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タイトル:公開特許公報(A)_毛髪強化剤、該毛髪強化剤を含有する毛髪化粧料組成物およびそれを用いた毛髪強化方法
出願番号:2007280333
年次:2009
IPC分類:A61K 8/49,A61K 8/73,A61K 8/81,A61K 8/898,A61K 8/65,A61Q 5/00,A61K 31/505,A61P 17/14


特許情報キャッシュ

▲桑▼原 亮子 JP 2009107959 公開特許公報(A) 20090521 2007280333 20071029 毛髪強化剤、該毛髪強化剤を含有する毛髪化粧料組成物およびそれを用いた毛髪強化方法 ホーユー株式会社 000113274 ▲桑▼原 亮子 A61K 8/49 20060101AFI20090424BHJP A61K 8/73 20060101ALI20090424BHJP A61K 8/81 20060101ALI20090424BHJP A61K 8/898 20060101ALI20090424BHJP A61K 8/65 20060101ALI20090424BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20090424BHJP A61K 31/505 20060101ALI20090424BHJP A61P 17/14 20060101ALI20090424BHJP JPA61K8/49A61K8/73A61K8/81A61K8/898A61K8/65A61Q5/00A61K31/505A61P17/14 4 OL 14 4C083 4C086 4C083AA122 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC172 4C083AC182 4C083AC312 4C083AC342 4C083AC352 4C083AC482 4C083AC542 4C083AC582 4C083AC612 4C083AC692 4C083AC851 4C083AC852 4C083AD042 4C083AD072 4C083AD092 4C083AD112 4C083AD132 4C083AD152 4C083AD162 4C083AD172 4C083AD282 4C083AD412 4C083AD432 4C083AD442 4C083CC03 4C083CC33 4C083DD23 4C083DD27 4C083EE06 4C083EE22 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC38 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA04 4C086MA05 4C086MA07 4C086MA17 4C086MA63 4C086NA14 4C086ZA92 本発明は、毛髪強化剤、該毛髪強化剤を含有する毛髪化粧料組成物およびそれを用いた毛髪強化方法に関する。 近年、ヘアスタイルの多様化に伴って、染毛剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ用剤、縮毛矯正剤等の毛髪処理剤で毛髪が処理される機会が多くなり、毛髪は損傷を受け、切れやすくなるなど脆弱化する傾向にある。そうした毛髪に適用し、脆弱化した毛髪を強化する効果を発揮する毛髪化粧料組成物が知られている(特許文献1〜3参照)。例えば、特許文献1に記載の毛髪化粧料組成物は、クレアチン、クレアチニンを含有する、毛髪の硬化・強化・構造回復または安定化のためあるいは既存の毛髪の体積の改善のための組成物である。一方で、エクトインを含有する皮膚外用剤は、皮膚に対する保湿効果を発揮することが知られている(特許文献4、5参照)。特表2004−525137号公報特開平10−175824号公報特開平11−71240号公報特開平7−330535号公報特開2002−302444号公報 ところで、上記特許文献1〜3の毛髪化粧料組成物においては、毛髪強化効果は得られるものの、その強化効果は一時的なものに過ぎず、持続性について満足できるものではないという課題が存在する。一方、上記特許文献4、5には、エクトインが毛髪に及ぼす作用効果に関する記載は一切なく、これら文献から毛髪強化効果に関する知見は全く得られない。 本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、損傷を受け脆弱化した毛髪を強化するとともに、その効果の持続性が良好な毛髪強化剤および該強化剤を含有する毛髪化粧料組成物と、その毛髪化粧料組成物を用いた毛髪強化方法を提供することにある。 上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪強化剤は、エクトインを有効成分とすることを要旨とする。 請求項2に記載の発明の毛髪化粧料組成物は、請求項1記載の毛髪強化剤を含有することを要旨とする。 請求項3に記載の発明の毛髪化粧料組成物は、窒素含有重合体を含有する請求項1記載の毛髪化粧料組成物であることを要旨とする。 請求項4に記載の発明の毛髪強化方法は、請求項2および3いずれか一項記載の毛髪化粧料組成物を毛髪に適用することによるものであることを要旨とする。 本発明によれば、損傷を受け脆弱化した毛髪を強化するとともに、その効果の持続性を向上させることのできる毛髪強化剤、毛髪化粧料組成物および毛髪強化方法を提供することができる。 以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。 本実施形態の毛髪強化剤は、エクトインを有効成分とする。 エクトインは、ピリミジンカルボン酸類の一種であって、好塩微生物中に発生し、これらの有機体の浸透度調節の役割を担っている成分といわれており、下記式(I)で表されるアミノ酸の一種である。 エクトインは、塩水湖や塩分を含んだ砂漠などの過酷な環境に生息する微生物中に存在することが知られている。本発明におけるエクトインは、これら微生物中から取得されたものの他、化学的な合成によっても得ることができる。本発明におけるエクトインとしては、そうした天然由来及び合成由来のいずれのものも使用でき、また塩の形態のものでも良い。 毛髪化粧料組成物に毛髪強化剤の有効成分であるエクトインを含有する場合の含有量は、好ましくは0.0001〜3質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。この含有量が0.0001質量%未満であると、毛髪強化効果を十分付与することができないおそれがある。一方、3質量%を超えて含有させても、それ以上の毛髪強化効果が得られない。 窒素含有重合体は、エクトインとの相乗効果により毛髪強化効果を更に向上させるとともに、持続性を向上させるため、毛髪強化剤の有効成分であるエクトインに加えて毛髪化粧料組成物に含有させることが好ましい。 この窒素含有重合体とは、重合体主鎖上に窒素原子を有するか、または側鎖に結合した修飾基中にアミノ基又はアンモニウム基、アミド基等窒素原子を含む重合体を意味し、天然由来及び合成由来のいずれのものも使用できる。窒素含有重合体の具体例としては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム誘導体、ジメチルジアリル4級アンモニウム塩誘導体、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、アミノ変性シリコーン、ポリペプチドが挙げられる。 カチオン化セルロース誘導体としては、塩化o−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースが挙げられ、その市販品としてはライオン(株)製のレオガード(商品名)G、同GP、ユニオンカーバイド社製のポリマーJR−125、同JR−400、同JR−30M、同LR−400、同LR−30M等が挙げられる。さらに、カチオン化セルロース誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドが挙げられ、その市販品としてはナショナルスターチアンドケミカル社製のセルコート(商品名)H−100、同L−200等が挙げられる。 カチオン化グアーガム誘導体としては、特公昭58−35640号公報、特公昭60−46158号公報及び特開昭58−53996号公報に記載されており、その市販品としてはローヌ・プーラン社製のジャガー(商品名)C−13S、同C−14S、同C−17、同C−210、同C−162、HI−CARE1000が挙げられる。 ジメチルジアリル4級アンモニウム塩誘導体としては、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウムやその誘導体が挙げられ、市販品としてはオンデオ・ナルコ社製のマーコート(商品名)100、550、280、295、プラス3330、プラス3331、2001、2003等が挙げられる。 4級化ポリビニルピロリドン誘導体としては、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩等が挙げられ、その市販品としては、アイエスピー・ジャパン(株)製のガフコート(商品名)734、同755、同755N等が挙げられる。 アミノ変性シリコーンとしては、アモジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、アミノプロピルジメチコン、高重合アミノプロピルジメチコン、クオタニウム−80(INCI名)等が挙げられる。 ポリペプチドとしては、コラーゲン、ケラチン、シルク、小麦、ダイズ、ゴマ、アーモンド、卵殻膜などの各種動植物由来のタンパク質およびそれらの加水分解物、前記加水分解物の4級化誘導体、シリル化誘導体、アシル化誘導体等が挙げられる。 その他の窒素含有重合体としては、カチオン化澱粉、メタクリル酸エステル重合体類、キチン・キトサン類が挙げられる。メタクリル酸エステル重合体類としては、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、塩化メタクリル酸コリン重合体等が挙げられる。メタクリル酸エステル重合体類を含有する市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のサルケア(商品名)SC95、同SC96、日本油脂(株)製のリピジュア(商品名)HM、PMB、C等が挙げられる。 これらの窒素含有重合体は、毛髪化粧料組成物に単独で含有させてもよく、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。これらの窒素含有重合体の中でも、エクトインとの相乗効果による毛髪強化効果を更に向上させるとともに、持続性を向上させる効果がより高いことから、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N?ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、ポリメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、アモジメチコン、高重合アミノプロピルジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、加水分解ケラチン、シリル化加水分解ケラチン、4級化加水分解小麦タンパク質から選ばれる少なくとも一種が好ましい。 毛髪化粧料組成物中の窒素含有重合体含有量は、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.01〜3質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。この含有量が0.001質量%未満であると、エクトインとの相乗効果を十分に発揮できないおそれがある。一方、5質量%を超えて含有した場合、毛髪がゴワつくなど感触の悪化を招くおそれがある。 毛髪化粧料組成物には、その他の成分として、油性成分、界面活性剤、pH調整剤等毛髪化粧料組成物に通常使用される成分を、本発明の目的を損なわない範囲で任意に含有させることができる。 油性成分は、毛髪にしっとり感を付与するという観点から、毛髪化粧料組成物に含有させることが好ましい。油性成分としては、シリコーン誘導体、多価アルコール、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、炭化水素等が挙げられる。 シリコーン誘導体の具体例としては、前記窒素含有重合体に該当する成分を除いた、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、環状シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。具体的には、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、高重合ジメチルポリシロキサン(シリコーンガム)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロへキサシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ステアロキシトリメチルシラン、トリス(トリブトキシシロキシ)メチルシラン、トリメチルシロキシケイ酸、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコン(INCI名)等が挙げられる。 これらのシリコーン誘導体は毛髪化粧料組成物に単独で含有させてもよく、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。これらのシリコーン誘導体の中でも、毛髪強化剤の有効成分であるエクトインの作用を阻害せずに、毛髪のツヤ感などを改善することができることから、ジメチルポリシロキサン、高重合ジメチルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン及びメチルフェニルポリシロキサンから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。 多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。 油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。 高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。 アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。 エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。 炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。 これらの油性成分は毛髪化粧料組成物に単独で含有してもよく、二種以上を組み合わせて含有させてもよい。油性成分の含有量は好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜30質量%である。 界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。 非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)ラウリルエーテル、POEセチルエーテル,POEステアリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド類等が挙げられる。 カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。 アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキル硫酸塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等が挙げられる。 両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。 pH調整剤としては、クエン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。その他、毛髪化粧料組成物には、上記各成分の溶媒又は分散媒として水が含有され、各成分の濃度が調整される。毛髪化粧料組成物のpHは、弱酸性、すなわちpH3以上7未満(25℃)であることが好ましい。pHを弱酸性にすることにより、エクトインの効果を十分に発揮させることができる。 更にその他の成分として、前記窒素含有重合体を除いた水溶性ポリマー(ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等)、安息香酸ナトリウムやメチルパラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、オキシベンゾンやメトキシ桂皮酸オクチル等の紫外線吸収剤、エデト酸塩やヒドロキシエタンジホスホン酸塩などのキレート剤、香料等を含有させることができる。 毛髪化粧料組成物は、液状、ミスト状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等の剤型にすることが可能である。この毛髪化粧料組成物は、シャンプー、リンス、トリートメント、スタイリング剤、ヘアトニック等のヘアケア剤として使用される。この毛髪化粧料組成物は、毛髪に適用した後に水や温水で洗い流して使用してもよく、毛髪に付着した同組成物を水や温水で洗い流さないで使用してもよい。毛髪強化効果の持続性を十分に発揮させることができるという観点から、毛髪化粧料組成物を毛髪に適用した後、同組成物を水や温水で洗い流さないで使用することが好ましい。 この毛髪化粧料組成物は、酸化染毛剤、酸性染毛料等の染毛前後処理剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤等の毛髪処理剤によって処理された毛髪に適用される他、毛髪処理剤以外の要因、例えば紫外線等によって損傷を受けた毛髪に適用しても、その強化効果を発揮することができる。 さて、毛髪化粧料組成物は、エクトインを毛髪強化剤の有効成分として含有する他、必要に応じて窒素含有重合体等を含有し、各成分を混合することで調製される。この毛髪化粧料組成物は、例えば酸化染毛剤による染毛処理等によって損傷を受けた毛髪に適量塗布されて使用される。そうした毛髪は、例えばシスチン結合の還元開鎖に代表されるアミノ酸の変質、毛髪ケラチンの分解によるアミノ酸の溶出等によって、毛髪ケラチンが損傷を受けている。このとき、毛髪強化剤の有効成分であるエクトインは、毛髪ケラチンの損傷部分に作用する。すなわち、エクトインは損傷を受けた毛髪ケラチンに対し、水素結合、疎水結合等の結合力を発揮することで、毛髪内部で毛髪強化成分として有効に作用すると推測される。更に、その毛髪ケラチンに対するエクトインの結合状態は安定していると推測される。 以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。 ・本実施形態の毛髪強化剤は、エクトインを有効成分とする。このエクトインは、毛髪ケラチンが損傷を受けた部分に有効に作用すると推測され、損傷を受けた毛髪に対し毛髪強化効果を発揮する。更に、そうした毛髪に対するエクトインの結合状態は安定していると推測され、毛髪強化効果の持続性も良好である。特に、この毛髪強化剤を含有した毛髪化粧料組成物は、染色された毛髪に対して適用しても、その色が退色する等の影響を与えにくく、そうした毛髪の損傷に対し、毛髪強化効果及びその持続性を十分に発揮することができる。 ・本実施形態の毛髪強化剤を含有した毛髪化粧料組成物は、更に窒素含有重合体を含有することが好ましい。このように構成した場合、毛髪強化剤の有効成分であるエクトインとともに含有させることで、窒素含有重合体が皮膜形成能を十分に発揮すると推測され、毛髪強化効果の持続性がより発揮される。 なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。 ・ 前記毛髪化粧料には、エクトイン以外のアミノ酸及びその誘導体を含有させてもよい。そのアミノ酸及びその誘導体としては、グリシン、サルコシン、ジメチルグリシン、ベタイン、アラニン、β−アラニン、α−アミノ酪酸、β−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−オキソ酪酸、L−テアニン、バリン、β−アミノイソ吉草酸、γ−アミノイソ吉草酸、ノルバリン、β−アミノ吉草酸、γ−アミノ吉草酸、δ−アミノ吉草酸、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、セリン、α−メチルセリン、イソセリン、α−メチルイソセリン、シクロセリン、ホモセリン、トレオニン、o−メチルトレオニン、アロトレオニン、o−メチルアロトレオニン、ロセオニン、トランス−3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、シス−3−アミノシクロヘキサンカルボン酸、ε−アミンカプロン酸、ω−アミノドデカン酸、β−ヒドロキシバリン、α−ヒドロキシ−β−アミノイソ吉草酸、システイン、シスチン、S−メチルシステイン、S−メチルシステイン−S−オキシド、システイン酸、ホモシステイン、ホモシスチン、メチオニン、ペニシラミン、タウリン、α,β−ジアミノプロピオン酸、オルニチン、リジン、L−アルギニン、カナリン、カナバニン、δ−ヒドロキシリシン、アスパラギン酸、アスパラギン、イソアスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、イソグルタミン、α−メチルグルタミン酸、β−ヒドロキシグルタミン酸、γ−ヒドロキシグルタミン酸、α−アミノアジピン酸、シトルリン、ランチオニン、シスタチオニン、フェニルアラニン、α−メチルフェニルアラニン、o−クロロフェニルアラニン、m−クロロフェニルアラニン、p−クロロフェニルアラニン、o−フルオロフェニルアラニン、m−フルオロフェニルアラニン、p−フルオロフェニルアラニン、β−(2−ピリジル)アラニン、チロシン、チロニン、ジクロロチロシン、ジブロモチロシン、ジヨードチロシン、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、α−メチル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、フェニルグリシン、トリプトファン、アブリン、ヒスチジン、1−メチルヒスチジン、2−メルカプトヒスチジン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アントラニル酸、パラミノール及びこれらの塩等が挙げられる。 次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。(実施例1〜14、比較例1〜3) まず、酸化染毛剤により染毛処理を施したヒト黒毛束を準備した。酸化染毛剤は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とから構成されている。これらの第1剤及び第2剤を1:1の質量比で混合し、その混合物をヒト黒毛束に塗布した後、20分間放置した。その後、ヒト黒毛束に付着した混合物を水で洗い流し乾燥させることにより、ヒト黒毛束に染毛処理を施した。酸化染毛剤の組成は以下に示すとおりである。<酸化染毛剤>(第1剤) 質量%パラフェニレンジアミン・・・・・・・・・・・0.2レゾルシン・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0パラアミノフェノール・・・・・・・・・・・・0.52,6−ジアミノピリジン・・・・・・・・・・0.2セチルアルコール・・・・・・・・・・・・・・5.0ポリエチレングリコール・・・・・・・・・・・5.0POE(20)セチルエーテル・・・・・・・・8.0ラウリル硫酸ナトリウム・・・・・・・・・・・1.2強アンモニア水(28%)・・・・・・・・・・5.0アスコルビン酸・・・・・・・・・・・・・・・0.5精製水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残 量(第2剤)過酸化水素(35%)・・・・・・・・・・・17.0精製水・・・・・・・・・・・全部で100%とする量 次に、表1に示す各例の洗い流さないヘアトリートメントを調製し、染毛処理が施されたヒト黒毛束にそれぞれ塗布し、毛束になじませた。なお、表1において、各成分の含有量を示す数値の単位は質量%を示す。 このように酸化染毛剤及び毛髪化粧料組成物で処理したヒト黒毛束を使用して、下記の毛髪強化効果及び感触に関する以下の評価をおこなった。それらの評価結果を表1に併記した。<毛髪強化効果>(強度増加率) 各例の洗い流さないヘアトリートメントで処理する前後のヒト黒毛束について、引張試験機(テンシロン(商品名)UTM−II、東洋ボールドウィン社製)を用いて破断応力値を測定し、その値の増加率を強度増加率(%)とした。求めた強度増加率について、次の基準で評価した。 優れる(◎):強度増加率が9%以上、良好(○):強度増加率が7%以上9%未満、やや不良(△):強度増加率が5%以上7%未満、不良(×):強度増加率が5%未満。(強度持続率) 各例の洗い流さないヘアトリートメントで処理したヒト黒毛束を、恒温恒湿槽(25℃、相対湿度55%)にて5日間保存後、上記の強度増加率評価と同様に破断応力値を測定した。それらの破断応力値から次式により強度持続率を求めた。 強度持続率(%)=[(5日後の破断応力値)/(処理直後の破断応力値)]×100求めた強度持続率について、次の基準で評価した。 優れる(◎):強度持続率が98%以上、良好(○):強度持続率が97%以上98%未満、やや不良(△):強度持続率が95%以上97%未満、不良(×):強度持続率が95%未満。<感触>(うるおい感) 各例の洗い流さないヘアトリートメントで処理したヒト黒毛束について、5名のパネラーが指を通し、うるおい感が非常に良い場合を4点、良い場合を3点、やや悪い場合を2点、及び悪い場合を1点とする4段階で採点した。5名のパネラーの採点結果について平均点を算出し、その平均点を次の基準で評価した。優れる(◎):平均点が3.6点以上、良好(○):平均点が2.6点以上3.5点以下、やや不良(△):平均点が1.6点以上2.5点以下、不良(×):1.5点以下。(指通り性) 各例の洗い流さないヘアトリートメントで処理したヒト黒毛束について、5名のパネラーが指を通し、指通りが非常に良い場合を4点、良い場合を3点、やや悪い場合を2点、及び悪い場合を1点とする4段階で採点した。5名のパネラーの採点結果について平均点を算出し、その平均点を次の基準で評価した。優れる(◎):平均点が3.6点以上、良好(○):平均点が2.6点以上3.5点以下、やや不良(△):平均点が1.6点以上2.5点以下、不良(×):1.5点以下。 表1に示した結果から明らかなように、各実施例の洗い流さないヘアトリートメントには本発明の毛髪強化剤の有効成分であるエクトインが含有されているため、毛髪強化効果、および感触に関するいずれの評価結果も優れる又は良好であった。特に実施例2〜14では、さらに窒素含有重合体が含有されているため、毛髪強化効果、および感触に関するいずれの評価結果も優れるであった。一方、比較例1の洗い流さないヘアトリートメントには、毛髪強化剤の有効成分であるエクトインが含有されていないため、毛髪強化効果の各評価結果はいずれも悪いであった。比較例2には、エクトインと類似の構造を有するアミノ酸の一種であるピロリドンカルボン酸が含有されているが、毛髪強化効果の各評価結果はいずれも悪いであった。比較例3の洗い流さないヘアトリートメントは、従来から毛髪強化効果を有することが知られているクレアチンが含有されているため、毛髪強化効果に関し、強度増加率は良好であった一方、強度持続率は本発明品と違って悪いであった。このように、アミノ酸の中でもエクトインは、毛髪の強度増加率と共に強度持続率にも優れるという、従来技術にはない優れた毛髪強化効果を発揮することがわかる。(実施例15、比較例4) 次に、実施例15として以下に示す組成の洗い流すへアトリートメントを調製し、実施例1〜14で用いたのと同様の染毛処理が施されたヒト黒毛束にそれぞれ塗布し、毛束になじませ1分放置後に洗い流し、乾燥させた。また、下記組成のうちエクトインのみ省略した比較例4も調製し、同様の処理をおこなった。(洗い流すヘアトリートメント) 質量%エクトイン・・・・・・・・・・・・・・・・・0.05塩化ステアリルトリメチルアンモニウム・・・・5.0セトステアリルアルコール・・・・・・・・・・5.0パルミチン酸イソプロピル・・・・・・・・・・0.5オリーブ油・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5アモジメチコン・・・・・・・・・・・・・・・3.0流動パラフィン・・・・・・・・・・・・・・・1.0ジグリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・4.0メトキシ桂皮酸オクチル・・・・・・・・・・・0.05安息香酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・1.2香料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.2精製水・・・・・・・・・・・全部で100%とする量 実施例16および比較例4の洗い流すヘアトリートメントについて、実施例1〜12と同様の評価基準で評価した結果、実施例13のヘアトリートメントで処理した場合の毛髪強化効果および感触の評価は、いずれも優れるであった。一方比較例4のヘアトリートメントで処理した場合、感触に関する評価は良好であったが、毛髪強化効果に関する各評価はいずれも悪いであった。(実施例17、比較例5) 次に、実施例17として以下に示す組成の毛髪化粧料を調製し、染毛前処理剤として使用した。(染毛前処理剤) 質量%エクトイン・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5エタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0シリル化加水分解コラーゲン・・・・・・・・・0.3ヒドロキシエチルセルロース・・・・・・・・・0.5グリシン・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5ジプロピレングリコール・・・・・・・・・・・3.0メチルパラベン・・・・・・・・・・・・・・・1.2精製水・・・・・・・・・・・全部で100%とする量白色ヤギ毛束に実施例17の処理剤を適量塗布後、ドライヤーで乾燥させた。そして、実施例1〜15で使用したヒト黒毛束の染毛処理に使用したものと同じ酸化染毛剤により、前記白色ヤギ毛束に対し同様の染毛処理をおこない、水洗後乾燥させた。一方、前記実施例17の前処理剤のうち、エクトインのみ省略した比較例5の毛髪化粧料を調製し、同様に処理した。これらの毛束について、ヤギ毛束の色調を目視で確認した結果、実施例17の毛髪化粧料で前処理した毛束と比べ、比較例5で前処理した毛束の染まりが浅いことが認められた。(実施例18、比較例6) 実施例16及び比較例4と同様の実験を、ヒト黒毛束の代わりに白色ヤギ毛束を用いておこなった。この実験は、本発明の毛髪化粧料を染毛後処理剤として使用したことに相当するもので、それぞれ実施例18、比較例6とする。処理後に市販シャンプー(ホーユー株式会社製 ビゲントリートメントシャンプー)で5回洗浄、乾燥を繰り返した後、ヤギ毛束の色調を目視で確認した。その結果、実施例18の毛束と比べ、比較例6の毛束の退色の度合が大きいことが認められた。エクトインを有効成分とすることを特徴とする毛髪強化剤。請求項1記載の毛髪強化剤を含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。窒素含有重合体を含有することを特徴とする請求項2記載の毛髪化粧料組成物。請求項2または3いずれか一項記載の毛髪化粧料組成物を毛髪に適用することによる毛髪強化方法。 【課題】 損傷を受けた毛髪に十分な毛髪強化効果を付与するとともに、その効果の持続性も良好である毛髪強化剤、毛髪化粧料組成物およびこれらを用いた毛髪強化方法を提供する。【解決手段】 エクトインを有効成分とする毛髪強化剤および該毛髪強化剤を含有する毛髪化粧料組成物、並びにそれを毛髪に適用することによる毛髪強化方法を提供する。この毛髪化粧料組成物には、更にカチオン化セルロース誘導体、ジメチルジアリル4級アンモニウム塩誘導体、アミノ変性シリコーン、ポリペプチドなどの窒素含有重合体を含有させることがより好ましい。【選択図】 なし


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