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タイトル:再公表特許(A1)_ベンズイミダゾール化合物の塩の結晶
出願番号:2006132217
年次:2009
IPC分類:C07D 401/12,A61K 31/4439,A61P 35/00,A61P 1/04,A61P 31/04


特許情報キャッシュ

橋本 秀雄 浦井 征 JP WO2006132217 20061214 JP2006311284 20060606 ベンズイミダゾール化合物の塩の結晶 武田薬品工業株式会社 000002934 田中 光雄 100081422 山崎 宏 100084146 元山 忠行 100116311 冨田 憲史 100122301 橋本 秀雄 浦井 征 JP 2005166972 20050607 C07D 401/12 20060101AFI20081205BHJP A61K 31/4439 20060101ALI20081205BHJP A61P 35/00 20060101ALI20081205BHJP A61P 1/04 20060101ALI20081205BHJP A61P 31/04 20060101ALI20081205BHJP JPC07D401/12A61K31/4439A61P35/00A61P1/04A61P31/04 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20090108 2007520106 23 4C063 4C086 4C063AA01 4C063BB08 4C063CC26 4C063DD12 4C063EE01 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086BC39 4C086GA07 4C086GA08 4C086GA15 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA05 4C086ZA68 4C086ZB26 4C086ZB35 本発明は、抗潰瘍作用等を有するベンズイミダゾール化合物の塩の結晶に関する。 抗潰瘍作用を有する2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール)またはその塩は、抗潰瘍作用を有する化合物として特許文献1等に報告されている。特開昭61−50978号公報 毒性が低く、医薬としての安全性に優れる2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(フリー体)の結晶は、有用な医薬品として医療現場で使用されている。しかしながら、すでに実用化されている上記フリー体に比べ、より安定性が高く、取り扱いが容易な2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩が結晶として得られることは知られていない。 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩を結晶化することに成功し、それが予想外にも優れた安定性などを有していることを知見し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、 (1)2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩の結晶、 (2)2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールのナトリウム塩の結晶である上記(1)記載の結晶、 (3)波数が1584、1266、1182、1025、742cm−1付近に赤外吸収スペクトルを有する上記(2)記載の結晶、 (4)粉末X線回折の2θで表される回折角度が5.64、14.24、20.96°付近に特徴的ピークが現れる粉末X線回折パターンを有する上記(2)記載の結晶、 (5)上記(1)記載の結晶を含有してなる医薬組成物、 (6)消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン(Zollinger-Ellison)症候群、胃炎、逆流性食道炎、Symptomatic GERD、NUD(Non Ulcer Dyspepsia)、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多の治療および予防剤;抗ヘリコバクター・ピロリ剤;または消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎あるいは侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制剤である上記(5)記載の医薬組成物、 (7)哺乳動物に対して、上記(1)記載の結晶の有効量を投与することを特徴とする消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群、胃炎、逆流性食道炎、Symptomatic GERD、NUD、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多の治療または予防方法;ヘリコバクター・ピロリ抗菌法;または消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎あるいは侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制方法、 (8)消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群、胃炎、逆流性食道炎、Symptomatic GERD、NUD、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多の治療および予防剤;抗ヘリコバクター・ピロリ剤;または消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎あるいは侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制剤を製造するための上記(1)記載の結晶の使用等を提供するものである。 本発明の2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩の結晶(以下、「本発明の結晶」と略記することもある)は、優れた抗潰瘍作用、胃酸分泌抑制作用、粘膜保護作用、抗ヘリコバクター・ピロリ作用等を有し、また毒性は低いため、医薬品として有用である。しかも、これが結晶化できたことにより、安定性が向上するだけでなく、取り扱いが容易になり、再現性良く固体の医薬組成物に製造することができる。 安定性が向上したことにより、湿気による影響が受けにくくなり、例えば乾燥剤なしでも固体の医薬組成物を常温で長期間保存し得る。 また、本発明の結晶はフリー体に比べて溶解度が高く、溶解性が速いため、例えば注射剤として製剤化した場合には、用時に溶解液または希釈液で溶解または希釈するための時間が短縮され、取り扱いも容易である。 さらに経口投与用製剤とした場合には、吸収性に優れ、また作用が速く発現するため、優れた医薬品を提供できる。参考例1で得たランソプラゾールのナトリウム塩(アモルファス)の赤外吸収スペクトルチャートの一例である。参考例1で得たランソプラゾールのナトリウム塩(アモルファス)の粉末X線回折チャートの一例である。実施例1で得られたランソプラゾールナトリウム塩の結晶の赤外吸収スペクトルチャートの一例である。実施例1で得たランソプラゾールナトリウム塩の結晶の粉末X線回折チャートの一例である。 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩の「塩」としては、例えば金属塩、有機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩などが挙げられ、生理学的に許容される塩が好ましい。 金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩などが挙げられる。有機塩基との塩としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩としては、例えばアルギニン、リジンなどとの塩が挙げられる。とりわけ、ナトリウム塩が好ましい。 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩の結晶は、水和物であってもよく、非水和物であってもよい。また、溶媒和物であってもよく、非溶媒和物であってもよい。 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩の結晶は、2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールに対イオンとなる塩基を添加し結晶化するか、アモルファスである2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]チオ]−1H−ベンズイミダゾールの塩を結晶化させて得られる。 上記「塩基」としては、例えば無機塩基、有機塩基、塩基性アミノ酸などが挙げられる。該無機塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、などが挙げられる。該有機塩基としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類、酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属カルボン酸塩類、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、」ジエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどのピリジン類が挙げられる。 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩は、特開昭61−50978号公報、米国特許4,628,098等に記載の方法またはこれらに準じた方法により製造される。 結晶化の方法としては、例えば、溶液からの結晶化、蒸気からの結晶化、溶融体からの結晶化が挙げられる。 該「溶液からの結晶化」の方法としては、例えば濃縮法、除冷法、反応法(拡散法、電解法)、水熱育成法、融剤法などが挙げられる。用いられる溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム等)、飽和炭化水素類(例、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ニトリル類(例、アセトニトリル等)、ケトン類(例、アセトン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド等)、酸アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド等)、エステル類(例、酢酸エチル等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、水などが用いられる。これらの溶媒は単独あるいは二種以上を適当な割合(例、1:1ないし1:100)で混合して用いられる。溶媒としては、ケトン類(例、アセトン等)やエステル類(例、酢酸エチル等)が特に好ましい。 該「蒸気からの結晶化」の方法としては、例えば気化法(封管法、気流法)、気相反応法、化学輸送法などが挙げられる。 該「溶融体からの結晶化」の方法としては、例えばノルマルフリージング法(引上げ法、温度傾斜法、ブリッジマン法)、帯溶融法(ゾーンレベリング法、フロートゾーン法)、特殊成長法(VLS法、液相エピタキシー法)などが挙げられる。 得られた結晶の解析方法としては、融点測定、赤外吸収(IR)、原子吸光などの分析法のほか、X線回折による結晶解析の方法が一般的である。 かくして得られた本発明の結晶が、例えばナトリウム塩の結晶である場合には、赤外吸収スペクトルの波数が1584、1266、1182、1025、742cm−1付近、例えば1584±8、1266±8、1182±8、1025±8、742±8cm−1に現れる。フリー体ではNHの伸縮振動として、3240cm−1の特徴的なピークが現れるが、本発明のナトリウム塩では無い。 また、粉末X線回折の2θで表される回折角度が5.64、14.24、20.96°付近、例えば5.64±0.2、14.24±0.2、17.18±0.2、19.72±0.2、20.50±0.2、20.96±0.2、21.40±0.2、29.14±0.2°に特徴的ピークが現れる粉末X線回折パターンを有する。 本発明化合物は、哺乳動物(例、ヒト、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等)において、消化性潰瘍(例、胃潰瘍、手術後ストレスによる胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、非ステロイド系抗炎症剤に起因する潰瘍等);胃炎;びらん性・非びらん性食道炎;びらん性・非びらん性逆流性食道炎などの逆流性食道炎;びらん性・非びらん性胃食道逆流症などの症候性胃食道逆流症(Symptomatic Gastroesophageal Reflux Disease (Symptomatic GERD))、食道炎を伴わない胃食道逆流症を含む);NUD(Non Ulcer Dyspepsia);胃癌(インターロイキン−1の遺伝子多型によるインターロイキン−1βの産生促進に伴う胃癌を含む);胃MALTリンパ腫;ゾリンジャー・エリソン(Zollinger-Ellison)症候群;胃酸過多(例、手術後ストレスによる胃酸過多ならびに潰瘍);消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎または侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術や集中治療を必要とする脳血管障害、頭部外傷、多臓器不全、広範囲熱傷から起こるストレス)等による上部消化管出血等の治療および予防、麻酔前投与、ヘリコバクター・ピロリ抗菌(除菌および除菌の補助も含む)等に有用である。ここで、上記逆流性食道炎および症候性胃食道逆流症(Symptomatic Gastroesophageal Reflux Disease (Symptomatic GERD))を合わせて単にGERDと称する場合がある。 したがって、本発明の医薬組成物は、消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群、胃炎、逆流性食道炎、Symptomatic GERD、NUD、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多の治療および予防剤;抗ヘリコバクター・ピロリ剤(除菌補助剤も含む);または消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎あるいは侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制剤等として有用である。 本発明の医薬組成物中の、2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩の結晶の含有量は、組成物全体の約0.01ないし100重量%である。該投与量は、投与対象、投与ルート、疾患等によっても異なるが、例えば、抗潰瘍剤として、成人(60kg)に対し経口的に投与する場合、有効成分として約0.5〜約1500mg/日、好ましくは約5〜約150mg/日である。本発明化合物は、1日1回または2〜3回に分けて投与してもよい。 本発明の結晶は、毒性が低く、そのままあるいは自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体を混合した医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、口腔内崩壊錠、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤、貼布剤等の製剤として、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。とりわけ、錠剤、顆粒剤、カプセル剤等の経口剤、あるいは注射剤として好適に投与される。 注射剤は液状注射剤でもよく、凍結乾燥注射剤や粉末注射剤などの固形状注射剤でもよい。固形状注射剤は、非水溶媒を実質的に含まない溶媒で溶解または希釈可能である。 本発明の医薬組成物の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、水溶性高分子、塩基性無機塩;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等があげられる。また、必要に応じて、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、酸味剤、発泡剤、香料等の添加物を用いることもできる。 該「賦形剤」としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、でんぷん、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、酸化チタン等が挙げられる。 該「滑沢剤」としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸等が挙げられる。 該「結合剤」としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。 該「崩壊剤」としては、(1)クロスポビドン、(2)クロスカルメロースナトリウム(FMC−旭化成)、カルメロースカルシウム(五徳薬品)等スーパー崩壊剤と称される崩壊剤、(3)カルボキシメチルスターチナトリウム(例、松谷化学(株)製)、(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(例、信越化学(株)製)、(5)コーンスターチ等が挙げられる。該「クロスポビドン」としては、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)、1−ビニル−2−ピロリジノンホモポリマーと称されているものも含め、1−エテニル−2−ピロリジノンホモポリマーという化学名を有し架橋されている重合物のいずれであってもよく、具体例としては、コリドンCL(BASF社製)、ポリプラスドンXL(ISP社製)、ポリプラスドンXL−10(ISP社製)、ポリプラスドンINF−10(ISP社製)等である。 該「水溶性高分子」としては、例えば、エタノール可溶性水溶性高分子〔例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(以下、HPCと記載することがある)等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等〕、エタノール不溶性水溶性高分子〔例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、HPMCと記載することがある)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、グアーガム等〕等が挙げられる。 該「塩基性無機塩」としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよび/またはカルシウムの塩基性無機塩が挙げられる。好ましくはマグネシウムおよび/またはカルシウムの塩基性無機塩である。さらに好ましくはマグネシウムの塩基性無機塩である。該ナトリウムの塩基性無機塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。該カリウムの塩基性無機塩としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。該マグネシウムの塩基性無機塩としては、例えば、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト〔Mg6Al2(OH)16・CO3・4H2O〕および水酸化アルミナ・マグネシウム、好ましくは、重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。該カルシウムの塩基性無機塩としては、例えば、沈降炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。 該「溶剤」としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。 該「溶解補助剤」としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。 該「懸濁化剤」としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。 該「等張化剤」としては、例えば、ブドウ糖、 D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。 該「緩衝剤」としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。 該「無痛化剤」としては、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。 該「防腐剤」としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。 該「抗酸化剤」としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。 該「着色剤」としては、例えば、食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号等の食用色素;食用レーキ色素、ベンガラ等が挙げられる。 該「甘味剤」としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。 該「酸味剤」としては、例えば、クエン酸(無水クエン酸)、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。 該「発泡剤」としては、例えば重曹等が挙げられる。 該「香料」としては、合成物および天然物のいずれでもよく、例えば、レモン、ライム、オレンジ、メントール、ストロベリー等が挙げられる。 本発明の結晶は、自体公知の方法に従い、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤等の担体を添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。腸溶性製剤とする場合、腸溶層と薬剤含有層との間に両層の分離を目的として、自体公知の方法により中間層を設けることもできる。 本発明の結晶を例えば口腔内崩壊錠とする場合、例えば、結晶セルロースおよび乳糖を含有する核を、本発明化合物および必要により塩基性無機塩で被覆し、さらに水溶性高分子含有被覆層で被覆して組成物を得、得られた組成物をポリエチレングリコール含有腸溶性被覆層で被覆し、次にクエン酸トリエチル含有腸溶性被覆層で被覆し、さらにポリエチレングリコール含有腸溶性被覆層で被覆し、最後にマンニトールで被覆して細粒を得、得られた細粒と添加剤とを混合し、成形する方法によって製造することができる。 上記「腸溶性被覆層」としては、例えば、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリル酸共重合体〔例えば、オイドラギット(Eudragit)L30D−55(商品名;レーム社製)、コリコートMAE30DP(商品名;BASF社製)、ポリキッドPA30(商品名;三洋化成社製)等〕、カルボキシメチルエチルセルロース、セラック等の水系腸溶性高分子基剤;メタアクリル酸共重合体〔例えば、オイドラギットNE30D(商品名)、オイドラギットRL30D(商品名)、オイドラギットRS30D(商品名)等〕等の徐放性基剤;水溶性高分子;クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、アセチル化モノグリセリド、トリアセチン、ヒマシ油等の可塑剤等の一種または二種以上混合したもの等からなる層が挙げられる。 上記「添加剤」としては、例えば、水溶性糖アルコール(例、ソルビトール、マンニトールおよびマルチトール、還元澱粉糖化物、キシリトール、還元パラチノース、エリスリトール等)、結晶セルロース(例、セオラスKG 801、アビセルPH 101、アビセルPH 102、アビセルPH 301、アビセルPH 302、アビセルRC−591(結晶セルロース・カルメロースナトリウム)等)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(例、LH−22、LH−32、LH−23、LH−33(信越化学(株))およびこれらの混合物等)等が挙げられ、さらに結合剤、酸味料、発泡剤、甘味剤、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、賦形剤、崩壊剤等も用いられる。 本発明の結晶は、さらに他の1種以上、例えば1ないし3種の活性成分と併用してもよい。 該「他の活性成分」としては、例えば、抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質、イミダゾール系化合物、ビスマス塩、キノロン系化合物等が挙げられる。 該「抗ヘリコバクター・ピロリ活性物質」としては、例えば、ペニシリン系抗生物質(例、アモキシシリン、ベンジルペニシリン、ピペラシリン、メシリナム等)、セフェム系抗生物質(例、セフィキシム、セファクロル等)、マクロライド系抗生物質(例、エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)、テトラサイクリン系抗生物質(例、テトラサイクリン、ミノサイクリン、ストレプトマイシン等)、アミノグリコシド系抗生物質(例、ゲンタマイシン、アミカシン等)、イミペネム等が挙げられる。中でも、ペニシリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質等が好ましい。 該「イミダゾール系化合物」としては、例えば、メトロニダゾール、ミコナゾール等が挙げられる。 該「ビスマス塩」としては、例えば、ビスマス酢酸塩、ビスマスクエン酸塩等が挙げられる。 該「キノロン系化合物」としては、例えば、オフロキサシン、シプロキサシン等が挙げられる。 とりわけ、ヘリコバクター・ピロリ抗菌(除菌および除菌の補助も含む)のためには、本発明の結晶と、ペニシリン系抗生物質(例、アモキシシリン等)およびエリスロマイシン系抗生物質(例、クラリスロマイシン等)とが好ましく用いられる。 該「他の活性成分」と本発明の結晶とを自体公知の方法に従って混合し、ひとつの医薬組成物(例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等)中に製剤化して併用してもよく、それぞれを別々に製剤化し、同一対象に対して同時にまたは時間差を置いて投与してもよい。 本発明の結晶を例えば注射剤とする場合には、通常、非水溶媒(または水溶性有機溶媒)を実質的に含まず、媒体が実質的に水である溶媒で溶解または希釈可能である。必要により強アルカリやキレート剤を加えてもよい。 希釈量は、用時のpHが約9以上12以下になる量とし、2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(以下、単に生理活性成分と略称する場合がある)30mg相当を含有する塩に対して生理食塩水または注射用蒸留水を5mlの割合で用いて溶解したとき、pH約9〜12程度、好ましくはpH約10.4〜約12.0程度となることが好ましい。 注射剤は、さらに注射液にした際のpH低下を抑え、溶解性をより安定化する等のためにN−メチルグルカミンを含有してもよい。N−メチルグルカミンの配合割合は、例えば生理活性成分1mgに対し、約0.1〜約1mg程度であってもよい。注射剤は、さらに固形製剤にする場合の形状安定化等のために糖類(例えば、マンニトールなどの糖アルコールなど)を含有してもよい。糖類の配合割合は、生理活性成分1mgに対し、約0.1〜約20mgであってもよい。このような成分を含む注射剤は、例えば、生理活性成分を含み、非水溶媒を実質的に含まない溶媒でも溶解または希釈可能な注射剤であって、生理活性成分1mgに対して、N−メチルグルカミン約0.1〜約0.8mg、糖アルコール約1〜約10mgを含んでいてもよい。 生理活性成分にキレート剤を組み合わせて用いる場合には、キレート剤を活性成分に、必要によりその他の成分とともに予め配合して製剤化し、供給してもよく、また活性成分を含有する製剤とは別にキレート剤を保持し、使用時に両者を合わせて注射剤としてもよい。キレート剤としては、例えば、エデト酸またはその塩またはその誘導体、リン酸またはその塩、クエン酸またはその塩などが挙げられ、これらを単独で用いても、又二種以上を混合して用いてもよい。とりわけエデト酸またはその塩が好ましい。例えば、エデト酸またはその塩を、生理活性成分に対して、重量比で約0.03%から約67%、好ましくは約0.3%から約33%、さらに好ましくは約0.6%から約6.7%の比率で含有する注射剤の場合、プラスチック容器に充填した場合でも、不溶性微粒子が形成されない高品質な注射剤を提供することができる。エデト酸の塩としては、ナトリウムやカルシウムやそれらを混合した塩等が好ましく使用できる。すなわち、エデト酸のナトリウム塩、カルシウム塩、ナトリウムとカルシウムの塩(エデト酸カルシウム 二ナトリウム等)等が好ましい塩として挙げられる。特に、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エデト酸カルシウム 二ナトリウムなどのエデト酸のナトリウム塩が好ましい。とりわけエデト酸二ナトリウムが好ましい。通常、エデト酸またはその塩は、生理活性成分に対して、重量比で約0.03%から約67%の濃度で使用できる。 注射剤は、例えば、生理活性成分30mgに対して、エデト酸二ナトリウムや、エデト酸四ナトリウム、エデト酸カルシウム 二ナトリウムなどのキレート剤をそれぞれ単独で、または組み合わせた場合に約0.009mg〜約20.1mg、N−メチルグルカミンを約8〜約24mg、およびマンニトールを約50〜約70mgの割合で含む注射剤を含有する注射剤が好ましい。本発明の注射剤は、凍結乾燥製剤(凍結乾燥した注射剤)であってもよい。エデト酸二ナトリウムや、エデト酸四ナトリウム、エデト酸カルシウム 二ナトリウムなどのキレート剤が別の容器に分けられていてもよい。 凍結乾燥製剤であっても、注射用水(注射用蒸留水)、電解質液(生理食塩水など)などを含む輸液、栄養輸液などから選択された少なくとも1つの液体または溶媒により溶解可能であり容易に注射液を調製でき、その容器もガラス容器およびプラスチック容器が使用できる。 なお、本明細書において、「注射剤」とは、最終の形態での注射液に限らず、用時に溶解液を用いて最終注射液を調製可能な注射液前駆体(例えば、液状注射剤(濃厚または濃縮注射剤)または固形状注射剤(凍結乾燥注射剤など))をも含む意味に用いる。 注射剤の容器としては、ガラス容器、プラスチック容器など素材を問わず幅広い容器が使用できる。プラスチック容器としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン・ポリプロピレンコポリマー、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル・コポリマー、エチレン・プロピレン・コポリマー、シリコン、ポリブタジエン、熱可塑性エラストマー、テフロン(登録商標)、ポリウレタン、環状ポリオレフィンまたはポリオレフィンが使用できる。 以下に、参考例および実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。 以下の参考例、実施例において、室温は、約15〜30℃を意味する。 元素分析はC、H、NについてはVario ELを用い、S、FについてはICS−1500を用いて測定した。 融点は、BUCHI Melting Point B−540を用いて測定し、補正していない数値を示した。 IRは、FT−IR Thermoelectron Nicolet 4700で測定した。 粉末X線回折は、X-ray Powder Diffractometer Rigaku RINT Ultima+を用いて測定した。 原子吸光(Na)は島津AA−6300原子吸光光度計を用いて測定した。 1H−NMRは、BURKER DPX300を用いて測定し、DMSO−d6を溶媒として用い、内部標準のテトラメチルシランからのケミカルシフトδ(ppm)を示した。 その他の本明細書中で記号は以下の意味を示す。 s:シングレット d:ダブレット m:マルチプレット J:結合定数参考例1 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール) ナトリウム塩(アモルファス)の合成 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール)(110.8g)をエタノール(400mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(315mL)、水(50mL)の混液に室温で溶解し、濃縮乾固した。室温で一晩減圧乾燥し、ランソプラゾールのナトリウム塩(119g)をアモルファスとして得た。 粉末X線回折:特にピークを認めない。 得られたランソプラゾールナトリウム塩(アモルファス)のIRチャート、粉末X線回折チャートの一例を図1および図2に示す。実施例1 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール) ナトリウム塩の結晶の合成 参考例1で得られたアモルファスのランソプラゾールのナトリウム塩(20g)をアセトン(200mL)に室温で懸濁し、40℃に過熱して攪拌した。室温にゆっくり冷却し、一晩攪拌した後、氷冷して結晶を濾取した。得られた結晶を40℃で減圧乾燥した後、ランソプラゾールのナトリウム塩を結晶として10.3g得た。元素分析:理論値 C:49.11,H:3.35,N:10.74,S:8.19,F:14.56,O:818, Na:5.87分析値 C:48.90,H:3.33,N:10.70,S:8.05,F:14.65融点:251℃(分解)IR(νcm-1):1584, 1266, 1182, 1025, 742.粉末X線回折(2θ°): 5.64, 14.24, 17.18, 19.72, 20.50, 20.96, 21.40, 29.14°原子吸光(Na):6.1%(理論値5.9%)1H-NMR:2.26 (3H, s), 4.42 (1H, d, J=12.8Hz), 4.84-4.93 (4H, m), 6.83-6.88 (2H, m), 7.05 (1H, d, J=5.7Hz), 7.41-7.46 (2H, m), 8.35 (1H, d, J=5.6Hz). 得られたランソプラゾールナトリウム塩結晶のIRチャート、粉末X線回折チャートの一例を図3および図4に示す。製剤参考例1 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール) ナトリウム塩の結晶を含むカプセル剤の製造 表1の仕込み量−1または表2の仕込み量-2で、以下に示す方法に従って製造し、表3に示す処方のカプセル剤を得る。(1)2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール)ナトリウム塩の結晶および(3)から(6)の成分をよく混合して散布剤とする。遠心流動型コーティング造粒装置中に、(2)ノンパレルを入れ、(7)ヒドロキシプロピルセルロースを精製水に溶解した水溶液をスプレーしながら、上記の散布剤をコーティングする。該球状顆粒を40℃で16〜18時間真空乾燥し、篩(500μm、1190μm)で篩過して主薬粒を得る。主薬粒の2バッチをフローコーターに入れ、(8)メタアクリル酸コポリマーLD〜(12)ポリソルベート80を精製水に懸濁させた懸濁液をコーティングする。このコーティング粒に(13)タルクを加えて、篩(600μm、1420μm)で篩過し、42℃で16〜18時間真空乾燥して腸溶性粒を得る。腸溶性粒1バッチ(表2の仕込み量では5バッチまで混合可能、表3の仕込み量では3バッチまで混合可能)に(14)タルクおよび(15)軽質無水ケイ酸を加えてタンブラー混合機を用い、混合粒とする。混合粒をカプセル充填機により、(16)ゼラチンカプセル1号に充填して30mgカプセル、(17)ゼラチンカプセル3号に充填して15mgカプセルとする。 本発明の2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩の結晶は、優れた抗潰瘍作用、胃酸分泌抑制作用、粘膜保護作用、抗ヘリコバクター・ピロリ作用等を有し、また毒性は低いため、医薬品として有用である。 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールのナトリウム塩の結晶。 波数が1584、1266、1182、1025、742cm−1付近に赤外吸収スペクトルを有する請求項1記載の結晶。 粉末X線回折の2θで表される回折角度が5.64、14.24、20.96°付近に特徴的ピークが現れる粉末X線回折パターンを有する請求項1記載の結晶。 請求項1記載の結晶を含有してなる医薬組成物。 消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン(Zollinger-Ellison)症候群、胃炎、逆流性食道炎、Symptomatic GERD、NUD(Non Ulcer Dyspepsia)、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多の治療および予防剤;抗ヘリコバクター・ピロリ剤;または消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎あるいは侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制剤である請求項4記載の医薬組成物。 哺乳動物に対して、請求項1記載の結晶の有効量を投与することを特徴とする消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群、胃炎、逆流性食道炎、Symptomatic GERD、NUD、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多の治療または予防方法;ヘリコバクター・ピロリ抗菌法;または消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎あるいは侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制方法。 消化性潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群、胃炎、逆流性食道炎、Symptomatic GERD、NUD、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃酸過多の治療および予防剤;抗ヘリコバクター・ピロリ剤;または消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎あるいは侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制剤を製造するための請求項1記載の結晶の使用。 医薬品として有用な2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールの塩の結晶およびその用途。20071204A1633000263 2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール) ナトリウム塩の結晶の合成 参考例1で得られたアモルファスのランソプラゾールのナトリウム塩(20g)をアセトン(200mL)に室温で懸濁し、40℃に過熱して攪拌した。室温にゆっくり冷却し、一晩攪拌した後、氷冷して結晶を濾取した。得られた結晶を40℃で減圧乾燥した後、ランソプラゾールのナトリウム塩を結晶として10.3g得た。元素分析:理論値 C:49.11,H:3.35,N:10.74,S:8.19,F:14.56,O:8.18, Na:5.87分析値 C:48.90,H:3.33,N:10.70,S:8.05,F:14.65融点:251℃(分解)IR(νcm-1):1584, 1266, 1182, 1025, 742.粉末X線回折(2θ°): 5.64, 14.24, 17.18, 19.72, 20.50, 20.96, 21.40, 29.14°原子吸光(Na):6.1%(理論値5.9%)1H-NMR:2.26 (3H, s), 4.42 (1H, d, J=12.8Hz), 4.84-4.93 (4H, m), 6.83-6.88 (2H, m), 7.05 (1H, d, J=5.7Hz), 7.41-7.46 (2H, m), 8.35 (1H, d, J=5.6Hz). 得られたランソプラゾールナトリウム塩結晶のIRチャート、粉末X線回折チャートの一例を図3および図4に示す。


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