトリウム;セファクロル;セファドロキシル;セファマンドール;セファマンドールナファート;セファマンドールナトリウム;セファパロール;セファトリジン;セファザフルールナトリウム;セファゾリン;セファゾリンナトリウム;セフブペラゾン;セフジニル;セフェピム;塩酸セフェピム;セフェテコル;セフィキシム;塩酸セフムネノキシム;セフメタゾール;セフメタゾールナトリウム;セフォニシド一ナトリウム;セフォニシドナトリウム;セフォペラゾンナトリウム;セフォラニド;セフォタキシムナトリウム;セフォテタン;セフォテタン二ナトリウム;塩酸セフォチアム;セフォキシチン;セフォキシチンナトリウム;セフピミゾール;セフピミゾールナトリウム;セフピラミド;セフピラミドナトリウム;硫酸セフピロム;セフポドキシムプロキセチル;セフプロジル;セフロキサジン;セフスロジンナトリウム;セフタジジム;セフチブテン;セフチゾキシムナトリウム;セフトリアキソンナトリウム;セフロキシム;セフロキシムアキセチル;セフロキシムピボキセチル;セフロキシムナトリウム;セファセトリルナトリウム;セファレキシン;塩酸セファレキシン;セファログリシン;セファロリジン;セファロシンナトリウム;セファピリンナトリウム;セファラジン;塩酸セトシクリン;セトフェニコール;クロラムフェニコール;パルミチン酸クロラムフェニコール;パントテン酸クロラムフェニコール複合体;クロラムフェニコールナトリウムスクシナート;ホスファニル酸クロルヘキシジン;クロルオキシレノール;重硫酸クロルテトラサイクリン;塩酸クロルテトラサイクリン;シノキサシン;シプロフロキサシン;塩酸シプロフロキサシン;シロレマイシン;クラリスロマイシン;塩酸クリナフロキサシン;クリンダマイシン;塩酸クリンダマイシン;クリンダマイシンパルミテート塩酸塩;リン酸クリンダマイシン;クロファジミン;クロキサシリンベンザチン;クロキサシリンナトリウム;クロキシキン;コリスチメテートナトリウム;硫酸コリスチン;クメルマイシン;クメルマイシンナトリウム;シクラシリン;シクロセリン;ダルフォプリスチン;ダプソン;ダプトマイシン;デメクロサイクリン;塩酸デメクロサイクリン;デメサイクリン;デノフンギン;ジアベリジン;ジクロキサシリン;ジクロキサシリンナトリウム;硫酸ジヒドロストレプトマイシン;ジピリチオン;ジリスロマイシン;ドキシサイクリン;ドキシサイクリンカルシウム;ドキシサイクリンフォスファテックス;ドキシサイクリンハイクレート;ドロキサシンナトリウム;エノキサシン;エピシリン;塩酸エピテトラサイクリン;エリスロマイシン;エリスロマイシンアシストレート;エリスロマイシンエストレート;エチルコハク酸エリスロマイシン;グルセプト酸エリスロマイシン;ラクトビオン酸エリスロマイシン;プロピオン酸エリスロマイシン;ステアリン酸エリスロマイシン;塩酸エタムブトル;エチオナミオド;フレロキサシン;フロキサシリン;フルダラニン;フォスホマイシン;フォスホマイシントロメタミン;フモキシシリン;塩化フラゾリウム;酒石酸フラゾリウム;フシダートナトリウム;フシジン酸;硫酸ゲンタマイシン;グロキシモナム;グラミシジン;ハロプロギン;ヘタシリン;ヘタシリンカリウム;ヘキセジン;イバフロキサシン;イミペネム;イソコナゾール;イセパマイシン;イソニダジド;ジョサマイシン;硫酸カナマイシン;キタサマイシン;レボフラルタゾン;レボプロピリシリンカリウム;レキシスロマイシン;リンコマイシン;塩酸リンコマイシン;ロメフロキサシン;塩酸ロメフロキサシン;レモフロキサシンメシラート;ロラカルベフマフェニド;メクロサイクリン;スルホサリチル酸メクロサイクリン;メガロマイシンカリウムホスフェート;メキドックス;メロペネム;メタサイクリン;塩酸メタサイクリン;メタナミン;馬尿酸メタナミン;マンデル酸メタナミン;メチシリンナトリウム;メチオプリム;塩酸メトロニダソール;リン酸メトロニダゾール;メズロシリン;メズロシリンナトリウム;ミノサイクリン;塩酸ミノサイクリン;塩酸ミリンカマイシン;モネンシン;モネンシンナトリウム;ナフシリンナトリウム;ナリジキサートナトリウム;ナリジクス酸;ナタマイシン;ネブラマイシン;パルミチン酸ネオマイシン;硫酸ネオマイシン;ウンデシレン酸ネオマイシン;硫酸ネチルマイシン;ニュートラマイシン;ニフラデン;ニフラルデゾン;ニフラテル;ニフルダジル;ニフリミド;ニフルピリノール;ニフルキナゾール;ニフルチアゾール;ニトロサイクリン;ニトロフラントイン;ニトロミド;ノルフロキサシン;モボビオシンナトリウム;オフロキサシン;オルメトプリム;オキサシリンナトリウム;オキシモナム;オキシモナムナトリウム;オキソリン酸;オキシテトラサイクリン;オキシテトラサイクリンカルシウム;塩酸オキシテトラサイクリン;パルジマイシン;パラクロロフェノール;パウロマイシン;ペフロキサシン;ペフロキサシンメシラート;ペナメシリン;ペニシリンGベンザチン;ペニシリンGカリウム;ペニシリンGプロカイン;ペニシリンGナトリウム;ペニシリンV;ペニシリンVベンザチン;ペニシルVヒドラバミン;ペニシリンVカリウム;ペンジジドンナトリウム;アミノサリチル酸フェニル;ピペラシリンナトリウム;ピルベニシリンナトリウム;ピリジシリンナトリウム;塩酸ピルリマイシン;塩酸ピバムピシリン;パモ酸ピバムピシリン;ピバムピシリンプロベナート;硫酸ポリミキシンB;ポルフィロマイシン;プロピカシン;ピラジナミド;ピリチオン亜鉛;酢酸キンデカミン;キヌプリスチン;ラセフェニコール;ラモプラニン;ラニマイシン;レロマイシン;レプロマイシン;リファブチン;リファメタン;リファメキシル;リファミド;リファムピン;リファペンチン;リファキシミン;ロリテトラサイクリン;硝酸ロリテトラサイクリン;ロサラマイシン;酪酸ロサラマイシン;プロピオン酸ロサラマイシン;ロサラマイシンナトリウムホスフェート;ステアリン酸ロサラマイシン;ロソキサシン;ロキサルソン;ロキシスルロマイシン;サンサイクリン;サンフェトリネムナトリウム;サルモキシシリン;サルピシリン;スコパフィンギン;シソマイシン;硫酸シソマイシン;スパルフロキサシン;塩酸スペクチノマイシン;スピラマイシン;塩酸スタリマイシン;ステッフィマイシン;硫酸ストレプトマイシン;ストレプトニコジド;スルファベンズ;スルファベンズアミド;スルファセタミド;スルファセタミドナトリウム;スルファシスチン;スルファジアジン;スルファジアジンナトリウム;スルファドキシン;スルファレン;スルファメラジン;スルファメータ;スルファメタジン;スルファメチゾール;スルファメトキサゾール;スルファモノメトキシン;スルファモキソール;スルファニラート亜鉛;スルファニトラン;スルファサラジン;スルファソミゾール;スルファチアゾール;スルファザメト;スルフィソキサゾール;スルフィソキサゾールアセチル;スルフィソキサゾールジオラミン;スルフォミクシン;スロペネム;スルタミシリン;スンシリンナトリウム;塩酸タラムピシリン;テイコプラニン;塩酸テマフロキサシン;テモシリン;テトラサイクリン;塩酸テトラサイクリン;リン酸テトラサイクリン複合体;テトロキソプリム;チアムフェニコール;チフェンシリンカリウム;チカルシリンクレシルナトリウム;チカルシリン二ナトリウム;チカルシリン一ナトリウム;チクラトン;塩化チオドニウム;トブラマイシン;硫酸トブラマイシン;トスフロキサシン;トリメトプリム;硫酸トリメトプリム;トリスルファピリミジン;トロレアンドマイシン;硫酸トロスペクトマイシン;チロスリシン;バンコマイシン;塩酸バンコマイシン;ビルギニアマイシン;ゾルバマイシンが含まれるが、これらに限定するものではない。 抗生物質およびその投薬量、投与経路、および推奨される用途は、当技術分野で知られており、Physician's Desk Reference (第58版, 2004)などの文献に記載されている。 5.9.7 抗ウイルス剤 抗ウイルス剤を、本発明の組成物および方法で使用することができる。抗ウイルス剤の非限定的な例には、ウイルスとその受容体との結合、細胞内へのウイルスの移行、ウイルスの複製、または細胞からのウイルスの放出を阻止しまたは減少させる、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質抗体、核酸分子、有機分子、無機分子、および小分子が含まれる。 本発明の化合物と組み合わせて使用することができる抗ウイルス化合物の多くの例は、当技術分野で知られており、リファムピシン、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(例えば、AZT、ddI、ddC、3TC、d4T)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(例えば、エファビレンツ、ネビラピン)、プロテアーゼ阻害剤(例えば、アプレナビル、インジナビル、リトナビル、およびサキナビル)、イドクスウリジン、シドフォビル、アシクロビル、ガンシクロビル、ザナミビル、アマンタジン、およびパリビズマブが含まれるが、これらに限定するものではない。抗ウイルス剤のその他の例には、アセマンナン;アシクロビル;アシクロビルナトリウム;アデフォビル;アルブジン;アルビルセプトスドトックス;塩酸アマンタジン;アラノチン;アリルドン;アテビルジンメシラート;アビリジン;シドフォビル;シパムフィリン;塩酸シタラビン;デラビリジンメシラート;デシクロビル;ジダノシン;ジソキサリル;エドクスジン;エンビラデン;エンビロキシム;ファムシクロビル;塩酸ファモチン;フィアシタビン;フィアルリジン;フォサリラート;フォスカメトナトリウム;フォスフォネトナトリウム;ガンシクロビル;ガンシクロビルナトリウム;イドキスウリジン;ケタキサル;ラミビジン;ロブカビル;塩酸メモチン;メチサゾン;ネビラピン;ペンシクロビル;ピロダビル;リバビリン;塩酸リマンタジン;サキナビルメシラート;塩酸ソマンタジン;ソリブジン;スタトロン;スタブジン;塩酸チロロン;トリフルリジン;塩酸バラシクロビル;ビダラビン;リン酸ビダラビン;ビダラビンナトリウムスルフェート;ビロキシム;ザルシタビン;ジドブジン;ジンビロキシムが含まれるが、これらに限定するものではない。 抗ウイルス剤およびその投薬量、投与経路、および推奨される用途は、当技術分野で知られており、Physician's Desk Reference (第58版, 2004)などの文献に記載されている。 5.9.8 抗真菌化合物 抗真菌剤を、本発明の方法および組成物で使用することができ、ポリエン(例えば、アムフォテリシンb、カンジシジン、メパルトリシン、ナタマイシン、およびニスタチン)、アリルアミン(例えば、ブテナフィン、およびナフィチフィン)、イミダゾール(例えば、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロルダントイン、フルトリマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、およびラノコナゾール)、チオカルバメート(例えば、トルシクレート、トリンデート、およびトルナフテート)、トリアゾール(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、サペルコナゾール、およびテルコナゾール)、ブルモサリチルクロルアニリド、ブクロサミド、プロピオン酸カルシウム、クロルフェネシン、シクロピロックス、アザセリン、グリセオフルビン、オリゴマイシン、ウンデシレン酸ネオマイシン、ピロルニトリン、シッカニン、ツベルシジン、およびビリジンが含まれるが、これらに限定するものではない。抗真菌化合物の追加の例には、アクリソルシン;アムブルチシン;アンフォテリシンB;アザコナゾール;アザセリン;バシフンギン;ビフォナゾール;塩酸ビフェナミン;ビスピリチオンマグスルフェクス;硝酸ブトコナゾール;ウンデシレン酸カルシウム;カンジシジン;カルボル−フクシン;クロルダントイン;シクロピロクス;シクロピロクスオラミン;シロフンギン;シスコナゾール;クロトリマゾール;クプリミクシン;デノフンギン;ジピリチオン;ドコナゾール;エコナゾール;硝酸エコナゾール;エニルコナゾール;硝酸エトナム;硝酸フェンチコナゾール;フィリピン;フルコナゾール;フルシトシン;フンギマイシン;グリセオフルビン;ハマイシン;イソコナゾール;イトラコナゾール;カラフンギン;ケトコナゾール;ロモフィンギン;リジマイシン;メパルトリシン;ミコナゾール;硝酸ミコナゾール;モネンシン;モネンシンナトリウム、塩酸ナフチフィン;ウンデシレン酸ネオマイシン;ニフラテル;ニフルメロン、塩酸ニトララミン、ニスタチン;オクタン酸;硝酸オルコナゾール;硝酸オキシコナゾール;塩酸オキシフンギン;塩酸パルコナゾール;パルトリシン;ヨウ化カリウム;プロクロノール;ピリチオン亜鉛;ピロルニトリン;ルタマイシン;塩化サンギナリウム;サペルコナゾール;スコパフンギン;硫化セレニウム;シネフンギン;硝酸スルコナゾール;テルビナフィン;テルコナゾール;サイラム;チクラトン;チオコナゾール;トルシクレート;トリンデート;トルナフテート;トリアセチン;トリアフンギン;ウンデシレン酸;ビリドフィルビン;ウンデシレン酸亜鉛;および塩酸ジノコナゾールが含まれるが、これらに限定するものではない。 5.9.9 抗原虫化合物 抗原虫化合物を、寄生虫病を治療するために本発明の方法および組成物で使用することができ、キニン、クロロキン、メフロキン、プログアニル、ピリメタミン、メトロニダゾール、ジロキサニドフロエート、チニダゾール、アンフォテリシン、スチボグルコン酸ナトリウム、トリモキサゾール、およびイセチオン酸ペンタミジンが含まれるが、これらに限定するものではない。寄生虫病を治療するために本発明の化合物および組成物と組み合わせて使用することができる抗寄生虫剤の多くの例は、当技術分野で知られており、メベンダゾール、レバミソール、ニクロサミド、プラジカンテル、アルベンダゾール、イベルメクチン、ジエチルカルバマジン、およびチアベンダゾールが含まれるが、これらに限定するものではない。抗原虫化合物の他の例には、アセダプソン;塩酸アモジアキン;アムキナート;アルテフレン;クロロキン;塩酸クロロキン;リン酸クロロキン;パモ酸シクログアニル;リン酸エンピロリン;塩酸ハロファントリン;硫酸ヒドロキシクロロキン;塩酸メフロキン;メノクトン;塩酸ミリンカマイシン;リン酸プリマキン;ピリメタミン;硫酸キニン;およびテブキンが含まれるが、これらに限定するものではない。 5.10 投薬量&投与頻度 特定の方法と併せて効果的になる本発明の化合物または組成物の量は、例えば、障害の性質および重症度と、活性成分が投与される経路とに応じて変わることになる。また頻度および投薬量は、年齢や身体、体重、応答などの各被験体に特異的な要素と、被験体の過去の病歴とによっても変わることになる。有効用量は、生体外または動物モデルの試験システムから得られた用量−応答曲線から推定することができる。適切な投薬計画は、そのような要素を考慮することによって、また例えばPhysician's Desk Reference (第58版, 2004)の文献で報告され推奨される投薬量に従うことによって、当業者が選択することができる。 例示的な用量には、被験体またはサンプルの重量の1kgに対して本発明の化合物がミリグラムまたはマイクログラム量含まれる(例えば、約1μg/kgから約500mg/kg、約100μg/kgから約5mg/kg、または約1μg/kgから約50μg/kg)。 一般に、本明細書に記述される条件に関し、推奨される本発明の化合物日用量範囲は、1日1回の用量として、好ましくは1日を通した分割用量として与える場合、1日当たり約0.01mgから約1000mgの範囲内にある。一実施形態では、日用量を均等に分けた用量で、毎日2回投与する。具体的には、日用量範囲は、1日当たり約5mgから約500mgであるべきであり、より具体的には1日当たり約10mgから約200mgの間である。患者の管理の際、療法は、患者の全体的な応答に応じて単回用量または分割用量として、より低い用量、おそらくは約1mgから約25mgの用量で開始し、必要に応じて1日当たり約200mgから約1000mgまで増やすべきである。場合によっては、当業者に明らかにされるように、本明細書に開示された範囲外の活性成分投薬量を使用することが、必要である可能性がある。さらに、臨床医または治療医が関与する場合、そのような人物は、個々の被験体の応答と併せて、療法をどのようにかついつ中断し、調節し、または終わらせるかを知っていることに留意されたい。 種々の治療上有効な量は、当業者に容易に知られるように、種々の疾患に利用可能である。同様に、そのような障害を予防し、管理し、治療し、または寛解させるのに十分ではあるが、本発明の化合物に関連した副作用を引き起こすのに不十分でありまたはそのような副作用を減少させるのに十分な量も、上述の投薬量および用量頻度スケジュールに包含される。さらに被験体に、本発明の化合物または組成物を複数回に分けて投与する場合、投薬量のすべてが同じである必要はない。例えば、被験体に投与される投薬量は、化合物の予防または治療効果を改善するために増やすことができ、あるいは、特定の被験体が経験する1種または複数の副作用を低下させるために減らすことができる。 ある実施形態では、被験体の障害、例えば癌またはその症状を、予防しまたは治療するために投与される本発明の組成物または本発明の化合物の投薬量は、患者の体重に対し、150μg/kgであり、好ましくは250μg/kg、500μg/kg、1mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、25mg/kg、50mg/kg、75mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150mg/kg、または200mg/kg以上である。いくつかの実施形態では、障害、例えば癌またはその症状を、予防しまたは治療するために投与される本発明の組成物または本発明の化合物の、被験体に対する投薬量は、0.1mgから20mg、0.1mgから15mg、0.1mgから12mg、0.1mgから10mg、0.1mgから8mg、0.1mgから7mg、0.1mgから5mg、0.1mgから2.5mg、0.25mgから20mg、0.25から15mg、0.25から12mg、0.25から10mg、0.25から8mg、0.25mgから7mg、0.25mgから5mg、0.5mgから2.5mg、1mgから20mg、1mgから15mg、1mgから12mg、1mgから10mg、1mgから8mg、1mgから7mg、1mgから5mg、または1mgから2.5mgの単回用量である。 障害、例えば癌またはその症状を、予防しまたは治療するのに従来使用されまたは現在使用されている、本発明の化合物以外の予防薬または治療薬の投薬量は、本発明の療法と組み合わせて使用することができる。好ましくは、障害、例えば癌またはその症状を、予防しまたは治療するのに従来使用されまたは現在使用されている投薬量よりも、少ない投薬量を、本発明の療法と組み合わせて使用することができる。障害、例えば癌またはその症状を予防しまたは治療するのに従来使用されまたは現在使用されている薬剤の、推奨される投薬量は、参照によりその全体が本明細書に援用されるHardman他,編, 1996, Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis Of Basis Of Therapeutics 第9版, Mc-Graw-Hill, New York; Physician's Desk Reference (PDR) 第57版, 2003, Medical Economics Co.,Inc., Montvale, NJを含むがこれらに限定することのない、従来技術の任意の参考文献から得ることができる。 様々な実施形態では、療法(例えば、予防薬または治療薬)を5分未満離して、30分未満離して、1時間離して、約1時間離して、約1から約2時間離して、約2時間から約3時間離して、約3時間から約4時間離して、約4時間から約5時間離して、約5時間から約6時間離して、約6時間から約7時間離して、約7時間から約8時間離して、約8時間から約9時間離して、約9時間から10時間離して、約10時間から約11時間離して、約11時間から約12時間離して、約12時間から18時間離して、18時間から24時間離して、24時間から36時間離して、36時間から48時間離して、48時間から52時間離して、52時間から60時間離して、60時間から72時間離して、72時間から84時間離して、84時間から96時間離して、または96時間から120時間離して投与する。好ましい実施形態では、医師または臨床医の来診が含まれる場合、2種以上の療法(例えば、予防薬または治療薬)を、同じ被験者の来診時に投与する。この療法は、同時に施すことができる。 ある実施形態では、本発明の1種または複数の化合物と、1種または複数のその他の療法(例えば、第1の予防薬または治療薬)とを、周期的に投与する。周期的な療法では、第1の療法(例えば、第1の予防薬または治療薬)をある期間にわたって施し、その後、第2の療法(例えば、第2の予防薬または治療薬)をある期間にわたって施し、その後、第3の療法(例えば、第3の予防薬または治療薬)をある期間にわたって施すなど続けていきこの逐次投与を繰り返すことによって、すなわち薬剤の1種に対する耐性の発症を低下させるためのサイクルによって、薬剤の1種の副作用をなくしまたは低下させ、かつ/または治療の効力を向上させる。 ある実施形態では、本発明の同じ化合物の投与を繰り返すことができ、この投与は、少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2カ月、75日、3カ月、または6カ月離すことができる。その他の実施形態では、同じ予防薬または治療薬の投与を繰り返すことができ、この投与は、少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2カ月、75日、3カ月、または6カ月離すことができる。 特定の実施形態では、本発明は、障害、例えば癌またはその症状を予防しまたは治療する方法であって、それを必要とする被験体に、少なくとも150μg/kg、好ましくは少なくとも250μg/kg、少なくとも500μg/kg、少なくとも1mg/kg、少なくとも5mg/kg、少なくとも10mg/kg、少なくとも25mg/kg、少なくとも50mg/kg、少なくとも75mg/kg、少なくとも100mg/kg、少なくとも125mg/kg、少なくとも150mg/kg、または少なくとも200mg/kg以上の用量の本発明の1種または複数の化合物を、3日ごとに1回、好ましくは4日ごとに1回、5日ごとに1回、6日ごとに1回、7日ごとに1回、8日ごとに1回、10日ごとに1回、2週ごとに1回、3週ごとに1回、または1カ月に1回投与するステップを含む方法を提供する。 5.11 生物学的アッセイ 本発明の医薬品、栄養補給食品、または化粧品組成物または化合物の態様は、ヒトに使用する前に、その望ましい活性について、生体外で、細胞培養系内で、および/またはげっ歯動物モデル系などの動物モデル生物体でルーチンで試験することができる。例えばアッセイは、組織サンプルを培養下で成長させ、医薬組成物に曝しまたはその他の方法で接触させる、細胞培養アッセイを含むことができ、そのような組成物が組織サンプルに及ぼす影響を観察する。組織サンプルは、例えば、被験体の生検によって得ることができる。この試験では、個々の患者それぞれに対して治療上最も有効な療法(例えば、予防薬または治療薬)の特定が可能になる。様々な特定の実施形態では、生体外アッセイを、障害に関わる細胞型の代表的な細胞(例えば、免疫細胞または癌細胞)と共に実施して、本発明の化合物または組成物がそのような細胞型に対して所望の効果を有するか否か決定することができる。組織の使用の代替例として、組織サンプル、または細胞系、例えば癌細胞系を、生体外アッセイで使用することができる。生体外アッセイで利用することができる癌細胞系の例には、MDF−7乳癌細胞系、MCF−7/ADR多剤耐性乳癌細胞系、HT114ヒトメラノーマ細胞系、MES/DOXドキソルビセン耐性ヒト子宮肉腫細胞系、HT29ヒト結腸直腸細胞系、HCT−116ヒト結腸直腸細胞系、A549ヒト肺癌細胞系、およびBXPC−3ヒト膵臓原発性アデノカルシノーマ細胞系が含まれるが、これらに限定するものではない。追加の細胞系については、以下の実施例で記述する。 本発明の医薬品、栄養補給食品、または化粧品組成物および化合物は、遺伝子産物(例えば細胞タンパク質またはRNA)の発現および/または活性化を引き起こし、かつ/または免疫細胞、癌細胞、および/または内皮細胞でシグナル伝達を引き起こす能力に関して、アッセイを行うこともできる。遺伝子産物の発現または活性化の誘発、あるいは免疫細胞、癌細胞(特にチューブリン結合剤耐性癌細胞)、および/または内皮細胞でのシグナル伝達経路の誘発は、例えばELISAフローサイトメトリー、ノーザンブロット分析、ウェスタンブロット分析、RT−PCRキナーゼアッセイ、および電気泳動度シフトアッセイを含めた当業者に知られている技法によって、アッセイを行うことができる。また、米国特許第5,955,269号も参照されたい。本発明の組成物および化合物は、例えば、3H−チミジン取込み、トリパンブルー細胞カウント、および蛍光発色セルソーター(「FACS」)分析を含むがこれらに限定することのない当業者に知られている技法を使用して、免疫細胞増殖、内皮細胞および癌細胞の増殖を調節する能力についてもアッセイを行うことができる。本発明の組成物および化合物は、細胞溶解を引き起こす能力についてもアッセイを行うことができる。本発明の組成物および化合物は、当業者に周知の技法または本明細書に記述される技法を使用して、細胞移行、細胞接着血管新生、および/またはチューブリン重合を阻害する能力についてもアッセイを行うことができる。組成物および化合物は、細胞周期停止またはアポトーシスを引き起こす能力についても、アッセイを行うことができる。 本発明の医薬品、栄養補給食品、または化粧品組成物および化合物は、ヒトに使用する前に、適切な動物モデル系で試験をすることもできる。当技術分野で周知の任意の動物系を、使用してよい。本発明の特定の実施形態では、本発明の医薬組成物および化合物を、マウスモデル系で試験する。そのような動物モデル系には、ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ブタ、イヌ、ウサギなどが含まれるが、これらに限定するものではない。そのようなモデル系は、広く使用されており、当業者に周知である。 本発明の医薬品、栄養補給食品、または化粧品組成物および化合物の抗癌活性は、腫瘍を持つかまたは悪性細胞を注射したSCIDマウスが含まれるがこれに限定することのない任意の適切な動物モデルを使用して、決定することができる。肺癌用動物モデルの例には、Zhang & Roth (1994, In Vivo 8(5): 755-69)に記載されている肺癌動物モデル、およびp53機能が破壊されたトランスジェニックマウスモデル(例えば、Morris他, 1998, J La State Med Soc 150(4): 179-85参照)が含まれるが、これらに限定するものではない。乳癌用動物モデルの例には、サイクリンD1を過発現したトランスジェニックマウス(例えば、Hosokawa他, 2001, Transgenic Res 10(5): 471-8参照)が含まれるが、これに限定するものではない。結腸癌用動物モデルの例には、TCRbおよびp53のダブルノックアウトマウス(例えば、Kado他, 2001, Cancer Res 61(6): 2395-8)が含まれるが、これに限定するものではない。膵臓癌用動物モデルの例には、Panc02マウス膵臓腺癌の転移モデル(例えば、Wang他, 2001, Int J Pancreatol 29(1): 37-46参照)および皮下膵臓腫瘍で発生したnu−nuマウス(例えば、Ghaneh他, 2001, Gene Ther 8(3): 199-208参照)が含まれるが、これらに限定するものではない。非ホジキンリンパ腫用動物モデルの例には、重篤複合免疫不全(「SCID」)マウス(例えば、Bryant他, 2000, Lab Invert 80(4): 553-73参照)およびIgHmu−HOX11トランスジェニックマウス(例えば、Hough他, 1998, Proc Natl Acad Sci USA 95(23):13853-8)が含まれるが、これらに限定するものではない。食道癌用動物モデルの例には、ヒトパピローマウイルス型16E7腫瘍遺伝子をトランスジェニックされたマウス(例えば、Herber他, 1996, J Virol 70(3): 1873-81参照)が含まれるが、これに限定するものではない。結腸直腸癌用動物モデルの例には、Apcマウスモデル(例えば、Fodde & Smith, 2001, Trends Mol Med 7(8):369-73およびKuraguchi他, 2000, Oncogene 19(50): 5755-63参照)が含まれるが、これに限定するものではない。 本発明の医薬品、栄養補給食品、または化粧品組成物および化合物の毒性および/または効力は、例えばLD50(集団の50%に致死的な用量)およびED50(集団の50%に治療上有効な用量)を決定するために、細胞培養または実験動物での標準的な手順によって決定することができる。毒作用と治療効果との用量比は、治療指数であり、比LD50/ED50と表すことができる。高い治療指数を示す本発明の医薬品、栄養補給食品、または化粧品組成物および化合物が好ましい。 細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトに使用するために、ある範囲の投薬量の本発明の医薬品、栄養補給食品、または化粧品組成物および化合物を配合するのに使用することができる。そのような薬剤の投薬量は、毒性がほとんどないか存在しないE50を含む循環濃度の範囲内にあることが好ましい。投薬量は、用いられる剤形および利用される投薬経路に応じて、この範囲内で変化してよい。本発明の方法で使用される任意の薬剤では、治療上有効な用量を、細胞培養アッセイで最初に推定することができる。用量は、細胞培養で決定したときに、IC50(すなわち、症状の最大の2分の1の阻害を実現する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲が実現されるように、動物モデルで処方することができる。そのような情報は、ヒトに有用な用量をより正確に決定するのに使用することができる。血漿中のレベルは、例えば、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)およびラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定することができる。予防または療法の薬物動態は、例えば、ピーク血漿レベル(Cmax)や曲線下の面積(AUC、薬剤の血漿濃度を時間に対してプロットすることにより測定され、生物学的利用能が反映される)、化合物の半減期(t1/2)および最大濃度での時間などのパラメータを測定することによって、決定することができる。 癌などの増殖性障害を予防しまたは治療する効力は、例えば、本明細書に記述される技法および方法を使用して、本発明の医薬品、栄養補給食品、または化粧品組成物および化合物が癌細胞の増殖を低下させ、癌細胞の広がりを低下させ、または腫瘍サイズを小さくすることができることを検出することにより、実証することができる。 5.12 製品 本発明は、製品を包含する。本発明の典型的な製品は、本発明の組成物または化合物の単回剤形を含む。一実施形態では、単回剤形は、有効量の本発明の組成物または化合物と、製薬上許容される担体または賦形剤とが入っている容器であり、好ましくは滅菌容器である。製品はさらに、栄養士、医師、技術者、消費者、被験体、または患者に対して、問題となっている障害をどのように正しく予防し、治療し、またはその障害に関する有益な利益を得るのかを勧めている、組成物または化合物の使用またはその他の情報データに関するラベルまたは印刷した使用説明書を含むことができる。製品は、実際の用量、モニタプロセス、およびその他のモニタ情報を含むがこれらに限定することのない投薬計画を、指示しまたは提示している使用説明書を含むことができる。製品は、別の予防薬または治療薬の単回剤形、例えば有効量の別の予防薬または治療薬が入っている容器も、さらに含むことができる。特定の実施形態では、製品は、有効量の本発明の組成物または化合物、および製薬上許容される担体または賦形剤が入っている容器と、有効量の別の予防薬または治療薬、および製薬上許容される担体または賦形剤が入った容器とを含む。その他の予防薬または治療薬の例には、上記列挙したものが含まれるが、これらに限定するものではない。製品の包装材料およびこの製品に含まれる容器は、貯蔵中および輸送中に生成物の安定性が保護されるように設計されることが好ましい。 本発明の製品は、さらに、単位剤形を投与するのに有用である機器を含むことができる。そのような機器の例には、注射器、点滴バッグ、パッチ、および吸入器が含まれるが、これらに限定するものではない。 本発明の製品は、さらに、1種または複数の活性成分(例えば、本発明の化合物)を投与するのに使用することができる、製薬上許容されるビヒクルまたは消費可能なビヒクルを含むことができる。例えば活性成分を、非経口または経口/腸溶投与を行うために溶かして元に戻さなければならない固体形態として提供する場合、製品は、活性成分を内部で溶解することのできる適切なビヒクルの密封容器を含むことができる。非経口投与では、微粒子を含まない滅菌溶液が好ましい。製薬上許容されるビヒクルの例には、注射用水USP;塩化ナトリウム注射液やリンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液、および乳酸リンゲル注射液などであるがこれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコールやポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどであるがこれらに限定されない水混和性ビヒクル;トウモロコシ油や綿実油、ラッカセイ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジルなどであるがこれらに限定されない非水性ビヒクルが含まれるが、これらに限定するものではない。 以下の実施例は、本発明の例示的な化合物の調製および特徴について述べており、様々なタイプの癌細胞に対するそれらの阻害活性について実証している。 6.1 化合物の精製 以下の内容は、ラブドシア・ルベッセンスからの化合物の単離について述べている。 全体の手順:Sigma−AldrichシリカゲルTLCプレート(厚さ250μm、粒径2〜25μm)上で、TLCを実施した。UV検出器(254nm)の下でスポットを観察し、0.5%バニリンと、10%H2SO4エタノール溶液または60%(v/v)H2SO4エタノール溶液を噴霧し、その後加熱することによって視覚化した。シリカゲル(130〜270メッシュ)、Sephadex LH−20およびRP−18(60μm)(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)を使用して、カラムクロマトグラフィーを実施した。DPPHおよびH2O2をSigma Chemical Co.(St.Louis、MO)から購入した。すべての溶媒は、Fisher Scientific(Springfield、NJ)から購入した。1Hおよび13C NMRスペクトルおよび2D NMRスペクトルを、U−400機器(Varian Inc.、カリフォルニア)で記録した。化学シフトを、内部標準物質としてTMSを使用して、ppm(δ)で表す。CD3OD、CDCl3、およびDMSO−d6を、Aldrich Chemical Co.から購入した。GCおよびGC−MS分析を、HP Hewlett 5890パッカードシリーズIIで行った。70eVでの電子イオン化(EI)モードにより、質量スペクトルが得られた。炉内温度は100℃であり、2℃/分の速度で200℃まで上昇させ、30分間保持し、最後に10℃/分で280℃まで上昇させた。インジェクタ温度は270℃であり、検出器温度は280℃であった。サンプルのスプリット比は、60:1に設定した。Perkin−ElmerスペクトルBXシステムで、FT−IRを行った。UVは、Cary 300 Bio UV−可視分光光度計[α]D:Perkin−Elmer 141偏光計で測定した。HRFAB−MSを、JEOL HX−110二重焦点質量分析計で走らせた。LC−MSデータが、HP 1100 HPLC機器を備えたHP 59980B粒子ビームLC/MSインターフェースで得られた。 植物材料:R.ルベッセンスの乾燥した薬草を、中国河南省で栽培し、Henan Drugs Companyから購入した。証拠標本を、中国上海の復旦大学薬学部の植物標本質に寄託した。 抽出および単離:粉末化し空気乾燥したR.ルベッセンスの全薬草(15kg)を、室温で、95%EtOHで3回抽出し、その溶液を減圧下で濃縮することにより溶媒を除去し、暗緑色の残留物(800g)を得た。この残留物を、熱いH2O(2L)で希釈し、ヘキサン(1×3L)、EtOAc(1×3L)、およびn−BuOH(1×3L)で3回抽出した。溶媒除去後に得られたCH3COOC2H5残留物(230g)を、CHCl3−MeOH勾配溶液系を使用してCHCl3中に充填されたシリカゲルカラム上で、クロマトグラフィーにかけた。画分を、TLCによりモニタした後に合わせた。画分を、SiゲルまたはRP−18ゲルカラムクロマトグラフィーに繰り返しかけ、極性の高い溶媒(ヘキサン、CHCl3、CH3COOC2H5、MeOH、およびH2O−MeOH)で溶出した。適切な画分を結晶化した結果、いくらかのジテルペノイドが得られた。一部の画分を真空蒸発させ、MeOH−H2Oを溶媒系として使用してシリカゲルおよびSephadex LH−20カラム上で繰り返しクロマトグラフィーを実施し、その結果、純粋な化合物が得られた。一部の化合物の最終精製は、アセトニトリル−H2O勾配溶媒系を用いたHPLC(C18カラム)により行った。その他の化合物を、再結晶およびPTLC(Siゲル)によってさらに精製し、その結果、ロスマリン酸やロスマリンメチルなど、極性の高い順序で化合物が得られた。 6.2 例示的な化合物の構造的特徴付け R.ルベッセンスからの例示的な化合物の特徴付けを、COSYやTOCSY、ROESY、HMQC、およびHMBC NMR法など、MS、化学データ、および1H NMR、13C NMR、DEPT、2D NMRを含めたNMR技法を利用して行った。 6.2.1 ルベセンデプシド ルベセンデプシド、非晶質の微かに黄色い粉末は、式C29H36O15に一致するm/z623でEIMS分子イオンピークを示し、これは、ポジティブHRFABMS(観測値647.1950、計算値647.1951)(M+Na)+およびその13C NMRおよびDEPTスペクトルの分析によって確認された。そのUVスペクトルは、202.0、221.0、289.0、および331.0nmでλmaxを示し、[α]D−12.0(MeOH;c0.0133)である。 上述のシグナルの他に、13C NMRおよびDEPTスペクトルは、1つのメチル、3つのメチレン(酸素化したもの2つを含む)、18のメチン(10個の酸素を持つものを含む)、および7つの第4級炭素(1つのカルボニルおよび4つの酸素を持つ二重結合のものを含む)に起因するシグナルも示した。HMQC分光分析を使用して、直接結合している炭素とプロトンとの相関を設定した(表3)。COSY分光分析を使用して、H−5(H−6に)やH−7(H−8に)、H−5’(H−6’に)、H−7’(H−8’に)、グルコースに関してはH−1(H−2に)、H−2(H−3に)、H−4(H−5に)、H−5(H−6に)、またラムノースに関してもH−1(H−2に)、H−2(H−3に)、H−3(H−4に)、H−4(H−5に)、H−5(H−6に)など、直接結合しているプロトンの相関を設定した。 δ104.186dおよび103.047dでの13C NMRスペクトルは、2つのアセタール基の存在を示し、2つの糖単位があり、これらは2D NMRによって確認された。 HMBCスペクトルでは、H−2(C−3、C−4、C−6、およびC−7と)、H−5(C−1、C−3、およびC−4と)、H−6(C−4、C−7、およびC−8と)、H−7(C−6、C−8、およびC−9と)、H−8(C−1、およびC−9と)、H−2’(C−1’、C−3’、およびC−7’と)、H−5’(C−4’、およびC−6’と)、H−6’(C−4’、C−5’、およびC−7’と)、H−7’(C−1’、C−2’、C−6’、およびC−8’と)、H−8’a&b(C−1’と)、グルコースの場合はH−1(C−8’と)、H−2(C−1、およびC−3といずれもグルコース中)、ラムノースの場合はH−1(グルコース中のC−3と、またどちらもラムノース中のC−2、およびC−5と)、およびH−3(C−1、C−4、およびC−5とすべてラムノース中)の間で、相関が明瞭に観察された。 上述のすべての証拠から、ルベセンデプシドの構造を特定した。 上述のすべての証拠から、ルベセンデプシドの構造を特定した。 6.2.2 ルベセンシンJ ルベセンシンJ、非晶質粉末は、式C20H28O7に一致するm/z379でESI分子イオンピーク[M−H]−を示し、これは、ポジティブHRFABMS(観測値、計算値381.1913)およびその13C NMRおよびDEPTスペクトルの分析によって確認された。 そのUV(206.0nmでのλmax)、[α]D−28.6(MeOH;c0.0614)、およびNMR[1H NMR δ 2.981d(7.6)および3.067d(7.62)(各1H);13C NMR δ 219.378(s)、67.086(s)、および50.613(t)]スペクトルは、exo−エポキシド基が、一般的なent−カウランジテルペノイドでのexo−メチレン基の代わりに5員環のカルボニル基に接続していることを示した。 そのIRスペクトルでは、3245cm−1での吸収が、ヒドロキシル基の存在を示していた。 上述のシグナルの他に、13C NMRおよびDEPTスペクトルは、2つのメチル、6つのメチレン(酸素化したもの2つを含む)、6つのメチン(3個の酸素を持つものを含む)、および6つの第4級炭素(1つのカルボニルおよび2つの酸素を持つものを含む)に起因するシグナルも示した。HMQC分光分析を使用して、直接結合している炭素とプロトンとの相関を設定した(表4)。COSY分光分析を使用して、H−1(H−2に)やH−5(H−6に)、H−12(H−13に)、およびH−13(H−14に)など、直接結合しているプロトンの相関を設定した。δ98.166sおよび64.680tでの13C NMRスペクトルは、7α,20−ヘミアセタール基の存在を示していた。 分子の基本骨格は、4個のヒドロキシル基で置換された7β−ヒドロキシ−7α,20−エポキシ−ent−カウル−16,17−エポキシド−15−オンとされた。 1個のエポキシド環基に起因したシグナルの他に、ルベセンシンJの1Hおよび13C NMRスペクトルは、オリドニンのものに非常に類似しており、したがってルベセンシンJは、オリドリンと同じ骨格を有し、エポキシド環基は16位および17位にあることが想定されたが、これは、2D NMR分光分析実験により確かめられたものである。 HMBCスペクトルでは、H−1(C−2、C−9、およびC−10と)、H−5(C−1、C−3、C−4、C−6、C−9、C−10、C−18、C−19、およびC−20と)、H−6(C−4、C−5.C−7、C−8、およびC−20と)、H−9(C−10、C−11、C−14、およびC−16と)、H−13(C−8、C−11、C−12、C−14、およびC−16と)、H−14(C−16と)、H−17a(C−16と)、H−17b(C−16と)、H−18(C−3、C−4、C−5、およびC−19と)、H−19(C−3、C−4、C−5、およびC−18と)、H−20a(C−5、C−7、C−9、およびC−10と)、H−20b(C−5、C−7、C−9、およびC−10と)の間で、相関が明瞭に観察された。 置換基の相対的構造は、NOE実験のROESYスペクトルによって明らかにされた。選択的NOE実験を使用することにより、δ2.981d(7.6)でのH−17aのプロトンを照射した場合、δ3.067d(7.6)でのH−17bのプロトン、δ2.16d(9.2)でのH−13のプロトン、およびδ1.798mでのH−12aのプロトンが応答し、したがって16,17−エポキシド環は、以下に示すようなβ−構造を有することが確認された。 上述のすべての証拠から、ルベセンシンJは、1α,6β,7β,14β−テトロヒドロキシ−7α,20−エポキシ−ent−カウル−16,17−exo−エポキシド−15−オンであることが明らかになった。 6.2.3 ルベセンシンO−1 ルベセンシンO−1、非晶質粉末は、式C26H36O9に一致するm/z491でESI分子イオンピーク[M−H]−を示し、これは、ポジティブHRFABMS(観測値、計算値493.2438)およびその13C NMRおよびDEPTスペクトルの分析によって確認された。 そのUV(239.0nmでのλmax)、[α]D−6.0(MeOH;c0.0167)、IR(1700および1640cm−1でのvmax)、およびNMR[1H NMR δ 6,117sおよび5.577d(1.2)(各1H);13C NMR δ 79.245(d)、152.257(s)、および120.384(t)]スペクトルは、5員環上のexo−メチレン基を示していた。 そのIRスペクトルでは、3405cm−1での吸収が、ヒドロキシル基の存在を示していた。δ98.679sおよび67.450tでの13C NMRスペクトルは、7α,20−ヘミアセタール基の存在を示していた。13C NMR δ170.649(s)、171.916(s)、171.218(s)、21.317(q)、および21.442(q)と、1H NMR δ2.137(s)、1.957(s)、および1.980(s)でのシグナルは、構造内の3個のアセチル基を示していた。 上述のシグナルの他に、13C NMRおよびDEPTスペクトルは、2つのメチル、6つのメチレン(酸素化したもの1つを含む)、7つのメチン(4個の酸素を持つものを含む)、および6つの第4級炭素に起因するシグナルも示した。HMQC分光分析を使用して、直接結合している炭素とプロトンとの相関を設定した(表5)。ルベセンシンO−1の基本骨格は、2個のヒドロキシル基および3個のアセトキシル基により置換された、7β−ヒドロキシ−7α,20−エポキシ−ent−カウル−16−エン−15−オールとされた。 3個のアセトキシル基および11位にあるヒドロキシル基に起因したシグナルの他に、ルベセンシンO−1の1Hおよび13C NMRスペクトルは、エンメノールの場合に非常に類似しており、したがって、分子はエンメノールのものと同じ骨格を有し、アセチル基は6、11、15位にあることが示されたが、これは、2D NMR分光分析実験により確かめられたものである。gCOSYスペクトルから、H−1とH−2、H−5とH−6、H−9とH−11、H−11とH−12a、H−12aとH−12b、H−12bとH−13、H−13とH−14bの間で相関が設定された。 HMBCスペクトルでは、H−5(C−1、C−4、C−6、C−9、C−10、C−18、C−19、およびC−20と)、H−6(C−4、C−5、C−7、および13C NMR δ170.649(s)でのCと)、H−15(C−14、C−16、および13C NMR δ171.218(s)でのCと)、H−18(C−3、C−4、C−5、およびC−19と)、H−19(C−3、C−4、C−5、およびC−18と)の間で、相関が明瞭に観察された。 置換基の相対的構造は、以下に示すNOE実験のROESYスペクトルによって明らかにされた。 上述のすべての証拠から、ルベセンシンO−1の構造が明らかにされた。 6.2.4 ルベセンシンM ルベセンシンM、非晶質粉末は、式C22H32O7に一致するm/z407でESI分子イオンピーク[M−H]−を示し、これは、ポジティブHRFABMS(観測値409.2236、計算値409.2226)と、その13C NMRおよびDEPTスペクトルの分析によって確認された。そのUV(202.0nmでのλmax)、[α]D−22.0(MeOH;c0.0808)、およびNMR[1H NMR δ 5.186(s)および5.239(s)(各1H);13C NMR δ 159.642(s)および110.824(s)]スペクトルは、5員環上のexo−メチレン基を示していた。 そのIRスペクトルでは、3440cm−1での吸収が、ヒドロキシル基の存在を示していた。上述のシグナルの他に、13C NMRおよびDEPTスペクトルは、3つのメチル、6つのメチレン(酸素化したもの1つを含む)、7つのメチン(4個の酸素を持つものを含む)、および6つの第4級炭素(1個のカルボニルおよび酸素を持つものを含む)に起因するシグナルも示した。HMQC分光分析を使用して、直接結合している炭素とプロトンとの相関を設定した(表6)。13C NMR δ170.413(s)および21.341(q)と、1H NMR δ2.210(s)でのシグナルは、構造中のアセチル基を示していた。δ98.896(s)および67.636(t)での13C NMRスペクトルは、7α,20−ヘキアセタール基の存在を示していた。 ルベセンシンMの基本骨格は、4個のヒドロキシル基および1個のアセトキシル基により置換された、7β−ヒドロキシ−7α,20−エポキシ−ent−カウル−16−エン−15−オールとされた。 1個のアセトキシル基に起因したシグナルの他に、ルベセンシンMの1Hおよび13C NMRスペクトルは、エンメノールの場合に非常に類似しており、したがって、分子はエンメノールのものと同じ骨格を有し、アセチル基は6位にある可能性があるが、これは、2D NMR分光分析実験により確かめられたものである。gCOSYスペクトルから、H−5とH−6、H−9とH−11、H11とH−12a、H−12aとH−12b、H−12bとH−13の間で相関が設定された。 HMBCスペクトルでは、H−5(C−4、C−6、C−9、C−10、C−18、C−19、およびC−20と)、H−6(C−4、C−5、C−7、C−8、およびC−22と)、H−9(C−5、C−8、C−10、C−11、C−14、C−15、およびC−20と)、H−12b(C−9、C−11、C−13、およびC−16と)、H−13(C−8、C−11、C−14、C−15、C−16、およびC−17と)、C−14(C−13、C−15、およびC−16と)、H−15(C−7、C−9、C−16、およびC−17と)、H−17a(C13、C−15、およびC−16と)、H−17b(C−13、C−15、およびC−16と)、H−18(C−3、C−4、C−5、およびC−19と)、H−19(C−3、C−4、C−5、C−6、およびC−18と)、H−20a(C−5、C−9、およびC−10と)、H−20b(C−9およびC−10と)、H−21(C−6、およびC−22と)の間で、相関が明瞭に観察された。 ルベセンシンMの置換基の相対的構造は、NOE実験のROESYスペクトルによって明らかにされた。 6.2.5 ラブドテルニンA ラブドテルニンAを単離し、その構造を決定した。NMRデータを表7に示す。 6.2.6 ラブドテルニンB ラブドテルニンBを単離し、その構造を決定した。NMRデータを表8に示す。 6.2.7 ラブドテルニンC ラブドテルニンCを単離し、その構造を決定した。NMRを表9に示す。 6.2.8 ルベセンシンN ルベセンシンNを単離し、その構造を、上述の技法を使用して決定した。 6.3 例示的な化合物の生物学的活性 例示的な化合物の生物学的活性をアッセイする技法について、以下に述べる。 6.3.1 材料および手順 細胞培養:JB6マウス表皮細胞系Cl41、またはその安定なAP−1ルシフェラーゼレポータープラスミド安定トランスフェクタントを、5%ウシ胎児血清(FBS)、2mM L−グルタミン、および25mg/mlゲンタマイシン、または50IU/mlペニシリンG、および50μg/mlストレプトマイシンを含有するイーグルの最少必須培地(MEM)と共に、37℃で95%空気−5%CO2の雰囲気中で維持した。細胞を、5×104細胞/mlの密度で播き、24時間培養した。細胞を、36時間にわたり0.1%FBSを加えたMEM中で血清不足にして、細胞周期をG0期に同調させた。細胞を、様々な濃度の試験化合物または蒸留水(対照として)で1時間処理し、その後、毒性調査のためMTSアッセイ緩衝液、あるいは12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート(TPA)または表皮成長因子(10〜20ng/mlでのEGF)を添加して、AP−1活性化を決定した。一部の細胞は、以下に述べる細胞変換アッセイに使用した。ヒト表現型発現アッセイでは、ヒト結腸HCT116、ヒト肺癌H460、ヒト皮膚メラノーマSK−MEL−28、またはヒト卵巣SK−OV3細胞を、それぞれの培地で培養し、軟寒天アッセイのために収集した。 細胞増殖アッセイ(MTSアッセイ):細胞増殖を、提供された使用説明書に従い、CELLTITER96(登録商標)AQueous一溶液細胞増殖アッセイ(Promega、Madison、WI)を使用して分析した。簡単に言うと、96ウェルマルチプレート内に入れたG0期に同期した細胞を、個々の試験化合物で処理し、次いでFBSを添加した。培養中さらに36時間経過後、細胞を、37℃で2時間、3−(4,3−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム(MTS)試薬と共に、加湿した5%CO2雰囲気中でインキュベートした。次いで、代謝的に活性な細胞中で脱水素酵素により触媒された着色したフォルマゼン生成物の吸光度を、492nmで記録し、このときバックグラウンドを690nmにした。データは、未処理の対照細胞の吸光度に対するパーセンテージとして表した。 AP−1細胞培養およびAP−1活性のルシフェラーゼアッセイ:刺激を与えたとき、AP−1は、細胞増殖、転移、および代謝に関わるいくつかの遺伝子の転写を誘発させた。TPAまたはEGFは、AP−1を活性化することができ、多くの異なる細胞型で細胞変換を誘発することができる。AP−1活性の増大は、悪性変換およびUV放射線などの癌促進物質、成長因子、ホルボールエステル、およびトランスフォーミング癌遺伝子に関係する。JB6マウス表皮細胞系では、TPAまたはEGFが、促進感受性(P+)細胞表現型でAP−1転写活性を誘発させる。AP−1活性調査では、AP−1ルシフェラーゼレポータープラスミドが安定にトランスフェクトされたマウス表皮JB6P+1−1細胞の集密的単層をトリプシン処理し、5%熱活性化FBS、2mM L−グルタミン、および25mg/mlのゲンタマイシンが補われた(MEM)100μlに、8×103個の生存可能な細胞を懸濁させた。細胞を、37℃、5%CO2の単層中、96ウェルプレートの個々のウェル内で24時間培養し、その後、0.1%FBS MEM中でさらに24時間、細胞を培養することによって飢餓状態にした。Col−LucプラスミドDNAを、AP−1レポータープラスミドとして使用した。Col−Lucは、−73/63でのAP−1結合部位を含有するルシフェラーゼを推進させる、AP173/63コラゲナーゼプロモーターである。AP−1活性を、JB6P+細胞、41〜19で、安定なCol−Lucトランスフェクタントでアッセイした。Col−Luc安定トランスフェクタントの場合、一晩播いた後に、細胞を様々な濃度の試験化合物で処理し、30分間インキュベートした。前処理に続き、細胞をTPA(20ng/ml)またはEGF(20ng/ml)に24時間曝した。次いで細胞を、溶解緩衝液(100mM K2HPO4、pH7.8、1%Triton X−100、1mM DTT、2mM EDTA)により収集した。結果は、アセチル化した生成物の生成の相対速度として表す。相対AP−1活性は、Dong他, (1994) Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A. 91: 609-613、およびDong他, (1994) Carcinogenesis 15: 1001-1004に記載されるように計算した。ルシフェラーゼ活性は、照度計(MONOLIGHT 2010、Analytical Luminescence Laboratory)によって、抽出物とルシフェラーゼアッセイ試薬とを混合した10秒後に測定した。 足場依存性形質転換アッセイ:試験化合物の、TPAまたはEGFで誘発された細胞形質転換またはヒト腫瘍表現型発現に対する阻害を、足場依存性条件下で調査した。1×104細胞のサンプルを、10%FBSを含有する3.5mlの0.5%基本培地Eagle(BME)寒天培地に対し、10%FBSを含有する1mlの0.33%BME寒天中、種々の濃度の試験化合物と共にまたはなしで、TPA(20ng/ml)またはEGF(20ng/ml)に曝した。ギンゲロールを100%エタノールに溶解した。エタノールは、比較のための対照群で使用した。培養物を、37℃の5%CO2インキュベータ内で、14〜21日間維持し、細胞コロニーを、光学顕微鏡に一体化させたコンピュータ化プログラムにより評価した。ヒト腫瘍細胞を同様の手法で処理したが、EGFまたはTPAは必要としなかった。 6.3.2 結果 ルベセンデプシド:JB6 Cl41マウル皮膚細胞におけるMTSアッセイでの毒性評価は、50μMレベルでルベセンデプシドの毒性がないことが明らかにされた。約50%の細胞死は、100μmレベルでわかった(表10)。これは50μMで、JB6細胞での新生物形質転換を完全に阻害しており、15μMではHCT116結腸癌細胞増殖を著しく阻害しており、25μMではSK−MEL−28皮膚癌細胞増殖を適度に阻害しており、25μMではHT460肺癌細胞増殖を適度に阻害している(表10)。無毒性用量範囲のルベセンデプシド(25μM)は、軟寒天アッセイで表皮成長因子(EGF)に曝されたJB6 Cl41細胞での新生物細胞形質転換を防止した(図2)。コロニー形成の低下は、ヒト結腸癌細胞に対してルベセンデプシドが特に効果的であることを示している(図3)。この化合物は、ヒト肺癌細胞(図4)およびヒト皮膚メラノーマ細胞(図5)に対しても適度な阻害効果を有していた。 ルベセンシンJ:JB6 Cl41マウス皮膚細胞でのMTSアッセイによる毒性評価は、20〜25μMレベルで約50%の細胞死であることが明らかになった。これは40μMで、JB6細胞での新生物形質転換を完全に阻害しており、20μMではHCT116結腸癌細胞増殖を完全に阻害しており、20μMではSK−MEL−28皮膚癌細胞増殖を著しく阻害しており、20μMではHT460肺癌細胞増殖を適度に阻害しており、20μMではSK−OV−3卵巣癌細胞増殖を適度に阻害している(表10)。ルベセンシンJは、25μMで軟寒天アッセイの表皮成長因子(EGF)に曝されたJB6 Cl41細胞での新生物細胞形質転換を防止した(図6)。コロニー形成の低下は、ルベセンシンJが、10μMでヒト結腸癌細胞に対して(図7)、また20μMでヒト皮膚メラノーマ細胞に対して(図8)、特に効果的であることを示している。この化合物は、ヒト肺癌細胞(図9)およびヒト卵巣癌細胞(図10)に対して適度な阻害効果を有していた。 ルベセンシンM:JB6 Cl41マウス皮膚細胞でのMTSアッセイによる毒性評価は、100μMレベルで約38%の細胞死であることが明らかになり、この化合物は、100μMではJB6細胞での新生物形質転換をほぼ完全に阻害しており、50μMではSK−MEL−28皮膚癌細胞増殖を完全に阻害していた。またルベセンシンMは、75μMで、HCT116結腸癌細胞増殖の90%を阻害し、HT460肺癌細胞増殖の73%を阻害していた(表10)。ルベセンシンMは、100μMで軟寒天アッセイの表皮成長因子(EGF)に曝されたJB6 Cl41細胞での新生物細胞形質転換を防止した(図11)。コロニー形成の低下は、ルベセンシンMが、ヒト結腸癌細胞に対して(図12)、またヒト皮膚メラノーマ細胞に対して(図13)、特に効果的であることを示している。この化合物は、ヒト肺癌細胞(図14)に対して適度な阻害効果を有していた。 ラブドテルニンA:JB6 Cl41マウス皮膚細胞でのMTSアッセイによる毒性評価は、100μMレベルで約66%の細胞死であることを明らかにした。これは、25μMではJB6細胞での新生物形質転換を完全に阻害しており、15μMではSK−MEL−28皮膚癌細胞増殖を完全に阻害しており、25μMではHCT116結腸癌細胞増殖を完全に阻害する。また、ラブドテルニンAは、25μMで、HT460肺癌細胞増殖を適度に阻害していた(表10)。ラブドテルニンAは、25μMで軟寒天アッセイの表皮成長因子(EGF)に曝されたJB6 Cl41細胞での新生物細胞形質転換を防止した(図15)。コロニー形成の低下は、ラブドテルニンAが、ヒト皮膚メラノーマに対して(図16)、またヒト結腸癌細胞に対して(図17)、特に効果的であることを示している。この化合物は、ヒト肺癌細胞に対して適度な阻害効果を有していた(図18)。 ラブドテルニンB:JB6 Cl41マウス皮膚細胞でのMTSアッセイによる毒性評価は、100μMレベルで約60%の細胞死であることを明らかにした。これは、75μMではJB6細胞での新生物形質転換を完全に阻害し、50μMではHCT116結腸癌細胞増殖を完全に阻害した(表10)。ラブドテルニンBは、75μMで軟寒天アッセイの表皮成長因子(EGF)に曝されたJB6 Cl41細胞での新生物細胞形質転換を防止した(図19)。コロニー形成の低下は、ラブドテルニンBが、ヒト結腸癌に対して特に効果的であることを示している(図20)。 ラブドテルニンC:JB6 Cl41マウス皮膚細胞でのMTSアッセイによる毒性評価は、100μMレベルで約30%の細胞死であることを明らかにした。これは、100μMではJB6細胞での新生物形質転換を完全に阻害し、100μMではHCT116結腸癌細胞増殖を著しく阻害した。また、ラブドテルニンCは、100μMで、SK−MEL−28皮膚癌およびHT460肺癌細胞増殖を適度に阻害した(表10)。ラブドテルニンCは、10μMで軟寒天アッセイの表皮成長因子(EGF)に曝されたJB6 Cl41細胞での新生物細胞形質転換を、50%防止した(図21)。コロニー形成の低下は、ラブドテルニンCが、ヒト結腸癌に対して特に効果的であることを示している(図22)。この化合物は、ヒト皮膚癌細胞(図23)およびヒト肺癌細胞(図24)に対していくらか阻害効果を有していた(図24)。 7.実施例 以下の実施例は、本発明の例示的な組成物の調製および特徴付けについて記述しており、細胞形質転換に対するその阻害活性を実証する。 中国で収穫されたラブドシア・ルベッセンスの地上部を、自然にまたは強制的に乾燥し、粉砕機で粉砕して、バイオマスを形成した。バイオマスを、室温で、95%エタノールで3回抽出した。溶液を濃縮した場合、抽出物は、真空乾燥または噴霧乾燥によって粉末にした。あるいは、バイオマス約1kgを室温で、約20Lの70%エタノールまたはメタノールで、かつ80℃までのパーコレータを使用して抽出した。このように得られた抽出溶液を濾過し、蒸発器で濃縮し、その後、真空乾燥または噴霧乾燥してラブドシア・ルベッセンスの抽出物を生成した。 本発明の組成物を調製するために、3つの方法を設計した。 第1の方法では、抽出物を蒸留水に溶解し、ヘキサンおよびn−ブタノールの溶媒で単離した。n−ブタノール画分を濃縮し、真空乾燥または噴霧乾燥の方法で乾燥した。乾燥した原材料の重量に対する画分の収率は、5.4重量%であった。ジテルペノイド(23.5%)、デプシド(9.1%、2.1%)およびフラボノイド(4.8%)の含量を、HPLC法によって決定した。 第2の方法では、5cmの直径および60cmの長さを有するガラスカラムに、スチレン−ジビニルベンゼン系合成樹脂(Diaion HP−20、三菱化成工業(株))600mLを充填した。充填した樹脂をメタノールで洗浄し、次いで蒸留水で洗浄した。その後、ラブドシア・ルベッセンス抽出物を、湿式法(水に溶解する)または乾式法(エタノールまたはメタノールに溶解し、樹脂と混合し、次いで溶媒を蒸発させる)のいずれかによってガラスカラムに流した。次いで蒸留水を、カラム容積の約5倍に相当する量で流し、それによって、スチレン−ジビニルベンゼン系合成樹脂に吸着されなかった物質の画分を除去し、その後、カラム容積の約4倍に相当する量の85%エタノールまたはメタノールを流して、スチレン−ジビニルベンゼン系合成樹脂に吸着された物質の画分を溶出した。85%エタノールまたはメタノール画分を、真空乾燥または噴霧乾燥によって濃縮し乾燥した。乾燥した原材料の重量に対する画分の収率は、7.6重量%であり、ジテルペノイド(20.7%)、デプシド(9.8%、2.3%)、およびフラボノイド(5.2%)の含量を、HPLC法により決定した。 第3の方法では、5cmの直径および60cmの長さを有するガラスカラムに、ポリアミド系(ポリアミドCC6)合成樹脂600mLを充填し、充填した樹脂をメタノールで洗浄し、次いで蒸留水で洗浄した。ラブドシア・ルベッセンス抽出物を、湿式法(水に溶解する)または乾式法(エタノールまたはメタノールに溶解し、樹脂と混合し、次いで溶媒を蒸発させる)のいずれかによってガラスカラムに流した。次いで蒸留水を、カラム容積の約5倍に相当する量で流し、それによって、ポリアミド合成樹脂に吸着されなかった物質の画分を除去し、その後、カラム容積の約4倍に相当する量の85%エタノールまたはメタノールを流して、ポリアミド系合成樹脂に吸着された物質の画分を溶出した。85%エタノールまたはメタノール画分を、真空乾燥または噴霧乾燥によって濃縮し乾燥した。 乾燥した原材料の重量に対する画分の収率は、5.7重量%であり、ジテルペノイド(36.79%)、デプシド(4.54%、3.83%)、およびフラボノイド(3.92%)の含量を、HPLC法によって決定した。本発明の方法により調製された組成物のHPLCクロマトグラムを、図25に示す。ジテルペノイド、デプシド、およびオリドニンやポニシジン、D10−5、D8−1などのその他の化合物の相対量を、標準物質として使用して、この方法およびその他類似の方法によって得られた溶出画分の比較および特徴付けを行い、高収率をもたらすための方法および/または所望のまたは特定の濃度および/または割合のジテルペノイドおよび/またはデプシドを含む組成物を最適化した。上述の方法は、当業者により、組成物の商業的量を生産するために、規模を拡大することができる。 溶離液としてメタノールを使用する第3の方法によって調製された組成物を、細胞培養中で試験した。新生物細胞形質転換を防止する効果は、軟寒天アッセイでEGFに曝されたJB6 Cl41細胞に関して試験をした。このラブドシア抽出物は、細胞形質転換を以下の通り阻害した:50または75マイクロモル、28%の阻害をもたらした;150マイクロモル、76%の阻害をもたらした;300マイクロモル、98%の阻害をもたらした。マイクロモル濃度は、250である活性化合物の推定モル重量を基にしたものである。 8.実施例 以下の実施例は、皮膚癌の治療に対するルベセンシンJ効力を実証する、動物モデルでのルベセンシンJの試験について述べている。 20匹のSKh−1無毛マウスにUVAを照射して、皮膚腫瘍形成を誘発させた。これらのマウスを、腫瘍の負荷に基づいて均等にされた2つの比較グループに分けた。ルベセンシンJをDMSOに溶解し、次いでアセトンで体積を増やした。マウスの2つのグループを、アセトンに溶かしたルベセンシンJとアセトンのみでそれぞれ処理した。この調査は、処理の内容が技術者に知られないように、ブラインド状態で行った。週に5日、各マウスに対し、250mLの体積で腫瘍に直接施用された合計30mgを与えた。化合物は、毎日新鮮なものにした。腫瘍の数およびサイズをモニタし、定期的に記録した。 初期測定を、第1、14、および20日目に行い、最初の処理は、第21日目に施した。マウスの実験グループを、化合物で週に5日、この化合物が第53日目になくなるまで処理した。測定#1から#11までは、第14、20、24、28、32、36、39、43、51、53、および84日目に行った。腫瘍パピローマの数および腫瘍体積を、第1日目のパピローマの数および腫瘍体積に対するパーセンテージとして表す。 図26Aに示すように、第84日目、処理したグループの腫瘍パピローマの数が、第1日目のパピローマ数の50%近くまで低下した。未処理のグループのパピローマ数は、約90%であった。図26Bは、第84日目の腫瘍体積が、第1日目の体積の約60%だったことを示している。第84日目の未処理のグループの体積は、約120%であった。 本明細書に引用されたすべての参考文献は、個々の刊行物あるいは特許または特許出願のそれぞれの全体がすべての目的で参照により組み込まれるよう特別にかつ個々に示される場合と同じ程度にまで、その全体を参照によりかつすべての目的で本明細書に組み込む。 本発明の多くの修正および変更は、当業者に明らかなように、その精神および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に記載される特定の実施形態は単なる例示を目的とし、本発明は、添付の特許請求の範囲が主張する均等物の全範囲と共に、その特許請求の範囲の文言によってのみ限定される。ジテルペノイド化合物に関するent−カウレン主鎖の合成を示す概略図である。図2〜24は、種々の濃度の様々な生物活性化合物が、様々な新生物または腫瘍細胞のコロニー形成に及ぼす影響を示すヒストグラムである。図2は、ルブセンデプシドが、JB6細胞での悪性形質転換に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルブセンデプシドが、表現型のHCT116発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルブセンデプシドが、表現型のHT460発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルブセンデプシドが、表現型のSK−MEL28発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルベセンシンJが、JB6細胞での悪性形質転換に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルベセンシンJが、表現型のHCT116発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルベセンシンJが、表現型のSK−MEL28発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルベセンシンJが、表現型のHT460発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルベセンシンJが、表現型のSK−OV−3発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルベセンシンMが、JB6細胞での悪性形質転換に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルベセンシンMが、表現型のHCT116発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルベセンシンMが、表現型のSK−MEL28発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ルベセンシンMが、表現型のHT460発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ラブドテルニンAが、JB6細胞での悪性形質転換に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ラブドテルニンAが、表現型のSK−MEL28発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ラブドテルニンAが、表現型のHCT116発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ラブドテルニンAが、表現型のHT460発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ラブドテルニンBが、JB6細胞での悪性形質転換に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ラブドテルニンBが、表現型のHCT116発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ラブドテルニンCが、JB6細胞での悪性形質転換に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ラブドテルニンCが、表現型のHCT116発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ラブドテルニンCが、表現型のSK−MEL28発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。ラブドテルニンCが、表現型のHT460発現に及ぼす影響を示すヒストグラムである。高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析された、本発明の化合物に富んだ組成物に関するクロマトグラムである。図26Aおよび図26Bは、ルベセンシンJが、無毛マウスのUVA曝露によって誘発された皮膚癌に及ぼす影響を示す図である。 式(I)を有する化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物(式中、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、または(C1〜C12)アシルであり; R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素、または(C1〜C6)アルキルであり; R14およびR15は、それぞれ独立に、水素、または(C1〜C6)アルキルである)。 R1、R2、R3、およびR4が、それぞれ独立に、水素、メチル、エチル、アセチル、およびプロピオニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。 R14およびR15がメチルである、請求項2に記載の化合物。 R5〜R13が、それぞれ独立に、水素、メチル、およびエチルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。 R5〜R13のうち少なくとも4個が水素である、請求項1に記載の化合物。 式(II)を有する請求項1に記載の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物。 ルベセンシンJである、請求項6に記載の化合物。 式(III)を有する化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物。 ルベセンシンO−1である、請求項8に記載の化合物。 式(IV)を有する化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物(式中、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C12)アシル、単糖、アセチル化単糖、二糖、またはアセチル化二糖である)。 R1〜R4が、それぞれ独立に、水素、メチル、エチル、アセチル、プロピオニル、単糖、または二糖である、請求項10に記載の化合物。 R1〜R4が水素である、請求項10に記載の化合物。 R1〜R3が水素であり、R4が単糖または二糖である、請求項10に記載の化合物。 式(V)を有する請求項10に記載の化合物、あるいは製薬上許容されるその塩、溶媒和物、または水和物。 R1、R2、およびR3が、水素、(C1〜C6)アルキル、または(C1〜C12)アシルである、請求項14に記載の化合物。 ルベセンデプシドである、請求項14に記載の化合物。 請求項1に記載の化合物を含む組成物であって、ラブドシア・ルベッセンス(Rabdosia rubescens)の抽出物を、ポリアミド部分またはスチレン−ジビニルベンゼン部分を含む合成樹脂に吸着させるステップと、合成樹脂をメタノールまたはエタノールで溶離して前記組成物を得るステップとを含む方法により調製される組成物。 請求項10に記載の化合物を含む組成物であって、ラブドシア・ルベッセンスの抽出物を、ポリアミド部分またはスチレン−ジビニルベンゼン部分を含む合成樹脂に吸着させるステップと、合成樹脂をメタノールまたはエタノールで溶離して前記組成物を得るステップとを含む方法により調製される組成物。 請求項1、7、9、10、16、17、または18に記載の化合物と、製薬上許容される担体、希釈剤、ビヒクル、または賦形剤とを含む医薬組成物。 請求項1、7、9、10、16、17、または18に記載の化合物と、担体、ビヒクル、または賦形剤とを含む栄養補給食品組成物。 栄養補助サプリメント、食品添加物、食品組成物、医療用食品、または特別食用食品である、請求項19に記載の栄養補給食品組成物。 請求項1、7、9、10、16、17、または18に記載の化合物と、担体、ビヒクル、または賦形剤とを含む化粧品組成物。 癌、炎症性障害、感染症、またはその症状を予防しまたは治療する必要のある被験体の、癌、炎症性障害、感染症、またはその症状を予防しまたは治療する方法であって、請求項1、7、9、10、16、17、または18に記載の化合物を含んだ有効量の組成物を、前記被験体に投与するステップを含む方法。 癌、炎症性障害、感染症、またはその症状に伴う不快感を改善しまたは軽減する必要のある被験体においてその不快感を改善しまたは軽減する方法であって、請求項1、7、9、10、16、17、または18に記載の化合物を含んだ有効量の組成物を前記被験体に投与するステップを含む方法。 一態様では、本発明は、本明細書でさらに定義するように、以下に示す式IまたはIVを有する化合物を提供する。追加の態様では、本発明は、例えば癌の予防または治療のための、本発明の化合物を含む組成物およびキットとその使用方法を提供する。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る