生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_タウオパチーの診断
出願番号:2001555812
年次:2013
IPC分類:G01N 33/53,G01N 33/577,G01N 33/50,G01N 33/15,C07K 7/06,C07K 14/47,C07K 16/18,A61K 45/00,A61P 25/28,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

ファンメヘーレン,エーゲーン ファンデルスティケーレ,ヒューゴ JP 5247963 特許公報(B2) 20130419 2001555812 20010118 タウオパチーの診断 インノジェネティクス・エヌ・ブイ 502152193 INNOGENETICS N.V. 特許業務法人 津国 110001508 津国 肇 100078662 柳橋 泰雄 100131808 伊藤 佐保子 100119079 小澤 圭子 100135873 鈴木 音哉 100141357 田中 聖 100146422 岡崎 祐一 100147533 後藤 孝明 100181102 三宅 俊男 100116528 ファンメヘーレン,エーゲーン ファンデルスティケーレ,ヒューゴ EP 00870008.0 20000124 US 60/178,391 20000127 EP 00870280.5 20001122 20130724 G01N 33/53 20060101AFI20130704BHJP G01N 33/577 20060101ALI20130704BHJP G01N 33/50 20060101ALI20130704BHJP G01N 33/15 20060101ALI20130704BHJP C07K 7/06 20060101ALI20130704BHJP C07K 14/47 20060101ALI20130704BHJP C07K 16/18 20060101ALI20130704BHJP A61K 45/00 20060101ALI20130704BHJP A61P 25/28 20060101ALI20130704BHJP A61P 43/00 20060101ALI20130704BHJP JPG01N33/53 DG01N33/577 BG01N33/50 ZG01N33/15 ZC07K7/06C07K14/47C07K16/18A61K45/00A61P25/28A61P43/00 111 BIOSIS/WPIDS(STN) CA/REGISTRY(STN) SwissProt/PIR/GeneSeq PubMed 特表平09−506771(JP,A) 特表平08−502898(JP,A) 特表平10−506381(JP,A) 国際公開第97/034145(WO,A1) 国際公開第94/018560(WO,A1) 国際公開第93/003369(WO,A1) 国際公開第99/062548(WO,A1) Mol.Chem.Neuropathol.,Vol.26,No.3(1995)p.231-245 Neurosci.Lett.,Vol.285,No.1(2000.May)p.49-52 Biochem.J.,Vol.301,Pt.3(1994)p.871-877 Neurosci.Lett.,Vol.225,No.3(1997)p.210-212 20 EP2001000560 20010118 WO2001055725 20010802 2003521499 20030715 34 20080111 高堀 栄二(発明の分野) 本発明は、タウオパチーの診断に関する。本発明は、タウオパチーの検出および/または鑑別診断のための新奇な方法を提供する。本発明は、本発明の方法における標準化に用いることができるホスホペプチドも提供する。(発明の背景) 痴呆のいくつかの形態、いわゆるタウオパチー〔Goedert et al., 1998〕は、同じ病態生理学的機序、すなわち構造タンパク質であるタウの関与と関連付けられている。微小管関連タンパク質であるタウは、たとえば、アルツハイマー病に関連する、対合らせんフィラメント(PHP)および神経原繊維タングル(neurofibrillar tangles)(NFT)の主要なタンパク質成分である〔Brion et al., 1985;Delacourte & Defossez, 1986;Grundke-Iqbal et al., 1986;Kosik et al., 1986;Wood et al., 1986;Kondo et al., 1988〕。タウタンパク質は、異なるイソ型で存在し、うち4〜6種類は、成人の脳に見出されるが、胎児脳には、一つのイソ型のみが検出されるにすぎない。イソ型の多様性は、選択的mRNAスプライシングによって、ヒト第17染色体上のただ一つの遺伝子から生成される〔Himmler, 1989;Goedert et al., 1989;Andreadis et al., 1992〕。タウタンパク質の、分子クローニングから推論された限りで最も目を引く特徴は、分子のカルボキシル末端部に生じる、31または32アミノ酸のストレッチであって、3または4回反復されることができる。追加的な多様性は、タウ分子のNH2末端部での29または58アミノ酸長の挿入によって生成される〔Goedertet al., 1989〕。in vivoで、タウは、タウの反復領域(255〜381)内のその微小管結合ドメインが関与する相互作用によって、ニューロンの軸索区画での微小管集成および安定性を促進する〔Lewis et al., 1988〕。正常な状況下では、成人の脳は、タウ1モルあたり2〜3モルのリン酸塩を含有する〔Selden & Pollard, 1983;Ksiezak-Reding et al., 1992〕。ラットおよびヒトで研究された限りで、正常タウの異なる部位のリン酸化は、発生状態に左右される〔Lee et al., 1991;Bramblett et al., 1993;Goedert et al., 1993〕。リン酸化の結果として生じる60、64および68kDaのタウ変異体が、脳の神経原繊維タングルを示す部域で検出されている〔Delacourte et al., 1990;Goedert et al., 1992;Flament et al., 1990;Greenberg & Davies, 1990〕。これらの脳は、タウ1モルあたり6〜8モルのリン酸塩を含有する〔Ksiezak-Reding et al., 1992〕。PHPから単離されたタウ(PHP−タウ)では、リン酸化は、いくつかの位置で発生する〔Iqbal et al., 1989;Lee et al., 1991;Hasegawa etal., 1992;Hanger et al., 1998;Buee et al., 1999〕。 アルツハイマー病(AD)は、タウの病理学に関連する、最も一般的な形式の一次性変性痴呆であって、42〜75%の罹患率を有する〔Brun, 1993;Gustafson, 1993;Ebly et al., 1994〕。前頭側頭痴呆(FTD)は、病理学的には、ピック病、第17染色体連関パーキンソン病による前頭側頭痴呆、散発性FTD、および運動ニューロン病が存在する、臨床的状態である。Mannら〔2000〕による小規模な研究によれば、FTDの37症例中16は、タウ免疫組織化学に基づいて、タウオパチーとして分類することができた。繊維状タウという病理学、すなわち神経原繊維タングルは、一貫してADに見出されるが〔Tomlinson & Corsellis, 1984〕、FTDにも見出されることがある〔Spillantini & Geodert, 1998〕。病的なタウタンパク質は、ADおよびFTDにともに見出されるが〔Vermersche et al., 1995;Delacourte et al., 1996〕、脳組織についての研究は、タウの病理学は、ADとFTDとでは異なり、おそらくリン酸化の程度に関連することを示唆した〔Delacourte et al., 1996〕。タウの病理に関連するその他の形態の痴呆は、進行性核上麻痺(PSP)、皮質基底変性(CBD)および亜急性硬化性汎脳炎を包含する。これらのタウオパチーの病理学における過剰リン酸化の役割は、現在は、充分に理解されていない。加えて、プロリン領域に集中した特異的ホスホ部位の、リン酸化の程度の正確な決定は、様々な困難に遭遇している。これらの困難のため、これらのタウオパチーを特異的に検出するための正確な方法は、依然として欠如している。 個体におけるタウオパチーの診断方法を提供することは、本発明の一つの目的である。 個体におけるアルツハイマー病、ピック病、散発性前頭側頭痴呆、および/または第17染色体連関パーキンソン病による前頭側頭痴呆の診断方法を提供することは、本発明のもう一つの目的である。 非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別診断の方法を提供することは、本発明のもう一つの目的である。 非タウオパチー神経変性と対比してのタウオパチーの鑑別診断の方法を提供することは、本発明のもう一つの目的である。 血管性痴呆、クロイツフェルト−ヤコブ病、卒中、および/または白血病の患者における神経毒性と対比してのタウオパチーの鑑別診断の方法を提供することは、本発明のもう一つの目的である。 血管性痴呆、クロイツフェルト−ヤコブ病、卒中、および/または白血病の患者における神経毒性と対比しての、アルツハイマー病、ピック病、散発性前頭側頭痴呆、および/または第17染色体連関パーキンソン病による前頭側頭痴呆の鑑別診断の方法を提供することは、本発明のもう一つの目的である。 上記のとおりのインビトロ(in vitro)の方法を提供することは、本発明のもう一つの目的である。 標準化に用いるためのホスホペプチドを提供することは、本発明のもう一つの目的である。 ホスホタウ(181)を検出する方法における標準化に用いるためのホスホペプチドを提供することは、本発明のもう一つの目的である。 上記のとおりの方法における標準化に用いるためのホスホペプチドを提供することは、本発明のもう一つの目的である。 上記のとおりの方法に用いるための診断キットを提供することは、本発明のもう一つの目的である。 タウオパチーに対する、薬物の試験もしくはスクリーニング、診断用追跡、および/または一定の処置の有効性の決定のための、ペプチド、方法、および/または診断キットを提供することは、本発明のもう一つの目的である。 値は、すべて、平均±SDとして表されている。下記の略記を用いた;FTD:前頭側頭痴呆、AD:アルツハイマー病、SAE:皮質下動脈硬化性脳症、PD:パーキンソン病、Prob:蓋然性のある、Poss:可能性のある、N:個体数、M:男性、F:女性、y:年齢、CSF:脳脊髄液。 値は、すべて、平均±SDとして表されている。略記:FTD:前頭側頭痴呆、AD:アルツハイマー病、PD:パーキンソン病、SAE:皮質下動脈硬化性脳症。*** 値は、対照についての値と比較して有意に異なる(p<0.001)。** 値は、対照についての値と比較して有意に異なる(p<0.01)。* 値は、対照についての値と比較して有意に異なる(p<0.05)。(発明の詳細な説明) 本発明は、個体におけるタウオパチーを診断する方法であって、・該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を決定する工程と;・得られた該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を、対照個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率と比較することによって該個体がタウオパチーに罹患していることを推論する工程であって、対照個体における該比率と比較したホスホタウ(181)/総タウの比率の変化が指標である工程とを含む方法に関する。 本発明は、個体における非タウオパチーと対比してのタウオパチーを鑑別診断する方法であって、・得られた該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を、非タウオパチーに罹患している個体で得られたホスホタウ(181)/総タウの比率とか、または対照個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率と比較することによって該個体がタウオパチーに罹患していることを推論する工程、非タウオパチーに罹患している個体、または対照個体における該比率と比較したホスホタウ(181)/総タウの比率の変化が指標である工程とを含む方法にも関する。 本発明は、ADに罹患している患者からのCSF、およびある種の形態のFTDに罹患している患者からのCSF中のホスホタウ(181)/総タウの比率は、対照個体からのCSF中のホスホタウ(181)/総タウ比と比較して有意に変化するとの知見に基づく。本発明は、さらに、ADに罹患している患者からのCSF中のホスホタウ(181)/総タウの比率は、卒中に罹患している患者からのCSF中のホスホタウ(181)/総タウ比と比較して有意に変化するとの知見にも基づく。タウオパチーの患者におけるホスホタウ(181)/総タウ比が変化することの表示は、個体におけるタウオパチーの診断、および/または非タウオパチーに罹患している個体と対比しての、タウオパチーに罹患している個体の鑑別診断のための診断試験の開発に向けての基盤を形成する。 「タウオパチー」は、タウの病理学に関連するあらゆる形態の痴呆である。 アルツハイマー病、およびある種の形態の前頭側頭痴呆(ピック病、散発性前頭側頭痴呆、および第17染色体連関パーキンソン病による前頭側頭痴呆)は、最も一般的な形態のタウオパチーである。したがって、本発明は、タウオパチーが、アルツハイマー病、ピック病、散発性前頭側頭痴呆、および第17染色体連関パーキンソン病による前頭側頭痴呆である、上記のいかなる方法にも関する。その他のタウオパチーは、進行性核上麻痺(PSP)、皮質基底変性(CBD)および亜急性硬化性汎脳炎を包含するが、これらに限定されない。 特定の実施態様では、本発明は、個体におけるアルツハイマー病を診断する方法であって、・該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を決定する工程と;・得られた該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を、対照個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率と比較して、対照個体における該比率と比較したホスホタウ(181)/総タウの比率の変化が指標となることによって、該個体がアルツハイマー病に罹患していることを推論する工程とを含む方法に関する。 「非タウオパチー」は、脳のタウオパチーに関連しないいかなる状態でもある。本発明の実施態様では、該非タウオパチーは、非タウオパチー神経変性である。非タウオパチー神経変性は、神経学的疾患のタウオパチーに関連しないいかなる形態でもある。非タウオパチー神経変性は、血管性痴呆、クロイツフェルト−ヤコブ病、卒中、および/または白血病の患者における神経毒性を包含するが、これらに限定されない。 したがって、特定の実施態様では、本発明は、卒中と対比してのアルツハイマー病を個体において鑑別診断する方法であって、・該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を決定する工程と;・得られた該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を、卒中に罹患している個体で得られたホスホタウ(181)/総タウの比率と比較することによって、該個体が卒中ではなくアルツハイマー病に罹患していることを推論する工程であって、卒中に罹患している個体における該比率と比較したホスホタウ(181)/総タウの比率の変化が指標である工程、を含む方法に関する。 ホスホタウ(181)は、第181位のトレオニンでリン酸塩を有する、すべてのタウ分子を包含する。アミノ酸配列に関する番号付けは、タウの最長のイソ型であるhTau40を参考にする〔Goedert et al., 1989〕。 総タウとは、タウのすべての形態を意味し、いかなるリン酸化状態のタウも包含する。 したがって、本発明は、タウオパチーの診断、および/または非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別診断のための、神経学的マーカーとして用いるためのタウおよびホスホタウ(181)に関する。 個体におけるホスホタウ(181)および総タウのレベルに基づけば、該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を決定することができる。 ホスホタウ(181)/総タウの比率は、in vivoはもとより、in vitroでも検出することができる。個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率をin vitroで検出する方法は、・該個体からサンプルを得る工程と;・該サンプル中のホスホタウ(181)/総タウの比率を決定する工程と;・得られた該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を、非タウオパチーに罹患している個体からのサンプル中のホスホタウ(181)/総タウの比率とか、または対照個体からのサンプル中のホスホタウ(181)/総タウ比と比較することによって、該個体がタウオパチーに罹患していることを推論する工程であって非タウオパチーに罹患している個体、または対照個体における該比率と比較したホスホタウ(181)/総タウの比率の変化が指標である工程とを含む。 用語「サンプル」は、生物学的材料のいかなる入手源、たとえば、ホスホタウ(181)タンパク質を含む体液、脳抽出物、末梢血その他いかなるサンプルも意味する。本発明の一実施態様では、ホスホタウ(181)/総タウの比率は、患者の体液サンプル中のホスホタウ(181)/総タウの比率の分析によって、in vitroで決定する。用語「体液」は、人体内に存在する、ホスホタウ(181)タンパク質を含む血液、リンパ、尿および脳脊髄液(CSF)を包含するが、これらに限定されないすべての体液を意味する。本発明のもう一つの実施態様では、ホスホタウ(181)/総タウの比率は、患者から採取した脳脊髄液(CSF)サンプル中で決定する。したがって、本発明は、・該個体から脳脊髄液サンプルを得る工程と;・該脳脊髄液サンプル中のホスホタウ(181)/総タウの比率を決定する工程と;・得られた該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を、非タウオパチーに罹患している個体からのCSF中のホスホタウ(181)/総タウの比率とか、または対照個体からのCSF中のホスホタウ(181)/総タウ比と比較することによって該個体がタウオパチーに罹患していることを推論する工程であって、非タウオパチーに罹患している個体からのCSF中のか、または対照個体からのCSF中の該比率と比較したホスホタウ(181)/総タウの比率の変化が指標となることによって、を含む上記の方法に関する。 総タウは、抗体の使用を包含するが、これらに限定されない、公知のいかなる方法によってか、または別途、機能アッセー〔Bramblett et al., 1992〕によっても定量することができる。総タウを特異的に認識する、いかなるモノクローナルまたはポリクローナル抗体も、総タウの定量に用いてよい。正常および異常にリン酸化されたタウを認識する抗体は、Alz50〔Ghanbari et al., 1990〕、HT7〔Mercken et al., 1992〕、およびAT120〔Vandermeeren et al., 1993〕を包含する。しかし、総タウを認識する、当技術に公知のその他の抗体も、用いることができる。総タウの定量のための、非常に迅速で、利用者が扱いやすい方法は、INNOTEST hTau-Ag(lnnogenetics, Gent、ベルギー国)である。 ホスホタウ(181)は、抗体の使用を包含するが、これらに限定されない、公知のいかなる方法によっても定量することができる。好適実施態様では、ホスホタウ(181)は、少なくとも下記の工程:・患者からサンプルを得る工程と;・該サンプルを、抗原−抗体複合体を生成するのに適する条件下で、ホスホタウ(181)を特異的に認識するモノクローナル抗体と接触させる工程と;・該サンプルとの該抗体の免疫学的結合を検出する工程とを含む免疫アッセーによって定量する。 はるかに好適な実施態様では、ホスホタウ(181)は、下記の工程:・患者からサンプルを得る工程と;・該サンプルを、抗原−抗体複合体を生成するのに適する条件下で、ホスホタウ(181)を特異的に認識するモノクローナル抗体(一次抗体すなわち捕捉抗体)と接触させる工程と;・該抗原−抗体複合体を、抗原−抗体複合体を生成するのに適する条件下で、ホスホタウ(181)を特異的に認識するモノクローナル抗体(二次抗体すなわち検出抗体)と接触させる工程と;・該抗原−抗体複合体を、該二次抗体による特異的タグ付け、またはそれとのカップリングのいずれかのための、当業者には公知である可能ないかなるマーカーとも接触させる工程と;・標準化の目的で、おそらくは、該抗体を、両抗体と反応する精製されたホスホタウタンパク質またはホスホペプチドと接触させる工程とを含む、サンドウィッチELISAによって定量することができる。 好都合には、二次抗体自体が、マーカーとの直接または間接カップリングのためのマーカーもしくは基を有する。 本発明に用いられる限りで、表現「認識する」、「反応する」、「免疫学的結合」または「抗原−抗体複合体を生成する」は、抗原と抗体との結合が、該抗体および抗原の免疫学的特性に留意するすべての条件下で生じることと解されるものとする。 本発明に用いられる限りで、表現「特異的に認識する」は、該抗体が、ホスホタウ(181)とは免疫学的複合体を形成できるが、トレオニン181でのリン酸化を欠くタウ分子とは形成できないことと解されるものとする。 ホスホタウ(181)を特異的に認識する、いかなるモノクローナル抗体も、ホスホタウ(181)の定量のための該方法に用いることができる。ホスホタウ(181)の定量に用いるのに好適なモノクローナル抗体は、AT270(WO95/17429のもとに刊行された国際特許願)である。しかし、ホスホタウ(181)を特異的に認識する、当技術に公知のその他の抗体も用いることができる。 標準化の目的で、トレオニン181でリン酸化されたタウタンパク質またはペプチドを用いることができる。これは、脳からの抽出、またはin vitroでの正常タウのリン酸化のような、いかなる方法によっても得ることができる。プロリン領域に集中された特異的ホスホ部位のリン酸化の程度を正確に決定することは困難であるため、本発明の実施態様では、合成ホスホペプチドを標準化のために用いる。該合成ホスホペプチドは、免疫アッセーに用いられた抗体と免疫学的複合体を形成することができなければならない。 したがって、本発明は、モノクローナル抗体によって認識される少なくとも二つのエピトープを含み、サンドウィッチELISAにおいて、該モノクローナル抗体との免疫学的複合体を容易に形成する、ホスホペプチドにも関する。以前の研究は、ペプチドは、一定のモノクローナル抗体に対するエピトープを含むが、該モノクローナル抗体は、必ずしも該ペプチドを認識しないことを示していた〔DeLeys et al., 1996〕。本発明者らは、該エピトープを認識するモノクローナル抗体との免疫学的複合体を実際に形成できるような、二つのエピトープを有するホスホペプチドを画定することができた。加えて、本発明者らは、該ホスホペプチドが、サンドウィッチELISAにおいて、それらを認識するモノクローナル抗体との免疫学的複合体を形成できるような、二つのエピトープをともに画定することができた。 用語「ペプチド」は、アミノ酸(aa)の重合体を意味し、特定の長さの生成物を意味しない。本発明の一実施態様では、該ホスホペプチドの長さは、15〜100アミノ酸である。本発明の好適実施態様では、該ホスホペプチドは、20〜50アミノ酸を含む。本発明のもう一つの好適実施態様では、該ホスホペプチドは、30〜40アミノ酸を含む。 本発明のペプチドは、Houbenweyl(1974)、およびAtherton & Shepard(1989)が記載したとおりの、古典的化学合成のような、当技術に公知のいかなる方法によっても、実施例の項に記載されたような、商業的に入手できるいかなる方法によっても、またはSambrookら(1989)が記載したような組換えDNA手法によっても生成することができる。 ホスホペプチドは、少なくとも一つのアミノ酸にリン酸塩を有するペプチドである。本発明のホスホペプチドの使用は、本発明者らが、特定のホスホイソ型とのホスホペプチドの関係を決定し、特定のホスホ部位のリン酸化の程度を査定するのを可能にした(例1、1.5を参照されたい)。本発明のホスホペプチドの使用は、タウの特定の分子形態を標準化された方法で定量するのを可能にすることになる。 リン酸化されたペプチドは、公知のいかなる方法によって製造することもできる。それらは、たとえば、ジ−tert−ブチルジイソプロピルジイソプロピルホスホアミダイトとの反応、および保護されていないセリンおよびトレオニン残基のtert−ブチルヒドロペルオキシドによる酸化によって、集成後に製造することができる。また、ペプチド合成の際に、リン酸化されたアミノ酸を組み込むことによって製造することもできる。最近では、集成後リン酸化なしにホスホペプチドを直接合成するための、新たなリン酸化セリン誘導体(N−α−Fmoc−O−ベンジル−L−ホスホセリン)が商業的に入手できる(Calbiochem-Novabiochem AG, San Diego, CA 92121)。 好適実施態様では、本発明は、モノクローナル抗体HT7およびモノクローナル抗体AT270との免疫学的複合体を容易に形成するホスホペプチドであって、少なくとも、・HT7の最小エピトープ:PPGQK(配列番号1);および・AT270の最小エピトープ:PPAPKT(p)P(配列番号2)を含むホスホペプチドに関する。 はるかに好適な実施態様では、本発明は、下記の配列: PRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKT(p)PPSSGE(配列番号:3)〔式中、「(p)」は、トレオニンがリン酸化されていることを意味する〕、または依然としてHT7およびAT270モノクローナル抗体に結合する条件での変異配列を含む、上記のとおりのホスホペプチドに関する。用語「変異配列」は、配列番号:3で表されるペプチドの、一つまたはそれ以上のアミノ酸の置換もしく欠失による、HT7およびAT270モノクローナル抗体を依然として認識する、いかなる変種もしくはフラグメントも意味する。この用語は、糖鎖形成、アセチル化、リン酸化、脂肪酸などによる修飾のような、ペプチドの翻訳後修飾を具体的に意味せず、かつ除外もしない。この定義に包含されるのは、たとえば、アミノ酸の1種類またはそれ以上の類似体(非天然アミノ酸を包含する)を含むペプチド、置換された連関を有するペプチド、突然変異させたその改作、システイン残基の間にジスルフィド結合を有するペプチド、ビオチニル化されたペプチドはもとより、当技術に公知のその他の修飾である。 本発明は、さらに、該ホスホペプチドを、ホスホタウ(181)のレベルを測定する方法に用いる用途に関する。 本発明は、さらに、非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別診断の方法に、該ホスホペプチドを用いる用途に関する。 本発明は、さらに、アルツハイマー病を診断する方法に、該ホスホペプチドを用いる用途に関する。 本発明は、さらに、卒中と対比してのアルツハイマー病の鑑別診断の方法に、該ホスホペプチドを用いる用途に関する。 個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率をin vitroで検出する方法は、該個体のタウオパチーに対する、薬物の試験もしくはスクリーニングに、治療上の追跡に、および/または一定の治療の効果を評価するのに用いることもできる。 個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率の初期in vivo検出の方法は、該個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率を決定する工程と、それを、健康な対照個体におけるホスホタウ(181)/総タウの比率と比較する工程とを含む。一実施態様では、ホスホタウ(181)および総タウは、in vivo造影によって定量することができる。ホスホタウ(181)および総タウは、Arbitら(1995)、Tamadaら(1995)、Wakabayashiら(1995)、Huangら(1996)Sandrockら(1996)、Marianiら(1997)が記載した脳造影法を包含するが、これらに限定されない、非侵襲的方法によって、in situで定量することができる。これらのin vivo造影法は、それぞれ特異的に、ホスホタウ(181)を認識するか、または総タウを認識する、標識化された抗体を用いることによって、ホスホタウ(181)および総タウの定位および定量を許し得る。 ホスホタウ(181)および総タウは、該個体のタウオパチーに対する、薬物の試験もしくはスクリーニングに、治療上の追跡に、および/または一定の治療の効果を評価するためのin vivo造影用マーカーとして用いることもできる。 本発明は、さらに、ホスホタウ(181)を特異的に認識する少なくとも1種類の抗体を含む、個体におけるタウオパチーの診断、および/または非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別診断のための診断キットに関する。 もう一つの実施態様では、本発明は、上記のとおりの診断キットであって、少なくとも:・ホスホタウ(181)を特異的に認識する抗体と;・タウを認識する抗体とを含む診断キットに関する。 もう一つの実施態様では、本発明は、本発明による少なくとも1種類のホスホペプチドを含む、上記のとおりの診断キットに関する。 もう一つの実施態様では、本発明は、上記のとおりの診断キットであって、少なくとも:・ホスホタウ(181)を特異的に認識する抗体と;・本発明によるホスホペプチドとを含む診断キットに関する。 もう一つの実施態様では、本発明は、上記のとおりの診断キットであって、少なくとも:・ホスホタウ(181)を特異的に認識する抗体と;・タウを認識する抗体と;・本発明によるホスホペプチドとを含む診断キットに関する。 個体におけるタウオパチーを診断するのに好適なキットは、免疫アッセイに基づき、・ホスホタウ(181)のエピトープとの免疫学的複合体を形成する、モノクローナル抗体(一次抗体)と;・ホスホタウ(181)を特異的に認識するモノクローナル抗体(二次抗体)と;・該二次抗体による特異的タグ付け、またはそれとのカップリングのいずれかのためのマーカーと;・一次抗体と試験サンプル、二次抗体と試験サンプル、および/または結合した二次抗体とマーカーとの免疫学的反応を実施するのに適する緩衝液と;・本発明によるホスホペプチドとを含む。 本発明は、タウオパチーの診断、および/または非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別診断のための請求項15〜17のいずれか一項に記載の診断キットの使用に関する。 本発明は、さらに、アルツハイマー病、ピック病、散発性前頭側頭痴呆、および/または第17染色体連関パーキンソン病による前頭側頭痴呆の診断に用いるための上記の診断キットの使用に関する。 本発明は、さらに、血管性痴呆、クロイツフェルト−ヤコブ病、卒中、および/または白血病の患者における神経毒性と対比してのアルツハイマー病、ピック病、散発性前頭側頭痴呆、および/または第17染色体連関パーキンソン病による前頭側頭痴呆の鑑別診断に用いるための上記の診断キットの使用に関する。 本発明は、タウオパチーの診断用、および/または非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別診断用の診断キットの製造のための、神経学的マーカーとして用いるための総タウおよびホスホタウ(181)の使用にも関する。 本発明は、タウオパチーに対する、薬物の試験もしくはスクリーニング、治療上の追跡、および/または一定の治療の有効性の決定に用いるための本発明のホスホペプチド、方法および/または診断キットの使用にも関する。 本明細書、および付記されたクレームの全体を通じて、文脈から別途要求されない限り、単語「含む」、ならびに「含み」および「含んで」のような変化形は、記述された完全体もしくは工程、または記述された完全体もしくは工程の群の包含を意味するが、その他のいかなる完全体もしくは工程、または完全体もしくは工程の群の除外も意味しないと解されることになる。 本明細書におけるいかなる先行技術の参照も、該先行技術が、オーストラリア国における常識的な一般的知識の一部を形成することの承認、またはそのいかなる形態の示唆でもなく、かつそれとしても解してはならない。 ここで、本発明を、特に好都合な実施態様を説明する下記の実施例を参照して、例示する。しかし、これらの実施例は、例示的であり、いかなる方法でも本発明を限定するとして解することはできない。例1:標準化に用いるためのホスホペプチドの設計1.1:タウおよびタウ由来ペプチドの合成 2種類のPCRプライマー〔出発メチオニンコドン−CATGGCTGAGCCCCGCCAGGAGTTCGAAGTGATGG(−1〜34)(配列番号:4)を含むプライマー、および停止コドン:CCTGATCACAAACCCTGCTTGGCCAGGGAGGC(配列番号:5)の周囲の逆プライマー〕を用いて、ヒトのタウからの最小形態をPLに基づく発現系(Innogenetics, Gent、ベルギー国)内に増幅した。PCR産物の配列は、配列決定によって確認した。変化は、コドン中の第三塩基対でのみ観察されたにすぎない:Pro182でCAAに代えてCAG、Ala227でGCAに代えてGCG、およびAsn251でAATに代えてAAC。アミノ酸配列に関するすべての番号付けは、最長のタウイソ型:hTau40を参照する〔Goedert et al., 1989〕。SacII部位(アミノ酸第154〜155位)およびPstI部位(第242〜243位)に充填することによるフレームシフト突然変異種の構成に基づいて、欠失突然変異種を作成した。 自動化ペプチド合成は、Millipore 9050という合成装置で、通常は、N末端でビオチニル化されたペプチドとして、実施した。サンドウィッチELISAのためのペプチドAc- PRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKT(p)PPSSGE-NH2(第154〜187位)(配列番号:3)の大規模合成は、自社で、Neosystems(Strasbourg、フランス国)によって合成した。品質管理は、RP−HPLC(逆相高圧液体クロマトグラフィー)(純度>99%)、質量分析計による分析(平均MW=3,454.8)、およびアミノ酸分析(正味ペプチド含量=84.3%)を含む。 エピトープマッピングのために、誘導体化されたピン(Multiple Peptide Systems, San Diego, CA92121)または紙上で、手動でペプチドを合成した。紙上で合成されたペプチドについては、ジメチルアミノピリジンの存在下で、Fmoc−β−アラニンの対称無水物(9−フルオレニルメトキシカルボニル−β−アラニン)を用いて、紙を誘導体化した。Fmoc基を除去した後、第二のβ−アラニン残基を、TBTU〔=2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1′,3,3′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート〕による活性化後に加えた。次いで、ペプチドを、スポットとして手動で合成した。 リン酸化されたペプチドは、ジ−tert−ブチルジイソプロピルジイソプロピルホスホロアミダイトとの集成後反応、および保護されていないセリンおよびトレオニン残基のtert−ブチルヒドロペルオキシドによる酸化によって製造した。最近では、集成後リン酸化なしにホスホペプチドを直接合成するための、新たなリン酸化セリン誘導体(N−α−Fmoc−O−ベンジル−L−ホスホセリン)が商業的に入手できる(Calbiochem-Novabiochem AG, San Diego, CA 92121)。固体の支持体から剥離した後に、逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって、ペプチドおよびホスホペプチドを精製した。ペプチドの品質は、質量分析によって確認した。1.2:免疫アッセイ 抗体の単離および特徴付けの詳細は、AT120〔Vandermeerem, et al., 1993b〕、HT7〔Mercken et al., 1992〕、BT2〔Vandermeeren, et al., 1993a〕およびAT270〔Goedert et al., 1994〕について記載されている。ペプチド−抗体相互作用を捕捉アッセーによって定量するために、ストレプトアビジン(Roche Diagnostics, Brussels、ベルギー国)を、50mM炭酸緩衝液、pH9.5中で5μg/mlで終夜被覆した。ブロックした後、ビオチニル化ペプチドを加え、タウ抗体によって検出した。セイヨウワサビペルオキシダーゼとカップリングさせた第二の抗体を用いて、免疫反応を定量した。 INNOTESTホスホタウ(181P)の研究版を、下記のとおり設計した:HT7被覆免疫プレートを、サンプルまたは標準75μlとともに、同時にビオチニル化AT270とともに4℃で終夜温置した。洗浄後、セイヨウワサビペルオキシダーゼで標識化したストレプトアビジン(RDI, Flanders, NJ、米国)を30分間加えた。反応は、0.9NのH2SO450μlの添加によって停止した。 総タウは、INNOTEST hTau-Agを用いて測定し、標準として用いた組換えタウについての41,065の計算分子量を用いて、pg/mlをにpM変換した。1.3:タウ抗体のマッピング 組換えタウを認識するタウ抗体を、完全なタウ分子上でマッピングするために、PstIおよびSacII部位に基づいて、欠失突然変異体を構築した。試験した抗体、すなわちHT7、AT120、BT2およびタウ1は、すべて、プロリンに富む領域に位置する(hTau40上で第154〜242位、データは示さず)。エピトープをさらに明確にするために、小さい重複ペプチドを合成した。第一工程では、8個のアミノ酸が重複する、9アミノ酸長の48のペプチドを、ピン上に合成した。配列は、155〜208位にわたった。AT120、HT7、BT2およびタウ1を試験した。5種類の抗体中4種類をマッピングすることができ、HT7の最小エピトープは、PPGQK(第159〜163位)(配列番号:1)であったが、BT2およびタウ1の反応性は、識別不能であった:DRSGYS(第193〜198位)(配列番号:6)(図1a)。AT120は、これらのペプチド上でマッピングできなかったため、第206〜232位からの配列を網羅する、新たな1セットのペプチドを紙上に合成した。12アミノ酸長の、11アミノ酸と重複する合計16のペプチドが、この領域を網羅するのに必要とされた。AT120の最小エピトープは、配列PPTREPK(第218〜224位)(配列番号:7)(図1b)によって規定される。1.4:AT270の特異性 ホスホ依存性抗体であるAT270の特異性を、タウの22のリン酸化部位を網羅する合成ホスホペプチドに対して確認した。これらのペプチドの配列を、表1に要約する。これらの部位のうち12個所に対応する非リン酸化ペプチドを、並行して分析した(図2)。AT270のみが、ホスホ−Thr181および/またはホスホ−Thr175を含むホスホペプチドと反応した。これらのペプチドを、捕捉アッセーで滴定し終えたとき、AT270は、ホスホ−Thr181のそれと比較して、ホスホ−Thr175を含むペプチドとモルベースで18倍、反応性が乏しかった(結果は示さず)。最後に、第166〜196位の領域を網羅する、15アミノ酸長のビオチニル化リン酸化ペプチドを用いて、最小エピトープを画定した。免疫反応性ペプチドを図1cに示し、AT270の最小エピトープは、PPAPKT(p)P(第176〜182位)(配列番号:2)であった。1.5:ホスホペプチドの設計、およびリン酸化の程度の決定 このペプチドの情報を用いて、第154〜187位を網羅するホスホペプチドを合成した。この配列は、HT7(第159〜163位)およびAT270(第176〜182位)のエピトープ、ならびにHT7エピトープに対するN末端、およびAT270に対するC末端の追加の5アミノ酸を網羅する。このホスホペプチドの正確な濃度を、アミノ酸分析を用いて決定した〔Blennow et al., 1995〕。この濃度に基づくと、ペルオキシダーゼに基づくELISAの測定範囲は、精密プロファイリングを用いて5〜300pMであった。アッセー内およびアッセー間の変動係数は、10%未満であった。 どのようにリン酸化の程度がホスホタウ(181)および総タウの絶対レベルに関連するかを決定するために、異なる5種類のPHF−タウプレパラートを、それぞれのアッセーで同時に定量した。PHF−タウは、Goedertら(1992)に従い、PHF−タウを脳抽出物上清から選択的に沈降させるために1%N−ラウロイルサルコシナートを用いて、調製した。AD患者の側頭皮質(PHF−A〜D)または海馬(PHF−E)からの組織を、Born-Bunge脳バンク(Dr. P. Cras, Antwerp、ベルギー国)から入手した。 図3に示したとおり、ホスホ−Thr181のリン酸化の程度は、PHF−タウプレパラート間で異なった。最高のホスホタウレベルを有するPHF−タウプレパラートが、100%に近いリン酸化の程度を有すると仮定すると、ホスホタウ(181)/総タウ比は、リン酸化の程度の少なくとも3.3倍の過大評価となる。にもかかわらず、ホスホタウ(181)/総タウの比率が、リン酸化の程度を過大評価することを斟酌すると、CSF−タウからのタウ中のThr181のリン酸化の状態は、多くとも59±18%(1.952/3.3)であって、正常な条件下での脳由来タウについてのThr181のリン酸化状態〔20〜30%;Watanabe et al., 1993;Matsuo et al., 1994〕と密接に一致する。例2:アルツハイマー病、前頭側頭痴呆および/または血管性痴呆の患者でホスホタウ(181)を決定するアッセーにおける、標準化のためのホスホペプチドの使用2.1:患者 研究に含めたのは、FTDの患者18名(年齢範囲:48〜77歳)、ADの患者60名(年齢範囲:可能性がある68〜88歳、蓋然性があるのは58〜90歳)、皮質下動脈硬化性脳症の患者17名(SAE:血管性痴呆の推定される一形態)(年齢範囲:67〜84歳)、PDの患者15各(年齢範囲:59〜82歳)、および対照17名(年齢範囲:68〜80歳)であった。彼らの特徴を、表2に要約する。 研究に含まれた患者は、すべて、FTD、AD、SAE、PDの臨床的診断を受けさせ、痴呆またはPDの患者についての予測的長期研究から、連続的に補充した。臨床的診断を確定し、CSFのサンプリングを実施した。次いで、Institute of Clinical Neuroscience, Sahlgrenska University Hospital, Moelndal、スウェーデン国で神経化学的分析を実施した。精神的疾患の診断および統計マニュアル〔Association AP, 1987〕または生化学的基準に従って、特定されない痴呆(たとえば混合痴呆)、重い精神医学的疾病(たとえば精神分裂病)の病歴、慢性アルコール中毒、明確な非退行性神経学的疾病(たとえば正常圧水頭症)、重い頭部損傷の病歴、重いCNS内感染、全身性疾病(たとえば悪性腫瘍)、および痴呆の二次的原因(たとえば甲状腺機能低下症)を有する患者は、除外した。大規模な脳梗塞および/または多数の空隙を有する患者も除外した。含まれた患者は、すべて、病歴、身体的、神経学的および精神医学的検査、血液のスクリーニング検査室用試験(痴呆のその他の原因、たとえば甲状腺機能低下症を除外するのに妥当な検査室用試験)CSFの定型的分析(たとえば細胞学)、ECG、胸部X線、EEG、脳のコンピュータ化断層撮影(CT)または磁気共鳴造影(MRI)、単一光子放射コンピュータ化断層撮影(SPECT)または133キセノン吸入手法〔Cortexplorer;Risberg & Gustafson, 1983〕を用いた局所的脳血流(CBF)の調査を包含する、臨床的調査を受けた。 FTDは、前記のとおり〔Sjoegren et al., 1997〕、Lund/Manchester基準〔Brun et al., 1994〕に従って診断した。FTD患者は、いずれも、梗塞の徴候が皆無であり、数人のFTD患者に白質の軽い変化が見出されたにすぎない。 「蓋然的AD」の診断は、NINCDS−ADRDAの基準〔McKhann et al., 1984〕に従って、除外によってなされた。AD患者を、NINCDS−ADRDAの基準によって定義されるとおり、蓋然ADの1群、および可能ADの1群に区分した。 SAEについての診断基準は、下記のすべてであった:(a)精神的劣化(主として、非狭窄−情動疾患、および前頭認識機能不全;(b)歩行障害(運動失調および/または運動機能不全);(c)病巣性の神経学的徴候;(d)高血圧および糖尿病のような血管性危険因子、または全身性血管病の存在;(e)MRIまたはCTでの、二側散在性の皮質下−傍室深白質変化(>2mm)、小窩性梗塞、拡大した心室系、および1個所を越える皮質梗塞の不在。基準は、他の研究者〔Bennett et al., 1990〕が示唆したものと矛盾しなかった。SAE患者のうち15名は、皮質梗塞が皆無であり;残余の4名は、1個所の皮質梗塞があった。 PDの診断は、LangstronおよびKoller〔1991a, b〕による勧告に従ってなされた。PD患者は、すべて、運動緩慢、硬直および静止時振戦という三つの特徴のうち少なくとも二つを示し、すべてのPD患者が、L−ドーパ投与に応答性であった。痴呆の何らかの徴候を示したPD患者は、皆無であり、すべて、27以上のミニ精神状態検査(MMSE)〔Folstein et al., 1975〕の評点を有した。 臨床診断は、すべて、生化学的分析の結果を知らない内科医が実施し、その逆もなされた。患者のうち、その時点で痴呆を(たとえばコリンエステラーゼ阻害剤によって)治療していたものは皆無であった。 痴呆を有する患者では、MMSE〔Folstein et al., 1997〕を用いて、痴呆の程度を評価した。 正常な対照、およびPDの患者は、潜在的マーカーの感度および特異性の分析に含めた。 対照群は、精神医学的または神経学的疾患、悪性疾患または全身性障害(たとえばリウマチ様関節炎、伝染病)の病歴、症状もしくは徴候のない個体からなった。MMSEを用いて、その認識状態を評価し、28未満の評点のものは、除外した。 Goeteborg、Lund/MalmoeおよびLinkoeping大学(スウェーデン国)の倫理委員会が、研究を承認した。患者(またはその最近縁の親類)および対照は、すべて、ヘルシンキ宣言の条項に従って実施される研究に参加するための、告知された同意を与えた。2.2:CSF分析 すべての患者および対照に対して、腰椎穿刺をL3/L4またはL4/L5間空で実施した。最初のCSF12mlを、ポリプロピレン管に捕集し、静かに混合して、勾配効果〔Blennow et al., 1993〕を回避した。同時に、血清サンプルを採取した。1μlあたり500を越える赤血球を有するCSFは、すべて、排除した。CSFおよび血清サンプルを、2,000xgで10分間遠心分離して、細胞その他の不溶性物質を除去した。次いで、アリコートを、生化学分析まで−80℃で貯蔵した。 血清およびCSFアルブミンの定量的決定を、比濁分析によって、Behring Nephelometer Analyzer(Behringwerke AG, Marburg、ドイツ国)を用いて実施した。CSF/血清アルブミン比〔Tibbling et al., 1977〕を、〔CSFアルブミン(mg/L)/血清アルブミン(g/L)〕として算出し、血液脳関門(BBB)機能の尺度として用いた。 CSF−タウを、以前に詳述した〔Vandermeeren, et al., 1993b;Blennow et al., 1995〕とおり、総タウ(正常タウおよびPHF−タウの双方)を測定するよう構成した、サンドウィッチELISA(INNOTEST hTau-Ag:Innogenetics, Gent、ベルギー国)を用いて決定した。 ホスホタウ(181)のレベルを、上記のとおり、INNOTESTホスホタウ(181P)によって決定した。2.3:統計的解析 すべての変数は、正規分布し、そのため、影響変数(CSF−タウおよびCSF−ホスホタウ)に関する群比較には、パラメトリック統計学を用いた。完全要因多重分散分析を、それぞれ、従属変数としてCSF−タウおよびCSF−ホスホタウを、共変量として年齢、持続期間、および痴呆の重篤度を、因子として診断カテゴリー(蓋然および可能AD、FTD、PD、SAE、および正常な加齢)を用いて実施した。変動に寄与しない因子は、解析から除外し、再演算を実施した。事後比較は、不等nについてのターキーの事後検定を用いて実施した。 平均年齢は、可能ADと比較したPD(p<0.001)および蓋然AD(p<0.05)で有意に低かった。蓋然ADの患者は、可能ADの患者より有意に痴呆性であった(p<0.05)。CSF/血清アルブミン比(痴呆群についてのみ)および性別に関しては、いかなる患者群または対照群間にも差が見出されなかった(表2)。2.4:痴呆、パーキンソン病、および正常な加齢におけるCSF−総タウおよびCSF−ホスホタウ(181) CSF−タウは、蓋然ADおよび可能ADで、FTD(p<0.001)、PD(p<0.001)、SAE(p<0.001)および対照(p<0.001)と比較して、またFTDで、SAE(p<0.01)と比較して有意に増加した(表3;図4)。 CSF−ホスホタウ(181)は、蓋然ADで、FTD(p<0.001)、PD(p<0.001)、SAE(p<0.001)および対照(p<0.0079)と比較して、また可能ADで、FTD(p<0.001)およびSAE(p<0.001)と比較して有意に増加したが、対照と比較して増加しなかった。さらに、CSF−ホスホタウ(181)は、対照と比較して、FTD(p<0.0001)およびSAE(p<0.0001)でも有意に減少した(表3;図5)。 CSF−タウおよびCSF−ホスホタウ(181)を、それぞれ、すべての診断群で相関させた(蓋然および可能AD:r=0.86、p<0.001;FTD:r=0.66、p<0.01;SAE:r=0.58、p<0.05;PD:r=0.62、p<0.05;対照:r=0.65、p<0.01;図6)。 CSF−ホスホタウ(181)/CSF−総タウ比を算出し、蓋然AD(p<0.001;1.16±0.24)、可能AD(p<0.001;1.10±0.20)およびFTD(p<0.001;0.88±0.34)で、対照(全3群についてp<0.001;1.95±0.60)、PD(全3群についてp<0.001;1.92±0.42)およびSAE(全3群についてp<0.001;1.96±1.08)と比較して、有意に減少していることが見出された。例3:急性虚血性卒中の患者と比較してのアルツハイマー病の患者におけるCSF−ホスホタウ(181)およびCSF−総タウレベルの決定3.1:患者 CSF−総タウおよびCSF−ホスホタウ(181)を、急性虚血性の患者22名(男子16名、女子6名、平均年齢±SD:65.7±9.2歳)からの長期的CSFサンプルで検査した。患者は、すべて、以前に記載されたとおり〔Tarkowski et al., 1999〕、標準化された方法で評価した。可能なときは、CSFサンプルを、5回の機会に捕集した:入来から0〜1日(n=9)、2〜3日(n=18)、7〜9日(n=22)、3週(n=21)、および3〜5ヶ月(n=21)。 また、蓋然ADの患者54名(男子25名、女子29名、平均年齢±SD:73.3±7.4歳)、および健康な対照17名(男子4名、女子13名、平均年齢±SD:68.6±7.5歳)を調べた。平均年齢は、対照群よりADで有意に(p<0.05)に高かった。「蓋然AD」の診断は、NINCDS−ADRDAの基準〔McKhann et al., 1984〕に従って、除外によって下した。臨床的評価および診断手順は、別途詳述されている〔Andreasen et al., 1998, 1999〕。痴呆の程度は、MMSE〔Folstein, 1975〕を用いて評価し、AD群で23.8±4.4であった。対照群は、精神医学的または神経学的疾患、悪性疾患または全身性障害の病歴、症状もしくは徴候のない個体からなった。28未満のMMSE評点の個体は、除外した。臨床診断は、すべて、生化学的分析の結果を知らずに実施され、その逆もなされた。 卒中の患者を、発作の約1ヶ月後に、以前に詳述されたとおり〔Tarkowski et al., 1999〕、コンピュータ化断層撮影(CT)および磁気共鳴造影(MRI)によって検査した。大きさ(cm2で表す)をCTによって、また体積(mlで表す)をMRTによって決定した。 3またはそれ以上の群間の比較には、Kruskal-Wallis試験を、また有意ならば、2群間の比較にMann-WhitneyのU検定を用いた。補正には、Spearman相関係数を用いた。 GoeteborgおよびUmea大学の倫理委員会が、研究を承認した。患者(またはその最近縁の親類)および対照は、すべて、ヘルシンキ宣言の条項に従って実施される研究に参加するための、告知された同意を与えた。3.2:CSF分析 腰椎穿刺をL3/L4またはL4/L5間空で実施した。最初のCSF12mlを、ポリプロピレン管に捕集し、静かに混合して、場合による勾配効果を回避した〔Blennow, 1993〕。1μlあたり500を越える赤血球を有する、CSFサンプルを排除した。CSFサンプルを、2,000xgで10分間遠心分離して、細胞その他の不溶性物質を除去し、次いで、生化学分析まで−80℃で貯蔵した。 CSF−タウのレベルを、以前に詳述した〔Vandermeeren, et al., 1993b;Blennow et al., 1995〕とおり、総タウ(正常タウおよびPHF−タウの双方)を測定するよう構成した、サンドウィッチELISA(INNOTEST hTau-Ag:Innogenetics, Gent、ベルギー国)を用いて決定した。CSF−ホスホタウ(181)のレベルを、上記のとおり、INNOTESTホスホタウ(181P)によって決定した。3.3:アルツハイマー病の患者、および卒中の患者におけるCSF−ホスホタウ(181)およびCSF−総タウ 卒中患者では、CSF−総タウは、急性発作の2〜3日後に(24.4±7.4pM;p=0.002)、0〜1日(平均年齢±SD:5.4±1.2pM)と比較して顕著な増加を示し、7〜9日(24.1±4.3pM;p<0.0001)、および3週間後(25.0±4.1pM;p<0.0001)には上昇したままであり、次いで、3〜5ヶ月後(8.5±1.2pM;p=0.35)に正常レベルに復帰した(図8)。基線で採取したCSFサンプルによる患者9名についての、CSF−総タウについての個々の値を図9に示す。 対照的に、CSF−ホスホタウ(181)では、基線(平均±SEM:9.1±3.1pM)と、2〜3日(10.9±1.0pM)、7〜9日(13.0±2.1pM)、3週間(11.5±2.0pM)または3〜5ヶ月(10.6±2.0pM)との間に有意差はなかった(図8)。基線で採取したCSFサンプルによる患者9名についての、CSF−ホスホタウ(181)についての個々の値を図9に示す。 CSF−総タウは、蓋然AD(平均±SD:14.4±5.5pM)では、対照(8.3±2.8pM)(p<0.0001)と比較して有意に増加した。CSF−ホスホタウ(181)も、蓋然AD(20.5±6.5pM)では、対照(15.9±5.7pM)(p<0.05)と比較して有意に増加した。 CSF−総タウおよびCSF−ホスホタウ(181)には、AD群(r=0.93、p<0.0001)および対照群(r=0.72、p<0.01)で正の相関関係がある(図10)。卒中群では、この相関関係は、0〜1日(r=0.63、p<0.001)および3ヶ月後(r=0.80)の方が、2〜3日(r=0.54)、7〜9日(r=0.58)、特に3週間後(r=0.15)より強かった。 図10から、アルツハイマー病患者についてのCSF−ホスホタウ(181)/CSF−総タウの比率の間には、卒中患者と比較して差があることは、明らかである。アルツハイマー病患者(y=0.82±4.39、r=0.90、p<0.0001)、および卒中患者(y=0.17±8.09、r=0.415、p<0.0001)から得られた値についての回帰分析は、有意な差(p<0.001)を示した。 CTによって測定した限りでの梗塞の大きさと、CSF−総タウの最高レベルとの間には、正の相関関係があった(r=0.72;p<0.01)が、CSF−ホスホタウ(181)との相関は、有意ではなかった(r=0.349)。MRIによって測定した限りでの梗塞の体積と、CSF−総タウの最大値と間にも、正の相関関係があった(r=0.66;p<0.05)が、CSF−ホスホタウ(181)との相関関係は、有意ではなかった(r=0.59)。 重複する合成ペプチド上のタウ抗体、HT7、タウ1、BT2、AT120およびAT270の精密マッピングを示す図である。免疫反応性ペプチドのみを示す。A:ピン上で合成されたペプチド上のマッピング。8アミノ酸が重複する48のノナペプチドを用いて、155〜208のタウ領域を網羅した。B:紙上でのペプチド合成。12アミノ酸長の重複する16ペプチドが、領域202〜232のAT120エピトープを画定する。C:領域166〜196を網羅するビオチニル化ホスホペプチド(リン酸化されたトレオニンを示す)上のAT270抗体のマッピング。 合成ホスホペプチドのスクリーニングによって画定された限りでの、ホスホ−Thr181に対するAT270の特異性を示すグラフである。1μg/mlの濃度のストレプトアビジンで被覆したプレート上に、ビオチニル化ホスホペプチドを捕捉した。AT270は、ペルオキシダーゼとカップリングさせた二次抗体を介して検出した。ペプチドの配列を、表1に示す。 HT7−AT270アッセーによって決定したホスホタウレベルと、総タウレベル(AT270−(HT7−BT2)アッセイ)との関係を示すグラフである。いくつかのPHF−タウプレパラートを異なる希釈で検定した。数字は、PHF−夕ウプレパラートの約0.5のOD450に相当する希釈からの、異なる2枚のプレート上で二重に検定したとおりの生のデータを示す。グラフ上の棒は、標準偏差である。PHF−A〜Dは、アルツハイマー病の脳の前頭側頭皮質に由来し、PHF−Eは、海馬領域から調製した。 前頭側頭痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー病および皮質下動脈硬化性脳症におけるCSF−総タウの散乱プロットを示すグラフである。 前頭側頭痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー病および皮質下動脈硬化性脳症におけるCSF−ホスホタウ(181)の散乱プロットを示すグラフである。 CSF−総タウとCSF−ホスホタウ(181)との、研究でのすべての個体を包含する相関関係のプロットを示すグラフである。 前頭側頭痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー病および皮質下動脈硬化性脳症の患者からのCSF中のホスホタウ(181)/総タウ比の散乱プロットを示すグラフである。 急性卒中後の異なる時点でのCSF−総タウ(左)およびCSF−ホスホタウ(181)(右)を示すグラフである。柱は平均値であり、棒はSDである。異なる時点でのサンプル数:0〜1日:n=9、2〜3日:n=18、7〜9日:n=22、3週:n=21、3〜5月:n=21。0〜1日と比較した有意度;CSF−タウについては、2〜3日:p=0.002、7〜9日:p<0.0001、3週:p<0.0001、3〜5月:p=0.035、CSF−ホスホタウについては、0〜1日と比較していかなる時点でも有意差はなかった。 1日目にCSFサンプルを採取した患者9名についての、異なる時点でのCSF−総タウ(左)およびCSF−ホスホタウ(181)(右)の個々の値を示すグラフである。 アルツハイマー病の患者(n=54)、および対照(n=17)(左)、ならびに急性卒中の患者(n=22、サンプル数=91)(右)におけるCSF−総タウとCSF−ホスホタウ(181)との相関関係を示すグラフである。 個体におけるタウオパチーをin vitroで検出する方法であって、・該個体から得られたサンプルにおけるホスホタウ(181)/総タウの比率を決定する工程を含み、 ここで、得られた該サンプルにおけるホスホタウ(181)/総タウの比率を、対照個体から得られたサンプルにおけるホスホタウ(181)/総タウの比率と比較することによって該個体がタウオパチーに罹患していることが推論され、対照個体から得られたサンプルにおける該比率と比較したホスホタウ(181)/総タウの比率の変化が指標となる、方法。 個体における非タウオパチーと対比してのタウオパチーを鑑別in vitro検出する方法であって、・該個体から得られたサンプルにおけるホスホタウ(181)/総タウの比率を決定する工程を含み、 ここで、得られた該サンプルにおけるホスホタウ(181)/総タウの比率を、非タウオパチーに罹患している個体から得られたサンプルにおけるホスホタウ(181)/総タウの比率とか、または対照個体から得られたサンプルにおけるホスホタウ(181)/総タウの比率と比較することによって該個体がタウオパチーに罹患していることが推論され、非タウオパチーに罹患している個体から得られたサンプル、または対照個体から得られたサンプルにおける該比率と比較したホスホタウ(181)/総タウの比率の変化が指標となる、方法。 該非タウオパチーが、非タウオパチー神経変性である、請求項2に記載の方法。 該非タウオパチーが、血管性痴呆、クロイツフェルト−ヤコブ病、卒中、および/または白血病の患者における神経毒性である、請求項2又は3に記載の方法。 タウオパチーが、アルツハイマー病、ピック病、散発性前頭側頭痴呆、および/または第17染色体関連パーキンソン病による前頭側頭痴呆である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 ・該個体から得られた脳脊髄液(CSF)サンプル中のホスホタウ(181)/総タウの比率を決定する工程を含み、 ここで、得られた該脳脊髄液サンプルにおけるホスホタウ(181)/総タウの比率を、非タウオパチーに罹患している個体からのCSF中のホスホタウ(181)/総タウの比率とか、または対照個体からのCSF中のホスホタウ(181)/総タウの比率と比較することによって該個体がタウオパチーに罹患していることが推論され、非タウオパチーに罹患している個体からのCSF、または対照個体からのCSFにおける該比率と比較したホスホタウ(181)/総タウの比率の変化が指標となる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。 モノクローナル抗体HT7およびモノクローナル抗体AT270との免疫学的複合体を容易に形成する15〜100アミノ酸のホスホペプチドであって、少なくとも、・HT7の最小エピトープ:PPGQK(配列番号1);および・AT270の最小エピトープ:PPAPKT(p)P(配列番号2)を含むホスホペプチドを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法におけるホスホタウ(181)のレベルを測定するための組成物。 該ホスホペプチドが、下記の配列: PRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKT(p)PPSSGE(配列番号:3)または依然としてHT7およびAT270モノクローナル抗体に結合するという条件での変異配列を含む、請求項7記載の組成物。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法におけるホスホタウ(181)のレベルを測定する方法における請求項7又は8に記載のホスホペプチドの使用。 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法における、タウオパチーのin vitro検出、および/または非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別in vitro検出のための請求項7又は8に記載のホスホペプチドの使用。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法におけるホスホタウ(181)のレベルを測定するための検出キットの製造のための請求項7又は8に記載のホスホペプチドの使用。 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法における、タウオパチーのin vitro検出、および/または非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別in vitro検出のための検出キットの製造のための請求項7又は8に記載のホスホペプチドの使用。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法における個体におけるタウオパチーのin vitro検出、および/または非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別in vitro検出のための検出キットであって、少なくとも:・ホスホタウ(181)を特異的に認識する抗体と;・総タウを認識する抗体とを含む検出キット。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法における個体におけるタウオパチーのin vitro検出、および/または非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別in vitro検出のために、ホスホタウ(181)のレベルを測定するための検出キットであって、少なくとも請求項7又は8に記載のホスホペプチドを含む検出キット。 少なくとも:・ホスホタウ(181)を特異的に認識する抗体と;・総タウを認識する抗体と;・請求項7又は8に記載のホスホペプチドとを含む請求項13又は14に記載の検出キット。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法におけるタウオパチーのin vitro検出、および/または非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別in vitro検出のための請求項13〜15のいずれか一項に記載の検出キットの使用。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法におけるアルツハイマー病、ピック病、散発性前頭側頭痴呆および/または第17染色体連関パーキンソン病による前頭側頭痴呆のin vitro検出のため、および/または血管性痴呆、クロイツフェルト−ヤコブ病、卒中および/または白血病の患者における神経毒性と対比してのアルツハイマー病、ピック病、散発性前頭側頭痴呆および/または第17染色体連関パーキンソン病による前頭側頭痴呆の鑑別in vitro検出のための請求項13〜15のいずれか一項に記載の検出キットの使用。 薬物の試験もしくはスクリーニングのための、治療上の追跡のためのデータを収集するための、および/または一定の処置の有効性の決定のためのデータを収集するための請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法、請求項7又は8に記載の組成物、又は請求項13〜15のいずれか1項に記載の検出キットの使用。 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法における、総タウを認識する抗体およびホスホタウ(181)を特異的に認識する抗体の使用。 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法における、タウオパチーのin vitro検出、および/または非タウオパチーと対比してのタウオパチーの鑑別in vitro検出のための検出キットの製造のための、総タウを認識する抗体およびホスホタウ(181)を特異的に認識する抗体の使用。配列表


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