生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_機能性食品
出願番号:2005313839
年次:2007
IPC分類:A23L 1/30,A61K 35/74,A61K 9/14


特許情報キャッシュ

嵯維 功樹 JP 2007116991 公開特許公報(A) 20070517 2005313839 20051028 機能性食品 株式会社イターナルライト総合研究所 505356273 西村 竜平 100121441 佐藤 明子 100113468 嵯維 功樹 A23L 1/30 20060101AFI20070413BHJP A61K 35/74 20060101ALI20070413BHJP A61K 9/14 20060101ALI20070413BHJP JPA23L1/30 ZA61K35/74 AA61K9/14 6 OL 6 4B018 4C076 4C087 4B018LE03 4B018MD86 4B018ME14 4C076AA29 4C076BB01 4C076CC40 4C076EE57 4C076EE58 4C076FF56 4C087AA01 4C087AA02 4C087BC55 4C087BC62 4C087ZA43 4C087ZA73 4C087ZA75 4C087ZA89 4C087ZB09 4C087ZB11 4C087ZB13 4C087ZB26 4C087ZB32 この発明は、摂取しやすく健康増進に資する機能性食品に関するものである。 エンテロコッカス属に属する乳酸菌は、一般的に乳酸球菌とも呼ばれ、粘膜免疫及び消化吸収に係わる最大の器官である腸に常在している代表的な微生物である。エンテロコッカス属に属する乳酸菌は様々な効果を有し、その菌体の死菌体や破砕物や抽出物は、免疫賦活作用、抗癌作用、抗アレルギー作用、血圧降下作用、肝機能改善作用、酒さ・ニキビ改善作用、感染防御作用、整腸作用等の様々な作用を有することが知られている(特許文献1〜3等参照)。 従来これらの乳酸球菌の死菌体や破砕物は、デンプン、乳糖、大豆タンパク等の担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤及び矯味矯具剤等の添加物を用いて公知の方法で錠剤や顆粒剤に製剤化されている。特開2004−269407号公報特開2003−261453号公報特開2000−95697号公報 しかしながら、種々の優れた作用を有していても、これらの錠剤や顆粒剤は、幼児や、食物を飲み込む力の弱った高齢者には、極めて摂取しにくいものである。特に嚥下障害を発症した高齢者にとっては、如何に有効であるとしても、これらの錠剤や顆粒剤を摂取するのは困難である。 そこで本発明は、幼児や高齢者にとっても乳酸球菌の加熱処理菌体の摂取が容易となる機能性食品を提供すべく図ったものである。 本発明者は、乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体が食品中に極めて良好に分散し、その食品が本来有する食感及び風味を全く損なわないこと、及び、乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体を加工食品中に配合することによりその食品を健康増進作用を有する機能性食品へと変貌させうることを見出し本発明を完成するに至った。 すなわち本発明に係る機能性食品は、乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体を含有することを特徴とする。 本発明に用いる乳酸球菌としては、エンテロコッカス属に属する乳酸菌が好適に用いられ、その中でも、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis) や、エンテロコッカス・カセリフラバス(Enterococcuscasseliflavus)が好ましい。エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis) と、エンテロコッカス・カセリフラバス(Enterococcuscasseliflavus)とは混合して用いてもよい。 本発明に用いる乳酸球菌は、目的に応じて様々な寄託機関から細胞株として入手することができる。細胞の寄託機関としては、例えば以下に示すような機関が挙げられる。又は、当業者であれば様々な試料から、必要な微生物を分離することもできる。IFO:財団法人発酵研究所DSM:Deutsche Sammlung von MikroorganismenATCC:American Type Culture CollectionJCM:理化学研究所微生物系統保存施設IAM:東京大学応用微生物研究所NRIC:東京農業大学 本発明に用いる加熱処理菌体としては、乳酸球菌を常法に従って培養して得られた培養物から、ろ過や遠心分離を行い菌体を回収し、生理食塩水等の等張液で数回洗浄し、遠心分離を行い、生菌体を得、これを110℃以上、好ましくはオートクレーブ処理ができる110〜125℃で10分間程度加熱処理した後、熱風乾燥又は凍結乾燥して得られるものが挙げられる。 また、必要に応じて、加熱処理前に、酵素処理、超音波破砕機等で破砕処理を行ってもよい。この際用いる酵素としては細菌類を溶菌するために一般的に使用されるものであれば特に限定されず、アクチナーゼ、ザイモリアーゼ、キタラーゼ、リゾチーム、ムタノリシン、アクロモペプチダーゼ等が挙げられる。また、超音波処理、フレンチプレス等の物理的な方法を用いて細胞壁を破壊してもよい。 培養液から回収した生菌体に上記のような処理を行うことにより、得られた加熱処理菌体からなる粉体の粒径が、180μm以下であるようにすることが好ましい。粉体の粒径が180μmより大きいと、分散時に沈殿が起こり易い食品もある。 本発明に係る機能性食品としては特に限定されず、例えば、豆腐、こんにゃく、納豆、麺類、パン等の一般食品:かまぼこ、ちくわ、てんぷら等の魚肉加工品:ハム、ソーセージ、ハンバーグ、ミートボール等の食肉加工品:塩、コショー、味噌、粉末出汁、マヨネーズ、ケチャップ、カレーの素、シチューの素等の調味料・出汁:飴、グミキャンディー、羊羹、チョコレート、アイスクリーム等の菓子類:ゼリー、寒天、ムース、プリン等のゲル状食品:レトルト食品、冷凍食品、乾燥スープ、ふりかけ、チーズ、バター、マーガリン等のその他の食品:清涼飲料水、粉末茶、インスタントコーヒー、豆乳、粉末ココア、ドリンクコンク等の飲料等が挙げられる。 本発明に係る機能性食品中の乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体の含有量としては特に限定されず、配合する食品の種類により適宜変更することができるが、例えば、1日に100mg程度摂取できるよう機能性食品中に配合することが好ましい。従って、例えば1日に1回程度摂取するものであれば1食分に100mgを配合し、1日に3回摂取するものであれば3食分に100mg配合することが考えられる。乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体を1日あたり100mg程度摂取することにより、免疫賦活作用、抗癌作用、抗アレルギー作用、血圧降下作用、肝機能改善作用、酒さ・ニキビ改善作用、感染防御作用、整腸作用等の健康を増進する作用を享受することができる。 本発明に用いる乳酸球菌の加熱処理菌体100mgは、菌体数に換算すると2.4×1011個程度に相当し、同量の乳酸菌を摂取するためには一般的に販売されているヨーグルトを2.4L程度も摂取しなければならない。しかしながら、ヨーグルトは独特な酸味を有しており、これを苦手とする人も多い。また、毎日2.4Lもの多量のヨーグルトを摂取しつづけると栄養バランスが崩れる。 これに対して、本発明によれば、上記に例示したいずれの食品にも乳酸球菌の加熱処理菌体を配合することができ、かつ少量の粉体に多量の乳酸球菌が含まれているので、栄養バランスを保ったまま、充分な量の乳酸菌を摂取し続けることを可能とする。 本発明に用いる乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体は水に不溶性であるが、上記で例示したいずれの食品中にも速やかに拡散し均一に分散して、いわゆる“だま”を形成しない。このため、乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体を上記例示の食品中に添加しても、舌にざらつくことはなく、その食品が本来有する食感、風味は全く損なわれない。更に、食品中で沈殿しにくく、均一な分散状態を長時間保持することが可能となる。 また、乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体は、ほぼ無味無臭であるので、上記例示の食品中に配合しても、その食品が本来有する風味はほとんど損なわれない。このため、ヨーグルト等の乳酸菌による発酵食品の有する酸味が苦手な場合であっても、本発明に係る機能食品であれば抵抗なく摂取することができる。 更に上記で例示した食品以外の如何なる食品に対しても、本発明に用いる乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体を食品添加剤として添加してもよい。 このように本発明によれば、健康増進に資する様々な優れた作用を有する乳酸球菌の加熱処理菌体が幼児や高齢者にとっても摂取しやすいものとなり、多量の乳酸球菌を摂取することも容易となる。更に本発明に係る機能性食品は、その食品が本来有する風味、食感、外観を全く損なわない。 以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。(実施例1) 2Lの水に鶏がら1羽分を浸して加熱することによりスープを作り、これをろ過して、透明なスープを得た。得られたスープ200mLに、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)の加熱処理菌体粉末である商品名「EL−SF1」(株式会社イターナルライト総合研究所社製)を100mg添加し、攪拌した。加熱処理菌体の粉末は速やかにスープ中に拡散し、均一に分散し、目視観察では殆ど見出せない状態となった。この加熱処理菌体粉末入りスープを真空パックに封入し室温で24時間放置したところ、僅かに粉末の沈殿が見られたが、真空パックを揺すったところ、直ちに拡散し、再び均一に拡散した。 また、上記の加熱処理菌体粉末入りスープと、加熱処理菌体粉末を添加しなかったこと以外は上記と同様にして作ったスープとを食して、その風味を比較したところ、両者には殆ど差異がなかった。 (実施例2) 2Lの水に天草50gを加え加熱し沸騰させ、更に食酢15mLを加えて加熱して、粘性液体とし、これをろ過して、ところてん原液を得た。得られたところてん原液200mLに、エンテロコッカス・カセリフラバス(Enterococcus casseliflavus)の加熱処理菌体粉末である商品名「EL−SW」(株式会社イターナルライト総合研究所社製)を100mg添加し、攪拌した。加熱処理菌体の粉末は速やかにところてん原液中に拡散し、均一に分散し、目視観察では殆ど見出せない状態となった。このところてん原液を室温でしばらく放置した後で、4℃で24時間冷却して、ところてんを得た。得られたところてんを目視で観察したところ、加熱処理菌体の粉末はところてん中に均一に分散し認識できなかった。 また、上記の加熱処理菌体粉末入りところてんと、加熱処理菌体粉末を添加しなかったこと以外は上記と同様にして作ったところてんとを食して、その風味及び食感を比較したところ、両者には殆ど差異がなかった。 乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体を含有することを特徴とする機能性食品。 前記粉体の粒径が、180μm以下である請求項1記載の機能性食品。 前記乳酸球菌が、エンテロコッカス属に属する乳酸菌である請求項1又は2記載の機能性食品。 前記エンテロコッカス属に属する乳酸菌が、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)である請求項3記載の機能性食品。 前記エンテロコッカス属に属する乳酸菌が、エンテロコッカス ・カセリフラバス(Enterococcus casseliflavus)である請求項3記載の機能性食品。 前記エンテロコッカス属に属する乳酸菌が、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)とエンテロコッカス ・カセリフラバス(Enterococcus casseliflavus)との混合物である請求項3記載の機能性食品。 【課題】幼児や高齢者にとっても乳酸球菌の加熱処理菌体の摂取が容易となる機能性食品を提供する。【解決手段】加工食品中に乳酸球菌の加熱処理菌体からなる粉体を配合して機能性食品となるようにした。【選択図】なし


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