生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_脂肪性浮腫の徴候を低減又は予防するための化粧品組成物
出願番号:1996035020
年次:2006
IPC分類:A61K 8/55,A61Q 19/06


特許情報キャッシュ

アレクサンダー・ポール・ズナイデン マイケル・チヤールズ・チエネイ クレイグ・ステイーブン・スラブチエフ シユク・ヤン・チヨウ JP 3794747 特許公報(B2) 20060421 1996035020 19960222 脂肪性浮腫の徴候を低減又は予防するための化粧品組成物 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 590003065 川口 義雄 100062007 中村 至 100080403 船山 武 100094776 アレクサンダー・ポール・ズナイデン マイケル・チヤールズ・チエネイ クレイグ・ステイーブン・スラブチエフ シユク・ヤン・チヨウ US 393977 19950224 20060712 A61K 8/55 20060101AFI20060622BHJP A61Q 19/06 20060101ALI20060622BHJP JPA61K8/55A61Q19/06 A61K 8/55 A61Q 19/06 CA(STN) MEDLINE(STN) JICSTファイル(JOIS) 特開平02−142732(JP,A) 特開平05−221842(JP,A) 特開平03−170430(JP,A) 特開昭57−149215(JP,A) 特開平05−252905(JP,A) 特開昭62−056411(JP,A) 特開昭50−135236(JP,A) 特開平06−279258(JP,A) 特開平05−262636(JP,A) 特開平03−074318(JP,A) 4 1996253406 19961001 13 20021220 天野 貴子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪性浮腫(cellulite)の徴候を低減又は防止するための方法に係わる。【0002】【従来の技術】近年、皮膚の外観を改善する化粧品組成物が消費者に人気がある。現在、脂肪性浮腫の出現、即ち、その外部への現れ又は徴候を低減させる化粧品組成物が求められている。【0003】脂肪性浮腫とは、女性の身体の特定の区域(特にヒップ、大腿、臀部)における皮膚のでこぼこした組織(texture)を表現する一般的用語である。脂肪性浮腫は多くの女性に認められ、全女性人口の50%から80%に及ぶと推定されている。通常のアンドロゲンレベルを有する男性には、脂肪性浮腫は殆ど見られない。平均体重指数よりも低い体重指数を有する女性にも脂肪性浮腫は容易に認められるが、脂肪性浮腫の度合いが肥満の程度に応じて悪化する傾向があるばかりでなく、同様に、閉経後の女性における脂肪性浮腫の低減が報告されてはいるが、脂肪性浮腫の度合いが年齢の増加に応じて悪化する傾向もある。【0004】閉経前の女性は、主として臀部/大腿区域に皮下脂肪を貯える傾向があり、こうした区域では脂肪性浮腫が出現することが多い。閉経後のアンドロゲンレベルの増大の結果、脂肪貯蔵パターンに急激に移行する。脂肪は腹部の内臓及び皮下の蓄積所に貯えられるが、これは男性の脂肪貯蔵パターンに類似しており、このことは閉経後の女性の脂肪性浮腫症状の減少を意味する。トリグリセリドは、毛細血管に富む小葉(lobule)に集まった個々の脂肪細胞の中に貯えられる。結合組織の薄い垂直の隔壁が、小葉を区分すると共に、上に位置する皮下組織を、その下に位置する筋肉に結合している。【0005】脂肪性浮腫の凸凹な外観は、脂肪組織に対する外向きの力(例えば、筋肉の屈曲によって生じる局所的な外向きの圧力、又は、重力による引力)による上記小葉の変形の結果生じるものである。こうした小葉は大きく(幅1cm以下)、その上に位置する真皮の中に容易に突き出し、目に見える、脂肪性浮腫として現れる皮膚表面の変形を生じさせる。上記の外向きの力と同じ方向に結合組織の隔壁が延びているので、こうした隔壁が、脂肪による変形を妨げる対抗力を真皮中にもたらすことは不可能である。【0006】脂肪細胞内の正味の脂肪貯蔵又は脂肪除去は、乳状脂粒によって血液中を循環する食物トリグリセリドの取り込みと、後続のエネルギーに使用するための脂肪細胞中の蓄積トリグリセリドの分解および遊離脂肪酸の除去との間のバランスに応じて決まる。ホルモン感受性リパーゼ(HSL)が活性化される時に、脂肪分解(脂肪細胞中でのトリグリセリドの分解)が行われる。HSLの活性化のためには、cAMP(サイクリックアデノシン一リン酸)依存性プロテインキナーゼによるリン酸化が必要である。従って、cAMPレベルは脂肪分解を律速する。cAMPの正味レベルは、アデニル酸シクラーゼによるアデノシン三リン酸からのcAMPの酵素合成と、ホスホジエステラーゼによるcAMPの分解との間のバランスの結果である。脂肪細胞はβレセプターとα2 レセプターの両方を発現させ、これらのレセプターはそれぞれアデニル酸シクラーゼを活性化及び不活性化する。【0007】脂肪性浮腫の治療の多くは、主たる作用モードとして脂肪分解に焦点を当てている。Soudantら(米国特許第5,194,259号)は、理論的には脂肪分解を刺激するα2 遮断薬を使用する抗脂肪性浮腫組成物を教示している。幾つかの特許では、キサンチン(例えば、カフェインと誘導体)をホスホジエステラーゼ阻害剤として使用することが開示されている(フランス特許第2,499,405号、同第2,554,344号、Marissalらの米国特許第4,684,522号、Treboseらの米国特許第5,030,451号)。残念ながら、こうした薬剤は、恐らくはその有効性の低さの故に、商業的にはさほど成功していない。上記の特許文献はいずれも、皮膚の表皮層と真皮層の強度と緻密性を増大させて、その後、該層の下に位置する組織に対する保持力を増大させることによって脂肪性浮腫の出現を低減させる方法を想定してはいない。むしろ、抗脂肪性浮腫関連の上記の特許文献はいずれも、脂肪分解による脂肪性浮腫の処置に焦点を当てている。【0008】多くの文献が、イノシトールリン酸の有益な化学的作用について論じている。こうした文献の大半は、このイノシトールリン酸の経口的摂取を含む医療的側面に焦点を当てている。例えば、米国特許第5,051,411号(Siren)は、鉛、水銀、ニッケル、クロムといった有毒な金属を摂取した場合に、こうした金属に基づく疾病を防止又は軽減するように、これらの金属の有害作用を減少させる目的でイノシトールリン酸を使用することを開示している。この特許文献に示されている典型的な疾病は、免疫不全、高血圧、皮膚炎である。これに関連した開示内容が、組織の損傷を防止又は軽減することに係わる米国特許第5,015,643号(Siren)と、関節炎のような炎症性の病状を治療することに係わる米国特許第5,019,566号(Siren)とに示されている。米国特許第5,023,248号(Siren)は、イノシトール三リン酸の投与による糖尿病又はその合併症の治療のための方法を開示している。【0009】米国特許第5,082,833号(Shamsuddin)は、イノシトールリン酸を使用する治療によって細胞分裂速度を抑制するための方法を開示している。治療対象の疾病は、白血病、AIDS、真菌又は原虫による感染症である。【0010】米国特許第5,059,594号(Sawaiら)は、尿香と体臭の除去、解毒、糖尿病と高脂血症の治療、赤血球屈曲性と記憶障害の治療、脂肪細胞の増殖の阻害を意図した、組成物中でのフィチン酸と第二鉄イオンとの使用を開示している。【0011】こうした文献の中には、僅かな例ではあるが、化粧品分野におけるイノシトールリン酸(例えば、フィチン酸)の使用を示唆しているものある。例えば、米国特許第5,116,605号(Alt)は、男性のパターン禿(patternbaldness)とテストステロン誘発性アクネの軽減のための組成物の中に他の様々な物質とともにフィチン酸を混和することを開示している。米国特許第5,268,176号(Znaidenら)は、クモ状血管腫(spidervein)として一般に知られている皮膚疾患である毛細血管拡張症の局所的治療にフィチン酸を使用することを開示している。DE 4 242 876(Beiersdorf)は、抗酸化剤として、クエン酸、ビオチン、フィチン酸を含む化粧品組成物を開示する。デンタルケア製品としてのフィチン酸の使用に係わる開示内容も非常に多く、最近のものでは米国特許第5,300,289号(Garlichら)がある。【0012】イノシトールリン酸が広範囲の医学的治療に有効であるということが上記から明らかであるが、イノシトールリン酸の化粧品活性に関する認識は、未だに発展途上にある。【0013】【発明が解決しようとする課題】本発明は、医薬上許容可能な担体中のイノシトールリン酸を皮膚表面上に塗布することを含む、脂肪性浮腫の徴候を低減又は予防するための薬剤の製造にイノシトールリン酸を使用することに係わる。【0014】【課題を解決するための手段】真皮層と表皮層の強度と緻密性(firmness)を増大させて脂肪性浮腫の徴候を予防又は低減させるためにイノシトールリン酸が有効であることが、今回知見された。【0015】従って、本発明の方法は、イノシトール一リン酸、二リン酸、三リン酸、四リン酸、五リン酸、六リン酸の何れか1つ又はこれらの組み合わせであることが可能なイノシトールのリン酸エステル誘導体を必要とする。イノシトールは、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロキシシクロヘキサンと、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキソールとしても知られている。最も好ましいものは、フィチン酸としても知られるイノシトール六リン酸である。例えば、フィチン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、C2 −C12アルカノールアンモニウム塩から成る群から選択されるフィチン酸の水溶性塩のような、フィチン酸塩も適している。こうしたリン酸エステル塩に関する更に詳細な説明については、本明細書に参考として組み入れる米国特許第5,051,411号を参照されたい。こうしたリン酸エステル塩の量は、組成物の全重量の約0.5重量%から約30重量%の範囲内であってよく、好ましくは約0.75重量%から約15重量%の範囲内であり、最適には約0.75重量%から約12重量%の範囲内である。【0016】本発明の組成物は、上記イノシトールリン酸のための化粧品上許容可能な担体を含むことも可能である。この担体の量は、組成物の全重量の約60重量%から約99.9重量%の範囲内であり、好ましくは約80重量%から99.5重量%の範囲内である。化粧品上許容可能な担体には、皮膚軟化剤、界面活性剤、湿潤剤、粉剤、水を含む。【0017】本発明の好ましい実施様態では、化粧品上許容可能なビヒクルは、水、又は、水/溶媒混合物のどちらかから成る。溶媒は、プロピレングリコール、エタノール、ブチレングリコール、様々な分子量のポリエチレングリコールの中から最適なものを選択する。【0018】水以外のビヒクルは、液体又は固体の皮膚軟化剤、溶媒、湿潤剤、増粘剤、粉剤を含む。特に好ましい非水性担体は、ポリジメチルシロキサン及び/又はポリジメチルフェニルシロキサンである。本発明のシリコーンは、25℃において約10センチストークから10,000,000センチストークの範囲内の粘度を有するシリコーンである。特に、低粘度シリコーンと高粘度シリコーンとの混合物が望ましい。これらのシリコーンは、General Electric Companyから商標「Vicasil」、「SE」、「SF」の製品として入手可能であり、Dow Corning Companyから「200 Series」と「550 Series」として入手可能である。本発明の組成物において使用可能なシリコーンの量は、組成物の全重量の5重量%から95重量%の範囲内であり、好ましくは25重量%から90重量%の範囲内である。【0019】上記の化粧品上許容可能なビヒクルは、その乳剤の全重量に基づいて、一般的には5重量%から99.9重量%の範囲内であり、好ましくは25重量%から80重量%であり、他の化粧品用補助剤を含まずに、組成物の残部を形成することが可能である。【0020】【発明の実施の形態】任意成分としての皮膚有益材料と化粧品補助剤本発明による好ましい方法では、キサンチンを、イノシトールリン酸と共に、脂肪性浮腫に冒された皮膚に対して使用する。本明細書で使用される用語「キサンチン」は、次の化合物を含む。【0021】キサンチン(C5 H4 O2 N4 )、1,3−ジメチルキサンチン(一般的には「テオフィリン」として知られている)、3,7−ジメチルキサンチン(一般的には「テオブロミン」として知られている)、トリメチルキサンチン(一般的には「カフェイン」として知られている)、アロキサンチン、パラキサンチン、ヘテロキサンチン、上記化合物の塩(例えばテオフィリンのエチレンジアミン塩)、及び、これらの混合物。【0022】本発明による方法で使用する好ましい化合物は、その入手容易性と最適な有効性とのために、カフェイン及び/又はテオフィリンである。【0023】本発明の方法に使用する上記キサンチンの量は、組成物の全重量の少なくとも0.05重量%であり、一般的には0.05重量%から20重量%であり、好ましくは0.10重量%から10重量%であり、最適のコストで最大の有効性を得るためには0.5重量%から3.0重量%であることが最適である。【0024】本発明で使用する別の好ましい成分はα−ヒドロキシ酸である。このα−ヒドロキシ酸の存在は、皮膚の真皮層と表皮層の強度と緻密性の増大を容易にする。このα−ヒドロキシ酸は次式の構造を有し、R2 CHOHCOOR1前式中でR1 とR2 とがH、又は、1個から20個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝状もしくは環状のアルキル、アリールアルキルもしくはアリールであり、これに加えてR2 が、OH、CHO、COOH、1個から9個の炭素原子を有するアルコキシ基を有することも可能である。【0025】R1 とR2 に適した典型的なアルキル基、アラルキル基、アリール基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、ラウリル、ステアリル、ベンジル、フェニル等を含む。【0026】適したα−ヒドロキシ酸の例は、α−ヒドロキシ酢酸(「グリコール酸」としても知られている)、α−ヒドロキシベンゼン酢酸(「マンデル酸」としても知られている)、α−ヒドロキシプロピオン酸(「乳酸」としても知られている)、α−ヒドロキシブタン酸、α−ヒドロキシヘキサン酸、α−ヒドロキシオクタン酸(「α−ヒドロキシカプリル酸」としても知られている)、α−ヒドロキシノナン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシウンデカン酸、α−ヒドロキシドデカン酸(「α−ヒドロキシラウリン酸」としても知られている)、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシジカルボン酸、ジヒドロキシブタン二酸(酒石酸)、2−ヒドロキシブタン二酸(リンゴ酸)、2−ヒドロキシプロパン二酸、2−ヒドロキシヘキサン二酸、2−ヒドロキシオクタン二酸、2−ヒドロキシデカン二酸、2−ヒドロキシドデカン二酸、2−ヒドロキシミリスチン二酸、2−ヒドロキシパルミチン二酸、α−ヒドロキシトリカルボン酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)、1−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(イソクエン酸)、及び、これらの混合物を非限定的に含む。【0027】α−ヒドロキシ酸の塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩)も、用語「α−ヒドロキシ酸」に含まれることが意図されている。組成物のpHに応じて、上記塩と上記酸との混合物も含まれる。【0028】皮膚への浸透性と有効性とを改善するためには、上記α−ヒドロキシ酸がモノカルボン酸であることが好ましい。【0029】経皮吸収を増大させることによって組成物の有効性を最適化するためには、上記ヒドロキシ酸が、乳酸、グリコール酸、マンデル酸、及び、これらの混合物から選択されることが更に好ましい。本発明の最も好ましい実施態様では、ヒドロキシ酸の効果を最大化するために、本発明の組成物はα−ヒドロキシ酸のL−形を含む。【0030】本発明による組成物中に含まれるα−ヒドロキシ酸成分の量が、この組成物の全重量の1.5重量%から20重量%であることが好ましく、1.5重量%から15重量%であることが更に好ましく、3.0重量%から12.0重量%であることが最も好ましい。【0031】主として使用乳化剤の平均親水性親油性バランス(HLB)に応じて油中水型乳剤又は水中油型乳剤のどちらかが得られるように、油又は油性材料を乳化剤と共に上記組成物中に含むことも可能である。【0032】本発明の方法では、様々なタイプの活性成分を使用することが可能である。活性成分とは、組成物の物理的特性を単に改善するだけの成分や皮膚軟化剤とは異なる、皮膚有益薬剤と定義される。こうした活性成分の一般的な例は、遮光剤、日焼け剤(tanning agent)、皮膚皺防止剤(skin anti−wrinkling agent)、抗炎症剤、スキンライトナー(skinlightener)、モイスチャライザー(moisturizer)を非限定的に含む。【0033】遮光剤は、紫外光線を遮断するために一般的に使用される材料である。こうした化合物の例は、PABAの誘導体とケイ皮酸エステルである。例えば、オクチルメトキシシンナメートと2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾンとしても知られている)を使用することが可能である。オクチルメトキシシンナメートと2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンは、各々商標「Parsol MCX」、商標「Benzophenone−3」の名称の市販製品として入手することが可能である。上記乳剤で使用する遮光剤の正確な量を、太陽のUV放射に対して必要とされる保護の度合いに応じて変化させることが可能である。【0034】適切な抗炎症薬化合物は、非限定的に、ロスマリン酸(rosmarinicacid)、グリシリジネート(glycyrrizinate)誘導体、アルファビサボロール(alpha bisabolol)、アズレンとその誘導体、アシアチコシド(asiaticoside)、セリコシド(sericoside)、ルスコゲニン(ruscogenin)、エスシン(escin)、エスコリン(escolin)、クエルセチン(quercetin)、ルチン(rutin)、ベツリン酸とその誘導体、カテキンとその誘導体を含む。【0035】適切な血管作用性化合物は、非限定的に、パパベリン、ヨヒンビン、ビスナジン(visnadin)、ケリン、ベベリン(bebellin)、ニコチン酸誘導体を含む。【0036】適切なスキンホワイトニング(skin whitening)化合物は、非限定的に、フェルラ酸、及び/又は、コウジ酸を含む。【0037】抗皺化合物(anti−wrinkling compound)は、非限定的に、α−ヒドロキシ酸、レチノールとその誘導体、トコフェノールとその誘導体、サリチレートとその誘導体を含む。【0038】乳化剤とも呼ばれることもある界面活性剤を本発明の化粧品組成物中に混和することも可能である。界面活性剤は、組成物の全重量の約0.5重量%から約30重量%の範囲内であり、好ましくは約1重量%から約15重量%の範囲内である。界面活性剤はカチオン性、非イオン性、アニオン性、両性のいずれであってもよく、これらの組み合わせを使用することも可能である。【0039】非イオン性界面活性剤の例は、脂肪アルコール、脂肪酸、ソルビタンを主成分とするアルコキシル化化合物である。こうした材料は、例えば、Shell Chemical Companyから「Neodol」の商品名で入手可能である。BASF Corporationが販売する商標「Pluronic」の製品として入手可能なポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのコポリマーも、場合によっては使用可能である。同様にHenkel Corporationから入手可能なアルキルポリグリコシドを、本発明のために使用することも可能である。【0040】アニオンタイプの界面活性剤は、脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホネート、モノおよび/又はジアルキルホスフェート、脂肪アシルイセチオン酸ナトリウムを含む。【0041】両性界面活性剤は、ジアルキルアミンオキシドや様々なタイプのベタイン(例えば、ココアミドプロピルベタイン)のような材料を含む。【0042】皮膚軟化剤を本発明の化粧品組成物の中に混和する場合が多い。こうした皮膚軟化剤の含量は、組成物の全重量の約0.5重量%から約50重量%の範囲内であり、好ましくは約5重量%から30重量%の範囲内である。皮膚軟化剤は、エステル、脂肪酸、脂肪アルコール、多価アルコール、炭化水素のような一般的な化学的カテゴリーによって分類される。【0043】エステルは、モノエステルでもジエステルでもよい。使用可能な脂肪ジエステルの例は、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、ジイソプロピルジメレート、コハク酸ジオクチルを含む。使用可能な分枝鎖脂肪エステルは、ミリスチン酸2−エチル−ヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリルを含む。使用可能な三塩基酸エステルは、三リノール酸トリイソプロピルとクエン酸トリラウリルを含む。使用可能な直鎖脂肪エステルは、パルミチン酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイルユウルケート(oleyl eurcate)、オレイン酸ステアリルを含む。好ましいエステルは、ココ−カプリレート/カプレート(ココ−カプリレートとココ−カプレートとのブレンド)、プロピレングリコールミリスチルエーテルアセテート、アジピン酸ジイソプロピル、オクタン酸セチルを含む。【0044】適切な脂肪アルコールと脂肪酸は、10個から20個の炭素原子を有する化合物を含む。特に好ましい化合物は、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、セチル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸のような化合物を含む。【0045】皮膚軟化剤として使用可能な多価アルコールの中には、直鎖及び分枝鎖アルキルポリヒドロキシル化合物が含まれる。例えば、プロピレングリコール、ソルビトール、グリセリンが好ましい。ポリプロピレングリコールやポリエチレングリコールのようなポリマー多価アルコールも使用可能である。ブチレングリコールとプロピレングリコールは浸透促進剤として特に好ましい。【0046】皮膚軟化剤として使用可能な炭化水素の例は、12個から30個の炭素原子を有する炭化水素である。具体例としては、鉱油、ペトロラタム、スクアレン、イソパラフィンを含む。【0047】本発明の化粧品組成物中の別の種類の機能成分は増粘剤である。増粘剤の量は、一般的には組成物の全重量の0.1重量%から20重量%の範囲内であり、好ましくは約0.5重量%から10重量%である。増粘剤の例は、B.F.Goodrich Companyから商標「Carbopol」として入手可能な架橋ポリアクリレート材料である。キサンタンガム、カラギーナン、ゼラチン、カラヤガム、ペクチン、イナゴマメガムのようなガム質を使用することが可能である。場合に応じて、シリコーン又は皮膚軟化剤としても働く材料によって増粘効果をもたらすことも可能である。例えば、10センチストークを超える粘度を有するシリコーンガムと、ステアリル酸グリセロールのようなエステルは、こうした二重の機能を有する。例えばヒドロキシプロピルセルロース(Klucel HI(登録商標))のようなセルロース誘導体も使用可能である。【0048】多くの化粧品組成物(特に水を含む化粧品組成物)は、潜在的に有害な微生物の増殖から保護されなければならない。従って防腐剤が必要である。適切な防腐剤は、p−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、様々な第四級アンモニウム化合物であってよい。【0049】本発明の化粧品組成物における特に好ましい防腐剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロキシ酢酸ナトリウム、ベンジルアルコールである。防腐剤は、一般に組成物の全重量の約0.5重量%から2重量%の量で使用する。【0050】本発明による化粧品組成物の中に粉剤を混和することも可能である。こうした粉剤は、チョーク、タルク、酸性白土、カオリン、デンプン、スメクタイトクレー、化学改変ケイ酸アルミニウムマグネシウム、有機改変モンモリロナイトクレー、水和ケイ酸アルミニウム、フュームドシリカ(fumed silica)、アルミニウムデンプンオクテニルスクシネート、及び、これらの混合物を含む他の補助的な少量成分も、本発明の化粧品組成物中に混和することが可能である。こうした成分は、着色剤、乳白剤、香料を含む。こうした材料の量は組成物の全重量の0.001重量%から20重量%の範囲内であり得る。【0051】本発明に使用する組成物のpHが5.5以下であることが好ましく、本発明の方法の結果として得られる効果を最大化するためには1.5から5.5の範囲内であることが好ましい。【0052】本発明の方法は、脂肪性浮腫の出現を低減又は予防することと、皮膚の緻密性と弾性を改善することと、一般的には皮膚の品質と柔軟性を改善することとのために有効である。【0053】次に示す実施例は本発明の実施様態を更に詳細に示すが、本発明を限定するものではない。尚、これらの実施例と特許請求の範囲で示す割合とパーセンテージは、特に明記しない限り、重量に基づくものである。【0054】【実施例】実施例1主要なマトリックス皮膚タンパク質であるコラーゲンは、皮膚に引張強さを与えることが知られている。コラーゲンが年齢の増加とUV露光とに応じて著しく減少することが知られている。こうしたタンパク質の構造的劣化又は崩壊が皮膚の引張り強さを低下させ、皮膚の皺と弛緩とを生じさせる。ヒトを対象とする様々な研究は、光損傷(photodamage)の程度の増大に応じてI型コラーゲンが減少することを既に実証している(Kligman,A.,JAMA,(1969),210,pp.2377−2380、Lavker R.,J.Inv.Derm.,(1979),73,79−66、Smith,J.etal.,J.Inv.Derm.,(1962),39,pp.347−350、Shuster,S.et al.,Br.J.Dermatol.,(1975),93,pp.639−643を参照されたい)。更に、太陽光に露出された皮膚において皺の組織微細構造とコラーゲンレベルの低下との間に何らかの相関があることが報告されている(Chen,S.;Kiss.I.,J.Inv,Derm.,(1992),98,975−978を参照されたい)。Voorheesらは、光損傷を受けたヒトの皮膚におけるI型コラーゲンが、トレチノインを使用した局所的治療によって回復することを実証することによって、上記の発見を支持している。Christopher,E.,et al.,The New Eng.Jou.of Medicine(1993),329,pp.530−535を参照されたい。これらの結果は、レチン酸がI型コラーゲンを回復させることの最初の生体内的証拠を与える。数多くの病因学的研究は、コラーゲン合成効果と皺を目立たなくする効果の両方が並行して得られることを示した。コラーゲン刺激による皮膚マトリックスの強化が脂肪性浮腫の治療に何らかの有効な効果をもたらすだろうと考えられている。米国特許第5,051,449号(Kligman)を参照されたい。【0055】材料と方法Nakagawa,et al.,J.Inv.Derm.,(1989),93,pp.792−798と、Jutley,J.K.et al.,Matrix,(1993)13,pp.235−241とによって略述されているプロトコルに僅かな変更だけを加える形で、このプロトコルに概ね従って実験を行った。培地をGIBCOから入手し、プラスチック製培養皿をCostarから入手した。ヒトの皮膚線維芽細胞(Clonetics又はATCC)を最少必須培地(MEM)+10%ウシ胎児血清(FBS)中で培養した。典型的には、第6から第9までの継代に対して実験を行った。皮膚同等物をCeltrix Corpから入手したVitrogen 100(精製した、ペプシン可溶化ウシ真皮コラーゲン)を使用して調製した。最終濃度が2.5×105 細胞/mLで且つ1.5mg/mLのゲルを得るために、中和したコラーゲンと皮膚線維芽細胞を混合した。その後で、その混合物を、100mL/ウェルのアリコートで非処理96ウェルプレートの中に入れた。そのゲルを37℃で60分間に亙って重合させ、その後でMEM+10%FBSを100μg/mlアリコートで各ウェルに添加した。培養物の無菌状態を定期的に検査し、細胞計数を通常の方法を使用して行った。【0056】培養5%のCO2 と95%の空気から成る雰囲気中で24時間に亙って37℃で細胞を培養した。24時間後に、FBSを伴わない新鮮なMEMを培養物に加え、更に、50μg/mLのアスコルビン酸とフィチン酸とを加えた。試験皿に2種類の濃度のフィチン酸を追加した。コラーゲン検定ための正の対照として、10μg/mLのトランスフォーミング成長因子−B1(TGF−β)を使用した。更に1日に亙って培養を行った後に、[2,3− 3H]プロリン20mCi/mLと新鮮なアスコルビン酸(50mg/mL)とを培養物に加えた。その後で、試験プレートを更に24時間に亙って培養した。【0057】コラーゲン及びタンパク質合成の測定培養期間の終了時に、50mM HCl(100mL)を使用して上記ゲルを溶解し、60分間に亙って、即ち、そのゲルが完全に溶解し終わるまで、37℃に加熱した。NaOHを使用して中和した後に、サンプルを当初の培養プレートから丸底の高タンパク質結合Elisa 96ウェルプレート(Corning)に移した。そのサンプルを二分し、一方の半数のサンプルでは、Tris−HCl(120mM、pH7.2)と酢酸カルシウム(24mM)を含む緩衝液を加え、総体積を150mLにした。他方の半数のサンプルを細菌コラゲナーゼ(Worthington)と緩衝液とで処理し、こうしたサンプルの両方の組を18時間から24時間に亙って室温に維持した。ウシ血清アルブミン(BSA)(3mg/mL)を担体タンパク質として作用するようにサンプルに加えた。その後で、10%トリクロロ酢酸(TCA)の存在下でサンプルを4℃において30分間に亙って沈殿させ、10分間に亙って2750 RPMで遠心分離した。5% TCA中で更に2回洗浄し、最終的に得られたペレットを50℃の0.1M NaOH(100mL)中に60分間に亙って溶解した。サンプル100mLにシンチバース(scintiverse)5mLを加え、Beckmanシンチレーターで計数した。新たなコラーゲン合成のパーセンテージを、Martensらが説明している式と同様の式を使用して計算した。この式は次の通りである。【0058】コラーゲン%=100%×(b−c/c×5.4+(b−c))(式中、b=取り込まれたプロリンの総量、C=コラーゲンなしに取り込まれたプロリンの総量である。)その後で、データを、対照との相対比較のために更に平均化した。この式は次の通りである。【0059】総コラーゲン増加=「平均総プロリン取り込み量(活性)」×「上記式から計算した相対コラーゲン増加%」/「平均総プロリン(対照)」×「上記式から得た相対コラーゲン増加%」イノシトールリン酸(フィチン酸)で処理した線維芽細胞培養によるコラーゲン合成刺激活性を調べた。フィチン酸をAldrich Chemicalsから購入した。様々な濃度のフィチン酸を皮膚等価検定(dermal equivalent assay)で試験した。試験結果を正規化するために、各々の実験を対照と比較した。得た結果を表1に示す。【0060】【表1】【0061】0.005%での増加は対照に比較して統計学的に有意であった。【0062】実施例2下記の表2の式Aから式Cは、本発明の方法で使用する典型的な組成物である。【0063】【表2】【0064】【表3】【0065】本明細書で示し説明した本発明の特定の形態が、本発明を例示することだけを意図するものであることを理解されたい。本明細書で示したものに限定されない変更を、本明細書の開示内容から逸脱することなしに上記の実施態様に対して行うことが可能である。従って、本発明の全範囲の確定に関しては特許請求の範囲を参照されたい。 0.5重量%から30重量%のフィチン酸と70重量%から99.5重量%の化粧品上許容可能な担体を含む、皮膚のコラーゲン合成を増加して脂肪性浮腫低減させるための化粧品組成物。 前記フィチン酸が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、C2−C12アルカノールアンモニウム塩から成る群から選択されるフィチン酸の水溶性塩である請求項1に記載の化粧品組成物。 キサンチンを更に含む請求項1に記載の化粧品組成物。 α−ヒドロキシ酸を更に含む請求項1に記載の化粧品組成物。


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