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タイトル:特許公報(B2)_甘味料及びその製造方法
出願番号:2003085463
年次:2007
IPC分類:A23L 1/23,A23L 1/22,A61K 31/7016,A61K 31/718,A61K 36/06,A61K 36/81,A61K 36/00,A61P 3/04,A61P 3/06,A61P 9/12,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

江口 文陽 林田 勝昭 JP 3896338 特許公報(B2) 20061222 2003085463 20030326 甘味料及びその製造方法 暁酵素産業株式会社 301007641 岩橋 祐司 100092901 江口 文陽 林田 勝昭 20070322 A23L 1/23 20060101AFI20070301BHJP A23L 1/22 20060101ALI20070301BHJP A61K 31/7016 20060101ALI20070301BHJP A61K 31/718 20060101ALI20070301BHJP A61K 36/06 20060101ALI20070301BHJP A61K 36/81 20060101ALI20070301BHJP A61K 36/00 20060101ALI20070301BHJP A61P 3/04 20060101ALI20070301BHJP A61P 3/06 20060101ALI20070301BHJP A61P 9/12 20060101ALI20070301BHJP A23L 1/30 20060101ALN20070301BHJP JPA23L1/23A23L1/22 EA61K31/7016A61K31/718A61K35/72A61K35/78 RA61K35/78 WA61K35/78 YA61P3/04A61P3/06A61P9/12A23L1/30 B A23L 1/23 A23L 1/22 A61K 31/7016 A61K 31/718 A61K 36/00 A61K 36/06 A61K 36/81 A61P 3/04 A61P 3/06 A61P 9/12 A23L 1/30 特許第178972(JP,C2) 特開昭58−129946(JP,A) 特開昭49−047560(JP,A) 特開昭59−002670(JP,A) 5 FERM P-18540 2004290050 20041021 18 20030506 小柳 正之 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、甘味料及びその製造方法、特に酵母発酵物を用いた甘味料及びその製造方法に関する。【0002】【従来の技術】従来から甘味料としては、白砂糖、グラニュー糖、三温糖等の砂糖、あるいは異性化糖等が一般に市販されている。これらは、人間が長年にわたって最も慣れ親しんできた甘味料であり、甘味質、物性、栄養の面で非常に優れている。しかしながら近年では、砂糖の過剰摂取による肥満、肥満に伴う生活習慣病の発生等、健康上の観点から、砂糖の摂取が低減化している。【0003】実際、わが国の生活習慣病の発症数は毎年増加の傾向を示している。さらに実年層(50代から60代)の成人だけでなく、幼年層(20歳未満)及び若年層(20代から30代)の年齢層の人々までが生活習慣病予備軍となっていることも重要な問題とされている。生活習慣病のなかでも、わが国の糖尿病については、「糖尿病の可能性を否定できない人」の人数が1300万人を超えるようになった。また、糖尿病と肥満とはきわめて密接な関係があることが報告されている。【0004】さらに肥満は、糖尿病だけでなく高血圧、高脂血症などの生活習慣病にも顕著に関与している。これらのことから、生活習慣病が発症する心配のない甘味料の開発が要求されてきた。そこで現在では、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール等の難消化性糖類、あるいはサッカリン、アスパルテーム等の高甘味度人工甘味料等を、従来の甘味料の代替品として使用することが提案されている。【0005】例えば、特開2002−051723号には、トレハロース又はエリスリトールと、アセスルファムカリウムと、アスパルテームとを含む甘味料組成物が開示されている。【0006】【特許文献1】特開2002−051723号【0007】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の難消化性糖類、及び高甘味度人工甘味料においてはいずれも、砂糖を使用するよりも摂取エネルギーを抑えることができるという機能以上を有するものではなかった。さらに、高甘味度人口甘味料の多くは後味を引く苦味や異味等を併せ持つために、飲食物に利用した場合、その味を損なう原因となり、その使用量、使用方法については限られるものであった。また、人工甘味料には、絶えず安全性に対する評価をめぐる議論がつきまとっている。【0008】そこで、味が良好であり、摂取エネルギーを抑える以上の効果を発揮する甘味料が望まれているが、このような甘味料は未だ開発されていない。本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、優れた疾患予防効果を持つ甘味料及びその製造方法を提供することにある。【0009】【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、野菜、果物、海草、穀物等を酵母で発酵させた酵母発酵物を含む甘味料は、優れた高血圧症、高脂血症及び肥満症等の防止効果を持つことを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明の第一の主題は、野菜、果物、海草、穀物からなる群より選択される1種又は2種以上を寄託番号FERM P−18540の酵母により発酵させた酵母発酵物と、 糖と、を含むことを特徴とする液状甘味料である。【0010】 本発明の第二の主題は、野菜、果物、海草、穀物からなる群より選択される1種又は2種以上を寄託番号FERM P−18540の酵母により発酵させた酵母発酵物と、 糖と、 賦形剤と、を含むことを特徴とする粉末状甘味料である。【0011】 本発明の第三の主題は、下記(A)〜(D)工程を含むことを特徴とする甘味料の製造方法である。(A) 野菜、果物、海草、穀物からなる群より選択される1種又は2種以上に、糖を添加して糖度を30〜50%に調整し、温度5〜25℃にて寄託番号FERM P−18540の酵母により発酵を行う工程。(B) 前記(A)工程後、さらに糖を添加して糖度を50〜60%に調整し、温度5〜30℃にて発酵を行う工程。(C) 前記(B)工程後、温度5〜30℃にて熟成させる工程。【0012】(D) 前記(C)工程後、濾過し、濾液を収集する工程。前記製造方法において、下記(E)〜(F)工程を含むことが好適である。(E) 前記(D)工程後、賦形剤に該濾液を加え、温度2〜30℃にて熟成させる工程。(F) 前記(E)工程後、乾燥する工程。前記製造方法において、(F)工程における乾燥方法が、凍結乾燥であることが好適である。【0013】【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。本発明の甘味料において、酵母発酵物の原材料となるのは旬の物を中心とした野菜、果物、海草、及び穀物等である。例えば、キャベツ、ホウレンソウ、ニンジン、パセリ、ナス、ピーマン、トマト、キュウリ、カブ、大根、春菊、小松菜、モロヘイヤ、蓮根、サツマイモ、ジャガイモ、ショウガ、リンゴ、ミカン、レモン、カキ、モモ、スイカ、ブドウ、ナシ、イチゴ、パイナップル、キウイ、バナナ、米、麦等が好適に用いられる。【0014】本発明においては、酵母の代謝産物により疾患予防効果を発揮されるため、その効果は原材料となる野菜、果物、海草、及び穀物等の種類に依存して大きく変化することはない。【0015】I 液状甘味料図1に示す本発明の液状甘味料の製造方法について、詳しく説明する。原材料の下準備初めに原材料となる野菜、果物、海草、及び穀物等を水で洗浄し、水切りする。そして、洗浄した原材料を適当な大きさに刻み、適当な容器に入れる。【0016】使用する水は、清浄なものであれば特に限定されないが、塩素の含有量の少ない地下水等を使用することが好ましい。また、洗浄時には洗剤等を使用しないことが好ましい。容器は、以下に詳述する発酵や熟成に適するものであれば特に制限されないが、木桶を使用することが好適である。また、原材料を刻む方法は特に限定されないが、栄養素の破壊を防止するため、刃物の使用は最小限にとどめることが好ましい。【0017】第一発酵下準備した原材料に酵母及び糖を添加し、糖度を30〜50%に調整して、第一発酵を行う。加える糖は、特に制限されないが、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖、蜂蜜等が好適である。添加量は、糖度30〜50%となるように調整することが好適である。糖度を30〜50%にすることにより、酵母の働きを活発にすることができ、且つ本工程時間であれば腐敗しないため、本発明の効果が十分に発揮される。30%未満である場合、発酵中に雑菌が繁殖し腐敗する恐れがあり、50%を超える場合、酵母の働きが低下し、発酵を妨げてしまうことがある。【0018】第一発酵温度は、5〜25℃、特に5〜15℃であることが望ましい。温度が5℃未満であると、酵母の働きが低下し、発酵を妨げてしまうことがあり、25℃を越えると、発酵期間中に原材料が変質し、不快臭が発生する恐れがある。第一発酵時間は、1〜7日間であることが望ましい。1日間未満であると、十分に発酵が行われないことがあり、7日間を越えると、原材料が変質し、不快臭が発生する恐れがあるからである。しかしながら、季節や原材料によって発酵の進行具合が異なるため、第一発酵時間はこの範囲に限定されることはなく、発酵の状態を見て適宜調整することが好ましい。【0019】酵母の添加量は、その種類等にもより特に限定されないが、原材料1g当たり106〜107個程度であることが好適である。加熱に強い甘味料を得るためには、酵母として、寄託番号FERM P−18540(平成13年9月20日付にて、工業技術院生命工学工業技術研究所に受託済み)の酵母を使用することが特に好適である。【0020】なお、本発明にかかる酵母FERM P−18540は、識別のための表示をFCE Shizosaccharomyces sp.といい、科学的性質等は以下の通りである。1.科学的性質…炭素源と窒素源を含む栄養培地下において白色〜クリーム色のコロニーを形成する。光学的顕微鏡下において、細胞の中央に隔壁を生じて分裂する形態が観察される。母細胞と娘細胞の区別はできない。【0021】2.分類学上の位置…酵母菌:食用酵母3.培養条件▲1▼培地名…SMYA培地(S:サッカロース、M:マルトエキストラクト、Y:イーストエキストラクト、A:寒天)▲2▼培地の組成…培地1000ml当たり1%サッカロース 10g、1%マルトエキストラクト 10g、0.4%イーストエキストラクト 4g、2%寒天 20g【0022】▲3▼培地のpH…5.0〜7.0(最適pH5.5)▲4▼培地の殺菌条件…121℃ 20分▲5▼培地温度…32℃▲6▼培養期間…10日間▲7▼酸素要求性…好気性【0023】4.保管条件凍結法にて保管できる。▲1▼凍結条件…−80℃▲2▼保護剤…10〜20%グリセリン水溶液(最適は20%)▲3▼凍結後の復元率…1年で100%、3年で99%5.生存試験の条件▲1▼微生物の復元…40℃▲2▼接種・培養・確認法…培養条件と同一条件による。【0024】第二発酵第一発酵後、さらに糖を添加し、糖度を50〜60%に調整して、第二発酵を行う。加える糖はブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖、蜂蜜等が好適である。添加量は、糖度50〜60%となるように調整することが好適である。糖度を50〜60%に上げることにより、第一発酵よりも高い温度で、腐敗させずにある程度の時間、発酵させることができる。50%未満であると、発酵中に雑菌が繁殖し腐敗する恐れがあり、60%を超える場合、酵母の働きが低下し、発酵を妨げてしまうことがある。【0025】第二発酵温度は、5〜30℃、特に15〜25℃であることが望ましい。温度が5℃未満であると、酵母の働きが低下し、発酵を妨げてしまうことがあり、30℃を越えると、原材料が変質し、不快臭が発生する恐れがある。第二発酵時間は、1〜2週間であることが望ましい。1週間未満であると、十分に発酵が行われないことがあり、2週間を越えると、原材料が変質し、不快臭が発生する恐れがあるからである。しかしながら、季節や原材料によって発酵の進行具合が異なるため、第二発酵時間はこの範囲に限定されることはなく、発酵の状態を見て適宜調整することが好ましい。【0026】熟成第二発酵後、発酵が緩やかになったことが確認されたら、次に熟成させる。熟成を行うことにより、発酵物の成分が安定化する。熟成期間中は、腐敗させないために糖度を50〜60%に維持することが好ましい。熟成温度は、5〜30℃、特に好ましくは15〜25℃であることが望ましい。温度が5℃未満であると、熟成が十分行われず、甘味料の成分、味等が安定化しないことがある。また30℃を越えると、原材料が変質する恐れがある。【0027】熟成時間は、2〜3週間であることが望ましい。2週間未満であると、熟成が十分行われず、甘味料の成分、味等が安定化しないことがある。しかしながら、季節や原材料によって熟成の進行具合が異なるため、熟成時間はこの範囲に限定されることはなく、熟成の状態を見て適宜調整することが好ましい。前記発酵・熟成工程は、栄養素を破壊させないため、常圧下で行うことが好ましいが、1〜5気圧の加圧下で行ってもよい。【0028】濾過・雑菌の殺菌上記熟成後、濾過して濾液を収集し、雑菌を殺菌することにより、本発明の液状甘味料が製造される。滅菌の条件は、温度65℃で10分間、あるいはこれと同等の効力を持つ条件であることが好適である。酵母は、他の雑菌と比較して、加熱に強いため、上記温度・時間内であれば、死滅することはなく、本発明の効果が損なわれることはない。滅菌には通常の滅菌機を用いることができ、例えばプレート式滅菌機、チューブラー式滅菌機、ジャケット付きタンク等を使用することができる。【0029】II 粉末状甘味料次に、図2に示す本発明の粉末状甘味料の製造方法について詳しく説明する。粉末状甘味料は、上記液状甘味料(濾液)を粉末化することにより製造される。粉末化方法は特に限定されないが、好ましくは、上記液状甘味料を賦形剤に吸着させ、乾燥することにより製造される。【0030】賦形剤への添加・熟成賦形剤に上記液状甘味料を添加して、液状甘味料を吸着させ、さらに熟成させる。賦形剤としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、トウモロコシ澱粉(コーンスターチ)、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、小麦粉、乳糖、ブドウ糖、果糖、砂糖等が好適である。添加量は賦形剤100gに対して、液状甘味料2〜60gであることが好適である。2gより少ないと、生成される粉末状甘味料における賦形剤の占める割合が高くなるため、本発明の効果が低下する恐れがある。また60gより多いと、液状甘味料を十分に吸着できないことがある。【0031】さらに、賦形剤に均一に十分吸着させるためには、液状甘味料を水で希釈してから吸着させることが特に好ましい。希釈率は1〜20倍であることが好ましく、さらに好ましくは10倍程度である。20倍より多いと、実質的な液状甘味料の吸着量が減るため、本発明の効果が低下する恐れがあり好ましくない。【0032】熟成温度は、2〜30℃、特に好ましくは5〜25℃であることが望ましい。温度が2℃未満であると、熟成が十分行われず、甘味料の味が安定化しないことがある。また30℃を越えると、変質する恐れがある。熟成時間は、1〜30日間、特に5〜15日間であることが望ましい。1日間未満であると、熟成が十分行われず、甘味料の成分、味等が安定化しないことがあるからである。しかしながら、季節や原材料によって熟成の進行具合が異なるため、熟成時間はこの範囲に限定されることはなく、熟成の状態を見て適宜調整することが好ましい。【0033】乾燥続いて、乾燥して水分を除去する。乾燥方法は、本発明の効果を損なわない方法であれば、特に限定されないが、凍結乾燥によることが好適である。凍結乾燥とは、湿った材料を凍結し、続いて空気の分圧を低くして、凍結した状態のまま乾燥する方法をいう。熱に敏感な材料の乾燥に好適に用いられる。凍結乾燥によれば、乾燥に加熱が不要であるため、栄養価を損なうことがない。【0034】凍結温度は、好ましくは−85〜−30℃の温度が用いられ、急速冷凍される。凍結時間は、凍結装置の大きさや凍結する量に依存するので、それらに合わせて適宜選択すればよい。減圧条件は、3〜50mmHg程度が好ましく、より好ましくは3〜10mmHg程度である。凍結した粉末状甘味料は減圧下で乾燥することによる気化熱(昇華熱)により、温度が低温に保たれ、途中で解凍することはない。乾燥処理の時間は、凍結乾燥装置の大きさや解凍する量に依存するので、それらに合わせて適宜選択すればよい。【0035】本発明の甘味料は、高血圧症、高脂血症及び肥満症等の生活習慣病発症予防のために、従来の砂糖の代わりに摂取する。摂取量は特に限定されないが、成人(体重60kg)1日当たり0.5〜30g、特に1〜15gであることが好適である。0.5gより少ないと所望の効果を奏することが難しくなり、30gを越えて摂取してもさらなる効果が認められないこともある。【0036】本発明の甘味料は、味に癖がないため、工業用として、通常の砂糖同様に様々な食品及び/又は飲料に混合して用いることができる。混合する食品及び/又は飲料は特に限定されず、例えばパン、うどん、そば、ご飯等の主食類;クッキー、ケーキ、ゼリー、プリン、アイスクリーム、羊羹、キャンディー、チューインガム、クラッカー、チップス、ヨーグルト等の菓子類;豆腐、こんにゃく、佃煮、餃子、コロッケ、ハンバーグ、サラダ、スープ、シチュー等の各種総菜;かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品;チーズ、バター等の乳製品;みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ等の調味類;清涼飲料水、酒類、栄養ドリンク、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、牛乳、豆乳等の各種飲料等が挙げられる。また、家庭で個人が砂糖の代わりに料理や飲料に加えることもできる。【0037】本発明の甘味料は、必要に応じて着色料、着香料、矯味剤等を加えることもできる。さらに、その他の甘味料と混合して用いることもできる。本発明の甘味料は形状を問わず、粉末状にしても疾患予防効果が損なわれることがない。粉末状にした場合、携帯に便利であり、保存性も高く、手軽に摂取することができるため、特に好ましい。【0038】【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。試験例1 液状甘味料野菜、果物等の原材料5kgを洗浄、水切りし、適当な大きさに刻み、容器に入れる。酵母(寄託番号FERM P−18540)、及びショ糖・麦芽糖を糖度40%となるよう添加し、20℃にて1日間発酵させる。さらに麦芽糖を糖度50%となるよう添加し、15℃にて1週間発酵させ、10℃にて2週間熟成させる。これを濾過し、濾液を65℃で10分間滅菌する。試験例2 粉末状甘味料上記液状甘味料200gを、馬鈴薯澱粉1kgに添加し、15℃で10日間熟成させる。これを、−45℃、3mmHgの条件で凍結乾燥する。試験例3 グラニュー糖試験例4 アスパルテーム【0039】試験例1〜3の甘味料を、12名のパネラーに試食してもらい、官能評価を行った。表1に結果を示す。甘味強度 : 結果は12人のパネラーの平均点を示す。−2:非常に弱い−1:弱い0:適当+1:強い+2:非常に強い【0040】苦味◎:あると回答した人が3名未満○:あると回答した人が3名以上6名未満△:あると回答した人が6名以上9名未満×:あると回答した人が9名以上【0041】選好度◎:良いと回答した人が9名以上○:良いと回答した人が6名以上9名未満△:良いと回答した人が3名以上6名未満×:良いと回答した人が3名未満【0042】【表1】 試験例1 試験例2 試験例3 試験例4 甘味強度 +0.25 +0.17 +0.33 +1.83苦味 ◎ ◎ ◎ △選好度 ◎ ◎ ◎ △ 【0043】高甘味度甘味料であるアスパルテーム(試験例4)は、グラニュー糖(試験例4)と比較して極めて高い甘味を有するため、添加量が微量で済むといった利点はある反面、苦味を有し、選好度も低かった。しかしながら、本発明の液状甘味料(試験例1)、及び粉末状甘味料(試験例2)は、従来の甘味料であるグラニュー糖(試験例3)と同様に、苦味がなく、選好度が高く、甘味強度も同程度であることが確認された。以上より、本発明の甘味料は従来の甘味料の代替品として、問題なく様々な用途に使用できることがわかった。【0044】1.高血圧症予防効果(1)試験方法▲1▼予備飼育(6〜7週齢)日本チャールスリバー(株)より購入した6週齢の雄性自然発症高血圧ラット(SHR)、及び正常血圧のウィスター京都ラット(WKY)を、室温22±1℃、湿度60±10%に調節された飼育室において、白色蛍光灯で1日12時間(7〜19時明期)の光調節を行い、飼料及び水道水を自由摂取させ1週間予備飼育した。予備飼育後、各個体の体重測定及び血圧測定を行い、1群10頭とし、体重の平均値がほぼ等しくなるようにSHRラットをA〜F群に、WKYラットをG〜I群に分類した。【0045】▲2▼被験甘味料の製造方法実施例1 液状甘味料野菜、果物等の原材料5kgを洗浄、水切りし、適当な大きさに刻み、容器に入れる。酵母(寄託番号FERM P−18540)、及びショ糖・麦芽糖を糖度40%となるよう添加し、20℃にて1日間発酵させる。さらに麦芽糖を糖度50%となるよう添加し、15℃にて1週間発酵させ、10℃で2週間熟成させる。これを濾過し、原液を65℃で10分間滅菌する。【0046】実施例2 粉末状甘味料I上記液状甘味料20gに水180gを加え希釈したものを、馬鈴薯澱粉1kgに加え、15℃で10日間熟成させる。これを、−45℃、3mmHgの条件で凍結乾燥する。【0047】実施例3 粉末状甘味料II上記液状甘味料20gに水180gを加え希釈したものを、馬鈴薯澱粉1kgに加え、15℃で10日間熟成発酵させる。これを、121℃で20分間加熱乾燥する。【0048】▲3▼被験甘味料投与方法(7〜20週齢)下記の要領で、各群のラットを7週齢からさらに13週間、20週齢まで飼育した。飼育室の環境は、温度22±1℃、湿度60±10%、白色蛍光灯で1日12時間の採光下(7〜19時明期)とした。毎日午前10時に各被験甘味料を経口投与し、甘味料投与後は滅菌水を自由摂取させた。なお、飼料と水道水は各群とも自由摂取させたが、甘味料投与により、飼料や水の摂取量は変化しなかった。【0049】A群:SHRラット:甘味料無投与B群:SHRラット:1日に体重1kg当たり、液状甘味料を3ml投与するC群:SHRラット:1日に体重1kg当たり、液状甘味料を6ml投与する。D群:SHRラット:1日に体重1kg当たり、液状甘味料を9ml投与するE群:SHRラット:1日に体重1kg当たり、粉末状甘味料Iを12g投与する。F群:SHRラット:1日に体重1kg当たり、粉末状甘味料IIを12g投与する。G群:WKYラット:甘味料無投与H群:WKYラット:1日に体重1kg当たり、液状甘味料を6ml投与する。I群:WKYラット:1日に体重1kg当たり、粉末状甘味料Iを12g投与する。【0050】(2)結果▲1▼血圧検査血圧検査は週1回、被験甘味料投与前に行った。結果を表2に示す。単位はmmHgである。【表2】【0051】高血圧症ラットであるSHRラットは、正常血圧のラットであるWKYラットと比較して、血圧値が高かった。通常、甘味料を余分に摂取した場合、肥満になり、それが原因でさらに血圧上昇を引き起こすものと考えられる。しかしながら、SHRラットにおいて、無投与群(A群)と比較して、甘味料投与群では血圧上昇が加速されないばかりか、逆に血圧上昇の抑制が見られた。【0052】液状甘味料においては9ml投与のD群では8週齢当たりから、6ml投与のC群では16週齢当たりから血圧上昇が抑制される傾向が見られた。驚くべきことに、1日に体重1kg当たり、液状甘味料を9mlと大量に摂取した場合でも、血圧上昇が加速されず、用量が多い群ほど血圧上昇の抑制効果が高い結果となった。粉末状甘味料においても、8週齢当たりから血圧上昇が抑制される傾向が認められ、特に加熱せずに凍結乾燥した粉末状甘味料Iを投与したE群では、抑制効果が高かった。【0053】正常血圧のWKYラットにおいても、加齢と共に血圧が若干上昇する傾向があるが、無投与群(G群)と比較して、液状甘味料投与群(H群)、及び粉末状甘味料投与群(I群)では、血圧上昇の緩やかな抑制が見られた。しかし、この作用は従来の降圧剤等の投与により見られるものとは異なり、血圧が低下しすぎることはなく、本発明の甘味料が、二次的害作用、副作用等のない安全な甘味料であることが確認された。【0054】以上より、本発明の甘味料は多量に摂取しても、血圧が上昇する心配がなく、そればかりか本発明の甘味料を摂取することにより、高血圧症予防効果があるため、高血圧症の人でも安心して摂取できる甘味料であることがわかった。また、正常血圧である場合にも、加齢性の血圧上昇を抑制するため、加齢性の血圧上昇を気にする人に安心して摂取できる甘味料であることがわかった。【0055】本発明の甘味料は、従来の降圧剤のように単に血圧を下げるのではなく、血圧を正常値に近づける効果があり、摂取により正常血圧以下になることはなく、さらに原料が天然物であるため、誰でも安心して摂取することができる。さらに、本発明の甘味料は粉末化しても、疾患予防効果が損なわれることがなく、粉末状甘味料とする場合には、加熱せずに凍結乾燥により製造することがより好適であることが確認された。【0056】▲2▼血液検査実験最終日の前日に全ラットを絶食させ、翌日に深麻酔(ネンブタール,45mg/kg,i.p.)し、左心室から20G採血針で可能な限り採血を行った。採取した血液を用いて、下記の項目において生化学的検査(自動化学分析装置:Auto Lab, Radio lmmuno Assay 法)を行った。得られた成績は、群間比較をWilcoxon U-testで解析し、1%以内の危険率を持って有意差があると判定した(p<0.05)。なお、すべての値は平均値と標準誤差値で表示した。結果を表3に示す。【0057】【表3】【0058】甘味料無投与であるSHRラットのA群、WKYラットのG群と比較して、甘味料を投与したSHRラットのB〜F群、WKYラットのG〜I群において、血糖値の上昇は見られなかった。特にE,F,I群では粉末状甘味料を1日に体重1kg当たり12g、D群では液状甘味料を1日に体重1kg当たり9mlと、通常考えられる摂取量を超えて多量に摂取しているにもかかわらず、血糖値が上昇しない結果となった。よって、高血圧の人、あるいは正常血圧の人において、本発明の甘味料はある程度多量に摂取しても、血糖値が上昇する心配のないことがわかった。【0059】SHRラットはWKYラットと比較して、遊離コレステロール、及びLDL−Cho値が高かったが、SHRラットにおいて、無投与群(A群)と比較して、C〜F群では遊離コレステロール、及びLDL−Choの低下が見られ、G群の値に近づいた。一方、善玉コレステロールであるHDL−Choは低下することがなく、むしろ上昇する傾向があった。よって、高血圧治療効果に伴い、脂質代謝異常の改善効果を有することが推察される。【0060】また、SHRラットはWKYラットと比較して、中性脂肪値が高かったが、無投与群(A群)と比較して、C〜F群では中性脂肪の低下が見られ、G群の値に近づいた。よって、中性脂肪値の測定においても、高血圧治療効果に伴い、脂質代謝異常の改善効果を有することが確認された。【0061】さらに、SHRラットはWKYラットと比較して、βリポタンパク値が高かった。βリポタンパクの測定は、高リポタンパク白血症などの脂質代謝異常疾患の指標とされる。SHRラットにおいて、無投与群(A群)と比較して、B〜F群ではβリポタンパク値の低下が見られ、G群の値に近づいた。よって、βリポタンパク値においても高血圧治療効果に伴い、脂質代謝異常の改善も見られることが確認された。【0062】また、SHRラットはWKYラットと比較して、尿素窒素、クレアチニン、尿酸の値が高かった。これらの値は、肝・腎機能の指標となる。尿素窒素値は、無投与群(A群)と比較して、D〜F群では低下が確認され、G群の値に近づいた。クレアチニン値は、無投与群(A群)と比較して、B〜F群、特にD〜F群では低下する傾向が見られ、G群の値に近づいた。尿酸値は、無投与群(A群)と比較して、B〜F群では低下が見られ、G群の値に近づいた。よって、高血圧治療効果に伴い、肝・腎機能の改善も見られることが確認された。【0063】SHRラットはWKYラットと比較して、A/G比、及び白血球数が低かった。A/G比は、血漿蛋白であるアルブミン(Alb)と総グロブリン(Glob)の比率であり、体内の蛋白質代謝の指標として利用されるが、臨床的に問題となるのは、 A/G比の低下である。A/G比は、無投与群(A群)と比較して、B〜F群ではA/G比が上昇する傾向が見られ、G群の値に近づいた。また、白血球数は無投与群(A群)と比較して、B〜F群で上昇が見られた。よって、これらのパラメーターの改善効果は高血圧治療効果の強い群と密接な関連を有することが推察される。【0064】また、WKYラット(正常なラット)においては、これらの血液成分値に目立った変化(異常)はなかった。よって血液検査から、本発明にかかる甘味料投与により血圧降下作用を示しても、血液成分には異常をきたさないことが確認された。また、本発明の甘味料は、血糖値の上昇を心配せずに摂取できる甘味料であることがわかった。【0065】2.肥満予防効果・高脂血症予防効果Zuckerラットの遺伝形式は常染色体性の単純劣性遺伝様式を取り、病因遺伝子(fa遺伝子)をホモに持つ個体(fa/fa)のみが肥満を呈し(Zucker-fattyラット:(ZUC)-fa/fa)、ヘテロ接合体(fa/+)及び野生型(+/+)は肥満を呈さない(Zucker-leanラット:(ZUC)-lean)。Zucker-fattyラットは、生後4週齢頃より体重増加及び外観によって肥満状態が認められ、10週齢頃までに急速に肥満が進行し、その後も徐々に進行する。さらに高脂血症等を示すことが知られている。このZucker-fattyラット、及び比較としてZucker-leanラットを使用し、肥満予防効果、及び高脂血症予防効果について試験を行った。【0066】(1)試験方法▲1▼予備飼育(4〜5週齢)日本チャールスリバー(株)より購入した4週齢の雄性Zucker fattyラット、及び雄性Zucker-leanラットを、室温22±1℃、湿度60±10%に調節された飼育室において、白色蛍光灯で1日12時間(7〜19時明期)の光調節を行い、飼料及び水道水を自由摂取させ1週間予備飼育した。予備飼育後、各個体の体重測定を行い、1群5頭とし、体重の平均値がほぼ等しくなるようにZucker fattyラットをJ〜P群に、Zucker-leanラットをQ〜S群に分類した。【0067】▲2▼被験甘味料の製造方法前述のとおりに、液状甘味料、及び粉末状甘味料I,IIを製造する。▲3▼被験甘味料投与方法(5〜16週齢)下記の要領で、各群のラットを5週齢からさらに11週間、16週齢まで飼育した。飼育室の環境は、温度22±1℃、湿度60±10%、白色蛍光灯で1日12時間の採光下(7〜19時明期)とした。毎日午前10時に各被験甘味料を経口投与し、甘味料投与後は滅菌水を自由摂取させた。なお、飼料と水道水は各群とも自由摂取させたが、甘味料投与により、飼料及び水の摂取量は変化しなかった。【0068】J群:Zucker-fattyラット:甘味料無投与K群:Zucker-fattyラット:1日に体重1kg当たり、液状甘味料を3ml投与する。L群:Zucker-fattyラット:1日に体重1kg当たり、液状甘味料を6ml投与する。M群:Zucker-fattyラット:1日に体重1kg当たり、液状甘味料を9ml投与する。J群:Zucker-fattyラット:1日に体重1kg当たり、液状甘味料を12ml投与する。O群:Zucker-fattyラット:1日に体重1kg当たり、粉末状甘味料Iを12g投与する。P群:Zucker-fattyラット:1日に体重1kg当たり、粉末状甘味料IIを12g投与する。Q群:Zucker-leanラット:甘味料無投与R群:Zucker-leanラット:1日に体重1kg当たり、液状甘味料を6ml投与する。S群:Zucker-leanラット:1日に体重1kg当たり、粉末状甘味料Iを12g投与する。【0069】(2)結果▲1▼体重変動体重測定は週1回、被験甘味料投与前に行った。各群ラットの体重の平均値を求めた。結果を表4に示す。【表4】【0070】Zucker-fattyラットは、Zucker-leanラットに比べて、体重の増加が激しかった。通常、甘味料を余分に摂取した場合、体重の増加が加速されるはずである。しかしながら、Zucker-fattyラットにおいて、無投与群(J群)と比較して、甘味料投与群では、体重の増加が加速しないばかりか、驚くべきことに7週齢当たりから体重増加の抑制が見られた。10週齢においては、K群では30g、L群では45g、M群では55g、N群では45g、O群で61g、P群で20gの体重増加抑制効果があった。【0071】さらには、1日に体重1kg当たり、液状甘味料を12mlと大量に摂取した場合においても、体重増加は加速されず、逆に用量が多い群ほど、体重増加の抑制効果が高い結果となった。また粉末状甘味料では、特に凍結乾燥した粉末状甘味料Iを投与したO群で、抑制効果が著しかった。また、正常体重であるZucker-leanラットにおいては、体重増加の抑制(異常)は見られなかった。【0072】以上より、本発明の甘味料は多量に摂取しても、体重が増加する心配がなく、そればかりか摂取により、肥満を抑制する効果が見られるため、肥満症の人でも安心して摂取できる甘味料であることがわかった。また、本発明の甘味料は、単に体重増加を抑制するのではなく、過剰体重である場合のみに効果を発揮し、体重を正常値に近づける効果があり、原料も天然物であり毒性がないため、誰でも安心して摂取することができる。さらに、本発明の甘味料は粉末化しても、肥満予防効果が損なわれることがなく、粉末状甘味料とする場合には、加熱せずに凍結乾燥により製造することがより好適であることが確認された。【0073】▲2▼血液検査実験最終日の前日に全ラットを絶食させ、翌日に深麻酔(ネンブタール,45mg/kg,i.p.)し、左心室から20G採血針で可能な限り採血を行った。採取した血液を用いて、下記の項目において生化学的検査(自動化学分析装置:Auto Lab, Radio lmmuno Assay 法)を行った。得られた成績は、群間比較をWilcoxon U-testで解析し、1%以内の危険率を持って有意な差があると判定した(p<0.05)。なお、すべての値は平均値と標準誤差値で表示した。結果を表5に示す。【0074】【表5】【0075】血液中の脂質が異常に高い状態を高脂血症という。血液中には脂質として、中性脂肪、リン脂質、脂肪酸、コレステロール等があるが、特に高脂血症と関連するのは、中性脂肪とコレステロールである。表4より、Zucker-fattyラットはZucker-leanラットと比較して、血液中の脂質が大幅に高いことがわかった。通常、甘味料を余分に摂取した場合、体重増加が原因となり高脂血症が助長されするものと考えられる。しかし、Zucker-fattyラットにおいて、無投与群(J群)と比較して、甘味料投与群では、脂質の値が上昇することはなく、逆に低下が見られた。【0076】脂質の中でも、高脂血症と特に関連する総コレステロール値と中性脂肪値の低下が目立った。粉末状甘味料Iの場合、特に、凍結乾燥したO群では著しい効果があり、中性脂肪値が半分以下になり、総コレステロール値が30mg/dl低下した。これに対し、細胞膜の構成成分として重要であるリン脂質は、中性脂肪や総コレステロールと比較して低下が少なかった。さらに、総コレステロール値の明らかな低下に対し、動脈硬化を防止する働きをするHDL−コレステロール(善玉コレステロール)値は低下することなく、むしろ上昇が見られた。【0077】また、Zucker-fattyラットはZucker-leanラットと比較して、βリポタンパクの値が高かった。βリポタンパクの測定は、高リポタンパク白血症などの脂質代謝異常疾患の指標とされている。Zucker-fattyラットにおいて、無投与群(J群)と比較して、甘味料投与群ではβリポタンパク値の低下が見られ、Q群の値に近づいた。よって、βリポタンパク値においても、脂質代謝異常の改善が確認された。【0078】また、粉末状甘味料投与によって、正常である総タンパク、アルブミン、A/G比値等には異常をきたすことはなかった。また、Zucker-leanラット(正常なラット)においては、これらの血液成分値に目立った変化(異常)はなかった。【0079】以上より、本発明の甘味料は多量に摂取しても、高脂血症を悪化させることがなく、そればかりか摂取により、本発明の甘味料摂取により脂質代謝の改善が見られるため、高脂血症の人でも安心して摂取できる甘味料であることがわかった。また正常な値については異常をきたさないため、服用が安全であり、誰でも安心して摂取することができることが確認された。さらに、本発明の甘味料は粉末化しても、肥満予防効果が損なわれることがなく、粉末状甘味料とする場合には、加熱せずに凍結乾燥により製造することがより好適であることが確認された。【0080】表6〜12に、実施例1の液状甘味料の各種成分の分析値を示す。【表6】 一般成分(100g中) 水分 42.32 g蛋白質 0.25 g脂質 0.21 g炭水化物 56.91 g糖質 56.85 g粗繊維 0.06 g灰分 0.31 g熱量 230.53 kcal 【0081】【表7】 有機酸(100g中) α−ケトグルタル酸 89 mgクエン酸 46 mgリンゴ酸 158 mgコハク酸 21 mg乳酸 72 mg蟻酸 ―――酢酸 28 mgプロピオン酸 18 mg酒石酸 ―――iso-酪酸 ―――n-酪酸 ――― 【0082】【表8】 アミノ酸(遊離アミノ酸100g中) グルタミン酸 24 mgアスパラギン酸 27 mgアルタギニン 6 mgリジン 8 mgヒスチニン 2 mgフェニルアラニン 3 mgチロシン 2 mgロイシン 1 mgイソロイシン 3 mgメチオニン 2 mgバリン 3 mgアラニン 10 mgグリシン 8 mgプロリン 9 mgセリン 5 mgスレオニン 8 mgトリプトファン 9 mgシスチン 8 mg 【0083】【表9】 無機質(100g中) ナトリウム 23.56 mgカリウム 79.26 mgリン 4.36 mg硫黄 61.25 mg鉄 0.22 mg亜鉛 0.12 mgアルミニウム 2.91 mgカルシウム 5.68 mg銅 0.06 mgマンガン 0.20 mgカドミニウム 検出されずヒ素 検出されず鉛 検出されず水銀 検出されず 【0084】【表10】 ビタミン(100g中) VC 6.89 mgVB1 0.91 mgVB2 0.48 mgナイアシン 0.15 mgVB12 0.0018 mg 【0085】【表11】 食品衛生試験 一般生菌数 陰性(基準値以下)大腸菌 陰性(基準値以下) 【表12】 特殊成分(酵素活性)電気泳動法活性染色 乳酸脱水素酵素 陽性リンゴ酸脱水素酵素 陽性アミラーゼ 陽性フェノールオキシターゼ 陽性 【0086】表5〜11より、本発明の甘味料は、重金属や病原性一般生細菌を含有しない安全性の高いものであることが確認された。【0087】表12に、実施例2の粉末状甘味料の各種成分の分析値を示す。【表13】 一般成分(100g中) 水分 0.6 g蛋白質 0.4 g脂質 ―――繊維 ―――灰分 0.2 g糖質 98.8 g 【0088】【発明の効果】 本発明にかかる甘味料によれば、野菜、果物、海草、穀物の寄託番号FERM P−18540の酵母発酵物を原料としているので、副作用を生じる可能性が低く安全で、優れた疾患予防効果を得ることができる。また、本発明の甘味料は粉末化しても、疾患予防効果が損なわれることがなく、粉末状甘味料の場合は、乾燥方法が加熱乾燥ではなく、凍結乾燥であることが特に好ましい。【図面の簡単な説明】【図1】本発明にかかる液状甘味料の製造方法のフローチャートである。【図2】本発明にかかる粉末状甘味料の製造方法のフローチャートである。 野菜、果物、海草、穀物からなる群より選択される1種又は2種以上を寄託番号FERM P−18540の酵母により発酵させた酵母発酵物と、 糖と、を含むことを特徴とする液状甘味料。 野菜、果物、海草、穀物からなる群より選択される1種又は2種以上を寄託番号FERM P−18540の酵母により発酵させた酵母発酵物と、 糖と、 賦形剤と、を含むことを特徴とする粉末状甘味料。 下記(A)〜(D)工程を含むことを特徴とする甘味料の製造方法。(A) 野菜、果物、海草、穀物からなる群より選択される1種又は2種以上に、糖を添加して糖度を30〜50%に調整し、温度5〜25℃にて寄託番号FERM P−18540の酵母により発酵を行う工程。(B) 前記(A)工程後、さらに糖を添加して糖度を50〜60%に調整し、温度5〜30℃にて発酵を行う工程。(C) 前記(B)工程後、温度5〜30℃にて熟成させる工程。(D) 前記(C)工程後、濾過し、濾液を収集する工程。 下記(E)〜(F)工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の甘味料の製造方法。(E) 前記(D)工程後、賦形剤に該濾液を加え、温度2〜30℃にて熟成させる工程。(F) 前記(E)工程後、乾燥する工程。 請求項4に記載の製造方法において、(F)工程における乾燥方法が、凍結乾燥であることを特徴とする甘味料の製造方法。


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